説明

加熱調理器

【課題】ガラス管ヒータの輻射熱を利用した被調理物の急速な加熱温度上昇特性を実現しつつ、使用者への安全性を向上させた加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器6は、被調理物17を収納する調理室12と、下部に開口部(ヒータ熱線穴27)が形成され、調理室12の上方に設けられるヒータ収納室13と、ヒータ収納室13に収納されるガラス管ヒータ14の下側を少なくとも覆うようにヒータ収納室13の開口部に設置され、ヒータ収納室13内での落下物を受け止める保護板28と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼き物調理用に設けられているグリル等の加熱調理器に関し、特に被調理物の急速な加熱温度上昇特性を実現しつつ、使用者への安全性を向上させた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の加熱調理器としては、従来から上下両面加熱方式のものが存在している。すなわち、上部に誘導加熱調理部を装備した調理室に、シーズヒータやミラクロンヒータよりなる上下加熱手段を配置し、それら加熱手段の間に被調理物を載置する焼網を位置させることで、被調理物を上下から加熱するようにした構成である。このような加熱調理器には、通常、下部加熱手段の下方に被調理物からしたたり落ちる油を受けるための受け皿が設けられており、調理室の前方にガラス扉が開閉可能に設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
そのようなものとして、「加熱コイルと、前記加熱コイルに通風のための空間を設けて配置したロースター部と、これらを収容する筐体と、前記ロースター部において調理物を下方より加熱する下加熱手段と、前記下加熱手段を構成し調理物を載置する載置容器と、前記載置容器を載置し下加熱手段を構成する主加熱源とを備え、前記調理物への加熱は主として載置容器より加熱される構成とした加熱調理器」が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、加熱調理器の加熱手段としては、ハロゲンランプヒータやカーボンランプヒータなどの概してガラス管ヒータを使用したものが存在している(たとえば、特許文献2又は3参照)。
【0004】
特許文献2に記載されているような加熱調理器では、一般的に、調理室の上方にガラス管ヒータを配置し、ヒータからの熱線を載置具上の被調理物に照射するようにしている。そして、このような加熱調理器は、ガラス管ヒータの上部に被調理物に熱線を効率良く照射するための反射板が配設されている。また、特許文献3に記載のような加熱調理器では、ヒータから被調理物へ直接照射する熱線照射範囲から外れた位置にヒータの破損を保護するヒータガードを配置して、被調理物や使用者がヒータ部に接触することによって発生してしまうヒータ割れを防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−65536号公報(第5−6頁、第1図)
【特許文献2】特開2007−273122号公報(第5頁、第2図)
【特許文献3】特開2002−71144号公報(第2−3頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているような加熱調理器では、シーズヒータからなる上下加熱手段により加熱を開始しても、調理室内の温度上昇、すなわち被調理物の温度上昇が緩やかとなるため、たとえば魚等の被調理物を調理する場合には、被調理物の表面及び皮の部分と、内部の身の部分との温度が近いものとなって、内部に存在している被調理物のうまみ成分が外に逃げ出し易くなってしまうという課題があった。一方では、被調理物の温度上昇が遅いために、脂肪部分の変性が短時間では促進されず、調理後の被調理物に生臭さが残ってしまうという課題もあった。
【0007】
特許文献2あるいは特許文献3に記載されているような加熱調理器では、ガラス管ヒータの輻射熱(放射熱)により加熱温度上昇特性に優れているが、ガラス管ヒータへの容器接触や、運搬時の衝撃、汚れが多く発生する高負荷条件調理での繰り返し等が原因となり、ガラス管ヒータが破損してしまうことがある。そして、特許文献2に記載されているような加熱調理器では、ガラス管ヒータが被調理物に対してむき出しているため、ヒータ破損時に破片が被調理物へと混入してしまう可能性が生じる。また、特許文献3に記載されている加熱調理器では、棒状のガードを設けてガラス管ヒータへの接触防止を図っているが、接触可能な箇所もあるために予期せぬ使い方が行なわれると、ガラス管ヒータの破損へと繋がる可能性が生じる。
【0008】
