説明

化粧料

【課題】本発明の目的は、伸び(スライド感)が良い、化粧膜の艶(油っぽさ)をコントロールできる、色くすみが少ない等の利点を有し、外観(見かけの色)と付け色との差が少なく、化粧もちが良く、成型(プレス)が容易である化粧料を提供することにある。
【解決手段】本発明は、化粧料全量に対して1〜80重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有する化粧料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレンテレフタレート粉体を含有する化粧料に関する。さらに詳しくは、従来の有機系の化粧料用粉体と比べて外観(見かけの色)と付け色との差が少なく自然な仕上がりに優れ、化粧もちが良い等の利点を有し、加えて粉体系プレス製品のときプレス成型が容易であるという利点を有する、ポリエチレンテレフタレート粉体を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料用粉体としては、数多くの粉体が古くから使用されている。無機系の粉体としては、例えばタルク、白雲母、絹雲母等の天然鉱物を微粉化したもの、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物を微粉化したもの等が挙げられる。その一方で、有機系の粉体としては、例えば、絹、セルロース等の天然有機物を微粉化したもの、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を微粉化したものや、合成段階で微粒子化したもの等が挙げられる。
従来、化粧料用粉体は無機系の粉体が主流であったが、近年は有機系の粉体も使用されている。その理由としては、ファンデーションの伸び(スライド感)が良い、化粧膜の艶(油っぽさ)をコントロールできる、色くすみが少ない等が挙げられる。
このような有機系の化粧料用粉体を利用した化粧料に関しては、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、窒化ホウ素粉末、ナイロン粉末およびフッ素含有化合物を含有する粉体化粧料が提案されている。この文献によれば、肌への密着性が良好で、使用感に粉っぽさが無く、しかも、化粧持続性に優れた粉体化粧料が開示されている。特許文献2には、平均粒径25〜100μmである、中実または中空のアクリル樹脂粉体、ナイロンパウダー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびポリエチレン粉末から選択される1種または2種以上の球状粉体を、化粧料全量に対して9〜35重量%を含有する粉体含有固形化粧料が提案されている。この文献には、キャピラリ領域とスラリー領域の中間領域の化粧料において、パウダーファンデーションのような化粧仕上がりの簡便さを有しつつも、しっとりとしたオイルゲル化粧料や乳化分散型化粧料の良い点を備えた粉体含有固形化粧料が開示されている。特許文献3には、嵩比重が5〜20mL/gであるスチレン類、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類からなる板状ポリマー粉体を含有することを特徴とする化粧料が提案されている。この文献には、化粧料中での分散性に優れ、塗布時の感触の柔らかさと高いスライド性を有し、肌への密着感、化粧膜の透明感に優れ、また経時での化粧膜の色ぐすみがなく、透明感の持続する化粧料が開示されている。特許文献4には、板状粉体表面に硫酸バリウムを被覆し、更に酸化亜鉛を被覆してなる複合粉体、板状粉体表面にハイドロキシアパタイトを被覆し、更に酸化亜鉛を被覆してなる複合粉体、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを配合することを特徴とする固形粉末化粧料が提案されている。この文献には、塗布時の滑らかな伸び広がりが良好で、紫外線遮蔽効果に優れ、しかも、経時的なテカリ防止効果および化粧持続性に優れる固形粉末化粧料が開示されている。
【0003】
このように有機系の化粧料用粉体を利用した化粧料は多くの提案がされているが、ポリエチレンテレフタレートを化粧料用粉体として利用した化粧料は皆無である。特許文献5では、着色された、屈折率の異なる2種類以上の高分子化合物を含む干渉繊維を含有することを特徴とする化粧料が提案されている。この文献には、高彩度の化粧膜を形成することができ、塗布部位の質感を光学的に変化させる化粧効果を有し、しかも外観的にもその化粧効果を期待させるような高彩度で光輝性に優れた化粧料が開示されている。この文献で例示されている高分子化合物の1種として、ポリエチレンテレフタレートが挙げられているが、長さが0.01mm以上5mm以下であり、太さが0.01デニール以上20デニール以下である干渉繊維としてポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい態様となっており、ポリエチレンテレフタレートの粉体の利用とは異なるものである。
【0004】
