説明

削岩機用フラッシングヘッドを有する装置及び方法、並びに該装置を備える削岩機

本発明は、軸アダプタ(16)が削岩機の前方部分(14)の空洞部(19)に挿置されるようにされた装置に関わる。かかる装置は、フラッシングヘッド(2)を備えたカートリッジ(1)と軸アダプタ(16)の通路として設計された長手方向通路(5)を形成するように同軸に配置された案内部(3)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削岩機用フラッシングヘッドを有する装置に関するものであり、またそのような装置を備える削岩機に関する。
【背景技術】
【0002】
衝撃削岩機は、基本的には、ピストンを往復運動させるシリンダを備えている。ピストンの衝撃は、ドリル鋼体を介してその自由端部であるドリルビットに衝撃エネルギーを伝達する。ドリル鋼体は、軸アダプタと、1つまたは複数のドリルロッドと、ドリルビットとを備え、それらのすべてが連結継手を備えている。削岩機においては、実装時にドリル鋼体全体がフラッシング媒体用の連続した中央の長手方向通路を備えている。軸アダプタは、削岩機の中央溝内に伸びるよう構成されている。
【0003】
ドリル鋼体の前方端部は、回転しながら岩盤を掘削するよう構成されたドリルビットを備えている。ドリル鋼体の後方端部は、軸アダプタを介して駆動ユニットに接続されている。軸アダプタは、通常、相互に離間して設けた前方案内部と後方案内部とによって削岩機に支持されている。
【0004】
普通掘削機は、前方部分及び後方部分の2つの主要な部分を備えている。現在多くの掘削機には、軸アダプタが実装され、前方案内部は軸アダプタを支持する前方部分に設けられ、また後方案内部は軸アダプタに駆動機能を持たせている後方部分の歯車装置に設けられている。
【0005】
岩盤掘削時、衝撃で破砕された岩盤の粉塵は孔から連続して除去される必要がある。岩盤掘削を可能にするためには、それらの岩盤の粉塵を連続してドリル孔から運び出されなければならない。これは、ドリルビットの適当な通路を通して通過するフラッシング材(空気及び/又は水)によって達成される。切削物(フラッシング媒体と混ざった岩盤の粉塵)は、一般的にロッドと孔壁との間にある空間に運び出される。
【0006】
軸アダプタは軸方向に伸びる内部溝を備えたシリンダとして設計されている。軸アダプタを備える削岩機では、フラッシング媒体はフラッシングヘッド内に供給され、さらに軸アダプタを介しアダプタ溝及び管状ドリルストリングを介してドリルビットへと供給される。
【0007】
フラッシング媒体が掘削機に入り込むのを防ぐために、軸アダプタはフラッシングシールによってフラッシングヘッドに対して密閉されている。このようにして、フラッシング媒体が掘削機に入り込むのを防いで削岩機への被害を阻止している。
【0008】
湿った空気及び時には塩性のフラッシング水を用いた採掘環境においては、フラッシング水が問題を引き起こす。軸アダプタの表面が急速に腐食するようになり、滑動しなければならないフラッシングシールの上部表面が非常に摩耗するようになる。フラッシングシールの比較的短い製品寿命は、削岩機が整備されなければならない重要な1つの理由となっている。
【0009】
特許文献1には、掘削機の前方に設けられるフラッシングヘッドを備える削岩機が記載されている。この構成によると、フラッシングシーリングは、穿孔切削物に対し相対的に保護されるものではなく、その製品寿命を短縮させている。さらに、軸アダプタの前方案内部は、対応する後方案内部に比較的近接して配置されている。このため軸アダプタの案内は安定しない状態にさせている。
【0010】
先行技術の削岩機では、フラッシングヘッドが掘削機の前方部内部に設けられる代わりの解決策がある。この種の削岩機が整備する必要に迫られると、軸アダプタと共に前方部分全体が取り外される。次いで軸アダプタ、フラッシングシールを備えたフラッシングヘッド、及び止めリングを前方部分から取外さなければならない、しかもフラッシングヘッドのフラッシングシールは交換される。
【0011】
整備後、部品は再び装着されなければならない。その後、通常は、フラッシング水を供給するための溝を設けると共に回転動作を回避してその場所に保持するためのピンをフラッシングヘッドに差し込まなければならない。このピンによって、フラッシングヘッドの唯一の正確な位置が決められ、しかもこの位置を見つけるのは困難である。
