説明

包装材料および容器

【課題】適度のピール強度を有し、紙容器の蓋材に用いても容器の紙剥けを発生させず、良好な易開封性を示す包装材料及び容器の提供。
【解決手段】基材3と、その一面側に樹脂層2Bと樹脂層2Aとをこの順序で設けたヒートシール層との積層構造を有すると共に、樹脂層2Aと樹脂層2Bとは共押出し法により互いに積層されており、樹脂層2Aは、低密度ポリエチレンを55〜75重量部とポリブテン−1を45〜25重量部の割合で含有する構成からなり、低密度ポリエチレンのMFRが0.5〜50、ポリブテン−1のMFRが0.2〜20であり、樹脂層2Bは、エチレン−メタクリル酸共重合体または低密度ポリエチレンから選択される樹脂よりなる。この包装材料を、融点105〜115℃のポリエチレンを最内層にコートした紙カップ容器の蓋材としてヒートシールすると、開封時には樹脂層2Aが凝集破壊する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
イージーピール性を有する易開封包装材料は、剥離機構の違いによって界面剥離タイプ、層間剥離タイプ、凝集剥離タイプに大別される。これらの中でも凝集剥離タイプの材料は、ピール層樹脂が開封時に内部凝集破壊を生ずることによりイージーピール性を発現するものである。凝集剥離タイプの材料としては、ワックスや粘結材をブレンドしたEVA系材料や、ポリオレフイン/ポリスチレン系、ポリエチレン/ポリプロピレン系などの非相溶ポリマーアロイが知られており、ピール強度のシール温度安定性、夾雑物シール性、耐内容物性に優れているという特徴がある。ここで「夾雑物シール性に優れる」とは、ヒートシール材料に比較的大きな粒子サイズを有する夾雑物が混入している場合でも良好なヒートシール性能を示すことを言う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、凝集破壊タイプに属する従来の易開封材料は、開封時のシール剥離面にピール層樹脂が繊維伏に残存する、いわゆる「糸ひき現象」を生じ易いという問題がある。また、ピール強度のコントロールが難しいため、ポリエチレンコート紙を被着体とするような場合には、剥離強度が強すぎるため被着体の紙が破壊する、いわゆる「紙剥け現象」を生じやすいという問題もある。
【0004】
さらに、従来の易開封材料を押出ラミネート法などにより紙、フィルム、金属箔などの基材に積層した場合、得られた易開封包装材料はカールを生じやすいため、蓋材として容器にヒートシールするときの供給・ハンドリングにトラブルを生じることが多いという問題もある。
【0005】
本発明の課題は、密封容器のヒートシール部をピールして開封する容器の分野において、適度のピール強度(剥離強度)を有し、最内面にポリエチレンがコートされた紙容器の蓋材に用いても、容器の紙剥けを発生させず、良好な易開封性を示す包装材料及び容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る易開封包装材料は、少なくとも、基材と該基材の一面側に設けられたヒートシール層とからなり、前記ヒートシール層は、前記基材に近い側から、樹脂層(B)と、樹脂層(A)とを、この順序で設けた積層構造を有すると共に、該樹脂層(A)と樹脂層(B)とは共押出し法により互いに積層されており、且つ、前記樹脂層(A)は、低密度ポリエチレンを55〜75重量部とポリブテン−1を45〜25重量部の割合で含有する構成からなり、且つ、該低密度ポリエチレンのMFRが0.5〜50であって、該ポリブテン−1のMFRが0.2〜20であり、且つ、前記樹脂層(B)は、エチレン−メタクリル酸共重合体または低密度ポリエチレンから選択される樹脂よりなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る易開封容器は、包装材料が、融点105〜115℃のポリエチレンを最内層にコートした紙カップ容器の蓋材としてヒートシールされており、開封時には前記樹脂層(A)が凝集破壊することを特徴とする。
【0008】
前記樹脂層(A)の厚みが5〜15μmの範囲であり、且つ、前記樹脂層(B)の厚みが樹脂層(A)の厚さ以上であることが好ましい。
【0009】
また、前記樹脂層(A)の低密度ポリエチレンが融点110℃以下の高圧法低密度ポリエチレンであり、且つ、前記ポリブテン−1が融点120℃以上のホモポリマーであることが好ましい。また、前記樹脂層(B)を構成する樹脂の融点が、前記樹脂層(A)の低密度ポリエチレンの融点以下であることが好ましい。
