動的に姿勢を矯正するための方法と器具
着座中に姿勢を矯正するための矯正装置は、太股用の前部(101)と下部骨盤領域用のボウル部(20)を含めた基部(12)を備える。ボウル部には中央部(102,103)および上方に傾斜した側面部(104,105)がある。側面部と前部はともに中央部を取り囲む。中央部(102,103)には、さまざまな柔軟性の領域があり、側面部(104,105)にはさまざまな柔軟性の領域がある。ボウル部(20)は、下部骨盤領域がボウル部に収まっている時に、上方および内側への圧縮力をかけ、下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっていない時の第1位置、下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっている時の第2位置(回転によって第1位置よりも前になる)の間の支持面で回転し、下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般には整形器具、具体的にはシーティング整形器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2009年1月23日に提出された米国仮特許出願第61/147,053号に対する優先権を主張し、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の背景
椅子とソファは通常、臀部および腰部を支持する組立部で構成され、一般に複数のバネ、バネに載せるクッションまたはパッド、およびクッションカバーを備えた支持構造物を持つ。これらの組立品は、バネ構造により柔軟性はあるが、あらかじめ決まった固定された形状となっており、このような家具を使う人は最大限の快適さを得るために、これらの組立品に対して体の位置を調整する必要がある。
【0004】
椅子、ソファなどの範疇に入る人間工学的な支持物は数多くあり、それには、柔軟で弾力性のある支持部分が含まれていて、快適さをもたらすために体に順応する。臀部および腰部を支えるためのこれらすべての座面は、曲線状か非平面状かに関係なく、複数の片持ち梁を形成することができ、人体を調整することで座面の支持部分に順応させるのとは逆に、機械部品なしで自動的に人体の動きに合わせて調整され、順応する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
臀部の肥大(一般に「秘書太り」という。秘書がデスクワークをしながら間食して臀部が太ることから)は、不適切な姿勢と同様に骨盤と背骨に害を及ぼすことが現在わかっている。人間工学的なシーティング装置がどれほど快適でも、人体測定的に測定されたシーティング装置に座り続けると、ほとんどの人は背骨に反復的な圧力損傷を受ける結果となる。米国特許第5,887,951号は、ユーザーの骨盤領域を支える均一的な厚さの部材を持つシーティング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明は、着座中の姿勢を改善する方法と装置を提供した。本発明の一実施形態では、着座中の姿勢を改善するための矯正装置を提供する。本矯正装置は基部からなり、基部はユーザーの太股を受けるために構成された前部、ユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部からなり、ボウル部は中央部と上向きに傾斜した側面部からなる。側面部と前部はともに中央部を取り囲む。
【0007】
中央部には、さまざまな柔軟性を持つ複数の部分があり、側面部にもさまざまな柔軟性を持つ複数の部分があり、ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった際に上方および内部に圧縮力を適用するために構成されている。
【0008】
ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の第2位置(回転によって第1位置よりも前になる)の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。
【0009】
本発明の別の実施形態では、矯正装置を使用して着座中の姿勢を矯正するためのプロセスを提供する。
【0010】
本発明のその他の面と長所は、以下の詳細説明によって明らかになる。詳細説明と図面を併用することで、本発明の原則を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】図1aは本発明の実施形態に従って、姿勢を矯正し、ユーザーの臀部肥大を抑えるためのシーティング装置の斜視図を示すものであり、シーティング装置には厚さの異なる複数の部位がある。
【図1b】図1bは本発明の実施形態に従って、図1aの右側面図のシーティング装置の支持面を示すものであり、ユーザーがシーティング装置に近づいて座ろうとしている時の骨格を表している。
【図1c】図1cは本発明の実施形態に従って、図1bの装置の右側面図を示すものであり、ユーザーがシーティング装置に接触している。
【図1d】図1dは本発明の実施形態に従って、図1cの装置の右側面図を示すものであり、ユーザーがシーティング装置に収まって、第2の形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になっている。
【図1e】図1eは、後弯腰椎と後弯骨盤の解剖学的な側面図を示す。
【図1f】図1fは、図1eの解剖学的な後弯腰椎と後弯骨盤に相当する、機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示す。
【図1g】図1gは、前弯腰椎と前弯骨盤の解剖学的な側面図を示す。
【図1h】図1hは、図1gの解剖学的な前弯腰椎と前弯骨盤に相当する、機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示す。
【図2a】図2aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置に着座したユーザーの側面図を示すものであり、ユーザーは固い支持面に座り、シーティング装置は体重負荷位置にある。
【図2b】図2bは本発明の実施形態に従って、図2aのシーティング装置にユーザーが着座している解剖学的な背面図を示す。
【図2c】図2cは本発明の実施形態に従って、ユーザーが背骨を曲げて図1aのシーティング装置に着座している解剖学的な背面図を示すものであり、その際、シーティング装置はその軸上でねじれた状態になっている。
【図2d】図2dは本発明の実施形態に従って、ユーザーが背骨を曲げて図2cのシーティング装置に着座している解剖学的な側面図を示すものであり、その際、シーティング装置はその軸上でねじれた状態になっている。
【図2e】図2eは本発明の実施形態に従って、ユーザーが図1aのシーティング装置に着座している解剖学的な背面図を示すものであり、その際、シーティング装置は柔らかい座面上にある。
【図2f】図2fは本発明の実施形態に従って、ユーザーが図2fのシーティング装置に着座している解剖学的な背面図を示すものであり、その際、シーティング装置は柔らかい座面上にある。
【図2g】図2gは本発明の実施形態に従って、ユーザーが図1aのシーティング装置に着座している解剖学的な背面図を示すものであり、その際、シーティング装置は、フレームに収まった座席底面の間の柔軟な繊維メッシュ上にある。
【図2h】図2hは本発明の実施形態に従って、ユーザーが図2hのシーティング装置に着座している解剖学的な側面図を示すものであり、その際、シーティング装置は、フレームに収まった座席底面の間の柔軟な繊維メッシュ上にある。
【図3a】図3aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の上から見た平面図を示すものであり、複数の部位からなるシーティング装置の幅と長さ、シーティング装置の長軸に沿った凹形の溝を示している。
【図3b】図3bは本発明の実施形態に従って、図3aのシーティング装置の斜視図を示すものであり、シーティング装置の長軸に沿った凹形の溝を示している。
【図3c】図3cは図3aに類似しているが、より大きく拡大されて、シーティング装置が着座したユーザーの体重を受ける際、第2の形状になる時に生じる変化を点線で示している。
【図3d】図3dは図3cと非常によく似ているが、着座したユーザーが右に体をひねった際、体重が基部にかかり、さらに基部がねじれた時に生じる変化を点線で示している。
【図3e】図3eは図3cと非常によく似ているが、着座したユーザーが左に体をひねった際、体重が基部にかかり、さらに基部がねじれた時に生じる変化を点線で示している。
【図4a】図4aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の上から見た平面図を示すものであり、シーティング装置の基部の各部位のさまざまな厚さ領域を示している。
【図4b】図4bは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の上から見た平面図を示すものであり(オプションの背の部分付き)、シーティング装置の基部の各部位のさまざまな厚さ領域を示している。
【図4c】図4cは本発明の実施形態に従って、図4aのシーティング装置の斜視図を示すものであり、シーティング装置の基部の各部位のさまざまな厚さ領域を示している。
【図5】図5は本発明の実施形態に従って、図3bのシーティング装置の斜視図を示すものであり、シーティング装置の凹形の溝と背面部を示している。
【図6a】図6aは本発明の実施形態に従って、シーティング装置と複数の個々の部位を上から見た平面図を示す。
【図6b】図6bは本発明の実施形態に従って、図6aのシーティング装置の斜視図を示すものであり、複数の部位の接続メカニズムを示すために複数の部位を分解した状態で示している。
【図6c】図6cは本発明の実施形態に従って、シーティング装置の統合座席底面の構成を示すものであり、矢印は、体重負荷がかかっていない形状からたかかっている形状にシーティング装置が変移する際の、各部位の動きを示す。
【図6d】図6dは本発明の実施形態に従って、体重負荷がかかっていない形状からかかっている形状にシーティング装置が変移する際の、図6cのシーティング装置の斜視図を示す。
【図6e】図6eは本発明の実施形態に従って、図6cのシーティング装置の斜視図を示すものであり、体重負荷がかかっている形状にシーティング装置が変移した状態を示す。
【図6f】図6fは本発明の実施形態に従って、図6eのシーティング装置の斜視図を示すものであり、体重負荷がかかっている形状にシーティング装置が変移した状態を示す。
【図6g】図6gは本発明の実施形態に従って、図6cのシーティング装置に対して体重負荷がかかっていない形状の時の斜視図を示すものであり、側面部の重なりと中央部の重なりを示す。
【図6h】図6hは本発明の実施形態に従って、図6gのシーティング装置の側面斜視図を示す。
【図6i】図6iは本発明の実施形態に従って、図6gと6hのシーティング装置の側面斜視図を示す。
【図6j】図6jは本発明の実施形態に従って、シーティング装置のもう1つの統合座席底面構成の底部斜視図を示すものであり、シーティング装置は体重負荷がかかっていない形状にあり、円錐形は、シーティング装置の部位を操るために、シーティング装置の部位をサポート環境に接続できる箇所を示している。
【図6k】図6kは本発明の実施形態に従って、図6jのシーティング装置に体重負荷がかかっている形状の時の底部斜視図を示す。
【図6l】図6lは本発明の実施形態に従って、図6jのシーティング装置に体重負荷がかかっている形状の時の(背面部を除いた)底部斜視図を示す。
【図6m】図6mは本発明の実施形態に従って、図6jのシーティング装置に体重負荷がかかっていない形状の時の上から見た底部平面図を示す。
【図6n】図6nは本発明の実施形態に従って、図6jの右側面図のシーティング装置を示すものであり、シーティング装置に近づいて座ろうとしている時のユーザーの、機械ロボットによる解剖学的な骨格を表している。
【図6o】図6oは本発明の実施形態に従って、図6nのシーティング装置の右側面図を示すものであり、機械ロボットの解剖学的な骨格がシーティング装置に接触している。
【図6p】図6pは本発明の実施形態に従って、図6oのシーティング装置の右側面図を示すものであり、機械ロボットの解剖学的な骨格がシーティング装置に収まって、第2の形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になっている。
【図7a】図7aは本発明の実施形態に従って、図1aの装置の支持面上の右側面図を示すものであり、図1cの図を図1dの図に重ね合わせている。
【図7b】図7bは本発明の実施形態に従って、図7aのシーティング装置の背後から見た断面図E−Eを示すものであり、ユーザーがシーティング装置の正面部に太股遠位を押しつける前の坐骨結節骨盤を示している。
【図7c】図7cは本発明の実施形態に従って、図7aのシーティング装置の背後から見た断面図E−Eを示すものであり、結節と骨盤が完全に合わさって、体重負荷のかかっているシーティング装置の中央部位に筋組織で収まっている状態を示す。
【図8a】図8aは本発明の実施形態に基づいて、図1cに対応する、シーティング装置と機械ロボットの解剖学的な骨格の側面を示す。
【図8b】図8bは本発明の実施形態に従って、図1dに対応する、シーティング装置と機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示すものであり、シーティング装置は前傾した体重負荷位置にある。
【図8c】図8cは本発明の実施形態に従って、図8bのシーティング装置の側面図を示すものであり(機械ロボットの解剖学的な骨格はなし)、体重負荷位置にあるシーティング装置の傾斜/回転のために重心の均衡点が変わり、中央部が傾斜している状態を示す。
【図8d】図8dは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の正面斜視図を示すものであり、矢印は、体重負荷がかかっていない形状からかかっている形状にシーティング装置が変移する際の各部位の動きを示す。
【図9】図9は本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の背面図を示すものであり、ユーザーがシーティング装置に着座している時の骨格を示す。
【図10a】図10aは本発明の実施形態に従って、図8cのシーティング装置の側面図を示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を示す。
【図10b】図10bは本発明の実施形態に従って、図10aのシーティング装置の体重負荷位置の断面図G−Gを示すものであり、体重負荷のかかっていない位置を点線で重ねて示し、シーティング装置の体重負荷位置のカッピング効果を示している。
【図10c】図10cは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の体重負荷位置の背面図を解剖学的な図で示すものであり、矢印は、骨盤・坐骨結節の翼下部に内側への圧力をかける臀筋を包み込んでいる状態を示す。
【図10d】図10dは、本発明の実施形態に従って、図10cのシーティング装置が柔らかい支持面に載っている時の体重負荷位置の背面図を示すものであり、ユーザーが片側に傾いた時にシーティング装置が臀筋を包み込んだままの状態をいかに維持するかを示す。
【図10e】図10eは本発明の実施形態に従って、図10aのシーティング装置の非体重負荷位置の断面図G−Gを示す。
【図10f】図10fは本発明の実施形態に従って、図10aのシーティング装置の断面図G−Gを示すものであり、非体重負荷位置をその上に重ねて点線で示している。
【図11a】図11aは本発明の実施形態に従って、本発明のシーティング装置がない状態でシーティング面に着座しているユーザーを示すものであり、矢印は不適切な圧力の分散および翼に似た骨盤の座位における下部骨盤の外側への動きを示す。
【図11b】図11bは本発明の実施形態に従って、図10cの体重負荷のかかっているシーティング装置にユーザーが着座している状態を示すものであり、矢印は圧力の適切な分散、体重負荷のかかっているシーティング装置の背面部・側面部による収まりと支え、翼に似た骨盤の座位における下部骨盤の内側への動きを示す。
【図12a】図12aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の非体重負荷位置を点線で重ねた上面斜視図を示すものであり(シーティング装置の体重負荷位置は実線で示す)、シーティング装置の非体重負荷位置から体重負荷位置にかけての重心の均衡が前方に変位する様子を示す。
【図12b】図12bは本発明の実施形態に従って、図12aのシーティング装置の底部斜視図を示す。
【図12c】図12cは本発明の実施形態に従って、図12aのシーティング装置の断面図を示す。
【図12d】図12dと図12eは本発明の実施形態に従って、図1aに対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を実線で重ねている。点線のシーティング装置の体重負荷位置は、着座したユーザーが右に状態を回転したために縦軸と横軸でねじれている。
【図12e】図12dと図12eは本発明の実施形態に従って、図1aに対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を実線で重ねている。点線のシーティング装置の体重負荷位置は、着座したユーザーが右に状態を回転したために縦軸と横軸でねじれている。
【図12f】図12fと図12gは本発明の実施形態に従って、図1aに対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を実線で重ねている。点線のシーティング装置の体重負荷位置は、着座したユーザーが右に状態を回転したために縦軸と横軸でねじれている。
【図12g】図12fと図12gは本発明の実施形態に従って、図1aに対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を実線で重ねている。点線のシーティング装置の体重負荷位置は、着座したユーザーが右に状態を回転したために縦軸と横軸でねじれている。
【図13a】図13aは本発明の実施形態に従って、シーティング装置に着座したユーザーの実際の圧力図を示すものであり、重心インジケーターが示されている。
【図13b】図13bは、従来の人間工学シートに着座したユーザーの実際の圧力図の底面図を示すものであり、重心インジケーターが示されている。
【図14a】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14b】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14c】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14d】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14e】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14f】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14g】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14h】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14i】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図15】図15は本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の実施形態を示すものであり、シーティング装置には基部とファブリックフォームの上張りがあり、基部とフォームの上張りの厚さが示されている。
【図16a】図16a〜図16cは本発明の実施形態に従って、さまざまな面からユーザーが図1aのシーティング装置に着座した様子(ユーザーの状態が片側にねじれている)を示すものであり、体が動き、ねじれている時に、シーティング装置がどのように坐骨を前弯位置にねじって調整するかを示す。
【図16b】図16a〜図16cは本発明の実施形態に従って、さまざまな面からユーザーが図1aのシーティング装置に着座した様子(ユーザーの状態が片側にねじれている)を示すものであり、体が動き、ねじれている時に、シーティング装置がどのように坐骨を前弯位置にねじって調整するかを示す。
【図16c】図16a〜図16cは本発明の実施形態に従って、さまざまな面からユーザーが図1aのシーティング装置に着座した様子(ユーザーの状態が片側にねじれている)を示すものであり、体が動き、ねじれている時に、シーティング装置がどのように坐骨を前弯位置にねじって調整するかを示す。
【図17a】図17aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の基部の側面図を示すものであり、窪んだ凹形の溝の詳細を示す。
【図17b】図17bは、図17aの基部の断面図を示すものであり、図1aの線A−Aに沿った切断面となっている。
【図18a】図18aは本発明の実施形態に従って、図3A〜図3Bのシーティング装置の基部の上から見た平面図を示す。
【図18b】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18c】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18d】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18e】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18f】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18g】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18h】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18i】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18j】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18k】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18l】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18m】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18n】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図19】図19は本発明の実施形態に従って、姿勢位置のプロセスに関するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の詳細な説明
本発明は、姿勢を矯正し、臀部の肥大を抑えるための方法と装置を提供する。本発明に従った装置の一実施形態は、着座中の姿勢を矯正するための矯正装置を具備する。本矯正装置は、ユーザーの太股を受けるために構成された前部とユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部を含めた基部を備え、ボウル部は中央部と上向きに傾斜した側面部を備え、側面部と前部は併せて中央部を取り囲んでいる。中央部にはさまざまな(つまり、異なる)柔軟性を持つ複数の領域があり、側面部にもさまざまな柔軟性を持つ複数の領域がある。ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった時に、上方および内部への圧縮力をかけるように構成されている。
【0013】
ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の第2位置(回転によって第1位置よりも前になる)の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。本発明に従った本矯正装置の実施例を以下に説明する。
【0014】
図1aは本発明に従って、着座したユーザーが利用するための矯正シーティング装置(シーティング整形器具)100の実装例を示すものであり、本シーティング装置は着座したユーザーの骨盤全体を前傾させると共に、着座したユーザーの骨盤下部と坐骨結節を効果的に包み込む。坐骨結節は図9のiで示されている。図9に示す骨盤領域の部位または構成要素は次の通りである。aは恥骨弓、bは仙骨、cは尾骨、dは腸骨稜、fは恥骨結合稜、gは後部骨盤帯、hは寛骨臼、iは坐骨結節、mは筋組織、pは骨盤、sは背骨、tは大腿部、wはさまざまな幅の軟組織。
【0015】
図1aに示す斜視図で、装置100は基部12を備える。装置100ではさらに、基部12上にフォームなどのパッド層13(図15)がある。パッド層13は、他図での基部12の描写を明確にするために図15のみに示されている。
【0016】
基部12は、ユーザーの太股を受けるために構成された1つ以上の前部101で構成される前部を備えている。基部はさらに、隣接する一対の中央部102と103を構成する中央部を備える。基部はさらに、上方に傾き部分的に隣接する一対の側面部104と105を構成する側面部を備え、中央部102と103の側面にあり、これらを部分的に取り囲んでいる。
【0017】
図4aは、基部12を上から見た平面図を示すものであり、基部12の部位101〜105のさまざまな厚さ領域を示す。中央部102と103にはそれぞれ、さまざまな柔軟性を持つ複数の領域があり、側面部104と105にはそれぞれ、さまざまな柔軟性を持つ複数量の領域がある(図4a)。側面部104、105、および前部101は共に中央部102と103を取り囲むことで、中央部と側面部は共にボウル部20を形成する(一般に図8a、図8b、図10bで描かれている)。ボウル部20は一般に、部位102、103、104、および105によって形成される。ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった時に、ユーザーの下部骨盤領域を受け、上方および内部への圧縮力をかけるために構成されている。
【0018】
図1bは、支持面40上の装置100の右側面図を示すものであり、装置100に近づいて座ろうとしているユーザーの解剖学的な図を示す。図1bでは、装置100は第1位置(つまり、非体重負荷位置)にある。図1cは、ユーザーが装置に接触して座る動作を続け、装置100に体重を移し続ける移行状態を示す。
【0019】
ボウル部はさらに、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の第1位置(図1b)、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の第2位置(図1d。回転によって第1位置よりも前になる)の間の支持面40で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に角度θで回転傾斜して前弯位置にする。図1dは本発明に従って、ユーザーが完全に装置100に着座した状態を示すものであり、ユーザーの下部骨盤領域の臀筋が装置100に収まって、第2の形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になっている。図1dでは、装置100は第2の位置(つまり、体重負荷位置)にある。
【0020】
図2aは、固い支持面40に置かれた装置100に着座したユーザーの側面図を示すものであり、装置100は体重負荷位置にある。図2bは、図2aの体重負荷のかかっている装置100に着座するユーザーの背面図を示す。さらに図2cは、ユーザーが装置100に着座する際に背骨sをひねったユーザーの動作の背面図を示し、基部12はユーザーのひねり動作により、その軸上でねじれた状態にあり、装置100は体重負荷位置となっている。図2dは、図2cの側面図を示す。図に示すように体重負荷位置にある装置100は、下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。
【0021】
図2eは、一般に柔らかい支持面40a(クッションなど)に置かれた装置100に着座したユーザーの背面図を示すものであり、装置100は体重負荷位置にある。図2fは、図2eの体重負荷のかかっている装置100に着座するユーザーの側面図を示す。図2gは、一般に柔らかい支持面40a(フレームに収まった座席底面の間の柔軟な繊維メッシュなど)に置かれた装置100に着座したユーザーの背面図を示すものであり、装置100は体重負荷位置にある。図2fは、図2eの体重負荷のかかっている装置100に着座するユーザーの側面図を示す。図に示すように体重負荷位置にある装置100は、下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。
【0022】
図1aに示す装置100の斜視図では、基部12は複数の部位101、102、103、104、および105を備えており、ユーザーが装置100に着座している時に、非常に適切な体重負荷による第2形状が作られるように構成されている。詳細を以下に示す。
