説明

動物用及びヒト用医薬における活性物質の投与用の、粘膜接着性を有し、崩壊可能な医薬品調合剤

【課題】本発明は、動物用又はヒト医薬品における活性物質を投与するための、粘膜接着性医薬品調合剤に関し、少なくとも一つの活性物質を有している。
【解決手段】該調合剤は、粘膜接着性マトリックスで、水系媒体にて崩壊可能であり、該マトリックスは、少なくとも一つのマトリックス形成ポリマーを有し、少なくとも一つの活性物質が溶解又は分散している。前記調合剤は、水系媒体又は体液に導入後、最大15分以内で崩壊することを特徴とする。また、前記調合剤は、初期的に、水系媒体又は体液に導入後、最大15分以内でゲル化し、前記導入後、最大30分以内で崩壊することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水系溶媒にて、急速に崩壊する、粘膜接着性を有する医薬品調合剤に関し、医薬活性物質を、粘膜で覆われた動物や人体空洞部へと投与するためのものである。
【背景技術】
【0002】
動物用医薬品における活性物質を経口投与することは、しばしば、特別な問題及び努力を伴う。処置動物は、薬物処理の実施を、しばしば拒絶するからである。したがって、例えば、愛顔動物としての猫では、薬液や錠剤の服用に対し極度に抵抗するので、活性物質を経口投与により薬物治療を行う場合、極度の努力を伴い、極度に困難である。例えば、動物用の飼料と、固型粒子の形で、投与すべく医薬品を混合した場合でさえ、ほとんどの場合不成功に終わる。というのも、飼料摂取の際、医薬品粒子を選択的に避け、医薬品フリーの飼料のみを摂食するからである。それにもかかわらず、もし、経口投与が成功したとしても、医薬品は、ほとんどの場合、即座に吐き出されてしまう。というのも、動物は、医薬品が外来体であることに気づき、又は有毒であると推測し、又は摂食に適さないと感じるからである。従って、動物の飼育人は、直接的に投与しなければならない。つまり、動物の咽喉深く導入し、かつ、可能な限り、口を閉じ、保持することにより、動物が医薬品を吐き出すことを阻止しなければならない。特に、公知のように、このような方法により猫を取り扱うことは、極度の努力が伴い、かつ、通常、防護グローブの装着を余儀なくされる。この理由により、ペットや家畜の多くの所有者は、追加的なコストを強いる獣医による医薬処理を好む。さらに、上述の投薬様式は、動物を、相対的に、過度のストレス下にて行われることになる。加えて、上述のような事情ゆえ、動物が実際に、活性物質における投与量を確実に摂取したことを確認することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明における課題は、医薬品を動物に投与、特に、経口投与において現存する上述の問題を、避け、あるいは、少なくとも軽減する方法による、投与形式を供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、この課題は、請求項1及び2、及び従属項に記載した好適実施例にしたがった、粘膜接着性を有する医薬品調合剤により解決する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
この医薬品調合剤は、水系溶媒中で崩壊可能な、粘膜接着性マトリックスを有する点で際立っており、このマトリックスは、少なくとも一つのマトリックス形成ポリマーにて形成され、少なくとも、水系溶媒中で溶解または分散する活性物質を有している;任意で、このマトリックスは、一つ以上の補助物質を含んでいてもよい。本発明における医薬品調合剤の本質的特徴は、さらに、水系溶媒又は体液中に導入されたのち、最大15分以内で急速に崩壊されるという事実を有している。
【0006】
本発明のさらなる具体例において、この調合剤に供されるのは、水系溶媒又は体液中に導入された後最大15分以内でゲル化し、かつ、導入後、最大30分以内で崩壊又は崩壊することである。
【0007】
