説明

化粧料組成物

【課題】多数の照明及び観測条件下で目を引くのに適当な視覚効果を生成するための化粧料組成物の提供。
【解決手段】 +45°の入射光に対して、−10°〜+30°の範囲に亘っての観測角度の変化について少なくとも50°、より良くは少なくとも70°の色相角の偏差Dhを表わし、且つ−30°〜−70°の範囲に亘っての観測角度に対して少なくとも5の差異(Δa*2+Δb*2)1/2を表わすことを特徴とする化粧料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料組成物に関し、詳しく言えば、皮膚例えば顔面又は身体の皮膚、唇、爪又は睫毛及び眉毛を含めて種々型式の毛髪をメーキャップすることに関する。
【背景技術】
【0002】
観測角度を変化させると色の変化を生ずることを求めて、多数の化粧料組成物が市場に存在する。
【0003】
特に、回折性顔料(diffracting pigment)をマニキュアに配合させておいて虹色効果を生じさせ、供給会社のフレックス プロダクツ社により商標名スペクトラフレイアー(Spectraflair)で市販されており、該顔料は同じ供給会社によって商標名クロマフレイアー(Chromaflair)で市販される干渉顔料と組合せている。Cr/MgF2/Al/MgF2/Cr構造を有する顔料がこの商標名で市販されている。
【0004】
更に新規な光学効果を生ずる必要性が存在し、特に観測角度を変化させると色が変化する新規な効果を生ずる必要性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
更に詳しく言えば、特に多数の照明及び観測条件下で目を引くのに適当な視覚効果を生成するために、広範囲の観測角度値に亘って観測角度を変化させると変化する色を提示することができしかも魅力的である化粧料組成物から有益性を生ずる必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の要旨によると、本発明は生理上許容し得る媒体中に、回折格子を含有する少なくとも1種の回折性顔料と、干渉性多層構造を含有する少なくとも1種の角度彩色着色剤とを含有してなる化粧料組成物であって、こうして+45°の入射照明に対して該組成物は−10°〜+30°の範囲に亘って観測角度の変化について少なくとも50°、より良くは少なくとも70°の色相角(hue angle)の偏差Dhを表わし、且つ−30°〜−70°の範囲に亘って観測角度に対して少なくとも5の差異(Δa*2+Δb*2)1/2を表わすことを特徴とする、増大した光学変動を有する化粧料組成物を提供することをかくして求める。
【0007】
好ましくは、−30°〜−70°の観測角度の間で色相角の偏差Dhは15°より大きいか15°に等しく、より良くは20°より大きいか20°に等しい。
【0008】
かかる組成物は少なくとも1種の回折性顔料を含有できる。少なくとも1種の角度彩色着色剤(goniochromatic coloring agent)も含有できる。
【0009】
驚くべきことには、−30°〜−70°の範囲に在る観測角度について該組成物の色の有意な変化の特性は、−10°〜+30°の範囲にある観測角度について色相角の有意な変化Dhの特性と組合せることができる。これら2つの特性を組合せると増大した色の変動を表わす組成物が得られ、かくして多数の観測及び照明条件下で観察者が色の変化又は実際上色の動きを知覚し得るのに適当である組成物が得られる。
【0010】
本発明の別の要旨によると、本発明は生理上許容し得る媒質中に少なくとも1種の回折性顔料と少なくとも1種の角度彩色着色剤とを含有する化粧料組成物を提供することを求める。
【0011】
かかる組合せはAIMCAL 2002年秋の技術会議でアルベルト アルゴイチアによる報文「薄膜と回折光干渉との組合せを示す顔料」に既に提案されている。該報文で記載された組成物で用いた角度彩色着色剤は緑色から青色に変化する顔料であって厚さ80nmのアルミニウムの沈殿物を含有する顔料によって構成される。
【0012】
かかる組成物は完全に満足な光学効果を得ることができず、生理上許容し得る媒質中に少なくとも1種の回折性顔料と少なくとも1種の角度彩色着色剤とを含有する化粧料組成物であって増大した魅力を示す特に広範囲の観測角度値に亘って知覚し得る色の変化を示す化粧料組成物から利益をもたらし得る必要性が存在する。
【0013】
本発明の別の要旨によると、本発明は角度彩色着色剤が、+45°の入射照明下に−10°〜+30°の範囲に在る観測角度の変化について組成物の色相角で少なくとも50°、より良くは少なくとも70°の偏差Dhと−30°〜−70°の観測角度の間で少なくとも5の差異(Δa*2+Δb*2)1/2との両方を観察できる程に十分に透明であることを特徴とする組成物をかくして提供する。
【0014】
前記した発明において、−10°〜+30°の範囲に在る観測角度の間で色相角の偏差Dhは回折性顔料によって本質的に誘発され、虹色効果を生じ、然るに−30°〜−70°の角度間で観察される色の変化は角度彩色着色剤から本質的に生ずる。着色剤が十分に透明である故に、着色剤が無視し得ない程の量で存在する時でさえ、角度彩色着色剤を含有する組成物内に分散されているにも拘わらず、虹色効果は観察され続け得る。
【0015】
本発明の有利な実施では、角度彩色着色剤は特にアルミニウムの反射性金属沈着物を含有せず、酸化物に基いた構造を有し、かくして不透明性の低下した顔料を得ることができる。
【0016】
好ましくは、角度彩色着色剤は80μmより大きい寸法の顔料を含有せず、かくして角度彩色着色剤が回折性顔料によって誘発される変色の受容を妨害する危険性を更に低減し得る。
【0017】
かくして角度彩色着色剤は、80μmより小さいか又はこれに等しいか、より良くは70μmより小さいか又はこれに等しいか、尚より良くは50μmより小さいか又はこれに等しいが然るに、4μmより大きいか又はこれに等しくより良くは例えば6μmより大きいか又はこれに等しい寸法の顔料を含有し得る。
【0018】
