説明

化学発光利用化粧・美容方法、皮膚照射美容用発光体及び化粧・美容用具

化学発光を用いた美容法、化粧法及び皮膚照射美容用発光体及び美容用具の提供。
【選択図面】 図3

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低出力の発光である化学発光を用いた美容法、化粧法及び皮膚照射美容用発光体及び化粧用具、美容用具等に関する。
【背景技術】
【0002】
スキンケアや皮膚の活性化等を目的として光を用いる技術思想は見あたらない。特に、化学発光は美容や化粧に活用されていない。
化粧の分野では、光は皮膚にダメージを与える原因の一つであって、避けるべきものとして扱われ、多くの光遮断用や防護用の化粧品が提案されている。例外的な使用としては、積極的に日焼け色を出すために日焼けサロンなどでの利用がされている。
また、治療的な使用として、レーザー光を局部的に使用する利用法も提供されている。
レーザー光のような強い光を利用する提案としては、次のようなものがある。
特許文献1(特開2004−733号公報)レーザー脱毛装置、特許文献2(特開2003−12487号公報)美容液を皮膚に塗布し、その上からレーザー光を照射して脱毛等のレーザートリートメントを行う、特許文献3(特開平11−342213号公報)肌、特に顔面の肌の気になる箇所にレーザー光の吸収率を高め且つ常に一定の吸収効果を得るように新陳代謝を促進して美容的処置効果に優れた美肌づくりを可能とするレーザー光吸収補助テ−プとそれを利用した美容処置法。
【0003】
日焼け増進目的外の光の利用は、治療的な利用が多く、日光のような強い光は、皮膚の炎症や日焼け後の色素沈着や皮膚の老化促進の原因となるものとされ、美容や化粧に積極的に利用されていない。
【特許文献1】特開2004−733号公報
【特許文献2】特開2003−12487号公報
【特許文献3】特開平11−342213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、新しい美容法、化粧法を研究開発する過程で、化学発光による光の皮膚に対する作用を見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、化学発光を利用した新しい美容法及び化粧法さらに美容用具、化粧用具、化粧剤、美容剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、2液成分を混合することにより数分から数時間の高温の発熱を伴わない光を発する化学発光体を皮膚に近接あるいは当接することを利用して、美容作用、化粧作用を施すものである。
【0006】
(1) 化学発光によって得られた光を皮膚に照射することによる美容方法又は化粧方法。
(2) 光が300〜1200nmの波長域から選択されることを特徴とする(1)記載の美容方法又は化粧方法。
(3) 皮膚が、顔及び身体であることを特徴とする(1)又は(2)記載の美容方法又は化粧方法。
(4) 化学発光が2液の混合によって発光することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の美容方法又は化粧方法。
(5) 皮膚外用剤を塗布後あるいはパック剤を施しつつ光を該塗布部に照射することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の美容方法又は化粧方法。
(6) 皮膚外用剤あるいはパック剤が化粧組成物あるいは美容組成物であることを特徴とする(5)に記載の美容方法又は化粧方法。
(7) 化学発光剤を含有することを特徴とする皮膚照射美容用又は化粧用発光体。
(8) 化学発光剤が混合によって発光する2液性の化学発光剤を分離状態で、一つの容器に収納し、使用時に混合して皮膚に照射することを特徴とする(7)記載の皮膚照射美容用又は化粧用発光体。
(9) 皮膚に照射する光の波長域を300〜1200nmの波長域から選択されることを特徴とする(7)又は(8)記載の皮膚照射美容用又は化粧用発光体。
(10) 皮膚外用剤又は服用剤と請求項(7)〜(9)のいずれかに記載の皮膚照射美容用又は化粧用発光体とを組み合わせたことを特徴とする美容用具又は化粧用具。
(11) 化学発光による光を皮膚へ照射することによる美白化粧方法又は美白美容方法。
(12) 化学発光による光を皮膚へ照射してメラニン産生細胞増殖抑制及び/又はメラニン合成抑制することを特徴とする請求項(12)記載の美白化粧方法又は美白美容方法。
(13) 化学発光による光が、青蛍光、黄蛍光、緑蛍光、オレンジ蛍光、赤蛍光から選択される1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする(11)又は(12)記載の美白化粧方法又は美白美容方法。
(14) 化学発光による光を皮膚へ照射する発光剤を含有する美白用発光体。
(15) 発光剤が、化学発光による光を皮膚へ照射してメラニン産生細胞の増殖を抑制及び/又はメラニンの合成を抑制する発光剤であることを特徴とする(14)記載の発光体。
(16) 発光剤が、青蛍光、黄蛍光、緑蛍光、オレンジ蛍光、赤蛍光から選択される1種又は2種以上の蛍光を発光する発光剤であることを特徴とする(14)又は(15)記載の発光体。
(17) オリーブ葉エキスを皮膚面へ塗布、あるいはパック剤として施しつつあるいは服用後に、化学発光として青色蛍光を皮膚へ照射することを特徴とする(11)〜(13)のいずれかに記載の美白化粧方法又は美白美容方法。
(18) 青色化学発光蛍光剤を含有する美白用発光体と、オリーブ葉エキスを含有する皮膚外用剤あるいはパック剤及び/又は服用剤との組み合せからなることを特徴とする美白化粧用具又は美白美容用具。
(19) オレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光の4種の内1種又は複数の化学発光による光を皮膚へ照射して線維芽細胞を増殖及び/又はコラーゲン合成を促進することを特徴とする化粧方法又は美容方法。
(20) アスコルビン酸又はその塩及び/又はアスコルビン酸誘導体を皮膚面へ塗布、あるいはパック剤として施しつつ、あるいは服用後にオレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光の4種の内1種又は複数の化学発光による光を皮膚へ照射することを特徴とする(19)記載の線維芽細胞を増殖及び/又はコラーゲン合成を促進することを特徴とする化粧方法又は美容方法。
(21) 皮膚へ照射して線維芽細胞を増殖及び/又はコラーゲン合成を促進する化学発光による光としてオレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光の4種の内1種又は複数の蛍光を発光する発光剤を含有することを特徴とする発光体。
(22) (21)記載の発光体と、アスコルビン酸又はその塩及び/又はアスコルビン酸誘導体を含有する皮膚外用剤あるいはパック剤及び/又は服用剤との組み合せからなることを特徴とする化粧用具又は美容用具。
(23) 青蛍光を皮膚へ照射することによる光老化抑制方法。
(24) 化学発光による青蛍光を皮膚へ照射することによりピリジンダイマーの生成を抑制することを特徴とする(23)記載の光老化抑制方法。
(25) 光回復酵素(フォトリアーゼ)を皮膚面へ塗布あるいはパック剤として施しつつ及び/又は服用後に青蛍光を皮膚へ照射することを特徴とする(23)又は(24)記載の光老化抑制方法。
(26) 青蛍光を皮膚へ照射する化学発光剤を含有することを特徴とする光老化抑制用発光体。
(27) 青蛍光を皮膚へ照射する化学発光剤と光回復酵素(フォトリアーゼ)を含有する皮膚外用剤あるいはパック剤及び/又は服用剤との組み合せからなることを特徴とする光老化抑制用化粧用具又は美容用具。
(28) 化学発光蛍光及び/又は化学発光近赤外線を皮膚へ照射することにより血流量を増加させる方法。
