説明

刺繍縫い可能なミシン

【課題】 刺繍縫いを従来より広い範囲で行うことができ、且つミシンの内部機構が占有するスペースを極めて有効に使用することができる刺繍縫い可能なミシンを提供する。
【解決手段】 ベースキャリッジ5に中間キャリッジ6が、該中間キャリッジ6に先端キャリッジ7がそれぞれY方向に往復動自在に設けられ、前記ベースキャリッジ5には、第1ガイド輪8a,8bに巻き掛けてモータにより駆動する第1ループ状ベルト9が備えられ、該第1ループ状ベルト9の回動にて前記中間キャリッジ6が往復動すること。該中間キャリッジ6には第2ガイド輪10a,10bに巻き掛けられてなる第2ループ状ベルト11が装着され、該第2ループ状ベルト11の両第2ガイド輪10a,10b間における正逆異なる方向に移動する2つの適宜のベルト部位の一方側に前記ベースキャリッジ5が,他方側に先端キャリッジ7がそれぞれ連結固着されてなること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺繍縫い可能なミシンに関し、刺繍縫いを広い範囲で行うことができ、且つミシンの内部機構が占有するスペースを極めて有効に使用することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
刺繍縫い可能なミシンでは、刺繍枠をベース上でX−Y方向に移動させるための刺繍枠駆動装置が前記ベースの内部に収納されているか或いは刺繍枠駆動装置を外付けの筐体に収納してミシン機枠に着脱可能に装着されるようになっている。
この刺繍枠駆動装置は、一般にX−Y方向の移動動作を行わせるためのX−Y方向のガイドレールや該ガイドレールに従って移動する走行部、モータ,ベルト,歯車、これらの駆動源等から構成されている。
【0003】
そして、ベース内に納められる刺繍枠駆動装置では、刺繍枠を装着するキャリッジ部分がミシン本体の外部に突出し、該キャリッジに刺繍枠が装着され、前記刺繍枠駆動装置が始動することにより、刺繍枠をX−Y方向に適宜に移動し、刺繍枠に取り付けられた布地に刺繍縫いが行われ、刺繍が施される仕組みとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような刺繍枠の駆動装置の移動範囲はミシン本体のサイズや駆動装置自体のサイズに限定される。例えば刺繍枠駆動装置をベース内部に納める構成のものではベースの内部サイズ以上に移動させることは不可能である。また、刺繍枠駆動装置を外付け筐体に収納してミシン機枠に装着する構成の場合にもガイドレールなどのサイズが筐体のサイズにより制限されるため、移動範囲は限定されたものになる。そのため刺繍縫い可能なミシンでは、ベースサイズや外付け筐体の大きさ以上の広い範囲での刺繍縫いを行うことができず、一度の作業では大きな刺繍を施すことができなかった。
【0005】
この点を解決するために、刺繍縫いをより広い範囲で行うために、ミシンの下部を大型化して、その内部スペースを広げることや、外付け筐体の拡大により、刺繍枠駆動装置のX−Y方向におけるガイドレールを長くし、キャリッジの移動範囲を拡大すること等が考えられている。
【0006】
しかし、上記のような構成を盛り込むことにより、ミシン本体が大型化し、重量も増加し、収納,持ち運び等の面で一般家庭では全く不向きとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決するためになされたもので、請求項1の発明は、刺繍対象物である布を保持する刺繍枠と、該刺繍枠をミシンの針の上下動に調時してミシン本体の幅方向であるX方向に移動させるX方向駆動装置と、該刺繍枠をミシンの針の上下動に調時して前記X方向に略直交するミシン本体の奥行き方向であるY方向に移動させるY方向駆動装置と、を備えた刺繍縫い可能なミシンにおいて;前記X方向駆動装置とY方向駆動装置はミシン本体内に収納され、前記X方向駆動装置が;ミシン本体内においてX方向に往復移動可能なベースキャリッジと、該ベースキャリッジをX方向に往復移動させるX方向駆動源と、を備え、前記Y方向駆動装置が;前記ベースキャリッジと共にX方向に移動し、且つミシン本体内においてY方向に往復移動し、該移動によりミシン本体内からミシン本体外へY方向に進退する中間キャリッジと、該中間キャリッジをY方向に往復移動させるY方向駆動源と、該中間キャリッジの移動に伴って移動し且つ中間キャリッジの移動により駆動され、該中間キャリッジに対して更にY方向に往復移動し、ミシン本体内からミシン本体外にY方向に進退する先端キャリッジと、前記先端キャリッジの先端部に設けられ、前記刺繍枠を装着する刺繍枠取付部と、を備え、更にミシン本体には、前記中間キャリッジと前記先端キャリッジがミシン本体内からミシン本体外へY方向に進退し且つX方向に移動するためのガイド溝孔が形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
以上の構成において、XY方向駆動装置は、基本的にミシン本体のベース内に納められており、このような制約があっても、上記構成により、ミシン本体のサイズを超えた刺繍枠の広範囲の移動が可能になる。
【0009】
また、ミシン本体から進退するのは、先端キャリッジと中間キャリッジのみであり、他の構成はミシン本体外に突出することがないため、本体外に露出する可動部が少なく、安全性が高いうえ、外観も優れたものになる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、ミシン本体の外観図、図2はベース2の平断面図であり、X及びY方向の駆動装置Aがベース2内に納められている。