以上のように、ガラス管ヒータが破損、特に調理室の天部に設置したガラス管ヒータが破損した場合には、ヒータ破片が被調理物へと降りかかり、被調理物に混入してしまい、使用者が過って口にしてしまうという安全性への配慮の欠如という課題があった。また、調理室扉を開けている際にガラス管ヒータが破損した場合には、ヒータ破片が使用者に飛び掛ってしまい、使用者に不慮の怪我を負わせてしまうという安全性への配慮の欠如という課題もあった。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、ガラス管ヒータの輻射熱を利用した被調理物の急速な加熱温度上昇特性を実現しつつ、使用者への安全性を向上させた加熱調理器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る加熱調理器は、被調理物を収納する調理室と、下部に開口部が形成され、前記調理室の上方に設けられるヒータ収納室と、前記ヒータ収納室に設置され、前記被調理物を加熱するヒータと、前記ヒータ収納室に収納されるヒータの下側を覆うように前記ヒータ収納室の開口部に設置され、前記ヒータ収納室内での落下物を受け止める所定の幅を持った保護部材と、を有し、前記開口部のうち前記保護部材と前記調理室の天井壁との間に形成される隙間を熱線通過隙間とし、該熱線通過隙間を介して前記ヒータから発せられるヒータ熱線を前記調理室に到達させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る誘導加熱調理器によれば、ガラス管ヒータの輻射熱を利用した被調理物の急速な加熱温度上昇特性を実現しつつ、使用者への安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る加熱調理器を搭載した加熱調理器本体の外観形状を示す斜視図である。
【図2】加熱調理器の全体構成を示す概略斜視図である。
【図3】加熱調理器の図2で示したA−A’断面を示す部分断面図である。
【図4】ガラス管ヒータの断面形状を示す概略断面図である。
【図5】ヒータ収納室部分を拡大して示す拡大斜視図である。
【図6】ヒータ収納室の縦断面構成の一例を示す概略断面図である。
【図7】ヒータ収納室の縦断面構成の他の一例を示す概略断面図である。
【図8】実施の形態2に係る加熱調理器のヒータ収納室の縦断面構成の一例を示す概略断面図である。
【図9】実施の形態3に係る加熱調理器のヒータ収納室の縦断面構成の一例を示す概略断面図である。
【図10】実施の形態4に係る加熱調理器の全体構成を示す概略斜視図である。
【図11】実施の形態5に係る加熱調理器の示したA−A’断面を示す部分断面図である。
【図12】実施の形態6に係る加熱調理器を正面から見た断面構成を示す概略図である。
【図13】実施の形態7に係る加熱調理器を正面から見た断面構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態の説明によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器6を搭載した加熱調理器本体1の外観形状を示す斜視図である。図1に基づいて、加熱調理器本体1の構成例について説明する。図1では、加熱調理器本体1が、誘導加熱による加熱コイル2を左右に二口、奥中央に一口、及び、魚等を焼くための加熱調理器6が加熱コイル2の下側に設けられているビルトイン型(システムキッチン一体型)のIHクッキングヒータであるものとして説明するものとする。なお、加熱コイル2ではなくラジエントヒータを設けるようにしてもよい。
【0015】
図1に示すように、加熱調理器本体1は、調理鍋載置部の下方に配設されている加熱コイル2と、加熱コイル2の上方を覆い、調理鍋載置部が形成されている加熱プレート3と、加熱コイル2の下方に引き出し自在に設けられている加熱調理器6と、を有している。加熱コイル2は、図示省略のコイルベース等に載置され、被加熱物を加熱するものである。つまり、加熱コイル2は、電流によって発生する磁力線によって、加熱プレート3を介して加熱コイル2の上側に載置される鍋等の被調理物に渦電流を生じさせ、被調理物自体を発熱させて加熱するようになっているのである。なお、コイルベースには、加熱コイル2から発生した磁力線が下側に流れるのを防止するためのフェライトや、被調理物の温度状態を検出するための温度センサを設けておくとよい。
【0016】
加熱プレート3は、加熱調理器本体1の上面側に配置されるトッププレートであり、耐熱ガラス等で構成され、鍋等の被調理物が載置されるものである。図1では、加熱プレート3の上面側には3つの鍋載置部3aが、内部に設けられている加熱コイル2に対向するように形成されている。この鍋載置部3aは、被調理物を載置する目安とするものである。また、加熱プレート3の外周部は、フレーム3bで覆われている。このフレーム3bの後方には、加熱調理器本体1の内部を循環させた空気を吸排気するための吸排気口3cが形成されている。なお、鍋載置部3aが加熱プレート3に形成されていなくてもよい。また、鍋載置部3aの個数を特に限定するものではない。さらに、吸排気口3cを加熱調理器本体1の後方背面に形成してもよい。
【0017】
