説明

包装体

【課題】ラベルを使用することなく被包装物の状態を識別することができ、且つ包装箱を繰り返し再利用することが可能な、低コスト化、省資源化が図られた包装体を提供する。
【解決手段】包装体1は、包装箱10と、その内部に配置される緩衝包装材20とを備え、緩衝包装材20が、折り曲げ方を変更することにより、第1の係止片28或いは第2の係止片29で緩衝包装材本体21と係合して開口の少なくとも一部を閉鎖可能な開閉部27を備えるとともに、緩衝包装材本体21に、第1の係止片28を係合させて開閉部27を閉鎖し、包装箱10に収納したとき、包装箱10に完全に内包され、第2の係止片29を係合させて開閉部27を閉鎖し、包装箱10に収納したとき、第1の係止片28の一部が包装箱10の側面から外側に突出する。これにより、緩衝包装材20の開閉部27の閉鎖方法を変更するだけで、包装箱10の外観に変化を付与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装物である物品を包装するための包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置や家庭用電化製品、そしてそれらを構成する機能部材や電子部品等の物品は、通常段ボールなどで構成される包装体によって包装され、出荷されている。包装体は、被包装物である物品を段ボール製の包装箱にすっぽりと収容する形のものが多い。また、包装体は、搬送時の衝撃から被包装物を保護するために、緩衝包装材を介して包装箱に被包装物を収容する場合も多い。
【0003】
単一の包装箱に複数の被包装物を収容したり、包装箱と被包装物との間に間隙を設けて収容したりする場合には、包装箱の内部に、緩衝包装材が配置される。この緩衝包装材は、包装箱内の複数の被包装物が互いに衝突したり、包装箱が衝撃を受けて被包装物が大きく移動し、内壁に衝突したりしないように、緩衝作用をもたらすものである。このように包装体において緩衝包装材は、包装箱内に収容された被包装物を破損から保護している。
【0004】
一方、包装体で包装された被包装物を輸送、保管する場合、内容物や送り先、保管場所、所有者などの被包装物に関する情報を周知させたり、混乱しないようにしたりするために、送り状や荷札、内容表示などを記載したラベルを包装箱の外側に貼付することがある。この送り状や荷札、内容表示などには、一般的に粘着ラベルが使用される。粘着ラベルは、その表面に表示面が、裏面に粘着剤が備えられ、表示面に必要事項を記載、印刷して、粘着剤で包装箱表面に貼付することにより、容易に被包装物に関する情報を識別することが可能である。
【0005】
しかしながら、このような粘着ラベルは、裏面の粘着剤による粘着力が強く、包装箱から剥離する場合、包装箱の表層を破壊してしまうことがある。これにより、包装箱の外観を損ない、包装箱を破棄しなければならなくなる恐れがある。その結果、包装箱を再利用することができなくなり、昨今推し進められている省資源化、低コスト化に反することとなる。
【0006】
そこで、上記のような問題を解決すべく、包装箱の表層を破壊することなく、送り状や荷札に粘着ラベルを使用することが可能な包装体が提案され、その一例を特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載された段ボール箱(包装体)は、その少なくとも1面に、粘着剤に対して剥離性を有する領域を形成している。
【特許文献1】登録実用新案第3024794号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された段ボール箱(包装体)は、その少なくとも1面に、粘着剤に対して剥離性を有する領域を形成し、この領域に対する粘着層を有する識別票(粘着ラベル)の貼付、剥離を容易にすることで、包装箱を再利用できるようにしている。しかしながら、この方法は、粘着ラベルに多くの情報を記載する必要がある場合に有効である一方、情報量が少ない場合にラベル自体のコストや、ラベルの貼付作業に掛かるコストを浪費してしまう恐れがある。
【0008】
