説明

医用画像表示装置及びプログラム

【課題】検査リスト画面上でシリーズ情報を容易に閲覧できるようにすることである。
【解決手段】医用画像管理システム100によれば、CPU21は、操作部22による操作に応じて、DB160に記憶されている医用画像の付帯情報の少なくとも患者情報、検査情報及びシリーズ情報をサーバから取得し、当該取得された付帯情報の患者情報及び検査情報に基づいて、DB160に記憶されている医用画像を検査単位で選択してデータ管理サーバ10から取得するための検査リスト231bを生成し表示部23の検査リスト画面231に表示させる。そして、操作部22により検査リスト231b上の検査が選択されると、当該選択された検査に含まれるシリーズ毎に、そのシリーズに含まれる医用画像のサムネイル画像Gを検査リスト231bと同一画面上に表示させるとともに、サムネイル画像に対応付けてそのシリーズのシリーズ記述Dを同一画面上に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されている。デジタル化は、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の画像生成装置、カセッテ読み取り装置等の各種モダリティにより行われる。デジタル化された医用画像は、患者の患者情報や、検査情報、シリーズ情報等の付帯情報とともにデータ管理サーバにより一元的に管理される。具体的には、医用画像とDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に適合するDICOM基本情報(付帯情報)とがデータ管理サーバのデータベースに登録され、管理されている。このデータ管理サーバに保存されている医用画像は、クライアント端末から読み出され、読影に使用されている。
【0003】
医師による読影は、一般的に、検査単位で行われる。検査単位で医用画像をデータ管理サーバから読み出すために、検査リスト画面が用いられている。検査リスト画面には、検索条件に合致した各検査の医用画像の患者情報や検査情報の予め定められた項目が検査リストとして一覧表示されており、医師は、この検査リスト画面から所望の検査を選択し、検査単位でデータ管理サーバから医用画像を読み出して読影を行っている。
【0004】
ここで、付帯情報としては、患者情報(患者ID、患者氏名、生年月日等)、検査情報(検査日、検査ID等)、シリーズ情報(シリーズ番号、検査(撮影)部位、モダリティ、シリーズ記述等)、画像情報(画像番号等)があるが、画面のスペースに制限があるという点から、また、検査リスト画面は検査単位で情報を一覧表示するので一検査に複数含まれる可能性があるシリーズ情報まで検査リスト上に表示することが困難であるという点等から、一般的に、検査情報のレベルまでの情報が表示されている。しかし、実際には、検査リスト上で検査に含まれる各シリーズについてのシリーズ情報を特定したいという要望が生じている。そこで、例えば、特許文献1には、検査リスト画面上に検査リストとは別に人体の模型像を表示し、リスト表示された医用画像の撮影部位を模型像上に識別して表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−264167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、シリーズ情報のうち、撮影部位については検査リスト画面上で確認することが可能となる。しかしながら、その他の項目の情報については確認することができない。
【0007】
例えば、シリーズ情報に含まれるシリーズ記述は、検査技師が検査時(撮影時)に医師に伝えておくべき特記事項がある場合にその内容を書き込むこと等に使用される項目である。このシリーズ記述に記載した内容は、従来、読影画面に表示されている。しかし、読影画面を開いて医用画像を表示してしまうと、医師の意識は医用画像にいきがちであり、シリーズ記述を見落としてしまう可能性がある。また、シリーズ記述には、例えばそのシリーズの画像の緊急性や優先順位、再撮影の予定等、読影画面を開く前に検査リスト画面上で医師が把握しておくべきことが含まれている場合がある。そのため、検査リスト画面上でシリーズ記述が確認できる必要がある。
【0008】
本発明の課題は、検査リスト画面上でシリーズ情報を容易に閲覧できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
患者情報、検査情報、及びシリーズ情報を含む付帯情報を有する医用画像を記憶する記憶手段を備えたサーバに接続され、前記サーバから医用画像を取得して表示手段に表示する医用画像表示装置であって、
操作手段と、
前記操作手段による操作に応じて、前記記憶手段に記憶されている医用画像の付帯情報を前記サーバから取得し、当該取得された付帯情報の患者情報及び検査情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている医用画像を検査単位で選択して前記サーバから取得するための検査リストを生成し前記表示手段に表示させる検査リスト表示制御手段と、