回折性顔料と角度彩色着色剤との重量比は好ましくは85/15〜15/85の範囲にあり、尚より好ましくは80/20〜20/80の範囲にあり、尚より好ましくは60/40〜40/60の範囲にあり、例えば約50/50である。かかる比率は、両方とも顕著である虹色効果と角度彩色効果とを得るのに有利である。
【0019】
本発明はまた前述した組成物を含有するマニキュアをも提供する。
【0020】
本発明はまた前述した組成物を含有する唇のメーキャップ特に口紅又はリップグロスを提供する。
【0021】
本発明はまた前述した組成物を含有するマスカラを提供する。
【0022】
本発明はまた前述した組成物を含有するファンデーションメーキャップを提供する。
【0023】
本発明はまた皮膚、唇、爪又は毛髪をメーキャップするのに回折性顔料と組合せて透明な(non-opaque)角度彩色着色剤の使用を提供する。
【0024】
本発明はまた皮膚、唇、爪及び毛髪から選んだ媒体に少なくとも1種の透明な角度彩色着色剤と回折性顔料とを同時に施用することからなる、前記媒体のメーキャップ方法を提供する。
【0025】
本発明の別の要旨では、本発明は、生理上許容し得る媒質中に0.5〜2.5重量%、より良くは約1重量%のMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と0.5〜2.5重量%、より良くは約1重量%のFe2O3/SiO2/Fe2O3/SiO2/Fe2O3構造の角度彩色着色剤とを含有してなり、回折性顔料と角度彩色着色剤との重量比が85/15〜15/85の範囲に在り、より良くは50/50付近であり例えば40/60〜60/40の範囲に在る化粧料組成物特にマニキュアを提供する。
【0026】
本発明の別の要旨では、本発明は生理上許容し得る媒質中に0.5〜2.5重量%、より良くは約1重量%のMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と0.5〜2.5重量%、より良くは約1重量%例えば0.75〜2重量%のFe2O3/SiO2/マイカーオキシド/SiO2/Fe2O3構造の角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲に在り、より良くは50/50付近にあり、例えば40/60〜60/40の範囲に在る化粧料組成物を提供する。
【0027】
本発明の別の要旨では、本発明はまた生理上許容し得る媒質中に0.5〜2.5重量%、より良くは約1重量%のMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と0.5〜2.5重量%、より良くは約1重量%のTiO2/SiO2/TiO2構造の角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあり、より良くは50/50付近であり例えば40/60〜60/40の範囲にある化粧料組成物を提供する。
【0028】
本発明の別の要旨では、本発明は生理上許容し得る媒質中に0.5〜2.5重量%、より良くは約1重量%のMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と0.5〜2.5重量%、より良くは約1重量%のTiO2/Al2O3/TiO2構造の角度彩色着色剤とを含有とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあり、より良くは50/50付近であり、例えば40/60〜60/40の範囲にある化粧料組成物を提供する。
【0029】
用語「化粧料組成物」は1993年のEEC指導者会議で定義した如き組成物を意味するのに用いる。
【0030】
用語「生理上許容し得る媒質」は、無毒でヒトの皮膚、唇、爪又は毛髪に施用するのに適当である媒質を表わすのに用いる。
【0031】
色相角Dh及び差異(Δa*2+Δb*2)1/2の変化測定
慣用の対比カード特に商標名エリッヒセン(Erichsen)によるカード及び対照型24/5カードの黒色背景に150μmの厚みを有するように組成物を自動散布器により散布した後に測定を行う。
【0032】
図1に示した図式を用いて45°の入射光で且つ光源D65で分光角度反射計(spectrogonioreflectometer)を用いる。装置は「10°の観察体」の形態であり、その際分析したスペクトルは400nm〜700nmの範囲(5nmのピッチで)に在る。用いた分光角度反射計は商標名インスツルメント システムズで市販されており、対照のGON 360測角器(goniometer)を用いる。
【0033】
マイナス角度の観測はこの場合図1に見られる通り照射した表面とはほぼ垂直の入射光が入来する半平面とは反対側の半平面での観測に相当する。
【0034】
但し書きがなければ本記載を通して、150μmの厚さに散布する条件下でしかも組成物が乾燥した後に測定を行なうと思われる。
【0035】
図2は前記の如く用いた分光角度反射計で得られる通り本発明の組成物の1例について1976 CIE L*a*b*平面での色経路(color path)を示す。
【0036】
図2において、+30°〜−10°の範囲にある観測角度値の間では色相角の偏差Dhは殆んど360°である。偏差Dhは、無色点0から開始して色経路を記載してその末端を有する半径によってかすめ通った角扇形に相当し、その際目盛は−a* a*軸及び−b*b*軸について同じである。少なくとも360°のDhの変化は色経路がa*b*平面の全ての4つの四分円を通過することを意味する。
【0037】
角度−30°及び−70°に対応する地点間の差異ΔEab*は次の方程式により定義される;

記載した例においては、次の値が適用される:
*-70°=3.74
*-30°=14.92
*-70°=14.68
*-30°=13.44
次の値を与える。
【0038】
ΔEab*=11.25

角度−30°及び−70°に対応する地点の1方又は実際上これらの両方は図2〜図5に見られる通りa*>0に相当する四分円の1つに在り得る。
【0039】
回折性顔料の例
本発明の組成物は1種又はそれ以上の回折性顔料を含有する。製造の容易さのため単一の回折性顔料を用いることができる。
【0040】
用語「回折性顔料」は白色光を照射した時観測の角度に応じて色の変化を生じ得る顔料を表わすと本発明の意味で用い、この変化は光を回折する構造の存在に因るものである。