粘膜接着性投与形態は、すでに、いくつかにおいて、述べられているが、これら投与形態では、急速に崩壊されない。米国特許第5,750,136号明細書では、粘膜に接着し、活性物質の送達が持続的に緩慢に起こることを可能にする、粘膜接着性投与形態について述べられている。さらに、米国特許第5,908,637号明細書では、ヘパリンの送達に適し、軟膜への活性物質の送達を遅延させる、粘膜接着性投与形態について述べられている。米国特許第5,942,243号明細書では、活性物質の送達が持続的で遅延的に起こる、動物への活性物質の送達に適した粘膜接着性投与形態について開示されている。さらに、米国特許第4,984,580号明細書では、ステロイド、抗生物質、及び抗菌活性物質の有利溶媒として使用可能で、かつ、凍結乾燥されたポリマー混合物による製造可能な、生体接着性処方について述べられている。最後に、米国特許第5,225,196号明細書では、活性物質送達を制御された、水中では膨潤可能なポリマーを有するが、架橋され、難水溶性である、公知生体接着性処方について述べられている。上述の粘膜接着性医薬形態のいずれも、水系溶媒中にて、急速に崩壊する特性を有していない(例えば15分以内)。
【0008】
本発明における医薬品調合剤の本質的な利点が構成するのは、粘膜接着性で、急速に崩壊する医薬品形態が、動物の標的粘膜に接触することだけを必要とし、動物を、その粘膜表面に強力に接着することで医薬品形態を生じ、短時間で、処置することである。結果として、この医薬品は、もはや、動物によって、吐き出されたり、排除することができない。これは、主として、医薬品調合剤の粘膜接着性処方により達成される。医薬品腸合剤が湿度を吸収し次第、粘膜に接触した際、期待されるように、粘膜接着性処方の接着作用が始まる。処置動物が、医薬品を、咀嚼したり、しゃぶることにより、排除しようと試みても、この系における接着性への追加的な支持を与えるのみである。
【0009】
この様式において、簡易かつ安全に活性物質の適用を達成することが可能となり、さらに特に、粘膜への接着により、投与形態を吐き出したり、排除することを不可能にするので、意図する活性物質量を、確実に投与することができる。
【0010】
この標的粘膜は、第一に口腔粘膜と考えられるが、それと同様に、咽頭や、鼻腔粘膜とも考えられる。本発明における医薬品腸合剤は、その他の人及び動物体部、例えば、腸管や腟の粘膜などの、その他の粘膜へも適用されてもよい。
【0011】
原則として、本発明におけるこの粘膜接着性医薬品調合剤は、粘膜を有するすべての体空洞部への、活性物質の放出に適しており、例えば、尿道への適用も含まれる。
【0012】
粘膜表面へと医薬品が適用され、同様に接着された後、水分又は周囲の水系溶媒、例えば、体液、の作用により、崩壊が始まる。同時に、医薬品形態にて保持されている活性物質は、放出され、関連する粘膜、例えば口腔粘膜、を介して吸収され、あるいは、周囲の体液(例えば唾液)によりさらに輸送されたり、別の場所にて吸収されたりする。例えば、口腔粘膜に接着したこの活性物質調合剤により放出された活性物質は、唾液によって、溶解または分散可能である。続いて、この唾液−活性物質溶液は、この活性物質(群)が吸収される消化管に入る。好ましくは、本発明におけるこの調合剤は、経口投与型であることである。
【0013】
崩壊工程は、実質的に、15分以内で終了し、粘膜に接着した投与形態は、この時間の間に、水系媒体、例えば、体液など、に分散される。本発明における好適実施底によると、医薬品形態は、3分以内に崩壊されるよう適合され、特に、好ましくは、水系溶媒に導入後、60秒以内に崩壊されるよう適合されている。
【0014】
示されたこの崩壊時間は、Pharm.Eur.2.9.1“Zerfallszeiten von Tabletten und Kapseln”[Disintegration times of Tablets and Capsules]に従った崩壊時間をベースにしている。
【0015】
ここに示した崩壊時間は、異なる崩壊性及び溶解性を有するマトリックス形成ポリマーを使用することにより、上述の範囲内にて可能である。例えば、ポリビニルアルコールをベースにしたウエハーでは、HPMCウエハーよりも急速に分解される。したがって、適当なポリマー部材を混合することにより、崩壊時間を調節することが可能である。加えて、崩壊物は、このマトリックスへ、水を「引き込み」、その内部にてマトリックスが崩壊することで知られている。このような崩壊物は、崩壊時間を調節する目的のため、加えてもよい。
【0016】
本発明における急速に崩壊する粘膜接着性医薬品調合剤は、好ましくは、フラット型の体部であり、「ウエハー」としてデザインされている。さらに、これら腸合剤は、ペレット型、カプセル、錠剤型として製造することも可能である。
【0017】
