説明

加熱調理器

【課題】鍋の底面の最高温度を精度良く検知して精度のよい加熱制御ができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】天板10に載置された鍋11を加熱する加熱手段13と、天板10の下部に設けられ中央孔14eを有すると共に鍋11の底面から放射される赤外線を中央孔14eに導光する導光体14と、中央孔14eから放射される赤外線強度を検知する赤外線センサ15と、赤外線センサ15の出力から鍋11の底面の温度を算出する温度算出手段16と、温度算出手段16の出力に応じて加熱手段13を制御する制御手段17とを備えたもので、鍋11の底面の広い範囲から放射される赤外線を中央の単一の赤外線センサ15で検出できるので、鍋11の底の形状、表面状態、温度分布の影響を受けることなく、鍋11の底面の最高温度を精度良く測定して、温度過昇を確実に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関するもので、特に、天板に載置される鍋の底の温度を検出する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器は、被加熱物である鍋が載置される強化ガラス製の天板の裏に接触させたサーミスタなどの感温素子で鍋底の温度を間接的に検出している。また、鍋底から放射される赤外線を天板越しに赤外線センサで検出して非接触かつ直接鍋底の温度を検知するものもある。
【0003】
また、光ファイバー式センサーケーブルで、入射されるレーザー光インパルスおよびその散乱効果の積分を用いて検知するものもある。レーザー光インパルスの散乱は光導波路の分子上で起き、この際レーザー光の小部分は後方へ散乱される。従って、散乱光の強度と分光組成は光ファイバー中の分子と、その分子の挙動によって決定される。温度分布に局所的な異常が発見された場合は、散乱光の光ファイバーからの漏れが想定され、異常の位置、あるいは異常の位置の変化から、漏れの位置、広がりの方向および漏れ量が決定される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、温度検知以外の目的で、加熱調理器に光導波路(導光体)を用いたものとして、調理容器を誘導加熱する加熱コイル外周に、発光手段の光線を伝播する透光性の導光手段を備え、導光手段の最外周部分を発光させることによって、発光した光線が透光性の天板を透過し、加熱状態を天板の上面側に表示することができるものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
図7は、上記特許文献2に記載された従来の加熱調理器の断面図を示すものである。
【0006】
図7において、従来の加熱調理器の本体101の上面に、被加熱調理容器102が載置される天板103が設けられ、天板103の下方には、被加熱調理容器102を誘導加熱する加熱コイル104が、さらにその下方に、発光手段106を有すると共に透光性のガラスあるいは樹脂等から成る導光手段107が配置されている。105は、加熱コイル104を制御する制御手段である。
【0007】
導光手段107の外周端部に設けたCカットの上面に、透光性の耐熱ガラス等から成る天板103に対して垂直方向に立ち上げた壁部109を設け、壁部109の上面部に伝播された光線を乱反射あるいは拡散する表示手段110を設け、加熱コイル104の加熱状態及び天板103の高温状態が表示手段110の点灯/非点灯により視認できるようにしたものである。
【特許文献1】特表2002−515597号公報
【特許文献2】特開2001−160483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の加熱調理器では、調理鍋底面の材質、形状、寸法、表面状態、反り等、赤外線放射強度を決めるパラメータが多く、また、調理のたびにあるいは、調理中にも使用者により調理鍋の載置される位置がずれるので、加熱コイルの中心の1ケ所で赤外線強度を検知する従来の非接触方式では、「赤外線強度が大きい、従って、温度の高い鍋底」を、「赤外線強度が小さい、従って、温度の低い鍋底」と見誤るケースがまれにではあるが存在した。また、天板下の数カ所に接触させた感温素子で鍋底の温度を間接的に検知する従来の接触式方式でも同様に伝導熱量を決めるパラメータが多く、温度誤差が大きくなるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用のたびに鍋の載置位置がずれたり、鍋底に刻印や、ヘアライン加工、リング加工、打ち込み加工があったり、特殊な鍋底表面状態であっても、非接触で精度良く鍋底の最高温度を検出し、良好な調理加熱制御を実現できる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板の下部に設けられ中央孔を有すると共に前記鍋の底面から放射される赤外線を前記中央孔に導光する導光体と、前記中央孔から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備えたもので、導光体で鍋の底面の広い範囲から放射される赤外線を集光し、中央の単一の赤外線センサで検出できるので、鍋の底の形状、表面状態、温度分布の影響を受けることなく、天板を介しても鍋底面の最高温度を精度良く測定することができ、信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0011】