加熱プレート3の前方側では表示部3dが視認できるようになっている。この表示部3dは、加熱調理器本体1の内部前方側であって、加熱プレート3の下側に配置されている。表示部3dは、加熱調理器本体1の運転状態や運転時の設定内容、トラブルの状態等の内容を使用者に向けて表示するものである。なお、表示部3dを透明導電膜を用いた静電スイッチを備えたもので構成すれば、加熱プレート3を介して使用者からの指示を受け付けることができ、使用者の利便性が向上する。ただし、図1では、操作部1aが加熱調理器本体1の正面に設けられており、表示部3dとは別になっている場合を例に示している。
【0018】
加熱調理器6は、魚等の被調理物を焼くものであり、加熱調理器本体1の手前側に引き出されるようになっている(図2及び図3で詳細に説明する)。なお、加熱調理器本体1には、加熱コイル2やインバータ回路等が搭載されている制御基板を冷却する空気を送風するための冷却ファンや使用者からの指示に基づいて加熱調理器本体1の全体を統括制御する制御基板等が搭載されている。制御基板は、使用者からの指示に基づいて、たとえば加熱コイル2の加熱制御や冷却ファンの回転数制御等を実行し、加熱調理器本体1の全体を統括制御するようになっている。
【0019】
図2は、加熱調理器6の全体構成を示す概略斜視図である。図3は、加熱調理器6の図2で示したA−A’断面を示す部分断面図である。図2及び図3に基づいて、加熱調理器6の構成について詳細に説明する。実施の形態1に係る加熱調理器6は、被調理物を収容し、被調理物が調理される調理室12と、調理室12に収容された被調理物を加熱するヒータ(以下、ヒータがガラス管ヒータ14であるものとして説明する)が設置されるヒータ収納室13と、を有している。なお、図2及び図3には、加熱調理器6とともに被調理物17を併せて図示してある。
【0020】
調理室12は、天井壁7と、側壁8と、底壁9と、前方の開放部にてガラス窓を有する扉10と、後方壁11と、で囲まれて構成されている。扉10は、底壁9に着脱自在に取り付けられるようになっている。ヒータ収納室13は、調理室12の上方に設置された凹部により形成されている。この凹部は、調理室12の外方向へ膨出させ、下部が開放した形状となっている。すなわち、ヒータ収納室13は、調理室12の天井壁7に開口部(ヒータ熱線穴27)を形成し、この開口部を覆うように凹部を設置することで形成されているのである。
【0021】
図2及び図3では、4つのヒータ収納室13が形成されている状態を示している。このヒータ収納室13には、被調理物を加熱するための加熱手段となるガラス管ヒータ14が設置されている。なお、図2では、扉10が取り外されている状態を示している。また、ヒータ収納室13を調理室2の天井壁7とは別の部材(凹部)で形成した場合を例に示しているが、調理室12の天井壁7自体を外方向に膨出させ、下部(調理室12側)に開口部を形成し、ヒータ収納室13を形成するようにしてもよい。図2及び図3では、調理室2の左右方向に渡るようにヒータ収納室13を設けているが、調理室2の前後方向に渡るようにヒータ収納室13を設けてもよい。
【0022】
調理室12の底壁9には、扉10の開閉と同時に出し入れ可能な被調理物17を載置するための載置手段16が設けられている。載置手段16の更に下方には、載置手段16に載置された、たとえば魚類や肉類等の被調理物17から滴り落ちる油、あるいは、汁を受けるための受皿18が着脱自在に設置されている。また、図2に示すように、調理室12の側壁8の下方に引き出しレール8aを設け、この引き出しレール8aと扉10とを連結しておくとよい。そうすることにより、底壁9上に配置される受皿18及び載置手段16を扉10の開閉と連動させて出し入れできるようになる。
【0023】
図2及び図3に示すように、加熱調理器6の後方壁11の外側(調理室12側ではない方の側)には、被調理物17の加熱調理時に発生する煙や熱等の排気を調理室12外へと排出するための排気装置20aが設けられている。この排気装置20aは、調理室12内で発生した排気を調理室12の外部へ排出するための排気口19と、排気口19から排出された排気を加熱調理器本体1の外部に導くための排気ダクト20と、で構成されている。排気口19は、後方壁11の一部を開口することで形成されている。排気ダクト20は、排気口19と吸排気口3cとを連通するように形成されている。
【0024】
図3に示すように、ヒータ収納室13を構成する凹部は、縦断面形状が台形状となるように天井壁7を外方向(上方)に膨出させて形成されている。そして、ヒータ収納室13にはガラス管ヒータ14が設置される。ガラス管ヒータ14から発せられる熱線は、天井壁7を貫通形成されているヒータ熱線穴27を介し調理室12内部に到達するようになっている。また、ガラス管ヒータ14の下側には、保護部材としての保護板28が設けられている。この保護板28は、ヒータ収納室13に収納されるガラス管ヒータ14の下側を少なくとも覆うようにヒータ熱線穴27(開口部)に設置され、ヒータ収納室13内での落下物(たとえば、ガラス管ヒータ14のヒータ破片等)を受け止めるものである。
【0025】
