説明

加工機の制御装置及び加工機の制御方法

【課題】オートインデックス金型のデッドゾーンを適正に設定する。
【解決手段】金型P1,D1を回転自在に位置決め可能なステーションを有し、金型P1,D1にてクランプ23で把時されたワークWの加工の制御を行う加工機1の制御装置61である。そして、ステーションに装着された金型P1,D1がクランプ逃げ部を有する切り欠き金型P1,D1の場合に、切り欠き金型P1,D1のC軸回転角度に応じて、切り欠き金型P1,D1とクランプ23との干渉領域を設定する干渉領域設定手段と、干渉領域に基づき、切り欠き金型とクランプとの干渉を回避する制御を行う回避制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工機の制御装置及び加工機の制御方法に係り、詳細には、切り欠き金型を回転自在に装着できるステーションを有し、切り欠き金型(シートセーバー金型)とクランプとの干渉回避の制御を行う加工機の制御装置及びその加工機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パンチングプレスでは、ワークWに対し加工を行う金型と該ワークWを把持するクランプとの干渉はソフトウェア処理により回避している。
【0003】
すなわち、タレットディスクに配置された複数の金型の中から選択中の金型を判別して、切り欠き金型(シートセーバー金型)の場合はY軸の干渉対象区域(デッドゾーン)を切り欠き金型用に切り替えることにより通常の金型よりY軸の干渉対象区域を小さく設定している。
【0004】
例えば、図7に示すように通常の金型(パンチ103、ダイ105)とクランプ101との干渉対象区域107と、切り欠き金型(111、113)とクランプ109の干渉対象区域115とを比較すると、干渉対象領域115がY軸方向に小さく、クランプ109は距離Aだけ切り欠き金型(111、113)に接近している。
【0005】
一方、図8に示すように、切り欠き金型(113、115)をオートインデックスステーションで運用した場合、回転角度によっては切り欠き金型(113、115)とクランプ109が干渉する場合(例えばC軸=90°)がある。
【0006】
ここで、オートインデックスステーションとは、パンチをモータ及び該モータに連動するベルトを介して回転・位置決め自在であるとともに、ダイをモータ及び該モータに連動するベルトを介してパンチと同期して回転・位置決め自在なステーションをいい、この回転軸をC軸と称する。
【0007】
また、切り欠き金型(シートセーバー金型)とは、金型(板押え:ストリッパープレートを含む)の形状が通常の金型と異なり、クランプとの干渉回避のために切り欠き部があり、通常の金型に比べクランプにより接近することができる金型をいう。
【0008】
また、特許文献1を参照。
【特許文献1】特開平1−133620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、切り欠き金型(シートセーバー金型)をオートインデックスステーションで運用した場合、C軸回転角度によっては金型とクランプが干渉してしまうので、クランプの打ち抜き、金型の破損、加工精度の悪化等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、金型を回転自在に位置決め可能なステーションを有し、前記金型にてクランプで把持されたワークの加工の制御を行う加工機の制御装置において、前記ステーションに装着された金型がクランプ逃げ部を有する切り欠き金型の場合に、前記切り欠き金型の回転角度に応じて、前記切り欠き金型と前記クランプとの干渉に係る干渉対象区域を設定する干渉対象区域設定手段を備えた加工機の制御装置である。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記切り欠き金型を回転する場合は、前記干渉対象区域に基づき、前記切り欠き金型と前記クランプとの干渉を回避する制御を行う回避制御手段を備えた上記加工機の制御装置である。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記回避制御手段は、ラムを上死点まで上昇させた後に前記切り欠き金型の前記回転角度を変更する処理を行う上記加工機の制御装置である。
