説明

動力伝動用ベルトの製造方法

【課題】切削屑、研削屑、又は研磨屑のようなスクラップの発生を無くし、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面付近に発生するピンホールを阻止し、ベルト走行時における早期の亀裂発生を阻止した動力伝動用ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】圧縮ゴム層となる補強布40と圧縮ゴム用シート55を、突状部と溝状部を交互に設けた成形型41に巻き付けた後に、歯部64と溝部65を交互に設けた押付材66によって加熱下で加圧してコグ部とともに背面61に凹凸パターン面68を有する未加硫のスリーブ60を成形する。凹凸パターン面68をもつスリーブの背面61に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を順次巻き付けてベルト成形体を作製後、該ベルト成形体を加熱加圧して加硫成形する、動力伝動用ベルトの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スノーモービル、スクーター及び一般産業用の変速ベルトとして使用されるローエッジベルト、ローエッジコグドベルトであって、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面付近で亀裂が発生しにくい動力伝動用ベルトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スクーターまたは一般産業用の機械分野の駆動系において、駆動プーリと従動プーリに伝動用ベルトを懸架し、プーリの有効径を変化させて変速させるベルト式変速装置が用いられている。ここで使用されている伝動用ベルトは圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも一方のゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設した構成からなり、ローエッジシングルコグドベルトあるいはローエッジダブルコグドベルトなどのローエッジコグドベルトが知られている。
【0003】
上記ローエッジコグドベルトの製造方法としては、成形金型上に装着した外補強布、伸張ゴム層のゴムシート、心線、圧縮ゴム層のゴムシート、そして内補強布を順次巻き付け、突状部と溝状部を交互に有する円筒状母型を嵌入した後、加硫するもので、加硫時の圧力により内補強布を収縮させて、圧縮ゴム層のゴムシートを型付けする方法が一般的であった。
【0004】
しかし、この方法で作製されたベルトは伸張しやすい傾向があることから、以下の方法が提案された。即ち、予め用意したベルト周長よりも長い平面状の溝付金型の上に未加硫ゴムシートを設置し、プレスにより加熱加圧してコグ形状に型付けしたコグパッドを作製する。このコグパッドを成形ドラム上に装着した円筒状母型の突状部と溝状部に嵌め込み、コグパッドのカット面を突き合わせてジョイントした後、心線を巻き付け、更に他のゴム層、補強布をこの上から巻き付けて成型を終え、加硫していた。(例えば、特許文献1に開示。)
【0005】
更に、他の方法として、圧縮ゴム層の構成材料である補強布やゴムシートを、突状部と溝状部を交互に有する成形型に巻き付け、ジャケットを被せた後に加熱加圧して成形型の突状部と溝状部にコグ部を型付けした未加硫のスリーブを成形した。この未加硫のスリーブの背面には、ゴムが溝状部へ流れ込むためにそれぞれのコグ山部にへこみ部が発生することがあった。へこみ部を残したままでベルトを成形すると、ベルトにピンホールが発生し、亀裂を発生させる原因になっていた。これを除去するためにスリーブの背面を切削、研削、又は研磨加工して平坦に仕上げた後、心線および伸張ゴム層を形成するゴムシートを順次巻き付けてベルト成形体を作製後、加硫していた。(例えば、特許文献2に開示。)
【特許文献1】特開2002−1691号公報
【特許文献2】特開2005−54851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、スリーブの背面に発生したへこみ部を削除するために、背面を切削、研削、又は研磨加工して平坦に仕上げることは、切削屑、研削屑、又は研磨屑のようなスクラップが多量に発生していた。このため、このスクラップの発生を少なくする対策が強く望まれていた。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、切削屑、研削屑、又は研磨屑のようなスクラップの発生を抑え、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面付近に発生するピンホールを無くし、ベルト走行時における早期の亀裂発生を阻止した動力伝動用ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項記載1の発明では、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間に心線を接着ゴム層で埋設し、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面では、接着ゴム層がコグ山部内へ侵入することなく、圧縮ゴム層の構成材料によって充填されている動力伝動用ベルトの製造方法において、
