説明

医用画像診断装置

【課題】撮影プロトコルを体系的に管理することを目的とした医用画像診断装置を提供する。
【解決手段】撮影プロトコルを臨床用と研究用とに区別して記憶しておくために、臨床用の識別子又は研究用の識別子のいずれかが撮影プロトコルに付加されて撮影プロトコル保存DB11に記憶されている。これにより、臨床用の撮影プロトコルと研究用の撮影プロトコルとを区別できるように表示部7に表示することができる。また、ユーザ権限によって閲覧できる撮影プロトコルを限定し、さらに、各撮影プロトコルの編集の履歴を示す履歴情報の閲覧も限定する。これにより、各ユーザにとって必要な情報のみが提供されることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医用画像診を撮影するのに利用される撮影プロトコルの管理を行うための医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置、X線CT装置及び超音波診断装置などの医用画像診断装置は撮影プロトコルに従って制御されている。撮影プロトコルは、医用画像診断装置による撮影(スキャン、画像データ収集)から信号処理(画像再構成)に至る検査の一連の作業進行のために必要とされる条件で構成されている。
【0003】
撮影プロトコルは検査目的や検査技師などに合わせて多数用意されている。また、予め用意されている撮影プロトコル以外にも、検査目的に沿った撮影プロトコルを新規に作成したり、撮影プロトコルを改良したりする場合もあり、非常に多くの撮影プロトコルが医用画像診断装置に登録されている。
【0004】
従来においては、医用画像診断装置内に目的の異なる臨床用の撮影プロトコルと研究用(開発中)の撮影プロトコルとが格納されており、誰もが全ての撮影プロトコルを使用したり編集したりすることができた(例えば特許文献1)。臨床用の撮影プロトコルは、一般の臨床に用いることができる撮影プロトコルである。一方、研究用(開発中)の撮影プロトコルは、一般の臨床には用いられないが、ある検査目的に沿って開発中の撮影プロトコルである。
【0005】
【特許文献1】特開2003−52660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術においては、撮影プロトコルの表示、閲覧及び利用に関して、ユーザに対して何ら制約を設けていなかったため、医用画像診断装置に格納されている全ての撮影プロトコルを表示して閲覧することができ、さらに、撮影プロトコルを自由に変更して利用することができた。このように誰もが撮影プロトコルを自由に変更することができる場合、誰がどの撮影プロトコルのパラメータをどのように変更したかを示す履歴情報を一元的に管理して表示などを行うのみであった。
【0007】
このように履歴情報を一元的に管理する場合、あるユーザにとっては必要以上の撮影プロトコルの一覧が表示されることで、撮影プロトコルの把握が非常に困難となるおそれがある。その結果、自分がどの撮影プロトコルを使用すべきか判断に困り、撮影プロトコルの選択ミスに繋がるおそれがある。また、研究目的で試験的に撮影プロトコルを変更している場合に、開発者以外のユーザが勝手にその開発中の撮影プロトコルを使用したり、変更したりしてしまうおそれもある。
【0008】
以上のように、誰もが撮影プロトコルを自由に変更できたり利用できたりすると、意図しない撮影プロトコルの変更や利用などが行われるおそれがある。また、他のユーザがある撮影プロトコルを変更した場合に、その撮影プロトコルの変更に気付かないで検査を行ってしまうおそれもある。従って、撮影プロトコルを体系的に管理することは、意図しない撮影プロトコルの利用及び変更の防止、又は、利用勝手を向上させるためにも重要である。
【0009】
この発明は上記の問題を解決するものであり、撮影プロトコルを体系的に管理することを目的とした医用画像診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、第1の属性を示す識別子が付加され、少なくとも撮影条件を含む撮影プロトコルと、前記第1の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルから派生して生成された撮影プロトコルであって、前記第1の属性と異なる第2の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルとを記憶する撮影プロトコル記憶手段を有することを特徴とする医用画像診断装置である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によると、撮影プロトコルを体系的に管理できるため、意図しない撮影プロトコルの利用及び変更を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の実施形態に係る医用画像診断装置の構成について図1を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態に係る医用画像診断装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
この実施形態に係る医用画像診断装置1は、MRI装置、X線CT装置、又は超音波診断装置などで構成され、撮影プロトコルに従って撮影することにより医用画像データを収集する。
【0014】
ユーザ情報保存DB10には、ユーザの基本的情報(ユーザの氏名など)に対して認証情報及び権限情報が関連付けて記憶されている。
【0015】
撮影プロトコル保存DB11には、複数の撮影プロトコルのデータが記憶されている。撮影プロトコルは、典型的には、撮影部位、撮影手順、撮影プロトコルの名称、撮影プロトコルの識別子、撮影プロトコルのバージョン(版)、撮影パラメータの名称、撮影パラメータの値、撮影プロトコルの作成日時、撮影プロトコルの作成者、撮影プロトコルの目的(撮影目的(検査目的ともいう))、作成者のコメント、下位プロトコルの名称、及び下位プロトコルの識別子の各項目を有する。また、撮影パラメータには、例えばX線CT装置であれば、管電圧、管電流、スキャン時間、撮影スライス厚、撮影スライス枚数、スキャンピッチ、及び総スキャンの時間などが含まれる。
