説明

包装体

【課題】収容した商品等に関する情報を印刷したラベルを貼り、そのラベルを簡単に剥がして別のものに再貼付が可能な包装体を提供する。
【解決手段】シート状の包装体片の表面に剥離剤20aが設けられた剥離剤部20を備え、剥離剤部20にはラベル22が剥離可能に貼着されている。包装体片の少なくとも一部に、剥離剤部20が設けられている。剥離剤部20には、剥離しやすさが異なる複数種類の剥離剤20aが設けられ、複数の剥離剤部20が所定形状に互いに区切られて側面に設けられているものでも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収容した商品に関する情報を印刷したラベルが着脱自在に貼られた包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用医薬品で、血液製剤のような特定生物由来の薬や、ワクチンのような生物由来の薬は、管理用のラベルが複数枚取り付けられている。ラベルには例えば品名とロット番号等が記載されている。日本では、インフルエンザワクチンの場合、一般的には1ドースあたり4枚の管理簿ラベルが包装用箱に貼付されており、管理簿ラベルを母子手帳や予防接種台帳等に貼っている。このことにより薬剤のトレーサビリティが確保されている。このようなラベルは、商品にいろいろな方法で取り付けて一緒に出荷されるが、例えば、包装用箱の中にラベルを収納後、包装用箱が封緘された場合、ラベルの有無をチェックすることが困難であった。
【0003】
また、包装用箱の外面にラベルが貼付されており、それらラベルは1枚ずつ包装用箱から剥がして別対象に貼付することができるものがある。しかし、この場合は、包装用箱からラベルが剥がれるように剥離シートを包装用箱に貼らなければならず、コストがかかっていた。さらに、このラベルを製薬メーカー等に出荷する場合、ラベルを剥離シートに取り付け芯部材に巻きつけて出荷すると、剥離シートと合わせて3層構造となりかさばり、1巻一定直径当たりのラベル数が少なくなり、無駄が生じていた。このため輸送性がよくなく、また機械作業時に取り換えるタイミングが頻繁になり面倒であった。
【0004】
一方、特許文献1に開示されている薬剤管理用多層ラベルの様に、二層構造のラベルを包装用箱の外面に貼付する方法も考えられる。この多層ラベルは、表面側に位置した第一層ラベルと、第一層ラベルの裏面に設けられた粘着剤と、第一層が粘着剤により剥離自在に接合し第一層ラベルよりも大きい第二層ラベルと、第二層ラベルの裏面に設けられた粘着剤とにより形成されている。この薬剤管理用多層ラベルの使用方法は、第一層ラベルを第二層ラベルから剥がして、注射器や輸送容器等に張り付け、使用する薬剤名等を確実に認識することができる。
【0005】
また、ラベルを製薬メーカー等に出荷する場合、ラベルを剥離シートに取り付けて芯部材に巻きつけても3層にならずに2層となる方法も提案されている。例えば、特許文献2に開示されている多層ラベルは、表面に図柄が描かれたラベル印刷層を有し裏面に粘着剤が設けられたラベル本体と、ラベル切断線で区切られたラベル印刷層の一部の小ラベル印刷層を含む小ラベル部と、ラベル本体の裏面に積層された剥離シートと、剥離シート切断線で区切られ小ラベル部に積層される小剥離シート部が設けられている。この多層ラベルの使用方法は、剥離シートからラベル本体を剥がすと、剥離シートの一部である小剥離シート部が小ラベル部に積層された状態で付いてきて、ラベル本体と小剥離シートを包装用箱に貼る。小ラベル部は、小剥離シート部に重ねられているため包装用箱に接着せず、容易に剥がすことができる。
【0006】
特許文献3に開示されている再利用機能付き粘着ラベルは、裏面全域に感圧粘着剤が塗布され表面に所要のラベル表示が印刷された上紙が剥離可能な剥離シートである離型紙に積層され、この上紙の一部に剥離可能な小ラベル部を切込により形成し、小ラベルの裏面の剥離シート(離型紙)をこの小ラベルをカバーする大きさに切込を入れたものである。この再利用機能付き粘着ラベルの使用方法は、剥離シート(離型紙)から上紙を剥がすと剥離シート(離型紙)の一部が小ラベルに積層された状態で着いてきて、上紙と小形の剥離シート(離型紙)を包装用箱に貼る。小ラベルは小形の剥離シート(離型紙)に重ねられているため包装用箱に接着せず、容易に剥がすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−108002号公報
【特許文献2】特開2006−162935号公報
