説明

加飾成形品用シート、加飾成形品及びその製造方法

【課題】 成形品に金属製品類似の高級感、金属光沢、上質感等を付与することができるとともに、製造時の材料選択の範囲を拡大し、傷付きにくく、環境を損なうおそれを抑制できる安価で軽量な加飾成形品用シート、加飾成形品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 加飾成形品用シート1を断面略ハット形に圧空成形してその天井の外周部に加飾用の微細な凹凸模様6を同心円に形成し、加飾成形品用シート1の中空部に樹脂7を内蔵して一体化することにより得られる成形品であり、加飾成形品用シート1を、可撓性を有する光透過性のフィルム層2と、フィルム層2に少なくとも金属薄膜層4が積層して一体化される加飾層3とから形成する。上質感を醸し出す加飾成形品用シート1に凹凸模様6を形成して装飾性を高め、加飾成形品用シート1と樹脂7を一体化して加飾成形品を製造するので、軽量化、作業性の向上、コスト削減を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学機器、通信機器、家電機器、自動車等を構成する成形品に用いられ、金属製品に類似する高級感、上質感、光沢、質感等を付与することのできる加飾成形品用シート、加飾成形品及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光学機器、通信機器、家電機器、自動車等の高級タイプには、所有に基づくユーザの満足感や優越感を満たすため、金属特有の高級感、金属光沢、上質感を求められることがある。これらの高級感、金属光沢、上質感を実現する手段としては、メッキ処理やチタン外装の採用の他、研削加工溝30の形成があげられる。この研削加工溝30は、例えば図8に示すコンパクトカメラ31の円板に形成されたシャッタ蓋32の表面に、同心円に形成されることにより、コンパクトカメラ31に金属特有の高級感、金属光沢、上質感を付与する。
【0003】
このような研削加工溝30を形成する場合には、従来、アルミ等の金属製品に研削加工溝30を実際に形成する方法(特許文献1参照)や金属製品と同形状の成形品を射出成形してその表面にメッキ加工を施す方法が採用されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004‐42142号公報
【特許文献2】特開2003‐183880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
研削加工溝30を形成する従来の方法は、以上のようになされていたので、以下のような問題がある。
先ず、成形品よりも高価な金属製品に研削加工溝30を実際に形成する場合には、質量が大きく、手間もかかり、コスト高を招くという問題がある。
【0005】
また、金属製品と同形状の成形品を成形してその表面にメッキ加工を施す場合には、メッキ加工できる樹脂がABS樹脂等の一部の樹脂に限定されるので、材料選択の幅がきわめて狭くなり、しかも、傷付きやすいという問題がある。さらに、メッキ加工に際し、湿式メッキ方法を採用すると、廃液が環境を損なうおそれが少なくない。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたもので、成形品に金属製品類似の高級感、金属光沢、上質感等を付与することができるとともに、製造の際の材料選択の範囲を拡大し、傷付きにくく、しかも、環境を損なうおそれを抑制することのできる安価で軽量な加飾成形品用シート、加飾成形品及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては上記課題を解決するため、中空部を有する三次元的な形状に熱成形された後、中空部に樹脂が内蔵して一体化されることにより加飾成形品を形成するものであって、
可撓性を有する光透過性の樹脂層と、この樹脂層に少なくとも金属薄膜層が積層(積み重なる)される加飾層とを含み、樹脂層における金属薄膜層の積層領域の少なくとも一部に、加飾用の凹凸模様が形成されることを特徴としている。
【0008】
また、本発明においては上記課題を解決するため、加飾成形品用シートを三次元的な形状に熱成形し、この加飾成形品用シートの中空部に樹脂を内蔵して一体化することにより得られるものであって、
加飾成形品用シートを、可撓性を有する光透過性の樹脂層と、この樹脂層に少なくとも金属薄膜層が積層される加飾層とから形成し、熱成形時に加飾成形品用シートにおける金属薄膜層の積層領域の少なくとも一部に、加飾用の凹凸模様を形成したことを特徴としている。
なお、加飾層を、樹脂層に積層される金属薄膜層と、これら樹脂層と金属薄膜層のいずれか一方に形成される視認可能な色柄層とから形成することができる。
【0009】
また、本発明においては上記課題を解決するため、加飾成形品用シートを三次元的な形状に熱成形してその少なくとも一部に加飾用の凹凸模様を形成し、この加飾成形品用シートの中空部に樹脂を内蔵して一体化する製造方法であって、
加飾成形品用シートを、可撓性を有する光透過性の樹脂層と、この樹脂層に少なくとも金属薄膜層が積層される加飾層とから形成し、この加飾成形品用シートにおける金属薄膜層の積層領域の少なくとも一部と凹凸模様とを重ねることを特徴としている。
【0010】