(29) 化学発光蛍光がオレンジ蛍光であることを特徴とする(28)記載の血流量増加方法。
(30) 蛍光及び/又は近赤外線を発光する化学発光剤を含有する血流量増加用発光体。
(31) 蛍光がオレンジ蛍光であることを特徴とする(30)記載の血流量増加用発光体。
(32) (30)又は(31)に記載された血流量増加用発光体と皮膚外用剤とを組み合わせることを特徴とする化粧用具又は美容用具。
(33) 皮膚外用剤がスキンケア化粧料、フェイスパック剤、湿布剤、貼付剤、経皮吸収剤のいずれかであることを特徴とする(10)、(18)、(22)、(27)、(32)のいずれかに記載の美容用具又は化粧用具。
(34) (7)、(8)、(9)、(10)、(14)、(15)、(16)、(18)、(21)、(22)、(26)、(27)、(30)、(31)、(32)に記載された発光体、美容用具又は化粧用具のいずれかは、フェイス被覆用、身体被覆用であることを特徴とする皮膚被覆材。
【発明の効果】
【0007】
(1)化学発光による光を利用するため、皮膚や人体にダメージを与えない低エネルギーの光及び発熱を伴わない光を利用することができるので安全である。
(2)2液性の化学発光剤を用い、使用時に混合することにより発光させることができるので、携帯性に優れ、使用場所や使用時間に制限が少なく、利便性が高い。
(3)化学発光は、波長をコントロールでき、紫外から赤外までの幅広い波長域から特定の波長を利用することができる。また、高輝度発光も利用することができる。
(4)化学発光体は、点から広い面積までカバーできる大きさに設計することができるので、適用場所、面積に応じて利用可能である。
(5)発光時間が数分から10時間以上までコントロールできるので、応用性が広い。
(6)細胞賦活作用・効果がある。
(7)化粧品・医薬部外品や経皮吸収剤や服用剤(経口剤)等と組み合わせて使用することもできる。組み合わせによって、相乗作用・効果が期待できる。
(8)美容成分や化学成分を配合したものとの併用により相乗効果が得られる。
(9)美白効果を奏する。特に、メラニン産生細胞増殖抑制作用やメラニン合成抑制作用による美白作用を確認できた。特に、青蛍光、緑蛍光、黄蛍光、オレンジ蛍光、赤蛍光には美白効果が期待できる。
(10)皮膚を日光などの紫外線に暴露しても、その後、皮膚に蛍光を照射することによって、メラニンの合成を抑制し、皮膚の黒色化及びシミ、ソバカスの生成を抑制することが可能である。
(11)青色蛍光照射とオリーブ葉エキスを併用することによりヒトメラノサイト増殖率低減効果を相乗的に高めることができる。
(12)化学発光による光を皮膚に照射することにより抗老化をはかることができる。特に、オレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光照射することによって線維芽細胞の増殖、コラーゲン合成を促進することができ、アスコルビン酸やその誘導体を併用することによってさらに線維芽細胞の増殖、コラーゲンの合成を促進することができ、相乗的改善効果を発揮することができる。
(13)化学発光による光を皮膚照射することにより、光老化抑制効果を奏することができる。特に、青色蛍光を照射することにより紫外線による皮膚細胞のDNA損傷を抑制し、光老化を抑制することができる。フォトリアーゼを併用することによりさらに作用効果を高めることができる。
(14)化学発光による光を皮膚照射することにより血流改善作用・効果がある。特に、近赤外線、オレンジ蛍光を皮膚に照射することにより、血流量を増加することができる。
(15)本発明の化学発光体は、軽量小型で形状、大きさ、厚さ、柔軟性等設計自由度が大きく、使用制限が少ない。本発明の化学発光照射体は、顔や身体の各部位の使用する箇所に合わせて、形状、大きさを構成することができる。軽量小型かつ柔軟性を付与することがきる。粘着剤を用いて皮膚へ貼着可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1(a)】赤蛍光分光放射輝度グラフ
【図1(b)】緑蛍光分光放射輝度グラフ
【図1(c)】青蛍光分光放射輝度グラフ
【図1(d)】黄色蛍光分光放射輝度グラフ
【図2】高輝度タイプ蛍光分光輝度放射輝度グラフ
【図3】通常蛍光タイプの照度変化を示すグラフ
【図4】高輝度蛍光タイプの照度変化を示すグラフ
【図5】血管幅経過観察グラフ
【図6】細胞増殖率を示すグラフ
【図7】蛍光照射によるB16細胞増殖への影響を示すグラフ
【図8】蛍光照射によるメラニン合成率への影響を示すグラフ
【図9】高輝度青色蛍光照射によるヒト三次元皮膚モデルにおけるメラニン合成抑制を示すグラフ
【図10】高輝度青色蛍光照射によるヒトメラノサイト増殖を示すグラフ
【図11】線維芽細胞増殖率を示すグラフ
【図12】コラーゲン合成率を示すグラフ
【図13】各蛍光色照射における線維芽細胞増殖率(1%血清含培地)を示すグラフ
【図14】各蛍光色照射における線維芽細胞増殖率(5%血清含培地)を示すグラフ
【図15】高輝度蛍光照射における線維芽細胞増殖率を示すグラフ
【図16】高輝度青色蛍光照射によるフォトリアーゼ活生促進効果を示すグラフ
【図17】近赤外線(IR)化学発光体発光スペクトルグラフ
【図18】近赤外線(IR)化学発光体の出力グラフ
【図19】血流量を示す画像
【図20】近赤外線(IR)蛍光照射による血流量を示すグラフ
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、化学発光による光を照射することにより、美白、抗老化、抗光老化、血流改善、照射部位及びその近縁の皮膚温の上昇、細胞の増殖に関する作用効果がある。これらの作用効果は、照射する波長や輝度によっても異なる。
これらの作用を美容や化粧あるいは医用に単独で利用することもできる。また、経皮吸収剤や経口吸収剤と組み合わせて、吸収促進をはかることができる。
この化学発光による光は、発熱を伴わない発光であり、形状、大きさ、凹凸のある皮膚面への追従性、使用時間、保存性などの特性を備えているので、安全性、利便性が非常に高い。利用できる化学発光は、発光剤の配合によって、波長や強度、時間を調整することにより、作用効果をコントロールすることができる。発光の種類としては、各種の蛍光色、赤外線等が挙げられる。
【0010】
具体的な美容分野としては、老化現象によって顕著になるしみ、そばかす、くすみ、くま、肌の明るさの減少、はり、小じわ、しわ、たるみ対策に有効である。
老化現象の原因として、血行不良による肌色の赤みの低下、び慢的なメラニンの沈着、皮膚の弾力などが低下することにより皮膚表面の凹凸による影、角層の肥厚などによる透明性の低下、皮膚表面での乱反射による艶の低下、加齢に伴う皮膚の黄色化などをあげることができる。これらの現象が端的には「肌のくすみ」として現れ、その境界は不明瞭であって、化粧によるカバーリングが難しいものである。
上記した化学発光による光の照射により、血流の促進による透明性及び明るさの向上、代謝活性の促進、細胞賦活によって、くすみの原因を始め老化現象の原因に対処できるものである。
【0011】
この化学発光の皮膚への照射は、化粧分野、医薬部外品、化粧剤、美容剤、化粧用具、美容用具、医療用具、美容皮膚科、スポーツ障害治療用、筋肉疲労治療用などに応用可能である。
その他の応用性として、高輝度の発光体を利用して、日常リズムの微調整(サーカディアンリズム)、自律神経の調整を期待することができる。細胞増殖促進を利用することにより、傷口の快復促進用具に活用することができる。発光創傷帯やニキビ後の快復仕上化粧具等に応用が期待できる。皮膚温の上昇及び血流改善作用は、代謝を促進し、老廃物を除去する効果や、育毛促進効果が期待できる。この機能と経皮吸収剤とを組み合わせることにより、経皮吸収剤の作用効果を促進できる。例えば、フェイスマスクなどのスキンケアや湿布薬との組み合わせが有効である。