また、本発明の加熱調理器は、天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板の下部に設けられ前記鍋の底面から放射される赤外線を外周部に導光する導光体と、前記導光体の外周端から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備えたもので、鍋の底の最高温度部から放射される赤外線も含めて検出できるため、鍋の底の形状、表面状態、温度分布の影響を受けることなく、天板を介しても鍋底面の最高温度を精度良く測定することができ、信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。また、鍋の底の温度を検知するための部材を中央に設ける必要が無いので、加熱手段に接続される加熱コイルなどの構成の自由度が増して、鍋の底のより均一な加熱が可能となる。
【0012】
また、本発明の加熱調理器は、天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板下面から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記天板の下面及び、上面の加熱領域以外の部分に光反射層を設け、前記鍋の底面から放射される赤外線を前記天板の下面中央へ導光するようにしたもので、天板で、鍋の底面の広い範囲から放射される赤外線を集光し、中央部の赤外線センサまで効率よく導光し、鍋の底の最高温度部から放射される赤外線も含めて検出できるため、鍋の底の形状、表面状態の影響を受けることなく、低コストで、より精度良く鍋の底の最高温度を測定することができ、信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0013】
さらに、本発明の加熱調理器は、加熱コイルを介して天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱コイルにより発生する磁界が前記鍋に与える浮力を低減させる電気導体と、前記電気導体の略中央に設けた中央孔から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記電気導体を、前記天板と加熱コイル間に設けて、前記鍋の底面から放射される赤外線をくさび効果により前記中央孔へ反射しながら導光するようにしたもので、導光体を用いることなく、鍋の底面の広い範囲から放射される赤外線を中央孔に集光し、鍋の底面の最高温度部から放射される赤外線も含めて、中央の単一の赤外線センサで検出できるため、鍋の底の形状、表面状態、温度分布、鍋の載置位置の変動などによる影響を受けること無く、鍋の底面の最高温度を精度良く測定し、天板を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0014】
また、本発明の加熱調理器は、加熱コイルを介して天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱コイルにより発生する磁界が前記鍋に与える浮力を低減させる電気導体と、前記電気導体の外周端から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記電気導体を、前記天板と加熱コイル間に設けて、前記鍋の底面から放射される赤外線をくさび効果により前記電気導体の外周端へ反射しながら導光するようにしたもので、導光体がなくても、鍋の底面の最高温度部から放射される赤外線も含めて、外周に配した単一の赤外線センサで検出できるため、鍋の底の形状や表面状態の影響を受けることなく、鍋の底面の最高温度を精度良く測定し、天板を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の加熱調理器は、調理容器(鍋)の底面の最高温度を精度良く推定することで、非接触で応答性の良い鍋底面の高精度の温度測定が可能となるとともに、温度過昇を確実に防止することができ、安全性が向上する。また機器の自動調理メニューの適用範囲が広がり、使用者による操作の手間を省くことができ、加熱調理器の使い勝手が向上し、美味しい仕上げを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
第1の発明は、天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板の下部に設けられ中央孔を有すると共に前記鍋の底面から放射される赤外線を前記中央孔に導光する導光体と、前記中央孔から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備えたもので、導光体で鍋の底面の広い範囲から放射される赤外線を集光し、中央の単一の赤外線センサで検出できるので、鍋の底の形状、表面状態、温度分布の影響を受けることなく、天板を介しても鍋底面の最高温度を精度良く測定することができ、信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0017】