また、この保護板28の長手方向の両端部(ガラス管ヒータ14の長さ方向に沿う端部)には、上方に向かって立設された突起体29が設けられている。この突起体29は、保護板28の両端部を折り曲げて形成してもよく、保護板28の両端部に取り付けるようにしてもよい。なお、天井壁7でヒータ収納室13を形成する場合には、ヒータ熱線穴27はヒータ収納室13の下部にできる開口部となる。
【0026】
図4は、ガラス管ヒータ14の断面形状を示す概略断面図である。図4に基づいて、加熱手段となるガラス管ヒータ14の構成について説明する。この図4では、ガラス管ヒータ14が、たとえば直径約8mmの石英ガラス管21内に導体となる平板状の炭素棒22を収納するとともに、石英ガラス管21内に不活性ガス23を封入して密閉したタイプのもの、すなわちカーボンランプヒータの構成となっているものを例に図示している。このカーボンランプヒータは、遠赤外線を利用したものである。
【0027】
カーボンランプヒータを構成する炭素系発熱体(炭素棒22)の発する輻射熱は、被調理物17の中心部まで届く遠赤外線領域の輻射量が多いので、被調理物17の外側はこんがりと、中側はふっくらとした炭焼き同様の旨味が生きた焼き具合が得られる。なお、ガラス管ヒータ14が、近赤外線を利用したもの、すなわちハロゲンランプヒータの構成となっていてもよい。ハロゲンランプヒータを用いることによって、被調理物17の表面に適度に焦げ目(焼き色)を付けることができる。さらに両者を混合して配置することにより、両者の特徴を生かした肌理の細かい焼き加減に仕上げることができる。
【0028】
図5は、ヒータ収納室13部分を拡大して示す拡大斜視図である。図5に基づいて、ヒータ収納室13にガラス管ヒータ14を固定する方法について説明する。ガラス管ヒータ14は、ヒータ収納室13の左右両側壁(調理室12の側壁8側の側壁24a及び側壁24b)に設けたヒータ貫通穴25に両端が貫通され、ヒータ収納室13内に配置されるようになっている。ヒータ収納室13が調理室12の天井壁7外部のヒータ固定部26で固定されることによって、ガラス管ヒータ14がヒータ収納室13とともに調理室12に固定されるようになっている。たとえば、図2に示すように、4本のガラス管ヒータ14が加熱調理器6の左右方向に渡り等間隔に並べられるように固定される。
【0029】
図6は、ヒータ収納室13の縦断面構成の一例を示す概略断面図である。図7は、ヒータ収納室13の縦断面構成の他の一例を示す概略断面図である。図6及び図7に基づいて、実施の形態1の特徴部分であるヒータ収納室13についてガラス管ヒータ14から発せられるヒータ熱線とともに説明する。ヒータ収納室13は、加熱調理器6の天井壁7に設けたヒータ熱線穴27と対応した場所に位置し、ヒータ熱線穴27を通してヒータ熱線が被調理物17へと照射されるように設置されている。それに加え、ヒータ収納室13の調理室12側の内壁面、すなわちガラス管ヒータ14の上方側表面は、たとえばステンレスのように反射率が高い素材で構成される、もしくは、たとえば鏡面処理等のように反射率が高くなるような加工処理が施されることにする。
【0030】
すなわち、図6の矢印で示すように、ガラス管ヒータ14から発せられるヒータ熱線をヒータ収納室13の内側表面で反射させ、調理室12内に到達させるようにしているのである。したがって、ガラス管ヒータ14からの熱線を効率良く被調理物17方向へ集中して導くようにすべく、ヒータ収納室13は、調理室12内方向に向かって拡径させた凹形状(つまり、ヒータ収納室13の縦断面形状(加熱調理器6を前後方向に切断した縦断面形状)がヒータ熱線穴27に向かって拡径させた台形状)となるような形状としている。
【0031】
また、ヒータ収納室13の他の形状としては、図7に示すようなものが考えられる。つまり、ヒータ収納室13の縦断面形状(加熱調理器6を前後方向に切断した縦断面形状)を2つの円弧を組み合わせたような形状としてもよいのである。ヒータ収納室13をこのような形状とすることによって、ヒータ熱線を少ない反射回数で被調理物17へと到達させることが可能になる。図6及び図7から、ガラス管ヒータ14から発せられるヒータ熱線を、ヒータ収納室13で反射させてから、保護板28及び突起体29を回避してヒータ熱線穴27を介して調理室12内に到達させるようになっているのである。したがって、ヒータ収納室13を図6及び図7で示した形状に限定するものでなく、ヒータ熱線を反射させ、調理室12内に到達させるような形状であればよい。
【0032】
図6に示しているように、ガラス管ヒータ14の下位置であり、ヒータ熱線穴27の一部を覆うように、保護板28を設置している。この保護板28は、ガラス管ヒータ14が破損した際の破損片を、調理室12内に落下させないように保持して被調理物17への混入を防止するものである。この保護板28は、ヒータ収納室13の左右両側壁(調理室12の側壁8側の側壁24a及び側壁24b)に固定されている。このとき、保護板28の端部に上方に向けて突起体29を設けることで、ガラス管ヒータ14の破損時の破損片を確実に保持することを可能としている。
【0033】