【0023】
装置100に着座しているユーザーへの反応として、部位101、102、103、および104(ここで記述されているように、これらは共にボウル部または中央部を形成)の作用によって、ユーザーの下部骨盤領域の臀筋が包み込まれ、支持される。ユーザーが装置100に着座すると、ユーザーがどのような動作をしても、基部12は動的な支えを継続的に適用して骨盤を安定させ、適切な前弯曲線を描くように骨盤を保持する。基部12のさまざまな柔軟性を持つ複数の領域により、基部12は形状を効果的に「リセット」して、基本的に安定した持続的な傾斜プロセスでユーザーを支えることで、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、ユーザーの下部骨盤領域を前方に傾斜させて前弯位置になるようにする。これにより、特に骨盤の安定と着座したユーザーの快適さを実現するために設計された従来のシーティング装置によるどのような利点よりも大きい、明確な矯正上の利点を提供する。
【0024】
部位101は一般に前部と呼ぶ。中央部102と103は一般に中央または中央部と呼ぶ。側面部104と105は一般に背面および/または側面部と呼ぶ。101〜105の各部位には、さまざまな柔軟性を持つ1つ以上の領域があり、これらが合わさることで基部12に対して、前記の第2の位置で非常に効果的な体重負荷(第2形状)状態をもたらす。さらに後述するように、本発明の一例では、基部12は形状記憶ナイロンまたはプラスチック素材でできている。ここに述べられている本実施形態において、基部12のさまざまな柔軟性を持つ領域は、さまざまな相対的な厚さを持つ基部素材の領域によって実現し、これらの領域は共に、使用中に非常に効果的な体重負荷(第2形状)を基部12にもたらす。より厚みのある領域はより薄い領域に比べて、曲げ力への柔軟性が少ない。
【0025】
図4aは、基部12を上から見た平面図を示すものであり、基部12の部位101〜105のさまざまな(異なる)厚さ領域を示す。図面4aを直接見下ろすと、領域の厚さの深さが異なっているのがわかる(領域には厚さを示すさまざまな断面図がある)。この例では、部位101には領域1A、1B、1C−1、1C−2、1D−1、1D−2が含まれる。部位102には2B、2C、2D、2E、2F領域が含まれる。部位103には領域3B、3C、3D、3E、3Fが含まれる。部位104には領域4C、4D−2、4E、4D−1、4Fが含まれる。部位105には領域5C、5D−2、5E、5D−1、5Fが含まれる。
【0026】
図4aは、部位101〜105の各種領域の厚さの例を異なる点刻ごとにグラデーションで示すものであり、図面下部にある対応する凡例の点刻は各種領域について、約1.5mm(厚さ指標“A”によって示される最も暗い部分、つまり点刻が最も密集している部分)から約3.5mm(厚さ指標“F”によって示される明るい薄い部分、つまり点刻の集まりが最も少ない部分)のおおよその厚さを例示している。たとえば、厚さAの領域は約1.5mmの厚さがあり、厚さBの領域は約1.75mmの厚さがあり、厚さCの領域は約2.0mmの厚さがあり、厚さDの領域は約2.5mmの厚さがある。厚さEの領域は約3.0mmの厚さがある。厚さFの領域は約3.5mmの厚さがある。その他の相対的な厚さ範囲も使用される場合がある。図4cは図4aの基部12の斜視図を示すものであり、基部12の部位のさまざまな厚さ領域を示している。
【0027】
図4aでは、前記の厚さ指標A〜Fが基部12の領域の名称の一部として使用されている。領域4Fと5Fは最も厚い領域(3.5mm厚など)で、1Aは最も薄い領域である。図4aの中央軸(つまり、縦軸)A−A左側の領域について、以下に一連の領域のリストを示す(最も厚い領域から最も薄い領域へと、厚さは順に減っていく)。{4F,2F}、{4E,2E}、{2D,4D−1,4D−2,1D−1}、{2C,4C,1C−1}、{1B,2B}、および{1A}。中央線A−Aの右側領域は、対応する中央線A−Aの左側領域と同じ厚さである。特に、線A−Aの右側の一連の領域を以下にリストする(最も厚い領域から最も薄い領域へと、厚さは順に減っていく)。{5F、3F}、{5E、3E}、{3D、5D−1、5D−2、1D−2}、{3C、5C、1C−2}、{1B、3B}、および{1A}。
【0028】
部位101の領域1Aと1Bは、基部12の中で比較的薄く、より柔軟な領域である。領域2F、3F、4F、5Fは基部12の中で比較的厚く、柔軟性により乏しい領域である。一基部12の一般的な“M”形ゾーンは領域2F、3F、4F、5F、4E、3E、4D−2、5D−2、1D−1、1D−2を備える。一般的な“M”形ゾーンと一致するのは一般的な“U”形ゾーンで、基部12の領域4D−1、5D−1、4C、5C、2D、3D、2C、3C、1B、1Aを備え、“U”形ゾーンの最下部(領域1A)は最も薄く最も柔軟性に富む。
【0029】
図3aは、基部12の上から見た平面図を示すものであり、基部12の幅Wと長さLを示している。図3bは、図3aの基部12の前部上面斜視図を示す。図に示すように、基部12には凹形の溝(つまり、凹形の窪んだ部分)110があり、軸A−Aに沿って部分的に伸びており、基部12の下部から突き出ている。領域2F、3F、4F、および5Fの部位は前記の凹形の窪んだ溝110を形成する。図4aに示すように、部位104、105の背面と側面の領域4F、5Fは、基部12の中で最も厚く柔軟性に乏しい領域である。同様に、部位104、105の領域2F、3Fも基部12の中で最も厚く柔軟性に乏しい領域である。したがって、凹形の溝110は基部12の中で最も厚くて柔軟性に乏しい領域で形成されている。凹形の溝は、凹形の尾骨の杯状領域110a(図3a)も形成して、さまざまな尾骨角度をとれるようにし、装置100の領域110の面が仙骨関節の下部と尾骨に接触しないようにしている。図17aは、基部12の側面図を示し、図17bは図17aの基部の断面図を示すもので、図1aの線A−Aに沿った切断面となっており、凹形の溝110を示す。
【0030】
装置110の平均的な寸法の例は、幅約12.625インチ(つまり、32.35cm)幅、長さ約14.625インチ(つまり、37.6cm)である(図3a)。対照的に、従来の座席底面(たとえば、柔軟な織りメッシュ、フォーム、プラスチック、木など)の平均サイズは約21.6インチ幅、約17.9インチ長(座席底面の幅20.25、長さ21.25の例もある)である。このような従来の座席底面の寸法は静的なサブシート底面に適用される。従来の座席底面とは異なり、装置100は着座したユーザーの臀部の形に単に順応するのではなく、部位104と105は非直観的に内側および上方に動いて臀部を収容する。支持面は従来の静的な座席底面である場合があり、その上に装置100が置かれる場合がある。従来のシートは、多数の素材、織られた柔軟な繊維(金属の骨組みの間に取り付けられる)、さまざまな密度の曲線状のフォームパッド、プラスチック、木、金属などの固い素材で作ることができる。
【0031】
凹形の溝110は、部位104と105(領域4Fと5F)の背面部16のところで、下向きに伸びた凹部分を備え、縦軸の中央線/軸A−Aに対称的に沿って、部位102と103(領域2Fと3F)まで続く。凹形の溝110は部位101の直前で終わる。凹形の溝110は、中央ボウル部20に着座したユーザーの尾骨のおおよその場所に配置されており、領域110aは、着座したユーザーの尾骨領域にかかる可能性のある大きい圧力を排除する役割を果たす。
【0032】
図5は、図3bの基部12の斜視図を示すものであり、凹形の溝110を示し、さらに基部12の背面部(部分)16を示している。背面部16には、部位104と105の領域4Fと5Fの部分が含まれる。
【0033】
図3aと図3bに示すように、凹形の溝110の深さは、部位104と105の上端から部位102、103を通って部位101に伸びるにつれて徐々に浅くなる。図18b〜18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、O−O、H−H、I−I、K−K、L−L、M−M、N−Nの切断面に沿った各断面図を示す。図18b〜18nは、基部12の全般的な断面図の厚さを示し、さらに前記の凹形の溝110の深さと厚さが徐々に変化する状態を示している。凹形の溝110は、基部12の底部から突き出している(図18b)。
【0034】
基部12のボウル部には底面があり、少なくとも一部は弓型をしていて、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の前記の第1位置(非体重負荷位置)と、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の、回転によって第1位置よりも前になる第2位置(体重負荷位置)との間で支持面で回転するように構成されている。ボウル部には底面があり、少なくとも一部は、凹形の窪んだ溝110の底部に沿って弓型になっており、第1位置と第2位置との間で支持面で回転するように構成されている。
【0035】
凹形の窪んだ溝110は基本的に、下方に伸びたホイール状の構造物として機能し、基部12の底部から突き出ており(図18b)、ユーザーの体の下にある装置100の非体重負荷位置から体重負荷位置までの基部の前方への回転を促進する。例では、凹形の溝110は最も幅広の部分55mmで約10mmの深さがあり、幅は40mmへと小さくなる。装置100は溝110により、座席底面を含めたあらゆる種類のシーティング面で回転する(図2a〜図2h)。溝110は一般に、中央部102、103の円形の骨盤着座ゾーン3と交わり(図1a)、領域2F、3F、2E、3Eの部分を備えます(図4a)2Eと3Eに沿った比較的厚い領域2Fと3Fは、ユーザーの骨盤底を凹形の溝110で支える前記の着座ゾーン3となる。
【0036】
部位104と105は図1aで示すように、上向きに傾斜している。部位104の領域4Fは、上端と共にボウル部の弓型の背面部と側面領域を形成する。部位105の領域5Fは、上端と共にボウル部のもう1つの弓型の背面部と側面領域を形成する。領域4F、5Fは4E、5E、4D−2、5D−2、1D−1、および1D−2と共に、ボウル部の他の領域よりも柔軟性の低い伸長領域(伸長部)を形成する。伸長領域は部位102と103の周囲と両側から前部101につながり(図4a)、ユーザーの太股から部位101への下向きにかかる力により、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後、背面と側面の領域(4F、5F、4E、3Eを含む)の上端が上方向と内向きに動く。一般に伸長領域より柔軟性の高い(そして、一般に凹形の溝110の領域よりも柔軟性の高い)基部12の他の領域により、前記伸長領域は、前記部位101の下方向にかかる力に反応して、上方向と内側に動くことが可能になる。ほぼそれと同時に、基部12の底部から突き出ている凹形の溝110は、ユーザーの体の下にある装置100の非体重負荷位置から体重負荷位置までの基部の前方への回転を促進する。
【0037】
図3aと図3bに示すように、基部12の前部は、一般に唇のような形をした前部101を備える。部位104と105は上方に傾斜し、部位102と103は一般に上方に傾斜し、部位104と105に近接している。上方にカーブした側面104と105は、線A−Aから始まり、前記の凹形の溝110を形成する(図3a、3b)。部位104、105は部位101に達するまで、部位102と103の周りを取り囲む。上方にカーブした側面部104と105は、中央部102と103よりやや高く上方に伸びており、側面部104と105は基本的に、前部101と背面部/側面部104と105の間で基部12の中央部全体にわたって伸びている縦の中央線軸A−Aから等距離にある。
【0038】
図4aに示すように、104と105の両側面部はバンドタイプで、それぞれに5つの領域がある。部位104と105は共に、領域1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、5D、1D−1、1C−1の上端部を取り囲んでいる。さらに、部位104と105は共に、領域2B、2C、2D、3D、3C、3Bで部位102と103に隣接する領域4D−1、4C、5D−1、5Cの上端部を取り囲んでいる。基本的に、部位104の5つすべての領域、および部位105の5つすべての領域は、ユーザーの下部骨盤領域が中央のボウル部20に収まった時に張力を受ける。
【0039】
図4aの領域2Eと3Eによって示される骨盤底の着座ゾーン3(図3a)は、平均的な骨盤出口(その中央に配される坐骨結節の基部)に比例したサイズの領域となる。部位102と103(領域2B、2C、2D、2E、2F、3F、3F、3E、3D、3C、3Bを含む)は、中央ボウル部20の部分を形成する(図10b)。
【0040】
中央部102と103は、下部骨盤領域および下部骨盤と尾骨に接する筋肉を囲むボウル部を形成する。図9に一般に示すように、臀部の軟組織は通常、基部12の部位102、103から側面部104と105、前部101に流れるため、基部12全体で着座したユーザーの体重を支えることを理解する必要がある。
【0041】
それぞれ側面部102と103に沿って伸びている部位104と105は、部位101および部位104と105の上部/背面部(図5、図8d)の間で伸びている伸長ゾーンを形成する。
【0042】
側面部104と105の領域(つまり、バンド領域1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、5D、1D−2、1C−2)は、ユーザーが中央部102、103に着座した時に、背面部16を前方(つまり、図8dの矢印104aと105に沿って)に引く役割をする。さらに、ユーザーの太股遠位の底部は前部101にかかる。背面部16の前方への動きは、部位104と105が内側(つまり、図8dの矢印104bと105bに沿って)に動くのを助け、臀部の筋肉と梨状筋が極めて望ましい状態で圧縮される結果となる。それにより、部位104と105はユーザーの坐骨結節を包み込み、図9に示すように筋組織をドーム状に包む形状となる。臀部の筋肉は、望ましい緩んだ状態が維持される。
【0043】
図10aは、体重負荷位置にある基部12の側面図と切断面G−Gを示すものであり、図10bに示すように切断面G−Gの断面図が取られている。図10bは、基部12の非体重負荷位置の形状を点線で示し、ユーザーの骨盤領域がボウル部20に収まった時の基部12の体重負荷位置の形状を実線で示し、基部12の体重負荷位置のカッピング効果を示している。
【0044】
図10e、10fは、2種類のモードまたは状況下の基部12の断面図を表すものであり、これらの図は前述の切断面G−Gの位置で取られたものである。図10eは、着座したユーザーの体重負荷がかかっていない時の基部12の構成(第1の形状)を示す。この場合、装置の特性深度はY1によって示され、特性幅はX1によって示される。図10fは、着座したユーザーの体重負荷がかかっている時の基部12の構成(第2の形状)を示す。図10fは部位102と部位103の中央部を示し、装置100の部位104と部位105の側面/背面部は、ユーザーの体重負荷がかかっている時にはより深く湾曲した構成となり、装置の新しい深さはY2によって示されるように、装置のY1の深さを超える。これにより、ユーザーの体重負荷がかかっている時の基部12の中央部20の体積は増加する。
【0045】
例では、10eの深さ寸法Y1は約1.5インチとなり、深さ寸法Y2は最大約3.0インチとなる。別の例として、幅寸法X1は約12.75インチ、幅寸法X2は最小10.50インチの狭さとなる。
【0046】
図10bは図10eと10fを重ねた図であり、それぞれが部位102と103の上部に沿って伸び、唇のような形の部位101と基部12の背面部16の間で一種の張力メカニズムとなっている、上部に湾曲した側面部104、105の内側のカッピング効果を強調するものである。側面部104と105のリーフスプリング状のバンド領域(つまり、1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、5D、1D−2、1C−2)のさまざまな厚さは、ユーザーが部位102、103に着座し、着座したユーザーの体重によって張力がかかっている時に、背面部16を前方に引く役割を果たす。基部の体重負荷位置(図10f)は、側面部104、105が着座したユーザーの体重下で内側に、そしてやや上方向に押し上げていることを明確に示している。それに対し、図10eの非体重負荷位置は、図10fで着座ユーザーの体重下にある時よりも側面部104、105の位置が実際に低くなっていることを示す。したがって、側面部104、105は、体重の下方向への圧力によって下方向に曲がっているのではない。
【0047】
図8aは、装置100およびユーザーの生体構造を機械ロボットの解剖学的骨格で表した詳細な側面図を示す。図8a(およびその他の図)の機械ロボットの解剖学的骨格図は、他の図で示す人間の生体構造と同じであり、装置100とその働きを示す図を簡素で明確にするために使用されている。比較のため、図1e〜図1hは、機械ロボットの解剖学的骨格図とユーザーの生体構造の一般的な関係を示す。特に、図1eは、後弯腰椎と後弯骨盤のユーザーの解剖学的な側面図を示す。図1fは、図1eの解剖学的な後弯腰椎と後弯骨盤に相当する、同等の機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示す。おおよその角度δ=20°は、骨盤後部の傾きを示す。図1gは、前弯腰椎と前弯骨盤のユーザーの解剖学的な側面図を示す。図1hは、図1gの解剖学的な前弯腰椎と前弯骨盤に相当する、機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示す。おおよその角度β=20°は、骨盤前部の傾きを示す。
【0048】
図8aの図は図1cの図に相当し、ユーザーが装置100に接触して座る動作を続け、装置100に体重を移し続ける移行状態をより詳細に示す。例のボウルの深さD1は約1.5インチである。図8bの図は図1dの図に相当し、装置100が回転し前方へと傾斜して、体重負荷位置(第2位置)になった状態をより詳細に示す。おおよその角度β=12°は、骨盤前部の前方への傾きを示す。例のボウルの深さD2は最大3インチである。
【0049】
図8bでは、ユーザーの太股遠位の圧力によって部位101が下方向に曲がり、部位101は骨盤の坐骨結節がかかる低位置で停止状態を作る。したがって、装置100は内側への傾きを維持する骨盤の前方への前弯を安定させる。装置100は、体重負荷がかかっていない時の重心の均衡点bp1(図8a)から体重負荷のかかっている時の重心の均衡点bp2(図8b)へと支持面40で前方に回転する。図12cの図は、bp1上の装置100の位置とbp2上の装置100の体重負荷位置をより明確に示す。bp1上の装置100の位置は、図1bと図1cの図に対応し、装置100にはユーザーの全体重が完全にかかっていない。ここに記載する説明では、非体重負荷という語は、図1b、図1c、図8aに示すように、装置100が点bp1上の第1位置にある状態を表し、体重負荷という語は、図1sと図8bに示すように、ボウル部のユーザーの全体重を受け、点bp2上で第2位置に前傾している装置100の状態を表す。部位101と部位104、105の背面部は、Zの間隔だけ前に移動する。例として、距離Zは0.50インチから3.50インチの範囲で、通常は2.5インチになりうる。平衡点bp1の場所およびこの傾斜によって生じた平衡点bp2の場所の間の変化は、距離Δによって表され、たとえば、平均して約2.0〜2.3インチ、最大2.50インチとなる可能性がある。
【0050】
図8bで、装置100は、ユーザーの体重負荷がかかった結果、支持面40(通常は水平になっている表面)に対して角度θ傾いている。通常、角度θは約17°である。面40での装置の前方への角度θの傾き/回転により、内側への傾きを維持する、基本的に最適な骨盤の安定が作りだされる。
【0051】
部位104、105の動作、および前部101の下向きの湾曲により、部位104、105の背面部16は距離Zの分、前に動く。平衡点bp1の場所およびこの傾斜によって生じた平衡点bp2の場所の間の変化は、距離Δによって表される。
【0052】
図12aは、装置100の基部の非体重負荷位置(点線)と基部12の体重負荷位置(実線)を重ねた上面斜視図である。図8bと図12cと同様に、図12aの図は、基部12において、非体重負荷位置の重心の均衡bp1から体重負荷位置の重心の均衡bp2にかけてZが前方に変位する様子を示す。図12bは、図12aの図の底部斜視図を示す。
【0053】
図7aは、点bp1上の装置100の非体重負荷位置と点bp2への体重負荷位置(前方に回転)を重ねた側面図を示す。図7bは、背後から見た時の図7aの装置100の、bp1までの切断面(図12a)での断面図を示すものであり、ユーザーの太股遠位が装置100の前部を押し下ろす前の坐骨結節骨盤を示している。図7cは、背後から見た時の図7cの装置100の、bp2までの切断面(図12a)での断面図を示すものであり、ユーザーの太股遠位が装置100の前部を押し下ろす前の坐骨結節骨盤を示している。
【0054】
図12cは、装置100の中央線A−A(図1a)に平行な位置で取られた装置100の断面図を示すものであり、この図により、部位104、105の背面部16に対する前部101の関係を示す。図12cは、図12aの図の断面図を示すものであり、装置100の2つの位置または状態を示す。図12cの上部の図(図8aに対応)は、ユーザーの体重が装置100にかかっていない場合の装置100の第1位置を示し、そのボウル部20がほぼ水平の状態で母表面40の上にあることを示す。図12c(図8bに対応)の下の図は、装置100の第2位置を示すものであり、この位置は角度θによって示されるように、下向きに大きく回転/傾斜している。この下向きの回転は、ボウル部20の部位102、103へのユーザーの骨盤下部の体重、およびユーザーの脚によって部分的に引き起こされたものであり、遠位フライのハムストリング筋、つまり、ユーザーの脚の太股裏側が、唇に似た部位101に置かれて、下方向に大きく湾曲した。
【0055】
図12cは、装置100が元の非体重負荷状態から第2位置(第2の形状)に移行する時の劇的な差を示す。この重なりは、場所bp1から場所への中央均衡点の変化を示す。また、距離Z分、前に移動した背面部16、前方に移動したボウル部20、下に曲がって、母表面40に接触した前部101も示されている。
【0056】
図10aの切断面G−Gの辺りで取られた図9は、骨盤領域と装置100のサイズの比例関係を示すために、典型的な骨盤領域の解剖学的詳細をさらに示すものである。装置100の後部から見たこの図には、固い支持面40に載った装置100が含まれている。中央のボウル部20、部位102と103に対する坐骨結節の位置iが示されている。また、寛骨臼のほぼ直接下にある側面部104、105の位置も示す。
【0057】
たとえば、図9、図2a〜図2h、図10c、図10d、図11bは、骨盤領域下部へのカッピング効果を示すものであり、このカッピング効果は、装置100の末端からはみ出る軟組織には及んでいない。さまざまなサイズの臀部の外形を表す軟組織は、図9でW1、W2、W3で示されている。
【0058】
図2a、図2b、および図9は、典型的な骨盤領域と背骨と共に、遠位大腿骨の解剖学的な図を示すものであり、平均的な骨盤と装置100の比例的な大きさを明確に示す。図2a、図9、および図7aの解剖学的な図(実線)は、装置100が第2の形状に移った時の骨盤による前方への傾きを示す。また、坐骨結節がボウル部12の中央にある時の上体体重の効果も示す。この体重によって第2の形状が、前部の唇のような形の部位101より下に曲がってゆがむことはなく、側面部104、105は張力を受けて、上向きに傾いた背面部16が前方に引かれる。
【0059】
また、図8b、図10b、および図10fには、装置100のボウル部20の深さが増している状態が示されており(部位102、103および部位104、105)、これにより、骨盤底部出口を直接取り巻く臀筋が包み込まれる。したがって、坐骨結節を包み込む臀筋と梨状筋の持続的な圧縮は、装置100によって有利にもたらされるものである。
【0060】
図3cは、体重が基部12にかけられて、前部の唇のような形の部位101が下向きに傾く際に起こる変化を点線で示している。ゾーン3の変化は、点線の円によって具体的に示されている。側面に沿って伸びている長い点線は、着座したユーザーの体重が装置100の中央部にかかった結果、部位104と部位105の末端/側端が内側に、そして幾分上方に移動したことを示す。側面部104、105は、ユーザーの体重が装置100にかかっている間、外側ではなく内側に移動したが、これは、ユーザーの太股面の下で部位101が下向きに押されて、側面部104、105に張力がかかったためである。側面部104、105のこの張力により、側面部104、105が内側に動く。部位102〜105のさまざまな厚さは、リーフスプリングの1種として機能し、部位104、104の内側および上方へのカッピング作用を高める。
【0061】
なるべく、基部の前部の唇のような形の部位101は、中央ボウル部20の前部で特定の曲がり点を持つようになっている。ある実装では、少なくとも1つの柔軟な孤または溝15をその表面に提供する(図12c)。溝15は、前部101全体に亘って伸び、実質的に縦の中央線A−Aに対して垂直に交わる。溝15は前部101の柔軟性を高めるだけでなく、装置100を曲げて、ユーザーの太股遠位の底面が前部の唇のような形の部位101に接触した時に、望ましい第2形状ができるようにする。前述したように、前部101の下方への曲げは、背面部16が前方へと引っ張られるように部位104と105を通じて作用する。それぞれ側面部102と103に沿って伸びている部位104と105は、前部101と装置100の背面部16の間で伸びている一種の引張部を形成する。側面部104と105とそのリーフスプリング状のバンド領域(つまり、1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、5D、1D−2、1C−2)は、ユーザーが中央ボウル部102、103に着座し、ユーザーの太股遠位の底面が前部101にかかっている時に、背面部16を前方に引く役割を果たす。背面部16のこのような前方への動作により、側面部104と105が内側に動くため、臀部の筋肉と梨状筋が極めて望ましい状態で圧縮されて、坐骨結節を包み込んで筋組織をドーム状に包む形状となる。
【0062】
柔軟な孤/溝15は、装置100上で部位101と部位102、103がつきあたる点近くに位置している。溝15によって、柔軟性が高まるだけでなく、装置100が溝15の近くで曲がる。溝15により、装置100に着座したユーザーの圧力がかかる度に、装置100の第2形状が同じ状態で形成される。円弧15は、部位101の他の箇所にも作ることができる(図3c)。
【0063】
装置100は、自動車のシートなどさまざまな環境で、カウチやイージーチェアなどの家具のアイテムで、比較的底の固い椅子の上で、あるいはスタジアムなどで見られる固いシートの上で利用できます(図2a〜図2hなど)。これらのいずれの場合でも、基部12のボウル部20はある程度、上記の一般的な方法で水平に対して下向きに回転/傾斜する。
【0064】
図2a〜図2d、図8a、図8bなどの図では、基部12が固い表面に置かれた状態で特定の図解が利用されているが、装置100が弾力性のある表面または柔らかい表面に置かれている場合に装置100の第2形状が得られることも理解する必要がある。柔らかい表面上のこの第2形状は、人間工学チェアのフォームとファブリックに下がり、固い表面上にあるかのように、同じ第2形状になる。はみ出している軟組織と基部の前傾角度は視覚的によりわかりやすいため、特定の絵は固い表面上に載っている状態が示されている。ただし最も重要なのは、装置100が実現する同じように極めて有利な傾きと包み込む作用は基本的に、支持面の固さまたは柔らかさに関係なく発生する点に留意することである。
【0065】
基部12のさまざまな厚さの領域(図4a)は、特定の厚さフローを持つ領域のように、リーフスプリングバンドとして機能し、さらなる軟組織が、追加のパッドを必要とすることなく装置100の端に移ることができる特に、5つの部位101〜105およびそのさまざまな厚さ領域は、スプリングリーフ構造として機能し、それぞれの厚さが変化した状態になることから、まさにスプリングリーフアセンブリのように、装置100が作られている素材の厚さの個々の層と似ている。中央ボウル部20のユーザーの体重が装置100にかかると、下方向の圧力によって、装置100のリーフスプリングのようなアセンブリが下に押される。部位101〜105とそのさまざまな厚さ領域は、素材である形状記憶プラスチックのみが頼りの一定した厚さの装置に比べて、新しい種類の装置100の機能を提供する。
【0066】
部位102、103(領域2Eと3E)の凹形の溝110の「ウィング」はボウルのような骨盤ゾーン3で、凹形の溝110の外側に出た坐骨結節骨盤底を支える。それぞれ側面部102と103に沿って伸びている部位104と105のようなS字状の帯は、前部の唇のような形の部位101と基部12の背面部16の間で伸びている一種の引張部を形成する。側面部104と105とそのリーフスプリング状の帯領域(1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、領域1D−2、1C−2)は、ユーザーが中央部位102、103に着座し、ユーザーの太股遠位の底面が前部101にかかっている時に、背面部16を前方に引く役割を果たす。背面部16のこのような前方への動作により、側面部104と105が内側に動くため、臀部の筋肉と梨状筋が極めて望ましい状態で圧縮されて、坐骨結節を包み込んで筋組織をドーム状に包む形状となる。
