説明

加熱調理器

【課題】加熱調理器に連動する人体センサーの検知精度を高めること。
【解決手段】本体とは別に本体より高位置に設けられた人の有無を感知する人体センサー15からの信号を発信する信号発信手段16から発信され、信号受信手段13へ通信し、その信号に応じて加熱量の制御動作を変更することができる制御手段14と前記制御手段14により加熱制御される加熱手段12を備え、人体センサー15を加熱調理器本体より高位置に設けることにより、人体センサー検知範囲17が広範囲となり、その結果検知精度が向上し、加熱調理器11の加熱制御に関わる誤検知が減少することとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般家庭のキッチンやレストランなどで使用される加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の人体センサーからの信号により加熱量の動作を制御する加熱調理器は、前記調理器本体に設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−200687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では人体センサーは調理器本体に設置されているため人体センサーが検知する範囲は調理器の前方一部に限定されてしまう。そのため調理中に調理器の前から離れた場合、人体センサーが検知しない、または検知しにくいという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、調理器前方だけでなくより広範囲で死角を低減した人体センサーの検知範囲により、人がいるにもかかわらず人がいないと判定し過加熱や火災防止のための加熱量の低下や加熱停止の加熱制御が行われないことを目的とした加熱調理器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は人体センサーを前記加熱調理器より高位置に設けたものである。
【0007】
これによって、誘導加熱調理器の前から人が離れた場合でも高位置に設けられた人体センサーにより前記加熱調理器から離れている人を検知することが可能なため、人がいるにもかかわらず過加熱や火災防止のための加熱量の低下や加熱停止の加熱制御が行われることが無い。
【発明の効果】
【0008】
本発明の加熱調理器は、人体センサーを前記加熱調理器より高位置に設けることにより前記加熱調理器から離れた人も認識することができるため、人がいるにもかかわらず、人がいないと検知してしまう誤検知を大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱調理器と人体センサーの位置関係を示す正面図
【図2】本発明の実施の形態2における人体センサーをレンジフードに設けた正面図
【図3】本発明の実施の形態3における人体センサーを複数個設けた正面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明は、加熱手段と、人の有無を検知する人体センサーと、前記人体センサーが検知した信号を発信する発信手段と、前記発信手段より発信された信号を受信する信号受
信手段と、前記信号受信手段で受信した信号に応じて前記加熱手段の加熱量を低下または加熱を停止する制御手段とを備え、前記人体センサーは、本体とは別に本体より高位置に設けられた加熱調理器とするものである。これによって、前記加熱調理器の前から人が離れた場合でも高位置に設けられた人体センサーにより前記加熱調理器から離れている人を検知することが可能なため、人がいるにもかかわらず過加熱や火災防止のための加熱量の低下や加熱停止の誤検知が低減される。
【0011】
第2の発明は、特に第1の発明の人体センサーの設置場所をレンジフードまたは換気扇に設けることによって、加熱調理器のほぼ真上に人体センサーが位置することができ、その結果、検知率が高くなり、誤検知を一層低減させることが可能である。
【0012】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の人体センサーを複数個設けることにより、人体センサーの検知範囲が広がり、また取り付ける位置や角度の組み合わせにより人を検知できない死角を低減することが可能になる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における調理台10に設置された加熱調理器11と人体センサー15の位置関係を表す正面図である。なお、前記人体センサー15は焦電式赤外線センサーを使用するが、これに限らず、超音波センサーやマイクロ波センサー、測距センサーなど人の有無を検知することが可能なセンサーであれば限定されない。また、前記人体センサー15は人の検知が可能な位置であれば天井に設置することも可能である。また、前記人体センサー15と信号発信手段16の電源は、ACアダプター(図示していない)にて確保する。なお、ACアダプターの代わりに乾電池を使用してもよい。前記信号発信手段16の設置位置は信号受信手段13に通信可能な位置であれば特に限定されないが、前記人体センサー15と別に設置するよりも、前記人体センサー15と前記信号発信手段16を1つのユニットとすることにより、設置の手間が軽減する。前記調理台10に設置された前記加熱調理器11には前記人体センサー15で検知した信号を発信する前記信号発信手段16からの信号を受信する前記信号受信手段13と、前期信号受信手段13からの信号により加熱量を制御する制御手段14と前記制御手段14により加熱量が変化する加熱手段12が設けられている。この加熱手段12は鍋などの被加熱物(図示していない)を誘導加熱する加熱コイルを示す。なお、前記加熱手段は加熱コイルに限らず、シーズヒーターやガスバーナでも良い。前記加熱調理器11より高位置に設けられた前記人体センサー15の検知範囲を人体センサー検知範囲17とする。
