創薬用ラック位置決め装置
【課題】ラックを損傷することなく、正確に位置決めができ、ラックの形状が歪んでいる場合であっても対応可能な創薬用ラック位置決め装置を提供する。
【解決手段】ラックＲの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラ１１０が、ベースプレート１９０に軸支され、ラックＲの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラ１２０が、ベースプレート１９０に固設された把持ローラ駆動機構１６０に連設する把持ローラ取付金具１３０に軸支され、ラックＲの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具１４０が、ベースプレート１９０に固設され、ラックＲの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な２つの移動側把持具１５０が、ベースプレート１９０に固設された把持具駆動機構１７０に連設する把持具取付金具に固設されていることによって、上記の課題を解決する。
【解決手段】ラックＲの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラ１１０が、ベースプレート１９０に軸支され、ラックＲの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラ１２０が、ベースプレート１９０に固設された把持ローラ駆動機構１６０に連設する把持ローラ取付金具１３０に軸支され、ラックＲの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具１４０が、ベースプレート１９０に固設され、ラックＲの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な２つの移動側把持具１５０が、ベースプレート１９０に固設された把持具駆動機構１７０に連設する把持具取付金具に固設されていることによって、上記の課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、創薬研究の分野において、創薬用試料を封入した多数のマイクロチューブやバイアル瓶などの容器を識別・保管するために使用される創薬用容器保管システムに関するものであり、さらに詳しくは、創薬用試料を封入するマイクロチューブやバイアル瓶などの容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、創薬研究等の分野においては、試料を溶解した溶液をマイクロチューブと呼ばれる円筒状容器に封入し、このマイクロチューブを格子状に区画されたラックに複数本、例えば、図８（ａ）に示すように、８行１２列で９６個に区画されたラックに垂直に並び立てて収納し、保管や搬送を行っていた（以下、「９６チューブラック」という）。
【０００３】
また、近年においては、ＳＢＳ（Ｓｏｃｉｅｔｙ ｆｏｒ Ｂｉｏｍｏｌｅｃｕｌａｒ Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ）規格に準拠した９６チューブラックと外形が同じ大きさで、より多くの試料を収納するために、１６行２４列で３８４個の総区画数を有するラック（以下、「３８４チューブラック」という）も使われている。さらに、図８（ｂ）に示すようにマイクロチューブの容量を増やすため、マイクロチューブを四角筒形状とするとともに、ラックを反転させても抜け落ちないようにマイクロチューブの底部側壁に設けられたチューブ係止用凹部とラックの底部の収納枠の内側側面に設けられたチューブ係止用凸部とを係合させることも行われている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
このようなラックに対して、ピッキング装置を用いて所望のマイクロチューブを正確にピッキング操作を行うためには、ピッキング操作に先立ち、ラックを正確に位置決めする必要がある。そこで、本発明者らは、図７に示すように、ラックＲの対向する短辺側の側面と長辺側の側面とをそれぞれ固定爪５１０、５２０と移動爪５３０、５４０とで把持してラックＲの位置決めを行うラック位置決め装置５００を開発した。
【特許文献１】特開２００７−３３０６１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところが、前述したようなラック位置決め装置５００では、例えば、短辺側を固定爪５１０と移動爪５３０によって先に強力に把持してしまうと、長辺側を固定爪５２０と移動爪５４０で把持しようとしてもラックＲの短辺側が既に固定されているためにラックＲが所定の位置に移動できず、位置決めが行えないという課題があった。また、短辺側を固定爪５１０と移動爪５３０によって先に把持した後に、長辺側を固定爪５２０と移動爪５４０によって把持しようとすると先に把持している短辺側において、ラックの側面と固定爪５１０、移動爪５３０とが摺動し、ラックＲを損傷してしまうという課題があった。さらに、ラックＲの形状が歪んでいる場合、ラックＲを固定爪５１０、５２０と移動爪５３０、５４０とによって確実に把持できず、その結果、ラックＲの正確な位置決めができないという課題があった。
【０００６】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、ラックを損傷することなく、正確に位置決めができ、しかも、ラックの形状が歪んでいる場合であっても対応可能な創薬用ラック位置決め装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