被包装物に対する情報量が少ない場合とは、例えば、包装箱内に被包装物が入っているか否かの表示や、被包装物が新品/中古の表示、仕掛品/完成品の表示、使用前/使用済みの表示といった被包装物の状態情報の場合である。このような場合には、ラベルを貼付することなく、簡易的に被包装物の状態を識別することが可能であり、且つ包装箱を繰り返し再利用することが可能な手法が求められる。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、ラベルを使用することなく簡易的に被包装物の状態を識別することができ、且つ包装箱を繰り返し再利用することが可能な、低コスト化、省資源化が図られた包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、包装箱と、この包装箱の内部に配置される緩衝包装材とを備えた包装体において、前記緩衝包装材は、折り曲げ方を変更することにより、第1の係止片、或いは第2の係止片で緩衝包装材本体と係合して開口の少なくとも一部を閉鎖可能な開閉部を備えるとともに、緩衝包装材本体に、第1の係止片を係合させて開閉部を閉鎖し、前記包装箱に収納したとき、包装箱に完全に内包され、第2の係止片を係合させて開閉部を閉鎖し、包装箱に収納したとき、第1の係止片の少なくとも一部が包装箱の側面から外側に突出することとした。
【0011】
また、上記構成の包装体において、前記包装箱は、その側面から外側に突出可能な突出片を備えるとともに、前記緩衝包装材本体に前記第2の係止片を係合させて前記開閉部を閉鎖したとき、突出片に前記第1の係止片が当接し、突出片が外側に突出することとした。
【0012】
また、上記構成の包装体において、前記緩衝包装材本体に前記第2の係止片を係合させて前記開閉部を閉鎖したとき、前記包装箱の側面から外側に突出する部分に、情報表示部を備えることとした。
【0013】
また、上記構成の包装体において、前記第1の係止片及び前記第2の係止片は、互いの表面が面一となる板状部材で構成されるとともに、互いが反対方向に向かって前記開閉部先端から延びていることとした。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、包装箱と、この包装箱の内部に配置される緩衝包装材とを備えた包装体において、前記緩衝包装材は、折り曲げ方を変更することにより、第1の係止片、或いは第2の係止片で緩衝包装材本体と係合して開口の少なくとも一部を閉鎖可能な開閉部を備えるとともに、緩衝包装材本体に、第1の係止片を係合させて開閉部を閉鎖し、前記包装箱に収納したとき、包装箱に完全に内包され、第2の係止片を係合させて開閉部を閉鎖し、包装箱に収納したとき、第1の係止片の少なくとも一部が包装箱の側面から外側に突出することとしたので、緩衝包装材の開閉部の閉鎖方法を変更するだけで、包装箱の外観に変化を付与することができる。これにより、被包装物の状態を、粘着ラベルなどに記載して貼付することなく、包装箱の外観を見ただけで簡易的に識別できるようにすることが可能である。さらに、包装箱の外観に変化を付与するのは、緩衝包装材の開閉部の折り曲げ方を変更するだけで成し得るので、包装箱を大きく傷付けることがなく、繰り返し再利用することができる。このようにして、低コスト化、省資源化が図られた包装体を得ることが可能である。
【0015】
また、前記包装箱は、その側面から外側に突出可能な突出片を備えるとともに、前記緩衝包装材本体に前記第2の係止片を係合させて前記開閉部を閉鎖したとき、突出片に前記第1の係止片が当接し、突出片が外側に突出することとしたので、包装箱の外観に大きな変化を付与することができる。これにより、包装箱の外観の変化を認識し易くなる。したがって、被包装物の状態を見た目で簡易的に識別できるようにする作用が高められ、被包装物の輸送や保管に関する作業効率の向上を図ることが可能である。
【0016】
また、前記緩衝包装材本体に前記第2の係止片を係合させて前記開閉部を閉鎖したとき、前記包装箱の側面から外側に突出する部分に、情報表示部を備えることとしたので、被包装物に対する情報量をさらに増加させることができる。これにより、ラベルを使用した場合と同等の情報を得ることも可能である。したがって、ラベルと同等の情報を得たい場合でもラベルを使用する必要がなくなり、さらに低コスト化、省資源化が図られた包装体を提供することができる。
【0017】
また、前記第1の係止片及び前記第2の係止片は、互いの表面が面一となる板状部材で構成されるとともに、互いが反対方向に向かって前記開閉部先端から延びていることとしたので、互いの緩衝包装材本体への係合、及び第1の係止片の包装箱側面からの突出を、容易に実現することが可能であり、さらに第1及び第2の係止片の形成に必要な部材量をできるだけ少なくすることができる。したがって、ラベルを使用することなく簡易的に被包装物の状態を識別可能な作用を十分考慮しながら、低コスト化、省資源化を一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図1〜図10に基づき説明する。
【0019】