【0016】
各撮影プロトコルには、例えば、臨床用の撮影プロトコルを示す識別子、又は研究用(開発中)の撮影プロトコルを示す識別子が付加されている。このように、異なる属性を示す識別子を付加することで、利用目的別に撮影プロトコルを区別して管理している。
【0017】
このように、撮影プロトコルを、臨床用と研究用(開発中)とに区別して記憶しておくことで、撮影プロトコルの名称を表示部7に表示する際に、臨床用の撮影プロトコルと研究用(開発中)の撮影プロトコルとを区別して表示することが可能となる。そのことによって、ユーザは臨床用の撮影プロトコルと研究用(開発中)の撮影プロトコルとを識別することが可能となり、意図しない撮影プロトコルの利用を防止することが可能となる。例えば、一般検査技師が臨床用と間違って研究用(開発中)の撮影プロトコルを利用するおそれを防止することができる。さらに、撮影プロトコルの内容を編集する場合であっても、意図しない撮影プロトコルの編集を防止することが可能となる。
【0018】
なお、臨床用の撮影プロトコルは日々のルーチン検査で用いられ、パラメータなどが変更される頻度が低い。一方、研究用(開発中)の撮影プロトコルは、画像改善や検査時間の短縮などを目的としてパラメータなどが高い頻度で変更される。
【0019】
また、撮影プロトコルには、個々のユーザが閲覧及び利用できる撮影プロトコルを示す識別子が付加されている。さらに、各撮影プロトコルには、各撮影プロトコルのそれぞれの派生データが関連付けられている。派生データは、ある撮影プロトコルがどの撮影プロトコルを基にして作成されたかが分かるように関連付けられる情報であり、基にした撮影プロトコルを示す情報である。つまり、各撮影プロトコルがどの撮影プロトコルを基にして作成されたかが分かるように、基にした撮影プロトコルを示す派生データを各撮影プロトコルに関連付けておく。
【0020】
識別子の付加と派生データの関連付けは、識別子付加部9が行う。識別子付加部9は、内容が編集された撮影プロコルに対して、ユーザによって指定された識別子を付加する。例えば、編集後の撮影プロトコルを臨床用(一般公開用)として用いる場合、操作部2からの指定に従って、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルを表す識別子を変更後の撮影プロトコルに付加する。また、編集後の撮影プロトコルを研究用(開発中)とする場合、操作部2からの指定に従って、研究用(開発中)の撮影プロトコルを表す識別子を変更後の撮影プロトコルに付加する。
【0021】
さらに、識別子付加部9は、編集された撮影プロトコルに基の撮影プロトコルを示す派生データを関連付けて記憶させる。
【0022】
ここで、撮影プロトコルの保存方式について図2を参照して説明する。図2は、撮影プロトコルの管理の概要を説明するための図である。例えば、図2に示すように、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコル(全ユーザ共通)には、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルを示す識別子が付加されて記憶されている。この臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルを示す識別子が付加された撮影プロトコルは、一般検査技師及び開発者を含めて全てのユーザによって閲覧及び利用が可能となっている。
【0023】
また、ユーザAが開発した撮影プロトコルには、ユーザAを示す識別子とともに、公開又は非公開を示す識別子が付加されて記憶されている。公開を示す識別子が付加された撮影プロトコルは、ユーザA以外のユーザであっても閲覧及び利用が可能となっている。一方、非公開を示す識別子が付加された撮影プロトコルは、ユーザAのみ閲覧及び利用することができ、ユーザA以外のユーザは閲覧及び利用できないこととなっている。ユーザBが開発した撮影プロトコルについてもユーザAと同様に、ユーザBを示す識別子とともに公開又は非公開を示す識別子が付加されて記憶されている。
【0024】
なお、ユーザを示す識別子の代わりに、ユーザの権限を識別するための識別子を撮影プロトコルに付加しても良い。例えば、あるグループ権限を持った複数のユーザがいる場合に、複数のユーザの権限を識別する識別子を撮影プロトコルに付加して記憶しておく。これにより、それら複数のユーザは、識別子が付加された撮影プロトコルを閲覧及び利用可能となる。例えば、あるグループ権限を持ったユーザAとユーザBが、ある1つの撮影プロトコルを交互に改良する場合に、グループ権限を撮影プロトコルに付加しておくことで、ユーザAとユーザBはその撮影プロトコルを閲覧及び利用することが可能となる。
【0025】
図2に示す例においては、撮影プロトコル(0)、(1)、(2)、及び(0’)は、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルを示す識別子が付加されて記憶されている。従って、撮影プロトコル(0)などは、一般検査技師及び開発者を含む全てのユーザが閲覧及び利用することが可能となっている。
【0026】
また、撮影プロトコル(A0)、(A1)、及び(A2)は、ユーザAを示す識別子とともに、公開を示す識別子が付加されて記憶されている。従って、撮影プロトコル(A0)などは、ユーザA以外の開発者や一般検査技師であっても閲覧及び利用することが可能となっている。一方、撮影プロトコル(A0’)、(A1’)、(A2’)、及び(A3’)は、ユーザAを示す識別子とともに、非公開を示す識別子が付加されて記憶されている。従って、撮影プロトコル(A0’)などは、ユーザAのみが閲覧及び利用することができ、ユーザA以外の開発者や一般検査技師はそれらの撮影プロトコルを閲覧及び利用することができないようになっている。なお、ユーザの権限を示す識別子が撮影プロトコルに付加されている場合は、その権限を持ったユーザがその撮影プロトコルを閲覧及び利用することができる。
【0027】
また、撮影プロトコル(B0)、(B1)、及び(B2)は、ユーザBを示す識別子とともに、公開を示す識別子が付加されて記憶されている。従って、撮影プロトコル(B0)などは、ユーザB以外の開発者や一般検査技師であっても閲覧及び利用することが可能となっている。
