説明

動物害虫を駆除するための3−アミノ−1,2−ベンゾイソチアゾール化合物

動物害虫を駆除するための-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。本発明は、式(I)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびnは明細書で定義した通りである)で表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物に関する。本発明は、式Iで表される殺虫化合物、およびその異性体イミノ誘導体、ならびにそのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび塩と、かかる化合物を含む組成物に関する。また本発明は、動物害虫の駆除するための3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物、その塩、またはそれらを含む組成物の使用に関する。さらに本発明は、かかる化合物の施用方法にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物、およびその異性体イミノ誘導体、ならびにそのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび塩、さらにかかる化合物を含む組成物に関する。また本発明は、動物害虫を駆除するための3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物、その塩、またはそれらを含む組成物の使用に関する。またさらに、本発明はかかる化合物の施用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動物害虫類は、栽培中および収穫済みの作物に被害を与え、また、木造住宅および商業建築物を襲い、食糧や所有物に多大な経済的損失をもたらす。多くの殺虫剤(pesticidal agents)が知られているが、標的害虫が前記薬剤に対して耐性をつける能力を持つことから、引き続き、動物害虫類を駆除する新規薬剤が必要とされている。特に、昆虫およびダニ類(acaridae)などの動物害虫類は効果的に防除するのが困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、とりわけ、防除が困難な昆虫およびダニ類に対して良好な殺虫活性を有する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの目的が、一般式I:
【化1】

【0005】
(式中、
nは、0、1または2であり;
R1は、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C2-C6-ハロアルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-ハロシクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシから選択され、この場合、前記の基は非置換であってもよく、あるいは、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ、アミノカルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、C3-C8-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1、2または3個の基を有していてもよく、フェニルについては、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、互いに独立して、CN、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびC1-C4-ハロアルコキシからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基を有していてもよく;
R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、C1-C6-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、アミノ、(C1-C4-アルキル)アミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ、アミノカルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、スルホニル、スルホニルアミノ、スルフェニルアミノ、スルファニルアミノおよびC(=O)-R2aまたはC(=O)-R3aまたはC(=O)-R4aからなる群から選択され、
この場合、R2aまたはR3aまたはR4aは、水素、ヒドロキシ、C1-C6-アルコキシ、アミノ、C1-C6-アルキル、アリール、アリール-C1-C6-アルキル、(C1-C6-アルキル)-アミノ、ジ-(C1-C6-アルキル)-アミノ、3員〜7員のヘテロアリールまたはヘテロアリール-C1-C4-アルキルからなる群から選択され、ここで、ヘテロアリール環は、窒素、酸素、硫黄、基SO、SO2またはNR2bまたはNR3bまたはNR4bからなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を環員として含んでおり、またここで、R2bまたはR3bまたはR4bは、水素、C1-C6-アルキルまたは(C1-C6-アルキル)-カルボニルであり;
R5は、水素、OR5a、C1-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、アリール-C1-C4-アルキル、ヘタリール-C1-C4-アルキル、ヘテロシクリル-C1-C4-アルキルからなる群から選択され、この場合、これらの基は非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルコキシ、C1-C10-ハロアルキルチオ、(C1-C10-アルコキシ)カルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、(C1-C10-アルキル)アミノ、ジ-(C1-C10-アルキル)アミノ、C3-C10-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1〜4個の基を有していてもよく、フェニルについては、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよく、
この場合、R5aは、水素、C1-C10-アルキル、C1-C10-アシル、C3-C10-シクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-アルキニル、アリール、アリール-C1-C4-アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール-C1-C4-アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル-C1-C4-アルキルから選択され、またここで、すべての基は、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノおよびC3-C8-シクロアルキルからなる群から選択される1、2または3個の基を有していてもよい)
で表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール誘導体、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー(distereomer)もしくは塩(但し、nが0である場合、R5は水素ではない)により解決されることを見出した。
【0006】
また式Iは、以下の2つの異性体である式:
【化2】

【0007】
によって表わすこともできる。
【0008】
置換のパターンに応じて、式Iで表される化合物は1個または複数のキラル中心を有するが、その場合、それらはエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物として存在する。本発明の対象物は、これらの混合物を含有する組成物だけでなく、純粋なエナンチオマーまたはジアステレオマーを含有するものである。
【0009】
式Iで表される一部の化合物は、特に、DE-A 1915387、WO 03/87072、JP-A 06220030、DE-A 1670920およびDE-A 1545842に記載されている。しかし、式Iで表される化合物の殺虫活性、殺ダニ活性または殺線虫活性は未だ開示されてはいない。
【0010】
アミノ-およびアミノ-アシル化1,2-ベンゾイソチアゾール化合物は、殺虫活性に関し、DrabekによりEP-A 207891、EP-A 191734、DE-A 3544436、EP-A 138762、EP-A 133418およびEP-A 110829に記載されている。あるいは、EP-A 86748には、同様の使用に関して3-アミジノベンゾイソチアゾール-1,1-ジオキシドが記載されている。JP-A 01319467には、殺虫を目的とした有効成分としてのN-アシル化アミノ-ベンゾイソチアゾールおよびその1,2-ジオキシド誘導体の製法が記載されている。EP-A 0033984には、一置換3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール-1,1-ジオキシド誘導体をベースとしたスルホニル化合物および殺アブラムシ組成物が記載されている。後者のEP-A 33984には、殺アブラムシ活性を有する2-シアノベンゼンスルホンアミドが開示されている。しかし、それらの活性は満足のいくものではない。EP-A 33984に類似の化合物は、WO 2005/035486と未公開国際出願PCT/EP2006/068469に記載されている。
【0011】
式Iで表される化合物およびその農業上許容可能な塩は、動物害虫、すなわち有害な節足動物、線虫類に対して、とりわけ防除が困難な昆虫およびダニ類に対して活性が高い。
【0012】
したがって、本発明は、一般式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物およびその農業上有用な塩に関する。
【0013】
さらに、本発明は、
・ 農薬組成物であって、かかる量の少なくとも1種の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール誘導体および/または1種のそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは農業上有用な塩と、少なくとも1種の不活性な液体および/または固体の農業上許容可能な担体とを含み、所望により少なくとも1種の界面活性剤を含む、農薬組成物;
・ 動物害虫を駆除するための化合物Iおよび/または1種のそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは農業上許容可能な塩の使用;
・ 動物害虫を駆除する方法であって、動物害虫、その生息地、繁殖場所、食糧、植物、種子、土壌、区域、材料、または動物害虫が成長している、もしくは成長し得る環境、あるいは動物による攻撃(attack)または寄生(infestation)から保護すべき材料、植物、種子、土壌、表面または場所を、殺虫上有効量の少なくとも1種の一般式Iで表される化合物および/または1種のそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは農業上許容可能な塩と接触させることを含む方法;
・ 動物害虫による攻撃または寄生から作物を保護する方法であって、作物を、殺虫上有効量の一般式Iで表される少なくとも1種の化合物および/または少なくとも1種のその塩と接触させることを含む方法;
・ 土壌昆虫から種子を、ならびに土壌昆虫および食葉性昆虫から実生苗の根およびシュートを保護する方法であって、播種前および/または予備発芽後(pregermination)の種子を一般式Iで表される少なくとも1種の3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物および/または1種のそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは農業上許容可能な塩、または少なくともかかる1種の化合物を含む組成物と接触させることを含む方法;
・ 式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物および/または1種のそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは農業上許容可能な塩を含む種子
に関する。
【0014】
式Iで表される化合物の塩は、好ましくは農業上許容可能な塩である。これらは、慣用の方法で、例えば、式Iで表される化合物が塩基性官能基を有する場合においては、化合物をアニオンの酸と反応させることによって、あるいは、式Iで表される酸性化合物を好適な塩基と反応させることによって形成させることができる。
【0015】
好適な農業上有用な塩は、特に、これらのカチオンの塩またはこれらの酸の酸付加塩であるが、そのカチオンおよびアニオンは、それぞれ、本発明による化合物の作用に対していかなる悪影響も及ぼすものではない。好適なカチオンは、特にアルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウムおよびカリウムのイオン、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム、マグネシウムおよびバリウムのイオン、ならびに遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛および鉄のイオン、ならびにまたアンモニウム(NH4+)および水素原子の1〜4個がC1-C4-アルキル、C1-C4-ヒドロキシアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、ヒドロキシ-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、フェニルまたはベンジルで置換されている置換アンモニムである。置換アンモニウムイオンの例には、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアンモニウム、ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、およびベンジルトリエチルアンモニウム、さらにはホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホニウムイオン、およびスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホキソニウムが含まれる。
【0016】
有用な酸付加塩のアニオンは、主として塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、二水素リン酸イオン、水素リン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、ヘキサフルオロケイ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、安息香酸イオン、ならびにC1-C4-アルカン酸のアニオン、好ましくはギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオンおよび酪酸イオンである。これらは、式Iで表される化合物を対応するアニオンの酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸または硝酸と反応させることによって形成させることができる。
【0017】
可変部分の上記定義中に記載した有機部分(例えば、用語ハロゲン)は、各基の構成員の個々の記載に関する集合名である。接頭語Cn-Cmは、いずれの場合にも、その基で可能である炭素原子数を示す。
【0018】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0019】
「部分的もしくは完全にハロゲン化された」という用語は、所定の基の1個または複数個(例えば1、2、3、4もしくは5個)の水素原子またはすべての水素原子がハロゲン原子(特にフッ素または塩素)で置換されていることを意味する。
【0020】
本明細書において(ならびにまたCn-Cm-アルキルアミノ、ジ-Cn-Cm-アルキルアミノ、Cn-Cm-アルキルアミノカルボニル、ジ-(Cn-Cm-アルキルアミノ)カルボニル、Cn-Cm-アルキルチオ、Cn-Cm-アルキルスルフィニルおよびCn-Cm-アルキルスルホニルにおいて)用いられている「Cn-Cm-アルキル」という用語は、n〜m個、例えば1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する分岐状または非分岐状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニルおよびデシル、ならびにその異性体である。C1-C4-アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、または1,1-ジメチルエチルを意味する。
【0021】
本明細書において(ならびにまたCn-Cm-ハロアルキルスルフィニルおよびCn-Cm-ハロアルキルスルホニルにおいて)用いられている「Cn-Cm-ハロアルキル」という用語は、(上記のような)n〜m個の炭素原子、例えば1〜10個、特に1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であって、これらの基中の水素原子の一部または全部が上述のようなハロゲン原子で置換されていてもよいものをいい、例えばC1-C4-ハロアルキル、例としては、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチルなどである。C1-C10-ハロアルキルという用語には具体的にはC1-C2-フルオロアルキルが含まれており、これは1、2、3、4または5個の水素原子がフッ素原子で置換されているメチルまたはエチルと同義であって、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチルおよびペンタフルオロメチルである。
【0022】
同様に「Cn-Cm-アルコキシ」および「Cn-Cm-アルキルチオ」(またはCn-Cm-アルキルスルフェニル)はそれぞれ、アルキル基中の任意の結合でそれぞれ酸素結合または硫黄結合を介して結合されている、(上述のような)n〜m個の炭素原子、例えば1〜10個、特に1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を意味する。例としては、C1-C4-アルコキシとして、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、イソブトキシおよびtert-ブトキシなどが挙げられ、さらにC1-C4-アルキルチオとして、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオおよびn-ブチルチオなどが挙げられる。
【0023】
したがって、用語「Cn-Cm-ハロアルコキシ」および「Cn-Cm-ハロアルキルチオ」(またはCn-Cm-ハロアルキルスルフェニル)はそれぞれ、アルキル基中の任意の結合でそれぞれ酸素結合または硫黄結合を介して結合されている、(上述のような)n〜m個の炭素原子、例えば1〜10個、特に1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であって、これらの基中の水素原子の一部または全部が上述のようなハロゲン原子で置換されていてもよいものをいい、例えばC1-C2-ハロアルコキシ、例としては、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1-クロロエトキシ、1-ブロモエトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシおよびペンタフルオロエトキシが挙げられ、さらにC1-C2-ハロアルキルチオ、例としては、クロロメチルチオ、ブロモメチルチオ、ジクロロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、クロロフルオロメチルチオ、ジクロロフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、1-クロロエチルチオ、1-ブロモエチルチオ、1-フルオロエチルチオ、2-フルオロエチルチオ、2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2,2-トリフルオロエチルチオ、2-クロロ-2-フルオロエチルチオ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチルチオ、2,2,2-トリクロロエチルチオおよびペンタフルオロエチルチオなどが挙げられる。同様にC1-C2-フルオロアルコキシおよびC1-C2-フルオロアルキルチオという用語は、それぞれ、酸素原子または硫黄原子を介して分子の残部(remainder)に結合されているC1-C2-フルオロアルキルを意味する。
【0024】
本明細書で用いられている用語「C2-Cm-アルケニル」は、2〜m個、例えば2〜10個または2〜6個の炭素原子と、任意の位置に1個の二重結合を有する分岐状または非分岐状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチル-エテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-
ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル、および1-エチル-2-メチル-2-プロペニルなどである。
【0025】
本明細書で用いられている用語「C2-Cm-アルキニル」は、2〜m個、例えば2〜10個または2〜6個の炭素原子と、少なくとも1個の三重結合を有する分岐状または非分岐状の不飽和炭化水素基を意味し、例えばエチニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニルなどがある。
【0026】
本明細書で用いられている用語「C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル(例えば、上述のような具体例のもの)であって、アルキル基の1個の水素原子がC1-C4-アルコキシ基で置換されているものを意味する。
【0027】
本明細書で用いられている用語「C1-C4-アルキルチオ-C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキルであって、アルキル基の1個の水素原子がC1-C4-アルキルチオ基で置換されているものを意味する。
【0028】
本明細書で用いられている用語「C3-Cm-シクロアルキル」は、単環式で3員〜m員の飽和脂環式基を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロデシルである。
【0029】
本明細書で用いられている用語「アリール」は、芳香族炭化水素基を意味し、例えばナフチルまたはフェニル、特にフェニルである。
【0030】
本明細書で用いられている用語「アリール-C1-C4-アルキル」は、C1-C4-アルキレン基を介して分子の残部に結合されている芳香族炭化水素基であって、例えばベンジル、1-フェニルエチルまたは2-フェニルエチルを含む。
【0031】
本明細書において(ならびにまたヘテロシクリル-C1-C4-アルキルにおいて)用いられている用語「3員〜7員のヘテロシクリル」は、3〜7環員を有している飽和または部分不飽和の非芳香族複素環基であって、1、2または3環員がO、NおよびSから選択されるヘテロ原子であるか、またはS=O、S(O)2またはN-R(ここで、RはHまたはアルキルである)から選択されるヘテロ原子基であるものを意味する。非芳香族環の例としては、アゼチジニル(azetidiyl)、ピロリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、ジオキソレニル、チオラニル、ジヒドロチエニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、チオピラニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チアジニルなどが挙げられる。
【0032】
本明細書において(ならびにまたヘテロアリール-C1-C4-アルキルにおいて)用いられている用語「3員〜7員のヘテロアリール」は、3〜7環員を有している芳香族複素環基であって、1、2または3環員がO、NおよびSから選択されるヘテロ原子であるか、またはS=O、S(O)2またはN-R(ここで、RはHまたはアルキルである)から選択されるヘテロ原子基であるものを意味する。単環式で3員〜7員の芳香族複素環の例としては、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリルおよびイソオキサゾリルが挙げられる。
【0033】
本明細書で用いられている用語「ヘテロシクリル-C1-C4-アルキル」および「ヘテロアリール-C1-C4-アルキル」は、C1-C4-アルキレン基を介して分子の残部に結合されている、非芳香族または芳香族の複素環基を意味する。
【0034】
式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物の本発明による使用を鑑みると、特に好ましいのは、置換基および可変部分が、それぞれの場合、それ自体で、または組み合わせで以下の意味をもつものである。
【0035】
好ましいのは、nが2である、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。また好ましいのは、nが1である、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。同様に好ましいのは、nが0である、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。
【0036】
好ましいのは、R1がC1-C6-アルコキシまたはC1-C6-ハロアルコキシから選択され、特にR1がC1-C6-フルオロアルコキシまたはC1-C6-クロロアルコキシ、例えばトリフルオロメトキシまたはトリクロロメトキシから選択される、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。
【0037】
好ましいのは、R2、R3およびR4が、互いに独立して、水素、F、Cl、BrまたはJからなる群から選択される、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。
【0038】
また好ましいのは、R2、R3およびR4が、互いに独立して、水素またはフッ素である、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。
【0039】
また特に好ましいのは、R2、R3およびR4が水素である、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。
【0040】
好ましいのは、R5がC1-C6-アルキルから選択され、前記の基は非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルコキシ、C1-C10-ハロアルキルチオ、(C1-C10-アルコキシ)カルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、(C1-C10-アルキル)アミノ、ジ-(C1-C10-アルキル)アミノ、C3-C10-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1〜4個の基を有していてもよく、フェニルについては、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。
【0041】
また特に好ましいのは、R5が水素であり、nが1または2である、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。
【0042】
本発明の別の実施形態では、式Iで表される化合物は、以下の好ましい組み合わせのR1、R2;R3、R4およびR5を有する。
【0043】
R1が、好ましくはC1-C6-アルコキシまたはC1-C6-ハロアルコキシから選択され、R2、R3およびR4が、互いに独立して、好ましくは水素、F、Cl、BrまたはJからなる群から選択される、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【0044】
R1が好ましくはC1-C6-アルコキシまたはC1-C6-ハロアルコキシから選択され、R2、R3およびR4が好ましくは水素である、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物である。
【0045】
R1が好ましくはC1-C6-アルコキシまたはC1-C6-ハロアルコキシから選択され、R2、R3およびR4が、互いに独立して、好ましくは水素、F、Cl、BrまたはJからなる群から選択され、R5が好ましくはC1-C6-アルキルから選択され、前記の基は非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルコキシ、C1-C10-ハロアルキルチオ、(C1-C10-アルコキシ)カルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、(C1-C10-アルキル)アミノ、ジ-(C1-C10-アルキル)アミノ、C3-C10-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1〜4個の基を有していてもよく、フェニルについては、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【0046】
製造方法
P.0. 3-アミノ-ベンゾイソチアゾール:
3-アミノ-ベンゾイソチアゾール(P0-I)は、S. W. Walinskyら(Organic Process Research & Development 1999, 3, 126-130)によって記載されているようにして、適宜置換されているジスルフィド(P0-II)をイソプロパノールなどの極性溶媒中でアミンおよび酸化剤(例えばジメチルスルホキシド(DMSO)など)と一緒に加熱することにより製造することができる。
【化3】