まず、本請求項１に係る発明は、創薬用試料を封入する容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置において、前記ラックの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラがベースプレートに軸支され、前記ラックの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラが、前記ベースプレートに固設された把持ローラ駆動機構に連設する把持ローラ取付金具に軸支され、前記ラックの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具が前記ベースプレートに固設され、前記ラックの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な複数の移動側把持具が、前記ベースプレートに固設された把持具駆動機構に連設する把持具取付金具に固設されていることにより、前記課題を解決したものである。
ここで、本発明において「ベースプレート」とは、ラックの位置決めの基準となる固定された板のことを意味している。
【０００８】
そして、本請求項２に係る発明は、請求項１に係る創薬用ラック位置決め装置において、前記移動側把持ローラが、それぞれ独立に、ラックとの当接方向と逆方向に後退可能に支持されていることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【０００９】
また、本請求項３に係る発明は、請求項１又は請求項２に係る創薬用ラック位置決め装置において、前記移動側把持ローラのそれぞれの後退を検出する後退検出機構が、移動側把持ローラのそれぞれに設けられていることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【００１０】
本請求項１に係る発明によれば、創薬用試料を封入する容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置において、ラックの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラが、ベースプレートに軸支され、ラックの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラが、ベースプレートに固設された把持ローラ駆動機構に連設する把持ローラ取付金具に軸支され、ラックの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具がベースプレートに固設され、ラックの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な複数の移動側把持具が、ベースプレートに固設された把持具駆動機構に連設する把持具取付金具に固設されていることにより、ラックの一対の側面の把持がローラで行われ、把持後も側面に沿った方向に移動可能であるため、ラックを損傷することなく確実にラックの位置決めを行うことができる。
【００１１】
そして、本請求項２に係る発明によれば、請求項１に係る創薬用ラック位置決め装置において、移動側把持ローラが、それぞれ独立に、ラックとの当接方向と逆方向に後退可能に支持されていることにより、それぞれの移動側把持ローラに対する当接度合いが異なったとしても移動側把持ローラが、それぞれ独立に後退して当接度合いの違いを吸収することができるため、ラックが多少歪んでいても確実に位置決めできる。
【００１２】
また、本請求項３に係る発明によれば、請求項１又は請求項２に係る創薬用ラック位置決め装置において、移動側把持ローラのそれぞれの後退を検出する後退検出機構が、移動側把持ローラのそれぞれに設けられていることにより、それぞれの移動側把持ローラの後退を監視することができるので、ラックの形状不良等の不具合を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明は、創薬用試料を封入する容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置において、ラックの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラが、ベースプレートに軸支され、ラックの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラが、ベースプレートに固設された把持ローラ駆動機構に連設する把持ローラ取付金具に軸支され、ラックの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具が、ベースプレートに固設され、ラックの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な複数の移動側把持具が、ベースプレートに固設された把持具駆動機構に連設する把持具取付金具に固設されていることにより、ラックを損傷することなく、正確に位置決めができ、しかも、ラックの形状が歪んでいる場合であっても対応可能なものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【００１４】
例えば、本発明の創薬用ラック位置決め装置が対象とするラックは、９６チューブラックであっても、３８４チューブラックであっても位置決め動作に何ら支障はなく、さらには、マイクロチューブを収容するものであっても、バイアル瓶を収容するものであっても位置決め動作に何ら支障はない。
【００１５】
