加工品の測定装置および測定方法
座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して、表面を測定するための方法および装置。この座標位置決め装置は、走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、この走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含む。表面検知装置が追跡するであろう表面上の所望の測定プロフィール、および、表面検知装置がこの測定プロフィールをたどるときの表面検知装置の向きの所望の動作が決定される。このデータは、表面検知装置が測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、座標位置決め装置の部材と表面との間の相対的動作の必要とされる経路を導き出すために使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標測定機(CMM)、工作機械、手動座標測定アーム、および検査ロボットなどの座標位置決め装置に搭載された電動走査ヘッド(motorised scanning head)を使用して、加工品の表面を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、座標位置決め機械上に電動走査ヘッドを搭載することは知られている。電動走査ヘッドによって、その電動走査ヘッドに搭載される触針を2つの直交する軸の周りを回転させることが可能になる。この触針は、これら2つの軸の周りに角度的に位置決めすることができ、一方電動走査ヘッドは、座標位置決め機械によって機械の可動範囲内の任意の位置に位置決めすることができる。
【0003】
電動走査ヘッドは多くの異なる向きに触針を位置決めすることができるので、そのような電動走査ヘッドは、座標位置決め機械に、より大きな走査柔軟性を与える。
【0004】
この出願は、規則正しい形状の部品を測定するために、座標位置決め装置の単純な移動が電動走査ヘッドの移動と組み合わされる測定順序を開示する。例えば、穴は、電動走査ヘッドが触針先端部(stylus tip)を円形のプロフィールで移動させながら、CMMのクイル(quill)を中央線に沿って移動させることにより、結果として螺旋の動作にすることによって、測定される。同様に平表面は、電動走査ヘッドが走査動作(sweeping motion)を実施するときに、CMMのクイルを一定速度で表面に対して平行に移動させることによって、測定することができる。
【0005】
また、この出願は、円錐の表面を走査することも開示し、その円錐は、その軸をCMMのz軸に対して平行に配置される。クイルは、走査ヘッドのモータが表面検知装置をz軸周りで円錐に対して付勢するときに、円形の経路で駆動される。
【0006】
加工品測定の従来の方法において、触針先端部位置は、クイルからオフセットされた固定位置にあり、探触子の較正から知られる。
【0007】
【特許文献1】国際公開第90/07097号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
5軸システムについては、この触針先端部位置が走査ヘッドの(すなわち、軸A1およびA2周りの)角度および探触子長さによって決まり、それにより触針先端部位置は、走査ヘッドの角度が変化するときにクイル位置に対して常に変化している。
【0009】
この場合、実際の先端部位置は走査ヘッド内の公差によって影響される。したがって、クイルが固定され、かつ触針先端部位置がこれらの公差を考慮に入れるようにその公称位置(nominal position)から変化できるようにされるか、または、その逆のいずれかでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して表面を測定するための方法を提供し、この座標位置決め装置は、走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含み、この方法は、
(a)表面検知装置が追跡するであろう所望の測定プロフィールを表面上に決定するステップと、
(b)表面検知装置がステップ(a)の測定プロフィールをたどるときに、表面検知装置の向きの所望の動作を決定するステップと、
(c)表面検知装置が測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、座標位置決め装置の部材と表面との間の相対的な動作の必要とされる経路を導き出すために、ステップ(a)および(b)で求められたデータを使用するステップと、
を含む。
【0011】
この表面検知装置の測定プロフィールは、線形または非線形であることができる。
【0012】
ステップ(b)でのベクトルの動作は、測定プロフィールに沿った表面検知装置の動作中のベクトルを決める関数を含むことができる。ステップ(b)でのベクトルの動作は、測定プロフィールに沿った別々の点、およびそれらの間に内挿される点において、ベクトルを決定することによって求めることができる。
【0013】
ステップ(b)でのベクトルの動作は、ベクトルが表面垂直に対して変化するようなものであることができる。
【0014】
ステップ(b)でのベクトルは、表面検知装置がヘッドの後をたどるか、ヘッドの前で押されるか、あるいは表面垂直の垂線と位置合わせされるように、表面検知装置を位置決めすべく選ぶことができる。1つの種類(type)のベクトルから別の種類(type)のベクトルへの過渡期が存在する場合がある。
【0015】
ステップ(a)での測定経路、およびステップ(b)でのベクトルの動作は、座標位置決め装置の部材と表面との間の所望の相対的な動作を与えるように選ぶことができる。
【0016】
ステップ(a)の測定プロフィールは、表面プロフィール上に2つ以上の別々の測定点を決めることによって決定することができる。ステップ(a)の測定プロフィールは、関数により決定することができる。
【0017】
少なくとも1つの軸での動作は、測定プロフィールの一部において凍結することができる。走査ヘッドの動作は、測定プロフィールの一部において凍結することができる。位置決め装置の動作は、測定プロフィールの一部において凍結することができる。
【0018】
この方法は、表面を測定するためにステップ(a)、(b)および(c)からのデータを使用するステップを含むことができる。
【0019】
少なくとも1つの軸の周りでの走査ヘッドの回転移動は、表面検知装置をその測定範囲内に維持するために使用することができる。走査ヘッドは、表面検知装置をその測定範囲内に維持するように、目標ベクトルに沿ってサーボ制御することができる。座標位置決め装置の部材と表面との間の相対的な動作は、表面検知装置が表面の所望の平面に沿って追跡することを維持するために使用することができる。
【0020】
本発明の第2の態様は、座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置のための測定経路をプログラミングするためのコンピュータプログラムを提供し、この座標位置決め装置は、走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、この走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含み、このコンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されたときに、請求項1から14のいずれかに記載のステップを実行するようになされたコードを含む。
【0021】
好ましくは、このコンピュータプログラムは、CD、USBスティック、または他のメディアなどの媒体上で提供され、コンピュータにロードされると本発明を実行する。このコンピュータプログラムは、インターネットから直接ダウンロードすることもできる。
【0022】
本発明の第3の態様は、座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して表面プロフィールを測定するための装置を提供し、この座標位置決め装置は、走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、この走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含み、この装置は、
(a)表面検知装置がたどるであろう所望の測定プロフィールを前記表面上に決定するステップと、
(b)表面検知装置がステップ(a)の測定プロフィールをたどるときに、表面検知装置の向きの所望の動作を決定するステップと、
(c)表面検知装置が測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、座標位置決め装置の部材と表面との間の相対的な動作の必要とされる経路を導き出すためにステップ(a)および(b)で決定されたデータを使用するステップと、
を実行するためのコンピュータを備える。
【0023】
この装置は、表面を測定するためにステップ(a)、(b)および(c)からのデータを使用するステップを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に本発明の好ましい実施形態の例を、添付の図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、座標測定機械(CMM)上に搭載された電動走査ヘッドを示す。測定される予定の加工品10がCMM14のテーブル12上に搭載され、電動走査ヘッド16はCMM14のクイル18上に搭載される。スピンドルは、既知の方式において、モータによってテーブルに対してX、Y、Z方向に駆動可能である。図2に示すように、電動走査ヘッド16は、シャフト22の形態の移動可能部品によって支持される基台またはハウジング20によって形成される固定部分を備え、シャフト22は、モータによって軸A1の周りをハウジング20に対して回転可能である。シャフト22はハウジング24に固定され、そのハウジング24は、モータM2によって軸A1に直角な軸A2の周りをハウジング24に対して回転可能なシャフト26を支持する。
【0026】
加工品接触先端部30を有する触針29付の探触子28は、電動走査ヘッド上に搭載される。この配置は、ヘッドのモータM1、M2が加工品接触先端部を軸A1またはA2の周りに角度的に位置決めでき、CMMのモータが、電動走査ヘッドをCMMの3次元座標枠組み内のどこにでも線形に位置決めして、触針先端部に走査されている表面と所定の関係をもたらすことができるものである。
【0027】
線形位置トランスデューサが走査ヘッドの線形変位を測定するためにCMM上に設けられ、角度位置トランスデューサT1およびT2は、それぞれの軸A1およびA2周りの触針の角度変位を測定するために走査ヘッドに設けられる。