【0015】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0016】
まず、加熱調理器11を使用中に前記加熱調理器11より高位置に設けられた前記人体センサー15によって前記人体センサー検知範囲17内の人を検知した場合、前記人体センサー15で検知した信号は前記人体センサーで検知した信号を発信する信号発信手段16へ通信され、信号発信手段16から前記人体センサーで検知した信号を受信する信号受信手段13へ通信される。なお、前記人体センサー15と信号発信手段16は有線によって通信連動している。また、前記信号発信手段16と前記信号受信手段13は赤外線を利用して通信連動している。なお、前記通信連動は赤外線に限らず電波でも構わないし、有線でもよい。そして前記信号受信手段13で受信された信号は前記加熱手段12を制御する前記制御手段14へ送られる。人を検知したため、調理中であると判定し、前記制御手段14は加熱量の低下や加熱停止の加熱制御を行わず加熱を継続する。また、人が前記人体センサー検知範囲17の範囲外に移動し、人の検知ができなくなった場合でも、任意に
決めた所定時間内(例えば10分)は加熱量の低下や加熱停止の加熱制御を行わないことにより、調理中の移動範囲が制限されない。そして、任意に決めた所定時間内に連続して人の検知がされなかった場合は、過加熱や火災防止のために、制御手段14により加熱量の低下や加熱停止の加熱制御が行われる。
【0017】
以上のように、本実施の形態においては人体センサー15を加熱調理器11とは別に加熱調理器本体よりも高位置に設けることにより、人の検知範囲をより広くすることが可能になるため、人を検知してその有無で加熱制御を行う加熱調理器において、人がいるにも関わらず人がいないと判断してしまう加熱量の低下や加熱停止などの誤動作を低減させることができる。
【0018】
また、本実施の形態では、過加熱によって発火の恐れがある揚げ物調理において、任意に決めた所定時間内に人が検知されない場合、加熱制御により加熱量の低下や加熱停止が行われるため、火災を未然に防ぐことに繋がる。
【0019】
また、人の身長を識別できる人体センサーを用いれば、大人と子供を識別することができるため、子供が加熱調理器前で所定時間内連続して存在することを検知すると、その信号を加熱量の制御手段14へ通信することにより、火傷防止のために加熱の低下や加熱停止の加熱制御を行うことができ、安全装置としての役割も期待できる。
【0020】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態の人体センサー15をレンジフード18に設けた正面図である。レンジフード18は換気扇でも構わないが、図2には代表してレンジフードを記載した。図2において、人体センサー15の設置場所をレンジフード18に設けることにより、加熱調理器11の上方に人体センサー15が位置することになり、それによりレンジフードまたは換気扇以外に設けるよりも人の検知率が高くなり、誤検知を一層低減させることができる。
【0021】
また、人体センサー15をレンジフードや換気扇に設ける方が、壁や棚に設置するより見映えが良い。
【0022】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態の人体センサー15を複数個設けた正面図である。図3では人体センサー15を一例として2つ設けた図を示している。人体センサーを複数個設けることにより、人を感知できる範囲が広がり死角を減らすことができる。加熱調理器11の使用条件に合わせた調節が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は人体センサーを前記加熱調理器より高位置に設けることにより、広範囲に人を検知することができ、前記加熱調理器の前から離れた人も認識することができるので、誘導加熱調理器、ガスコンロ、ホットプレート、シーズヒーター、炊飯器、電気ポット、ひいては風呂湯沸かし器などの加熱機能を有する生活用品などの用途に利用できる。
【符号の説明】
【0024】
10 調理台
11 加熱調理器
12 加熱手段
13 信号受信手段
14 制御手段
15 人体センサー
16 信号発信手段
17 人体センサー検知範囲
18 レンジフード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段と、人の有無を検知する人体センサーと、前記人体センサーが検知した信号を発信する発信手段と、前記発信手段より発信された信号を受信する信号受信手段と、前記信号受信手段で受信した信号に応じて前記加熱手段の加熱量を低下または加熱を停止する制御手段とを備え、前記人体センサーは、本体とは別に本体より高位置に設けられた加熱調理器。
【請求項2】
人体センサーをレンジフードまたは換気扇に設けた請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
人体センサーを複数個設けた請求項1または2に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−21845(P2011−21845A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168523(P2009−168523)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】