上述のウエハーは、比較的密度が高く、好ましくは、0.3から1.7g/cm、特に好ましくは0.5から1.5g/cm、最も好ましくは0.7から1.3g/cmである。
【0018】
本発明の調合剤における全体の厚みは、特に、ウエハー型の場合、好ましくは、5μmから10mm、好ましくは30μmから2mm、特に好ましくは、0.1から1mmである。このウエハーは、円形、楕円形、長円形、方形、四角形、多角形でもよく、円形型でもよい。
【0019】
本発明における調合剤の表面は、通常平滑である;しかしながら、角度を持ったり、深化してもよく、例えば、ノブ型や、溝型でもよい。
【0020】
本発明は、また、薄い固形発泡体の調合剤も含む。広い特異的表面のため、粘膜に急速に接着し、かつ急速に崩壊するので、薄型発泡体形状のウエハーは、有利である。これら固形発泡体における密度は、好ましくは、0.01から0.8g/cm、特に好ましくは、0.08から0.4g/cm、最も好ましくは、0.1から0.3g/cmである。密度を計算する際、この発泡体の全体を満たす容量は、この計算のベースとして取り扱う。上述の発泡体は、特別の発泡体攪拌装置にて、ガスを注入又は分散する方法、又は圧力下でガスを溶解し、続いて溶液を緩和処理することにより調製してもよい。
【0021】
本発明における医薬品長合剤における粘膜接着性崩壊可能マトリックスは、少なくとも、マトリックス形成ポリマーを有している。このマトリックス形成ポリマー(群)は、本質的にマトリックスなる部材にて構成している。このポリマーの部分的顔料は、少なくとも、3重量%、で最大98重量%であり、好ましくは、7から80重量%、特に好ましくは、20から50重量%である。なお、これらの値のそれぞれは、全体の調合剤に相対した値である。この粘膜接着性特性及び崩壊特性は、本質的にマトリックス形成ポリマー(群)のタイプにより決定されると同時に、調合剤中にこれらポリマーが相対的にどれだけ含まれるかにより決定される。
【0022】
本発明における粘膜接着性処方における部材であるマトリックス形成ポリマーは、他の適した生材料を排除すうることなく、以下を考慮に入れることができる:ポリビニルアルコール(例えばMowiol(登録商標));ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えばWalocel)、メチルセルロール、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルエチルセルロースなどの、セルロース誘導体;でんぷん及びでんぷん誘導体;(種々のタイプの)ゼラチン;ポリビニルピロリドン;アラビアゴム;プルラン;アクリレート;特に、ポリオックス10、ポリオックス80、ポリオックス205、ポリオックス301、ポリオックス750(Union Carbide社製)などのポリエチレンオキシド;メチルビニルエーテル及び無水マレイン酸との共重合体(Gantrez−Colopymers型共重合体、特に、ISP Global Technologies GmbH社製のES、MS、Sなど)がある。
【0023】
マトリックス形成ポリマーとは別に、補助物も任意でこのマトリックスに添加してもよい。この目的のため、以下のものを考慮にいれる:フィラー(例えば二酸化ケイ素);染料又は色素(例えば、キノリン黄(chinoline yellow)又は二酸化チタン);崩壊剤、特にマトリックスに水を引き込む包介在や、マトリックスの内部にて崩壊する崩壊剤(例えばaerosil);乳化剤(例えば、Tween(登録商標)などのポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステルや、BRIJ(登録商標)などのポリエトキシル化脂肪酸アルコール);可塑剤(例えばポリエチレングリコール、グリセロール);甘味料(例えば、アスパルテーム、サッカリン);防腐剤(例えば、ソルビン酸やその塩)、及び香料などである。
【0024】
さらに、安定化剤又は抗酸化剤もまた、補助物質として添加可能であり、例えば、アスコルビン酸パルミテート、ナトリウムジスルファイト、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンCなどを単独または組み合わせて、あるいは、その他の補助物と組み合わせて添加してもよい。
【0025】