ミシン本体のアーム機枠1内には、ミシンの通常の動作を行うための駆動軸及び針棒が装着され、駆動軸の回転により針棒が上下動する。
ここではミシン本体の幅方向をX方向、奥行き方向をY方向とする。
【0011】
駆動装置の刺繍枠取付部20は、ミシン本体のベース2のY方向の後方に設けられ、ガイド溝孔2aからミシン本体の外部に延出し、X方向とY方向に駆動装置により移動されるようになっている。刺繍枠取付部20には刺繍枠21が取り付けられるようになっている。なお、ベース2aからは中間キャリッジ6と先端キャリッジ7も進退可能になっている。
【0012】
該駆動装置Aは、図2に示すように、ベースキャリッジ5,中間キャリッジ6及び先端キャリッジ7とから構成される。まず、ベースキャリッジ5は、X方向駆動モータ19によりベース2に支持されてX方向にのみ移動するものである。
【0013】
ベースキャリッジ5は、図3に示すように、平板状のベース板部5aと第1ガイドレール5b及びモータ装着部5cから構成されている。そのベース板部5aは、略平坦状をなしており、該ベース板部5a上を後述する中間キャリッジ6が往復動することができるようになっている。
【0014】
第1ガイドレール5bは、二種類が存在し、その一方は軸状レール5b1 である。該軸状レール5b1 は、その軸方向がY方向に沿って配置されたものであり、具体的には断面円形状とした軸部材をなしており、前記ベース板部5aに形成された軸受け片5a1 ,5a1 により支持されている。該軸受け片5a1 ,5a1 は、ベース板部5aの一部を折り曲げた立ち上げ部に形成されたものである。
【0015】
また、他方のガイドレールは立上り状レール5b2である。前記ベース板部5aの一辺から略垂直状の立上り側面が形成され、その頂部箇所からベース板部5a側に水平状に屈曲形成され、これが前記軸状レール5b1 に平行でY方向に沿って連続する立上り状レール5b2 となっている。
【0016】
ベース板部5aには、2つの第1ガイド輪8a,8bと,両第1ガイド輪8a,8bに巻き掛けられた第1ループ状ベルト9とが備えられている。その両第1ガイド輪8a,8bは、ベースキャリッジ5のY方向に同軸となるように配設され、中間キャリッジの移動量を確保するだけの距離離してベース板部5aの略両端箇所に装着されている。
【0017】
第1ガイド輪8a,8bの一方がY方向駆動モータ15に歯車機構部14を介して連結された駆動輪であり、そして、他方が従動輪となる。図3に示されたものでは第1ガイド輪8aを駆動輪とし、第1ガイド輪8bを従動輪としている。
【0018】
前記Y方向駆動モータ15は、ベース板部5aの上面側に配置され、前記歯車機構部14は、ベース板部5aの裏面側に配置される。前記歯車機構部14は、複数の歯車から構成された減速機構となっており、Y方向駆動モータ15の回転運動を第1ガイド輪8aに伝達し、該第1ガイド輪8a,8bに巻き掛けられた第1ループ状ベルト9を正逆両方向に回転させるように構成されている。
【0019】
中間キャリッジ6は図4に示すようにガイド受部6c、6c、6cを介して軸状レール5b1、立上り状レール5b2上にスライド可能に装着されている。
中間キャリッジ6は、主に略偏平直方体状(筒状)の中間本体部6aと、その内部に装着された第2ガイドレール6bと、第2ループ状ベルト11を備えている。該中間キャリッジ6は、前記ベースキャリッジ5に装着された第1ループ状ベルト9に連結部6dにより連結されており、該第1ループ状ベルト9の移動により、ベースキャリッジ5上をY方向に往復動することができるようになっている。
【0020】
該ガイド受部6cは、前記軸状レール5b1 と立上り状レール5b2 に対してそれぞれ係合可能な形状となっている。具体的には、前記軸状レール5b1 に係合するガイド受部6cは、軸受タイプであり、軸状レール5b1 が貫通する貫通孔が形成された立上り板状をなしている。その貫通孔の周囲は軸状レール5b1 に対して滑りが良好なものとなるように、軸受部材が装着されることもある。また立上り状レール5b2 に係合するガイド受部6cは、二股部位が立上り状レール5b2 を略挟持するタイプとなっている。
【0021】
中間キャリッジ6には、Y方向両側箇所に第2ガイド輪10a,10bがY方向同軸となるように装着されており、該第2ガイド輪10a,10bに第2ループ状ベルト11が巻き掛けられている。第2ガイド輪10a,10bは、中間本体部6aの底面に回転可能に装着されている。
【0022】
該第2ループ状ベルト11のガイド輪間において対向する2つのベルト部位の一方側の所定の箇所と前記ベースキャリッジ5とが連結されている。具体的には、図4(B)に示すようにベースキャリッジ5のベース板部5a上に装着された連結部材12を介して、ベースキャリッジ5と第2ループ状ベルト11と固定されている。この連結箇所を固定連結部位Faとする。
【0023】
中間本体部6aの底面には移動用貫通部6a1が設けられており、図3に示すように前記ベースキャリッジ5上に装着された連結部材12がここを貫通し、第2ループ状ベルト11と連結して固定連結部位Faを構成している。該移動用貫通部6a1 の長さは、中間キャリッジ6のY方向ストロークの長さ以上確保されているる。
【0024】
中間キャリッジ6がベースキャリッジ5上をY方向に沿って往復動するときに、第2ループ状ベルト11は前記固定連結部位Faにて固定されているため、中間キャリッジ6のY方向への移動に対して前記第2ループ状ベルト11は、第2ガイド輪10a,10bを経由して移動する。
