説明

医療チューブ固定装置及び医療チューブ保護用手袋

【課題】 点滴や透析等で使用する医療チューブを固定するために患者の身体の一部に装着して使用し、患者の苦痛及び看護者の手間を緩和し得る医療チューブ固定装置の提供。
【解決手段】 点滴又は透析用の針を刺した身体の部位の上から巻きつけて装着し、該針に接続されるチューブを固定するために使用する医療チューブ固定具を、基部、裏足部、チューブ留め部、ベルトから構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点滴や透析等で使用する医療チューブを固定するために患者の身体の一部に装着して使用し、患者の苦痛及び看護者の手間を緩和し得る医療チューブの固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、点滴や透析等で使用する医療チューブの固定と言えば、テープで直接皮膚に留めたり、包帯を巻きつけたりして固定されていた。
テープや包帯が外れて、注射針が抜けたりチューブから薬液が漏れたりしないようにするために、腕を固定する点滴用腕固定具としては、例えば特許文献1がある。また、点滴用チューブを確実に装着部位に固定できる点滴用チューブ固定具として、例えば特許文献2がある。
また、不用意に点滴のチューブ等を除去する動作ができないよう手の動きを最小限に抑制する医療用補助手袋として、例えば特許文献3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−280797号
【特許文献2】実開平5−153号
【特許文献3】特開平11−4843号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、肘から手首にかけて固定具を装着して腕を固定する必要があり、固定具も大掛かりとなって患者の負担が大きい。
特許文献2に開示された技術によれば、副木部材を点滴部位の背面側に当てて固定帯(ベルト)にて縛り付けるため、患者の快適性が低い。
また、特許文献3に開示された技術によれば、手全体をカバーで覆うために、患者は痒いところを掻いたりすること等もできずに不便である。
以上のことに鑑みて、本発明は、患者が苦痛や不便を感じることなく、点滴や透析等で使用する医療チューブを固定することができ、またテープで留めたり包帯を巻いたりという看護者の手間も軽減し得る、医療チューブ固定具、医療チューブ固定ベルト、医療チューブ中継固定具、医療チューブ中継固定具用上衣、及び医療チューブ保護用手袋を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を解決するため、本発明の医療チューブ固定具は、点滴又は透析用の針を刺した身体の部位の上から巻きつけて装着し、該針に接続されるチューブを固定するために用いる医療チューブ固定具であって、該固定具は基部、裏足部、チューブ留め部、ベルトからなり、該基部は、装着したときに、該針を刺した身体の部位全体を覆うことができる以上の大きさであり、該裏足部は、基部の2辺に身体方向へ近接して設け、裏足部が身体に接触することで、該部位と基部との間に空間を生じさせるものであり、かつ、該裏足部の身体と接する部分は装着される身体の形にあわせて丸みをもたせた形状となっており、該チューブ留め部は、基部の4辺に近接して身体方向とは反対の方向へ、少なくとも各辺に設けられており、チューブを入れ込む部分は円形状の一部を欠いた形状で、かつチューブの直径とほぼ同程度の内径を有することを要旨とする。
【0006】
また、本発明の医療チューブ固定具は、点滴又は透析用の針を刺した身体の部位の上から巻きつけて装着し、該針に接続されるチューブを固定するために用いる医療チューブ固定具であって、該固定具は基部、裏足部、チューブ留め部、ベルトからなり、該基部は、装着したときに、該針を刺した身体の部位全体を覆うことができる以上の大きさであり、該裏足部は該基部の1辺と同じ長さの辺を3辺有する三角柱であって、そのうちの1辺が基部の1辺に沿って接する形で該基部に固着されるものであって、基部の平行を成す2辺にそれぞれ身体の部位に向かって裏足部が設けられており、各裏足部の1面が身体の部位に接触することで、身体の部位と基部との間に空間を生じさせるものであり、かつ、各裏足部の身体の部位と接する面は装着される身体の部位の形にあわせて丸みをもたせた形状となっており、該チューブ留め部はフック形状であって、基部の4辺に近接して身体方向とは反対の方向へ、少なくとも各辺に2箇所ずつ設けられており、チューブを入れ込む部分は円形状の一部を欠いた形状で、かつチューブの直径とほぼ同程度の内径を有することを要旨とする。
【0007】
また、本発明の医療チューブ固定具は前記構成においてさらに、該ベルトは面状であって、該基部の平行する2辺に接してそれぞれ設けられており、さらに該ベルトが汚れ防止用凸部材によってのみ直接肌と接することとなるよう、該ベルトの身体の部位と接する面に一定の間隔で該汚れ防止用凸部材が設けられており、該汚れ防止用凸部材は、半球状で、かつ、汚れが付着しても簡単に除去又は取り替え可能な紙や布、合成繊維、合成樹脂等の素材で形成されていることを要旨とする。
【0008】
また、本発明の医療チューブ固定具は前記構成においてさらに、該基部上に、外周に医療チューブを巻きつけ可能な立上り側面を有する小型基部が設けられ、該小型基部の四方には、巻きつけられた医療チューブの上方への飛び出しを防止するためのチューブ押え部が形成されていることを要旨とする。
【0009】
また、本発明の医療チューブ固定具は前記構成においてさらに、該基部上に、少なくとも1つ以上のチューブ補助留め部が設けられ、該チューブ補助留め部は長方形状かつその一辺が半円となっている部材であり、穴明きスナップ又は面状テープによる係止手段によって巻き付けられた医療チューブを固定できるようになっていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、本発明の医療チューブ固定具によれば、点滴や透析用の針を刺した身体の部位の上から巻きつけて装着することにより、針を刺した部位を保護して針が抜けるのを防ぐことができるとともに、該固定具により点滴や透析用の医療チューブを固定することができる。しかも、点滴や透析用の針を刺した部位の上から簡単かつ手軽に装着できるため、看護者の手間を軽減し、かつ患者の苦痛や不便を緩和することが可能となる。例えば、幼児や痴呆患者が点滴用のチューブを引っ張って乱すのを防止できる。