【0028】
さらに、ある撮影プロトコルを編集して新たな撮影プロトコルを作成した場合、識別子付加部9によって、新たな撮影プロトコルには基の撮影プロトコルを示す派生データが関連付けられている。例えば、撮影プロトコル(0)を編集することで撮影プロトコル(1)が作成されているため、撮影プロトコル(1)には基にした撮影プロトコル(0)を示す派生データが関連付けられて撮影プロトコル保存DB11に記憶されている。また、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルとして保存するために、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルを示す識別子が撮影プロトコル(1)に付加されている。このように撮影プロトコル(1)に基の撮影プロトコル(0)を示す派生データを関連付けることで、編集前の撮影プロトコル(0)に辿ることが可能となる。
【0029】
また、ユーザAが撮影プロトコル(1)を編集して撮影プロトコル(A1)を作成し、撮影プロトコル(A1)をユーザAの公開用の撮影プロトコルとして保存する場合、撮影プロトコル(A1)には基にした撮影プロトコル(1)を示す派生データが関連付けられて記憶される。このとき、ユーザAを示す識別子とともに、公開を表す識別子が撮影プロトコル(A1)に付加される。
【0030】
また、ユーザAが撮影プロトコル(A1)を編集して撮影プロトコル(A1’)を作成し、撮影プロトコル(A1’)をユーザAの非公開用の撮影プロトコルとして保存する場合、撮影プロトコル(A1’)には基にした撮影プロトコル(A1)を示す派生データが関連付けられて記憶される。このとき、ユーザAを示す識別子とともに、非公開を表す識別子が撮影プロトコル(A1’)に付加される。
【0031】
さらに、撮影プロトコル(A2’)を編集して撮影プロトコル(A3’)を作成し、撮影プロトコル(A3’)をユーザAの非公開用の撮影プロトコルとして保存する場合、撮影プロトコル(A3’)には基にした撮影プロトコル(A2’)を示す派生データが関連付けられて記憶される。このとき、ユーザAを示す識別子とともに、非公開を表す識別子が撮影プロトコル(A3’)に付加される。
【0032】
一方、撮影プロトコル(A3’)を一般公開用の撮影プロトコル(2)として保存し、かつ、撮影プロトコル(1)の派生として保存する場合、撮影プロトコル(2)には派生データとして、撮影プロトコル(1)を示す情報が関連付けられて記憶される。このとき、一般公開用の撮影プロトコルを表す識別子が付加される。
【0033】
また、ユーザBが撮影プロトコル(A2)を編集して撮影プロトコル(B1)を作成し、撮影プロトコル(B1)をユーザBの公開用の撮影プロトコルとして保存する場合、撮影プロトコル(B1)には基にした撮影プロトコル(A2)を示す派生データが関連付けられて記憶される。このとき、ユーザBを示す識別子とともに、公開を表す識別子が撮影プロトコル(B1)に付加される。
【0034】
また、撮影プロトコル(B1)を編集して撮影プロトコル(B2)を作成し、撮影プロトコル(B2)を一般公開用の撮影プロトコル(0’)として新規に保存する場合、撮影プロトコル(0’)には、一般公開用の撮影プロトコルを示す識別子が付加されて保存される。このとき、撮影プロトコル(0’)を新規に保存するため、撮影プロトコル(B2)を示す派生データを関連付けずに保存する。
【0035】
代表画像保存DB12には、撮影プロトコル保存DB11に記憶されている複数の撮影プロトコルにそれぞれ対応する複数の代表的な画像のデータが撮影プロトコルに関連付けて記憶されている。代表的な画像とは、対応する撮影プロトコルのもとで撮影した複数の画像の中から、その撮影プロトコルの性質を最も表しているものとして選択されたサンプル画像である。
【0036】
履歴情報保存DB13には、撮影プロトコル保存DB11に記憶されている複数の撮影プロトコルのそれぞれの内容の変更を示す履歴情報が記憶されている。履歴情報には、撮影プロトコルを編集した日、ユーザ名、変更したパラメータの値、及び、コメントが含まれている。コメントは、撮影プロトコルを変更した際にユーザによって記述されて履歴情報として記憶される。例えば、撮影プロトコルによって得られた効果などがコメントとして記憶される。
【0037】
履歴情報作成部8は、撮影プロトコルが編集された場合に、編集した日時、ユーザ名、変更したパラメータの値、及びコメントを含む履歴情報を作成し、その履歴情報を履歴情報保存DB13に記憶させる。
【0038】
ユーザ認証部3は、操作部2によってユーザID(操作者識別情報)が入力されると、ユーザ情報保存DB10を参照してユーザ認証を行う。
【0039】
撮影プロトコルリスト作成部4は、操作部2によって入力された検索条件に従って撮影プロトコル保存DB11を検索して検索条件に該当する撮影プロトコルを取得する。検索条件としては、例えば、撮影部位、ユーザID(操作者識別情報)、検査目的のいずれか又は組み合わせが挙げられる。また、撮影プロトコルリスト作成部4は、先に取得した複数の撮影プロトコルにそれぞれ対応する複数の代表画像のデータを代表画像保存DB12から取得する。さらに、撮影プロトコルリスト作成部4は、撮影プロトコルのデータから撮影プロトコル名称のリスト(一覧)を作成する。また、撮影プロトコルリスト作成部4は、撮影プロトコルに対応する代表画像が存在する場合、その撮影プロトコルの名称に隣接して当該代表画像へリンクするためのアイコンを形成する。撮影プロトコルリスト作成部4で作成された撮影プロトコルの名称のリストは表示制御部6の制御のもとで表示部7に表示される。
【0040】
ここで、撮影プロトコルのリスト表示の1例について図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、表示部に表示される撮影プロトコルのリストの1例を示す図である。
【0041】
