説明

加湿空調システム

【課題】加湿暖房時の加湿量の過不足を解消する共に、室内の湿度の変動を抑えた加湿空調システムを提供する。
【解決手段】加湿空調システム1Aは、霧状のミストMを浴室101に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房等を行う浴室空調装置3Aと、ミスト発生装置2に供給される湯HWを生成する給湯装置4とを備え、ミスト発生装置2でミストMを噴出しながら浴室空調装置3Aで循環風により温風HAを吹き出して、浴室101の加湿暖房を行う加湿暖房運転モードでは、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すヒータの駆動の有無に連動させて、ミスト発生装置2によるミストMの噴出量の制御を行い、浴室101内の湿度が一定値に近づくようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室やシャワー室等の室内の加湿暖房を行う加湿空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、湯水をミストとして浴室内に吹き出し、浴室の加湿暖房を行うミスト装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなミスト装置は、単数もしくは複数のミストノズルを浴室の壁面等に設置して、給湯器から供給された温水をミストにして浴室内に吹き出す構成である。
【0004】
しかし、ミストのみで浴室を暖める場合、温度が十分に上がらないという問題があった。
【0005】
そこで、暖房機による温風の吹き出しと併用してミストを吹き出すことで、短時間で浴室の温度を上げられるようにしたミスト装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、加湿装置としては、超音波振動子により水を振動させ、微細化した水滴を発生させて空気を加湿する超音波加湿器や、ヒータで水を加熱して水蒸気を発生させて空気を加湿するヒータ式の加湿器も提案されている。
【0007】
【特許文献1】特公平6−59301号公報
【特許文献2】特開2002−61860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ミスト装置や加湿装置を備えて浴室を加湿暖房する構成では、室内の温度及び湿度を発汗効果が得られるような状態にする必要がある。従来、浴室に備えられた浴室空調装置で室内の温度についてはある程度制御を行っていたが、湿度については一定量のミストをノズルで噴霧する等しており、加湿量の制御は行われていなかった。
【0009】
そのため、室内を必要な湿度に保つのに必要量以上の湯水を使用し無駄なエネルギーを消費していたり、逆に加湿量が不足し室内が必要な湿度に達しない場合があった。
【0010】
また、浴室空調装置では、室内の温度制御のために暖房用ヒータのON,OFF制御が行われているが、加湿暖房時の加湿量が一定であると、ヒータON時には温度上昇と共に相対湿度が低下し、ヒータOFF時には温度降下と共に相対湿度が上昇するという湿度の変動が発生し、入浴者が不快に感じる虞があった。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、加湿暖房時の加湿量の過不足を解消する共に、室内の湿度の変動を抑えた加湿空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するため、本発明の加湿空調システムは、温風を生成する加熱手段を有した空調装置と、空調装置で温風が吹き出される室内に、微細化された霧状の水滴または加湿空気を吹き出す加湿手段を有した加湿装置と、室内の湿度を検知する湿度検知手段と、湿度検知手段で検知された室内の湿度に応じて、加湿装置による加湿量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の加湿空調システムでは、加湿装置で霧状の水滴または加湿空気を吹き出すと共に、空調装置で温風を吹き出して、室内の加湿暖房が行われる。加湿暖房に伴って室内の湿度が上昇すると、加湿装置による加湿量を減少させると共に、加湿装置による加湿量の減少に伴って室内の湿度が低下すると、加湿装置による加湿量を増加させる。
【0014】
これにより、加湿暖房に必要な加湿量を確保しつつ、室内の湿度の変動が所望の範囲内に抑えられる。
【0015】
また、本発明の加湿空調システムは、温風を生成する加熱手段を有した空調装置と、空調装置で温風が吹き出される室内に、微細化された霧状の水滴または加湿空気を吹き出す加湿手段を有した加湿装置と、加熱手段の駆動の有無に応じて、加湿装置による加湿量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明の加湿空調システムでは、加湿装置で霧状の水滴または加湿空気を吹き出すと共に、空調装置で温風を吹き出して、室内の加湿暖房が行われる。加湿暖房で加熱手段を駆動して室内に温風を吹き出している間は、加湿装置による加湿量を増加させ、室内の温度上昇に伴う相対湿度の低下を抑える。また、加熱手段の駆動を停止している間は、加湿装置による加湿量を減少させ、室内の温度低下に伴う相対湿度の上昇を抑える。
【0017】
これにより、加湿暖房に必要な加湿量を確保しつつ、室内の湿度の変動が所望の範囲内に抑えられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の加湿空調システムによれば、加湿暖房時の加湿量の過不足を解消することができるので、無駄の無い加湿量で十分な湿度が得られる。
【0019】
これにより、加湿量が過剰になることによる無駄なエネルギー消費を抑えることができる。また、加湿量が不足することにより室内の湿度が加湿暖房に必要とされる湿度まで上がらないという状態になることを解消できる。
【0020】
更に、室内の湿度の変動が抑えられるので、入浴者の不快感を解消することができ、快適性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の加湿空調システムの実施の形態について説明する。
【0022】
<第1の実施の形態の加湿空調システムの構成例>
(1−1)加湿空調システムの全体構成例
図1は、第1の実施の形態の加湿空調システムの一例を示す全体構成図である。第1の実施の形態の加湿空調システム1Aは、霧状のミストMを浴室101に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房等を行う浴室空調装置3Aと、ミスト発生装置2に供給される湯HWを生成する給湯装置4とを備える。
【0023】
加湿空調システム1Aは、浴室101に隣接した洗面脱衣所102に設置された主操作部5Aと、浴室101に設置された副操作部6Aで、入浴者等の操作を受ける。また、加湿空調システム1Aは、浴室空調装置3Aに備えられた主制御部7Aと、ミスト発生装置2に備えられた副制御部8Aに制御され、主操作部5Aまたは副操作部6Aで選択された運転モードが実行される。
【0024】
すなわち、加湿空調システム1Aでは、主操作部5Aまたは副操作部6Aの操作で、ミスト発生装置2でミストMを噴出しながら、浴室空調装置3Aで循環風により温風HAを吹き出して、ミスト発生装置2と浴室空調装置3Aとの連動で浴室101の加湿暖房を行う加湿暖房運転モードが実行される。
【0025】
そして、加湿空調システム1Aは、加湿暖房運転モードでは、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出す後述するヒータの駆動の有無に連動させて、ミスト発生装置2によるミストMの噴出量の制御を行い、浴室101内の湿度が一定値に近づくようにする。
【0026】
尚、加湿空調システム1Aでは、加湿暖房運転モード以外の運転モードとして、主操作部5Aまたは副操作部6Aの操作で、浴室空調装置3Aで循環風により温風HAを吹き出して、浴室空調装置3A単体で浴室101の暖房を行う暖房運転モードが実行される。
【0027】
更に、加湿空調システム1Aでは、主操作部5Aの操作で、浴室空調装置3Aで浴室101内の空気を屋外に排出して、浴室101の換気を行う換気運転モードと、所定時間で図示しない建物の空気が入れ替えられる風量で換気を行う24時間換気運転モードが実行される。
【0028】
また、浴室空調装置3Aで循環風により温風HAを吹き出しながら、浴室101内の空気を屋外に排出して、浴室101に干された衣類等の乾燥を行う乾燥運転モードが実行される。更に、浴室空調装置3Aで循環風により送風を吹き出す涼風運転モードが実行される。
【0029】
(1−2)加湿空調システムを構成するミスト発生装置の構成例
図2は、第1の実施の形態の加湿空調システムを構成するミスト発生装置の第1の例を示す構成図である。
【0030】
第1の例のミスト発生装置2Aは加湿装置の一例で、ミストを噴出する複数のミストノズル20と、ミストを噴出するミストノズル20を切り換える噴出ノズル切換電磁弁21aと、給湯(給水)の有無を切り換える供給切換電磁弁21bと、排水の有無を切り換える排水切換電磁弁21cとを備える。
【0031】
ミストノズル20は加湿手段の一例で、湯水の供給を受けると、微細化された水滴によるミストが噴出される。ここで、ミストノズル20から噴出させるミストとは、霧や靄、更にはシャワー等の状態を含む。
【0032】
ミスト発生装置2Aは、図1に示す浴室101の天井パネルに開口を形成して設置され、ミストノズル20を露出させたフロントパネル23が、浴室101に面して取り付けられる。
【0033】
ミスト発生装置2Aは、図1に示す給湯装置4と接続された供給配管24aがミストノズル20の数に合わせて分岐され、各ミストノズル20につながる供給配管24aのそれぞれに噴出ノズル切換電磁弁21aが備えられており、噴出ノズル切換電磁弁21aの開閉で、ミストMを噴出するミストノズル20の数が切り替えられる。
【0034】
図3は、第1の例のミスト発生装置におけるミスト噴出量の切換動作説明図である。ミスト発生装置2Aが、例えば4個のミストノズル20を備えた構成とすると、ミスト発生装置2AによるミストMの噴出量を増加させる場合は、全ての噴出ノズル切換電磁弁21aを開き、本例では図3(a)に示すように、4個のミストノズル20の全てからミストMを噴出させる。
【0035】
これに対して、ミストMの噴出量を減少させる場合は、例えば2個の噴出ノズル切換電磁弁21aを閉じ、図3(b)に示すように、残りの2個のミストノズル20からミストMを噴出させる。
【0036】
このように、噴出ノズル切換電磁弁21aの開閉で、ミストMを噴出するミストノズル20の数を切り替えることで、ミストMの噴出量が制御される。
【0037】
また、ミスト発生装置2Aは、供給配管24aから排水配管24bが分岐し、排水配管24bとの分岐点より上流側の供給配管24aに供給切換電磁弁21bが備えられ、排水配管24bに排水切換電磁弁21cが備えられている。
【0038】