透析の場合には、基部上に支持具の付いたものを肘を挟んで上下に取り付けて、チューブを固定することが可能となる。
【0011】
また、本発明の医療チューブ固定ベルトによれば、身体の一部に巻きつけて装着することにより、点滴や透析の場合だけでなく種々の医療チューブを固定することができる。従って、鼻や尿道等からのチューブを固定する際にも使用することができる。
【0012】
また、本発明の医療チューブ中継固定具によれば、身体に装着した衣類の一部(紐状部材)に該中継固定具を取り付けて医療チューブを保持することにより、医療チューブを容易に固定することができる。該中継固定具のフックにより衣類の上から手軽に装着できるために、身体の上に直接テープ等を貼って医療チューブを固定する場合に比べて、患者は非常に快適となる。
【0013】
また、本発明の医療チューブ中継固定具用上衣によれば、該上衣に上記医療チューブ中継固定具を取り付けることにより、医療チューブを固定することができる。該上衣は網目構造からなるために、上記医療チューブ中継固定具を上衣の様々な位置に取り付けることが可能となり、看護者にとっても非常に便利である。
【0014】
さらに、本発明の医療チューブ保護用手袋によれば、該保護用手袋を患者に装着させることにより、患者が固定された医療チューブを不用意に乱すのを防止することができる。しかも、人差し指、中指、薬指の先端部分は手袋の外に出ているために、患者にとって、自由に痒いところを掻いたりすること等ができ便利である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施例に係る医療チューブ固定具の斜視図である。
【図2】第1の実施例に係る医療チューブ固定具の使用状況を示す図である。
【図3】(a)第2の実施例に係る医療チューブ固定具の平面図である。 (b)第2の実施例に係る医療チューブ固定具の斜視図である。 (c)チューブ通し溝の他の形状の例を示す図である。
【図4】(a)第3の実施例に係る医療チューブ固定具の平面図である。 (b)第3の実施例に係る医療チューブ固定具の立面図である。 (c)チューブ支持具の立面図である。
【図5】第4の実施例に係る医療チューブ固定ベルトの斜視図である。
【図6】(a)第5の実施例に係る医療チューブ固定ベルトの斜視図である。 (b)第5の実施例に係る医療チューブ固定ベルトのチューブ留め部の詳細図である。 (c)第5の実施例に係る医療チューブ固定ベルトの斜視図である。
【図7】第6の実施例に係る医療チューブ中継固定具の使用状況を正面から見た図である。
【図8】第6の実施例に係る医療チューブ中継固定具の使用状況を背後から見た図である。
【図9】(a)第6の実施例に係る医療チューブ中継固定具の正面からの斜視図である。 (b)第6の実施例に係る医療チューブ中継固定具の背面からの斜視図である。 (c)第6の実施例に係る医療チューブ中継固定具の変化の例を示す斜視図である。
【図10】第7の実施例に係る医療チューブ中継固定具の使用状況を正面から見た図である。
【図11】第7の実施例に係る医療チューブ中継固定具の斜視図である。
【図12】第8の実施例に係る医療チューブ保護用手袋の平面図である。
【図13】(a)ファスナー開閉用リングを示す図である。 (b)スライダーの横断面概略図である。
【図14】医療チューブ中継固定具用腕章を示す正面図である。
【図15】(a)巻付板の設置状況を示す図である。 (b)巻付板の立面図である。 (c)巻付板の他の例を示す立面図である。 (d)巻付板の設置状況の他の例を示す図である。
【図16】(a)医療チューブ中継固定具の他の例を示す正面斜視図である。 (b)医療チューブ中継固定具の他の例を示す背面斜視図である。
【図17】(a)医療チューブ中継固定具の他の例を示す正面斜視図である。 (b)医療チューブ中継固定具の他の例を示す背面斜視図である。
【図18】医療チューブ中継固定具の使用状況の他の例を示す正面図である。
【図19】医療チューブ保護用手袋の他の例を示す平面図である。
【図20】(a)医療チューブ固定具の他の例を示す平面図である。 (b)医療チューブ固定具(a)の横断面図である。 (c)医療チューブ固定具の他の例を示す平面図である。 (d)医療チューブ固定具(c)の側面図である。
【図21】(a)医療チューブ中継固定具の他の例を示す平面図である。 (b)医療チューブ中継固定具の他の例を示す平面図である。
【図22】(a)医療チューブ固定具の他の例を示す平面図である。 (b)医療チューブ固定具(a)の横断面図である。
【図23】医療チューブ固定具の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
本発明の医療チューブ固定具は、点滴又は透析の際に、腕、手首、大腿部、首、足首等に装着して用いるものであって、図1、図3、又は図4のように、基部(1)、裏足部(2)、チューブ留め部(3)(3’)、(3’’)、ベルト(4)(4’)からなる。
図4(b)のように、基部(1)上に、医療チューブを支持するためのチューブ支持具を設けることとしてもよい。透析や点滴で患者が自分専用の医療チューブ固定具を持ち運ぶ場合には、持ち運び用の収納箱等に容易に収納できるように、チューブ支持具を基部(1)から取り外し可能に構成する。この場合、図4(b)(c)に示すように、基部(1)の裏側に、取り外したチューブ支持具を固定するための凸部材(37)を設け、チューブ支持具には、該凸部材(37)を嵌め込み可能な嵌合穴を設けることとし、収納時にチューブ支持具を取り外して基部(1)の裏側に固定できるようにすると好ましい。
基部(1)は、腕や大腿部等に装着したときに、点滴又は透析用の針が刺された部位全体が覆える以上の大きさとし、基部に硬質の材料を用いる場合は、腕又は大腿部等への装着感を高めるために、装着部位の形にあわせて曲げ加工したものであることが好ましい。例えば、大腿部用の点滴針に用いる場合には、針の長さに合わせて基部の長さを長く構成する。
基部(1)の裏側(身体に接する側)には、図4のように、基部(1)の2辺に裏足部(2)を設ける。裏足部(2)は、固定具を装着したときに、基部(1)が針が刺されている部位を圧迫しないようにするためのもので、その機能を発揮するものであれば裏足部(2)の形状、大きさ等は問わないが、腕等から基部(1)が滑り落ちないように、裏足部(2)の身体と接する部分は、装着部位の形にあわせて丸みをもたせた形状とすることが好ましい。裏足部の形状としては、例えば図1や図3(b)に示すように基部の1辺と同じ長さの辺を3辺有する三角柱とし、そのうちの1辺が基部の1辺に沿って接する形で該基部に固着されるものとする。そして、基部の平行を成す2辺にそれぞれ身体の部位に向かって裏足部を設けるとよい。裏足部(2)により、医療チューブ固定具を安定的に装着でき、針の保護にもなる。
