説明

包装材製造機械内における扁平な基材の移送装置

本発明は、包装材製造機械(1)内において2つの連続して並んだ上流側及び下流側ユニット(3,6,9)相互間に設けられるのに適した1枚又は2枚以上の平板状基材(4,4a,4b)の移送装置であって、上流側ユニット(3,6)と下流側ユニット(9)との間の接合部となる上面(16)を備えたブリッジ(14)と、ブリッジ(14)の長さ(L1,L2)を変化させる調節手段(19)とを有する移送装置に関する。ブリッジは、基材(4,4a,4b)が摺動する静止マットであり、静止マットは、固定横方向端部(36)及び可動横方向端部(22)を有し、調節手段(19)は、2つのユニット(3,6,9)相互間の間隔(E1,E2)に応じて可動横方向端部(22)の位置を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚又は2枚以上の扁平な基材を移送する装置に関する。1枚又は複数枚の扁平な基材は、包装材製造機械内の2つの連続して位置するユニット相互間に設けられる装置により移送される。
【背景技術】
【0002】
包装材製造機械は、折り(折り畳みともいう)及び糊付け後に包装材を形成することができる箱を製造するようになっている。この包装材製造機械では、用いられる当初扁平な基材は、例えば連続基材、例えば厚紙のバージンウェブである。ウェブを連続的に巻き出し、これを印刷ユニットにより印刷し、印刷ユニットは、プリントユニットの形態をしたサブユニットから成る。ウェブを切断ユニット中に移送し、この切断ユニットは、打抜きプラテンプレスである。
【0003】
切断後に結果として得られるブランクは、屑取りユニットで分離されて排除される屑の領域を備えている。屑取りユニットは、プレスの後ろに配置される。次に、箱を分離し、こけら状に重ね、その後、貯蔵又は機械からの運び出しを目的として列状に積み重ねて送出し・ペレット化ステーションでスタック(積み重ね体)を形成する。
【0004】
包装材製造機械内部では、各ユニットは、長手方向間隔を置いて他のユニットから分離されている。この間隔は、先ず最初に、包装材製造機械を構成するユニットの各々の個々の長さの関数である。この場合、この間隔は、包装材製造機械について工場内で利用できる空間の関数である。間隔は又、ユニットを別のユニットの交換する場合にも有用である。新たなユニットが別の設計者から調達されて異なる長さを有している場合であっても、かかるユニットは、ユニット全てを取り外す必要なく、包装材製造機械中に容易に挿入可能でなければならない。
【0005】
かかる間隔は、オペレータがオペレータの側からオペレータの側とは反対側に包装材製造機械を横切ることができるようにするうえでも有用である。かかる間隔により、オペレータは、例えば、包装材製造機械の後部に位置する駆動部材又は或る特定の電気機能部に接近することができる。この間隔により、オペレータは又、例えば掃除目的で又は詰まった厚紙を除くためにユニットの上流側又は下流側の横方向側部に到達することができる。包装材製造機械のオペレータ又は設置者は、妨害されることなく上流側ユニット及び下流側ユニットの中心部のところに位置する部品に対して作業を行なうことができ、間隔は、かくして、保守上の人間工学的作用効果を高める。
【0006】
ウェブ又はブランク及び箱が上流側に位置する一ユニットから下流側に位置する別のユニットに移ることができるようにするため、種々の能動型又は受動型移送手段が提供されている。これらの移送手段は、かくして、上流側ユニットと下流側ユニットの間隔の橋渡しとなる。
【0007】
[技術の現状]
ウェブが一連のユニットを通過する印刷機械では、ウェブを駆動すると共に/或いはウェブを引っ張り状態に保つために互いに平行に配置された駆動され又は駆動されない形式のシリンダが用いられる。
【0008】
フォルダ‐グルア(folder-gluer)又は打抜きプラテンプレス型の機械では、下側及び上側無端ベルトを備えたコンベア、下側無端ベルト及び上側圧力ローラを備えたコンベア、或いは真空装置と関連した下側無端ベルト若しくは一連の互いに平行なローラ又はボールフレーム(真空装置と関連している場合があり又は関連していない場合がある)を備えたコンベアを有する能動型の摩擦力を利用した駆動システムにより、切断及び分離の前又は後においてブランク及び箱の循環が可能である。