【0013】
請求項4に係る発明は、金型を回転自在に位置決め可能なステーションを有し、前記金型にてクランプで把持されたワークの加工の制御を行う加工機の制御方法において、前記ステーションに装着された金型がクランプ逃げ部を有する切り欠き金型の場合に、前記切り欠き金型の回転角度に応じて、前記切り欠き金型と前記クランプとの干渉に係る干渉対象区域を設定する干渉対象区域設定工程を有する加工機の制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オートインデックスステーションでの切り欠き金型(シートセーバー金型)の干渉対象区域(デッドゾーン)をC軸の位置決め角度によって切り換え、ある決められたC軸角度では狭い干渉対象区域を選択し、それ以外のC軸角度では広い干渉対象区域を選択するので適正な干渉対象領域を設定することができる。すなわち、オートインデックスステーションによりC軸位置決め角度が変わっても適正な切り欠き金型の干渉対象区域を選択できることにより、加工時間の短縮やクランプの打ち抜き防止ができる効果を奏する。
【0015】
また、切り欠き金型の干渉対象区域ではC軸が回転することにより切り欠き金型とクランプが干渉する場合があるので、C軸回転の前に一度プレスを上死点まで上昇させてからC軸を回転させる処理とすることで干渉の回避を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1には、この発明に係る加工機の例としてのNCタレットパンチプレス1の一実施の形態が示されている。このNCタレットパンチプレス1では、フレーム3の中央にギャップ部5を有しており、このギャップ部5において上部フレーム3Uに上部タレット7Uが回転割出し自在に支持されている。また、この上部タレット7Uに対向して、下部フレーム3Lに下部タレット7Lが回転割出し自在に支持されている。なお、上部フレーム3Uの加工位置に対応する場所には、ラムシリンダ9が設けられており、ラム11を下降させて加工を行う。
【0017】
上部タレット7Uの径は下部タレット7Lの径に比べて小さく、下部タレット7Lの図1中、右側端部は上部タレット7Uからはみ出している。上部タレット7Uには複数のパンチPが交換自在に設けられており、下部タレット7Lには複数のダイDが交換自在に設けられている。なお、下部タレット7Lの金型交換位置下方には、金型交換時にダイDを持ち上げるためのダイ持ち上げシリンダ13が設けられている。
【0018】
また、ギャップ部5には、ワークテーブル15が設けられており、このワークテーブル15の上側にはY軸モータ17およびY軸ボールネジ19によりY軸方向に移動位置決め自在のキャレッジベース21が設けられている。このキャレッジベース21には、ワークWをクランパ23によりクランプして図示しないX軸移動機構によりX軸方向に移動位置決め自在のXキャレッジ25が設けられている。
【0019】
従って、クランパ23によりクランプされたワークWはワークテーブル15に支持され、Xキャレッジ25によりX軸方向に位置決めされ、Y軸モータ17がY軸ボールネジ19を回転させてキャレッジベース21をY軸方向に移動させて位置決めされる。そして、上部タレット7Uおよび下部タレット7Lを回転させて加工に用いるパンチPおよびダイDを加工位置に割り出し、ラムシリンダ9によりラム11を下降させてワークWを加工する。
【0020】
加工位置のステーションは、パンチP1をモータ53及び該モータ53に連動するベルト53aを介してC軸に対し回転・位置決め自在であるとともに、ダイD1をモータ55及び該モータ55に連動するベルト55aを介してC軸に対し回転・位置決め自在なオートインデックスステーションを構成している。
【0021】
一方、図1中タレットパンチプレス1の金型交換位置に隣接して、ツールチェンジャー31およびツールマガジン33を備えたATC装置35が設けられている。
【0022】