【0012】
この部分の整備は非常に重労働であり、上述の機械部品を取外し再び装着するのに大変な労力と時間を要する。
【0013】
このように、整備コストを減らす必要が生じている。これらの必要な点は、上述の先行技術による削岩機では達成され得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】DE4317037A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、ハウジング及びハウジング内で前後に移動可能なハンマーピストンを有し、ハンマーピストンによって掘削工具/ドリル鋼体に衝撃を与えるようにされている衝撃削岩装置の整備を容易にすることにある。発明が解決しようとする課題は、フラッシングシール交換時に軸アダプタを取り外す必要性をなくすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の特徴によれば、軸アダプタを備える削岩装置の前方部分の空洞部に挿置されるよう設計された装置が提供される。かかる装置は、フラッシングヘッド及び軸アダプタ用の通路として設計された長手方向通路を形成するよう同軸に設けられた案内部を備えるカートリッジとして設計されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるこの解決手段によって、整備作業中、掘削機の前方部分及び軸アダプタは固定される。従って、前方部分及び軸アダプタを取外す必要性はなくなる。
【0018】
さらにカートリッジは、掘削機の前方部分の空洞部に位置していることによって容易にアクセス可能で且つ容易に取外すことができる。カートリッジの重量は比較的軽量であり、フラッシングシール交換時の取扱いが容易である。
【0019】
その結果、整備作業は複雑でなくなりしかも時間を浪費せず、そりにより整備費用を減少させることになる。
【0020】
用語「前方」及び「後方」の特徴は、掘削機に対して定義された位置のことである。掘削工具は掘削機の前方に配置されている。掘削工具に近接して配置された部分は、掘削工具より僅かに近接して配置された部分の前方にある、すなわち前方部分は後方部分よりも掘削工具により近接して配置されている。
【0021】
「案内部」が意味する特徴は、カートリッジが削岩機の空洞部に取付けられる際に、回転可能な軸アダプタに直接的或いは間接的に接触した状態で配置され、そして軸アダプタの前方端部を支持及び/又は案内する点にある。
【0022】
案内部は、例えばスリーブ、ブッシュ或いは軸受から成っている。案内部は、鋼、青銅、ポリエチレンテレフタレート(PET)或いは他の適当な材料で作られる。代わりに、案内部は、軸アダプタに近接した表面にPETの層を備える。案内部は、鋼、青銅、PET或いは他の適当な材料製である。フラッシングヘッドもまた鋼、青銅、PET或いは他の適当な材料製である。位置決め手段は、例えば鋼製である。
【0023】
材料PETは、熱重合性ポリエステルすなわち部分的に結晶性の熱重合性物質であり、非常に堅固で、摩耗、化学薬品、高温(約220℃まで)にも望ましい仕方で耐えることができる。
【0024】
フラッシング媒体、例えば水のような流体、空気のような気体、泡或いはこれらの混合物は、上述のように掘削中孔の底部に導入される。
【0025】
本発明の特徴によれば、カートリッジは、削岩機すなわち前方部分及び軸アダプタに対してカートリッジを位置決めする円形手段を備えている。この解決手段によって、フラッシングヘッドの方向付けは不必要となり、ピンの必要性がなくなる。この解決手段によって、整備時間が短縮される。
【0026】
本発明の特徴によれば、位置決め手段は、カートリッジ内部で案内部及びフラッシングヘッドを同軸に中央決めするようにされたケーシングを備えている。ケーシングは、整備後、所望の高い取付け精度をもたらすようにされている。
【0027】
フラッシングシールは、フラッシングヘッドと軸アダプタとの間を同軸に密閉するようにフラッシングヘッド内部に配置され、それにより、フラッシング媒体が、掘削中掘削機内部に入り込むことがないようにしている。フラッシングシールの摩耗及び摩耗の度合いは、多くの事柄、例えば取付け精度に関連するものであり、高い取付け精度では減少する。
【0028】