最初に、本発明の実施形態に係る包装体について、図1〜図5を用いてその構成を説明する。図1は包装体全体の外観斜視図、図2は蓋部を開放した状態を示す包装体の斜視図、図3は緩衝包装材の正面図、図4は包装箱の展開図、図5は緩衝包装材本体の展開図である。
【0020】
包装体1は、図1に示すように、その外形が直方体形状をなすように形成されている。包装体1は、図2及び図3に示すように、外箱である包装箱10と、この包装箱10の内部に配置される緩衝包装材20とを備えている。包装体1は、緩衝包装材20内部の収容空間に、被包装物である物品(図示せず)を収容する。
【0021】
包装箱10は、包装体1の外形を形成し、直方体形状で構成されている。包装箱10は、展開すると図4に示す展開図となり、展開した状態において板状をなす部材であって、段ボールで構成されている。包装箱10の上部には、図2に示すように、フラップ状の蓋部11が備えられている。この蓋部11を開放することにより、包装箱10の上部に開口が現れ、緩衝包装材20や被包装物を出し入れすることができる。
【0022】
蓋部11には、図1、図2、及び図4に示すように、その長手方向略中央部に、突出片12が設けられている。突出片12は、蓋部11表面から切り起こしにて外側に突出させることが可能であるが(図9参照)、包装体1の通常の使用時、図1に示すように蓋部11と面一な状態にある。この突出片12の詳細な作用は後述する。
【0023】
緩衝包装材20は、図2に示すように、その外形寸法が、直方体形状をなす包装箱10の内部にぴったりと収まるように形成されている。緩衝包装材20は、図2及び図3に示すように、緩衝包装材本体21と、2枚の板状仕切り22と、2枚の脚部材23とを備えている。これらの部材で包囲された緩衝包装材20の内部の収容空間に、被包装物である物品が収容される。
【0024】
緩衝包装材本体21は、図2に示すように、底面部に対して2箇所の垂直な側壁24を備えた樋形状をなしている。被包装物は、この緩衝包装材本体21の内底面の中央部に載置されることになる。緩衝包装材本体21を展開すると、図5に示す展開図となる。緩衝包装材本体21は、展開した状態において略矩形の板状をなす部材であって、段ボールで構成されている。図5において、緩衝包装材本体21の左右方向長さが、包装箱10の内側面の、一対の対向面間の距離に略一致する。
【0025】
緩衝包装材本体21の折り目24aで、その外側部分を上方に折り曲げることにより、図5においての上下に位置する、対向する二辺の箇所に垂直な側壁24が形成される(図2参照)。
【0026】
緩衝包装材本体21の横方向両側には、切り込み25、26が備えられている。切り込み25、26ともに計2箇所ずつ設けられ、緩衝包装材本体21の底面部から上方に向かって所定高さまで延びている。切り込み25には板状仕切り22が、切り込み26には脚部材23が下方から係合する(図2及び図3参照)。
【0027】
2枚の板状仕切り22は、図2に示すように、被包装物の収容空間に対して外側に位置し、側壁24に直交して対向する壁部を構成している。2枚の脚部材23は、図3に示すように、2枚の板状仕切り22の間の箇所であって、緩衝包装材本体21の下方に配置されている。したがって、緩衝包装材本体21は、板状仕切り22及び脚部材23によって下方から支持され、その外底面が、包装箱10の内底面から上方に離れた箇所で保持されている。
【0028】
2箇所にある側壁24の一方の上部には、図2及び図5に示すように、開閉部27が備えられている。開閉部27は、フラップ状で形成され、側壁24の上端から緩衝包装材本体21の外側に向かって延びている。そして、この開閉部27は、その先端に設けられた係止片を他方の側壁24の上部に係合させることにより、図2示すように、樋形状をなす緩衝包装材本体21の上部開口の一部を閉鎖することができる。
【0029】
開閉部27の先端には、図5に示すように、第1の係止片28、及び第2の係止片29が備えられている。第1の係止片28及び第2の係止片29は、図2、図3、及び図5に示すように、互いの表面が面一となる板状部材で構成されるとともに、互いが反対方向に向かって開閉部27先端から延びている。開閉部27は、折り目27aの折り曲げ方を変更することにより、第1の係止片28、或いは第2の係止片29のいずれか一方で緩衝包装材本体21の他方の側壁24と係合し、緩衝包装材本体21の上部開口の一部を閉鎖する。
【0030】