【0010】
また、前記ヒートシール層が共押出ラミネート法により前記基材に積層されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の包装材料は、ピール層を含むヒートシール層を有している。この包装材料を用いてヒートシール方式で密封したヒートシール部をピールして開封すると、ピール層において凝集破壊を生じ、易開封性を示す。しかも、開封部に紙剥けを発生させない。
【0012】
そして、この包装材料を、内面がポリエチレンからなる紙カッブの蓋材として用いると、易開封を有する密封の紙カップが得られる。このようにして得られる容器は、消費者にとって極めて使用性がよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の包装材料の層構成の一例を示す模式的な断面図である。図2は、本発明の包装材料の層構成の別の例を示す模式的断面図である。図3は、本発明の包装材料を被着体から剥離する時の状態を説明する概念図であり、(a)はヒートシールした状態、(b)はヒートシール部を剥離した状態である。図4は、本発明の包装材料を蓋材として使用した容器の実施例を示しており、(a)は容器の斜視図、(b)X−X部断面図、(c)シール部の部分断面図、(d)蓋材をピールした時におけるピール部の部分断面図である。
【0014】
本発明の包装材料1は、図1または図2に示すように、少なくとも基材3とヒートシール層2とからなり、前記ヒートシール層2が、互いに異なる樹脂を積層することにより形成された少なくとも2層(2A、2B)から構成されたものである。図1の例は、紙などの基材3にヒートシール層を押出コート法により直接製膜するものであり、図2の例は、予めヒートシール層2を製膜しておき、ドライラミネート法などによって接着剤4を用いて、プラスチックフイルムなどの基材と貼合したものである。
【0015】
基材としては、紙、金属箔、プラスチックフィルムの単体、または、これらが2種以上積層されたものを利用できる。プラスチックフィルムは、シリカやアルミナのような酸化物やアルミニウムのような金属薄膜が形成された蒸着フィルムであってもよい。
【0016】
本発明の包装材料におけるヒートシール層2は、図1に示すように、低密度ポリエチレンが55〜75重量部とポリブテン−1が45〜25重量部の割合で混合されている樹脂層2Aと、エチレン−メタクリル酸共重合体または低密度ポリエチレンから選択される樹脂よりなる樹脂層2Bが共押出し法により接着層を介さずに積層されたものである。前記ヒートシール層2は、基材3とのラミネートにおいて、前記エチレン−メタクリル酸共重合体または低密度ポリエチレンから選択される樹脂よりなる樹脂層2B側を基材側に配置して、積層する。言い変えれば、ヒートシール層2は、樹脂層2B側を基材に対向させて、積層する。
【0017】
前記低密度ポリエチレンとポリブテン−1の混合物層2Aは、開封時に凝集破壊を生じることの可能なピール層を形成する。ポリブテン−1は低密度ポリエチレンと実質的に非相溶であり、これらの混合物は、いわゆる「海島構造」を形成するため、ピール層の凝集力を低下させ、凝集破壊タイプのイージーピール性を発現させることができる。ポリブテン−1の配合比が25重量%未満ではピール強度が強すぎるため、ポリエチレンコート紙を被着体とする場合、紙剥けを生じる。ポリブテン−1の配合比が45重量%を超えると、ピール強度が不十分となり、さらに糸ひきが生じやすくなる。
【0018】
エチレン−メタクリル酸共重合体または低密度ポリエチレンから選択される樹脂よりなる樹脂層2Bをピール層に隣接して設けることにより、開封時におけるピール層の凝集破壊を2A層と2B層の境目近傍に集中させることができ、ピール強度を安定化し、糸ひきの発生を抑制することができる。また、エチレン−メタクリル酸共重合体または低密度ポリエチレンから選択される樹脂よりなる樹脂層2Bを設けることにより、ヒートシール層2を例えば共押出ラミネート法で基材3と積層したときの積層強度を高める効果がある。
【0019】
2A層と2B層を積層することにより、所定の層比で容易にヒートシール層を形成できる。2A層と2B層より形成されるヒートシール層2と基材3との積層方法としては、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、共押出ラミネート法等が利用できる。