【0017】
チューブ留め部(3)(3’)(3’’)は、図3又は図4のように、基部上の4辺に近接して設ける。様々な使用態様に対応するためには、基部の1辺につき2箇所以上ずつ設けることが好ましい。また、図1のように、基部の4隅に設けることとしてもよい。チューブ留め部は、点滴又は透析のチューブを通して仮留めできるように、図4(b)のようにフック式の形状でチューブを入れ込む形式とするか、図3(a)のように帯状の形状としてスナップボタン又は面状テープでチューブを上から押さえて留める形式とする他、図1のように切込みを設けた板状の部材にチューブを入れ込む形式としてもよい。点滴又は透析のいずれに使用するかによって、針の長さやチューブの太さが異なるので、固定具は点滴用と透析用とを分けて用意することが好ましい。また、腕、手首、大腿部、足首、首の各部位ごとの固定具を作成することとしてもよい。この場合、例えば首の透析のように同じ箇所に針を2本刺す場合には、基部(1)の横幅を広くして横長の形状の固定具とする。
基部(1)、裏足部(2)、チューブ留め部(3)(3’)(3’’)、チューブ支持具は、合成樹脂、布、又は耐久性を有する紙等を素材とし、基部(1)は網目状に構成すると塵等が溜まらない。
【0018】
ベルト(4)(4’)は基部(1)を身体の一部に装着するためのものであって、合成樹脂、布、又は耐久性を有する紙、金属等を素材とし、図3、図4のようにスナップボタン、穴明きスナップ又は面状テープによって身体の一部に巻きつけて固定する。ベルトは網目状に構成してもよい。ベルト(4)(4’)の少なくとも一部には、ゴム等の伸縮性のある素材を用いた伸縮部材を形成することが好ましい。金属製又は合成樹脂製のベルト(4)を使用する場合には、ベルト(4)を図1のような形状とし、ベルト回転拘束部(11)によってベルト(4)を基部(1)に接合することとしてもよい。その場合には例えば、ベルト回転拘束部(11)に、断面形状が円形である溝を設け、ベルト(4)端部のベルト軸部(12)を該溝内に入れ込むようにする。ベルト軸部(12)は断面形状を非円形とし、該溝内で回転可能で、かつ一定以上の角度回転すると該溝を内側から押し上げることによって回転が拘束されるものとする。ベルト回転拘束部(11)の溝の断面形状、及びベルト軸部(12)の断面形状は、ベルト軸部(12)が溝内で回転可能で、回転が拘束されるものであれば、他の形状によってもよい。
ベルト回転拘束部(11)を、基部(1)の裏面側に取り付けることとすれば、ベルト回転拘束部(11)が目立たずに外観がスマートになる。
大腿部等に装着する場合には、ベルト(4’)の一端に輪状に形成したゴム等の係止片を設け、他端に該係止片を係止するための係止部材を設けることとしてもよい。
また、ベルト(4)(4’)を基部(1)から取り外し自在に構成してもよい。
なお、身体側にくるベルトの方を長く形成すると、基部を身体で押さえて取り付けできるため、腕や大腿部に楽に巻き付けることができ、身体との摩擦が無くベルトが外れにくい。看護士等が装着する場合にも、容易に行える。
【0019】
ベルト(4)(4’)が、図3や図4のような面状の形状である場合には、ベルトの裏側(身体に接する側)に、図4に示すように、ベルトへの汗等による汚れの付着を防止するために、汚れ防止用凸部材(17)を設けることが好ましい。汚れ防止用凸部材は、ベルトが該凸部材によってのみ直接肌と接することとなるようにベルト裏側に適当な間隔で設け、汚れが付着しても簡単に除去又は取り替えできる素材(汚れにくい紙、布、合成繊維、又は合成樹脂等)を使用する。該汚れ防止用凸部材の形状は、例えば図4(b)に示すように、半球状とするとよい。
固定具は、患者個々の腕や大腿部等の大きさの相違に対応できるように、S、M、L、LL等のように種々のサイズを用意する。
また、ベルト(4)(4’)は、肌に直接着用する他、衣類の上から着用できる場合には、衣類(病院着)の上から着用することとしてもよい。
【0020】
また、本発明の医療チューブ固定具は、図1又は図3(b)のように、基部の四方に立上り部(5)を設け、上蓋(7)及び下蓋(8)を設けてもよい。
立上り部(5)は、基部の4辺と連続して設け、それぞれ1箇所以上ずつ点滴又は透析のチューブを通すことができるチューブ通し溝(6)を設ける。チューブ通し溝(6)は、点滴又は透析用のチューブが通るものであれば、大きさや形状は問わないが、チューブのぐらつきを押さえるために、チューブよりも若干大きい程度の円形状とすることが好ましい。
立上り部(5)は、合成樹脂、布、又は耐久性を有する紙等を素材とし、立上り部(5)の高さは、点滴又は透析のチューブの直径以上であることが好ましい。
立上り部(5)で囲まれた基部(1)上では、凸部材、繊維毛、スナップ、面状テープ等の係止手段によってチューブを留めたり、チューブの通る部分に溝を設けたり、チューブを巻いてその上に蓋を被せてチューブを固定することができる。
立上り部(5)が取り付く基部(1)外周の部分は、網の目状に構成することとすれば、塵がたまらないため好ましい。
【0021】
上蓋(7)又は下蓋(8)は、上記立上り部(5)のうちの2つに連続して設け、立上り部との接合部を回転軸として開閉可能とする。さらに上蓋(7)、下蓋(8)のいずれか又は双方に点滴又は透析のチューブを通すために、立上り部(5)と設けたのと同様に、チューブ通し溝(6’)を1箇所以上設ける。チューブ通し溝(6’)は、図2のように、上蓋(7)及び下蓋(8)を閉じた状態でチューブを通すことができる位置に設ける。チューブ通し溝(6’)には、チューブの抜け止めのための凸部材を設けることが好ましい。
上蓋(7)又は下蓋(8)の少なくとも一方と立上り部(5)との接続部には、蓋を開いた状態で静止可能となるような処理を施し、点滴又は透析のチューブを、蓋を開いた状態で蓋のチューブ通し溝(6’)に通して支持できるようにしてもよい。
また、上蓋(7)及び下蓋(8)を設置しない場合には、図4(c)のようなチューブ支持具を、基部(1)上に取り付けて、チューブを支持することとしてもよい。
【0022】
上蓋(7)及び下蓋(8)の素材は、合成樹脂、布、又は耐久性を有する紙等のいずれでもよいが、チューブを支持させる場合には、それが可能な程度の硬さを有するものであることが好ましい。