ポリエチレンテレフタレートが化粧料用粉体として提案されていない背景には、本発明者の検討結果によると、ポリエチレンテレフタレートは微粉砕しにくい、すなわち、通常のポリエチレンテレフタレートを粉砕しても平均粒径数百μm程度までにしか粉砕できず、またヒゲが生じるため、この粒径の大きさおよびヒゲが肌への質感に悪影響を及ぼすことによると、推測される。
【特許文献1】特開2002−60312号公報
【特許文献2】特開2004−217580号公報
【特許文献3】特開2004−2274号公報
【特許文献4】特開2005−298475号公報
【特許文献5】特開2005−314393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、固形状態のポリエチレンテレフタレートにある処理を施すと、得られるポリマーは非常に粉砕しやすく、容易に微粒子化することができること、そしてこの微粒子化したポリエチレンテレフタレートは、従来の有機系の化粧料用粉体と比べて優れた特性を有することを見出し、本発明に到達した。
【0006】
即ち、本発明の目的は、従来の有機系の化粧料用粉体が持ち合わせている、ファンデーションの伸び(スライド感)が良い、化粧膜の艶(油っぽさ)をコントロールできる、色くすみが少ない等の利点を持ち合わせているのは勿論のこと、外観(見かけの色)と付け色との差が少なく自然な仕上がりに優れ、化粧もちが良い等の利点を有し、加えて従来品と比べると成型(プレス)が容易であるという利点を有するポリエチレンテレフタレートの粉体を、化粧料原料の一部として利用した化粧料を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、本発明によれば、化粧料全量に対して1〜80重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有する化粧料によって達成される。
本発明においては、ポリエチレンテレフタレート粉体を含有する化粧料が粉体系製品であり、化粧料全量に対して10〜70重量%を含有することが好ましい。ポリエチレンテレフタレート粉体を含有する化粧料が液状系製品であり、化粧料全量に対して1〜15重量%を含有することが好ましい。ポリエチレンテレフタレート粉体を含有する化粧料が油性系製品であり、化粧料全量に対して10〜30重量%を含有することが好ましい。ポリエチレンテレフタレート粉体の平均粒径が0.5〜20μmであることが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレート粉体の密度が1.4〜1.45g/cm、固有粘度が0.1〜0.4dl/gであることが好ましい。さらにまた、ポリエチレンテレフタレート粉体が、90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.55dl/g以上で、密度が1.36g/cm以上のポリエチレンテレフタレートを固形状態でエチレングリコールと接触させ、該ポリエチレンテレフタレート中の非晶質部分を溶解することにより得られたポリエチレンテレフタレート(A)を粉砕したものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化粧料は、有機系の化粧料用粉体が持ち合わせている、ファンデーションの伸び(スライド感)が良い、化粧膜の艶(油っぽさ)をコントロールできる、色くすみが少ない等の利点を持ち合わせている。さらに本発明の化粧料は、従来品と比べて外観(見かけの色)と付け色との差が少なく自然な仕上がりに優れ、化粧もちが良い、容易に着色することができ美しい色彩を表現しやすい、安価に提供することが可能である等の利点を有する。加えて、本発明の化粧料は、成型(プレス)が容易であるという利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(ポリエチレンテレフタレート粉体)
本発明の化粧料は、ポリエチレンテレフタレート粉体を含有する。ポリエチレンテレフタレート粉体を構成するポリエチレンテレフタレート(以下、ポリエチレンテレフタレート(A)とする)は、主としてエチレンテレフタレート単位からなることが好ましい。即ち、ポリエチレンテレフタレート(A)は、90モル%以上、さらには95モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなることが好ましい。他の成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、セバチン酸等の酸成分、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール成分を例示することができる。さらに具体的には、例えばエチレンイソフタレート単位、エチレンナフタレンジカルボキシレート単位、ジエチレンテレフタレート単位等が挙げられる。すなわち該ポリエチレンテレフタレート(A)は、ホモポリマーであることが好ましいが、全ジカルボン酸成分に対し10モル%以下の、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのテレフタル酸以外のジカルボン酸成分および/またはジエチレングリコールなどのエチレンングリコール以外のグリコール成分を用いた共重合ポリマーであってもよい。また、全重量に対し10重量%以下の他の縮合樹脂を混合させたブレンドポリマーであってもよい。