【0009】
また、米国特許第4,768,912号明細書から、シート状の紙を給紙台から紙積み重ね台に送る紙ジョグ送り装置が知られている。この装置は、紙通過プレート及び振動移送プレートを更に有する。通過プレートは、振動移送プレートを覆い、振動移送プレートは、積み重ね台の頂部領域に近接して配置される。
【0010】
通過プレートは、厚紙シートを振動移送プレートに自由に送るよう内曲した形状のものである。通過プレートは、かくして、厚紙移送機能の実行を容易にするために給紙台と積み重ね台との間の間隔の一部分を橋渡しする。
【0011】
しかしながら、かかる駆動装置、即ち、通過プレート又は移送装置は、包装材製造機械中に挿入可能であるようにするために最初から正確な長さを備えた状態で設計されるという欠点を持っている。包装材製造業者が自己の機械内でユニットを1つだけ交換したいと思った場合、包装材製造業者は又、新たなユニットの上流側及び/又は下流側に位置した1つ又は2つ以上の基材移送装置を交換せざるを得なくなる。
【0012】
さらに、扁平な基材は、これらの位置及びこれらの速度を変えないで上流側ユニットから下流側ユニットに移送可能でなければならない。1枚又は複数枚の扁平な基材の位置は、上流側ユニットの出力部と下流側ユニットの入力部との間において上流側ユニット及び包装材製造機械の長手方向中央軸線に対して同一のままでなければならない。1枚又は複数枚の扁平な基材の速度又は適宜加速度は、上流側ユニットの出力部と下流側ユニットの入力部との間で一定のままでなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第4,768,912号明細書
【発明の概要】
【0014】
本発明の1つの大きな目的は、包装材製造機械において1枚又は2枚以上の扁平な基材の循環又は連続移送を可能にする装置を開発することにある。第2の目的は、挿入される機械のあらゆる形式に適合可能な扁平な基材の移送装置を製作することにある。第3の目的は、移送装置により扁平な基材の変位を容易にすることにある。第4の目的は、1つのユニットから別のユニットへの扁平な基材の移送を可能にすると共にこの基材の寸法とは無関係にかかる移送を行なうことにある。さらに別の目的は、上流側ユニットと下流側ユニットとの間に組み込まれる1つ又は2つ以上の基材移送装置を備えた包装材製造機械を提供することにある。
【0015】
1枚又は2枚以上の扁平な基材の移送装置が包装材製造機械内において2つの連続ユニット相互間、即ち、上流側ユニットと下流側ユニットとの間に挿入可能である。この移送装置は、上流側ユニットと下流側ユニットとの間の接合部となる上面を備えたブリッジを有する。移送装置は、ブリッジの長さを変化させる調節手段とを有する。
【0016】
本発明の一観点によれば、移送装置は、ブリッジが静止エプロンであり、1枚又は複数枚の扁平な基材が静止エプロン上を摺動することを特徴とする。エプロンは、固定横方向端部及び可動横方向端部を有する。調節手段は、2つの連続ユニット相互間、即ち、上流側ユニットと下流側ユニットとの間に存在する間隔に従って可動横方向端部の位置を変化させる。
【0017】
本明細書全体を通じて、扁平な基材は、非限定的な例としてであるが、
‐ウェブ、例えば紙、厚紙、プラスチック、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)又は他のポリマー、アルミニウム又は他の材料の形態をしているものとして、又は、
‐板又はシート状基材、例えば扁平な厚紙、段ボール等、柔軟性材料、例えばポリエチレン(PE)又は更に別の材料の形態をしているものとして、又は、
‐打抜きプラテンプレス又は回転ダイカッタで切断されて結果的に得られる箱又はブランクの形態をした基材の形態をしているものと定義される。
【0018】
上流側の方向及び下流側の方向は、送込みステーションにおける且つコンバート加工機械全体における長手方向に従って基材の変位方向に関して定められる。長手方向は、包装材製造機械内におけるその中央長手方向軸線に従う基材の変位方向に関して定められる。横方向は、基材の駆動方向に垂直な方向であると定義される。
【0019】