【0028】
図1に示すCMMの型式において、クイルと加工品との間の相対的な移動は、クイルを3つの直交する方向に移動できるようにすることによって得られる。座標位置決め装置の別の型式において、クイル(または電動走査ヘッドが搭載される別の部材)と加工品との間の相対的な移動は、クイルの移動、加工品が搭載されている表面(例えばテーブル)の移動、または上記の組み合わせによって得ることができる。
【0029】
探触子は偏位可能な触針29を有し、探触子内のトランスデューサが触針偏位量を測定する。この探触子は、2次元の例えばXおよびYでの偏位を検知、あるいは3次元の例えばX、YおよびZでの偏位を検知することができる。別法として、非接触の探触子(例えば、光学、静電容量またはインダクタンス探触子)を使用することができる。
【0030】
図1に示すような垂直アームCMM上において、走査ヘッド16のA1軸は、(スピンドル18に沿う)CMMz軸に対して名目上平行である。この走査ヘッドは、この軸の周りで探触子を連続的に回転させることができる。走査ヘッドのA2軸は、そのA1軸に対して直交している。
【0031】
電動走査ヘッドは、ヘッドの再較正を必要とせずに、表面検知装置を異なる向きに位置決めすることができる。
【0032】
CMMおよび走査ヘッドの位置は、コンピュータに備えられる制御コードによって制御され、そのコンピュータは、ハードウエアの注文部品すなわち制御器またはP.C.であってもよい。このコンピュータは、CMMおよび走査ヘッドを測定経路に沿って移動させるようにプログラムすることができる。コンピュータ15は図1に示されている。
【0033】
いくつかの場合において、CMMのクイルを部品の周囲を移動させることによって、その部品を走査することは可能でない。この部品は、可動範囲の縁部に配置されるものかもしれず、CMMのクイルがその周りの全てを移動することを妨げる。あるいは、部品の制限は、アクセスが可能でないこと、例えば、ブリスク(blisk;組み合わされたブレードとディスク)のブレードを測定するときに、CMMクイルは、いくつかの位置で中央ディスクおよび隣り合うブレードによって制限されることを意味する。
【0034】
図3および4は、タービンブレード32の斜視図および平面図をそれぞれ示す。この例においては、クイルのアクセスがタービンブレードの一端部に制限される。破線は、CMMクイルの可能な動作の境界を示す。このアクセスの問題、測定探触子38上のクランク形状の触針36を使用する従来の走査方法において、克服することができる。このクランク形状の触針36は、CMMクイルが境界34を横切って移動することなく、触針先端部40が部品にアクセスすることを可能にする。しかしながら、それは、このクランク形状の触針36でタービンブレード32の半分しか測定できない欠点を有する。測定する予定のタービンブレード32の別の半分に対しては、触針は、180°回転させられる別のクランク形状の触針と交換しなければならない。別法として、星型触針を使用することができる。
【0035】
図5および6は、図3および4に示したものと同じタービンブレード32の斜視図および平面図をそれぞれ示す。このタービンブレード32は電動走査ヘッドで測定され、その上には、偏位可能な触針29および加工品接触先端部30を有する探触子28が搭載される。
【0036】
電動走査ヘッド16による走査手順中に、触針先端部位置、ヘッドの角度、およびCMMのクイルの位置を含む可変量の3セットが存在する。
【0037】
ヘッドの角度は、CMMのクイルがアクセス不可能な場所に位置決めされる必要なしに、部品を測定できるように選ぶことができる。したがって、アクセスが制限されるタービンブレード32の一端部にて、ヘッド16は、CMMのクイルが境界線34を横切らないように角度が付けられる。このヘッドの角度は、走査の最初から最後まで変化することができ、部品の全体プロフィールが一回の試みで測定できるようになる。
【0038】
このヘッド角度は、触針が引っ張られるすなわちヘッドの後をたどるように、押されるすなわちヘッドより前方にあるように、あるいは、垂直すなわち部品に対して垂直に位置合わせされるように選ぶことができる。測定経路内の異なるヘッド角度の間に、過渡期が存在する可能性がある。2次元探触子に対しては、走査ヘッドを低い角度に角度付けることが好ましい場合がある。これは、偏位が主として探触子のXY平面内にあるという利点を有する。しかしながら、3次元探触子に対しては、この制限は必要とされない。
【0039】
図6のイラストは、時計回り方向に走査されているタービンブレードを示す。触針が示され、狭い端部を去るとき引っ張られ、広い端部に近づくとき押される。ヘッド角度およびクイル経路は、触針が広い端部に近づくときに、触針が引っ張られる状況と、押される状況と、の間の過渡期をたどることができるように調整される。代替の走査体制では、この触針は、それが狭い端部に近づくときに引っ張られ、そして、それがこの狭い端部から立ち去るときに(破線の探触子によって示すように)押されてもよく、これにより、広い端部に近づくヘッド角度に過渡期が必要となることを避ける。狭い端部でのヘッド角度に必要な変化が全くない、または極めて少ないため、狭い端部で必要とされるクイルの動作は最小限になる。走査形態の選択においては、正確性、処理能力および可動範囲を追求する経路などの検討材料が考慮される。
【0040】
可変量の3つのセットのうちの2つの情報が必要とされ、3つ目は、所望の走査経路を実現するために計算することができる。触針先端部の所望の位置およびヘッド角度を選択して、このデータをCMMクイルの位置の予想に使用することが好ましい。
【0041】
表面上の1点を測定するために、表面検知装置の空間での位置および向きに関する座標を定義する必要がある。従来、これは、表面検知装置の動作を定義する5つの駆動軸(2つがヘッド内、3つがCMM内)の5つの位置を特定することによって行われている。しかしながら本発明においては、表面検知装置の先端部位置および向きが特定されて、CMM駆動軸の動作を導き出すことができる。
【0042】
走査プロフィールをセットするための触針先端部座標位置の使用は、これらの座標位置が所望の測定値に近くて、それらが可能な限り正確であるために有益であるという利点を有する。ある用途において、例えばイギリス民間航空局規格に対してタービンブレードを測定する用途では、触針先端部をある平面内に維持することが重要である。ガスケットなどの他の用途においては、穴などの形体を避けるように走査経路が選ばれる。
【0043】
触針先端部座標位置を定義することは、触針先端部の位置が常に知られている(すなわち、それが定義されている)ときに、触針先端部と部品との間の衝突を避けることができる利点も有する。
【0044】
さらに、ヘッドおよび測定システムの公差、例えば触針長さ公差およびプログラミングの簡略化等に起因するどのようなオフセット等も、CMMクイルの位置に考慮に入れることができる。
【0045】
走査経路を求めるのにヘッド角度を使用することも利点を有する。いくつかの型式の探触子に対しては、所望のヘッド角度の範囲が必要とされることがあり、例えば、2次元接触探触子は、最適な測定のために角度制限を必要とすることがある。さらに、ヘッドは、部品に対するアクセスを最大限にするために、ある角度に角度付けられることが必要になることがある。
【0046】
図7は、タービンブレードの斜視図であり、どのように走査経路が決められるかを示すために用いられる。所望の走査経路に沿った2つの部分AおよびFが選ばれる。触針先端部座標位置は、これらの2つの位置に対して求められる。これは、CADデータまたは部品の測定値から求めることができる。触針先端部30とクイル42(クイル上の点、またはヘッド上のA1およびA2角度の交点のいずれか)との間の方向を与えるヘッドベクトル
【0047】
【数1】
【0048】
も、点AおよびFに対して選ばれる。ヘッドベクトル
【0049】
【数2】
【0050】
を選ぶときに考慮されることのある要因は、使用される探触子の型式、アクセス制限等である。このヘッドベクトル
【0051】
【数3】
【0052】
は、A1およびA2軸周りの相対的な回転と関連し、このデータは取り替えて使用することができる。
【0053】
AとFの間に長い距離が存在する場合、あるいは走査経路が複雑な形状を有する場合、この走査経路は、一連の中継点B、C、DおよびEに分けることができる。触針先端部位置およびヘッドベクトルも、これらの中継点に対して選ぶことができる。
【0054】
触針先端部経路は、補間または関数に対するはめ込み(fitting to a function)によって、中継点から求めることができる。別法として、触針先端部経路は、表面に沿った正弦関数などの関数によって決定することができる。
【0055】
2つの点の間のヘッドベクトルの動作は、関数、例えば、ヘッドベクトルの角度をプロフィールに沿った距離または時間に関連付ける関数によって、表現することができる。図17は、長さLの直線に沿った走査を示す。走査の開始点でのA1軸周りの角度はθである。したがって、走査が進行するときのA1軸周りの角度の変化は、方程式[1]の下記の関数によって表現することができる。
θ=θs+(δL/L)θp [1]
【0056】
ここで、θsは走査の開始点でのθの値であり、θs+θpは所望の完了角度である。
【0057】
2つの軸A1およびA2が直交しているので、(A1軸周りの)角度θと(A2軸周りの)角度φは、別々に(すなわち、2つの角度に関連して使用される異なる関数で)取り扱うことができる。図17は直線の場合を示すが、この手法は、非直線プロフィールに対しても適切である。
【0058】
ベクトル動作は、ベクトル動作を測定されている形体に関連付ける所定の方程式にはめ込むこともできる。図18は、水平ボス110の外側表面の走査を示す。この場合、探触子28がその長手方向軸を表面垂直に位置合わせて維持されて、ベクトル動作が円を画くことが望ましい。ヘッド角度は、下記の方程式によって表現することができる。
θ=sinωt [2]
φ=cosωt [3]
【0059】
ここで、ωは触針先端部の回転速度である。
【0060】
これらの方程式は、両方のヘッドに円形の動作を生じさせることが要求されるときに好適である。垂直のボスに対しては、このベクトルはA1軸周りに回転することのみ必要とされ、それらの方程式は、それにしたがって単純化することができる。他の方程式は、他の形態に適用可能なヘッド動作に対して導き出すことができる。
【0061】
ヘッドベクトルの動作は、中継点でのヘッド角度から補間によって求めることもできる。
【0062】
触針先端部経路および走査ヘッド角度が決定されると、触針先端部を(走査ヘッドと共に)AとFの間で移動させるためのCMMクイルの軌跡を求めることができる。
