説明

動画コンテンツの改ざん検出装置及びシステム

【課題】
電子透かしを用いて映像コンテンツの削除、追加、挿げ替えなどの改竄を高い精度で検知する。
【解決手段】
映像コンテンツの予め定められた所定数の連続したフレームデータから、電子透かしにより予め埋め込まれたタイムコードのような規則性情報を電子透かしにより検出する。所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算し、検出された規則性情報および未検出回数に基づいて所定数のフレームデータへの改ざんを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画コンテンツの改ざん検出装置及びシステムに係り、特に、デジタル映像コンテンツの削除、追加、挿げ替えなどの改竄を電子透かしにより検知する、電子透かしの検出装置、検出方法、検出プログラム、動画コンテンツの改竄検証システム、及び動画コンテンツの構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル映像コンテンツは、裁判における証拠映像として用いられる場合がある。しかし、これらのデジタル映像コンテンツは、加工が容易であるため、長期に渡って保存された場合、オリジナルと相違が無いことを証明する必要がある。コンテンツの真正性を証明するための技術としては、電子署名技術や電子透かし技術が実用化されている。
【0003】
電子署名の作成は、高いセキュリティの元で、認証局等とデータのやり取りを行わなければならず、時間と手間がかかることがある。一方、電子透かしでは、コンテンツの真正性が電子透かし技術を用いて証明されれば、透かし情報をコンテンツ全体に分散させて埋め込むことができるため、符号化形式を変換したとしても、埋め込んだ透かし情報は消失し難い。そのため、コンテンツを長期に渡って保存する場合には、電子透かし技術を用いて真正性を証明する方法が好ましい。
【0004】
電子透かし技術の利用に関して、特許文献1および2には、映像データや音声データを含むコンテンツに、電子透かしにより情報を埋め込む技術が開示されている。
特許文献1の技術は、放送中や使用中の映像や音声の時間ずれを自動的に補正するために、送信側で、同期のとれたデジタル映像とデジタル音声にそれぞれ同一の時間情報を電子透かしとして挿入し、受信側で、デジタル映像とデジタル音声から抽出した時間情報をお互いに比較し、その比較結果に応じて映像と音声との時間ずれを検知して補正するものである。
【0005】
また、特許文献2の技術は、送信側で、映像データまたは音声データに、コンテンツのヘッダ情報から求めた特徴値を電子透かしにより埋め込み、受信側で、コンテンツに埋め込まれた透かし情報を抽出し、抽出した透かし情報とヘッダ情報とが一致しない場合に、コンテンツの改竄を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−259314号公報
【特許文献2】特開2003−122726号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】I. Echizen, H. Yoshiura, T. Arai, H. Kimura, T. Takeuchi: General Quality Maintenance Module for Motion Picture Watermarking, IEEE Trans. Consumer Electronics, Vol.45, No.4, pp. 1150-1158, (1999).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
映像コンテンツの改ざんには、映像データの削除、追加、挿げ替え等がある。例えば、工期の遅れている公共工事を撮影した映像の一部を工事完成の映像の挿げ替えたり、手術の様子を撮影した映像の一部を削除することで、医療ミスの発覚を防ぐなどの不正な行為を目的とした映像コンテンツの改ざん等が起こることも懸念される。
然るに、特許文献1の技術は、そもそもコンテンツの改竄を検知する技術ではなく、デジタルコンテンツの内容が削除、追加、挿げ替えされた場合の改竄の検出についての示唆はない。
【0009】
また、特許文献2の技術は、映像データまたは音声データに埋め込まれたヘッダの特徴値と、コンテンツのヘッダ情報とを比較することにより、ヘッダ情報の改竄や映像データまたは音声データの差し替えを検出できるが、特許文献1と同様に、データが部分的に削除、追加、挿げ替えされた場合の改竄を検出することはできない。
【0010】
本発明の目的は、電子透かしを用いてデジタル映像コンテンツの削除、追加、挿げ替えなどの改竄を検出することにある。
本発明の目的は、デジタル映像コンテンツに、規則性情報を電子透かしとして埋め込んで管理し、後にその規則性情報を検出することでデジタル映像コンテンツの改竄を検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、所定数の連続したフレーム画像集合に繰り返し、コンテンツ識別情報と規則性のある情報、例えばタイムコードを電子透かしとして埋め込み、この規則性情報を検出することで、映像コンテンツの改竄を検知する。
