説明

創傷の浸出液を除去および隔離するシステム

【課題】創傷の浸出液を除去および隔離するシステムを提供する。
【解決手段】多孔性の外傷用医薬材料1.0と、流体が流れるように外傷用医薬材料に接続されたキャニスタ8と、外傷用医薬材料とキャニスタとの間に配置された第1のバルブとを具え、第1のバルブは、開放位置と閉鎖位置とに位置決めされ、処分用の管14が、流体が流れるようにキャニスタに接続されており、開放位置と閉鎖位置とに位置決めされる第2のバルブを具え、ポンプ11が、流体が流れるようにキャニスタに接続されており、第1のバルブが開いており第2のバルブが閉じているときに、外傷用医薬材料からキャニスタに創傷の浸出液を吸引し、ポンプは、第1のバルブが閉じており第2のバルブが開いているとき、キャニスタから処分用の管に創傷の浸出液を押し出す構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は、参照によりここに組み込まれている、2005年12月6日に出願された米国暫定出願第60/742,755の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、創傷の管理に関する。特に、本発明は、創傷の浸出液を除去すべく低減された圧力と、創傷を包みおよび隔離し、長い期間創傷に留まる外傷用医薬材料(dressing)とを利用する創傷の管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
アフガニンタンおよびイラク双方における昨今の長引く米国の武力行使による戦闘活動は、ベトナムにおける戦闘活動などの米国の武力行使に関わる他の戦闘に比べ、死者の数が少ないことに注目すべきである。死者の数が少ない要因は、防護服および医療の劇的な改良である。負傷者を安定させ、戦闘地域から適切な機器を用いて治療が施される基地に移送する処置および技術が著しく改良された。死亡者の数は劇的に減少する一方、これに付随して負傷した兵士の数が増加している。多くの戦闘状態にあるように、地上での戦闘活動における傷は、しばしば深い外傷である。多くの兵士の外傷は、本質的に汚染されており、戦地の地面に長時間接触するため、あるいは長時間治療を受けないため重症感染症になり得る。医学分野では、深い傷を洗浄し清潔にした後、ある種の創傷外傷用医薬材料で創傷を覆うことが教えられている。創傷外傷用医薬材料は、いくつかの機能を果たす。外傷用医薬材料はしばしば、創傷に侵入する有毒なバクテリアを死滅させるパウダー、軟膏、あるいは膏薬を含んでいる。第2に、外傷用医薬材料は創傷を覆って有毒なバクテリアがさらに侵入するのを阻止する。第3に、患者の身体の他の創傷に二次感染を引き起こす機会を低減する。第4に、外傷用医薬材料は創傷から流体あるいは浸出液を吸収する。
【0004】
しかしながら、創傷が大きくあるいは深い場合、いくつかの治療上の問題が生じる。医療救助の経路は数千マイルまで拡大し得るため、傷付いた兵士が数日間の医療救助を経験することは珍しいことではない。負傷者が移送される間、病院で可能な治療を提供することは通常不可能である。カーザの外傷用医薬材料は、いくつかの創傷から総ての浸出液を十分に吸収する液体保持能力が十分ではなく、したがって、浸出液により飽和状態になる。飽和状態の外傷用医薬材料は、飛行機あるいは地上/水上の輸送機関による医療救助および移送の間に、飽和状態でない外傷用医薬材料と交換するのが容易ではない。医療用輸送/撤退機関内での通常の取り付け方法は、しばしば壁あるいは隔壁に対して3または4の高さで患者を車輪付き担架に載せる必要がある。このような車輪付き担架に載せることにより、車輪付き担架上の患者の浸出している創傷へのアクセスが制限され、外傷用医薬材料または創傷を保護する他の備品を容易に手入れすることができない。
【0005】
医療救護処置の総てにおいて、創傷の浸出液の管理し、創傷が閉じられた保護環境に含まれる状態で創傷を隔離する必要がある。さらに、創傷の浸出液を取り出して隔離する必要があり、浸出液、生体有害物質を収集でき、適切に破棄できる。このように創傷の浸出液を取り出して隔離することにより、二次感染を低減し、感染症の危険性を低減し、負傷した兵士を移送する間に効果的な創傷の管理を促進する。持ち運びが容易で、処置用の外部のエネルギー源に依存しないコンパクトなシステムを提供する必要がある。最後に、米国の軍隊航空が認定され(U.S. Military Flight Certified)、資本レベルではない財産であり、使い捨て可能なシステムを提供する必要がある。