【特許文献3】実登3069746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1の場合、第一層ラベルを第二層ラベルに重ねて包装用箱に貼るため2層構造となり、厚みが生じて外観がよくなかった。厚みによる突起が輸送時にひっかかり剥がれたり折れたりするおそれもある。また、第一層ラベルと第二層ラベルを剥離シートに取り付けて芯部材に巻きつけて出荷する場合、剥離シートと第一層ラベルと第二層ラベルを合わせて3層構造となりかさばり、1巻一定直径のラベル数が少なくなり、無駄が生じていた。また、第一層ラベルと第二層ラベルの剥離強度に差をつける必要があり、差がないと剥離シートから外して包装用箱に貼付する際に第一層ラベルが先に剥がれることがあり、剥離強度に差をつける制御が難しかった。また、ラベル材料を多く使用する為、価格が高いものであった。
【0009】
特許文献2、特許文献3の場合、特許文献1と比較して価格を低くすることができる方法ではあるが、小ラベルを剥離シートごと包装用箱に貼るため、特許文献1と同様に、厚みが生じて外観が悪く、また輸送時に支障となる恐れがある。また剥離シートを所定形状にカットする工数もかかっていた。
【0010】
さらに、上記各背景技術の場合、ラベルを包装用箱からめくりやすくするような工夫、例えば糊殺し等を施すことが困難であった。
【0011】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、収容した商品等に関する情報を印刷したラベルを貼り、そのラベルを簡単に剥がして別のものに再貼付が可能な包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、シート状の包装体片から成り、前記包装体片に剥離剤が設けられた剥離剤部を備え、前記剥離剤部には1枚または複数枚のラベルが剥離可能に貼着されている包装体である。前記包装体片には、少なくとも一部に前記剥離剤部が設けられているものである。
【0013】
前記剥離剤部には、剥離しやすさが異なる複数種類の剥離剤が設けられ、複数の剥離剤部が所定形状に互いに区切られて設けられているものでも良い。
【0014】
前記包装体片には、1枚または複数枚のラベルを有した接着シートが貼付され、前記接着シートの前記ラベルが設けられた部分の裏面側には、前記ラベルより僅かに大きい形状の剥離シートが貼り付けられているものでも良い。
【0015】
前記包装体片の所定位置に表面がくぼんだ打ち込み部が形成されているものでも良い。また、前記包装体片には、側面の所定位置で破断可能にする破断線が形成されていても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明の包装体は、剥離剤による表面処理が行われ、収容した商品に関する情報を印刷したラベルを貼り、そのラベルを簡単に剥がして別のものに再貼付することができる。さらに、ラベルに特殊な構造・構成をもたせる必要がなく、一般に使用されているラベルを用いて一般に使用されているラベル貼付機で対応が可能であるので、低価格で製造することができる。さらに、包装用箱の剥離剤の塗工パターンを変えたり、包装用箱に特殊加工を加えたりすることで使用性や輸送の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の第一実施形態の包装用箱の斜視図である。
【図2】この発明の第一実施形態の包装用箱の平面図である。
【図3】この発明の第二実施形態の包装用箱の平面図である。
【図4】この発明の第三実施形態の包装用箱の平面図である。
【図5】この発明の第四実施形態の包装用箱の平面図である。
【図6】この発明の第五実施形態の包装用箱の平面図である。
【図7】図6のA―A線縦断面図である。
【図8】この発明の第六実施形態の包装用箱の平面図である。
【図9】図8のB―B線縦断面図である。
【図10】この発明の第七実施形態の包装用箱の平面図(a),(b),(c),(d)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装体は包装用箱10であり、紙製の一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された箱体形成片を組み立てて設けられている。箱体形成片には、組み立て状態で筒状となる4つの側面12,14,16,18が設けられている。側面12の全面には、シリコーン樹脂等の剥離剤20aが均一に印刷されて剥離剤部20が形成され、後に側面12の所定の位置に、複数枚のラベル22が貼付される。
【0019】