これにより、ミスト発生装置2Aでは、給湯装置4から供給された湯HWの温度が所定の温度に上がるまでは、給湯装置4から供給された湯HWが各電磁弁の開閉で排水配管24bへ送られ、排水EWが浴室101の図示しない排水管へと流されて、ミストノズル20からミストとして噴出されない。
【0039】
そして、給湯装置4から供給された湯HWの温度が所定値まで上がると、給湯装置4から供給された湯HWが各電磁弁の開閉でミストノズル20に供給され、所定の温度のミストMとしてミストノズル20から噴出される。
【0040】
図4は、第1の実施の形態の加湿空調システムを構成するミスト発生装置の第2の例を示す構成図である。
【0041】
第2の例のミスト発生装置2Bは加湿装置の一例で、ミストを噴出する単数または複数のミストノズル20と、ミストノズル20に供給される湯(水)を加圧する加圧ポンプ25と、ミストノズル20からのミストの噴出の有無を切り替える噴出切換電磁弁21dと、給湯(給水)の有無を切り換える供給切換電磁弁21bと、排水の有無を切り換える排水切換電磁弁21cとを備える。
【0042】
ミスト発生装置2Bは、図1に示す浴室101の天井パネルに開口を形成して設置され、ミストノズル20を露出させたフロントパネル23が、浴室101に面して取り付けられる。
【0043】
ミスト発生装置2Bは、図1に示す給湯装置4と接続された供給配管24aに加圧ポンプ25と噴出切換電磁弁21dが備えられ、加圧ポンプ25による給湯圧を切り替えることで、ミストノズル20から噴出されるミストMの噴出量が制御される。
【0044】
図5は、第2の例のミスト発生装置におけるミスト噴出量の切換動作説明図である。加圧ポンプ25による給湯圧を高くすると、図5(a)に示すように、ミストMの噴出量が増加する。
【0045】
これに対して、加圧ポンプ25による給湯圧を低くすると、図5(b)に示すように、ミストMの噴出量が減少する。
【0046】
このように、加圧ポンプ25による給湯圧の増減で、ミストMの噴出量が制御される。
【0047】
また、ミスト発生装置2Bは、供給配管24aから排水配管24bが分岐し、排水配管24bとの分岐点より上流側の供給配管24aに供給切換電磁弁21bが備えられ、排水配管24bに排水切換電磁弁21cが備えられている。
【0048】
これにより、ミスト発生装置2Bでは、給湯装置4から供給された湯HWの温度が所定の温度に上がるまでは、給湯装置4から供給された湯HWが各電磁弁の開閉で排水配管24bへ送られ、排水EWが浴室101の図示しない排水管へと流されて、ミストノズル20からミストとして噴出されない。
【0049】
そして、給湯装置4から供給された湯HWの温度が所定値まで上がると、給湯装置4から供給された湯HWが各電磁弁の開閉でミストノズル20に供給され、所定の温度のミストMとしてミストノズル20から噴出される。
【0050】
(1−3)加湿空調システムを構成する浴室空調装置の構成例
図6は、第1の実施の形態の加湿空調システムを構成する浴室空調装置の一例を示す構成図である。
【0051】
浴室空調装置3Aは空調装置の一例で、浴室暖房換気乾燥装置等と称され、図1に示す浴室101から空気RAを吸い込んで吹き出すファン部30と、ファン部30から吹き出される空気を浴室101に吹き出すか、排気するかを切り替える風路切換部31と、浴室101へ吹き出す空気を加熱するヒータ32とを備える。
【0052】
ファン部30は循環送風手段の一例で、回転駆動される多翼のファン33と、ファン33を回転駆動するファンモータ33aと、風路を形成するファンケース34を備える。
【0053】
浴室空調装置3Aは、ファン33の軸方向に沿ったファンケース34の下面にファン吸込口34aを備え、ファンケース34は、ファン33が回転駆動されることでファン吸込口34aから吸い込んだ空気を、ファン33の接線方向に吹き出す風路を形成する。
【0054】
風路切換部31は、風路を切り換えるダンパ35を備える。ダンパ35は、後述するダンパモータの駆動力がカム35aを介して伝達され、軸35bを支点に回転して開閉動作を行う。
【0055】
浴室空調装置3Aは、風路切換部31の下方に吹出口36aを備えると共に、風路切換部31の側方に排気口36bを備え、ダンパ35を図6(a)に示す循環位置とすると、排気口36bへの風路が遮断され、ファン吸込口34aから吹出口36aへ連通した循環風路31aが形成される。
【0056】
また、ダンパ35を図6(b)に示す換気位置とすると、吹出口36aへの風路が遮断され、ファン吸込口34aから排気口36bへ連通した換気風路31bが形成される。
【0057】
更に、ダンパ35を図6(c)に示す分流位置とすると、ファン吸込口34aから吹出口36aへ連通した循環風路31aと、ファン吸込口34aから排気口36bへ連通した換気風路31bの双方が形成される。
【0058】
ヒータ32は加熱手段の一例で、吹出口36aにPTCヒータ等の電気ヒータを備えて構成される。なお、吹出口36aに、風向を切り換える電動の吹出ルーバを備える構成としても良い。
【0059】
浴室空調装置3Aは、下面にフロントパネル37を備える。フロントパネル37は、ファン吸込口34aとつながる吸込グリル37aを備えると共に、吹出口36aとつながる吹出グリル37bを備える。また、フロントパネル37は、吸込グリル37aの裏側に図示しないフィルタが交換可能に取り付けられる。
【0060】
また、浴室空調装置3Aは、ファン吸込口34aに温度検知センサ38aを備える。温度検知センサ38aは温度検知手段の一例で、フロントパネル37の吸込グリル37aからファン吸込口34aに吸い込まれる空気の温度を検知することで、図1に示す浴室101の温度が検出される。
【0061】
浴室空調装置3Aは、図1に示す浴室101の天井パネルに開口を形成して設置され、フロントパネル37が浴室101に面して取り付けられる。また、浴室空調装置3Aは、排気口36bに排気ダクトジョイント39が取り付けられ、排気ダクトジョイント39に排気ダクト103が接続される。
【0062】
排気ダクト103は、図示しない建物の外壁104に取り付けた屋外グリル103aに接続され、浴室空調装置3Aで浴室101等から吸い込んだ空気を、排気ダクト103を介して屋外に排気できる構成となっている。
【0063】
上述した構成の浴室空調装置3Aでは、ファンモータ33aによりファン33が回転駆動されると、フロントパネル37の吸込グリル37aからファン吸込口34aに空気RAが吸い込まれる。
【0064】
ダンパ35の位置が図6(a)に示す循環位置であると、ファン吸込口34aから吹出口36aへの循環風路31aが形成されるので、吸込グリル37aから吸い込まれた空気RAは、循環風路31aを通ってフロントパネル37の吹出グリル37bから吹き出される。
【0065】
ヒータ32は、循環風路31aの吹出口36aに配置されるので、ヒータ32が通電されることで、循環風路31aを通る空気が温められて、温風HAが吹出グリル37bから吹き出す。
【0066】
これにより、加湿暖房運転モード及び暖房運転モードでは、ダンパ35を循環位置に移動させて、ファン部30を駆動すると共に、ヒータ32に通電することで、図1に示す浴室101の空気を循環させながら、浴室101内に温風HAが吹き出される。
【0067】
また、涼風運転モードでは、ダンパ35を循環位置に移動させて、ヒータ32に通電せずにファン部30を駆動することで、図1に示す浴室101の空気を循環させながら、浴室101内に室温に応じた送風が吹き出される。
【0068】
ダンパ35の位置が図6(b)に示す換気位置であると、ファン吸込口34aから排気口36bへの換気風路31bが形成されるので、フロントパネル37の吸込グリル37aから吸い込まれた空気は、換気風路31bを通って排気口36bから排気される。
【0069】
これにより、換気運転モードでは、ダンパ35を換気位置に移動させて、ファン部30を駆動することで、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
【0070】
ダンパ35の位置が図6(c)に示す分流位置であると、ファン吸込口34aから吹出口36aへの循環風路31aと、ファン吸込口34aから排気口36bへの換気風路31bの双方が形成されるので、フロントパネル37の吸込グリル37aから吸い込まれた空気は、一部は循環風路31aを通って吹出グリル37bから浴室101内に吹き出される。
【0071】
また、吸込グリル37aから吸い込まれた空気の残部は、換気風路31bを通って排気口36bから排気される。
【0072】
これにより、乾燥運転モードでは、ダンパ35を分流位置に移動させて、ファン部30を駆動すると共に、ヒータ32に通電することで、図1に示す浴室101の空気の一部を循環させて浴室101内に温風HAを吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
【0073】
なお、涼風運転モードとして、ダンパ35を分流位置に移動させ、ヒータ32に通電せずにファン部30を駆動することで、図1に示す浴室101の空気の一部を循環させて浴室101内に室温に応じた送風を吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気されるようにしても良い。
【0074】
また、浴室空調装置としては、循環ファン部と換気ファン部を別に備えて循環風路と換気風路が独立した構成等でも良い。
【0075】
(1−4)加湿空調システムを構成する給湯装置の構成例
図7は、第1の実施の形態の加湿空調システムを構成する給湯装置の一例を示す構成図である。
【0076】
給湯装置4は、例えば自然冷媒(CO2)を利用したヒートポンプ方式の給湯手段の一例で、大気と冷媒との間の熱交換及び冷媒と水との間の熱交換で温水を生成するヒートポンプユニット40と、ヒートポンプユニット40で生成された温水を貯水する貯湯タンクユニット41を備える。
【0077】
ヒートポンプユニット40は、大気と冷媒との間で熱交換を行って、冷媒の温度を上昇させる空気熱交換器40aと、冷媒と水との間で熱交換を行って、水の温度を上昇させる水熱交換器40bを備える。
【0078】
また、ヒートポンプユニット40は、空気熱交換器40aに大気を供給するファン40cと、空気熱交換器40aと水熱交換器40bとの間を接続して、空気熱交換器40aと水熱交換器40bとの間で冷媒を循環させる冷媒配管40dを備える。
【0079】
更に、ヒートポンプユニット40は、空気熱交換器40aと水熱交換器40bの間で空気熱交換器40aの下流側に、空気熱交換器40aで熱交換されて冷媒配管40dを流れる冷媒を圧縮して、温度を更に上昇させる圧縮機40eを備える。また、ヒートポンプユニット40は、空気熱交換器40aと水熱交換器40bの間で水熱交換器40bの下流側に、水熱交換器40bで熱交換されて冷媒配管40dを流れる冷媒を膨張させて、温度を低下させる膨張弁40fを備える。
【0080】
貯湯タンクユニット41は、ヒートポンプユニット40で生成された温水を貯水するタンク42を備える。タンク42は、下部側に水が供給されると共に、上部側に温水が供給されて、下部側に比べて上部側の温度が高くなる層化した状態で温水を貯水する。
