説明

化粧料

【課題】肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示し、外観がホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示す、油中水型または水中油型化粧料の提供。
【解決手段】特定のアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンとの縮合物にて表面処理された粉体を含有する油中水型または水中油型化粧料。該粉体としては無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等が好ましく用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式(1)にて示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンとの縮合物にて表面処理された粉体を含有する油中水型または水中油型化粧料に関し、さらに詳しくは、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示し、外観がホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示す、油中水型または水中油型化粧料に関するものである。

【背景技術】
【0002】
従来から、ファンデーション、アイシャドー、ほほ紅などのメイクアップ化粧料や、サンスクリーン化粧料、乳液、クリームなどの基礎化粧料などにおける保湿性を向上させる手段として、コラーゲンやヒアルロン酸のような保湿性に優れた成分を直接化粧料に配合する方法や、コラーゲン、アミノ酸のような保湿性の高い成分で表面処理された粉体を配合する方法などが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の方法においては、塗布時の滑り感、伸展性の点で充分満足できるものではなく、また塗布後のべたつき感が残るという欠点を有していた。また、コラーゲンに代表される成分は、動物性タンパク質であることから、その使用が制限されるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明人は鋭意検討した結果、前記一般式(1)にて示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンとの縮合物にて表面処理された粉体を配合することで、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れる油中水型または水中油型化粧料を得られることを見出した。これは、アシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンの縮合物の持つ、細胞間脂質が失われることにより、各層においてバリア機能が低下し水分保持機能が低下し、その結果かさつきだけてなく防御機能も低下した肌に対して、各層に働きかけ、細胞間脂質が角質細胞間を埋めて、強固なバリア幕を形成する性質に由来する。また、細胞間脂質は両親媒性物質などからなるため、親水基部に水分を保持する働きをし、健康な肌を保持することができるという効果も持つ。また、表面処理される顔料は特に限定されるものではないため、化粧料に配合する時に多種の顔料を選択できるという利点がある。また、本発明の油中水型または水中油型化粧料は、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示すため、界面活性剤特有のべたつきがなく、また外観がホイップ状であるため、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性という特徴も併せ持っている。
【0005】
すなわち、本発明は、前記一般式(1)にて示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンとの縮合物にて表面処理された粉体を含有する油中水型または水中油型化粧料に関し、さらに詳しくは、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示し、外観がホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示す、油中水型または水中油型化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0006】
以上説明するように、前記一般式(1)にて示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンとの縮合物にて表面処理された粉体を含有することで、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、また、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示すため、界面活性剤特有のべたつきがなく、また、外観が、前記一般式(1)にて示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンとの縮合物に由来する起泡性によりホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示す油中水型または水中油型化粧料を得られることは明らかである。また、前記一般式(1)にて示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンとの縮合物は、天然または合成由来であるため、コラーゲンに代表される動物性タンパク質のように、その使用が制限されるという問題点がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、上記本発明を詳細に説明する。
本発明において前記一般式(1)にて示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンの縮合物のアシル基としては、炭素原子数8〜24の飽和、不飽和脂肪酸のアシル残基であり、例えばラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの単一組成の脂肪酸や、ヤシ油脂肪酸、牛油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸などの天然より得られる混合脂肪酸、または合成にて得られる脂肪酸のアシル残基を用いることができる。
【0008】
また、本発明の前記一般式(1)にて示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンの縮合物のアミノ酸としては、グルタミン酸、アスパラギン酸などを用いることができる。
【0009】
また、アシル化アミノ酸塩の塩としては、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属やそれ以外の亜鉛、アルミニウムなどの金属、または、有機アミン、無機アミンなどを用いることができる。
【0010】
アシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンにて表面処理される顔料としては、従来公知の顔料が使用でき、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等が挙げられる。
【0011】
具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンエラストマー粉体、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、アクリルパウダー、アクリルエラストマー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、微粒子酸化チタン、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の微粒子粉体、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等から選ばれる粉体が挙げられる。また、タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。
【0012】
前記第1発明に係る化粧料用顔料の処理方法としては、前記一般式(1)に示されるアシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンとの縮合物を適当な有機溶剤に溶解または分散させ、その混合液を化粧料顔料と撹拌混合した後有機溶剤を除去することにより、表面被覆処理された化粧料用顔料を得ることができる。
【0013】
ここで、用いられる有機溶剤としてはエタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール等のアルコール類、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系有機溶剤、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の極性有機溶剤などが挙げられる。