例えば、撮影部位として、頭部(Head)、胸部(Chest)、及び腹部(Abdomen)が検索条件に含まれている場合、撮影プロトコルリスト作成部4は、それらの撮影を行うための撮影プロトコルを撮影プロトコル保存DB11から取得する。さらに、撮影プロトコルリスト作成部4は、取得した撮影プロトコルにそれぞれ対応する代表画像のデータを代表画像保存DB12から取得する。そして、撮影プロトコルリスト作成部4は、撮影プロトコルのデータから撮影プロトコルの名称のリスト(一覧)を作成し、さらに、その撮影プロトコルの名称に隣接して代表画像へリンクするためのアイコンを作成する。そして、図3に示すように、表示制御部6は撮影プロトコルの名称のリストを表示部7に表示させる。図3に示すリストを参照することで、ユーザは所望の撮影リストを選択することができる。
【0042】
また、撮影プロトコルリスト作成部4は、操作部2で入力されたユーザID(操作者識別情報)に従って、各ユーザが閲覧可能な撮影プロトコルのリストを作成する。例えば、図2に示すような撮影プロトコルの保存方式において、ユーザAが閲覧可能な撮影プロトコルのリストを表示する場合、撮影プロトコルリスト作成部4は、ユーザAのユーザID(操作者識別情報)を受けて、ユーザAが閲覧可能な撮影プロトコルを撮影プロトコル保存DB11から取得する。このとき、撮影プロトコルリスト作成部4は、各撮影プロトコルに付加されている識別子を参照することで、ユーザAが閲覧可能な撮影プロトコルを取得する。例えば、図2に示す例においては、ユーザAは、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコル、ユーザA用の撮影プロトコル、及びユーザB用であって公開用の撮影プロトコルを閲覧することができるため、それらの撮影プロトコルの名称のリストを作成する。
【0043】
さらに、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコル、ユーザA用であって公開用の撮影プロトコル、ユーザA用であっても非公開用の撮影プロトコル、及びユーザB用であって公開用の撮影プロトコルのぞれぞれで、最新版の撮影プロトコルの名称のリストを作成する。図2に示す例では、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルとして最新版の撮影プロトコル(2)、ユーザA用であって公開用の撮影プロトコルとして最新版の撮影プロトコル(A2)、非公開用の撮影プロトコルとして最新版の撮影プロトコル(A3’)、及び、ユーザB用であって公開用の撮影プロトコルとして最新版の撮影プロトコル(B2)の名称のリストを作成する。そして、図4に示すように、表示制御部6はユーザAが閲覧可能な撮影プロトコルの名称のリストを表示部7に表示させる。この図4に示す撮影プロトコルの名称のリストでは、ユーザAが閲覧可能であり、最新版の撮影プロトコルの名称が表示されている。ユーザAはこのリストを参照することで、所望の撮影プロトコルを選択することができる。さらに、後述するが、図4のリストから所望の撮影プロトコルを選択し、その撮影プロトコルの変更を示す履歴情報を表示させることができる。
【0044】
履歴情報取得部5は、操作部2によるリスト上の特定操作を契機として、履歴情報保存DB13から撮影プロトコルの履歴情報を取得し、履歴情報を表示するための詳細ウィンドウを作成する。詳細ウィンドウには、撮影プロトコルの変更を示す履歴情報として、撮影プロトコルを編集した日、ユーザ名、変更したパラメータの値、及びコメントが含まれる。
【0045】
例えば、図4に示す撮影プロトコルのリスト表示画面上でポインタ101を所望の撮影得プロトコル102に合わせたとき、履歴情報取得部5で作成された詳細ウィンドウ103がポップアップで表示される。上述のように詳細ウィンドウ103には、撮影プロトコルを編集した日、ユーザ名、変更したパラメータの値、及びコメントが含まれる。このようにユーザによってある撮影プロトコルが指定されると、履歴情報取得部5は、履歴情報保存DB13から撮影プロトコルの履歴情報を取得し、履歴情報を表示するための詳細ウィンドウを作成する。
【0046】
表示制御部6は、撮影プロトコルリスト作成部4によって作成された撮影プロトコルの名称の一覧を表示部7に表示させる。また、操作部2によるリスト上の特定操作を契機として履歴情報取得部5によって作成された詳細ウィンドウを表示部7に表示させる。
【0047】
表示部7は、液晶ディスプレイやCRTなどの表示装置で構成され、表示制御部6の制御によって撮影プロトコルの名称の一覧や詳細ウィンドウを表示する。
【0048】
(作用)
次に、この発明の実施形態に係る医用画像診断装置1の動作について説明する。撮影プロトコルの名称のリストを表示し、履歴情報を表示するときの動作について説明し、次に、撮影プロトコルを編集して、編集後の撮影プロトコルを保存するときの動作について説明する。まず、撮影プロトコルの名称のリストを表示し、履歴情報を表示するときの動作について図6を参照して説明する。図6は、この発明の実施形態に係る医用画像診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。
【0049】
(ステップS01)
まず、ステップS01では、ユーザが操作部2を用いて撮影プロトコルのリスト表示要求を与える。このリスト表示要求とともに、ユーザは操作部2を用いてユーザID(操作者識別情報)を入力する。
【0050】
(ステップS02)
次に、ステップS02では、ユーザ認証部3が、ユーザ情報保存DB10を参照してユーザ認証を行う。
【0051】
(ステップS03)
次に、ステップS03では、撮影プロトコルリスト作成部4が、ユーザID(操作者識別情報)に基づいて、そのユーザに対して表示可能な撮影プロトコルを確定する。ここでは、ユーザAが撮影プロトコルを閲覧する場合について説明する。例えば図2に示すような撮影プロトコルの管理方式においては、撮影プロトコルリスト作成部4は、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコル、ユーザA用の撮影プロトコル、及びユーザB用であって公開用の撮影プロトコルを閲覧可能であると判断する。つまり、撮影プロトコルリスト作成部4は、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルを示す識別子が付加された撮影プロトコル、ユーザAを示す識別子が付加された撮影プロトコル、及びユーザBを示す識別子が付加された撮影プロトコルであって公開用の識別子が付加された撮影プロトコルを、ユーザAに対して表示可能な撮影プロトコルと確定する。