【発明の開示】
【0006】
従来の創傷を隔離するシステムおよび方法による問題は、本発明のシステムおよび方法により解決される。本発明の一実施例に係る創傷の浸出液を除去および隔離するシステムは、多孔性の外傷用医薬材料と、流体が流れるように前記多孔性の外傷用医薬材料と接続されたキャニスタと、前記多孔性の外傷用医薬材料と前記キャニスタとの間に配置された第1のバルブとを具えている。第1のバルブは、前記多孔性の外傷用医薬材料と前記キャニスタとの間の流体の流通を可能にする開放位置と、流体の流通を阻止する閉鎖位置に位置決め可能である。処分用の管は、流体が流れるように前記キャニスタに接続されており、第2のバルブは、処分用の管の内側に操作可能に配置される。第2のバルブは、前記処分用の管を介した流体の流通を可能にする開放位置と、流体の流通を阻止する閉鎖位置に位置決め可能である。ポンプは、流体が流れるように前記キャニスタに配置され、前記第1のバルブが開いており、且つ前記第2のバルブが閉じている場合に、前記多孔性の外傷用医薬材料から前記キャニスタへ創傷の浸出液を吸い出すように作動する。さらにポンプは、前記第1のバルブが閉じており、且つ前記第2のバルブが開いている場合に、前記キャニスタから前記処分用の管へ創傷の浸出液を押し出すように作動する。
【0007】
本発明の別の実施例では、創傷の治療装置は、創傷を覆う手段と、前記創傷からキャニスタに浸出液を吸い出す手段と、前記創傷を隔離する手段と、前記キャニスタから浸出液を押し出す手段とを具える。
【0008】
本発明の別の実施例では、創傷を閉塞(stasis)および隔離する装置が、平均的な孔の大きさが200ミクロンよりも小さい網状の連続気泡発泡体(open-cell reticulated foam)を具えている。ドレープは、発泡体の外傷用医薬材料と創傷を覆うために提供される。ポンプは、流体が流れるように発泡体の外傷用医薬材料に配置され、約125mmHgよりも低い圧力で創傷からの創傷の浸出液を吸い出し、創傷の排水と、創傷の湿度制御を管理するが、組織が発泡体の外傷用医薬材料内に増殖するのを最小にする。
【0009】
本発明の別の実施例によると、創傷を閉塞および隔離する方法が提供される。この方法は、平均的な孔の大きさが約200ミクロンよりも小さい網状の連続気泡発泡体の外傷用医薬材料を前記創傷の近くに配置するステップを具える。ドレープは、発泡体の外傷用医薬材料と創傷の上に配置され、約100mmHgよりも小さい低減された圧力が、前記発泡体の外傷用医薬材料に加えられる。
【0010】
本発明の他の対象、特徴および利点は、図面および以下の詳細な説明を参照することにより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、開示されたコンパクトで電源内臓式の創傷の浸出液を除去および隔離するシステムの一実施例の簡単な図である。
【図2】図2は、図1に係る創傷の浸出液を除去および隔離するシステムの概略図である。
【図3】図3は、創傷の浸出液を除去および隔離するシステムの代替的な実施例の概略図であり、このシステムでは、バルブはキャニスタを回転させることにより作動する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好適な実施例の以下の詳細な説明では、これに関する部材を構成する添付図面が参照され、本発明が実施される特定の好適な実施例が図示される。これらの実施例は、当業者が本発明を実施できるほど十分詳細に示されており、また、他の実施例を利用してもよく、本発明の精神または範囲から逸脱せずに、論理的、構造的、機構的、電気的および化学的に変更してもよいことは理解できるであろう。当業者が本発明を実施できるのに必ずしも必要ではない詳細を避けるために、説明では、当業者に周知な特定の情報は省略されている。したがって、以下の詳細な説明は限定する意図ではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ規定される。
【0013】
図1は、本発明に係る開示されたコンパクトで電源内臓式の創傷の浸出液を除去および隔離するシステム100の一実施例の簡単な図である。図1に示すように、システム100は、創傷上に留まることができ、且つ医療的な排出処理全体を通じて、通常の外傷用医薬材料を交換する間隔が実質的に遙かに長い外傷用医薬材料を介して創傷の浸出液を収集および除去する。したがって、開示されたシステム100は、負傷者、負傷者を治療する人、近くにいる他人を保護する。