【0063】
例えば、図7のタービンブレードを点AからAに連続的に周る走査経路も同様に求めることができる。
【0064】
図7は、タービンブレード32の周囲周りの線走査44を示す。しかしながら、図8に示すようなスイープ走査(sweep scan)を行うために、同じ方法を使用することも可能である。この場合、CMMクイルの軌跡は、前のように、中央線44に対して求められる。次いで、スイープ走査を生じさせるために、振動する動作がヘッドの動作に重ね合わされる。
【0065】
図5〜8に記載される走査において、CMMの動作は、複雑であって、非線形の軌跡および速度を有する。CMMクイルが非線形の速度および軌跡で移動することを可能にすることによって、より効率的な走査プロフィールを作り出すことができる。電動走査ヘッドは、それが低い質量、低い慣性および高い動的応答を有する故に、迅速に移動させることができる。しかしながら、CMMクイルの高加速は結果として機械変形になり、この結果、測定誤差を引き起こす。したがって、どのような走査プロフィールにおいても、CMMクイルの移動および加速を最小限にし、電動走査ヘッドの移動および加速を最大限にすることが望ましい。これによって、最小限の測定誤差で高速走査が可能になる。
【0066】
図16は、XとYの間の経路90を走査するための2つの実行可能なCMMクイル軌跡を示す。線ACは、XとYの間で走査ヘッド角度が固定して維持される場合のCMMクイルの軌跡を示す。線ABは、XとYの間で走査ヘッド角度が変更される場合のCMMクイルの軌跡を示す。軌跡ABは、CMMクイルの移動を最小限にし、かつ簡単化している。
【0067】
図9は、部品48の直線を走査する従来の方法を示す。CMMクイル42は、直線軌跡50内を移動させられ、探触子52を直線54内で引っ張る。
【0068】
図10は、本発明によって、直線54を走査する別の方法を示す。この方法では、CMMクイルが2つの連続した曲線内を後方および前方に移動する軌跡56をたどる間に、電動走査ヘッド16がそのA1軸周りに回転する。触針先端部30の直線移動を達成させるために、電動走査ヘッドおよびCMMクイルの両方の移動が用いられる。しかしながら、電動走査ヘッドの移動が最大限にされ、一方、CMMクイルの移動が最小限にされ、これにより、この走査は、結果として起きる最小限の測定誤差で高速で達成できる。
【0069】
前に示したように、この走査プロフィールは、所望の触針先端部位置およびヘッド角度を決定し、このデータを必要とされるCMMクイル位置を計算するために使用することによって、生成される。
【0070】
この方法は、正方形の部品を極めて迅速に測定するために使用することができる。適切な場合、触針長さおよび走査ヘッド角度は、CMMクイルの移動を最小限にするように選ぶことができる。
【0071】
図15は、静止しているクイルと、走査ヘッドによって与えられる移動と、により得られる正方形プロフィール82の内側表面の走査プロフィール80を示す。触針先端部は弧(arc)を通ってスイープ(sweep)する。しかしながら、実際の測定データが平面上に取られるならば、いくつかの場合においては、測定データを平面上に投影することができることが望ましい。これは、触針先端部が直線をたどるようにするために、クイルが垂直に移動する場合に可能となる。本発明の方法を使用することによって、正方形のプロフィールは、探触子の測定プロフィール(すなわち、正方形)を選択し、走査中に必要とされるヘッド角度(360°回転)を選択し、それらによってCMMの必要とされる移動を計算することによって、効率的に測定することができる。破線81は、新たな触針先端部経路を示す。
【0072】
図23は、ガスケット116の平面図である。本発明は、触針先端部が決定された経路をたどるので、ガスケットなどの部品を測定するために適している。この方法では、触針先端部経路ではなくCMM経路が選択される従来技術のように、触針先端部が誤った経路をたどって穴に入る危険性はない。図23は、ガスケット116を測定するために使用することができる線経路118およびスイープ経路(sweep path)120の両方を示す。
【0073】
本発明は、それがアクセスするのが困難である部分、例えば凹んだ部分の走査を可能にする利点を有する。図11は、従来手段を使用して測定することが困難である凹部60を有する部分58を示す。この部分を従来方法で測定するためには、3つの触針62、64、66を使用する必要がある。2本の破線68、70の間に示される中央部分は、直線の触針62を使用して測定することができ、第1のクランク形状の触針64は、破線68の片側の側面および底部部分を測定するために使用される。クランク形状の触針64のサイズは開口部の寸法dによって制限され、したがってそのサイズは、それが底部表面のどれくらい多くを測定できるかにおいて制限される。第1のクランク形状の触針64に対して180°角度が付いている第2のクランク形状の触針66は、もう1つの破線70の側の側面および底部を測定するために使用される。したがって、この凹部60を測定するために少なくとも3つの段階が必要とされる。
【0074】
本発明を使用して、この凹部60を図12に示すように単一の段階で測定することができる。触針先端部位置、ヘッド角度、およびCMMクイル位置は、全て、凹部の3つの表面全てを測定できるように、走査の最初から最後まで調整される。前に述べたように、所望の触針先端部位置およびヘッド角度は、必要とされるCMMクイル位置を計算するために使用される。
【0075】
凹部の底部が測定されている間にクイルによってたどられるCMM軌跡72が示されている。図12の例は、例えばブリスク(blisk)などの複雑な部品のアクセス問題を示す。
【0076】
図13は、その外側表面が測定されるボス(boss)74を示す。CMMのクイル42は、ボスの中心線と位置合わせされる。次に、電動走査ヘッド16はA1軸の周りを回転させられ、触針先端部30がボスの頂部に向かって円周の測定を実施する。しかしながら、この方法は、先端部30がもはや表面と接触することができなくなるので、ボスをさらに下って繰り返すことができないという欠点を有する。
【0077】
図14は、ボス74を走査するための代替方法を示す。この方法において、ボス74の外側表面は、複数の区画、例えば4つの区画に分割される。線76によって示すように、ボス74の外側表面は、1つの区画を終わりまでスイープ走査を実施し、触針先端部を次の区画に移動させてから、その区画のスイープ走査を下などに実施することによって、連続的に測定することができる。ボスの頂部も、例えばスイープ走査(図示せず)を実施することによって、その走査プロフィール内において走査することができる。触針先端部30が区画から区画に移動するとき、それは表面を離れない。前に述べたように、この走査プロフィールは、触針先端部位置およびヘッド角度を選び、これらを用いてCMMクイル位置を決定することによって、求められる。
【0078】
別法として、触針先端部を区画の間で反対方向(例えば、下向き)に表面をトレース(tracing)して、各区画を1つの方向に(例えば、上向きに)走査することができる。別法として、この触針先端部は、区画の間で表面を離れることができる。
【0079】
この方法は、水平のボスに対しても適している。
【0080】
上記の実施形態は、表面プロフィールを走査するための接触探触子を説明したが、表面プロフィールは、接触点を取ることによっても測定することができる。この場合、この測定探触子は、表面プロフィールの別々の測定位置を取るために使用される。
【0081】
図19は、従来型の技術によって測定されている穴96を示し、図20は、本発明の方法によって測定されている浅い穴98を示す。図19に示すように、穴の内側表面の別々の測定点を取る従来型の方法は、測定点が取られるべき平面102の下の触針先端部30を伴って走査ヘッド16を中心線100に沿って位置決めするために、クイル18を使用するであろう。そてい、ヘッド角度は、触針先端部を表面と接触させるように調整される。しかしながらこの方法は、非常に浅い盲穴に対しては、触針先端部を測定点の平面の下に位置決めすることができないため可能ではない。本発明では、図20に示すように、クイル18および探触子角度の両方が、触針先端部を測定点の平面102の下に持っていく必要なしに、触針先端部30を穴の内側表面と接触させることができるように移動させられる。これは、前に説明したように、触針先端部経路およびヘッド角度を選ぶことによって達成される。
【0082】
上述した実施形態は、全て、5軸、すなわち3つの直線のCMM軸と2つの回転走査ヘッド軸を使用する動作を説明している。ある場合において、この5軸動作から、1つまたは複数の軸が凍結(frozen)された動作、例えばCMMの動作(3軸)のみ、または走査ヘッドの動作(2軸)のみを使用する動作に変更することが有利となる可能性がある。
【0083】
図21は、XY平面内に示すタービンブレード112の平面図である。ブレードの長い側面では、経路はヘッドを押すことと引くこととの間の過渡期を与えるように計画され、これがCMMの円滑な動作を生じさせる。狭い端部のところでは、ヘッドベクトルは、狭い端部が走査されるときにそれが固定されたままであるように選ばれる。これは、結果として生じるCMMの動作が最小限になるという利点を有する。その上、探触子をその偏位範囲内に維持するためのヘッド角度の調整は、この鋭い形体上のヘッドベクトルの必要とされる変更によっては妨げられない。
【0084】
図22は、XZ平面内に示すタービンブレード114の平面図である。図21のように、ブレードの長い側面は、押すことと引くこととの間の走査ヘッド過渡期をもつ測定経路を有する。狭い端部のところでは、CMMクイルが静止したままで、走査ヘッドの動作のみによって狭い端部が測定できるように、ヘッドベクトルが選ばれる。これは、この複雑な形体に対してクイル動作が最小限にされる利点を有する。
【0085】
上述した実施形態は、全て、部品上の測定経路を計画するために適している。これは、オンラインで、例えばジョイスティックを使用して走査ヘッドおよびCMMを制御し、それによって所望の触針先端部位置およびヘッド角度を有する表面上の別々の点を取ることにより、行うことができる。これらの別々の点に関するデータは、メモリーに記憶させ、および/または触針先端部、走査ヘッド、およびCMMクイルの測定経路を導くために使用することができる。
【0086】
別法として、この測定経路はオフラインで、例えばCADモデル上で計画することができる。この場合、触針先端部がたどるであろう表面に沿った測定プロフィールおよびヘッド角度は、CADモデル上で選択される。このデータは、メモリーに記憶され、および/または触針先端部、走査ヘッド、およびCMMクイルの測定経路を導くために使用される。
【0087】