ユニットは、非限定的な例を挙げると、印刷ユニット、エンボス加工ユニット、回転打抜きユニット、打抜きプラテンプレス、打抜きプラテンプレス用の送込みステーション、屑取りユニット、ブランクセパレータ、送出し装置等であると定義される。
【0020】
換言すると、移送装置は、機械内部における2つのユニット間に存在する場合のある間隔又は離隔距離を埋めることができる。全て一定長さのものである先行技術の駆動装置又は通過プレートと比較して、本発明の移送装置は、可変長さのブリッジを意のままに製作するために使用できる。
【0021】
この移送装置は、駆動装置を備えていない。ブリッジの表面は、基材が障害物に当たることなく摺動するよう設計されている。基材は、それ自体の慣性によって変位され、その速度又はその加速度は、上流側ユニットによりもたらされる。
【0022】
追加の利点は、移送装置が基材の長さの関数として接合ブリッジの長さを変化させる調節手段を更に有しているということにある。移送装置のこの調節可能な長さにより、基材は、これが前縁部が下流側ユニットによって掴まれて駆動されるときに、上流側ユニットによって後縁部が依然として保持された状態で駆動される。
【0023】
本発明の別の観点によれば、基材をコンバート加工するユニットの形態をした上流側ユニットを有する包装材製造機械は、この包装材製造機械が以下に説明すると共に特許請求の範囲に記載されている技術的特徴のうちの1つ又は2つ以上を有していて、上流側の基材コンバート加工ユニットの下流側に設置される移送装置を有することを特徴としている。
【0024】
かかる装置は、その適合容易性により、2つのユニット間に挿入される。これにより、上流側ユニット又は下流側ユニットについてあらゆる長さの改変が可能である。
【0025】
本発明の内容は、添付の図面を参照して行なわれる非限定的実施形態についての以下の説明から良好に理解されると共にその種々の利点及び種々の特徴が良好に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に従って基材移送装置を備えた包装材製造機械を展開位置で示す概略側面図である。
【図2】移送装置の斜視図である。
【図3】包装材製造機械の概略平面図であり、図1及び図2の装置が展開位置にある状態を示す図である。
【図4】包装材製造機械の概略平面図であり、図1及び図2の装置が引っ込み位置にある状態を示す図である。
【図5】展開位置にある移送装置の側面図である。
【図6】引っ込み位置にある移送装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1、図3及び図4に示されているように、包装材製造機械(1)は、基材又はウェブ材料(2)をコンバート加工し、この基材又はウェブ材料は、この場合、扁平な厚紙である。この機械(1)は、コンバート加工ユニットを有し、このコンバート加工ユニットは、この場合、打抜きプラテンプレス(3)である。
【0028】
ウェブ(2)は、プレス(3)の上流側横方向側部を通ってプレス(3)に入る。ウェブ(2)は、送込みステーション(図示せず)により定格された断続速度でプレス(3)内に到達する。プレス(3)及びかくして送込みステーションの上流側に、機械(1)は、例示として、例えば印刷ユニットのようなユニット、品質及び位置合わせを点検する手段、エンボス加工ユニット及びその他(図示せず)を更に有するのが良い。
【0029】
プレス(3)は、ウェブ(2)を切断し、基材をブランク(4)の形態で、この場合、かくして、扁平な厚紙の形態で送り出す。ブランク(4)は、プレス(3)からその下流側の横方向側部を通って出る。長手方向におけるウェブ(2)及びブランク(4)の前進又は進行方向(図2矢印Fで示されている)は、上流側の方向又は下流側の方向を示している。
【0030】
機械(1)は、プレス(3)の下流側に配置された駆動装置(6)の形態をしたユニットを有する。この装置(6)は、先ず最初に、モータにより回転駆動される下側駆動ローラ(7)を有する。この装置(6)は、次に、ローラ(7)に当接した状態でこの上に配置されたちょうど1つの又は一連の圧力ローラ(8)を有している。
【0031】