前記操作手段により前記検査リスト上の検査が選択された際に、当該選択された検査に含まれるシリーズ毎に、そのシリーズに含まれる医用画像のサムネイル画像を前記検査リストと同一画面上に表示させるとともに、前記サムネイル画像に対応付けてそのシリーズのシリーズ情報を前記同一画面上に表示させるシリーズ情報表示制御手段と、
を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記シリーズ情報表示制御手段は、前記サムネイル画像に対応付けて所定の文字数まで前記シリーズ情報の予め定められた項目を表示させ、前記操作手段により前記表示手段に表示されたサムネイル画像に対して所定の操作がなされた場合に、前記操作されたサムネイル画像に対応するシリーズ情報の前記予め定められた項目の全てをポップアップ表示させる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記シリーズ情報の前記予め定められた項目は、シリーズ記述を含む。
【0012】
請求項4に記載の発明のプログラムは、
患者情報、検査情報、及びシリーズ情報を含む付帯情報を有する医用画像を記憶する記憶手段を備えたサーバに接続され、前記サーバから医用画像を取得して表示手段に表示する医用画像表示装置に用いられるコンピュータを、
操作手段、
前記操作手段による操作に応じて、前記記憶手段に記憶されている医用画像の付帯情報を前記サーバから取得し、当該取得された付帯情報の患者情報及び検査情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている医用画像を検査単位で選択して前記サーバから取得するための検査リストを生成し前記表示手段に表示させる検査リスト表示制御手段、
前記操作手段により前記検査リスト上の検査が選択された際に、当該選択された検査に含まれるシリーズ毎に、そのシリーズに含まれる医用画像のサムネイル画像を前記検査リストと同一画面上に表示させるとともに、前記サムネイル画像に対応付けてそのシリーズのシリーズ情報を前記同一画面上に表示させるシリーズ情報表示制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検査リスト画面上でシリーズ情報を容易に閲覧できるようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態における医用画像管理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】図1のデータ管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の記憶部に格納されるDBのデータ格納例を示す図である。
【図4】図1のクライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図1のコンソールの表示部に表示される入力画面の一例を示す図である。
【図6】図1のクライアント端末及びデータ管理サーバにより実行される検査リスト表示処理のフローチャートである。
【図7A】図6のステップS1において表示される検査リスト画面の一例を示す図である。
【図7B】図6のステップS7において表示される検査リスト画面の一例を示す図である。
【図8】図4のクライアント端末のCPUにより実行されるシリーズ情報表示処理の一例を示す図である。
【図9】図8のステップS12においてサムネイル画像及びシリーズ情報が表示された検査リスト画面の一例を示す図である。
【図10】図8のステップS15においてシリーズ記述がポップアップ表示された検査リスト画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
〔医用画像管理システム100の構成〕
図1に、本実施の形態における医用画像管理システム100のシステム構成を示す。
医用画像管理システム100は、病院内に設置されるシステムである。図1に示すように、医用画像管理システム100は、データ管理サーバ10と、クライアント端末20と、コンソール30と、がLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信回線からなる通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。医用画像管理システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。なお、各装置の台数は、特に限定されない。
【0017】
〔データ管理サーバ10の構成〕
データ管理サーバ10は、CT装置、MRI装置、CR装置等の各種モダリティにより生成された医用画像のデータ、及び医用画像に関する付帯情報(患者情報、検査情報、シリーズ情報、画像情報)を蓄積記憶・管理するコンピュータ装置である。
【0018】
図2に、データ管理サーバ10の機能的構成を示す。
図2に示すように、データ管理サーバ10は、CPU11、操作部12、表示部13、通信部14、RAM15、記憶部16等を備えて構成され、各部はバス17により接続されている。
【0019】
CPU11は、記憶部16に記憶されているプログラム読み出し、RAM15内に形成されたワークエリアに展開し、該プログラムに従って各部を制御する。
【0020】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU11に出力する。