【0047】
2-シアノ-ジスルフィド(P0-II)は、H. Boerzelら(Inorganic Chemistry 2003, 1604-1615)によって報告されているようにして、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの酸化剤を用いることによって対応するチオフェノール(P0-III)から製造することができる。
【化4】

【0048】
2-シアノ-チオフェノール(P0-III)は、J. Markertら(Liebigs Annalen d. Chemie 1980, 768-778)によって記載されているようにして、NaOCH3などの強塩基による処理によってベンゾイソチアゾール(P0-IV)から製造することができる。
【化5】

【0049】
また前記文献には、硫黄およびアンモニアを用いた反応により、2-クロロ-ベンズアルデヒド(P0-V)から置換ベンゾイソチアゾール(P0-IV)を合成することが記載されている。
【化6】

【0050】
あるいは、2-シアノ-ジスルフィド(P0-II)は、V. M. Negrimovskyら(Phosphorus, Sulfur & The Related Elements 1995, 104, 161-167)によって記載されているようにして、ジアゾ化とその後のジアゾニウム塩とNa2Sおよび硫黄との反応により、2-シアノ-アニリン(P0-VI)から製造することができる。
【化7】

【0051】
2-シアノ-アニリン(P0-VI)は、D. H. Klaubert (J. Med. Chem. 1981, 24, 742-748)によって記載されているようにして、鉄などの還元剤を用い、2-シアノ-ニトロベンゼン(P0-VII)から製造することができる。
【化8】

【0052】
あるいは、3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール(P0-I)は、H. Boeshagenら (Justus Liebig Annalen der Chemie, 1977, 20)によって記載されているようにして、3-クロロ-ベンゾ[d]イソチアゾール(P0-VIIIa)から製造することもできる。
【0053】
あるいはさらに、3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール(P0-I)は、トリフルオロ-メタンスルホン酸ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イルエステル(P0-VIIIb)から、US 5359068と同様に、前記化合物をアミンと反応させることによって得ることができる。また後者の文献には、ベンゾイソチアゾロンから得られるトリフルオロ-メタンスルホン酸ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イルエステル(P0-VIIIb)も記載されている。
【0054】
クロロ-ベンゾ[d]イソチアゾール(P0-VIIIa)は、PCl3などの塩素化剤と(J.P. Yevichら (Journal of Medicinal Chemistry 1986, 29, 359-369)によって記載されているようにして)、またはPCl3/PCl5などの塩素化剤(S. G. Zlutinら (Journal of Organic Chemistry 2000, 65, 8439-8443))と反応させることによってベンゾイソチアゾロン(P0-IX)から得ることができる。
【化9】

【0055】
最後に記載したS.G. Zlutinらの文献には、SO2Cl2などの酸化剤で処理することにより、2-ベンジルスルファニル-ベンズアミド(P0-X)から前記ベンゾイソチアゾロン(P0-IX)を合成することも記載されている。
【化10】

【0056】
あるいは、EP-A 1081141には、2-(アルキルチオ(alkythio))ベンゾニトリル(P0-XI)からベンゾイソチアゾロン(P0-IX)を製造する別の方法が記載されている。
【化11】

【0057】
P.1 アミノベンゾイソチアゾール-1-モノオキサイド
アミノベンゾイソチアゾール(P0-I)は、Chemische Berichte, 103, 3166-3181に記載の方法と同様にして酸化し、一酸化型の種(P1-I)を得ることができる。好適な酸化剤は、例えば、HNO3、H2O2/酢酸またはm-クロロ過安息香酸である。
【化12】

【0058】
P.2 3-アミノベンゾイソチアゾール-1,1-ジオキシド
3-アミノベンゾイソチアゾール-1,1-ジオキシド(P2-I)は、Journal of the Chemical Socitey Perkin Transaction 2, 2001, 1315-1324に記載のようにして、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどの極性で非プロトン性の溶媒中で第一級アミンと反応させることによって、適宜置換されている3-クロロ-ベンゾ[d]イソチアゾール-1,1-ジオキシド(P2-II)から得ることができる。
【化13】

【0059】
3-クロロ-ベンゾ[d]イソチアゾール-1,1-ジオキシド (P2-II)は、D. Doppら (Synthesis 2001, 8, 1228-1235)によって、R. Salman (Chem. Eng. Data 1987, 32, 391)によって、またはR. W. Lang (Helvetica Chimica Acta 1989, 72, 1248-1252)によって記載されているようにして、適宜置換されているサッカリン(P2-III)をClCO2CCl3、PCl5/POCl3またはSOCl2などの塩素化剤と反応させることによって製造することができる。
【化14】

【0060】
置換サッカリン(P2-III)は、M. C. Bellら (Bioorganic & Medicinal Letters 1991, No. 12, 733-736)によって、またはM. L. Trudellら (Journal of Heterocyclic Chem. 2004, 41, 435f)によって記載されているようにして、2-クロロスルホニル-安息香酸エステル(P2-IV)をアンモニアと反応させることにより製造することができる。
【化15】

【0061】
また後者の文献には、ジアゾ化とその後のクロロスルホン化により、対応するアントラニル酸メチル(P2-V)から記載の2-クロロスルホニル-安息香酸エステル(P2-IV)を合成することも記載されている。同様の合成手法は、G. Hamprechtら(Chimia (2004), 58, 117-122)によって記載されている。
【化16】

【0062】
アントラニル酸メチル(P2-V)は、市販されていない場合、J. F. W. Keanaら(Bioorganic & Medicinal Chemistry 11 (2003) 1769-1780)によって記載されているようにして、触媒水素化によって対応する2-ニトロ安息香酸メチルエステル(P2-VI)から製造することができる。
【化17】

【0063】
あるいは、サッカリン(P2-II)は、K. F. Burri (Helvetica Chimica Acta 1990, 73, 69-80)によって記載されている方法で、トリフルオロ酢酸などの強酸とともに加熱することによって、対応するN-t-ブチルサッカリン(P2-VII)を開裂させて製造することができる。
【化18】

【0064】
N-t-ブチルサッカリン(P2-VII)は、ブチルリチウムまたはリチウムジイソプロピルアミドなどの塩基との配向性オルトメタル化と、その後の閉環下における二酸化炭素によるメタル化種のトラッピングにより、対応するスルホンアミド(P2-VIII)から得ることができる。この手法は、D. Beckerら(Tetrahedron 1992, 2515-2522)によって記載されている。メタル化は、N. Murugesanら(J. Med. Chem. 1998, 41, 5198-5218)によって記載のようにして行なうことができる。
【化19】

【0065】
あるいは、3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール 1,1-ジオキシド(P2-I)は、高温で第一級アミンと反応させることにより、適宜置換のイミダート(P2-IX)から製造することもできる。この反応は、無溶媒で、あるいは好適な溶媒(好ましくは、THFまたはジオキサンなどの極性高沸点溶媒)中で行うことができる。好ましくは、この反応は無溶媒で行なう。反応を無溶媒で行なう場合、好ましい温度は、室温〜各アミンの沸点である。反応を溶媒中で行なう場合、好ましい温度は、室温〜各溶媒の沸点である。この方法における置換基R7は、好ましくはメチルまたはエチルなどのアルキル置換基である。
【化20】

【0066】
前記イミダート(P2-IX)は、Journal of Organic Chemistry 1963, 28, 2902-2903に記載の方法と同様にして、2-シアノベンゼンスルホンアミド(P2-X)を炭酸オルトエステルと反応させることにより得ることができる。前記シアノベンゼンスルホンアミド(P2-X)は、WO 2005/035486に記載されているようにして製造することができる。
【化21】

【0067】
P.3 3-イミノサッカリン
N-一置換o-シアノ-スルホンアミドは、塩基条件下で対応する3-イミノサッカリンに環化することができる。塩基としては、アルカリ炭酸塩などの無機塩類が好ましい。好ましい溶媒は、ジオキサンまたはTHFなどの極性水混和性有機溶媒である。
【化22】

【0068】
記載の製造方法においては、可変部分R1、R2、R3、R4およびR5は、上で定義した意味、特に好ましいものとして記載した意味を有している。
【0069】
上述の経路により各化合物を得ることができない場合は、他の化合物Iを誘導体化することにより、あるいは記載した合成経路を慣用的に変更することにより製造することができる。
【0070】
反応混合物は、慣用の方法、例えば水と混合し、その相を分離し、必要に応じて粗生成物をクロマトグラフィー(例えばアルミナまたはシリカゲルのもの)で精製することにより後処理する。一部の中間体と最終生成物が無色または薄茶色の粘稠な油状物で得られることもあるが、その場合、減圧下で、かつ適度に高い温度で、それらから揮発成分を除去して精製する。中間体と最終生成物とが固体で得られる場合、これらは再結晶または温浸により精製することができる。
【0071】
式Iで表される化合物の農業上許容可能な塩は、慣用の方法で、例えば、対象のアニオンの酸との反応によって形成させることができる。
【0072】
式Iで表される好ましい化合物の例は、R1、R2、R3およびR4がそれぞれ定義され、かつnおよびR5も下記の表A中でそれぞれ定義されている、表A1〜A126のものである。
【0073】
表A1:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A2:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A3:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A4:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A5:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A6:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A7:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A8:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A9:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がHであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A10:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A11:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A12:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A13:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A14:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A15:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A16:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A17:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A18:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がFであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A19:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A20:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A21:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A22:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A23:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A24:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A25:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A26:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A27:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がClであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A28:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A29:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A30:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A31:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A32:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A33:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A34:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A35:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A36:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がBrであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A37:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A38:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A39:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A40:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A41:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A42:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A43:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A44:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A45:R3およびR4の各々の基がHであり、R2がJであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A46:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A47:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A48:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A49:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A50:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A51:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A52:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A53:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A54:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がFであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A55:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A56:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A57:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A58:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A59:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A60:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A61:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A62:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A63:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がClであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A64:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A65:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A66:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A67:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A68:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A69:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A70:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A71:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A72:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がBrであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A73:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A74:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A75:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A76:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A77:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A78:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A79:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A80:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A81:R2およびR4の各々の基がHであり、R3がJであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A82:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A83:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A84:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A85:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A86:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A87:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A88:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A89:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A90:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がFであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A91:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A92:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A93:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A94:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A95:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A96:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A97:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A98:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A99:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がClであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A100:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A101:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A102:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A103:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A104:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A105:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A106:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A107:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A108:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がBrであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A109:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A110:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A111:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A112:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A113:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A114:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A115:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A116:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A117:R3およびR2の各々の基がHであり、R4がJであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A118:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A119:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A120:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A121:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がOCH3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A122:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がOC2H5であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A123:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がOCF3であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A124:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がOCHF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A125:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がOCClF2であり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物;
表A126:R4およびR2の各々の基がFであり、R3がHであり、R1がOCF2CHClFであり、かつ、nおよびR5が表Aの1つの行で定義されている通りである、式Iで表される化合物。
【0074】
式Iは以下の2種類の異性体の式によって表わされる:
【化23】