また、保護板28は、保護板28と天井壁7との間に、ヒータ熱線を通過させるための熱線通過隙間30を形成するために、ヒータ熱線穴27の幅よりも短く形成されている。この熱線通過隙間30は、たとえば図3に示したように、保護板28の設置の仕方によってヒータ収納室13のそれぞれで変化させるようにしてもよい。たとえば、加熱調理器6の前方のヒータ収納室13では、保護板28を前方側に設け、熱線通過隙間30をヒータ熱線穴27の後方部に形成したり、加熱調理器6の後方のヒータ収納室13では、保護板28を後方側に設け、熱線通過隙間30をヒータ熱線穴27の前方部に形成したりすることができる。
【0034】
また、加熱調理器6の中間のヒータ収納室13では、保護板28を中間部に設け、熱線通過隙間30をヒータ熱線穴27の両端部に形成することができる。したがって、調理室12に収容される被調理物17とガラス管ヒータ14との位置関係から、保護板28の設置位置を変化させることによって、保護板28と天井壁7とから形成される熱線通過隙間30の場所を変えることができるのである。すなわち、保護板28は、各ヒータから発せられるヒータ熱線を調理室12の中心方向に向けて照射可能なように配置できるのである。なお、保護板28の材料としては、基本的にはガラス管ヒータ14の割れ衝撃に耐え得る金属材料が好ましいが、これに限定するものではなく、たとえば他の適用部材としては強靭な上に一般的な金属材料と比較して高輻射率な素材であるセラミック等がある。
【0035】
この実施の形態1によれば、ガラス管ヒータ14を利用した加熱調理器6において、ガラス管ヒータ14の下位置に保護板28を設けることで、万が一ガラス管ヒータ14が破損して破損片が被調理物17方向に落下・飛散した場合でも、破損片を保護板28によって保持することができるため安全性の高いものにすることができる。また、保護板28を設置したとしても、ヒータ収納室13の内部表面を高反射率素材、もしくは、高反射率処理を施すことによって、ガラス管ヒータ14を利用した加熱温度上昇特性を高いものとすることができる。すなわち、ガラス管ヒータ14の輻射熱を利用した被調理物17の急速な加熱温度上昇特性を実現しつつ、使用者への安全性を向上させた加熱調理器6を得ることができるのである。
【0036】
加えて、保護板28の端部に上方に向けて立設させた突起体29を設けることで、単純な平板である保護板28を設置しただけのものよりも確実にガラス管ヒータ14の破損片を保持することができ、安全性をより高いものとすることが可能となる。また、保護板28の設置位置によって熱線通過隙間30の形成場所を変化させることができ、一般的にガラス管ヒータ14と被調理物17との間に遮物体を設けると加熱効率は低下することになるが、被調理物17へ向かう熱線通過隙間30の面積を多くすることでガラス管ヒータ14周辺部への衝突を減少させることができ、加熱効率の低下を低減することが可能となる。
【0037】
また、この実施の形態1の図7のような形状とした場合は、ガラス管ヒータ14からのヒータ熱線を熱線通過隙間30から被調理物17方向へ集中して導くようにすべく、ヒータ収納室13をガラス管ヒータ14から発したヒータ熱線を少ない回数で反射して被調理物17へと到達するような形状としている。このようにすることによって、ガラス管ヒータ14からのヒータ収納室13の内壁を利用した間接加熱による加熱ムラの低減を実現しつつ、ヒータ熱線の反射回数増加に伴う加熱効率の低下を低減した加熱調理が実現可能となる。
【0038】
さらに、この実施の形態によれば、保護板28の構成材料としてセラミックなど強靭な上に一般的な金属材料と比較して高輻射率な素材を用いることが可能になっている。このような素材で保護板28を構成すれば、熱線通過隙間30から通過するヒータ収納室13内での反射熱線だけでなく、保護板28からの輻射エネルギーも同時に利用することができ、被調理物17の加熱調理を高効率で実現でき、ガラス管ヒータ14を用いて安全性と高効率加熱を同時に実現することが可能となる。
【0039】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器6aのヒータ収納室13aの縦断面構成の一例を示す概略断面図である。図8に基づいて、実施の形態2に係る加熱調理器6aの特徴部分であるヒータ収納室13aについてガラス管ヒータ14から発せられるヒータ熱線とともに説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
【0040】
この実施の形態2では、加熱調理器6aのヒータ収納室13aのヒータ熱線穴27に設置される保護板28aの構成が実施の形態1の保護板28と異なっている。図8に示すように、保護板28aは、その一部を赤外線透過材料31で構成されている。つまり、保護板28aは、ガラス管ヒータ14から発せられたヒータ熱線が被調理物17方向に直接向かう経路の一部を赤外線透過材料31で構成しているのである。赤外線透過材料31の材質としては、たとえば透明なマイカ板等を用いることができる。
【0041】