【0021】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面や医用画像等を表示する。
【0022】
通信部14は、LANアダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNに接続された各装置とデータの送受信を行う。
【0023】
RAM15は、CPU11により実行制御される各種処理において、記憶部16から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0024】
記憶部16は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。
記憶部16は、CPU11で実行される各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
【0025】
また、記憶部16には、DB(Data Base)160、画像ファイル165等が記憶されている。
【0026】
DB160は、医用画像の付帯情報を格納するためのデータベースである。DB160は、患者情報テーブル161、検査情報テーブル162、シリーズ情報テーブル163、画像情報テーブル164を含む。
患者情報テーブル161には、図3(a)に示すように、患者LID(Link Identification)毎に、患者の名前、患者の生年月日、患者の年齢、患者の性別等の患者情報が格納されている。
検査情報テーブル162には、図3(b)に示すように、検査LID毎に、検査インスタンスUID(Unique Identification)、患者LID、検査日付、検査時刻等の検査に関する検査情報が格納されている。検査情報テーブル162に格納されている各検査情報は、患者LIDにより患者情報に関連付けられている。
シリーズ情報テーブル163には、図3(c)に示すように、シリーズLID毎に、シリーズインスタンスUID、検査LID、モダリティ、シリーズ番号、検査部位、AEタイトル、シリーズ記述、サムネイル画像等のシリーズ情報が格納されている。ここで、シリーズとは、同一検査内で取得された医用画像のうち、互いに関連する一連の医用画像のまとまりを指す。即ち、検査は、一又は複数のシリーズを含む。シリーズ記述は、検査技師により入力された、医師への伝達事項や検査時の特記事項等が記載される項目である。例えば、各シリーズの緊急性や優先順位、再撮影の予定等が含まれる。サムネイル画像は、各シリーズに含まれる医用画像の代表画像(例えば、各シリーズのうち画像番号の最も小さい医用画像のサムネイル画像)である。シリーズ情報テーブル163に格納されている各シリーズ情報は、検査LIDにより検査情報に対応付けられている。
画像情報テーブル164には、図3(d)に示すように、画像LID毎に、SOP(Service Object Pair)インスタンスUID、シリーズLID、画像番号、画像日付、画像時刻、画像ファイルパス等の画像に関する各種情報が格納されている。画像ファイルパスは、画像ファイルの所在を示す情報をいう。画像情報テーブル164に格納されている各画像情報は、シリーズLIDによりシリーズ情報に対応付けられている。
画像ファイル165は、図示しないモダリティから受信した医用画像の画像データのファイルである。
【0027】
〔クライアント端末20の構成〕
クライアント端末20は、データ管理サーバ10に蓄積記憶されている情報を取得して表示するためのPC(Personal Computer)等の医用画像表示装置である。
【0028】
図4に、クライアント端末20の機能的構成を示す。
図4に示すように、クライアント端末20は、CPU21、操作部22、表示部23、通信部24、RAM25、記憶部26等を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
【0029】
CPU21は、記憶部26に記憶されているプログラムを読み出し、RAM25内に形成されたワークエリアに展開し、該プログラムに従って各部を制御する。
【0030】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU21に出力する。
【0031】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面や医用画像等を表示する。
【0032】
通信部24は、LANアダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNに接続された各装置とデータの送受信を行う。
【0033】
RAM25は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部26から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0034】
記憶部26は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。
記憶部26は、CPU21で実行されるプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ、各種設定情報等を記憶する。記憶部26に記憶されているプログラムには、検査リスト表示処理のクライアント端末20側の処理、及びシリーズ情報表示処理を実行するためのプログラムが含まれる。