【0025】
次に、先端キャリッジ7は、前記中間キャリッジ6に装着され、中間キャリッジ6に対してY方向に往復動する。該先端キャリッジ7は、略偏平直方体状をなし、前記中間キャリッジ6に装着された第2ガイドレール6bに沿って往復動する。
【0026】
具体的には、先端キャリッジ7の先端本体7aの内部に前記第2ガイドレール6bと係合する先端ガイド受部7bが設けられている。、先端ガイド受部7bは第2ガイドレール6bの軸方向に沿って移動可能となっている。先端キャリッジ7の先端部7cには刺繍枠取付部20が装着されるようになっており、該刺繍枠取付部20を介して刺繍枠21が装着される。
【0027】
先端キャリッジ7は、先端本体7aに形成された連結部材13を介して第2ループ状ベルト11に連結している。
この先端キャリッジ7と第2ループ状ベルト11との連結箇所を、連結部位Fbとする。
【0028】
先端本体7aは、筺形状に形成されており、該連結部材13は該先端本体7aの上面から下方に垂下して第2ループ状ベルト11に連結している。
【0029】
前記中間キャリッジ6の中間本体部6aも前述したように同様に筺形状に形成されおり、中間本体部6aが先端本体7aより僅かに大きく、先端本体7aが中間本体部6aの内部に挿入され、先端本体7aがY方向に沿って往復動自在とすることで中間本体部6a自体を先端本体7aの往復動におけるガイドの役目を兼用させている。
【0030】
図3に示すように、前記歯車機構部14は、従動歯車14aと中間歯車14bとを備え、前記従動歯車14aが前記第1ガイド輪8aと同軸且つ共に回転するように装着されている。また、前記Y方向駆動モータ15は、その回転軸が前記ベースキャリッジ5のモータ装着部5cを貫通して、裏面側に突出している。該回転軸に固着された駆動歯車と中間歯車14bとが噛み合うように構成されている。
【0031】
その中間歯車14bが前記従動歯車14aと噛み合い、Y方向駆動モータ15の回転により、駆動歯車、中間歯車14b,従動歯車14aを介して第1ガイド輪8aが回転し、両第1ガイド輪8a,8bに巻き掛けられた第1ループ状ベルト9が駆動される。。
【0032】
第2ループ状ベルト11の第2ガイド輪10a,10b間において対向する2つのベルト部位の一方の適宜の位置は固定連結部位Faを介して前記ベースキャリッジ5に連結され,他方側に連結部位Fbを介して先端キャリッジ7がそれぞれ連結固着されている。
【0033】
また固定連結部位Fa,連結部位Fbとは第2ガイド輪10a,10b間のそれぞれ異なるガイド輪に近接して配置されるように連結固着されることが好ましい。このような位置関係によって、固定連結部位Faと可動連結部位Fbとは、第2ループ状ベルト11のY方向に沿って相互に反対方向へ有効なるストロークを得ることができる。例えば図5(A)において固定連結部位FaはY方向の先端位置、連結部位FbはY方向の後端位置に位置しており、この構成により図5(C)に示すように連結部位Fbの移動距離を長くすることができる。
【0034】
また、上記のようにしたことで、前記ベースキャリッジ5に対して中間キャリッジ6が送り出されるように移動するときには、先端キャリッジ7も中間キャリッジ6と同一方向に移動することになる。また、その反対に中間キャリッジ6がベースキャリッジ5に収納される方向に移動するときには、先端キャリッジ7も中間キャリッジ6に収納される方向に移動することができる。
【0035】
X方向駆動装置は、図2及び図3に示すようにX方向ガイドレール16と、X方向駆動ベルト17aと、2つのX方向プーリ17b ,17b と、前記X方向ガイドレール16に係合するX方向走行部材18と、前記X方向駆動ベルト17aを回動させるX方向駆動モータ19とから構成されている。そのX方向走行部材18は、前記ベースキャリッジ5のベース板部5aの裏面側に装着されている。
【0036】
前記X方向プーリ17b ,17b の内の一方は、X方向駆動モータ19にを介して回転駆動し、X方向駆動ベルト17aは、両X方向プーリ17b ,17b 間にて回動する。そのX方向駆動ベルト17aと前記X方向走行部材18とが適宜の部位にて連結固着され、X方向駆動ベルト17aの回動に伴ってX方向走行部材18がX方向にスライド移動することができる構造となっている。
【0037】
X方向走行部材18には前記X方向ガイドレール16が貫通するガイド孔部が形成され、該ガイド孔部にX方向ガイドレール16が貫通しX方向走行部材18が摺動するようになっている。前記Y方向駆動モータ15とX方向駆動モータ19とは、ミシン本体に装着された制御部からの命令信号に従って駆動し、刺繍枠21にX−Y方向における所定の動作を与えるものである。
【0038】
前述したようにベース2には、刺繍枠取付部20と中間キャリッジ6及び先端キャリッジ7が外部に突出し、Y方向に進退し、またX方向に移動するためのガイド溝孔2aが形成されている(図2)。ガイド溝孔2aは、ベース2の背面側に形成され、このガイド溝孔2aに沿って、刺繍枠取付部20がX方向に移動し、且つY方向に進退する。また中間キャリッジ6及び先端キャリッジ7もベース2aからY方向に進退する。この動作により刺繍枠取付部20に取り付けられた刺繍枠21がX−Y方向に移動する。
【0039】
なお図3(B)に示すように、前記第1ループ状ベルト9は、歯付きベルトが使用され、第1ガイド輪は8a,8b前記歯付きベルトの歯面側に対応する歯溝が形成された歯車状のものが使用されることもある。なお、前記第2ループ状ベルト11は、中間キャリッジ6の移動時に、ループ状ベルトが第2ガイド輪10a,10bの周りを回って移動することを要件とするものである。このため第2ループ状ベルト11を平ベルト、Vベルト或いはワイヤー状のものが使用されることがある。