【0041】
回折性顔料は、例えば一定の方向で単色光の入射波を回折し得る回折格子を含有できる。
【0042】
回折格子は周期的な模様、特に直線を含有でき、その際2つの隣合う模様間の距離は入射光の波長と同じ程度の大きさを有するものである。
【0043】
入射光が多色系である時は、回折格子は光スペクトルの種々の成分を分離し、虹色効果を生ずる。
【0044】
回折性顔料の構造に関しては、2002年の真空被覆機の学会、第45回年次技術会議でアルベルト アルゴイチア及びマット ウイッマンによる「回折効果を示す顔料」なる題目の文献を有用に参照し得る。
【0045】
回折性の顔料は相異なる輪郭を有する模様(図形)で形成でき、特に場合によっては対称形の三角形であるか、場合によっては一定幅の銃眼模様であるか又は裂欠状(sinusoidal)である輪郭を有する模様で形成できる。
【0046】
格子の空間頻度及び模様の深さは種々の指図に望ましい分離の程度の関数として選択すべきである。例として、空間頻度は500本の線/mm〜3000本の線/mmの範囲に在り得る。
【0047】
好ましくは、回折性顔料の各々の粒子は形状が平坦であり、特に小板の形である。
【0048】
顔料の単一粒子は、場合によっては垂直である2本の交差した回折格子を含有し得る。
【0049】
回折性顔料の1つの可能な構造は少なくとも片側を誘電材料の1層で被覆した反射性材料の1層を含有し得る。誘電層は回折性顔料により良好な剛性と耐久性とを付与し得る。次いで誘電材料は例えば次の材料:MgF2、SiO2、Al2O3、AlF3、CeF3、LaF3、NdF3、SnF2、BaF2、CaF2、LiF及びこれらの組合せから選択できる。反射性材料は例えば金属及び金属合金から及びまた非金属反射材料から選択できる。挙げ得る適当な材料にはAl、Ag、Cu、Au、Pt、Sn、Ti、Pd、Ni、Co、Rd、Nb、Cr及びこれらの化合物、組合せ又は合金がある。かかる反射性材料は単独で回折性顔料を構成でき、その場合には顔料は単一層よりなる。
【0050】
変更例として、回折性顔料は少なくとも片側を反射層で被覆したしかも場合によっては芯部を完全に包蔵している誘電材料の芯部を有する多層構造よりなり得る。誘電材料の1層は1つ又はそれ以上の反射層を被覆し得る。次いで用いた誘電材料は無機材料であるのが好ましく、例えば金属フッ化物、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物及びこれらの組合せから選択できる。誘電材料は結晶質、半結晶質又は非晶質であり得る。この形態においては、誘電材料は例えば次の材料;MgF2、SiO、SiO2、Al2O3、TiO2、WO、AlN、BN、B4C、WC、TiC、TiN、N4Si3、ZnS、ガラス粒子、ダイアモンド型炭素及びこれらの組合せから選択できる。
【0051】
変更例として、回折性顔料は既成の誘電材料又はセラミック材料によって構成でき、例えば天然の層状材料例えばペロスコバイト、マイカ又はタルクあるいはガラス、アルミナ、SiO2、炭素、鉄/マイカ オキシド、BNで被覆したマイカ、BC、黒鉛、ビスマスオキシクロライド製の合成ラメラ及びこれらの組合せによって構成できる。
【0052】
誘電材料の1層の代りに、機械特性を改良する別の材料も適当であり得る。かかる材料はシリコーン、金属ケイ化物、III、IV及びV族の元素で形成した半導体化合物、体心立方結晶構造を有する金属、サーメット化合物又は組成物、半導体ガラス及びこれらの種々の組合せよりなり得る。
【0053】
用いた回折性顔料は特に、2003年2月13日に公開した米国特許出願第2003/0031870号に記載された顔料から選択できる。
【0054】
例として、回折性顔料は次の構造:MgF2/Al/MgF2を表わすことができ、この構造を有する回折性顔料は供給会社フレックス プロダクツ社によりスペクトラフレイア1400ピグメントシルバー又はスペクトラフレイア1400ピグメントシルバーFGの名称で市販されている。MgF2の重量割合は顔料の全重量の80%〜95%の範囲にあり得る。
【0055】
組成物の全重量に関して重量%として回折性顔料の量は0.1%〜5%又は0.5%〜5%の範囲又は実際上0.5%〜2.5%の範囲にあることができ、例えば爪に施用すべき組成物については約1%であり得る。例えば、組成物はこれの全重量に関して5重量%以下の回折性顔料、より良くは0.5〜2.5%の回折性顔料を含有し得る。
【0056】
回折性顔料の大きさは例えば5μm〜200μmの範囲にあり、より良くは5μm〜100μmの範囲にあり、例えば5μm〜30μmの範囲にあり得る。
【0057】
用語「大きさ」はここではD50として知られる母集団の半分について統計的な粒度分布により与えた大きさを意味するのに用いる。
【0058】
回折性顔料粒子の厚さは3μmより小さく又はこれに等しく、より良くは2μmであり、例えば約1μmであり得る。
【0059】
回折性顔料は、45°の入射照明下でしかも30°〜−10°の範囲にある観測角度の変化について、150μmの厚さに散布した化粧料組成物の色相角の前記偏差Dhを1976 CIE平面で少なくとも50°、より良くは少なくとも70°又は少なくとも80°又は90°でさえ又は少なくとも100°でさえ観測できるような要領で選択すべきである。例えば特にマニキュアについては、偏差Dhは好ましくは少なくとも180°、より好ましくは少なくとも270°又は約360°又はそれ以上でさえあり得る。
【0060】
光沢剤(gloss)については、30°と−10°の観測角度間で少なくとも90°に亘って変化するDhで良好な結果が特に得られた。
【0061】
角度彩色着色剤の例
用語「角度彩色着色剤」は、回折格子のみを用いる以外の手段により種々の観測角度で、観測される色の変化が得られる着色剤を表わすのに本発明の意味で用いる。
【0062】
角度彩色着色剤は例えば干渉性の多層構造を有し得る。
【0063】
角度彩色着色剤の例は欧州特許EP 1 195 155号及びEP 1 249 226号に開示される。
【0064】
角度彩色着色剤がマニキュア基剤に1重量%で存在し150μmの厚さに散布した時には、観測角度が0°〜−80°の範囲で変化する時、30°より大きい又はこれに等しい又は少なくとも60°でさえの色相角の偏差Dhが得られる。