上蓋(7)及び下蓋(8)を閉めた際に、蓋がぐらつかないように、スナップボタン、穴明きスナップ又は面状テープで蓋同士を留めることとしてもよい。
上蓋(7)及び下蓋(8)は、取り外し可能としてもよい。
【0023】
また、本発明の医療チューブ固定ベルトは、点滴又は透析のチューブ、鼻用のチューブ、尿道用のチューブ等の医療チューブを固定するために、腕、手首、大腿部、足首、首等に装着して用いるものであって、図5のように、基部(1a)、チューブ留め部(3a)、チューブ補助留め部(18)からなる。医療チューブを支持するためのチューブ支持具を設けても良い。
医療チューブ固定ベルトは、基部(1a)を腕や手首等、身体の一部に巻きつけて使用するものであり、基部(1a)の両端に、図5や図6(a)のように、スナップボタン(穴明きスナップ)、スナップボタン孔、又は面状テープ凸面部、凹面部、等を設置する処理を施すことによって、基部(1a)を身体の一部に巻きつけて固定する。
基部(1a)には、チューブ留め部(3a)及びチューブ補助留め部(18)を、それぞれ1箇所以上ずつ設置し、チューブ留め部(3a)及びチューブ補助留め部(18)の一端をそれぞれ基部(1a)と接着する。
【0024】
チューブ留め部(3a)は、医療チューブを上から押さえて仮留めするもので、図5のようなスナップボタン(穴明きスナップ)による他、図6のような面状テープによって留めてもよい。
チューブ補助留め部(18)は、チューブ留め部(3a)によって仮留めされたチューブを身体の外方向に持っていくためのものであり、チューブ留め部(3a)と同様に、スナップボタン(穴明きスナップ)又は面状テープによりチューブを上から押さえて仮留めするものとし、図5のように、チューブを持っていきたい方向で固定できるように設ける。
【0025】
チューブ留め部(3a)及びチューブ補助留め部(18)を面状テープとする場合には、医療チューブを身体の外方向に持っていきやすくするために、図6(a)のように、チューブ留め部(3a)は、チューブ補助留め部(18)側が斜辺となるような三角形の形状とすることが好ましい。三角形の形状は図6(c)のように図6(a)と上下が逆となったものでもよい。また、チューブ留め部及びチューブ補助留め部の先端には、面状テープの脱着を容易にするためのつかみ部(19)を設ける。
チューブ留め部(3a)及びチューブ補助留め部(18)は、腕に着用する鼻用と太ももに付ける尿道用等の各医療チューブに対応できる大きさとし、さらに、1箇所につきチューブを2本通して使用してもよい。また、固定ベルトを衣類の上から装着することとしてもよい。
【0026】
基部(1a)、チューブ留め部(3a)、チューブ補助留め部(18)、チューブ支持具は、合成樹脂、布、又は耐久性を有する紙等を素材とし、基部(1a)は網目状に構成してもよい。基部(1a)の少なくとも一部には、ゴム等の伸縮性のある素材を用いた伸縮部材を形成することが好ましい。
【0027】
また、本発明の医療チューブ固定ベルトを点滴又は透析に使用する場合においては、基部(1a)の幅は、針が刺された部位全体を覆える以上の大きさとし、基部の裏側(身体に接する側)には、図6(a)のように、針が刺された部位を基部(1a)が圧迫しないように裏足部(2a)を設けることが好ましい。また、基部の裏側には、汚れ防止用凸部材(17)を設けてもよい。裏足部(2a)の身体と接する部分は、装着部位の形にあわせて丸みをもたせた形状とすることが好ましい。
【0028】
固定ベルトは、患者個々の身体の大きさの相違に対応できるように、S、M、L、LL等のように種々のサイズを用意する。また、腕、手首等の各部位ごとや、点滴や透析等の用途ごとに固定ベルトを作成することとしてもよい。
また固定ベルトは、素肌の上から直接装着する他、衣類の上から装着することとしてもよい。
固定ベルトを、左右両方の腕に装着することが必要な場合等には、異なる色の部材を用い色分けして使用することとしてもよい。
【0029】
また、本発明の医療チューブ中継固定具は、点滴又は透析のチューブ、鼻用のチューブ、尿道用のチューブ、細菌・異物・エアの身体内への侵入を防止するためのチューブ等の医療チューブを固定するために、身体に装着した衣類の紐状部材に取り付けて用いるものであって、図9(a)のように、基部(1b)、折り曲げ部(24)、フック(25)、チューブ留め部(3b)からなる。
【0030】
請求項7乃至請求項8に記載の「身体に装着した衣類の紐状部材」とは、後述の医療チューブ中継固定具用上衣のように、紐状部材の網目構造からなる衣類を身体に装着した場合における該紐状部材の他に、衣類の一部に医療チューブ中継固定具を取り付けることが可能な紐状部材を有する衣類を身体に装着した場合における該紐状部材をもいうものとする。例えば、普通のシャツに本発明の医療チューブ中継固定具を取り付け可能な紐状部材を縫い付けたシャツを装着したような場合であっても、該紐状部材は本発明の「身体に装着した衣類の紐状部材」に該当する。衣類は上半身、下半身いずれに装着するものであってもよい。
【0031】
基部(1b)には、上記紐状部材に中継固定具を引っ掛けて使用することができるように、フック(25)を1箇所以上設ける。フック(25)は基部(1b)の内側(チューブ側)に設ける他、外側(身体側)に設けることとしてもよい。
基部(1b)には1本又は2本以上の医療チューブを保持するために、図9(a)のように、チューブ留め部(3b)を設ける。チューブ留め部は、チューブ1本につき1箇所以上設置し、例えばチューブを2本通すような場合には2段で設置する。チューブの本数が多い場合には、1箇所のチューブ留め部(3b)を長くして2本以上のチューブを通すこととしてもよい。
【0032】
折り曲げ部(24)は基部(1b)と連続して設け、チューブを基部(1b)と折り曲げ部(24)の間に挟み込むように二つ折りにした状態で、基部(1b)とスナップボタン(穴明きスナップ)又は面状テープによって結合する。
折り曲げ部(24)のスナップボタン(穴明きスナップ)結合部又は面状テープ結合部は、着脱を容易にするために、基部(1b)とは反対側に先端を跳ね上がらせておき摘みやすくしておくことが好ましい。
基部(1)、折り曲げ部(24)、フック(25)、チューブ留め部(3b)は、合成樹脂、布、耐久性を有する紙等を素材とする。
【0033】
また、本発明の医療チューブ中継固定具を、チューブと接続された医薬品容器や身体内への細菌・異物・エアの侵入を防止するための容器を該中継固定具によって固定するために用いる場合には、図11のように、チューブ留め部(3b)に代えて、医薬品容器や身体内への細菌・異物・エアの侵入を防止するための容器を保持するための容器留め部(27)を設ける。
