包装用紙箱
【課題】包装用紙箱内部に保冷材などを挿入するに際し、挿入作業や取り出し作業を、容器の蓋を取り外すことなく、きわめて容易に行うことができる包装用紙箱を提供する。
【解決手段】折り目xを共有する面板5,5aの一方に、前記折り目xを折曲部とする開閉自在な開口部7を形成するとともに、前記一方の面板5aの裏面から、前記開口部7を跨いで他方の面板5の裏面に張設される帯状のシート10によって、他方の面板5との間に、物品を収納するためのポケットスペースPを形成して包装用紙箱1とする。
【解決手段】折り目xを共有する面板5,5aの一方に、前記折り目xを折曲部とする開閉自在な開口部7を形成するとともに、前記一方の面板5aの裏面から、前記開口部7を跨いで他方の面板5の裏面に張設される帯状のシート10によって、他方の面板5との間に、物品を収納するためのポケットスペースPを形成して包装用紙箱1とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外気温など外部要因による影響を受け易い物品、あるいは購入した物品に添えられるおまけなどを収納するのに好適な包装用紙箱に関するもので、なかでも、ケーキ類などの食品の包装に好適な包装用紙箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生のケーキ類やお弁当、さらにはお惣菜などを持ち運ぶための包装用紙箱は、収納する前記物品を低温に保持することが求められるため、包装用紙箱内にドライアイスなどの保冷材を物品と一緒に収納することが一般的に行われている。
【0003】
例えば、実公平 6−21856号公報(特許文献1;実願昭61−46942)においては、本体と蓋とから構成される包装容器において、前記蓋の裏面に、この裏面の大部分を覆う防湿材の少なくとも三辺を貼り付け、前記防湿材に開口を形成して、箸、手ふきを挿入しているポケットを設けた包装容器が提案されている。
【0004】
また、実開昭64−39287号公報(特許文献2)においては、耐水性の容器の内側に、透水性シートの周縁部を固着して形成した袋状物の中へ、吸水樹脂の粉末又は2枚の薄紙の中間層に吸水性樹脂を均一に散在させる加工を施した吸水樹脂シートを封入した保冷保温用容器が提案されている。
【0005】
また、実開平 1−73113号公報(特許文献3)には、ダンボールで形成されたカートン本体の内面に、ポリエチレンフィルムなどからなる防湿防水層がコーティングなどの手段で形成され、当該防湿防水層内に防湿剤を着脱自在に収容するポケットを設けたダンボール製カートンが開示されている。
【0006】
また、特開2004−359312号公報(特許文献4)には、保冷材を収容あるいは取出しを行うときには、その都度、紙箱を開放することなく、食品に形状崩れを生じさせないため、生菓子などの食品を収納する紙箱の内面に、紙箱の外側より挿入させて保持する保冷材の収納保持部を設けた紙箱の保冷材収納構造が開示されている。
【0007】
前記紙箱の保冷材収納構造は、より具体的には、紙箱内面にシート部材の周縁を固着させ、シート部材周縁内の紙箱外面に保冷材挿入用の切り口を開設させ、切り口から紙箱内に保冷材を挿入させるものである。
【0008】
さらに、特許第3953445号公報(特許文献5)には、生菓子などの食品を収納する紙箱の上側部内面にシート部材を接着し、紙箱の上側部内面とシート部材間に、保冷材を収納保持する保冷材収納部を形成する構造において、不織布で形成される前記シート部材の3辺外側端部に凹形状の接着部を形成するとともに、該凹形状の接着部の両端を中央方向にL形状に曲げた部分により接着端部を形成し、前記シート部材の残りの1辺が開放部となるように、前記接着部と接着端部を紙箱の上側部内面に接着したことによって、紙箱の上側部内面にスペースをとることなくコンパクトに保冷材を収納して、保冷を必要とする食品の品質を良好に保った紙箱に対する収納を可能とさせることができる紙箱の保冷材収納構造が開示されている。
【特許文献1】実公平 6−21856号公報(実用新案登録請求の範囲,第1図)
【特許文献2】実開昭64−39287号公報(実用新案登録請求の範囲,第1図)
【特許文献3】実開平 1−73113号公報(実用新案登録請求の範囲,第1図)
【特許文献4】特開2004−359312号公報(特許請求の範囲,図1)
【特許文献5】特許第3953445号公報(段落0006,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記公知文献において、特許文献1〜3および特許文献5に記載の発明は、いずれも容器本体の内側に設けたポケット内に、防湿剤や保冷剤などの物品を収納する方式のものである。
しかしながら、この方式は、特許文献4の段落0004で述べられているように、保冷材を収容あるいは取り出しを行うときには、その都度、紙箱を開放する必要があるので、極めて煩らしいばかりでなく、被包装物である食品に形状崩れを生じさせるなどの不都合があった。
【0010】
これに対し、特許文献4に記載の紙箱の保冷材収納構造は、先に述べたように、紙箱内面にシート部材の周縁を固着させ、シート部材周縁内の紙箱外面に保冷材挿入用の切り口を開設させ、切り口から紙箱内に保冷材を挿入させるものであるので、前記のような問題点が解消されるとしている。
【0011】
しかしながら、シート部材周縁内の紙箱外面に形成された保冷材挿入用の切り口を利用して、ある程度の厚みのある保冷材を挿入するには、前記切り口を大きく開口させる必要があるとともに、紙箱を構成する台紙は、弾性に乏しく、復元力が余り作用しないため、保冷材を挿入したのちの切り口が開いた状態となり易く、外気が切り口を通じて直接シート部材に流れ込み、保冷材に外気が作用して保冷材そのものの冷却効果を損ない、保冷持続効果が短くなるとともに、最も目立つ容器の上縁部に切り口が開口するため、容器のデザイン性も損なわれるという問題がある。
【0012】
また、切り口を介してシート部材内に挿入した保冷材を、何らかの理由で外部に取り出すには、取り出し作業が容易ではなく、取り出しに際し切り口を損傷し易く、紙箱自体の体裁を損なうなど、実用化に際して解決すべき課題を有している。
【0013】
この発明はかかる現状に鑑み、包装用紙箱内部に保冷材などを挿入するに際し、包装用紙箱の蓋を開けることなく、挿入作業や取り出し作業をきわめて容易に行うことができ、使用時には開口部を覆うことが可能であって、かつデザイン性が損なわれることのない包装用紙箱を提供せんとするものである。
【0014】
特に、この発明においては、保冷材などの物品を包装用紙箱内に挿入するための開口部が、包装用紙箱の組立て後には、自動的に覆われる包装用紙箱を提供せんとするものであるである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の包装用紙箱は、
台紙を折り組んで形成される包装用紙箱であって、
折り目を共有する面板の一方に、前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成するとともに、
前記一方の面板の裏面から、前記開口部を跨いで他方の面板の裏面に張設される帯状のシートによって、他方の面板との間に物品を収納するためのポケットスペースを形成してなること
を特徴とするものである。