【0081】
ヒートポンプユニット40と貯湯タンクユニット41は、水熱交換器40bとタンク42の間が温水配管43a及び冷水配管43bで接続され、冷水配管43bにポンプ43cを備える。
【0082】
温水配管43aは、水熱交換器40bの流出側と、タンク42の上部側に設けられる流入口42aとの間を接続する。また、冷水配管43bは、水熱交換器40bの流入側と、タンク42の下部側に設けられる流出口42bの間を接続する。
【0083】
ポンプ43cは、冷水配管43bを介してタンク42の流出口42bから水を吸い込んで水熱交換器40bに供給し、水熱交換器40bを通過して生成された温水を、温水配管43aを介して流入口42aからタンク42に供給する。
【0084】
また、貯湯タンクユニット41は、タンク42に貯水された温水を取水する取水配管44と、タンク42に給水を行う給水配管45が、タンク42に接続される。
【0085】
取水配管44は、流入口42aと独立してタンク42の上部に設けられる高温部取水口42cと接続される高温部取水配管44aと、高温部取水口42cより下側に設けられる中温部取水口42dに接続される中温部取水配管44bを備える。
【0086】
また、取水配管44は、高温部取水配管44aと中温部取水配管44bの合流箇所に切換弁44cを備え、タンク42における取水元が、高温部取水口42cか中温部取水口42dに切り替えられる。
【0087】
給水配管45は、流出口42bと独立してタンク42の下部に設けられる給水口42eと接続される。
【0088】
更に、貯湯タンクユニット41は、取水配管44から供給される温水と、分岐給水配管45aから供給される水を混合させる給湯混合弁46を備える。給湯混合弁46は、取水配管44と分岐給水配管45aの合流箇所に備えられ、取水配管44から供給される温水と、分岐給水配管45aから供給される水の混合比を切り替えて、給湯配管47から供給される温水の温度を調整する。
【0089】
給湯配管47は、図2または図4に示すミスト発生装置2A,2Bの供給配管24a、図1に示す浴室101の蛇口やシャワー101a、洗面脱衣所102の蛇口102a及び台所105の図示しない蛇口等と接続され、温水を供給する。
【0090】
上述した構成の給湯装置4では、貯湯タンクユニット41のタンク42に、給水配管45から水が供給される。タンク42に供給された水は、冷水配管43bによりヒートポンプユニット40の水熱交換器40bに供給される。
【0091】
ヒートポンプユニット40では、ファン40cにより空気熱交換器40aに大気が供給され、冷媒配管40dを流れる冷媒との間で熱交換が行われ、冷媒の温度が上昇する。空気熱交換器40aで熱交換が行われた冷媒は、圧縮機40eで圧縮されることで、温度が更に上昇する。
【0092】
そして、圧縮機40eで圧縮されて温度を上昇させた冷媒は、水熱交換器40bに供給される。これにより、水熱交換器40bにおいては、大気との熱交換及び圧縮により温度を上昇させた冷媒と、貯湯タンクユニット41から供給された水との間で熱交換が行われ、温水が生成される。
【0093】
水熱交換器40bで熱交換された冷媒は、膨張弁40fで膨張させて温度を低下させ、再度空気熱交換器40aに供給される。
【0094】
また、水熱交換器40bで熱交換されて生成された温水は、温水配管43aによりタンク42に戻される。これにより、タンク42は、上部側が温度が高く、下部側が温度の低い層化した状態で温水と水が貯水される。
【0095】
タンク42に貯水された温水は、取水配管44により取水される。ここで、供給する温水の温度が高い場合は、切替弁44cにより高温部取水配管44aから温水を取水し、供給する温水の温度が低い場合は、中温部取水配管44bから温水を取水する。
【0096】
取水配管44により取水された温水は、分岐給水配管45bから供給される水と給湯混合弁46で混合される。給湯混合弁46で温水と水の混合比を切り替えることで、給湯配管47から供給される温水の温度が調整される。そして、給湯配管47から供給される温水は、ミスト発生装置2、浴室101、洗面脱衣所102及び台所105等に分配される。
【0097】
なお、給湯装置4は、自然冷媒を利用したヒートポンプ方式でない電気温水器や、ガス給湯器、他の熱源を利用した給湯器でも良い。
【0098】
(1−5)加湿空調システムの制御機能例
図8及び図9は、第1の実施の形態の加湿空調システムの制御系の一例を示す機能ブロック図で、図8は、第1の例のミスト発生装置2Aを備えた加湿空調システム1Aの機能ブロック図、図9は、第2の例のミスト発生装置2Bを備えた加湿空調システム1Aの機能ブロック図である。
【0099】
加湿空調システム1Aは、浴室空調装置3Aに備えられた主制御部7Aに、図6で説明した浴室空調装置3Aのヒータ32と、ファン部30のファン33を駆動するファンモータ33aと、ダンパ35を駆動するダンパモータ35cと、温度検知センサ38a等が接続される。
【0100】
また、加湿空調システム1Aは、図2に示すミスト発生装置2Aを備えた構成では、ミスト発生装置2Aに備えられた副制御部8Aに、図2で説明した噴出ノズル切換電磁弁21aと、供給切換電磁弁21bと、排水切換電磁弁21c等が接続される。
【0101】
あるいは、加湿空調システム1Aは、図4に示すミスト発生装置2Bを備えた構成では、ミスト発生装置2Bに備えられた副制御部8Aに、図4で説明した加圧ポンプ25と、噴出切換電磁弁21dと、供給切換電磁弁21bと、排水切換電磁弁21c等が接続される。
【0102】
更に、主制御部7Aに主操作部5Aが接続され、副制御部8Aに副操作部6Aが接続されると共に、主制御部7Aに副制御部8Aが接続される。
【0103】
主制御部7A及び副制御部8Aは制御手段の一例で、それぞれ図示しないCPUやメモリ等を備え、主操作部5A及び副操作部6Aでの操作と、予め記憶されているプログラムに従って、浴室空調装置3Aとミスト発生装置2が制御される。
【0104】
すなわち、主制御部7Aと副制御部8Aは、主操作部5Aまたは副操作部6Aでの所定の操作に従って通信を行い、ミスト発生装置2Aの各電磁弁、またはミスト発生装置2Bの各電磁弁と加圧ポンプ25を制御すると共に、浴室空調装置3Aのヒータ32、ファンモータ33a及びダンパモータ35cを制御して、図1に示す浴室101の加湿暖房を行う加湿暖房運転モードを実行する。
【0105】
また、主制御部7Aは、浴室空調装置3A単体の動作として、主操作部5Aでの所定の操作に従って浴室空調装置3Aのヒータ32、ファンモータ33a及びダンパモータ35cを制御して、暖房運転モード、換気運転モード、乾燥運転モード、涼風運転モードまたは24時間換気運転モードを選択的に実行する。
【0106】
<第1の実施の形態の加湿空調システムの動作例>
次に、各図を参照して、第1の実施の形態の加湿空調システム1Aで実行される加湿暖房運転モードの動作の一例について説明する。
【0107】
入浴者等は、浴室101を加湿暖房するため、浴室101に設置された副操作部6Aの所定の操作ボタン60、または、洗面脱衣所102に設置された主操作部5Aの所定の操作ボタン50を押して、加湿暖房運転モードを選択する。
【0108】
加湿暖房運転モードが選択されると、主制御部7Aは、ダンパモータ35cを駆動してダンパ35を図6(a)に示す循環位置に移動させ、ファンモータ33aを駆動してファン33を回転させると共に、ヒータ32に通電する。
【0109】
これにより、浴室空調装置3Aでは、フロントパネル37の吸込グリル37aから浴室101内の空気RAが吸い込まれ、温風HAが吹出グリル37bから吹き出されて、浴室101内が暖房される。
【0110】
また、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、ミスト発生装置2Aを備えた構成では、所定の第1の数、本例では全てのミストノズル20からミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0111】
副制御部8Aは、全てのミストノズル20からミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、供給切換電磁弁21bと、全ての噴出ノズル切換電磁弁21aを開く。
【0112】
これにより、給湯装置4から全てのミストノズル20に湯HWが供給され、全てのミストノズル20からミストMが噴出される。
【0113】
このように、ミスト発生装置2Aで全てのミストノズル20からミストMを噴出しながら、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101が加湿暖房されて、短時間で所定の高湿のミストサウナ状態となる。
【0114】
ここで、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出して、浴室101の暖房を開始した後、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定のミスト噴出適合室温に上昇してから、ミストMの噴出を開始する制御を行っても良い。
【0115】
また、給湯装置4から供給された湯HWの温度を図示しない水温検知センサで検知して、副制御部8Aは、主制御部7AからミストMを噴出させる指示を受信すると、給湯装置4から供給された湯HWの温度が所定のミスト噴出適合水温に上昇するまでは、ミストノズル20からミストMを噴出させない制御を行っても良い。
【0116】
すなわち、副制御部8Aは、主制御部7AからミストMを噴出させる指示を受信すると、全ての噴出ノズル切換電磁弁21aは閉じた状態で、供給切換電磁弁21bと排水切換電磁弁21cは開き、給湯装置4から供給された湯HWの温度がミスト噴出適合水温に上昇するまでは、給湯装置4から供給された湯HWを排水配管24bへ送って、ミストノズル20からミストMを噴出させない。
【0117】
そして、給湯装置4から供給された湯HWの温度がミスト噴出適合水温まで上昇すると、供給切換電磁弁21bは開いた状態で、全ての噴出ノズル切換電磁弁21aは開くと共に、排水切換電磁弁21cは閉じて、給湯装置4からミストノズル20に湯HWを供給し、所定の温度のミストMをミストノズル20から噴出させる。
【0118】
このように、加湿暖房運転モードにおいて、浴室空調装置3Aにより温風HAを吹き出して浴室101内の温度を上昇させてから、ミスト発生装置2Aで所定の温度に達したミストMの噴出を行うことで、入浴者(利用者)に冷感を与えないようにすることができる。
【0119】
一方、ミスト発生装置2Bを備えた構成では、加湿暖房運転モードが選択されると、主制御部7Aは、所定の第1の給湯圧でミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0120】