【0067】
基部12の比較的薄い領域は、ある面のより厚い領域と縦軸A−Aと交わる横軸E−E でのねじれと共に、その縦軸A−Aでの回転、カッピング、支え、およびねじれを協調的に助ける(図3d、図3e)。横軸E−Eは、前部101がボウル部の部位102〜105と交わる領域の近くにある。部位101のより薄い領域は横軸E−Eの近くにあり、その領域のねじれを可能にする。軸A−Aと軸E−Eは共に、ここで示される基部12(および装置100)の軸とされる。凹形の溝110のより薄い領域と中央の坐骨着座ゾーン3は、凹形の溝110と中央の骨盤着座ゾーン3が、ユーザーの下部骨盤領域の圧力でゆがむのを防ぎ、前記の基部12の軸上で回転、カッピング、支え、およびねじれは妨げられない。
【0068】
中央の骨盤着座ゾーンを囲む領域および部位102と103の凹形の溝110は比較的薄く、外縁に向かって動く。基部はやはり、部位104、105よりも薄く、装置100による改善された前方への回転と上方への包み込みを行う伸長部/領域となる。
【0069】
図10cは、装置100の体重負荷位置の背面図を解剖学的な図で示すものであり、矢印は、骨盤・坐骨結節の翼下部に内側への圧力をかける臀筋をボウル部20によって包み込んでいる状態を示す。図10dは、装置100が柔らかい支持面40a上で体重負荷位置にある背面図を示すものであり、装置100のボウル部20は、ユーザーが片側に傾いても、臀筋を包み込んで支え続けている。
【0070】
図11aは、本発明のシーティング器具なしで座面に着座したユーザーを示すものであり、矢印は圧力の不適切な分散を示している。図11bは、ユーザーが着座し、体重負荷位置にある装置100の背面図を示すものであり、矢印は、装置100の部位102〜105のカッピングと支えで圧力が適切に分散されていることを示す。
【0071】
さらに、装置100は、ユーザーの体重がボウル部20にかかってねじれている時に軸上でねじれる。装置100の前方への回転で、ユーザーの骨盤が前弯になり、ユーザーが装置100に着座している間、ユーザーの上体または下半身がどのようにねじれたり動いたりしてもカッピングと支え効果は変わらない(下記でさらに説明)。
【0072】
装置100の部位101〜105とそのさまざまな厚さ領域により、幅広い層の人々にユーザーが着座した時の収まりと支えがもたらされる。装置100およびボウル部20に着座したユーザーにより、軸上で傾斜、包み込み、支え、およびゆがみが生じることで、ユーザーの骨盤を安定させるための動的な支持が継続的に行われ、着座した人のさまざまな動きを介して骨盤を適切な前弯曲線に維持し、ユーザーを一定した持続的なシステムに保持する。これはさらに、図19のフローチャートに関連して説明される。図19では本発明の実施形態に従って、人間の姿勢矯正および臀部肥大を抑制するためのプロセス300を示している。本実施形態のプロセスでは、前記の装置100を利用する。
【0073】
一般に、装置100は、立ち座りができ、典型的な臀部の臀筋がある人間のユーザー(男性、女性など)に役立つものである。装置100は支持面(座面など)に配置され、支持面はその上に載せる装置100を支えることができるものであれば、所望のものを選ぶことができる(オフィスチェア、車の座席、固定されたベンチ、リクライニングイージーシート、リクライニングオフィスチェア、リクライニング航空機座席など)。
【0074】
ステップ301:さまざまな厚さの部位を持つシーティング装置100を姿勢矯正および臀部肥大抑制のために支持面に配置する。ある実装では、家庭、車、オフィスからさまざまな状況で使用するために、装置100を携帯してシートからシートへと運ぶことができる。ポータブル装置は、少なくとも前記の5つの部位101〜105を備える。別の実施形態では、オプションの部位106の取り付けで背もたれになるが、組み込みではない。図4bは、基部12(図4aと類似)およびオプションの背面部106(厚さ領域6Dを含む)の上から見た平面図を示す。
【0075】
ステップ302:ユーザーは立ち位置から装置100に座り、その際、立ち位置から装置100に座ることで着座位置に姿勢が変化する。
【0076】
ステップ303:ユーザーの太股遠位が最初に、装置100の前部の唇のような形の部位101に接触し、装置100の前部101を押し下げる。太股遠位は部位101をその下の支持面に対して押しつける。片方または両方の太股が部位101を押し下げることができ、その状態で、装置100は太股遠位によって押され続けたままになる。部位102、103、104、および105はユーザーの臀部で覆われ、装置100は、最終的に骨盤の坐骨が部位102と103の中央に来るまで、はみ出す臀筋と軟組織で満たされる(図8b、9)。
【0077】
ステップ304:装置100は前傾し(図8b)、リフト傾斜効果をもたらす。リフト傾斜は、背面部の骨盤仙骨領域を安定させることで直立姿勢を達成する。従来では、骨盤の仙骨と腸骨稜を押すランバーサポートを使った、椅子の背もたれの作用により直立姿勢を達成する。さらに、ユーザーが直立姿勢になるには、背もたれまたはランバーサポートに対して姿勢を正す必要がある。ただし、このような従来の背もたれとランバーサポートは、本発明によるリフト傾斜効果が生まれない。
【0078】
本発明の実施形態によると、装置100は前方に回転して、典型的な傾斜角度θを最大約17°(図8b)にした場合に、リフト傾斜効果を生み出す。この傾斜により、骨盤全体が同時に上方および前方に持ち上げられる。骨盤は装置100の中央ボウル部20に包まれているため、傾斜は、骨盤が坐骨と仙骨より前に回転しているために生じる以上の角度である。装置100のリフト傾斜によって、ボウル部20の前端の傾斜111(図8c)で止まり、重心の均衡点bp2(図8b)の中央の上で停止するまで、坐骨結節は前方にスライドする。ボウル部20の傾斜111により、骨盤領域の坐骨結節の前方への動きが妨げられ、ユーザーの下部骨盤領域は前方に旋回して、支持面上の重心の均衡点において、ボウル部20の第2位置で前弯位置となり、その結果、下部骨盤領域がボウル部にある時に、ユーザーの動きに反応して、前記の重心の均衡点の上に坐骨結節が維持される。
【0079】
図8cは、図8bの基部12の側面図を示すものであり(機械ロボットの解剖学的な骨格はなし)、体重負荷位置にある基部12の傾斜/回転のために重心の均衡点が変わり、中央部が傾斜している状態を示す。図8cも、前部101が下に曲がっている様子を示す。装置100によるリフト傾斜は、背もたれまたはランバーサポートへのもたれは必要ない。装置100によるリフト傾斜は、ユーザーがその上に座った時に生じ、体がどのように動いたりねじれたりしても、あるいは両足が床に不均衡についていても、本装置は個人に対し、アクティブに適応し続ける。ユーザーの脚が組まれていても、装置100はリフト傾斜は実現する。上体をどの方向に傾けても、装置100はリフト傾斜を達成する。装置100は、ユーザーと装置100が関わる持続的なプロセスにおいてリフト傾斜を実現し、ユーザーが典型的な椅子で特別な座り方をしなくても効果が生じる。
【0080】
ステップ305:ユーザーが中央ボウル部20への着座プロセスを続けると、装置100は着座したユーザーの下部骨盤領域で満たされる(図9)。これには、下部骨盤の坐骨結節とそれにつながっている臀筋と梨状筋、皮膚、および臀部領域の衣類が含まれる。装置がさらに筋肉で満たされると、軟組織が座面端部からはみ出る。
【0081】
ステップ306:側面/背面部104と105は内側および上方に動いて、着座したユーザーの下部骨盤領域を包み込んで、ユーザーの筋肉と軟組織を望ましい位置と形で支え、臀筋は、通常、従来の座面上で使われるフォーム、柔軟なメッシュ、フェザー、またはその他のクッションタイプのパッドの代わりとなる。装置100は臀筋を緩ませ、臀筋と軟組織が部位104と105によって周囲から包み込まれた時に、装置100にアクティブに関与する。筋組織にかかる圧力が均等に分散されることで、装置100によって操作される筋組織への圧力は減少する。
【0082】
部位104と105のカッピング効果、および装置100が前方へ回転(図8b)した時に凹形の溝101の作用によって骨盤が傾いて直立状態に傾斜することで、臀筋は緩んだ形になる。緩んだ臀筋は、座った時に背中をまっすぐに支える他の筋肉と靭帯で必要な締め付け力を劇的に減らす。
【0083】
部位104、105のカッピングにより、坐骨結節の下および周囲で臀筋と軟組織が形成、維持される。坐骨結節が普通に、座面に押し下げられると、体重負荷のかかった装置100により、坐骨結節はボウル部20上で緩んだ臀筋によって支えられる。
【0084】
ステップ307:ユーザーが装置100に座って、ユーザーの重心が立ち位置から着座位置に変化すると(つまり、ユーザーの足と全身から骨盤と太股遠位に)、ユーザーの体重が重心と共に、装置100の下の支持面に対して移動する。
【0085】
ステップ308:ユーザーの体重下にある装置100は骨盤領域を支える。体重が装置100を押し下げると、骨盤基部周囲に対する前記の部位104、105のカッピングは安定し、下部骨盤の広がりを抑え、骨盤の6つの骨が1つのまとまりとして柔軟に動けるよう広がるのを防ぐ。したがって、腰仙骨の関節への圧力が制限されるため、仙骨の関節の磨滅が最小限に抑えられる。保護するように支えられた位置(図8b)で支えながら、ユーザーが着座し、動いたりねじったりしている時に、骨盤はユーザーの動きと1つにまとまって動くことができる。
【0086】
ステップ309:骨盤は、支え前部で旋回する。ボウル部が第2位置になり、全体重と骨盤が調整された時に(つまり、カッピング効果)、支えは部位102〜105全体を備える。着座した人がどのような動きをしても、支えは部位102〜105によって継続的に維持される。支え前部は、部位102、103の領域の約7°の傾斜領域111、および部位101の幅に隣接する部位104、105の領域を備える。重力の作用によってユーザーの体重は装置100の中央ボウル部20へと下がり、骨盤下部は支えの前端によって、軸上で傾いて回転する。回転は、部位101が交わる部位102と103の前記の上方の傾き111(図8b)によって停止する。前記の部位102と103の傾きは、一例では、水平の支持面から約7°の角度αであり、坐骨の前方への動きを停止するのに十分な角度である。坐骨が前方にスライドできなくなると、それにより、骨盤上部が前に旋回して、背骨が鎖状になる。閉鎖性運動連鎖になっている背骨は、骨盤の傾斜に従う必要がある。包み込まれた筋組織層内に浮いているが、骨盤の旋回は、上体の体重に応えて装置100によって維持される。体重の重力によってできるエネルギーを利用することで、装置100は、姿勢矯正および臀部肥大を抑制するための継続的な持続プロセスを提供して、姿勢と臀部の広がりについて、上体の体重をネガティブな影響からポジティブな影響へと変える。
【0087】
ステップ310:装置100は骨盤を安定させ、骨盤前部の傾斜を維持する。前記支えの前部での骨盤の回転は、均衡点bp2の点で停止する(図8b、図12a、図12b)。傾斜したリフトにより、坐骨結節は、部位102と103の中央ボウル領域の上方への湾曲/傾斜によって止まるまで前方へスライドする。部位102と103の前記の傾斜111は坐骨結節の前方への動きを止めて、坐骨上部を前に送りだす。この骨盤の前方への回転は、上体の体重によって維持される。重心の均衡点bp2と背骨(適切に並んでバランスが取れている)の運動連鎖による効果はすべて、装置100の軸上のねじれによって維持される。
【0088】
背骨が適切に並んでバランスが取れると、胸郭領域に後弯湾曲ができる。頸椎および腰椎量幾には前弯曲線ができる。これらの湾曲は共に、装置100が発明に従って提供する「S」字型の望ましい視線を作る(図1d、図16a、図16b、図16c)。本発明は、着座したユーザーが背もたれに背を預けることなく、体の自然な均衡を利用して、姿勢の調整を図る。
【0089】
装置100は、ユーザーの太股遠位と連動して、姿勢の調整プロセスを開始する。装置が体重負荷(動的)位置になると、ユーザーの太股遠位は水平または水平より上に維持され、姿勢の範囲に亘って足を床に平らにつけたままにすることが可能になる。さらに、太股遠位が前面の唇に似た部位101を押し下げるため、部位104と105は包み込む形になって装置100を角度θ(図8b)分前方に回転させ、骨盤を持ち上げて、望ましい角度関係を達成する。望ましい角度関係には、股関節よりも低い位置になっている膝が関与する。これにより今度は、上体の体重部分が結節から太股遠位に移され(分散され)、体重の圧力がより広い領域で共有される。
【0090】
ステップ311:背骨は前弯し、骨盤の位置によってコントロールされる。骨盤が前方に回転すると、前弯腰椎は自動的に前弯曲線を作る発明者は、背骨を閉鎖性運動連鎖として利用することで、着座中、より望ましい姿勢と快適さが得られるという予想外の結果を発見した。
【0091】
体重負荷位置にある時、装置100のカッピングおよび回転の効果により、骨盤は前方に移動して背骨(図2a)に影響を及ぼし、ユーザーの生体構造(肋骨、隔壁など)の前部によって背骨は下がったり曲がったりしなくなって、前方に下がることができなくなるまで骨盤に従う。その時点で、背骨はバランスの取れた「中立姿勢」の位置になり、背骨をまっすぐにするのに必要なピンと張る力はほとんど必要ない。装置100により、支えられた骨盤は、バランスの取れた姿勢均衡pb2で望ましい「S」字型の姿勢になり、幅広い範囲の姿勢で自然な配置となる。
【0092】
ステップ312:体重負荷位置で、装置100の重心の均衡点はbp1からbp2へと前方へ変化する(図8b、図12a、図12b)。均衡(回転軸)点は、装置底部側の重心bp2の中央真下にある。装置100のこの位置で、骨盤は直立の中立姿勢、バランスの取れた位置で維持される。上体の体重はリング状の骨盤に移動する。独自の前弯曲線ができたため、重心は仙骨から前方に、坐骨結節の先端へと移動する。重心の均衡点ができると、ユーザーの背骨と骨盤の自然な均衡ができて維持される。発明者は、各ユーザーのこの自然な均衡は独自のものであり、骨盤をコントロールすることで、そして骨盤が鎖状の腰椎、胸椎、および頸椎をコントロールすることで、装置100によって生じるものと判断した。
【0093】
図13bは、椅子などの従来のシートに座ったユーザーの実際の圧力図を示すものであり、直立姿勢にある時、坐骨結節から複数の高い圧力マークが示されている。より暗い領域はより高い圧力マークを示す。図13aは、装置100の実施形態に座ったユーザーの実際の圧力図の底面図を示し、図13aはその中で、体重負荷のかかった装置100が前方に傾斜/回転して、骨盤領域を包み込んで支えている時にまっすぐな姿勢になり、骨盤が筋組織内で浮いている間、坐骨結節からの高い圧力マークが図13bよりもはるかに少なくなっていることを示す。さらに、図13aは、チェックも用のダイヤモンド型で示されるユーザーの重心が、装置100を使った場合、従来のシートに比べ前方へ移動(図の下部の方)していることを示す。
【0094】
ステップ313:上体の体重は装置100に移り、装置は外骨格シェルのようになる。具体的には、体重負荷のかかっている装置100によって骨盤が重心の均衡点位置(図2a、図8b)で支えられ、上体の体重は骨盤、次に臀部の軟組織を通じて下に移動し、装置100の部位101〜105に基本的に均一に分散される。臀部の軟組織と筋肉が装置100(図9)の中央ボウル部20を占め、部位104、105が上方向にカップ状になるため(図8b、図8c)、装置100は前記の坐骨結節の筋肉と軟組織に対して外骨格のようになる。
【0095】
ステップ314:装置100は体重と圧力を装置100の下の支持面に移す。具体的には、支持面(座席底面など)のアクティブな矯正器具エリアとして機能する装置100は、ユーザーからの体重と圧力を支持面に分散する。そのため、着座したユーザーの皮膚表面にではなく、支持面に最大の圧力がかかっている。体重負荷のかかった装置100による、上体の体重を支持面に移動させる機能は、外骨格のような特質をもたらす。臀部の軟組織が部位104と105によって包み込まれると、骨盤は部位104と105によって支えられて前方に回転し、前述のように重心点bp2(図8a−1)で安定する。このような安定が得られると、基本的に、着座したユーザーの全体重は骨から軟組織を介して体重負荷のかかった装置100に移動する。装置100の中央ボウル部は、その体重を支持面40に均一に分散する。着座したユーザーの体が動くと、装置100はユーザーの体重分散を前記の外骨格効果によって維持する。
【0096】
ステップ315:着座したユーザーの体が動くと(机上で作業をしている時に体をねじるなど)、装置100は、ユーザーの変化した体位に適応する。
【0097】
ステップ316:着座したユーザーが動くと、装置100は軸上でねじれて(図2c、図2d、図12e、図12g)、その支え位置を維持する。装置100は、軸上のねじれによって支えを継続し、一定の動的な骨盤指示を維持する。装置100は基本的に常に、前方への傾斜/回転の複数の同時メカニカル機能を調整および維持して、骨盤を筋組織で浮動させながら骨盤領域を包み込んで支える。
【0098】
図3dは図3cに類似しており、体重が基部12に移り、前部の唇に似た部位101が下側に傾き、着座したユーザーが右に体をひねった時に基部が軸上でさらにねじれた場合に生じる変化を点線で示している(図16a〜図16c)。部位104、105は、骨盤、仙骨に続いて動的に前方へ動いて、その場所の圧力を維持する。図12fと12gは、図3dに示す軸上でねじれたシーティング装置に対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、装置100の体重負荷位置(実線)、および着座したユーザーの上体が右側に回転したために生じる装置100の体重負荷位置のねじれ(点線)が重ねられている。
【0099】
図3eも図3cに類似しており、体重が基部12に移り、前部の唇に似た部位101が下側に傾き、着座したユーザーが左に体をひねった時に基部が軸上でさらにねじれた場合に生じる変化を点線で示している。図12dと図12eは、図3eのシーティング装置に対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、装置100の体重負荷位置(実線)、および着座したユーザーの上体が左側に回転したために生じた装置100の体重負荷位置のねじれ(点線)が重ねられている。
【0100】
装置100は、凹形の溝110の長さに沿った軸上のねじれにより、支えを継続する。ユーザーの上体がどのようにねじれ、動いても、装置100は軸上でねじれることによってユーザーの体位に対応し、動的な支えを適用して骨盤を適切な前弯曲線に安定、維持する。着座したユーザーが動いたり体をねじったりして骨盤が傾いても、装置100は軸上で調整されるようにねじれ、動的な支えを維持して骨盤を安定させる。図2c、図2dは、下半身がねじれている様子、上体の背骨がねじれている様子、および軸上でのねじれが、ユーザーの体をひねる動作にどのように反応するかを示している。
【0101】
図14a〜図14iは、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある装置100のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【0102】
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった状態で、ユーザーが着座中に体をひねると、基部12とその軸がねじれることで、ボウル部20の背面部16がねじれるため、前述したボウル部20の部位104、105上端の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従う。図16a〜図16cに示すように、部位104と105は上方および内側への圧縮力をかけ続けるため、ボウル位置が前記の第2位置に維持されて、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になる。
【0103】
プロセスステップ310〜316は、ユーザーが装置100に着座し、動いたり体をねじったりする間、繰り返され、持続的なシステムを提供する。ユーザーの体が動いたりずれたりすると、装置100がユーザーの動きに合わせて軸上でねじれて支え効果が調整される。基本的に、装置100の支え効果は、着座したユーザーが自然に動くと「リセット」されて、着座したユーザーを一定した持続的な正しい姿勢に維持し、臀部肥大を抑制する。着座したユーザーに固有の適切な前弯曲線が装置100によって実現するため、ユーザーの重心は仙骨から前方に、坐骨結節の先端へと移動する。重心の均衡点ができると、ユーザーは自然に均衡がとれ、その状態が維持される。装置100を利用する各ユーザーがこの自然な均衡を得られるのは独自のものであり、装置100が骨盤をコントロールし、骨盤が鎖状の腰椎、胸椎、および頸椎をコントロールすることで、装置100によって達成される。プロセス300による前記部位101〜105の作用は、ユーザーの体形に対応、適応するその他の素材または構造物で実装することができる。
【0104】
装置100は、前記のカッピング、支え、および矯正浮遊を提供することで、体重負荷位置で外骨格として機能する。筋肉組織の70%が、脂肪組織の35%が水分であるため、皮膚は水で一杯のラテックス製の風船のように作用する。ボウル部20により、ユーザーの下部骨盤領域の筋肉は、ユーザーの体重の圧力をボウル部20に均等に分散することができる。ボウル部32に座った時、ユーザーの下部骨盤領域の筋肉はボウル部を満たし、坐骨結節によってユーザーの下部骨盤領域の筋肉と軟組織はボウル部20に押しつけられる。ユーザーの下部骨盤領域の筋肉と軟組織が装置100のボウル部20を満たすと、坐骨結節は筋組織内で浮遊し、ユーザーの上体の体重は筋組織を通じて皮膚へと移る。皮膚は圧力を装置100に移す。このように、装置100は外骨格シェルのようになる。外骨格シェルは、支持面(40または40a)に配置され、装置100の内面はユーザーの体重の全圧力を受け、その圧力を再び支持面に移す。同時に、装置100のボウル部によって筋組織で浮遊する骨盤は安定し、保護されるように支えられる。骨盤は、装置100によって前弯の状態を保ちながら、1つにまとまることができる。従来のリクライニング式シートとは違い、装置100は、坐骨結節下の圧力点が増すというネガティブな副作用を生じさせることなく、直立姿勢を可能にする。
【0105】
本発明の望ましい実施形態において、基部12は、図4aの例で示すようにさまざまな厚さのナイロンプラスチックなどの形状記憶素材で成形される一部材である。図4aの図では、各種領域の相互に対する相対的な大きさを示し、形状記憶素材の厚さは基本的に、ある領域から別の領域へ徐々に変化していく。101〜105の各部位は、図4aにあるように、素材ごとにグループ化した領域を示すが、部位101〜105には物理的な区切りはない。
【0106】
本発明の他の実施形態(図6a〜図6p)では、部位101〜105は個別の部位で、メンブレン、ケーブル、蝶番、リンクなどの接続機構によって相互に接続されている。図6aは、基部12の部位101〜105の上から見た平面図を示し、図6bは、部位101〜105の斜視図を示し、部位101〜105が接続されているメンブレン17を備えた接続機構の例を示す。接続メンブレン17は示されているように、連続したメンブレンの形にしたり、部位101〜106に対応した複数のメンブレンの部位にして、部位101〜105の末端を接続することができる。
【0107】
別の実施形態では、本発明は装置100の前記部位101〜105(およびオプションで106)を備えた統合システムをシート(車の座席、航空機座席、オフィスのシートなど)に提供する。このような統合システムには、フォーム、プラスチック、浮袋、およびその他の素材など、さまざまな種類の素材で製造できる基部が備わっている。本発明に従った構成素材の物理的な組成(さまざまな厚さ範囲を持つなど)により、部位101〜106(図6a〜図6p)は、本明細書のプロセス300に記載されているように、着座したユーザーの臀部の形に物理的な変化を生じさせることができる。基部12の部位101〜106は、プロセス300に従って連動する。プロセス300に従って、ナイロンのほか、生体力学な発明品などのその他の素材を、コンピュータ化されたデータに対応し、行動学的な機能を持つ部位101〜106に使用することができる。図6c〜6iおよび6j〜6pの例に示し、以下に説明するように、統合システムでは、個々の部位101〜106はバラバラにさまざまな角度で動いたり、部分的に相互にスライドして、全体的な器具のサイズを小さくすることができる。前記の個々の部位101〜105の作用はプロセス300に従って、各ユーザーの独自の要件に対応する、素材自体にインテリジェンスまたは情報が組み込まれた他の素材によって実装することができる。プロセス300に従って、インテリジェンスまたは情報が組み込まれた素材は、コンピュータ化してユーザに適応する必要がない。ただし、センサー、アクチュエータ、コントローラーを使ったコンピュータ化は実装することができる(図6mなど)。
【0108】
図6c〜図6iは、個々の部位101〜105の統合座席底面構成の例であり、この構成を使用して、部位101〜105の動きを最適化すると同時に、オフィスシートや車の座席など第2の座席底面に組み込んだりすることができる。部位101〜105は、編み込まれた裏打ち(示されていない)または図6bのメンブレン17に似た裏打ちを付けてまとめ合わせられる。図6cは、統合された座席底面構成の部位101〜105の斜視図を示すものであり、矢印は上述したように、非体重負荷形状から体重負荷形状に変移する部位101〜105の動きを示す。このまとめ方は大きい構成用のものである。図6dは、第2の体重負荷形状における部位101〜105のやや片側に向けた斜視図を示す。このまとめ方は、強化された上方および内側への構成用のものである。部位間の隙間は、ユーザーの体重で伸びた第2の座席底面の裏打ちによって生じる。一例では、部位101〜105用に成形されたスクリーンのような裏打ちにより、部位101〜105間でより大きな柔軟性が得られる。
【0109】
図6eは、第2の体重負荷形状にある部位101〜105の別の斜視図を示す。図6gは、(第2の)体重負荷形状に移行している部位101〜105の斜視図を示す。図6gは、非体重負荷形状の部位101〜105の斜視図を示すものであり、部位104、105、および中央部102、203の重なりを示す。このまとめ方の調整より小さい構成用のものである。図6hは、非体重負荷状態における部位101〜105のやや片側に向けた斜視図を示す。図6iは、部位101〜105の正面斜視図を示すものであり、非体重負荷位置の部位101〜105が部分的に重なっている状態を示す。本発明の実施形態に従って、体重負荷位置では、部位101〜105によって二次形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になる。
【0110】
図6j〜図6pは本発明の実施形態に従って、個々の部位101〜106および接続点(円錐形によって表示)に関わる統合座席底面構成の別の例を示すものであり、接続点は、シーティング装置の部位を操作するために部位101〜106を支持環境に接続できる箇所を示す。
【0111】
図6jは、非体重負荷形状時の部位101〜106の底部斜視図を示すものであり、接続点19は、部位101〜106を操作するために支持環境に部位101〜106を接続できる箇所である。図6kは、図6jの体重負荷形状時の部位101〜106の底部斜視図を示す。図6lは、体重負荷形状時の部位101〜105の底部斜視図を示す。図6mは、非体重負荷形状時の部位101〜106の底部平面図を示す。本発明の実施形態に従って、前記の操作は、複数の接続点で圧力を感知する圧力センサー19a、感知された圧力情報を処理して制御信号をアクチュエータ19c(たとえば、接続点19の側に配置されている)に送信する電子制御装置19bを使用することで、二次形状が生じ、骨盤と背骨が完全に前弯になるまで部位101〜106を動かすという具合に作動する。
【0112】
図6nは、図6jの部位101〜106の右側面図を示すものであり、部位101〜106に近づいて座ろうとしている時のユーザーの、機械ロボットによる解剖学的な骨格を表している。図6oは、図6nの部位101〜106の右側面図を示すものであり、機械ロボットによる解剖学的な骨格が少なくともボウル部に触れようとしている。図6pは本発明の実施形態に従って、図6oの部位101〜106の右側面図を示すものであり、機械ロボットの解剖学的な骨格がボウル部に収まり、太股底面が部位101を押し下げて第2の形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になっている。
【0113】
別の実施形態では、装置100を二重座席底面の構成要素にして、骨格を調整し、筋肉の形状を整えるながら、支持面(サブシート底面)で臀部と太股遠位の軟組織構造を支えることができる。男性と女性の平均的な骨盤底のサイズに関する情報が利用されている。骨盤出口の直径には、前後方向および横断した長さが含まれる。前後方向は尾骨の先端から恥骨結合まで伸び、平均的測定は男性で約3.25インチ、女性で約5インチである。前後方向の直径は、尾骨の長さによって異なり、その骨の稼働性によって増減しうる。横断した長さは坐骨結節の後部から反対側の同じ位置まで伸び、平均的測定は男性で約3.25インチ、女性で約4.75インチである。これらの測定値は基本的に、母集団の身長、体重、および人種によって左右されることはない。平均的な骨盤の測定値を前提にすると、本発明によって提供される装置100は、成人人口の95%以上の範囲の人々に適している。溝110(図3a)の尾骨のカップ状領域によって、装置100の表面が仙骨の関節と尾骨に接触しないようにさまざまな尾骨角度をなすことができる。