【0016】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の包装用紙箱において、
前記包装用紙箱は、
上蓋と底板を構成する方形の上下一対の面板と、左右の面板を構成する矩形状の一対の面板と、前記上下の面板の、一方の面板の上下折り目に沿ってそれぞれ連設される外フラップと、前記上下の面板の、他方の面板の上下折り目に沿ってそれぞれ連設される外フラップおよび側縁の折り目に沿って連設されるのり代と、前記左右一対の面板の、上下の折り目に沿ってそれぞれ連設される内フラップとから構成されていること
を特徴とするものである。
【0017】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の包装用紙箱において、
前記包装用紙箱は、
容器本体の上部開口部にフラップを有するものであること
を特徴とするものである。
【0018】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の包装用紙箱において、
前記開口部は、
前記折り目を共有する面板の一方に、前記折り目に所要幅で平行し、かつ両端部からそれぞれ前記折り目に至る切り込みによって形成されていること
を特徴とするものである。
【0019】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の包装用紙箱において、
前記開口部は、
折り目を共有する面板の複数に形成されていること
を特徴とするものである。
【0020】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項3に記載の包装用紙箱において、
前記開口部は、
面板と折り目を共有する左右の内フラップのいずれか一方または両方に、それぞれ前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成するとともに、前記一方の面板の裏面から前記各開口部を跨いで前記面板の裏面に帯状のシートが張設され、前記帯状のシートの中央部を前記面板の裏面に貼着固定することによって、物品を収納するためのポケットスペースを2つ形成してなること
を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明の包装用紙箱は、台紙を折り組んで形成される包装用紙箱において、折り目を共有する面板の一方に、前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成すると共に、前記一方の面板の裏面から、前記開口部を跨いで他方の面板の裏面に張設される帯状のシートによって、物品を収納するためのポケットスペースを形成しているので、包装用紙箱内に食品などの物品を収納するための挿入口が閉止されていても、前記開口部を開けることによって、保冷材やおまけなどの物品を、前記ポケットスペースに容易に挿入させて係合保持されることができる。
【0022】
また、開口部はこれを閉じることによって、外気が開口部を通じて包装用紙箱内に流入することを防ぐので、保冷材などを係合保持させたときは、保冷材を長持ちさせることができる。
【0023】
また、保冷材の交換などの場合には、前記開口部を再び開口させることによって、使用済みの保冷材を容易に取り出すことができ、かつ新しい保冷材を簡単にポケットスペースに係合保持させることができる。
【0024】
特に、包装用紙箱に収納する物品の挿入口を、内フラップと外フラップで構成し、前記内フラップに開口部を形成して構成した場合には、当該開口部全体が外フラップで覆われるため、例え指掛け部が切り落とされ透孔が残ったとしても、外気が開口部や前記透孔を通じて包装用紙箱内に流入することがほぼ完全に阻止され、保冷効果を長時間維持させることができ、かつ食品を高い衛生状態で確保することもできる。
【0025】
同時に、切り込みによる開口部が外フラップで覆われるため、デザイン的にも従前の包装用紙箱と変らない形態を保持することができるなど、実用上多大の利点を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明にかかる包装用紙箱の最も好ましい実施形態の一例を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
なお、この発明は実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲内において種々改良を加えることができるものである。
【0027】
図において、図1はこの発明にかかる包装用紙箱の一例を示す展開図、図2は他の包装用紙箱の一例を示す展開図、図3は図1の展開図で示される包装用紙箱の使用直前の状態を示す斜視図、図4は同包装用紙箱の一方の外フラップを開けた状態を示す斜視図、図5は保冷材を装着する直前の説明図、図6は保冷材の装着状態を示す説明図、図7は要部の一部切欠き断面図、図8は保冷材を装着する直前の要部の一部切欠き断面図、図9は保冷材の装着状態を示す要部の一部切欠き断面図、図10は図2に示す包装用紙箱の他の実施形態を示す概略平面図、図11はさらに他の包装用紙箱を示す概略説明図である。
【0028】
図1に示す包装用紙箱1は、デコレーションケーキなどの大きな洋菓子を収納するためのもので、前記洋菓子を低温状態で保持するための保冷材を1個収納することのできるタイプの包装用紙箱である。
【0029】
この包装用紙箱1は、図1で明らかなように、上蓋と底板を構成する方形の上下一対の面板2,3と、左右の側面板を構成する矩形状の一対の面板4,5と、前記面板2(「上蓋2」とも称する。)の上下の縁部(折り目x)に沿って連設される外フラップ2a,2bと、前記面板3(「底板3」とも称する。)の上下の縁部(折り目x)に沿って連設される外フラップ3a,3b、および側縁(折り目x)に沿って連設されるのり代3cと、前記左右一対の面板4,5の、上下の縁部(折り目x)に沿って連設される内フラップ4a,4bと、内フラップ5a,5bとから構成されている。
なお、前記外フラップ2a,2b、3a,3bも、内フラップ4a,4b、5a,5bも、面板を構成するものである。
【0030】
より具体的には、前記各外フラップ2a,2bの上縁中央部には、差込み片2c,2cが、前記外フラップ3a,3bには、前記差込み片2c,2dと対応する位置に、それぞれ差込み部3d,3dが切り込みyによって形成されている。
【0031】
また、前記上蓋2には、持ち運び時に使用される左右一対の把手6,6が、折り目xと切り込みyによって形成され、前記切り込みyの一部に形成された指掛け部6aを切取って各把手6,6を切起こして使用できるよう構成されている。
【0032】
また、前記内フラップ5a,5bのいずれか一方側(実施例においては、内フラップ5a)には、面板5の上縁(折り目x)と所要幅を介して平行に形成される切り込みyと、この切り込みyの両端部から、それぞれ前記折り目xに至る切り込みyによって矩形状の開口部7が形成されている。
なお、前記切り込みyの一部には、指を挿入するための切取り可能な半円状の指掛け部8が、切り込みyによって形成されている。
【0033】
したがって、指掛け部8を押圧すると、切り込みyによって形成された半円形状の部位が抜け落ちて同形の透孔が形成されるので、この透孔内に指を差込み、指を折り曲げた状態で前記開口部7を外側に引っ張り上げると、開口部7が外側に開き、矩形状の挿入口7a(図5参照)が開口する。