ツールチェンジャー31には、上部にパンチP交換用のパンチ用アーム37が設けられており、パンチ用アーム37の先端にはパンチPを把持するためのパンチグリッパ39を備えている。このパンチ用アーム37の下側にはダイD交換用のダイ用アーム41が設けられており、ダイ用アーム41の先端にはダイDを把持するためのダイグリッパ43を備えている。これらパンチ用アーム37およびダイ用アーム41は、モータ45によりネジ部材47を回転させて上下移動され、また、回転される。
【0023】
ツールマガジン33には、複数のパンチPやダイDを収納する収納アーム49が複数段設けられており、モータ51により回転して交換するパンチPおよびダイDを交換位置に割出し可能となっている。
【0024】
上記構成により、パンチPおよびダイDを交換する場合には、上部タレット7Uおよび下部タレット7Lにおける交換前のパンチPおよびダイDを金型交換位置に割り出し、ダイ持ち上げシリンダ13によりエジェクターパイプ(図示しない)を下部タレット7Lの上面まで押し上げておき、それぞれパンチ用アーム37のパンチグリッパ39により上部タレット7UからパンチPを取り出し、ダイ用アーム41のダイグリッパ43により下部タレット7LからダイDを取り出す。
【0025】
そして、パンチ用アーム37およびダイ用アーム41を180度回転させ、必要な場合には上下移動して、ツールマガジン33の所定位置に旧パンチPおよびダイDを収納する。
【0026】
また、逆に、パンチ用アーム37およびダイ用アーム41をツールマガジン33側に移動させると共に必要な場合には上下移動させ、パンチグリッパ39およびダイグリッパ43によりツールマガジン33に収納されているパンチPおよびダイDを取り出し、パンチ用アーム37およびダイ用アーム41を180度回転させてパンチPおよびダイDの装着を行う。
【0027】
NCタレットパンチプレス1には制御装置61が通信ケーブル59を介して接続されている。制御装置61は、表示部63と、入力部65と、制御部67とを備えている。表示部63は、NCタレットパンチプレス1の運転状況、実行中の加工プログラム等の表示を行う。入力部65は、タッチパネルとして機能し、NCタレットパンチプレス1の操作機能をメニュー表示する。制御部67は、読み込んだ加工プログラムに従いワークWを加工すべくNCタレットパンチプレス1を制御する。
【0028】
図2を参照する。前記制御部67は、プログラム実行部69と、金型判別部71と、C軸角度判別部73とを備えている。
【0029】
また、デッドゾーン制御部75と、XY軸デッドゾーン検出部77と、XY軸制御部79と、C軸制御部81と、プレス制御部83とを備えている。また機械系85は、XY軸87と、C軸89と、プレス部91を含む。
【0030】
前記プログラム実行部69は、加工プログラム(NCデータ等)を読み込み該加工プログラムに従いワークWに対し金型加工を実行する。
【0031】
前記金型判別部71は、前記プログラム実行部69の加工プログラムに基づき、オートインデックスステーションが通常の金型又は切り欠き金型(シートセーバー金型)かの判断を行う。本例で、切り欠き金型は、金型の板押さえ・ストリッパープレートの形状が通常の金型と異なり、クランプとの干渉回避のために、切り欠き部があり、通常の金型に比べクランプにより接近することができる金型をいう。
【0032】
C軸角度判定部73は、プログラム実行部69の加工プログラムに基づき、C軸において切り欠き金型のブロック終点位置を読みとる。
【0033】
前記デッドゾーン制御部75は、前記XY軸デッドゾーン検出部77、及びXY軸制御部79の検出情報に基づき、デッドゾーン干渉防止処理を行う。
【0034】
前記XY軸デッドゾーン検出部77は、前記XY軸制御部79で求めた位置情報を元にX軸、Y軸の干渉対象区域内(デッドゾーン内)か否かを検出する。
【0035】
すなわち、金型とクランプとが干渉する可能性がある区域である干渉対象区域の設定を金型サイズ別にパラメータとして持ち、その干渉対象区域にクランプのX軸、Y軸が進入する場合はデッドゾーン内として検出する。
【0036】
前記XY軸制御部79は、X、Y軸の位置決めの制御を行う。C軸制御部81は、C軸の位置決め制御を行う。すなわち、切り欠き金型の干渉対象区域では金型干渉の為、C軸インターロックを行う。そして、干渉回避後、インターロックを解除する。