【0010】
本発明におけるポリエチレンテレフタレート(A)の固有粘度は、好ましくは0.1〜0.4dl/g、さらに好ましくは0.12〜0.35dl/g、特に好ましくは0.13〜0.30dl/gの範囲である。また密度は、好ましくは1.4〜1.45g/cm、さらに好ましくは1.4〜1.44g/cmである。ポリエチレンテレフタレート(A)は、高い密度と低い固有粘度を有するため、粉砕処理する場合に容易に粉砕でき、ヒゲ状物が発生しにくいという利点を有する。そして、得られる粉砕物は、成型(プレス)が容易、見かけの色と付け色との差が少ない、化粧もちが良い、容易に着色することができ美しい色彩を表現しやすいといった利点を有する素材であり、このため化粧料用の粉体として好適である。
本発明におけるポリエチレンテレフタレート(A)は、下記式(1)、さらには下記式(2)を満足することが好ましい。
【0011】
H1/H2≦0.1 (1)
H1/H2≦0.01 (2)
式中、H1は、ポリエチレンテレフタレート(A)の示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における結晶化の発熱量(J/g)を表わす。H2は、ポリエチレンテレフタレート(A)の示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における融解の吸熱量(J/g)を表わす。熱量は、例えば(株)島津製作所製、DSC−60に適用することで測定することができる。
【0012】
ポリエチレンテレフタレート(A)は、発熱ピーク自体が存在しない、即ちH1=0で、H1/H2=0であることが特に好ましい。通常、ポリエチレンテレフタレートの結晶化による発熱ピークは、140〜160℃の範囲に見られるが、ポリエチレンテレフタレート(A)は、多くの部分が結晶質からなるため結晶化の発熱ピークが存在しないか、存在しても発熱量(H1)は低い。その一方、昇温過程において融解温度は結晶化温度を経るため、実質的に融解時には結晶質となっており、融解の吸熱ピークの熱量(H2)は元の状態が非晶質からなろうが、結晶質からなろうがほぼ同じ数値を示す。
【0013】
ポリエチレンテレフタレート粉体の平均粒径は、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは1.5〜10μmである。
(ポリエチレンテレフタレート粉体の製造)
ポリエチレンテレフタレート粉体は、ポリエチレンテレフタレート(A)の原料となるポリエチレンテレフタレート(以下、ポリエチレンテレフタレート(a)とする)を固形状態でエチレングリコールと接触させ、ポリエチレンテレフタレート(a)の主として非晶質を溶解させた後、粉砕して製造することができる。
【0014】
ポリエチレンテレフタレート(a)は、実質的にポリエチレンテレフタレート(A)と同じポリマー組成からなり、具体的には90モル%以上、好ましくは95モル%以上さらには95モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなることが好ましい。他の成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、セバチン酸等の酸成分、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール成分を例示することができる。さらに具体的には、例えばエチレンイソフタレート単位、エチレンナフタレンジカルボキシレート単位、ジエチレンテレフタレート単位等が挙げられる。すなわち該ポリエチレンテレフタレート(a)は、ホモポリマーであることが好ましいが、全ジカルボン酸成分に対し10モル%以下の、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのテレフタル酸以外のジカルボン酸成分および/またはジエチレングリコールなどのエチレンングリコール以外のグリコール成分を用いた共重合ポリマーであってもよい。また、全重量に対し10重量%以下の他の縮合樹脂を混合させたブレンドポリマーであってもよい。
【0015】
ポリエチレンテレフタレート(a)は、テレフタル酸とエチレングリコールの直接重合法により製造することができる。また、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールのエステル交換法により製造することができる。また、回収ポリエチレンテレフタレートをリサイクルすることにより製造することができる。例えば、廃ポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールにより解重合した後、精製処理して高純度のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得、これを重合することにより製造することができる。その際、重合触媒を用いるのが好ましく、この触媒としてゲルマニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、マンガン化合物等を例示することが出来る。また、市販されているポリエチレンテレフタレート樹脂を使用しても良い。