【0114】
装置100は、従来の座面40aに配置(または組み込んで)、二重座席底面にすることができる。第2の座席底面40aを追加した場合、非アクティブな従来の座席底面40aと組み合わせた個々の部位101〜105(アクティブな座席底面)が備わった、アクティブな(つまり、非静的な)シーティングシステムが実現する。座席底面40aは、骨格と筋肉の構造を支えるように設計され、装置100の座席底面は、臀部と太股の軟組織構造をサポートする。装置100の前記101〜105(およびオプションの部位106)を従来の座席底面40a上に組み合わせることで、ユーザーの体重が装置100と座席底面40a上にかかった時に協調システムが実現する。プロセス300は、二重座席底面システムに適用される。
【0115】
前述したように、本発明の望ましい実施形態(図1a〜図1d、図2a〜図2h、図3a〜図3f、図4a〜図4c、図5、図7a〜図7c、図8a〜図8d、図9、図10a〜図10f、図11b、図12a〜図12f、図14a〜図14i、図15、図16a〜図16c、図17a〜図17b、図18a〜図18n)では、基部12は、図4aの例で示すようにさまざまな厚さのナイロンプラスチックなどの形状記憶素材で成形される一部材である。図4aの図では、基部12の各種領域の相互に対する相対的な大きさを示し、形状記憶素材の厚さは基本的に、ある領域から別の領域へ徐々に変化していく。101〜105の各部位は、素材ごとにグループ化した領域を示すが(図4a〜図4b)、部位101〜105には物理的な区切りはない。
【0116】
前記の望ましい実施形態に従って、装置100にはさらに、図15に示すようにパッド層13が含まれる。パッド層13は、基部12上部に取り付けられたフォームを備えている。フォームの厚さは、基部の機能に悪影響が及ばないように曲線状になっている。図15の上の図は、装置100上面を上から見た平面図を示すものであり、部位101〜105上のフォームパターンを示す(点線で示されている)。図15はさらに、装置100の平面P−P、Q−Q、R−R、およびS−Sに沿った断面図を示す。断面は、基部12を示す(厚さの度合いを示すことを目的には描かれていない)。断面P−Pにおける基部12の各種厚さ領域は、図4aにA、B、E、Fの文字で、図4aの厚さの凡例に対応するように示されている。断面P−Pのフォーム13の厚さは、T1(約4mmの厚さなど)、T2(約10mmの厚さなど)、T3(約12mmの厚さなど)として示されている。フォーム13は、坐骨先端が前方にスライドして前記傾斜111に乗り上げるのを停止するための効果を強化し、坐骨先端下部が前記傾斜111に乗らないようにすることで骨盤の前方回転を強化することで、ボウル部20を介した骨盤の前方回転を強化するため、1つの基部12よりも厚い。フォームは、部位102〜105のボウル部20がユーザーの下部骨盤領域の筋肉で満たされないようにするため、後部着座ゾーン3が最も薄い。
【0117】
望ましい実施形態において、基部12は、幅広い温度範囲内で形状と柔軟性を維持できるナイロンプラスチック(たとえば、ナイロン6,6)などの形状記憶素材から望ましい状態で成形される。部位101〜105は1つの部材として成形されるが、図4aの領域の厚さの相違は一般に、図4aの領域の末端に沿って変化して、ユーザーの体重に応じて望ましい反応をする。
【0118】
部位101〜106の領域で使われるプラスチックは、EVA、PU、およびMDIフォームの形成に必要な熱に都合よく耐えることができる。ポリウレタンフォーム、ポリエステル織物を成形し、ファブリックを溶接するのに必要な熱は約218°F〜285°Fである。本発明に従ったまったく新しい基部12は、90ポンド以上の負荷がかかった時に望ましい二次形状または構成をとることができるが、この特定のプラスチック製の基部12には、体重がなくなった時に元の構成に戻るという強い傾向があり、この傾向は本発明の重要な機能である。その他の同様の特性を発揮する素材も使うことが可能である。
【0119】
通気口v(図3a)は装置100では必要ないが、通気性と熱的快適性に役立つ。通気口のパターンにより、表面の通気性が良くなって快適さが生まれ、熱の伝導と湿気の分散をユーザーの皮膚から取り除くことができる。熱的快適性は、姿勢によって左右されるべきではないため、装置100には図3aで望ましいパターンの通気口が備わっている。
【0120】
望ましい実施形態において、基部12は、基部12の表面に対して垂直に(つまり、図4aの図に垂直に)ナイロンの多様な深さ、厚さの領域を備えている。このようなナイロンには固有の柔軟性と記憶力が備わっているため、元の形状から第2形状まで変化することができ、多様な厚さ領域は第2形状を強化して、装置100の動的な反応を高めている。多様な厚さ領域は、装置100の第2の体重負荷形状に対して固有の望ましい効果を及ぼして、体重負荷形状を非体重負荷形状に戻そうと作用し、坐骨を筋組織に浮遊させながら、骨盤領域の前方への傾斜/回転、カッピング、支えを維持するための動的な反応を引き出す。さらに、ここで指定する例の寸法と厚さ領域を備えた装置100は、幅広い人口層に適している。装置100は、骨盤底の寸法を直接扱い、サブシート底面40aは擬人化した寸法を扱う。人間の解剖学的データベースを基に、本発明の二重座席底面システムは、全人口にではないが、ほとんどの人に適している。
【0121】
装置100の望ましい実施形態に対する、製造プロセスの例(図1a〜図1d、図2a〜図2h、図3a〜図3f、図4a〜図4c、図5、図7a〜図7c、図8a〜図8d、図9、図10a〜図10f、図11b、図12a〜図12f、図14a〜図14i、図15、図16a〜図16c、図17a〜図17b、図18a〜図18n)では、2つの成形プロセスが行われる。最初の成形では、基部12の熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性重合体の射出成形が行われる。最初の成形により、特定のナイロンプラスチック(ナイロン6,6)の射出成形が可能となる。ナイロンプラスチックの射出中、ナイロン製基部と同時に形作れるように、両方向極細繊維ポリエステルを型に入れてよい。したがって、ナイロン基部とその底面側のファブリックは共に形作られる。次に、ナイロン製基部と双方向ポリエステルファブリックの底面を、マッチドメタル熱成形と打ち抜き型に配置する。マッチドメタル熱成形により、複数の同時機能が実行される。まず、マッチドメタル熱成形により、ポリウレタンフォーム12と極細繊維ポリエステルが指定の形に形成される。次に、マッチドメタル熱成形により、両方向ポリエステルファブリック12が「溶接」されると同時に、ポリエステルファブリックとポリエチレンフォーム12は図15の例に示すように、特定の領域にカットされる。
【0122】
このプロセスは、EVA、PU、およびMDIフォーム13(以下で詳細を説明)を形成するのに必要な熱に耐えられる、柔軟で成形可能なプラスチック基部に依存する。ポリウレタンフォーム、ポリエステル織物を成形し、ファブリックを溶接するのに必要な熱は218°F〜285°Fである。すべての熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性重合体には、EVA、PU、およびMDIフォーム13が成形される場合と同様の温度で融点がある。これにより、一緒に成形、抜き打ち、および溶接するEVA、PU、MDIフォームおよびポリエステルファブリックで必要な熱と圧力以下で溶融しない基部ポリマーが特に必要となる。ナイロン6,6は、この熱に耐えられると同時に、射出可能なポリマー12になることができる。
【0123】
ナイロンは前記の熱成形プロセスに耐えられるが、適切に機能するだけの十分な柔軟性がない。したがって、成形プロセスが終わった後、固有の柔軟性を取り戻すには、蒸気加熱する必要がある。本発明は、ナイロン基部12を取り囲むフォームおよびファブリック13と同じ温度で溶融しない、固有の柔軟性と形状記憶特性を備えた射出可能なナイロン12を有することができることを公表する。これには、ナイロン6,6の組成および固有の柔軟性を取り戻すための蒸気加熱が関わる。
【0124】
プロセスの別の側面では、装置100の内部領域にカットされた通気口vが関わると同時に、ポリエステルファブリックおよびEVA、PU、およびMDIフォーム13を共に溶接することもできる。装置100全体にわたるさまざまな形、サイズ、および箇所のこれらの穴(マッチドメタルダイ対象の平面なし)は、フォーム13の成形のために適切に形成する必要があるだけでなく、打ち抜きブレードが鈍化しないように正確に金型の底面に合わせて、少しの熱と圧力でファブリックの両面を同時に溶接して、正確な箇所でカットできる必要がある。
【0125】
一例では、装置100は、一般にポリアミドとして知られる合成ポリマーでできたナイロン基部12を備える。その後に、ポリアミド6、10、11、および12が、環状化合物であるモノマーに基づいて開発された(たとえば、カプロラクタムナイロン6,6は、縮重合で製造された素材である)。EVA(エチレン酢酸ビニール)フォームは、エチレンとビニールの共重合体である。基部12のPUポリウレタンフォーム12には、幅広い剛性、固さ、および密度をカバーするポリウレタン製剤が含まれる。ポリウレタン材、IUPAC(PURまたはPU)は、ウレタン結合でつながった有機単位の鎖からなるポリマーである。ウレタンポリマーは、2つ以上のイソシアネート官能基を含んだモノマーが、2つ以上の水酸基(アルコール)群を含んだ別のモノマーと触媒を介して反応することで、逐次重合によって形成される。
【0126】
MDI PPG形状記憶フォーム13は、ポリウレタンと粘度を増す追加の化学物質からなる。粘弾性ポリウレタンフォームと呼ばれることが多い。一部の製剤では、冷やすと固くなる。より高密度な形状記憶フォームは、体温に反応して、数分で暖かい人体の形に合わすことができる。より低密度名形状記憶フォームは圧力に敏感で、体の形にすばやく合わせる。
【0127】
両方向極細繊維ポリエステルファブリックまたは両方向ポリエステルファイバーマイクロファイバーは、重さが1デニールに満たない合成繊維として言及される。最も一般的な種類のマイクロファイバーは、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、および/またはポリエステルとポリアミドの結合でできている。
【0128】
マイクロファイバーは、不織布、織布、およびニット織物を作るために使用される。形、サイズ、および合成繊維の組み合わせは、柔らかさ、耐久性、吸収力、ウィッキング力、撥水性、電気力学、およびフィルター機能など、特定の特性によって選択される。マイクロファイバーは一般に、アパレル、椅子張り、産業用フィルター、およびクリーニング製品に使用されている。
【0129】
上記の説明で、多数の特定の詳細が明記されている。ただし、本発明の実施形態はこれらの特定の詳細なしで実施できることを理解する必要がある。たとえば、よく知られている同等の構成材と要素を、本明細書で説明したものの代わりにすることができ、同様に、よく知られている同等の技法を、開示された特定の技法の代わりにすることができる。他の例では、よく知られている構造と技法は、本説明の理解をわかりにくくするのを避けるため、詳細は示されていない。
【0130】
本明細書の「一実施形態」、「一部の実施形態」または「その他の実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の機能、構造、または特性が少なくとも一部の実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態に含まれるのではないことを意味する。「一実施形態」または「一部の実施形態」といったさまざまな表現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているものではない。本明細書で、構成要素、機能、構造、または特性が含まれている「可能性が高い」、「可能性がある」、「かもしれない」と記載されている場合、その特定の構成要素、機能、構造、は含める必要がない。本明細書または請求事項が「1つ」の要素について言及している場合、その要素が1つしかないことを意味するものではない。本明細書または請求事項が「追加の」要素と言及している場合、その追加要素が複数あることを除外するものではない。
【0131】
特定の代表的実施形態が付随する図面で説明され、示されているが、このような実施形態は実例を示すためだけのものであり、本発明を限定するものでなく、本発明は、当分野の技術者によって他のさまざまな改変が行われる可能性があるため、説明、示されている特定の構造または配置に限定されるものではないことを理解する必要がある。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般には整形器具、具体的にはシーティング整形器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2009年1月23日に提出された米国仮特許出願第61/147,053号に対する優先権を主張し、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の背景
椅子とソファは通常、臀部および腰部を支持する組立部で構成され、一般に複数のバネ、バネに載せるクッションまたはパッド、およびクッションカバーを備えた支持構造物を持つ。これらの組立品は、バネ構造により柔軟性はあるが、あらかじめ決まった固定された形状となっており、このような家具を使う人は最大限の快適さを得るために、これらの組立品に対して体の位置を調整する必要がある。
【0004】
椅子、ソファなどの範疇に入る人間工学的な支持物は数多くあり、それには、柔軟で弾力性のある支持部分が含まれていて、快適さをもたらすために体に順応する。臀部および腰部を支えるためのこれらすべての座面は、曲線状か非平面状かに関係なく、複数の片持ち梁を形成することができ、人体を調整することで座面の支持部分に順応させるのとは逆に、機械部品なしで自動的に人体の動きに合わせて調整され、順応する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
臀部の肥大(一般に「秘書太り」という。秘書がデスクワークをしながら間食して臀部が太ることから)は、不適切な姿勢と同様に骨盤と背骨に害を及ぼすことが現在わかっている。人間工学的なシーティング装置がどれほど快適でも、人体測定的に測定されたシーティング装置に座り続けると、ほとんどの人は背骨に反復的な圧力損傷を受ける結果となる。米国特許第5,887,951号は、ユーザーの骨盤領域を支える均一的な厚さの部材を持つシーティング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明は、着座中の姿勢を改善する方法と装置を提供した。本発明の一実施形態では、着座中の姿勢を改善するための矯正装置を提供する。本矯正装置は基部からなり、基部はユーザーの太股を受けるために構成された前部、ユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部からなり、ボウル部は中央部と上向きに傾斜した側面部からなる。側面部と前部はともに中央部を取り囲む。
【0007】
中央部には、さまざまな柔軟性を持つ複数の部分があり、側面部にもさまざまな柔軟性を持つ複数の部分があり、ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった際に上方および内部に圧縮力を適用するために構成されている。
【0008】
ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の第2位置(回転によって第1位置よりも前になる)の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。
【0009】
本発明の別の実施形態では、矯正装置を使用して着座中の姿勢を矯正するためのプロセスを提供する。
【0010】
本発明のその他の面と長所は、以下の詳細説明によって明らかになる。詳細説明と図面を併用することで、本発明の原則を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】図1aは本発明の実施形態に従って、姿勢を矯正し、ユーザーの臀部肥大を抑えるためのシーティング装置の斜視図を示すものであり、シーティング装置には厚さの異なる複数の部位がある。
【図1b】図1bは本発明の実施形態に従って、図1aの右側面図のシーティング装置の支持面を示すものであり、ユーザーがシーティング装置に近づいて座ろうとしている時の骨格を表している。
【図1c】図1cは本発明の実施形態に従って、図1bの装置の右側面図を示すものであり、ユーザーがシーティング装置に接触している。
【図1d】図1dは本発明の実施形態に従って、図1cの装置の右側面図を示すものであり、ユーザーがシーティング装置に収まって、第2の形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になっている。
【図1e】図1eは、後弯腰椎と後弯骨盤の解剖学的な側面図を示す。
【図1f】図1fは、図1eの解剖学的な後弯腰椎と後弯骨盤に相当する、機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示す。
【図1g】図1gは、前弯腰椎と前弯骨盤の解剖学的な側面図を示す。
【図1h】図1hは、図1gの解剖学的な前弯腰椎と前弯骨盤に相当する、機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示す。
【図2a】図2aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置に着座したユーザーの側面図を示すものであり、ユーザーは固い支持面に座り、シーティング装置は体重負荷位置にある。
【図2b】図2bは本発明の実施形態に従って、図2aのシーティング装置にユーザーが着座している解剖学的な背面図を示す。
【図2c】図2cは本発明の実施形態に従って、ユーザーが背骨を曲げて図1aのシーティング装置に着座している解剖学的な背面図を示すものであり、その際、シーティング装置はその軸上でねじれた状態になっている。
【図2d】図2dは本発明の実施形態に従って、ユーザーが背骨を曲げて図2cのシーティング装置に着座している解剖学的な側面図を示すものであり、その際、シーティング装置はその軸上でねじれた状態になっている。
【図2e】図2eは本発明の実施形態に従って、ユーザーが図1aのシーティング装置に着座している解剖学的な背面図を示すものであり、その際、シーティング装置は柔らかい座面上にある。
【図2f】図2fは本発明の実施形態に従って、ユーザーが図2fのシーティング装置に着座している解剖学的な背面図を示すものであり、その際、シーティング装置は柔らかい座面上にある。
【図2g】図2gは本発明の実施形態に従って、ユーザーが図1aのシーティング装置に着座している解剖学的な背面図を示すものであり、その際、シーティング装置は、フレームに収まった座席底面の間の柔軟な繊維メッシュ上にある。
【図2h】図2hは本発明の実施形態に従って、ユーザーが図2hのシーティング装置に着座している解剖学的な側面図を示すものであり、その際、シーティング装置は、フレームに収まった座席底面の間の柔軟な繊維メッシュ上にある。
【図3a】図3aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の上から見た平面図を示すものであり、複数の部位からなるシーティング装置の幅と長さ、シーティング装置の長軸に沿った凹形の溝を示している。
【図3b】図3bは本発明の実施形態に従って、図3aのシーティング装置の斜視図を示すものであり、シーティング装置の長軸に沿った凹形の溝を示している。
【図3c】図3cは図3aに類似しているが、より大きく拡大されて、シーティング装置が着座したユーザーの体重を受ける際、第2の形状になる時に生じる変化を点線で示している。
【図3d】図3dは図3cと非常によく似ているが、着座したユーザーが右に体をひねった際、体重が基部にかかり、さらに基部がねじれた時に生じる変化を点線で示している。
【図3e】図3eは図3cと非常によく似ているが、着座したユーザーが左に体をひねった際、体重が基部にかかり、さらに基部がねじれた時に生じる変化を点線で示している。
【図4a】図4aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の上から見た平面図を示すものであり、シーティング装置の基部の各部位のさまざまな厚さ領域を示している。
【図4b】図4bは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の上から見た平面図を示すものであり(オプションの背の部分付き)、シーティング装置の基部の各部位のさまざまな厚さ領域を示している。
【図4c】図4cは本発明の実施形態に従って、図4aのシーティング装置の斜視図を示すものであり、シーティング装置の基部の各部位のさまざまな厚さ領域を示している。
【図5】図5は本発明の実施形態に従って、図3bのシーティング装置の斜視図を示すものであり、シーティング装置の凹形の溝と背面部を示している。
【図6a】図6aは本発明の実施形態に従って、シーティング装置と複数の個々の部位を上から見た平面図を示す。
【図6b】図6bは本発明の実施形態に従って、図6aのシーティング装置の斜視図を示すものであり、複数の部位の接続メカニズムを示すために複数の部位を分解した状態で示している。
【図6c】図6cは本発明の実施形態に従って、シーティング装置の統合座席底面の構成を示すものであり、矢印は、体重負荷がかかっていない形状からたかかっている形状にシーティング装置が変移する際の、各部位の動きを示す。
【図6d】図6dは本発明の実施形態に従って、体重負荷がかかっていない形状からかかっている形状にシーティング装置が変移する際の、図6cのシーティング装置の斜視図を示す。
【図6e】図6eは本発明の実施形態に従って、図6cのシーティング装置の斜視図を示すものであり、体重負荷がかかっている形状にシーティング装置が変移した状態を示す。
【図6f】図6fは本発明の実施形態に従って、図6eのシーティング装置の斜視図を示すものであり、体重負荷がかかっている形状にシーティング装置が変移した状態を示す。
【図6g】図6gは本発明の実施形態に従って、図6cのシーティング装置に対して体重負荷がかかっていない形状の時の斜視図を示すものであり、側面部の重なりと中央部の重なりを示す。
【図6h】図6hは本発明の実施形態に従って、図6gのシーティング装置の側面斜視図を示す。
【図6i】図6iは本発明の実施形態に従って、図6gと6hのシーティング装置の側面斜視図を示す。
【図6j】図6jは本発明の実施形態に従って、シーティング装置のもう1つの統合座席底面構成の底部斜視図を示すものであり、シーティング装置は体重負荷がかかっていない形状にあり、円錐形は、シーティング装置の部位を操るために、シーティング装置の部位をサポート環境に接続できる箇所を示している。
【図6k】図6kは本発明の実施形態に従って、図6jのシーティング装置に体重負荷がかかっている形状の時の底部斜視図を示す。
【図6l】図6lは本発明の実施形態に従って、図6jのシーティング装置に体重負荷がかかっている形状の時の(背面部を除いた)底部斜視図を示す。
【図6m】図6mは本発明の実施形態に従って、図6jのシーティング装置に体重負荷がかかっていない形状の時の上から見た底部平面図を示す。
【図6n】図6nは本発明の実施形態に従って、図6jの右側面図のシーティング装置を示すものであり、シーティング装置に近づいて座ろうとしている時のユーザーの、機械ロボットによる解剖学的な骨格を表している。
【図6o】図6oは本発明の実施形態に従って、図6nのシーティング装置の右側面図を示すものであり、機械ロボットの解剖学的な骨格がシーティング装置に接触している。
【図6p】図6pは本発明の実施形態に従って、図6oのシーティング装置の右側面図を示すものであり、機械ロボットの解剖学的な骨格がシーティング装置に収まって、第2の形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になっている。
【図7a】図7aは本発明の実施形態に従って、図1aの装置の支持面上の右側面図を示すものであり、図1cの図を図1dの図に重ね合わせている。
【図7b】図7bは本発明の実施形態に従って、図7aのシーティング装置の背後から見た断面図E−Eを示すものであり、ユーザーがシーティング装置の正面部に太股遠位を押しつける前の坐骨結節骨盤を示している。
【図7c】図7cは本発明の実施形態に従って、図7aのシーティング装置の背後から見た断面図E−Eを示すものであり、結節と骨盤が完全に合わさって、体重負荷のかかっているシーティング装置の中央部位に筋組織で収まっている状態を示す。
【図8a】図8aは本発明の実施形態に基づいて、図1cに対応する、シーティング装置と機械ロボットの解剖学的な骨格の側面を示す。
【図8b】図8bは本発明の実施形態に従って、図1dに対応する、シーティング装置と機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示すものであり、シーティング装置は前傾した体重負荷位置にある。
【図8c】図8cは本発明の実施形態に従って、図8bのシーティング装置の側面図を示すものであり(機械ロボットの解剖学的な骨格はなし)、体重負荷位置にあるシーティング装置の傾斜/回転のために重心の均衡点が変わり、中央部が傾斜している状態を示す。
【図8d】図8dは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の正面斜視図を示すものであり、矢印は、体重負荷がかかっていない形状からかかっている形状にシーティング装置が変移する際の各部位の動きを示す。
【図9】図9は本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の背面図を示すものであり、ユーザーがシーティング装置に着座している時の骨格を示す。
【図10a】図10aは本発明の実施形態に従って、図8cのシーティング装置の側面図を示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を示す。
【図10b】図10bは本発明の実施形態に従って、図10aのシーティング装置の体重負荷位置の断面図G−Gを示すものであり、体重負荷のかかっていない位置を点線で重ねて示し、シーティング装置の体重負荷位置のカッピング効果を示している。
【図10c】図10cは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の体重負荷位置の背面図を解剖学的な図で示すものであり、矢印は、骨盤・坐骨結節の翼下部に内側への圧力をかける臀筋を包み込んでいる状態を示す。
【図10d】図10dは、本発明の実施形態に従って、図10cのシーティング装置が柔らかい支持面に載っている時の体重負荷位置の背面図を示すものであり、ユーザーが片側に傾いた時にシーティング装置が臀筋を包み込んだままの状態をいかに維持するかを示す。
【図10e】図10eは本発明の実施形態に従って、図10aのシーティング装置の非体重負荷位置の断面図G−Gを示す。
【図10f】図10fは本発明の実施形態に従って、図10aのシーティング装置の断面図G−Gを示すものであり、非体重負荷位置をその上に重ねて点線で示している。
【図11a】図11aは本発明の実施形態に従って、本発明のシーティング装置がない状態でシーティング面に着座しているユーザーを示すものであり、矢印は不適切な圧力の分散および翼に似た骨盤の座位における下部骨盤の外側への動きを示す。
【図11b】図11bは本発明の実施形態に従って、図10cの体重負荷のかかっているシーティング装置にユーザーが着座している状態を示すものであり、矢印は圧力の適切な分散、体重負荷のかかっているシーティング装置の背面部・側面部による収まりと支え、翼に似た骨盤の座位における下部骨盤の内側への動きを示す。
【図12a】図12aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の非体重負荷位置を点線で重ねた上面斜視図を示すものであり(シーティング装置の体重負荷位置は実線で示す)、シーティング装置の非体重負荷位置から体重負荷位置にかけての重心の均衡が前方に変位する様子を示す。
【図12b】図12bは本発明の実施形態に従って、図12aのシーティング装置の底部斜視図を示す。
【図12c】図12cは本発明の実施形態に従って、図12aのシーティング装置の断面図を示す。
【図12d】図12dと図12eは本発明の実施形態に従って、図1aに対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を実線で重ねている。点線のシーティング装置の体重負荷位置は、着座したユーザーが右に状態を回転したために縦軸と横軸でねじれている。