副制御部8Aは、第1の給湯圧でミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、供給切換電磁弁21bと噴出切換電磁弁21dを開くと共に、給湯装置4からミストノズル20に供給される湯HWを、加圧ポンプ25により第1の給湯圧で加圧する。
【0121】
これにより、給湯装置4からミストノズル20に第1の給湯圧で湯HWが供給され、ミストノズル20から所定の第1の噴出量でミストMが噴出される。
【0122】
このように、ミスト発生装置2Bで所定の第1の噴出量でミストMを噴出しながら、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101が加湿暖房されて、短時間で高湿のミストサウナ状態となる。
【0123】
ここで、ミスト発生装置2Bを備えた構成でも、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出して、浴室101の暖房を開始した後、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定のミスト噴出適合室温に上昇してから、ミストMの噴出を開始する制御を行っても良い。
【0124】
また、給湯装置4から供給された湯HWの温度を図示しない水温検知センサで検知して、副制御部8Aは、主制御部7AからミストMを噴出させる指示を受信すると、給湯装置4から供給された湯HWの温度が所定のミスト噴出適合水温に上昇するまでは、ミストノズル20からミストMを噴出させない制御を行っても良い。
【0125】
すなわち、副制御部8Aは、主制御部7AからミストMを噴出させる指示を受信すると、噴出切換電磁弁21dは閉じた状態で、供給切換電磁弁21bと排水切換電磁弁21cは開き、給湯装置4から供給された湯HWの温度がミスト噴出適合水温に上昇するまでは、給湯装置4から供給された湯HWを排水配管24bへ送って、ミストノズル20からミストMを噴出させない。
【0126】
そして、給湯装置4から供給された湯HWの温度がミスト噴出適合水温まで上昇すると、供給切換電磁弁21bは開いた状態で、噴出切換電磁弁21dは開くと共に、排水切換電磁弁21cは閉じて、給湯装置4からミストノズル20に湯HWを供給する。更に、ミストノズル20に供給される湯HWを、加圧ポンプ25により第1の給湯圧で加圧して、所定の温度のミストMをミストノズル20から噴出させる。
【0127】
このように、ミスト発生装置2Bを備えた構成でも、加湿暖房運転モードにおいて、浴室空調装置3Aにより温風HAを吹き出して浴室101内の温度を上昇させてから、ミスト発生装置2Bで所定の温度に達したミストMの噴出を行うことで、入浴者(利用者)に冷感を与えないようにすることができる。
【0128】
上述したように、加湿暖房運転モードでは、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101内の温度が上昇する。このため、主制御部7Aは、温度検知センサ38aで検知した浴室101の温度が所定の上限温度となると、ヒータ32の通電を停止すると共に、ファンモータ33aの駆動を停止する。
【0129】
これにより、浴室空調装置3Aからの温風HAの吹き出しが停止することで、浴室101内の温度が低下する。
【0130】
そして、主制御部7Aは、温度検知センサ38aで検知した浴室101の温度が所定の下限温度となると、ヒータ32の通電及びファンモータ33aの駆動を再開する。
【0131】
以上のように、浴室空調装置3Aのヒータ32を間欠駆動する制御によって、浴室101内の温度が一定の範囲に保たれるようにしている。
【0132】
図10は、第1の実施の形態の加湿空調システムにおける浴室空調装置のヒータ制御と浴室内の温湿度の関係を示すグラフ、図11は、比較例として、従来のヒータ制御と浴室内の温湿度の関係を示すグラフである。
【0133】
図11に示す例では、ミスト発生装置で一定量のミストを噴出している状態で、浴室空調装置のヒータを間欠駆動している。このように、ミスト発生装置で一定量のミストを噴出している状態で、浴室空調装置のヒータが通電されると、浴室の温度の上昇と共に相対湿度が低下し、ヒータの通電を停止すると、温度低下と共に相対湿度が上昇するので、浴室101内の湿度が大きく変動する。
【0134】
このような湿度の変動を解消するため、主制御部7Aは、浴室空調装置3Aのヒータ32に通電すると加湿量を増加させ、ヒータ32の通電を停止すると加湿量を減少させる制御を行う。
【0135】
すなわち、ミスト発生装置2Aを備えた構成では、主制御部7Aは、浴室空調装置3Aのヒータ32に通電すると、所定の第1の数、本例では全てのミストノズル20からミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0136】
副制御部8Aは、全てのミストノズル20からミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、全ての噴出ノズル切換電磁弁21aを開く。
【0137】
これにより、図3(a)に示すように、複数のミストノズル20の全てからミストMが噴出されることで、ミストMの噴出量が増えて加湿量が増やされ、図10に示すように、温度上昇に伴う相対湿度の低下が抑えられる。
【0138】
これに対して、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定の上限温度になって、ヒータ32の通電を停止させると、主制御部7Aは、第1の数より少ない第2の数、本例では半数のミストノズル20からミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0139】
副制御部8Aは、半数のミストノズル20からミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、半数の噴出ノズル切換電磁弁21aを閉じる。
【0140】
これにより、図3(b)に示すように、ミストMを噴出するミストノズル20の数が減ることで、ミストMの噴出量が減って加湿量が減らされ、図10に示すように、温度低下に伴う相対湿度の上昇が抑えられる。
【0141】
ミスト発生装置2Bを備えた構成では、主制御部7Aは、浴室空調装置3Aのヒータ32に通電すると、所定の第1の給湯圧でミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0142】
副制御部8Aは、第1の給湯圧でミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、給湯装置4からミストノズル20に供給される湯HWを、加圧ポンプ25により第1の給湯圧で加圧する。
【0143】
これにより、図5(a)に示すように、ミストノズル20から噴出するミストMの噴出量が増えることで加湿量が増やされ、図10に示すように、温度上昇に伴う相対湿度の低下が抑えられる。
【0144】
これに対して、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定の上限温度になって、ヒータ32の通電を停止させると、主制御部7Aは、第1の給湯圧より低い第2の給湯圧でミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0145】
副制御部8Aは、第2の給湯圧でミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、加圧ポンプ25による給湯圧を第1の給湯圧から第2の給湯圧に下げる。
【0146】
これにより、図5(b)に示すように、ミストノズル20から噴出するミストMの噴出量が第1の噴出量から第2の噴出量に減ることで加湿量が減らされ、図10に示すように、温度低下に伴う相対湿度の上昇が抑えられる。
【0147】
このように、浴室空調装置3Aで温風を吹き出すヒータ32の駆動に連動して加湿量の制御を行うことで、浴室101内の湿度の大きな変動が抑えられる。従来の制御であると、浴室101内の湿度の変動が20%程度であり、入浴者が湿度の変動を感じていた。これに対して、本実施の形態の制御では、浴室101内の湿度の変動が10%以下に抑えられ、入浴者が湿度の変動を感じることはない。
【0148】
従って、加湿量が過剰になって無駄なエネルギーを消費したり、加湿量が不足して浴室101内が必要な湿度に達しないという問題を解決して、浴室101内の湿度を発汗効果が得られるような高湿の状態で維持することができる。
【0149】
なお、浴室101内の温度が略一定となるようにヒータ32の出力を制御して、浴室101内の温度の変動を少なく抑えると、湿度の変動も一層少なく抑えることができる。
【0150】
<第2の実施の形態の加湿空調システムの構成例>
(2−1)加湿空調システムの全体構成例
図12は、第2の実施の形態の加湿空調システムの一例を示す全体構成図である。
【0151】
第2の実施の形態の加湿空調システム1Bは、第1の実施の形態の加湿空調システム1Aと同様に、霧状のミストMを浴室101に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房等を行う浴室空調装置3Aと、ミスト発生装置2に供給される湯HWを生成する給湯装置4とを備える。
【0152】
加湿空調システム1Bは、洗面脱衣所102に設置された主操作部5A及び浴室101に設置された副操作部6Aで操作され、ミスト発生装置2及び浴室空調装置3Aが主制御部7A及び副制御部8Aに制御される。
【0153】
加湿空調システム1Bでは、主操作部5Aまたは副操作部6Aの操作で例えば加湿暖房運転モードが選択され、加湿暖房運転モードでは、ミスト発生装置2でミストMを噴出しながら、浴室空調装置3Aで循環風により温風HAを吹き出して、浴室101の加湿暖房を行う。
【0154】
そして、加湿空調システム1Bは、湿度検知手段の一例である湿度検知センサ38bを、ミスト発生装置2、浴室空調装置3A、操作部の一例である副操作部6Aの少なくとも何れかに備え、加湿暖房運転モードでは、湿度検知センサ38bで検知された浴室101の湿度に応じて、ミスト発生装置2によるミストMの噴出量の制御を行い、浴室101内の湿度が一定値に近づくようにする。
【0155】
なお、湿度検知センサ38bを複数個所に備え、各湿度検知センサ38bで検知された湿度の平均を求める等により、浴室101の湿度を検知することで、より正確に浴室101内の湿度を検知可能となる。また、湿度検知センサ38bは、浴室101の天井や壁面に設置しても良い。
【0156】
ここで、ミスト発生装置2は、例えば、図2等で説明した構成のミスト発生装置2A、または、図4等で説明した構成のミスト発生装置2Bである。また、湿度検知センサ38bをミスト発生装置2に備える構成では、例えば、浴室101に面したフロントパネル23内に湿度検知センサ38bを備える。
【0157】
また、浴室空調装置3Aは、例えば、図6で説明した構成であり、湿度検知センサ38bを浴室空調装置3Aに備える構成では、例えば、浴室101に面したフロントパネル37内、または、図6で説明したファン吸込口34aに湿度検知センサ38bを備える。