【0065】
組成物は複数の角度彩色着色剤を含有できるが、製造を容易とするために単一の角度彩色着色剤を用いることができる。
【0066】
角度彩色着色剤は、組成物の全重量に関して、特に組成物の性状に応じて例えば0.5%〜60%の範囲にある量(重量)で存在し得る。組成物はこれの全重量に関して例えば5重量%以下の角度彩色着色剤、より良くは0.5〜2.5%の角度彩色着色剤を含有できる。例えば、マニキュア組成物は0.1%〜5%の角度彩色着色剤を含有でき、ファンデーションメーキャップは例えば1〜15%の角度彩色着色剤を含有でき、口紅は例えば1〜10重量%の角度彩色着色剤を含有できる。
【0067】
マニキュアについては、1%で存在する回折性顔料と組合せて1%で存在する角度彩色着色剤を用いるときわめて満足な結果が得られた。
【0068】
角度彩色着色剤は好ましくは80μm以下の大きさを示し、例えば4μm〜80μmの範囲にあり、より良くは6μm〜70μmの範囲にある。
【0069】
本発明の好ましい実施形式によると、角度彩色着色剤は不透明ではなく、即ち45°の照明でしかも+30°〜−10°の範囲にある観測角度の変化で、1976 CIE平面において本発明の化粧料組成物の色相角の十分な偏差Dhを代表する虹色効果が得られる故に十分に透明である。特にマニキュアについてはこの偏差は好ましくは120°であり、より良くは少なくとも180°であり、尚より良くは少なくとも270°であり例えば約360°であり、この偏差は回折性顔料によって誘発される虹色効果に対応する。光沢剤については、この偏差は好ましくは少なくとも90°であり得る。
【0070】
角度彩色着色剤はまた、1976 CIE色空間で測定した通り化粧料組成物について少なくとも5、例えば少なくとも8又は少なくとも10さえ、より良くは少なくとも15又は20さえの差異ΔEab*=(Δa*2+Δb*2)1/2を得ることができ、この差異は前述の如く測定するものである。
【0071】
例として、角度彩色着色剤は透明な干渉性多層構造体及び透明な液晶着色剤から選択し得る。
【0072】
多層構造体については、例えば少なくとも2層を含有でき、各々の層は例えば、次の材料:MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、Si、SiO2、Ge、Te、Fe2O3、Pt、Va、Al2O3、MgO、Y2O3、S2O3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O3、Ta2O5、TiO2、Ag、Al、Au、Cu、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS2、氷晶石、これらの合金、ポリマー及び組合せによって構成される群から選んだ材料の少なくとも1つから形成され、但しこれらの材料は余りにも不透明でないものとする。
【0073】
各々の層は構造体の透明性を悪化させるのを避けるために非金属層であり得る。
【0074】
中心層に関して、各々の多層構造体は場合によっては積重ねた層の化学的性状により対称を提示し得る。種々の層の厚み及び性状に応じて、種々の効果が得られる。
【0075】
本発明により形成した組成物で用いるに適当な対称形の干渉多層構造体の例は例えば次の構造体:Fe2O3/SiO2/Fe2O3/SiO2/Fe2O3、この構造を有する顔料は供給会社のBASF社によりシコパールの名称で市販されている;MoS2/SiO2/マイカーオキシド/SiO2/MoS2;Fe2O3/SiO2/マイカーオキシド/SiO2/Fe2O3;TiO2/SiO2/TiO2;及びTiO2/Al2O3/TiO2であり;これらの構造体を有する顔料は供給会社メルク(ダルムスタッツ)社によりキシロナ(Xirona)の名称で市販されている。
【0076】
例として、液晶着色剤はシリコーン及びこれにグラフト結合したメソモルフィック基を有するセルロースエーテルよりなる。
【0077】
液晶角度彩色粒子として供給会社のケニックス(Chenix)社によって市販される液晶粒子及び供給会社のワッカー(Wacker)社によってヘリコーン(Helicone)(商標名)HCの名称で市販される液晶粒子を用い得る。
【0078】
角度彩色着色剤として、或る光沢剤、合成基材上で効果を生ずる顔料、特に次の型式;アルミナ、シリカ、ボロシリケート、鉄酸化物、アルミニウムの1つの基材上で効果を生じる顔料又はポリエチレンテレフタレートの薄膜から得られる干渉性ホログラフィーフレークを用い得る。
【0079】
本発明はまた分散した角度彩色繊維を含有し得る。かかる繊維は好ましくは80μmより短い長さを有する。
【0080】
別の着色剤
化粧料組成物は、1つ又はそれ以上の別の着色剤例えば染料特に油溶性又は水溶性染料、単色顔料及び化粧料組成物に通常用いる或る光沢顔料から選んだ別の着色剤を配合し得る。
【0081】
光沢顔料の例としては、酸化チタンで被覆した天然のマイカ、酸化鉄、天然の顔料又はビスマス オキシクロリドを挙げ得る。市場で入手し得る光沢顔料のうちでは、供給会社のエンゲルハード社によって市販されるチミカ(Timica)及びフラメンコ(Flamenco)及びメルク社によって市販されるチミロン(Timiron)を挙げ得る。
【0082】
非角度彩色着色剤及び非回折性着色剤も例えば染料から又は単色顔料から選択でき、しかも例えば回折性顔料と角度彩色着色剤との前記組合せによって生じた色相を補正するのに役立つことができ、こうして望ましくないと思われる色の出現を防止する。非角度彩色着色剤及び非回折性着色剤はまた化粧料組成物に存在してこれに或る観測条件下での望ましい色を与えることができる。
【0083】
回折性顔料以外の1種又はそれ以上の着色剤は、特に観測角度が+30°〜−10°の範囲に亘って変化する時、図2に見られる通り、1976 CIEa*b*平面における色経路が全ての4つの四分円を通過するように且つ無色点を表明するように「包囲する」ような要領で選択できる。
【0084】
生理上許容し得る媒質
生理上許容し得る媒質は組成物を施用しようとする媒体の性状に適合すべきでありしかもまた特に組成物が周囲温度及び大気圧で固体又は液体であろうと組成物を包装しようとする形態に適合すべきである。