ブランク(4)は、ローラ(7)と1つ又は複数個のローラ(8)との間に挟まれ、保持され、そして駆動される。装置(6)は、ブランク(4)の能動的移送を保証する。装置(6)は、ブランク(4)を長手方向(F)において上流側から下流側にプレス(3)から次々に連続して引き出すようになっている。
【0032】
機械(1)は、駆動装置(6)の後に真空運搬装置(9)の名称で知られている運搬ユニットを有し、この真空運搬装置は、プレス(3)の下流側に配置されている。この真空運搬装置(9)は、オリフィス(11)を備えた1本又は2本以上の下側無端ベルトを備えたコンベアを有している。真空源に連結された真空ボックス(12)がブランク(4)を1本又は複数本のベルト(11)に押し付ける。
【0033】
ブランク(4)は、これらの間に狭い隙間が生じている状態でベルト(11)の上面上に次々に配置される。真空運搬装置(9)は、ブランク(4)の能動的移送を保証する。1本又は複数本のベルト(11)は、ブランク(4)を長手方向(F)に上流側から下流側に駆動する。
【0034】
2つのユニット、即ち、駆動装置(6)と真空運搬装置(9)との間隔(E1,E2)は、機械ごとに様々である。これら間隔(E1,E2)は、包装材製造機械(1)に組み込まれたこれら2つのユニット(6,9)のそれぞれの位置決め状態及び長さの関数である。
【0035】
機械(1)は、次に、屑取りユニット(図示せず)を有し、この屑取りユニットは、真空運搬装置(9)の後に下流側に配置されている。このユニットは、ブランク(4)からあらかじめ切断された厚紙屑を制御された仕方で除くために用いられる。
【0036】
包装材製造機械(1)は、1つ又は2つ以上の扁平な基材、即ちブランク(4)のための本発明の移送装置(13)を有している。装置(13)は、2つの連続して位置するユニット、即ち、上流側のユニットと下流側のユニットとの間に挿入可能である。装置(13)は、ブランク(4)を打抜きプラテンプレス(3)の形態をした上流側ユニットから屑取りユニットの形態をした下流側ユニットに運搬するようになっている。
【0037】
具体的に説明すると、特に興味のある実施形態では、機械(1)は、上流側から下流側に順番に、打抜きプラテンプレス(3)、駆動装置(6)、移送装置(13)、真空運搬装置(9)及び屑取りユニットを有する。換言すると、移送装置(13)は、駆動装置(6)の出力部の下流側に且つ真空運搬装置(9)の入力部の上流側に配置される。
【0038】
移送装置(13)は、ブランク(4)の受動的移送を可能にする。このために、図で理解できるように、移送装置(13)は、上流側ユニット、即ち、駆動装置(6)と下流側ユニット、即ち、真空運搬装置(9)との間の接合部となるブリッジ(14)を有する。接合ブリッジ(14)は、逆L字形である。ブリッジ(14)は、上面(16)及び下側面(17)を備えたエプロンに類似している。
【0039】
ブランク(4)は、上面(16)上でこれに沿って摺動的に動く。ブリッジ(14)の上面(16)は、好ましくは、実質的に平らであるのが良い。この実施形態では、上面(16)は、実質的に水平である。上面(16)は、プレス(3)の内部に位置した表面間の連続平面、即ち、駆動装置(6)と真空運搬装置(9)との間の連続平面を保証する。かくして、ブランク(4)は、長手方向(F)を辿ってこの平面内で循環する。
【0040】
ブランク(4)をこれら自体の慣性により変位させるため、上面(16)は、有利には、実質的に滑らかであるのが良い。上面(16)は、帯電防止処理が施されている。上面(16)は、非粘着性であり、低摩擦係数を有するのが良い。このように、ブランク(4)は、これらの前フラップが引っ掛かる恐れなく摺動する。
【0041】
ブリッジ(14)の下側面(17)は、装置(6)の下に配置されていて、この下側面は、プレス(3)の下流側横方向側部に実質的に垂直又は実質的に平行である。上面(16)と下側面(17)との間の移行部は、エッジを形成する横方向バー(18)により提供されている。かくして、ブリッジ(14)の下側面(17)は、距離(L1,L2)を調節するためのブリッジ(14)の未使用長さの貯蔵部としての役目を果たしている。
【0042】
ブリッジ(14)は、好都合には、変形可能であるのが良い材料で作られるのが良い。一例を挙げると、ブリッジ(14)の表面(16)は、厚さが実質的に1mmに等しい熱可塑性ポリウレタンで作られるのが良い。この柔らかさ又は柔軟性により、バー(18)の通過が可能である。かかる材料は、所望の長さ(L1,L2)に応じてブリッジ(14)が容易に展開され、次に引っ込められることができるようにする。