【0158】
<第2の実施の形態の加湿空調システムの動作例>
次に、各図を参照して、第2の実施の形態の加湿空調システム1Bで実行される加湿暖房運転モードの動作の一例について説明する。
【0159】
入浴者等は、浴室101を加湿暖房するため、浴室101に設置された副操作部6Aの所定の操作ボタン60、または、洗面脱衣所102に設置された主操作部5Aの所定の操作ボタン50を押して、加湿暖房運転モードを選択する。
【0160】
加湿暖房運転モードが選択されると、主制御部7Aは、浴室空調装置3Aのダンパ35を図6(a)に示す循環位置に移動させ、ファンモータ33aを駆動してファン33を回転させると共に、ヒータ32に通電する。
【0161】
これにより、浴室空調装置3Aでは、フロントパネル37の吸込グリル37aから浴室101内の空気RAが吸い込まれ、温風HAが吹出グリル37bから吹き出されて、浴室101内が暖房される。
【0162】
また、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、ミスト発生装置2Aを備えた構成では、所定の第1の数、本例では全てのミストノズル20からミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0163】
副制御部8Aは、全てのミストノズル20からミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、供給切換電磁弁21bと、全ての噴出ノズル切換電磁弁21aを開く。
【0164】
これにより、給湯装置4から全てのミストノズル20に湯HWが供給され、全てのミストノズル20からミストMが噴出される。
【0165】
このように、ミスト発生装置2Aで全てのミストノズル20からミストMを噴出しながら、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101が加湿暖房されて、短時間で所定の高湿のミストサウナ状態となる。
【0166】
ここで、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出して、浴室101の暖房を開始した後、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定のミスト噴出適合室温に上昇してから、ミストMの噴出を開始する制御を行っても良い。
【0167】
また、副制御部8Aは、給湯装置4から供給された湯HWの温度を図示しない水温検知センサで検知し、水温に応じて排水切換電磁弁21cと噴出ノズル切換電磁弁21aの開閉を切り換えて、給湯装置4から供給された湯HWの温度が所定のミスト適合水温に上昇すると、ミストMの噴出を開始する制御を行っても良い。
【0168】
一方、ミスト発生装置2Bを備えた構成では、加湿暖房運転モードが選択されると、主制御部7Aは、所定の第1の給湯圧でミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0169】
副制御部8Aは、第1の給湯圧でミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、供給切換電磁弁21bと噴出切換電磁弁21dを開くと共に、給湯装置4からミストノズル20に供給される湯HWを、加圧ポンプ25により第1の給湯圧で加圧する。
【0170】
これにより、給湯装置4からミストノズル20に第1の給湯圧で湯HWが供給され ミストノズル20から所定の第1の噴出量でミストMが噴出される。
【0171】
このように、ミスト発生装置2Bで所定の第1の噴出量でミストMを噴出しながら、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101が加湿暖房されて、短時間で高湿のミストサウナ状態となる。
【0172】
ここで、ミスト発生装置2Bを備えた構成でも、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出して、浴室101の暖房を開始した後、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定のミスト噴出適合室温に上昇してから、ミストMの噴出を開始する制御を行っても良い。
【0173】
また、副制御部8Aは、給湯装置4から供給された湯HWの温度を図示しない水温検知センサで検知し、水温に応じて排水切換電磁弁21cと噴出切換電磁弁21dの開閉を切り換えて、給湯装置4から供給された湯HWの温度が所定のミスト適合水温に上昇すると、ミスト発生装置2BでミストMの噴出を開始する制御を行っても良い。
【0174】
上述したように、加湿暖房運転モードでは、ミスト発生装置2でミストMを噴出することで、浴室101内の湿度が上昇する。このため、湿度検知センサ38bで検知された浴室101の湿度が所定の上限湿度となると、ミスト発生装置2Aを備えた構成では、主制御部7Aは、第1の数より少ない第2の数、本例では半数のミストノズル20からミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0175】
副制御部8Aは、半数のミストノズル20からミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、半数の噴出ノズル切換電磁弁21aを閉じる。
【0176】
これにより、図3(b)に示すように、ミストMを噴出するミストノズル20の数が減ることで、ミストMの噴出量が減って加湿量が減らされ、浴室101内の湿度の上昇が抑えられる。
【0177】
ミスト発生装置2Aで噴出されるミストMの噴出量を減らすと、浴室101内の湿度が低下する。そして、湿度検知センサ38bで検知された浴室101の湿度が所定の下限湿度となると、主制御部7Aは、本例では全てのミストノズル20からミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0178】
副制御部8Aは、全てのミストノズル20からミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、全ての噴出ノズル切換電磁弁21aを開く。
【0179】
これにより、図3(a)に示すように、ミストMを噴出するミストノズル20の数が増えることで、ミストMの噴出量が増えて加湿量が増やされ、浴室101内の湿度の低下が抑えられる。
【0180】
また、湿度検知センサ38bで検知された浴室101の湿度が所定の上限湿度となると、ミスト発生装置2Bを備えた構成では、主制御部7Aは、第1の給湯圧より低い第2の給湯圧でミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0181】
副制御部8Aは、第2の給湯圧でミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、加圧ポンプ25による給湯圧を第1の給湯圧から第2の給湯圧に下げる。
【0182】
これにより、図5(b)に示すように、ミストノズル20から噴出するミストMの噴出量が第1の噴出量から第2の噴出量に減ることで加湿量が減らされ、浴室101内の湿度の上昇が抑えられる。
【0183】
ミスト発生装置2Bで噴出されるミストMの噴出量を減らすと、浴室101内の湿度が低下する。そして、湿度検知センサ38bで検知された浴室101の湿度が所定の下限湿度となると、主制御部7Aは、第1の給湯圧でミストMを噴出させる指示を副制御部8Aに送信する。
【0184】
副制御部8Aは、第1の給湯圧でミストMを噴出させる指示を主制御部7Aから受信すると、加圧ポンプ25による給湯圧を第2の給湯圧から第1の給湯圧に上げる。
【0185】
これにより、図5(a)に示すように、ミストノズル20から噴出するミストMの噴出量が第2の噴出量から第1の噴出量に増えることで加湿量が増やされ、浴室101内の湿度の低下が抑えられる。
【0186】
このような制御を行うことで、浴室101内の湿度は所定の上限湿度と下限湿度との間に収まり、大きな変動が抑えられる。本実施の形態の制御では、例えば、浴室101内の湿度(相対湿度)が100%になると加湿量を減少させ、湿度が95パーセントなると加湿量を増加させることで、浴室101内の湿度の変動が10%以下に抑えられ、入浴者が湿度の変動を感じないようにすることができる。
【0187】
従って、加湿量が過剰になって無駄なエネルギーを消費したり、加湿量が不足して浴室101内が必要な湿度に達しないという問題を解決して、浴室101内の湿度を発汗効果が得られるような高湿の状態で維持することができる。
【0188】
<第3の実施の形態の加湿空調システムの構成例>
(3−1)加湿空調システムの全体構成例
図13は、第3の実施の形態の加湿空調システムの一例を示す全体構成図である。
【0189】
第3の実施の形態の加湿空調システム1Cは、加湿空気WAを浴室101に吹き出す加湿装置9と、例えば、図6で説明した構成を有して、浴室101の暖房等を行う浴室空調装置3Aとを備える。
【0190】
加湿空調システム1Cは、洗面脱衣所102に設置された主操作部5A及び浴室101に設置された副操作部6Bで操作され、加湿装置9及び浴室空調装置3Aが主制御部7A及び副制御部8Bに制御される。
【0191】
加湿空調システム1Cでは、主操作部5Aまたは副操作部6Bの操作で例えば加湿暖房運転モードが選択され、加湿暖房運転モードでは、加湿装置9で加湿空気WAを吹き出しながら、浴室空調装置3Aで循環風により温風HAを吹き出して、浴室101の加湿暖房を行う。
【0192】
そして、加湿空調システム1Cは、加湿暖房運転モードでは、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すヒータ32の駆動の有無に連動させて、加湿装置9で吹き出される加湿空気WA中の水分量の制御を行い、浴室101内の湿度が一定値に近づくようにする。
【0193】
(3−2)加湿空調システムを構成する加湿装置の構成例
図14は、第3の実施の形態の加湿空調システムを構成する加湿装置の第1の例を示す構成図である。
【0194】
第1の例の加湿装置9Aは、ヒータを利用した形態の加湿装置で、水蒸気WVを発生させて加湿空気WAを生成する加湿部90Aと、浴室101から吸い込んだ空気RAを循環させて、加湿空気WAを吹き出す送風ファン部91を備える。
【0195】
加湿部90Aは加湿手段の一例で、水Wを貯める水槽92Aと、水槽92Aに貯水された水Wを加熱して水蒸気WVを発生させる水加熱手段としてのヒータ93Aと、送風ファン部91で循環させる空気が、ヒータ93Aの動作で発生させた水蒸気WVで加湿されて、加湿空気WAが生成される加湿風路94を備える。
【0196】
水槽92Aは、加湿風路94に面して上部に開口を有すると共に、底部に単数または複数のヒータ93Aを備え、水槽92Aに貯水された水Wをヒータ93Aで加熱することで水蒸気WVを発生させて、水槽92Aの上部の加湿風路94へ拡散させる。
【0197】