測定経路がオンライン(すなわち、ジョイスティック)、あるいは、オフライン(例えば、CADモデル上)で作り出されたかに拘わらず、この測定経路データは、部品を測定するときに所望の測定経路をたどるように、CMMおよび走査ヘッドに位置要求コードを送る命令コードに変換される。
【0088】
部品の測定中、探触子は、その偏位範囲内に維持されなければならない(かつ非接触探触子はそれらの動作範囲内に維持されなければならない)。これは、走査ヘッドを、その指示された動作からそらすことによって達成される。走査ヘッドは、探触子をその範囲内に維持するように目標ベクトルに沿ってサーボ制御される。通常、この目標ベクトルは、表面に対して垂直である。しかしながら、探触子の向き、摩擦、または必要とされるプロフィール上に留める必要性などの要因は、選択すべきベクトルを異ならせる場合がある。計算された先端部位置、前方に突き出るために使用される過去の表面の点等は、目標ベクトルを求めるために使用することができる。
【0089】
CMMクイル経路は、触針先端部を決定された平面内に維持するために改変することができる。例えば、ヘッド角度がサーボ制御されて、探触子をその偏位範囲内に維持する場合、触針先端部は、測定経路の決定された表面平面から離れて移動することができる。触針位置の変化は、触針先端部が平面から離れて移動した距離を求めるために使用され、CMMは、それに従って触針先端部を平面上に戻すように駆動することができる。
【0090】
上記の実施形態は接触探触子の使用を説明するが、これらの走査方法は、非接触探触子、例えば光学、インダクタンスまたは静電容量探触子を用いる使用に対しても適している。光学探触子に関しては、例えば、表面上の光スポットを触針先端部位置と同等に取り扱うことができる。インダクタンスまたは静電容量探触子に関しては、オフセットを触針先端部位置と同等に取り扱うことができる。接触および非接触探触子の両方に関して、触針先端部は効果的に枢動点であり、探触子は、その周りで向きを与えられることができ、かつ依然として同じ座標位置を測定する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による走査装置を含む座標測定機械の正面図である。
【図2】電動走査ヘッドの横断面図である。
【図3】クランク形状の触針で測定されているタービンブレードの斜視図である。
【図4】図3のタービンブレードの平面図である。
【図5】本発明によって測定されているタービンブレードの斜視図である。
【図6】図5のタービンブレードの平面図である。
【図7】異なる位置における触針先端部位置およびヘッド角度を示すタービンブレードの斜視図である。
【図8】スイープ走査を示すタービンブレードの斜視図である。
【図9】従来の方法の直線走査経路の平面図である。
【図10】本発明によって走査している直線の平面図である。
【図11】伝統的方法によって測定されている凹部の図である。
【図12】本発明によって測定されている凹部の図である。
【図13】ボスの軸と位置合わせされる走査ヘッドで測定されているボスの斜視図である。
【図14】セグメントに分割されたボスの斜視図である。
【図15】正方形の内部表面の走査プロフィールの斜視図である。
【図16】線XYを走査するための2つの基本構想の概略図である。
【図17】直線に沿って走査中の走査ヘッドの動作を示す図である。
【図18】ボスの外側表面の走査中の走査ヘッドの動作を示す図である。
【図19】従来型の接触トリガー技術によって測定されている穴の斜視図である。
【図20】本発明の方法によって測定されている図17の穴の斜視図である。
【図21】測定されているタービンブレードのXYの平面図である。
【図22】測定されているタービンブレードのXZの平面図である。
【図23】測定されているガスケットの平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標測定機(CMM)、工作機械、手動座標測定アーム、および検査ロボットなどの座標位置決め装置に搭載された電動走査ヘッド(motorised scanning head)を使用して、加工品の表面を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、座標位置決め機械上に電動走査ヘッドを搭載することは知られている。電動走査ヘッドによって、その電動走査ヘッドに搭載される触針を2つの直交する軸の周りを回転させることが可能になる。この触針は、これら2つの軸の周りに角度的に位置決めすることができ、一方電動走査ヘッドは、座標位置決め機械によって機械の可動範囲内の任意の位置に位置決めすることができる。
【0003】
電動走査ヘッドは多くの異なる向きに触針を位置決めすることができるので、そのような電動走査ヘッドは、座標位置決め機械に、より大きな走査柔軟性を与える。
【0004】
この出願は、規則正しい形状の部品を測定するために、座標位置決め装置の単純な移動が電動走査ヘッドの移動と組み合わされる測定順序を開示する。例えば、穴は、電動走査ヘッドが触針先端部(stylus tip)を円形のプロフィールで移動させながら、CMMのクイル(quill)を中央線に沿って移動させることにより、結果として螺旋の動作にすることによって、測定される。同様に平表面は、電動走査ヘッドが走査動作(sweeping motion)を実施するときに、CMMのクイルを一定速度で表面に対して平行に移動させることによって、測定することができる。
【0005】
また、この出願は、円錐の表面を走査することも開示し、その円錐は、その軸をCMMのz軸に対して平行に配置される。クイルは、走査ヘッドのモータが表面検知装置をz軸周りで円錐に対して付勢するときに、円形の経路で駆動される。
【0006】
加工品測定の従来の方法において、触針先端部位置は、クイルからオフセットされた固定位置にあり、探触子の較正から知られる。
【0007】
【特許文献1】国際公開第90/07097号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
5軸システムについては、この触針先端部位置が走査ヘッドの(すなわち、軸A1およびA2周りの)角度および探触子長さによって決まり、それにより触針先端部位置は、走査ヘッドの角度が変化するときにクイル位置に対して常に変化している。
【0009】
この場合、実際の先端部位置は走査ヘッド内の公差によって影響される。したがって、クイルが固定され、かつ触針先端部位置がこれらの公差を考慮に入れるようにその公称位置(nominal position)から変化できるようにされるか、または、その逆のいずれかでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して表面を測定するための方法を提供し、この座標位置決め装置は、走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含み、この方法は、
(a)表面検知装置が追跡するであろう所望の測定プロフィールを表面上に決定するステップと、
(b)表面検知装置がステップ(a)の測定プロフィールをたどるときに、表面検知装置の向きの所望の動作を決定するステップと、
(c)表面検知装置が測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、座標位置決め装置の部材と表面との間の相対的な動作の必要とされる経路を導き出すために、ステップ(a)および(b)で求められたデータを使用するステップと、
を含む。
【0011】
この表面検知装置の測定プロフィールは、線形または非線形であることができる。
【0012】
ステップ(b)でのベクトルの動作は、測定プロフィールに沿った表面検知装置の動作中のベクトルを決める関数を含むことができる。ステップ(b)でのベクトルの動作は、測定プロフィールに沿った別々の点、およびそれらの間に内挿される点において、ベクトルを決定することによって求めることができる。
【0013】
ステップ(b)でのベクトルの動作は、ベクトルが表面垂直に対して変化するようなものであることができる。
【0014】
ステップ(b)でのベクトルは、表面検知装置がヘッドの後をたどるか、ヘッドの前で押されるか、あるいは表面垂直の垂線と位置合わせされるように、表面検知装置を位置決めすべく選ぶことができる。1つの種類(type)のベクトルから別の種類(type)のベクトルへの過渡期が存在する場合がある。
【0015】
ステップ(a)での測定経路、およびステップ(b)でのベクトルの動作は、座標位置決め装置の部材と表面との間の所望の相対的な動作を与えるように選ぶことができる。
【0016】
ステップ(a)の測定プロフィールは、表面プロフィール上に2つ以上の別々の測定点を決めることによって決定することができる。ステップ(a)の測定プロフィールは、関数により決定することができる。
【0017】
少なくとも1つの軸での動作は、測定プロフィールの一部において凍結することができる。走査ヘッドの動作は、測定プロフィールの一部において凍結することができる。位置決め装置の動作は、測定プロフィールの一部において凍結することができる。
【0018】
この方法は、表面を測定するためにステップ(a)、(b)および(c)からのデータを使用するステップを含むことができる。
【0019】
少なくとも1つの軸の周りでの走査ヘッドの回転移動は、表面検知装置をその測定範囲内に維持するために使用することができる。走査ヘッドは、表面検知装置をその測定範囲内に維持するように、目標ベクトルに沿ってサーボ制御することができる。座標位置決め装置の部材と表面との間の相対的な動作は、表面検知装置が表面の所望の平面に沿って追跡することを維持するために使用することができる。
【0020】
本発明の第2の態様は、座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置のための測定経路をプログラミングするためのコンピュータプログラムを提供し、この座標位置決め装置は、走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、この走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含み、このコンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されたときに、請求項1から14のいずれかに記載のステップを実行するようになされたコードを含む。
【0021】
好ましくは、このコンピュータプログラムは、CD、USBスティック、または他のメディアなどの媒体上で提供され、コンピュータにロードされると本発明を実行する。このコンピュータプログラムは、インターネットから直接ダウンロードすることもできる。
【0022】