本発明に係る電子透かし検出装置は、好ましい例によれば、複数のフレームデータで構成される動画コンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出装置であって、予め定められた所定数の連続したフレームデータから、電子透かしにより予め埋め込まれた規則性のある情報(規則性情報という)を電子透かしにより検出する検出手段と、所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算する手段と、検出された規則性情報および未検出回数に基づき所定数のフレームデータへの改ざんを判定する手段と、を有することを特徴とする電子透かし検出装置として構成される。
好ましくは、前記検出手段は、規則性情報として埋め込まれた、順序性のあるシーケンシャル情報又はタイムコードを検出する。
また、好ましくは、予め定められた第1の所定数の連続したフレームデータに規則性情報が電子透かしにより埋め込まれ、更に、予め定められた第2の所定数の連続したフレームデータに付加情報が電子透かしにより埋め込まれており、前記検出手段は、規則性情報及び付加情報を検出する。
また、好ましくは、前記検出手段は、フレームデータに付加情報として予め埋め込まれた、動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを検出する。
【0012】
本発明に係る電子透かし検出方法は、好ましくは、複数のフレームデータで構成される動画コンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出方法において、予め定められた所定数の連続したフレームデータから、電子透かしにより予め埋め込まれた規則性情報を電子透かしにより検出するステップと、所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算するステップと、検出した規則性情報および未検出回数に基づき所定数のフレームデータへの改ざんを判定するステップと、を有することを特徴とする電子透かし検出方法として構成される。
好ましくは、規則性情報を含む電子透かしを検出することにより、動画コンテンツの削除、追加、挿げ替えを検出する。
また、一例では、取得された所定数Nのフレームに対して映像コンテンツから連続するN/2フレームからなるサブセグメントに分割した後、サブセグメントに検出ウィンドウを設定して、電子透かしを検出し、検出ウィンドウから電子透かしを検出したか否かを判定し、判定の結果、電子透かしを検出しなかった場合、透かし未検出回数nDを1だけインクリメントした後、映像コンテンツの読み出し位置をそのサブセグメントに隣接したサブセグメントの読み出し箇所に設定して、次の検出ウィンドウの検出処理に移り、判定の結果、電子透かしを検出した場合、透かし未検出回数nDを0にセットして、規則性情報を更新する。
【0013】
本発明に係る電子透かし検出のためのプログラムは、好ましくは、好ましくは、複数のフレームデータで構成される動画コンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出するためのプログラムであって、予め定められた所定数の連続したフレームデータから、電子透かしにより予め埋め込まれた規則性情報を電子透かしにより検出するステップと、所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算するステップと、検出した規則性情報および未検出回数に基づき所定数のフレームデータへの改ざんを判定するステップと、を実行するためのコンピュータ上で実行可能な電子透かし検出用のプルグラムとして構成される。
【0014】
本発明に係る動画コンテンツの改竄検証システムは、好ましくは、動画コンテンツを加工するコンテンツ加工装置と、コンテンツ加工装置とネットワークを介して接続され、動画コンテンツの改竄を検知するコンテンツ検証装置を含むシステムにおいて、コンテンツ加工装置は、外部または内部から規則性情報を取得する手段と、動画コンテンツの予め定められた所定数の連続したフレームデータに、取得された規則性情報を電子透かしにより埋め込む手段とを有し、
コンテンツ検証装置は、動画コンテンツの予め定められた所定数の連続したフレームデータから規則性情報を電子透かしにより検出する検出手段と、所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算する手段と、検出した規則性情報および未検出回数に基づいて所定数のフレームデータへの改ざんを判定する手段と、を有することを特徴とする動画コンテンツの改竄検証システムとして構成される。
好ましくは、前記埋め込む手段は、予め定められた第1の所定数の連続したフレームデータに規則性情報を電子透かしにより埋め込み、更に、予め定められた第2の所定数の連続したフレームデータに付加情報を電子透かしにより埋め込む。
また、好ましくは、前記埋め込む手段は、規則性情報として、順序性のあるシーケンシャル情報又はタイムコードを埋め込み、前記検出手段は、シーケンシャル情報又はタイムコードを検出する。
また、好ましくは、前記埋め込む手段は、付加情報として、動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを埋め込み、前記検出手段は、付加情報として埋め込まれた動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを検出する。
【0015】