第2の発明は、天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板の下部に設けられ前記鍋の底面から放射される赤外線を外周部に導光する導光体と、前記導光体の外周端から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備えたもので、鍋の底の最高温度部から放射される赤外線も含めて検出できるため、鍋の底の形状、表面状態、温度分布の影響を受けることなく、天板を介しても鍋底面の最高温度を精度良く測定することができ、信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。また、鍋の底の温度を検知するための部材を中央に設ける必要が無いので、加熱手段に接続される加熱コイルなどの構成の自由度が増して、鍋の底のより均一な加熱が可能となる。
【0018】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の導光体上面にハーフミラーを、下面に光反射層をそれぞれ形成して、入射した赤外線が反射しながら赤外線センサへ伝幡するようにしたもので、検出感度が上がり、より精度良く鍋の底の最高温度を測定することができる。
【0019】
第4の発明は、天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板の下面から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記天板の下面及び、上面の加熱領域以外の部分に光反射層を設け、前記鍋の底面から放射される赤外線を前記天板の下面中央へ導光するようにしたもので、天板で、鍋の底面の広い範囲から放射される赤外線を集光し、中央部の赤外線センサまで効率よく導光し、鍋の底の最高温度部から放射される赤外線も含めて検出できるため、鍋の底の形状、表面状態の影響を受けることなく、低コストで、より精度良く鍋の底の最高温度を測定することができ、信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0020】
第5の発明は、加熱コイルを介して天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱コイルにより発生する磁界が前記鍋に与える浮力を低減させる電気導体と、前記電気導体の略中央に設けた中央孔から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記電気導体を、前記天板と加熱コイル間に設けて、前記鍋の底面から放射される赤外線をくさび効果により前記中央孔へ反射しながら導光するようにしたもので、導光体を用いることなく、鍋の底面の広い範囲から放射される赤外線を中央孔に集光し、鍋の底面の最高温度部から放射される赤外線も含めて、中央の単一の赤外線センサで検出できるため、鍋の底の形状、表面状態、温度分布、鍋の載置位置の変動などによる影響を受けること無く、鍋の底面の最高温度を精度良く測定し、天板を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0021】
第6の発明は、加熱コイルを介して天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱コイルにより発生する磁界が前記鍋に与える浮力を低減させる電気導体と、前記電気導体の外周端から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記電気導体を、前記天板と加熱コイル間に設けて、前記鍋の底面から放射される赤外線をくさび効果により前記電気導体の外周端へ反射しながら導光するようにしたもので、導光体がなくても、鍋の底面の最高温度部から放射される赤外線も含めて、外周に配した単一の赤外線センサで検出できるため、鍋の底の形状や表面状態の影響を受けることなく、鍋の底面の最高温度を精度良く測定し、天板を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
図1(1)は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器のブロック図、(2)は、同加熱調理器の要部断面図である。
【0024】
図1において、本実施の形態における加熱調理器は、強化ガラス製で、調理物を加熱調理する鍋11が載置される天板(トッププレート)10と、加熱コイル12と、加熱コイル12に高周波電流を供給し、鍋11を誘導加熱する加熱手段13と、鍋11の底面から放射される赤外線を導光する導光体14と、この導光体14の中央孔14eから放射される赤外線強度を検知する赤外線センサ15と、前記赤外線センサ15の出力から鍋11の底面の温度を算出する温度算出手段16と、この温度算出手段16の出力に応じて前記加熱コイル12へ供給する電力量を前記加熱手段13に指示する制御手段17と、タッチパネル方式の操作手段18と、表示手段19を備えている。操作手段18は、使用者が操作時にタッチする表電極18aと、裏電極18bと、裏電極18bに接続された入力検知回路18cから構成されている。
【0025】