【0016】
ポリエチレンテレフタレート(a)は、易粉砕性付与の処理を行なう前に結晶化処理を行なうことが好ましい。結晶化処理は、従来公知の方法で良い。例えば、ポリエチレンテレフタレートを結晶化温度に加熱する方法、溶融状態から徐冷する方法、有機溶媒を作用させる方法等を好ましく例示することができる。
【0017】
ポリエチレンテレフタレート(a)の密度は、好ましくは1.36g/cm以上、さらに好ましくは1.36〜1.4g/cm未満である。また、固有粘度は、好ましくは0.55dl/g以上、さらに好ましくは0.55〜1.2dl/gである。ポリエチレンテレフタレート(a)の中には、非晶質と結晶質が混在する。
ポリエチレンテレフタレート(a)の形状は、易粉砕性付与の処理を効率的に進め得るものであればどのような形状でもよく、パウダー、ペレット、チップ、フレーク等の形状を好ましく例示することができる。これらの中、原料の加工性、結晶化の状態、ハンドリング性等の面からペレットの形状であることが好ましい。ペレットは、断面が円形または楕円形の円柱状であることが好ましく、その長径は0.5〜3mm、短径は0.1〜2mmであることが好ましい。また、長さは1〜10mmであることが好ましい。
【0018】
(部分解重合)
ポリエチレンテレフタレート(a)に易粉砕性の特性を付与する方法としては、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(a)を固形状態でエチレングリコールと接触させ、ポリエチレンテレフタレート(a)の主として非晶質を溶解させる方法で行なうのが好ましい。この接触は、ポリエチレンテレフタレート(a)の固有粘度が0.1〜0.4dl/gになるまで行なう。ポリエチレンテレフタレート(a)の非晶質は、結晶質に比べてエチレングリコールにより解重合されやすく、優先的に溶解され、主として結晶質からなるポリエチレンテレフタレートを得ることができる。
【0019】
ポリエチレンテレフタレート(a)とエチレングリコールとの接触は、ポリエチレンテレフタレート(a)の非晶質が溶解(解重合)される程度に行なうものである。一般的な高分子物質は結晶質と非晶質からなるが、分子が配向している結晶部分は、分子が配向していない非晶質部分よりも分解溶媒(本発明においては通常エチレングリコール)が進入し難いため溶解(解重合)され難いからである。
ポリエチレンテレフタレート(a)とエチレングリコールとの量比は、ポリエチレンテレフタレート(a)1重量部に対してエチレングリコールが好ましくは0.5〜6重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。
また、易粉砕性付与の処理(部分解重合反応)は無触媒で行なうことが好ましいが、場合によっては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメチラート、酢酸亜鉛等の解重合触媒を使用することもできる。解重合触媒を使用する場合、触媒の量は、ポリエチレンテレフタレート(a)100重量部に対して0.05〜0.50重量部、さらには0.15〜0.40重量部であることが好ましい。
ポリエチレンテレフタレート(a)とエチレングリコールとの接触温度は、好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは160〜220℃である。また、接触時間は好ましくは30〜500分、さらに好ましくは40〜300分である。これらの範囲で反応させることにより非晶質の溶解(解重合)が効率的に進み、且つ、多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)の収率も良くなる。
【0020】
(分離)
接触工程の後、ポリエチレンテレフタレート(A)とエチレングリコールを主成分とする液相とを分離する分離工程を行なうことが好ましい。分離は、固体状のポリエチレンテレフタレート(A)を分離できればどのような方法でも良く、濾過、遠心分離、デカンテーション等の方法が挙げられる。例えば、接触工程により得られた、多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)の分散液を5〜100メッシュのフィルターに通液することで行なうことができる。
エチレングリコールを主成分とする液相は、通常、エチレングリコールの他、固形成分、例えばビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、モノ(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等を含む。従って分離工程は、これらの固形成分が析出しない150〜198℃で行なうことが好ましい。