圧縮ゴム層となる材料を、突状部と溝状部を交互に設けた成形型に巻き付けた後に、歯部と溝部を交互に設けた押付材によって加熱下で加圧して、コグ部とともに背面にへこみ部のない凹凸パターン面を有する未加硫のスリーブを成形し、
該凹凸パターン面をもつスリーブの背面に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を巻き付けてベルト成形体を作製後、
ベルト成形体を加熱加圧して加硫成形する、動力伝動用ベルトの製造方法であり、
押付材によって圧縮ゴム層となる材料を局部的に押付ながらコグ部を形成するために背面にへこみ部が発生しなくなり、これによって圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面におけるピンホールの発生を抑制し、ベルトの走行寿命も長くなる。
【0009】
本願請求項記載2の発明では、請求項1においてコグ部とともに背面にへこみ部のない凹凸パターン面を有する未加硫のスリーブを成形した後に、該スリーブの背面に形成した凹凸パターン面を加圧することで平坦面に仕上げ、該スリーブの背面に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を巻き付けてベルト成形体を作製する動力伝動用ベルトの製造方法にあり、特にスリーブの背面に形成した凹凸パターン面を加圧して平坦面に仕上げることにより、更にスリーブの背面でのへこみ部の発生を阻止でき、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面におけるピンホールの発生を抑制し、ベルトの走行寿命も長くなる。
【0010】
本願請求項記載3の発明では、請求項2においてスリーブの背面に形成したへこみ部のない凹凸パターン面をジャケットで加圧して平坦面に仕上げる動力伝動用ベルトの製造方法であり、これにより均一に背面を加圧してへこみ部の発生を阻止できる。
【0011】
本願請求項記載4の発明では、圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間に心線を接着ゴム層で埋設し、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面では、接着ゴム層がコグ山部内へ侵入することなく、圧縮ゴム層の構成材料によって充填されている動力伝動用ベルトの製造方法において、
圧縮ゴム層となる材料を、突状部と溝状部を交互に設けた成形型に巻き付けた後に、加熱加圧してコグ部とともに背面にへこみ部を有する未加硫のスリーブを成形し、
スリーブの背面を局部的に加圧してへこみ部を押し潰して凹凸パターンにし、
凹凸パターンになったスリーブの背面に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を順次巻き付けてベルト成形体を作製後、
ベルト成形体を加熱加圧して加硫成形する、
ことを特徴とする動力伝動用ベルトの製造方法にある。この発明では、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面におけるピンホールが生じなくなり、また心線の配列を正しく維持することができる。
【0012】
本願請求項記載5の発明では、請求項4においてへこみ部を有するスリーブの背面を歯部と溝部を交互に設けた押付材によって局部的に加圧し、へこみ部を押し潰して凹凸パターンを形成する動力伝動用ベルトの製造方法にある。
【0013】
本願請求項記載6の発明では、請求項4においてリーブの背面を局部的に加圧してへこみ部を押し潰して凹凸パターンにした後、更にスリーブの背面に形成した凹凸パターン面を加圧することで平坦面に仕上げ、該スリーブの背面に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を順次巻き付けてベルト成形体を作製する動力伝動用ベルトの製造方法にあり、これによって圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面におけるピンホールが生じなくなり、また心線の配列を正しく維持することができる。
【発明の効果】
【0014】
また、本発明の動力伝動用ベルトの製造方法では、押付材によって圧縮ゴム層となる材料を局部的に押付ながらコグ部を形成するために背面にへこみ部が発生しなくなり、これによって圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面におけるピンホールの発生を抑制し、ベルトの走行寿命も長くなる。また、接着ゴムシートが心線の締付力と加熱時の塑性流動によって圧縮ゴム層の凹凸パターン面に形成された凹部やボイドに充填するために、ピンホールの発生を抑制することができる。