【0014】
創傷の浸出液を除去および隔離するシステム100は、創傷上の外傷用医薬材料およびカバー110を提供し、バキュームまたは低減された圧力を用いて、創傷の浸出液を吸い出し、浸出液を浸出液収集システム120に移動させる。従来の低減された圧力を送達するシステムでは、傷口に低減された圧力の分配することにより新しい組織の成長を促す。創傷の浸出液を除去および隔離するシステム100は、創傷が適切に治療される治療施設に患者が到着するまで、傷口を隔離、保護、および閉塞するのに用いるのが好適である。したがって、システム100は、適切な創傷の排水および湿度管理能力を提供するように構成されている一方、外傷用医薬材料内に新しい組織が増殖するのを最小にする。
【0015】
図2は、本発明の実施例に係る創傷の浸出液を除去および隔離するシステム100の概略図である。図2に示すように、多孔性の外傷用医薬材料1.0を用いて、創傷上に保護環境を形成する。外傷用医薬材料1.0は、網状の連続気泡発泡体で形成するのが好適である。代替的に、外傷用医薬材料は、創傷上の吸気圧力に適した他の材料で形成してもよい。例えば、一方の側に突起物を有する固体シート材(例えば、シリコンシート)は、突起物の間に形成されたフローチャネルにより、創傷における圧力の分散を可能にする。突起物の代わりに、あるいはこれに加えて、シート材に小さな穴を設けて、吸気圧力を可能にする。いずれの種類の外傷用医薬材料を用いた場合でも、外傷用医薬材料1.0は、創傷の浸出液を創傷から適切に吸い出すために、低減された圧力を分散する能力を有するべきである。システム100は、肉芽組織の成長を促進するように構成されていないとともに、研究は、低減された圧力がかけられた創傷は、早ければ実質的に48時間以内に肉芽を形成することを発見した。結果として生ずる外傷用医薬材料の取り外しおよび交換を補助するために、外傷用医薬材料1.0の創傷接触面は、組織の成長を最小にするように構成されており、これにより、通常48から72時間の外傷用医薬材料の交換の間隔を超えた創傷の接触を容易にする。
【0016】
発泡体の外傷用医薬材料が用いられる場合、外傷用医薬材料1.0は、創傷の浸出液が創傷から管1.2に流れるのを可能にする大きさの孔を具えているが、組織が孔に増殖するのを最小にする。平均的な孔の大きさは通常、約40から200μmであり、約100μmが好適である。外傷用医薬材料1.0に関連する孔の大きさは通常、創傷の治療を促進するのに用いられる外傷用医薬材料に関連する孔の大きさよりも小さい。また、多孔性の外傷用医薬材料1.0は、抗菌特性を有する。一実施例では、外傷用医薬材料は、銀などの抗菌剤でコーティングされ、あるいはこれを染み込ませている。
【0017】
ドレープ1.1は、発泡体の外傷用医薬材料1.0上に配置され、創傷を隔離し、低減された圧力を管1.2を介して加えることができる。一実施例では、管1.2はプラスチック樹脂製の管である。外傷用医薬材料1.0、ドレープ1.1、および管1.2は、前進的な軍の医療ユニット(Forward Military Medical unit)により容易に配置でき、ストックできる小さくて軽量の箱に収容してもよい。
【0018】
外傷用医薬材料1.0にかかる低減した圧力は、管1.2を介して創傷から浸出液を連続して吸引するのに十分な強さを有している。肉芽組織の成長を促進するのに利用される低減された圧力システムとは異なり、システム100の主要な目的は、特定の創傷を隔離および収容し、浸出液を除去する。外傷用医薬材料1.0により創傷に加わる低減された圧力は、創傷の大きさおよび外傷用医薬材料1.0の孔に依存するとともに、創傷に加わる圧力は、約125mmHgより小さいことが好適である。通常、特定の圧力は、創傷の新しい組織の成長が加速される最小圧力であると考えられ、したがって、新しい組織の成長を最小にすべく、この圧力よりも小さくすることが所望される。さらに、外傷用医薬材料を介して創傷に加わる圧力は、約25から75mmHgである。
【0019】