【0034】
なお、前記指掛け部8は、切取り可能に形成されているが、切取ってしまうと、当該指掛け部8が外気を包装用紙箱1内に導く通気口となって、保冷材HCの寿命を損なうおそれがある。
したがって、包装用紙箱1の形状や用途によっては、前記指掛け部8を前記開口部7と一体的に形成し、使用に際しては、指掛け部8を上下いずれかの方向に折り曲げ、しかるのち、半円形状に開口した透孔内に指を差込み、指を折り曲げた状態で外側に引っ張り上げ、開口部7を外側に開くようにすることが好ましい。
その後、適宜手段で折り曲げられた指掛け部8を元の位置に復帰させ、開口部7と面一とさせることによって、前記透孔を閉止することができる。
なお、前記指掛け部8は、当初から半円形状の透孔として、前記切り込みyの一部に形成させておいてもよい。
【0035】
また、この包装用紙箱1は、図2で明らかなように、前記上蓋2と、この上蓋2に折り目xを介して連設される外フラップ2aの裏面には、前記上蓋2の形成される左右一対の把手6,6部を覆うようにして、外フラップ2aから外フラップ2bの近傍に至る上蓋2に透明なシート9が貼着(斜線部分は接着剤による固定位置を示す。)されている。
【0036】
なお、この実施例においては、包装用紙箱1は、前記上蓋2に折り目xと切り込みyによって、切起こして使用する把手6,6を形成しているが、把持用の把手は、上蓋2の上面に後付けするものであってもよい。
その場合、前記透明なシート9は当然不要となる。
【0037】
さらに、前記開口部7が位置する面板5の裏面には、前記開口部7の上部の内フラップ5aから、対向する内フラップ5bの近傍に向かって、長手方向に延びる一方の側縁部を、前記開口部7を形成する一方の縦方向の切り込みyに一致させた状態で帯状シート10が貼着されている。
【0038】
その際、図1で明らかなように、前記帯状シート10は、斜線で示す両端部のみが接着剤によって、面板5の裏面と内フラップ5aの裏面に貼着され、その余の部位は、包装用紙箱1には接着固定されていないので、接着剤が貼着されていない帯状シート10と面板5の隙間が、ポケットスペースPとして、後述する保冷材HCを保持する部位となる。
【0039】
なお、この実施例においては、前記各切り込みyはミシン線としているが、ストレートな切り込み線であってもよい。
【0040】
かかる構成からなる包装用紙箱1は、図1において縦方向に形成された折り目xに沿って各部材を内側に折り曲げたのち、のり代3cの表面に接着剤を塗布し、当該のり代3cの表面部を、側面板4の縁部内側に当接して筒状体を形成する。
ついで、横方向に形成された折り目xに沿って、まず内フラップ4a,4bおよび5a,5bを内側に折り曲げたのち、底板3に形成した外フラップ3a,3bを内側に折り曲げる。
しかるのち、上蓋2の外フラップ2a,2bをそれぞれ内側に折り曲げ、各外フラップ2a,2bに形成された差込み片2cを、前記外フラップ3a,3bに形成された各差込部3d,3dに差し込んで、図3に示す包装用紙箱1とするものである。
【0041】
以下、この包装用紙箱1の使用方法を説明する。
まず、図4に示すように、内部にケーキ(図示せず)を収納し、内フラップ4a,5aをそれぞれ内側に折り曲げて、ケーキの挿入部を一旦仮閉止する。(図7参照)
【0042】
ついで、図5に示すように、内フラップ5aに形成された半円状の指掛け部8を切取ったのち、切取りによって形成された透孔内に指先を挿入し、指先を折り曲げて切り込みyに沿って開口部7を外側に引き上げると、開口部7が切り込みyに沿って切起こされ、挿入口7aが開口する。(図8参照)
【0043】
前記挿入口7aが開口すると、その内部には、図8に示すように、帯状のシート10が側面板5から、前記開口部7を跨って内フラップ5aに張設され、帯状のシート10と面板5の内側との間にポケットスペースPが形成されている。
【0044】
よって、図5又は図8に示すように、適宜な大きさの保冷材HCを前記挿入口7aからポケットスペースPに押し込めば、保冷材HCは、図6又は図9に示すように、前記帯状シート10と面板5の内側間のポケットスペースPに係合保持される。
【0045】
前記要領でポケットスペースPに保冷材HCを係合保持させたのちは、切起こした開口部7を内フラップaと面一になるように倒したのち、底板3に連なる外フラップ3aを内フラップ4a,5aに当接させるよう起立させる。
ついで、上蓋2に連なる外フラップ2aを折り曲げ、その前縁に形成された差込み片2cを、前記外フラップ3aに形成された差込み部3dと係合させれば、図3に示す包装用紙箱1となるので、把手6,6を切越して顧客に渡すものである。
【0046】
その際、内フラップ5aから切取られた指掛け部8は、半円形の状態の透孔として残るが、その透孔は外フラップ3aによって完全に覆われるので、外気が透孔を通じて直接包装用紙箱1内に流入し、保冷材HCを急激に暖めるおそれがないので、保冷材HCによる低温維持を長く持続させることが可能となる。
【0047】
また、前記帯状のシート10によるポケットスペースPは、包装用紙箱1内にケーキなどの収納物を一旦収納したのち、必要があれば、前記手順で開口部7を開口させることによって、随時保冷材HCなどの物品を包装用紙箱1内に収納させることができる。
【0048】
このポケットスペースPは、実施例においては、保冷材HCを係合保持しているが、保冷材HC以外に、誕生日用のローソクやおまけのフィギュアなどの物品も係合保持させることができるので、包装用紙箱1の用途に応じてポケットスペースPに収納する物品を適宜選択することができる。
【0049】
図2に示す実施例は、左右の側面板を形成する一方の面板5の、上下の折り目xに沿って連設される内フラップ5a,5bにそれぞれ開口部7,7を形成し、かつこれら開口部7,7を跨げて、面板5と内フラップ5a,5bの裏面に帯状のシート10を張設固定し、かつ前記帯状のシート10によって、2つのポケットスペースP,Pを形成したものである。
なお、図1と同一部分は、同一の符号で示す。
【0050】
より具体的には、面板5に連設される各内フラップ5a,5bに、それぞれ折り目xに沿って、所要幅で平行に形成される切り込みyと、この切り込みyの両端部から、それぞれ前記折り目xに至る切り込みyによって、矩形状の開口部7,7を形成する。
【0051】
しかるのち、前記開口部7,7が位置する面板5の裏面には、一方の内フラップ5aから、対向する他方の内フラップ5bに向かって、各開口部7,7を跨ぐように、かつ長手方向に延びる一方の側縁部を、前記開口部7,7を形成する一方の縦方向の切り込みyに一致させた状態で帯状のシート10が張設されたものである。
【0052】
この帯状のシート10の両端部を、それぞれ内フラップ5a,5bの裏面に、その中央部を面板5の裏面中央部にそれぞれ接着固定させることによって、各開口部7,7から挿入された物品を係合保持するための二つのポケットスペースP,Pとしたものである。
なお、図2中、斜線部分は接着剤による固定位置を示す。
【0053】
また、前記平行に形成された切り込みyの一部には、指を挿入するための切取り可能な指掛け部8が、切り込みyによって形成されている。
したがって、指掛け部8を押圧すると、切り込みyによって形成された半円形の部位が抜け落ち透孔が形成されるので、この透孔内に指を差込み、開口部7を外側に引っ張ると、開口部7が外側に開き、矩形状の挿入口7aを開口させることができる。