この化学発光剤は、薄く、柔軟性のある包装体に収容することができ、包装体の発光面を皮膚へ直接接触して用いることができる。発光面は、光透過性とすることが好ましい。化学発光剤を収容した包装体の大きさは、使用部位に合わせて作ることができる。また、発光体の担持体として不織布やスポンジなどを利用することもできる。全体を柔軟性にあるいは皮膚接触面側を柔軟にして皮膚接触なじみを良くすることができる。柔軟性材料の例として、シリコーン樹脂などの柔軟性と透明性のある合成樹脂フィルムを挙げることができる。
【0012】
化学発光による光を皮膚へ照射することにより、美白作用を奏することが認められた。化学発光は、紫外線と異なり、蛍光を照射することによりメラニン合成を促進することはなく、メラニン産生細胞の増殖を抑制し、細胞でのメラニンの合成を抑制する作用がある。青蛍光、黄蛍光、緑蛍光、オレンジ蛍光、赤蛍光の各化学発光において効果が確認できた。
青色蛍光と黄色蛍光においてメラニン合成抑制効果が認められ、特に青色蛍光照射だけで20%のメラニン合成抑制効果が認められた。
赤蛍光、高輝度タイフ゜の緑蛍光、高輝度タイフ゜のオレンジ蛍光では、メラノサイトの増殖の抑制が認められ、細胞数が減少することで全メラニン量は減少すると考えられる。
蛍光照射は、活性化したメラノサイトの増殖を選択的に抑制しメラニン産生細胞の増殖が抑制され、かつ、各細胞でのメラニン合成を抑制して、美白機能を果たす。化学発光照射を利用して、美白化粧や美白美容を行うことができる。
【0013】
化学発光による光と経皮吸収剤の組み合わせ効果を、オリーブ葉エキスを用いて確認することができた。蛍光として青色蛍光を用いて確認した。
オリーブ葉エキス経皮吸収あるいは経口吸収させた状態で高輝度タイプ青色蛍光照射をすることによって、ヒトメラノサイト増殖率が低下することが認められ、オリーブ葉エキスの塗布あるいは服用と高輝度タイプ青色蛍光を皮膚に照射を併用することにより、ヒトメラノサイトの増殖が抑制され、美白効果が期待できる。
オリーブ葉エキスなどを経皮吸収剤として用いる具体的な手段としては、化粧料成分として液状にあるいはパック剤成分などとして用いることができる。
【0014】
化学発光による光を皮膚に照射することにより、紫外線照射によるメラニン合成を抑制して、紫外線暴露による黒色化などを抑制する美白機能、美容機能を発揮する。
UVB照射によりメラニン合成が促進されるが、高輝度タイプ青色蛍光を照射することにより、UVB照射によるメラニン合成促進が抑制されることを確認できた。従って、皮膚を日光などの紫外線に暴露しても、その後、皮膚に高輝度タイプ青色蛍光などの化学発光蛍光を照射することによって、メラニンの合成を抑制し、皮膚の黒色化及びシミ、ソバカスの生成を抑制することが可能となる。
【0015】
化学発光による光を皮膚へ照射することにより、皮膚の老化抑制があることが認められた。皮膚の老化原因として、線維芽細胞の再生力が弱くなったり、コラーゲン合成力が弱くなることが挙げられる。化学発光を皮膚照射することにより、線維芽細胞増殖、コラーゲン合成促進機能があることが確認した。化学発光は、オレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光等を例示することができる。
例えば、オレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光、高輝度タイプのオレンジ蛍光、高輝度タイプの緑蛍光を照射することにより線維芽細胞を増殖し、線維芽細胞のコラーゲン合成を促進する。
化学発光と経皮吸収剤や経口吸収剤の組み合わせによる線維芽細胞増殖及びコラーゲン合成促進を確認することができた。組み合わせ剤として、アスコルビン酸誘導体を用いた。
化学発光による光を皮膚に照射することにより、皮膚中のコラーゲン量が増大し、ハリの向上、シワの改善、弾力性、柔軟性の改善等により老化防止効果をはかることができる。さらに、アスコルビン酸誘導体等を含有する剤と併用することにより相乗的な改善効果をはかることができる。併用剤としては、液体化粧料やパック剤、服用剤を利用することができる。
【0016】
化学発光による光を皮膚へ照射することにより、皮膚の光老化抑制があることが認められた。
細胞ではUVBの照射によりDNAが損傷し、ピリミジンダイマーが生成される。これを繰り返し蓄積することで、光老化が進行すると言われている。光合成能力を持つ原核生物にはこのDNA塩基の二量化を修復する「光回復酵素(フォトリアーゼ)」が存在しており、このフォトリアーゼの活性化を、化学発光による光を照射することにより実現できることを確認した。
例えば、高輝度タイプ青色蛍光を照射することによりピリミジンダイマーの含有率を低減した。さらに、ピリミジンダイマーの含有率の低減率を上げることができるフォトリアーゼと高輝度タイプ青色蛍光を併用することにより、相乗的にピリミジンダイマーの含有率を低減することができ光老化の抑制効果を増強できる。
【0017】
各種の蛍光を照射し、線維芽細胞増殖促進効果が認められた。
貧栄養状況下での化学発光照射によって繊維芽細胞の増殖促進が認められ、化学発光の機能を確認することができた。例えば、通常タイプの赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光、高輝度タイプオレンジ蛍光、高輝度タイプ緑蛍光で細胞賦活効果が認められた。最も活性がある蛍光色は緑色である。
【0018】
化学発光による光を照射することにより血流量を増加させることができた。
化学発光による光を皮膚へ照射することにより、血流量を増加させることができる。血流改善、皮膚温の上昇を直接的に計ることができ、代謝促進、経皮吸収促進、照射箇所への内服剤の作用増進を血流改善によって可能となる。
化学発光による光としては、例えば、近赤外線やオレンジ蛍光を使用することができる。
【0019】
<化学発光体>
化学発光は、化学的に光を発生させる二成分システムを利用して行われ、通常、「オキサレート」(シュウ酸塩又はシュウ酸エステル)成分および「アクチベーター」成分と称される化学溶液状の二成分を化学反応させることにより化学ルミネセンス光を発生させる。
上記二成分は、種々の方法によって活性化前に物理的に分離される。多くの場合、一方の成分を含有する封止脆弱性ガラス容器を、他方の成分を含有する外側柔軟容器内に収容する。この外側容器は、第2成分および充填脆弱性ガラス容器の両方を内包するため封止される。内側バイアルとの密接、例えば、屈曲により生じる力によってガラス容器が破壊されて、第1成分が放出される結果、第1及び第2成分が混合されて発光する。化学ルミネセンス発光装置の目的は使用可能な光出力を得ることにあるので、外側容器は、通常、化学ルミネセンスシステムにより生じた光をその容器壁を透過させることが可能な、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン樹脂等の透明または半透明材料から構成される。化学ルミネセンス用組成物により、種々の色彩光を発生させることができる。この装置は、特に選択された部所からのみ光を透過させるように工夫することもできる。容器を構成する包装要素は、照射部位に馴染むように柔軟性フィルムなどを用いることができる。
【0020】
化学発光は、種々提案されている。例えば、特開2003−238823号公報(化学ルミネッセンス用組成物)、特開2002−138278号公報( 化学発光システム)、特開平11−045602号公報( 化学発光体)、特表2003−532253号公報( 化学発光法による発光素子)等をあげることができる。
【0021】
化学発光体の組成は、蛍光剤が配合されたA液と酸化剤が配合されたB液で構成される。A液は、エステル液と、蛍光物質、フタル酸ジブチル等から構成され、B液は、過酸化水素、触媒、フタル酸ブチル等から構成される。これらのA液とB液は分離された状態で一つの容器に収納され、使用時に混合して発光反応させて用いる。
2成分の例として、過酸化水素成分とオキサレートエステル−蛍光体成分が使用され、化学ルミネセンス触媒としてサリチル酸リチウム等のカルボン酸リチウム塩触媒などの二成分化学ルミネセンスシステム用触媒が使用される。二成分化学ルミネセンスシステム用触媒により、反応の活性エネルギーが低下でき、発光プロセスの温度依存性を減少させることができる。