【0075】
式Iに関する表A
【表1】





【0076】
害虫類
式Iで表される化合物およびその塩は、特に節足動物害虫、例えば蛛形類、ヤスデ類(myriapedes)および昆虫、ならびに線虫類を効果的に防除するのに好適である。
【0077】
特に、これらは害虫、例えば以下の分類の昆虫を防除するのに好適である:
鱗翅類:例えば、タマナヤガ(アグロチス・イプシロン(Agrotis ypsilon))、カブラヤガ(アグロチス・セゲツム(Agrotis segetum))、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア・ゲンマタリス(Anticarsia gemmatalis)、リンゴヒメシンクイ(アルギレスチア・コンジュゲラ(Argyresthia conjugella))、ガマキンウワバ(オートグラファ・ガンマ(Autographa gamma))、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、トウヒノシントメハマキ(コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana))、コリストネウラ・オシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、アワヨトウ(シルフィス・ウニプンクタ(Cirphis unipuncta))、コドリンガ(シジア・ポモネラ(Cydia pomonella))、デンドロリムス・ピニ(Dendrolimus pini)、アメリカウリノメイガ(ジアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis))、サウスウエスタンコンボーラー(ジアトラエア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella))、ミスジアオリンガ(エアリアス・インスラナ(Earias insulana))、モロコシマダラメイガ(エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus))、ブドウホソハマキ(ユーポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella))、エベトリア・ボウリアナ(Evetria bouliana)、フェルチア・スブテラネア(Feltia subterranea)、ハチノスツヅリガ(ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella))、グラホリタ・フネブラナ(Grapholitha funebrana)、ナシヒメシンクイ(グラホリタ・モレスタ(Grapholitha molesta))、タバコガ(ヘリオチス・アルミゲラ(Heliothis armigera))、オオタバコガ(ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens))、ヘリオチス・ゼア(Heliothis zea)、ハイマダラノメイガ(ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis))、ヒベルニア・デホリアリア(Hibernia defoliaria)、アメリカシロヒトリ(ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea))、ヒポノメウタ・マリネルス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ランブジナ・フィセラリア(Lambdina fiscellaria)、シロイチモンジヨトウ(ラフィグマ・エキシグア(Laphygma exigua))、ロイコプテラ・コフェエラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ホソバヒメハマキ(ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana))、ロキソステージ・スチクチカリス(Loxostege sticticalis)、マイマイガ(リマントリア・ジスパル(Lymantria dispar))、ノンネマイマイ(リマントリア・モナカ(Lymantria monacha))、モモハモグリガ(リオネチア・クレルケラ(Lyonetia clerkella))、オビカレハ(マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria))、ヨトウガ(マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae))、オルギイア・プソイドツガタ(Orgyia pseudotsugata)、ヨーロッパアワノメイガ(オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis))、マツキリガ(パノリス・フランメア(Panolis flammea))、ワタアカミムシガ(ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella))、ニセタマナヤガ(ペリドロマ・サウシア(Peridroma saucia))、ファレラ・ブセファラ(Phalera bucephala)、ジャガイモキバガ(フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella))、ミカンハモグリガ(フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella))、オオモンシロチョウ(ピエリス・ブラッシカ(Pieris brassicae))、プラチペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、コナガ(プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella))、プソイドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアシオニア・フルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、バクガ(シトトロガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella))、テングハマキ(スパルガノチス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana))、南部アワヨトウムシ(スポドプテラ・エリダニア(Spodoptera eridania))、ツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda))、アフリカヨトウ(スポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis))、ハスモンヨトウ(スポドプテラ・リツラ(Spodoptera litura))、タウマトポエア・ピチオカンパ(Thaumatopoea pityocampa)、トルトリキス・ビリダナ(Tortrix viridana)、イラクサギンウワバ(トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni))、およびゼイラフェラ・カナデンシス(Zeiraphera canadensis);
鞘翅類(鞘翅目):例えば、アカバナガタマムシ(アグリルス・シヌアツス(Agrilus sinuatus))、アグリオテス・リネアツス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスクルス(Agriotes obscurus)、アンフィマルス・ソルスチチアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドルス・ジスパル(Anisandrus dispar)、ワタミハナゾウムシ(アントノムス・グランジス(Anthonomus grandis))、ナシハナゾウムシ(アントノムス・ポモルム(Anthonomus pomorum))、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、ブラストファグス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガ・ウンダータ(Blitophaga undata)、ソラマメゾウムシ(ブルクス・ルフィマヌス(Bruchus rufimanus))、エンドウマメゾウムシ(ブルクス・ピソルム(Bruchus pisorum))、ブルクス・レンチス(Bruchus lentis)、ドロハマキチョッキリ(ビクチスクス・ベツラ(Byctiscus betulae))、カメノコハムシ(カッシダ・ネブロサ(Cassida nebulosa))、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、コイトリンクス・アッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、コイトリンクス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、カエトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデルス・ベスペルチヌス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)、ジアブロチカ・ロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ジアブロチカ・12-プンクタタ(Diabrotica 12-punctata)、ジアブロチカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera)、インゲンテントウ(エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis))、エピトリキス・ヒルチペンニス(Epitrix hirtipennis)、ユーチノボトルス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、マツアナアキゾウムシ(ヒルオビウス・アビエチス(Hylobius abietis))、ヒペラ・ブルンネイペンニス(Hypera brunneipennis)、アルファルファタコゾウムシ(ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica))、ヤツバキクイ(イプス・チポグラフス(Ips typographus))、レマ・ビリネアタ(Lema bilineata)、レマ・メラノプス(Lema melanopus)、コロラドハムシ(レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata))、リモニウス・カリホルニクス(Limonius californicus)、イネミズゾウムシ(リッソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus))、メラノツス・コンムニス(Melanotus communis)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・ヒッポカスタニ(Melolontha hippocastani)、ヨーロッパコフキコガネ(メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha))、イネクビホソハムシ(オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae))、オルチオリンクス・スルカツス(Ortiorrhynchus sulcatus)、オチオリンクス・オバツス(Otiorrhynchus ovatus)、ファエドン・コクレアリエ(Phaedon cochleariae)、フィロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、コガネムシ科の種(フィロファガ sp. (Phyllophaga sp.))、フィロペルタ・ホルチコラ(Phyllopertha horticola)、キスジノミハムシ(フィロトレタ・ネモルム(Phyllotreta nemorum))、キスジノミハムシ(フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata))、マメコガネ(ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica))、アカアシチビコフキゾウムシ(シトナ・リネアツス(Sitona lineatus))、およびシトフィルス・グラナリア(Sitophilus granaria);
双翅類:例えば、ネッタイシマカ(アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti))、キンイロヤブカ(アエデス・ベキサンス(Aedes vexans))、アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、チチュウカイミバエ(セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata))、クリソミア・ベッジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラキス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マセラリア(Chrysomya macellaria)、ソルガムタマバエ(コンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola))、ヒトクイバエ(コルジルオビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga))、アカイエカ(クレックス・ピピエンス(Culex pipiens))、ウリミバエ(ダクス・ククルビタ(Dacus cucurbitae))、オリーブミバエ(ダクス・オレア(Dacus oleae))、ダシネウラ・ブラッシカ(Dasineura brassicae)、ヒメイエバエ(ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis))、ウマバエ(ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis))、ツェツェバエ(グロッシナ・モルシタンス(Glossina morsitans))、ノサシバエ(ヘマトビア・イリタンス(Haematobia irritans))、ハプロジプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒルエミイア・プラツラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、トマトハモグリバエ(リリオマイザ・サチベ(Liriomyza sativae))、マメハモグリバエ(リリオマイザ・トリホリイ(Liriomyza trifolii))、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ヒツジキンバエ(ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina))、ヒロズキンバエ(ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata))、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、ヘシアンバエ(マイエチオラ・デストルクトル(Mayetiola destructor))、ムスカ・オータムナリス(Musca autumnalis)、イエバエ(ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica))、オオイエバエ(ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans))、ヒツジバエ(オエストルス・オビス(Oestrus ovis))、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒソシアミ(Pegomya hysocyami)、ホルビア・アンチクア(Phorbia antiqua)、ホルビア・ブラッシカ(Phorbia brassicae)、ホルビア・コアルクタタ(Phorbia coarctata)、ヨーロッパオウトウミバエ(ラゴレチス・セラシ(Rhagoletis cerasi))、リンゴミバエ(ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella))、タバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、チプラ・オレラセア(Tipula oleracea)、およびガガンボ(チプラ・パルドサ(Tipula paludosa));
アザミウマ類(総翅目):例えば、ジクロモトリプス科の種(Dichromothrips spp.)、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、ミカンキイロアザミウマ(フランクリニエラ・オシデンタリス(Frankliniella occidentalis))、フランクリニエラ・トリチシ(Frankliniella tritici)、シルトトリプス・シトリ(Scirtothrips citri)、トリプス・オリザエ(Thrips oryzae)、ミナミキイロアザミウマ(トリプス・パルミ(Thrips palmi))、およびネギアザミウマ(トリプス・タバシ(Thrips tabaci));
膜翅類:例えば、カブラハバチ(アタリア・ロサエ(Athalia rosae))、ハキリアリ(アッタ・セファロテス(Atta cephalotes))、チャイロハキリアリ(アッタ・セキスデンス(Atta sexdens))、テキサスハキリアリ(アッタ・テキサナ(Atta texana))、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テスツジネア(Hoplocampa testudinea)、トビイロケアリ(ラシウス・ニゲル(Lasius niger))、イエヒメアリ(モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis))、アカカミアリ(ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata))、およびヒアリ(ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta));
異翅類:例えば、アオクサカメムシ(アクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare))、アメリカコバネナガカメムシ(ブリスス・ロイコプテルス(Blissus leucopterus))、シルトペルチス・ノタツス(Cyrtopeltis notatus)、アカホシカメムシ(ジスデルクス・シングラツス(Dysdercus cingulatus))、ジスデルクス・インテルメジウス(Dysdercus intermedius)、ムギチャイロカメムシ(ユリガステル・インテグリセプス(Eurygaster integriceps))、ユスキスツス・インピクチベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロッスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、サビイロカスミカメ(リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris))、リグス・プラテンシス(Lygus pratensis)、ミナミアオカメムシ(ネザラ・ビリズラ(Nezara viridula))、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)、およびチアンタ・ペルジトル(Thyanta perditor);