【0052】
(ステップS04)
次に、ステップS04では、撮影プロトコルリスト作成部4が、撮影プロトコル保存DB11を検索して、ステップS03で確定された識別子が付加された撮影プロトコルを取得する。上記の例では、撮影プロトコルリスト作成部4は、臨床用(一般公開用)の識別子が付加された撮影プロトコル、ユーザAの公開用の識別子が付加された撮影プロトコル、ユーザAの非公開用の識別子が付加された撮影プロトコル、及び、ユーザBの公開用の識別子が付加された撮影プロトコルを取得する。このとき、撮影プロトコルリスト作成部4は、各撮影プロトコルのなかから最新版の撮影プロトコルを取得する。例えば、図2に示す例においては、撮影プロトコルリスト作成部4は、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルとして最新版の撮影プロトコル(2)、ユーザA用であって公開用の撮影プロトコルとして最新版の撮影プロトコル(A2)、非公開用の撮影プロトコルとして最新版の撮影プロトコル(A3’)、及び、ユーザB用であって公開用の撮影プロトコルとして最新版の撮影プロトコル(B2)を取得する。
【0053】
(ステップS05)
次に、ステップS05では、撮影プロトコルリスト作成部4が、撮影プロトコル情報取得部41で取得された複数の撮影プロトコルにそれぞれ対応する複数の代表画像のデータを代表画像保存DB12から取得する。
【0054】
(ステップS06)
次に、ステップS06では、撮影プロトコルリスト作成部4が、撮影プロトコルのデータから撮影プロトコル名称のリスト(一覧)を作成する。また、撮影プロトコルリスト作成部4は、撮影プロトコルに対応する代表画像が存在する場合、その撮影プロトコルの名称に隣接して当該代表画像へリンクするためのアイコンを形成する。
【0055】
具体的には、撮影プロトコルリスト作成部4は、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコル(2)、ユーザA用であって公開用の撮影プロトコル(A2)、ユーザA用であって非公開用の撮影プロトコル(A3’)、及びユーザB用であって公開用の撮影プロトコル(B2)の名称のリスト(一覧)を作成する。さらに、撮影プロトコルリスト作成部4は、各撮影プロトコルの名称に隣接して各撮影プロトコルの代表画像へリンクするためのアイコンを形成する。
【0056】
(ステップS07)
ステップS07では、表示制御部6が撮影プロトコルの名称のリストを表示部7に表示させる。例えば、図4に示すように、最新版の撮影プロトコルの名称が表示部7に表示される。図4に示すように、撮影プロトコル102の名称がリストとして表示され、さらに、各撮影プロトコル102の名称に隣接してそれぞれの代表画像104が表示されている。
【0057】
以上のように、ユーザに応じて公開する撮影プロトコルを変えているため、撮影プロトコルの選択ミスを低減することが可能となる。上記の例では、ユーザAが閲覧可能な撮影プロトコルのみを表示部7に表示しているため、ユーザAにとって必要な撮影プロトコルのみが表示されていることになり、撮影プロトコルの選択ミスを防止することが可能となる。
【0058】
(ステップS08)
次に、撮影プロトコルのリスト表示画面上で、ポインタ101を所望の撮影プロトコル102に合わせることで、その撮影プロトコル102の履歴情報の表示要求を与える。これ以外に、所望の撮影プロトコル102にポインタ101を合わせ、マウスなどでクリックすることで履歴情報の表示要求を与えても良い。
【0059】
(ステップS09)
ステップS08にて履歴情報の表示要求が与えられると(ステップS08、Yes)、履歴情報取得部5は、指定された撮影プロトコルの履歴情報を履歴情報保存DB13から取得し、履歴情報を表示するための詳細ウィンドウを作成する。この詳細ウィンドウには、撮影プロトコルを編集した日、ユーザ名、変更したパラメータの値、及びコメントが含まれる。
【0060】
(ステップS10)
ステップS10では、表示制御部7が、履歴情報が記述された詳細ウィンドウを表示部8に表示させる。このとき、図4に示すように、履歴情報が記述された詳細ウィンドウ103がポップアップで表示される。
【0061】
以上のように、ユーザはポップアップ表示された履歴情報を参照することで、指定した撮影プロトコルの編集の履歴を確認することが可能となるため、指定した撮影プロトコルのパラメータがいつ、どのように変更されたのか確認することが可能となる。これにより、撮影プロトコルのパラメータの変更を気付かずに検査などを実行するおそれを減少させることが可能となる。
【0062】
また、あるユーザが医用画像診断装置1にログインしたときに、そのユーザが閲覧及び利用可能な撮影プロトコルが前回ログオンしたときから変更されている場合は、図8に示すように、撮影プロトコルの変更を通知するためのポップアップ表示を行っても良い。例えば、前回利用した撮影プロトコルの内容が変更されている場合に、変更を通知するためのポップアップ表示を行う。
【0063】
例えば、撮影プロトコルリスト作成部4が、上記ユーザが閲覧及び利用可能な撮影プロトコルを撮影プロトコル保存DB11から取得し、その取得した撮影プロトコル内に内容が変更された撮影プロトコルが存在する場合は、その内容の変更を通知するためのウィンドウを作成する。そして、表示制御部6はその変更通知のためのウィンドウを表示部7に表示させる。
【0064】
以上のように撮影プロトコルの変更を通知することにより、そのユーザが使用できる撮影プロトコルが知らないうちに変更され、そのまま撮影を行うという危険性を回避することができる。
【0065】
さらに、ある撮影プロトコルを変更したときにその変更に関連したメッセージを残しておき、そのメッセージをポップアップ表示しても良い。これにより、他のユーザとの間でコミュニケーションをとることが可能となる。例えば、撮影プロトコルのあるパラメータを変更したことによる効果などをメッセージとして残しておいても良い。
【0066】