送風ファン部91は送風手段の一例で、ファンモータ95aに回転駆動される多翼のファン95と、風路を形成するファンケース96を備える。ファンケース96は、ファン95が回転駆動されると、ファン95の軸方向に形成されたファン吸込口96aから空気を吸い込み、加湿風路94に吹き出す風路を形成する。
【0198】
これにより、ファン95が回転駆動されると、ファン吸込口96aから吸い込まれた空気が加湿風路94に吹き出され、加湿風路94に吹き出された空気が、水槽92Aに貯水された水Wをヒータ93Aで加熱することで発生させた水蒸気WVで加湿されて、加湿空気WAが生成される。
【0199】
そして、ヒータ93Aの通電率制御、ヒータ93Aの通電時間の制御、ヒータ93Aを複数備えた構成では通電本数の制御等によって、加湿空気WA中の水分量が制御される。
【0200】
加湿装置9Aは、水槽92Aに給水を行う給水機構92sと、水槽92Aの排水を行う排水機構92eと、水槽92A内の水位を検出する水位センサ92wを備える。
【0201】
給水機構92sは、図示しない上水管と接続され、例えば水槽92Aの上部に給水口92swを備えると共に、給水SWの有無を切り替える給水バルブ92sbを備える。
【0202】
また、排水機構92eは、浴室101の図示しない排水管と接続され、水槽92Aの底面に排水口92ewを備えると共に、排水EWの有無を切り替える排水バルブ92ebを備える。
【0203】
更に、水位センサ92wは、水槽92A内にフロートを備え、フロートの位置で水位を検出する。
【0204】
加湿装置9Aは、下面にフロントパネル97を備える。フロントパネル97は、加湿装置9Aに着脱できるように取り付けられ、送風ファン部91のファン吸込口96aとつながる吸込グリル97aと、加湿風路94とつながる吹出グリル97bを備える。
【0205】
これにより、加湿装置9Aは、加湿部90Aと送風ファン部91が駆動されると、吸込グリル97aから空気RAが吸い込まれ、吸込グリル97aから吸い込まれた空気が加湿風路94で加湿されて、吹出グリル97bから加湿空気WAが吹き出される。
【0206】
図15は、第3の実施の形態の加湿空調システムを構成する加湿装置の第2の例を示す構成図である。
【0207】
第2の例の加湿装置9Bは、超音波振動子を利用した形態の加湿装置で、微細化した水滴Fを発生させて加湿空気WAを生成する加湿部90Bと、浴室101から吸い込んだ空気RAを循環させて、加湿空気WAを吹き出す送風ファン部91を備える。
【0208】
加湿部90Bは加湿手段の一例で、水Wを貯める水槽92Bと、水槽92Bに貯水された水Wを振動させて微細化した水滴Fを発生させる超音波振動子93Bと、送風ファン部91で循環させる空気が、超音波振動子93Bの動作で微細化されて拡散された水滴Fで加湿されて、加湿空気WAが生成される加湿風路94を備える。
【0209】
水槽92Bは、加湿風路94に面して上部に開口を有すると共に、底部に単数または複数の超音波振動子93Bを備え、水槽92Bに貯水された水Wを超音波振動子93Bで振動させることで、微細化した霧状の水滴Fを発生させて、水槽92Bの上部の加湿風路94へ拡散させる。
【0210】
送風ファン部91は送風手段の一例で、ファンモータ95aに回転駆動される多翼のファン95と、風路を形成するファンケース96を備える。ファンケース96は、ファン95が回転駆動されると、ファン95の軸方向に形成されたファン吸込口96aから空気を吸い込み、加湿風路94に吹き出す風路を形成する。
【0211】
これにより、ファン95が回転駆動されると、ファン吸込口96aから吸い込まれた空気が加湿風路94に吹き出され、加湿風路94に吹き出された空気が、水槽92Bに貯水された水Wを超音波振動子93Bで振動させることで発生させた霧状の水滴Fで加湿されて、加湿空気WAが生成される。
【0212】
そして、超音波振動子93Bの通電電圧の制御、超音波振動子93Bの通電周波数制御、超音波振動子93Bを複数備えた構成では通電本数の制御等によって、加湿空気WA中の水分量が制御される。
【0213】
加湿装置9Bは、水槽92Aに給水を行う給水機構92sと、水槽92Aの排水を行う排水機構92eと、水槽92A内の水位を検出する水位センサ92wを備える。
【0214】
給水機構92sは、図示しない上水管と接続され、例えば水槽92Bの上部に給水口92swを備えると共に、給水SWの有無を切り替える給水バルブ92sbを備える。
【0215】
また、排水機構92eは、浴室101の図示しない排水管と接続され、水槽92Bの底面に排水口92ewを備えると共に、排水EWの有無を切り替える排水バルブ92ebを備える。
【0216】
更に、水位センサ92wは、水槽92B内にフロートを備え、フロートの位置で水位を検出する。
【0217】
加湿装置9Bは、下面にフロントパネル97を備える。フロントパネル97は、加湿装置9Bに着脱できるように取り付けられ、送風ファン部91のファン吸込口96aとつながる吸込グリル97aと、加湿風路94とつながる吹出グリル97bを備える。
【0218】
これにより、加湿装置9Bは、加湿部90Bと送風ファン部91が駆動されると、吸込グリル97aから空気RAが吸い込まれ、吸込グリル97aから吸い込まれた空気が加湿風路94で加湿されて、吹出グリル97bから加湿空気WAが吹き出される。
【0219】
(3−3)加湿空調システムの制御機能例
図16及び図17は、第3の実施の形態の加湿空調システムの制御系の一例を示す機能ブロック図で、図16は、第1の例の加湿装置9Aを備えた加湿空調システム1Cの機能ブロック図、図17は、第2の例の加湿装置9Bを備えた加湿空調システム1Cの機能ブロック図である。
【0220】
加湿空調システム1Cは、浴室空調装置3Aに備えられた主制御部7Aに、図6で説明した浴室空調装置3Aのヒータ32と、ファン部30のファン33を駆動するファンモータ33aと、ダンパ35を駆動するダンパモータ35cと、温度検知センサ38a等が接続される。
【0221】
また、加湿空調システム1Cは、図14に示す加湿装置9Aを備えた構成では、加湿装置9Aに備えられた副制御部8Bに、図14で説明したヒータ93Aと、ファンモータ95aと、給水バルブ92sbと、排水バルブ92ebと、水位センサ92w等が接続される。
【0222】
あるいは、加湿空調システム1Cは、図15に示す加湿装置9Bを備えた構成では、加湿装置9Bに備えられた副制御部8Bに、図15で説明した超音波振動子93Bと、ファンモータ95aと、給水バルブ92sbと、排水バルブ92ebと、水位センサ92w等が接続される。
【0223】
更に、主制御部7Aに主操作部5Aが接続され、副制御部8Bに副操作部6Bが接続されると共に、主制御部7Aに副制御部8Bが接続される。
【0224】
主制御部7A及び副制御部8Bは制御手段の一例で、それぞれ図示しないCPUやメモリ等を備え、主操作部5A及び副操作部6Bでの操作と、予め記憶されているプログラムに従って、浴室空調装置3Aと加湿装置9が制御される。
【0225】
すなわち、主制御部7Aと副制御部8Bは、主操作部5Aまたは副操作部6Bでの所定の操作に従って通信を行い、加湿装置9Aのヒータ93A及びファンモータ95aと各給排水バルブ、または、加湿装置9Bの超音波振動子93B及びファンモータ95aと各給排水バルブを制御すると共に、浴室空調装置3Aのヒータ32、ファンモータ33a及びダンパモータ35cを制御して、図13に示す浴室101の加湿暖房を行う加湿暖房運転モードを実行する。
【0226】
また、主制御部7Aは、浴室空調装置3A単体の動作として、主操作部5Aでの所定の操作に従って浴室空調装置3Aのヒータ32、ファンモータ33a及びダンパモータ35cを制御して、暖房運転モード、換気運転モード、乾燥運転モード、涼風運転モードまたは24時間換気運転モードを選択的に実行する。
【0227】
<第3の実施の形態の加湿空調システムの動作例>
次に、各図を参照して、第3の実施の形態の加湿空調システム1Cで実行される加湿暖房運転モードの動作の一例について説明する。
【0228】
入浴者等は、浴室101を加湿暖房するため、浴室101に設置された副操作部6Bの所定の操作ボタン60、または、洗面脱衣所102に設置された主操作部5Aの所定の操作ボタン50を押して、加湿暖房運転モードを選択する。
【0229】
加湿暖房運転モードが選択されると、主制御部7Aは、浴室空調装置3Aのダンパモータ35cを駆動してダンパ35を図6(a)に示す循環位置に移動させ、ファンモータ33aを駆動してファン33を回転させると共に、ヒータ32に通電する。
【0230】
これにより、浴室空調装置3Aでは、フロントパネル37の吸込グリル37aから浴室101内の空気RAが吸い込まれ、温風HAが吹出グリル37bから吹き出されて、浴室101内が暖房される。
【0231】
また、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、所定の第1の出力で加湿空気を吹き出させる指示を副制御部8Bに送信する。
【0232】
副制御部8Bは、第1の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、加湿装置9Aを備えた構成では、加湿部90Aのヒータ93Aを駆動すると共に、送風ファン部91のファンモータ95aを駆動する。
【0233】
これにより、水槽92Aに貯水された水Wが加熱されて水蒸気WVが発生し、水槽92Aの上部の加湿風路94へと拡散する。そして、吸込グリル97aから吸い込んだ浴室101の空気RAが加湿風路94を通って加湿され、吹出グリル97bから加湿空気WAが吹き出される。
【0234】
このように、第1の出力で加湿装置9Aから加湿空気WAを吹き出しながら、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101が加湿暖房されて、短時間で所定の高湿のミストサウナ状態となる。
【0235】
なお、加湿装置9Aでは、水位センサ92wの出力を監視し、水槽92A内の水が所定量となるように、給水バルブ92sbの開閉による給水と、排水バルブ92ebの開閉による排水が行われる。
【0236】
ここで、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出して、浴室101の暖房を開始した後、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定の加湿空気吹き出し適合室温に上昇してから、加湿装置9Aでの加湿空気WAの吹き出しを開始する制御を行っても良い。
【0237】
一方、副制御部8Bは、第1の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、加湿装置9Bを備えた構成では、加湿部90Bの超音波振動子93Bを駆動すると共に、送風ファン部91のファンモータ95aを駆動する。
【0238】
これにより、水槽92Bに貯水された水Wが振動して微細化された水滴Fが、水槽92Bの上部の加湿風路94へと拡散する。そして、吸込グリル97aから吸い込んだ浴室101の空気RAが加湿風路94を通って加湿され、吹出グリル97bから霧状の加湿空気WAが吹き出される。