同翅類(同翅目):例えば、アシルトシホン・オノブリキス(Acyrthosiphon onobrychis)、カラマツカサアブラムシ(アデルゲス・ラリシス(Adelges laricis))、アフィズラ・ナスツルチイ(Aphidula nasturtii)、マメアブラムシ(アフィス・クラシボラ(Aphis craccivora))、マメクロアブラムシ(アフィス・ファバエ(Aphis fabae))、イチゴネアブラムシ(アフィス・ホルベシ(Aphis forbesi))、ヨーロッパリンゴアブラムシ(アフィス・ポミ(Aphis pomi))、ワタアブラムシ(アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii))、アフィス・グロスラリア(Aphis grossulariae)、アフィス・スクネイデリ(Aphis schneideri)、ユキヤナギアブラムシ(アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola))、ニワトコアブラムシ(アフィス・サンブシ(Aphis sambuci))、エンドウヒゲナガアブラムシ(アシルトシホン・ピスム(Acyrthosiphon pisum))、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(オーラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani))、ベミサ・タバシ(Bemisa tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(ベミサ・アルゲンチホリイ(Bemisa argentifolii))、ブラキカウズス・カルズイ(Brachycaudus cardui)、ムギワラギクオマルアブラムシ(ブラキカウズス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi))、ブラキカウズス・ペルシカ(Brachycaudus persicae)、ブラキカウズス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ダイコンアブラムシ(ブレビコリン・ブラッシカ(Brevicoryne brassicae))、カピトホルス・ホルニ(Capitophorus horni)、セロシファ・ゴシピイ(Cerosipha gossypii)、イチゴケナガアブラムシ(カエトシホン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii))、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシア・ノルドマンニアナ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセア(Dreyfusia piceae)、ギシギシネアブラムシ(ジサフィス・ラジコラ(Dysaphis radicola))、ジサウラコルツム・プソイドソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、バラリンゴアブラムシ(ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea))、ジサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、ジャガイモヒメヨコバイ(エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae))、モモコフキアブラムシ(ヒアロプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni))、チシャミドリアブラムシ(ヒペロミズス・ラクツカエ(Hyperomyzus lactucae))、ムギヒゲナガアブラムシ(マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae))、チューリップヒゲナガアブラムシ(マクロシフム・ユーホルビエ(Macrosiphum euphorbiae))、マクロシホン・ロサエ(Macrosiphon rosae)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(メゴウラ・ビシエ(Megoura viciae))、メラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius)、ムギウスイロアブラムシ(メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum))、ミゾデス・ペルシカエ(Myzodes persicae)、ミズス・アスカロニクス(Myzus ascalonicus)、ニワウメクロコブアブラムシ(ミズス・セラシ(Myzus cerasi))、カワリコブアブラムシ(ミズス・バリアンス(Myzus varians))、レタスアブラムシ(ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri))、トビイロウンカ(ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens))、ペンフィグス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、クロフツノウンカ(ペルキンシエラ・サッカリシダ(Perkinsiella saccharicida))、ホップイボアブラムシ(ホロドン・フムリ(Phorodon humuli))、リンゴキジラミ(プシルラ・マリ(Psylla mali))、プシルラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミズス・アスカロニクス(Rhopalomyzus ascalonicus)、トウモロコシアブラムシ(ロパロシフム・マイジス(Rhopalosiphum maidis))、ムギクビレアブラムシ(ロパロシフム・パジ(Rhopalosiphum padi))、ロパロシフム・インセルツム(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サッパフィス・マリ(Sappaphis mali)、ムギミドリアブラムシ(スチザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum))、スチゾネウラ・ラヌギノサ(Schizoneura lanuginosa)、ムギヒゲナガアブラムシ(シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、オンシツコナジラミ(トリアロイロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum))、コミカンアブラムシ(トキソプテラ・オーランチイ(Toxoptera aurantii))、およびブドウネアブラムシ(ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii));
シロアリ類(等翅目):例えば、カロテルメス・フラビコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメス・フラビペス(Leucotermes flavipes)、レチクリテルメス・グラセイ(Reticulitermes grassei)、地中海沿岸生息シロアリ(レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus))、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)およびテルメス・ナタレンシス(Termes natalensis);
直翅類:例えば、ヨーロッパイエコオロギ(アケタ・ドメスチカ(Acheta domestica))、トウヨウゴキブリ(ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis))、チャバネゴキブリ(ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica))、クギヌキハサミムシ(ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia))、グリルロタルパ・グリルロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、トノサマバッタ(ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria))、メラノプルス・ビビッタツス(Melanoplus bivittatus)、メラノプルス・フェムルブルム(Melanoplus femurrubrum)、メラノプルス・メキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプルス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプルス・スプレツス(Melanoplus spretus)、アカトビバッタ(ノマダクリス・セプテンファシアタ(Nomadacris septemfasciata))、ワモンゴキブリ(ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana))、アメリカイナゴ(スキストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana))、スキストセルカ・ペレグリナ(Schistocerca peregrina))、スタウロノツス・マロッカヌス(Stauronotus maroccanus)、およびクラズミウマ(タキシネス・アシナモルス(Tachycines asynamorus));
粘管類(トビムシ目(springtails)):例えば、トビムシ科の種(オニキウルス(Onychiurus ssp.))。
【0078】
また、これらは以下の線虫類の防除にも好適である:
植物寄生線虫、例えば、ネコブセンチュウ類(root knot nematodes)のキタネコブセンチュウ(メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla))、サツマイモネコブセンチュウ(メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita))、ジャワネコブセンチュウ(メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica))および他のメロイドギネ(Meloidogyne)の種;シストセンチュウ類(cyst-forming nematodes)のジャガイモシストセンチュウ(グロボデラ・ロストキエンシス(Globodera rostochiensis))、および他のグロボデラ(Globodera)の種;ムギシストセンチュウ(ヘテロデラ・アベナエ(Heterodera avenae))、ダイズシストセンチュウ(ヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines))、テンサイシストセンチュウ(ヘテロデラ・スカクチイ(Heterodera schachtii))、クローバシストセンチュウ(ヘテロデラ・トリホリイ(Heterodera trifolii))、および他のヘテロデラ(Heterodera)の種;種子虫コブセンチュウ類(Seed gall nematodes)のアングイナ(Anguina)の種;クキおよびハセンチュウ類(Stem and foliar nematodes)のアフェレンコイデス(Aphelenchoides)の種;刺毛センチュウ類(Sting nematodes)のブドウオオハリセンチュウ(ベロノライムス・ロンギカウダツス(Belonolaimus longicaudatus))、および他のベロノライムス(Belonolaimus)の種;マツセンチュウ類(Pine nematodes)のマツノザイセンチュウ(ブルサフェレンクス・キシロフィルス(Bursaphelenchus xylophilus))および他のブルサフェレンクス(Bursaphelenchus)の種;ワセンチュウ類(Ring nematodes)のクリコネマ(Criconema)の種、クリコネメラ(Criconemella)の種、クリコネモイデス(Criconemoides)の種、メソクリコネマ(Mesocriconema)の種;クキおよびリンケイセンチュウ類(Stem and bulb nematodes)のイモグサレセンチュウ(ジチレンクス・デストルクター(Ditylenchus destructor))、ナミクキセンチュウ(ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci))、および他のジチレンクス(Ditylenchus)の種;突錐センチュウ類(Awl nematodes)のドリコドルス(Dolichodorus)の種;ラセンセンチュウ類(Spiral nematodes)のヘリオコチレンクス・ムルチシンクツス(Helicotylenchus multicinctus)、および他のヘリオコチレンクス(Helicotylenchus)の種;鞘センチュウおよび有鞘センチュウ類(Sheath and sheathoid nematodes)のヘミシクリオホラ(Hemicycliophora)の種およびヘミクリコネモイデス(Hemicriconemoides)の種;ヒルスマンニエラ(Hirshmanniella)の種;ヤリセンチュウ類(Lance nematodes)のホプロアイムス(Hoploaimus)の種;ニセネコブセンチュウ類(false rootknot nematodes)のナコブス(Nacobbus)の種;ハリセンチュウ類(Needle nematodes)のロンギドルス・エロンガテス(Longidorus elongates)および他のロンギドルス(Longidorus)種;ネグサレセンチュウ類(Lesion nematodes)のプラチレンクス・ネグレクツス(Pratylencus neglectus)、キタネグサレセンチュウ(プラチレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans))、ピンセンチュウ(プラチレンクス・クルビタツス(Pratylenchus curvitatus))、プラチレンクスス・ゴーデイ(Pratylenchus goodeyi)、および他のプラチレンクス(Pratylenchus)の種;ネモグリセンチュウ類(Burrowing nematodes)のバナナネモグリセンチュウ(ラドホルス・シミリス(Radopholus similis))および他のラドホルス(Radopholus)の種;ニセフクロセンチュウ類(Reniform nematodes)のロチレンクス・ロブスツス(Rotylenchus robustus)および他のロチレンクス(Rotylenchus)の種;スクテロネマ(Scutellonema)の種;ユミハリセンチュウ類(Stubby root nematodes)のトリコドルス・プリミチブス(Trichodorus primitivus)および他のトリコドルス(Trichodorus)の種、パラトリコドルス(Paratrichodorus)の種;イシュクセンチュウ類(Stunt nematodes)のナミイシュクセンチュウ(チレンコリンクス・クライトニ(Tylenchorhynchus claytoni))、チレンコリンクス・ズビウス(Tylenchorhynchus dubius)および他のチレンコリンクス(Tylenchorhynchus)の種;ミカンセンチュウ類(Citrus nematodes)のチレンクルス(Tylenchulus)の種;オオハリセンチュウ類(Dagger nematodes)のキシフィネマ(Xiphinema)の種;ならびに他の植物寄生線虫の種。
【0079】
また式Iで表される化合物およびその塩は、以下の蛛形類(Arachnoidea)の防除にも有用である:例えばダニ類(ダニ目)、例えば、ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)、およびヒゼンダニ科(Sarcoptidae)のもの、例えば、アメリカキララマダニ(アンブリオンマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum))、アンブリオンマ・バリエガツム(Amblyomma variegatum)、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、ボオフィルス・アンヌラツス(Boophilus annulatus)、ボオフィルス・デコロラツス(Boophilus decoloratus)、オウシマダニ(ボオフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus))、デルマセントル・シルバルム(Dermacentor silvarum)、ヒアロンマ・トルンカツム(Hyalomma truncatum)、タネガタマダニ(イキソデス・リシヌス(Ixodes ricinus))、イキソデス・ルビクンズス(Ixodes rubicundus)、オルニトドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、ワクモ(デルマニッスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae))、ヒツジキュウセンヒゼンダニ(プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis))、コイタマダニ(リピセファルス・アッペンジクラツス(Rhipicephalus appendiculatus))、リピセファルス・エベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、ヒゼンダニ(サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei))、ならびにフシダニ科の種(Eriophyidae spp.)、例えば、リンゴサビダニ(アクルス・スクレクテンダリ(Aculus schlechtendali))、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)、およびエリオフィエス・シェルドニ(Eriophyes sheldoni);ホコリダニ科の種(Tarsonemidae spp.)、例えば、シクラメンホコリダニ(フィトネムス・パリズス(Phytonemus pallidus))、およびチャノホコリダニ(ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus));ヒメハダニ科の種(Tenuipalpidae spp.)、例えば、ミナミヒメハダニ(ブレビパルプス・ホエニシス(Brevipalpus phoenicis));ハダニ科の種(Tetranychidae spp.)、例えば、ニセナミハダニ(テトラニクス・シンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus))、カンザワハダニ(テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai))、オウトウハダニ(テトラニクス・パシフィクス(Tetranychus pacificus))、ニセナミハダニ(テトラニクス・テラリウス(Tetranychus telarius))、およびナミハダニ(テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))、リンゴハダニ(パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi))、ミカンハダニ(パノニクス・シトリ(Panonychus citri))、およびオリゴニクス・プラテンシス(oligonychus pratensis)。
【0080】
式Iで表される化合物は、昆虫、好ましくは吸汁性昆虫または刺咬性昆虫(例えば、総翅類、膜翅類、直翅類および同翅類の種類から選択される昆虫)、特に以下の種の防除に特に有用である:
総翅類(アザミウマ科):フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、ミカンキイロアザミウマ(フランクリニエラ・オシデンタリス(Frankliniella occidentalis))、フランクリニエラ・トリチシ(Frankliniella tritici)、シルトトリプス・シトリ(Scirtothrips citri)、トリプス・オリザエ(Thrips oryzae)、ミナミキイロアザミウマ(トリプス・パルミ(Thrips palmi))、およびネギアザミウマ(トリプス・タバシ(Thrips tabaci));
膜翅類:カブラハバチ(アタリア・ロサエ(Athalia rosae))、ハキリアリ(アッタ・セファロテス(Atta cephalotes))、チャイロハキリアリ(アッタ・セキスデンス(Atta sexdens))、テキサスハキリアリ(アッタ・テキサナ(Atta texana))、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テスツジネア(Hoplocampa testudinea)、イエヒメアリ(モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis))、アカカミアリ(ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata))、およびヒアリ(ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta));
直翅類:ヨーロッパイエコオロギ(アケタ・ドメスチカ(Acheta domestica))、トウヨウゴキブリ(ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis))、チャバネゴキブリ(ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica))、クギヌキハサミムシ(ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia))、グリルロタルパ・グリルロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、トノサマバッタ(ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria))、メラノプルス・ビビッタツス(Melanoplus bivittatus)、メラノプルス・フェムルブルム(Melanoplus femurrubrum)、メラノプルス・メキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプルス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプルス・スプレツス(Melanoplus spretus)、アカトビバッタ(ノマダクリス・セプテンファシアタ(Nomadacris septemfasciata))、ワモンゴキブリ(ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana))、アメリカイナゴ(スキストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana))、スキストセルカ・ペレグリナ(Schistocerca peregrina))、スタウロノツス・マロッカヌス(Stauronotus maroccanus)、およびクラズミウマ(タキシネス・アシナモルス(Tachycines asynamorus));