本発明に係る電子透かしを用いた動画コンテンツの構造体は、好ましくは、好ましくは、動画コンテンツの検証のために電子透かしが埋め込まれた動画コンテンツの構造体であって、動画コンテンツの予め定められた第1の所定数の連続したフレームデータに、順序性のある規則性情報が電子透かしにより埋め込まれ、更に、予め定められた第2の所定数の連続したフレームデータに、動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを含む付加情報が電子透かしにより埋め込まれる、ことを特徴とする動画コンテンツの構造体として構成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、より高い精度でデジタル映像コンテンツの改竄を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態におけるコンテンツ配信システムの構成を示す図。
【図2】電子透かし埋込み装置22による映像コンテンツへの電子透かしの埋込みの一例を示す図。
【図3】電子透かし埋め込み装置22の詳細な機能構成の一例を示すブロック図。
【図4】電子透かし検出装置34の詳細な機能構成の一例を示すブロック図。
【図5】電子透かし埋込み装置22による埋込み情報の構成例を示す説明図。
【図6】電子透かしの埋め込み動作の一例を示すフローチャート。
【図7】コンテンツの不正追加時における電子透かしの検出処理を模式的に示す図。
【図8】コンテンツの不正削除時における電子透かしの検出処理を模式的に示す図。
【図9】コンテンツの不正挿げ替え時における電子透かしの検出処理を模式的に示す図。
【図10】電子透かし検出装置34が参照するAttack判定基準の一例を示す図。
【図11】電子透かし検出装置34における電子透かしの検出処理動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、一実施形態によるコンテンツ配信システム10の構成を示す図である。コンテンツ配信システム10は、通信ネットワーク11に接続された、コンテンツ蓄積・配信サーバ12、コンテンツ加工装置20及びコンテンツ検証装置30を含んで構成される。例えば、コンテンツ加工装置20はコンテンツ製作会社が有し、コンテンツ検証装置30はコンテンツ上映施設が有する。
【0019】
コンテンツ加工装置20は、電子透かし埋込み装置22、エンコーダ23、記憶装置24、送信装置25を有する。ここで、エンコーダ23によるコンテンツのエンコード処理は必ずしも必要ではなく、電子透かし埋込み装置22によって元々エンコードされたコンテンツに直接電子透かしを埋め込んでもよい。
コンテンツ加工装置20において、映像機器やカメラなどのコンテンツ生成源21から取得されるデジタル映像コンテンツは通信ネットワーク11を介して入力され、電子透かし埋込み装置22は、このデジタル映像コンテンツに電子透かしを埋め込む。送信装置25は、電子透かしが埋め込まれたコンテンツを、通信ネットワーク11を介してコンテンツ蓄積・配信サーバ12へ送信する。なお、コンテンツ加工装置20で生成したコンテンツの転送に関して、通信ネットワーク15を経由しないで、DVD等の媒体や無線ネットワークや放送波を用いてサーバ12に蓄積するようにしてもよい。
【0020】
コンテンツ検証装置30は、受信装置31、記憶装置32、デコーダ33、電子透かし検出装置34を有する。ここで、デコーダ33によるコンテンツのデコード処理は必ずしも必要ではなく、電子透かし検出装置34によりエンコードされたコンテンツから直接電子透かしを検出してもよい。
コンテンツ検証装置30は、コンテンツ蓄積・配信サーバ12、またはコンテンツ加工装置20から通信ネットワーク11を経由して、電子透かしを埋め込んだコンテンツを受信装置31により受信し、記憶装置32に一時蓄積する。ここで、コンテンツの転送に関しては、通信ネットワーク15を経由しないで、DVD等の媒体や無線ネットワークや放送波を用いてコンテンツを受信するようにしてもよい。
デコーダ33は、記憶装置32に蓄積されたコンテンツをデコードし、電子透かし検出装置34は、デコードされたコンテンツから電子透かしを検出して、判定結果を出力する。
【0021】
コンテンツ加工装置20によって作成される映像コンテンツは、例えば図2に示すような構造である。図2は、映像コンテンツへの電子透かし埋込みを模式的に示している。図2(A)に示すように、映像コンテンツは、Nフレーム(例えば1秒間に30個のフレーム)から構成されるセグメントとして時分割される。各セグメントには異なるタイムコードt1〜tkが埋め込まれるが、セグメントを構成する各Nフレームには同一のタイムコードが埋め込まれる。ここで、タイムコードとは、例えば、年月日時分秒からなる時刻情報である。しかし、必ずしも時刻情報である必要はなく、セグメントの順番を表す番号などを用いてもよい。一般的には順序性のあるシーケンシャルな情報であればよい。
【0022】
また、図2(B)に示す例では、タイムコードt1〜tkに加えて、コンテンツ識別IDやGPS情報などの付加情報が埋め込まれる。ここで、付加情報とは、例えば映像機器やカメラに固有なID(機器ID)であり、GPSは位置情報である。機器IDを埋め込む理由は、他のカメラで撮影された映像コンテンツが当該映像コンテンツに追加されることを検証するためである。またGPSを埋め込む理由は、他の場所で撮影された映像コンテンツが当該映像コンテンツに追加されることを検証するためである。