次に、この包装用箱10の使用方法について説明する。包装用箱10を所定の工程で組み立て、包装用箱10の中に商品を入れて封をする。側面12の任意の位置に、複数枚のラベル22を貼り、出荷する。ラベル22は一方向に長い帯状に形成され、3枚が互いに平行に切断線24を介して隣接して設けられている。包装用箱10に収容された商品を使用する際には、使用者が側面12のラベル22を剥がし、使用を記録する台帳や商品を移した容器等に貼り、管理に供する。
【0020】
この実施形態の包装用箱10によれば、簡単な構造で、ラベル22の裏面に粘着剤や接着剤が設けられていても、側面12の剥離剤部20から容易に剥がすことができる。これにより、収容した商品に関する情報を印刷したラベルを貼り、そのラベルを簡単に剥がして別のものに再貼付することができる。しかも、ラベル22が側面12に接着しないように剥離シートを側面12に設ける必要がなく、コストがかからない。側面12には全面に剥離剤20が設けられているため、側面12の任意の位置にラベル22を貼ることができる。
【0021】
また、ロット番号の他、シリアル番号やランダム番号を印字するプリンタと組み合わせて、包装用箱10にユニーク番号を付与することができ、その番号をほかの記録簿等に貼付して管理することが可能である。さらに、ラベル22が包装用箱10に安定的に貼られるために、ラベル22へ様々な工夫、例えば切りつなぎ、ラベル形状の変更等が可能である。包装用箱10に目安の線等を印刷して、ラベル22との貼り合わせ位置等を確認することもできる。
【0022】
また、ラベル22に特殊な構造・構成をもたせる必要がなく、一般に使用されているラベル22で一般に使用されているラベル貼付機により対応が可能である。包装用箱10にラベル22を直接貼るだけの1層構造となり、厚みが少なく輸送時の支障とならず、外観はすっきりしたものとなる。さらに、ラベル22の粘着剤が設けられた面のつまみ部分に糊殺し加工を施し、めくりやすくすることも容易にできる。
【0023】
次に、この発明の第二実施形態について図3に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱26は、側面12の一部に剥離剤20aが塗布された剥離剤部20が設けられ、後に側面12の所定の位置に、複数枚のラベル32が貼付される。剥離剤部20は、矩形に形成され、側面12の中央よりもわずかに一方の辺に近い位置に設けられている。
【0024】
この包装用箱26の使用方法は、側面12のほぼ中央に、商品名等の文字28が印刷された接着シート30を接着して使用するものである。接着シート30は、側面12よりも小さい矩形に形成され、剥離剤部20を覆って側面12に接着される。接着シート30の、剥離剤部20に対向する部分には、ラベル32が設けられている。ラベル32は、接着シート30の一部を切断線34で区切られて形成されている。ラベル32は、一方向に長い帯状の3枚が、互いに平行な切断線34で区切られて隣接して設けられている。
【0025】
この実施形態の包装用箱26によれば、接着シート30は、剥離剤20aが塗布されていない部分で確実に側面12に貼られるとともに、ラベル32は剥離剤20aにより簡単に剥がされて他のものに再貼付することができる。剥離剤20aの塗布形状を調整することにより、流通段階ではラベル22が剥がれにくく、使用の際には簡単に剥がれるようなラベル22の形状を採用することができる。なお、剥離剤20aの塗布形状は自由に変更可能であり、剥離機能を有する部分と剥離機能がない部分を自由に設計することができる。
【0026】
次に、この発明の第三実施形態について図4に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱36には、側面12の全面に剥離剤20aが塗布された剥離剤部20が形成されている。後に、剥離剤部20の所定の位置に、複数枚のラベル32が貼付される。剥離剤部20の一部は、弱い力で剥離可能な粘着弱部21aであり、粘着弱部21aの周囲は、強い力で剥離する粘着強部21bが設けられている。粘着弱部21aと粘着強部21bは、剥離剤20aの成分等を変えて剥離性に差をつけている。粘着弱部21aは矩形に形成され、側面12の中央よりもわずかに一方の辺に近い位置に設けられている。
【0027】
この包装用箱36の使用方法は、先ず側面12に、商品名等の文字が印刷された接着シート30を接着する。接着シート30は、側面12よりも小さい矩形に形成され、剥離剤20aを覆って側面12に接着される。接着シート30の、粘着弱部21aに対向する部分には、ラベル32が設けられている。ラベル32は、接着シート30の一部を切断線34で区切って形成されている。ラベル32は、一方向に長い帯状の3枚が、互いに平行な切断線34で区切られて隣接して設けられている。
【0028】