【0020】
ヒートシール層の2A層の厚みが5μm未満ではシール強度が不安定となりやすく、夾雑物シールも不十分となる。また、ヒートシール層の2A層の厚みが15μmを超えると開封時に糸ひきを生じやすくなる。一方、ヒートシ一ル層を形成する2B層の厚みが2A層よりも薄い場合、ヒートシール層を基材と積層した時のカールが大きくなり、さらに共押出し法による2A層と2B層の積層加工も困難となる。
【0021】
ヒートシール層の前記2A層に含有される低密度ポリエチレンの融点が110℃を超えると、低温でのヒートシール強度が弱くなり、糸ひきも生じやすくなる。また、エチレンとα−オレフィンの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン、いわゆるLLDPEを2A層に利用した場合には、シール強度が強くなり紙剥けを生じやすくなる。ヒートシール層の前記2A層に用いる低密度ポリエチレンとしては、密度0.915〜0.920、MFRが0.5〜50、好ましくは20〜50の範囲の高圧法低密度ポリエチレンが好適である。
【0022】
ポリブテン−1の融点が120℃未満では、シール強度が強くなり、ピールの際に紙剥けが発生しやすい。ブテン−1を主体とし、当該ブテンー1と他のオレフィンとを共重合させた共重合体を利用した場合は、シール強度が強くなり、紙剥けが生じやすい。ポリブテン−1は、密度が0.905〜0.917、MFRが0.2〜20の範囲のものを用いることが望ましい。
【0023】
ヒートシール層の2B層を構成する樹脂の融点が前記2A層に用いられる低密度ポリエチレンよりも高い場合には、開封時に糸ひきが発生しやすくなる。ヒートシール層の2B層の低密度ポリエチレンとしては、例えば、融点が105℃、密度が0.92、MFRが5〜30程度のものを使用できる。
【0024】
以下において、本発明の包装材料を用いた容器の開封について説明する。図3(a)に示すように、本発明の包装材料1のヒートシール層を、被着体10のヒートシール層に対面させて、熱板30によりヒートシールしてヒートシール部13を形成する。該ヒートシール部13を剥離(開封)すると、図3(b)に示すように、ヒートシール層2のブレンド樹脂からなる2A層において凝集破壊14が発生して易開封性を示し、糸引きのない剥離面が形成される。
【0025】
ヒートシール層2が積層される基材3が、紙、アルミニウム箔、又は、ポリエチレンのようなプラスチックフィルムの場合には、2A層及び2B層より構成されるヒートシール層2は、共押出ラミネート法を利用して基材に直接積層することができ、製造工程が簡易となる。
【0026】
本発明の包装材料は、図4(a)に示すように、ポリエチレンコート紙カップ容器22にヒートシールされる蓋材21として好適に利用できる。紙容器は、容器本体22のリップカール部をプレスして平滑なフランジ23〔図(b)参照〕を形成し、当該フランジ部に蓋体21をヒートシールして密封される。開封時には、蓋体のヒートシールした部分を剥離する。本発明の包装材料を蓋材として用い、開封のためにピールした状態を図(d)に示した。前記紙容器は、即席麺類、ヨーグルト、スナック類、納豆などの食品用として広く用いられている。本発明の包装材料を当該紙容器の蓋材として用いることにより、ピール面に優れた易開封性を付与することができる共に、紙容器において従来みられた剥離面の糸引きを生じなくすることができた。
【実施例】
【0027】
次に、本発明の包装材料及び容器について実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0028】
[実施例1]低密度ポリエチレン(融点105℃)を65重量部とポリブテン−1(融点125℃)を35重量部との混合物をピール層として第1層(厚さ10μm)とし、低密度ポリエチレン(以下において「LDPE」と記載する)(融点105℃、密度=0.92、MFR=7)を第2層(厚さ20μm)として、LDPE層側にオゾン処理を施しながら、コロナ処理を施した紙(坪量100g/m2 )に、押し出し温度300℃で共押出ラミネートを行い、下記の構成の包装材料を得た。
【0029】
紙(100g/m2 )/LDPE(20μm)/ピール層(10μm)
【0030】