【0085】
本発明の組成物は水性又は脂肪性の化粧料媒質を含有できる。
【0086】
該組成物は水を含有でき又は水と親水性有機溶剤例えばアルコール類特に2〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖低級モノアルコール例えばエタノール、イソプロパノール又はn−プロパノール;ポリオール類例えばグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール及びポリエチレングリコールとの混合物を含有できる。親水相はまたC2エーテル及び親水性のC2〜C4アルデヒドを含有できる。水又は水と親水性有機溶剤との混合物は本発明の組成物中に組成物の全重量に関して0〜90重量%(特に0.1〜90%)の範囲にある含量で、好ましくは0〜60重量%(特に0.1〜60重量%)の範囲にある含量で存在し得る。
【0087】
該組成物はまた脂肪相を含有でき、特に室温(一般に25℃)で液体である脂肪及び/又は半固体脂肪、ガム及びこれらの混合物の如き室温で固体である脂肪によって構成される脂肪相を含有できる。脂肪相はまた親油性の有機溶剤を含有できる。
【0088】
油として知られることが多く室温で液体でありしかも本発明で用いるに適当である脂肪として、次の成分を挙げ得る;植物性の炭化水素油例えば4〜10個の炭素原子を有する脂肪酸の液体トリグリセリド例えばヘプタノエート又はオクタノエート酸のトリグリセリド;又は実際上ヒマワリ、トウモロコシ、大豆、ブドウの種、ゴマ、杏、マカダミア、ヒマシ油の豆又はアボガド油及びカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、ジョジョバ油、カリテバター;無機又は合成起源の直鎖又は分枝鎖炭化水素例えばパラフィン油及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン例えばパーレアム;特に脂肪酸の合成エステル及びエーテル例えばプルセリン油、イソプロピルミリステート、エチル−2−ヘキシル パルミテート、オクチル−2−ドデシル ステアレート、オクチル−2−ドデシル エルケート、イソステアリル ステアレート;ヒドロキシルエステル例えばイソテアリル ラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクトドデシル ヒドロキシステアレート、ジイソテアリル マレート、トリイソセチル シトレート、ヘプタノエート、オクタノエート、脂肪酸デカノエート;ポリオールエステル例えばプロピレングリコール ジオクタノエート、ネオペンチルグリコール ジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート;及びペンタエリスリトールのエステル;12〜26個の炭素原子を有する脂肪酸例えばオクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、オレインアルコール;部分的に炭化水素化した及び/又はシリコン化したフッ素化油;シリコーン油例えば揮発性であり得るか又はさもなくば直鎖又は環式の、室温で液体又は半固体のポリメチルシロキサン(PDMS)例えばシクロメチコーン、ジメチコーン、場合によってはフェニル基を含有するポリメチルシロキサン例えばフェニルトリメチコーン、フェニルトリメチルシロキサン、ジフェニル シロキサン、ジフェニルメチル−トリシロキサン、ジフェニルジメチコーン、フェニルジメチコーン、ポリメチルフェニルシロキサン;及びこれらの混合物。
【0089】
これらの油は組成物の全重量に関して0.01〜90重量%の範囲にある含量で、より良くは0.1〜85重量%の範囲にある含量で存在し得る。
【0090】
本発明の組成物はまた1種又はそれ以上の生理上許容し得る有機溶剤を含有できる。これらの溶剤は組成物の全重量に関して0〜90重量%の範囲、より良くは0〜60重量%の範囲又は尚より良くは0.1〜30重量%の範囲にある濃度で存在し得る。
【0091】
有機溶剤の存在は爪をメーキャップするのに特に適当である。次いで組成物は一般にマニキュアを構成する。有機溶剤は組成物の全重量に関して例えば30〜99重量%、好ましくは60〜90重量%の範囲にある濃度で化粧料組成物中に存在し得る。
【0092】
組成物の生理上許容し得る媒質が液相を含有する時は、該相は特に水が分散又は乳化された有機液相によって構成し得る。
【0093】
組成物がその全重量に関して、場合によっては5%以下の水特に1%以下の水を含有する連続脂肪相を提示でき、しかも特に無水形で提示できる。
【0094】
充填剤
化粧料組成物はまた充填剤を含有できる。
【0095】
用語「充填剤」は組成物を調製する温度に拘わらず組成物の媒質中に不溶性である何れかの種類の粒子を表わすのに用いる。かかる充填剤は組成物のレオロジー又は肌目を改質するのに特に役立ち得る。
【0096】
充填剤の例として、就中タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミド粉末(ナイロン:商標)(アトケム社からのオルガゾル:商標)を挙げ得る。
【0097】
充填剤及び他の顔料は予期した光学作用を害するものではない。
【0098】
化粧料活性剤
化粧料組成物はまた1種又はそれ以上の化粧料活性剤、皮膚活性剤、衛生活性剤又は医薬活性剤を含有できる。
【0099】
本発明の組成物に用いるに適当な化粧料、皮膚、衛生又は製薬活性剤として、加湿剤(グリセリンの如きグリコール);ビタミン(C、A、E、F、B又はPP);必須脂肪酸;精油;セラミド;スピンゴリピド;油溶性であるか又はナノ粒子の形である日焼け止め剤;皮膚を処置するのに特定の活性剤(保護剤、殺菌剤、防シワ剤・・・)を挙げ得る。これらの活性剤は例えば組成物の全重量に関して0〜20%特に0.001〜15%の範囲にある濃度で用い得る。
【0100】
別の成分
化粧料組成物は、例えば増粘剤、湿潤剤、オリゴ成分、調湿剤、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、アルカリ剤又は酸剤、防腐剤、酸化防止剤、UVフィルター及びこれらの混合物の如き化粧料に普通用いる成分を含有できる。