この実施形態の包装用箱36によれば、接着シート30は側面12に強い取付強度で貼られ、ラベル32は弱い取付強度で貼られるため、ラベル32は簡単に剥がれて他のものに再貼付することができる。接着シート30も、必要に応じて側面12から剥がし、商品を小分けした容器や輸液パック等に再貼付することができる。ラベル32と接着シート30で、側面12に対する粘着力に差がつけられているため、ラベル32のみが必要な時に接着シート30を剥がさずにラベル32を剥がすことができる。
【0029】
次に、この発明の第四実施形態について図5に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱38は、側面12の全面に剥離剤20aが塗布され、後に側面12の所定の位置に、複数枚のラベル32が貼付される。
【0030】
この包装用箱38の使用方法は、先ず側面12に、商品名等の文字が印刷された接着シート30を接着する。接着シート30は、側面12よりも小さい矩形に形成され、剥離剤20を覆って側面12に接着される。接着シート30のラベル32が設けられた部分の裏面側には、ラベル32より僅かに大きい形状であって、ラベル32の先端部を外した位置に、剥離シート35が残された状態で貼り付けられる。ラベル32は、接着シート30の一部を切断線34で区切って形成され、一方向に長い帯状の3枚が、互いに平行な切断線34で区切られて隣接して設けられている。
【0031】
この実施形態の包装用箱38によれば、包装用箱38からラベル32とともに接着シート30を剥離し、剥離機能を有しない通常の容器や箱、台紙等に貼り付けた場合も、さらにラベル34を分割して別の部材に貼付することができる。また、接着シート30の表示もそのまま残すことができる。
【0032】
次に、この発明の第五実施形態について図6、図7に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱44は、側面12の全面に剥離剤20が塗布され、後に側面12の所定の位置に、複数枚のラベル40が貼付される。側面12のほぼ中心には、側面12の表面がくぼんだ打ち込み部46が形成されている。打ち込み部46は矩形に形成され、側面12の中央よりもわずかに一方の辺に近い位置に設けられている。打ち込み部46は、例えば包装用箱10のブランクシートを型押しして形成されている。
【0033】
この包装用箱44の使用方法は、側面12の、打ち込み部46の中に、ラベル40を接着するものである。ラベル40は、一方向に長い帯状の3枚が、互いに平行な切断線42で区切られて隣接して設けられている。
【0034】
この実施形態の包装用箱44によれば、ラベル40が打ち込み部46の内側に位置しているため、側面12よりも低くなり、摩擦を避けることができる。これにより、輸送時に摩擦でラベル40が剥がれたり角が折れたりすることがなく、安全である。
【0035】
次に、この発明の第六実施形態について図8、図9に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱48には、側面12の全面に剥離剤20aが塗布された剥離剤部20が形成され、後に側面12の所定の位置の剥離剤部20に、複数枚のラベル40が貼付される。側面12のほぼ中心には、側面12が所定位置に表面がくぼんだ打ち込み部50が形成されている。打ち込み部50は細長い矩形に形成され、一方の辺に近い位置に設けられ、この辺に対して打ち込み部50の長手方向が平行に位置している。打ち込み部50は、例えばブランクシートを型押しして形成する。
【0036】
この包装用箱44の使用方法は、側面12の、打ち込み部50の近傍にラベル40を接着するものである。ラベル40は、一方向に長い帯状の3枚が、互いに平行な切断線42を介して隣接して設けられている。ラベル40は、長手方向が打ち込み部50の長手方向に対してほぼ直角に接着され、ラベル40の長手方向の一方の端部40aが、打ち込み部50の内側に達している。ラベル40の端部40aは、打ち込み部50の底部から浮いて、剥がすときの手掛かりとなる。
【0037】
この実施形態の包装用箱44によれば、ラベル40の端部40aが打ち込み部50の内側に位置して浮いているため、手掛かりとなり、ラベル40を容易に剥がすことができる。
【0038】
次にこの発明の第七実施形態について図10に基づいて説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱52には、側面12の全面に剥離剤20aが塗布された剥離剤部20が形成され、後に側面12の所定の位置に、複数枚のラベル40が貼付される。側面12には、側面を破断するミシン線等の破断線54が形成されている。
【0039】