一例を図5に示すように、Mビットの埋込み情報は、T(<M)ビットの時刻情報と、残りのM−Tビットの付加情報により構成される。
なお、この付加情報は、セグメント単位で埋め込む必要はなく、複数のセグメントにわたって同一の情報を埋め込んだり、付加情報を時分割した情報を複数のセグメントに渡って埋め込んでも良い。
【0023】
図3は、電子透かし埋め込み装置22の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。電子透かし埋め込み装置22は、タイムコード取得部221、透かし情報生成部222、コンテンツ取得部223、透かし情報埋込み部224およびコンテンツ出力部225を有する。これらの機能部はハードウェア又はソフトウェアによって実現される。
【0024】
ここで、タイムコード取得部221は、映像機器やカメラなどのコンテンツ生成源や、装置内外の時刻情報発信機からタイムコードを入手する。
透かし情報生成部222は、タイムコード取得部221から得たタイムコードから埋込み情報を生成する。図5に示すように、Mビットの埋込み情報のうち、時刻情報はT(<M)ビットの情報に割り当てられる。残りのM−Tビットには、必要に応じてカメラや映像機器などのコンテンツ生成源の識別IDや、コンテンツ自体の識別IDやGPS情報などの付加情報が割り当てられる。
【0025】
コンテンツ取得部223は、コンテンツ生成源から出力された映像コンテンツを取得する。透かし情報埋込み部224は、コンテンツ取得部223で取得した映像コンテンツに対して、透かし情報生成部222で生成した透かし情報を図2の埋込み構造に従って埋め込む。コンテンツ出力部225は、透かし情報埋込み部224で生成された透かし埋込み映像コンテンツを装置の外部に出力する。
なお、電子透かし技術を用いて映像データに透かし情報を埋め込む方法の例については、非特許文献1に詳細に記載されているので、ここでは詳述しない。
【0026】
図4は、電子透かし検出装置34の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
電子透かし検出装置34は、コンテンツ取得部341、透かし情報検出部342、検出情報格納バッファ343、判定部344、および判定結果出力部345を有する。
コンテンツ取得部341は、コンテンツ蓄積・配信サーバ12、またはコンテンツ加工装置20から通信ネットワーク11を経由して、電子透かしを埋め込んだ映像コンテンツを取得する。
【0027】
透かし情報検出部342は、取得した映像コンテンツをNフレームからなるセグメントに分割したのち、セグメント毎に電子透かしを検出する。検出情報格納バッファ343は、透かし情報検出部342で検出した連続した複数セグメント分のタイムコード、およびID等の付加情報を格納し、更新する。
判定部344は、検出情報格納バッファ343に格納された情報を参照し、連続した複数セグメント間で検出した情報の整合性を判定する。具体的には、映像コンテンツの削除、追加、挿げ替えなどの改竄の可否を判定する。判定結果出力部345は、判定部344で判定した判定結果を装置の外部に出力する。
【0028】
図6は、電子透かし埋め込み装置22の動作の一例を示すフローチャートである。
コンテンツ生成源21から入力された映像コンテンツに対して、電子透かし埋め込み装置22は、本フローチャートに示す動作を開始する。
まず、タイムコード取得部221は、映像機器やカメラなどのコンテンツ生成源や、装置内外にある時刻情報の発信機からタイムコードとなる時刻情報を取得し、タイムコード取得部内の記憶領域に一時格納する(S101)。また、コンテンツ取得部223は、コンテンツ生成源から出力された所定フレーム数の映像コンテンツを取得し、同じくタイムコード取得部223内の記憶領域に一時格納する。
【0029】
次に、透かし情報生成部222は、タイムコード取得部221内の記憶領域に格納された時刻情報を取得し、埋込み情報を生成する(S102)。そして、透かし情報埋込み部224は、コンテンツ取得部223の記憶領域に一時格納された、映像コンテンツから連続したNフレームからなるセグメントを取得し、Nフレーム分のフレーム画像に対して、透かし情報生成部222で生成した透かし情報を、図2の埋込み構造に従って埋め込む(S103)。
【0030】
そして、コンテンツ出力部225は、映像コンテンツのセグメントのそれぞれ全てに透かし情報の埋め込みを行なったか否かを判定する(S104)。判定の結果、映像コンテンツの全てに透かし情報が埋め込まれていない場合、タイムコード取得部221、およびコンテンツ取得部223は、再びステップS101に示した処理を実行する。
一方、コンテンツデータ内の全てのセグメントに透かし情報が埋め込まれている場合、コンテンツ出力部225は、透かし情報の埋め込みが終了した旨をエンコーダ24に通知する(S105)。この通知により、電子透かし埋め込み装置22は、このフローチャートに示す制御動作を終了する。
なお、ここで、映像がカメラなどのリアルタームで入力される映像コンテンツの場合、上記判定は、電子透かし埋め込み装置22の出力停止処理にて行なってもよい。
なお、上記の各ステップの処理は、それらの処理を行うプログラムを、電子透かし埋め込み装置22を構成するコンピュータで実行することでも実現できる。
【0031】
図7は、透かしの検出処理の例を模式的に示す。
この例は、タイムコード情報t1が埋め込まれたセグメントと、t2が埋め込まれたセグメントの間に、Mフレームからなる他の映像コンテンツが不正に挿入追加された例である。