説明するために再び図2を参照すると、チェックバルブ2が、浸出液が創傷に逆流するのを阻止する。プッシュオープンインラインバルブ(push-to-open in-line valve)3は、創傷から下流に配置された、流体が流れるようにチェックバルブ2に接続されている。プッシュオープンインラインバルブ3に下流は、流体が流れるようにバルブ3と接続された取り外しできない、排水可能なキャニスタ8である。一実施例では、キャニスタ8は排水可能であり、硬質素材から構成されている。処分用の管14は、流体が流れるようにキャニスタ8の排水用出口15に接続されている。バルブ4は、流体が流れるようにキャニスタ8に接続された処分用の管14に配置されている。バルブ3,4双方は、バルブ3,4を介した流通を可能にし、あるいは阻止すべく、開放位置あるいは閉鎖位置のいずれかに選択的に配置可能である。バルブ3を開放位置に配置することにより、バルブ4が閉鎖位置に配置されることが好適である。同様に、バルブ3を閉鎖位置に配置することにより、バルブ4が開放位置に配置される。カムホイール5は、バルブ3,4双方に操作可能に接続され、バルブ3,4を同時に位置決めするのを機構的に調整する。
【0020】
システム100は、患者を移送する拡張された時間創傷に配置されるため、システム100の残りの部分を配置したままキャニスタ8を排水することが所望される。バルブ3,4は、キャニスタ8が満ちている場合、あるいは創の世話をしている人が所望するときにキャニスタ8の排水を可能にする。低減された圧力を創傷に加える間バルブ3は開かれ、流体が外傷用医薬材料1.0とキャニスタ8との間を流れる。この構成では、バルブ4が閉じられ、キャニスタ8の排水を阻止する。キャニスタ8を排水すべく、バルブ3およびバルブ4が開かれる。バルブ3を閉じることにより、低減された圧力が創傷に加わるのを阻止するとともに、バルブ4が開くことにより、キャニスタ8内の創傷の浸出液が処分用の管14を介して排水される。任意で、使い捨て容器7を処分用の管14に接続して、キャニスタ8から排水される創傷の浸出液を収集してもよい。使い捨て可能な容器7は、可撓性のある通気口付の廃棄物用バッグでもよい。使い捨て容器7が満ちている場合、これを取り外して、空の容器と交換してもよい。
【0021】
低減された圧力は、流体が流れるようにキャニスタに接続されたポンプ11によりキャニスタを介して外傷用医薬材料1.0に加わる。一実施例では、ポンプ11は、電池式の真空/圧力ポンプである。代替的に、ポンプ11は手動で操作してもよく、またはここに開示されている圧力を発生させるのに好適な他のポンプでもよい。ポンプ11が低減された圧力をキャニスタ8を介して外傷用医薬材料1.0に加えると、創傷の浸出液が創傷から吸引され、キャニスタ8に破棄される。この操作は、バルブ3が開放位置にありバルブ4が閉鎖位置にある場合に生じる。
【0022】
前述したように、キャニスタ8は、バルブ3を閉鎖位置に、バルブ4を開放位置に位置決めすることにより排水が行われる。排水処理は重力により促進されるが、代替的に、ポンプ11により創傷の浸出液をキャニスタ8から処分用の管14に押し出してもよい。キャニスタ8の強制的な排水を促進すべく、三方弁9が、流体が流れるようにキャニスタ8とポンプ11の入口との間に接続される。三方弁9は、動作位置と通気(vent)位置との間に選択的に配置できる。動作位置では、三方弁9により、キャニスタとポンプ11の入口との間を流体が流通できる。通気位置では、ポンプ11の入口が通気される。別の三方弁10は、流体がキャニスタ8とポンプ11の出口との間を流れるように接続されている。三方弁10は、動作位置と通気位置との間に選択的に位置決めできる。動作位置では、三方弁10により、流体がキャニスタとポンプの出口11との間を流れる。通気位置では、ポンプ11の出口が通気される。三方弁9,10の位置決めは、三方弁9を動作位置すると、三方弁10が通気位置になるように関連している。同様に、三方弁9を通気位置にすると、三方弁10が動作位置になる。
【0023】
三方弁9が動作位置にあり、三方弁10が通気位置にある場合、ポンプ11は、創傷の浸出液を外傷用医薬材料1.0からキャニスタ8に吸引するように構成されている。この減圧の構成では、バルブ3は開放位置に位置決めされ、バルブ4は閉鎖位置に位置決めされる。三方弁9が通気位置にあり、三方弁10が動作位置にある場合、ポンプ11は、正の圧力をキャニスタに加え、創傷の浸出液をキャニスタ8から処分用の管14に押し出す。この正の圧力の構成では、バルブ3は閉鎖位置に位置決めされ、バルブ4は開放位置に位置決めされる。
【0024】
