説明

医用情報管理システム及びプログラム

【課題】本来保存しておく必要のない医用情報がサーバに存在することによるサーバの記憶容量の圧迫を回避できるようにする。
【解決手段】医用情報管理システム100によれば、クライアント端末20のCPU21は、第1サーバ10のデータベースとは異なる他の記憶手段又は記録媒体から、例えば、第2サーバ20のデータベースや記録メディアから医用画像を取得して医用画像DB161に登録し、医用画像DB161に登録された医用画像を表示部23に表示する特定操作が操作部22により実行されたか否かを判断し、実行されたと判断した場合に、当該特定操作により取得された医用情報を第1サーバ10のデータベースから削除する権限を操作部22の操作者に付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されている。デジタル化は、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の画像生成装置、カセッテ読み取り装置等の各種モダリティにより行われる。デジタル化された医用画像は、患者の患者情報や検査情報等とともにデータ管理サーバにより一元的に管理される。具体的には、医用画像とDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に適合するDICOM基本情報(付帯情報)とがデータ管理サーバのデータベースに登録され、管理されている。
【0003】
近年、CT装置やMRI装置のような多数のシリーズを有する検査の増加に伴い、データ管理サーバで保存、管理される医用画像数やこれに伴う読影レポート等の医用情報が大幅に増加している。そのため、大病院、または中小病院の規模であっても、サーバを複数台有する施設が存在する。
【0004】
複数のサーバで医用画像やその読影レポート等の医用情報を管理している場合、ある特定のサーバから他のサーバで管理されている医用情報を呼び出す場合は、一般的に、DICOM規格のサービスクラスの一つであるQ/R(Query & Retrieve)−SCU(Service Class User:以下、Q/Rと呼ぶ)が使用される。これは、特定のサーバAから医用情報が管理されている他のサーバBに対し、問い合わせを行い、必要な医用情報はサーバBから取得するというサービスである。このQ/Rを用いることにより、他のサーバが他社製のサーバであっても、別機種のサーバであっても、サーバAにより医用情報を取得し、クライアント端末に表示させることができる。
【0005】
ここで、Q/Rにより他のサーバの医用情報をクライアント端末に表示させる場合、一旦他のサーバから医用情報を取得して自サーバ内に取り込む(登録する)必要がある。これは、クライアント端末におけるビューア機能による表示や画像処理を適切に使用するためには、対象となる医用情報の各種パラメータが自サーバ内のしかるべき場所に登録されている必要があるからである。
【0006】
しかしながら、他のサーバが有する医用情報をその都度自サーバに取り込んでいてはディスク容量が不足するし、複数のサーバを有する意味がなくなってしまう。ましてや、一時的な参照を目的とした医用情報は、参照後は不要となるため、削除できることが望ましい。
【0007】
ところが、電子保存のガイドラインにより、受信した医用画像等の医用情報に対して一定期間の保存義務が生じているため、一旦サーバに登録してしまうと容易に削除できない。また、サーバに登録された医用情報を削除するには相応の権限が必要で、通常、権限を有する管理者のみが医用情報の削除が可能である。そのため、他のサーバの医用情報を閲覧した後、その医用情報を自サーバから削除するには管理者の許可を得て一時的に権限を付与してもらったり、削除権限を有する管理者に削除処理を行ってもらったりする等の煩雑な手間が生じる。
【0008】
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、使用者からのアクセスの範囲を定めるアクセス権限を画像情報及び患者情報のフィルタ条件と許可される操作種別(読み取り、変更、削除等)の組合せで保持し、保持しているアクセス権限に基づいてアクセス(操作)を許可するか否かを判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−102615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1によれば、特定の患者情報や特定の画像情報をもつ医用画像に対して、必要なユーザに柔軟に削除権限等のアクセス権限を付与することができる。また、権限の変更作業は比較的容易となると考えられる。
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、権限を変更する場合、権限変更の登録作業は必須である。また、上述のように、他のサーバや記録メディアから自サーバに一時的に取り込んで使用した医用画像等を自サーバから削除したい場合であっても、フィルタ条件に合致する画像情報や患者情報をもつ医用画像でなければ削除することができない。