なお、図2及び図3は、第1の係止片28を下方に向け、開閉部27が、第1の係止片28で緩衝包装材本体21の他方の側壁24と係合している状態を描画している。この状態では、第1の係止片28とは反対の上方に向かって延びる、第2の係止片29の折り目27aからその先端までの長さが、折り目27aから包装箱10の天井部までの距離より短い。したがって、図1及び図3に示すように、緩衝包装材20が、包装箱10に完全に内包されている。
【0031】
次に、この開閉部27に関して、第2の係止片29でもって緩衝包装材本体21の上部開口の一部を閉鎖する場合について、図5に加えて、図6〜図10を用いて説明する。図6は開閉部の係止片の箇所の折り曲げ方を変更した状態を示す包装体の斜視図、図7は開閉部を閉鎖した状態を示す包装体の斜視図、図8は図7に示す緩衝包装材の正面図、図9は図7の蓋部を閉鎖した包装体全体の外観斜視図、図10は図9の突出片の箇所を示す部分拡大正面図である。
【0032】
図6は、図5に示す折り目27aの折り曲げ方を変更し、開閉部27の第2の係止片29が下方を向くようにした状態を示す図である。このまま緩衝包装材本体21の上部開口の一部を閉鎖すると、第2の係止片29が緩衝包装材本体21の側壁24と係合し、図7に示すように、第1の係止片28が上方を向くこととなる。
【0033】
この状態では、第2の係止片29とは反対の上方に向かって延びる、第1の係止片28の折り目27aからその先端までの長さが、折り目27aから包装箱10の天井部までの距離より長い。したがって、図8に示すように、第1の係止片28の一部、すなわち先端が、包装箱10の一側面である上面から外側に突出している。
【0034】
そして、図7の状態で包装箱10の蓋部11を閉鎖すると、蓋部11に設けられた突出片12に第1の係止片28の先端が当接し、図9に示すように、突出片12が包装箱10の上面から外側に突出する。なお、突出片12は、緩衝包装材本体21の開閉部27の折り目27a、すなわち折り曲げられた第1の係止片28の先端に対応する箇所に設けられている。
【0035】
突出片12は、その内側であって、第1の係止片28の先端が当接して包装箱10の外側に現れる面に、図10に示すように、情報表示部13を備えている。ここで、包装体1は、使用前及び使用後の被包装材を輸送、保管するために利用されることを想定しており、情報表示部13に「済」の文字が記載されている。また、突出片12及び情報表示部13を比較的大きめに構成し、複数の文字や記号を記載することも可能である。
【0036】
上記のように、包装箱10と、この包装箱10の内部に配置される緩衝包装材20とを備えた包装体1において、緩衝包装材20は、折り曲げ方を変更することにより、第1の係止片28、或いは第2の係止片29で緩衝包装材本体21と係合して開口の少なくとも一部を閉鎖可能な開閉部27を備えるとともに、緩衝包装材本体21に、第1の係止片28を係合させて開閉部27を閉鎖し、包装箱10に収納したとき、包装箱10に完全に内包され、第2の係止片29を係合させて開閉部27を閉鎖し、包装箱10に収納したとき、第1の係止片28の少なくとも一部が包装箱10の側面から外側に突出するので、緩衝包装材20の開閉部27の閉鎖方法を変更するだけで、包装箱10の外観に変化を付与することができる。これにより、被包装物の状態を、粘着ラベルなどに記載して貼付することなく、包装箱10の外観を見ただけで簡易的に識別できるようにすることが可能である。さらに、包装箱10の外観に変化を付与するのは、緩衝包装材20の開閉部27の折り曲げ方を変更するだけで成し得るので、包装箱10を大きく傷付けることがなく、繰り返し再利用することができる。このようにして、低コスト化、省資源化が図られた包装体1を得ることが可能である。
【0037】
また、包装箱10は、その側面から外側に突出可能な突出片12を備えるとともに、緩衝包装材本体21に第2の係止片29を係合させて開閉部27を閉鎖したとき、突出片12に第1の係止片28が当接し、突出片12が包装箱10の上面外側に突出するので、包装箱10の外観に大きな変化を付与することができる。これにより、包装箱10の外観の変化を認識し易くなる。したがって、被包装物の状態を見た目で簡易的に識別できるようにする作用が高められ、被包装物の輸送や保管に関する作業効率の向上を図ることが可能である。
【0038】
そして、緩衝包装材本体21に第2の係止片29を係合させて開閉部27を閉鎖したとき、包装箱10の側面から外側に突出する部分に、情報表示部13を備えているので、被包装物に対する情報量をさらに増加させることができる。これにより、ラベルを使用した場合と同等の情報を得ることも可能である。したがって、ラベルと同等の情報を得たい場合でもラベルを使用する必要がなくなり、さらに低コスト化、省資源化が図られた包装体1を提供することができる。