破断線54の形状は、適宜設定可能なものであり、例えば図10(a)に示すように、直線状に形成され、ラベル40の端部40aを横断するように位置する。また、図10(b)に示すように、四角形に形成され、ラベル40の端部40aを囲むように位置する。または、図10(c)に示すように、四角形に形成され、ラベル40の先端部を除く部分を囲むように位置しても良く、図10(d)に示すように、四角形に形成され、ラベル40を囲むように位置しても良い。
【0040】
この包装用箱52の使用方法は、図10(a)の場合、側面12の破断線54の部分を破り、ラベル40の端部40aが位置した側面12を押すことにより、ラベル40の端部40aが摘みやすくなり、容易に剥がすことができる。図10(b)の場合は、破断線54で囲まれた部分の側面12を破断して切り取り、ラベル40の端部40aを摘んでラベル40を剥離する。また、図10(c)に示す場合、破断線54で囲まれた部分の側面12をラベル40とも剥離し、個別にラベル40を別部材に貼り付ける。また、逆に、包装用箱52にラベル40の端部40aを貼付した状態で残して、破断線54で側面12を切り取っても良い。また、図10(d)に示す場合は、破断線54で側面12を切り取り、切り取った側面に貼付されたラベル40を個別に剥がして、他の部材に貼付する。
【0041】
この実施形態の包装用箱52によれば、ラベル40を剥がしやすく、ラベル40を個別に他の部材に貼付する場合も、取り扱いが容易となる。
【0042】
なお、この発明の包装体は、上記各実施形態に限定されるものではなく、包装体の形状は、包装する商品の形状にあわせて自由にデザインすることができる。また、包装体として包装用箱に貼り付けるほか、カード台紙やその他の部材に剥離剤を塗布してラベルを剥離可能に設けても良い。剥離剤部は、包装用箱の1側面に設けられてもよく、複数の側面に設けられても良く、包装用箱の表面の他、裏面に剥離剤部を設けて、ラベルを貼付して良い。
【0043】
剥離剤の加工方法は、印刷加飾を施すオフセット印刷方式にて、印刷加飾を施すと同時に実施することが可能であり、コストアップを最小限に抑えることが出来る。また同じオフセット印刷方式で剥離強度の異なるインキを使用することにより、剥離ニス部の剥離強度を変えることが出来る。剥離剤の加工方法は、上記のオフセット印刷法によるものだけではなくその他の印刷方法、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷、フレキソ印刷によりなされてもよい。また、印刷以外のローラやスプレー等自由に変更が可能である。剥離剤を取り付ける形状も、ラベルの形状や、求める機能に合わせて適宜変更可能である。剥離剤の材料はシリコーン樹脂以外に、容易に塗布されて確実に剥離機能を有するものであれば何でも良い。
【符号の説明】
【0044】
10 包装用箱
12 側面
20 剥離剤部
20a 剥離剤
22,32,40 ラベル
24,34,42 切断線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の包装体片から成り、前記包装体片に剥離剤が設けられた剥離剤部を備え、前記剥離剤部にはラベルが剥離可能に貼着されていることを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記包装体片には、少なくとも一部に前記剥離剤部が設けられている請求項1記載の包装体。
【請求項3】
前記剥離剤部には、剥離しやすさが異なる複数種類の剥離剤が設けられ、複数の剥離剤部が所定形状に互いに区切られて設けられている請求項1記載の包装体。
【請求項4】
前記包装体片には、ラベルを有した接着シートが貼付され、前記接着シートの前記ラベルが設けられた部分の裏面側には、前記ラベルより僅かに大きい形状の剥離シートが貼り付けられている請求項1または2記載の包装体。
【請求項5】
前記包装体片の所定位置に、表面がくぼんだ打ち込み部が形成されている請求項1,2,3または4記載の包装体。
【請求項6】
前記包装体片には、側面の所定位置で破断可能にする破断線が形成されている請求項1,2,3または4記載の包装体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−116409(P2011−116409A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275790(P2009−275790)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(391019500)朝日印刷株式会社 (70)
【Fターム(参考)】