[実施例2]LDPE(融点106℃)を75重量部とポリブテン−1(融点125℃)25重量部との混合物をピール層として第1層(厚さ9μm)とし、LDPE(融点105℃、密度=0.92、MFR=7)を第2層(厚さ50μm)として、LDPE層側にオゾン処理を施しながら、紙(坪量70g/m2 )とアルミニウム箔(厚さ7μm)を中間層にLDPE(厚さ20μm)を用いて押出しラミネート法(所謂サンドイッチラミネート法)で貼り合わせた基材のアルミニウム箔面(ウレタン系プライマーコート処理済)に、押し出し温度280℃で共押出ラミネートを行い、下記の構成の包装材料を得た。
【0031】
紙(70g/m2 )/LDPE(20μm)/アルミニウム箔(7μm)/LDPE(50μm)/ピール層(9μm)
【0032】
[実施例3]LDPE(融点106℃)を70重量部とポリブテン−1(融点125℃)を30重量部との混合物をピール層として第1層(厚さ9μm)とし、LDPE(融点105℃、密度=0.92、MFR=20)を第2層(厚さ50μm)として、LDPE層側にオゾン処理を施しながら、紙(坪量70g/m2 )とアルミニウム箔(厚さ7μm)をウェットラミネート法で貼り合わせ、更にそのアルミニウム箔面(ウレタン系プライマーコート処理済)にドライラミネート法で2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと記載する)(厚さ12μm)を貼り合わせた基材のPETフィルム面(コロナ放電処理済)に、押し出し温度260℃で共押出ラミネートを行い、下記の構成の包装材料を得た。
【0033】
紙(70g/m2 )/接着剤/アルミニウム箔(7μm)/接着剤/PETフィルム(12μm)/LDPE(50μm)/ピール層(9μm)
【0034】
[比較例1]LDPE(融点105℃)を80重量都とポリブテン−1(融点125℃)20重量部との混合物をピール層として第1層(厚さ10μm)とし、EMAA(エチレン−メタクリル酸共重合体)(融点98℃)を第2層(厚さ20μm)として、EMAA層側にオゾン処理を施しながら、コロナ処理を施した紙(100g/m2 )に押し出し温度300℃で共押出ラミネートを行い、下記構成の包装材料を得た。
【0035】
紙(100g/m2 )/EMAA(20μm)/ピール層(10μm)
【0036】
[比較例2]LDPE(融点105℃)を50重量部とポリブテン−1(融点125℃)を50重量部との混合物をピール層として第1層(10μm)とし、EMAA(融点98℃)を第2層(20μm)として、EMAA層側にオゾン処理を施しながら、コロナ処理を施した紙(100g/m2 )に押し出し温度300℃で共押出ラミネートを行い、下記構成の包装材料を得た。
【0037】
紙(100g/m2 )/EMAA(20μm)/ピール層(10μm)
【0038】
[比較例3]直鎖状低密度ポリエチレン(以下において「LLDPE」と記載する)(融点110℃)を65重量部とポリブテン−1(融点125℃)を35重量部との混合物をピール層として第1層(厚さ10μm)とし、EMAA(融点98℃)を第2層(厚さ20μm)として、EMAA層側にオゾン処理を施しながら、コロナ処理を施した紙(100g/m2 )に押し出し温度300℃で共押出ラミネートを行い、下記構成の包装材料を得た。
【0039】
紙(100g/m2 )/EMAA(20μm)/ピール層(10μm)
【0040】
<試験>融点106℃の低密度ポリエチレンを20μm厚で押出コーティングしたカップ原紙(280g/m2 )をフランジ部を有するカップ形状に成形し、そのフランジ部に実施例1、2、3で作成した包装材料を蓋材として用い、150℃、0.6secの条件でヒートシールした後、開封し、剥離面の断面を顕微鏡観察した。蓋材のピール層が蓋材側とカップ側の双方に観察されたため、ピール層が開封時に凝集破壊されたことが確認できた。
【0041】
また、各実施例及び比較例で作成した包装材料を、融点106℃の低密度ポリエチレン(厚さ20μm)が押出コーティングされたカップ原紙(280g/m2 )に、140℃、98kPa、1secの条件でヒートシールし、ピール強度と剥離面の紙剥け発生の有無を比較評価した。
【0042】
実施例および比較例の易開封性(ピール強度)及び紙剥けの発生は、次の通りであった。
【0043】
【表1】

【0044】
実施例1、2、3の包装材料は、適度なピール強度を示し、剥離面に紙剥けを発生することもなく良好であった。