【0101】
更には、意図した施用型式に応じて、化粧料組成物は、所望の形態に適当な量で存在し且つ当該分野で通常用いる成分を更に含有できる。
【0102】
物理的な形態
化粧料組成物は局所施用に普通用いる何れかの形式で提示でき、しかも特に無水形で、油状溶液又は水溶液の形で油性ゲル又は水性ゲルの形で、水中油型又は油中水型エマルジョン、多重エマルジョン、油/水の界面に位置した小泡により水中への油の分散物の形で提示できる。
【0103】
本発明の組成物は、粉末、液体、固体又は半固体の形であることができ、特にスティック又はカップに成型した生成物、ペースト、流動性の大きい又は小さいクリーム、可撓性シートに沈着させたフィルムの形であることができる。
【0104】
就中、化粧料組成物は、マニキュア、口紅、液体光沢剤、唇用の赤色ペースト、ルージュ、リップペンシル、固体又は流体のファンデーションメーキャップ、眼の下又は眼の回りのたるみを防止する製剤、アイライナー、マスカラ、アイシャドー、身体又は毛髪用のメーキャップ又は実際上日焼け止め又は皮膚着色用製剤を構成できる。
【0105】
本発明の組成物は、化粧料で通常用いる製造方法を用いて得られる。
【0106】
以下に与えた実施例は本発明を例示するために与えてあり、これに限定されるものでない。
【0107】
実施例1
マニキュア
次の組成(重量割合)を有するマニキュアを生成した:
回折性顔料* 1%
角度彩色着色剤** 1%
マニキュア基剤*** 100%にする必要量
*: スペクトラフレイア1400シルバー(フレックス プロダクツ社)
**: シコパール(BASF社)
***: マニキュア基剤は次の組成(%)を示した;
ニトロセルロース 10
可塑剤及びレジン 15
レオロジー剤 1.5
エチルアセテート、ブチルアセテート 100%にする必要量
組成物は図2に示した色経路を示して得られた。
【0108】
30°〜−10°の範囲に在る観測角度の変化については、5以上の差異ΔEab*と共に偏差Dhが約360°の色相角で得られることが見られる。
【0109】
かかるマニキュアを用いると、広範囲の観測角度値に亘ってマニキュアの色の大きな変動が得られ、角度彩色顔料の存在は虹色効果の観測に伴なわない。
【0110】
実施例2
回折性顔料* 1%
角度彩色着色剤** 1%
マニキュア基剤*** 100%にする必要量
*: スペクトラフレイア1400シルバー(フレックス プロダクツ社)
**: キシロナ マジック マウブ(メルク社)
***: マニキュア基剤は次の組成(%)を示した;
ニトロセルロース 10
可塑剤及びレジン 15
レオロジー剤 1.5
エチルアセテート、ブチルアセテート 100%にする必要量
観測した色経路は図3に示し、観測角度の変化と共に色の大きな変化が得られる。
【0111】
実施例3
マニキュア
回折性顔料* 1%
角度彩色着色剤** 1%
マニキュア基剤*** 100%にする必要量
*: スペクトラフレイア1400シルバー(フレックス プロダクツ社)
**: キシロナ カリブビーン ブルー(メルク社)
***: マニキュア基剤は次の組成(%)を示した;
ニトロセルロース 10
可塑剤及びレジン 15
レオロジー剤 1.5
エチルアセテート、ブチルアセテート 100%にする必要量
図4の色経路が観測される。
【0112】
実施例4
光沢剤
回折性顔料* 1%
角度彩色着色剤** 1%
光沢剤基剤*** 100%にする必要量
*: スペクトラフレイア1400シルバー(フレックス プロダクツ社)
**: シコパール(BASF社)
***: 光沢剤基剤は次の組成(%)を示した;
ビス−ジグリセリル 2−ポリアクリルアジペート 19.4
ジイソステアリル マレート 10.5
トリデシル トリメリテート 11.1
C18〜36酸トリグリセリド 21.1
シリカ ジメチル シリケート 8.9
ポリブテン 13.3
ペンタエリスリトールテトライソステアレート 14.4
芳香剤、防腐剤 必要量
図5の色経路が観測される。
【0113】
30°〜−10°の範囲に亘って変化する観測角度に対して約100°の色相角の偏差Dhが測定し得る。
【0114】
当然、本発明は前述の実施例に限定されず、別の顔料も用い得る。
【0115】
請求項を含めて本記載に亘って、用語「含有してなる」は但し書きがなければ「少なくとも1つを含有してなる」と同義であると理解すべきである。範囲は但し書きがなければ、それらの境界マーカーを含むと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の組成物の色相角の偏差Dh及び差異(Δa*2+Δb*2)1/2を測定するため45°の入射光で照射体D65を用いた光学角度反射計を示す。
【図2】本発明組成物を用いて1996 CIE L*a*b*平面での色経路をそれぞれ示す図表である。
【図3】本発明組成物を用いて1996 CIE L*a*b*平面での色経路をそれぞれ示す図表である。
【図4】本発明組成物を用いて1996 CIE L*a*b*平面での色経路をそれぞれ示す図表である。
【図5】本発明組成物を用いて1996 CIE L*a*b*平面での色経路をそれぞれ示す図表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理上許容し得る媒体中に、回折格子を含有する少なくとも1種の回折性顔料と、干渉性多層構造を含有する少なくとも1種の角度彩色着色剤とを含有してなる化粧料組成物であって、こうして+45°の入射光に対して該組成物は−10°〜+30°の範囲に亘っての観測角度の変化について少なくとも50°の色相角の偏差Dhを表わし、且つ−30°〜−70°の範囲に亘っての観測角度に対して少なくとも5の差異(Δa*2+Δb*2)1/2を表わすことを特徴とする化粧料組成物。
【請求項2】
色相角の偏差Dhは−10°〜+30°の範囲に亘っての観測角度の変化について少なくとも70°を有することを特徴とする請求項1記載の化粧料組成物。
【請求項3】
角度彩色着色剤は80μmより小さい又はこれに等しい寸法の顔料を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