【0012】
本発明の課題は、本来保存しておく必要のない医用情報がサーバに存在することによるサーバの記憶容量の圧迫を回避できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の医用情報管理システムは、
操作手段と、
医用情報を記憶する記憶手段と、
表示手段と、
前記操作手段により、前記記憶手段とは異なる他の記憶手段又は記録媒体から医用情報を取得して前記記憶手段に記憶し当該記憶手段に記憶された医用情報を前記表示手段に表示する操作が実行されたか否かを判断し、実行されたと判断された場合に、前記操作により取得された医用情報を前記記憶手段から削除する権限を前記操作手段の操作者に付与する制御手段と、
を備える。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記記憶手段を有する第1のサーバと、前記他の記憶手段を有する第2のサーバと、を有し、
前記制御手段は、前記操作手段により、前記第2のサーバの記憶手段から医用情報を取得して前記第1のサーバの記憶手段に記憶し当該第1のサーバの記憶手段に記憶された医用画像を前記表示手段に表示する操作が実行されたと判断した場合に、前記操作により前記第2のサーバから取得された医用情報を前記第1のサーバの記憶手段から削除する権限を、前記操作手段の操作者に付与する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記記録媒体に記録されている医用情報を読み込む読み込み手段を備え、
前記制御手段は、前記操作手段により、前記記録媒体に記録されている医用情報を前記読み込み手段により読み込んで前記記憶手段に記憶し当該記憶手段に記憶された医用画像を前記表示手段に表示する操作が実行されたと判断した場合に、前記操作により前記記録媒体から読み込まれた医用情報を前記記憶手段から削除する権限を、前記操作手段の操作者に付与する。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記医用情報は、医用画像を含む。
【0017】
請求項5に記載の発明のプログラムは、
操作手段と、医用情報を記憶する記憶手段と、表示手段と、を備える医用情報管理システムに用いられるコンピュータを、
前記操作手段により、前記記憶手段とは異なる他の記憶手段又は記録媒体から医用情報を取得して前記記憶手段に記憶し当該記憶手段に記憶された医用情報を前記表示手段に表示する操作が実行されたか否かを判断し、実行されたと判断された場合に、前記操作により取得された医用情報を前記記憶手段から削除する権限を前記操作手段の操作者に付与する制御手段
として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、本来保存しておく必要のない医用情報がサーバに存在することによるサーバの記憶容量の圧迫を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態における医用情報管理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】図1の第1サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の記憶部に記憶される権限設定ファイルのデータ格納例を示す図である。
【図4】図2の記憶部に記憶される特定操作時権限拡張ファイルのデータ格納例を示す図である。
【図5】図1のクライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図6A】図5のCPUにより実行される医用画像表示処理を示すフローチャートである。
【図6B】図5のCPUにより実行される医用画像表示処理を示すフローチャートである。
【図7】メッセージダイアログ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0021】
〔医用情報管理システム100の構成〕
図1に、本実施の形態における医用情報管理システム100のシステム構成を示す。
医用情報管理システム100は、病院内に設置されるシステムである。図1に示すように、医用情報管理システム100は、第1サーバ10と、クライアント端末20と、第2サーバ30と、がLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信回線からなる通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。
医用情報管理システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。なお、各装置の台数は、特に限定されない。
【0022】
〔第1サーバ10の構成〕