この実施の形態2によれば、ガラス管ヒータ14と被調理物17との間に位置する保護板28aの一部を赤外線透過材料31で構成することで、ガラス管ヒータ14から放出されるヒータ熱線の一部が保護板28aを透過することになる。そのため、ヒータ収納室13a内における反射から熱線通過隙間30をヒータ熱線が通過する間接加熱だけよりも、加熱ロスが少ない赤外線透過材料31を直接通過するヒータ熱線による併用加熱調理を行なうことが可能となり、安全性を維持したままで、より加熱温度上昇特性の高い加熱調理を実現することが可能となる。
【0042】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器6bのヒータ収納室13bの縦断面構成の一例を示す概略断面図である。図9に基づいて、実施の形態3に係る加熱調理器6bの特徴部分であるヒータ収納室13bについてガラス管ヒータ14から発せられるヒータ熱線とともに説明する。なお、実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明するものとする。
【0043】
この実施の形態3では、加熱調理器6bのヒータ収納室13bのヒータ熱線穴27に設置される保護板28bの構成が実施の形態1の保護板28及び実施の形態2の保護板28aと異なっている。図9に示すように、保護板28bは、ヒータ熱線穴27全体を覆うような大きさで構成されている。つまり、保護板28bの幅をヒータ熱線穴27の幅と同等以上にし、熱線通過隙間30を形成させないようにしているのである。そこで、この実施の形態3では、保護板28bの構成材料を工夫することで、加熱温度上昇特性の高い加熱調理を実現するようにしている。
【0044】
ガラス管ヒータ14から発せられたヒータ熱線は、直接又はヒータ収納室13の内壁面を反射して保護板28bへと到達し、加熱された保護板28bから輻射熱が発生し、被調理物17が加熱調理される。そのため、保護板28bの素材としては、赤外線を透過し易い材料、あるいは、高い輻射率を有する材料が望ましいことになる。たとえば、透明マイカ板のような赤外線透過に優れた材料を多層して強靭化したものや、セラミックのようなガラス管ヒータ14の割れ衝撃に耐え得る強い強度を備える上に輻射率が高いもの、強化ガラス等で保護板28bを構成するとよい。なお、ステンレスのような単純金属材料で保護板28bを構成した場合では、ガラス管ヒータ14の割れ衝撃には強いものの、輻射率が悪いために大きな加熱効率ロスを招くことになる。
【0045】
この実施の形態3によれば、ガラス管ヒータ14が破損した際の破損片を保持して被調理物17への混入を防止するために、熱線通過隙間30が形成されないように保護板28bでヒータ熱線穴27の全部を覆うように固定しているので、ガラス管ヒータ14の破損片が飛散して被調理物17へ混入することは物理上不可能となる。したがって、より高い安全性を維持しながら、ガラス管ヒータ14による加熱温度上昇特性の高い加熱調理を実現するようにしている。
【0046】
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器6cの全体構成を示す概略斜視図である。図10に基づいて、実施の形態4に係る加熱調理器6cの特徴部分であるヒータ収納室13について説明する。なお、実施の形態4では、実施の形態1〜実施の形態3と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1〜実施の形態3との相違点を中心に説明するものとする。また、図10には、加熱調理器6cとともに被調理物17を併せて図示してある。
【0047】
この実施の形態4に係る加熱調理器6cの基本的な構成は、実施の形態1に係る加熱調理器6の構成と同様であるが、ガラス管ヒータ14、ヒータ収納室13c及び保護板28cを1つの部品としてユニット化(ヒータユニット50)してある点で相違している。すなわち、ガラス管ヒータ14、ヒータ収納室13c及び保護板28cをヒータユニット50としておくことによって、加熱調理器6cからヒータユニット50ごとに着脱が可能となり、交換効率を向上させているのである。なお、ヒータ収納室13を図7で示したような形状としてもよい。
【0048】
この実施の形態4によれば、ガラス管ヒータ14の破損時の破損片を確実に保持したのちに、ヒータユニット50ごと交換することができ、交換容易性を高めることができる。これにより、ガラス管ヒータ14の破損時に破損したガラス管ヒータ14のヒータユニット50を交換すれば済み、加熱調理器6c全部を交換する必要がなくなる。また、ガラス管ヒータ14の破損時だけでなく、保護板28c部分に付着した汚れをヒータユニット50ごと取り外して清掃することができるため清掃性及びメンテナンス性が向上する。
【0049】
したがって、保護板28cに付着したふき取りだけでは落とすことが不可能な汚れに関しては、ヒータユニット50ごと交換して加熱効率を容易に復活させることが可能になる。たとえば、蛍光灯のように、このヒータユニット50だけを利用者が容易に購入かつ交換可能にすることができるようになっている。なお、この実施の形態4で説明したヒータユニット50は、実施の形態2に係る加熱調理器6a及び実施の形態3に係る加熱調理器6bにも適用することが可能であることは言うまでもない。