まず、最初に検出情報格納バッファ343内のパラメータを初期化する。すなわち、ターゲットとなる検出ウィンドウから検出したタイムコード情報(TCcur)、ターゲットとなる検出ウィンドウより1つ前の検出ウィンドウから検出したタイムコード情報(TCprev)、透かし未検出回数(nD)を全て0にセットする。
【0032】
次に、所定数のフレームを読み出した後、N/2フレームからなるサブセグメントに分割した最初のサブセグメントに対して検出ウィンドウをセットする(検出ウィンドウ1)。透かし検出処理では、当該検出ウィンドウ内のN/2フレームからなるフレーム画像に対して、ピクセルーバイーピクセルで加算するフレームアキュムレーション処理を行なった後、生成した1枚の加算透かし画像から透かしを検出する。
図7の例では、検出ウィンドウ1の領域には、タイムコード情報=t1が埋め込まれているため、当該ウィンドウからタイムコード情報として“t1”を検出するため、TCcur=t1にセットして、つぎの検出ウィンドウ(検出ウィンドウ2)の検出処理に移る。
【0033】
検出ウィンドウ2においても、タイムコード情報として“t1”を検出するため、検出ウィンドウ1から検出したタイムコード情報をTCprev=t1にセットした後、現在の検出ウィンドウである検出ウィンドウ2から検出した情報“t1”をTCcurにセットし(TCcur=t1)、次の検出ウィンドウの検出処理に移る。
検出ウィンドウ3では、透かしが検出できないため、タイムコードの更新は行なわれず、未検出回数nDを1だけインクリメントした後(nD=1)、つぎの検出ウィンドウの検出処理に移る。
検出ウィンドウ4、5でも透かしが検出されないため、上記と同様に、未検出回数nDがインクリメントされる。
【0034】
次に、検出ウィンドウ6では、タイムコード情報“t2”が検出されるため、未検出回数nDが0にセットされ、タイムコード情報が更新される(TCprev=t1、TCcur=t2)。各検出ウィンドウの判定時には、検出情報格納バッファ343に格納されている3種類のパラメータ情報から当該検出ウィンドウに対する攻撃(アタックなし:No Attack、不正な追加部分:Addition、不正な削除部分:Deletion、AdditionとDeletionの組み合わせ)を判定することができる。判定に当たっては、図10に示すような、Attack判定基準に従い、検出ウィンドウに対する攻撃を判断する。なお、ある検出ウィンドウでAdditionの判定がでた場合には、次の検出ウィンドウ(図では検出ウィンドウ6)でTCprevとTCcurの差分を算出し、差分が2単位時間以上であれば、前検出ウィンドウの判定をAdditionからReplacementに変更する。
【0035】
この検出処理では、所定数の連続したフレームデータで構成される各検出ウィンドウからタイムコード情報を検出しているが、この検出処理と同時に各検出ウィンドウからIDやGPS等の付加情報の電子透かしを検出する場合がある。この場合、タイムコード情報の検出対象となる検出ウィンドウを構成するフレーム数と、付加情報の検出対象となる検出ウィンドウのフレーム数は必ずしも同じである必要は無く、異なっていても良い。すなわち、タイムコード情報と付加情報の検出タイミング、および一回の検出に必要なフレーム数は同一である必要はない。
【0036】
次に、図8を参照して、映像コンテンツが不正に削除された場合における透かしの検出処理について説明する。
この例は、タイムコード情報t3が埋め込まれたセグメントと、t2およびt4が埋め込まれたセグメントの一部が不正に削除(Deletion)された例である。
図7と同様の処理により、最初に出情報格納バッファ343内のパラメータを初期化し、当該検出ウィンドウ内のN/2フレームからなるフレーム画像(検出ウィンドウ)に対して、ピクセルーバイーピクセルで加算するフレームアキュムレーション処理を行なった後、生成した1枚の加算透かし画像から透かしを検出する。
【0037】
図8の検出ウィンドウ1、2および3は、図10に示すAttack判定基準に従いNo Attackと判定される。しかし、検出ウィンドウ4では、TCprev=t2、TCcur=t4となるため、Attack判定基準に従い、この検出領域はDeletionと判定される。この例のように、実際に削除された場所とDeletionと判定した検出ウィンドウの箇所に遅延が生じる場合があるが、この判定場所の近傍を調べることにより、不正に削除された箇所を確実に検知することができる。
【0038】
次に、図9を参照して、コンテンツが不正に挿げ替えられた場合における電子透かしの検出処理について説明する。
この例は、タイムコード情報t2が埋め込まれたセグメントと、t2が埋め込まれたセグメントの一部が不正に他のコンテンツに挿げ替えられた(Replacement)例である。図7と同様の処理により、最初に出情報格納バッファ343内のパラメータを初期化し、当該検出ウィンドウ内のN/2フレームからなるフレーム画像(検出ウィンドウ)に対して、ピクセルーバイーピクセルで加算するフレームアキュムレーション処理を行なった後、生成した1枚の加算透かし画像から透かしを検出する。
【0039】