【0035】
コンソール30は、CPU、操作部、表示部、通信部、RAM、記憶部等を備えて構成され、医用画像を生成するモダリティに接続され、医用画像に付帯させる付帯情報を入力したり、モダリティにおける撮影を制御したりするための装置である。
図5に、コンソール30の表示部に表示される入力画面301の一例を示す。例えば、コンソール30は、操作部からの操作に応じて図5に示す入力画面301を表示部に表示させ、入力画面301から入力されたシリーズ記述等の情報を付帯情報として医用画像に付帯させることができる。
【0036】
〔医用画像管理システム100の動作〕
次に、医用画像管理システム100の動作について説明する。
(検査リスト表示処理)
まず、クライアント端末20及びデータ管理サーバ10により実行される検査リスト表示処理について説明する。
図6に、クライアント端末20及びデータ管理サーバ10により実行される検査リスト表示処理のフローを示す。検査リスト表示処理は、クライアント端末20の操作部22による指示に応じて開始される。図6に示すクライアント端末20側の処理は、CPU21と記憶部26に記憶されているプログラムとの協働により実行される。図6に示すデータ管理サーバ10側の処理は、CPU11と記憶部16に記憶されているプログラムとの協働により実行される。検査リスト表示処理のクライアント端末20側の処理により、検査リスト表示制御手段が実現される。
【0037】
まず、クライアント端末20において、表示部23に検査リスト画面231が表示される(ステップS1)。ステップS1においては、検査リストに表示される情報の取得前であるため、図7Aに示すように、検査リスト画面231のうち検索条件入力欄231a、サーチボタン231d、クリアボタン231eのみが表示された画面が表示される。
【0038】
操作部22により検査リスト画面231の検索条件入力欄231aから検査リストに表示する検査の検索条件が入力されると(ステップS2)、入力された検索条件が通信部24によりデータ管理サーバ10に送信され、データ管理サーバ10に対して検索条件に該当する検査に関する情報(少なくとも患者情報、検査情報、シリーズ情報。ここでは、この3つの情報とする。)の取得要求が行われる(ステップS3)。
【0039】
データ管理サーバ10においては、通信部14によりクライアント端末20から検索条件及び検索条件に該当する検査に関する情報の取得要求が受信されると、受信された検索条件に合致する検査の患者情報、検査情報、シリーズ情報(サムネイル画像を含む)がDB160から検索され、取得される(ステップS4)。取得された情報、即ち、検索条件に合致する検査の患者情報、検査情報及びシリーズ情報は、通信部14によりクライアント端末20に送信される(ステップS5)。
【0040】
クライアント端末20においては、通信部24によりデータ管理サーバ10から検索条件に合致する検査についての患者情報、検査情報及びシリーズ情報が受信されると、受信された情報がRAM25に記憶されるとともに(ステップS6)、受信された情報のうち患者情報と検査情報の所定の項目からなる検査リスト231bが生成され、表示部23の検査リスト画面231上に表示される(ステップS7)。そして、検査リスト表示処理は終了する。
図7Bに、ステップS7において表示される、検査リスト231bが表示された検査リスト画面231の一例を示す。
【0041】
(シリーズ情報表示処理)
次に、クライアント端末20において実行されるシリーズ情報表示処理について説明する。
図7Bに示すように、検査リスト画面231の検査リスト231bにおいては、検索条件に合致した検査の情報が表示されるが、表示される項目は、患者ID、患者氏名、生年月日、検査日、検査ID等の、患者情報及び検査情報の予め定められた項目である。シリーズ情報は、検査リスト231bが検査単位で表示される点、また、画面のスペースに制限があるという点から、検査リスト231b上で表示されていない。しかし、シリーズ情報の中には、例えば、シリーズ記述等、医師が読影前に確認すべき事項が含まれている場合ある。
そこで、本実施の形態においては、シリーズ情報表示処理を実行することにより、操作部22からの操作に応じて検査リスト画面231上においてシリーズ情報を表示できるようにする。以下の説明では、シリーズ情報としてシリーズ記述を表示する場合を例にとり説明する。
【0042】
図8に、シリーズ情報表示処理のフローチャートを示す。シリーズ情報表示処理は、クライアント端末20のCPU21と記憶部26に記憶されているプログラムとの協働により実行される。シリーズ情報表示処理によりシリーズ情報表示制御手段が実現される。
【0043】
操作部22により検査リスト画面231の検査リスト231bから一の検査が選択操作(例えば、クリック)されると(ステップS11;YES)、検査リスト231bの下部にあるサムネイル画像表示欄231cに、選択された検査に含まれるシリーズ毎に、そのシリーズに含まれる医用画像のサムネイル画像Gが表示される(ステップS12)。具体的には、RAM25に記憶されている、選択された検査に対応する各シリーズ情報のサムネイル画像Gが読み出されて表示される。