【0239】
このように、第1の出力で加湿装置9Bから加湿空気WAを吹き出しながら、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101が加湿暖房されて、短時間で所定の高湿のミストサウナ状態となる。
【0240】
なお、加湿装置9Bでも、水位センサ92wの出力を監視し、水槽92B内の水が所定量となるように、給水バルブ92sbの開閉による給水と、排水バルブ92ebの開閉による排水が行われる。
【0241】
また、加湿装置9Bを備えた構成でも、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出して、浴室101の暖房を開始した後、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定の加湿空気吹き出し適合室温に上昇してから、加湿装置9Bでの加湿空気WAの吹き出しを開始する制御を行っても良い。
【0242】
さて、加湿空調システム1Cでも、加湿暖房運転モードでは、上述したように、主制御部7Aは、温度検知センサ38aで検知した浴室101の温度が所定の上限温度となると、浴室空調装置3Aにおけるヒータ32の通電を停止すると共に、ファンモータ33aの駆動を停止して、浴室101の温度上昇を抑える。
【0243】
また、主制御部7Aは、温度検知センサ38aで検知した浴室101の温度が所定の下限温度となると、ヒータ32の通電及びファンモータ33aの駆動を再開し、浴室101の温度低下を抑える。
【0244】
このように、温度検知センサ38aで検知される浴室101の温度に応じて、浴室空調装置3Aのヒータ32を間欠駆動する制御によって、浴室101内の温度が一定の範囲に保たれるようにしている。
【0245】
そして、浴室空調装置3Aのヒータ32を間欠駆動することによる浴室101内の温度の変化に応じた浴室101内の湿度の変動を解消するため、主制御部7Aは、浴室空調装置3Aのヒータ32の間欠駆動に連動させて、加湿装置9による加湿量を増減させる制御を行う。
【0246】
すなわち、加湿装置9Aを備えた構成では、主制御部7Aは、浴室空調装置3Aのヒータ32に通電すると、上述したように、所定の第1の出力で加湿空気WAを吹き出させる指示を副制御部8Bに送信する。
【0247】
副制御部8Bは、第1の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、ヒータ93Aの通電率を高くする制御、ヒータ93Aの通電時間を長くする制御、ヒータ93Aを複数備えた構成では通電本数を増やす制御等によって、水蒸気WVの発生量を増やす。
【0248】
これにより、加湿装置9Aより吹き出される加湿空気WA中の水分量が増えて加湿量が増やされ、浴室空調装置3Aのヒータ32に通電したことによる浴室101の温度上昇に伴う相対湿度の低下が抑えられる。
【0249】
これに対して、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定の上限温度になって、ヒータ32の通電を停止させると、主制御部7Aは、第1の出力より低い第2の出力で加湿空気WAを吹き出させる指示を副制御部8Bに送信する。
【0250】
副制御部8Bは、第2の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、ヒータ93Aの通電率を低くする制御、ヒータ93Aの通電時間を短くする制御、ヒータ93Aを複数備えた構成では通電本数を減らす制御等によって、水蒸気WVの発生量を減らす。
【0251】
これにより、加湿装置9Aより吹き出される加湿空気WA中の水分量が減って加湿量が減らされ、浴室空調装置3Aのヒータ32の通電を停止したことによる浴室101の温度低下に伴う相対湿度の上昇が抑えられる。
【0252】
一方、加湿装置9Bを備えた構成では、副制御部8Bは、第1の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、超音波振動子93Bの通電電圧を上げる制御、超音波振動子93Bの通電周波数を高くする制御、超音波振動子93Bを複数備えた構成では通電本数を増やす制御等によって、水滴Fの発生量を増やす。
【0253】
これにより、加湿装置9Bより吹き出される加湿空気WA中の水分量が増えて加湿量が増やされ、浴室空調装置3Aのヒータ32に通電したことによる浴室101の温度上昇に伴う相対湿度の低下が抑えられる。
【0254】
これに対して、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定の上限温度になって、ヒータ32の通電を停止させると、主制御部7Aは、第1の出力より低い第2の出力で加湿空気WAを吹き出させる指示を副制御部8Bに送信する。
【0255】
副制御部8Bは、第2の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、超音波振動子93Bの通電電圧を下げる制御、超音波振動子93Bの通電周波数を低くする制御、超音波振動子93Bを複数備えた構成では通電本数を減らす制御等によって、水滴Fの発生量を減らす。
【0256】
これにより、加湿装置9Bより吹き出される加湿空気WA中の水分量が減って加湿量が減らされ、浴室空調装置3Aのヒータ32の通電を停止したことによる浴室101の温度低下に伴う相対湿度の上昇が抑えられる。
【0257】
このように、加湿空調システム1Cでは、浴室空調装置3Aで温風を吹き出すヒータ32の駆動に連動して加湿量の制御を行うことで、浴室101内の湿度の大きな変動が抑えられる。
【0258】
従って、加湿量が過剰になって無駄なエネルギーを消費したり、加湿量が不足して浴室101内が必要な湿度に達しないという問題を解決して、浴室101内の湿度を発汗効果が得られるような高湿の状態で維持することができる。
【0259】
<第4の実施の形態の加湿空調システムの構成例>
(4−1)加湿空調システムの全体構成例
図18は、第4の実施の形態の加湿空調システムの一例を示す全体構成図である。
【0260】
第4の実施の形態の加湿空調システム1Dは、第3の実施の形態の加湿空調システム1Cと同様に、加湿空気WAを浴室101に吹き出す加湿装置9と、例えば、図6で説明した構成を有して、浴室101の暖房等を行う浴室空調装置3Aとを備える。
【0261】
加湿空調システム1Dは、洗面脱衣所102に設置された主操作部5A及び浴室101に設置された副操作部6Bで操作され、加湿装置9及び浴室空調装置3Aが主制御部7A及び副制御部8Bに制御される。
【0262】
加湿空調システム1Dでは、主操作部5Aまたは副操作部6Bの操作で例えば加湿暖房運転モードが選択され、加湿暖房運転モードでは、加湿装置9で加湿空気WAを吹き出しながら、浴室空調装置3Aで循環風により温風HAを吹き出して、浴室101の加湿暖房を行う。
【0263】
そして、加湿空調システム1Dは、湿度検知センサ38bを、浴室空調装置3A、加湿装置9、副操作部6Bの少なくとも何れかに備え、加湿暖房運転モードでは、湿度検知センサ38bで検知された浴室101の湿度に応じて、加湿装置9で吹き出される加湿空気WA中の水分量の制御を行い、浴室101内の湿度が一定値に近づくようにする。
【0264】
なお、加湿空調システム1Dでも、湿度検知センサ38bを複数個所に備え、各湿度検知センサ38bで検知された湿度の平均を求める等により、浴室101の湿度を検知することで、より正確に浴室101内の湿度を検知可能となる。また、湿度検知センサ38bは、浴室101の天井や壁面に設置しても良い。
【0265】
ここで、加湿装置9は、例えば、図14で説明した構成の加湿装置9A、または、図15で説明した構成の加湿装置9Bである。また、湿度検知センサ38bを加湿装置9に備える構成では、例えば、浴室101に面したフロントパネル97内に湿度検知センサ38bを備える。これに対して、湿度検知センサ38bを浴室空調装置3Aに備える構成では、例えば、浴室101に面したフロントパネル37内、またはファン吸込口34aに湿度検知センサ38bを備える。
【0266】
<第4の実施の形態の加湿空調システムの動作例>
次に、各図を参照して、第4の実施の形態の加湿空調システム1Dで実行される加湿暖房運転モードの動作の一例について説明する。
【0267】
入浴者等は、浴室101を加湿暖房するため、浴室101に設置された副操作部6Bの所定の操作ボタン60、または、洗面脱衣所102に設置された主操作部5Aの所定の操作ボタン50を押して、加湿暖房運転モードを選択する。
【0268】
加湿暖房運転モードが選択されると、主制御部7Aは、浴室空調装置3Aのダンパモータ35cを駆動してダンパ35を図6(a)に示す循環位置に移動させ、ファンモータ33aを駆動してファン33を回転させると共に、ヒータ32に通電する。
【0269】
これにより、浴室空調装置3Aでは、フロントパネル37の吸込グリル37aから浴室101内の空気RAが吸い込まれ、温風HAが吹出グリル37bから吹き出されて、浴室101内が暖房される。
【0270】
また、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、所定の第1の出力で加湿空気を吹き出させる指示を副制御部8Bに送信する。
【0271】
副制御部8Bは、第1の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、加湿装置9Aを備えた構成では、ヒータ93Aの通電率を高くする制御、ヒータ93Aの通電時間を長くする制御、ヒータ93Aを複数備えた構成では通電本数を増やす制御等によってヒータ93Aを駆動すると共に、送風ファン部91のファンモータ95aを駆動する。
【0272】
これにより、水槽92Aに貯水された水Wが加熱されて水蒸気WVが発生し、水槽92Aの上部の加湿風路94へと拡散する。そして、吸込グリル97aから吸い込んだ浴室101の空気RAが加湿風路94を通って加湿され、吹出グリル97bから加湿空気WAが吹き出される。
【0273】
このように、第1の出力で加湿装置9Aから加湿空気WAを吹き出しながら、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101が加湿暖房されて、短時間で所定の高湿のミストサウナ状態となる。
【0274】
なお、加湿空調システム1Dでも、加湿装置9Aでは、水位センサ92wの出力を監視し、水槽92A内の水が所定量となるように、給水バルブ92sbの開閉による給水と、排水バルブ92ebの開閉による排水が行われる。
【0275】
また、加湿装置9Aを備えた加湿空調システム1Dでも、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出して、浴室101の暖房を開始した後、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定の加湿空気吹き出し適合室温に上昇してから、加湿装置9Aでの加湿空気WAの吹き出しを開始する制御を行っても良い。