角度彩色着色剤は6μm〜70μmの範囲にある寸法の顔料を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
色相角の偏差Dhは、+30°〜−10°の範囲にある観測角度の変化について80°より大きいか又は80°に等しいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
色相角の偏差Dhは、+30°〜−10°の範囲にある観測角度の変化について90°より大きいか又は90°に等しいことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の組成物。
【請求項7】
色相角の偏差Dhは、+30°〜−10°の範囲にある観測角度の変化について100°より大きいか又は100°に等しいことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の組成物。
【請求項8】
色相角の偏差Dhは、+30°〜−10°の範囲にある観測角度の変化について180°より大きいか又は180°に等しいことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のマニキュア用組成物。
【請求項9】
色相角の偏差Dhは、+30°〜−10°の範囲にある観測角度の変化について270°より大きいか又は270°に等しいことを特徴とする請求項1〜8の何れかにマニキュア用組成物。
【請求項10】
色相角の偏差Dhは、+30°〜−10°の範囲にある観測角度の変化について360°であることを特徴とする請求項1〜9の何れかにマニキュア用組成物。
【請求項11】
差異 (Δa*2+Δb*2)1/2は−30°〜−70°の範囲の観測角度について少なくとも8であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の組成物。
【請求項12】
差異 (Δa*2+Δb*2)1/2は−30°〜−70°の範囲の観測角度について少なくとも10であることを特徴とする、請求項1〜11の何れかに記載の組成物。
【請求項13】
差異 (Δa*2+Δb*2)1/2は−30°〜−70°の範囲の観測角度について少なくとも15であることを特徴とする、請求項1〜12の何れかに記載の組成物。
【請求項14】
差異 (Δa*2+Δb*2)1/2は−30°〜−70°の範囲の観測角度について少なくとも20であることを特徴とする、請求項1〜13の何れかに記載の組成物。
【請求項15】
−30°〜−70°の範囲にある観測角度に亘って色相角の偏差Dhは15°より大きいか又は15°に等しいことを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の組成物。
【請求項16】
角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載の組成物。
【請求項17】
角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は80/20〜20/80の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜16の何れかに記載の組成物。
【請求項18】
角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は60/40〜40/60の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜17の何れかに記載の組成物。
【請求項19】
角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は50/50であることを特徴とする、請求項1〜18の何れかに記載の組成物。
【請求項20】
組成物の全重量に関して5重量%以下の回折性顔料を含有することを特徴とする請求項1〜19の何れかに記載の組成物。
【請求項21】
組成物の全重量に関して0.5〜2.5重量%の回折性顔料を含有することを特徴とする請求項1〜20の何れかに記載の組成物。
【請求項22】
組成物の全重量に関して5%以下の角度彩色着色剤を含有することを特徴とする請求項1〜21の何れかに記載の組成物。
【請求項23】
組成物の全重量に関して0.5〜2.5%の角度彩色着色剤を含有することを特徴とする請求項1〜22の何れかに記載の組成物。
【請求項24】
誘電材料の1層で少なくとも片側を被覆した反射性材料の1層を包含してなる少なくとも1種の回折性顔料を含有することを特徴とする請求項1〜23の何れかに記載の組成物。
【請求項25】
反射性材料は次の金属.Al、Ag、Cu、Au、Pt、Sn、Ti、Pd、Ni、Co、Rd、Nb、Cr、及びこれらの組合せ又は合金から選択され、誘電材料は次の成分MgF2、SiO2、Al2O3、AlF3、CeF3、LaF3、NdF3、SmF2、BaF2、CaF2、LiF及びこれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項1〜24の何れかに記載の組成物。
【請求項26】
少なくとも片側を反射層で被覆した誘電材料の1層を含有してなる少なくとも1種の回折性顔料を含有することを特徴とする請求項1〜23の何れかに記載の組成物。
【請求項27】
誘電材料は次の成分:MgF2、SiO、SiO2、Al2O3、TiO2、WO、AlN、BN、B4C、WC、TiC、TiN、N4Si3、ZnS、ガラス粒子、ダイヤモンド型炭素の粒子及びこれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項1〜26の何れかに記載の組成物。
【請求項28】
次の成分:MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、Si、SiO2、Ge、Te、Fe2O3、Pt、Va、Al2O3、MgO、Y2O3、S2O3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O3、Ta2O5、TiO2、Ag、Al、Au、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS2、氷晶石、これらの合金、ポリマー及び組合せから選択した材料の少なくとも1層を包含してなる少なくとも1種の角度彩色着色剤を含有することを特徴とする請求項1〜27の何れかに記載の組成物。