なお、赤外線センサ15と加熱コイル12との間には電磁波による干渉を低減させるためのシールド20が設けてあり、加熱コイル12と、導光体14と、赤外線センサ15、シールド20は、コイル枠21に取り付けられ、加熱調理器内にビスで固定されている。
【0026】
以上のように構成された加熱調理器について、以下に、その動作、作用を説明する。
【0027】
まず、使用者が、天板10に絵柄で示された加熱コイル12上の加熱領域(図示せず)に調理物を入れた鍋11を載置し、操作手段18内の「入/切」キー(図示せず)を操作して“加熱モード”にした後、別の「up」、「down」キー(図示せず)で所望の火力となるように設定する。制御手段17が、加熱手段13を制御して加熱コイル12に設定された火力に見合う所定の高周波電力を供給する。
【0028】
ここで、加熱手段13はいわゆるインバータと呼ばれる公知の技術であるため、その詳細な構成及び回路ブロック図は割愛するが、加熱コイル12に高周波電流が供給されると、加熱コイル12から誘導磁界が発せられ、天板10に載置された被加熱物である鍋11の底面が誘導加熱されジュール熱が生じる。この熱によって鍋11の温度が上昇し、鍋11内の調理物が加熱調理される。一方、前記導光体14は鍋11を載置する天板10の下部に設けられ、加熱された鍋11の底面から放射される赤外線を中央の中央孔14eに導光する。そして、中央孔14eに導光された赤外線は、赤外線センサ15に放射される。
【0029】
赤外線センサ15はこの赤外線を受光し、赤外線強度に比例した電圧を出力する。鍋11の温度が上昇すると鍋11の底面から放射される赤外線強度も強くなり、赤外線センサ15が受光する赤外線エネルギ量が増え、温度算出手段16の出力する算出温度値も大きくなる。制御手段17はこの算出温度値を入力し、予め定められた所定値(過昇防止温度、あるいは、自動調理メニューにおける沸騰温度等の設定温度)以下なら加熱手段13へ加熱を指示し続ける。「入/切」キーで“加熱モード”が停止された場合と、温度算出手段16の出力する温度値が上記の所定値を越えた場合は、加熱手段13に加熱停止を指示することで、安全に調理が行われる。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、導光体14で鍋11の底面の広い範囲から放射される赤外線を集光することで、加熱コイル12上の最高温度部から放射される赤外線も含めて、中央の単一の赤外線センサ15で検出できるため、鍋11の底の形状や表面状態、あるいは、加熱コイル12による鍋11の底の温度分布の影響を受けることなく、天板10を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0031】
また、本実施の形態では、導光体14を、中央孔14eが空いたリング形状で、あっせん鍋の最小外径(約150mm)程度としているが、これより大きい外形でも良く、また、加熱コイル12を横断していれば扇状の形でも良い。
【0032】
また、本実施の形態では、操作手段18はタッチパネル方式としたが、メンブレン方式や、タクトスイッチとエンボス加工のシートを用いた低コストの方式でも良い。
【0033】
また、本実施の形態では、温度算出手段16はマイクロコンピュータを用いた制御手段17内のアルゴリズムとしており、赤外線センサ15の検出する赤外線強度からステファン・ボルツマンの式に基づく換算表または換算式により鍋11の底面の温度を算出している。その詳細は公知の技術であるため、説明を省略する。
【0034】
また、本実施の形態では、赤外線センサ15に、主な用途として光通信、放射温度計に使用されるPINフォトダイオード(測定波長帯域0.9〜2.6μm)を用いているが、鉄βシリサイドフォトダイオード(測定波長帯域0.9〜2.0μm)でも良い。なお、ボロメータや、サーモパイル等の熱量型検出素子も使用できるが、増幅率の大きなアンプが必要であり、S/N比の点で量子型検出素子よりやや劣る。
【0035】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における加熱調理器のブロック図を示すものである。なお、上記第1の実施の形態における加熱調理器と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
本実施の形態は、図2に示すように、導光体14を天板10の下部に放射状に設けると共に、導光体14の外周端近傍に当接または接着した光導出部23と、この光導出部23から導出された赤外線強度を検知する赤外線センサ24と、この赤外線センサ24の出力から鍋11の底面の温度を算出する温度算出手段25を設けたものである。
【0037】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0038】
まず、使用者が、天板10に表示された加熱領域に調理物を入れた鍋11を載置し、操作手段18内の「入/切」キーを操作して“加熱モード”にすると、加熱コイル12に高周波電流が供給され鍋11が誘導加熱されて鍋11内の調理物が加熱調理される。一方、加熱された鍋11の底面から放射される赤外線は、天板10の下部に設けてある導光体14内を全反射を繰り返しながら光導出部23へ伝幡する。
【0039】