また、本発明の創薬用ラック位置決め装置の移動側把持ローラを移動させる把持ローラ駆動機構及び移動側把持具を移動させる把持具移動機構は、制御信号に応答して確実に移動側把持ローラ及び移動側把持具を移動させることができるものであれば、その具体的な駆動機構は如何なるものであっても良く、例えば、電動ソレノイドや気圧式又は油圧式シリンダなど何れであっても構わないが、電動ソレノイドを採用する場合には、駆動用電力供給線は気圧式又は油圧式シリンダにおける圧縮空気又は圧縮油の供給用ホースに比べ細く配線がし易く、しかも、低温環境下においても駆動動作にほとんど影響が及ばないため、より好ましい。
【００１６】
さらに、固定側把持ローラ、移動側把持ローラ、固定側把持具及び移動側把持具の個数は、２つであっても、３つ以上であっても良い。
【００１７】
本発明の一実施例を図１乃至図６に基づいて説明する。
ここで、図１は、本発明の実施例である創薬用ラック位置決め装置の正面図であり、図２は、図１に示した創薬用ラック位置決め装置を矢視ＩＩ方向から見たときの側面図であり、図３は、図１に示した創薬用ラック位置決め装置を矢視ＩＩＩ方向から見たときの側面図であり、図４は、図３に示した創薬用ラック位置決め装置の移動側把持ローラを矢視ＩＶ方向から見たときの正面図であり、図５は、図４に示した移動側把持ローラを矢視Ｖ方向から見たときの側面図であり、図６は、創薬用ラック位置決め装置によるトレイの位置決め動作を説明する図である。
【００１８】
本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００は、創薬用試料を封入したマイクロチューブを収容した多数のラックを冷凍保管する自動回転倉庫等において、マイクロチューブを外部と倉庫内との間において搬入排出するために使用する入出庫用ラックと、マイクロチューブを倉庫内の所定の棚において保管するために使用する保管用ラックとの間においてピッキング装置を用いてマイクロチューブの差し替えを行う際に、ラックを所定の位置に位置決めするために使用されるものである。
【００１９】
本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００は、図１乃至図５に示すように、ラックＲの第１の側面に当接する２つの固定側把持ローラ１１０が、ベースプレート１９０に軸支されており、ラックＲの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な２つの移動側把持ローラ１２０が、ベースプレート１９０に固設された把持ローラ駆動機構１６０に連設する把持ローラ取付金具１３０に軸支されており、ラックＲの第１の側面に直交する第３の側面に当接する２つの固定側把持具１４０がベースプレート１９０に固設されており、ラックＲの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な２つの移動側把持具１５０が、ベースプレート１９０に固設された把持具駆動機構１７０に連設する把持具取付金具１５２に固設されている。
【００２０】
移動側把持ローラ１２０は、図３に示すように、移動側把持ローラベース１２２に軸支されており、この移動側把持ローラベース１２２は、把持ローラ取付金具１３０に固設された直線ガイド１３２に案内されてスライド可能に支持されている。そして、ばねガイドピン１２６に遊嵌したフローティングばね１２４が、移動側把持ローラベース１２２を付勢している。その結果、把持ローラ駆動機構１６０により移動側把持ローラ１２０がラックＲの側面と当接すると、移動側把持ローラ１２０は後退する。この時、図４及び図５に示すように、移動側把持ローラベース１２２に取り付けられた押込み量検知ストライカ１２９と移動側把持ローラ１２０の近傍に設置された押込み量検知センサ１２８とが干渉することにより、移動側把持ローラ１２０が後退したことが検出される。すなわち、本実施例においては、押込み量検知ストライカ１２９と押込み量検知センサ１２８が移動側把持ローラ１２０の後退を検出する後退検出機構を構成しており、この後退検出機構は、２つの移動側把持ローラのそれぞれに設けられている。
【００２１】
また、図３に示すように、把持ローラ取付金具１３０には、ストローク検知ストライカ１８１が取り付けられており、このストローク検知ストライカ１８１と装置の固定部材に設置されたストローク検知センサ１８０が干渉することにより、移動側把持ローラ１２０によってラックＲが確実に所定の把持がなされたか否かが検出される。すなわち、把持ローラ駆動機構１６０を動作させても、ストローク検知センサ１８０が所定の信号を出力しない場合には、ラックＲの置き方に不具合があるか、ラックＲが所定の形状のものでないかなど、ラックＲの位置決めを行うに際し、何らかの問題があるものとして作業者に警告を発することができる。ラックＲの位置決めは、ラックＲを目視できない状況で行われることが多いため、移動側把持ローラ１２０の状態をストローク検知センサ１８０の出力信号によって確認できることは、装置の信頼性向上に寄与する。特に、装置が、創薬用自動回転倉庫の内部などで使用される場合には、その効果は、甚大である。
【００２２】
次に、本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００によって、ラックＲを位置決めする動作について図６に基づいて説明する。
【００２３】
まず、図６（ａ）に示すように、創薬用ラック位置決め装置１００のラック載置エリアにラックＲを置く。この時、ラックＲは、固定側把持ローラ１１０、移動側把持ローラ１２０、固定側把持具１４０、移動側把持具１５０の何れにも接触していない状態にある。
【００２４】
そして、図６（ｂ）に示すように、把持ローラ駆動機構１６０を駆動させることによって、移動側把持ローラ１２０をラックＲの長辺側の一側面に当接させる。その結果、ラックＲは、固定側把持ローラ１１０方向にスライドし、２つの固定側把持ローラ１１０と２つの移動側把持ローラ１２０によってラックＲの一対の長辺側の側面が把持される。すなわち、図６（ｂ）において、Ｙ軸方向の位置決めが行われる。