本発明の特徴によれば、ケーシングは、上述と同じ理由から掘削機内にカートリッジを固定する緊締手段を備えている。
【0029】
本発明の特徴によれば、緊締手段は、外部ネジ山を備えている。
【0030】
本発明の特徴によれば、ケーシングは、塵やホコリから案内部を保護するようにされた保護手段を備えている。
【0031】
本発明の特徴によれば、カートリッジは、掘削中重量負荷に晒される前方部分を保護するようにされた保護手段を備えている。
【0032】
本発明の特徴によれば、かかる保護手段は、蓋である。
【0033】
本発明の特徴によれば、カートリッジは、フラッシングヘッドとケーシングとを接続するようにされた取り外し可能な接続手段を備えている。接続手段は、ボルト継手或いはバイオネット継手であることができる。
【0034】
フラッシングヘッドをケーシングに接続した状態で案内部は、以下に説明されるように、ロックされる。それで、カートリッジは1つの部片として取り扱うことができる。未使用のフラッシングシールを備えるカートリッジは収納されて、整備作業中シールを交換するだけではなく、スペア部品として使用することができる。
【0035】
本発明の特徴によれば、フラッシングヘッドは、切頭円錐形に設計されている。これにより、空洞部内にカートリッジを取付ける主な部分が容易となるので、掘削機の空洞部内へのカートリッジの取付けが改善される。位置決め手段が空洞部の入口開口部に到達するまで、大きな力を必要とせずにカートリッジを空洞部内に押し込むことができる。
【0036】
本発明の特徴によれば、フラッシングヘッド及び案内部は、1つの単一部片として構成される。
【0037】
別の代わりとして、フラッシングヘッド及び案内部は、2つの異なる物質製の2つの部片で作られる。別の代わりとして、フラッシングヘッド及び案内部は、同一物質製の2つの部片で構成される。
【0038】
本発明の特徴によれば、フラッシングヘッド、案内部及びケーシングは、1つの単一部片として作られる。それで、蓋は、案内部及びケーシングを保護するのに役立つ。
【0039】
本発明の特徴によれば、空洞部を備える削岩機の前方部分は、カートリッジを備えた装置を受けるよう設計されている。
【0040】
本発明の特徴によれば、削岩装置は、空洞部を備えた前方部分及び空洞部内に受けて取り外し可能に固定されたカートリッジを備えた装置を有し、フラッシングヘッド及び案内部を、完全に削岩機内に配置するようにされる。代わりに、削岩装置は、ハウジング及びハウジング内で前後に移動可能なハンマーピストンを有し、ハンマーピストンによって削岩工具/ドリル鋼体に衝撃を与えるようにされた衝撃削岩機である。
【0041】
本発明の別の特徴によれば、空洞部を設けた前方部分を備え、さらに空洞部内に同軸に受けて取り外し可能に固定されたカートリッジを備える削岩機のフラッシング密閉手段を交換する方法が提供される。
【0042】
かかる方法は、少なくとも1つのネジ継手を回して外しことによって空洞部内のカートリッジを緩め、掘削方向に軸アダプタに沿ってフラッシング密閉手段を摺動させることによって空洞部からカートリッジを引き出して、カートリッジを取り外し、フラッシングヘッドの内部凹部に配置された少なくとも1つのフラッシング密閉手段を交換し、カートリッジを取付け、掘削と反対の方向に軸アダプタに沿って少なくとも1つの新しいフラッシング密閉手段を摺動させながら空洞部内にカートリッジを押し込み、ネジ継手をその最終/動作位置まで緊締する間に空洞部内にさらにカートリッジを動かすよう位置決め手段を回転させることを含む。
【0043】
フラッシングヘッドの密閉手段は、掘削機の前方部分を取り外す必要なく交換され及び/又はその状態をチェックできる。さらに本発明による解決手段は、軸アダプタを取り外すことなく整備作業を実施できるという利点を有している。
【0044】
結果として、本発明による解決手段によって、整備作業はより楽になる。
【0045】
本発明による解決手段によれば、管状の非円錐形のカートリッジを備えることもできる。代わりに、カートリッジは円筒状に設計される。
【0046】
本発明による解決手段によれば、非円形断面すなわち断面が3つ以上の端部を備える代わりのカートリッジ及び/又はフラッシングヘッドを備えることもできる。
【0047】
さらに、フラッシングヘッド及び/又は案内部などのその他の構成部分は必要時に容易に交換できる。