本発明の第3の態様は、座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して表面プロフィールを測定するための装置を提供し、この座標位置決め装置は、走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、この走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含み、この装置は、
(a)表面検知装置がたどるであろう所望の測定プロフィールを前記表面上に決定するステップと、
(b)表面検知装置がステップ(a)の測定プロフィールをたどるときに、表面検知装置の向きの所望の動作を決定するステップと、
(c)表面検知装置が測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、座標位置決め装置の部材と表面との間の相対的な動作の必要とされる経路を導き出すためにステップ(a)および(b)で決定されたデータを使用するステップと、
を実行するためのコンピュータを備える。
【0023】
この装置は、表面を測定するためにステップ(a)、(b)および(c)からのデータを使用するステップを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に本発明の好ましい実施形態の例を、添付の図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、座標測定機械(CMM)上に搭載された電動走査ヘッドを示す。測定される予定の加工品10がCMM14のテーブル12上に搭載され、電動走査ヘッド16はCMM14のクイル18上に搭載される。スピンドルは、既知の方式において、モータによってテーブルに対してX、Y、Z方向に駆動可能である。図2に示すように、電動走査ヘッド16は、シャフト22の形態の移動可能部品によって支持される基台またはハウジング20によって形成される固定部分を備え、シャフト22は、モータによって軸A1の周りをハウジング20に対して回転可能である。シャフト22はハウジング24に固定され、そのハウジング24は、モータM2によって軸A1に直角な軸A2の周りをハウジング24に対して回転可能なシャフト26を支持する。
【0026】
加工品接触先端部30を有する触針29付の探触子28は、電動走査ヘッド上に搭載される。この配置は、ヘッドのモータM1、M2が加工品接触先端部を軸A1またはA2の周りに角度的に位置決めでき、CMMのモータが、電動走査ヘッドをCMMの3次元座標枠組み内のどこにでも線形に位置決めして、触針先端部に走査されている表面と所定の関係をもたらすことができるものである。
【0027】
線形位置トランスデューサが走査ヘッドの線形変位を測定するためにCMM上に設けられ、角度位置トランスデューサT1およびT2は、それぞれの軸A1およびA2周りの触針の角度変位を測定するために走査ヘッドに設けられる。
【0028】
図1に示すCMMの型式において、クイルと加工品との間の相対的な移動は、クイルを3つの直交する方向に移動できるようにすることによって得られる。座標位置決め装置の別の型式において、クイル(または電動走査ヘッドが搭載される別の部材)と加工品との間の相対的な移動は、クイルの移動、加工品が搭載されている表面(例えばテーブル)の移動、または上記の組み合わせによって得ることができる。
【0029】
探触子は偏位可能な触針29を有し、探触子内のトランスデューサが触針偏位量を測定する。この探触子は、2次元の例えばXおよびYでの偏位を検知、あるいは3次元の例えばX、YおよびZでの偏位を検知することができる。別法として、非接触の探触子(例えば、光学、静電容量またはインダクタンス探触子)を使用することができる。
【0030】
図1に示すような垂直アームCMM上において、走査ヘッド16のA1軸は、(スピンドル18に沿う)CMMz軸に対して名目上平行である。この走査ヘッドは、この軸の周りで探触子を連続的に回転させることができる。走査ヘッドのA2軸は、そのA1軸に対して直交している。
【0031】
電動走査ヘッドは、ヘッドの再較正を必要とせずに、表面検知装置を異なる向きに位置決めすることができる。
【0032】
CMMおよび走査ヘッドの位置は、コンピュータに備えられる制御コードによって制御され、そのコンピュータは、ハードウエアの注文部品すなわち制御器またはP.C.であってもよい。このコンピュータは、CMMおよび走査ヘッドを測定経路に沿って移動させるようにプログラムすることができる。コンピュータ15は図1に示されている。
【0033】
いくつかの場合において、CMMのクイルを部品の周囲を移動させることによって、その部品を走査することは可能でない。この部品は、可動範囲の縁部に配置されるものかもしれず、CMMのクイルがその周りの全てを移動することを妨げる。あるいは、部品の制限は、アクセスが可能でないこと、例えば、ブリスク(blisk;組み合わされたブレードとディスク)のブレードを測定するときに、CMMクイルは、いくつかの位置で中央ディスクおよび隣り合うブレードによって制限されることを意味する。
【0034】
図3および4は、タービンブレード32の斜視図および平面図をそれぞれ示す。この例においては、クイルのアクセスがタービンブレードの一端部に制限される。破線は、CMMクイルの可能な動作の境界を示す。このアクセスの問題、測定探触子38上のクランク形状の触針36を使用する従来の走査方法において、克服することができる。このクランク形状の触針36は、CMMクイルが境界34を横切って移動することなく、触針先端部40が部品にアクセスすることを可能にする。しかしながら、それは、このクランク形状の触針36でタービンブレード32の半分しか測定できない欠点を有する。測定する予定のタービンブレード32の別の半分に対しては、触針は、180°回転させられる別のクランク形状の触針と交換しなければならない。別法として、星型触針を使用することができる。
【0035】
図5および6は、図3および4に示したものと同じタービンブレード32の斜視図および平面図をそれぞれ示す。このタービンブレード32は電動走査ヘッドで測定され、その上には、偏位可能な触針29および加工品接触先端部30を有する探触子28が搭載される。
【0036】
電動走査ヘッド16による走査手順中に、触針先端部位置、ヘッドの角度、およびCMMのクイルの位置を含む可変量の3セットが存在する。
【0037】
ヘッドの角度は、CMMのクイルがアクセス不可能な場所に位置決めされる必要なしに、部品を測定できるように選ぶことができる。したがって、アクセスが制限されるタービンブレード32の一端部にて、ヘッド16は、CMMのクイルが境界線34を横切らないように角度が付けられる。このヘッドの角度は、走査の最初から最後まで変化することができ、部品の全体プロフィールが一回の試みで測定できるようになる。
【0038】
このヘッド角度は、触針が引っ張られるすなわちヘッドの後をたどるように、押されるすなわちヘッドより前方にあるように、あるいは、垂直すなわち部品に対して垂直に位置合わせされるように選ぶことができる。測定経路内の異なるヘッド角度の間に、過渡期が存在する可能性がある。2次元探触子に対しては、走査ヘッドを低い角度に角度付けることが好ましい場合がある。これは、偏位が主として探触子のXY平面内にあるという利点を有する。しかしながら、3次元探触子に対しては、この制限は必要とされない。
【0039】
図6のイラストは、時計回り方向に走査されているタービンブレードを示す。触針が示され、狭い端部を去るとき引っ張られ、広い端部に近づくとき押される。ヘッド角度およびクイル経路は、触針が広い端部に近づくときに、触針が引っ張られる状況と、押される状況と、の間の過渡期をたどることができるように調整される。代替の走査体制では、この触針は、それが狭い端部に近づくときに引っ張られ、そして、それがこの狭い端部から立ち去るときに(破線の探触子によって示すように)押されてもよく、これにより、広い端部に近づくヘッド角度に過渡期が必要となることを避ける。狭い端部でのヘッド角度に必要な変化が全くない、または極めて少ないため、狭い端部で必要とされるクイルの動作は最小限になる。走査形態の選択においては、正確性、処理能力および可動範囲を追求する経路などの検討材料が考慮される。
【0040】
可変量の3つのセットのうちの2つの情報が必要とされ、3つ目は、所望の走査経路を実現するために計算することができる。触針先端部の所望の位置およびヘッド角度を選択して、このデータをCMMクイルの位置の予想に使用することが好ましい。
【0041】
表面上の1点を測定するために、表面検知装置の空間での位置および向きに関する座標を定義する必要がある。従来、これは、表面検知装置の動作を定義する5つの駆動軸(2つがヘッド内、3つがCMM内)の5つの位置を特定することによって行われている。しかしながら本発明においては、表面検知装置の先端部位置および向きが特定されて、CMM駆動軸の動作を導き出すことができる。
【0042】
走査プロフィールをセットするための触針先端部座標位置の使用は、これらの座標位置が所望の測定値に近くて、それらが可能な限り正確であるために有益であるという利点を有する。ある用途において、例えばイギリス民間航空局規格に対してタービンブレードを測定する用途では、触針先端部をある平面内に維持することが重要である。ガスケットなどの他の用途においては、穴などの形体を避けるように走査経路が選ばれる。
【0043】
触針先端部座標位置を定義することは、触針先端部の位置が常に知られている(すなわち、それが定義されている)ときに、触針先端部と部品との間の衝突を避けることができる利点も有する。
【0044】
さらに、ヘッドおよび測定システムの公差、例えば触針長さ公差およびプログラミングの簡略化等に起因するどのようなオフセット等も、CMMクイルの位置に考慮に入れることができる。
【0045】
走査経路を求めるのにヘッド角度を使用することも利点を有する。いくつかの型式の探触子に対しては、所望のヘッド角度の範囲が必要とされることがあり、例えば、2次元接触探触子は、最適な測定のために角度制限を必要とすることがある。さらに、ヘッドは、部品に対するアクセスを最大限にするために、ある角度に角度付けられることが必要になることがある。
【0046】
図7は、タービンブレードの斜視図であり、どのように走査経路が決められるかを示すために用いられる。所望の走査経路に沿った2つの部分AおよびFが選ばれる。触針先端部座標位置は、これらの2つの位置に対して求められる。これは、CADデータまたは部品の測定値から求めることができる。触針先端部30とクイル42(クイル上の点、またはヘッド上のA1およびA2角度の交点のいずれか)との間の方向を与えるヘッドベクトル
【0047】
【数1】
【0048】
も、点AおよびFに対して選ばれる。ヘッドベクトル
【0049】
【数2】
【0050】
を選ぶときに考慮されることのある要因は、使用される探触子の型式、アクセス制限等である。このヘッドベクトル
【0051】
【数3】
【0052】
は、A1およびA2軸周りの相対的な回転と関連し、このデータは取り替えて使用することができる。
【0053】
AとFの間に長い距離が存在する場合、あるいは走査経路が複雑な形状を有する場合、この走査経路は、一連の中継点B、C、DおよびEに分けることができる。触針先端部位置およびヘッドベクトルも、これらの中継点に対して選ぶことができる。
【0054】
触針先端部経路は、補間または関数に対するはめ込み(fitting to a function)によって、中継点から求めることができる。別法として、触針先端部経路は、表面に沿った正弦関数などの関数によって決定することができる。
【0055】
2つの点の間のヘッドベクトルの動作は、関数、例えば、ヘッドベクトルの角度をプロフィールに沿った距離または時間に関連付ける関数によって、表現することができる。図17は、長さLの直線に沿った走査を示す。走査の開始点でのA1軸周りの角度はθである。したがって、走査が進行するときのA1軸周りの角度の変化は、方程式[1]の下記の関数によって表現することができる。
θ=θs+(δL/L)θp [1]
【0056】
ここで、θsは走査の開始点でのθの値であり、θs+θpは所望の完了角度である。
【0057】
2つの軸A1およびA2が直交しているので、(A1軸周りの)角度θと(A2軸周りの)角度φは、別々に(すなわち、2つの角度に関連して使用される異なる関数で)取り扱うことができる。図17は直線の場合を示すが、この手法は、非直線プロフィールに対しても適切である。
【0058】
ベクトル動作は、ベクトル動作を測定されている形体に関連付ける所定の方程式にはめ込むこともできる。図18は、水平ボス110の外側表面の走査を示す。この場合、探触子28がその長手方向軸を表面垂直に位置合わせて維持されて、ベクトル動作が円を画くことが望ましい。ヘッド角度は、下記の方程式によって表現することができる。
θ=sinωt [2]
φ=cosωt [3]
【0059】
ここで、ωは触針先端部の回転速度である。
【0060】
これらの方程式は、両方のヘッドに円形の動作を生じさせることが要求されるときに好適である。垂直のボスに対しては、このベクトルはA1軸周りに回転することのみ必要とされ、それらの方程式は、それにしたがって単純化することができる。他の方程式は、他の形態に適用可能なヘッド動作に対して導き出すことができる。
【0061】
ヘッドベクトルの動作は、中継点でのヘッド角度から補間によって求めることもできる。
【0062】
触針先端部経路および走査ヘッド角度が決定されると、触針先端部を(走査ヘッドと共に)AとFの間で移動させるためのCMMクイルの軌跡を求めることができる。
【0063】
例えば、図7のタービンブレードを点AからAに連続的に周る走査経路も同様に求めることができる。
【0064】
図7は、タービンブレード32の周囲周りの線走査44を示す。しかしながら、図8に示すようなスイープ走査(sweep scan)を行うために、同じ方法を使用することも可能である。この場合、CMMクイルの軌跡は、前のように、中央線44に対して求められる。次いで、スイープ走査を生じさせるために、振動する動作がヘッドの動作に重ね合わされる。
【0065】
図5〜8に記載される走査において、CMMの動作は、複雑であって、非線形の軌跡および速度を有する。CMMクイルが非線形の速度および軌跡で移動することを可能にすることによって、より効率的な走査プロフィールを作り出すことができる。電動走査ヘッドは、それが低い質量、低い慣性および高い動的応答を有する故に、迅速に移動させることができる。しかしながら、CMMクイルの高加速は結果として機械変形になり、この結果、測定誤差を引き起こす。したがって、どのような走査プロフィールにおいても、CMMクイルの移動および加速を最小限にし、電動走査ヘッドの移動および加速を最大限にすることが望ましい。これによって、最小限の測定誤差で高速走査が可能になる。
【0066】
図16は、XとYの間の経路90を走査するための2つの実行可能なCMMクイル軌跡を示す。線ACは、XとYの間で走査ヘッド角度が固定して維持される場合のCMMクイルの軌跡を示す。線ABは、XとYの間で走査ヘッド角度が変更される場合のCMMクイルの軌跡を示す。軌跡ABは、CMMクイルの移動を最小限にし、かつ簡単化している。
【0067】
図9は、部品48の直線を走査する従来の方法を示す。CMMクイル42は、直線軌跡50内を移動させられ、探触子52を直線54内で引っ張る。
【0068】
図10は、本発明によって、直線54を走査する別の方法を示す。この方法では、CMMクイルが2つの連続した曲線内を後方および前方に移動する軌跡56をたどる間に、電動走査ヘッド16がそのA1軸周りに回転する。触針先端部30の直線移動を達成させるために、電動走査ヘッドおよびCMMクイルの両方の移動が用いられる。しかしながら、電動走査ヘッドの移動が最大限にされ、一方、CMMクイルの移動が最小限にされ、これにより、この走査は、結果として起きる最小限の測定誤差で高速で達成できる。
【0069】
前に示したように、この走査プロフィールは、所望の触針先端部位置およびヘッド角度を決定し、このデータを必要とされるCMMクイル位置を計算するために使用することによって、生成される。
【0070】
この方法は、正方形の部品を極めて迅速に測定するために使用することができる。適切な場合、触針長さおよび走査ヘッド角度は、CMMクイルの移動を最小限にするように選ぶことができる。
【0071】
図15は、静止しているクイルと、走査ヘッドによって与えられる移動と、により得られる正方形プロフィール82の内側表面の走査プロフィール80を示す。触針先端部は弧(arc)を通ってスイープ(sweep)する。しかしながら、実際の測定データが平面上に取られるならば、いくつかの場合においては、測定データを平面上に投影することができることが望ましい。これは、触針先端部が直線をたどるようにするために、クイルが垂直に移動する場合に可能となる。本発明の方法を使用することによって、正方形のプロフィールは、探触子の測定プロフィール(すなわち、正方形)を選択し、走査中に必要とされるヘッド角度(360°回転)を選択し、それらによってCMMの必要とされる移動を計算することによって、効率的に測定することができる。破線81は、新たな触針先端部経路を示す。
【0072】
図23は、ガスケット116の平面図である。本発明は、触針先端部が決定された経路をたどるので、ガスケットなどの部品を測定するために適している。この方法では、触針先端部経路ではなくCMM経路が選択される従来技術のように、触針先端部が誤った経路をたどって穴に入る危険性はない。図23は、ガスケット116を測定するために使用することができる線経路118およびスイープ経路(sweep path)120の両方を示す。
【0073】
本発明は、それがアクセスするのが困難である部分、例えば凹んだ部分の走査を可能にする利点を有する。図11は、従来手段を使用して測定することが困難である凹部60を有する部分58を示す。この部分を従来方法で測定するためには、3つの触針62、64、66を使用する必要がある。2本の破線68、70の間に示される中央部分は、直線の触針62を使用して測定することができ、第1のクランク形状の触針64は、破線68の片側の側面および底部部分を測定するために使用される。クランク形状の触針64のサイズは開口部の寸法dによって制限され、したがってそのサイズは、それが底部表面のどれくらい多くを測定できるかにおいて制限される。第1のクランク形状の触針64に対して180°角度が付いている第2のクランク形状の触針66は、もう1つの破線70の側の側面および底部を測定するために使用される。したがって、この凹部60を測定するために少なくとも3つの段階が必要とされる。
【0074】
本発明を使用して、この凹部60を図12に示すように単一の段階で測定することができる。触針先端部位置、ヘッド角度、およびCMMクイル位置は、全て、凹部の3つの表面全てを測定できるように、走査の最初から最後まで調整される。前に述べたように、所望の触針先端部位置およびヘッド角度は、必要とされるCMMクイル位置を計算するために使用される。
【0075】
凹部の底部が測定されている間にクイルによってたどられるCMM軌跡72が示されている。図12の例は、例えばブリスク(blisk)などの複雑な部品のアクセス問題を示す。
【0076】
図13は、その外側表面が測定されるボス(boss)74を示す。CMMのクイル42は、ボスの中心線と位置合わせされる。次に、電動走査ヘッド16はA1軸の周りを回転させられ、触針先端部30がボスの頂部に向かって円周の測定を実施する。しかしながら、この方法は、先端部30がもはや表面と接触することができなくなるので、ボスをさらに下って繰り返すことができないという欠点を有する。
【0077】
図14は、ボス74を走査するための代替方法を示す。この方法において、ボス74の外側表面は、複数の区画、例えば4つの区画に分割される。線76によって示すように、ボス74の外側表面は、1つの区画を終わりまでスイープ走査を実施し、触針先端部を次の区画に移動させてから、その区画のスイープ走査を下などに実施することによって、連続的に測定することができる。ボスの頂部も、例えばスイープ走査(図示せず)を実施することによって、その走査プロフィール内において走査することができる。触針先端部30が区画から区画に移動するとき、それは表面を離れない。前に述べたように、この走査プロフィールは、触針先端部位置およびヘッド角度を選び、これらを用いてCMMクイル位置を決定することによって、求められる。
【0078】
別法として、触針先端部を区画の間で反対方向(例えば、下向き)に表面をトレース(tracing)して、各区画を1つの方向に(例えば、上向きに)走査することができる。別法として、この触針先端部は、区画の間で表面を離れることができる。
【0079】
この方法は、水平のボスに対しても適している。
【0080】
上記の実施形態は、表面プロフィールを走査するための接触探触子を説明したが、表面プロフィールは、接触点を取ることによっても測定することができる。この場合、この測定探触子は、表面プロフィールの別々の測定位置を取るために使用される。
【0081】