本発明における調合剤に関する好適実施例において、少なくとも一つの香料物質及び/又は少なくとも一つの甘味料及び/又は少なくとも一つの可塑剤を含有している。
【0026】
この調合剤が、直接経口的に投与される場合、処置動物によるこの医薬品調合剤の許容性を向上するので、香料の添加は、有利である。医薬的な活性物質により生じる喜ばしくない匂いや味は、適当な香料を加え混和することにより克服可能である。好ましくは、このような物質を選択する際、処置動物の好みを考慮に入れる。例えば、チーズ、クリーム及びバニラ味は、猫に投与を意図する医薬品調合剤に有利に利用可能である。さらに、肉、ソーセージ、及び魚味は、動物において、経口による医薬品調合剤の摂取の意欲を駆り立てるという利点により利用可能である。しかしながら、いくつかの動物群においては、バナナ、イチゴ、ミント、ココア、ナッツ、又はコーヒー味などの、フルーツ又はハーブ味は、利点を有し;異なる香料の混合物も利用可能である。
【0027】
同様に、上述の染料及び色素を選択する際、処置動物の許容能力を考慮すべきである。従って、例えば、暗い色調(つまり、医薬品調合剤における)、例えば、青や黒などは、猫において、特に有利であり、特に、猫の場合、青と白を見分ける能力のみを有している。
【0028】
加えて、粘膜接着性マトリックスは、一つ以上の医薬品活性物質を含有している;治療目的として、動物薬として使用される活性物質が好ましい。さらに、この活性物質は、ヒト用の医薬品における約物理長に使用されるものでもよい。これら活性物質の顔料は、少なくとも、調合剤全体に相対して、0.1重量%、で最大50重量%である。
【0029】
続いて、動物薬分野に使用される活性物質は、本発明における調合剤を含有してもよく、この調合剤により投与されてもよい。
【0030】
動物薬として使用される薬物学的活性物質は、ATCvet(Anatomical Therapeutic Chemical classification system for veterinary medicinal products)に従った群に分割可能である;これは、広く利用されている分類である。ATCvetコードにより、動物向け薬物は、治療的カテゴリーに分割可能である。これにより、確実な適用及び応用様式における動物薬の発見を、大いに促進する。このリストは、次なるグループ及び個々の物質で構成される:
QA−胃腸薬並びにベタイン、ペプシン、クエン酸、炭酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、臭化プリフィニウム、炭酸水素ビスマス、エンテロコッカス(ストレプトコッカス)ファエシウム、酵母、メチオニン、過酸化マグネシウム、ペクチン、タンニン、ネオマイシン、ビオチン、次硝酸ビスマス、パパベリン、サルファグアニジン、リン酸カルシウム、コレカルシフェロール、グルコン酸鉄、ニコチンアミド、塩酸ピリドキシン、レチノール、リボフラビン、チアミン、メトロニダゾール、及びスピラマイシン;
QB−血液、及び造血組織;
QC−心臓血管系;エナラプリル、フロセミド、エチレフリン、プロペントフィリン、ベナゼプリル、ラミプリル、ニセルゴリン、ピモベンダン;
QD−皮膚学的;α―トコフェロール、クロロフェナミン−マレイン、コレカルシフェロール、イノシトール、レシチン、リノレイン酸、メピラミン、プレドニゾロン、レチノール、ビオチン、グリセオフルビン、セファレキシン;
QG−婦人科系;性ホルモン;クロロフィル、メタミゾール、ニトロフラントイン、塩酸ピリドキシン、エフェドリン、クロルマジノン、メテルゴリン、テトラジクリン、エストリオール、メゲストロール、メドロキシプロゲステロン;
QH−ホルモン系(性ホルモンを含まない);メチオニン、ニコチンアミド、塩酸ピリドキシン、フルメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロキシジン;
QJ−抗生物質;アンピシリン、アモキシリン、クラブルナ酸、セファドロキシル、セファレキシン、クリンダマイシン、ジフロキサシン、ドキシシクリン、エンロフラキサシン、リノマイシン、マルボフロキサシン、サルファジミジン、ファルマジメトキシン、トリメトプリム、メトラニダゾール、スピラマイシン;
QM−筋及び骨格筋系;フェニルブタゾン、メロキシカム、シアノコバラミン、デキサメタゾン、カルプロフェン、フルニキシン、フェニルブタゾン、塩酸ピリドキシン、プレドニゾロン、スクシブタゾン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ニフルム酸、チアミン;