【図12e】図12dと図12eは本発明の実施形態に従って、図1aに対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を実線で重ねている。点線のシーティング装置の体重負荷位置は、着座したユーザーが右に状態を回転したために縦軸と横軸でねじれている。
【図12f】図12fと図12gは本発明の実施形態に従って、図1aに対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を実線で重ねている。点線のシーティング装置の体重負荷位置は、着座したユーザーが右に状態を回転したために縦軸と横軸でねじれている。
【図12g】図12fと図12gは本発明の実施形態に従って、図1aに対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、シーティング装置の体重負荷位置を実線で重ねている。点線のシーティング装置の体重負荷位置は、着座したユーザーが右に状態を回転したために縦軸と横軸でねじれている。
【図13a】図13aは本発明の実施形態に従って、シーティング装置に着座したユーザーの実際の圧力図を示すものであり、重心インジケーターが示されている。
【図13b】図13bは、従来の人間工学シートに着座したユーザーの実際の圧力図の底面図を示すものであり、重心インジケーターが示されている。
【図14a】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14b】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14c】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14d】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14e】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14f】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14g】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14h】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図14i】図14a〜図14iは本発明の実施形態に従って、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある図1aの装置のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【図15】図15は本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の実施形態を示すものであり、シーティング装置には基部とファブリックフォームの上張りがあり、基部とフォームの上張りの厚さが示されている。
【図16a】図16a〜図16cは本発明の実施形態に従って、さまざまな面からユーザーが図1aのシーティング装置に着座した様子(ユーザーの状態が片側にねじれている)を示すものであり、体が動き、ねじれている時に、シーティング装置がどのように坐骨を前弯位置にねじって調整するかを示す。
【図16b】図16a〜図16cは本発明の実施形態に従って、さまざまな面からユーザーが図1aのシーティング装置に着座した様子(ユーザーの状態が片側にねじれている)を示すものであり、体が動き、ねじれている時に、シーティング装置がどのように坐骨を前弯位置にねじって調整するかを示す。
【図16c】図16a〜図16cは本発明の実施形態に従って、さまざまな面からユーザーが図1aのシーティング装置に着座した様子(ユーザーの状態が片側にねじれている)を示すものであり、体が動き、ねじれている時に、シーティング装置がどのように坐骨を前弯位置にねじって調整するかを示す。
【図17a】図17aは本発明の実施形態に従って、図1aのシーティング装置の基部の側面図を示すものであり、窪んだ凹形の溝の詳細を示す。
【図17b】図17bは、図17aの基部の断面図を示すものであり、図1aの線A−Aに沿った切断面となっている。
【図18a】図18aは本発明の実施形態に従って、図3A〜図3Bのシーティング装置の基部の上から見た平面図を示す。
【図18b】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18c】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18d】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18e】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18f】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18g】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18h】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18i】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18j】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18k】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18l】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18m】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図18n】図18b〜図18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−Nの各断面図を示す。
【図19】図19は本発明の実施形態に従って、姿勢位置のプロセスに関するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の詳細な説明
本発明は、姿勢を矯正し、臀部の肥大を抑えるための方法と装置を提供する。本発明に従った装置の一実施形態は、着座中の姿勢を矯正するための矯正装置を具備する。本矯正装置は、ユーザーの太股を受けるために構成された前部とユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部を含めた基部を備え、ボウル部は中央部と上向きに傾斜した側面部を備え、側面部と前部は併せて中央部を取り囲んでいる。中央部にはさまざまな(つまり、異なる)柔軟性を持つ複数の領域があり、側面部にもさまざまな柔軟性を持つ複数の領域がある。ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった時に、上方および内部への圧縮力をかけるように構成されている。
【0013】
ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の第2位置(回転によって第1位置よりも前になる)の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。本発明に従った本矯正装置の実施例を以下に説明する。
【0014】
図1aは本発明に従って、着座したユーザーが利用するための矯正シーティング装置(シーティング整形器具)100の実装例を示すものであり、本シーティング装置は着座したユーザーの骨盤全体を前傾させると共に、着座したユーザーの骨盤下部と坐骨結節を効果的に包み込む。坐骨結節は図9のiで示されている。図9に示す骨盤領域の部位または構成要素は次の通りである。aは恥骨弓、bは仙骨、cは尾骨、dは腸骨稜、fは恥骨結合稜、gは後部骨盤帯、hは寛骨臼、iは坐骨結節、mは筋組織、pは骨盤、sは背骨、tは大腿部、wはさまざまな幅の軟組織。
【0015】
図1aに示す斜視図で、装置100は基部12を備える。装置100ではさらに、基部12上にフォームなどのパッド層13(図15)がある。パッド層13は、他図での基部12の描写を明確にするために図15のみに示されている。
【0016】
基部12は、ユーザーの太股を受けるために構成された1つ以上の前部101で構成される前部を備えている。基部はさらに、隣接する一対の中央部102と103を構成する中央部を備える。基部はさらに、上方に傾き部分的に隣接する一対の側面部104と105を構成する側面部を備え、中央部102と103の側面にあり、これらを部分的に取り囲んでいる。
【0017】
図4aは、基部12を上から見た平面図を示すものであり、基部12の部位101〜105のさまざまな厚さ領域を示す。中央部102と103にはそれぞれ、さまざまな柔軟性を持つ複数の領域があり、側面部104と105にはそれぞれ、さまざまな柔軟性を持つ複数量の領域がある(図4a)。側面部104、105、および前部101は共に中央部102と103を取り囲むことで、中央部と側面部は共にボウル部20を形成する(一般に図8a、図8b、図10bで描かれている)。ボウル部20は一般に、部位102、103、104、および105によって形成される。ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった時に、ユーザーの下部骨盤領域を受け、上方および内部への圧縮力をかけるために構成されている。
【0018】
図1bは、支持面40上の装置100の右側面図を示すものであり、装置100に近づいて座ろうとしているユーザーの解剖学的な図を示す。図1bでは、装置100は第1位置(つまり、非体重負荷位置)にある。図1cは、ユーザーが装置に接触して座る動作を続け、装置100に体重を移し続ける移行状態を示す。
【0019】
ボウル部はさらに、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の第1位置(図1b)、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の第2位置(図1d。回転によって第1位置よりも前になる)の間の支持面40で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に角度θで回転傾斜して前弯位置にする。図1dは本発明に従って、ユーザーが完全に装置100に着座した状態を示すものであり、ユーザーの下部骨盤領域の臀筋が装置100に収まって、第2の形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になっている。図1dでは、装置100は第2の位置(つまり、体重負荷位置)にある。
【0020】
図2aは、固い支持面40に置かれた装置100に着座したユーザーの側面図を示すものであり、装置100は体重負荷位置にある。図2bは、図2aの体重負荷のかかっている装置100に着座するユーザーの背面図を示す。さらに図2cは、ユーザーが装置100に着座する際に背骨sをひねったユーザーの動作の背面図を示し、基部12はユーザーのひねり動作により、その軸上でねじれた状態にあり、装置100は体重負荷位置となっている。図2dは、図2cの側面図を示す。図に示すように体重負荷位置にある装置100は、下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。
【0021】
図2eは、一般に柔らかい支持面40a(クッションなど)に置かれた装置100に着座したユーザーの背面図を示すものであり、装置100は体重負荷位置にある。図2fは、図2eの体重負荷のかかっている装置100に着座するユーザーの側面図を示す。図2gは、一般に柔らかい支持面40a(フレームに収まった座席底面の間の柔軟な繊維メッシュなど)に置かれた装置100に着座したユーザーの背面図を示すものであり、装置100は体重負荷位置にある。図2fは、図2eの体重負荷のかかっている装置100に着座するユーザーの側面図を示す。図に示すように体重負荷位置にある装置100は、下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする。
【0022】
図1aに示す装置100の斜視図では、基部12は複数の部位101、102、103、104、および105を備えており、ユーザーが装置100に着座している時に、非常に適切な体重負荷による第2形状が作られるように構成されている。詳細を以下に示す。
【0023】
装置100に着座しているユーザーへの反応として、部位101、102、103、および104(ここで記述されているように、これらは共にボウル部または中央部を形成)の作用によって、ユーザーの下部骨盤領域の臀筋が包み込まれ、支持される。ユーザーが装置100に着座すると、ユーザーがどのような動作をしても、基部12は動的な支えを継続的に適用して骨盤を安定させ、適切な前弯曲線を描くように骨盤を保持する。基部12のさまざまな柔軟性を持つ複数の領域により、基部12は形状を効果的に「リセット」して、基本的に安定した持続的な傾斜プロセスでユーザーを支えることで、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後で、ユーザーの下部骨盤領域を前方に傾斜させて前弯位置になるようにする。これにより、特に骨盤の安定と着座したユーザーの快適さを実現するために設計された従来のシーティング装置によるどのような利点よりも大きい、明確な矯正上の利点を提供する。
【0024】
部位101は一般に前部と呼ぶ。中央部102と103は一般に中央または中央部と呼ぶ。側面部104と105は一般に背面および/または側面部と呼ぶ。101〜105の各部位には、さまざまな柔軟性を持つ1つ以上の領域があり、これらが合わさることで基部12に対して、前記の第2の位置で非常に効果的な体重負荷(第2形状)状態をもたらす。さらに後述するように、本発明の一例では、基部12は形状記憶ナイロンまたはプラスチック素材でできている。ここに述べられている本実施形態において、基部12のさまざまな柔軟性を持つ領域は、さまざまな相対的な厚さを持つ基部素材の領域によって実現し、これらの領域は共に、使用中に非常に効果的な体重負荷(第2形状)を基部12にもたらす。より厚みのある領域はより薄い領域に比べて、曲げ力への柔軟性が少ない。
【0025】
図4aは、基部12を上から見た平面図を示すものであり、基部12の部位101〜105のさまざまな(異なる)厚さ領域を示す。図面4aを直接見下ろすと、領域の厚さの深さが異なっているのがわかる(領域には厚さを示すさまざまな断面図がある)。この例では、部位101には領域1A、1B、1C−1、1C−2、1D−1、1D−2が含まれる。部位102には2B、2C、2D、2E、2F領域が含まれる。部位103には領域3B、3C、3D、3E、3Fが含まれる。部位104には領域4C、4D−2、4E、4D−1、4Fが含まれる。部位105には領域5C、5D−2、5E、5D−1、5Fが含まれる。
【0026】
図4aは、部位101〜105の各種領域の厚さの例を異なる点刻ごとにグラデーションで示すものであり、図面下部にある対応する凡例の点刻は各種領域について、約1.5mm(厚さ指標“A”によって示される最も暗い部分、つまり点刻が最も密集している部分)から約3.5mm(厚さ指標“F”によって示される明るい薄い部分、つまり点刻の集まりが最も少ない部分)のおおよその厚さを例示している。たとえば、厚さAの領域は約1.5mmの厚さがあり、厚さBの領域は約1.75mmの厚さがあり、厚さCの領域は約2.0mmの厚さがあり、厚さDの領域は約2.5mmの厚さがある。厚さEの領域は約3.0mmの厚さがある。厚さFの領域は約3.5mmの厚さがある。その他の相対的な厚さ範囲も使用される場合がある。図4cは図4aの基部12の斜視図を示すものであり、基部12の部位のさまざまな厚さ領域を示している。
【0027】
図4aでは、前記の厚さ指標A〜Fが基部12の領域の名称の一部として使用されている。領域4Fと5Fは最も厚い領域(3.5mm厚など)で、1Aは最も薄い領域である。図4aの中央軸(つまり、縦軸)A−A左側の領域について、以下に一連の領域のリストを示す(最も厚い領域から最も薄い領域へと、厚さは順に減っていく)。{4F,2F}、{4E,2E}、{2D,4D−1,4D−2,1D−1}、{2C,4C,1C−1}、{1B,2B}、および{1A}。中央線A−Aの右側領域は、対応する中央線A−Aの左側領域と同じ厚さである。特に、線A−Aの右側の一連の領域を以下にリストする(最も厚い領域から最も薄い領域へと、厚さは順に減っていく)。{5F、3F}、{5E、3E}、{3D、5D−1、5D−2、1D−2}、{3C、5C、1C−2}、{1B、3B}、および{1A}。
【0028】
部位101の領域1Aと1Bは、基部12の中で比較的薄く、より柔軟な領域である。領域2F、3F、4F、5Fは基部12の中で比較的厚く、柔軟性により乏しい領域である。一基部12の一般的な“M”形ゾーンは領域2F、3F、4F、5F、4E、3E、4D−2、5D−2、1D−1、1D−2を備える。一般的な“M”形ゾーンと一致するのは一般的な“U”形ゾーンで、基部12の領域4D−1、5D−1、4C、5C、2D、3D、2C、3C、1B、1Aを備え、“U”形ゾーンの最下部(領域1A)は最も薄く最も柔軟性に富む。
【0029】
図3aは、基部12の上から見た平面図を示すものであり、基部12の幅Wと長さLを示している。図3bは、図3aの基部12の前部上面斜視図を示す。図に示すように、基部12には凹形の溝(つまり、凹形の窪んだ部分)110があり、軸A−Aに沿って部分的に伸びており、基部12の下部から突き出ている。領域2F、3F、4F、および5Fの部位は前記の凹形の窪んだ溝110を形成する。図4aに示すように、部位104、105の背面と側面の領域4F、5Fは、基部12の中で最も厚く柔軟性に乏しい領域である。同様に、部位104、105の領域2F、3Fも基部12の中で最も厚く柔軟性に乏しい領域である。したがって、凹形の溝110は基部12の中で最も厚くて柔軟性に乏しい領域で形成されている。凹形の溝は、凹形の尾骨の杯状領域110a(図3a)も形成して、さまざまな尾骨角度をとれるようにし、装置100の領域110の面が仙骨関節の下部と尾骨に接触しないようにしている。図17aは、基部12の側面図を示し、図17bは図17aの基部の断面図を示すもので、図1aの線A−Aに沿った切断面となっており、凹形の溝110を示す。
【0030】
装置110の平均的な寸法の例は、幅約12.625インチ(つまり、32.35cm)幅、長さ約14.625インチ(つまり、37.6cm)である(図3a)。対照的に、従来の座席底面(たとえば、柔軟な織りメッシュ、フォーム、プラスチック、木など)の平均サイズは約21.6インチ幅、約17.9インチ長(座席底面の幅20.25、長さ21.25の例もある)である。このような従来の座席底面の寸法は静的なサブシート底面に適用される。従来の座席底面とは異なり、装置100は着座したユーザーの臀部の形に単に順応するのではなく、部位104と105は非直観的に内側および上方に動いて臀部を収容する。支持面は従来の静的な座席底面である場合があり、その上に装置100が置かれる場合がある。従来のシートは、多数の素材、織られた柔軟な繊維(金属の骨組みの間に取り付けられる)、さまざまな密度の曲線状のフォームパッド、プラスチック、木、金属などの固い素材で作ることができる。
【0031】
凹形の溝110は、部位104と105(領域4Fと5F)の背面部16のところで、下向きに伸びた凹部分を備え、縦軸の中央線/軸A−Aに対称的に沿って、部位102と103(領域2Fと3F)まで続く。凹形の溝110は部位101の直前で終わる。凹形の溝110は、中央ボウル部20に着座したユーザーの尾骨のおおよその場所に配置されており、領域110aは、着座したユーザーの尾骨領域にかかる可能性のある大きい圧力を排除する役割を果たす。
【0032】
図5は、図3bの基部12の斜視図を示すものであり、凹形の溝110を示し、さらに基部12の背面部(部分)16を示している。背面部16には、部位104と105の領域4Fと5Fの部分が含まれる。
【0033】
図3aと図3bに示すように、凹形の溝110の深さは、部位104と105の上端から部位102、103を通って部位101に伸びるにつれて徐々に浅くなる。図18b〜18nは、図18aに示すB−B、C−C、D−D、E−E、F−F、O−O、H−H、I−I、K−K、L−L、M−M、N−Nの切断面に沿った各断面図を示す。図18b〜18nは、基部12の全般的な断面図の厚さを示し、さらに前記の凹形の溝110の深さと厚さが徐々に変化する状態を示している。凹形の溝110は、基部12の底部から突き出している(図18b)。
【0034】
基部12のボウル部には底面があり、少なくとも一部は弓型をしていて、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の前記の第1位置(非体重負荷位置)と、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の、回転によって第1位置よりも前になる第2位置(体重負荷位置)との間で支持面で回転するように構成されている。ボウル部には底面があり、少なくとも一部は、凹形の窪んだ溝110の底部に沿って弓型になっており、第1位置と第2位置との間で支持面で回転するように構成されている。
【0035】
凹形の窪んだ溝110は基本的に、下方に伸びたホイール状の構造物として機能し、基部12の底部から突き出ており(図18b)、ユーザーの体の下にある装置100の非体重負荷位置から体重負荷位置までの基部の前方への回転を促進する。例では、凹形の溝110は最も幅広の部分55mmで約10mmの深さがあり、幅は40mmへと小さくなる。装置100は溝110により、座席底面を含めたあらゆる種類のシーティング面で回転する(図2a〜図2h)。溝110は一般に、中央部102、103の円形の骨盤着座ゾーン3と交わり(図1a)、領域2F、3F、2E、3Eの部分を備えます(図4a)2Eと3Eに沿った比較的厚い領域2Fと3Fは、ユーザーの骨盤底を凹形の溝110で支える前記の着座ゾーン3となる。
【0036】
部位104と105は図1aで示すように、上向きに傾斜している。部位104の領域4Fは、上端と共にボウル部の弓型の背面部と側面領域を形成する。部位105の領域5Fは、上端と共にボウル部のもう1つの弓型の背面部と側面領域を形成する。領域4F、5Fは4E、5E、4D−2、5D−2、1D−1、および1D−2と共に、ボウル部の他の領域よりも柔軟性の低い伸長領域(伸長部)を形成する。伸長領域は部位102と103の周囲と両側から前部101につながり(図4a)、ユーザーの太股から部位101への下向きにかかる力により、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった後、背面と側面の領域(4F、5F、4E、3Eを含む)の上端が上方向と内向きに動く。一般に伸長領域より柔軟性の高い(そして、一般に凹形の溝110の領域よりも柔軟性の高い)基部12の他の領域により、前記伸長領域は、前記部位101の下方向にかかる力に反応して、上方向と内側に動くことが可能になる。ほぼそれと同時に、基部12の底部から突き出ている凹形の溝110は、ユーザーの体の下にある装置100の非体重負荷位置から体重負荷位置までの基部の前方への回転を促進する。
【0037】
図3aと図3bに示すように、基部12の前部は、一般に唇のような形をした前部101を備える。部位104と105は上方に傾斜し、部位102と103は一般に上方に傾斜し、部位104と105に近接している。上方にカーブした側面104と105は、線A−Aから始まり、前記の凹形の溝110を形成する(図3a、3b)。部位104、105は部位101に達するまで、部位102と103の周りを取り囲む。上方にカーブした側面部104と105は、中央部102と103よりやや高く上方に伸びており、側面部104と105は基本的に、前部101と背面部/側面部104と105の間で基部12の中央部全体にわたって伸びている縦の中央線軸A−Aから等距離にある。
【0038】
図4aに示すように、104と105の両側面部はバンドタイプで、それぞれに5つの領域がある。部位104と105は共に、領域1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、5D、1D−1、1C−1の上端部を取り囲んでいる。さらに、部位104と105は共に、領域2B、2C、2D、3D、3C、3Bで部位102と103に隣接する領域4D−1、4C、5D−1、5Cの上端部を取り囲んでいる。基本的に、部位104の5つすべての領域、および部位105の5つすべての領域は、ユーザーの下部骨盤領域が中央のボウル部20に収まった時に張力を受ける。
【0039】
図4aの領域2Eと3Eによって示される骨盤底の着座ゾーン3(図3a)は、平均的な骨盤出口(その中央に配される坐骨結節の基部)に比例したサイズの領域となる。部位102と103(領域2B、2C、2D、2E、2F、3F、3F、3E、3D、3C、3Bを含む)は、中央ボウル部20の部分を形成する(図10b)。
【0040】
中央部102と103は、下部骨盤領域および下部骨盤と尾骨に接する筋肉を囲むボウル部を形成する。図9に一般に示すように、臀部の軟組織は通常、基部12の部位102、103から側面部104と105、前部101に流れるため、基部12全体で着座したユーザーの体重を支えることを理解する必要がある。
【0041】
それぞれ側面部102と103に沿って伸びている部位104と105は、部位101および部位104と105の上部/背面部(図5、図8d)の間で伸びている伸長ゾーンを形成する。
【0042】
側面部104と105の領域(つまり、バンド領域1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、5D、1D−2、1C−2)は、ユーザーが中央部102、103に着座した時に、背面部16を前方(つまり、図8dの矢印104aと105に沿って)に引く役割をする。さらに、ユーザーの太股遠位の底部は前部101にかかる。背面部16の前方への動きは、部位104と105が内側(つまり、図8dの矢印104bと105bに沿って)に動くのを助け、臀部の筋肉と梨状筋が極めて望ましい状態で圧縮される結果となる。それにより、部位104と105はユーザーの坐骨結節を包み込み、図9に示すように筋組織をドーム状に包む形状となる。臀部の筋肉は、望ましい緩んだ状態が維持される。
【0043】
図10aは、体重負荷位置にある基部12の側面図と切断面G−Gを示すものであり、図10bに示すように切断面G−Gの断面図が取られている。図10bは、基部12の非体重負荷位置の形状を点線で示し、ユーザーの骨盤領域がボウル部20に収まった時の基部12の体重負荷位置の形状を実線で示し、基部12の体重負荷位置のカッピング効果を示している。
【0044】
図10e、10fは、2種類のモードまたは状況下の基部12の断面図を表すものであり、これらの図は前述の切断面G−Gの位置で取られたものである。図10eは、着座したユーザーの体重負荷がかかっていない時の基部12の構成(第1の形状)を示す。この場合、装置の特性深度はY1によって示され、特性幅はX1によって示される。図10fは、着座したユーザーの体重負荷がかかっている時の基部12の構成(第2の形状)を示す。図10fは部位102と部位103の中央部を示し、装置100の部位104と部位105の側面/背面部は、ユーザーの体重負荷がかかっている時にはより深く湾曲した構成となり、装置の新しい深さはY2によって示されるように、装置のY1の深さを超える。これにより、ユーザーの体重負荷がかかっている時の基部12の中央部20の体積は増加する。
【0045】
例では、10eの深さ寸法Y1は約1.5インチとなり、深さ寸法Y2は最大約3.0インチとなる。別の例として、幅寸法X1は約12.75インチ、幅寸法X2は最小10.50インチの狭さとなる。
【0046】
図10bは図10eと10fを重ねた図であり、それぞれが部位102と103の上部に沿って伸び、唇のような形の部位101と基部12の背面部16の間で一種の張力メカニズムとなっている、上部に湾曲した側面部104、105の内側のカッピング効果を強調するものである。側面部104と105のリーフスプリング状のバンド領域(つまり、1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、5D、1D−2、1C−2)のさまざまな厚さは、ユーザーが部位102、103に着座し、着座したユーザーの体重によって張力がかかっている時に、背面部16を前方に引く役割を果たす。基部の体重負荷位置(図10f)は、側面部104、105が着座したユーザーの体重下で内側に、そしてやや上方向に押し上げていることを明確に示している。それに対し、図10eの非体重負荷位置は、図10fで着座ユーザーの体重下にある時よりも側面部104、105の位置が実際に低くなっていることを示す。したがって、側面部104、105は、体重の下方向への圧力によって下方向に曲がっているのではない。
【0047】