【0021】
(洗浄、乾燥)
分離工程の後、得られた多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)を洗浄し、乾燥する洗浄・乾燥工程を行なうことが好ましい。洗浄は、熱エチレングリコールによる洗浄、熱水による洗浄、常温の水による洗浄、またはこれらを組み合わせて行うことができる。
洗浄は、先ず、ポリエチレンテレフタレート(A)に付着している主にエチレングリコールを主成分とする液相を、熱エチレングリコールにより洗浄することが好ましい。この操作によって液相中に溶解している不純成分(例えば、ポリエチレンテレフタレートのモノマー等)を析出させずに除去することができる。この熱エチレングリコールの温度は、130〜195℃、さらに140〜190℃であることが好ましい。多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)と熱エチレングリコールとの接触は、不純成分が洗浄されればどのような方法でも良いが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(A)を熱エチレングリコールで濯ぐ方法、ポリエチレンテレフタレート(A)を熱エチレングリコールに浸漬する方法等を好ましく挙げることができる。この洗浄はポリエチレンテレフタレート(A)1重量部に対して、熱エチレングリコール0.5〜5重量部であることが好ましい。
【0022】
次いで、熱エチレングリコールの付着したポリエチレンテレフタレート(A)を熱水により洗浄することが好ましい。この操作によって熱エチレングリコールを除去し乾燥しやすくする効果が得られる。この熱水の温度は50〜95℃、さらに60〜90℃であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート(A)の熱水による洗浄は、熱エチレングリコールが熱水により洗浄されればどのような方法でも良いが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(A)を熱水で濯ぐ方法、ポリエチレンテレフタレート(A)を熱水に浸漬する方法等を好ましく挙げることができる。この洗浄はポリエチレンテレフタレート(A)1重量部に対して、熱水0.5〜5重量部であることが好ましい。
さらに、常温(好ましくは10〜40℃)の水で洗浄し、ポリエチレンテレフタレート(A)を常温にすることが好ましい。
【0023】
この工程においては、さらに、洗浄したポリエチレンテレフタレート(A)を乾燥することが好ましい。乾燥方法は、ポリエチレンテレフタレート(A)に付着している水が乾燥除去できればどのような方法でも良いが、真空乾燥、熱風乾燥等の方法が好ましく挙げられる。例えば、真空乾燥の場合、圧力50〜1,000Pa、温度60〜120℃、1〜20時間で乾燥することが好ましい。
【0024】
ポリエチレンテレフタレート(A)は多孔質状であるので、粉砕することにより極めて粒径の小さい粒子を容易に製造することができる。該ポリエチレンテレフタレート(A)の粉砕は、ロッドミル、ボールミル、ハンマーミル、円盤型ミル、ジェットミル等の粉砕機に投入、またはこれらの粉砕機を組み合わせて粉砕することにより実施することができる。これらの中、ジェットミルにより粉砕することが好ましい。
【0025】
本発明におけるポリエチレンテレフタレート粉体は、平均粒径が0.5〜20μm、さらに1〜15μm、特に1.5〜10μmからなることが好ましい。この範囲の平均粒径を満足することで、細かすぎることにより皺に入り込んで取れなくなったり、逆に、大きすぎることにより肌から脱落しやすくなったりするようなことは無く、適度に皺を埋める効果が得られる。
本発明におけるポリエチレンテレフタレート粉体は、90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.55dl/g以上で、密度が1.36g/cm以上のポリエチレンテレフタレートを固形状態でエチレングリコールと接触させ、ポリエチレンテレフタレート中の非晶質を溶解することにより得られたポリエチレンテレフタレート(A)を粉砕したものであることが好ましい。
【0026】
本発明におけるポリエチレンテレフタレート粉体は、有機系の化粧料用粉体が持ち合わせている、ファンデーションの伸び(スライド感)が良い、化粧膜の艶(油っぽさ)をコントロールできる、色くすみが少ない等の利点を持ち合わせているのはもちろんのこと、従来品と比べると成型(プレス)が容易、見かけの色と付け色との差が少ない、化粧もちが良い、容易に着色することができ美しい色彩を表現しやすい等の利点を持つ。また、他の有機系粉体(例えばナイロン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル等)と比べて安価に提供することが可能であるという利点を持っている。
【0027】
本発明におけるポリエチレンテレフタレート粉体は、上記したように様々な利点を有するが、さらにその利点を以下に説明する。