一方の成分を、不織布やスポンジなどに含浸して用いることもでき、可撓性と体の凹凸への追従性を向上させることができる。
【0022】
さらに具体的な成分として、特開2003−238823号公報に開示された次のような成分を使用することができる。化学ルミネセンス反応成分溶液としては、化学ルミネセンス反応成分であるオキサレート又はアクチベーターを含有する。オキサレート(シュウ酸塩またはシュウ酸エステル)としては、通常の化学ルミネセンス反応に使用されるものであれば特に制限は無く、ビス(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)オキサレート、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)オキサレート、ビス(3−トリフルオロメチル−4−ニトロフェニル)オキサレート、ビス(2−メチル−4,6−ジニトロフェニル)オキサレート、ビス(1,2−ジメチル−4,6−ジニトロフェニル)オキサレート、ビス(2,4−ジクロロフェニル)オキサレート、ビス(2,5−ジニトロフェニル)オキサレート、ビス(2−フォルミル−4−ニトロフェニル)オキサレート、ビス(ペンタクロロフェニル)オキサレート、ビス(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)グリオキサール、ビス−N−フタルミジルオキサレート、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボペントキシフェニル)オキサレート、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボブトキシフェニル)オキサレート、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)オキサレート、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−ペントキシフェニル)オキサレートが例示される。
【0023】
アクチベーターとしては、通常過酸化物成分が使用される。過酸化物成分としては、過酸化水素化合物溶液、過酸化水素化合物、または希釈剤により希釈された過酸化化合物溶液を含む。上記過酸化水素化合物は、過酸化水素と過酸化水素を生成する化合物とを含む。過酸化物成分においては、過酸化水素が好ましく、過酸化水素と溶媒との溶液として、又は、過ホウ酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、などの無水過酸化水素化合物として使用できる。また、過酸化水素を生成できるならば、如何なる化合物でも使用できる。アクチベーター溶液を形成する溶媒としては、特に制限されないが、クエン酸トリエチル及びフタル酸ジメチルが好ましく使用される。
【0024】
第1のポリマー樹脂粒子および第2のポリマー樹脂粒子は、種々のポリマーが使用され、具体例としては、これに限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルアセテート、セルロースポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、エポキシド類、シリコーン類、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ナイロン類、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル類およびポリエーテル類が挙げられる。また、架橋ポリマーを使用することができ、例えば、ポリスチレン−ポリジビニルベンゼン、ポリアクリルアミド−ポリメチレンビスアクリルアミド、ポリブタジエン共重合体等が使用できる。中でも、ポリ塩化ビニル樹脂が好ましい。
【0025】
蛍光剤としては、特開2002−138278号公報に例示されている次のような成分を使用することができる。例えば、アントラセン、置換アントラセン、ベンゾアントラセン、フェナントレン、置換フェナントレン、ナフタセン、置換ナフタセン、ペンタセン、置換ペンタセン、ペリレン、置換ペリレン、ビオラントロン、置換ビオラントロン等の、少なくとも3つの縮合環を有する共役多環芳香族化合物が挙げられる。上記化合物の置換基としては、フェニル基、低級アルキル基(C1〜C16)、クロロ基、ブロモ基、シアノ基、アルコキシ基(C1〜C16)が例示される。好適な蛍光物質としては、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1−メトキシ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ペリレン、1,5−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,8−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ルブレン、モノクロロ及びジクロロ置換9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、5,12−ビス(フェニルエチニル)テトラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、16,17−ジヘキシルオキシビオラントロン、2−メチル−9,10−ビス−(フェニルエチニル)アントラセン、9,10−ビス−(4−メトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、9,10−ビス−(4−エトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、16,17−ジデシクロキシビオラントロン、「ルモゲン・レッド」(「LUMOGEN RED」、赤色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、(「LUMOGEN YELLOW」、黄色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、(「LUMOGEN ORANGE」、オレンジ色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、5,12−ビス−(フェニルエチニル)ナフタセン、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
これらの組み合わせによって、300〜1200nmの波長の発光を得ることができ、さらに触媒等を配合することにより、発光反応速度の制御も可能である。発光波長や発光強度は剤や量を調整することにより工夫することができる。本発明の実施例では、強弱2種類の蛍光強度と近赤外線を用いて、実験を試みている。便宜上、強い方を高輝度タイプと称している。
現在治療などに用いられているレーザー波長は、560〜1200nmであるから、化学発光によって得られる光の波長はこれらを十分にカバーしている。IPL(Intense Pulsed Light):560〜1200nm、LLLT(低反応レベルレーザー:low reactivelevel laser therapy):830nm、スポーツ障害治療などに用いられるレーザー波長:630nm、780nm、800nm、830nm、904nmなどが実用されている。
【0027】
<化学発光剤>
本実施例では、輝度の強弱の2種類の蛍光を用いており、輝度の高い方を「高輝度タイプ」と称し、低い方を「通常タイプ」という用語を便宜上使用している。蛍光の発光力は、発光剤の設計によって変更可能であるので、本実施例は、次の特性の発光を用いた。