図19は、従来型の技術によって測定されている穴96を示し、図20は、本発明の方法によって測定されている浅い穴98を示す。図19に示すように、穴の内側表面の別々の測定点を取る従来型の方法は、測定点が取られるべき平面102の下の触針先端部30を伴って走査ヘッド16を中心線100に沿って位置決めするために、クイル18を使用するであろう。そてい、ヘッド角度は、触針先端部を表面と接触させるように調整される。しかしながらこの方法は、非常に浅い盲穴に対しては、触針先端部を測定点の平面の下に位置決めすることができないため可能ではない。本発明では、図20に示すように、クイル18および探触子角度の両方が、触針先端部を測定点の平面102の下に持っていく必要なしに、触針先端部30を穴の内側表面と接触させることができるように移動させられる。これは、前に説明したように、触針先端部経路およびヘッド角度を選ぶことによって達成される。
【0082】
上述した実施形態は、全て、5軸、すなわち3つの直線のCMM軸と2つの回転走査ヘッド軸を使用する動作を説明している。ある場合において、この5軸動作から、1つまたは複数の軸が凍結(frozen)された動作、例えばCMMの動作(3軸)のみ、または走査ヘッドの動作(2軸)のみを使用する動作に変更することが有利となる可能性がある。
【0083】
図21は、XY平面内に示すタービンブレード112の平面図である。ブレードの長い側面では、経路はヘッドを押すことと引くこととの間の過渡期を与えるように計画され、これがCMMの円滑な動作を生じさせる。狭い端部のところでは、ヘッドベクトルは、狭い端部が走査されるときにそれが固定されたままであるように選ばれる。これは、結果として生じるCMMの動作が最小限になるという利点を有する。その上、探触子をその偏位範囲内に維持するためのヘッド角度の調整は、この鋭い形体上のヘッドベクトルの必要とされる変更によっては妨げられない。
【0084】
図22は、XZ平面内に示すタービンブレード114の平面図である。図21のように、ブレードの長い側面は、押すことと引くこととの間の走査ヘッド過渡期をもつ測定経路を有する。狭い端部のところでは、CMMクイルが静止したままで、走査ヘッドの動作のみによって狭い端部が測定できるように、ヘッドベクトルが選ばれる。これは、この複雑な形体に対してクイル動作が最小限にされる利点を有する。
【0085】
上述した実施形態は、全て、部品上の測定経路を計画するために適している。これは、オンラインで、例えばジョイスティックを使用して走査ヘッドおよびCMMを制御し、それによって所望の触針先端部位置およびヘッド角度を有する表面上の別々の点を取ることにより、行うことができる。これらの別々の点に関するデータは、メモリーに記憶させ、および/または触針先端部、走査ヘッド、およびCMMクイルの測定経路を導くために使用することができる。
【0086】
別法として、この測定経路はオフラインで、例えばCADモデル上で計画することができる。この場合、触針先端部がたどるであろう表面に沿った測定プロフィールおよびヘッド角度は、CADモデル上で選択される。このデータは、メモリーに記憶され、および/または触針先端部、走査ヘッド、およびCMMクイルの測定経路を導くために使用される。
【0087】
測定経路がオンライン(すなわち、ジョイスティック)、あるいは、オフライン(例えば、CADモデル上)で作り出されたかに拘わらず、この測定経路データは、部品を測定するときに所望の測定経路をたどるように、CMMおよび走査ヘッドに位置要求コードを送る命令コードに変換される。
【0088】
部品の測定中、探触子は、その偏位範囲内に維持されなければならない(かつ非接触探触子はそれらの動作範囲内に維持されなければならない)。これは、走査ヘッドを、その指示された動作からそらすことによって達成される。走査ヘッドは、探触子をその範囲内に維持するように目標ベクトルに沿ってサーボ制御される。通常、この目標ベクトルは、表面に対して垂直である。しかしながら、探触子の向き、摩擦、または必要とされるプロフィール上に留める必要性などの要因は、選択すべきベクトルを異ならせる場合がある。計算された先端部位置、前方に突き出るために使用される過去の表面の点等は、目標ベクトルを求めるために使用することができる。
【0089】
CMMクイル経路は、触針先端部を決定された平面内に維持するために改変することができる。例えば、ヘッド角度がサーボ制御されて、探触子をその偏位範囲内に維持する場合、触針先端部は、測定経路の決定された表面平面から離れて移動することができる。触針位置の変化は、触針先端部が平面から離れて移動した距離を求めるために使用され、CMMは、それに従って触針先端部を平面上に戻すように駆動することができる。
【0090】
上記の実施形態は接触探触子の使用を説明するが、これらの走査方法は、非接触探触子、例えば光学、インダクタンスまたは静電容量探触子を用いる使用に対しても適している。光学探触子に関しては、例えば、表面上の光スポットを触針先端部位置と同等に取り扱うことができる。インダクタンスまたは静電容量探触子に関しては、オフセットを触針先端部位置と同等に取り扱うことができる。接触および非接触探触子の両方に関して、触針先端部は効果的に枢動点であり、探触子は、その周りで向きを与えられることができ、かつ依然として同じ座標位置を測定する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による走査装置を含む座標測定機械の正面図である。
【図2】電動走査ヘッドの横断面図である。
【図3】クランク形状の触針で測定されているタービンブレードの斜視図である。
【図4】図3のタービンブレードの平面図である。
【図5】本発明によって測定されているタービンブレードの斜視図である。
【図6】図5のタービンブレードの平面図である。
【図7】異なる位置における触針先端部位置およびヘッド角度を示すタービンブレードの斜視図である。
【図8】スイープ走査を示すタービンブレードの斜視図である。
【図9】従来の方法の直線走査経路の平面図である。
【図10】本発明によって走査している直線の平面図である。
【図11】伝統的方法によって測定されている凹部の図である。
【図12】本発明によって測定されている凹部の図である。
【図13】ボスの軸と位置合わせされる走査ヘッドで測定されているボスの斜視図である。
【図14】セグメントに分割されたボスの斜視図である。
【図15】正方形の内部表面の走査プロフィールの斜視図である。
【図16】線XYを走査するための2つの基本構想の概略図である。
【図17】直線に沿って走査中の走査ヘッドの動作を示す図である。
【図18】ボスの外側表面の走査中の走査ヘッドの動作を示す図である。
【図19】従来型の接触トリガー技術によって測定されている穴の斜視図である。
【図20】本発明の方法によって測定されている図17の穴の斜視図である。
【図21】測定されているタービンブレードのXYの平面図である。
【図22】測定されているタービンブレードのXZの平面図である。
【図23】測定されているガスケットの平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して表面を測定する方法であって、前記座標位置決め装置は、前記走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、前記走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含む方法において、
(a)前記表面検知装置が追跡するであろう所望の測定プロフィールを前記表面上に決定するステップと、
(b)前記表面検知装置がステップ(a)の測定プロフィールをたどるときに、前記表面検知装置の向きの所望の動作を決定するステップと、
(c)前記表面検知装置が前記測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、前記座標位置決め装置の前記部材と前記表面との間の相対的な動作の必要とされる経路を導き出すために、ステップ(a)および(b)で決定データを使用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記表面検知装置の前記測定プロフィールは線形であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面検知装置の前記測定プロフィールは非線形であることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
ステップ(b)での前記ベクトルの動作は、前記測定プロフィールに沿った前記表面検知装置の動作中の前記ベクトルを決定する関数を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)での前記ベクトルの動作は、前記測定プロフィールに沿った別々の点、およびそれらの間に内挿される点においける前記ベクトルを定めることによって、決定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ステップ(b)での前記ベクトルの動作は、前記ベクトルが前記表面垂直に対して変化するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ステップ(b)での前記ベクトルは、前記表面検知装置が前記ヘッドの後をたどるか、前記ヘッドの前で押されるか、あるいは前記表面垂直の垂線と位置合わせされるように、前記表面検知装置を位置決めすべく選ばれることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
1つのタイプのベクトルから別のタイプのベクトルへの過渡期が存在することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)での前記測定経路、およびステップ(b)での前記ベクトルの前記動作は、前記座標位置決め装置の前記部材と前記表面との間の所望の相対的な動作を与えるように、選ばれることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)の前記測定プロフィールは、前記表面プロフィール上に2つ以上の別々の測定点を定めることによって決定されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
ステップ(a)の前記測定プロフィールは、関数により定められることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの軸での動作は、測定プロフィールの一部において凍結することができることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記走査ヘッドの動作は、前記測定プロフィールの一部において凍結されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記位置決め装置の動作は、前記測定プロフィールの一部において凍結されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