赤外線センサ24は、この導出された赤外線を受光し、その赤外線強度に比例した電圧を出力する。鍋11の温度が上昇すると鍋11の底面から放射される赤外線強度も強くなり、赤外線センサ24が受光する赤外線エネルギ量が増え、温度算出手段25の出力する算出温度値も大きくなる。制御手段17はこの算出温度値を入力し、予め定められた所定値以下なら加熱手段13へ加熱を指示し続ける。「入/切」キーで“加熱モード”が停止された場合と、温度算出手段25の出力する温度値が上記の所定値(過昇防止温度、あるいは、自動調理メニューにおける揚げ物温度等の設定温度)を越えた場合は、加熱手段13に加熱停止を指示することで、安全に調理が行われる。なお、導光体14と光導出部23は、境界面での反射を防ぐために同じ屈折率を持つ材料で形成すると共に、空気層を挟まないように密着させる。
【0040】
以上のように、本実施の形態によれば、鍋11の底面から放射される赤外線を導光する導光体14と、光導出部23と、赤外線センサ24と、温度算出手段25を設けることにより、導光体14で、鍋11の底面の広い範囲から放射される赤外線を集光し、導光体14の外周端まで導光することで、鍋11の底の最高温度部から放射される赤外線も含めて検出できるため、鍋11の底の形状や表面状態の影響、あるいは、鍋11の底の温度分布の影響を無くせ、天板10を介しても精度良く過昇防止温度を検出することができる加熱調理器を提供することができる。
【0041】
また、鍋11の底の温度を検知するための中央部の部材が減らせるため、加熱コイル12の構成の自由度が増して、鍋11の底のより均一な加熱が可能となる。
【0042】
また、本実施の形態では、導光体14を円盤状で、あっせん鍋の最小外径(約150mm)程度としているが、これより大きい外形でも良く、また、加熱コイル12を横断していれば直方体でも良い。
【0043】
また、本実施の形態では、導光体14の表面に反射防止(AR)コーティングを施している。或いは、結晶化熱処理の工程で屈折率が段階的に変わるように熱処理しておくことで空気中へ近赤外線が再放射しにくいようにしても良い。
【0044】
また、本実施の形態では、導光体14の下面に反射ドット(図示せず)を形成している。これにより、入射・伝幡してきた近赤外線が反射ドットに当たることにより、進行方向が変わり光導出部23へ導光されやすくすることができる。反射ドットの作り方には印刷法やインジェクション(導出成形)法などを用いることができる。印刷法では、反射ドットはチタン白(TiO2)や沈降性硫酸バリウム(BaSO4)など光学的に吸収がなく反射率の高い顔料とアクリル系バインダーを練り合わせた反射インクをスクリーン印刷法により、グラデーションパターンに従って導光体14の下面に塗布する。
【0045】
また、本実施の形態では、導光体14の加熱領域及び光導出部23を囲む領域の外周部に空気孔(図示せず)を結晶のように整然と並べたが、あるいは、イオン注入等により屈折率を低く調整した円柱を結晶のように整然と並べたフォトニックバンドギャップを設けることにより、入射された近赤外線はフォトニックバンドギャップの屈折率界面における全反射により伝幡するため、反射時のエネルギーロスが非常に少なく、強度を低下することなく、導光体14としての光効率をかなり高いものとすることができる。
【0046】
(実施の形態3)
図3(1)は、本発明の第3の実施の形態における加熱調理器のブロック図、(2)は、同加熱調理器の要部断面図である。なお、上記実施の形態における加熱調理器と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
本実施の形態における加熱調理器は、図3に示すように、加熱コイル12に高周波電流を供給し、鍋11を誘導加熱する加熱手段13と、鍋11の底面から放射される赤外線を導光する導光体14と、この導光体14の中央孔14eから放射される赤外線強度を検知する赤外線センサ15と、前記赤外線センサ15の出力から鍋11の底面の温度を算出する温度算出手段16と、この温度算出手段16の出力に応じて前記加熱コイル12へ供給する電力量を前記加熱手段13に指示する制御手段17と、操作手段18と、表示手段19から構成されている。
【0048】
そして、導光体14は、上面及び中央孔14eの内周以外の辺には、光反射層14a、14bを設けてある。この光反射層14a、14bは、導光体14の表面を研磨するなどの機械的手段、または表面をエッチングするなどの化学的手段により、表面に極微細な凹凸等を設ける、あるいは、成形工程でイオン注入等により表面部の屈折率を低く調整する、あるいは、チタン白(TiO2)など光学的に吸収がなく反射率の高い材料で、且つ、誘導加熱されにくい材料を印刷することにより形成される。また、導光体14の上面にはハーフミラー層14cをコーティングあるいは、印刷により形成している。
【0049】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0050】
まず、使用者が天板10に表示された加熱領域に調理物を入れた鍋11を載置し、操作手段18内の「入/切」キーを操作して“加熱モード”にすると、加熱コイル12に高周波電流が供給され鍋11が誘導加熱されて鍋11内の調理物が加熱調理される。一方、加熱された鍋11の底面から放射された赤外線は、導光体14の上面からハーフミラー層14cを透過して入射し、光反射層14a及びハーフミラー層14cによる反射により、中央部の赤外線センサ15まで伝幡する。
【0051】