【0040】
また上記実施形態では中間キャリッジ6と先端キャリッジ7の組みあわせによる増幅機構を一段設けているだけであるが、必要に応じて多段にしてY方向の延出距離を増大することも可能である。
【作用】
【0041】
図5によりベースキャリッジ5,中間キャリッジ6及び先端キャリッジ7の動作について説明する。
中間キャリッジ6は、ベースキャリッジ5と共にX方向に移動し且つベースキャリッジ5上をY方向に移動する。この中間キャリッジ6の先端側は、ベース2から進退するが、基部側(第2ガイド輪10a側)は、ベース2内部でのみ移動する。従って、中間キャリッジ6の移動量はX方向及びY方向共に、ミシン本体のベース2内のサイズと同じかそれ以下となる。
この中間キャリッジ6のY方向移動量は、先端キャリッジ7において増幅され、ベース2内のサイズに規定された移動量以上の移動量を得られる。
【0042】
これを詳細に説明する。まず、中間キャリッジ6はベースキャリッジ5に装着されたY方向駆動モータ15と第1ループ状ベルト9によりY方向に往復動する。(図5a−c)
第2ループ状ベルト11は固定連結部位Faがベースキャリッジ5に係止されているため、中間キャリッジ6がY方向に移動すると、第2ループ状ベルトは、ガイド輪10a,10bの周囲を回動する。
【0043】
この第2ループ状ベルト11の回動により前記連結部位Fbは、中間キャリッジ6の移動方向と同じ方向で、且つ第2ループ状ベルト11の回動量が中間キャリッジ6の移動量に加算されて移動する。この結果先端キャリッジ7は中間キャリッジ6の移動方向と同じ方向で、且つ第2ループ状ベルト11の回動量が中間キャリッジ6の移動量に加算されて移動する。この先端キャリッジ7の移動は、中間キャリッジ6の動作開始とともに開始し、中間キャリッジ6の停止とともに停止する。
【0044】
第2ループ状ベルト11が第2ガイド輪10a,10bの周りを回動した回動量は中間キャリッジ6の移動量に相当する。したがって、中間キャリッジ6のストローク量をSとすると、先端キャリッジ7のストローク量は(2×S)となる。
【0045】
例えば、図5に示すように中間キャリッジ6の先端側の第2ガイド輪10bの中心を中間キャリッジ6の移動点Qとすると、中間キャリッジ6がベースキャリッジ5に収納された状態(A)から最大に突出した状態(C)の時の移動点Q即ち、中間キャリッジ6の移動量は前記ストローク量Sとなる。
【0046】
これに対して、先端キャリッジ7の先端部7c箇所を移動点Pとすると、先端キャリッジ7がベースキャリッジ5に収納された状態(A)から、先端キャリッジ7がベースキャリッジ5から最大に突出したときの状態(C)での移動点P即ち、先端キャリッジ7の移動量は、前記ストローク量(2×S)となる。
従ってミシン本体のベース2内に納められ、その可動範囲を制限された中間キャリッジ6のY方向移動距離を増幅した移動距離が先端キャリッジ7において得られる。
【0047】
次に他の実施形態を説明する。
この実施形態では図6に示すように、ベースキャリッジ44及びスライドキャリッジ47を有し、これらがガイド溝孔2aにおいてX−Y方向に往復移動する。スライドキャリッジ47の端部にはアダプタ取付部47aが設けられ、ここにアダプタ53が取付けられている。このアダプタ53を介して刺繍枠が取り付けられ、スライドキャリッジ47の動作に伴って刺繍枠がベース2上をX−Y方向に移動し、刺繍作業が行われる。
【0048】
その刺繍枠駆動機構部には、一対のX方向レール35、35’と一対のY方向レール36、36’が備わっている。
【0049】
X方向レール35及びY方向レール36は、それぞれのレール軸受部材37,37,…によって軸支されている。また、前記X方向レール35とY方向レール36に沿って、X方向駆動ベルト38、38’及びY方向駆動ベルト39、39’が装着されている。そのX方向駆動ベルト38及びY方向駆動ベルト39は、ベルト輪40,40,…に巻き掛けられ、適正なテンションが与えられている。さらに、ベルト輪40,40,…は、歯車機構を介して連結するモータMにより回転駆動する。
【0050】
そのX方向駆動ベルト38、は、X方向キャリア41をX方向移動させる役目をなし、同様にY方向駆動ベルト39、は、Y方向キャリア42をY方向移動させる役目をなす。そのX方向キャリア41はX方向レール35に装着され、Y方向キャリア42がY方向レール36に装着されている。X方向キャリア41は前記X方向レール35の軸方向に沿ってX方向に往復動自在であり、またY方向キャリア42は前記Y方向レール36の軸方向に沿ってY方向に往復動自在となっている。
【0051】
そのX方向キャリア41は、図9に示すようにそのY方向の両端に位置するX方向摺動部材41a,41bと、その二つのX方向摺動部材41a,41bを連結する連結軸部材41cとから構成される。そして、X方向摺動部材41a,41bは、X方向レール35、35’にそれぞれ摺動自在に装着され、且つ前記X方向駆動ベルト38、38’に連結固着され、該X方向駆動ベルト38、38’の回動にともなって、X方向レール35、35’に沿って往復移動する。
【0052】