図8aは、装置100およびユーザーの生体構造を機械ロボットの解剖学的骨格で表した詳細な側面図を示す。図8a(およびその他の図)の機械ロボットの解剖学的骨格図は、他の図で示す人間の生体構造と同じであり、装置100とその働きを示す図を簡素で明確にするために使用されている。比較のため、図1e〜図1hは、機械ロボットの解剖学的骨格図とユーザーの生体構造の一般的な関係を示す。特に、図1eは、後弯腰椎と後弯骨盤のユーザーの解剖学的な側面図を示す。図1fは、図1eの解剖学的な後弯腰椎と後弯骨盤に相当する、同等の機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示す。おおよその角度δ=20°は、骨盤後部の傾きを示す。図1gは、前弯腰椎と前弯骨盤のユーザーの解剖学的な側面図を示す。図1hは、図1gの解剖学的な前弯腰椎と前弯骨盤に相当する、機械ロボットの解剖学的な骨格の側面図を示す。おおよその角度β=20°は、骨盤前部の傾きを示す。
【0048】
図8aの図は図1cの図に相当し、ユーザーが装置100に接触して座る動作を続け、装置100に体重を移し続ける移行状態をより詳細に示す。例のボウルの深さD1は約1.5インチである。図8bの図は図1dの図に相当し、装置100が回転し前方へと傾斜して、体重負荷位置(第2位置)になった状態をより詳細に示す。おおよその角度β=12°は、骨盤前部の前方への傾きを示す。例のボウルの深さD2は最大3インチである。
【0049】
図8bでは、ユーザーの太股遠位の圧力によって部位101が下方向に曲がり、部位101は骨盤の坐骨結節がかかる低位置で停止状態を作る。したがって、装置100は内側への傾きを維持する骨盤の前方への前弯を安定させる。装置100は、体重負荷がかかっていない時の重心の均衡点bp1(図8a)から体重負荷のかかっている時の重心の均衡点bp2(図8b)へと支持面40で前方に回転する。図12cの図は、bp1上の装置100の位置とbp2上の装置100の体重負荷位置をより明確に示す。bp1上の装置100の位置は、図1bと図1cの図に対応し、装置100にはユーザーの全体重が完全にかかっていない。ここに記載する説明では、非体重負荷という語は、図1b、図1c、図8aに示すように、装置100が点bp1上の第1位置にある状態を表し、体重負荷という語は、図1sと図8bに示すように、ボウル部のユーザーの全体重を受け、点bp2上で第2位置に前傾している装置100の状態を表す。部位101と部位104、105の背面部は、Zの間隔だけ前に移動する。例として、距離Zは0.50インチから3.50インチの範囲で、通常は2.5インチになりうる。平衡点bp1の場所およびこの傾斜によって生じた平衡点bp2の場所の間の変化は、距離Δによって表され、たとえば、平均して約2.0〜2.3インチ、最大2.50インチとなる可能性がある。
【0050】
図8bで、装置100は、ユーザーの体重負荷がかかった結果、支持面40(通常は水平になっている表面)に対して角度θ傾いている。通常、角度θは約17°である。面40での装置の前方への角度θの傾き/回転により、内側への傾きを維持する、基本的に最適な骨盤の安定が作りだされる。
【0051】
部位104、105の動作、および前部101の下向きの湾曲により、部位104、105の背面部16は距離Zの分、前に動く。平衡点bp1の場所およびこの傾斜によって生じた平衡点bp2の場所の間の変化は、距離Δによって表される。
【0052】
図12aは、装置100の基部の非体重負荷位置(点線)と基部12の体重負荷位置(実線)を重ねた上面斜視図である。図8bと図12cと同様に、図12aの図は、基部12において、非体重負荷位置の重心の均衡bp1から体重負荷位置の重心の均衡bp2にかけてZが前方に変位する様子を示す。図12bは、図12aの図の底部斜視図を示す。
【0053】
図7aは、点bp1上の装置100の非体重負荷位置と点bp2への体重負荷位置(前方に回転)を重ねた側面図を示す。図7bは、背後から見た時の図7aの装置100の、bp1までの切断面(図12a)での断面図を示すものであり、ユーザーの太股遠位が装置100の前部を押し下ろす前の坐骨結節骨盤を示している。図7cは、背後から見た時の図7cの装置100の、bp2までの切断面(図12a)での断面図を示すものであり、ユーザーの太股遠位が装置100の前部を押し下ろす前の坐骨結節骨盤を示している。
【0054】
図12cは、装置100の中央線A−A(図1a)に平行な位置で取られた装置100の断面図を示すものであり、この図により、部位104、105の背面部16に対する前部101の関係を示す。図12cは、図12aの図の断面図を示すものであり、装置100の2つの位置または状態を示す。図12cの上部の図(図8aに対応)は、ユーザーの体重が装置100にかかっていない場合の装置100の第1位置を示し、そのボウル部20がほぼ水平の状態で母表面40の上にあることを示す。図12c(図8bに対応)の下の図は、装置100の第2位置を示すものであり、この位置は角度θによって示されるように、下向きに大きく回転/傾斜している。この下向きの回転は、ボウル部20の部位102、103へのユーザーの骨盤下部の体重、およびユーザーの脚によって部分的に引き起こされたものであり、遠位フライのハムストリング筋、つまり、ユーザーの脚の太股裏側が、唇に似た部位101に置かれて、下方向に大きく湾曲した。
【0055】
図12cは、装置100が元の非体重負荷状態から第2位置(第2の形状)に移行する時の劇的な差を示す。この重なりは、場所bp1から場所への中央均衡点の変化を示す。また、距離Z分、前に移動した背面部16、前方に移動したボウル部20、下に曲がって、母表面40に接触した前部101も示されている。
【0056】
図10aの切断面G−Gの辺りで取られた図9は、骨盤領域と装置100のサイズの比例関係を示すために、典型的な骨盤領域の解剖学的詳細をさらに示すものである。装置100の後部から見たこの図には、固い支持面40に載った装置100が含まれている。中央のボウル部20、部位102と103に対する坐骨結節の位置iが示されている。また、寛骨臼のほぼ直接下にある側面部104、105の位置も示す。
【0057】
たとえば、図9、図2a〜図2h、図10c、図10d、図11bは、骨盤領域下部へのカッピング効果を示すものであり、このカッピング効果は、装置100の末端からはみ出る軟組織には及んでいない。さまざまなサイズの臀部の外形を表す軟組織は、図9でW1、W2、W3で示されている。
【0058】
図2a、図2b、および図9は、典型的な骨盤領域と背骨と共に、遠位大腿骨の解剖学的な図を示すものであり、平均的な骨盤と装置100の比例的な大きさを明確に示す。図2a、図9、および図7aの解剖学的な図(実線)は、装置100が第2の形状に移った時の骨盤による前方への傾きを示す。また、坐骨結節がボウル部12の中央にある時の上体体重の効果も示す。この体重によって第2の形状が、前部の唇のような形の部位101より下に曲がってゆがむことはなく、側面部104、105は張力を受けて、上向きに傾いた背面部16が前方に引かれる。
【0059】
また、図8b、図10b、および図10fには、装置100のボウル部20の深さが増している状態が示されており(部位102、103および部位104、105)、これにより、骨盤底部出口を直接取り巻く臀筋が包み込まれる。したがって、坐骨結節を包み込む臀筋と梨状筋の持続的な圧縮は、装置100によって有利にもたらされるものである。
【0060】
図3cは、体重が基部12にかけられて、前部の唇のような形の部位101が下向きに傾く際に起こる変化を点線で示している。ゾーン3の変化は、点線の円によって具体的に示されている。側面に沿って伸びている長い点線は、着座したユーザーの体重が装置100の中央部にかかった結果、部位104と部位105の末端/側端が内側に、そして幾分上方に移動したことを示す。側面部104、105は、ユーザーの体重が装置100にかかっている間、外側ではなく内側に移動したが、これは、ユーザーの太股面の下で部位101が下向きに押されて、側面部104、105に張力がかかったためである。側面部104、105のこの張力により、側面部104、105が内側に動く。部位102〜105のさまざまな厚さは、リーフスプリングの1種として機能し、部位104、104の内側および上方へのカッピング作用を高める。
【0061】
なるべく、基部の前部の唇のような形の部位101は、中央ボウル部20の前部で特定の曲がり点を持つようになっている。ある実装では、少なくとも1つの柔軟な孤または溝15をその表面に提供する(図12c)。溝15は、前部101全体に亘って伸び、実質的に縦の中央線A−Aに対して垂直に交わる。溝15は前部101の柔軟性を高めるだけでなく、装置100を曲げて、ユーザーの太股遠位の底面が前部の唇のような形の部位101に接触した時に、望ましい第2形状ができるようにする。前述したように、前部101の下方への曲げは、背面部16が前方へと引っ張られるように部位104と105を通じて作用する。それぞれ側面部102と103に沿って伸びている部位104と105は、前部101と装置100の背面部16の間で伸びている一種の引張部を形成する。側面部104と105とそのリーフスプリング状のバンド領域(つまり、1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、5D、1D−2、1C−2)は、ユーザーが中央ボウル部102、103に着座し、ユーザーの太股遠位の底面が前部101にかかっている時に、背面部16を前方に引く役割を果たす。背面部16のこのような前方への動作により、側面部104と105が内側に動くため、臀部の筋肉と梨状筋が極めて望ましい状態で圧縮されて、坐骨結節を包み込んで筋組織をドーム状に包む形状となる。
【0062】
柔軟な孤/溝15は、装置100上で部位101と部位102、103がつきあたる点近くに位置している。溝15によって、柔軟性が高まるだけでなく、装置100が溝15の近くで曲がる。溝15により、装置100に着座したユーザーの圧力がかかる度に、装置100の第2形状が同じ状態で形成される。円弧15は、部位101の他の箇所にも作ることができる(図3c)。
【0063】
装置100は、自動車のシートなどさまざまな環境で、カウチやイージーチェアなどの家具のアイテムで、比較的底の固い椅子の上で、あるいはスタジアムなどで見られる固いシートの上で利用できます(図2a〜図2hなど)。これらのいずれの場合でも、基部12のボウル部20はある程度、上記の一般的な方法で水平に対して下向きに回転/傾斜する。
【0064】
図2a〜図2d、図8a、図8bなどの図では、基部12が固い表面に置かれた状態で特定の図解が利用されているが、装置100が弾力性のある表面または柔らかい表面に置かれている場合に装置100の第2形状が得られることも理解する必要がある。柔らかい表面上のこの第2形状は、人間工学チェアのフォームとファブリックに下がり、固い表面上にあるかのように、同じ第2形状になる。はみ出している軟組織と基部の前傾角度は視覚的によりわかりやすいため、特定の絵は固い表面上に載っている状態が示されている。ただし最も重要なのは、装置100が実現する同じように極めて有利な傾きと包み込む作用は基本的に、支持面の固さまたは柔らかさに関係なく発生する点に留意することである。
【0065】
基部12のさまざまな厚さの領域(図4a)は、特定の厚さフローを持つ領域のように、リーフスプリングバンドとして機能し、さらなる軟組織が、追加のパッドを必要とすることなく装置100の端に移ることができる特に、5つの部位101〜105およびそのさまざまな厚さ領域は、スプリングリーフ構造として機能し、それぞれの厚さが変化した状態になることから、まさにスプリングリーフアセンブリのように、装置100が作られている素材の厚さの個々の層と似ている。中央ボウル部20のユーザーの体重が装置100にかかると、下方向の圧力によって、装置100のリーフスプリングのようなアセンブリが下に押される。部位101〜105とそのさまざまな厚さ領域は、素材である形状記憶プラスチックのみが頼りの一定した厚さの装置に比べて、新しい種類の装置100の機能を提供する。
【0066】
部位102、103(領域2Eと3E)の凹形の溝110の「ウィング」はボウルのような骨盤ゾーン3で、凹形の溝110の外側に出た坐骨結節骨盤底を支える。それぞれ側面部102と103に沿って伸びている部位104と105のようなS字状の帯は、前部の唇のような形の部位101と基部12の背面部16の間で伸びている一種の引張部を形成する。側面部104と105とそのリーフスプリング状の帯領域(1C−1、1D−1、4D−2、4E、4F、5F、5E、領域1D−2、1C−2)は、ユーザーが中央部位102、103に着座し、ユーザーの太股遠位の底面が前部101にかかっている時に、背面部16を前方に引く役割を果たす。背面部16のこのような前方への動作により、側面部104と105が内側に動くため、臀部の筋肉と梨状筋が極めて望ましい状態で圧縮されて、坐骨結節を包み込んで筋組織をドーム状に包む形状となる。
【0067】
基部12の比較的薄い領域は、ある面のより厚い領域と縦軸A−Aと交わる横軸E−E でのねじれと共に、その縦軸A−Aでの回転、カッピング、支え、およびねじれを協調的に助ける(図3d、図3e)。横軸E−Eは、前部101がボウル部の部位102〜105と交わる領域の近くにある。部位101のより薄い領域は横軸E−Eの近くにあり、その領域のねじれを可能にする。軸A−Aと軸E−Eは共に、ここで示される基部12(および装置100)の軸とされる。凹形の溝110のより薄い領域と中央の坐骨着座ゾーン3は、凹形の溝110と中央の骨盤着座ゾーン3が、ユーザーの下部骨盤領域の圧力でゆがむのを防ぎ、前記の基部12の軸上で回転、カッピング、支え、およびねじれは妨げられない。
【0068】
中央の骨盤着座ゾーンを囲む領域および部位102と103の凹形の溝110は比較的薄く、外縁に向かって動く。基部はやはり、部位104、105よりも薄く、装置100による改善された前方への回転と上方への包み込みを行う伸長部/領域となる。
【0069】
図10cは、装置100の体重負荷位置の背面図を解剖学的な図で示すものであり、矢印は、骨盤・坐骨結節の翼下部に内側への圧力をかける臀筋をボウル部20によって包み込んでいる状態を示す。図10dは、装置100が柔らかい支持面40a上で体重負荷位置にある背面図を示すものであり、装置100のボウル部20は、ユーザーが片側に傾いても、臀筋を包み込んで支え続けている。
【0070】
図11aは、本発明のシーティング器具なしで座面に着座したユーザーを示すものであり、矢印は圧力の不適切な分散を示している。図11bは、ユーザーが着座し、体重負荷位置にある装置100の背面図を示すものであり、矢印は、装置100の部位102〜105のカッピングと支えで圧力が適切に分散されていることを示す。
【0071】
さらに、装置100は、ユーザーの体重がボウル部20にかかってねじれている時に軸上でねじれる。装置100の前方への回転で、ユーザーの骨盤が前弯になり、ユーザーが装置100に着座している間、ユーザーの上体または下半身がどのようにねじれたり動いたりしてもカッピングと支え効果は変わらない(下記でさらに説明)。
【0072】
装置100の部位101〜105とそのさまざまな厚さ領域により、幅広い層の人々にユーザーが着座した時の収まりと支えがもたらされる。装置100およびボウル部20に着座したユーザーにより、軸上で傾斜、包み込み、支え、およびゆがみが生じることで、ユーザーの骨盤を安定させるための動的な支持が継続的に行われ、着座した人のさまざまな動きを介して骨盤を適切な前弯曲線に維持し、ユーザーを一定した持続的なシステムに保持する。これはさらに、図19のフローチャートに関連して説明される。図19では本発明の実施形態に従って、人間の姿勢矯正および臀部肥大を抑制するためのプロセス300を示している。本実施形態のプロセスでは、前記の装置100を利用する。
【0073】
一般に、装置100は、立ち座りができ、典型的な臀部の臀筋がある人間のユーザー(男性、女性など)に役立つものである。装置100は支持面(座面など)に配置され、支持面はその上に載せる装置100を支えることができるものであれば、所望のものを選ぶことができる(オフィスチェア、車の座席、固定されたベンチ、リクライニングイージーシート、リクライニングオフィスチェア、リクライニング航空機座席など)。
【0074】
ステップ301:さまざまな厚さの部位を持つシーティング装置100を姿勢矯正および臀部肥大抑制のために支持面に配置する。ある実装では、家庭、車、オフィスからさまざまな状況で使用するために、装置100を携帯してシートからシートへと運ぶことができる。ポータブル装置は、少なくとも前記の5つの部位101〜105を備える。別の実施形態では、オプションの部位106の取り付けで背もたれになるが、組み込みではない。図4bは、基部12(図4aと類似)およびオプションの背面部106(厚さ領域6Dを含む)の上から見た平面図を示す。
【0075】
ステップ302:ユーザーは立ち位置から装置100に座り、その際、立ち位置から装置100に座ることで着座位置に姿勢が変化する。
【0076】
ステップ303:ユーザーの太股遠位が最初に、装置100の前部の唇のような形の部位101に接触し、装置100の前部101を押し下げる。太股遠位は部位101をその下の支持面に対して押しつける。片方または両方の太股が部位101を押し下げることができ、その状態で、装置100は太股遠位によって押され続けたままになる。部位102、103、104、および105はユーザーの臀部で覆われ、装置100は、最終的に骨盤の坐骨が部位102と103の中央に来るまで、はみ出す臀筋と軟組織で満たされる(図8b、9)。
【0077】
ステップ304:装置100は前傾し(図8b)、リフト傾斜効果をもたらす。リフト傾斜は、背面部の骨盤仙骨領域を安定させることで直立姿勢を達成する。従来では、骨盤の仙骨と腸骨稜を押すランバーサポートを使った、椅子の背もたれの作用により直立姿勢を達成する。さらに、ユーザーが直立姿勢になるには、背もたれまたはランバーサポートに対して姿勢を正す必要がある。ただし、このような従来の背もたれとランバーサポートは、本発明によるリフト傾斜効果が生まれない。
【0078】
本発明の実施形態によると、装置100は前方に回転して、典型的な傾斜角度θを最大約17°(図8b)にした場合に、リフト傾斜効果を生み出す。この傾斜により、骨盤全体が同時に上方および前方に持ち上げられる。骨盤は装置100の中央ボウル部20に包まれているため、傾斜は、骨盤が坐骨と仙骨より前に回転しているために生じる以上の角度である。装置100のリフト傾斜によって、ボウル部20の前端の傾斜111(図8c)で止まり、重心の均衡点bp2(図8b)の中央の上で停止するまで、坐骨結節は前方にスライドする。ボウル部20の傾斜111により、骨盤領域の坐骨結節の前方への動きが妨げられ、ユーザーの下部骨盤領域は前方に旋回して、支持面上の重心の均衡点において、ボウル部20の第2位置で前弯位置となり、その結果、下部骨盤領域がボウル部にある時に、ユーザーの動きに反応して、前記の重心の均衡点の上に坐骨結節が維持される。
【0079】
図8cは、図8bの基部12の側面図を示すものであり(機械ロボットの解剖学的な骨格はなし)、体重負荷位置にある基部12の傾斜/回転のために重心の均衡点が変わり、中央部が傾斜している状態を示す。図8cも、前部101が下に曲がっている様子を示す。装置100によるリフト傾斜は、背もたれまたはランバーサポートへのもたれは必要ない。装置100によるリフト傾斜は、ユーザーがその上に座った時に生じ、体がどのように動いたりねじれたりしても、あるいは両足が床に不均衡についていても、本装置は個人に対し、アクティブに適応し続ける。ユーザーの脚が組まれていても、装置100はリフト傾斜は実現する。上体をどの方向に傾けても、装置100はリフト傾斜を達成する。装置100は、ユーザーと装置100が関わる持続的なプロセスにおいてリフト傾斜を実現し、ユーザーが典型的な椅子で特別な座り方をしなくても効果が生じる。
【0080】
ステップ305:ユーザーが中央ボウル部20への着座プロセスを続けると、装置100は着座したユーザーの下部骨盤領域で満たされる(図9)。これには、下部骨盤の坐骨結節とそれにつながっている臀筋と梨状筋、皮膚、および臀部領域の衣類が含まれる。装置がさらに筋肉で満たされると、軟組織が座面端部からはみ出る。
【0081】
ステップ306:側面/背面部104と105は内側および上方に動いて、着座したユーザーの下部骨盤領域を包み込んで、ユーザーの筋肉と軟組織を望ましい位置と形で支え、臀筋は、通常、従来の座面上で使われるフォーム、柔軟なメッシュ、フェザー、またはその他のクッションタイプのパッドの代わりとなる。装置100は臀筋を緩ませ、臀筋と軟組織が部位104と105によって周囲から包み込まれた時に、装置100にアクティブに関与する。筋組織にかかる圧力が均等に分散されることで、装置100によって操作される筋組織への圧力は減少する。
【0082】
部位104と105のカッピング効果、および装置100が前方へ回転(図8b)した時に凹形の溝101の作用によって骨盤が傾いて直立状態に傾斜することで、臀筋は緩んだ形になる。緩んだ臀筋は、座った時に背中をまっすぐに支える他の筋肉と靭帯で必要な締め付け力を劇的に減らす。
【0083】
部位104、105のカッピングにより、坐骨結節の下および周囲で臀筋と軟組織が形成、維持される。坐骨結節が普通に、座面に押し下げられると、体重負荷のかかった装置100により、坐骨結節はボウル部20上で緩んだ臀筋によって支えられる。
【0084】
ステップ307:ユーザーが装置100に座って、ユーザーの重心が立ち位置から着座位置に変化すると(つまり、ユーザーの足と全身から骨盤と太股遠位に)、ユーザーの体重が重心と共に、装置100の下の支持面に対して移動する。
【0085】
ステップ308:ユーザーの体重下にある装置100は骨盤領域を支える。体重が装置100を押し下げると、骨盤基部周囲に対する前記の部位104、105のカッピングは安定し、下部骨盤の広がりを抑え、骨盤の6つの骨が1つのまとまりとして柔軟に動けるよう広がるのを防ぐ。したがって、腰仙骨の関節への圧力が制限されるため、仙骨の関節の磨滅が最小限に抑えられる。保護するように支えられた位置(図8b)で支えながら、ユーザーが着座し、動いたりねじったりしている時に、骨盤はユーザーの動きと1つにまとまって動くことができる。
【0086】
ステップ309:骨盤は、支え前部で旋回する。ボウル部が第2位置になり、全体重と骨盤が調整された時に(つまり、カッピング効果)、支えは部位102〜105全体を備える。着座した人がどのような動きをしても、支えは部位102〜105によって継続的に維持される。支え前部は、部位102、103の領域の約7°の傾斜領域111、および部位101の幅に隣接する部位104、105の領域を備える。重力の作用によってユーザーの体重は装置100の中央ボウル部20へと下がり、骨盤下部は支えの前端によって、軸上で傾いて回転する。回転は、部位101が交わる部位102と103の前記の上方の傾き111(図8b)によって停止する。前記の部位102と103の傾きは、一例では、水平の支持面から約7°の角度αであり、坐骨の前方への動きを停止するのに十分な角度である。坐骨が前方にスライドできなくなると、それにより、骨盤上部が前に旋回して、背骨が鎖状になる。閉鎖性運動連鎖になっている背骨は、骨盤の傾斜に従う必要がある。包み込まれた筋組織層内に浮いているが、骨盤の旋回は、上体の体重に応えて装置100によって維持される。体重の重力によってできるエネルギーを利用することで、装置100は、姿勢矯正および臀部肥大を抑制するための継続的な持続プロセスを提供して、姿勢と臀部の広がりについて、上体の体重をネガティブな影響からポジティブな影響へと変える。
【0087】
ステップ310:装置100は骨盤を安定させ、骨盤前部の傾斜を維持する。前記支えの前部での骨盤の回転は、均衡点bp2の点で停止する(図8b、図12a、図12b)。傾斜したリフトにより、坐骨結節は、部位102と103の中央ボウル領域の上方への湾曲/傾斜によって止まるまで前方へスライドする。部位102と103の前記の傾斜111は坐骨結節の前方への動きを止めて、坐骨上部を前に送りだす。この骨盤の前方への回転は、上体の体重によって維持される。重心の均衡点bp2と背骨(適切に並んでバランスが取れている)の運動連鎖による効果はすべて、装置100の軸上のねじれによって維持される。
【0088】
背骨が適切に並んでバランスが取れると、胸郭領域に後弯湾曲ができる。頸椎および腰椎量幾には前弯曲線ができる。これらの湾曲は共に、装置100が発明に従って提供する「S」字型の望ましい視線を作る(図1d、図16a、図16b、図16c)。本発明は、着座したユーザーが背もたれに背を預けることなく、体の自然な均衡を利用して、姿勢の調整を図る。
【0089】
装置100は、ユーザーの太股遠位と連動して、姿勢の調整プロセスを開始する。装置が体重負荷(動的)位置になると、ユーザーの太股遠位は水平または水平より上に維持され、姿勢の範囲に亘って足を床に平らにつけたままにすることが可能になる。さらに、太股遠位が前面の唇に似た部位101を押し下げるため、部位104と105は包み込む形になって装置100を角度θ(図8b)分前方に回転させ、骨盤を持ち上げて、望ましい角度関係を達成する。望ましい角度関係には、股関節よりも低い位置になっている膝が関与する。これにより今度は、上体の体重部分が結節から太股遠位に移され(分散され)、体重の圧力がより広い領域で共有される。
【0090】
ステップ311:背骨は前弯し、骨盤の位置によってコントロールされる。骨盤が前方に回転すると、前弯腰椎は自動的に前弯曲線を作る発明者は、背骨を閉鎖性運動連鎖として利用することで、着座中、より望ましい姿勢と快適さが得られるという予想外の結果を発見した。
【0091】
体重負荷位置にある時、装置100のカッピングおよび回転の効果により、骨盤は前方に移動して背骨(図2a)に影響を及ぼし、ユーザーの生体構造(肋骨、隔壁など)の前部によって背骨は下がったり曲がったりしなくなって、前方に下がることができなくなるまで骨盤に従う。その時点で、背骨はバランスの取れた「中立姿勢」の位置になり、背骨をまっすぐにするのに必要なピンと張る力はほとんど必要ない。装置100により、支えられた骨盤は、バランスの取れた姿勢均衡pb2で望ましい「S」字型の姿勢になり、幅広い範囲の姿勢で自然な配置となる。
【0092】
ステップ312:体重負荷位置で、装置100の重心の均衡点はbp1からbp2へと前方へ変化する(図8b、図12a、図12b)。均衡(回転軸)点は、装置底部側の重心bp2の中央真下にある。装置100のこの位置で、骨盤は直立の中立姿勢、バランスの取れた位置で維持される。上体の体重はリング状の骨盤に移動する。独自の前弯曲線ができたため、重心は仙骨から前方に、坐骨結節の先端へと移動する。重心の均衡点ができると、ユーザーの背骨と骨盤の自然な均衡ができて維持される。発明者は、各ユーザーのこの自然な均衡は独自のものであり、骨盤をコントロールすることで、そして骨盤が鎖状の腰椎、胸椎、および頸椎をコントロールすることで、装置100によって生じるものと判断した。
【0093】
図13bは、椅子などの従来のシートに座ったユーザーの実際の圧力図を示すものであり、直立姿勢にある時、坐骨結節から複数の高い圧力マークが示されている。より暗い領域はより高い圧力マークを示す。図13aは、装置100の実施形態に座ったユーザーの実際の圧力図の底面図を示し、図13aはその中で、体重負荷のかかった装置100が前方に傾斜/回転して、骨盤領域を包み込んで支えている時にまっすぐな姿勢になり、骨盤が筋組織内で浮いている間、坐骨結節からの高い圧力マークが図13bよりもはるかに少なくなっていることを示す。さらに、図13aは、チェックも用のダイヤモンド型で示されるユーザーの重心が、装置100を使った場合、従来のシートに比べ前方へ移動(図の下部の方)していることを示す。
【0094】
ステップ313:上体の体重は装置100に移り、装置は外骨格シェルのようになる。具体的には、体重負荷のかかっている装置100によって骨盤が重心の均衡点位置(図2a、図8b)で支えられ、上体の体重は骨盤、次に臀部の軟組織を通じて下に移動し、装置100の部位101〜105に基本的に均一に分散される。臀部の軟組織と筋肉が装置100(図9)の中央ボウル部20を占め、部位104、105が上方向にカップ状になるため(図8b、図8c)、装置100は前記の坐骨結節の筋肉と軟組織に対して外骨格のようになる。
【0095】
ステップ314:装置100は体重と圧力を装置100の下の支持面に移す。具体的には、支持面(座席底面など)のアクティブな矯正器具エリアとして機能する装置100は、ユーザーからの体重と圧力を支持面に分散する。そのため、着座したユーザーの皮膚表面にではなく、支持面に最大の圧力がかかっている。体重負荷のかかった装置100による、上体の体重を支持面に移動させる機能は、外骨格のような特質をもたらす。臀部の軟組織が部位104と105によって包み込まれると、骨盤は部位104と105によって支えられて前方に回転し、前述のように重心点bp2(図8a−1)で安定する。このような安定が得られると、基本的に、着座したユーザーの全体重は骨から軟組織を介して体重負荷のかかった装置100に移動する。装置100の中央ボウル部は、その体重を支持面40に均一に分散する。着座したユーザーの体が動くと、装置100はユーザーの体重分散を前記の外骨格効果によって維持する。
【0096】
ステップ315:着座したユーザーの体が動くと(机上で作業をしている時に体をねじるなど)、装置100は、ユーザーの変化した体位に適応する。
【0097】
ステップ316:着座したユーザーが動くと、装置100は軸上でねじれて(図2c、図2d、図12e、図12g)、その支え位置を維持する。装置100は、軸上のねじれによって支えを継続し、一定の動的な骨盤指示を維持する。装置100は基本的に常に、前方への傾斜/回転の複数の同時メカニカル機能を調整および維持して、骨盤を筋組織で浮動させながら骨盤領域を包み込んで支える。