【0043】
図3〜図6に示されているように、装置(13)、より詳細に言えばブリッジ(14)の上面(16)の長さ(H1,H2)は、2つの連続して位置するユニット、即ち、上流側ユニット、即ち例えば装置(6)と下流側ユニット、即ち例えば真空運搬装置(9)との間に存在する間隔(E1,E2)に応じて様々である。L1,L2間のあらゆる長さをオペレータにより選択し、次に設定することができる。
【0044】
機械(1)は、好都合には、可変長さの下流側ユニット(9)を更に有するのが良い。この場合、下流側ユニット(9)の長さに追加される装置(13)の長さ(L1又はL2)は、一定(T)であるのが良い。かくして、真空運搬装置(9)は、可変長さを有することができる。装置(13)の長さ(L1,L2)を選択してこの長さが真空運搬装置(9)の長さに追加されたときに一定(T)のままであるようにすることが可能である。
【0045】
ブリッジ(14)の長さ(L1又はL2)をブランク(4a,4b)のサイズの関数として選択することができる。このようにすると、ブランク(4a,4b)は、常時、装置(6)及び/又は真空運搬装置(9)により駆動される前側領域及び/又は後側領域を保持する。
【0046】
図3で理解できる場合では、ブランク(4a)は、長さが長い(「縦方向が長い」厚紙である)。オペレータは、ブリッジ(14)の長さ(L1)を長くし、真空運搬装置(9)の長さを短くし、それにより、全体長さ(T)を一定に保つ。図4で理解できる場合では、ブランク(4b)は、長さが短い(「縦方向が短い」厚紙である)。オペレータは、ブリッジ(14)の長さ(L2)を短くし、真空運搬装置(9)の長さを長くし、それにより、全体長さ(T)を一定に保つ。
【0047】
移送装置(13)は、かくして、ブリッジ(14)の長さ(L1,L2)を変化させる調節手段(19)を有する。オペレータは、これら調節手段(19)を用いて、ブリッジ(14)の長さ(L1,L2)を調節し、その結果、この長さが間隔(E1,E2)に一致するようにする。ブランク(4,4a,4b)の良好な循環及び保持を得るため、間隔の値(E1若しくはE2又はその中間値)は、ブリッジ(14)の長さ(L1若しくはL2又はその中間値)に等しい。
【0048】
好ましくは、調節手段(19)は、ブリッジ(14)に接合された少なくとも1つのスライダを有するのが良い。この場合、2つのスライダは、ブリッジ(14)の各側に位置決めされた2つの側方ナット(21a,21b)の形態をしているのが良い。2つのナット(21a,21b)は、有利には、各々、ブリッジ(14)の横方向の、上側の、下流側の且つ可動の端部(22)に側方に、即ち、オペレータの側及びオペレータの側と反対側に固定されるのが良い。
【0049】
好都合には、調節手段(19)は、装置(13)のフレーム(図示せず)に固定された少なくとも1つのスライドを有するのが良い。この場合、2つの側方スライドは、ブリッジ(14)の各側に位置決めされた2本のボールねじ(23a,23b)の形態をしているのが良い。2本のねじ(23a,23b)は、回転可能であるままの状態で、装置(13)のフレーム(図示せず)に側方に、即ち、オペレータの側に及びオペレータと反対の側に固定されるのが良い。2本のねじ(23a,23b)は、上面(16)に形成される平面と同一の平面内において、実質的に水平に互いに平行に配置される。
【0050】
2本のねじ(23a,23b)は、オペレータの側に設けられた単一のモータ(24)により回転可能に駆動されるのが良い。オペレータの側及びオペレータの側と反対側に配置された2つの歯車(26a,26b)及び戻りシャフト(27)により、動きをオペレータの側からオペレータの側と反対側に伝達することができる。
【0051】
スライダ、即ち、2つのナット(21a,21b)は、スライド、即ち2本のねじ(23a,23b)と協働することができる。2本のねじ(23a,23b)をモータ(24)により回転させると、これらねじは、2つのナット(21a,21b)を長手方向変位の方向に(図2、図5及び図6において矢印D,Iで示されている)に駆動する。