本発明の実施例では、日本オムニグロー株式会社製CYALUME Light shape(サイアリウムライトシェープ)ブルー(以下「青蛍光」という)、ライトシェープグリーン(以下「緑蛍光」という)、ライトシェープイエロー(以下「黄蛍光」という)、ライトシェープオレンジ(以下「オレンジ蛍光」という)、ライトシェープレッド(以下「赤蛍光」という)の通常タイプ5種類と、高輝度タイプの蛍光体である「高輝度タイプ青蛍光」、「高輝度タイプ緑蛍光」、「高輝度タイプ黄蛍光」「高輝度タイプオレンジ蛍光」、「高輝度タイプ赤蛍光」の5種類を用いた。
上記5種類の通常タイプ分光放射輝度は、赤蛍光が波長605nmで800×10−5W/(sr・m・nm)超、黄蛍光が550nmで260×10−5W/(sr・m・nm)超、緑蛍光が510nmで450×10−5W/(sr・m・nm)超、青蛍光が450nmで260×10−5W/(sr・m・nm)超のピークを示した。
上記5種類の高輝度タイプ分光放射輝度は、高輝度タイプ赤蛍光が波長660nmで0.006W/(sr・m・nm)超、高輝度タイプオレンジ蛍光が625nmで約0.009W/(sr・m・nm)、525nmで約0.004W/(sr・m・nm)、高輝度タイプ黄蛍光が555nmで0.011W/(sr・m・nm)超、高輝度タイプ緑蛍光が520nmで0.015W/(sr・m・nm)超、高輝度タイプ青蛍光が450nmで0.007W/(sr・m・nm)超のピークを示した。
これらの蛍光の計測例をグラフとして、通常タイプの蛍光の例を図1(a)〜図1(d)に、高輝度タイプ例を図2に示す。
【0028】
<照射蛍光特性>
蛍光の照度の経時変化特性を表1、表2,図3、図4に示す。表1及び図3は通常タイプの緑蛍光、青蛍光、オレンジ蛍光、赤蛍光の値を示す。表2及び図4は高輝度タイプの緑蛍光、オレンジ蛍光、青蛍光、赤蛍光の値を示す。これらは実施例2から実施例7において使用する。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【実施例1】
【0031】
<血流改善>
化学発光による光を皮膚に照射することによって、血管幅の拡張が確認でき、血流改善効果を確認することができた。
本実施例には、オレンジ蛍光の化学発光体を用いた。
観察実験は、血管幅の観察を15分から65分までの50分間オレンジ蛍光を照射、100分間おいて185分から205分までの20分間再度オレンジ発光を照射し、その前後も含めて235分間観察した血管幅経過グラフを図5に示した。これによって、照射開始15分後血管幅の拡幅が始まり、照射30分後の45分から照射停止した65分間で拡張した状態に保ち、照射停止後80分間以上かけて開始前の血管幅に戻り、再照射した185分から拡張に転じ停止するまでの40分間拡張し、停止(205分)後30分間かけてほぼ定常に戻ったことが観察できた。
【0032】
血管幅の測定は次のとおりである。
測定方法
恒温恒湿の測定室にて、室温23℃、 湿度30%の条件下で測定をする。
1.定室にて 10分〜15分 安静に保ち、左手 中指の一定個所を測定する。
2.数回測定し、安定している部位にオレンジ蛍光の照射を10分間隔 50分間測定する。
3.その後、1時間ほどインターバルタイムをとり、再度 安定にしてから オレンジ蛍光の照射を行う。
4.10分間隔で20分間測定する。
【0033】
赤色蛍光の化学発光体を用い前腕内側部2箇所の皮膚に光を照射し、照射域の肘側A部と非照射域の手首側B部の皮膚温度の変化を観察したところ、皮膚温度の上昇が認められ、血流改善と皮膚外用剤と併用することによって、経皮吸収の促進が期待できる結果を得た。計測結果を表3に示す。
5回のモニターの平均では、被照射域B部では、赤色照射によって0.4℃、照射近縁の手首部位では、赤色蛍光の照射によって0.7℃の温度の上昇作用があることが確認できた。
【0034】
【表3】

【0035】
従って、熱を発しない化学発光による光を皮膚に照射することにより、血管幅を拡張し、照射部位及びその近縁部位の皮膚温を上昇させることが分かった。
【0036】
<細胞増殖>
赤蛍光、青蛍光、オレンジ蛍光の3種類の化学発光による光を皮膚細胞に照射し、その後の細胞増殖を観察した。結果を図6に示す。
PMG(細胞増殖試験の指標として使用)と同等の増殖率をオレンジ蛍光と赤蛍光で観察できた。
なお、PMGは、「リン酸-L-アスコルビルマグネシウム」の略である。
コントロールと比較して、PMG添加系とオレンジ蛍光照射系において細胞増殖が有意に促進された。
【0037】
試験は次の方法により行った。
1.細胞:正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHF)
2.化学発光体:CYALUME Light shape(サイアリウムライトシェープ)
ブルー(青蛍光)、オレンジ(オレンジ蛍光)、レッド(赤蛍光)
発売元:日本オムニグロー株式会社
3.アッセイ方法:
(1) NHFを2.0×104cells/well、DMEM・10%S(+)で24well plateに播種。
(2) 5 日間培養しコンフルエントにした後、無色無血清DMEMへ交換した。
(3) 蛍光を照射(4hr)。ポジティブコントロールは100mM PMG添加系とした。
(4)細胞形態観察(×40)。
(5)細胞増殖をMTT Assayを用い、測定波長540nm、対照波長655nmの比色定量を行なった。細胞増殖率は無処置群のコントロールを100%として以下の式で計算した。
4.計算式:
細胞増殖率(%)=([サンプル添加OD(540nm)]−[サンプル添加OD(655nm)])/([コントロールOD(540nm)]−[コントロールOD(655nm)])×100
【実施例2】
【0038】
<蛍光照射によるメラニン合成>
蛍光を細胞に照射することによりメラノーマ細胞の増殖抑制とメラニン合成抑制があることを確認した。メラノーマ細胞増殖に与える影響について表4及び図7に示し、細胞のメラニン合成に与える影響について表5及び図8に示した。

(試験方法)
細胞:マウス黒色細胞種(B16細胞)

化学発光体:(日本オムニク゛ロー株式会社製)
通常タイフ゜
フ゛ルー(青蛍光)、オレンシ゛(オレンシ゛蛍光)、レット゛(赤蛍光)、ク゛リーン(緑蛍光)、イエロー(黄蛍光)
高輝度タイフ゜
オレンシ゛(オレンシ゛蛍光)、レット゛(赤蛍光)、ク゛リーン(緑蛍光)

アッセイ方法: 1. B16細胞を3.6×103cells/well、MEM・10%S(+)・ク゛ルコサミン培地で24well
plateに播種。n=8
2. 5 days培養した後、MEM・10%S(+)・テオフィリン培地へ培地交換。
3. 通常タイフ゜は4hr、高輝度タイフ゜は30min蛍光発光体をフ゜レートに接触させて蛍光を照射。コントロールは蛍光非照射系、ホ゜シ゛ティフ゛コントロールは1mM VC(アスコルヒ゛ン酸)添加系とした。
4. 照射開始3日後に細胞を回収し、0.1%SDS生理食塩水で細胞を溶解し、260nm(細胞量の指標)と475nm(メラニン量の指標)の吸光度を測定し、細胞増殖率と、単位細胞あたりのメラニン合成率を算出した。
B16細胞増殖率について表4及び図7に示し、単位細胞あたりのメラニン合成率について表5及び図8に示した。
計算式
B16細胞増殖率(%)=サンフ゜ルAbs(260nm)/コントロールAbs(260nm)×100
単位細胞あたりのメラニン合成率(%)=[サンフ゜ルAbs(475nm)/サンフ゜ルAbs(260nm)]/[コントロールAbs(475nm)/コントロールAbs(260nm)]×100
【0039】
【表4】

【0040】
【表5】

【0041】
表4及び図7に示された結果から、通常タイプの赤蛍光、高輝度タイフ゜の緑蛍光、高輝度タイフ゜のオレンシ゛蛍光を照射することによりメラノーマ細胞の増殖を有意に抑制した。
赤蛍光、高輝度タイプの緑蛍光、オレンシ゛蛍光を皮膚に照射することにより、メラノーマ細胞の増殖が抑制され、メラノサイトの増殖が抑制されることが明らかとなった。以上から本発明の実施により美白効果が期待できる。