表面を測定するためにステップ(a)、(b)および(c)からのデータを使用するステップを含むことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの軸の周りでの前記走査ヘッドの回転移動は、前記表面検知装置をその測定範囲内に維持するために使用されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記走査ヘッドは、前記表面検知装置をその測定範囲内に維持するために、目標ベクトルに沿ってサーボ制御されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記座標位置決め装置の前記部材と前記表面との間の相対的な動作は、前記表面検知装置が前記表面の所望の平面に沿って追跡することを維持するために使用されることを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置のための測定経路をプログラミングするためのコンピュータプログラムであって、前記座標位置決め装置は、前記走査ヘッドと前記表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、前記走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含むコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータ上で実行されたときに、請求項1から14のいずれかに記載のステップを実行するようになされたコードを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して、表面プロフィールを測定するための装置であって、前記元座標位置決め装置は、前記走査ヘッドと前記表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、前記走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含む装置において、
(a)前記表面検知装置がたどるであろう所望の測定プロフィールを前記表面上に決定するステップと、
(b)前記表面検知装置がステップ(a)の測定プロフィールをたどるときに、前記表面検知装置の向きの所望の動作を決定するステップと、
(c)前記表面検知装置が前記測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、前記座標位置決め装置の前記部材と前記表面との間の相対的な動作の必要とされる経路を導き出すために、ステップ(a)および(b)で求められたデータを使用するステップと、
を実行するためのコンピュータを備えることを特徴とする装置。
【請求項21】
表面を測定するためにステップ(a)、(b)および(c)からのデータを使用するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項1】
座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して表面を測定する方法であって、前記座標位置決め装置は、前記走査ヘッドと表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、前記走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含む方法において、
(a)前記表面検知装置が追跡するであろう所望の測定プロフィールを前記表面上に決定するステップと、
(b)前記表面検知装置がステップ(a)の測定プロフィールをたどるときに、前記表面検知装置の向きの所望の動作を決定するステップと、
(c)前記表面検知装置が前記測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、前記座標位置決め装置の前記部材と前記表面との間の相対的な動作の必要とされる経路を導き出すために、ステップ(a)および(b)で決定データを使用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記表面検知装置の前記測定プロフィールは線形であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面検知装置の前記測定プロフィールは非線形であることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
ステップ(b)での前記ベクトルの動作は、前記測定プロフィールに沿った前記表面検知装置の動作中の前記ベクトルを決定する関数を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)での前記ベクトルの動作は、前記測定プロフィールに沿った別々の点、およびそれらの間に内挿される点においける前記ベクトルを定めることによって、決定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ステップ(b)での前記ベクトルの動作は、前記ベクトルが前記表面垂直に対して変化するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ステップ(b)での前記ベクトルは、前記表面検知装置が前記ヘッドの後をたどるか、前記ヘッドの前で押されるか、あるいは前記表面垂直の垂線と位置合わせされるように、前記表面検知装置を位置決めすべく選ばれることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
1つのタイプのベクトルから別のタイプのベクトルへの過渡期が存在することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)での前記測定経路、およびステップ(b)での前記ベクトルの前記動作は、前記座標位置決め装置の前記部材と前記表面との間の所望の相対的な動作を与えるように、選ばれることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)の前記測定プロフィールは、前記表面プロフィール上に2つ以上の別々の測定点を定めることによって決定されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
ステップ(a)の前記測定プロフィールは、関数により定められることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの軸での動作は、測定プロフィールの一部において凍結することができることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記走査ヘッドの動作は、前記測定プロフィールの一部において凍結されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記位置決め装置の動作は、前記測定プロフィールの一部において凍結されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
表面を測定するためにステップ(a)、(b)および(c)からのデータを使用するステップを含むことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの軸の周りでの前記走査ヘッドの回転移動は、前記表面検知装置をその測定範囲内に維持するために使用されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記走査ヘッドは、前記表面検知装置をその測定範囲内に維持するために、目標ベクトルに沿ってサーボ制御されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記座標位置決め装置の前記部材と前記表面との間の相対的な動作は、前記表面検知装置が前記表面の所望の平面に沿って追跡することを維持するために使用されることを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置のための測定経路をプログラミングするためのコンピュータプログラムであって、前記座標位置決め装置は、前記走査ヘッドと前記表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、前記走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含むコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータ上で実行されたときに、請求項1から14のいずれかに記載のステップを実行するようになされたコードを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
座標位置決め装置の部材上の走査ヘッドに搭載された表面検知装置を使用して、表面プロフィールを測定するための装置であって、前記元座標位置決め装置は、前記走査ヘッドと前記表面プロフィールとの間の相対的な移動を生じさせるように動作することができ、前記走査ヘッドは、1つまたは複数の軸の周りに表面検知探触子の回転移動を生じさせるための駆動部を含む装置において、
(a)前記表面検知装置がたどるであろう所望の測定プロフィールを前記表面上に決定するステップと、
(b)前記表面検知装置がステップ(a)の測定プロフィールをたどるときに、前記表面検知装置の向きの所望の動作を決定するステップと、
(c)前記表面検知装置が前記測定プロフィールに沿った軌跡を指示するように、前記座標位置決め装置の前記部材と前記表面との間の相対的な動作の必要とされる経路を導き出すために、ステップ(a)および(b)で求められたデータを使用するステップと、
を実行するためのコンピュータを備えることを特徴とする装置。
【請求項21】
表面を測定するためにステップ(a)、(b)および(c)からのデータを使用するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2009−531695(P2009−531695A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502193(P2009−502193)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001064
【国際公開番号】WO2007/107776
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001064
【国際公開番号】WO2007/107776
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]