QN−神経系;アセプラマジン、クロミプラミン、フィトソチグミン、ケタミン、セレギリン、アセチルサリチル酸、パラセタモール、フェニルブタゾン、デトメジン;メデトミジン類、デトミジン類、デキサメデトミジン類などの麻酔薬及び鎮静薬;アンチパメゾール類などの抗うつ薬;鎮痛薬;
QP−抗寄生虫薬;エプシプランテル、ニトロスカナート、ピペラジン、ピランテル、オキサンテル、フェンベンダゾール、プラジクアンテル、ニテンピラム、プラジクアンテル、フェバンテル、フルベンダゾール、ミルベマイシノキシム、メベンダゾール、ルフェヌロン、カルニダゾール、ニクロサマイド、テトラミゾール;
QR−呼吸器系;クロロフェナミンマレイン、デキストロメトロファン、エフェドリン、グアイフェネシン、テオフィリン;
QS−感覚器系;ベタメタゾン、ネオマイシン、デキサメタゾン、ゲンタマイシン;
QV−その他、ミトタン;
さらに、薬物学的活性物質は、下記のクラス又はグループを考慮にいれる:
【0031】
【化1】

−アドレナリン受容体作動薬;
【0032】
【化2】

−アドレナリン受容体作動薬;
【0033】
【化3】

−アドレナリン受容体ブロッカー;
【0034】
【化4】

−アドレナリン受容体ブロッカー;アルコール除去物質;アルドースレダクターゼ阻害剤;同化薬;麻薬性鎮痛薬、好ましくはコデイン、モルヒネ誘導体;非麻薬性鎮痛薬、好ましくは、サリチル酸及びその誘導体;雄性ホルモン;麻酔薬;食欲減退薬;駆虫薬(多節条虫類、線虫類、オンコセルカ属、住血吸虫属又は吸虫綱に対する活性物質);ニキビ薬;抗アレルギー薬、抗アメーバー薬(殺アメーバー物質);抗アンドロゲン薬;抗狭心症薬;抗不整脈薬;抗動脈硬化薬;抗関節炎/抗リューマチ薬;抗生物質、好ましくは、アミオグリコシド類、アモフェニコール類、アンサマイシン類、
【0035】
【化5】

−ラクタム類(特に、カルバペネム類、セファロスポリン類、セファロマイシン類、モノバクタム類、オキサセフェム類、ペニシリン類)、リンコサマイド類、マクロライド類、ポリペプチド類、テトラサイクリン類;合成抗生物質、好ましくは、2,4−ジアミノピリミヂジン類、ニトロフラン類、キノロン類及びキノロンアナログ類、スルフォナマイド類、スルフォン類;抗コリン薬;抗痙攣薬;抗うつ薬、好ましくは、テトラサイクリン系抗うつ薬、ヒドラジド類、ヒドラジン類、ピロリドン類、テトラサイクリン系抗うつ薬;トリサイクリン系抗うつ薬、ポリサイクリンイミド類;抗糖尿病薬、好ましくは、ビグアニド類、スルフォニル尿素誘導体;抗下痢薬;抗利尿薬;抗真菌/抗カビ薬、好ましくはポリエン類;合成抗真菌/抗カビ薬、好ましくはアリルアミン類、イミダゾール類、トリアゾール類;抗緑内障薬;抗ゴナドロトピン薬;抗痛風薬;抗ヒスタミン薬、好ましくはルキルアミン誘導体、アミノアルキルエーテル類、エチレンジアミン誘導体、ピペラジン類、トリサイクリ系化合物(特にフェノチアジン類);高脂血症薬(中性脂肪低下薬)、好ましくは、アリロキシアルカン酸誘導体(特にクロフィブリン酸誘導体、及びアナログ)、抗胆汁酸薬、HMG−CoAリダクターゼ阻害剤、ニコチン酸誘導体、甲状腺ホルモン、及びこれらのアナログ;高血圧薬/血圧低下物質、好ましくは、ベンゾチアジアジン誘導体、N−カルボキシアルキル−(ペプチド/ラクタム)誘導体、グアニジン誘導体、ヒドラジン類/フタラジン類、イミダゾール誘導体、四アンモニウム化合物、チアゾリン誘導体、レセルピン誘導体、スルフォナミド誘導体;抗甲状腺薬;抗低血圧薬;抗甲状腺不全薬;非ステロイド系抗炎症薬、好ましくは、アミノアリルカルボン酸誘導体、アリル酢酸誘導体、アリルブチル酸誘導体、アリルカルボン酸誘導体、アリルプロピオン酸誘導体、ピラゾール類、ピラゾロン類、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキサミド類;抗マラリア薬、好ましくは、キニン及びその塩、酸及び誘導体;抗偏頭痛薬;吐き気薬;抗新生物薬、好ましくはアルキル化剤(特にアルキルスルフォネート類、アジリジン類、エチレンイミン類及びメチルメラミン類、窒素マスタードガス、ニトロソ尿素類)、抗生物質、抗代謝物薬(特に、葉酸アナログ、プリン体アナログ、ピリミジンアナログ)、酵素、インターフェロン類、インターロイキン類;ホルモン性抗新生物薬、好ましくは、アンドロゲン類、抗副腎薬、抗アンドロゲン涙、抗エストロゲン類(特にアロマターゼ阻害薬);抗新生物添加物;抗パ−キンソン薬;抗褐色細胞腫薬;抗ニューモシスティス薬;抗前立腺薬;プロトゾアシド薬、好ましくは、リーシュマニア属、トリコモナス属、トリパノソーマ属に対する薬;抗掻痒性皮膚炎薬;抗乾癬薬;抗精神病薬、好ましくは、ブチロフェノン類、フェノチアジン類、チオキサンタン類、その他の三環系薬、4−アリルピペラジン、4−アリルピペリジン;下熱薬;抗リケッチア薬;抗脂漏症薬;抗感染症薬、好ましくは、グアニジン、ハロゲン類、ハロゲン化合物、ニトロフラン類、フェノール類、キノリン類;抗痙攣薬/抗鎮痙薬;抗血栓薬;鎮咳薬;抗潰瘍薬;抗毒素薬;抗ウィルス薬、好ましくは、プリン類、ピリミジノン類;抗不安薬、好ましくは、アリルピペラジン類、ベンゾジアゼピン誘導体、カルバメート類;、ベンゾジアゼピンアンタゴニスト;気管支拡張薬、好ましくは、エフェドリン誘導体、四アンモニウム化合物、キサンチン誘導体;カルシウムチャネルブロッカー、好ましくは、アリルアルキルアミン類、ジヒドロピリジン誘導体、ピペラジン誘導体;カルシウム制御薬;強心薬;キレート薬;コレシストキニンアンタゴニスト;胆石分解薬;胆汁分泌薬;コリン作動薬;コリンエステラーゼ阻害薬;コリンセステラーゼ活性化薬;CNS刺激薬;鬱血除去薬;虫歯予防薬;脱色剤;利尿薬、好ましくは、有機水銀化合物、プテリジン類、プリン類、ステロイド類、スルフォンアミド誘導体、ウラシル類;ドパミン受容体アゴニスト;抗外部寄生虫薬;酵素、好ましくは、消化酵素、ペニシリン不活化酵素、蛋白分解酵素;酵素誘導物質;ステロイド性及び非ステロイド性エストロゲン類;胃酸分泌阻害剤;グルココルチコイド類;ゴナドトロピン刺激性活性物質;ゴナドトロピンホルモン;成長ホルモン阻害剤;成長ホルモン放出因子;成長刺激剤;溶血薬;ヘパリンアンタゴニスト;血液防御物質;肝疾患治療薬;免疫改善物質;免疫抑制薬;イオン交換樹脂;乳分泌刺激ホルモン;LH−RHアゴニスト;抗脂肝因子;ヌートロピン薬(nootropics);眼科薬;卵巣ホルモン;子宮収縮薬;ペプシン阻害剤;煽動刺激薬;プロゲステロン類;プロラクチン阻害剤;プロスタグランジン類及びプロスタグランジンアナログ;プロテアーゼ阻害剤;呼吸器刺激薬;硬化症薬;鎮静剤/睡眠薬、好ましくは、アサイクリック尿素類、アルコール類、アミド類、バルビツール酸誘導体、ベンゾジアゼピン誘導体、ブロミド類、カルバメート類、クロラール誘導体、ピペリジンジオン類、キナゾロン誘導体;血栓溶解剤;副甲状腺ホルモン;尿酸排泄薬;血管拡張薬(脳の);血管拡張薬(冠動脈の);血管拡張薬(抹消の);血管防御剤;ビタミン、ビタミン前駆体、ビタミン抽出液、ビタミン誘導体;外傷薬;などである。
【0036】
上述のリストは完全ではない。ヒト用の薬物治療又は予防、並びに、動物用医薬品として使用される活性物質の両方を含む。
【0037】
活性物質の吸収を支持するために、さらに好適実施例では、活性物質の吸収を加速する物質(エンハンサー)の添加を供している。適切なエンハンサーは、特に:プロパンジオール、デキサパンテノール、オレイン酸;であり、例えば:飽和又は不飽和脂肪酸、炭化水素類、直鎖又は分岐鎖脂肪酸アルコール、ジメチルスルフォキシド、プロピレングリコール、デカノール、ドデカノール、2−オクチルドデカノール、グリセロール、イソプロピリデングリセロール、タランスクトール(=ジエチレングリコール−モノエチルエーテル)、DEET(=N,N−ジメチル−m−トルエンアミド)、ソルケタール、エタノール又はその他のアルコール、メントール又は精油、又は精油成分、ラウリル酸ジエタノールアミド、D−α−トコフェロール及びデキサパンテノールからなるグループから選んでもよい;このリストは完全ではない。
【0038】
二つ以上のエンハンサー物質の使用は、利点がある。
【0039】
活性物質の吸収は、本発明の調合剤に加えることができる血流を刺激する物質により、さらに向上可能である。これらの中で、特に:メンソール、ユーカリプトール、銀杏抽出液、ゲラニウム油、カンファー、スペアミント油、トシヨウ及びローズマリーの油などがある。これら、血流刺激物質は、単独又は一つ以上の上述のエンハンサーと共に使用してもよい。
【0040】