【0015】
また、本発明の動力伝動用ベルトの製造方法では、成形型上でコグ部とともに背面にへこみ部を有する未加硫のスリーブを成形し、更にスリーブの背面を局部的に加圧して該へこみ部を確実に押し潰すことができ、これで圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面でのピンホールの発生を抑制し、また心線の並びを維持してベルト走行時における早期の亀裂発生を阻止することができる。更には、スリーブの背面に形成された凹凸パターンを押圧することで平坦面に仕上げることもでき、これでより確実に圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面におけるピンホールの発生を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1は本発明方法によって得られた動力伝動用ベルトの部分正面図である。
動力伝動用ベルト1は、上下部接着ゴム層2a、2b内にコードからなる心線3が埋め込まれ、上部接着ゴム層2aの上部位置にはゴム層5aからなる伸張ゴム層6、下部接着ゴム層2bの下部位置には補強布4とゴム層5bを積層した圧縮ゴム層7がある。伸張ゴム層6および圧縮ゴム層7には、それぞれ一定ピッチでベルト長手方向に沿ってコグ谷部8(8a)とコグ山部9(9b)とを交互に配した上下コグ部11、12が設けられている。尚、伸張ゴム層6にも、補強布4を積層してもよい。
【0017】
そして、圧縮ゴム層7のコグ山部9と下部接着ゴム層2bとの界面13は、凹凸が少なく比較的平坦面で、下部接着ゴム層2bがコグ山部9内へ侵入することなく、下部接着ゴム層2bの厚みがベルト全周囲にわたってほぼ均一な厚みになっている。また、圧縮ゴム層7の構成材料であるゴム組成物によって充填されているためにピンホール等のボイド発生が無くなり、ベルト走行時に亀裂の発生を軽減している。
【0018】
図1に示すベルトの形状は、伸張ゴム層6の頂部14から心線3の上端Pまでの距離をLとしたとき、伸張ゴム層6の頂部14からLの90〜100%に相当する境界位置Uまでの領域を伸張ゴム層6の頂部14に対して直角カット面に、そして上記境界位置Uから圧縮ゴム層の底面にかけてバイアスカット面になっている。バイアスカット面の角度は20〜60度であり、広角度ベルトも含まれる。無論、ベルト側面の形状は、バイアスカット面のみであってもよい。
【0019】
心線3としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維が使用され、中でもエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維フィラメント群を撚り合わせた総デニール数が4,000〜8,000の接着処理したコードが、ベルトスリップ率を低くでき、ベルト寿命を延長させるために好ましい。このコードの上撚り数は10〜23/10cmであり、また下撚り数は17〜38/10cmである。総デニールが4,000未満の場合には、心線のモジュラス、強力が低くなり過ぎ、また8,000を越えると、ベルトの厚みが厚くなって、屈曲疲労性が悪くなる。
【0020】
上記圧縮ゴム層7および伸張ゴム層6に使用するゴムとしては、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用される。
【0021】
そして、上記圧縮ゴム層7に使用される短繊維としては、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の繊維からなり繊維の長さは繊維の種類によって異なるが1〜10mm程度である。例えば、アラミド繊維であると3〜5mm程度、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿であると5〜10mm程度のものが用いられる。そして、上記ゴム層中の短繊維の方向はベルトの長手方向に対して直角方向を向いているのを90°としたときほとんどの短繊維が70〜110°の範囲内に配向されている。伸張ゴム層6には、短繊維16を含めなくてもよい。また、接着ゴム層2a、2bには、上記短繊維を含めてもよいが、心線3との接着を考慮すると含めない方がよい。
【0022】
補強布4は綿、ポリエステル繊維、ナイロン等を素材とした平織、綾織、朱子織等に製織した布であって、経糸と緯糸との交差角が90〜120°程度の帆布である。補強布4はRFL処理した後、ゴム組成物をフィリクション・コーチングしてゴム付帆布とする。
【0023】
RFL液はレゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBRなどである。
【0024】
(製造方法1)