第1サーバ10は、CT装置、MRI装置、CR装置等の各種モダリティにより生成された医用画像や、医用画像に関する付帯情報、医用画像に対応する読影レポート等の医用情報を蓄積記憶・管理するコンピュータ装置である。第1サーバ10は、例えば、クライアント端末20と同じメーカにより製造されたデータ管理サーバであり、医用情報管理システム100において主たるサーバとして使用されている。
【0023】
図2に、第1サーバ10の機能的構成を示す。
図2に示すように、第1サーバ10は、CPU11、操作部12、表示部13、通信部14、RAM15、記憶部16等を備えて構成され、各部はバス17により接続されている。
【0024】
CPU11は、記憶部16に記憶されている各種プログラム読み出し、RAM15内に形成されたワークエリアに展開し、該プログラムに従って第1サーバ10の各部を制御する。
【0025】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU11に出力する。
【0026】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面や医用画像等を表示する。
【0027】
通信部14は、LANアダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNに接続された各装置とデータの送受信を行う。
【0028】
RAM15は、CPU11により実行制御される各種処理において、記憶部16から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0029】
記憶部16は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。
記憶部16は、CPU11で実行される各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
【0030】
また、記憶部16には、図示しないモダリティにより生成された医用画像のデータやその読影レポート等を格納する医用画像DB161、医用画像DB(Data Base)161に記憶されている医用画像に関する付帯情報を検索可能に格納する付帯情報DB162等のデータベースが記憶されている。
【0031】
医用画像DB161において、医用画像は、DICOM規格に則ったDICOMファイル形式で保存されている。DICOMファイルは、画像部とヘッダ部とから構成される。画像部には医用画像の実データ、ヘッダ部には当該医用画像に関する付帯情報が書き込まれている。付帯情報は、モダリティより入力された情報であり、例えば、患者情報、検査情報、シリーズ情報、画像属性情報を含んで構成されている。
【0032】
患者情報は、その医用画像の被写体である患者に関する情報であり、例えば、患者を識別するための患者識別情報(例えば、患者ID)、患者の名前、性別、生年月日等の医用画像の患者に関する各種情報が含まれる。
検査情報は、その医用画像が取得された検査に関する情報であり、例えば、検査を識別するための検査識別情報(例えば、検査ID)、検査日付、担当医師、モダリティの種類(CT、MRI、CR等)、部位、ステーション名(個々のモダリティの装置名(機器名))、検査記述等の検査に関する各種情報が含まれる。
【0033】
シリーズ情報は、その医用画像が属するシリーズを識別するためのシリーズ番号、画像タイプ、シリーズ記述等のシリーズに関する各種情報が含まれる。
画像属性情報は、その医用画像を識別するための画像識別情報(例えば、画像ID)、同一シリーズとして生成した医用画像の並び順(撮影された順番)を示す画像番号、画像生成時刻、医用画像の格納場所を示すファイルパス名等の画像に関する各種情報が含まれる。
【0034】
また、記憶部16には、権限設定ファイル163、特定操作時権限拡張ファイル164が記憶されている。
権限設定ファイル163は、医用情報管理システム100における各処理権限と、その処理権限を有するユーザ及びグループのID情報とが対応付けて格納されたファイルである。権限設定ファイル163は、例えば、図3に示すように、権限管理ID、権限の種類、対象ユーザID、対象グループID等の項目を有している。なお、図3において、U1〜U3及びG1は、医用情報管理システム100の管理者(管理者グループ)であり、その他は一般ユーザ(読影医等)である。
特定操作時権限拡張ファイル164は、権限設定ファイル163の設定に拘わらずその操作が行われたときに削除権限が拡張される特定操作と、その特定操作が行われたときに拡張される権限の種類とが対応付けて格納されたファイルである。特定操作時権限拡張ファイル164は、例えば、図4に示すように、拡張管理ID、権限の種類、特定操作等の項目を有している。
なお、権限設定ファイル163、特定操作時権限拡張ファイル164に記憶される設定情報は、管理者等が操作部12から入力することもできるし、クライアント端末20の操作部22から入力することも可能である。
【0035】
また、記憶部16は、医用情報管理システム100にログイン可能なユーザのユーザ情報(ユーザID及びパスワード等)が記憶されている。
【0036】
〔クライアント端末20の構成〕