【0042】
表5及び図8に示された結果から、青蛍光、黄蛍光照射系で単位細胞あたりの有意なメラニン合成抑制が認められた。
【0043】
紫外線と異なり、蛍光を照射することによりメラニン合成を促進することはなく、青と黄色蛍光において有意なメラニン合成抑制効果が認められた。特に青色蛍光照射では20%のメラニン合成抑制効果が認められた。
通常タイプの赤蛍光、高輝度タイフ゜の緑蛍光、高輝度タイフ゜のオレンシ゛蛍光では、メラノサイトの増殖の抑制が認められた。細胞数が減少することで全メラニン量は減少していると考えられる。
蛍光照射が線維芽細胞の増殖を抑制しなかったことからも、活性化したメラノサイトの増殖を選択的に抑制し、美白が期待できる。
【実施例3】
【0044】
<メラニン合成試験>
(試験方法)
三次元皮膚モデル(メラノダーム(MEL-300A))(MatTeK社製)に1W/m2の強度における1J/m2のUVB照射及び/又は高輝度タイプ青色蛍光(日本オムニグロー株式会社製)1時間照射を紫外線照射後0、48、96時間後に行い、7日間培養した。
三次元皮膚モデルを1N水酸化ナトリウムで煮沸溶解し、メラニン量の指標となる350nmの吸光度を測定し、以下の式によりメラニン合成率を算出した。結果を図9に示した。
UVB、高輝度タイプ青色蛍光いずれも照射しない組織の溶解液をコントロールとした。
式:[メラニン合成率]=[各処置時組織溶解液の350nm吸光度]/[コントロール組織溶解液の350nm吸光度]×100
【0045】
ヒト三次元皮膚モデルにおいて、UVB照射によりメラニン合成が促進されるが、高輝度タイプ青色蛍光を照射することにより、UVB照射によるメラニン合成促進が抑制されることが確認された。従って、皮膚を日光などの紫外線に暴露しても、その後、皮膚に青色蛍光などの蛍光を照射することによって、メラニンの合成を抑制し、皮膚の黒色化及びシミ、ソバカスの生成を抑制し、美白効果を期待できる。またあわせて、皮膚の抗光老化が期待できる。
【実施例4】
【0046】
<ヒトメラノサイト増殖試験>
(実験方法)
ヒトメラノサイトを20000 cells/cm2でHMGS添加ヒト表皮メラニン細胞用基礎培地medium 154S(倉敷紡績株式会社製)を用いて24well プレートに播種した。
24時間インキュベート後、オリーブ葉エキス(下記製造例)またはブランクとして50%ブチレングリコール水溶液を添加した培地に置換し、高輝度タイプ青色蛍光(日本オムニグロー株式会社製)を1時間照射後、72時間培養した。
細胞をPBS(-)で洗浄後、1 W/W%ドデシル硫酸ナトリウム含有PBS(-)で溶解して得た細胞溶解液の260 nmの吸光度を測定し、以下の式で細胞増殖率を算出した。
ブランクを添加し、高輝度タイプ青色蛍光非照射の細胞溶解液をコントロールとした。
結果を図10にオリーブ葉エキスの添加濃度とメラノサイト増殖率の関係として示した。
オリーブ葉エキス
(オリーブ葉エキス製造例)
乾燥オリーブ葉1kgを90 W/W%エタノールに1週間浸漬後、濃縮・凍結乾燥後、50 W/W%ブチレングリコール水溶液に1 W/W%に溶解した。
式:[細胞増殖率]=[サンプル添加時吸光度(260 nm)]/[コントロール吸光度(260 nm)]×100
【0047】
ヒトメラノサイト増殖は、高輝度タイプ青色蛍光の1時間照射による変化が認められなかったが、オリーブ葉エキスを添加した場合には高輝度タイプ青色蛍光照射によって、ヒトメラノサイト増殖率が有意に(オリーブ葉エキス0.5%添加時)低下した。
高輝度タイプ青色蛍光照射を併用することによりオリーブ葉エキスのヒトメラノサイト増殖率低減効果を相乗的に高めることができた。従って、青色蛍光を皮膚に照射することにより、ヒトメラノサイトの増殖が抑制される。したがって美白効果が期待できる。
【実施例5】
【0048】
〈線維芽細胞増殖及びコラーゲン合成促進試験〉
通常タイプの赤蛍光、高輝度タイプのオレンジ蛍光を用いて線維芽細胞に照射し、線維芽細胞の増殖及び線維芽細胞のコラーゲン合成促進を確認した。試験結果を繊維芽細胞については表6及び図11に、コラーゲン合成については表7及び図12に示した。
(試験方法)
細胞 :線維芽細胞(NHF)
化学発光体:(日本オムニグロー株式会社製)
通常タイプレッド(赤蛍光)
高輝度タイフ゜オレンジ(オレンシ゛蛍光)、

コラーゲン量測定キット:I型コラーケ゛ンC末端フ゜ロヘ゜フ゜チト゛(PIP)量をTakara PIP kitで測定。
アッセイ方法:
(1) NHFを2.0×104cells/well、DMEM・10%S(+)で24well plateに播種。
(2) 5 日間培養しコンフルエントにした後、無色無血清DMEMへ交換した。
(3) 蛍光発光体を24well plateに接触させ、蛍光を照射(30min)。ポジティブコントロールは100mM PMG(リン酸-L-アスコルビルマグネシウム)添加系とした。
(4) 照射開始24時間後に培地上清を回収した。
I型コラーケ゛ンC末端フ゜ロヘ゜フ゜チト゛(PIP)量をTakara PIP kitで測定し、次いで細胞増殖をMTT Assayを用い、測定波長540nm、対照波長655nmの比色定量を行なった。細胞増殖率は無処置群のコントロールを100%として以下の式で計算した。
細胞増殖率(%)=([サンプル添加OD(540nm)]−[サンプル添加OD(655nm)])/([コントロールOD(540nm)]−[コントロールOD(655nm)])×100
コラーゲン合成率はPIP量とMTT Assayの結果を用いて以下の式で計算した。
コラーゲン合成率(%)={サンプルPIP量/([サンプル添加OD(540nm)]−[サンプル添加OD(655nm)])}/{コントロールPIP量/([コントロールOD(540nm)]−[コントロールOD(655nm)])}×100
【0049】
【表6】

【0050】
表6及び図11に示した線維芽細胞の増殖試験結果から、通常タイプの赤蛍光、高輝度タイフ゜のオレンシ゛蛍光照射24時間後に細胞増殖率を測定するコラーケ゛ン合成促進試験系において、通常タイプの赤蛍光、高輝度タイフ゜のオレンシ゛蛍光照射ともに有意に線維芽細胞の増殖を促進した。PMG併用時においても、通常タイプの赤蛍光、高輝度タイフ゜のオレンシ゛蛍光照射で有意に線維芽細胞が増殖することを確認した。
【0051】
【表7】

【0052】
表7及び図12に示した計測データから、単位細胞あたりのコラーケ゛ン合成率において、通常タイフ゜の赤蛍光、高輝度タイフ゜のオレンシ゛蛍光照射系で有意なPMGと同程度のコラーケ゛ン合成促進が認められた。
【0053】
通常タイフ゜の赤蛍光、高輝度タイプのオレンジ蛍光を線維芽細胞に照射することにより、線維芽細胞の増殖及びコラーゲン合成が促進される。また、PMGと併用することにより、さらに線維芽細胞が増殖し、コラーゲン合成が促進される。従って、皮膚に通常タイフ゜の赤蛍光、高輝度タイプのオレンジ蛍光等の化学発光蛍光を照射すると、皮膚中のコラーゲン量が増大し、ハリの向上、シワの改善、弾力性、柔軟性の改善、老化防止効果が期待できる。さらに、PMGを含有する皮膚外用剤と併用することにより相乗的な改善効果が期待できる。
【実施例6】
【0054】
<蛍光照射による線維芽細胞増殖>
各種の蛍光を線維芽細胞に照射することにより線維芽細胞の増殖作用を確認した。次の試験を行い、測定結果を図13、14、15に示した。まとめの評価結果を表8に示した。(試験方法)
細胞:線維芽細胞(NHF)
蛍光発光体:(日本オムニク゛ロー株式会社製)
通常タイプの蛍光
フ゛ルー(青蛍光)、オレンシ゛(オレンシ゛蛍光)、レット゛(赤蛍光)、イエロー(黄蛍 光)、ク゛リーン(緑蛍光)、高輝度タイプの蛍光オレンシ゛高輝度タイフ゜(オレン シ゛蛍光)、ク゛リーン高輝度タイフ゜(緑蛍光)
アッセイ方法: 1. NHFを2.5×104cells/ml、DMEM・10%S(+)で96well plateに播種。