【００２５】
この時、２つの移動側把持ローラ１２０は、それぞれ、前述したように、フローティングばね１２４によって後退可能に支持されているので、ラックＲが多少歪んでいても確実にラックＲを把持することができる。一方、２つの移動側把持ローラ１２０のそれぞれに設けた押込み量検知センサ１２８の出力が片側だけしか出力されない場合、すなわち、２つの移動側把持ローラ１２０の後退量が大きく異なる場合には、ラックＲの形状が大きく歪んでおり、正確な位置決めができないと判断して、作業者に異常を伝える。
【００２６】
次に、図６（ｃ）に示すように、把持具駆動機構１７０を駆動させることによって、移動側把持具１５０をラックＲの短辺側の一側面に当接させる。ラックＲは、移動側把持具１５０によって押されて固定側把持具１４０方向にスライドし、２つの固定側把持具１４０と２つの移動側把持具１５０によってラックＲの一対の短辺側の側面が把持される。すなわち、図６（ｃ）において、Ｘ軸方向の位置決めが行われる。その結果、ラックＲの位置決めが完了する。この時、ラックＲの長辺側の側面は、２つの固定側把持ローラ１１０と２つの移動側把持ローラ１２０によって把持されているので、ラックＲに無理な力が加わることなく、円滑に固定側把持具１４０方向にスライド可能であるため所定の位置に確実に位置決めできるとともに、ラックＲがスライドしても、ラックＲの長辺側の側面が摩擦することがなく、ラックＲを傷めることがない。
【００２７】
以上のように、本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００は、ラックＲの第１の側面に当接する２つの固定側把持ローラ１１０が、ベースプレート１９０に軸支され、ラックＲの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な２つの移動側把持ローラ１２０が、ベースプレート１９０に固設された把持ローラ駆動機構１６０に連設する把持ローラ取付金具１３０に軸支され、ラックＲの第１の側面に直交する第３の側面に当接する２つの固定側把持具１４０がベースプレート１９０に固設され、ラックＲの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な２つの移動側把持具１５０が、ベースプレート１９０に固設された把持具駆動機構１７０に連設する把持具取付金具１５２に固設されていることにより、ラックＲの一対の長辺側の側面の把持がローラで行われ、把持後も長辺方向に移動可能であるため、ラックＲを損傷することなく確実にラックＲの位置決めを行うことができる。
【００２８】
加えて、本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００は、２つの移動側把持ローラ１２０が、それぞれ独立に、ラックＲとの当接方向と逆方向に後退可能に支持されていることにより、２つの移動側把持ローラ１２０に対する当接度合いが異なったとしても移動側把持ローラ１２０が、それぞれ独立に後退して当接度合いの違いを吸収することができるため、ラックＲが多少歪んでいても確実かつ正確な位置決め作業が達成できるなど、その効果は甚大である。
【００２９】
なお、前述した実施例では、ラックＲの長辺側の側面を把持ローラで把持し、短辺側の側面を把持具で把持しているが、ラックＲの長辺側を把持具で把持し、短辺側の側面を把持ローラで把持する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】本発明の創薬用ラック位置決め装置の正面図。
【図２】図１に示した創薬用ラック位置決め装置を矢視ＩＩ方向から見たときの側面図。
【図３】図１に示した創薬用ラック位置決め装置を矢視ＩＩＩ方向から見たときの側面図。
【図４】図３に示した創薬用ラック位置決め装置の移動側把持ローラを矢視ＩＶ方向から見たときの正面図。
【図５】図４に示した移動側把持ローラを矢視Ｖ方向から見たときの側面図。
【図６】創薬用ラック位置決め装置によるトレイの位置決め動作を説明する図。
【図７】従来のラック位置決め装置の正面図。
【図８】マイクロチューブとラックの斜視図。
【符号の説明】
【００３１】
１００ ・・・ 創薬用ラック位置決め装置
１１０ ・・・ 固定側把持ローラ
１２０ ・・・ 移動側把持ローラ
１２２ ・・・ 移動側把持ローラベース
１２４ ・・・ フローティングばね
１２６ ・・・ ばねガイドピン
１２８ ・・・ 押込み量検知センサ
１２９ ・・・ 押込み量検知ストライカ
１３０ ・・・ 把持ローラ取付金具
１３２ ・・・ 直線ガイド
１４０ ・・・ 固定側把持具
１５０ ・・・ 移動側把持具
１５２ ・・・ 把持具取付金具
１６０ ・・・ 把持ローラ駆動機構
１７０ ・・・ 把持具駆動機構
１８０ ・・・ ストローク検知センサ
１８１ ・・・ ストローク検知ストライカ
１９０ ・・・ ベースプレート
Ｒ ・・・ ラック
【技術分野】
【０００１】
本発明は、創薬研究の分野において、創薬用試料を封入した多数のマイクロチューブやバイアル瓶などの容器を識別・保管するために使用される創薬用容器保管システムに関するものであり、さらに詳しくは、創薬用試料を封入するマイクロチューブやバイアル瓶などの容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、創薬研究等の分野においては、試料を溶解した溶液をマイクロチューブと呼ばれる円筒状容器に封入し、このマイクロチューブを格子状に区画されたラックに複数本、例えば、図８（ａ）に示すように、８行１２列で９６個に区画されたラックに垂直に並び立てて収納し、保管や搬送を行っていた（以下、「９６チューブラック」という）。
【０００３】