クライアント端末20は、第1サーバ10又は第2サーバ30に蓄積記憶されている医用画像や読影レポート等を取得して、医師の読影用に表示するためのPC(Personal Computer)等の端末装置である。
【0037】
図5に、クライアント端末20の機能的構成を示す。
図5に示すように、クライアント端末20は、CPU21、操作部22、表示部23、通信部24、RAM25、記憶部26、メディアドライブ27等を備えて構成され、各部はバス28により接続されている。
【0038】
CPU21は、記憶部26に記憶されている各種プログラムを読み出し、RAM25内に形成されたワークエリアに展開し、該プログラムに従って各部を制御する。
【0039】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU21に出力する。
【0040】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面や医用画像等を表示する。
【0041】
通信部24は、LANアダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNに接続された各装置とデータの送受信を行う。
【0042】
RAM25は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部26から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0043】
記憶部26は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。
記憶部26は、CPU21で実行される各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ、各種設定情報等を記憶する。各種プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部26に格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0044】
メディアドライブ27は、CD−R(Compact Disk Recordable)やDVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)等の記録メディア(記録媒体)に記録されている医用画像や読影レポートのデータを読み出してCPU21に出力する。
【0045】
〔第2サーバ30の構成〕
第2サーバ30は、CT装置、MRI装置、CR装置等の各種モダリティにより生成された医用画像や、医用画像に関する付帯情報、医用画像に対応する読影レポート等を蓄積記憶・管理するコンピュータ装置である。第2サーバ30は、図2に示す第1サーバ10の構成と同様に、CPU、操作部、表示部、通信部、RAM、記憶部を備えて構成されている。記憶部には、第1サーバ10と同様に、医用画像DB361、付帯情報DB362が記憶されている。
【0046】
第2サーバ30は、例えば、第1サーバ10やクライアント端末20とは異なるメーカにより製造された外部サーバであり、クライアント端末20から第2サーバ30の医用画像を取得して表示する場合は、DICOM規格サービスの一つであるQR−SCUにより第1サーバ10を経由して取得される。
【0047】
〔医用情報管理システム100の動作〕
次に、医用情報管理システム100の動作について説明する。
図6A〜図6Bに、クライアント端末20により実行される医用画像表示処理のフローを示す。医用画像表示処理は、CPU21と記憶部26に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0048】
クライアント端末20において、操作部22の操作によりビューア(医用情報管理システム100の機能を利用した医用画像や読影レポートの表示を行うプログラム)が起動されると(ステップS1)、ログイン処理が行われる(ステップS2)。具体的には、表示部23に医用情報管理システム100へのログイン画面が表示され、ログイン画面から操作部22により入力されたユーザID及びパスワードが通信部24により第1サーバ10に送信される。第1サーバ10においては、受信されたユーザID及びパスワードに基づいてログイン認証が行われ、認証されると、記憶部16から権限設定ファイル163、特定操作時権限拡張ファイル164及びログインユーザのグループIDが読み出され、通信部14によりクライアント端末20に送信される。
【0049】
ログイン処理後、第1サーバ10から送信された権限設定ファイル163、特定操作時権限拡張ファイル164が通信部24により受信され、受信されたファイルがRAM25に記憶される(ステップS3)。なお、クライアント端末20においては、ログインしているユーザのユーザID及びグループIDと、権限設定ファイル163とに基づいて、ログインしているユーザが権限を有する処理のみが可能となるように各種画面が提供される。例えば、ユーザが権限を有さない処理を指示するための操作画面は表示されない。或いは、ユーザが権限を有さない処理を指示するための操作ボタン等がグレー等で表示され、無効とされる。