以下に、図1に示す動力伝動用ベルト1の製造方法の一例に示す。
図2は動力伝動用ベルト1の製造方法の一例であって突状部と溝状部を交互に設けた成形型上で補強布を型付している。
【0025】
即ち、図2に示すように補強布40の型付けでは、ゴム糊であるゴム系接着剤を成形型41(金型に円筒状母型を装着したもの)の突状部42の表面にスプレー、刷毛、ローラー等で塗布した後、接着処理済みもしくは未処理の補強布40を引き出して突状部42の表面に載置する。ピニオンロール50を落下させて歯部52が成形型41の溝状部43に入っていることを確認した後、成形型41を回転させて前方突状部42aに位置する補強布40をピニオンロールの底面51で押圧し、続いてピニオンロール50の歯部52を成形型41の溝状部43に噛合わせて歯部先端面44を成形型41の溝状部底面45に当接して押圧変形する。ピニオンロール50は成形型41の回転とともに回転する。
【0026】
そして、隣接する後方突状部42bにある補強布40を隣接する他のピニオンロールの底面51で押圧することにより補強布40を伸張させずに無理なく1つの溝状部43に沿わせ、これを順次繰り返して補強布40を成形型41の全周囲に密着するように型付けする。本実施例の場合、ピニオンロール50の1つの歯部52が成形型41の溝状部43に入っているとき、他のピニオンロール50の歯部52が補強布40を押付けしないために、補強布40が突っ張ったり、浮いたりすることはない。これを繰り返しながらモールド41の全表面に1〜4プライまで被覆する。そして、補強布40の終端はカッターにより切断して、成形型41に貼着する。
【0027】
尚、補強布40の型付けでは、上記のようなピニオンロールを用いる必要はなく、溝状部に嵌合するロッドを使用してもよい。
【0028】
ここで使用するゴム系接着剤は、各種のゴム配合物をメチルエチルケトン(MEK)、トルエン等の溶剤に溶解し、混合して得られたものであり、補強布40のモールド41面への密着をよくする。
【0029】
続いて、図3に示すように、予め圧縮ゴム層を形成する未加硫で所定厚みの圧縮ゴム用シート55の両端面を厚み方向に傾斜したカット(通常ベベカットともいう)したものを、上記補強布40を型付けした成形型41に巻き付けてカット面を突合せ、カット面の表面を加圧治具(図示せず)で軽く押圧してジョイントした後、加熱プレス(図示せず)を用いて加熱加圧してジョイント部58を形成する。加熱加圧条件は温度が80〜120℃、面圧が1〜2kg/cm、時間が10〜30秒である。ジョイントの位置は通常成形型41の溝状部43で行う。突状部42にジョイントの位置がくると、ベルトコグ谷部にジョイントがくるため、割れが発生しやすくなる。
【0030】
上記圧縮ゴム用シート55の表面に離型材56であるポリメチルペンテンあるいはポリエチレンテレフタレートからなる耐熱性、離型性に優れる樹脂フィルムまたは離型紙を1プライ巻き付け重ね合わせて接合し、その上に歯部64と溝部65を交互に設けた押付材66によって包囲する。押付材66はシート体や筒状体であり、例えば歯付ベルト、または内面に溝を設けたゴム製のジャケットが適用される。尚、押付材66はゴム製のジャケット57と一体化したゴム製筒状体であってもよい。
【0031】
続いて、圧縮ゴム用シート55の型付け工程へ移行する。このゴムシート型付け工程は、例えば加硫缶を使用することができる。この場合、押付材66の外側に蒸気遮断材であるゴム製のジャケット57を被せた後、成形型41を加硫缶へ設置し、温度160〜180℃、外圧0.1〜0.9MPaのみで5〜10分程度型付けし、図4に示すようにコグ部59を有する未加硫のスリーブ60を形成する。加硫缶で型付けしても、スリーブ60のジョイント部58の割れは起こらない。無論、型付けは加硫缶でなく、圧縮ゴム用シート55の外側を加圧バンド、プレス方式等によって加熱、加圧してもよいことは言うまでもない。
【0032】
未加硫のスリーブ60は、図4に示すように加熱、加圧された圧縮ゴム用シート55が溝状部43へ流れ込むときに、押付材66の歯部64で局部的に押圧されるために、背面61から深く入り込んだへこみ部が形成されることがなく、またベルト内にピンホールが発生する可能性も極めて小さい。背面61には、押付材66の歯部64と溝部65によって小さな筋状の凹凸パターン面68が形成されるが、この凹凸パターン面68の段差は0.2〜2.5mmであり、この程度であれば、背面61をあえて平坦にしなくてもよい。しかし、段差が2.5mmを超えると、背面61を平坦面に仕上げる必要があるが、逆に0.2mm未満になると背面61への押圧が不足してへこみ部が発生する可能性がある。
【0033】
凹凸パターン面68の段差が2.5mmを超える場合には、図5に示すように再度ゴム製の円筒状ジャケット67aを被せて加硫缶に設置し、温度160〜180℃、外圧0.8〜0.9MPaのみで5〜10分程度加圧する。スリーブの背面61には平坦面に仕上がった未加硫の圧縮ゴム層70が形成される。
【0034】