【0014】
また、混合分散方法としては、溶液の濃度や粘度などに応じて適当な方法を選択することができ、好適な例としては、ディスパー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、ニーダー、V型混合機、ロールミル、ビーズミル、2軸混練機等の混合機よる方法や、水溶液と顔料を加熱空気中に噴霧して水分を一気に除去するスプレードライの方法などを選択することができる。また、粉砕を行う場合においては、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等の通常の粉砕機を用いることができる。これらいずれの粉砕機によっても同等の品質のものが得られるため、特に限定されるものではない。
【0015】
あるいは、顔料に前記一般式(1)に示される、例えばN−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩と、例えば塩化亜鉛を反応させ、N−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物の亜鉛塩として顔料に処理することにより、表面被覆処理顔料を得ることができる。
【0016】
この場合の処理方法としては、精製水と顔料とを混合した後、そのスラリー中にN−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩を投入し、次いで塩化亜鉛をエタノールに溶解させた溶液を徐々に滴下する。その後、水酸化ナトリウム溶液を用いて中和処理を行い、水洗、ろ過を繰り返した後乾燥および粉砕を行いN−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物の亜鉛塩が被覆された化粧料用顔料を得ることができる。また、粉砕を行う場合には、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等の通常の粉砕機を用いることができる。これらいずれの粉砕機によっても同等の品質のものが得られるため、特に限定されるものではない。
【0017】
前記アシル化アミノ酸塩とL−リジンもしくはL−グルタミンの縮合物の顔料表面への付着または被覆量は、特に限定されるのもではないが、目的とする吸湿保湿性を適度に示し、非常に優れたみずみずしい素肌感を得るには、0.1質量%以下30質量%以下であるのが好ましい。
【0018】
本発明において、顔料への処理時に同時に、又は2重に各種の表面処理、例えば従来公知の表面処理が行われても構わない。表面処理の例としては、例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理など)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理など)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理など)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、アルミニウムカップリング剤処理、シラン処理(アルキル化シランやアルキル化シラザン処理など)、油剤処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸塩やミリスチン酸塩処理など)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理などが挙げられ、またこれらの処理を複数組み合わせて用いることも可能である。
【0019】
さらに、被覆される顔料又は被覆された顔料には、さらに上述の各種の表面処理が行われていても構わない。またこれらの処理を複数組み合わせて用いることも可能である。
【0020】
本発明の化粧料用顔料を含有してなる化粧料では、上記被覆顔料(化粧料用顔料)を化粧料の質量に対して0.1〜99質量%の範囲で配合することが可能であるが、より好ましくは1〜50質量%の範囲とするのが良い。
【0021】
本発明の油中水型化粧料では、通常、化粧料に用いられる、油剤、界面活性剤、防腐剤、香料、保湿剤、紫外線吸収剤、塩類、溶媒、樹脂、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
【0022】
油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、キョウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル;シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ビフェニルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、アルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン等が挙げられる。また、グリセリン、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、マルチトール、マルビット液などの多価アルコールも挙げられる。
【0023】
本発明の化粧料としては、スキンケア製品、頭髪製品、制汗剤製品、メイクアップ製品、紫外線防御製品、香料溶剤等が好ましい用途として挙げられる。例えば、ファンデーション、白粉、アイシャドー、アイライナー、アイブロー、チーク、ネイルカラー、リップクリーム、口紅、マスカラなどのメイクアップ化粧料、乳液、クリーム、ローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、パック料、クレンジング料、洗顔料などの基礎化粧料、ヘアカラー、セット剤、ボディーパウダー、デオドラント、脱毛剤、石鹸、入浴剤、ハンドソープ、香水などが挙げられる。
【0024】
また、製品の形態についても特に限定は無く、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、ホイップ状、スプレー状等であって良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、夲発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
(製造実施例1:N−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩被覆酸化チタンの製造実施例)
ヘンシェルミキサーに酸化チタン1kgを入れ、続いてN−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩(旭化成ケミカルズ社製 ペリセアL−30)33.3g(固形分30質量%品)をエタノール100gに溶解させた溶液を滴下混合し、酸化チタンとよく混合した。その後、ヘンシェルミキサー内を加熱および減圧し、エタノールを除去した。顔料粉体をヘンシェルミキサーから取り出し、粉砕してN−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩が1質量%処理された酸化チタンを得た。同様の工程にて、タルク、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、赤色226号についてそれぞれ同様の表面処理を施し、それぞれのサンプルを準備した。
【0027】
(製造実施例2:N−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物の亜鉛塩被覆酸化チタンの製造実施例)
ビーカーにて精製水と顔料とを混合した後、そのスラリー中にN−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩(旭化成ケミカルズ社製 ペリセアL−30)33.3g(固形分30質量%品)を投入し、次いで塩化亜鉛7.0gをエタノール200gに溶解させた溶液を徐々に滴下する。その後、水酸化ナトリウム溶液を用いて中和処理を行った後、水洗、ろ過を繰り返し乾燥粉砕を行いN−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物の亜鉛塩が1質量%処理された酸化チタンを得た。同様の工程にて、タルク、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、雲母チタンについてそれぞれ同様の表面処理を施し、それぞれのサンプルを準備した。
【0028】
〔実施例3〜4、比較例1〜2〕
表1の処方と製造方法に従い油中水型ファンデーションを得た。尚、表中の単位は質量%である。
【0029】
評価項目
女性パネラー10名を用いて、試験品を使用してもらい、保湿感、密着性、使用感、をアンケート形式で回答してもらい、評価が悪い場合を0点、評価が良い場合を5点とし、パネラーの平均点数を以って評価結果とした。従って、点数が高い程評価に優れていることを示す。また経時安定性は、40℃、3ヶ月間保存した後、その状態を目視により、以下の基準で評価した。
◎:状態に変化は認められない。
○:状態にやや変化が認められる。
△:状態に大きな変化が認められる。
×:分離が認められる。
【0030】
【表1】