従来の有機系粉体は、製品の感触や質感を変えることが目的であるため、多量に使用する必要はなく、また、多量に使用すると成型(プレス)が困難であったため、多量に使用すること自体できなかった。しかし、本発明におけるポリエチレンテレフタレート粉体は、多量に使用しても容易に成型(プレス)することができる。そのため、本発明におけるポリエチレンテレフタレート粉体は、無機系粉体(例えば、タルク、セリサイト等)と同様、体質顔料として多量に使用することが可能である。
【0028】
また、本発明におけるポリエチレンテレフタレート粉体は、従来の無機系粉体と比べて、透明感、質感(艶のコントロール)等に優れた特性を持つため、パウダーファンデーション、プレストパウダー、アイシャドー等の粉体を中心とする化粧料に好ましく使用することができる。
本発明の化粧料は、化粧料全量に対して1〜80重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有する。このため、本発明の化粧料は、体質顔料としてポリエチレンテレフタレート粉体を含有することを特徴とする。
本発明の化粧料に使用される他の成分としては、例えば着色顔料、白色顔料、パール顔料、他の体質顔料などの粉体部分、および油分、保湿剤、界面活性剤などの基剤部分が挙げられる。
【0029】
着色顔料は、通常、色調の調整や被覆力を制御するのに用いられる。この着色顔料として、ベンガラ、チタン酸鉄等の赤色顔料、γ−酸化鉄等の褐色顔料、黄酸化鉄、黄土等の黄色顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等の黒色顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の紫色顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の緑色顔料、群青、紺青等の青色顔料等が挙げられる。
【0030】
また、有機着色剤として、例えば赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素等が挙げられる。
【0031】
白色顔料も色調の調整や被覆力を制御するのに用いられる。白色顔料として二酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
パール顔料として、例えば酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等が挙げられる。
体質顔料は、着色顔料の希釈剤として色調をコントロールし、肌に対する伸展性、付着性、汗や皮脂の吸湿性、光沢を調整するのに用いられる。他の体質顔料として、例えばタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム、球状シリカ、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末などが挙げられる。また、その他、化粧品に用いることができる粉末を用いることができる。また、粉末の表面を常法に基づいてシリコーン樹脂処理、ワックス処理、デキストリン脂肪酸処理、フッ素処理などの疎水化処理した粉末も用いられる。
【0032】
油分として、例えばスクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、2−オクチルドデシルガムエステル、ネオペンチルグリコール−2−エチルヘキサネート、トリイソオクタン酸グリセライド、2−オクチルドデシルオレエート、イソプロピルミリステート、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、オリーブ油、アボカド油、ミツロウ、ミリスチルミリステート、ミンク油、ラノリン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。
保湿剤として、例えばグリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられる。
【0033】
界面活性剤として、例えばグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、レシチン、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられる。
その他、上記した成分に加えて、必要に応じて紫外線吸収剤、香料、酸化防止剤、防腐防黴剤など通常化粧料に、用いられる成分も発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
ポリエチレンテレフタレート粉体、着色顔料、白色顔料、パール顔料、他の体質顔料、等の粉体部分、並びに油分、保湿剤、界面活性剤などの基剤部分の配合量は、化粧料の種類により相違するので、画一的に決めることは難しいが、以下の処方が例示される。
【0034】
(粉体系製品)