同翅類、特にアブラムシ:アシルトシホン・オノブリキス(Acyrthosiphon onobrychis)、カラマツカサアブラムシ(アデルゲス・ラリシス(Adelges laricis))、アフィズラ・ナスツルチイ(Aphidula nasturtii)、マメクロアブラムシ(アフィス・ファバエ(Aphis fabae))、イチゴネアブラムシ(アフィス・ホルベシ(Aphis forbesi))、ヨーロッパリンゴアブラムシ(アフィス・ポミ(Aphis pomi))、ワタアブラムシ(アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii))、アフィス・グロスラリア(Aphis grossulariae)、アフィス・スクネイデリ(Aphis schneideri)、ユキヤナギアブラムシ(アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola))、ニワトコアブラムシ(アフィス・サンブシ(Aphis sambuci))、エンドウヒゲナガアブラムシ(アシルトシホン・ピスム(Acyrthosiphon pisum))、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(オーラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani))、ブラキカウズス・カルズイ(Brachycaudus cardui)、ムギワラギクオマルアブラムシ(ブラキカウズス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi))、ブラキカウズス・ペルシカ(Brachycaudus persicae)、ブラキカウズス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ダイコンアブラムシ(ブレビコリン・ブラッシカ(Brevicoryne brassicae))、カピトホルス・ホルニ(Capitophorus horni)、セロシファ・ゴシピイ(Cerosipha gossypii)、イチゴケナガアブラムシ(カエトシホン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii))、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシア・ノルドマンニアナ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセア(Dreyfusia piceae)、ギシギシネアブラムシ(ジサフィス・ラジコラ(Dysaphis radicola))、ジサウラコルツム・プソイドソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、バラリンゴアブラムシ(ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea))、ジサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、ジャガイモヒメヨコバイ(エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae))、モモコフキアブラムシ(ヒアロプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni))、チシャミドリアブラムシ(ヒペロミズス・ラクツカエ(Hyperomyzus lactucae))、ムギヒゲナガアブラムシ(マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae))、チューリップヒゲナガアブラムシ(マクロシフム・ユーホルビエ(Macrosiphum euphorbiae))、マクロシホン・ロサエ(Macrosiphon rosae)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(メゴウラ・ビシエ(Megoura viciae))、メラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius)、ムギウスイロアブラムシ(メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum))、ミゾデス・ペルシカエ(Myzodes persicae)、ミズス・アスカロニクス(Myzus ascalonicus)、ニワウメクロコブアブラムシ(ミズス・セラシ(Myzus cerasi))、カワリコブアブラムシ(ミズス・バリアンス(Myzus varians))、レタスアブラムシ(ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri))、トビイロウンカ(ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens))、ペンフィグス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、クロフツノウンカ(ペルキンシエラ・サッカリシダ(Perkinsiella saccharicida))、ホップイボアブラムシ(ホロドン・フムリ(Phorodon humuli))、リンゴキジラミ(プシルラ・マリ(Psylla mali))、プシルラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミズス・アスカロニクス(Rhopalomyzus ascalonicus)、トウモロコシアブラムシ(ロパロシフム・マイジス(Rhopalosiphum maidis))、ムギクビレアブラムシ(ロパロシフム・パジ(Rhopalosiphum padi))、ロパロシフム・インセルツム(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サッパフィス・マリ(Sappaphis mali)、ムギミドリアブラムシ(スチザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum))、スチゾネウラ・ラヌギノサ(Schizoneura lanuginosa)、ムギヒゲナガアブラムシ(シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、オンシツコナジラミ(トリアロイロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum))、コミカンアブラムシ(トキソプテラ・オーランチイ(Toxoptera aurantii))、およびブドウネアブラムシ(ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii))。
【0081】
式Iで表される化合物は、同翅類および総翅類の系列の昆虫の防除、さらに好ましくはアブラムシの防除に特に有用である。
【0082】
製剤
化合物Iは、本発明による方法で使用するために、慣用の製剤、例えば液剤、エマルション剤、懸濁剤、散剤、粉剤、ペースト剤、粒剤および直接散布可能な液剤に変換することができる。使用剤形は、特定の目的および施用方法によって決まる。剤形および施用方法は、いずれの場合も、本発明による式Iで表される化合物の微細で均一な分散が確実になされるように選択する。
【0083】
製剤は、公知の方法(例えば、概説についての米国特許第3,060,084号、EP-A 707 445(液体濃縮物について)、Browning, "Agglomeration", Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48、Perry's Chemical Engineer's Handbook, 第4版, McGraw-Hill, New York, 1963, pages 8-57を参照されたい。またWO 91/13546、米国特許第4,172,714号、米国特許第4,144,050号、米国特許第3,920,442号、米国特許第5,180,587号、米国特許第5,232,701号、米国特許第5,208,030号、GB 2,095,558、米国特許第3,299,566号、Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961、Hanceら, Weed Control Handbook, 第8版, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989、ならびにMollet, H., Grubemann, A., Formulation technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Germany), 2001, 2、D. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7514-0443-8)も参照されたい)で調製され、例えば、本活性化合物を農薬製剤に適した補助剤、例えば溶媒および/または担体と、所望の場合は乳化剤、界面活性剤および分散剤、防腐剤、消泡剤、不凍剤と一緒に、種子処理剤に関しては、さらに場合により着色剤および/または結合剤および/またはゲル化剤と一緒にのばして製造する。
【0084】
好適な溶媒/担体は、例えば以下のものである:
・ 溶媒、例えば、水、芳香族溶媒(例えば、Solvess製品、キシレンなど)、パラフィン類(例えば鉱物画分)、アルコール類(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えばシクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン)、ピロリドン類(N-メチル-ピロリドン(NMP)、N-オクチルピロリドンNOP)、アセテート類(二酢酸グリコール)、乳酸アルキル類、ラクトン類(例えばg-ブチロラクトン)、グリコール類、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸および脂肪酸エステル類、トリグリセリド類、植物または動物由来の油および変性油(例えばアルキル化植物油)。基本的には、溶媒混合物も使用可能である。
【0085】
・ 担体、例えば、粉砕天然鉱物および粉砕合成鉱物、例えばシリカゲル、微粉ケイ酸、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、クレイ、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕された合成材料、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素および植物由来の製品、例えば、穀粉、樹皮粉、木粉および堅果殻粉、セルロース粉末、ならびに他の固体担体。
【0086】
好適な乳化剤は、非イオン性乳化剤およびアニオン性乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート)である。
【0087】
分散剤の例は、リグノ亜硫酸廃液およびメチルセルロースである。
【0088】
好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、アリールスルホン酸アルキル、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、硫酸脂肪アルコール、脂肪酸ならびに硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらに、スルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪アルコール/エチレンオキシドの縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステルである。
【0089】
さらに不凍剤(グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなど)および殺菌剤なども本製剤に加えることができる。
【0090】
好適な消泡剤は、例えば、シリコンまたはステアリン酸マグネシウムをベースとした消泡剤である。
【0091】
好適な防腐剤は、例えばジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマールである。
【0092】
好適な増粘剤は、製剤に偽塑性流動特性(すなわち、静止時に高粘度で、撹拌工程では低粘性)を与える化合物である。これに関しては、例えば、多糖類ベースの市販増粘剤、例えばXanthan Gum(登録商標)(Kelzan(登録商標)、Kelco製)、Rhodopol(登録商標)23 (Rhone Poulenc)、もしくはVeegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt製)など、または有機修飾されたフィロケイ酸塩類、例えばAttaclay(登録商標)(Engelhardt製)などを挙げることができる。本発明による分散剤に好適な消泡剤は、例えばシリコーンエマルジョン(例えば、Silikon(登録商標)SRE、WackerもしくはRhodorsil(登録商標)、Rhodia製など)、長鎖アルコール、脂肪酸、有機フッ素化合物、およびこれらの混合物である。本発明による組成物を微生物の攻撃に対して安定化させるためには、殺菌剤を添加することができる。好適な殺菌剤は、例えば以下の商品名:Proxel(登録商標)(Avecia製)(もしくはArch)またはActicide(登録商標)RS(Thor Chemie製)およびKathon(登録商標)MK(Rohm & Haas製)で販売されている化合物などのイソチアゾロンをベースとするものである。好適な不凍剤は有機ポリオール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールである。これらは通常、活性化合物組成物の総重量に対して10重量%以下の量で使用する。場合によっては、pHを調節するため、本発明による活性化合物組成物に、製造する製剤の総量に対して1〜5重量%のバッファーを含ませてもよい。使用するバッファーの量およびタイプは、その活性化合物または活性化合物群の化学的特性によって決定する。バッファーの例は、無機もしくは有機の弱酸、例えばリン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸およびコハク酸のアルカリ金属塩である。
【0093】
直接散布可能な液剤、エマルション剤、ペースト剤、またはオイル分散剤を製造するのに適している物質は、中〜高沸点の鉱油画分、例えばケロシンまたはディーゼルオイル、さらにはコールタールオイル、および植物または動物由来の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンもしくはその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、強極性溶剤、例えばジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよび水である。
【0094】
粉剤、広域散布用剤および散剤は、本活性物質と固体担体を混合するか、または同時に粉砕することによって製造することができる。
【0095】
粒剤(例えば、被覆粒剤(coated granule)、含浸粒剤(impregnated granule)および均質粒剤(homogeneous granule)など)は、本活性成分を固体担体に結合させることにより製造することができる。固体担体の例は、鉱物質土類(mineral earth)(例えばシリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなど)、粉砕された合成材料、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素など)、植物由来の製品(例えば、穀粉、樹皮粉、木粉、堅果殻粉など)、セルロース粉末、ならびに他の固体担体である。
【0096】
一般に、本製剤は、本活性成分を0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%含んでいる。本活性成分は、純度90%〜100%、好ましくは95%〜100%(NMRスペクトルによる)で用いる。
【0097】
目的が種子処理の場合、それぞれの製剤は2〜10倍に希釈して、直ぐに使用可能な調製品の濃度の0.01〜60(活性化合物)重量%(好ましくは0.1〜40重量%)とする。
【0098】
式Iで表される化合物は、散布(spraying)、噴霧(atomizing)、散粉(dusting)、広域散布(spreading)、または散水(pouring)により、そのままで、その製剤の形態で、または当該製剤から調製される施用の形態で、例えば直接散布可能な液剤、粉剤、懸濁剤もしくは分散剤、エマルション剤、オイル分散剤、ペースト剤、粉散性製品(dustable product)、広域散布用製品、または粒剤の形態で使用することができる。施用の形態は、もっぱらその意図する目的よって決まるが、いずれの場合も、本発明による活性化合物が確実に可能な限り微細に分散されるようなものであるべきである。
【0099】
以下は製剤の例である:
1.水で希釈する製品。目的が種子処理の場合、かかる製品は、希釈して種子に施用してもよいし、希釈せずに施用することもできる。
【0100】
A) 液剤(water-solbule concentrates)(SL、LS)
10重量部の本活性化合物を90重量部の水または水溶性溶媒に溶解させる。別法として、湿潤剤または他の補助剤を添加する。本活性化合物は水で希釈すると溶解する。この方法で、活性化合物の含量が10%(w/w)である製剤が得られる。
【0101】
B) 分散製剤(dispersible concentrates)(DC)
20重量部の本活性化合物を、70重量部のシクロヘキサノンに10重量部の分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン)を加えて溶解させる。水で希釈することにより分散液が得られる。活性化合物含量が20%(w/w)の製剤が得られる。
【0102】
C) 乳剤(Emulsifiable concentrates)(EC)
15重量部の本活性化合物を、7重量部のキシレンにドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(いずれも5重量部)を加えて溶解させる。水で希釈すると乳液が得られ、これにより、活性化合物を15%(w/w)含む製剤が得られる。
【0103】
D) エマルション製剤(Emulsions)(EW、EO、ES)
25重量部の本活性化合物を、35重量部のキシレンにドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(いずれも5重量部)を加えて溶解させる。この混合物を、乳化装置(例えば、Ultraturrax)を用いて30重量部の水中に導入し、均質なエマルションとする。水で希釈すると乳液が得られる。これにより、活性化合物を25%(w/w)含む製剤が得られる。
【0104】
E) 懸濁製剤(Suspensions)(SC、OD、FS)
撹拌下にあるボールミル内で、20重量部の本活性化合物に10重量部の分散剤、湿潤剤および70重量部の水または有機溶媒を添加して粉砕することにより、微細活性化合物懸濁液が得られる。水で希釈すると活性化合物の安定した懸濁液が得られる。これにより、活性化合物を20%(w/w)含む製剤が得られる。
【0105】
F) 顆粒水和剤(Water-dispersible granules)および顆粒水溶剤(Water-soluble granules)(WG、SG)
50重量部の本活性化合物に50重量部の分散剤および湿潤剤を添加して微粉砕し、専用の装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床など)を用いて顆粒水和剤または顆粒水溶剤とする。水で希釈すると活性化合物の安定な分散液または溶液が得られる。これにより、活性化合物を50%(w/w)含む製剤が得られる。
【0106】
G) 粉末水和剤(Water-dispersible powders)および粉末水溶剤(Water-soluble powders)(WP、SP、SS、WS)
ローター・ステーターミル(rotor-stator mill)内で、75重量部の本活性化合物に25重量部の分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを添加して粉砕する。水で希釈すると活性化合物の安定な分散液または溶液が得られる。これにより、活性化合物を75%(w/w)含む製剤が得られる。
【0107】
H) ゲル製剤(GF)
撹拌下にあるボールミル内で、20重量部の本活性化合物に10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤、湿潤剤、および70重量部の水または有機溶媒を添加して粉砕することにより、微細活性化合物懸濁液が得られる。水で希釈すると活性化合物の安定した懸濁液が得られる。これにより、活性化合物を20%(w/w)含む製剤が得られる。
【0108】
2. 葉面散布用の希釈せずに施用する製品。目的が種子処理の場合、かかる製品は、希釈して種子に施用してもよいし、希釈せずに施用することもできる。
【0109】
I) 散粉剤(Dustable powder)(DP、DS)
5重量部の本活性化合物を微粉砕し、95重量部の微粉砕カオリンと充分に混合する。これにより、活性化合物を5%(w/w)含む散粉製品(dustable product)が得られる。
【0110】
J) 粒剤(Granules)(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の本活性化合物を微粉砕し、95.5重量部の担体と組合せる。これにより、活性化合物を0.5%(w/w)含む製剤が得られる。通常の方法は、押出、噴霧乾燥、または流動床である。これにより、葉面用途の希釈せずに施用する粒剤が得られる。
【0111】
K) ULV溶液剤(UL)
10重量部の本活性化合物を、90重量部の有機溶媒(例えばキシレン)に溶解させる。これにより、葉面用途の希釈せずに施用する、活性化合物を10%(w/w)含む製品が得られる。
【0112】
水性の施用形態のものは、エマルション濃縮剤、ペースト剤または水和剤(散布用粉剤(sprayable powders)、オイル分散剤)から、水を加えることにより調製することができる。エマルション剤、ペースト剤またはオイル分散剤を調製するには、本物質を、そのままで、あるいは油または溶媒に溶解させて、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いて水中に均質化することができる。あるいは、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤もしくは乳化剤、および必要に応じて溶媒もしくは油からなる濃縮物を調製することもできるが、かかる濃縮物は水で希釈するのに適している。
【0113】
直ぐに使用可能な製品における本活性化合物の濃度は、比較的広い範囲で変えることができる。一般に、その濃度は0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
【0114】
本活性化合物は、超微量散布(ULV(ultra-low-volume))法でも良好に使用することができ、その方法では、活性成分95重量%超の製剤、あるいは添加剤無しの本活性成分そのものを施用することができる。
【0115】
本発明の方法では、化合物Iは、他の活性成分、例えば他の農薬(pesticides)、殺虫剤(insecticides)、除草剤、肥料、例えば硝酸アンモニウム、尿素、炭酸カリウムおよび過リン酸塩など、ならびに植物毒性剤および植物成長調節剤、毒性緩和剤および殺線虫剤を含んでいてもよい。これらの追加成分は、上述の組成物と逐次的に、または組み合わせて使用することができるが、必要であれば、使用直前に添加することもできる(タンク混合)。例えば、植物には、他の活性成分で処理する前または後に、本発明の組成物を散布することができる。
【0116】
本発明による化合物が一緒に使用でき、有望な相乗効果を得ることができる以下のリストMの農薬は、組合せの可能性について説明するためのものであり、いかなる限定をも意図するものではない:
M.1. 有機(チオ)リン酸エステル系:アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、クロレトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、デメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタアミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタンホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリンホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;
M.2. カーバメート系:アルジカルブ、アラニカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、トリアザメート;
M.3. ピレスロイド系:アクリナトリン、アレトリン、d-シス-トランスアレトリン、d-トランスアレトリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオアレトリンS-シルクロペンテニル(bioallethrin S-cylclopentenyl)、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン(beta-, yfluthrin)、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エンペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリナート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、ペルメトリン、フェノトリン、プラレトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901;
M.4. 幼若ホルモン様物質:ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン;
M.5. ニコチン性受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:アセタミプリド、ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、ニコチン、スピノサド(アロステリックアゴニスト)、チアクロプリド、チオシクラム、チオスルタップナトリウム、式(M5.1)のチアゾール化合物AKD-1022:
【化24】