Y方向キャリア42も同様に、そのX方向の両端に位置するY方向摺動部材42a,42bと、その二つのY方向摺動部材42a,42bを連結する連結軸部材42cとから構成される。そして、Y方向摺動部材42a,42bは、Y方向レール36のY方向レール36、36’にそれぞれ摺動自在に装着され、且つ前記Y方向駆動ベルト39、39’に連結固着され、該Y方向駆動ベルト39、39’の回動にともなって、Y方向レール36’に沿って往復移動する。
【0053】
図6及び図9に示すようにそのX方向キャリア41の連結軸部材41cとY方向キャリア42の連結軸部材42cとは高さが異なって交差し、その交差する部分にはキャリッジ操作部材43が装着されている。該キャリッジ操作部材43には、前記連結軸部材41cと連結軸部材42cとがそれぞれ貫通して摺動可能なる摺動貫通部が形成されている。
【0054】
該キャリッジ操作部材43は、X方向キャリア41とY方向キャリア42の連結軸部材41cと連結軸部材42cとの交差部分に常時存在することになる。これによって、キャリッジ操作部材43は、X方向レール35、35’とY方向レール36、36’とにより囲まれた所定の範囲内をX−Y方向に移動することができるようになっている。
【0055】
X方向キャリア41には、キャリッジ44がY方向に移動自在に装着されている。キャリッジ44には、さらにそのY方向に沿って移動自在なるスライドキャリッジ47が装着され、前記キャリッジ44とスライドキャリッジ47とからキャリッジが構成される。そのキャリッジ44は、前記キャリッジ操作部材43に固着されて、キャリッジ操作部材43の動作に伴ってX−Y方向に移動することができるようになっている。
【0056】
X方向キャリア41のX方向摺動部材41aには、凹形状溝形のキャリッジガイド41dが形成され、該溝形状部にキャリッジ44が幅方向に納められるようになっている。
【0057】
そのキャリッジ44には、第一ガイド輪45a及び第二ガイド輪45bとが適宜の間隔をおいY方向に沿って回動自在に装着されている。その第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bがY方向に沿って適宜の間隔を有し、且つX方向には両ガイド輪45a,45bの接線が共通で且つY軸に一致するようにガイド輪の輪軸がずれて装着されている。
【0058】
その第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bには、紐状のベルト49が略偏平S字形状を構成するようにして折り返し状に巻き掛けられている。該ベルト49の端部は、前記X方向キャリア41のX方向摺動部材41a,41bに連結固着されている。ここで、その紐状のベルト49のX方向摺動部材41a,41bへの固着箇所を連結固着部49a,49bとする。したがってベルト49の両端部はY方向には移動せずに固定されており、第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bはキャリッジ44と共にY方向に移動するように構成されている。
【0059】
紐状のベルト49は連結固着部49aから第一ガイド輪45aに巻き掛けられて折り返してから第二ガイド輪45bに巻き掛けられて折り返して連結固着部49bで連結固着されている。
【0060】
紐状のベルト49の第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bとの間に位置する区間の紐状のベルト49は、キャリッジ44のY方向に一致(略一致も含む)していることが必要である。
【0061】
図7、図8及び図9に示すようにキャリッジ44には、Y方向に沿って2本のスライドガイド軸46,46がキャリッジ44の幅方向(X方向幅)に適宜の間隔をおいて装着されている。このスライドガイド軸46,46は、以下に述べるスライドキャリッジ47をキャリッジ44のY方向に往復移動させるためのガイドの役目をなしている。
【0062】
図8に示すようにスライドキャリッジ47側には、前記スライドガイド軸46,46が嵌挿するスライド軸受48が装着されている。このスライド軸受48がスライドガイド軸46,46に沿って移動することにより、スライドキャリッジ47がキャリッジ44のY方向に沿って正確に移動することができるようになっている。
【0063】
該スライド軸受48は固着部Fにおいてベルト49に連結固着される。固着部Fは前記第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bとの間に位置している。
【0064】
図10に示すようにベルト49の連結固着部49aと第一ガイド輪45aとの間の区間における紐状のベルト49と、第二ガイド輪45bと連結固着部49bとの間の区間における紐状のベルト49は、キャリッジ44のY方向移動に対して停止状態となる。
【0065】
また、第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bとの両折り返し区間に位置する紐状のベルト49の固着部Fと連結される固着部は、キャリッジ44のY方向への移動に伴い、第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bとのまわりを回って、キャリッジ44の移動方向と同一方向且つキャリッジ44の移動量と同一の移動量で移動する。
【0066】
その結果、キャリッジ44がY方向に移動するときには、キャリッジ44に対してスライドキャリッジ47がキャリッジ44の移動量に紐状のベルト49の移動量が加算されて移動する。そして、同様にベースキャリッジ44がミシン本体の内部に引き込むときには、スライドキャリッジ47もベースキャリッジ44とともに引き込む構造となっている。
【0067】