ここで、特許請求の範囲における中空部を有する三次元的な形状には、少なくとも断面略C字形、U字形、V字形、Ω字形、ハット形等が含まれる。熱成形には、圧空成形(圧縮空気圧成形ともいう)、真空成形、圧空真空成形が含まれる。また、加飾成形品用シートは、少なくとも樹脂層と加飾層とから形成されれば良く、この他に単数複数の接着層や保護層を有していても良い。樹脂層は、プレフォームの有無を特に問うものではなく、透明や半透明のいずれでも良い。
【0011】
加飾層は、光反射性を有する単数複数の金属薄膜層を備えていれば良く、赤、青、緑、黄色、黒等の色彩を有する色柄層や反射層等を有していても良い。加飾用の凹凸模様は、単数複数の凹(溝含む)凸を用いて正面視や平面視等で水玉模様、亀甲繋模様、鱗繋模様、万字繋模様、流紋模様、同心円模様、菱形模様、これらに類似した模様、記号や文字等に形成される。さらに、加飾成形品は、少なくとも光学機器、携帯電話を含む通信機器、キートップを含むOA機器、家電機器、自動車、屋内の装飾体、缶等の全部又は一部として使用される。
【0012】
本発明によれば、加飾層を含む加飾成形品用シートに凹凸模様を予備成形して金属薄膜層の少なくとも一部と凹凸模様とを重ね合わせ、この予備成形された三次元的形状の加飾成形品用シートと樹脂とを一体化して加飾成形品を製造する。こうして製造された加飾成形品は、少なくとも金属薄膜層を下地とした凹凸模様が高級感、金属光沢、上質感等を醸し出すこととなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、成形品に金属製品類似の高級感、金属光沢、上質感等を付与することができるとともに、製造の際の材料選択の範囲を拡大し、環境を損なうおそれを有効に抑制することができるという効果がある。また、成形品に傷が付きにくくすることができる。
【0014】
また、加飾成形品用シートを三次元的な形状に形成する方法として、熱成形法を用いるので、シートの投影面積に比べて薄肉の成形品を得ることができ、しかも、成形圧力が低いので、金型の経費が安価で製作日数の短縮を図ることができる。また、加飾成形品用シートに印刷加工を施すことができるので、多色印刷成形品を得ることが可能になる。
【0015】
さらに、加飾層を、樹脂層に積層される金属薄膜層と、これら樹脂層と金属薄膜層のいずれか一方に形成される視認可能な色柄層とから形成すれば、金属薄膜層と凹凸模様とが醸し出す高級感、金属光沢、上質感等と、色柄層の色彩との相乗効果により、加飾性をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における加飾成形品は、図1ないし図3に示すように、加飾成形品用シート1を断面略ハット形に熱成形してその天井の外周部、換言すれば、最も視認の対象とされる部分に凹凸模様6を同心円に形成し、この加飾成形品用シート1の中空部に樹脂7を内蔵して一体化することにより得られる操作キー10であり、加飾成形品用シート1を、透明のフィルム層2と、このフィルム層2に積層されて凹凸模様6に装飾性を付与する視認可能な加飾層3とから多層構造に形成するようにしている。
【0017】
フィルム層2は、図1に示すように、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル、ABS等の樹脂を使用して可撓性と光透過性を有する薄いフィルムに形成される。このフィルム層2は、10〜500μmの厚さ、好ましくは25〜200μmの厚さに形成される。これは、フィルム層2の厚さが10μm未満の場合には、フィルム層2が薄すぎて高品質の加飾成形品を得ることができないからである。逆に、フィルム層2の厚さが500μmを超える場合には、小型、軽量、薄型の電子機器に対処できないおそれがあり、コストダウンを図ることもできないからである。
【0018】
加飾層3は、図1に示すように、フィルム層2に積層されて擬似金属面を形成する視認可能な金属薄膜層4と、フィルム層2に部分的に形成されてフィルム層2と金属薄膜層4との間に介在する視認可能な色柄層5とを備えて形成される。金属薄膜層4は、例えば操作キー10の天井中心部を除く部分、換言すれば、凹凸模様6の形成部分に薄く形成される。この金属薄膜層4は、例えばAl、In、Ni、Sn、Cr、Ti、Au、Ag、Cu等からなる金属粉を使用した真空蒸着法やスパッタ法により厚さ200〜800オングストローム程度の凹凸の薄膜に形成され、金属特有の金属色を発現させる。
【0019】
金属薄膜層4の形成方法は上記に限定されるものではなく、フィルム層2に転写箔を熱転写することにより形成することもできるし、コスト削減を図りたい場合には、バインダーに上記金属粉を分散させてメタリックインキを調製し、このメタリックインキをスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等することにより簡便かつ安価に形成することもできる。
【0020】
色柄層5は、例えば操作キー10の天井中心部、換言すれば、凹凸模様6の非形成部分に各種の色彩を帯びた模様として形成され、フィルム層2を通じて高級感、上質感、質感等を演出する。この色柄層5は、例えばフィルム層2に透光性インキ等からなる各種インキを使用したスクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法の湿式加工が施されることにより形成される。勿論、色柄層5の形成方法はこれに限定されるものではなく、熱転写シートを用いたホットスタンプ等の熱転写により形成することもできる。また、色柄層5は、フィルム層2に形成することもできるが、金属薄膜層4に形成することも可能である。