【0276】
一方、副制御部8Bは、第1の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、加湿装置9Bを備えた構成では、超音波振動子93Bの通電電圧を上げる制御、超音波振動子93Bの通電周波数を高くする制御、超音波振動子93Bを複数備えた構成では通電本数を増やす制御等によって超音波振動子93Bを駆動すると共に、送風ファン部91のファンモータ95aを駆動する。
【0277】
これにより、水槽92Bに貯水された水Wが振動して微細化された水滴Fが、水槽92Bの上部の加湿風路94へと拡散する。そして、吸込グリル97aから吸い込んだ浴室101の空気RAが加湿風路94を通って加湿され、吹出グリル97bから霧状の加湿空気WAが吹き出される。
【0278】
このように、第1の出力で加湿装置9Bから加湿空気WAを吹き出しながら、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出すことで、浴室101が加湿暖房されて、短時間で所定の高湿のミストサウナ状態となる。
【0279】
なお、加湿空調システム1Dでは、加湿装置9Bでも、水位センサ92wの出力を監視し、水槽92B内の水が所定量となるように、給水バルブ92sbの開閉による給水と、排水バルブ92ebの開閉による排水が行われる。
【0280】
また、加湿装置9Bを備えた加湿空調システム1Dでも、主制御部7Aは、加湿暖房運転モードが選択されると、浴室空調装置3Aで温風HAを吹き出して、浴室101の暖房を開始した後、温度検知センサ38aで検知された浴室101の温度が所定の加湿空気吹き出し適合室温に上昇してから、加湿装置9Bでの加湿空気WAの吹き出しを開始する制御を行っても良い。
【0281】
上述したように、加湿暖房運転モードでは、加湿装置9で加湿空気WAを吹き出すことで、浴室101内の湿度が上昇する。このため、湿度検知センサ38bで検知された浴室101内の湿度が所定の上限湿度となると、主制御部7Aは、第1の出力より低い第2の出力で加湿空気WAを吹き出させる指示を副制御部8Bに送信する。
【0282】
副制御部8Bは、第2の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、加湿装置9Aを備えた構成では、ヒータ93Aの通電率を低くする制御、ヒータ93Aの通電時間を短くする制御、ヒータ93Aを複数備えた構成では通電本数を減らす制御等によって、水蒸気WVの発生量を減らす。
【0283】
これにより、加湿装置9Aより吹き出される加湿空気WA中の水分量が減って加湿量が減らされ、浴室101内の湿度の上昇が抑えられる。
【0284】
加湿装置9Aによる加湿量が減らされると、浴室101内の湿度が低下する。そして、湿度検知センサ38bで検知された浴室101の湿度が所定の下限湿度となると、主制御部7Aは、第1の出力で加湿空気WAを吹き出させる指示を副制御部8Bに送信する。
【0285】
上述したように、第1の出力で加湿空気WAが吹き出されることで、加湿装置9Aによる加湿量が増やされ、浴室101内の湿度の低下が抑えられる。
【0286】
一方、加湿装置9Bを備えた構成では、湿度検知センサ38bで検知された浴室101内の湿度が所定の上限湿度となって、第2の出力で加湿空気WAを吹き出す指示を主制御部7Aから受信すると、副制御部8Bは、超音波振動子93Bの通電電圧を下げる制御、超音波振動子93Bの通電周波数を低くする制御、超音波振動子93Bを複数備えた構成では通電本数を減らす制御等によって、水滴Fの発生量を減らす。
【0287】
これにより、加湿装置9Bより吹き出される加湿空気WA中の水分量が減って加湿量が減らされ、浴室101内の湿度の上昇が抑えられる。
【0288】
加湿装置9Bによる加湿量が減らされると、浴室101内の湿度が低下する。そして、湿度検知センサ38bで検知された浴室101の湿度が所定の下限湿度となると、主制御部7Aは、第1の出力で加湿空気WAを吹き出させる指示を副制御部8Bに送信する。
【0289】
上述したように、第1の出力で加湿空気WAが吹き出されることで、加湿装置9Bによる加湿量が増やされ、浴室101内の湿度の低下が抑えられる。
【0290】
加湿空調システム1Dでは、このような制御を行うことで、浴室101内の湿度は所定の上限湿度と下限湿度との間に収まり、大きな変動が抑えられる。
【0291】
従って、加湿量が過剰になって無駄なエネルギーを消費したり、加湿量が不足して浴室101内が必要な湿度に達しないという問題を解決して、浴室101内の湿度を発汗効果が得られるような高湿の状態で維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0292】
本発明は、浴室やシャワー室等の加湿暖房を行う空調システムに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0293】
【図1】第1の実施の形態の加湿空調システムの一例を示す全体構成図である。
【図2】第1の実施の形態の加湿空調システムを構成するミスト発生装置の第1の例を示す構成図である。
【図3】第1の例のミスト発生装置におけるミスト噴出量の切換動作説明図である。
【図4】第1の実施の形態の加湿空調システムを構成するミスト発生装置の第2の例を示す構成図である。
【図5】第2の例のミスト発生装置におけるミスト噴出量の切換動作説明図である。
【図6】第1の実施の形態の加湿空調システムを構成する浴室空調装置の一例を示す構成図である。
【図7】第1の実施の形態の加湿空調システムを構成する給湯装置の一例を示す構成図である。
【図8】第1の例のミスト発生装置を備えた第1の実施の形態の加湿空調システムの制御系の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】第2の例のミスト発生装置を備えた第1の実施の形態の加湿空調システムの制御系の一例を示す機能ブロック図である。
【図10】第1の実施の形態の加湿空調システムにおける浴室空調装置のヒータ制御と浴室内の温湿度の関係を示すグラフである。
【図11】従来のヒータ制御と浴室内の温湿度の関係を示すグラフである。
【図12】第2の実施の形態の加湿空調システムの一例を示す全体構成図である。
【図13】第3の実施の形態の加湿空調システムの一例を示す全体構成図である。
【図14】第3の実施の形態の加湿空調システムを構成する加湿装置の第1の例を示す構成図である。
【図15】第3の実施の形態の加湿空調システムを構成する加湿装置の第2の例を示す構成図である。
【図16】第1の例の加湿装置を備えた第3の実施の形態の加湿空調システムの制御系の一例を示す機能ブロック図である。
【図17】第2の例の加湿装置を備えた第3の実施の形態の加湿空調システムの制御系の一例を示す機能ブロック図である。
【図18】第4の実施の形態の加湿空調システムの一例を示す全体構成図である。
【符号の説明】
【0294】
1A,1B,1C,1D・・・加湿空調システム、2(2A,2B)・・・ミスト発生装置、3A・・・浴室空調装置、4・・・給湯装置、5A・・・主操作部、6A,6B・・・副操作部、7A・・・主制御部、8A,8B・・・副制御部、9(9A,9B)・・・加湿装置、32・・・ヒータ、38a・・・温度検知センサ、38b・・・湿度検知センサ、101・・・浴室、102・・・洗面脱衣所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風を生成する加熱手段を有した空調装置と、
前記空調装置で温風が吹き出される室内に、微細化された霧状の水滴または加湿空気を吹き出す加湿手段を有した加湿装置と、
前記室内の湿度を検知する湿度検知手段と、
前記湿度検知手段で検知された前記室内の湿度に応じて、前記加湿装置による加湿量を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする加湿空調システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記湿度検知手段で検知された前記室内の湿度が所定の上限湿度になると、前記加湿装置による加湿量を減少させ、前記湿度検知手段で検知された前記室内の湿度が所定の下限湿度になると、前記加湿装置による加湿量を増加させる
ことを特徴とする請求項1記載の加湿空調システム。
【請求項3】
前記湿度検知手段は、前記空調装置、前記加湿装置、前記室内に設置される前記空調装置及び前記加湿装置の操作部の少なくとも何れかに取り付けられる
ことを特徴とする請求項1または2記載の加湿空調システム。
【請求項4】
温風を生成する加熱手段を有した空調装置と、
前記空調装置で温風が吹き出される室内に、微細化された霧状の水滴または加湿空気を吹き出す加湿手段を有した加湿装置と、
前記加熱手段の駆動の有無に応じて、前記加湿装置による加湿量を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする加湿空調システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記加熱手段が駆動されると、前記加湿装置による加湿量を増加させ、前記加熱手段の駆動が停止されると、前記加湿装置による加湿量を減少させる
ことを特徴とする請求項4記載の加湿空調システム。
【請求項6】
室内の温度を検知する温度検知手段を備え、
前記制御手段は、前記温度検知手段で検知された前記室内の温度が所定の上限温度になると、前記加熱手段の駆動を停止すると共に前記加湿装置による加湿量を減少させ、前記温度検知手段で検知された前記室内の温度が所定の下限温度になると、前記加熱手段を駆動すると共に前記加湿装置による加湿量を増加させる
ことを特徴とする請求項4記載の加湿空調システム。
【請求項7】
前記加湿手段は、
湯水の供給を受けてミストを吹き出すミストノズルを備え、
前記制御手段は、ミストを吹き出す前記ミストノズルの数、または、前記ミストノズルに供給される湯水の加圧力の調整で加湿量を制御する
ことを特徴とする請求項1〜6に何れか記載の加湿空調システム。
【請求項8】
前記加湿装置は、超音波振動子により水を振動させて発生させた微細化した水滴で空気を加湿して、加湿空気を生成する前記加湿手段、または、水加熱手段により水を加熱して発生させた水蒸気で空気を加湿して、加湿空気を生成する前記加湿手段を備え、
前記制御手段は、前記超音波振動子の出力の調整または前記水加熱手段の出力の調整で加湿量を制御する
ことを特徴とする請求項1〜6に何れか記載の加湿空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−164243(P2008−164243A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355722(P2006−355722)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】