このように、キャリッジ44の移動量と紐状のベルト49の移動量が加算されるから、スライドキャリッジ47のY方向への移動量はキャリッジ44の移動量の2倍となる。
【0068】
そして、図11に示すようにガイド溝孔2aからキャリッジ44とスライドキャリッジ47が完全に迫り出した総合長さLは、ベースキャリッジ44の迫り出し量Laと、スライドキャリッジ47のベースキャリッジ44先端からの迫り出し量Lbとの合計長さとなる。
【0069】
なお、図9(b)に示すように前記紐状のベルト49及び第一ガイド輪45a,第二ガイド輪45bにおいて、その紐状のベルト49が第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bの周囲を回動するのを補助するためにはガイド輪は回転可能にすることが好ましい
【0070】
また、第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bとはプーリーとしており、紐状のベルト49はワイヤーとすることも可能である。
【0071】
図12は、第二ガイド輪45bの回転面を垂直方向にしてスライドキャリッジ47に装着した実施例である。該実施例においては、第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bに対して紐状のベルト49の巻き掛けは、前述の折り返し巻き掛けタイプと同等であるが、前記第二ガイド輪45bが垂直面上に回動することにより両連結固着部49a,49bが高さ方向に位置が異なる。
【0072】
次に、他の実施形態を図13により説明する。該実施形態では、X方向キャリア41上にスキャリッジ駆動用ベルト機構部が装着され、該キャリッジ駆動用ベルト機構部を介してキャリッジ44がY方向に移動する構造としたものである。該キャリッジ駆動用ベルト機構部は、キャリッジ駆動用ベルト部50,ジョイント部材51及びキャリッジ駆動用モータ52から構成されている。
【0073】
キャリッジ駆動用ベルト部50は、駆動用ベルト50aと二つのプーリ部50b,50bとから構成され、その駆動用ベルト50aがキャリッジ44のスライド方向に沿って回動するようにX方向キャリア41上に装着されている。さらに、一方のプーリ部50bは、キャリッジ駆動用モータ52により回転駆動するものである。
【0074】
駆動用ベルト50aとキャリッジ44とはジョイント部材51により連結されており、駆動用ベルト50aの回動に伴って、キャリッジ44がX方向キャリア41上をY方向に往復移動することができるようになっている。前記キャリッジ駆動用モータ52は、ミシン本体内に組み込まれた制御部からの指令により刺繍作業時に適宜駆動する仕組みとなっている。なお、この実施形態では、キャリッジ44のY方向における移動は、キャリッジ駆動用ベルト機構部により行われるので、前述したY方向キャリア42,Y方向レール36、36’は装備されていない。
【0075】
次に図6の実施形態に更に中間支持部材60を備えた実施形態を説明する。図中図6と同一の構成のものには同一の番号を付してあり、説明は省略する。
図14及び図15においてキャリッジ44には、Y方向の先端部分に摺動ガイド部44aが形成されている。該摺動ガイド部44aには、二つのスライドガイド孔44a1 、44a1 が適宜の間隔をおいて形成され、後述するスライドキャリッジ57がY方向に往復移動するためのガドの役目をなしている。
【0076】
そのスライドキャリッジ57は、枠支持部57aと摺動自在な2本の摺動軸57bとからなり、枠支持部57aから二本の摺動軸57b,57bが平行に設けられている。両摺動軸57b,57bは、前記スライドガイド孔44a1 、44a1 に挿入され、摺動軸57b,57bの他端側にはストッパー部材57cが設けられている。該ストッパー部材57cによりスライドキャリッジ57が前記摺動ガイド部44aから脱落することを防止する。
【0077】
スライドキャリッジ57は、前記第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bとの両折り返し区間に位置する紐状のベルト19の適宜の箇所である固着部F2において、ストッパー部材57cを介してベルト19と連結されている。
【0078】
紐状のベルト49の連結固着部49aと第一ガイド輪45aとの間の区間における紐状のベルト49と、第二ガイド輪45bと連結固着部49bとの間の区間における紐状のベルト49は、キャリッジ44のY方向移動に対して停止状態となる。また、第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bとの両折り返し区間に位置する紐状のベルト49の固着部F2と連結される固着部は、キャリッジ44のY方向への移動に伴い、第一ガイド輪45aと第二ガイド輪45bとのまわりを回って、キャリッジ44の移動方向と同一方向且つキャリッジ44の移動量と同一の移動量で移動する。
【0079】
次に、中間支持部材60について説明する。図15及び図16に示すように、前記ベースキャリッジ44の摺動ガイド部44aには、前述したスライドガイド孔44a1 、44a1 とともに支持ガイド孔44a2 ,44a2 が形成されている。
【0080】
その中間支持部材60は、中間支持部60aと2本の中間支持軸60b,60bとから構成されており、中間支持軸60b,60bは平行である。また中間支持部60aには、スライドキャリッジ57の摺動軸57b,57bが貫通する摺動軸支持孔60a1 ,60a1 が形成され、中間支持部60aと摺動軸57b,57bとが相互に摺動自在なる構成となっている。