【0117】
M.6. GABAゲート化クロライドチャネルアンタゴニスト化合物:クロルデン、エンドスルファン、ガンマ-HCH(リンデン);アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、バニリプロール、式M6.1のフェニルピラゾール化合物:
【化25】

【0118】
M.7. クロライドチャネル活性化因子:アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、ミルベメクチン、レピメクチン;
M.8. METI I化合物:フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム、ロテノン;
M.9. METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアシプリム(fluacyprim)、ヒドラメチルノン;
M.10. 酸化的リン酸化の脱共役剤:クロルフェナピル、DNOC;
M.11. 酸化的リン酸化の阻害剤:アゾシクロチン、シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット、テトラジホン;
M.12. 脱皮撹乱物質:シロマジン、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;
M.13. 相乗剤:ピペロニルブトキシド、トリブホス;
M.14. ナトリウムチャンネル遮断薬化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
M.15. 燻蒸剤:メチルブロミド、クロロピクリンフッ化スルフリル;
M.16. 選択的取込遮断薬(Selective feeding blocker):クリロチエ(crylotie)、ピメトロジン、フロニカミド;
M.17. ダニ成長阻害剤:クロフェンテジン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール;
M.18. キチン合成阻害剤:ブプロフェジン、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;
M.19. 脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
M.20. オクタパミン作動性(octapaminergic)アゴニスト:アミトラズ;
M.21. リアノジン受容体モジュレーター:フルベンジアミド;
M.22. 各種薬剤:リン化アルミニウム、アミドフルメト、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ホウ砂、ブロモプロピレート、シアン化物、シエノピラフェン、シフルメトフェン、キノメチオネート、ジコホール、フルオロアセタート、ホスフィン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、硫黄、吐酒石;
M.23. N-R'-2,2-ジハロ-1-R''シクロ-プロパンカルボキサミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)ヒドラゾンまたはN-R'-2,2-ジ(R''')プロピオンアミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-ヒドラゾン(式中、R'はメチルまたはエチルであり、ハロはクロロまたはブロモであり、R''は水素またはメチルであり、R'''はメチルまたはエチルである);
M.24. アントラニルアミド:クロラントラニリプロール、式M24.1の化合物;
【化26】