赤外線センサ15は、この伝幡された赤外線を受光し、その赤外線強度に比例した電圧を出力する。鍋11の温度が上昇すると鍋11の底面から放射される赤外線強度も強くなり、赤外線センサ15が受光する赤外線エネルギ量が増え、温度算出手段16の出力する算出温度値も大きくなる。制御手段17は、この算出温度値を入力し、予め定められた所定値以下なら加熱手段13へ加熱を指示し続ける。「入/切」キーで“加熱モード”が停止された場合と、温度算出手段16の出力する温度値が上記所定値(過昇防止温度、あるいは、自動調理メニューにおける揚げ物温度等の設定温度)を越えた場合は、加熱手段13に加熱停止を指示することで、安全に調理が行われる。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、鍋11の底面から放射される赤外線を導光する光反射層14a、14b、ハーフミラー層14cを備えた導光体14と、赤外線センサ15と、温度算出手段16を設けることにより、導光体14で、鍋11の底面の広い範囲から放射される赤外線を集光し、加熱コイル12の中央部の赤外線センサ15まで効率よく導光することで、鍋11の底の最高温度部から放射される赤外線も含めて検出できるため、鍋11の底の形状や表面状態の影響を無くせ、天板10を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器としている。
【0053】
また、本実施の形態では、光反射層14a、14b、ハーフミラー層14cを備えた導光体14を中央に孔の空いたリング形状あるいは扇状の形状で、あっせん鍋の最小外径(約150mm)程度としているが、これより大きい外形でも良く、また、加熱コイル12を横断していれば直方体でも良い。
【0054】
(実施の形態4)
図4(1)は、本発明の第4の実施の形態における加熱調理器のブロック図、(2)は同加熱調理器の平面図である。なお、上記実施の形態における加熱調理器と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
本実施の形態における加熱調理器は、図4に示すように、加熱コイル12に高周波電流を供給し、鍋11を誘導加熱する加熱手段13と、鍋11の底面から放射される赤外線を導光する導光体としても機能する天板10と、この天板10の下部中央視野部から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサ15と、前記赤外線センサ15の出力から鍋11の底面の温度を算出する温度算出手段16と、この温度算出手段16の出力に応じて前記加熱コイル12へ供給する電力量を前記加熱手段13に指示する制御手段17と、操作手段18と、表示手段19から構成されている。
【0056】
なお、天板10は、上面、及び、赤外線センサ15の視野部以外の辺には光反射層27a、27bを、天板10の上面の加熱領域22にはハーフミラー層28を、同じく天板10の上面の加熱領域22以外の部分には光反射層27cを設けている。
【0057】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0058】
まず、使用者が、天板10の上面に表示された加熱領域22に調理物を入れた鍋11を載置し、操作手段18内の「入/切」キーを操作して“加熱モード”にすると、加熱コイル12に高周波電流が供給され鍋11が誘導加熱されて鍋11内の調理物が加熱調理される。
【0059】
一方、加熱された鍋11の底面から放射された赤外線は天板10の上面のハーフミラー層28を透過して入射し、光反射層27a及びハーフミラー層28で反射しながら、赤外線センサ15まで伝幡する。赤外線センサ15はこの導光された赤外線を受光し、その赤外線強度に比例した電圧を出力する。鍋11の温度が上昇すると鍋11の底面から放射される赤外線強度も強くなり、赤外線センサ15が受光する赤外線エネルギ量が増え、温度算出手段16の出力する算出温度値も大きくなる。
【0060】
制御手段17は、この算出温度値を入力し、予め定められた所定値以下なら加熱手段13へ加熱を指示し続ける。「入/切」キーで“加熱モード”が停止された場合と、温度算出手段16の出力する温度値が上記の所定値(過昇防止温度、あるいは、自動調理メニューにおける沸騰温度等の設定温度)を越えた場合は、加熱手段13に加熱停止を指示することで、安全に調理が行われる。
【0061】
以上のように、本実施の形態によれば、鍋11の底面から放射される赤外線を導光する光反射層27a〜27c、ハーフミラー層28を備えた天板10と、赤外線センサ15と、温度算出手段16を設けることにより、天板10で、鍋11の底面の広い範囲から放射される赤外線を集光し、加熱コイル12の中央部の赤外線センサ15まで効率よく導光することで、鍋11の底の最高温度部から放射される赤外線も含めて検出できるため、鍋11の底の形状や表面状態の影響を無くせ、天板10を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0062】
また、本実施の形態における光反射層27a〜27cは、成形工程でイオン注入等により天板10の表面部の屈折率を低く調整する、あるいは、チタン白(TiO2)など光学的に吸収がなく反射率の高い材料で、且つ、誘導加熱されにくい材料(さらに、厚みを薄くして表皮効果により体積抵抗率を高くする)を印刷することにより形成している。