【0054】
図2に示す包装用紙箱1の使用法は、基本的に図1に示す包装用紙箱1の場合と同様であるが、物品を係合保持するポケットスペースPが2つ形成されているので、一方に保冷材を、他方にローソクやおまけなど適宜な物品を保持させることができる。
【0055】
また、図示しないが、図1の実施例においては、面板4にも面板5に形成された同様の開口部7を設けて、同様な構成とすることことによって、2箇所のポケットスペースを設けることができる。
また、図2の実施例においても、図10に示すように、面板4にも面板5に形成された同様の開口部7,7を設けて、同様な構成とすることによって、4箇所のポケットスペースPを設けることができるなど、包装用紙箱の用途や収納する物品の数によって、開口部を設ける位置やポケットスペース数を自在に選択することができる。
【0056】
さらに、前記指掛け部8も、前記実施例と同様に、切り離しできないように構成することも可能なものである。
【0057】
前記の実施例における包装用紙箱1は、所要の厚みを有する一枚の台紙から構成されるもので、台紙の素材には特段の限定はないが、所要の厚みを有するダンボールを使用することが、開口部7の復元性を増す観点から好ましいものである。
また、使用する帯状のシート10の素材については特段の制限はないものの、廉価なフィルムを使用することが好ましいが、保冷効果を高めるには、不織布などを利用することが好ましい。
さらに、前記帯状のシート10を設ける位置は、係合保持する物品の一部が底板3によって一部支持される低い位置が好ましいが、この点についても特段の制限はない。
【0058】
図11に示す包装用紙箱11は、さらにこの発明にかかる包装用紙箱の他の実施例を示すものであって、側面板を構成する面板12a,12b,12cおよび12dからなる所要の深さを有する容器本体12と、この容器本体12の上部開口部を閉止するための蓋体13とから構成されたものである。
また、前記容器本体12の開口部の相対する左右の面板12bと12dの上縁には、それぞれ折り目xを介して面板を構成するフラップ14,14が一体的に形成され、開口部を仮閉止できるよう構成されている。
なお、前記蓋体13は、後部の面板12aに折り目xを介して連設されているが、この蓋体は容器本体12とは別体のものであってもよい。
【0059】
かかる包装用紙箱11において、前記各フラップ14,14には、それぞれ折り目xに沿って切り込みyによって開口部15,15が形成されるとともに、前記切り込みyの一部に指掛け部16が形成されている。
【0060】
また、前記各開口部15が位置するフラップ14,14の裏面からは、前記開口部15を跨いで連設する面板12b,12dに向かって帯状のシート17が張設され、面板12bおよび12dと前記帯状のシート17との間に、それぞれポケットスペースを形成して保冷材の係合保持部としたものである。
【0061】
この実施例の包装用紙箱11も、前記実施例で述べたように、容器本体12内にケーキなどの物品(図示せず)を収納し、蓋体13で開口部を閉止したのち、保冷材HCなどの物品を容器本体12内に保持させる場合、フラップ14に形成した開口部15開き、矩形状に開いた挿入口からポケットスペースに保冷材の係合保持さるものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
この発明にかかる包装用紙箱は、特に、一定時間低温状態を保持することが求められるケーキ類や惣菜などの食品の包装に用いるのに好都合なものであるが、包装用紙箱の用途には特段の限定はないので、物品を包装用紙箱内に収納したのち、外部から保冷材、除湿材、保温材、ローソクやおまけ、さらには香料など各種の物品を、包装用紙箱の蓋を開けることなく、自在に出し入れすることができるので、広い用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明にかかる包装用紙箱の一例を示す展開図である。
【図2】この発明にかかる他の包装用紙箱の一例を示す展開図である。
【図3】図1の展開図で示される包装用紙箱の使用直前の状態を示す斜視図である。
【図4】同包装用紙箱の一方の外フラップを開けた状態を示す斜視図である。
【図5】保冷材を装着する直前の概略説明図である。
【図6】保冷材の装着状態を示す説明図である。
【図7】図1に示す包装用紙箱の要部の一部切欠き断面図である。
【図8】保冷材を装着する直前の要部の一部切欠き断面図である。
【図9】保冷材の装着状態を示す要部の一部切欠き断面図である。
【図10】図2に示す包装用紙箱の他の実施形態を示す概略平面図である。
【図11】さらに他の包装用紙箱を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0064】
1 包装用紙箱
2 面板(上蓋)
2a,2b 外フラップ
2c 差込み片
3 面板(底部)
3a,3b 外フラップ
3d 差込み部
4,5 面板
4a,4b 内フラップ
5a,5b 内フラップ
6 把手
7 開口部
7a 挿入口
8 指掛け部
10 帯状のシート
x 折り目
y 切り込み
P ポケットスペース
HC 保冷材
【技術分野】
【0001】
この発明は、外気温など外部要因による影響を受け易い物品、あるいは購入した物品に添えられるおまけなどを収納するのに好適な包装用紙箱に関するもので、なかでも、ケーキ類などの食品の包装に好適な包装用紙箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生のケーキ類やお弁当、さらにはお惣菜などを持ち運ぶための包装用紙箱は、収納する前記物品を低温に保持することが求められるため、包装用紙箱内にドライアイスなどの保冷材を物品と一緒に収納することが一般的に行われている。
【0003】
例えば、実公平 6−21856号公報(特許文献1;実願昭61−46942)においては、本体と蓋とから構成される包装容器において、前記蓋の裏面に、この裏面の大部分を覆う防湿材の少なくとも三辺を貼り付け、前記防湿材に開口を形成して、箸、手ふきを挿入しているポケットを設けた包装容器が提案されている。
【0004】
また、実開昭64−39287号公報(特許文献2)においては、耐水性の容器の内側に、透水性シートの周縁部を固着して形成した袋状物の中へ、吸水樹脂の粉末又は2枚の薄紙の中間層に吸水性樹脂を均一に散在させる加工を施した吸水樹脂シートを封入した保冷保温用容器が提案されている。
【0005】
また、実開平 1−73113号公報(特許文献3)には、ダンボールで形成されたカートン本体の内面に、ポリエチレンフィルムなどからなる防湿防水層がコーティングなどの手段で形成され、当該防湿防水層内に防湿剤を着脱自在に収容するポケットを設けたダンボール製カートンが開示されている。
【0006】
また、特開2004−359312号公報(特許文献4)には、保冷材を収容あるいは取出しを行うときには、その都度、紙箱を開放することなく、食品に形状崩れを生じさせないため、生菓子などの食品を収納する紙箱の内面に、紙箱の外側より挿入させて保持する保冷材の収納保持部を設けた紙箱の保冷材収納構造が開示されている。
【0007】
前記紙箱の保冷材収納構造は、より具体的には、紙箱内面にシート部材の周縁を固着させ、シート部材周縁内の紙箱外面に保冷材挿入用の切り口を開設させ、切り口から紙箱内に保冷材を挿入させるものである。