前記容器は、医薬品が収納され、又は細菌・異物等の侵入防止装置としての合成樹脂等からなる容器であり、該容器は、点滴等の薬の中に他の医薬品を混入したい場合、又は細菌・異物・エアの侵入を防止したい場合に、点滴のチューブに接続して使用されるものである。
細菌・異物・エアの侵入を防止するための容器の形状は、円筒状のものや扁平状のものなど様々であるため、その形状に応じた医療チューブ中継固定具を作製する。
【0034】
折り曲げ部(24)は、医薬品容器を基部(1b)と折り曲げ部(24)の間に挟み込むように二つ折りにした状態で、基部(1b)とスナップボタン又は面状テープによって結合する。
また、折り曲げ部(24)は、二つ折りにしたときに、外部から医薬品容器に貼付されたラベルが目視して確認できるように、弾力性を有する網目状の構造とすることが好ましい。
【0035】
さらに、基部(1b)及び折り曲げ部(24)には、図11のように、医薬品の容器等が横から抜け落ちるのを防止するために、チューブを通す際に支障とならない程度の大きさで、容器落下防止押え部(28)なるマチを設ける。医薬品容器等を保持する場所に、ゴム状の滑り止め部材を設置してもよい。
基部(1b)、折り曲げ部(24)、フック(25)、チューブ留め部(3b)は、合成樹脂、布、耐久性を有する紙等を素材とする。
【0036】
また、本発明の医療チューブ中継固定具用上衣は、本発明の医療チューブ中継固定具を使用する際に使用するものであって、図7、図8、図10のように、紐状部材(21)の網目構造によりなる。上衣は、丈が短いものでも構わない。
袖部の長さは、患者の医療チューブ中継固定具の使用状況や着脱のし易さの好み等によって、種々設定可能である。
【0037】
上衣は、紐状部材(21)によって網目状に形成されており、医療チューブ中継固定具のフック(25)を、該紐状部材(21)の任意の位置に引っ掛けて使用する。図8のように、中継固定具を同時に2個以上使用することも可能である。
上衣における紐状部材(21)による網目状部は、図7のように上衣全体に設ける他、中継固定具を使用する部位にのみ設ける等、上衣の一部に設けることとしてもよい。
【0038】
上衣の正面部には、図7のようにファスナー(22)を設けるか、図10のように調節ベルト(26)を設けて、上衣の左右の部分が分離する前空き式とすることが好ましい。調節ベルト(26)は、上衣の左右の部分に設け、それぞれ面状テープ凸面部(15)、凹面部(16)を有するものとし、これによって調節ベルトの着脱をおこなうものとする。
また、同様に上衣の脇下部をオープンとして、上衣の脇下部の前後を面状テープによって分離可能に結合することとしてもよい。
【0039】
上衣背面部の背骨に相当する部分には、医療チューブ挿入の作業を容易にするために、医療医療チューブ挿入用開口部(23)を設ける。医療チューブ挿入用開口部(23)は、医療チューブ挿入作業が容易となる程度に、上衣の網目の間隔を広くとることによって、1箇所以上設ける。
また、脇腹に医療チューブを挿入する場合のために、上衣の脇下部に同様の開口部を設けることとしてもよい。
上衣には、合成樹脂、布、耐久性のある紙等の素材を用い、患者個々の身体の大きさの相違に対応できるように、S、M、L、LL等のように各種サイズを用意する。
なお、上記のように上衣全体を網目状に構成せずに、通常のシャツ等の上衣に医療チューブ中継固定具を引っ掛け可能な紐を設けることとしてもよい。例えば、図18のように、介護服の胸から肩にかけて1本の紐状部材(21)を縫い付けることによっても、医療チューブ中継固定具を引っ掛けて使用することができる。
また、紐状部材(21)を有する腕章として提供してもよく、図14に示すように、腕章を網目状に構成してもよい。図14では、紐状部材(21)によって網目状に腕章本体を形成し、腕章本体の左右端部を、面状テープ凸部(15)、凹部(16)によって係脱自在に構成している。面状テープ凸部(15)は伸縮性を有するゴム等の伸縮部材によって腕章本体と接続されるとともに、上下2箇所設けられている。このような腕章であれば、様々な患者の腕のサイズに対応可能で、装着したときに腕に馴染み、また着脱も容易に行える。さらに、既存の病院着にも使用できるため好ましい。面状テープの他、穴明きスナップ等の係止手段を用いてもよい。
【0040】
さらに、本発明の医療チューブ保護用手袋は、点滴や透析等の医療チューブを固定している場合に、患者に使用させるためのものであって、図12のように、親指の部分だけが分かれた二股形状の手袋である。手首まである手袋本体(29)の内部には仕切り(30)を設け、手の甲の部分にファスナー(22’)とスライダー(31)を設ける。
【0041】
手袋内部の仕切り(30)は、親指の部分と人差し指の部分の間に設け、患者が親指を人差し指側の部分に入れて手袋を抜いてしまうのを防止している。親指以外の4本の指どうしの間は仕切ってもよいし、仕切らなくてもよい。
また、人差し指、中指、薬指の部分は、手袋を装着する患者の利便性を考えて、図12のように、第一関節から先の部分をオープンとする。保護用手袋が硬質の素材である場合等、手袋の材質によっては、第二関節から先の部分をオープンとすることとしてもよい。
また、図19のように、手袋の親指の部分を必要以上に長く形成してもよい。このようにすると、患者の指先が使いづらくなって、医療チューブを引っ張ったり乱したりするのが確実に防止できる。さらに、親指の先端部分はオープンとした方が、塵がたまらないため好ましい。
【0042】
手の甲の部分のファスナー(22’)は、ファスナーを開けることにより手袋の着脱が容易となる程度の長さ分を設け、スライダー(31)はスライダー頭部のつかみ部分が無く、後述のファスナー開閉用リング(32)を差し込むためのリング差込孔(35)を有する形状のものとする。
手袋の着脱に際しては、図13のように、ファスナー開閉用リング(32)を用いて、ファスナーを開閉する。ファスナー開閉用リング(32)はリングの一部が開く形状であって、スライダー頭部(34)のリング差込孔(35)にリングを通すことができる形状であれば、円形の他に、四角形等であってもよい。ファスナー開閉は、上記リング(32)をスライダー頭部(34)のリング差込孔(35)に通して、スライダー(31)を前後に操作することによって行う。
【0043】