図9の検出ウィンドウ1、2および3は、図10に示すAttack判定基準に従い、No Attackと判定される。しかし、検出ウィンドウ4では、未検出回数nD=2となるため、Attack判定基準に従い、当該検出領域は暫定の判定としてAdditionと判断される。ウィンドウ4の次の検出ウィンドウである検出ウィンドウ5では、前検出ウィンドウ4でAdditionの判定が出たため、TCprevとTCcurの差分を算出し、差分が2単位時間以上であれば、前検出ウィンドウの判定をAdditionからReplacementに変更する。
【0040】
次に、図11のフローチャートを参照して、電子透かし検出装置34における電子透かしの検出の処理動作について説明する。
電子透かし検出装置34、コンテンツ蓄積・配信サーバ12、またはコンテンツ加工装置20から通信ネットワーク11を経由して、電子透かしを埋め込んだ映像コンテンツを取得した場合に、電子透かし検出装置31は、電子透かしの検出処理動作を開始する。
【0041】
まず、検出情報格納バッファ343は、関連パラメータを初期化する(201)。すなわち、ターゲットとなる検出ウィンドウから検出したタイムコード情報(TCcur)、ターゲットとなる検出ウィンドウより一つ前の検出ウィンドウから検出したタイムコード情報(TCprev)、透かし未検出回数(nD)を全て0にセットする。次に、コンテンツ取得部341は、コンテンツ蓄積・配信サーバ12、またはコンテンツ加工装置20から通信ネットワーク11を経由して、電子透かし検出装置34の記憶領域内に格納された所定数のフレームを読み出す(S202)。
【0042】
次に、透かし情報検出部342は、読み出した映像コンテンツから連続するN/2フレームからなるサブセグメントに分割したのち、図7に示した処理により、そのサブセグメントに検出ウィンドウを設定したのち、電子透かしを検出する(S203)。そして、この検出ウィンドウから電子透かしを検出したか否かを判定する(S204)。
この判定の結果、電子透かしを検出しなかった場合、透かし未検出回数nDを1だけインクリメントした後、コンテンツの読み出し位置をそのサブセグメントに隣接したサブセグメントの読み出し箇所に設定して、ステップS202の処理に移り、次の検出ウィンドウの検出処理に移る。
一方、ステップS204で、電子透かしを検出した場合、検出情報格納バッファ343内のパラメータをセットする(S205)。すなわち、透かし未検出回数nDが0にセットされ、タイムコード情報(TCcur、TCprev)が更新される。
【0043】
次に、検出情報格納バッファ343内のパラメータを読み出し、図10に示すようなAttack判定基準に照らし、判定基準に合致した検出ウィンドウにおけるAttackを判定する(S206)。その後、その検出ウィンドウの判定結果を出力する(S207)。
そして、全てのサブセグメントから透かし検出処理を実行したか否かを判定し(S208)、実行していなければ、ステップS202で実行していないサブセグメントの検出処理を開始する。一方、それを実行していれば、電子透かし検出装置34の処理を終了する。
なお、上記の各ステップの処理は、それらの処理を行うプログラムを、電子透かし検出装置34を構成するコンピュータで実行することでも実現できる。
【0044】
上記した実施例による、タイムコードの電子透かしを用いてデジタル映像コンテンツの削除、追加、挿げ替えなどの改竄を検出する技術の適用例としては、以下のようなものが揚げられる。
一例として、ビルや道路等の建設物の映像を保管するときに、本実施例を適用することができる。ビルの建設が未だ終わっていないのに、建設が終わった他のビルの映像を細工して、目的のビルの映像に追加したり、そのビルの映像をリプレースする等の不正が考えられる。しかし、本実施例のように、電子透かしによって埋め込まれたタイムコードの検出の有無により、このような不正を摘発することができる。
【0045】
また、他の例として、医療現場への適用が考えられる。例えば、手術の模様を撮影した映像に、タイムコードを電子透かしで埋め込んで保管する。後日、手術ミスが発覚した場合、そのミスの部分の映像を削除しようとしてもタイムコードを検出することで、映像の不正な細工が検出できる。
【0046】
また、他の例として、警察内部の関係者による映像の改ざん検出のために適用できる。
例えば、警察による違反車の取締りや追跡の現場を撮影した映像にタイムコードを電子透かしで埋め込んで保管する。もし、警察の部内者が、違反車の事故現場を撮影した映像の改ざんした場合、映像に埋め込まれたタイムコードを検出することで、不正な削除や改ざんを検出することができる。
【符号の説明】
【0047】
10:コンテンツ配信システム、11:通信ネットワーク、12:コンテンツ蓄積・配信サーバ、20:コンテンツ加工装置、21:コンテンツ生成源、22:電子透かし埋込み装置、23:エンコーダ、24:記憶装置、25:送信装置、30:コンテンツ検証装置、31:受信装置、32:記憶装置、33:デコーダ、34:電子透かし検出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレームデータで構成される動画コンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出装置であって、
予め定められた所定数の連続したフレームデータから、電子透かしにより予め埋め込まれた規則性のある情報(規則性情報という)を電子透かしにより検出する検出手段と、該所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算する手段と、該検出された規則性情報および未検出回数に基づき該所定数のフレームデータへの改ざんを判定する手段と、を有することを特徴とする電子透かし検出装置。