【0050】
次いで、操作部22によりサーバからの医用画像の取得表示が指示されたか否かが判断される(ステップS4)。操作部22によりサーバからの医用画像の取得表示が指示されたと判断されると(ステップS4;YES)、表示部23に図示しない検索画面が表示され、検索画面から操作部22により入力された検索条件に合致する検査のリストが第1サーバ10から取得される(ステップS5)。検索条件としては、例えば、検査ID、検査日、検査部位、患者ID、患者名、診療科、担当医のAND条件やOR条件が挙げられる。第1サーバ10においては、受信された検索条件により付帯情報DB162の検索が行なわれ、検索された検査のリストがクライアント端末20に送信される。即ち、第1サーバ10から取得された検査リストには、第1サーバ10の医用画像DB161に格納されている医用画像に係る検査のみが含まれる。
【0051】
次いで、第1サーバ10から取得された検査リストが表示部23に表示され、操作部22により表示対象の検査が選択されたか否かが判断される(ステップS6)。
【0052】
操作部22により表示部23に表示された検査リストから表示対象の検査が選択されたと判断されると(ステップS6;YES)、選択された検査に係る医用画像が第1サーバ10から取得され(ステップS7)、処理はステップS16に移行する。
【0053】
操作部22により表示部23に表示された検査リストから表示対象の検査が選択されず(即ち、第1サーバ10には表示対象検査の医用画像が存在せず)、Q/Rによる画像取得表示が指示されると(ステップS6;NO)、操作部22からの操作に応じて、Q/Rにより第2サーバ30から表示対象検査の医用画像が取得される(ステップS8)。
具体的に、ステップS8においては、まず、Q/Rによる画像取得用(Q/R用)の検索画面が表示部23に表示され、Q/R用検索画面から検索条件が入力されると、通信部24により第1サーバ10を経由して第2サーバ30に対し、検索条件に合致する検査の問い合わせが行われる。第2サーバ30においては、問い合わせされた検索条件により付帯情報DB362の検索が行なわれ、検索された検査のリストが第1サーバ10を介してクライアント端末20に送信される。クライアント端末20においては、通信部24により検査リストが受信されると、受信された検査リストが表示部23に表示される。表示された検査リストから操作部22により表示対象の検査が選択されると、選択された検査に係る医用画像の取得要求が通信部24により第1サーバ10を介して第2サーバ30に送信される。第2サーバ30においては、取得要求された検査に係る医用画像が医用画像DB361から読み出され、第1サーバ10を介してクライアント端末20に送信される。クライアント端末20においては、第2サーバ30から送信された医用画像が通信部24により受信される。
【0054】
Q/Rにより第2サーバ30から表示対象の医用画像が取得されると、取得された医用画像が通信部24を介して第1サーバ10のデータベース(医用画像DB161、付帯情報DB162)に登録される(ステップS9)。そして、実行された操作の操作種別がQ/R画像取得表示操作であることを示すフラグがRAM25に記憶され(ステップS10)、処理はステップS16に移行する。なお、フラグは、例えば、実行された操作に対応する権限拡張管理IDの数値等(図4参照)を使用することができる。
【0055】
一方、ステップS4において、操作部22によりサーバからの医用画像の取得表示が指示されず、メディア読み込みによる医用画像の表示が指示されると(ステップS4;NO、ステップS11;YES)、メディアドライブ27への記録メディアの装着が待機され、メディアドライブ27へ記録メディアが装着されると(ステップS12)、記録メディアに記録されている医用画像のデータが操作部22からの操作に応じてメディアドライブ27により読み込まれる(ステップS13)。
【0056】
記録メディアから医用画像が取得されると、メディアドライブ27により記録メディアから取得された医用画像が通信部24を介して第1サーバ10のデータベース(医用画像DB161、付帯情報DB162)に登録される(ステップS14)。そして、実行された操作の操作種別がメディア読み込み表示であることを示すフラグがRAM25に記憶され(ステップS15)、処理はステップS16に移行する。
【0057】
ステップS16においては、第1サーバ10、第2サーバ30、又は記録メディアから取得された医用画像が表示部23のビューア画面上に表示される(ステップS16)。ユーザである読影医は、ビューア画面上の医用画像を観察し、読影を行う。
【0058】
操作部22により表示対象の検査の表示終了が指示されると(ステップS17;YES)、RAM25及び特定操作時権限拡張ファイル164が参照され、実行された操作の操作種別の確認が行われる(ステップS18)。ここで、表示対象の検査の表示終了の指示は、検査リストからの次の検査の検索操作、表示されているビューア画面を閉じる操作、ビューア画面に表示される読影終了ボタンの押下等により行うことができる。