粉体系製品は、化粧料全量に対して70〜90重量%の粉体部分および10〜30重量%の基剤部分からなり、化粧料全量に対して好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜70重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有することが好ましい。粉体系製品としては、例えばパウダーファンデーション、プレストパウダー、アイシャドー等が挙げられる。
【0035】
(液状系製品)
液状系製品は、化粧料全量に対して5〜50重量%の粉体部分、10〜60重量%の基剤部分および10〜80重量%の水分からなり、化粧料全量に対して好ましくは1〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有することが好ましい。液状系製品としては、例えば液状ファンデーション、スキンケア製品等が挙げられる。
【0036】
(油性系製品)
油性系製品は、化粧料全量に対して20〜60重量%の粉体部分、40〜80重量%の基剤部分からなり、化粧料全量に対して好ましくは10〜30重量%、より好ましくは15〜25重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有することが好ましい。油性系製品としては、例えば油性ファンデーション等が挙げられる。
ファンンデーションとして下記の表1に示す処方が例示される。
【0037】
【表1】

【0038】
本発明の化粧料は、メーキャップ化粧品を包含する。メーキャップ化粧品には、例えば白粉、打粉、ファンンデーションのようなベースメーキャップや、口紅、頬紅、アイライナー、マスカラ、アイシャドー、眉墨(アイブロー)、ネールエナメルのようなポイントメーキャップが挙げられる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、この実施例によって本発明が限定されるものでないことは言うまでもない。また、例中の特性は下記の方法により測定した。
<密度>
試料を、硝酸カルシウム水溶液を用いた密度勾配管により、30℃で測定した。
<固有粘度>
o−クロロフェノール/テトラクロロエタン(2/3(重量比))の混合溶媒を用い、試料を濃度0.4g/100mlとなるように加え、30℃で測定した。
<平均粒径>
レーザー回折散乱法により測定した。測定器はLMS−30((株)セイシン企業社製)を使用した。
【0040】
〔実施例1〕
(重合)
高純度テレフタル酸100重量部とエチレングリコール58重量部を常温でスラリー化し、圧力0.17MPa、温度260℃にて窒素雰囲気下でエステル化反応を行なった。その後、反応系にリン酸トリメチル0.010重量部、二酸化ゲルマニウム0.024重量部を添加し、285℃、133Paの真空下で溶融重合を行なった。
得られたポリエチレンテレフタレートをストランド状に抜き出し、水中に浸漬、冷却した後、ペレタイズしてポリエチレンテレフタレート(a)を得た。このポリエチレンテレフタレート(a)の固有粘度は0.62dl/g、密度は1.377g/cmであった。
このポリエチレンテレフタレート(a)を窒素雰囲気下170℃にて3時間の結晶化を行ない、115重量部のポリエチレンテレフタレートを得た。ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.64dl/g、密度は1.380g/cmであった。
【0041】
(部分解重合)
上記結晶化処理で得られたポリエチレンテレフタレート55.5重量部とエチレングリコール129.5重量部を窒素雰囲気下の反応装置に投入し、198℃、常圧下、4時間接触(部分解重合反応)させた。
【0042】
(分離、洗浄、乾燥)
反応終了後、固形ポリエチレンテレフタレートとエチレングリコールを主成分とする液相を10メッシュのフィルターを用いて濾別した。
濾別した固形ポリエチレンテレフタレートを165℃の熱エチレングリコール、80℃の水で順次洗浄した後、常温の水で濯いだ。その後、真空乾燥機により80℃で12時間かけて真空乾燥し、51.6重量部のポリエチレンテレフタレート(A)を得た。このポリエチレンテレフタレート(A)の密度は1.412g/cm、固有粘度は0.21dl/gであった。
【0043】
(粉砕)
得られたポリエチレンテレフタレート(A)をSTJ−200((株)セイシン企業社製)により粉砕し、平均粒径6.9μmのポリエチレンテレフタレート粉体を得た。
【0044】
(パウダーファンデーションの製造)
表2に示す組成のパウダーファンデーションを製造した。即ち、表2に示す量のポリエチレンテレフタレート粉体、マイカ、酸化チタン、セリサイト、ベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄をパウダリーミキサーで混合して混合物Aを得た。一方、流動パラフィン、スクワラン、セタノール、メチルフェニルポリシロキサンおよび防腐剤を加えた後、香料を噴霧し溶解均一系として混合物B得た。混合物AおよびBを粉砕機で粉砕した後、ふるいを通し容器中で、圧力10MPaで圧縮成型し、パウダーファンデーション(本発明品)を得た。