【0021】
上記において、加飾成形品用シート1を製造する場合には、透明のフィルム層2に色柄層5をスクリーン印刷等により部分的に形成するとともに、フィルム層2における凹凸模様6の形成予定部分に金属薄膜層4を真空蒸着法等により形成して金属特有の金属光沢を得るようにすれば、加飾成形品用シート1を製造することができる。金属薄膜層4の形成に際しては、フィルム層2の全面に金属薄膜を形成した後、この金属薄膜を部分的にエッチングして金属薄膜層4を形成しても良いし、金属薄膜層4を部分的に蒸着等しても良い。
【0022】
次に、加飾成形品用シート1を使用して加飾成形品である操作キー10を製造する場合には、先ず、製造した加飾成形品用シート1を予備加熱し、この加飾成形品用シート1を金型にセットして圧空成形あるいは真空成形し、加飾成形品用シート1を断面略ハット形の略有底円筒に屈曲形成してその天井の外周部、換言すれば、金属薄膜層4に積層する部分に、加飾用の微細な凹凸模様6を平面視で同心円に形成する(図2、図3参照)。
【0023】
成形方法は、熱成形法であれば、圧空成形法でも真空成形法でも良いが、圧空成形法によれば、真空成形法に比べて成形圧力が高くなり、形状の再現性を向上させ、しかも、深絞りの成形品を得ることができる。また、加飾成形品用シート1のフィルム層2が二軸延伸ポリプロピレンやポリスチレンフィルムの場合には、加熱時に大きな収縮力が作用するが、圧空成形法によれば、係る収縮力に打ち勝って延伸させることができる。
【0024】
加飾用の微細な凹凸模様6は、金型に形成された微細な凹凸模様の転写により形成される。この金型の微細な凹凸模様は、金型に研削加工される凹部、凸部、溝からなり、転写を確実にする観点からJIS B0601‐2001の表面粗さでRa0.5μm以上の粗さが好ましい。
【0025】
加飾成形品用シート1を凹凸模様6付きの操作キー10の形に成形したら、この成形された加飾成形品用シート1の中空部である内部に芯材となる樹脂7を内蔵して加飾層3と一体化すれば、金属薄膜層4に裏打ちされた凹凸模様6付きの操作キー10を製造することができる(図3参照)。樹脂7を内蔵して一体化する方法としては、溶融した熱可塑性樹脂を射出して硬化させる射出成形法、光硬化樹脂を滴下した後に紫外線等の光線を照射して硬化させる方法、硬質の樹脂を嵌合して接着剤により接着する方法等があげられる。
【0026】
射出成形に使用される熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばABS系、AS系、スチレン系、塩化ビニル系、アクリル系、ポリカーボネート、PC/ABS系のアロイ樹脂、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリブテン系、ポリメチルペンテン系、エチレン‐プロピレン系重合系、エチレン‐プロピレン‐ブテン系共重合系、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系の樹脂があげられる。射出成形用の金型には、対応する模様が予め形成される。
【0027】
上記によれば、高価な金属製品に研削加工溝30を時間をかけて実際に形成するのではなく、高級感や上質感を醸し出す加飾層3付きの加飾成形品用シート1を凹凸模様6付きの予備成形品に成形して加飾性をさらに高め、その後、この予備成形品と樹脂7とを一体化して加飾成形品を製造するので、高級感、上質感、光沢、質感等を確保しながら軽量化、作業性の向上、コスト削減を図ることができる。
【0028】
また、成形品の表面にメッキ加工を施す必要が全くないので、製造の際の樹脂材料選択の幅を著しく拡大することができ、傷付きにくい操作キー10を得ることができる。さらに、湿式メッキ法を省略することができるので、廃液が環境を損なうおそれもない。
【0029】
次に、図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、加飾層3の金属薄膜層4に、バックアップ機能を有する耐熱性の保護層8をホットメルトラミネート等の方法により積層し、加飾成形品用シート1の内部に芯材となる樹脂7を射出成形法により一体化するようにしている。
耐熱性の保護層8としては、耐熱性を有する各種の熱可塑性樹脂フィルムが使用される。具体的には、加工性、加飾性、機械的特性に優れるアクリル系、ポリカーボネート系、ABS系の樹脂7フィルムが使用される。
【0030】
保護層8は、25〜500μmの厚さに形成され、ガラス転移温度(Tg)が60〜160℃の範囲とされる。これは、保護層8の厚さが25μm未満の場合には、射出成形の熱に耐えることができず、逆に500μmを超える場合には、射出成形前のプレフォーム時における熱が十分伝わらず、金属薄膜層4にクラックやシワの生じるおそれがあるからである。
【0031】