【0059】
操作種別の確認の結果、画像削除の権限に対応する特定操作が実行されたと判断されると(ステップS19;YES)、特定操作で使用された医用画像(ここでは、表示対象の検査の医用画像)の削除権限が現在操作部22を操作しているユーザ(操作者)に付与(拡張)され、表示部23に、特定操作で使用された医用画像を第1サーバ10のデータベースから削除(破棄)するか否かをユーザに問い合わせるメッセージダイアログ画面231(図7参照)が表示される(ステップS20)。そして、メッセージダイアログ画面231からの入力が待機される。操作部22により特定操作で使用された医用画像を削除(破棄)する指示が入力されると(ステップS21;YES)、ステップS9又はステップS14で第1サーバ10のデータベースに登録された医用画像が第1サーバ10のデータベースから削除され(ステップS22)、処理はステップS23に移行する。具体的には、ステップS9又はステップS14で第1サーバ10のデータベースに登録された医用画像を特定する情報(画像ID等)、及びその医用画像の削除要求が通信部24により第1サーバ10に送信され、第1サーバ10において受信された画像IDの医用画像及び付帯情報がデータベース(医用画像DB161、付帯情報DB162)から削除される。
【0060】
一方、ステップS19において、画像削除に対応する特定操作が行われていないと判断されたか又は特定操作で使用された医用画像を削除しない指示が入力されると(ステップS19;NO、ステップS21;NO)、処理はステップS23に移行する。
【0061】
ステップS23においては、表示部23に表示されている検査の医用画像を閉じる処理が行われ(ステップS23)、医用画像表示処理は終了する。
【0062】
一方、ステップS11において、操作部22によりメディア読み込みによる医用画像の表示が指示されなかったと判断された場合(ステップS11;NO)、操作部22の操作に応じた処理が行われ(ステップS24)、処理は終了する。
【0063】
以上説明したように、医用情報管理システム100によれば、クライアント端末20のCPU21は、第1サーバ10のデータベースとは異なる他の記憶手段又は記録媒体から、例えば、第2サーバ20のデータベースや記録メディアから医用画像を取得して医用画像DB161に登録し、医用画像DB161に登録された医用画像を表示部23に表示する特定操作が操作部22により実行されたか否かを判断し、実行されたと判断した場合に、当該特定操作により取得された医用画像を第1サーバ10のデータベースから削除する権限を操作部22の操作者に付与する。
【0064】
従って、本来削除権限を有していないユーザであっても、第2サーバ20や記録メディア等から医用画像を取得して医用情報管理システム100のビューア機能を利用した読影を行い、読影終了時に、第2サーバ20や記録メディアに存在する、第1サーバ10に残しておく必要のない医用画像のデータを削除することができるため、第1サーバ10において本来保存しておく必要のないデータによるディスク容量の圧迫を回避することができる。
また、本来削除権限を有していないユーザが医用画像の削除を行う場合であってもその都度権限変更を行う必要がないので、煩雑な作業を行うことなく、特定操作を行ったユーザへの削除権限の拡張を行うことが可能となる。また、特定操作を行ったユーザが削除権限を行使できるのは、その特定操作で操作対象となった医用画像に対してのみであり、その時期も特定操作の終了時に限定されるため、第1サーバ10に保存しておくべき医用画像については権限なく削除されてしまうことを防止することができる。
【0065】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0066】
例えば、図6A〜図6Bに示す医用画像表示処理においては、Q/R画像取得表示及びメディア読み込み表示(記録メディアから医用画像を読み込んで表示)を特定操作とした場合の動作を例にとり説明したが、これに限定されるものではない。例えば、特定操作をレポート移行出力とし、レポート移行出力により第2サーバ30等の他のサーバに移行したレポートについて、第1サーバ10から削除する権限をそのレポート移行出力の操作者に与えることとしてもよい。また、Q/Rにより読影レポートを他のサーバから取得して表示する操作や、記録メディアから読影レポートを読み込んで表示する操作を特定操作としてもよい。
【0067】
また、図6A〜図6Bに示す医用画像表示処理においては、クライアント端末20側で特定操作が行われたか否かの管理及び権限の拡張の判断(削除を許可するか否かの判断)を行う場合を例として説明したが、特定操作が行われたか否かの判断及び権限拡張の判断を第1サーバ10において行うこととしてもよい。この場合、例えば、ステップS3の処理は行わず、ステップS10、ステップS15におけるフラグの記憶を第1サーバ10のRAM15において行う。そして、ステップS18において、クライアント端末20が第1サーバ10に対して操作種別の確認要求を行うと、第1サーバ10においてステップS19〜S22の特定操作であるか否かの判断〜画像削除までの処理を行い、削除完了通知をクライアント端末20に送信する。クライアント端末20においては、削除完了通知を受信すると、表示部23に表示されている検査の医用画像を閉じる処理を行う。