【0119】
M.25. マロノニトリル化合物:CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)5CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2C(CF3)2F、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2(CF2)3CF3、CF2H(CF2)3CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF3、CF3(CF2)2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、およびCF3CF2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H;
M.26. 微生物殺虫剤(Microbial disruptors):バチルス・スリンギエンシス亜種イスラエレンシ(Bacillus thuringiensis subsp. Israelensi)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バチルス・スリンギエンシス亜種アイザワイ(Bacillus thuringiensis subsp. Aizawai)、バチルス・スリンギエンシス亜種クルスタキ(Bacillus thuringiensis subsp. Kurstaki)、バチルス・スリンギエンシス亜種テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subsp. Tenebrionis);
群Mの市販化合物は、他の刊行物もあるが、The Pesticide Manual, 第13版, British Crop Protection Council (2003)で確認することができる。
【0120】
式M6.1のチオアミドおよびその製法は、WO 98/28279に記載されている。レピメクチンは、Agro Project, PJB Publications Ltd, November 2004により周知である。ベンクロチアズとその製造法は、EP-A1 454621に記載されている。メチダチオンおよびパラオクソンならびにそれらの製造法は、Farm Chemicals Handbook, Volume 88, Meister Publishing Company, 2001に記載されている。アセトプロールおよびその製造法は、WO 98/28277に記載されている。タフルミゾンとその製造法は、EP-A1 462 456に記載されている。フルピラゾホスは、Pesticide Science 54, 1988, p.237-243、およびUS 4822779に記載されている。ピラフルプロールとその製造法は、JP 2002193709およびWO 01/00614に記載されている。ピリプロールとその製造法は、WO 98/45274およびUS 6335357に記載されている。アミドフルメトとその製造法は、US 6221890およびJP 21010907に記載されている。フルフェネリムとその製造法は、WO 03/007717およびWO 03/007718に記載されている。AKD-1022(M5.1)に類似のネオニコチオニド(neonicotionids)の製造法は、Zhang, A.ら(J.Neurochemistry, 75(3), 2000)に記載されている。クロラントラニリプロールおよび式M24.1に類似のアントラニルアミド誘導体とその製造法は、WO 01/70671;WO 02/48137;WO 03/24222、WO 03/15518、WO 04/67528;WO 04/33468;およびWO 05/118552に記載されている。シフルメトフェンとその製造法は、WO 04/080180に記載されている。アミノキナゾリノン化合物ピリフルキナゾンは、EP A 109 7932に記載されている。マロノニトリル化合物のCF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)5CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2C(CF3)2F、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2(CF2)3CF3、CF2H(CF2)3CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF3、CF3(CF2)2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、およびCF3CF2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2Hは、WO 05/63694に記載されている。
【0121】
殺菌混合パートナーは、以下からなる群Fから選択されるものである:
F.1 アシルアラニン類、例えばベナラキシル、メタラキシル、オフラース、オキサジキシル;
F.2 アミン誘導体、例えばアルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノクタジン、スピロキサミン、トリデモルフ;
F.3 アニリノピリミジン類、例えばピリメタニル、メパニピリムまたはシロジニル(cyrodinyl);
F.4 抗生物質、例えばシクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシンまたはストレプトマイシン;
F.5 アゾール類、例えばビテルタノール、ブロモコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニトロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキコナゾール(fluquiconazole)、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イマザリル、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、フルトリアホール;
F.6 ジカルボキシミド類、例えばイプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
F.7 ジチオカーバメート類、例えばファーバム、ナバム、マネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカーバメート、チラム、ジラム、ジネブ;
F.8 複素環式化合物、例えばアニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメット、ジチアノン、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモール、フベリダゾール、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモル、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファナート-メチル、チアジニル、トリシクラゾール、トルホリン;
F.9 銅殺菌剤、例えばボルドー液、酢酸銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅;
F.10 ニトロフェニル誘導体、例えばビナパクリル、ジノカップ、ジノブトン、ニトロフタリソプロピル(nitrophthalisopropyl);
F.11 フェニルピロール類、例えばフェンピクロニルまたはフルジオキソニル;
F.12 ストロビルリン類、例えばアゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビンまたはトリフロキシストロビン;
F.13 スルフェン酸誘導体、例えばカプタホール、カプタン、ジクロフルアニド、フォルペト、トリルフルアニド;
F.14 シンネムアミド類(cinnemamides)および類似体、例えばジメトモルフ、フルメトバールまたはフルモルフ;
F.15 硫黄、および他の殺菌剤、例えばアシベンゾラル-S-メチル、ベンチアバリカルブ、カルプロパミド、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、ジクロメジン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、エジフェンホス、エタボキサム、フェンヘキサミド、酢酸フェンチン、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペンシクロン、プロパモカルブ、フタリド、トロクロホス-メチル、キントゼン、ゾキサミド。
【0122】
施用
動物害虫(すなわち昆虫、蛛形類および線虫類)、植物、植物が生育している土壌または水は、当技術分野で周知の任意の施用方法によって、本化合物I(群)またはそれを含有する組成物(群)と接触させることができる。かかる場合、「接触(させること)」とは、直接的な接触(本化合物/組成物を動物害虫または植物に、一般的には植物の葉、幹または根に、直接施用すること)と、間接的な接触(本化合物/組成物を動物害虫または植物の部位に施用すること)の両方を含む。
【0123】
式Iで表される化合物またはそれを含む殺虫剤組成物は、植物/作物を殺虫上有効量の式Iで表される化合物と接触させることによって、生育中の植物および作物を動物害虫、特に昆虫、ダニ類または蛛形類による攻撃または寄生から保護するのに用いることができる。「作物」という用語は、生育中の作物と収穫された作物の両方を意味する。
【0124】
さらに動物害虫は、標的とする害虫、その食糧、生息地、繁殖場所またはその部位を、殺虫上有効量の式Iの化合物と接触させることにより防除することができる。かかる場合、施用は、その部位、生育中の作物または収穫された作物に害虫が感染する前後に行うことができる。
【0125】
また本発明の化合物は、害虫の発生が予想される場所に予防的に施用することもできる。
【0126】
また式Iで表される化合物は、植物を殺虫上有効量の式Iで表される化合物と接触させることにより、害虫による攻撃または寄生から生育中の植物を保護するために用いることもできる。かかる場合、「接触(させること)」とは、直接的な接触(本化合物/組成物を動物害虫または植物に、一般的には植物の葉、幹または根に、直接施用すること)と、間接的な接触(本化合物/組成物を動物害虫および/または植物の部位に施用すること)の両方を含む。
【0127】
「部位」とは、害虫または寄生生物が成長しているか、または成長の可能性のある生息地、繁殖場所、植物、種子、土壌、区域、材料、または環境を意味する。
【0128】
一般に、「殺虫上有効量」とは、成長に対する顕著な作用(ネクローシス、死滅、遅延、予防、および除去、駆除の作用を含む)を得るために必要とされる活性成分の量、さもなければ、標的生物の発生および活性を減じるのに必要とされるその量を意味する。殺虫上有効量は、本発明で用いられる各種混合物/組成物によって変わり得る。また本組成物の殺虫上有効量は、例えば、所望の殺虫作用および持続期間、天候、標的種、部位、施用方法等の実施条件により変わる。
【0129】
土壌処理の場合または害虫生息地もしくは巣へ施用する場合、活性成分の量は、100m2当たり0.0001〜500g、好ましくは100m2当たり0.001〜20gの範囲である。
【0130】
材料保護における慣用の施用率は、例えば、処理する材料1m2当たり0.01g〜1000g、望ましくは1m2当たり0.1g〜50gの活性化合物である。
【0131】
材料の注入で使用する場合の殺虫剤組成物は、一般に0.001〜95重量%、好ましくは0.1〜45重量%、さらに好ましくは1〜25重量%の少なくとも1種の忌避剤および/または殺虫剤を含有する。
【0132】
作物の処理で使用する場合には、本発明の活性成分の施用率は、1ヘクタール当たり0.1g〜4000g、望ましくは1ヘクタール当たり25g〜600g、さらに望ましくは1ヘクタール当たり50g〜500gの範囲であってもよい。
【0133】
式Iの化合物は、接触(土壌、ガラス、壁、蚊帳、カーペット、植物の各種部分または動物の各種部分を介した接触)、および摂食(餌または植物の各種部分)の両方により有効である。
【0134】
本発明の化合物は、アリ、シロアリ、カリバチ、ハエ、カ、コオロギまたはゴキブリなどの非作物害虫に対して施用することもできる。前記非作物害虫に対する使用に関しては、式Iで表される化合物を餌組成物で用いるのが好ましい。
【0135】
餌は、液状、固形または半固形の調製物(例えばゲル)であってもよい。固形の餌は、それぞれの施用に好適な各種形状および形態(例えば粒状、ブロック状、スティック状、円盤状)に成形することができる。液状の餌は、適切な施用が確実に行われる各種器具(例えば、オープン容器、スプレー器具、液滴供給源または蒸気供給源)へ充填することができる。ゲル状の餌は、水性マトリックスまたは油性マトリックスをベースとし、粘性、水分または老化特性の点から特定の必要品に成形することができる。
【0136】
本組成物で用いられる餌は、それを食べるアリ、シロアリ、カリバチ、ハエ、カ、コオロギなどの昆虫またはゴキブリを刺激するのに十分に誘引性のある製品である。摂食刺激物質または性フェロモンを用いることにより誘引性を調整することができる。摂食刺激物質は、例えば、これらに限定されるものではないが、動物タンパク質および/または植物タンパク質(肉粉、魚粉または血粉、昆虫の各種部分、卵黄)から、動物および/または植物由来の油脂、あるいはモノ、オリゴまたはポリオルガノサッカライド類、特にスクロース、ラクトース、フルクトース、デキストロース、グルコース、デンプン、ペクチンまたはモラッセまたは蜂蜜などから選択する。フルーツ、作物、植物、動物、昆虫またはその特定部分の新鮮な部分または腐敗部分もまた摂食刺激物質として利用することができる。性フェロモンは多くの昆虫に固有であることが知られている。文献には固有フェロモンが記載されており、当業者には周知である。
【0137】
餌組成物で使用する場合には、活性成分の典型的な含有量は、0.001重量%〜15重量%、望ましくは0.001重量%〜5重量%(活性化合物重量%)である。
【0138】
エアロゾル(例えば噴霧(スプレー)缶中のエアロゾル)、油性噴霧剤またはポンプ式噴霧剤としての式Iの化合物の製剤は、ハエ、ノミ、ダニ、カまたはゴキブリなどの害虫の防除用として、専門外ユーザーに非常に好適である。エアロゾル処方は、好ましくは、本活性化合物、溶媒、例えば低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、沸点範囲が約50〜250℃のパラフィン族炭化水素(例えばケロシン)、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、水、さらに乳化剤などの補助剤、例えばソルビトールモノオレエート、3〜7molのエチレンオキシドを含むオレイルエトキシレート、脂肪アルコールエトキシレート、香油、例えば芳香油、中級脂肪酸と低級アルコールのエステル、芳香族化合物カルボニル化合物、必要に応じて安定剤、例えば安息香酸ナトリウム、両性界面活性剤、低級エポキシド、オルトギ酸トリエチル、さらに所望に応じて噴射剤、例えばプロパン、ブタン、窒素、圧搾空気、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素またはこれらのガスの混合物からなる。
【0139】
油性噴霧剤は、噴射剤を用いない点でエアロゾル処方とは異なる。
【0140】
噴霧剤組成物で使用する場合には、活性成分の含有量は、0.001〜80重量%、好ましくは0.01〜50重量%、最も好ましくは0.01〜15重量%である。
【0141】
また、式Iの化合物およびその各組成物は、蚊取線香および燻し型線香(fumigating coil)、排煙カートリッジ、気化器(vaporizer plate)または長期型気化器(long-term vaporizer)で、また虫取り紙、虫用パッド(moth pad)または他の非加熱性気化器系統で用いることもできる。
【0142】
また、式Iの化合物およびその各組成物で、昆虫によって伝搬される感染症(例えばマラリア、デング熱および黄熱病、リンパ性糸状虫症および皮膚リーシュマニア症)を予防する方法は、小屋および住居の表面処理、空気噴霧、ならびにカーテン、テント、衣料品、蚊帳、ツェツェバエ用捕獲具等への注入を含む。繊維、織物、ニットウェア、不織布、ネット状材料またはホイルおよび防水布へ施用するための殺虫剤組成物は、好ましくは、本殺虫剤を含み、場合により忌避剤および少なくとも1種の結合剤を含んでいる混合物を含む。好適な忌避剤は、例えば、N,N-ジエチル-メタ-トルアミド(DEET)、N,N-ジエチルフェニルアセトアミド(DEPA)、1-(3-シクロヘキサン-1-イル-カルボニル)-2-メチルピペリン、(2-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)酢酸ラクトン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、インダロン、メチルネオデカンアミド(MNDA)、昆虫防除で用いられていないピレスロイド、例えば、{(+/-)-3-アリル-2-メチル-4-オキソシクロペンタ-2-(+)-エニル-(+)-トランス-クリサンテメート(Esbiothrin)、植物抽出物由来の忌避剤または植物抽出物と同じ忌避剤、例えば、リモネン、オイゲノール、(+)-ユーカマロール(Eucamalol)(1)、(-)-1-epi-ユーカマロール、またはユーカリプツス・マクラタ(Eucalyptus maculata)、ビテックス・ロツンジホリア(Vitex rotundifolia)、シンボポガン・マルチニイ(Cymbopogan martinii)、シンボポガン・シトラツス(Cymbopogan citratus)(レモングラス)、シモポガン・ナルトズス(Cymopogan nartdus)(シトロネラ)などの植物から得た粗製植物抽出物である。好適な結合剤は、脂肪族系酸のビニルエステルのポリマーおよびコポリマー(例えば、ビニルアセテートおよびビニルベルサテート)、アルコールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、およびメチルアクリレート、モノエチレン系およびジエチレン系の不飽和炭化水素、例えばスチレン、ならびに脂肪族ジエン、例えばブタジエンから選択する。
【0143】
カーテンおよび蚊帳への注入は、主として、その繊維材料を殺虫剤のエマルションまたは分散液に浸漬することによるか、または蚊帳上にそれらを噴霧することにより行う。
【0144】
式Iの化合物およびその組成物は、アリおよび/またはシロアリから、木製材料(例えば木、板塀、枕木など)、および建物(例えば家、離れ家、製造所など)、また建設材料、家具、皮革、繊維、ビニル物品、電線、ケーブル等を保護するため、ならびに作物またはヒトに危害を加えること(例えば、害虫が家屋や公共施設へ侵入する場合など)からアリおよびシロアリを防除するために用いることができる。式Iの化合物は、木製材料を保護するために周囲の土壌表面または床下の土壌へ施用されるだけでなく、床下のコンクリート、アルコーブポスト、梁、合板、家具などの表面のような材木品、削片板、ハーフボードなどの木製品、およびコーティングされている電線、ビニールシートなどのビニール製品、発泡スチロールなどの断熱材などにも施用することができる。作物またはヒトへ危害を加えるアリに対して施用する場合には、本発明のアリ防除剤は、作物または周囲の土壌に施用するか、直接アリの巣等に施用する。
【0145】
種子処理
式Iで表される化合物は、害虫から(特に土壌中に生息している害虫から)種子を保護し、生じる植物の根およびシュートを土壌害虫および食葉性昆虫に対して保護するための種子処理にも適している。
【0146】
式Iで表される化合物は、土壌害虫からの種子の保護と、土壌害虫および食葉性昆虫に対するそれから生じる植物の根およびシュートの保護に特に有用である。好ましいのは、生じる植物の根およびシュートの保護である。より好ましいのは、昆虫が生じる植物のシュートに刺しこみ、吸汁することから保護することであり、この場合、最も好ましいのはアブラムシからの保護である。
【0147】
したがって、本発明には、昆虫から(特に土壌昆虫から)種子を保護する方法、昆虫から(特に土壌昆虫および食葉性昆虫から)実生苗の根およびシュートを保護する方法、播種前および/または予備発芽後の種子を一般式Iで表される化合物またはその塩と接触させることを含む前記方法が含まれる。特に好ましいのは、植物の根およびシュートを保護する方法、さらに好ましいのは、植物のシュートを昆虫の吸汁から保護する方法、特に好ましいのは、植物のシュートをアブラムシから保護する方法である。
【0148】
種子という用語には、本来の種子、種子の一部、吸根、球茎、鱗茎、果実、塊茎、穀粒、切片(cutting)、挿し芽(cut shoot)などをはじめとする(ただし、これらに限定されるものではない)、すべての種類の種子および植物珠芽が含まれるが、好ましい実施形態においては、本来の種子を意味する。
【0149】
種子処理という用語には、種子粉衣法(seed dressing)、種子コーティング法(seed coating)、種子散粉法(seed dusting)、種子浸漬法(seed soaking)および種子ペレッティング法(seed pelleting)などの当技術分野で周知の好適な種子処理技術がすべて含まれる。
【0150】
また本発明は、本活性化合物でコーティングした種子または本活性化合物を含有する種子も含む。
【0151】
「〜でコーティングした、および/または、〜を含有する」という用語は、一般に、施用時に活性成分が繁殖物(propagation product)の表面上にその大部分があることを意味する。その場合、施用方法に応じて、程度の差はあってもその成分の一部が繁殖物に入り込んでいてもよい。前記繁殖物が(再)植栽される場合には、その活性成分が吸収され得る。
【0152】
好適な種子は、禾穀類、根菜類、油料作物、野菜、香辛料および観賞植物の種子であり、例えば、デュラムコムギおよび他のコムギ、オオムギ、オートミール、ライムギ、トウモロコシ(飼料用コーンおよびシュガーコーン/スイートコーンおよびフィールドコーン)、ダイズ、油料作物、アブラナ、ワタ、ヒマワリ、バナナ、イネ、ナタネ、カブラ、テンサイ、飼料ビート、ナス、ジャガイモ、牧草、芝生(lawn)、芝地(turf)、飼料草、トマト、ニラ、パンプキン/カボチャ、キャベツ、アイスバーグレタス、コショウ、キュウリ、メロン、アブラナ種、メロン、マメ、エンドウ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、ジャガイモのような塊茎植物、サトウキビ、タバコ、ブドウの木、ツクバネアサガオ、ゼラニウム/テンジクアオイ、パンジーおよびホウセンカなどの種子である。
【0153】
さらに、本活性化合物は、育種(遺伝子工学手法を含む)によって除草剤または殺菌剤または殺虫剤の作用に耐性を持つ植物から得た種子の処理に用いることもできる。
【0154】
例えば、本活性化合物は、スルホニル尿素誘導体、イミダゾリノン、グルホシネート-アンモニウムまたはグリホサート-イソプロピルアンモニウムおよび類似活性物質からなる群から選択される除草剤に耐性のある植物(例えば以下を参照:EP-A-0242236、EP-A-242246)(WO 92/00377)(EP-A-0257993、米国特許第5,013,659号)、あるいは、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素(Bt毒素)を産出する能力を持ち、植物に特定の害虫に対する耐性が付与されたトランスジェニック作物(例えばワタ)(EP-A-0142924、EP-A-0193259)から得た種子の処理で使用することができる。
【0155】
さらに、本活性化合物は、例えば、従来の育種法および/もしくは突然変異体作製法または組換え手法によって作製され得る、既存の植物と比べた場合に特性が変化している植物から得た種子の処理に用いることもできる。例えば、植物中で合成されるデンプンの改変を目的とした作物の組換え改変体に関する多くの事例が記載されている(例えばWO 92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)。あるいは、脂肪酸組成を改変したトランスジェニック作物の多くの事例が記載されている(WO 91/13972)。
【0156】
本活性化合物の種子処理における施用は、植物の播種前および植物の出芽前に、種子に噴霧または散布することによって行なわれる。
【0157】
種子処理で特に有用な組成物は、例えば、次のものである:
A 液剤(solbule concentrates)(SL、LS)、
D エマルション製剤(emulsions)(EW、EO、ES)、
E 懸濁製剤(suspensions)(SC、OD、FS)、
F 顆粒水和剤(water-dispersible granule)および顆粒水溶剤(water-soluble granules)(WG、SG)、
G 粉末水和剤(water-dispersible powders)および粉末水溶剤(water-soluble powders)(WP、SP、WS)、
H ゲル製剤(GF)、
I 散粉剤(dustable powder)(DP、DS)。
【0158】
慣用の種子処理製剤としては、例えば、流動性濃縮剤(FS)、液剤(LS)、乾燥処理用粉剤(DS)、スラリー処理用粉末水和剤(WS)、粉末水溶剤(SS)およびエマルション製剤(ESおよびEC)、ならびにゲル製剤(GF)が挙げられる。これらの製剤は、種子に希釈して施用してもよいし、希釈しないで施用することもできる。種子への施用は、播種前、播種時に直接、または予備発芽させた後に行う。
【0159】
好ましい実施形態では、FS製剤を種子処理に用いる。典型的には、FS製剤は、1〜800g/Lの活性成分、1〜200g/Lの界面活性剤、0〜200g/Lの不凍剤、0〜400g/Lの結合剤、0〜200g/Lの着色剤、および1リットル以下の溶媒(好ましくは水)を含むことができる。
【0160】
種子処理用の式Iで表される化合物の特に好ましいFS製剤は、通常、0.1〜80重量%(1〜800g/L)の活性成分、0.1〜20重量%(1〜200g/L)の少なくとも1種の界面活性剤、例えば0.05〜5重量%の湿潤剤、および0.5〜15重量%の分散剤、20重量%以下(例えば5〜20%)の不凍剤、0〜15重量%(例えば1〜15重量%)の着色剤および/または色素、0〜40重量%(例えば1〜40重量%)の結合剤(固着剤/付着剤)、場合によっては5重量%以下(例えば0.1〜5重量%)の増粘剤、場合によっては0.1〜2%の消泡剤、場合によっては例えば0.01〜1重量%の量の殺菌剤、抗酸化物質などの防腐剤、ならびに100重量%以下の充填剤/ビヒクルを含む。
【0161】
また種子処理剤は、さらに結合剤を含んでいてもよく、場合によっては着色剤を含んでいてもよい。
【0162】
結合剤は、処理後の種子への活性物質の付着性を高めるために加えることができる。好適な結合剤は、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、およびそれらのコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、アクリルホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミドおよびポリエチレンイミン、セルロース、チロースおよびデンプンなどの多糖類、ポリオレフィンホモポリマーおよびオレフィン/無水マレイン酸コポリマーなどのコポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレンホモポリマーおよびコポリマーである。
【0163】
場合によっては、着色剤を本製剤に入れることもできる。種子処理用製剤に好適な着色剤または色素は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベイシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベイシックレッド10、ベイシックレッド108である。
【0164】
ゲル化剤の例は、カラギーン(Satiagel(登録商標))である。
【0165】
種子処理においては、本化合物Iの施用率は、通常、種子100kg当たり0.1g〜10kg、好ましくは種子100kg当たり1g〜5kg、より好ましくは種子100kg当たり1g〜1000g、特に種子100kg当たり1g〜200gである。
【0166】
したがって、本発明はまた、本明細書で定義した、式Iで表される化合物またはIの農業上有用な塩を含む種子に関する。化合物Iまたはその農業上有用な塩の量は、一般に、種子100kg当たり0.1g〜10kg、好ましくは種子100kg当たり1g〜5kg、特に種子100kg当たり1g〜1000gで変動する。レタスなどの特定の作物では、その率は高くなり得る。
【0167】
ここで、以下の実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
【0168】
以下の表Cで、好ましい化合物の例の一部をそれらの物性データにより特性決定している。
【0169】
表C:
生成物は、連結高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)により、NMRにより、またはそれらの融点により特性決定した。分析用HPLCカラム:RP-18カラム(Chromolith Speed ROD、Merck KgaA(ドイツ)製)。溶離:アセトニトリル+0.1% トリフルオロ酢酸(TFA)/水+0.1% TFA、40℃で5分間、5:95〜95:5の比率で実施。
【0170】
一部の化合物は1H-NMRによって特性決定した。シグナルは、テトラメチルシランに対する化学シフト(ppm)によって、その多重度によって、およびその積分(所定の水素原子の相対数)によって特性決定した。以下の略語は、シグナルの多重度を特性決定するために用いている:M=多重項、q=四重項、t=三重項、d=二重項およびs=一重項。
【表2】