2. 翌日に無色DMEM調製5%、1%FBS含有培地へ培地交換。
3. 化学発光体をプレートに接触させて蛍光を照射した。
蛍光を照射(0.5、1、2、4hr、高輝度タイフ゜は0.5hrのみ)。
5%CO2、37℃で5日間培養。
4.MTT Assayを用い、測定波長540nm、対照波長655nmの比色定量を行なった。細胞増殖率は無処置群のコントロールを100%として以下の式で計算した。
細胞増殖率(%)=([サンプル添加OD(540nm)]−[サンプル添加OD(655nm)])/([コントロールOD(540nm)]−[コントロールOD(655nm)])×100。
【0055】
【表8】

有意差(( )は負の有意差)
【0056】
通常タイプの蛍光を照射した計測結果を示した図13、図14及び表8のデータから、5%FBS培地では緑蛍光照射1hr、4hr、黄蛍光照射2hrで有意な細胞増殖促進効果が認められた。
1%FBS培地では、赤蛍光照射2hr、緑蛍光照射0.5hr、1hr、4hr、黄蛍光照射2hrで有意な細胞増殖促進効果が認められた。
黄蛍光照射系では2hrまでは照射時間に依存して増加する傾向が観察された。
【0057】
高輝度タイフ゜(0.5hr照射系)の蛍光を照射した計測結果を示した図15及び表8のデータから、高輝度タイフ゜では1%FBS・DMEM培地においてオレンシ゛蛍光と緑蛍光照射系で有意な細胞増殖促進効果が認められた。特に緑蛍光においては約1.5倍の増殖が認められた。
5%FBS添加培地においては緑蛍光照射のみにおいて有意な細胞増殖促進効果が認められた。
【0058】
本試験系において、FBS濃度が低いほど細胞増殖促進効果が現れ易い傾向が認められた。
通常タイプの赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光において細胞賦活効果が認められ、FBS濃度が高いにもかかわらず、緑蛍光において細胞賦活活性が認められた。
また、高輝度タイプでは、オレンシ゛蛍光、緑蛍光で細胞賦活効果が認められ、同様にFBS濃度の高い系で緑蛍光に活性が認められた。以上より、最も活性が確実である蛍光色は緑色である可能性が示唆された。
【実施例7】
【0059】
<フォトリアーゼ活性増進試験>
細胞ではUVBの照射によりDNAが損傷し、ピリミジンダイマーが生成される。これを繰り返し蓄積することで、光老化が進行すると言われている。光合成能力を持つ原核生物にはこのDNA塩基の二量化を修復する「光回復酵素(フォトリアーゼ)」が存在しており、このフォトリアーゼは可視光により活性化されることが知られている(フレグランス ジャーナル 2002年6月号 49−53ページ)。本酵素は可視光で活性があがると報告されているが、蛍光発光体で活性があがることは報告されていない。
高輝度青色蛍光照射によるフォトリアーゼ活性に対する作用を検討し、蛍光発光体と化粧品有効成分の併用による効果を検討した。
【0060】
(実験方法)
ヒトケラチノサイト7.0×105 cellsをφ60 mm dish、へ播種した。一晩インキュベートした後Hanks(-)に置換し、UVBを0. 5 J/m2 (1 W/m2) 照射した。さらにHumedia-KG添加EpiLife(倉敷紡績株式会社製)へ置換し、サンプル(ブランクは50%ブチレングリコール、フォトリアーゼは0.04Units、0.4Units(ピリミジンダイマー修復活性)添加後、高輝度タイプ青色蛍光(オムニグロー株式会社製)を1時間照射した。フォトリアーゼ無添加、高輝度タイプ青色蛍光非照射をコントロールとした。
UVB照射6時間後にDNAzol reagent(インビトロジェン株式会社製)を用いて定法に従って細胞からDNAを回収した。
ピリミジンダイマー量を測定しその結果を図16に示した。
【0061】
(ピリミジンダイマー量を測定法)
本DNAを用い、以下に示す方法でピリミジンダイマー量を測定した。
1% 硫酸プロタミン液を96 well プレートに播種し、37℃で2時間インキュベートした。滅菌水でプレートを洗浄し、乾燥後、抽出DNAを2μgずつ各wellに播種し、37℃で20hrインキュベートした。0.05%Tween20含有PBS(PBS-T)で洗浄し、2% スキムミルク含有PBSを入れ、37℃1時間 インキュベートした。PBS-Tで洗浄し、2%スキムミルク含有PBSで調製したチミンダイマーモノクローナル抗体を入れ、37℃で1時間インキュベートした。PBS-Tで洗浄し、HRP結合ヤギ抗マウスIgG抗体を播種し、37℃で1時間インキュベートした。PBS(PBS-T)で洗浄後、さらにPBS(-)で洗浄した。3,3’,5,5’ tetramethylbenzidine溶液(1-StepTMTurbo TMB-ELISA(pierce社製))を添加し、室温でインキュベート後、2N硫酸で反応を止めた。450nmの吸光度を測定し、DNA2 μgあたりのピリミジンダイマー含有率を下の式で算出した。
フォトリアーゼはシアノバクテリア属のanacystis nidulans由来を使用し、フォトリアーゼを41Units/mL含有するAGI Dermatics社のPHOTOSOMES(R)を用いて添加した。
式:[ピリミジンダイマー含有率(%)]=[サンプル添加時吸光度(450 nm)]/[コントロール吸光度(450nm)]×100
【0062】
図16に測定されたピリミジンダイマーの含有率を示した。
フォトリアーゼ無添加系において、高輝度タイプ青色蛍光を照射することによりピリミジンダイマーの含有率がコントロールの約1/2に低減した。
フォトリアーゼを0.04Unit、0.4Unit添加するとピリミジンダイマーの含有率がコントロールと比べてともに約1/2に低減するが、フォトリアーゼの添加量を0.04Unitから10倍量の0.4Unitにしても、ピリミジンダイマー含有率の低減効果に差が無かった。しかし、高輝度タイプ青色蛍光とフォトリアーゼを併用するとピリミジンダイマーの含有率が低減し、特に、0.4Unitと高輝度タイプ青色蛍光を併用することにより、ピリミジンダイマー含有率をコントロールの約1/4に低減することができた。
コントロールと比べて、有意にピリミジンダイマー含有率を低減できたのは、高輝度タイプ青色蛍光照射、フォトリアーゼ0.04Unit・高輝度タイプ青色蛍光併用系、及びフォトリアーゼ0.4Unit・高輝度タイプ青色蛍光併用系であり、フォトリアーゼと高輝度タイプ青色蛍光を併用することにより、相乗的に光老化を抑制できる。
特に、化学発光の照射あるいはフォトリアーゼを作用することにより、光老化を抑制することが可能である。高輝度タイプ青色蛍光の照射あるいはフォトリアーゼを併用して高輝度タイプ青色蛍光を照射することにより紫外線による皮膚細胞のDNA損傷を抑制し、光老化を抑制することができる。
【実施例8】
【0063】
<化学発光近赤外線照射による血流増加試験>
化学発光によって得られる近赤外線を皮膚に照射して、血流量の変化を観察した。
化学発光によって得られる近赤外線の計測例を図17、18に示す。
試験条件を表9に示し、画像例を図19に示し、各被験者の血流量変化状態を図20に示す。
【0064】
【表9】

【0065】
被験者の一人の画像を例示した測定前、15分照射直後、15分照射後10分経過時を示した図19(a)(b)(c)から、画像の明るい部分が増加していることが認められ、照射終了後10分経過しても血流量が増加している様子が把握できる。
画像を数値化して各被験者の血流量の変化を表したグラフ図20から、照射前より照射後で血流量が1.5倍から3倍増加していることが確認された。照射終了10分後も全員低下することなく、増加していることが把握され、短時間の照射で長時間の作用効果が認められた。
【実施例9】
【0066】
<使用体感試験>
短辺50mm、長辺70mmの楕円形で中央部厚8mmの光透過性フィルム製の緑蛍光パックを用いた。対象として非蛍光の同形状のパックを使用した。