また、近年においては、ＳＢＳ（Ｓｏｃｉｅｔｙ ｆｏｒ Ｂｉｏｍｏｌｅｃｕｌａｒ Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ）規格に準拠した９６チューブラックと外形が同じ大きさで、より多くの試料を収納するために、１６行２４列で３８４個の総区画数を有するラック（以下、「３８４チューブラック」という）も使われている。さらに、図８（ｂ）に示すようにマイクロチューブの容量を増やすため、マイクロチューブを四角筒形状とするとともに、ラックを反転させても抜け落ちないようにマイクロチューブの底部側壁に設けられたチューブ係止用凹部とラックの底部の収納枠の内側側面に設けられたチューブ係止用凸部とを係合させることも行われている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
このようなラックに対して、ピッキング装置を用いて所望のマイクロチューブを正確にピッキング操作を行うためには、ピッキング操作に先立ち、ラックを正確に位置決めする必要がある。そこで、本発明者らは、図７に示すように、ラックＲの対向する短辺側の側面と長辺側の側面とをそれぞれ固定爪５１０、５２０と移動爪５３０、５４０とで把持してラックＲの位置決めを行うラック位置決め装置５００を開発した。
【特許文献１】特開２００７−３３０６１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところが、前述したようなラック位置決め装置５００では、例えば、短辺側を固定爪５１０と移動爪５３０によって先に強力に把持してしまうと、長辺側を固定爪５２０と移動爪５４０で把持しようとしてもラックＲの短辺側が既に固定されているためにラックＲが所定の位置に移動できず、位置決めが行えないという課題があった。また、短辺側を固定爪５１０と移動爪５３０によって先に把持した後に、長辺側を固定爪５２０と移動爪５４０によって把持しようとすると先に把持している短辺側において、ラックの側面と固定爪５１０、移動爪５３０とが摺動し、ラックＲを損傷してしまうという課題があった。さらに、ラックＲの形状が歪んでいる場合、ラックＲを固定爪５１０、５２０と移動爪５３０、５４０とによって確実に把持できず、その結果、ラックＲの正確な位置決めができないという課題があった。
【０００６】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、ラックを損傷することなく、正確に位置決めができ、しかも、ラックの形状が歪んでいる場合であっても対応可能な創薬用ラック位置決め装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
まず、本請求項１に係る発明は、創薬用試料を封入する容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置において、前記ラックの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラがベースプレートに軸支され、前記ラックの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラが、前記ベースプレートに固設された把持ローラ駆動機構に連設する把持ローラ取付金具に軸支され、前記ラックの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具が前記ベースプレートに固設され、前記ラックの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な複数の移動側把持具が、前記ベースプレートに固設された把持具駆動機構に連設する把持具取付金具に固設されていることにより、前記課題を解決したものである。
ここで、本発明において「ベースプレート」とは、ラックの位置決めの基準となる固定された板のことを意味している。
【０００８】
そして、本請求項２に係る発明は、請求項１に係る創薬用ラック位置決め装置において、前記移動側把持ローラが、それぞれ独立に、ラックとの当接方向と逆方向に後退可能に支持されていることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【０００９】
また、本請求項３に係る発明は、請求項１又は請求項２に係る創薬用ラック位置決め装置において、前記移動側把持ローラのそれぞれの後退を検出する後退検出機構が、移動側把持ローラのそれぞれに設けられていることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【００１０】
本請求項１に係る発明によれば、創薬用試料を封入する容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置において、ラックの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラが、ベースプレートに軸支され、ラックの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラが、ベースプレートに固設された把持ローラ駆動機構に連設する把持ローラ取付金具に軸支され、ラックの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具がベースプレートに固設され、ラックの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な複数の移動側把持具が、ベースプレートに固設された把持具駆動機構に連設する把持具取付金具に固設されていることにより、ラックの一対の側面の把持がローラで行われ、把持後も側面に沿った方向に移動可能であるため、ラックを損傷することなく確実にラックの位置決めを行うことができる。