【0045】
【表2】

【0046】
(評価)
得られたパウダーファンデーションについて、(a)外観と付け色のギャップのなさ、(b)化粧膜の色沈みのなさ、(c)伸び(スライド感)の良さ、(d)化粧膜の透明性の4項目について、化粧品専門パネル12名による使用テストを行なった。
【0047】
評価は、各パネルが下記「評点」によりサンプルを5段階に評価し、パネル全員の評点から平均値を算出し、平均点が4〜5を◎、3〜4を○、2〜3を△、2点未満を×とした。その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】

【0049】
〔比較例1〕
ポリエチレンテレフタレート粉体の代わりにタルクを用いる以外は実施例1と同じ操作を行い、パウダーファンデーション(比較品1)を製造した。得られたパウダーファンデーションを実施例1と同じ方法で評価した。その結果を表3に示す。
【0050】
〔比較例2〕
ポリエチレンテレフタレート粉体の代わりにナイロン(ARKEMA Inc.社製 Orgasol)を用いる以外は実施例1と同じ操作を行い、パウダーファンデーション(比較品2)を製造した。その結果を表3に示す。
表3に示すように、本発明のポリエチレンテレフタレート粉体を配合したパウダーファンデーションは、各項目において、優れた効果を発現することが分かる。
一方、ポリエチレンテレフタレート粉体の代わりにタルクを配合した比較品1は、全ての項目において本発明品より劣ることが分かる。また、ポリエチレンテレフタレート粉体の代わりにナイロン粉体を配合した比較品2は、比較品1と比べて各項目において向上したものの、本発明品より劣る結果であった。
【0051】
(成型性)
図1に、本発明品、比較品1および比較品2の成型後の外観写真を示す。図1から明らかなように、比較品2の成型性は、本発明品および比較品1と比べて明らかに劣っていることが分かる。比較品2は完全にプレスすることができず、脆い状態であることが分かる。一方、本発明品では成型性においても非常に優れていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は従来の有機系の化粧料用粉体が持ち合わせている利点の他、外観(見かけ色)と付け色との差が少なく自然な仕上がりに優れ、化粧もちが良い等の利点を有し、さらに粉体系プレス製品のときにプレス成型が容易であるという利点を有するため、例えばナイロン、ポリエチレン等の有機系粉体の代替原料として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】プレス成型したパウダーファンデーションの成型性を示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料全量に対して1〜80重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有する化粧料。
【請求項2】
化粧料が粉体系製品であり、化粧料全量に対して10〜70重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有する請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
化粧料が液状系製品であり、化粧料全量に対して1〜15重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有する請求項1に記載の化粧料。
【請求項4】
化粧料が油性系製品であり、化粧料全量に対して10〜30重量%のポリエチレンテレフタレート粉体を含有する請求項1に記載の化粧料。
【請求項5】
ポリエチレンテレフタレート粉体の平均粒径が0.5〜20μmである、請求項1に記載の化粧料。
【請求項6】
ポリエチレンテレフタレート粉体の密度が1.4〜1.45g/cm、固有粘度が0.1〜0.4dl/gである請求項1に記載の化粧料。
【請求項7】
ポリエチレンテレフタレート粉体が、90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.55dl/g以上で、密度が1.36g/cm以上のポリエチレンテレフタレートを固形状態でエチレングリコールと接触させ、ポリエチレンテレフタレート中の非晶質を溶解することにより得られたポリエチレンテレフタレート(A)を粉砕したものである、請求項1に記載の化粧料。

【図1】
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【公開番号】特開2008−63305(P2008−63305A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245356(P2006−245356)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(502042861)株式会社ペットリバース (4)
【出願人】(596144724)株式会社オーケン (4)
【Fターム(参考)】