【0037】
前記プレス制御部83は、プログラム実行部69の加工プログラムの指令に基づき、プレスの制御を行う。そして、デッドゾーン制御部75の指令に基づき切り欠き金型の干渉対象区域でC軸移動しようとした場合はプレス制御部83は一度上死点に上昇させて金型干渉回避する。
【0038】
前記XY軸87は、X、Y軸の位置決めを行う。前記C軸89は、C軸の位置決めを行う。前記プレス91は、パンチ加工を行う。
【0039】
ここで、上記金型判別部71、C軸角度判別部73、デッドゾーン制御部75は干渉対象区域設定手段として機能し、X、Y軸デッドゾーン検出部77、X、Y軸制御部79、C軸制御部81は回避制御手段として機能する。
【0040】
図3に上記制御部67の動作を示す。
【0041】
初めに、ステップS01では、制御部67が一連の処理を開始する。
【0042】
ステップS03では、金型判別部71が、加工位置に割り出された金型は切り欠き金型(シートセーバー金型)か否かの判断を行う。切り欠き金型と判断した場合に処理はステップS05に進む。切り欠き金型ではないと判断した場合に処理はステップS33に進む。ステップS33では、パンチングプレスを行い処理をステップS01に戻す。
【0043】
ステップS05では、制御部67が、NCタレットパンチプレス1のタレットの対象ステーションがオートインデックス(AI)ステーションか否かの判断を行う。オートインデックスステーションであると判断した場合に処理はステップS07に進む。オートインデックスステーションでないと判断した場合に処理はステップS33に進む。ステップS33では、パンチングプレスを行い処理をステップS01に戻す。
【0044】
ステップS07では、金型判別部71が、T変化直後の金型か否かの判断を行う。T変化直後と判断した場合に処理はステップS09に進む。T変化直後でないと判断した場合に処理はステップS11に進む。ここで、T変化直後とは、タレットを回転し異なるステーションを割り出し金型が異なるT番号の金型に変更された直後であることを言う。
【0045】
ステップS11では、プレス制御部83が、プレス上昇直後か否かの判断を行う。詳細については後述する。
【0046】
ステップS09では、プレス制御部83が、プレスウェイト処理を行う。これによりプレスの動作が停止状態になる。ステップS13では、C軸制御部81がC軸インターロックを行う。これにより、C軸に対しての回転動作が停止される。
【0047】
ステップS15では、C軸角度判定部73が、C軸ブロック終点位置の読み出しを行う。本例では、切り欠き金型P1、D1の場合に、図4に示すようにクランプ23と接近可能な場合を0度と予め設定する。一方、図5に示すように、切り欠き金型P1、D1がクランプ23に対し接近が通常の金型と同じ場合は予め90度と設定するものである。
【0048】
ステップS17では、C軸角度判別部73が、C軸に対しブロック終点位置が0度か否かの判断を行う。0度の場合に処理はステップS19に進む。0度ではない場合に処理はステップS21に進む。
【0049】
ステップS19では、デッドゾーン制御部75が、切り欠き金型(シートセーバー金型)の干渉対象区域(デッドゾーン)の設定を行う。
【0050】
ステップS21では、デッドゾーン制御部75は、通常の金型サイズ別の干渉対象区域(デッドゾーン)の設定を行う。
【0051】
図4及び図5を参照する。切り欠き金型(シートセーバー金型)のC軸回転角度により、干渉対象区域を異なるように設定している。図4は、C軸回転角度が0度におけるパンチP1、ダイD1より構成される切り欠き金型に対し、設定した干渉対象区域DZ1を示している。図5はC軸回転角度が90度におけるパンチP1、ダイD1より構成される切り欠き金型に対し、設定した干渉対象区域DZ2を示す。
【0052】
この結果、図4に示すワークWを把持するクランプ23の端と切り欠き金型P1、D1の中心までの距離A1は、図5に示すワークWを把持するクランプ23の端と切り欠き金型P1、D1の中心までの距離A2より短いのでより接近可能である。
【0053】