【００１１】
そして、本請求項２に係る発明によれば、請求項１に係る創薬用ラック位置決め装置において、移動側把持ローラが、それぞれ独立に、ラックとの当接方向と逆方向に後退可能に支持されていることにより、それぞれの移動側把持ローラに対する当接度合いが異なったとしても移動側把持ローラが、それぞれ独立に後退して当接度合いの違いを吸収することができるため、ラックが多少歪んでいても確実に位置決めできる。
【００１２】
また、本請求項３に係る発明によれば、請求項１又は請求項２に係る創薬用ラック位置決め装置において、移動側把持ローラのそれぞれの後退を検出する後退検出機構が、移動側把持ローラのそれぞれに設けられていることにより、それぞれの移動側把持ローラの後退を監視することができるので、ラックの形状不良等の不具合を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明は、創薬用試料を封入する容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置において、ラックの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラが、ベースプレートに軸支され、ラックの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラが、ベースプレートに固設された把持ローラ駆動機構に連設する把持ローラ取付金具に軸支され、ラックの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具が、ベースプレートに固設され、ラックの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な複数の移動側把持具が、ベースプレートに固設された把持具駆動機構に連設する把持具取付金具に固設されていることにより、ラックを損傷することなく、正確に位置決めができ、しかも、ラックの形状が歪んでいる場合であっても対応可能なものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【００１４】
例えば、本発明の創薬用ラック位置決め装置が対象とするラックは、９６チューブラックであっても、３８４チューブラックであっても位置決め動作に何ら支障はなく、さらには、マイクロチューブを収容するものであっても、バイアル瓶を収容するものであっても位置決め動作に何ら支障はない。
【００１５】
また、本発明の創薬用ラック位置決め装置の移動側把持ローラを移動させる把持ローラ駆動機構及び移動側把持具を移動させる把持具移動機構は、制御信号に応答して確実に移動側把持ローラ及び移動側把持具を移動させることができるものであれば、その具体的な駆動機構は如何なるものであっても良く、例えば、電動ソレノイドや気圧式又は油圧式シリンダなど何れであっても構わないが、電動ソレノイドを採用する場合には、駆動用電力供給線は気圧式又は油圧式シリンダにおける圧縮空気又は圧縮油の供給用ホースに比べ細く配線がし易く、しかも、低温環境下においても駆動動作にほとんど影響が及ばないため、より好ましい。
【００１６】
さらに、固定側把持ローラ、移動側把持ローラ、固定側把持具及び移動側把持具の個数は、２つであっても、３つ以上であっても良い。
【００１７】
本発明の一実施例を図１乃至図６に基づいて説明する。
ここで、図１は、本発明の実施例である創薬用ラック位置決め装置の正面図であり、図２は、図１に示した創薬用ラック位置決め装置を矢視ＩＩ方向から見たときの側面図であり、図３は、図１に示した創薬用ラック位置決め装置を矢視ＩＩＩ方向から見たときの側面図であり、図４は、図３に示した創薬用ラック位置決め装置の移動側把持ローラを矢視ＩＶ方向から見たときの正面図であり、図５は、図４に示した移動側把持ローラを矢視Ｖ方向から見たときの側面図であり、図６は、創薬用ラック位置決め装置によるトレイの位置決め動作を説明する図である。
【００１８】
本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００は、創薬用試料を封入したマイクロチューブを収容した多数のラックを冷凍保管する自動回転倉庫等において、マイクロチューブを外部と倉庫内との間において搬入排出するために使用する入出庫用ラックと、マイクロチューブを倉庫内の所定の棚において保管するために使用する保管用ラックとの間においてピッキング装置を用いてマイクロチューブの差し替えを行う際に、ラックを所定の位置に位置決めするために使用されるものである。
【００１９】
本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００は、図１乃至図５に示すように、ラックＲの第１の側面に当接する２つの固定側把持ローラ１１０が、ベースプレート１９０に軸支されており、ラックＲの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な２つの移動側把持ローラ１２０が、ベースプレート１９０に固設された把持ローラ駆動機構１６０に連設する把持ローラ取付金具１３０に軸支されており、ラックＲの第１の側面に直交する第３の側面に当接する２つの固定側把持具１４０がベースプレート１９０に固設されており、ラックＲの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な２つの移動側把持具１５０が、ベースプレート１９０に固設された把持具駆動機構１７０に連設する把持具取付金具１５２に固設されている。
【００２０】