【請求項2】
前記検出手段は、該規則性情報として埋め込まれた、順序性のあるシーケンシャル情報又はタイムコードを検出することを特徴とする請求項1の電子透かし検出装置。
【請求項3】
予め定められた第1の所定数の連続したフレームデータに該規則性情報が電子透かしにより埋め込まれ、更に、予め定められた第2の所定数の連続したフレームデータに付加情報が電子透かしにより埋め込まれており、
前記検出手段は、該規則性情報及び該付加情報を検出することを特徴とする請求項1又は2の電子透かし検出装置。
【請求項4】
前記検出手段は、該フレームデータに該付加情報として予め埋め込まれた、該動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項3の電子透かし検出装置。
【請求項5】
複数のフレームデータで構成される動画コンテンツに埋め込まれた電子透かしをコンテンツ検証装置によって検出する電子透かし検出方法において、
該コンテンツ検証装置が、動画コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、電子透かしを検出する透かし情報検出部と、該検出結果の整合性を判断する判定部を有し、
該コンテンツ取得部が電子透かしを埋め込んだ動画コンテンツを取得するステップと、
該透かし情報検出部が、予め定められた所定数の連続したフレームデータから、電子透かしにより予め埋め込まれた規則性情報を検出するステップと、
該透かし情報検出部が、該所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算するステップと、
該判定部が、該検出した規則性情報および未検出回数に基づき該所定数のフレームデータへの改ざんを判定するステップと、
を有することを特徴とする電子透かし検出方法。
【請求項6】
該透かし情報検出部が、
該規則性情報として埋め込まれた、順序性のあるシーケンシャル情報又はタイムコードを検出することを特徴とする請求項5の電子透かし検出方法。
【請求項7】
該透かし情報検出部が、
予め定められた第1の所定数の連続したフレームデータに電子透かしにより埋め込まれた該規則性情報と、予め定められた第2の所定数の連続したフレームデータに電子透かしにより埋め込まれた付加情報とを、電子透かしにより検出することを特徴とする請求項5又は6の電子透かし検出方法。
【請求項8】
該透かし情報検出部が、
該フレームデータに該付加情報として予め埋め込まれた、該動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項7の電子透かし検出方法。
【請求項9】
該判定部が、
該規則性情報を含む電子透かしを検出することにより、該動画コンテンツの削除、追加、挿げ替えを検出することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかの電子透かし検出方法。
【請求項10】
該判定部が、
取得された所定数Nのフレームに対して連続するN/2フレームからなるサブセグメントに分割した後、該サブセグメントに検出ウィンドウを設定して、電子透かしを検出し、
該検出ウィンドウから電子透かしを検出したか否かを判定し、
該判定の結果、電子透かしを検出しなかった場合、透かし未検出回数nDを1だけインクリメントした後、映像コンテンツの読み出し位置をそのサブセグメントに隣接したサブセグメントの読み出し箇所に設定して、次の検出ウィンドウの検出処理に移り、
該判定の結果、電子透かしを検出した場合、透かし未検出回数nDを0にセットして、該規則性情報を更新することを特徴とする請求項5の電子透かし検出方法。
【請求項11】
複数のフレームデータで構成される動画コンテンツに埋め込まれた電子透かしをコンテンツ検証装置によって検出するための電子透かし検出プログラムであって、
該コンテンツ検証装置は、コンテンツ取得部と、透かし情報検出部と、判定部を有し、
該検出プログラムは、
該透かし情報検出部に、予め定められた所定数の連続したフレームデータから、電子透かしにより予め埋め込まれた規則性情報を検出させ、
該透かし情報検出部に、該所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算させ、
該判定部に、該検出した規則性情報および未検出回数に基づき該所定数のフレームデータへの改ざんを判定させること、
を特徴とする電子透かし検出プログラム。
【請求項12】
動画コンテンツを加工するコンテンツ加工装置と、該コンテンツ加工装置とネットワークを介して接続され、動画コンテンツの改竄を検知するコンテンツ検証装置を含むシステムにおいて、
該コンテンツ加工装置は、
外部または内部から規則性情報を取得する手段と、該動画コンテンツの予め定められた所定数の連続したフレームデータに、該取得された該規則性情報を電子透かしにより埋め込む手段とを有し、
該コンテンツ検証装置は、
該動画コンテンツの予め定められた所定数の連続したフレームデータから該規則性情報を電子透かしにより検出する検出手段と、
該所定数の連続したフレームデータから、電子透かしが検出されない場合に、未検出回数を計算する手段と、
検出した該規則性情報および該未検出回数に基づいて該所定数のフレームデータへの改ざんを判定する手段と、を有することを特徴とする動画コンテンツの改竄検証システム。