【0081】
その中間支持部材60の中間支持軸60b,60bは、スライドガイド孔44a1 、44a1 を摺動自在に貫通し、その中間支持軸60b,60bの端部はキャリッジ44上に形成された軸受部材14c,14cに摺動自在に支持され中間支持部材60がキャリッジ44に対して安定した移動ができるようにしている。
【0082】
キャリッジ44上には、出入部材61が設けられており、該出入部材61と前記中間支持軸60b,60bとが固着点F1 にて固着される。即ち、中間支持軸60b,60bと出入部材61とは固着点F1 により略一体化されたもので、出入部材61が中間支持部材60とともにキャリッジ44上を移動する構成となっている。その出入部材61には歯車62が回動自在に設けられている。
【0083】
スライドキャリッジ57には、移動ラック63が装着されている。この移動ラック63は、スライドキャリッジ57の枠支持部57aとストッパー部材57cのみに固着され、スライドキャリッジ57の移動とともに移動ラック63が移動する構成となっている。
【0084】
一方キャリッジ44には、固定ラック64が装着されている。該固定ラック64は前記移動ラック63と平行であり、前記歯車62を挟む構成となっている。固定ラック64は、摺動ガイド部44aの上面と軸受部材44c、44cの上面との間に配置されている。そして、図7に示すようにスライドキャリッジ57がY方向に移動するときに、移動ラック63もスライドキャリッジ57の移動速度と同一速度で移動し、移動ラック63と固定ラック64との間に挟まれた歯車62が回転し、この回転により歯車62が移動し、出入部材61及び中間支持部材60も移動するようになっている。
【0085】
移動ラック63の移動量Tに対して、歯車62の中心位置,即ち出入部材61への装着箇所の移動量は(1/2)Tとなるように設定してある。
【0086】
図17に示すように、上記構成により前述したように歯車62は、固定ラック64に対して移動するので、歯車62が装着されている出入部材61も歯車62の移動速度とともに移動し、出入部材61とともに中間支持軸60b,60bが移動し、該中間支持軸60b,60bの移動によって中間支持部材60がスライドキャリッジ57とともにY方向に移動する。
【0087】
このとき、中間支持部材60の移動速度は、スライドキャリッジ57の移動速度の半分であり、中間支持部60aは常時、スライドキャリッジ57の突出長さの中間に位置し、スライドキャリッジ57が突出したときの垂直方向の垂れを最小限に抑えることができる。
【0088】
上記構成によれば、スライドキャリッジ57とともに中間支持部材60がせり出して、該スライドキャリッジ57の突出中間箇所付近を支持するため、スライドキャリッジ57がキャリッジ44の先端から突出しても、スライドキャリッジ57が垂直方向に垂れる量を最小限にし、Y方向移動動作を安定させることができる。
また中間支持部材60がスライドキャリッジ57の突出量の略半分の位置を常時支持するように構成しているため、最も安定性を有する支持状態とすることができる。
【0089】
<発明の効果>
以上説明したように、本発明の刺繍縫い可能なミシンによれば、ミシン本体のサイズに制限される刺繍枠の移動範囲を拡大することが可能になり、従来よりも広い範囲の刺繍縫いを実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の刺繍縫い可能なミシンの一実施形態の外観斜視図
【図2】本発明の一実施形態におけるベース2部分の平断面図
【図3】本発明の一実施形態における駆動装置の平面拡大図
【図4】本発明の一実施形態におけるベースキャリッジ5、中間キャリッジ6及び先端キャリッジ7の部分拡大斜視図、
【図5】本発明の一実施形態の動作説明図
【図6】本発明の他の実施形態の刺繍枠駆動機構部の斜視図
【図7】本発明の他の実施形態の平面図
【図8】本発明の他の実施形態のキャリッジと一部切除したスライドキャリッジとを組み合わせ斜視図
【図9】(A)は本発明の他の実施形態のキャリッジとスライドキャリッジとを組み合わせたX方向キャリアとY方向キャリアに装着した状態の斜視図、(B)はベルトを歯付きベルトとした実施形態の要部拡大断面図
【図10】(A)は本発明の他の実施形態のキャリッジが初期位置におけるベルトの固着部の位置を示す作用図、B)はキャリッジが所定の距離を移動したときのベルトの固着部の位置を示す作用図
【図11】(A)は本発明の他の実施形態のキャリッジ,スライドキャリッジが初期位置にある状態図、(B)はキャリッジ,スライドキャリッジが移動を開始した状態図、(C)はキャリッジ,スライドキャリッジが最大限移動した状態図
【図12】(A)は本発明の他の実施形態の別のベルトの巻き掛け構造を有するキャリッジとスライドキャリッジとを組み合わせた実施例の一部切除した斜視図、(B)は(A)の一部断面にした平面図
【図13】本発明の他の駆動機構を示す斜視図
【図14】本発明の更に他の実施形態における構造を有するキャリッジとスライドキャリッジを組み合わせた斜視図
【図15】(A)は本発明の更に他の実施形態におけるキャリッジとスライドキャリッジとの組み合わせた斜視図、(B)はキャリッジからスライドキャリッジが突出した状態の斜視図、(C)はベルトを歯付きベルトとした実施形態の要部拡大断面図
【図16】(A)は本発明の更に他の実施形態におけるキャリッジとスライドキャリッジとの組み合わせた平面図、(B)はキャリッジからスライドキャリッジが突出した状態の平面図