次に、撮影プロトコルを編集して、編集後の撮影プロトコルを保存するときの動作について図7を参照して説明する。図7は、この発明の実施形態に係る医用画像診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。
【0067】
(ステップS20)
まず、ステップS20では、ユーザが撮影プロトコルを選択する。例えば、上記ステップS01からステップS07までの処理によって、図3又は図4に示すような撮影プトコルの名称のリストを表示部7に表示させる。そして、その表示リストの中から、ユーザが操作部2を用いて所望の撮影プロトコルを選択する。例えば、ポインタによって所望の撮影プロトコルを指定する。
【0068】
(ステップS21、ステップS22)
そして、選択した撮影プロトコルの編集を希望する場合は(ステップS21、Yes)、ユーザは選択した撮影プロトコルのパラメータの変更を行う(ステップS22)。ここで、撮影プロトコルのパラメータ変更の1例を図5の表に示す。例えば、撮影プロトコルのパラメータ「TR」を「7000msec」から「4000msec」に変更したり、「Slice」を「1mm」から「2mm」に変更したり、「FOV」を「20cm」から「15cm」に変更したりする。
【0069】
(ステップS23)
ステップS23では、ステップS22にて撮影プロトコルの編集を行った後、その編集後の撮影プロトコルを利用して医用画像診断装置にて撮影を行う。なお、ステップS20にて選択した撮影プロトコルの編集を希望しない場合(ステップS21、No)は、選択した撮影プロトコルを利用して医用画像診断装置にて撮影を行う。
【0070】
(ステップS24、25)
撮影後、編集した撮影プロトコルを保存する場合は(ステップS24、Yes)、履歴情報作成部8は、撮影プロトコルを編集した日時、ユーザ名、変更したパラメータの値、及びコメントを含む履歴情報を作成する(ステップS25)。コメントはユーザによって入力され、例えば、パラメータの値を変更したことによる効果などが記述される。一方、編集した撮影プロトコルを保存しない場合は(ステップS24、No)、処理は終了する。
【0071】
(ステップS26)
そして、ステップS26では、ユーザが、編集した撮影プロトコルの保存方式を決定する。例えば、編集後の撮影プロトコルを臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルとして保存する場合、既に存在する臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルの派生として保存するか、臨床用(一般公開用)の新規な撮影プロトコルとして保存するか、又は、個人用の撮影プロトコルとして保存するかを決定する。
【0072】
(ステップS27)
ステップS27では、識別子付加部9が、上記ステップS26での決定に従って編集後の撮影プロトコルに付加すべき識別子を決定し、編集後の撮影プロトコルに付加する。
【0073】
例えば、図2に示す例において、ユーザAが公開用の撮影プロトコル(A1)を編集して撮影プロトコル(A2)を作成した場合であって、撮影プロトコル(A2)をユーザAの公開用の撮影プロトコルとして保存する場合、識別子付加部9は、ユーザAを示す識別子を編集後の撮影プロトコル(A2)に付加するとともに、公開用の撮影プロトコルを表す識別子を撮影プロトコル(A2)に付加する。さらに、識別子付加部9は、撮影プトコル(A2)を撮影プロトコル(A1)の派生として保存するため、撮影プロトコル(A1)を示す派生データを撮影プロトコル(A2)に関連付ける。このようにして、識別子が付加された撮影プロトコル(A2)は撮影プロトコル保存DB11に記憶される。
【0074】
また、例えば、ユーザAが非公開用の撮影プロトコル(A2’)を編集して撮影プロトコル(A3’)を作成した場合であって、撮影プロトコル(A3’)を臨床用(一般公開用)であって撮影プロトコル(1)の派生である撮影プロトコル(2)として保存する場合、識別子付加部9は、臨床用(一般公開用)を示す識別子を編集後の撮影プロトコル(2)に付加するとともに、撮影プロトコル(1)を示す派生データを撮影プロトコル(2)に関連付ける。そして、識別子が付加された撮影プロトコル(2)は撮影プロトコル保存DB11に記憶される。
【0075】
さらに、例えば、ユーザBが公開用の撮影プロトコル(B1)を編集して撮影プロトコル(B2)を作成した場合であって、撮影プロトコル(B2)を臨床用(一般公開用)であって新規の撮影プロトコル(0’)として保存する場合、識別子付加部9は、臨床用(一般公開用)を示す識別子を編集後の撮影プロトコル(0’)に付加する。撮影プロトコル(0’)を新規の撮影プロトコルとして保存するため、基の撮影プロトコルを示す派生データを撮影プロトコル(0’)に付加せずに撮影プロトコル保存DB11に記憶させる。
【0076】
(ステップS28)
ステップS28では、編集後の撮影プロトコルが撮影プロトコル保存DB11に記憶され、さらに、変更の履歴を示す履歴情報が履歴情報保存DB13に記憶される。
【0077】
なお、保存方式としてユーザごとに保存方式を決定するのではなく、撮影プロトコルの利用目的に着目して撮影プロトコルの保存方式を決定しても良い。例えば、撮影プロトコルを、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコル、頭部の画質改善を目的として開発中の撮影プロトコル、又は、腹部検査の時間短縮を目的として開発中の撮影プロトコルに区別して保存しても良い。そして、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルを全てのユーザに公開するものとし、開発中の撮影プロトコルは開発者全員にのみ公開するものとする。
【0078】
この場合、例えば、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルには、臨床用(一般公開用)であることを示す識別子を付加して撮影プロトコル保存DB11に記憶しておく。また、頭部の画質改善を目的として開発中の撮影プロトコルには、頭部の画質改善を目的として開発中であることを示す識別子を付加して撮影プロトコル保存DB11に記憶しておく。さらに、腹部検査の時間短縮を目的として開発中の撮影プロトコルには、腹部検査の時間短縮を目的として開発中であることを示す識別子を付加して撮影プロトコル保存DB11に記憶しておく。