本発明における粘膜接着性調合剤は、有利に、活性物質の、ペット、愛顔動物、有益動物、又はその他の動物と同様に、ヒトへの、特に医薬品の経口投与に適した、投与用として使用可能である。本発明における調合剤による、活性物質の適用は、特に、猫、犬、又はウサギなどの中程度のサイズの愛顔動物、ハムスター、又はネズミなどの小さな動物に有利に使用可能であると同時に、大型の動物、例えば、大猫(ライオン、トラ)、又は労働動物や家畜動物(畜牛、羊、馬)などにも使用可能である。投与形態は、動物の口に直接適用することも可能であるが、アプリケーターを使って投与してもよい。さらに、本発明における調合剤は、飼料と混ぜてもよく、この場合、乾燥飼料に混ぜることが好ましい(しかしながら、飼料から水分を除去する必要がある)。
【0041】
本発明における長合剤の組成は、以下の配合表にて、一つの参照として示される:
(例1:)
【0042】
【表1】

(例2:)
【0043】
【表2】

(例3:)
【0044】
【表3】

(例4:)
【0045】
【表4】

*印は活性物質である。
【0046】
(1)カルボキエシメチルセルロースナトリウム
(2)ヒドロキシメチルプロピルセルロース(HPMS)の登録商標
(3)Hoechst/Aventis AG社製
(4)乾燥時に相対して、製造時、80から90%の水分量(例3では水分アルコール部分)
(ウエハーの製造)
例1及び2での配合に従った:
(例1:)
所定のポリビニルアルコールを水に90℃にて溶解する。続いて、この溶液を室温まで冷却し、プロパンジオールを加えた。さらに、活性物質を加えた。さらに、Walocel CRT30及びmetolose 60SH−50を、攪拌しながら加えた。最後に、香料(例えば、クリーム味)を加えた。すべての材料が溶解したら、この溶液は管性である。この溶液は、フィルム上の鋳型に流し込み、乾燥した;続いて、このフィルムを長軸方向へと分離し、横方向に切断した。それぞれのウエハーを得るためである。
【0047】
(例2:)
Walocel CRT 30を冷水に溶解し、プロパンジオール及びアスパルテームを加えた。最後に、活性物質を加えた。すべての材料が溶解したら、溶液は完成である。この溶液を、フィルム上の鋳型に流し込み、乾燥した;最後にフィルムは、長軸及び横方向に切断し、個々のウエハーを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの活性物質を含有する、動物用又はヒト用医薬における活性物質の投与用の粘膜接着性医薬品調合剤であって、該調合剤は、粘膜接着性マトリックスであって、かつ、水系媒体中にて崩壊可能で、該マトリックスは、少なくとも一つのマトリックス形成ポリマーを有し、少なくとも一つの活性物質が溶解又は分散しており、該調合剤は、水系媒体又は体液に導入後、最大15分以内で崩壊することを特徴とするところの、調合剤。
【請求項2】
少なくとも一つの活性物質を含有する、動物用又はヒト用医薬における活性物質の投与用の粘膜接着性医薬品調合剤であって、該調合剤は、粘膜接着性マトリックスであって、かつ、水系媒体中にて崩壊可能で、該マトリックスは、少なくとも一つのマトリックス形成ポリマーを有し、少なくとも一つの活性物質が溶解又は分散しており、該調合剤は、初期的に、水系媒体又は体液に導入後、最大15分以内でゲル化し、かつ、前記導入後、最大30分以内で崩壊することを特徴とするところの、調合剤。
【請求項3】
フラット型であり、かつ、その密度は、好ましくは、0.3以上1.7g/cm以下、特に好ましくは、0.5以上1.5g/cm以下、最も好ましくは、0.7以上1.3g/cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調合剤。
【請求項4】
全体の厚みは、5μm以上10mm以下、好ましくは、30μm以上2mm以下、特に好ましくは、0.1以上1mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の調合剤。
【請求項5】
ペレット型、カプセル型、又は錠剤型であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調合剤。
【請求項6】
水系媒体中に導入後、3分以内、特に好ましくは60秒以内、崩壊することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の調合剤。
【請求項7】