【0044】
次いで、各サムネイル画像Gの下部に、そのサムネイル画像に対応するシリーズのシリーズ記述DがRAM25から読み出されて表示される(ステップS13)。
【0045】
図9に、ステップS12においてサムネイル画像G及びシリーズ記述Dが表示された検査リスト画面231の一例を示す。図9に示すように、検査リスト231bの下部のサムネイル画像表示欄231cには、検査に含まれる各シリーズ(ここでは、1シリーズ)のサムネイル画像Gが表示されている。各サムネイル画像Gの下部には、そのシリーズについてのシリーズ記述Dが表示されている。このように、医師は、検査リスト231b上で操作部22により所望する検査を選択するという簡単な操作で、その検査に含まれる各シリーズの概要をサムネイル画像Gで知ることができるとともに、各シリーズのシリーズ記述Dをサムネイル画像Gと対応させて把握することができるので、読影診断を効率的に行うことが可能となる。また、各シリーズのシリーズ記述Dはそのシリーズのサムネイル画像Gと対応して表示されるので、どのシリーズに関するシリーズ記述なのかを医師が容易に把握することができる。なお、サムネイル画像表示欄231cの領域には限りがあるため、表示されるシリーズ記述Dの文字数は予め定められた文字数となっている。
【0046】
図8に戻り、検査リスト画面231のサムネイル画像表示欄231cに表示されている何れかのサムネイル画像上に操作部22のマウスポインタが位置する(マウスオーバーされる)と(ステップS14;YES)、マウスオーバーされたサムネイル画像に対応するシリーズのシリーズ記述がRAM25から読み出され、ポップアップ表示される(ステップS15)。
【0047】
図10に、ステップS15においてシリーズ記述の内容がポップアップ表示された検査リスト画面231の一例を示す。図10に示すように、マウスオーバーされたサムネイル画像Gの近傍には、そのシリーズのシリーズ記述の詳細(全文)Pがポップアップ表示されている。このように、医師は、操作部22により所望するシリーズのサムネイル画像Gをマウスオーバーするという簡単な操作で、そのシリーズのシリーズ記述の詳細を容易に確認することができる。また、シリーズ記述が所定の文字数以外の場合、サムネイル画像をマウスオーバーしている間のみ、そのサムネイル画像に対応するシリーズのシリーズ記述が表示されるので、検査リスト画面231の限られた画面スペースの中で、表示されている情報の邪魔にならずに、医師が必要とするときにシリーズ記述を表示させることができる。なお、マウスオーバーが解除されると、ポップアップ表示は閉じられる。
【0048】
図8に戻り、操作部22により他の検査が選択されると(ステップS16;YES)、処理はステップS12に戻る。操作部22により検査リスト231b上で選択されている検査がダブルクリック等され読影画面への移行が指示されるか、或いは検査リスト画面231を閉じる操作がなされる等、操作部22により検査リスト画面231の表示を終了する指示が入力されると(ステップS16;NO、ステップS17;YES)、シリーズ情報表示処理は終了する。
【0049】
以上説明したように、医用画像管理システム100によれば、クライアント端末20のCPU21は、操作部22による操作に応じて、DB160に記憶されている医用画像の付帯情報の少なくとも患者情報、検査情報及びシリーズ情報をサーバから取得し、当該取得された付帯情報の患者情報及び検査情報に基づいて、DB160に記憶されている医用画像を検査単位で選択してデータ管理サーバ10から取得するための検査リスト231bを生成し表示部23の検査リスト画面231上に表示させる。そして、操作部22により検査リスト231b上の検査が選択されると、当該選択された検査に含まれるシリーズ毎に、そのシリーズに含まれる医用画像のサムネイル画像Gを検査リスト231bと同一画面上に表示させるとともに、サムネイル画像Gに対応付けてそのシリーズのシリーズ記述Dを同一画面上に表示させる。
【0050】
従って、医師は、検査リスト231b上で操作部22により所望する検査を選択するという簡単な操作で、その検査に含まれる各シリーズの概要をサムネイル画像Gで知ることができる。また、各シリーズのシリーズ記述Dをサムネイル画像Gと対応させて表示することができるので、医師が読影前に知っておくべき事項をきちんと把握することができ、読影診断を効率的に行うことが可能となる。また、各シリーズのシリーズ記述Dはそのシリーズのサムネイル画像Gと対応して表示されるので、どのシリーズに関するシリーズ記述なのかを医師が容易に把握することができる。
【0051】
また、CPU21は、操作部22によりサムネイル画像Gがマウスオーバーされると、マウスオーバーされたサムネイル画像Gに対応するシリーズのシリーズ記述Dの全てをポップアップ表示させる。従って、少ないスペースであっても必要な場合にシリーズ記述の全文を検査リスト画面231上から確認することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、サムネイル画像Gとともにシリーズ記述Dを表示する場合を例にとり説明したが、サムネイル画像Gとともに表示するシリーズ情報の項目は、これに限定されない。シリーズ情報の項目のうち何れの項目をサムネイル画像とともに表示させるかは、操作部22により任意に予め設定可能である。