【0079】
そして、臨床用(一般公開用)を示す識別子が付加された撮影プロトコルについては、全てのユーザに対して公開し、開発中を示す識別子が付加された撮影プロトコルについては、開発者に対してのみ公開する。これにより、一般検査技師は臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルを閲覧して利用することができるが、開発中の撮影プロトコルを閲覧して利用することができない。一方、開発者は、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルと開発中の撮影プロトコルを閲覧して利用することができる。
【0080】
そして、開発者が開発中の撮影プロトコルを編集して開発目的を達成した後、開発済みの撮影プロトコルを臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルとして保存した場合に、一般検査技師は、その開発済みの撮影プロトコルを閲覧して利用することが可能となる。具体的には、開発済みの撮影プロトコルを既存の臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルの派生として保存するか、又は、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルとして新規に保存した場合に、一般検査技師は開発済みの撮影プロトコルを閲覧して利用することができる。図2を参照して説明すると、開発済みの撮影プロトコルを、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコル(1)などの派生として保存する場合、又は、臨床用(一般公開用)の撮影プロトコルとして新規に保存する場合、一般検査技師は、開発済みの撮影プロトコルを閲覧して利用することが可能となる。
【0081】
また、図3及び図4に示す撮影プロトコルのリスト表示を行う際に、各ユーザの利用頻度が高い順に、撮影プロトコルの名称を並び替えて表示しても良い。この場合、各撮影プロトコルに、各ユーザにおける利用頻度(利用回数)を関連付けて撮影プロトコル保存DB11に記憶させておく。そして、撮影プロトコルリスト作成部4は、撮影プロトコルの名称のリストを作成する際に、撮影プロトコル保存DB11から取得した撮影プロトコルのあるユーザにおける利用頻度(利用回数)に従って、利用頻度が高い撮影プロトコルの名称が一番上に表示されるようにリストを作成する。
【0082】
また、全てのユーザの利用頻度を求めて、利用頻度が高い順に撮影プロトコルの名称を並び替えて表示しても良い。この場合、撮影プロトコルリスト作成部4は、撮影プロトコルのリストを作成する際に、撮影プロトコル保存DB11から取得した撮影プロトコルの全てのユーザにおける利用頻度を求め、利用頻度が高い撮影プロトコルの名称が一番上に表示されるようにリストを作成する。
【0083】
さらに、撮影プロトコルの履歴情報を表示する際に、その撮影プロトコルのパラメータの変更履歴を統計処理して表示しても良い。例えば、パラメータの変更履歴を示すグラフを作成してそのグラフを表示することで、撮影プロトコルの変更履歴を視覚的に理解しやすくなる。この場合、履歴情報取得部5は、履歴情報保存DB13に記憶されている履歴情報に基づいて変更履歴のグラフを作成する。
【0084】
履歴情報のグラフ化について図9を参照して説明する。図9は、撮影プロトコルの変更履歴を統計的に表示する1例を示す図である。例えば、横軸を撮影プロトコルの名称とし、縦軸をパラメータの値とする。そして、各撮影プロトコルのパラメータの値をプロットしたグラフを表示部7に表示させる。これにより、撮影プロトコルのパラメータの変化の様子を視覚的に理解しやすくなる。図9では、撮影プロトコル(A0’)、(A1’)、(A2’)、及び(A3’)のパラメータA、B及びCを変更した場合の、各パラメータA、B及びCの値の変化をグラフ化している。
【0085】
また、変更履歴のグラフとともに、各撮影プロトコルに対するユーザのコメントを表示しても良い。例えば撮影プロトコルの効果などをコメントとして表示する。
【0086】
図9の例では、パラメータの値の変化をグラフ化しているが、各撮影プロトコルに対するユーザの評価をグラフ化しても良い。例えば、各撮影プロトコルに対するユーザの評価をある基準に従って数値化し、縦軸をその値を評価値としてグラフ化する。これにより、各撮影プロトコルの評価の変化を視覚的に把握することが可能となる。
【0087】
なお、撮影プロトコル(A0’)から(A1’)への変更、さらに(A2’)への変更、さらに(A3’)への変更は時系列に沿っているため、横軸を時間軸(日時)としてグラフ化しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】この発明の実施形態に係る医用画像診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】撮影プロトコルの管理方式の概要を説明するための図である。
【図3】表示部に表示される撮影プロトコルのリストの1例を示す図である。
【図4】表示部に表示される撮影プロトコルのリストの1例を示す図である。
【図5】撮影プロトコルのパラメータの変更例を示す図である。
【図6】この発明の実施形態に係る医用画像診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施形態に係る医用画像診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。
【図8】表示装置に表示されるメッセージの1例を示す図である。
【図9】撮影プロトコルの変更履歴を統計的に表示する1例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1 医用画像診断装置
2 操作部
3 ユーザ認証部
4 撮影プロトコルリスト作成部
5 履歴情報取得部
6 表示制御部
7 表示部
8 履歴情報作成部
9 識別子付加部
10 ユーザ情報保存DB
11 撮影プロトコル保存DB
12 代表画像保存DB