【0052】
2本のねじ(23a,23b)が第1の方向に回ると、2本のねじ(21a,21b)は、下流側(D)に変位され、ブリッジ(14)の端部(22)を上流側の方向に駆動する。ブリッジ(14)の長さが短くなり、値L1からL2に変わる。2本のねじ(23a,23b)が第1の方向と反対の第2の方向に回ると、2つのナット(21a,21b)は、下流側(I)に変位され、ブリッジ(14)の端部(22)を下流側の方向に駆動する。ブリッジ(14)の長さは、増大し、値L2から値L1に変わる。
【0053】
2つのナット(21a,21b)の長手方向変位(D,I)は、装置(13)のフレームに固定的に取り付けられた2つの定規(28)により安定化される。2つの上記(28)の各々は、互いに対応し、2本のねじ(23a,23b)の各々にそれぞれ平行である。2つのナット(21a,21b)の各々は、定規(28)上で摺動する下方部分(29)を有している。
【0054】
ブリッジ(14)の長さのばらつき(L1,L2)を補償すると共にブリッジ(14)を一定張力状態に保つため、装置(13)は、好ましくは、引っ張り手段(31)を有するのが良い。有利には、引っ張り手段(31)は、2つの側方ジャッキ(32a,32b)を有するのが良い。これら2つのジャッキ(32a,32b)は、ブリッジ(14)の各側で側方に位置決めされると共に装置(13)のフレームに固定されるのが良い。2つのジャッキ(32a,32b)は、垂直に取り付けられた状態で下側面(17)のところでオペレータの側及びオペレータの側と反対側に設けられる。2つのジャッキ(32a,32b)の各々は、外方に差し向けられた可動ピストン(33a,33b)を有する。
【0055】
ピストン(33a,33b)の各々の端部は、軸受(34a,34b)で終端している。2つの軸受(34a,34b)の各々は、横方向ロッド(35)を保持している。ロッド(35)は、ブリッジ(14)の下側面(17)と、ブリッジ(14)をフレームに固定する横方向締結手段を形成する横方向の、下側の、上流側の且つ固定されている端部(36)との間の移行を保証する。固定横方向端部(36)は、可動横方向端部(22)の上流側に且つこの下に配置されている下側面(17)及び固定端部(36)は、ブリッジ(14)の上面(16)の下に引っ込められる。
【0056】
エッジを形成することにより、ロッド(35)は、ブリッジ(14)のための戻り箇所又はエッジとなる。2つの軸受(34a,34b)の各々は、案内(37a,37b)内において垂直(図2、図5及び図6において矢印B,Hで示されている)に摺動する。
【0057】
図2及び図5に示されているように、2つの軸受(34a,34b)及び2つのジャッキ(32a,32b)の2つのピストン(33a,33b)が2つのそれぞれの案内(37a,37b)内において垂直方向(B)に摺動することによって下に動くと、ロッド(35)が下降する。それと同時に、2本のボールねじ(23a,23b)は、2つのナット(21a,21b)を上流側の方向に戻し、ロッド(35)は、2つのジャッキ(32a,32b)の作用を受けて下方に推進される。ブリッジ(14)の上面(16)の長さは、減少する(L1からL2に)。
【0058】
これとは逆に(図6参照)、2つの軸受(34a,34b)及び2つのジャッキ(32a,32b)の2つのピストン(33a,33b)が2つのそれぞれの案内(37a,37b)内において垂直方向(H)に摺動することによって上に動くと、ロッド(35)が上昇する。それと同時に、2本のボールねじ(23a,23b)は、2つのナット(21a,21b)を下流側の方向に戻し、ロッド(35)は、上方に戻される。ブリッジ(14)の上面(16)の長さは、増大する(L2からL1に)。
【0059】
2つのジャッキ(32a,32b)の作用を受けて、ブリッジ(14)の張力は、ブリッジ(14)の長さ(L1,L2又はその中間値)とは無関係に、一定に保たれる。
【0060】