【0031】
製造方法
成分Bを均一に混合し、成分Aに加えた。次いで成分Cも均一に混合し成分Aに加え、容器に充填して製品を得た。
【0032】
表1の結果より、実施例3、4は、保湿感、密着性、使用感の全てにおいて優れており、また経時安定性にも優れていた。比較例では、界面活性剤が配合されていないため、二相に分離してしまい、保湿感、密着性、使用感、経時安定性の全てにおいて劣るという結果になった。実施例3、4で得られた油中水型ファンデーションは、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示し、外観がホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示した。
【0033】
〔実施例5〜6、比較例3〜4〕
表2の処方と製造方法に従い油中水型サンスクリーン化粧料を得た。尚、表中の単位は質量%である。
【0034】
【表2】

【0035】
製造方法
成分Bを均一に混合し、成分Aに加えた。次いで成分Cも均一に混合し成分Aに加え、容器に充填して製品を得た。
【0036】
表2の結果より、実施例5、6は、保湿感、密着性、使用感の全てにおいて優れており、また経時安定性にも優れていた。比較例では、界面活性剤が配合されていないため、二相に分離してしまい、保湿感、密着性、使用感、経時安定性の全てにおいて劣るという結果になった。実施例5、6で得られた油中水型サンスクリーン化粧料は、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示し、外観がホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示した。
【0037】
〔実施例7〕
表3の処方と製造方法に従い油中水型ブラッシャーを得た。尚、表中の単位は質量%である。
【0038】
【表3】

【0039】
製造方法
成分Bを均一に混合し、成分Aに加えた。次いで成分Cを成分Aに加え、容器に充填して製品を得た。
【0040】
実施例7の油中水型ブラッシャーは、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、界面活性剤を含有していなくても優れた軽時安定性を示し、外観がホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示した。
【0041】
〔実施例8〕
表4の処方と製造方法に従い水中油型アイシャドーを得た。尚、表中の単位は質量%である。
【0042】
【表4】

【0043】
製造方法
成分Bを均一に混合し、成分Aに加えた。次いで成分Cを成分Aに加え、容器に充填して製品を得た。
【0044】
実施例8の水中油型アイシャドーは、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示し、外観がホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示した。
【0045】
〔実施例9〕
表5の処方と製造方法に従い油中水型スキンケアークリームを得た。尚、表中の単位は質量%である。
【0046】
【表5】

【0047】
製造方法
成分Bを均一に混合し、成分Aに加えた。次いで成分Cも均一に混合し成分Aに加え、容器に充填して製品を得た。
【0048】
実施例9のスキンケアークリームは、肌のバリア機能と水分保持性能に優れ、さらには皮膚に塗布した際には肌への密着性に優れ、界面活性剤を含有していなくても優れた経時安定性を示し、外観がホイップ状であり、非常に軽い感触と、滑らかな感触、優れた伸展性を示した。

【特許請求の範囲】


【公開番号】特開2010−90095(P2010−90095A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280486(P2008−280486)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(391015373)大東化成工業株式会社 (97)
【Fターム(参考)】