上述のように、切り欠き金型(シートセーバー金型)に限らず、スロッティング金型等の異形の金型(外形が円形以外の金型)についても干渉対象区域を設定できる。さらに、C軸が任意の角度(0度、90度以外の角度)の場合に対しても干渉対象区域を設定できる。
【0054】
図6に示すように、パンチP1の外形が円弧R1、R2及び直線L1、L2で囲まれた形状で、C軸回転角度が45度の金型の場合に、ワークWを把持するクランプ23の端と切り欠き金型P1、D1の中心までの距離A3は、角度が90度におけるワークWを把持するクランプ23の端と切り欠き金型の中心までの距離A2と同に設定することで干渉を回避できる。また、パンチP1の外形である円弧R1、R2及び直線L1、L2で囲まれた形状を外側に大きくするためオフセットすることで干渉対象区域を設定することもできる。
【0055】
一方、上述のように干渉対象区域にクランプが入っているかをソフト処理することの他に、非接触式センサでクランプが干渉対象区域に侵入したことを検出することでデッドゾーンに侵入したことを判断することもできる。
【0056】
ステップS23では、C軸制御部81が、C軸インターロックの解除を行う。
【0057】
ステップS25では、XY軸デッドゾーン検出部77が、クランプが、干渉対象区域内か否かの判断を行う。干渉対象区域外(デッドゾーン外)のとき処理はステップS27に進む。干渉対象区域外でない(デッドゾーン内である)とき処理はステップS29に進む。
【0058】
ステップS27では、プレスウェイト解除処理で停止状態が解除され、ステップS33でプレス加工が行われ、これにより、効率の良い加工を行うことができる。
【0059】
ステップS29では、プレス可能か否かの判断を行う。このとき本件タレットパンチプレスは停止状態となっている。そのときのクランプと金型との干渉を目視により確認し、クランプと金型が干渉せずにプレス加工可能であると確認できた場合にはタレットパンチプレスの停止状態を手動で解除することにより、処理はステップS27に進む。
【0060】
プレス可能でないと判断したとき処理はステップS31に進む。
【0061】
ステップS27では、プレスウェイト状態を解除する。ステップS31では、再開不可として加工を終了する。
【0062】
ステップS33ではパンチングプレスを実行する。そして、ステップS33でのプレス実行後は、処理をステップS01に戻し、上述の処理を繰りかえす。
【0063】
一方、上述のステップS11ではプレス上昇直後か否かの判断を行っている。ここで、プレス上昇直後とは、通常はパンチングの効率を良くするためストロークを短くしているが金型回転の際にはクランプとの干渉を回避するため上限に上昇させた状態である。すなわち、以下の処理は、パンチングのストロークが短い状態の為、C軸回転によるクランプと切り欠き金型の干渉を回避する処理である。
【0064】
ステップS35では、XY軸デッドゾーン検出部77が、クランプが、通常の金型サイズ別干渉対象区域内か否かの判断を行う。通常の干渉対象区域内と判断したとき処理はステップS37に進む。通常の干渉対象領域内ではないと判断した場合に処理はステップS41に進む。
【0065】
ステップS37では、プレス制御部83のプレスウェイト制御によりプレスが停止状態になる。ステップS39では、C軸制御部81によりC軸インターロックが行われC軸に対する回転動作が停止される。
【0066】
ステップS41では、C軸制御部81が、C軸移動中信号がON状態か否かの判断を行う。C軸移動中信号がON状態の場合には、デッドゾーン制御部75が干渉回避処理を行うステップS45に進む。C軸移動中信号ON状態でない場合に処理はステップS43に進む。
【0067】
ステップS43では、C軸インターロックの解除を行う。続いて、処理をステップS25に進める。
【0068】
ステップS45では、プレス制御部83がプレス上昇を行う。すなわち、ラムを上死点まで上昇させた後にステップS47でC軸制御部81がインターロックの解除を行い、切り欠き金型のC軸回転角度を変更する処理を行うことができる。これにより、例えば現在は切り欠き金型(シートセーバー金型)の干渉対象区域(デッドゾーン)が設定されていてクランプと金型は干渉しないが、通常の金型サイズ別の干渉対象区域(デッドゾーン)であれば干渉と検出されるようなクランプと金型の関係にある場合に、この切り欠き金型を回転させると回転中にクランプと金型が干渉してしまうことを防止することができる。その後処理はステップS01に戻る。