【0050】
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器6dの図2で示したA−A’断面を示す部分断面図である。図11に基づいて、実施の形態5に係る加熱調理器6dの特徴部分について説明する。なお、実施の形態5では、実施の形態1〜実施の形態4と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1〜実施の形態4の相違点を中心に説明するものとする。また、図11には、加熱調理器6dとともに被調理物17を併せて図示してある。
【0051】
両端のヒータユニットは、保護板28を用いずに、ヒータ収納室13を図11のように円弧状に加工し、反射板と保護板28とを兼ねるようにする。これにより、熱線が効率よく取り出され、かつ、ガラス管ヒータ14の回りを囲んでいるため、保護性が向上する。また、保護板28を減らすことができる。さらに、個々のヒータユニットをまとめて一つのユニットを構成し、天井壁7に円弧状のユニット受けを設けることにより、ユニットと本体との組み立て作業を平行して、又は、ユニットの組み立てを事前に分離して行なうことができ、組立効率が向上する。
【0052】
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6に係る加熱調理器6eを正面から見た断面構成を示す概略図である。図12に基づいて、実施の形態6に係る加熱調理器6eの特徴部分であるヒータ収納室13について説明する。なお、実施の形態6では、実施の形態1〜実施の形態5と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1〜実施の形態5の相違点を中心に説明するものとする。また、図12には、加熱調理器6eとともに被調理物17を併せて図示してある。
【0053】
この実施の形態6に係る加熱調理器6eの基本的な構成は、実施の形態1に係る加熱調理器6の構成と同様であるが、ガラス管ヒータ14を調理室12の側方上部に、かつ、調理室12の前後方向に渡るように設けてある点で相違している。すなわち、図12中に破線で示しているように、ガラス管ヒータ14、ヒータ収納室13d及び保護板28dを調理室12の天面に設けるのではなく、ガラス管ヒータ14、ヒータ収納室13d及び保護板28dを調理室12の側方上部に設けているのである。
【0054】
ヒータ収納室13dは、加熱調理器6eを構成する天井壁7と接続固定し、合わせてヒータ熱線のダクトを形成するように構成されている。つまり、ヒータ収納室13dは、調理室12の側方上部の外側に、ガラス管ヒータ14の長さに対応するように構成されているのである。したがって、ヒータ収納室13dは、調理室12に向かって水平方向にヒータ熱線穴27dが形成されるように開口している。そして、保護板28dは、ヒータ熱線穴27dの下側を覆うように立設されている。この保護板28dによって、ヒータの上側に熱線通過隙間30dを形成し、ガラス管ヒータ14からのヒータ熱線が被調理物17に直接照射されないようにしている。
【0055】
ガラス管ヒータ14から発せられたヒータ熱線は、ヒータ収納室13dの内壁面及び天井壁7を反射して熱線通過隙間30dを通過し、被調理物17が加熱調理される。そのため、ヒータ収納室13dの内壁面及び天井壁7は、反射率が高い素材で構成する、もしくは、反射率が高くなるような加工処理を施すことにする。なお、ガラス管ヒータ14は、保護板28の上端部よりも下側に設置されるようになっている。また、2本のガラス管ヒータ14が、加熱調理器6eの前後方向に渡るように設けられている。
【0056】
この実施の形態6によれば、ガラス管ヒータ14を加熱調理器6eの天井部ではなく側方上部に設け、かつ、ガラス管ヒータ14と被調理物17との間に保護板28dを設置するようにしたので、万が一ガラス管ヒータ14が破損して破損片が被調理物17方向に落下・飛散した場合でも、垂直方向に向けて設置された保護板28dにより破損片を確実に保持することができる。すなわち、ガラス管ヒータ14の輻射熱を利用した被調理物17の急速な加熱温度上昇特性を実現しつつ、使用者への安全性を向上させた加熱調理器6eを得ることができるのである。
【0057】
また、ガラス管ヒータ14を加熱調理器6eの側方上部に設けることで、図12の破線で示したように加熱調理器6eの天井部に設けた場合と比較して、調理室12内の高さを向上させることができる。こうすることにより、調理室12の容積を大きく確保することができ、たとえば高さのある被調理物17等の加熱調理を容易に実現することが可能となる。その結果として、設置高さ制限のある加熱調理器(たとえば、図1に示したような加熱調理器6)においても調理メニューの幅が広がり、使用者の利便性を向上することができる。
【0058】
実施の形態7.