少なくとも一つの補助物質を有し、かつ、該補助物質は、フィラー、着色剤、崩壊剤、乳化剤、可塑剤、甘味料、保存料、安定化剤、抗酸化剤、及び香料からなるグループより選ばれることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の調合剤。
【請求項8】
少なくとも一つの香料、及び/又は少なくとも一つの甘味料、及び/又は少なくとも一つの可塑剤を含有することを特徴とする請求項7に記載の調合剤。
【請求項9】
少なくとも一つのエンハンサー、及び/又は少なくとも一つの血流刺激物質を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の調合剤。
【請求項10】
円形、長円形、楕円形、方形、四角形、多角形、又は変則的な円形であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の調合剤。
【請求項11】
固形発泡体であって、かつその密度が、0.01以上0.8g/cm以下、特に好ましくは、0.08以上0.4g/cm以下、最も好ましくは、0.1以上0.3g/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の調合剤。
【請求項12】
前記マトリックス形成ポリマーは、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、でんぷん及びでんぷん誘導体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、プルラン、アクリレート、ポリエチレンオキサイド及びメチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体からなるグループから選ばれ、かつ、該セルロース誘導体は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルエチルセルロースから好ましく構成されるグループであることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の調合剤。
【請求項13】
前記活性物質は、動物用又はヒト医薬における薬物治療に使用される活性物質であって、該活性物質は、好ましくは、胃腸薬、心臓血管薬、皮膚病薬、婦人科薬、性ホルモン、ホルモン、ホルモン系に影響を及ぼす物質、抗感染症薬、筋肉及び骨格筋系に作用する物質、神経系に作用する物質、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静剤、抗鎮静剤、抗寄生虫薬、呼吸器系に作用する物質、及び感覚器官に作用する物質からなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の調合剤。
【請求項14】
ペット、愛顔動物又は有益動物、その他の動物、特に猫、犬、又は囓歯類に、活性物質を投与するための、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の調合剤の利用。
【請求項15】
活性物質を、ヒト又は動物体の粘膜、特に、経口的に投与するための請求項1乃至13のいずれか一項に記載の調合剤の利用。
【請求項16】
活性物質を、活性物質を含有する粘膜接着性医薬品調合剤により、薬物学的に動物体に投与する工程であって、軟膜表面における水系媒体中で崩壊可能であり、前記調合剤が、前記表面に接着し、周囲の体液の作用によって、これら適用の後、15分以内で崩壊することを特徴とするところの、工程。

【公開番号】特開2009−185078(P2009−185078A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127976(P2009−127976)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【分割の表示】特願2002−565576(P2002−565576)の分割
【原出願日】平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願人】(300005035)エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー (128)
【Fターム(参考)】