被験者5人について、右の頬に発光しないもの(ブランク)を使用、左の頬に 緑発光する蛍光パックを使用した。1日 1回 夜 30分間、5日間左右の頬にあてたのちアンケートにより、肌の張りについて回答を得た。結果を表10に示した。
結果は、1日目から全員が肌の張りの改善が感じられ、3日目には3人が5日目には4人が張りの改善を感じている。感じない人は0人であり、化学発光蛍光の照射によって肌の張り改善効果があることが確認できた。
緑蛍光照射により違和感を感じるものはいなかった。
【0067】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学発光によって得られた光を皮膚に照射することによる美容方法又は化粧方法。
【請求項2】
光が300〜1200nmの波長域から選択されることを特徴とする請求項1記載の美容方法又は化粧方法。
【請求項3】
皮膚が、顔及び身体であることを特徴とする請求項1又は2記載の美容方法又は化粧方法。
【請求項4】
化学発光が2液の混合によって発光することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の美容方法又は化粧方法。
【請求項5】
皮膚外用剤を塗布後あるいはパック剤を施しつつ光を該塗布部に照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の美容方法又は化粧方法。
【請求項6】
皮膚外用剤あるいはパック剤が化粧組成物あるいは美容組成物であることを特徴とする請求項5に記載の美容方法又は化粧方法。
【請求項7】
化学発光剤を含有することを特徴とする皮膚照射美容用又は化粧用発光体。
【請求項8】
化学発光剤が混合によって発光する2液性の化学発光剤を分離状態で、一つの容器に収納し、使用時に混合して皮膚に照射することを特徴とする請求項7記載の皮膚照射美容用又は化粧用発光体。
【請求項9】
皮膚に照射する光の波長域を300〜1200nmの波長域から選択されることを特徴とする請求項7又は8記載の皮膚照射美容用又は化粧用発光体。
【請求項10】
皮膚外用剤又は服用剤と請求項7〜9のいずれかに記載の皮膚照射美容用又は化粧用発光体とを組み合わせたことを特徴とする美容用具又は化粧用具。
【請求項11】
化学発光による光を皮膚へ照射することによる美白化粧方法又は美白美容方法。
【請求項12】
化学発光による光を皮膚へ照射してメラニン産生細胞増殖抑制及び/又はメラニン合成抑制することを特徴とする請求項11記載の美白化粧方法又は美白美容方法。
【請求項13】
化学発光の発光色が、青蛍光、黄蛍光、緑蛍光、オレンジ蛍光、赤蛍光から選択される1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項11又は12記載の美白化粧方法又は美白美容方法。
【請求項14】
化学発光による光を皮膚へ照射する発光剤を含有する美白用発光体。
【請求項15】
発光剤が、化学発光による光を皮膚へ照射してメラニン産生細胞の増殖を抑制及び/又はメラニンの合成を抑制する発光剤であることを特徴とする請求項14記載の発光体。
【請求項16】
発光剤が、青蛍光、黄蛍光、緑蛍光、オレンジ蛍光、赤蛍光から選択される1種又は2種以上の蛍光を発光する発光剤であることを特徴とする請求項14又は15記載の発光体。
【請求項17】
オリーブ葉エキスを皮膚面へ塗布あるいはパック剤として施しつつあるいは服用後に、化学発光として青色蛍光を皮膚へ照射することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の美白化粧方法又は美白美容方法。
【請求項18】
青色化学発光蛍光剤を含有する美白用発光体と、オリーブ葉エキスを含有する皮膚外用剤あるいはパック剤及び/又は服用剤との組み合せからなることを特徴とする美白化粧用具又は美白美容用具。
【請求項19】
オレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光の4種の内1種又は複数の化学発光による光を皮膚へ照射して線維芽細胞を増殖及び/又はコラーゲン合成を促進することを特徴とする化粧方法又は美容方法。
【請求項20】
アスコルビン酸又はその塩及び/又はアスコルビン酸誘導体を皮膚面へ塗布、あるいはパック剤として施しつつ、あるいは服用後にオレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光の4種の内1種又は複数の化学発光による光を皮膚へ照射することを特徴とする請求項19記載の線維芽細胞を増殖及び/又はコラーゲン合成を促進することを特徴とする化粧方法又は美容方法。
【請求項21】
皮膚へ照射して線維芽細胞を増殖及び/又はコラーゲン合成を促進する化学発光としてオレンジ蛍光、赤蛍光、緑蛍光、黄蛍光の4種の内1種又は複数の蛍光を発光する発光剤を含有することを特徴とする発光体。
【請求項22】
請求項21記載の発光体と、アスコルビン酸又はその塩及び/又はアスコルビン酸誘導体を含有する皮膚外用剤あるいはパック剤及び/又は服用剤との組み合せからなることを特徴とする化粧用具又は美容用具。
【請求項23】
青蛍光を皮膚へ照射することによる光老化抑制方法。
【請求項24】
化学発光による青蛍光を皮膚へ照射することによりピリジンダイマーの生成を抑制することを特徴とする請求項23記載の光老化抑制方法。
【請求項25】
光回復酵素(フォトリアーゼ)を皮膚面へ塗布、あるいはパック剤として施しつつ及び/又は服用後に青蛍光を皮膚へ照射することを特徴とする請求項23又は24記載の光老化抑制方法。
【請求項26】
青蛍光を皮膚へ照射する化学発光剤を含有することを特徴とする光老化抑制用発光体。
【請求項27】
青蛍光を皮膚へ照射する化学発光剤と光回復酵素(フォトリアーゼ)を含有する皮膚外用剤あるいはパック剤及び/又は服用剤との組み合せからなることを特徴する光老化抑制用化粧用具又は美容用具。
【請求項28】
化学発光蛍光及び/又は化学発光近赤外線を皮膚へ照射することにより血流量を増加させる方法。
【請求項29】
化学発光蛍光がオレンジ蛍光であることを特徴とする請求項28記載の血流量増加方法。
【請求項30】
蛍光及び/又は近赤外線を発光する化学発光剤を含有する血流量増加用発光体。
【請求項31】
蛍光がオレンジ蛍光であることを特徴とする請求項30記載の血流量増加用発光体。
【請求項32】
請求項30又は31に記載された血流量増加用発光体と皮膚外用剤とを組み合わせることを特徴とする化粧用具又は美容用具。
【請求項33】
皮膚外用剤がスキンケア化粧料、フェイスパック剤、湿布剤、貼付剤、経皮吸収剤のいずれかであることを特徴とする請求項10、18、22、27、32のいずれかに記載の美容用具又は化粧用具。
【請求項34】
請求項7、8、9、10、14、15、16、18、21、22、26、27、30、31、32に記載された発光体、美容用具又は化粧用具のいずれかは、フェイス被覆用、身体被覆用であることを特徴とする皮膚被覆材。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図1(c)】
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【図1(d)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【国際公開番号】WO2005/077458
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【発行日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517984(P2005−517984)
【国際出願番号】PCT/JP2005/002079
【国際出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(593106918)株式会社ファンケル (310)
【出願人】(595147445)日本オムニグロー株式会社 (6)
【Fターム(参考)】