図4または図5に示す方法によって作製された圧縮ゴム層70の背面にはベルト成形体が作製される。図6は型付けした圧縮ゴム層70の背面にベルト成形体を完成させる状態を示すものであり、成形型41を成形機(図示せず)に装着し、コードからなる心線71を圧縮ゴム層70(スリーブ60の背面61)上にスパイラルに巻き付けた後、接着ゴム層を形成する接着ゴムシート72、伸張ゴム層を形成する伸張ゴムシート73、上面補強布74、そして空気抜き材75を順次巻き付けてベルト成形体76を作製する。そして、成形機から取り出した成形型41を支持台上に設置して円筒状母型77を嵌入する。円筒状母型77の突状部78と溝状部79の表面には、ナイロン等の織物が被覆されている。
【0035】
ここで使用する空気抜き材75は離型材56と同様にポリメチルペンテンあるいはポリエチレンテレフタレートからなる耐熱性、離型性に優れる樹脂フィルムである。しかし、空気抜き材75を必ず使用する必要はない。
【0036】
成形型41を加硫缶へ移して通常の方法で加硫を行う。加硫した後、円筒状母型77、続いて円筒状のベルトスリーブを成形型41から抜き取る。
【0037】
上面補強布74の表面に巻付けた空気抜き材75は、コグ山部成形時における空気の滞留を抑えて流れをよくしてコグ山形状を正確に成形する。
【0038】
次に、ベルトスリーブをマントルに装着し、カッターにより所定幅にバイアスに切断してコグドベルト1を作製する。また、ベルトスリーブを所定幅に直角カットし、矩形断面をもつ単一のベルトに仕上げ、これを2軸のプーリに装着して回転させながら境界位置U
から圧縮ゴム層の底面までのベルト側面を一対のカッターによってバイアスにカットしてリング屑を除去して動力伝動用ベルト1に仕上げることができる。
【0039】
(製造方法2)
以下に、図1に示す動力伝動用ベルト1の他の製造方法を示す。まず、最初に補強布40の型付け工程、続いてゴムシートの型付け工程を行う。補強布の型付け工法は前述の製造方法1と同じである。
【0040】
図7に示すように、予め圧縮ゴム層を形成する未加硫で所定厚みの圧縮ゴム用シート55の両端面を厚み方向に傾斜したカット(通常ベベカットともいう)したものを、上記補強布40を型付けした成形型41に巻き付けてカット面を突合せた後、カット面の表面を加圧治具(図示せず)で軽く押圧してジョイントした後、加熱プレス(図示せず)を用いて加熱加圧してジョイント部58を形成する。加熱加圧条件は温度が80〜120℃、面圧が1〜2kg/cm、時間が10〜30秒である。ジョイントの位置は通常成形型41の溝状部43で行う。突状部42にジョイントの位置がくると、ベルトコグ谷部にジョイントがくるため、割れが発生しやすくなる。
【0041】
上記圧縮ゴム用シート55の表面に離型材56であるポリメチルペンテンあるいはポリエチレンテレフタレートからなる耐熱性、離型性に優れる樹脂フィルムまたは離型紙を1プライ巻き付け重ね合わせて接合し、圧縮ゴム用シート55の型付け工程へ移行する。
【0042】
ゴムシート型付け工程は、例えば加硫缶を使用することができる。この場合、離型材56の外側に蒸気遮断材である平坦な内周面を有するゴム製のジャケット57を被せた後、成形型41を加硫缶へ設置し、温度160〜180℃、外圧0.8〜0.9MPaのみで5〜10分程度型付けし、図8に示すようにコグ部59を有する未加硫のスリーブ60を形成する。加硫缶で型付けしても、スリーブ60のジョイント部58の割れは起こらない。無論、型付けは加硫缶でなく、圧縮ゴム用シート55の外側を加圧バンド、プレス方式等によって加熱、加圧してもよいことは言うまでもない。
【0043】
図8に示すように、加熱、加圧された圧縮ゴム用シート55が溝状部43へ流れ込むときに未加硫のスリーブ60の背面61から深く入り込んだへこみ部62が形成される。尚、この図面では離型材を図示していない。これを放置したままでベルトを成形すると、ベルト内にピンホールとして残存し、ベルト走行時における早期亀裂を発生させる核になる。
【0044】
これを回避するために、図9に示すように、離型材56を装着したままの状態で、その上に歯部64と溝部65を交互に設けた押付材66を包囲し、その外側に前記同様のゴム製のジャケット67を被せて加硫缶に設置し、温度160〜180℃、外圧0.1〜0.9MPaのみで5〜10分程度、スリーブの背面61を局部的に押圧してへこみ部62を押し潰して内部にボイドのないソリッドな状態に仕上げる。尚、図9では離型材56を図示していない。
【0045】
押付材66は歯部64と溝部65を交互に有するシート体や筒状体であり、例えば歯付ベルト、または内面に溝を設けたゴム製のジャケット、即ち押付材66とゴム製のジャケット67とを一体化したものを使用することもできる。
【0046】
スリーブの背面61には、製造方法1の図4に示すように押付材66の歯部64によって小さな筋状の凹凸パターン68が形成されるが、このパターンの段差は0.2〜2.5mmであり、2.5mmを超えると、背面61を平坦面に仕上げる必要があるが、逆に0.2mm未満になると背面61への押圧が不足してへこみ部62がベルトに残存する傾向がある。