【0068】
また、特定操作による削除権限の拡張の対象となる医用情報についても、医用画像と読影レポートに限定されず、例えば、検体検査データ等、他の医用情報としてもよい。
【0069】
また、権限設定ファイル163及び特定操作時権限拡張ファイル164は、第1サーバ10が備えることとして説明したが、クライアント端末20が備えることとしてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態においては、本発明を第1サーバ10及びクライアント端末20を備える医用情報管理システムに適用する場合について説明したが、第1サーバ10とクライアント端末20の双方の機能を備えた単体のコンピュータ装置からなる医用情報管理システムに本発明を適用することとしてもよい。この場合、コンピュータ装置の記憶部には、本発明の制御手段の機能を実現するためのプログラムが記憶され、CPUとこのプログラムとの協働により本発明が実現される。
【0071】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0072】
その他、医用情報管理システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0073】
100 医用情報管理システム
10 第1サーバ
11 CPU
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 RAM
16 記憶部
17 バス
161 医用画像DB
162 付帯情報DB
163 権限設定ファイル
164 特定操作時権限拡張ファイル
20 クライアント端末
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 RAM
26 記憶部
27 メディアドライブ
28 バス
30 第2サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段と、
医用情報を記憶する記憶手段と、
表示手段と、
前記操作手段により、前記記憶手段とは異なる他の記憶手段又は記録媒体から医用情報を取得して前記記憶手段に記憶し当該記憶手段に記憶された医用情報を前記表示手段に表示する操作が実行されたか否かを判断し、実行されたと判断された場合に、前記操作により取得された医用情報を前記記憶手段から削除する権限を前記操作手段の操作者に付与する制御手段と、
を備える医用情報管理システム。
【請求項2】
前記記憶手段を有する第1のサーバと、前記他の記憶手段を有する第2のサーバと、を有し、
前記制御手段は、前記操作手段により、前記第2のサーバの記憶手段から医用情報を取得して前記第1のサーバの記憶手段に記憶し当該第1のサーバの記憶手段に記憶された医用画像を前記表示手段に表示する操作が実行されたと判断した場合に、前記操作により前記第2のサーバから取得された医用情報を前記第1のサーバの記憶手段から削除する権限を、前記操作手段の操作者に付与する請求項1に記載の医用情報管理システム。
【請求項3】
前記記録媒体に記録されている医用情報を読み込む読み込み手段を備え、
前記制御手段は、前記操作手段により、前記記録媒体に記録されている医用情報を前記読み込み手段により読み込んで前記記憶手段に記憶し当該記憶手段に記憶された医用画像を前記表示手段に表示する操作が実行されたと判断した場合に、前記操作により前記記録媒体から読み込まれた医用情報を前記記憶手段から削除する権限を、前記操作手段の操作者に付与する請求項1に記載の医用情報管理システム。
【請求項4】
前記医用情報は、医用画像を含む請求項1〜3の何れか一項に記載の医用情報管理システム。
【請求項5】
操作手段と、医用情報を記憶する記憶手段と、表示手段と、を備える医用情報管理システムに用いられるコンピュータを、
前記操作手段により、前記記憶手段とは異なる他の記憶手段又は記録媒体から医用情報を取得して前記記憶手段に記憶し当該記憶手段に記憶された医用情報を前記表示手段に表示する操作が実行されたか否かを判断し、実行されたと判断された場合に、前記操作により取得された医用情報を前記記憶手段から削除する権限を前記操作手段の操作者に付与する制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−194825(P2012−194825A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58787(P2011−58787)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】