【0008】
さらに、特許第3953445号公報(特許文献5)には、生菓子などの食品を収納する紙箱の上側部内面にシート部材を接着し、紙箱の上側部内面とシート部材間に、保冷材を収納保持する保冷材収納部を形成する構造において、不織布で形成される前記シート部材の3辺外側端部に凹形状の接着部を形成するとともに、該凹形状の接着部の両端を中央方向にL形状に曲げた部分により接着端部を形成し、前記シート部材の残りの1辺が開放部となるように、前記接着部と接着端部を紙箱の上側部内面に接着したことによって、紙箱の上側部内面にスペースをとることなくコンパクトに保冷材を収納して、保冷を必要とする食品の品質を良好に保った紙箱に対する収納を可能とさせることができる紙箱の保冷材収納構造が開示されている。
【特許文献1】実公平 6−21856号公報(実用新案登録請求の範囲,第1図)
【特許文献2】実開昭64−39287号公報(実用新案登録請求の範囲,第1図)
【特許文献3】実開平 1−73113号公報(実用新案登録請求の範囲,第1図)
【特許文献4】特開2004−359312号公報(特許請求の範囲,図1)
【特許文献5】特許第3953445号公報(段落0006,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記公知文献において、特許文献1〜3および特許文献5に記載の発明は、いずれも容器本体の内側に設けたポケット内に、防湿剤や保冷剤などの物品を収納する方式のものである。
しかしながら、この方式は、特許文献4の段落0004で述べられているように、保冷材を収容あるいは取り出しを行うときには、その都度、紙箱を開放する必要があるので、極めて煩らしいばかりでなく、被包装物である食品に形状崩れを生じさせるなどの不都合があった。
【0010】
これに対し、特許文献4に記載の紙箱の保冷材収納構造は、先に述べたように、紙箱内面にシート部材の周縁を固着させ、シート部材周縁内の紙箱外面に保冷材挿入用の切り口を開設させ、切り口から紙箱内に保冷材を挿入させるものであるので、前記のような問題点が解消されるとしている。
【0011】
しかしながら、シート部材周縁内の紙箱外面に形成された保冷材挿入用の切り口を利用して、ある程度の厚みのある保冷材を挿入するには、前記切り口を大きく開口させる必要があるとともに、紙箱を構成する台紙は、弾性に乏しく、復元力が余り作用しないため、保冷材を挿入したのちの切り口が開いた状態となり易く、外気が切り口を通じて直接シート部材に流れ込み、保冷材に外気が作用して保冷材そのものの冷却効果を損ない、保冷持続効果が短くなるとともに、最も目立つ容器の上縁部に切り口が開口するため、容器のデザイン性も損なわれるという問題がある。
【0012】
また、切り口を介してシート部材内に挿入した保冷材を、何らかの理由で外部に取り出すには、取り出し作業が容易ではなく、取り出しに際し切り口を損傷し易く、紙箱自体の体裁を損なうなど、実用化に際して解決すべき課題を有している。
【0013】
この発明はかかる現状に鑑み、包装用紙箱内部に保冷材などを挿入するに際し、包装用紙箱の蓋を開けることなく、挿入作業や取り出し作業をきわめて容易に行うことができ、使用時には開口部を覆うことが可能であって、かつデザイン性が損なわれることのない包装用紙箱を提供せんとするものである。
【0014】
特に、この発明においては、保冷材などの物品を包装用紙箱内に挿入するための開口部が、包装用紙箱の組立て後には、自動的に覆われる包装用紙箱を提供せんとするものであるである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の包装用紙箱は、
台紙を折り組んで形成される包装用紙箱であって、
折り目を共有する面板の一方に、前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成するとともに、
前記一方の面板の裏面から、前記開口部を跨いで他方の面板の裏面に張設される帯状のシートによって、他方の面板との間に物品を収納するためのポケットスペースを形成してなること
を特徴とするものである。
【0016】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の包装用紙箱において、
前記包装用紙箱は、
上蓋と底板を構成する方形の上下一対の面板と、左右の面板を構成する矩形状の一対の面板と、前記上下の面板の、一方の面板の上下折り目に沿ってそれぞれ連設される外フラップと、前記上下の面板の、他方の面板の上下折り目に沿ってそれぞれ連設される外フラップおよび側縁の折り目に沿って連設されるのり代と、前記左右一対の面板の、上下の折り目に沿ってそれぞれ連設される内フラップとから構成されていること
を特徴とするものである。
【0017】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の包装用紙箱において、
前記包装用紙箱は、
容器本体の上部開口部にフラップを有するものであること
を特徴とするものである。
【0018】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の包装用紙箱において、
前記開口部は、
前記折り目を共有する面板の一方に、前記折り目に所要幅で平行し、かつ両端部からそれぞれ前記折り目に至る切り込みによって形成されていること
を特徴とするものである。
【0019】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の包装用紙箱において、
前記開口部は、
折り目を共有する面板の複数に形成されていること
を特徴とするものである。
【0020】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項3に記載の包装用紙箱において、
前記開口部は、
面板と折り目を共有する左右の内フラップのいずれか一方または両方に、それぞれ前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成するとともに、前記一方の面板の裏面から前記各開口部を跨いで前記面板の裏面に帯状のシートが張設され、前記帯状のシートの中央部を前記面板の裏面に貼着固定することによって、物品を収納するためのポケットスペースを2つ形成してなること
を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明の包装用紙箱は、台紙を折り組んで形成される包装用紙箱において、折り目を共有する面板の一方に、前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成すると共に、前記一方の面板の裏面から、前記開口部を跨いで他方の面板の裏面に張設される帯状のシートによって、物品を収納するためのポケットスペースを形成しているので、包装用紙箱内に食品などの物品を収納するための挿入口が閉止されていても、前記開口部を開けることによって、保冷材やおまけなどの物品を、前記ポケットスペースに容易に挿入させて係合保持されることができる。
【0022】
また、開口部はこれを閉じることによって、外気が開口部を通じて包装用紙箱内に流入することを防ぐので、保冷材などを係合保持させたときは、保冷材を長持ちさせることができる。
【0023】