【請求項13】
前記埋め込む手段は、予め定められた第1の所定数の連続したフレームデータに該規則性情報を電子透かしにより埋め込み、更に、予め定められた第2の所定数の連続したフレームデータに付加情報を電子透かしにより埋め込むことを特徴とする請求項12の改竄検証システム。
【請求項14】
前記埋め込む手段は、該規則性情報として、順序性のあるシーケンシャル情報又はタイムコードを埋め込み、
前記検出手段は、該シーケンシャル情報又はタイムコードを検出することを特徴とする請求項12乃至13のいずれかの改竄検証システム。
【請求項15】
前記埋め込む手段は、該付加情報として、該動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを埋め込み、
前記検出手段は、該付加情報として埋め込まれた該動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかの改竄検証システム。
【請求項16】
複数のセグメントで構成される動画コンテンツに電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み方法において、
規則性情報を取得するステップと、
当該取得した規則性情報から埋め込み情報を生成するステップと、
動画コンテンツを取得し、該動画コンテンツをNフレームからなるセグメント単位に分割するステップと、
該セグメントに含まれるNフレーム各々には同一の該埋め込み情報を埋め込み、該セグメント間では該セグメントの並び順に該規則性情報が有する規則性に従い変化した該埋め込み情報を埋め込むステップと、
当該埋め込み情報が埋め込まれた動画コンテンツを該コンテンツ加工装置外に出力するステップと、を有し、
該Nは電子透かしを検出する検出ウィンドウを構成するフレーム数の整数倍のフレーム数であること、
を特徴とする電子透かし埋め込み方法。
【請求項17】
該規則性情報としてシーケンシャル情報又はタイムコードを取得すること
を特徴とする請求項16記載の電子透かし埋め込み方法。
【請求項18】
該規則性情報に加えて、該付加情報として、該動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを取得すること、
を特徴とする請求項17記載の電子透かし埋め込み方法。
【請求項19】
予め定められた第1の所定数の連続したフレームデータに該規則性情報を電子透かしにより埋め込み、更に、予め定められた第2の所定数の連続したフレームデータに該付加情報を電子透かしにより埋め込むこと、
を特徴とする請求項18記載の電子透かし埋め込み方法。
【請求項20】
該Nは電子透かしを検出する検出ウィンドウを構成するフレーム数の2倍のフレーム数であること、を特徴とする請求項16記載の電子透かし埋め込み方法。
【請求項21】
複数のセグメントで構成される動画コンテンツに電子透かしを埋め込むコンテンツ加工装置であって、
該コンテンツ加工装置は、
規則性情報を取得する規則性情報取得部と、
当該取得した規則性情報から埋め込み情報を生成する透かし情報生成部と、
動画コンテンツを取得し、該動画コンテンツをNフレームからなるセグメント単位に分割するコンテンツ取得部と、
該セグメントに含まれるNフレーム各々には同一の該埋め込み情報を埋め込み、該セグメント間では該セグメントの並び順に該規則性情報が有する規則性に従い変化した該埋め込み情報を埋め込む透かし情報埋め込み部と、
当該埋め込み情報が埋め込まれた動画コンテンツを該コンテンツ加工装置外に出力するコンテンツ出力部と、を有し、
該Nは電子透かしを検出する検出ウィンドウを構成するフレーム数の整数倍のフレーム数であること、
を特徴とするコンテンツ加工装置。
【請求項22】
該規則性情報取得部が、
該規則性情報としてシーケンシャル情報又はタイムコードを取得すること
を特徴とする請求項21記載のコンテンツ加工装置。
【請求項23】
該規則性情報取得部が、該規則性情報に加えて、該付加情報として、該動画コンテンツの識別情報、位置情報、権利情報の少なくとも1つを取得すること、
を特徴とする請求項22記載のコンテンツ加工装置。
【請求項24】
該透かし情報埋め込み部が、
予め定められた第1の所定数の連続したフレームデータに該規則性情報を電子透かしにより埋め込み、更に、予め定められた第2の所定数の連続したフレームデータに該付加情報を電子透かしにより埋め込むこと、
を特徴とする請求項23記載のコンテンツ加工装置。
【請求項25】
該Nは電子透かしを検出する検出ウィンドウを構成するフレーム数の2倍のフレーム数であること、を特徴とする請求項21記載のコンテンツ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−14711(P2012−14711A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172502(P2011−172502)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【分割の表示】特願2006−268312(P2006−268312)の分割
【原出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(596127554)日立公共システムエンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】