【図17】(A)は本発明の更に他の実施形態における中間支持部材の動作を示す作動図、(B)は中間支持部材の動作を示す作動図、(C)は中間支持部材の動作を示す作動図
【符号の説明】
【0091】
1:アーム機枠、
2:ベース、
2a:ガイド溝孔、
5:ベースキャリッジ、
5a:ベース板部
5b:第1ガイドレール
5c:モータ装着部
5a1、5a2:軸受片
5b1:軸状レール
5b2:立上り状レール
6:中間キャリッジ、
6a:中間本体部
6b:第2ガイドレール
6c:ガイド受部
6d:連結部
6a1:移動用貫通部
7:先端キャリッジ
7a:先端本体
7b:先端ガイド受部
7c:先端部
8a,8b:第1ガイド輪
9:第1ループ状ベルト
10a,10b:第2ガイド輪
11:第2ループ状ベルト
12:連結部材
13:可動連結部材
14:歯車機構
14a:被駆動歯車
14b:駆動歯車
15:Y方向駆動モータ
16:X方向ガイドレール
17a:X方向駆動ベルト
17b:X方向プーリ
18:X方向走行部材
19:X方向駆動モータ
20:刺繍枠取付部、
21:刺繍枠、
35:X方向レール、
36:Y方向レール、
37:レール軸受部材、
38:X方向駆動ベルト、
39:Y方向駆動ベルト、
40:ベルト輪、
41:X方向キャリア、
41a、41b:X方向摺動部材、
41c:連結軸部材、
41d:キャリッジガイド、
42:Y方向キャリア、
42a、42b:Y方向摺動部材
42c:連結軸部材
43:キャリッジ操作部材、
44:キャリッジ、
44a:摺動ガイド部
44c:軸受部材
44a:摺動ガイド孔
44a1:スライドガイド孔
44a2:支持ガイド孔
45a:第一ガイド輪
45b:第二ガイド輪
46:スライドガイド軸、
47:スライドキャリッジ、
47a:アダプタ取付部、
48:スライド軸受、
49:ベルト、
49a、49b:連結固着部、
50:キャリッジ駆動用ベルト部、
50a:ベースキャリッジ駆動用ベルト、
50b:プーリ部、
51:ジョイント部材、
52:キャリッジ駆動用モータ、
53:アダプタ
57:スライドキャリッジ
57a:枠支持部
57b:摺動軸
57c:ストッパ部材
60:中間支持部材
60a:中間支持部
60b:中間支持軸
60a1、a2:中間支持部材
61:出入部材
62:歯車
63:移動ラック
64:固定ラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刺繍対象物である布を保持する刺繍枠と、該刺繍枠をミシンの針の上下動に調時してミシン本体の幅方向であるX方向に移動させるX方向駆動装置と、該刺繍枠をミシンの針の上下動に調時して前記X方向に略直交するミシン本体の奥行き方向であるY方向に移動させるY方向駆動装置と、を備えた刺繍縫い可能なミシンにおいて;
前記X方向駆動装置とY方向駆動装置はミシン本体内に収納され、
前記X方向駆動装置が;
ミシン本体内においてX方向に往復移動可能なベースキャリッジと、
該ベースキャリッジをX方向に往復移動させるX方向駆動源と、を備え、
前記Y方向駆動装置が;
前記ベースキャリッジと共にX方向に移動し、且つミシン本体内においてY方向に往復移動し、該移動によりミシン本体内からミシン本体外へY方向に進退する中間キャリッジと、
該中間キャリッジをY方向に往復移動させるY方向駆動源と、
該中間キャリッジの移動に伴って移動し且つ中間キャリッジの移動により駆動され、該中間キャリッジに対して更にY方向に往復移動し、ミシン本体内からミシン本体外にY方向に進退する先端キャリッジと、
前記先端キャリッジの先端部に設けられ、前記刺繍枠を装着する刺繍枠取付部と、を備え、
更にミシン本体には、前記中間キャリッジと前記先端キャリッジがミシン本体内からミシン本体外へY方向に進退し且つX方向に移動するためのガイド溝孔が形成されている、
ことを特徴とする刺繍縫い可能なミシン。
【請求項2】
前記ベースキャリッジはY方向には移動せず、
前記中間キャリッジには、Y方向に離間して配設された一対のガイド輪と、該ガイド輪に巻き掛けられたループ状ベルトが装着され、
該ループ状ベルトのガイド輪間において対向する2つのベルト部位の一方の適宜の位置に前記ベースキャリッジが,他方側に先端キャリッジがそれぞれ連結され、
中間キャリッジのY方向移動に伴って移動するガイド輪の移動により、前記先端キャリッジが中間キャリッジに対してY方向に移動する、
請求項1に記載の刺繍縫い可能なミシン。
【請求項3】
前記中間キャリッジとY方向駆動源及び先端キャリッジが、前記ベースキャリッジ上に載置されている、
請求項1に記載の刺繍縫い可能なミシン。
【請求項4】
前記中間キャリッジは、前記ベースキャリッジ上をY方向に往復移動し、その基部側はミシン本体内で移動し、その先端側がミシン本体内からミシン本体外へY方向に進退する、
請求項1に記載の刺繍縫い可能なミシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−228555(P2012−228555A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−165194(P2012−165194)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【分割の表示】特願2000−166350(P2000−166350)の分割
【原出願日】平成12年6月2日(2000.6.2)
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】