【0048】
本発明は、異なる実施形態の記載及び添付図面を参照してより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明による装置を示す斜視図。
【図2】図1の装置を示す分解斜視図 。
【図3】図1の装置を示す断面図。
【図4】本発明による装置を取付けた削岩機の一部分を示す断面図。
【図5】空洞部を備える削岩機の前方部分を示す斜視図。
【図6】図5の前方部分を示す部分断面図。
【図7】本発明による装置を備えた削岩機の一部分を非最終位置で示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、軸アダプタを備える削岩機の前方部分に設けた空洞部内に挿置するようにされたカートリッジ1から成る本発明による装置を示している。以下に詳細に説明する。
【0051】
カートリッジ1は、フラッシングヘッド2と、前方案内部3と、カートリッジの全長に亘って中央通路5を形成するよう同軸に配置された個々の長手方向軸線を備えた位置決め手段4とを有している(図2)。
【0052】
フラッシングヘッド2(図3)は、小さな傾斜/円錐角を備えた切頭円錐形の構造であり、フラッシングシールのための複数の内部凹部11と、O字リングのための外部溝7とを備えている。フラッシングヘッド2はさらに、外部から入り込むフラッシング媒体のための少なくとも1つの入口開口部6を備えている。
【0053】
位置決め手段4は、外部ネジ9を設けた円筒状のケーシング部/カラー8と、蓋として設計された保護部12とを備えている。
【0054】
フラッシングヘッド2及び位置決め手段4は、1つのフラッシングカートリッジ部片を形成するよう2つの部分を一体にロックする相互連結可能な手段10を備えている。フラッシングヘッド2及び位置決め手段4は、それらの間に案内部3を緊締するように相互連結される。
【0055】
図4は、継手32を介して相互に取り外し可能に接続された前方部分14及び後方部分15(部分表示のみ)から構成されるハウジングを備える衝撃削岩装置13の断面図である。
【0056】
前方部分14は、内部ネジ21を設けた円形入口開口部20を備えた空洞部19を備えている。空洞部19は、空洞部の底部に、比較的径の小さな切頭円錐形の包囲面を備えたシリンダ状に構成されている。空洞部の長手方向軸線は、掘削機の長手方向軸線と同軸に配置されている。空洞部は、カートリッジ1と互換性を有ししかもカートリッジ1を収納する寸法になっている。
【0057】
カートリッジ1は、切頭円錐形の構造を有し、そして空洞部の底部に配置されたカートリッジの外径が空洞部の開口部に近接した外径よりも僅かに小さくなるよう構成されている。
【0058】
軸アダプタ16は、掘削機13に同軸に移動可能であるように配置され、そしてその機能は、動力源からの衝撃エネルギー及び回転をドリルビット(図示されていない)に伝達することにある。軸アダプタ16は、削岩中フラッシングヘッド2内で前方及び後方に回転して移動するように構成されている。
【0059】
掘削機の前方部分14は、空洞部19に取外し可能に配置されたカートリッジ1を備えた本発明による装置を備えている。
【0060】
カートリッジ1は、軸アダプタの通路として設計された長手方向通路5を備えるように構成され、軸アダプタ16は、長手方向通路5を通って設けられ、前方案内部3によって案内され、そして後方端部16aにおいて掘削機の後方部分15の歯車18に配置された後方案内部17によって案内されるように取付けられている。
【0061】
前方案内部3は、軸アダプタ16を回転自在に支持している。後方案内部17は、軸アダプタを保持して駆動する機能を支持するように構成されている。
【0062】
カートリッジは、フラッシングヘッド2の外部包囲面2a上の外部溝7に配置された1つ或いは幾つかのOリング22を備えている(図2)。図示した実施形態によれば、Oリング22は、フラッシング媒体を通すフラッシングヘッド2と前方部分14との間の第一の空間23を密閉するようにされている。
【0063】
フラッシングヘッド2は、二対のフラッシングシール24、25及び26、27によって軸アダプタに対して密閉され、シールのぞれぞれは、内部凹部11に配置されている。各フラッシングシールは軸アダプタ16の包囲面と摺動接触して設けられている。
【0064】