【0047】
尚、背面61を平坦面に仕上げる必要がある場合には、製造方法1の図5に示すように再度ゴム製の円筒状ジャケット67aを被せて加硫缶に設置し、温度160〜180℃、外圧0.8〜0.9MPaのみで5〜10分程度加圧して、スリーブの背面61を平坦面に仕上げることもできる。
【0048】
そして、製造方法1の図6に示すように型付けした圧縮ゴム層70の表面にベルト成形体を作製し、これを製造方法1と同じ方法でカットして動力伝動用ベルトを作製する。
【実施例】
【0049】
実施例1
心線として、1,500デニールのアラミド繊維(商品名:トワロン)を上撚り数19.7回/10cm、下撚り数15.8回/10cmで上下逆方向に撚糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール9,000の未処理コードを準備した。次いで、この未処理コードをイソシアネート系接着剤でプレディプした後、約170〜180°Cで乾燥し、RFL液に浸漬した後、200〜240°Cで延伸熱固定処理を行なって処理コードとした。
【0050】
補強布として、アラミド繊維(商品名:トワロン)とポリエチレンテレフタレート繊維を重量比で50:50の混撚糸を使用したワイドアングルの平織帆布を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した後、150°Cで2分間熱処理して処理帆布とした。その後、これらの処理帆布にゴム組成物をフリクション・コーチングしてゴム付帆布とした。
【0051】
圧縮ゴム層と伸張ゴム層はアラミド短繊維(ゴム100重量部に対して25重量部)を含んだクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用い、また接着ゴム層は短繊維を含まないクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用いた。
【0052】
突状部と溝状部を交互に有する円筒状母型を断面真円の型の装着した成形型を支軸に設置し、クロロプレンゴム組成物をメチルエチルケトンで溶かしたゴム糊を突状部の表面に吹き付けて塗装した。そして、補強布を成形金型とピニオンロールの間に挟み込み、成形金型とピニオンロールを同期回転しながら型付けしながら1プライ積層した。
【0053】
続いて、端面をバイアスにカットした圧縮ゴムシートを成形金型の補強布の上に巻き付けては端面を突き合わせ、ジョイント部をステッチャーで軽く接合した後、更に加熱プレス(温度100℃、面圧1〜2kg/cm、15秒間)を用いて接着した。
【0054】
その後、厚さ0.05mmのポリメチルペンテンフィルム(離型材)を圧縮ゴムシートの表面に1プライ巻き付け、更に歯部と溝部を交互に有する押付材(S3Mの広幅の歯付ベルト)を包囲し、その外側にゴム製のジャケットを被せて加硫缶に設置し、加熱加圧条件(温度170℃、外圧0.8MPaのみで7分程度)によって圧縮ゴムシートを円筒状母型の突状部と溝状部へ型付けし、へこみ部の存在しない凹凸パターン面を有する背面とコグ部を有する未加硫のスリーブを作製した。
【0055】
更に、未加硫のスリーブの背面(圧縮ゴム層の表面)上に、心線、接着ゴムシート、伸張ゴムシート、補強布、を順次巻き付けてベルト成形体を作製し、突状部と溝状部を交互に有する円筒状母型とジャケットを順次被せて成形型を加硫缶に設置し、通常の条件で加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターによってV状に切断してスクーター用のコグドベルトに仕上げた。
【0056】
得られたベルトにおける圧縮ゴム層のコグ山部と下部接着ゴム層との界面は、凹凸がなく平坦面になり、また下部接着ゴム層がコグ山部内へ侵入することなく、下部接着ゴム層の厚みがベルト全周囲にわたってほぼ均一な厚みになっていた。更に、肉眼で観察しても圧縮ゴム層ではゴム組成物によって充填されているためにピンホール等のボイド発生は見られなかった。
【0057】
実施例2
実施例1と同様の心線、補強布、圧縮ゴム層、伸張ゴム層、そして接着ゴム層を用い、そして実施例1と同様に補強布を成形金型に型付けし、圧縮ゴムシートを成形金型の補強布の上に巻き付け、その後に厚さ0.05mmの離型紙を1プライ巻き付けた。
【0058】
更に、離型紙の外側に歯部と溝部を交互に有するゴム製母型(幅広の歯付ベルト)を包囲し、その外側に前記同様のゴム製のジャケットを被せて加硫缶に設置し、加熱加圧条件(温度170℃、外圧0.8Mpaのみで7分程度)で、スリーブの背面を局部的に押圧して内部にボイドのないソリッドな状態にした。該スリーブの背面には、パターン面の段差が約3mm程度の凹凸パターン面を有していた。
【0059】