また、保冷材の交換などの場合には、前記開口部を再び開口させることによって、使用済みの保冷材を容易に取り出すことができ、かつ新しい保冷材を簡単にポケットスペースに係合保持させることができる。
【0024】
特に、包装用紙箱に収納する物品の挿入口を、内フラップと外フラップで構成し、前記内フラップに開口部を形成して構成した場合には、当該開口部全体が外フラップで覆われるため、例え指掛け部が切り落とされ透孔が残ったとしても、外気が開口部や前記透孔を通じて包装用紙箱内に流入することがほぼ完全に阻止され、保冷効果を長時間維持させることができ、かつ食品を高い衛生状態で確保することもできる。
【0025】
同時に、切り込みによる開口部が外フラップで覆われるため、デザイン的にも従前の包装用紙箱と変らない形態を保持することができるなど、実用上多大の利点を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明にかかる包装用紙箱の最も好ましい実施形態の一例を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
なお、この発明は実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲内において種々改良を加えることができるものである。
【0027】
図において、図1はこの発明にかかる包装用紙箱の一例を示す展開図、図2は他の包装用紙箱の一例を示す展開図、図3は図1の展開図で示される包装用紙箱の使用直前の状態を示す斜視図、図4は同包装用紙箱の一方の外フラップを開けた状態を示す斜視図、図5は保冷材を装着する直前の説明図、図6は保冷材の装着状態を示す説明図、図7は要部の一部切欠き断面図、図8は保冷材を装着する直前の要部の一部切欠き断面図、図9は保冷材の装着状態を示す要部の一部切欠き断面図、図10は図2に示す包装用紙箱の他の実施形態を示す概略平面図、図11はさらに他の包装用紙箱を示す概略説明図である。
【0028】
図1に示す包装用紙箱1は、デコレーションケーキなどの大きな洋菓子を収納するためのもので、前記洋菓子を低温状態で保持するための保冷材を1個収納することのできるタイプの包装用紙箱である。
【0029】
この包装用紙箱1は、図1で明らかなように、上蓋と底板を構成する方形の上下一対の面板2,3と、左右の側面板を構成する矩形状の一対の面板4,5と、前記面板2(「上蓋2」とも称する。)の上下の縁部(折り目x)に沿って連設される外フラップ2a,2bと、前記面板3(「底板3」とも称する。)の上下の縁部(折り目x)に沿って連設される外フラップ3a,3b、および側縁(折り目x)に沿って連設されるのり代3cと、前記左右一対の面板4,5の、上下の縁部(折り目x)に沿って連設される内フラップ4a,4bと、内フラップ5a,5bとから構成されている。
なお、前記外フラップ2a,2b、3a,3bも、内フラップ4a,4b、5a,5bも、面板を構成するものである。
【0030】
より具体的には、前記各外フラップ2a,2bの上縁中央部には、差込み片2c,2cが、前記外フラップ3a,3bには、前記差込み片2c,2dと対応する位置に、それぞれ差込み部3d,3dが切り込みyによって形成されている。
【0031】
また、前記上蓋2には、持ち運び時に使用される左右一対の把手6,6が、折り目xと切り込みyによって形成され、前記切り込みyの一部に形成された指掛け部6aを切取って各把手6,6を切起こして使用できるよう構成されている。
【0032】
また、前記内フラップ5a,5bのいずれか一方側(実施例においては、内フラップ5a)には、面板5の上縁(折り目x)と所要幅を介して平行に形成される切り込みyと、この切り込みyの両端部から、それぞれ前記折り目xに至る切り込みyによって矩形状の開口部7が形成されている。
なお、前記切り込みyの一部には、指を挿入するための切取り可能な半円状の指掛け部8が、切り込みyによって形成されている。
【0033】
したがって、指掛け部8を押圧すると、切り込みyによって形成された半円形状の部位が抜け落ちて同形の透孔が形成されるので、この透孔内に指を差込み、指を折り曲げた状態で前記開口部7を外側に引っ張り上げると、開口部7が外側に開き、矩形状の挿入口7a(図5参照)が開口する。
【0034】
なお、前記指掛け部8は、切取り可能に形成されているが、切取ってしまうと、当該指掛け部8が外気を包装用紙箱1内に導く通気口となって、保冷材HCの寿命を損なうおそれがある。
したがって、包装用紙箱1の形状や用途によっては、前記指掛け部8を前記開口部7と一体的に形成し、使用に際しては、指掛け部8を上下いずれかの方向に折り曲げ、しかるのち、半円形状に開口した透孔内に指を差込み、指を折り曲げた状態で外側に引っ張り上げ、開口部7を外側に開くようにすることが好ましい。
その後、適宜手段で折り曲げられた指掛け部8を元の位置に復帰させ、開口部7と面一とさせることによって、前記透孔を閉止することができる。
なお、前記指掛け部8は、当初から半円形状の透孔として、前記切り込みyの一部に形成させておいてもよい。
【0035】
また、この包装用紙箱1は、図2で明らかなように、前記上蓋2と、この上蓋2に折り目xを介して連設される外フラップ2aの裏面には、前記上蓋2の形成される左右一対の把手6,6部を覆うようにして、外フラップ2aから外フラップ2bの近傍に至る上蓋2に透明なシート9が貼着(斜線部分は接着剤による固定位置を示す。)されている。
【0036】
なお、この実施例においては、包装用紙箱1は、前記上蓋2に折り目xと切り込みyによって、切起こして使用する把手6,6を形成しているが、把持用の把手は、上蓋2の上面に後付けするものであってもよい。
その場合、前記透明なシート9は当然不要となる。
【0037】
さらに、前記開口部7が位置する面板5の裏面には、前記開口部7の上部の内フラップ5aから、対向する内フラップ5bの近傍に向かって、長手方向に延びる一方の側縁部を、前記開口部7を形成する一方の縦方向の切り込みyに一致させた状態で帯状シート10が貼着されている。
【0038】
その際、図1で明らかなように、前記帯状シート10は、斜線で示す両端部のみが接着剤によって、面板5の裏面と内フラップ5aの裏面に貼着され、その余の部位は、包装用紙箱1には接着固定されていないので、接着剤が貼着されていない帯状シート10と面板5の隙間が、ポケットスペースPとして、後述する保冷材HCを保持する部位となる。
【0039】
なお、この実施例においては、前記各切り込みyはミシン線としているが、ストレートな切り込み線であってもよい。
【0040】
かかる構成からなる包装用紙箱1は、図1において縦方向に形成された折り目xに沿って各部材を内側に折り曲げたのち、のり代3cの表面に接着剤を塗布し、当該のり代3cの表面部を、側面板4の縁部内側に当接して筒状体を形成する。
ついで、横方向に形成された折り目xに沿って、まず内フラップ4a,4bおよび5a,5bを内側に折り曲げたのち、底板3に形成した外フラップ3a,3bを内側に折り曲げる。
しかるのち、上蓋2の外フラップ2a,2bをそれぞれ内側に折り曲げ、各外フラップ2a,2bに形成された差込み片2cを、前記外フラップ3a,3bに形成された各差込部3d,3dに差し込んで、図3に示す包装用紙箱1とするものである。
【0041】
以下、この包装用紙箱1の使用方法を説明する。