フラッシングヘッド2は、軸アダプタの包囲面の一部を包囲し、シール25、26と共に第二の空間28を形成している。第二の空間28は、軸アダプタを通るフラッシング媒体の供給通路29を介してドリル鋼体に接続される。
【0065】
削岩機の前方部分14(図5)は、空洞部19と空洞部入口開口部20とを備えている。前方部分は、内部ネジ21を備えた円筒状の空洞部分19a(図6)を備えている。前方部分はさらに、切頭円錐形空洞部分19bを備えている。
【0066】
削岩機の空洞部19内にカートリッジを取付ける際には、まず初めに、カートリッジは僅かに空洞部内に軸方向に押し込まれる。窮屈な嵌合の結果、要求される必要な力は増大し、所定の位置(図7)でカートリッジをさらに奥へ手動で押すことは困難である。この位置から、カートリッジ1は、位置決め手段4を回転させることによって、空洞部内のさらに奥へ軸方向に動かされなければならない。よって位置決め手段4上の外部ネジ9は、前方部分14の空洞部入口開口部にある内部ネジ21を握持するように構成されている。外部ネジ9及び内部ネジ21は、正にこの位置で握持し始めるように構成されている。ここから、位置決め手段4の回転は、ネジ9、21の握持と空洞部19内へのカートリッジ1の軸方向押しを引き起こす。ネジによる握持及び位置決め手段4の回転によって、カートリッジ1は、空洞部19内に軸方向に動かされ、そしてその動作位置(図3)に緊締される。位置決め手段4は、少なくとも1つの適当なノッチ30に握持する適当なソケット工具(図示されていない)によって回転される。
【0067】
掘削機に取付ける際、案内部3は、全フラッシングシールの前方すなわちフラッシングシールよりドリルビットにさらに近接して配置される。
【0068】
削岩機の整備中、フラッシングシールは上述で説明したように交換される。本発明は、前方部分が空洞部19及び空洞部i取外し可能に固定されたカートリッジ1を備える削岩機でフラッシングシールを交換する方法を提供する。
【0069】
かかる方法は、
− 少なくとも1つのネジ継手9、21を回して外すことによって空洞部19のカートリッジ1を緩め、
− 掘削方向において軸アダプタ16に沿ってフラッシングヘッドの内部凹部に配置されたフラッシングシール24、25、26、27を摺動させながら空洞部19からカートリッジ1を引き出し、
− カートリッジを取外し、
− フラッシングヘッドの少なくとも1つのフラッシングシールを交換し、
− カートリッジを取付け、
− 掘削と反対の方向に軸アダプタ16に沿ってフラッシング密閉手段を摺動させながら空洞部12内にカートリッジ1を押し込み、さらに、
− ネジ継手9、21をその最終/動作位置まで緊締しながら空洞部内にさらにカートリッジを動かすよう位置決め手段4を回転させる
ことを含む。
【符号の説明】
【0070】
1 カートリッジ
2 フラッシングヘッド
2a エンベロープ表面
3 前方案内部
4 位置決め手段
5 長手方向通路
6 入口開口部
7 外部溝
8 カラー
9 外部ネジ
10 相互接続自在手段
11 内部凹部
12 蓋
13 衝撃削岩装置
14 前方部分
15 後方部分
16 軸アダプタ
16a 後方端部
17 後方案内部
18 歯車
19 空洞部
19a 円筒状の空洞部分
19b 切頭円錐形の空洞部分
20 空洞部入口開口部
21 内部ネジ
22 Oリング
23 第一の空間
24 フラッシングシール
25 フラッシングシール
26 フラッシングシール
27 フラッシングシール
28 第二の空間
29 送り溝
30 ノッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸アダプタ(16)を備える削岩装置の前方部分(14)の空洞部(19)に挿置するようにされた装置において、
フラッシングヘッド(2)及び軸アダプタ(16)用の通路として設計された長手方向通路(5)を形成するように同軸に配置された案内部(3)を備えるカートリッジ(1)として構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
カートリッジ(1)が、削岩機に対してカートリッジ(1)を位置決めするようにされた円形手段(4)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