【0063】
なお、表面を研磨するなどの機械的手段、または表面をエッチングするなどの化学的手段により、天板10の表面に極微細な凹凸等を設ける方法でも光反射層を形成できる。但し、調理による汚れ等が付着し易くなるため、天板10の上面の光反射層27cの形成にはこの方法は使えない。
【0064】
また、本実施の形態におけるハーフミラー層28は、コーティングあるいは、印刷により形成している。
【0065】
(実施の形態5)
図5は、本発明の第5の実施の形態における加熱調理器のブロック図を示すものである。なお、上記実施の形態における加熱調理器と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0066】
本実施の形態における加熱調理器は、図5に示すように、天板10の下部に設けられ加熱コイル12の発生する磁界が前記鍋11に与える浮力を低減させる作用を与える電気導体29と、この電気導体29の中央孔29aから放射される赤外線強度を検知する赤外線センサ15と、この赤外線センサ15の出力から鍋11の底面の温度を算出する温度算出手段16を備えている。
【0067】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0068】
まず、使用者が、天板10の上面に表示された加熱領域22に調理物を入れた鍋11を載置し、操作手段18内の「入/切」キーを操作して“加熱モード”にすると、加熱コイル12に高周波電流が供給され鍋11が誘導加熱されて鍋11内の調理物が加熱調理される。
【0069】
さらに、電気導体29には、この誘導磁界によるうず電流が流れ、加熱コイル12が発生する磁界の一部を打ち消すことで、鍋11に与える浮力を低減させ、調理中にずれにくくする作用をする。一方、加熱された鍋11の底面から放射される赤外線は、電気導体29の上面と鍋11の底面間で反射しながらくさび効果により中央孔29aへ伝幡される。
【0070】
赤外線センサ15は、この導光された赤外線を受光し、その赤外線強度に比例した電圧を出力し、温度算出手段16がこの出力を入力し鍋11の底面温度を算出する。
【0071】
制御手段17は、この算出温度値を入力し、予め定められた所定値以下なら加熱手段13へ加熱を指示し続ける。「入/切」キーで“加熱モード”が停止された場合と、温度算出手段16の出力する温度値が上記の所定値(過昇防止温度、あるいは、自動調理メニューにおける沸騰温度等)を越えた場合は、加熱手段13に加熱停止を指示することで、安全に調理が行われる。
【0072】
以上のように、本実施の形態によれば、天板10の下部に設けた電気導体29と、鍋11の底面間のくさび効果により、鍋11の底面の広い範囲から放射される赤外線を中央孔29aに集光しつつ導光する。これにより、鍋11の底面の最高温度部から放射される赤外線も含めて、中央の単一の赤外線センサ15で検出できるため、鍋11の底の形状や表面状態の影響や、鍋11の底面の温度分布、すなわち鍋11の載置位置の変動による影響を受けることが無く、天板10を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【0073】
また、本実施の形態における電気導体29による浮力低減量は、アルミニウム等の導板で製作した電気導体29の所定の箇所に切り込み(図示せず)を入れることで調整することができる。この切り込み箇所より、導光中の赤外線の一部が漏れるが、それを見込んで温度算出手段16が鍋11の底面の温度を算出するため、正確な温度を算出することが可能である。
【0074】
(実施の形態6)
図6は、本発明の第6の実施の形態における加熱調理器のブロック図を示すものである。なお、上記実施の形態における加熱調理器と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0075】
本実施の形態における加熱調理器は、図6に示すように、天板10の下部に設けられ加熱コイル12の発生する磁界が前記鍋11に与える浮力を低減させる作用を与える電気導体30と、この電気導体30の外周端で天板10に当接または接着した光導出部31と、この光導出部31から導出された赤外線強度を検知する赤外線センサ32と、この赤外線センサ32の出力から鍋11の底面の温度を算出する温度算出手段33とを備えている。
【0076】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0077】
まず、使用者が加熱領域22に調理物を入れた鍋11を載置し、操作手段18内の「入/切」キーを操作して“加熱モード”にすると、加熱コイル12に高周波電流が供給され、鍋11が誘導加熱されて鍋11内の調理物が加熱調理される。さらに、電気導体30には、この誘導磁界によるうず電流が流れ、加熱コイル12の発生する磁界の一部を打ち消すことで、鍋11に与える浮力を低減させ、調理中に鍋11を安定させる作用をする。
【0078】
一方、加熱された鍋11の底面から放射される赤外線は、電気導体30上面と鍋11の底面の間を反射しながらくさび効果により外周部へ伝幡し、光導出部31から導出する。赤外線センサ32はこの導出された赤外線を受光し、その赤外線強度に比例した電圧を出力し、温度算出手段33がこの出力を入力し鍋11の底面温度を算出する。