手袋は、合成樹脂、布、耐久性のある紙等を素材とし、網目状に構成してもよい。手袋のサイズは、S、M、L、LL等のように各種サイズを用意するが、ファスナー(22’)を閉めたときに、手から容易に手袋が抜けてしまわないようなサイズの手袋を、個々の患者に着用させるものとする。また、特に幼児や乳児等に着用させる場合には、顔等に傷がつかないように柔らかい素材のものを使用する。
【実施例1】
【0044】
本発明の第1の実施例について図1〜図2に基づいて説明する。本実施例は医療チューブ固定具に関するものである。
図1は第1の実施に係る医療チューブ固定具の斜視図、図2は該医療チューブ固定具の使用状況を示す図である。
【0045】
図中(1)は基部、(2)は裏足部、(3)はチューブ留め部、(4)はベルト、(5)は立上り部、(6)(6’)はチューブ通し溝、(7)は上蓋、(8)は下蓋、(9)はスナップボタン、(10)はスナップボタン孔、(11)はベルト回転拘束部、(12)はベルト軸部、(13)はカードホルダー、(14)はカードホルダー中央部である。
【0046】
本実施例に係る医療チューブ固定具は、腕に点滴針を刺して点滴を行う際に使用するものであって、図1に示すように、基部(1)、裏足部(2)、チューブ留め部(3)、ベルト(4)、立上り部(5)、上蓋(7)、下蓋(8)、から構成される。基部(1)は、点滴針が刺された部位が覆える大きさであり、装着したときに腕に馴染むように腕の形にあわせて曲げ加工されている。基部(1)の裏側には裏足部(2)が設けられ、装着したときに基部(1)が点滴針を圧迫しないようになっている。立上り部(5)は基部(1)に対して垂直に設けられ、四方それぞれに2箇所ずつ、点滴用のチューブを通せる大きさのチューブ通し溝(6)が設けられている。チューブ通し溝(6)は、チューブを容易に出入りさせることができるようにチューブの外径よりも少しだけ大きくしてあり、入れ込んだチューブが浮き上がらないように、チューブの直径を指で押さえて細くして入れるために入口部分はチューブの直径よりも小さくしてある。立上り部(5)の高さは点滴用のチューブの直径よりも大きくなるようにしてある。上蓋(7)と下蓋(8)は、立上り部(5)のうちの2箇所と一体的に設けられて開閉できるようになっており、蓋を閉めた状態で立上り部との隙間が生じない形状となっている。上蓋(7)と下蓋(8)にはそれぞれ、スナップボタン(9)とスナップボタン孔(10)が設けられているので、これにより図2に示すように、蓋を閉めた状態で上蓋(7)と下蓋(8)とを結合できる。上蓋(7)にはチューブ通し溝(6’)が2箇所設けられている。
【0047】
基部(1)上の四隅には、立上り部(5)のチューブ通し溝(6)から通されたチューブを仮留めして中継するためのチューブ留め部(3)が設置されている。チューブ留め部(3)に設けられるチューブを通すための切り込みは、チューブの着脱のし易さと安定性等を考慮して、チューブの外径よりも若干大きい程度の円形状としてある。
基部(1)、裏足部(2)、チューブ留め部(3)、立上り部(5)、上蓋(7)、下蓋(8)、はいずれもポリエチレンで形成されている。医療チューブ又は注射器等医療器具の再生(リサイクル)材を用いることとすれば一層好ましい。
ベルト(4)は金属製又は合成樹脂製であり、図1のように、基部(1)及び立上り部(5)との接合部には、断面形状が円形である溝を有するベルト回転拘束部(11)が設けられている。ベルト(4)端部のベルト軸部(12)は断面形状が楕円形の一部を切り欠いたような非円形とされ、ベルト回転拘束部の溝内で一定角度以上回転すると該溝を内側から押し上げることによってベルト(4)の回転が拘束されるようになっている。ベルト(4)は手で回転させることができる。
本実施例に係る医療チューブ固定具は左右兼用であり、左右どちらの腕であっても使用できる。また男女兼用であって、S、M、L、LLの各種サイズが用意してある。
【0048】
本実施例に係る医療チューブ固定具の使用に当たっては、点滴針が刺された部位を覆うように医療チューブ固定具を被せ、ベルト(4)を腕に装着する。点滴針に接続されるチューブを、立上り部(5)に設けられたチューブ通し溝(6)の都合のよい任意の1箇所から通して中に入れ、中に入れたチューブを、基部(1)上のチューブ留め部(3)の都合のよい任意の1箇所を経由させて、立上り部(5)の他のチューブ通し溝(6)または上蓋のチューブ通し溝(6’)のうちの都合のよい任意の1箇所を通して外に出す。上蓋(7)と下蓋(8)は閉じた状態でスナップボタン(9)により結合して使用する。点滴用の針を刺す方向やチューブを持っていく方向によって、図2に示すように、種々の使用態様が可能である。
【0049】
また、下蓋(8)の表面にはカードホルダー(13)が設置され、患者の名前等が書かれたカードが差し込めるようにしてある。カードを取り出しやすくするために、ホルダー中央部(14)は少し盛り上がらせてある。カードホルダー(13)は、上蓋(7)の表面に設置することとしてもよく、図3や図4で示すように、面状のベルト(4’)を用いる場合であれば、ベルト(4’)の表面に設けることとしてもよい。
【0050】
本実施例による医療チューブ固定具によれば、基部(1)の周囲の立上り部(5)にそれぞれ2箇所ずつチューブ通し溝(6)が設けられ、さらに上蓋(7)にも2箇所のチューブ通し溝(6)が設けられているため、図2に示すようにチューブの固定態様として種々の態様が可能であり、点滴用の針を刺す方向やチューブを持っていきたい方向に柔軟に対応することができる。
また、固定具を、針が刺された部位の上から被せて装着することで、針が刺された部位を保護することができるとともに、上蓋(7)及び下蓋(8)を閉じて使用することで、チューブ留め部(3)に固定された医療チューブが不意に乱されないように保護することも可能となる。
【実施例2】
【0051】
本発明の第2の実施例を図3に基づいて説明する。本実施例は医療チューブ固定具に関するものである。
図3(a)は第2の実施例に係る医療チューブ固定具の平面図(上蓋(7)、下蓋(8)の図示は省略)、図3(b)は該医療チューブ固定具の斜視図、図3(c)はチューブ通し溝の他の形状の例を示す図である。
【0052】
図中、(1)は基部、(2)は裏足部、(3’)はチューブ留め部、(4’)はベルト、(5)は立上り部、(6)(6’)はチューブ通し溝、(7)は上蓋、(8)は下蓋、(9)はスナップボタン、(10)はスナップボタン孔である。
【0053】
本実施例に係る医療チューブ固定具は、腕に透析針を刺して透析を行う際に使用するものであって、図3に示すように、基部(1)、裏足部(2)、チューブ留め部(3’)、ベルト(4’)、立上り部(5)、上蓋(7)、下蓋(8)、から構成される。