【0098】
図3dは図3cに類似しており、体重が基部12に移り、前部の唇に似た部位101が下側に傾き、着座したユーザーが右に体をひねった時に基部が軸上でさらにねじれた場合に生じる変化を点線で示している(図16a〜図16c)。部位104、105は、骨盤、仙骨に続いて動的に前方へ動いて、その場所の圧力を維持する。図12fと12gは、図3dに示す軸上でねじれたシーティング装置に対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、装置100の体重負荷位置(実線)、および着座したユーザーの上体が右側に回転したために生じる装置100の体重負荷位置のねじれ(点線)が重ねられている。
【0099】
図3eも図3cに類似しており、体重が基部12に移り、前部の唇に似た部位101が下側に傾き、着座したユーザーが左に体をひねった時に基部が軸上でさらにねじれた場合に生じる変化を点線で示している。図12dと図12eは、図3eのシーティング装置に対応する側面図と背面図をそれぞれ示すものであり、装置100の体重負荷位置(実線)、および着座したユーザーの上体が左側に回転したために生じた装置100の体重負荷位置のねじれ(点線)が重ねられている。
【0100】
装置100は、凹形の溝110の長さに沿った軸上のねじれにより、支えを継続する。ユーザーの上体がどのようにねじれ、動いても、装置100は軸上でねじれることによってユーザーの体位に対応し、動的な支えを適用して骨盤を適切な前弯曲線に安定、維持する。着座したユーザーが動いたり体をねじったりして骨盤が傾いても、装置100は軸上で調整されるようにねじれ、動的な支えを維持して骨盤を安定させる。図2c、図2dは、下半身がねじれている様子、上体の背骨がねじれている様子、および軸上でのねじれが、ユーザーの体をひねる動作にどのように反応するかを示している。
【0101】
図14a〜図14iは、着座したユーザーの体重下の体重負荷位置にある装置100のさまざまな斜視図を機械ロボットの解剖学的骨格で示すものであり、着座したユーザーが長時間、自然に座っている間に動くために生じる背骨のねじれの効果とさまざまな荷重位置を示している。
【0102】
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった状態で、ユーザーが着座中に体をひねると、基部12とその軸がねじれることで、ボウル部20の背面部16がねじれるため、前述したボウル部20の部位104、105上端の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従う。図16a〜図16cに示すように、部位104と105は上方および内側への圧縮力をかけ続けるため、ボウル位置が前記の第2位置に維持されて、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になる。
【0103】
プロセスステップ310〜316は、ユーザーが装置100に着座し、動いたり体をねじったりする間、繰り返され、持続的なシステムを提供する。ユーザーの体が動いたりずれたりすると、装置100がユーザーの動きに合わせて軸上でねじれて支え効果が調整される。基本的に、装置100の支え効果は、着座したユーザーが自然に動くと「リセット」されて、着座したユーザーを一定した持続的な正しい姿勢に維持し、臀部肥大を抑制する。着座したユーザーに固有の適切な前弯曲線が装置100によって実現するため、ユーザーの重心は仙骨から前方に、坐骨結節の先端へと移動する。重心の均衡点ができると、ユーザーは自然に均衡がとれ、その状態が維持される。装置100を利用する各ユーザーがこの自然な均衡を得られるのは独自のものであり、装置100が骨盤をコントロールし、骨盤が鎖状の腰椎、胸椎、および頸椎をコントロールすることで、装置100によって達成される。プロセス300による前記部位101〜105の作用は、ユーザーの体形に対応、適応するその他の素材または構造物で実装することができる。
【0104】
装置100は、前記のカッピング、支え、および矯正浮遊を提供することで、体重負荷位置で外骨格として機能する。筋肉組織の70%が、脂肪組織の35%が水分であるため、皮膚は水で一杯のラテックス製の風船のように作用する。ボウル部20により、ユーザーの下部骨盤領域の筋肉は、ユーザーの体重の圧力をボウル部20に均等に分散することができる。ボウル部32に座った時、ユーザーの下部骨盤領域の筋肉はボウル部を満たし、坐骨結節によってユーザーの下部骨盤領域の筋肉と軟組織はボウル部20に押しつけられる。ユーザーの下部骨盤領域の筋肉と軟組織が装置100のボウル部20を満たすと、坐骨結節は筋組織内で浮遊し、ユーザーの上体の体重は筋組織を通じて皮膚へと移る。皮膚は圧力を装置100に移す。このように、装置100は外骨格シェルのようになる。外骨格シェルは、支持面(40または40a)に配置され、装置100の内面はユーザーの体重の全圧力を受け、その圧力を再び支持面に移す。同時に、装置100のボウル部によって筋組織で浮遊する骨盤は安定し、保護されるように支えられる。骨盤は、装置100によって前弯の状態を保ちながら、1つにまとまることができる。従来のリクライニング式シートとは違い、装置100は、坐骨結節下の圧力点が増すというネガティブな副作用を生じさせることなく、直立姿勢を可能にする。
【0105】
本発明の望ましい実施形態において、基部12は、図4aの例で示すようにさまざまな厚さのナイロンプラスチックなどの形状記憶素材で成形される一部材である。図4aの図では、各種領域の相互に対する相対的な大きさを示し、形状記憶素材の厚さは基本的に、ある領域から別の領域へ徐々に変化していく。101〜105の各部位は、図4aにあるように、素材ごとにグループ化した領域を示すが、部位101〜105には物理的な区切りはない。
【0106】
本発明の他の実施形態(図6a〜図6p)では、部位101〜105は個別の部位で、メンブレン、ケーブル、蝶番、リンクなどの接続機構によって相互に接続されている。図6aは、基部12の部位101〜105の上から見た平面図を示し、図6bは、部位101〜105の斜視図を示し、部位101〜105が接続されているメンブレン17を備えた接続機構の例を示す。接続メンブレン17は示されているように、連続したメンブレンの形にしたり、部位101〜106に対応した複数のメンブレンの部位にして、部位101〜105の末端を接続することができる。
【0107】
別の実施形態では、本発明は装置100の前記部位101〜105(およびオプションで106)を備えた統合システムをシート(車の座席、航空機座席、オフィスのシートなど)に提供する。このような統合システムには、フォーム、プラスチック、浮袋、およびその他の素材など、さまざまな種類の素材で製造できる基部が備わっている。本発明に従った構成素材の物理的な組成(さまざまな厚さ範囲を持つなど)により、部位101〜106(図6a〜図6p)は、本明細書のプロセス300に記載されているように、着座したユーザーの臀部の形に物理的な変化を生じさせることができる。基部12の部位101〜106は、プロセス300に従って連動する。プロセス300に従って、ナイロンのほか、生体力学な発明品などのその他の素材を、コンピュータ化されたデータに対応し、行動学的な機能を持つ部位101〜106に使用することができる。図6c〜6iおよび6j〜6pの例に示し、以下に説明するように、統合システムでは、個々の部位101〜106はバラバラにさまざまな角度で動いたり、部分的に相互にスライドして、全体的な器具のサイズを小さくすることができる。前記の個々の部位101〜105の作用はプロセス300に従って、各ユーザーの独自の要件に対応する、素材自体にインテリジェンスまたは情報が組み込まれた他の素材によって実装することができる。プロセス300に従って、インテリジェンスまたは情報が組み込まれた素材は、コンピュータ化してユーザに適応する必要がない。ただし、センサー、アクチュエータ、コントローラーを使ったコンピュータ化は実装することができる(図6mなど)。
【0108】
図6c〜図6iは、個々の部位101〜105の統合座席底面構成の例であり、この構成を使用して、部位101〜105の動きを最適化すると同時に、オフィスシートや車の座席など第2の座席底面に組み込んだりすることができる。部位101〜105は、編み込まれた裏打ち(示されていない)または図6bのメンブレン17に似た裏打ちを付けてまとめ合わせられる。図6cは、統合された座席底面構成の部位101〜105の斜視図を示すものであり、矢印は上述したように、非体重負荷形状から体重負荷形状に変移する部位101〜105の動きを示す。このまとめ方は大きい構成用のものである。図6dは、第2の体重負荷形状における部位101〜105のやや片側に向けた斜視図を示す。このまとめ方は、強化された上方および内側への構成用のものである。部位間の隙間は、ユーザーの体重で伸びた第2の座席底面の裏打ちによって生じる。一例では、部位101〜105用に成形されたスクリーンのような裏打ちにより、部位101〜105間でより大きな柔軟性が得られる。
【0109】
図6eは、第2の体重負荷形状にある部位101〜105の別の斜視図を示す。図6gは、(第2の)体重負荷形状に移行している部位101〜105の斜視図を示す。図6gは、非体重負荷形状の部位101〜105の斜視図を示すものであり、部位104、105、および中央部102、203の重なりを示す。このまとめ方の調整より小さい構成用のものである。図6hは、非体重負荷状態における部位101〜105のやや片側に向けた斜視図を示す。図6iは、部位101〜105の正面斜視図を示すものであり、非体重負荷位置の部位101〜105が部分的に重なっている状態を示す。本発明の実施形態に従って、体重負荷位置では、部位101〜105によって二次形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になる。
【0110】
図6j〜図6pは本発明の実施形態に従って、個々の部位101〜106および接続点(円錐形によって表示)に関わる統合座席底面構成の別の例を示すものであり、接続点は、シーティング装置の部位を操作するために部位101〜106を支持環境に接続できる箇所を示す。
【0111】
図6jは、非体重負荷形状時の部位101〜106の底部斜視図を示すものであり、接続点19は、部位101〜106を操作するために支持環境に部位101〜106を接続できる箇所である。図6kは、図6jの体重負荷形状時の部位101〜106の底部斜視図を示す。図6lは、体重負荷形状時の部位101〜105の底部斜視図を示す。図6mは、非体重負荷形状時の部位101〜106の底部平面図を示す。本発明の実施形態に従って、前記の操作は、複数の接続点で圧力を感知する圧力センサー19a、感知された圧力情報を処理して制御信号をアクチュエータ19c(たとえば、接続点19の側に配置されている)に送信する電子制御装置19bを使用することで、二次形状が生じ、骨盤と背骨が完全に前弯になるまで部位101〜106を動かすという具合に作動する。
【0112】
図6nは、図6jの部位101〜106の右側面図を示すものであり、部位101〜106に近づいて座ろうとしている時のユーザーの、機械ロボットによる解剖学的な骨格を表している。図6oは、図6nの部位101〜106の右側面図を示すものであり、機械ロボットによる解剖学的な骨格が少なくともボウル部に触れようとしている。図6pは本発明の実施形態に従って、図6oの部位101〜106の右側面図を示すものであり、機械ロボットの解剖学的な骨格がボウル部に収まり、太股底面が部位101を押し下げて第2の形状ができ、骨盤と背骨が完全に前弯になっている。
【0113】
別の実施形態では、装置100を二重座席底面の構成要素にして、骨格を調整し、筋肉の形状を整えるながら、支持面(サブシート底面)で臀部と太股遠位の軟組織構造を支えることができる。男性と女性の平均的な骨盤底のサイズに関する情報が利用されている。骨盤出口の直径には、前後方向および横断した長さが含まれる。前後方向は尾骨の先端から恥骨結合まで伸び、平均的測定は男性で約3.25インチ、女性で約5インチである。前後方向の直径は、尾骨の長さによって異なり、その骨の稼働性によって増減しうる。横断した長さは坐骨結節の後部から反対側の同じ位置まで伸び、平均的測定は男性で約3.25インチ、女性で約4.75インチである。これらの測定値は基本的に、母集団の身長、体重、および人種によって左右されることはない。平均的な骨盤の測定値を前提にすると、本発明によって提供される装置100は、成人人口の95%以上の範囲の人々に適している。溝110(図3a)の尾骨のカップ状領域によって、装置100の表面が仙骨の関節と尾骨に接触しないようにさまざまな尾骨角度をなすことができる。
【0114】
装置100は、従来の座面40aに配置(または組み込んで)、二重座席底面にすることができる。第2の座席底面40aを追加した場合、非アクティブな従来の座席底面40aと組み合わせた個々の部位101〜105(アクティブな座席底面)が備わった、アクティブな(つまり、非静的な)シーティングシステムが実現する。座席底面40aは、骨格と筋肉の構造を支えるように設計され、装置100の座席底面は、臀部と太股の軟組織構造をサポートする。装置100の前記101〜105(およびオプションの部位106)を従来の座席底面40a上に組み合わせることで、ユーザーの体重が装置100と座席底面40a上にかかった時に協調システムが実現する。プロセス300は、二重座席底面システムに適用される。
【0115】
前述したように、本発明の望ましい実施形態(図1a〜図1d、図2a〜図2h、図3a〜図3f、図4a〜図4c、図5、図7a〜図7c、図8a〜図8d、図9、図10a〜図10f、図11b、図12a〜図12f、図14a〜図14i、図15、図16a〜図16c、図17a〜図17b、図18a〜図18n)では、基部12は、図4aの例で示すようにさまざまな厚さのナイロンプラスチックなどの形状記憶素材で成形される一部材である。図4aの図では、基部12の各種領域の相互に対する相対的な大きさを示し、形状記憶素材の厚さは基本的に、ある領域から別の領域へ徐々に変化していく。101〜105の各部位は、素材ごとにグループ化した領域を示すが(図4a〜図4b)、部位101〜105には物理的な区切りはない。
【0116】
前記の望ましい実施形態に従って、装置100にはさらに、図15に示すようにパッド層13が含まれる。パッド層13は、基部12上部に取り付けられたフォームを備えている。フォームの厚さは、基部の機能に悪影響が及ばないように曲線状になっている。図15の上の図は、装置100上面を上から見た平面図を示すものであり、部位101〜105上のフォームパターンを示す(点線で示されている)。図15はさらに、装置100の平面P−P、Q−Q、R−R、およびS−Sに沿った断面図を示す。断面は、基部12を示す(厚さの度合いを示すことを目的には描かれていない)。断面P−Pにおける基部12の各種厚さ領域は、図4aにA、B、E、Fの文字で、図4aの厚さの凡例に対応するように示されている。断面P−Pのフォーム13の厚さは、T1(約4mmの厚さなど)、T2(約10mmの厚さなど)、T3(約12mmの厚さなど)として示されている。フォーム13は、坐骨先端が前方にスライドして前記傾斜111に乗り上げるのを停止するための効果を強化し、坐骨先端下部が前記傾斜111に乗らないようにすることで骨盤の前方回転を強化することで、ボウル部20を介した骨盤の前方回転を強化するため、1つの基部12よりも厚い。フォームは、部位102〜105のボウル部20がユーザーの下部骨盤領域の筋肉で満たされないようにするため、後部着座ゾーン3が最も薄い。
【0117】
望ましい実施形態において、基部12は、幅広い温度範囲内で形状と柔軟性を維持できるナイロンプラスチック(たとえば、ナイロン6,6)などの形状記憶素材から望ましい状態で成形される。部位101〜105は1つの部材として成形されるが、図4aの領域の厚さの相違は一般に、図4aの領域の末端に沿って変化して、ユーザーの体重に応じて望ましい反応をする。
【0118】
部位101〜106の領域で使われるプラスチックは、EVA、PU、およびMDIフォームの形成に必要な熱に都合よく耐えることができる。ポリウレタンフォーム、ポリエステル織物を成形し、ファブリックを溶接するのに必要な熱は約218°F〜285°Fである。本発明に従ったまったく新しい基部12は、90ポンド以上の負荷がかかった時に望ましい二次形状または構成をとることができるが、この特定のプラスチック製の基部12には、体重がなくなった時に元の構成に戻るという強い傾向があり、この傾向は本発明の重要な機能である。その他の同様の特性を発揮する素材も使うことが可能である。
【0119】
通気口v(図3a)は装置100では必要ないが、通気性と熱的快適性に役立つ。通気口のパターンにより、表面の通気性が良くなって快適さが生まれ、熱の伝導と湿気の分散をユーザーの皮膚から取り除くことができる。熱的快適性は、姿勢によって左右されるべきではないため、装置100には図3aで望ましいパターンの通気口が備わっている。
【0120】
望ましい実施形態において、基部12は、基部12の表面に対して垂直に(つまり、図4aの図に垂直に)ナイロンの多様な深さ、厚さの領域を備えている。このようなナイロンには固有の柔軟性と記憶力が備わっているため、元の形状から第2形状まで変化することができ、多様な厚さ領域は第2形状を強化して、装置100の動的な反応を高めている。多様な厚さ領域は、装置100の第2の体重負荷形状に対して固有の望ましい効果を及ぼして、体重負荷形状を非体重負荷形状に戻そうと作用し、坐骨を筋組織に浮遊させながら、骨盤領域の前方への傾斜/回転、カッピング、支えを維持するための動的な反応を引き出す。さらに、ここで指定する例の寸法と厚さ領域を備えた装置100は、幅広い人口層に適している。装置100は、骨盤底の寸法を直接扱い、サブシート底面40aは擬人化した寸法を扱う。人間の解剖学的データベースを基に、本発明の二重座席底面システムは、全人口にではないが、ほとんどの人に適している。
【0121】
装置100の望ましい実施形態に対する、製造プロセスの例(図1a〜図1d、図2a〜図2h、図3a〜図3f、図4a〜図4c、図5、図7a〜図7c、図8a〜図8d、図9、図10a〜図10f、図11b、図12a〜図12f、図14a〜図14i、図15、図16a〜図16c、図17a〜図17b、図18a〜図18n)では、2つの成形プロセスが行われる。最初の成形では、基部12の熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性重合体の射出成形が行われる。最初の成形により、特定のナイロンプラスチック(ナイロン6,6)の射出成形が可能となる。ナイロンプラスチックの射出中、ナイロン製基部と同時に形作れるように、両方向極細繊維ポリエステルを型に入れてよい。したがって、ナイロン基部とその底面側のファブリックは共に形作られる。次に、ナイロン製基部と双方向ポリエステルファブリックの底面を、マッチドメタル熱成形と打ち抜き型に配置する。マッチドメタル熱成形により、複数の同時機能が実行される。まず、マッチドメタル熱成形により、ポリウレタンフォーム12と極細繊維ポリエステルが指定の形に形成される。次に、マッチドメタル熱成形により、両方向ポリエステルファブリック12が「溶接」されると同時に、ポリエステルファブリックとポリエチレンフォーム12は図15の例に示すように、特定の領域にカットされる。
【0122】
このプロセスは、EVA、PU、およびMDIフォーム13(以下で詳細を説明)を形成するのに必要な熱に耐えられる、柔軟で成形可能なプラスチック基部に依存する。ポリウレタンフォーム、ポリエステル織物を成形し、ファブリックを溶接するのに必要な熱は218°F〜285°Fである。すべての熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性重合体には、EVA、PU、およびMDIフォーム13が成形される場合と同様の温度で融点がある。これにより、一緒に成形、抜き打ち、および溶接するEVA、PU、MDIフォームおよびポリエステルファブリックで必要な熱と圧力以下で溶融しない基部ポリマーが特に必要となる。ナイロン6,6は、この熱に耐えられると同時に、射出可能なポリマー12になることができる。
【0123】
ナイロンは前記の熱成形プロセスに耐えられるが、適切に機能するだけの十分な柔軟性がない。したがって、成形プロセスが終わった後、固有の柔軟性を取り戻すには、蒸気加熱する必要がある。本発明は、ナイロン基部12を取り囲むフォームおよびファブリック13と同じ温度で溶融しない、固有の柔軟性と形状記憶特性を備えた射出可能なナイロン12を有することができることを公表する。これには、ナイロン6,6の組成および固有の柔軟性を取り戻すための蒸気加熱が関わる。
【0124】
プロセスの別の側面では、装置100の内部領域にカットされた通気口vが関わると同時に、ポリエステルファブリックおよびEVA、PU、およびMDIフォーム13を共に溶接することもできる。装置100全体にわたるさまざまな形、サイズ、および箇所のこれらの穴(マッチドメタルダイ対象の平面なし)は、フォーム13の成形のために適切に形成する必要があるだけでなく、打ち抜きブレードが鈍化しないように正確に金型の底面に合わせて、少しの熱と圧力でファブリックの両面を同時に溶接して、正確な箇所でカットできる必要がある。
【0125】
一例では、装置100は、一般にポリアミドとして知られる合成ポリマーでできたナイロン基部12を備える。その後に、ポリアミド6、10、11、および12が、環状化合物であるモノマーに基づいて開発された(たとえば、カプロラクタムナイロン6,6は、縮重合で製造された素材である)。EVA(エチレン酢酸ビニール)フォームは、エチレンとビニールの共重合体である。基部12のPUポリウレタンフォーム12には、幅広い剛性、固さ、および密度をカバーするポリウレタン製剤が含まれる。ポリウレタン材、IUPAC(PURまたはPU)は、ウレタン結合でつながった有機単位の鎖からなるポリマーである。ウレタンポリマーは、2つ以上のイソシアネート官能基を含んだモノマーが、2つ以上の水酸基(アルコール)群を含んだ別のモノマーと触媒を介して反応することで、逐次重合によって形成される。
【0126】
MDI PPG形状記憶フォーム13は、ポリウレタンと粘度を増す追加の化学物質からなる。粘弾性ポリウレタンフォームと呼ばれることが多い。一部の製剤では、冷やすと固くなる。より高密度な形状記憶フォームは、体温に反応して、数分で暖かい人体の形に合わすことができる。より低密度名形状記憶フォームは圧力に敏感で、体の形にすばやく合わせる。
【0127】
両方向極細繊維ポリエステルファブリックまたは両方向ポリエステルファイバーマイクロファイバーは、重さが1デニールに満たない合成繊維として言及される。最も一般的な種類のマイクロファイバーは、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、および/またはポリエステルとポリアミドの結合でできている。
【0128】
マイクロファイバーは、不織布、織布、およびニット織物を作るために使用される。形、サイズ、および合成繊維の組み合わせは、柔らかさ、耐久性、吸収力、ウィッキング力、撥水性、電気力学、およびフィルター機能など、特定の特性によって選択される。マイクロファイバーは一般に、アパレル、椅子張り、産業用フィルター、およびクリーニング製品に使用されている。
【0129】
上記の説明で、多数の特定の詳細が明記されている。ただし、本発明の実施形態はこれらの特定の詳細なしで実施できることを理解する必要がある。たとえば、よく知られている同等の構成材と要素を、本明細書で説明したものの代わりにすることができ、同様に、よく知られている同等の技法を、開示された特定の技法の代わりにすることができる。他の例では、よく知られている構造と技法は、本説明の理解をわかりにくくするのを避けるため、詳細は示されていない。
【0130】
本明細書の「一実施形態」、「一部の実施形態」または「その他の実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の機能、構造、または特性が少なくとも一部の実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態に含まれるのではないことを意味する。「一実施形態」または「一部の実施形態」といったさまざまな表現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているものではない。本明細書で、構成要素、機能、構造、または特性が含まれている「可能性が高い」、「可能性がある」、「かもしれない」と記載されている場合、その特定の構成要素、機能、構造、は含める必要がない。本明細書または請求事項が「1つ」の要素について言及している場合、その要素が1つしかないことを意味するものではない。本明細書または請求事項が「追加の」要素と言及している場合、その追加要素が複数あることを除外するものではない。
【0131】
特定の代表的実施形態が付随する図面で説明され、示されているが、このような実施形態は実例を示すためだけのものであり、本発明を限定するものでなく、本発明は、当分野の技術者によって他のさまざまな改変が行われる可能性があるため、説明、示されている特定の構造または配置に限定されるものではないことを理解する必要がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座中に姿勢を改善するための矯正装置であって、矯正装置(100)は、基部(12)を備え、
基部(12)は、
ユーザーの太股を受けるように構成された前部(101)と、
ユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部(20)とを備え、ボウル部は中央部(102,103)と上方に傾斜した側面部(104,105)とを備えており、側面部および前部は共に中央部を取り囲んでおり、
中央部(102,103)にはさまざまな柔軟性の複数の部分があり、側面部(104,105)にはさまざまな柔軟性の複数の部分があり、ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった時に、上方および内部に圧縮力を適用するために構成されており、
ボウル部(20)は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっている時の、回転によって第1位置よりも前になる第2位置の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする、矯正装置。
【請求項2】
側面部(104,105)には、上縁のある弓型の後部があって、左右とも上縁のある後部によって囲まれており、前記の後部および側面部はそれぞれ、ボウル部(20)の後部と側面部を形成しており、
側面部(104,105)の前記の後部および側面部は、柔軟性がより高いボウル部の他の領域より柔軟性の低い伸長領域を備えており、
前記伸長領域は前部(101)に伸びて結合するため、前部(101)に下方向にかかる力によって、ボウル部(20)の前記後部および側面部の上端に上向きおよび内側の動きが生じ、前記の柔軟性の高い領域により、前記伸長領域は上向きおよび内側に動くことができる、請求項1に記載の矯正装置(100)。
【請求項3】
基部(12)には、ボウル部(20)の後部から前部(101)に中央に伸びている縦軸、および縦軸が前部の近くに位置している横軸の交差点を含めた軸があり、そして、
基部(12)はさらに、側面部(104,105)の後部上端から中央部(102,103)を通って前記の軸に沿った前部まで伸びる凹形の窪んだ部分を備え、凹形の窪んだ部分(110)は伸長領域と同じような柔軟性の領域を備え、
ボウル部(20)は底面を有し、少なくとも一部は、凹形の窪んだ部分(110)の底部に沿って弓型になっており、第1位置と第2位置との間で支持面で回転するように構成されている、請求項2に記載の矯正装置。
【請求項4】
ボウル部(20)はさらに、前部に沿った上方への傾斜部分(111)を備え、前記の上方への傾斜部分(111)によって骨盤領域の坐骨結節の前方への動きが妨げられ、ユーザーの下部骨盤領域は前方に旋回して、支持面上の重心の均衡点において、ボウル部(20)の第2位置で前弯位置となり、その結果、下部骨盤領域がボウル部にある時に、ユーザーの動きに反応して、前記の重心の均衡点の上に坐骨結節が維持される、請求項3に記載の矯正装置(100)。
【請求項5】
前記伸長領域は基本的に、ボウル部(20)の背面部および側面部の上端に沿った平面領域を備え、前記伸長領域は、側面部の他の領域よりも比較的柔軟性が低く、前部に下向きの力がかかった時に、上方および内側への歪みが生じ、請求項4に記載の矯正装置(100)。
【請求項6】
中央部(102,103)は、前記凹形の窪み部分(111)と交差し、凹形の窪み部分(110)から外側に伸びている骨盤着座領域(3)を備え、骨盤着座領域(3)には、凹形の窪み部分(220)と同様の柔軟性が備わっており、
中央部(102,103)はさらに、骨盤着座領域を取り囲む、より柔軟性の高い領域を備えている、請求項5に記載の矯正装置(100)。
【請求項7】
前部(101)は、側面部と中央部に隣接した領域を備え、前記の前部領域は、側面部の伸長領域よりも柔軟である、請求項6に記載の矯正装置(100)。
【請求項8】
ボウル部(20)の背面部および側面部上端の前記の上方および内側への動きによって、ボウル部に収まったユーザーの下部骨盤領域の臀筋が包み込まれ、支えられる、請求項7に記載の矯正装置(100)。
【請求項9】