再度、ゴム製のジャケットを被せて加硫缶に設置し、加熱加圧条件(温度170℃、外圧0.8Mpaのみで7分程度)で加圧すると、スリーブの背面の凹凸パターン面がなくなって平坦な面に仕上がり、未加硫の圧縮ゴム層が形成された。
【0060】
更に、実施例1と同様に圧縮ゴム層の上に、心線、接着ゴムシート、伸張ゴムシート、補強布、を順次巻き付けてベルト成形体を作製し、突状部と溝状部を交互に有する円筒状母型とジャケットを順次被せて成形型を加硫缶に設置し、通常の条件で加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターによってV状に切断してスクーター用のコグドベルトに仕上げた。
【0061】
得られたベルトにおける圧縮ゴム層のコグ山部と下部接着ゴム層との界面は、凹凸がなく平坦面になり、また下部接着ゴム層がコグ山部内へ侵入することなく、下部接着ゴム層の厚みがベルト全周囲にわたってほぼ均一な厚みになっていた。更に、肉眼で観察しても圧縮ゴム層ではゴム組成物によって充填されているためにピンホール等のボイド発生は見られなかった。
【0062】
実施例3
心線として、1,500デニールのアラミド繊維(商品名:トワロン)を上撚り数19.7回/10cm、下撚り数15.8回/10cmで上下逆方向に撚糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール9,000の未処理コードを準備した。次いで、この未処理コードをイソシアネート系接着剤でプレディプした後、約170〜180°Cで乾燥し、RFL液に浸漬した後、200〜240°Cで延伸熱固定処理を行なって処理コードとした。
【0063】
補強布として、アラミド繊維(商品名:トワロン)とポリエチレンテレフタレート繊維を重量比で50:50の混撚糸を使用したワイドアングルの平織帆布を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した後、150°Cで2分間熱処理して処理帆布とした。その後、これらの処理帆布にゴム組成物をフリクション・コーチングしてゴム付帆布とした。
【0064】
圧縮ゴム層と伸張ゴム層はアラミド短繊維(ゴム100重量部に対して25重量部)を含んだクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用い、また接着ゴム層は短繊維を含まないクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用いた。
【0065】
突状部と溝状部を交互に有する円筒状母型を断面真円の型の装着した成形型を支軸に設置し、クロロプレンゴム組成物をメチルエチルケトンで溶かしたゴム糊を突状部の表面に吹き付けて塗装した。そして、補強布を成形金型とピニオンロールの間に挟み込み、成形金型とピニオンロールを同期回転しながら型付けしながら1プライ積層した。
【0066】
続いて、端面をバイアスにカットした圧縮ゴムシートを成形金型の補強布の上に巻き付けては端面を突き合わせ、ジョイント部をステッチャーで軽く接合した後、更に加熱プレス(温度100℃、面圧1〜2kg/cm、15秒間)を用いて接着した。
【0067】
その後、厚さ0.05mmのポリメチルペンテンフィルム(離型材)を圧縮ゴムシートの表面に1プライ巻き付け、更にゴム製のジャケットを被せて、その状態で加硫缶に入れ、加熱加圧条件(温度170℃、外圧0.8MPaのみで7分程度)によって圧縮ゴムシートを円筒状母型の突状部と溝状部へ型付けした。
【0068】
離型材の外側に歯部と溝部を交互に有する押付材(S3Mの広幅の歯付ベルト)を包囲し、その外側に前記同様のゴム製のジャケットを被せて加硫缶に設置し、加熱加圧条件(温度170℃、外圧0.8MPaのみで7分程度)で、スリーブの背面を局部的に押圧してへこみ部を押し潰して内部にボイドのないソリッドな状態にした。
【0069】
そして、未加硫の圧縮ゴム層(未加硫のスリーブ)の背面上に、心線、接着ゴムシート、伸張ゴムシート、補強布を順次巻き付けてベルト成形体を作製し、突状部と溝状部を交互に有する円筒状母型とジャケットを順次被せて成形型を加硫缶に設置し、通常の条件で加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターによってV状に切断してスクーター用のコグドベルトに仕上げた。
【0070】
得られたベルトにおける圧縮ゴム層のコグ山部と下部接着ゴム層との界面は、凹凸がなく平坦面になり、また下部接着ゴム層がコグ山部内へ侵入することなく、下部接着ゴム層の厚みがベルト全周囲にわたってほぼ均一な厚みになっていた。更に、肉眼で観察しても圧縮ゴム層ではゴム組成物によって充填されているためにピンホール等のボイド発生は見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の製造方法によって得られた動力伝動用ベルトの部分正面図である。
【図2】本発明に係る製造工程であって成形型上で補強布を型付している状態を示す工程である。