【0045】
比較例1の包装材料は、ポリブテン−1の配合割合が少なすぎるので、ピール強度が強すぎて、紙剥けが発生した。比較例2の包装材料は、ポリブテン−1の配合割合が大きすぎるので、紙剥けの発生はないが、ピール強度が弱すぎて好ましくなかった。比較例3の包装材料は、第1層のLDPEの代わりにLLDPEを用いたので、ピール強度が強すぎて、紙剥けが発生した。
【0046】
尚、実施例1、2、3の包装材料を、〔紙(260g/m2 )/LDPE(20μm)/アルミニウム箔(7μm)/EMAA(12μm)/LDPE(13μm)〕の層構成を有する原紙を用いて成形したスナック菓子用の紙カップ容器の蓋材として用いたところ、適度のピール強度を有し、剥離面に紙剥けを発生せず、密封性と耐熱性に優れた易開封性容器を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】木発明の包装材料の層構成の一例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の包装材料の層構成の別の例を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の包装材料を被着体から剥離する時の状態を説明する概念図であり、(a)はヒートシールした状態、(b)はヒートシール部を剥離した状態である。
【図4】本発明の包装材料を蓋材として使用した容器の一実施例を示しており、(a)は容器の斜視図、(b)X一X部断面図、(c)シール部の部分断面図、(d)蓋材をピールした時におけるピール部の部分断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 包装材料
2 ヒートシール層
3 基材
4 接着剤層
10 被着体
11 被着体ヒートシール層
13 ヒートシール部
14 剥離部
20 容器
21 蓋
22 容器本体
23 フランジ部
30 熱板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、基材と該基材の一面側に設けられたヒートシール層とからなり、前記ヒートシール層は、前記基材に近い側から、樹脂層(B)と、樹脂層(A)とを、この順序で設けた積層構造を有すると共に、該樹脂層(A)と樹脂層(B)とは共押出し法により互いに積層されており、且つ、前記樹脂層(A)は、低密度ポリエチレンを55〜75重量部とポリブテン−1を45〜25重量部の割合で含有する構成からなり、且つ、該低密度ポリエチレンのMFRが0.5〜50であって、該ポリブテン−1のMFRが0.2〜20であり、且つ、前記樹脂層(B)は、エチレン−メタクリル酸共重合体または低密度ポリエチレンから選択される樹脂よりなることを特徴とする易開封包装材料。
【請求項2】
前記樹脂層(A)を構成する低密度ポリエチレンが、融点110℃以下の高圧法低密度ポリエチレンであり、且つ、前記ポリブテン−1が融点120℃以上のホモポリマーであり、更に、前記樹脂層(B)を構成する樹脂の融点が、前記樹脂層(A)を構成する低密度ポリエチレンの融点以下であることを特徴とする、請求項1に記載の易開封包装材料。
【請求項3】
前記ヒートシール層が共押出ラミネート法により前記基材に積層されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の易開封包装材料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の易開封包装材料が、融点105〜115℃のポリエチレンを最内層にコートした紙カップ容器の蓋材としてヒートシールされており、開封時には前記樹脂層(A)が凝集破壊することを特徴とする、易開封容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−79584(P2011−79584A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238706(P2010−238706)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【分割の表示】特願2002−76564(P2002−76564)の分割
【原出願日】平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】