【0069】
ステップS47では、C軸制御部81が、C軸インターロックの解除を行い処理はステップS01に戻る。
【0070】
なお、この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る加工機の概略構成を示す概略図である。
【図2】制御部の概略構成を示す概略図である。
【図3】制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】干渉対象区域(デッドゾーン)を説明する説明図である。
【図5】干渉対象区域(デッドゾーン)を説明する説明図である。
【図6】干渉対象区域(デッドゾーン)を説明する説明図である。
【図7】従来の技術を説明する従来図である。
【図8】従来の技術を説明する従来図である。
【符号の説明】
【0072】
1 タレットパンチプレス
3 フレーム
3U 上部フレーム
3L 下部フレーム
5 ギャップ部
7U 上部タレット
7L 下部タレット
11 ラム
13 シリンダ
15 ワークテーブル
17 Y軸モータ
19 Y軸ボールネジ
21 キャレッジベース
23 クランパ
25 Xキャレッジ
27 ポジションシリンダ
29 フォーミングシリンダ
31 ツールチェンジャ
33 ツールマガジン
35 ATC装置
37 パンチ用アーム
41 ダイ用アーム
43 ダイグリッパ
45 モータ
47 ネジ部材
49 収納アーム
51 モータ
61 制御装置
63 表示部
65 入力部
67 制御部
69 プログラム実行部
71 金型判別部
73 C軸角度判別部
75 デッドゾーン制御部
77 X、Y軸デッドゾーン検出部
79 X、Y軸制御部
81 C軸制御部
83 プレス制御部
85 機械系
87 X、Y軸
89 C軸
91 プレス部
P、P1 パンチ
D、D1 ダイ
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を回転自在に位置決め可能なステーションを有し、前記金型にてクランプで把持されたワークの加工の制御を行う加工機の制御装置において、
前記ステーションに装着された金型がクランプ逃げ部を有する切り欠き金型の場合に、前記切り欠き金型の回転角度に応じて、前記切り欠き金型と前記クランプとの干渉に係る干渉対象区域を設定する干渉対象区域設定手段を、
備えたことを特徴とする加工機の制御装置。
【請求項2】
前記切り欠き金型を回転する場合は、前記干渉対象区域に基づき、前記切り欠き金型と前記クランプとの干渉を回避する制御を行う回避制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加工機の制御装置。
【請求項3】
前記回避制御手段は、ラムを上死点まで上昇させた後に前記切り欠き金型の前記回転角度を変更する処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の加工機の制御装置。
【請求項4】
金型を回転自在に位置決め可能なステーションを有し、前記金型にてクランプで把持されたワークの加工の制御を行う加工機の制御方法において、
前記ステーションに装着された金型がクランプ逃げ部を有する切り欠き金型の場合に、前記切り欠き金型の回転角度に応じて、前記切り欠き金型と前記クランプとの干渉に係る干渉対象区域を設定する干渉対象区域設定工程を、
有することを特徴とする加工機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−23059(P2010−23059A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184867(P2008−184867)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(390014672)株式会社アマダ (548)
【Fターム(参考)】