【0039】
さらに、第1の係止片28及び第2の係止片29は、互いの表面が面一となる板状部材で構成されるとともに、互いが反対方向に向かって開閉部27先端から延びているので、互いの緩衝包装材本体21への係合、及び第1の係止片28の包装箱10側面からの突出を、容易に実現することが可能であり、さらに第1の係止片28及び第2の係止片29の形成に必要な部材量をできるだけ少なくすることができる。したがって、ラベルを使用することなく簡易的に被包装物の状態を識別可能な作用を十分考慮しながら、低コスト化、省資源化を一層向上させることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0041】
例えば、上記実施形態では、緩衝包装材本体21に第2の係止片29を係合させて開閉部27を閉鎖したとき、突出片12に第1の係止片28が当接し、突出片12が包装箱10の上面外側に突出することとしたが、突出片12を用いることなく、包装箱10本体と蓋部11との隙間から、直接第1の係止片28の先端が包装箱10の外側に突出するように構成することも可能である。
【0042】
また、突出片12の情報表示部13に記載した情報は一例であって、上記実施形態の内容に限定されるわけではなく、包装体1の用途に応じて、様々な文字や記号、模様などを記載、描画することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、被包装物である物品を包装するための包装体全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る包装体全体の外観斜視図である。
【図2】蓋部を開放した状態を示す包装体の斜視図である。
【図3】図2に示す緩衝包装材の正面図である。
【図4】図2に示す包装箱の展開図である。
【図5】図2に示す緩衝包装材本体の展開図である。
【図6】開閉部の係止片の箇所の折り曲げ方を変更した状態を示す包装体の斜視図である。
【図7】図6の開閉部を閉鎖した状態を示す包装体の斜視図である。
【図8】図7に示す緩衝包装材の正面図である。
【図9】図7の蓋部を閉鎖した包装体全体の外観斜視図である。
【図10】図9の突出片の箇所を示す部分拡大正面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 包装体
10 包装箱
11 蓋部
12 突出片
13 情報表示部
20 緩衝包装材
21 緩衝包装材本体
24 側壁
27 開閉部
27a 折り目
28 第1の係止片
29 第2の係止片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装箱と、この包装箱の内部に配置される緩衝包装材とを備えた包装体において、
前記緩衝包装材は、折り曲げ方を変更することにより、第1の係止片、或いは第2の係止片で緩衝包装材本体と係合して開口の少なくとも一部を閉鎖可能な開閉部を備えるとともに、緩衝包装材本体に、第1の係止片を係合させて開閉部を閉鎖し、前記包装箱に収納したとき、包装箱に完全に内包され、第2の係止片を係合させて開閉部を閉鎖し、包装箱に収納したとき、第1の係止片の少なくとも一部が包装箱の側面から外側に突出することを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記包装箱は、その側面から外側に突出可能な突出片を備えるとともに、前記緩衝包装材本体に前記第2の係止片を係合させて前記開閉部を閉鎖したとき、突出片に前記第1の係止片が当接し、突出片が外側に突出することを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記緩衝包装材本体に前記第2の係止片を係合させて前記開閉部を閉鎖したとき、前記包装箱の側面から外側に突出する部分に、情報表示部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記第1の係止片及び前記第2の係止片は、互いの表面が面一となる板状部材で構成されるとともに、互いが反対方向に向かって前記開閉部先端から延びていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−173320(P2009−173320A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15821(P2008−15821)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】