また、疎水性フィルタ8.1を、流体が流れるようにキャニスタ8に接続し、ポンプ11および三方弁9および10に取り付けられた管に流体が侵入するのを阻止してもよい。
【0025】
一実施例では、キャニスタ8が創傷の浸出液で満たされたことを検知するために、センサをキャニスタ8に操作可能に取り付けてもよい。システム100の動作を減圧システムから正圧システムへ自動的に調整すべく、センサをバルブ3,4,9,10に接続してもよく、キャニスタ8が満ちたときに、浸出液がキャニスタ8から使い捨て容器7に移される。
【0026】
本システムはさらに、システムが適切に動作しない場合に音声信号あるいは視覚信号のいずれかを提供する安全警報システムを具えてもよい。安全警報システムは、医療救護処置中に生ずる通常の患者の状態に反応して誤った警告を提供するのを防止するように構成されている。しかしながら、安全警報システムにより検知されるイベントは、限定ではないが、漏れ検知イベント、妨害イベント、キャニスタが満杯であるイベント、低圧イベント、高圧イベント、低バッテリーイベントを含む。
【0027】
また、本システムは、放血または多量あるいは危険な量の血液が患者から抜き取られるのを阻止する血液検知センサを具えてもよい。
【0028】
図3に示すように、浸出液の流れを検知するバルブは、キャニスタ8を回転させることにより手動で作動させてもよい。
【0029】
前述の記載から重要な利点を有する本発明が提供されていることは明らかであろう。本発明は、いくつかの形態のみが示されているが、これに限定されるものではなく、本発明の精神から逸脱しない範囲で様々な変更および修正が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷を閉塞および隔離する装置であって、
平均的な孔の大きさが約200ミクロンよりも小さい網状の連続気泡発泡体の外傷用医薬材料であって、創傷の近くに配置可能な発泡体の外傷用医薬材料と、
前記発泡体と前記創傷を覆うドレープと、
約125mmHgよりも低い圧力で前記創傷から創傷の浸出液を吸い出すべく、流体が流通するように前記発泡体の外傷用医薬材料に接続されたポンプであって、創傷の排水と、前記創傷の湿度制御を保守するが、組織が前記発泡体の外傷用医薬材料内に増殖するのを最小にするポンプと、を具えることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記発泡体の外傷用医薬材料の平均的な孔の大きさが、約100ミクロンよりも小さい、あるいはこれと等しいことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、前記発泡体の外傷用医薬材料の孔の大きさにより、組織が内側に増殖するのを最小にするが、前記創傷からの流体の排水が可能であることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、前記圧力が、約25乃至75mmHgの間であることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置がさらに、
前記創傷の浸出液を収集すべく、前記発泡体の外傷用医薬材料と前記ポンプとの間に配置されるキャニスタであって、排水用出口を具えるキャニスタを具え、
前記ポンプが、前記排水用出口を介して前記キャニスタから創傷の浸出液を押し出すよう選択的に作動することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置がさらに、
流体が流通するように前記排水用出口に配置可能な使い捨て容器を具え、前記キャニスタから創傷の浸出液を収集することを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−11212(P2012−11212A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178230(P2011−178230)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【分割の表示】特願2008−544505(P2008−544505)の分割
【原出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(505167473)ケーシーアイ ライセンシング インク (19)
【Fターム(参考)】