基部(1)の大きさ、立上り部(5)の高さ、立上り部(5)及び上蓋(7)に設けられたチューブ通し溝(6)(6’)は、透析の針やチューブの大きさに対応したものとなっており、上蓋(7)に設けられるチューブ通し溝(6’)は1箇所であるが、チューブ通し溝(6’)を2箇所設けてもよい。
【0054】
基部(1)上には、立上り部(5)のチューブ通し溝(6)を通して出入するチューブを固定するための帯状のチューブ留め部(3’)が設置されている。チューブ留め部(3’)は、一端が基部(1)と接着され、チューブ留め部(3’)裏面側に設けられたスナップボタン(9)と基部(1)側に設けられたスナップボタン孔によって、透析用のチューブをチューブ留め部(3’)で上から押さえて固定できるようになっている。また、基部(1)上に繊維毛を植え付けてチューブを固定させてもよい。チューブ留め部(3’)の先端は基部(1)とは反対側に少し跳ね上がっており、摘み易くスナップボタン(9)をはずしやすいようになっている。
基部(1)、裏足部(2)、チューブ留め部(3’)、立上り部(5)、上蓋(7)、下蓋(8)、はいずれもポリエチレンで形成されている。ベルト(4’)についてもポリエチレンで形成されており、スナップボタン(9)及びスナップボタン孔(10)によってベルト(4’)端部を結合して腕に装着できるようになっている。
本実施例に係る医療チューブ固定具は、左右兼用、男女兼用であり、S、M、L、LLの各種サイズが用意してある。
【0055】
本実施例に係る医療チューブ固定具を使用するに当たっては、透析用の針が刺された部位を覆うように医療チューブ固定具を被せ、ベルトを腕に装着する。透析針は2本刺されるので、各々の針に接続されるチューブを、立上り部(5)に設けられたチューブ通し溝(6)の都合のよい任意の2箇所から通して中に入れる。
中に入れたチューブは、基部(1)上のチューブ留め部(3’)の都合のよい任意の箇所でスナップボタン留めして、立上り部(5)の他のチューブ通し溝(6)または上蓋(7)のチューブ通し溝(6’)のうちの都合のよい任意の2箇所を通して外に出す。実施例1と同様に、針を刺す方向、チューブを持っていく方向によって、種々の使用態様が可能である。
腕に透析を行う場合に、透析針を肘をはさんで上下に1本ずつ刺すような場合には、固定具も肘をはさんで1個ずつ使用する。
【0056】
また、本実施例に係る医療チューブ固定具は、図3(b)に示すように、上蓋(7)が開いた状態で静止可能となるような処理が施されている。上蓋(7)は、垂直からさらに30〜50度開いて静止可能となるようにすることが、患者にとって腕や手首等の姿勢保持にあたって楽になり、好ましい。
透析用のチューブ1本を上蓋(7)のチューブ通し溝(6’)に通してチューブを支持するために上蓋(7)を利用することができる。同様に、下蓋(8)にもチューブ通し溝(6’)を設けて、チューブ支持のために利用することとしてもよく、さらに2本のチューブを支持できるようにしてもよい。
また、チューブ留め部(3’)から静止させた蓋のチューブ通し溝(6’)までの距離が長い場合には、基部(1)中央部に、さらにチューブ留め部(3’)等を設けてチューブを通し、これによってチューブを安定させることとしてもよい。
なお、第1の実施例や本実施例のように蓋を設ける場合において、チューブをチューブ通し溝(6)に通して蓋をする際に、チューブが溝から浮き上がって蓋が閉まりづらくなるのを防ぐために、チューブ通し溝(6)を、図3(c)に示すような形状としてもよい。
【0057】
本実施例による医療チューブ固定具によれば、チューブ留め部(3’)が帯状の形状であり、スナップボタン(9)により上からチューブを押さえて留めるため、より確実に医療チューブを固定することができる。
また、立上り部(5)に各2箇所ずつチューブ通し溝(6)が設けられているため、透析用のチューブのように、同時に2本の医療チューブを使用する場合においても、最適なチューブ留め部(6)を選択することが可能でなる。
さらに、上蓋(7)をチューブ支持のために利用することができるため、医療チューブを固定具の上方で固定して安定させたい場合に便利である。
蓋を設置しない場合には、図4(c)のようなチューブ支持具を基部(1)上に取り付けて、チューブ支持のために利用することができる。
【実施例3】
【0058】
本発明の第3の実施例を図4(a)(b)(c)に基づいて説明する。本実施例は、医療チューブ固定具に関するものである。
図4(a)は第3の実施例に係る医療チューブ固定具の平面図、図4(b)は該医療チューブ固定具の立面図、図4(c)はチューブ支持具の立面図である。
【0059】
図中、(1)は基部、(2)は裏足部、(3’’)はチューブ留め部、(4’)はベルト、(15)は面状テープ凸面部、(16)は面状テープ凹面部、(17)は汚れ防止用凸部材である。
【0060】
本実施例に係る医療チューブ固定具は、大腿部に点滴針を刺して点滴を行う際に使用するものであって、図4に示すように、基部(1)、裏足部(2)、チューブ留め部(3’’)、ベルト(4’)から構成される。基部(1)は、点滴針が刺された部位が覆える大きさであり、装着したときに大腿部に馴染むように大腿部の形にあわせて曲げ加工されている。基部(1)の裏側には裏足部(2)が設けられ、装着したときに基部(1)が点滴針を圧迫しないようになっている。
【0061】
基部(1)上には、チューブを仮留めして中継するためのフック状のチューブ留め部(3’’)が、図4(a)のように、基部(1)の4辺に近接してそれぞれに2箇所ずつ設置されている。チューブ留め部(3’’)のチューブを入れ込む部分は円形状の一部を欠いた形状となっており、点滴用チューブの直径とほぼ同程度の内径を有するため、チューブを入れ込むことによって、上に抜け出ようとするチューブを上から押さえて固定できるようになっている。また、基部(1)上のチューブ留め部(3’’)が設置される部分に、チューブが通りやすいように窪みを設ければ、一層チューブが安定して好ましい。
基部(1)、裏足部(2)、チューブ留め部(3’’)はポリエチレン等の合成樹脂で形成されている。
また、チューブ留め部(3’’)は、前述のフック状の形状のものを用いる他、実施例2で用いたような帯状のチューブ留め部(3’)を用いて、スナップボタン(9)によってチューブを上から押さえて固定することとしてもよい。
【0062】
また、ベルト(4’)は合成樹脂又は合成繊維で作る。ベルト(4’)端部にはそれぞれ面状テープ凸面部(15)、面状テープ凹面部(16)が形成されており、それらを結合することによって、ベルト(4’)を大腿部に巻きつけて装着できるようになっている。また、面状テープによらずに、他の方法でベルト(4’)を大腿部に巻きつけて装着することとしてもよいことはもちろんである。