移動側把持ローラ１２０は、図３に示すように、移動側把持ローラベース１２２に軸支されており、この移動側把持ローラベース１２２は、把持ローラ取付金具１３０に固設された直線ガイド１３２に案内されてスライド可能に支持されている。そして、ばねガイドピン１２６に遊嵌したフローティングばね１２４が、移動側把持ローラベース１２２を付勢している。その結果、把持ローラ駆動機構１６０により移動側把持ローラ１２０がラックＲの側面と当接すると、移動側把持ローラ１２０は後退する。この時、図４及び図５に示すように、移動側把持ローラベース１２２に取り付けられた押込み量検知ストライカ１２９と移動側把持ローラ１２０の近傍に設置された押込み量検知センサ１２８とが干渉することにより、移動側把持ローラ１２０が後退したことが検出される。すなわち、本実施例においては、押込み量検知ストライカ１２９と押込み量検知センサ１２８が移動側把持ローラ１２０の後退を検出する後退検出機構を構成しており、この後退検出機構は、２つの移動側把持ローラのそれぞれに設けられている。
【００２１】
また、図３に示すように、把持ローラ取付金具１３０には、ストローク検知ストライカ１８１が取り付けられており、このストローク検知ストライカ１８１と装置の固定部材に設置されたストローク検知センサ１８０が干渉することにより、移動側把持ローラ１２０によってラックＲが確実に所定の把持がなされたか否かが検出される。すなわち、把持ローラ駆動機構１６０を動作させても、ストローク検知センサ１８０が所定の信号を出力しない場合には、ラックＲの置き方に不具合があるか、ラックＲが所定の形状のものでないかなど、ラックＲの位置決めを行うに際し、何らかの問題があるものとして作業者に警告を発することができる。ラックＲの位置決めは、ラックＲを目視できない状況で行われることが多いため、移動側把持ローラ１２０の状態をストローク検知センサ１８０の出力信号によって確認できることは、装置の信頼性向上に寄与する。特に、装置が、創薬用自動回転倉庫の内部などで使用される場合には、その効果は、甚大である。
【００２２】
次に、本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００によって、ラックＲを位置決めする動作について図６に基づいて説明する。
【００２３】
まず、図６（ａ）に示すように、創薬用ラック位置決め装置１００のラック載置エリアにラックＲを置く。この時、ラックＲは、固定側把持ローラ１１０、移動側把持ローラ１２０、固定側把持具１４０、移動側把持具１５０の何れにも接触していない状態にある。
【００２４】
そして、図６（ｂ）に示すように、把持ローラ駆動機構１６０を駆動させることによって、移動側把持ローラ１２０をラックＲの長辺側の一側面に当接させる。その結果、ラックＲは、固定側把持ローラ１１０方向にスライドし、２つの固定側把持ローラ１１０と２つの移動側把持ローラ１２０によってラックＲの一対の長辺側の側面が把持される。すなわち、図６（ｂ）において、Ｙ軸方向の位置決めが行われる。
【００２５】
この時、２つの移動側把持ローラ１２０は、それぞれ、前述したように、フローティングばね１２４によって後退可能に支持されているので、ラックＲが多少歪んでいても確実にラックＲを把持することができる。一方、２つの移動側把持ローラ１２０のそれぞれに設けた押込み量検知センサ１２８の出力が片側だけしか出力されない場合、すなわち、２つの移動側把持ローラ１２０の後退量が大きく異なる場合には、ラックＲの形状が大きく歪んでおり、正確な位置決めができないと判断して、作業者に異常を伝える。
【００２６】
次に、図６（ｃ）に示すように、把持具駆動機構１７０を駆動させることによって、移動側把持具１５０をラックＲの短辺側の一側面に当接させる。ラックＲは、移動側把持具１５０によって押されて固定側把持具１４０方向にスライドし、２つの固定側把持具１４０と２つの移動側把持具１５０によってラックＲの一対の短辺側の側面が把持される。すなわち、図６（ｃ）において、Ｘ軸方向の位置決めが行われる。その結果、ラックＲの位置決めが完了する。この時、ラックＲの長辺側の側面は、２つの固定側把持ローラ１１０と２つの移動側把持ローラ１２０によって把持されているので、ラックＲに無理な力が加わることなく、円滑に固定側把持具１４０方向にスライド可能であるため所定の位置に確実に位置決めできるとともに、ラックＲがスライドしても、ラックＲの長辺側の側面が摩擦することがなく、ラックＲを傷めることがない。
【００２７】
以上のように、本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００は、ラックＲの第１の側面に当接する２つの固定側把持ローラ１１０が、ベースプレート１９０に軸支され、ラックＲの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な２つの移動側把持ローラ１２０が、ベースプレート１９０に固設された把持ローラ駆動機構１６０に連設する把持ローラ取付金具１３０に軸支され、ラックＲの第１の側面に直交する第３の側面に当接する２つの固定側把持具１４０がベースプレート１９０に固設され、ラックＲの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な２つの移動側把持具１５０が、ベースプレート１９０に固設された把持具駆動機構１７０に連設する把持具取付金具１５２に固設されていることにより、ラックＲの一対の長辺側の側面の把持がローラで行われ、把持後も長辺方向に移動可能であるため、ラックＲを損傷することなく確実にラックＲの位置決めを行うことができる。
【００２８】
加えて、本実施例の創薬用ラック位置決め装置１００は、２つの移動側把持ローラ１２０が、それぞれ独立に、ラックＲとの当接方向と逆方向に後退可能に支持されていることにより、２つの移動側把持ローラ１２０に対する当接度合いが異なったとしても移動側把持ローラ１２０が、それぞれ独立に後退して当接度合いの違いを吸収することができるため、ラックＲが多少歪んでいても確実かつ正確な位置決め作業が達成できるなど、その効果は甚大である。