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作により、基部(12)が前記の軸に沿ってねじれ、それにより、ボウル部(20)の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になる、請求項8に記載の矯正装置(100)。
【請求項10】
前記の多様な柔軟性を持つ領域は、基部(12)のさまざまな厚さの領域を備えており、より厚い領域は、比較的薄い領域よりも柔軟性に乏しい、請求項9に記載の矯正装置(100)。
【請求項11】
基部(12)は、前記の各種厚さ領域を含めた、形状記憶プラスチックを備えている、請求項10に記載の矯正装置(100)。
【請求項12】
着座中に姿勢を改善するための矯正装置(100)であって、矯正装置は、基部(12)を備え、
基部(12)は、
ユーザーの太股を受けるように構成された、1つ以上の個別の前部を備えた前部(101)と、
一対の隣接する個別の中央部(102,103)を備えた中央部と、
上方に傾き部分的に隣接する一対の個別の側面部(104,105)を備えた側面部とを備え、側面部(104,105)は中央部(102,103)の側面にあり、これらを部分的に取り囲んでおり、
各中央部(102,103)にはさまざまな柔軟性を持つ複数の領域があり、各側面部(104,105)にはさまざまな柔軟性を持つ複数の領域があり、側面部(104,105)および前部(101)は共に中央部(102,103)を取り囲んで、ボウル部(20)を形成し、ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった時に、ユーザーの下部骨盤領域を受け、上方および内部へ圧縮力をかけるために構成されており、そして、
ボウル部(20)は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の、回転によって第1位置よりも前になる第2位置の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする、矯正装置。
【請求項13】
各側面部(104,105)は、上縁のある弓型の背面部および上縁のある側面部を有し、側面部(104,105)の背面部と側面部は、ボウル部(20)の後部および側面部を形成し、
各側面部(104,105)の前記背面部および側面部は、より柔軟性の高いボウル部の他の領域よりも柔軟性の低い伸長領域を備えており、そして、
前記伸長領域は前部(101)に伸びて結合するため、前部(101)に下方向にかかる力によって、ボウル部(20)の側面部(104,105)の背面部および側面部の上縁に上向きおよび内側の動きが生じ、前記の柔軟性の高い領域により、前記伸長領域は上向きおよび内側に動くことができる、請求項12に記載の矯正装置(100)。
【請求項14】
基部(12)は、ボウル部の背面部から前部(101)に中央に伸びている縦軸、および縦軸が前部の近くに位置している横軸の交差点を含めた軸を有し、そして、
基部(12)はさらに、ボウル部(20)の後部上端から中央部を通って前記の軸に沿った前部(101)まで伸びる凹形の窪んだ部分(110)を備え、凹形の窪んだ部分(110)は伸長領域と同じような柔軟性の領域を備え、
ボウル部(20)は底面を有し、少なくとも一部は、凹形の窪んだ部分(110)の底部に沿って弓型になっており、第1位置と第2位置との間で支持面で回転するように構成されている、請求項13に記載の矯正装置(100)。
【請求項15】
中央部(102,103)はさらに、前部(101)近くに上方への傾斜部分(111)を備え、前記の上方への傾斜部分(111)によって骨盤領域の坐骨結節の前方への動きが妨げられ、ユーザーの下部骨盤領域は前方に旋回して、支持面上の重心の均衡点において、ボウル部(20)の第2位置で前弯位置となり、その結果、下部骨盤領域がボウル部にある時に、ユーザーの動きに反応して、前記の重心の均衡点の上に坐骨結節が維持される、請求項14に記載の矯正装置(100)。
【請求項16】
基部(12)はさらに、複数の部位(101,102,103,104,105)を可動的に接続するための接続メカニズム(17)を備えているため、側面部(104,105)および前部(101)は共に中央部(102,103)を取り囲むことができる、請求項15に記載の矯正装置。
【請求項17】
前記伸長領域は基本的に、ボウル部(20)の背面部および側面部の上端に沿った平面領域を備え、前記領域は、側面部の他の領域よりも比較的柔軟性が低く、前部(101)に下向きの力がかかった時に、上方および内側への歪みが生じる、請求項16に記載の矯正装置(100)。
【請求項18】
各中央部(102,103)は、一方の中央部に隣接する骨盤着座領域(3)を備え、前記の骨盤着座領域は、中央部の他の領域より比較的柔軟性が低い、請求項17に記載の矯正装置(100)。
【請求項19】
前部(101)は、側面部と中央部(102,103,104,105)に隣接した領域を備え、前記の前部領域は、前記の側面部の伸長領域よりも柔軟性が高い、請求項18に記載の矯正装置(100)。
【請求項20】
ボウル部(20)の側面部(104,105)の弓型の背面部および側面部上端の前記の上方および内側への動きによって、ボウル部に収まったユーザーの下部骨盤領域の臀筋が包み込まれ、支えられる、請求項19に記載の矯正装置(100)。
【請求項21】
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作により、基部(12)が前記の軸に沿ってねじれ、それにより、ボウル部(20)の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になる、請求項20に記載の矯正装置(100)。
【請求項22】
前記の多様な柔軟性を持つ領域は、基部(12)のさまざまな厚さの領域を備えており、より厚い領域は、比較的薄い領域よりも柔軟性に乏しい、請求項21に記載の矯正装置(100)。
【請求項23】
基部(12)は、前記の各種厚さ領域を含めた、形状記憶プラスチックを備えている、請求項22に記載の矯正装置(100)。
【請求項24】
着座中に姿勢を動的に改善するための方法(300)であって、基部(12)を備え、基部は、
ユーザーの太股を受けるように構成された前部(101)と、
ユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部(20)とを備え、ボウル部(20)は中央部(102,103)と上方に傾斜した側面部(104,105)とを備えており、側面部と前部は共に中央部を取り囲んでおり、
中央部(102,103)には、さまざまな柔軟性の複数の部分があり、側面部(104,105)にもさまざまな柔軟性の複数の部分があり、ボウル部(20)は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった際に上方および内部に圧縮力を適用するために構成されており、そして、
ボウル部(20)は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっている時の、回転によって第1位置よりも前になる第2位置の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にし、そして、
部位(101)にかかる下向きの力に反応して、ボウル部(20)の上部および背面部(104,105)は上方および内側に動くため、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった際に上方および内部に圧縮力がかかる、方法。
【請求項25】
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作に反応して、基部(12)がねじれ、それにより、ボウル部(20)の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部(104,105)の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になり、その際、骨盤領域は基本的に一定して動的に支えられ、ユーザーの重心は仙骨から前方に、ユーザーの下部骨盤領域の坐骨結節の先端へと移動する、請求項24に記載の方法(300)。
【請求項26】
以下を備えるサイクルを繰り返すことで、動的な姿勢の調整を実施し、前記サイクルは、
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作に反応して、基部(12)がねじれ、それにより、ボウル部の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部(104,105)の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になるものである、請求項25に記載の方法(300)。
【請求項27】
着座中に姿勢を動的に改善するための方法(300)は、基部(12)を備え、基部は、
ユーザーの太股を受けるように構成された1つの部位を備えた前部(101)と、
さまざまな柔軟性を持つ複数の部位を備える中央部(102,103)と、
上方に傾斜したさまざまな柔軟性の個別の部位を複数備える側面部(104,105)とを備えており、これらにより、中央部と側面部は共に、ユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部を形成し、
以下を備えるサイクルを繰り返すことで、動的な姿勢の調整を実施し、前記サイクルは、
部位(101)にかかる下向きの力に反応して、ボウル部(20)の上部および背面部(104,105)は上方および内側に動くため、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった際に上方および内部に圧縮力がかかり、そして、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作に反応して、基部(12)がねじれ、それにより、ボウル部の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部(104,105)の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になり、その際、骨盤領域は基本的に一定して動的に支えられ、ユーザーの重心は仙骨から前方に、ユーザーの下部骨盤領域の坐骨結節の先端へと移動するものである、方法。
【請求項1】
着座中に姿勢を改善するための矯正装置であって、矯正装置(100)は、基部(12)を備え、
基部(12)は、
ユーザーの太股を受けるように構成された前部(101)と、
ユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部(20)とを備え、ボウル部は中央部(102,103)と上方に傾斜した側面部(104,105)とを備えており、側面部および前部は共に中央部を取り囲んでおり、
中央部(102,103)にはさまざまな柔軟性の複数の部分があり、側面部(104,105)にはさまざまな柔軟性の複数の部分があり、ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった時に、上方および内部に圧縮力を適用するために構成されており、
ボウル部(20)は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっている時の、回転によって第1位置よりも前になる第2位置の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする、矯正装置。
【請求項2】
側面部(104,105)には、上縁のある弓型の後部があって、左右とも上縁のある後部によって囲まれており、前記の後部および側面部はそれぞれ、ボウル部(20)の後部と側面部を形成しており、
側面部(104,105)の前記の後部および側面部は、柔軟性がより高いボウル部の他の領域より柔軟性の低い伸長領域を備えており、
前記伸長領域は前部(101)に伸びて結合するため、前部(101)に下方向にかかる力によって、ボウル部(20)の前記後部および側面部の上端に上向きおよび内側の動きが生じ、前記の柔軟性の高い領域により、前記伸長領域は上向きおよび内側に動くことができる、請求項1に記載の矯正装置(100)。
【請求項3】
基部(12)には、ボウル部(20)の後部から前部(101)に中央に伸びている縦軸、および縦軸が前部の近くに位置している横軸の交差点を含めた軸があり、そして、
基部(12)はさらに、側面部(104,105)の後部上端から中央部(102,103)を通って前記の軸に沿った前部まで伸びる凹形の窪んだ部分を備え、凹形の窪んだ部分(110)は伸長領域と同じような柔軟性の領域を備え、
ボウル部(20)は底面を有し、少なくとも一部は、凹形の窪んだ部分(110)の底部に沿って弓型になっており、第1位置と第2位置との間で支持面で回転するように構成されている、請求項2に記載の矯正装置。
【請求項4】
ボウル部(20)はさらに、前部に沿った上方への傾斜部分(111)を備え、前記の上方への傾斜部分(111)によって骨盤領域の坐骨結節の前方への動きが妨げられ、ユーザーの下部骨盤領域は前方に旋回して、支持面上の重心の均衡点において、ボウル部(20)の第2位置で前弯位置となり、その結果、下部骨盤領域がボウル部にある時に、ユーザーの動きに反応して、前記の重心の均衡点の上に坐骨結節が維持される、請求項3に記載の矯正装置(100)。
【請求項5】
前記伸長領域は基本的に、ボウル部(20)の背面部および側面部の上端に沿った平面領域を備え、前記伸長領域は、側面部の他の領域よりも比較的柔軟性が低く、前部に下向きの力がかかった時に、上方および内側への歪みが生じ、請求項4に記載の矯正装置(100)。
【請求項6】
中央部(102,103)は、前記凹形の窪み部分(111)と交差し、凹形の窪み部分(110)から外側に伸びている骨盤着座領域(3)を備え、骨盤着座領域(3)には、凹形の窪み部分(220)と同様の柔軟性が備わっており、
中央部(102,103)はさらに、骨盤着座領域を取り囲む、より柔軟性の高い領域を備えている、請求項5に記載の矯正装置(100)。
【請求項7】
前部(101)は、側面部と中央部に隣接した領域を備え、前記の前部領域は、側面部の伸長領域よりも柔軟である、請求項6に記載の矯正装置(100)。
【請求項8】
ボウル部(20)の背面部および側面部上端の前記の上方および内側への動きによって、ボウル部に収まったユーザーの下部骨盤領域の臀筋が包み込まれ、支えられる、請求項7に記載の矯正装置(100)。
【請求項9】
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作により、基部(12)が前記の軸に沿ってねじれ、それにより、ボウル部(20)の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になる、請求項8に記載の矯正装置(100)。
【請求項10】
前記の多様な柔軟性を持つ領域は、基部(12)のさまざまな厚さの領域を備えており、より厚い領域は、比較的薄い領域よりも柔軟性に乏しい、請求項9に記載の矯正装置(100)。
【請求項11】
基部(12)は、前記の各種厚さ領域を含めた、形状記憶プラスチックを備えている、請求項10に記載の矯正装置(100)。
【請求項12】
着座中に姿勢を改善するための矯正装置(100)であって、矯正装置は、基部(12)を備え、
基部(12)は、
ユーザーの太股を受けるように構成された、1つ以上の個別の前部を備えた前部(101)と、
一対の隣接する個別の中央部(102,103)を備えた中央部と、
上方に傾き部分的に隣接する一対の個別の側面部(104,105)を備えた側面部とを備え、側面部(104,105)は中央部(102,103)の側面にあり、これらを部分的に取り囲んでおり、
各中央部(102,103)にはさまざまな柔軟性を持つ複数の領域があり、各側面部(104,105)にはさまざまな柔軟性を持つ複数の領域があり、側面部(104,105)および前部(101)は共に中央部(102,103)を取り囲んで、ボウル部(20)を形成し、ボウル部は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった時に、ユーザーの下部骨盤領域を受け、上方および内部へ圧縮力をかけるために構成されており、そして、
ボウル部(20)は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっている時の、回転によって第1位置よりも前になる第2位置の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にする、矯正装置。
【請求項13】
各側面部(104,105)は、上縁のある弓型の背面部および上縁のある側面部を有し、側面部(104,105)の背面部と側面部は、ボウル部(20)の後部および側面部を形成し、
各側面部(104,105)の前記背面部および側面部は、より柔軟性の高いボウル部の他の領域よりも柔軟性の低い伸長領域を備えており、そして、
前記伸長領域は前部(101)に伸びて結合するため、前部(101)に下方向にかかる力によって、ボウル部(20)の側面部(104,105)の背面部および側面部の上縁に上向きおよび内側の動きが生じ、前記の柔軟性の高い領域により、前記伸長領域は上向きおよび内側に動くことができる、請求項12に記載の矯正装置(100)。
【請求項14】
基部(12)は、ボウル部の背面部から前部(101)に中央に伸びている縦軸、および縦軸が前部の近くに位置している横軸の交差点を含めた軸を有し、そして、
基部(12)はさらに、ボウル部(20)の後部上端から中央部を通って前記の軸に沿った前部(101)まで伸びる凹形の窪んだ部分(110)を備え、凹形の窪んだ部分(110)は伸長領域と同じような柔軟性の領域を備え、
ボウル部(20)は底面を有し、少なくとも一部は、凹形の窪んだ部分(110)の底部に沿って弓型になっており、第1位置と第2位置との間で支持面で回転するように構成されている、請求項13に記載の矯正装置(100)。
【請求項15】
中央部(102,103)はさらに、前部(101)近くに上方への傾斜部分(111)を備え、前記の上方への傾斜部分(111)によって骨盤領域の坐骨結節の前方への動きが妨げられ、ユーザーの下部骨盤領域は前方に旋回して、支持面上の重心の均衡点において、ボウル部(20)の第2位置で前弯位置となり、その結果、下部骨盤領域がボウル部にある時に、ユーザーの動きに反応して、前記の重心の均衡点の上に坐骨結節が維持される、請求項14に記載の矯正装置(100)。
【請求項16】
基部(12)はさらに、複数の部位(101,102,103,104,105)を可動的に接続するための接続メカニズム(17)を備えているため、側面部(104,105)および前部(101)は共に中央部(102,103)を取り囲むことができる、請求項15に記載の矯正装置。
【請求項17】
前記伸長領域は基本的に、ボウル部(20)の背面部および側面部の上端に沿った平面領域を備え、前記領域は、側面部の他の領域よりも比較的柔軟性が低く、前部(101)に下向きの力がかかった時に、上方および内側への歪みが生じる、請求項16に記載の矯正装置(100)。
【請求項18】
各中央部(102,103)は、一方の中央部に隣接する骨盤着座領域(3)を備え、前記の骨盤着座領域は、中央部の他の領域より比較的柔軟性が低い、請求項17に記載の矯正装置(100)。
【請求項19】
前部(101)は、側面部と中央部(102,103,104,105)に隣接した領域を備え、前記の前部領域は、前記の側面部の伸長領域よりも柔軟性が高い、請求項18に記載の矯正装置(100)。
【請求項20】
ボウル部(20)の側面部(104,105)の弓型の背面部および側面部上端の前記の上方および内側への動きによって、ボウル部に収まったユーザーの下部骨盤領域の臀筋が包み込まれ、支えられる、請求項19に記載の矯正装置(100)。
【請求項21】
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作により、基部(12)が前記の軸に沿ってねじれ、それにより、ボウル部(20)の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になる、請求項20に記載の矯正装置(100)。
【請求項22】
前記の多様な柔軟性を持つ領域は、基部(12)のさまざまな厚さの領域を備えており、より厚い領域は、比較的薄い領域よりも柔軟性に乏しい、請求項21に記載の矯正装置(100)。
【請求項23】
基部(12)は、前記の各種厚さ領域を含めた、形状記憶プラスチックを備えている、請求項22に記載の矯正装置(100)。
【請求項24】
着座中に姿勢を動的に改善するための方法(300)であって、基部(12)を備え、基部は、
ユーザーの太股を受けるように構成された前部(101)と、
ユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部(20)とを備え、ボウル部(20)は中央部(102,103)と上方に傾斜した側面部(104,105)とを備えており、側面部と前部は共に中央部を取り囲んでおり、
中央部(102,103)には、さまざまな柔軟性の複数の部分があり、側面部(104,105)にもさまざまな柔軟性の複数の部分があり、ボウル部(20)は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった際に上方および内部に圧縮力を適用するために構成されており、そして、
ボウル部(20)は、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まっていない時の第1位置、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まっている時の、回転によって第1位置よりも前になる第2位置の間の支持面で回転し、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった後で、下部骨盤領域を前方に回転傾斜して前弯位置にし、そして、
部位(101)にかかる下向きの力に反応して、ボウル部(20)の上部および背面部(104,105)は上方および内側に動くため、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まった際に上方および内部に圧縮力がかかる、方法。
【請求項25】
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作に反応して、基部(12)がねじれ、それにより、ボウル部(20)の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部(104,105)の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になり、その際、骨盤領域は基本的に一定して動的に支えられ、ユーザーの重心は仙骨から前方に、ユーザーの下部骨盤領域の坐骨結節の先端へと移動する、請求項24に記載の方法(300)。
【請求項26】
以下を備えるサイクルを繰り返すことで、動的な姿勢の調整を実施し、前記サイクルは、
ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作に反応して、基部(12)がねじれ、それにより、ボウル部の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部(104,105)の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になるものである、請求項25に記載の方法(300)。
【請求項27】
着座中に姿勢を動的に改善するための方法(300)は、基部(12)を備え、基部は、
ユーザーの太股を受けるように構成された1つの部位を備えた前部(101)と、
さまざまな柔軟性を持つ複数の部位を備える中央部(102,103)と、
上方に傾斜したさまざまな柔軟性の個別の部位を複数備える側面部(104,105)とを備えており、これらにより、中央部と側面部は共に、ユーザーの下部骨盤領域を受けるために構成されたボウル部を形成し、
以下を備えるサイクルを繰り返すことで、動的な姿勢の調整を実施し、前記サイクルは、
部位(101)にかかる下向きの力に反応して、ボウル部(20)の上部および背面部(104,105)は上方および内側に動くため、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部に収まった際に上方および内部に圧縮力がかかり、そして、ユーザーの下部骨盤領域がボウル部(20)に収まると、着座中のユーザーのねじる動作に反応して、基部(12)がねじれ、それにより、ボウル部の背面部がねじれて、ボウル部(20)の背面部および側面部(104,105)の上端による前記の上方および内側への動きは、ユーザーの下部骨盤領域のねじれに従って上方および内側への圧縮力をかけるため、ボウル部(20)が前記の第2位置に維持されたまま、ユーザーの下部骨盤領域が前方に回転傾斜して前弯位置になり、その際、骨盤領域は基本的に一定して動的に支えられ、ユーザーの重心は仙骨から前方に、ユーザーの下部骨盤領域の坐骨結節の先端へと移動するものである、方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図2h】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図6g】
【図6h】
【図6i】
【図6j】
【図6k】
【図6l】
【図6m】
【図6n】
【図6o】
【図6p】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図10e】
【図10f】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図12f】
【図12g】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図14d】
【図14e】
【図14f】
【図14g】
【図14h】
【図14i】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図16c】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図18d】
【図18e】
【図18f】
【図18g】
【図18h】
【図18i】
【図18j】
【図18k】
【図18l】
【図18m】
【図18n】
【図19】
【図13a】
【図13b】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図2h】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図6g】
【図6h】
【図6i】
【図6j】
【図6k】
【図6l】
【図6m】
【図6n】
【図6o】
【図6p】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図10e】
【図10f】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図12f】
【図12g】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図14d】
【図14e】
【図14f】
【図14g】
【図14h】
【図14i】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図16c】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図18d】
【図18e】
【図18f】
【図18g】
【図18h】
【図18i】
【図18j】
【図18k】
【図18l】
【図18m】
【図18n】
【図19】
【図13a】
【図13b】
【公表番号】特表2012−515629(P2012−515629A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548159(P2011−548159)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/021881
【国際公開番号】WO2010/085707
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511178957)バックジョイ・オーソティックス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】BACKJOY ORTHOTICS, LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/021881
【国際公開番号】WO2010/085707
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511178957)バックジョイ・オーソティックス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】BACKJOY ORTHOTICS, LLC
【Fターム(参考)】
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