位置決め手段(4)が、カートリッジ(1)内部で案内部(3)及びフラッシングヘッド(2)を同軸に中心決めするようにされたケーシング(8)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ケーシング(8)が、掘削機内にカートリッジ(1)を固定するようにされた緊締手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
緊締手段が、外部ネジ(9)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ケーシング(8)が、案内部(3)を保護するようにされた保護部(12)を備えていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
カートリッジ(1)が、前方部分を保護するようにされた手段(12)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項8】
カートリッジ(1)が、フラッシングヘッド(2)をケーシング(8)に接続し且つ案内部(3)をロックするよう配置された取外し可能な接続手段(10)を備えていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
フラッシングヘッド(2)が、切頭円錐形に構成されていることを特徴とする請求項1〜4に記載の装置。
【請求項10】
フラッシングヘッド(2)及び案内部(3)が、単一部片であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
フラッシングヘッド(2)、案内部(3)及びケーシング(8)が、単一部片であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載の装置を受けるよう設計された空洞部(19)を備えていることを特徴とする削岩機の前方部分(14)。
【請求項13】
請求項12に記載の空洞部(19)を備えた前方部分を有し、空洞部(19)内で受けて且つ取外し可能に固定された請求項1〜12の何れか一項に記載の装置を備え、フラッシングヘッド(2)及び案内部(3)が、完全に削岩機内部に配置されるように構成したことを特徴とする削岩装置。
【請求項14】
削岩装置が衝撃削岩装置であることを特徴とする請求項13に記載の削岩装置。
【請求項15】
軸アダプタ(16)と、空洞部(19)を備えた前方部分(14)と、空洞部(19)内で同軸に受けて且つ取外し可能に固定された請求項1〜11の何れか一項に記載のカートリッジ(1)とを備える削岩機のフラッシング密閉手段(24、25、26、27)を交換する方法において、
− 少なくとも1つのネジ継手(9、30)を回して外すことによって空洞部(19)内のカートリッジ(1)を緩め、
− 掘削方向において軸アダプタ(16)に沿ってフラッシング密閉手段(24、25、26、27)を摺動させながら空洞部(19)からカートリッジ(1)を引き出し、
− カートリッジ(1)を取外し、
− フラッシングヘッド(2)の内部凹部に配置された少なくとも1つのフラッシング密閉手段(24、25、26、27)を交換し、
− カートリッジ(1)を取付け、
− 掘削と反対の方向において軸アダプタ(16)に沿ってフラッシング密閉手段(24、25、26、27)を摺動させながら空洞部(19)内にカートリッジを押し込み、さらに、
− 最終/動作位置まで、ネジ継手(9、30)を緊締しながら空洞部内にさらにカートリッジを動かすよう位置決め手段(4)を回転させること、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−523599(P2011−523599A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512410(P2011−512410)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【国際出願番号】PCT/SE2009/000284
【国際公開番号】WO2009/148375
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(398056193)アトラス コプコ ロツク ドリルス アクチボラグ (66)
【Fターム(参考)】