【図3】本発明に係る製造工程であって圧縮ゴム用シートを成形型に巻き付けて未加硫のスリーブを作製する前の工程を示す。
【図4】作製した未加硫のスリーブの断面を示す。
【図5】本発明に係る製造工程であってスリーブの背面を平坦な面に仕上げる前の工程を示す。
【図6】本発明に係る製造工程であって型付けした未加硫のスリーブ(圧縮ゴム層)の背面にベルト成形体を作製する工程を示す。
【図7】他の製造方法であって圧縮ゴム用シートを成形型に巻き付けて加熱加圧する前の工程を示す。
【図8】他の製造方法であって圧縮ゴム用シートを加熱加圧して成形型の突状部と溝状部に密着し型付けして未加硫のスリーブを成形した工程を示す。
【図9】他の製造方法であってスリーブの背面を局部的に押圧してへこみ部を押し潰した工程を示す。
【符号の説明】
【0072】
1 動力伝動用ベルト
2a 上部接着ゴム層
2b 下部接着ゴム層
3 心線
6 伸張ゴム層
7 圧縮ゴム層
40 補強布
41 成形型
55 圧縮ゴム用シート
60 未加硫のスリーブ
61 背面
62 へこみ部
66 押付材
68 凹凸パターン面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間に心線を接着ゴム層で埋設し、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面では、接着ゴム層がコグ山部内へ侵入することなく、圧縮ゴム層の構成材料によって充填されている動力伝動用ベルトの製造方法において、
圧縮ゴム層となる材料を、突状部と溝状部を交互に設けた成形型に巻き付けた後に、歯部と溝部を交互に設けた押付材によって加熱下で加圧して、コグ部とともに背面にへこみ部のない凹凸パターン面を有する未加硫のスリーブを成形し、
該凹凸パターン面をもつスリーブの背面に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を巻き付けてベルト成形体を作製後、
ベルト成形体を加熱加圧して加硫成形する、
ことを特徴とする動力伝動用ベルトの製造方法。
【請求項2】
コグ部とともに背面にへこみ部のない凹凸パターン面を有する未加硫のスリーブを成形した後に、該スリーブの背面に形成した凹凸パターン面を加圧することで平坦面に仕上げ、該スリーブの背面に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を巻き付けてベルト成形体を作製する請求項1記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
【請求項3】
スリーブの背面に形成したへこみ部のない凹凸パターン面をジャケットで加圧して平坦面に仕上げる請求項2記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
【請求項4】
圧縮ゴム層と伸張ゴム層との間に心線を接着ゴム層で埋設し、圧縮ゴム層のコグ山部と接着ゴム層との界面では、接着ゴム層がコグ山部内へ侵入することなく、圧縮ゴム層の構成材料によって充填されている動力伝動用ベルトの製造方法において、
圧縮ゴム層となる材料を、突状部と溝状部を交互に設けた成形型に巻き付けた後に、加熱加圧してコグ部とともに背面にへこみ部を有する未加硫のスリーブを成形し、
スリーブの背面を局部的に加圧してへこみ部を押し潰して凹凸パターンにし、
凹凸パターンになったスリーブの背面に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を順次巻き付けてベルト成形体を作製後、
ベルト成形体を加熱加圧して加硫成形する、
ことを特徴とする動力伝動用ベルトの製造方法。
【請求項5】
へこみ部を有するスリーブの背面を歯部と溝部を交互に設けた押付材によって局部的に加圧し、へこみ部を押し潰して凹凸パターンを形成する請求項4記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
【請求項6】
スリーブの背面を局部的に加圧してへこみ部を押し潰して凹凸パターンにした後、更にスリーブの背面に形成した凹凸パターン面を加圧することで平坦面に仕上げ、該スリーブの背面に少なくとも心線および伸張ゴム層となる材料を順次巻き付けてベルト成形体を作製する請求項4記載の動力伝動用ベルトの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−251537(P2011−251537A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170668(P2011−170668)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【分割の表示】特願2006−122830(P2006−122830)の分割
【原出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】