まず、図4に示すように、内部にケーキ(図示せず)を収納し、内フラップ4a,5aをそれぞれ内側に折り曲げて、ケーキの挿入部を一旦仮閉止する。(図7参照)
【0042】
ついで、図5に示すように、内フラップ5aに形成された半円状の指掛け部8を切取ったのち、切取りによって形成された透孔内に指先を挿入し、指先を折り曲げて切り込みyに沿って開口部7を外側に引き上げると、開口部7が切り込みyに沿って切起こされ、挿入口7aが開口する。(図8参照)
【0043】
前記挿入口7aが開口すると、その内部には、図8に示すように、帯状のシート10が側面板5から、前記開口部7を跨って内フラップ5aに張設され、帯状のシート10と面板5の内側との間にポケットスペースPが形成されている。
【0044】
よって、図5又は図8に示すように、適宜な大きさの保冷材HCを前記挿入口7aからポケットスペースPに押し込めば、保冷材HCは、図6又は図9に示すように、前記帯状シート10と面板5の内側間のポケットスペースPに係合保持される。
【0045】
前記要領でポケットスペースPに保冷材HCを係合保持させたのちは、切起こした開口部7を内フラップaと面一になるように倒したのち、底板3に連なる外フラップ3aを内フラップ4a,5aに当接させるよう起立させる。
ついで、上蓋2に連なる外フラップ2aを折り曲げ、その前縁に形成された差込み片2cを、前記外フラップ3aに形成された差込み部3dと係合させれば、図3に示す包装用紙箱1となるので、把手6,6を切越して顧客に渡すものである。
【0046】
その際、内フラップ5aから切取られた指掛け部8は、半円形の状態の透孔として残るが、その透孔は外フラップ3aによって完全に覆われるので、外気が透孔を通じて直接包装用紙箱1内に流入し、保冷材HCを急激に暖めるおそれがないので、保冷材HCによる低温維持を長く持続させることが可能となる。
【0047】
また、前記帯状のシート10によるポケットスペースPは、包装用紙箱1内にケーキなどの収納物を一旦収納したのち、必要があれば、前記手順で開口部7を開口させることによって、随時保冷材HCなどの物品を包装用紙箱1内に収納させることができる。
【0048】
このポケットスペースPは、実施例においては、保冷材HCを係合保持しているが、保冷材HC以外に、誕生日用のローソクやおまけのフィギュアなどの物品も係合保持させることができるので、包装用紙箱1の用途に応じてポケットスペースPに収納する物品を適宜選択することができる。
【0049】
図2に示す実施例は、左右の側面板を形成する一方の面板5の、上下の折り目xに沿って連設される内フラップ5a,5bにそれぞれ開口部7,7を形成し、かつこれら開口部7,7を跨げて、面板5と内フラップ5a,5bの裏面に帯状のシート10を張設固定し、かつ前記帯状のシート10によって、2つのポケットスペースP,Pを形成したものである。
なお、図1と同一部分は、同一の符号で示す。
【0050】
より具体的には、面板5に連設される各内フラップ5a,5bに、それぞれ折り目xに沿って、所要幅で平行に形成される切り込みyと、この切り込みyの両端部から、それぞれ前記折り目xに至る切り込みyによって、矩形状の開口部7,7を形成する。
【0051】
しかるのち、前記開口部7,7が位置する面板5の裏面には、一方の内フラップ5aから、対向する他方の内フラップ5bに向かって、各開口部7,7を跨ぐように、かつ長手方向に延びる一方の側縁部を、前記開口部7,7を形成する一方の縦方向の切り込みyに一致させた状態で帯状のシート10が張設されたものである。
【0052】
この帯状のシート10の両端部を、それぞれ内フラップ5a,5bの裏面に、その中央部を面板5の裏面中央部にそれぞれ接着固定させることによって、各開口部7,7から挿入された物品を係合保持するための二つのポケットスペースP,Pとしたものである。
なお、図2中、斜線部分は接着剤による固定位置を示す。
【0053】
また、前記平行に形成された切り込みyの一部には、指を挿入するための切取り可能な指掛け部8が、切り込みyによって形成されている。
したがって、指掛け部8を押圧すると、切り込みyによって形成された半円形の部位が抜け落ち透孔が形成されるので、この透孔内に指を差込み、開口部7を外側に引っ張ると、開口部7が外側に開き、矩形状の挿入口7aを開口させることができる。
【0054】
図2に示す包装用紙箱1の使用法は、基本的に図1に示す包装用紙箱1の場合と同様であるが、物品を係合保持するポケットスペースPが2つ形成されているので、一方に保冷材を、他方にローソクやおまけなど適宜な物品を保持させることができる。
【0055】
また、図示しないが、図1の実施例においては、面板4にも面板5に形成された同様の開口部7を設けて、同様な構成とすることことによって、2箇所のポケットスペースを設けることができる。
また、図2の実施例においても、図10に示すように、面板4にも面板5に形成された同様の開口部7,7を設けて、同様な構成とすることによって、4箇所のポケットスペースPを設けることができるなど、包装用紙箱の用途や収納する物品の数によって、開口部を設ける位置やポケットスペース数を自在に選択することができる。
【0056】
さらに、前記指掛け部8も、前記実施例と同様に、切り離しできないように構成することも可能なものである。
【0057】
前記の実施例における包装用紙箱1は、所要の厚みを有する一枚の台紙から構成されるもので、台紙の素材には特段の限定はないが、所要の厚みを有するダンボールを使用することが、開口部7の復元性を増す観点から好ましいものである。
また、使用する帯状のシート10の素材については特段の制限はないものの、廉価なフィルムを使用することが好ましいが、保冷効果を高めるには、不織布などを利用することが好ましい。
さらに、前記帯状のシート10を設ける位置は、係合保持する物品の一部が底板3によって一部支持される低い位置が好ましいが、この点についても特段の制限はない。
【0058】
図11に示す包装用紙箱11は、さらにこの発明にかかる包装用紙箱の他の実施例を示すものであって、側面板を構成する面板12a,12b,12cおよび12dからなる所要の深さを有する容器本体12と、この容器本体12の上部開口部を閉止するための蓋体13とから構成されたものである。
また、前記容器本体12の開口部の相対する左右の面板12bと12dの上縁には、それぞれ折り目xを介して面板を構成するフラップ14,14が一体的に形成され、開口部を仮閉止できるよう構成されている。
なお、前記蓋体13は、後部の面板12aに折り目xを介して連設されているが、この蓋体は容器本体12とは別体のものであってもよい。
【0059】
かかる包装用紙箱11において、前記各フラップ14,14には、それぞれ折り目xに沿って切り込みyによって開口部15,15が形成されるとともに、前記切り込みyの一部に指掛け部16が形成されている。
【0060】
また、前記各開口部15が位置するフラップ14,14の裏面からは、前記開口部15を跨いで連設する面板12b,12dに向かって帯状のシート17が張設され、面板12bおよび12dと前記帯状のシート17との間に、それぞれポケットスペースを形成して保冷材の係合保持部としたものである。
【0061】