本発明は、説明すると共に図示した実施形態には限定されない。特許請求の範囲の記載により定められた本発明の範囲から全く逸脱することなく、多くの変更例を想到できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材製造機械(1)内において上流側及び下流側に位置する2つの連続ユニット(3,6,9)間に挿入可能な1枚又は2枚以上の扁平な基材(4,4a,4b)の移送装置であって、前記上流側ユニット(3,6)と前記下流側ユニット(9)との間の接合部となる上面(16)を備えたブリッジ(14)と、前記ブリッジ(14)の長さ(L1,L2)を変化させる調節手段(19)とを有し、前記ブリッジ(14)は、前記基材(4,4a,4b)が摺動する静止エプロンであり、前記静止エプロンは、固定横方向端部(36)及び可動横方向端部(22)を有し、前記調節手段(19)は、前記2つのユニット(3,6,9)間の間隔(E1,E2)の関数として前記可動横方向端部(22)の位置を変化させる、移送装置。
【請求項2】
前記調節手段(19)は、前記ブリッジ(14)に接合されると共にフレームに固定された少なくとも1つのスライダと協働する少なくとも1つのスライダを含む、請求項1記載の移送装置。
【請求項3】
前記調節手段(19)は、前記ブリッジ(14)の前記可動横方向端部(22)に側方に固定された側方ナット(21a,21b)の形態をした2つのスライダと、モータ(24)により回転可能に駆動され、前記ブリッジ(14)の各側に位置決めされると共に前記フレームに固定された、ボールねじ(23a,23b)の形態をした2つの側方スライドとを含む、請求項2記載の移送装置。
【請求項4】
前記上面(16)は、実質的に平坦であり、滑らかであり且つ水平である、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の移送装置。
【請求項5】
前記ブリッジ(14)は、変形可能な材料で作られている、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の装置。
【請求項6】
前記移送装置は、前記ブリッジ(14)を一定の張力状態に保つ引っ張り手段(31)を有する、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の移送装置。
【請求項7】
前記引っ張り手段(31)は、前記ブリッジの各側に位置決めされると共にフレームに固定された2つの側方ジャッキ(32a,32b)を含む、請求項6記載の移送装置。
【請求項8】
前記固定横方向端部(36)は、前記可動横方向端部(22)の上流側に且つこの下に配置されている、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の移送装置。
【請求項9】
基板(2)をコンバート加工するユニット(3)の形態をした上流側ユニットを有する包装材製造機械において、前記包装材製造機械は、前記コンバート加工ユニット(3)の下流側に設置された請求項1〜8のうちいずれか一に記載の移送装置(13)を有する、包装材製造機械。
【請求項10】
前記包装材製造機械は、可変長さの下流側ユニット(9)を有し、前記下流側ユニット(9)の長さに追加される前記移送装置(13)の長さ(L1,L2)は、一定(T)である、請求項9記載の包装材製造機械。
【請求項11】
前記移送装置(13)は、打抜きプラテンプレス(3)の形態をした前記上流側ユニットと真空運搬装置(9)の形態をした前記下流側ユニットとの間に挿入される、請求項9又は10記載の包装材製造機械。
【請求項12】
前記包装材製造機械は、以下の順番で、即ち、上流側から下流側に、打抜きプラテンプレス(3)、駆動装置(6)、前記移送装置(13)、真空運搬装置(9)、及び屑取りユニットを有する、請求項9〜11のうちいずれか一に記載の包装材製造機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−520185(P2012−520185A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553340(P2011−553340)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001454
【国際公開番号】WO2010/102783
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(592233428)ボブスト ソシエテ アノニム (31)
【Fターム(参考)】