図13は、本発明の実施の形態7に係る加熱調理器6fを正面から見た断面構成を示す概略図である。図13に基づいて、実施の形態7に係る加熱調理器6fの特徴部分について説明する。なお、実施の形態7では、実施の形態1〜実施の形態6と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1〜実施の形態6の相違点を中心に説明するものとする。また、図13には、加熱調理器6fとともに被調理物17を併せて図示してある。
【0059】
保護板28dを、保護板の機能を損なうことがない範囲で内側(調理室側)に傾けることにより、熱線の通路(開口部)が広がり、より遠くまでむらなく熱線が届くため、より均一でかつ効率のよい加熱を行なうことができる。
【0060】
以上説明したように、各実施の形態に係る加熱調理器は、ガラス管ヒータ14の輻射熱を利用した被調理物17の急速な加熱温度上昇特性を実現しつつ、使用者への安全性を向上させたものとなる。したがって、各実施の形態に係る加熱調理器は、ガラス管ヒータ14によって被調理物17をおいしくローストすることができるとともに、被調理物17及び使用者へのガラス管ヒータ14の破損片の飛散を防止することができる。なお、各実施の形態に係る加熱調理器がビルトイン型のIHクッキングヒータである場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、たとえば据え置き型の加熱調理器の用途にも適用することができる。また、各実施の形態に係る加熱調理器は、ガラス管ヒータ14の破損時における破片の飛散落下防止に関するものであるため、被調理物17の下側にある下加熱手段に関しては特に問題がないため説明及び図示を省略しているものとする。
【符号の説明】
【0061】
1 加熱調理器本体、1a 操作部、2 加熱コイル、3 加熱プレート、3a 鍋載置部、3b フレーム、3c 吸排気口、3d 表示部、6 加熱調理器、6a 加熱調理器、6b 加熱調理器、6c 加熱調理器、6d 加熱調理器、6e 加熱調理器、6f 加熱調理器、7 天井壁、8 側壁、8a レール、9 底壁、10 扉、11 後方壁、12 調理室、13 ヒータ収納室、13a ヒータ収納室、13b ヒータ収納室、13c ヒータ収納室、13d ヒータ収納室、14 ガラス管ヒータ、16 載置手段、17 被調理物、18 受皿、19 排気口、20 排気ダクト、20a 排気装置、21 石英ガラス管、22 炭素棒、23 不活性ガス、24a 側壁、24b 側壁、25 ヒータ貫通穴、26 ヒータ固定部、27 ヒータ熱線穴、27d ヒータ熱線穴、28 保護板、28a 保護板、28b 保護板、28c 保護板、28d 保護板、29 突起体、30 熱線通過隙間、30d 熱線通過隙間、31 赤外線透過材料、50 ヒータユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収納する調理室と、
下部に開口部が形成され、前記調理室の上方に設けられるヒータ収納室と、
前記ヒータ収納室に設置され、前記被調理物を加熱するヒータと、
前記ヒータ収納室に収納されるヒータの下側を覆うように前記ヒータ収納室の開口部に設置され、前記ヒータ収納室内での落下物を受け止める所定の幅を持った保護部材と、を有し、
前記開口部のうち前記保護部材と前記調理室の天井壁との間に形成される隙間を熱線通過隙間とし、該熱線通過隙間を介して前記ヒータから発せられるヒータ熱線を前記調理室に到達させる
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記ヒータ収納室の前後方向に切断した縦断面形状を前記ヒータ収納室の開口部に向かって拡径させた台形状としている
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記ヒータ収納室の前後方向に切断した縦断面形状を2つの円弧を組み合わせた形状としている
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記ヒータ収納室の内壁面は、
反射率が高い素材で構成されている、もしくは、反射率が高くなるような加工処理が施されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記ヒータ収納室を複数備え、前記保護部材が前記ヒータ収納室の開口部の一部に設置されるものにおいて、
前記保護部材は、
前記ヒータ収納室に収納されるヒータからのヒータ熱線を前記調理室の中心方向に照射可能なように配置される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記保護部材を輻射率の高い材料で構成する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記保護部材が前記ヒータ収納室の開口部の一部に設置されるものにおいて、
前記保護部材の前記ヒータの長さ方向に沿う端部に突起体を設けている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記保護部材の一部を赤外線透過材料で構成する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記保護部材、前記ヒータ収納室及び前記ヒータが1つの部品としてユニット化されている
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の加熱調理器。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−137283(P2012−137283A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−51714(P2012−51714)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2008−283329(P2008−283329)の分割
【原出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】