また、ガラス転移温度(Tg)が60℃未満の場合には、溶融した樹脂7により保護層8が容易に変形損傷し、逆に160℃を超える場合には、射出成形前のプレフォーム時における加熱時間の短縮を図ることができないからである。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0032】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、保護層8が溶融した樹脂7の熱から加飾層3を有効に保護するので、量産化の観点から射出成形法を採用しても、加飾層3にマイクロクラックやシワが生じ、機能しなくなるのを有効に抑制防止することができるのは明らかである。
【0033】
次に、図5ないし図7は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、加飾成形品用シート1を圧空成形あるいは真空成形する際の金型20に、空気の流通路となる複数のエア溝21を形成し、凹凸模様6を複数の矢印記号とするとともに、加飾成形品を携帯電話のナビゲーションボタンとするようにしている。
【0034】
エア溝21は、例えば凹凸模様6を形成する凹部と凹部の間、あるいは凸部と凸部との間に形成されたり、複数の凹部の底にそれぞれ連通形成されており、図示しないバキュームに接続される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、金型20に凹凸模様6と共に複数のエア溝21を穿孔し、空気の吹き込みや排気により加飾成形品用シート1を金型20や加熱板に簡単に密着させることができるので、成形の著しい効率化を図ることができるのは明らかである。
【0035】
なお、上記実施形態ではフィルム層2に加飾層3を積層したが、フィルム層2と加飾層3との間に透明の接着層を介在させ、強固な接着構造を得るようにしても良い。また、金属薄膜層4に保護層8を単に積層したが、保護層8に接着層を接着し、この接着層に射出される樹脂7を接着して強固な接着構造を得るようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る加飾成形品用シートの実施形態における部分的なエッチング前の状態を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る加飾成形品用シート、加飾成形品及びその製造方法の実施形態を示す平面説明図である。
【図3】本発明に係る加飾成形品用シート、加飾成形品及びその製造方法の実施形態を示す断面説明図である。
【図4】本発明に係る加飾成形品用シートの第2の実施形態を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る加飾成形品用シート、加飾成形品及びその製造方法の第3の実施形態を示す平面説明図である。
【図6】図5の断面説明図である。
【図7】本発明に係る加飾成形品の製造方法の第3の実施形態における金型を示す断面説明図である。
【図8】コンパクトカメラのシャッタ蓋に同心円に形成された切削加工溝を示す正面説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 加飾成形品用シート
2 フィルム層(樹脂層)
3 加飾層
4 金属薄膜層
5 色柄層
6 凹凸模様
7 樹脂
8 保護層
10 操作キー(加飾成形品)
20 金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を有する三次元的な形状に熱成形された後、中空部に樹脂が内蔵して一体化されることにより加飾成形品を形成する加飾成形品用シートであって、
可撓性を有する光透過性の樹脂層と、この樹脂層に少なくとも金属薄膜層が積層される加飾層とを含み、樹脂層における金属薄膜層の積層領域の少なくとも一部に、加飾用の凹凸模様が形成されることを特徴とする加飾成形品用シート。
【請求項2】
加飾成形品用シートを三次元的な形状に熱成形し、この加飾成形品用シートの中空部に樹脂を内蔵して一体化することにより得られる加飾成形品であって、
加飾成形品用シートを、可撓性を有する光透過性の樹脂層と、この樹脂層に少なくとも金属薄膜層が積層される加飾層とから形成し、熱成形時に加飾成形品用シートにおける金属薄膜層の積層領域の少なくとも一部に、加飾用の凹凸模様を形成したことを特徴とする加飾成形品。
【請求項3】
加飾層を、樹脂層に積層される金属薄膜層と、これら樹脂層と金属薄膜層のいずれか一方に形成される視認可能な色柄層とから形成した請求項2記載の加飾成形品。
【請求項4】
加飾成形品用シートを三次元的な形状に熱成形してその少なくとも一部に加飾用の凹凸模様を形成し、この加飾成形品用シートの中空部に樹脂を内蔵して一体化する加飾成形品の製造方法であって、
加飾成形品用シートを、可撓性を有する光透過性の樹脂層と、この樹脂層に少なくとも金属薄膜層が積層される加飾層とから形成し、この加飾成形品用シートにおける金属薄膜層の積層領域の少なくとも一部と凹凸模様とを重ねることを特徴とする加飾成形品の製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−281740(P2006−281740A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−108663(P2005−108663)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】