13 履歴情報保存DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の属性を示す識別子が付加され、少なくとも撮影条件を含む撮影プロトコルと、前記第1の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルから派生して生成された撮影プロトコルであって、前記第1の属性と異なる第2の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルとを記憶する撮影プロトコル記憶手段を有することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
前記第1の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルは臨床用の撮影プロトコルであり、前記第2の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルは開発中の撮影プロトコルであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記第1の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルを特定するための情報と、前記第2の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルを特定するための情報とを表示手段に表示させる表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
前記撮影プロトコルは、ユーザ又はユーザの権限を識別するための操作者識別情報が付加されて前記撮影プロトコル記憶手段に記憶され、
前記表示制御手段は、前記操作者識別情報を受け付けて、受け付けた操作者識別情報が付加された撮影プロトコルを特定する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
前記撮影プロトコルは、公開用又は非公開用を示す識別情報が付加されて前記撮影プロトコル記憶手段に記憶され、
前記表示制御手段は、前記操作者識別情報を受け付けて、公開用又は非公開用にかかわらず前記受け付けた操作者識別情報が付加された撮影プロトコルを特定する情報と、前記公開用を示す識別情報が付加された撮影プロトコルを特定する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項4に記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
前記第2の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルは、ユーザを識別するための操作者識別情報が付加されて前記撮影プロトコル記憶手段に記憶され、
前記表示制御手段は、前記操作者識別情報を受け付けて、前記第1の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルを特定するための情報と、前記受け付けた操作者識別情報が付加された撮影プロトコルを特定するための情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の医用画像診断装置。
【請求項7】
前記第2の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルは、公開用又は非公開用を示す識別情報が付加されて前記撮影プロトコル記憶手段に記憶され、
前記表示制御手段は、前記操作者識別情報を受け付けて、前記第1の属性を示す識別子が付加された撮影プロトコルを特定するための情報と、公開用又は非公開用にかかわらず前記受け付けた操作者識別情報が付加された撮影プロトコルを特定する情報と、前記公開用を示す識別情報が付加された撮影プロトコルを特定する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載の医用画像診断装置。
【請求項8】
前記撮影プロトコルは、その撮影プロトコルを作成した際に基となった撮影プロトコルを示す情報が付加されて前記撮影プロトコル記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の医用画像診断装置。
【請求項9】
前記撮影プロトコルの内容の変更を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示されている撮影プロトコルのうち、所望の撮影プロトコルが指定されると、指定された撮影プロトコルの履歴情報を前記履歴情報記憶手段から取得して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載の医用画像診断装置。
【請求項10】
前記受け付けた操作者識別情報が付加された撮影プロトコルのうち、前回利用した撮影プロトコルの内容が変更されている場合、前記表示制御手段は、変更された撮影プロトコルを特定する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項4から請求項9のいずれかに記載の医用画像診断装置。
【請求項11】
前記撮影プロトコルの内容が変更された場合であって、変更後の撮影プロトコルを前記撮影プロトコル記憶手段に記憶する場合、公開又は非公開を示す識別情報を付加する識別子付加手段を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の医用画像診断装置。
【請求項12】
前記識別子付加手段は、さらに、変更後の撮影プロトコルに基となった撮影プロトコルを特定する情報を付加することを特徴とする請求項11に記載の医用画像診断装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−190125(P2007−190125A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9812(P2006−9812)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】