この実施例の包装用紙箱11も、前記実施例で述べたように、容器本体12内にケーキなどの物品(図示せず)を収納し、蓋体13で開口部を閉止したのち、保冷材HCなどの物品を容器本体12内に保持させる場合、フラップ14に形成した開口部15開き、矩形状に開いた挿入口からポケットスペースに保冷材の係合保持さるものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
この発明にかかる包装用紙箱は、特に、一定時間低温状態を保持することが求められるケーキ類や惣菜などの食品の包装に用いるのに好都合なものであるが、包装用紙箱の用途には特段の限定はないので、物品を包装用紙箱内に収納したのち、外部から保冷材、除湿材、保温材、ローソクやおまけ、さらには香料など各種の物品を、包装用紙箱の蓋を開けることなく、自在に出し入れすることができるので、広い用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明にかかる包装用紙箱の一例を示す展開図である。
【図2】この発明にかかる他の包装用紙箱の一例を示す展開図である。
【図3】図1の展開図で示される包装用紙箱の使用直前の状態を示す斜視図である。
【図4】同包装用紙箱の一方の外フラップを開けた状態を示す斜視図である。
【図5】保冷材を装着する直前の概略説明図である。
【図6】保冷材の装着状態を示す説明図である。
【図7】図1に示す包装用紙箱の要部の一部切欠き断面図である。
【図8】保冷材を装着する直前の要部の一部切欠き断面図である。
【図9】保冷材の装着状態を示す要部の一部切欠き断面図である。
【図10】図2に示す包装用紙箱の他の実施形態を示す概略平面図である。
【図11】さらに他の包装用紙箱を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0064】
1 包装用紙箱
2 面板(上蓋)
2a,2b 外フラップ
2c 差込み片
3 面板(底部)
3a,3b 外フラップ
3d 差込み部
4,5 面板
4a,4b 内フラップ
5a,5b 内フラップ
6 把手
7 開口部
7a 挿入口
8 指掛け部
10 帯状のシート
x 折り目
y 切り込み
P ポケットスペース
HC 保冷材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙を折り組んで形成される包装用紙箱であって、
折り目を共有する面板の一方に、前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成するとともに、
前記一方の面板の裏面から、前記開口部を跨いで他方の面板の裏面に張設される帯状のシートによって、他方の面板との間に物品を収納するためのポケットスペースを形成してなること
を特徴とする包装用紙箱。
【請求項2】
前記包装用紙箱は、
上蓋と底板を構成する方形の上下一対の面板と、左右の面板を構成する矩形状の一対の面板と、前記上下の面板の、一方の面板の上下折り目に沿ってそれぞれ連設される外フラップと、前記上下の面板の、他方の面板の上下折り目に沿ってそれぞれ連設される外フラップおよび側縁の折り目に沿って連設されるのり代と、前記左右一対の面板の、上下の折り目に沿ってそれぞれ連設される内フラップとから構成されていること
を特徴とする請求項1に記載の包装用紙箱。
【請求項3】
前記包装用紙箱は、
容器本体の上部開口部にフラップを有するものであること
を特徴とする請求項1に記載の包装用紙箱。
【請求項4】
前記開口部は、
前記折り目を共有する面板の一方に、前記折り目に所要幅で平行し、かつ両端部からそれぞれ前記折り目に至る切り込みによって形成されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装用紙箱。
【請求項5】
前記開口部は、
折り目を共有する面板の複数に形成されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装用紙箱。
【請求項6】
前記開口部は、
面板と折り目を共有する左右の内フラップのいずれか一方または両方に、それぞれ前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成するとともに、前記一方の面板の裏面から前記各開口部を跨いで前記面板の裏面に帯状のシートが張設され、前記帯状のシートの中央部を前記面板の裏面に貼着固定することによって、物品を収納するためのポケットスペースを2つ形成してなること
を特徴とする請求項3に記載の包装用紙箱。
【請求項1】
台紙を折り組んで形成される包装用紙箱であって、
折り目を共有する面板の一方に、前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成するとともに、
前記一方の面板の裏面から、前記開口部を跨いで他方の面板の裏面に張設される帯状のシートによって、他方の面板との間に物品を収納するためのポケットスペースを形成してなること
を特徴とする包装用紙箱。
【請求項2】
前記包装用紙箱は、
上蓋と底板を構成する方形の上下一対の面板と、左右の面板を構成する矩形状の一対の面板と、前記上下の面板の、一方の面板の上下折り目に沿ってそれぞれ連設される外フラップと、前記上下の面板の、他方の面板の上下折り目に沿ってそれぞれ連設される外フラップおよび側縁の折り目に沿って連設されるのり代と、前記左右一対の面板の、上下の折り目に沿ってそれぞれ連設される内フラップとから構成されていること
を特徴とする請求項1に記載の包装用紙箱。
【請求項3】
前記包装用紙箱は、
容器本体の上部開口部にフラップを有するものであること
を特徴とする請求項1に記載の包装用紙箱。
【請求項4】
前記開口部は、
前記折り目を共有する面板の一方に、前記折り目に所要幅で平行し、かつ両端部からそれぞれ前記折り目に至る切り込みによって形成されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装用紙箱。
【請求項5】
前記開口部は、
折り目を共有する面板の複数に形成されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装用紙箱。
【請求項6】
前記開口部は、
面板と折り目を共有する左右の内フラップのいずれか一方または両方に、それぞれ前記折り目を折曲部とする開閉自在な開口部を形成するとともに、前記一方の面板の裏面から前記各開口部を跨いで前記面板の裏面に帯状のシートが張設され、前記帯状のシートの中央部を前記面板の裏面に貼着固定することによって、物品を収納するためのポケットスペースを2つ形成してなること
を特徴とする請求項3に記載の包装用紙箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−137903(P2010−137903A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318120(P2008−318120)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000106715)ザ・パック株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000106715)ザ・パック株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
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