【0079】
制御手段17はこの算出温度値を入力し、予め定められた所定値以下なら加熱手段13へ加熱を指示し続ける。「入/切」キーで“加熱モード”が停止された場合と、温度算出手段33の出力する温度値が上記所定値(過昇防止温度、あるいは、自動調理メニューにおける沸騰温度等)を越えた場合は、加熱手段13に加熱停止を指示することで、安全に調理が行われる。
【0080】
以上のように、本実施の形態によれば、天板10の下部に設けた電気導体30と、鍋11の底面間のくさび効果により、鍋11の底面の広い範囲から放射される赤外線を電気導体30の外周端に集光しつつ導光する。これにより、鍋11の底面の最高温度部から放射される赤外線も含めて、外周の単一の赤外線センサ32で検出できるため、鍋11の底の形状や表面状態の影響を無くせ、天板10を介しても信頼性の高い温度過昇を防止することができる加熱調理器を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、非接触で鍋の底面の最高温度を精度良く測定できるので、加熱調理器に限らず放射温度計を搭載した様々な機器へ適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】(1)本発明の実施の形態1における加熱調理器のブロック図(2)同加熱調理器の要部断面図
【図2】本発明の実施の形態2における加熱調理器のブロック図
【図3】(1)本発明の実施の形態3における加熱調理器のブロック図(2)同加熱調理器の要部断面図
【図4】(1)本発明の実施の形態4における加熱調理器のブロック図(2)同加熱調理器の平面図
【図5】本発明の実施の形態5における加熱調理器のブロック図
【図6】本発明の実施の形態6における加熱調理器のブロック図
【図7】従来の加熱調理器のブロック図
【符号の説明】
【0083】
10 天板
11 鍋
12 加熱コイル
13 加熱手段
14 導光体
14a、14b 光反射層
14c ハーフミラー層
14e、29a 中央孔
15、24、32 赤外線センサ
16 温度算出手段
17 制御手段
18 操作手段
22 加熱領域
23 光導出部
29、30 電気導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板の下部に設けられ中央孔を有すると共に前記鍋の底面から放射される赤外線を前記中央孔に導光する導光体と、前記中央孔から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備えた加熱調理器。
【請求項2】
天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板の下部に設けられ前記鍋の底面から放射される赤外線を外周部に導光する導光体と、前記導光体の外周端から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備えた加熱調理器。
【請求項3】
導光体上面にハーフミラーを、下面に光反射層をそれぞれ形成して、入射した赤外線が反射しながら赤外線センサへ伝幡するようにした請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記天板下面から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記天板の下面及び、上面の加熱領域以外の部分に光反射層を設け、前記鍋の底面から放射される赤外線を前記天板の下面中央へ導光するようにした加熱調理器。
【請求項5】
加熱コイルを介して天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱コイルにより発生する磁界が前記鍋に与える浮力を低減させる電気導体と、前記電気導体の略中央に設けた中央孔から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記電気導体を、前記天板と加熱コイル間に設けて、前記鍋の底面から放射される赤外線をくさび効果により前記中央孔へ反射しながら導光するようにした加熱調理器。
【請求項6】
加熱コイルを介して天板に載置された鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱コイルにより発生する磁界が前記鍋に与える浮力を低減させる電気導体と、前記電気導体の外周端から放射される赤外線強度を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力から前記鍋の底面の温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段の出力に応じて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記電気導体を、前記天板と加熱コイル間に設けて、前記鍋の底面から放射される赤外線をくさび効果により前記電気導体の外周端へ反射しながら導光するようにした加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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