【００２９】
なお、前述した実施例では、ラックＲの長辺側の側面を把持ローラで把持し、短辺側の側面を把持具で把持しているが、ラックＲの長辺側を把持具で把持し、短辺側の側面を把持ローラで把持する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】本発明の創薬用ラック位置決め装置の正面図。
【図２】図１に示した創薬用ラック位置決め装置を矢視ＩＩ方向から見たときの側面図。
【図３】図１に示した創薬用ラック位置決め装置を矢視ＩＩＩ方向から見たときの側面図。
【図４】図３に示した創薬用ラック位置決め装置の移動側把持ローラを矢視ＩＶ方向から見たときの正面図。
【図５】図４に示した移動側把持ローラを矢視Ｖ方向から見たときの側面図。
【図６】創薬用ラック位置決め装置によるトレイの位置決め動作を説明する図。
【図７】従来のラック位置決め装置の正面図。
【図８】マイクロチューブとラックの斜視図。
【符号の説明】
【００３１】
１００ ・・・ 創薬用ラック位置決め装置
１１０ ・・・ 固定側把持ローラ
１２０ ・・・ 移動側把持ローラ
１２２ ・・・ 移動側把持ローラベース
１２４ ・・・ フローティングばね
１２６ ・・・ ばねガイドピン
１２８ ・・・ 押込み量検知センサ
１２９ ・・・ 押込み量検知ストライカ
１３０ ・・・ 把持ローラ取付金具
１３２ ・・・ 直線ガイド
１４０ ・・・ 固定側把持具
１５０ ・・・ 移動側把持具
１５２ ・・・ 把持具取付金具
１６０ ・・・ 把持ローラ駆動機構
１７０ ・・・ 把持具駆動機構
１８０ ・・・ ストローク検知センサ
１８１ ・・・ ストローク検知ストライカ
１９０ ・・・ ベースプレート
Ｒ ・・・ ラック
【特許請求の範囲】
【請求項１】
創薬用試料を封入する容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置において、
前記ラックの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラがベースプレートに軸支され、
前記ラックの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラが前記ベースプレートに固設された把持ローラ駆動機構に連設する把持ローラ取付金具に軸支され、
前記ラックの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具が前記ベースプレートに固設され、
前記ラックの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な複数の移動側把持具が前記ベースプレートに固設された把持具駆動機構に連設する把持具取付金具に固設されていることを特徴とする創薬用ラック位置決め装置。
【請求項２】
前記移動側把持ローラが、それぞれ独立に、ラックとの当接方向と逆方向に後退可能に支持されていることを特徴とする請求項１記載の創薬用ラック位置決め装置。
【請求項３】
前記移動側把持ローラのそれぞれの後退を検出する後退検出機構が、移動側把持ローラのそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項２記載の創薬用ラック位置決め装置。
【請求項１】
創薬用試料を封入する容器を格子状に複数本縦立収容する収容面が長方形のラックを所定の場所に位置決めする創薬用ラック位置決め装置において、
前記ラックの第１の側面に当接する複数の固定側把持ローラがベースプレートに軸支され、
前記ラックの第１の側面に対向する第２の側面に当接離反可能な複数の移動側把持ローラが前記ベースプレートに固設された把持ローラ駆動機構に連設する把持ローラ取付金具に軸支され、
前記ラックの第１の側面に直交する第３の側面に当接する複数の固定側把持具が前記ベースプレートに固設され、
前記ラックの第３の側面に対向する第４の側面に当接離反可能な複数の移動側把持具が前記ベースプレートに固設された把持具駆動機構に連設する把持具取付金具に固設されていることを特徴とする創薬用ラック位置決め装置。
【請求項２】
前記移動側把持ローラが、それぞれ独立に、ラックとの当接方向と逆方向に後退可能に支持されていることを特徴とする請求項１記載の創薬用ラック位置決め装置。
【請求項３】
前記移動側把持ローラのそれぞれの後退を検出する後退検出機構が、移動側把持ローラのそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項２記載の創薬用ラック位置決め装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１０−４８５７０（Ｐ２０１０−４８５７０Ａ）
【公開日】平成２２年３月４日（２０１０．３．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２１０６０９（Ｐ２００８−２１０６０９）
【出願日】平成２０年８月１９日（２００８．８．１９）
【出願人】（０００００３３５５）株式会社椿本チエイン (861)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年３月４日（２０１０．３．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年８月１９日（２００８．８．１９）
【出願人】（０００００３３５５）株式会社椿本チエイン (861)
【Ｆターム（参考）】
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