【請求項29】
反射性金属の1層を包含する角度彩色着色剤を有しないことを特徴とする請求項1〜28の何れかに記載の組成物。
【請求項30】
アルミニウムの1層を包含する角度彩色着色剤を有しないことを特徴とする請求項1〜29の何れかに記載の組成物。
【請求項31】
少なくとも1種の非角度彩色着色剤を含有することを特徴とする請求項1〜30の何れかに記載の組成物。
【請求項32】
非角度彩色着色剤は染料及び単色顔料から選択されることを特徴とする請求項1〜31の何れかに記載の組成物。
【請求項33】
組成物は次の形式の1つであり;無水形であるか、油状溶液又は水溶液の形であるか、油状又は水性ゲルの形であるか、水中油型又は油中水型エマルジョンの形であるか、多重エマルジョンの形であるか、油/水の界面に位置した小泡によって水中油分散物の形であることを特徴とする請求項1〜32の何れかに記載の組成物。
【請求項34】
請求項1〜33の何れかに定義した組成物を含有してなるマニキュア。
【請求項35】
請求項1〜33の何れかに定義した組成物を含有してなる唇のメーキャップ。
【請求項36】
請求項1〜33の何れかに定義した組成物を含有してなるマスカラ。
【請求項37】
請求項1〜33の何れかに定義した組成物を含有してなるファンデーションメーキャップ。
【請求項38】
皮膚、唇、爪及び毛髪から選んだ化粧用媒体のメーキャップ方法において、該媒体に請求項1〜33の何れかに定義した化粧料組成物中の少なくとも1種の透明な角度彩色着色剤と回折性顔料とを同時に施用することからなる、媒体のメーキャップ方法。
【請求項39】
生理上許容し得る媒質中に、0.5〜2.5重量%の回折格子を含有するMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と0.5〜2.5重量%の多層干渉Fe2O3/SiO2/Fe2O3/SiO2/Fe2O3構造を有する角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする化粧料組成物。
【請求項40】
生理上許容し得る媒質中に、1重量%の回折格子を含有するMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と、1重量%の多層干渉Fe2O3/SiO2/Fe2O3/SiO2/Fe2O3構造を有する角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする請求項39記載の化粧料組成物。
【請求項41】
生理上許容し得る媒質中に、0.5〜2.5重量%の回折格子を含有するMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と0.5〜2.5重量%の多層干渉Fe2O3/SiO2/マイカーオキシド/SiO2/Fe2O3構造を有する角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする化粧料組成物。
【請求項42】
生理上許容し得る媒質中に、1重量%の回折格子を含有するMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と、1重量%の多層干渉Fe2O3/SiO2/マイカーオキシド/SiO2/Fe2O3構造を有する角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする請求項41記載の化粧料組成物。
【請求項43】
生理上許容し得る媒質中に、0.5〜2.5重量%の回折格子を含有するMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と、0.5〜2.5重量%の多層干渉TiO2/SiO2/TiO2構造を有する角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする化粧料組成物。
【請求項44】
生理上許容し得る媒質中に、1重量%の回折格子を含有するMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と、1重量%の多層干渉TiO2/SiO2/TiO2構造を有する角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする請求項43記載の化粧料組成物。
【請求項45】
生理上許容し得る媒質中に、0.5〜2.5重量%の回折格子を含有するMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と0.5〜2.5重量%の多層干渉TiO2/Al2O3/TiO2構造を有する角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする化粧料組成物。
【請求項46】
生理上許容し得る媒質中に、1重量%の回折格子を含有するMgF2/Al/MgF2構造の回折性顔料と、1重量%の多層干渉TiO2/Al2O3/TiO2構造を有する角度彩色着色剤とを含有してなり、角度彩色着色剤に関する回折性顔料の重量比は85/15〜15/85の範囲にあることを特徴とする請求項45記載の化粧料組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−153909(P2007−153909A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34708(P2007−34708)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【分割の表示】特願2004−146412(P2004−146412)の分割
【原出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【出願人】(592163240)ロレアル (23)
【Fターム(参考)】