【0053】
また、上記実施の形態においては、サムネイル画像Gを操作部22によりマウスオーバーすると、シリーズ記述Dの詳細がポップアップ表示されることとしたが、これに限定されない。例えば、サムネイル画像Gをクリックしたときにシリーズ記述Dの内容がポップアップ表示されることとしてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態においては、本発明をデータ管理サーバ10及びクライアント端末20を備える医用画像管理システムに適用する場合について説明したが、データ管理サーバ10とクライアント端末20の双方の機能を備えた単体のコンピュータ装置からなる医用画像表示装置に本発明を適用することとしてもよい。
【0055】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0056】
その他、医用画像管理システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0057】
100 医用画像管理システム
10 データ管理サーバ
11 CPU
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 RAM
16 記憶部
17 バス
160 DB
161 患者情報テーブル
162 検査情報テーブル
163 シリーズ情報テーブル
164 画像情報テーブル
165 画像ファイル
20 クライアント端末
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 RAM
26 記憶部
27 バス
231 検査リスト画面
231a 検索条件入力欄
231b 検査リスト
231c サムネイル画像表示欄
231d サーチボタン
231e クリアボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者情報、検査情報、及びシリーズ情報を含む付帯情報を有する医用画像を記憶する記憶手段を備えたサーバに接続され、前記サーバから医用画像を取得して表示手段に表示する医用画像表示装置であって、
操作手段と、
前記操作手段による操作に応じて、前記記憶手段に記憶されている医用画像の付帯情報を前記サーバから取得し、当該取得された付帯情報の患者情報及び検査情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている医用画像を検査単位で選択して前記サーバから取得するための検査リストを生成し前記表示手段に表示させる検査リスト表示制御手段と、
前記操作手段により前記検査リスト上の検査が選択された際に、当該選択された検査に含まれるシリーズ毎に、そのシリーズに含まれる医用画像のサムネイル画像を前記検査リストと同一画面上に表示させるとともに、前記サムネイル画像に対応付けてそのシリーズのシリーズ情報を前記同一画面上に表示させるシリーズ情報表示制御手段と、
を備える医用画像表示装置。
【請求項2】
前記シリーズ情報表示制御手段は、前記サムネイル画像に対応付けて所定の文字数まで前記シリーズ情報の予め定められた項目を表示させ、前記操作手段により前記表示手段に表示されたサムネイル画像に対して所定の操作がなされた場合に、前記操作されたサムネイル画像に対応するシリーズ情報の前記予め定められた項目の全てをポップアップ表示させる請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記シリーズ情報の前記予め定められた項目は、シリーズ記述を含む請求項1又は2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
患者情報、検査情報、及びシリーズ情報を含む付帯情報を有する医用画像を記憶する記憶手段を備えたサーバに接続され、前記サーバから医用画像を取得して表示手段に表示する医用画像表示装置に用いられるコンピュータを、
操作手段、
前記操作手段による操作に応じて、前記記憶手段に記憶されている医用画像の付帯情報を前記サーバから取得し、当該取得された付帯情報の患者情報及び検査情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている医用画像を検査単位で選択して前記サーバから取得するための検査リストを生成し前記表示手段に表示させる検査リスト表示制御手段、
前記操作手段により前記検査リスト上の検査が選択された際に、当該選択された検査に含まれるシリーズ毎に、そのシリーズに含まれる医用画像のサムネイル画像を前記検査リストと同一画面上に表示させるとともに、前記サムネイル画像に対応付けてそのシリーズのシリーズ情報を前記同一画面上に表示させるシリーズ情報表示制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−192131(P2012−192131A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60290(P2011−60290)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】