【0171】
合成実施例
S.1 2-エチル-4-メトキシ-1,1-ジオキソ-1,2-ジヒドロ-1λ*6*-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イリデン-アミン(化合物実施例C.3)
15mlの1,4-ジオキサンおよび6mlの水の混合物中に2.59g(18.7mmol)の炭酸カリウムを含む溶液に対し、1.50g(6.24mmol)の2-シアノ-N-エチル-3-メトキシ-ベンゼンスルホンアミドをを加えた。溶液を室温で24時間撹拌した。その溶液に10%のHCl(pH=7)を添加することにより中和した。酢酸エチルで2回その溶液を抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。まだなお出発物質を含んでいるその粗生成物を酢酸エチルおよび10%HClの混合物中に溶解し、激しく振とうさせた。これらの層を分離し、水層に重炭酸ナトリウムを添加して中和した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮したところ、111〜114℃の融点(Tmp)を有する830mg(3.45mmol)の表題化合物が得られた。
【0172】
S.2 4-メチル-1,1-ジオキソ-1H-1λ*6*-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)-プロパ-2-イニル-アミン(化合物実施例C.19):
ステップ1:2-シアノ-N-ジエトキシメチレン-3-メチル-ベンゼンスルホンアミドの合成
3.60g(18.4mmol)の2-シアノ-3-メチル-ベンゼンスルホンアミドおよび5.29gのテトラエトキシメタン(27.5mmol)を、混合物からエタノールを除去しながら、撹拌しつつゆっくりと160℃に加熱した。混合物を室温まで冷却した。残渣をペトロールエーテルで温浸し、濾過し、乾燥させたところ、4.91g(理論値の90%)の2-シアノ-N-ジエトキシメチレン-3-メチル-ベンゼン-スルホン-アミドが得られた。
【0173】
ステップ2:4-メチル-1,1-ジオキソ-1H-1λ*6*-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)-プロパ-2-イニル-アミンの合成(C.19)
500mg(1.69mmol)の2-シアノ-N-ジエトキシメチレン-3-メチル-ベンゼンスルホン-アミドと930mg(16.9mmol)のプロパルギルアミンとを70℃で4時間加熱した。真空中で揮発成分をすべて除去した。ジクロロメタンで残渣を温浸したところ、246mgの表題化合物(1.05mmol;理論値の62%)(C.19)が得られた。
【0174】
S.3. (4-ジフルオロメトキシ-1,1-ジオキソ-1H-1λ*6*-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)-イソプロピルアミン(化合物実施例C.26)
400mg(1.5mmol)の3-クロロ-4-ジフルオロメトキシ-ベンゾ[d]イソチアゾール1,1-ジオキシドを5mlの無水THFに溶解し、0℃に冷却した。883mg(15.0mmol)のイソプロピルアミンを5mlの無水THFに溶解し、ゆっくりと添加した。撹拌をこの温度で1時間、室温で14時間継続した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣をシリカで精製したところ(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)、140mgの表題化合物(0.48 mmol;理論値の32%)(C.26)が得られた。
【0175】
S.4 (4-メトキシ-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)-メチル-アミン(化合物実施例C.32)
ステップ1:ナトリウム2-シアノ-3-メトキシ-ベンゼンチオラートの合成
15.5g(93.8mmol)の4-メトキシ-ベンゾ[d]イソチアゾールを室温で200mlのエチレングリコールジメチルエーテルに溶解した。10.45g(188mmol)のナトリウムメトキシドを添加した。混合物を80℃で8時間加熱し、室温で16時間撹拌を継続した。混合物を分割し、その混合物の4分の1をそれ以上精製することなく後続の合成に用いた。
【0176】
ステップ2:(4-メトキシ-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)-メチル-アミンの合成(C.32)
前の反応物の反応混合物に、THFに溶解した55g(704mmol)のメチルアミンを添加した。混合物を0℃に冷却した。5%のNaOCl溶液34.9g(23.5mmol)をゆっくりと添加した。混合物を一晩室温まで加温しながら撹拌した。反応混合物を水中へ注ぎ入れた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカ(溶離剤シクロヘキサン/酢酸エチル)で精製したところ、褐色を帯びた油状物として3.04gの表題生成物(15.7mmol)が得られた。
【0177】
S.5 エチル-(4-メトキシ-1-オキソ-1H-1λ*4*-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)-アミン(化合物実施例C.34)
化合物実施例32と同様にして製造した90mg(0.43mmol)のエチル-(4-メトキシ-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)-アミンを、10mlのジクロロメタンに溶解した。溶液を0℃まで冷却し、100mgの70% m-クロロ-過安息香酸を分けながら添加した。冷却浴を取り除き、室温で30分間撹拌を継続した。溶液をNa2CO3溶液へ注いだ。層を分離し、有機層をNa2CO3溶液および水で洗浄した。有機層をNaSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を逆相HPLC(溶離剤アセトニトリル/水)によって精製したところ、40mgの表題生成物(0.18mmol)が得られた。
【0178】
B. 害虫に対する生物学的実施例
本活性化合物を50vol.%アセトン:50vol.%水の混合物中で製剤化した。溶液中には非イオン性界面活性剤(Kinetic(商標))を0.01%v/vで入れた。
【0179】
以下の試験では、本活性化合物の製剤化溶液剤を300ppmの有効成分濃度まで希釈し、その希釈溶液を以下に記載の試験で施用した。
【0180】
害虫に対する式Iで表される化合物の作用は、以下の実験によって証明した。
【0181】
B.1 ワタアブラムシ(アフィス・ゴシッピ(Aphis gossypii))、混合ライフステージ
子葉期のワタ植物に、アブラムシの主要なコロニーから得た重度に寄生されている葉を各子葉の上面の上に置くことにより寄生させた。アブラムシを一晩で移し、宿主葉を除去した。次いで、寄生させた子葉を3秒間被験液に浸漬し撹拌し、換気フード中で乾燥させた。試験植物を25℃で相対湿度20〜40%の蛍光下(光周期24時間)で保持した。5日後、処理植物におけるアブラムシの死滅率を未処理の比較対照植物群における致死率と比べることにより判定した。
【0182】
この試験では、化合物実施例の1〜9、11、13、14、17、19〜22、26〜46、49および50が、300ppmで未処理対照群と比較して少なくとも86%のワタアブラムシ(アフィス・ゴシッピ、混合ライフステージ)の致死率を示した。
【0183】
B.2 モモアカアブラムシ(ミザス・ペルシカエ(Myzus persicae))、混合ライフステージ
第一子葉期のトウガラシ植物に、処理前に、試験植物の最上部にアブラムシの主要なコロニーから得た重度に寄生されている葉を置くことにより寄生させた。一植物当たり30〜40匹のアブラムシが寄生するように一晩アブラムシを移動させ、宿主葉を取り除いた。次いで、寄生させた試験植物の葉を3秒間被験液に浸漬して撹拌し、換気フード中で乾燥させた。試験植物を25℃で相対湿度20〜40%の蛍光下(光周期24時間)で保持した。5日後、処理植物におけるアブラムシの死滅率を未処理の比較対照植物群における致死率と比べることにより判定した。
【0184】
この試験では、化合物実施例の1〜5、9、14、19、20、24、26〜46、49および50が、300ppmで未処理対照群と比較して少なくとも86%のモモアカアブラムシの致死率を示した。
【0185】
B.3 マメクロアブラムシ(アフィス・ファバエ(Aphis fabae))
切り取った寄生植物をメトロミックス(Metro mix)で成育させた第一対葉期のキンレンカ(品種「Mixed Jewel」)の頂部におくことにより、該被験植物に研究室飼育の約2〜30匹のアブラムシを寄生させた。その切り取った植物は、24時間後に取り除いた。各植物を、茎葉部、茎、隆起した種子の表面および周囲の立方体の表面が完全に被覆されるように試験溶液に浸漬し、換気フード中で乾燥させた。処理した植物は、約25℃で、連続した蛍光灯下に維持した。アブラムシの死亡率は、3日後に判定した。
【0186】
この試験では、化合物実施例の2〜6、9、13、14、16、17および24が、300ppmで未処理対照群と比較して少なくとも86%のマメクロアブラムシの致死率を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、
nは、0、1または2であり;
R1は、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C2-C6-ハロアルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシから選択され、この場合、前記の基は非置換であってもよく、あるいは、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ、アミノカルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、C3-C8-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1、2または3個の基を有していてもよく、フェニルについては、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、互いに独立して、CN、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびC1-C4-ハロアルコキシからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基を有していてもよく;
R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、C1-C6-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、アミノ、(C1-C4-アルキル)アミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ、アミノカルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、スルホニル、スルホニルアミノ、スルフェニルアミノ、スルファニルアミノおよびC(=O)-R2aまたはC(=O)-R3aまたはC(=O)-R4aからなる群から選択され、
この場合、R2aまたはR3aまたはR4aは、水素、ヒドロキシ、C1-C6-アルコキシ、アミノ、C1-C6-アルキル、アリール、アリール-C1-C6-アルキル、(C1-C6-アルキル)-アミノ、ジ-(C1-C6-アルキル)-アミノ、3員〜7員のヘテロアリールまたはヘテロアリール-C1-C4-アルキルからなる群から選択され、ここで、ヘテロアリール環は、窒素、酸素、硫黄、基SO、SO2またはNR2bまたはNR3bまたはNR4bからなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を環員として含んでおり、またここで、R2bまたはR3bまたはR4bは、水素、C1-C6-アルキルまたは(C1-C6-アルキル)-カルボニルであり;
R5は、水素、OR5a、C1-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、アリール-C1-C4-アルキル、ヘタリール-C1-C4-アルキル、ヘテロシクリル-C1-C4-アルキルからなる群から選択され、この場合、これらの基は非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルコキシ、C1-C10-ハロアルキルチオ、(C1-C10-アルコキシ)カルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、(C1-C10-アルキル)アミノ、ジ-(C1-C10-アルキル)アミノ、C3-C10-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1〜4個の基を有していてもよく、フェニルについては、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよく、
この場合、R5aは、水素、C1-C10-アルキル、C1-C10-アシル、C3-C10-シクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-アルキニル、アリール、アリール-C1-C4-アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール-C1-C4-アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル-C1-C4-アルキルから選択され、またここで、すべての基は、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルフィニル、C1-C4-アルキルスルホニル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノおよびC3-C8-シクロアルキルからなる群から選択される1、2または3個の基を有していてもよい)
で表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは塩(但し、nが0である場合、R5は水素ではない)。
【請求項2】
nが2である、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項3】
nが1である、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項4】
nが0である、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項5】
R1がC1-C6-アルコキシまたはC1-C6-ハロアルコキシから選択される、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項6】
R1がC1-C6-フルオロアルコキシまたはC1-C6-クロロアルコキシから選択される、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項7】
R2、R3およびR4が互いに独立して水素、F、Cl、BrまたはJからなる群から選択される、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項8】
R2、R3およびR4が互いに独立して水素またはフッ素である、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項9】
R2、R3およびR4が水素である、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項10】
R5がC1-C6-アルキルから選択され、前記の基は非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルコキシ、C1-C10-ハロアルキルチオ、(C1-C10-アルコキシ)カルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、(C1-C10-アルキル)アミノ、ジ-(C1-C10-アルキル)アミノ、C3-C10-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1〜4個の基を有していてもよく、フェニルについては、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項11】
R5が水素であり、nが1または2である、請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項12】
R1がC1-C6-アルコキシまたはC1-C6-ハロアルコキシから選択され、
R2、R3およびR4が互いに独立して水素、F、Cl、BrまたはJからなる群から選択される、
請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項13】
R1がC1-C6-アルコキシまたはC1-C6-ハロアルコキシから選択され、
R2、R3およびR4が水素である、
請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項14】
R1がC1-C6-アルコキシまたはC1-C6-ハロアルコキシから選択され、
R2、R3およびR4が互いに独立して水素、F、Cl、BrまたはJからなる群から選択され、
R5がC1-C6-アルキルから選択され、前記の基は非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルコキシ、C1-C10-ハロアルキルチオ、(C1-C10-アルコキシ)カルボニル、シアノ、ニトロ、アミノ、(C1-C10-アルキル)アミノ、ジ-(C1-C10-アルキル)アミノ、C3-C10-シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される1〜4個の基を有していてもよく、フェニルについては、非置換であってもよく、部分的もしくは完全にハロゲン化されていてもよく、かつ/または、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、
請求項1に記載の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは塩と、少なくとも1種の不活性な液体担体および/または固体担体とを含む組成物。
【請求項16】
農薬組成物であって、かかる殺虫上有効量の請求項1〜14のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは農業上有用な塩と、少なくとも1種の不活性な液体および/または固体の農業上許容可能な担体とを含み、少なくとも1種の界面活性剤を含んでいてもよい、前記農薬組成物。
【請求項17】
動物害虫またはそれらの食糧、生息地または繁殖場所を、殺虫上有効量の請求項1〜14のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは塩と、あるいは少なくともかかる化合物を含む組成物と接触させることを含む、動物害虫を駆除または防除する方法。
【請求項18】
植物または植物が生育している土壌もしくは水を、殺虫上有効量の請求項1〜14のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは塩と、あるいは少なくともかかる化合物を含む組成物と接触させることを含む、動物害虫による攻撃または寄生から生育中の植物を保護する方法。
【請求項19】
動物害虫が昆虫、蛛形類または線虫類である、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
動物害虫が同翅目または総翅目から選択される、請求項17または18に記載の方法。
【請求項21】
播種前および/または予備発芽後の種子を、請求項1〜14のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは塩、あるいは少なくともかかる化合物を含む組成物と接触させることを含む、土壌昆虫から種子を、ならびに土壌昆虫および食葉性昆虫から実生苗の根およびシュートを保護する方法。
【請求項22】
式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物を種子100kg当たり100mg〜10kgの量で施用する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
生じる植物の根およびシュートが保護される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
生じる植物のシュートがアブラムシから保護される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜14のいずれか1項で定義した式Iで表される3-アミノ-1,2-ベンゾイソチアゾール化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは農業上有用な塩を種子100kg当たり0.1g〜10kgの量で含む種子。

【公表番号】特表2009−531374(P2009−531374A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502032(P2009−502032)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052738
【国際公開番号】WO2007/113119
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】