ベルト(4’)の裏側には、図4(a)(b)に示すように、合成樹脂製の汚れ防止用凸部材(17)が形成されている。
また、点滴液の流れや透析の血液の流れをよくしたい時には、医療チューブを基部(1)上の高い位置で固定させるために、図4(c)に示すようなチューブ支持具を用いることとしてもよい。チューブ支持具は、脚部が内側に伸縮するようになっているため、基部(1)上の都合のよい場所に設けられた、脚部を取り付け可能とするピースに脚部を入れ込むことによって、基部(1)上に取り付けることができる。チューブ支持具の上端は、医療チューブを支持できるように、図4(c)に示すような形状とするが、チューブを支持できれば他の形状であってもよい。また、2本のチューブを支持できるようにしてもよい。
図1や図3のように蓋を設置する場合には、前述のように、蓋にチューブ支持機能を持たせてもよいが、本実施例のように蓋を設置しない場合には、基部(1)上に上記のようなチューブ支持具を取り付けることで、チューブの支持が可能となる。
本実施例に係る医療チューブ固定具は左右兼用、男女兼用であって、S、M、L、LLの各種サイズが用意してある。
【0063】
本実施例に係る医療チューブ固定具の使用に当たっては、点滴針が刺された部位を覆うように医療チューブ固定具を被せ、ベルト(4’)を大腿部に装着する。点滴針に接続されるチューブを、チューブ留め部(3’’)の都合のよい任意の1箇所に通して固定し、さらに他のチューブ留め部(3’’)の都合のよい任意の1箇所に通す。チューブ留め部(3’’)は1箇所のみ使用することとしてもよい。本実施例に係る医療チューブ固定具においても、点滴用の針を刺す方向や、チューブを持っていきたい方向によって、種々の使用態様が可能である。
また、図15(a)は、本実施例の医療チューブ固定具の変形例を示す図である。この変形例では、図15(a)に示すように、基部(1)上に医療チューブを巻き付けるための巻付板2本が基部(1)の短辺側近傍に設置されている。巻付板の先端部には、図15(b)に示すように、上方からチューブを落とし込んで支持固定可能な形状を有するチューブ用溝が形成されている。図15(c)に示すように、サイズの異なる複数のチューブを同時に支持できるように構成してもよい。この場合には、チューブを安定させるために凸部材を適宜設ける。図15(d)に示すように、チューブ支持具と巻付板とを併せて設置することとしてもよい。
図20(a)(b)は、医療チューブ固定具の他の例を示す図である。この例では、図20(a)(b)に示すように、外周に医療チューブを巻き付け可能な立上り側面を有する小型基部(1c)が基部(1)上に設けられ、小型基部(1c)の四方には、巻きつけられた医療チューブの上方への飛び出しを防止するための繊維毛等のチューブ押え部(40)が形成されている。基部(1)上にはチューブ補助留め部(18)が2箇所設けられ、穴明きスナップ又は面状テープ等の係止手段によって、巻き付けられた医療チューブを固定できるようになっている。形状は図20に示すように、長方形状であってその一辺を半円とすることが考えられる。この例では、医療チューブに余裕を持たせ、小型基部(1c)に医療チューブを数回巻き付けて使用する。チューブ補助留め部(18)は、図20(a)に示す他、都合のよい任意の位置に取り付けることが可能である。小型基部(1c)は、図20(a)に示すような縦長の形状の他、横長等他の形状であってもよい。また、チューブ補助留め部(18)先端の摘み部は、摘み易くするために長めに形成したり、係止状態で少し上方に向かって反った形状とすることが好ましい。
さらに、図4(a)(b)に示すような基部の周囲にチューブ留め部(3’’)を有する固定具において、その基部上に小型基部(1c)を設けることも可能である(図22(a)(b)参照)。この場合、該小型基部にチューブを巻きつけた後、チューブ留め部によってチューブを固定することができる。これにより、より確実にチューブを基部上に固定することができ、さらに小型基部に巻きつけることによって基部から外へ出るチューブの長さを調整することが可能となる。また、この構成においてさらにチューブ補助留め部(18)を基部上に設けてもよい(図23参照)。基部上に小型基部(1c)、チューブ留め部(3’’)、チューブ補助留め部(18)の3種類の部分を有する医療チューブ固定具によると、小型基部にチューブを数回巻きつけた後、巻きつけられたチューブをチューブ補助留め部により小型基部周囲に固定し、かつチューブをチューブ留め部により基部上に固定することが可能となる。即ち、チューブ留め部とチューブ補助留め部によってチューブを基部上に固定することで、小型基部からチューブが外れることを防止でき、より確実にチューブの固定が可能となるのである。
このような医療チューブ固定具であれば、手首や腕、足首等、細長い部位に使用しても、睡眠時にベルトの巻付板がベッド等に干渉することがない。
また、図20(c)(d)は、医療チューブ固定具のさらに他の例を示す図である。この例では、チューブ留め部(3’)を設置するためのチューブ留め部設置片が、基部(1)から連設して設けられ、さらに基部(1)上には、チューブ留め部(3c)として、医療チューブを上方から押圧嵌合させて固定可能な溝が複数設けられている。
なお、透析や点滴の場合、個々の患者が自己の装着部位に適したベルトを病院等から支給されて持つことが好ましい。使用前後は消毒を行う等して、ベルト収納箱の中を常に清潔に保つ。全ての基部、帯ベルト、ベスト、手袋又は腕章、固定具等は、病院側が病院内に保管して使用することが望ましい。
【0064】
本実施例による医療チューブ固定具によれば、ベルト(4’)端部が面状テープであり、これにより大腿部に巻きつけて装着するため、患者個々の身体の相違に一層柔軟に対応することが可能となる。
また、大腿部が大きくベルトが長くなる場合には、基部に引掛部を長短を数段設け、ゴム紐等を引っ掛けてベルトの替わりとしてもよい。
また、ベルト(4’)の裏側に汚れ防止用凸部材(17)が設置されているため、長期間にわたって使用する場合でも、ベルト(4’)裏側に身体からの汗等による汚れが付着しにくく清潔である。また、固定具は、衣類の上から装着することもできる。
【実施例4】
【0065】
本発明の第4の実施例を図5に基づいて説明する。本実施例は、医療チューブ固定ベルトに関するものである。
図5は第4の実施例に係る医療チューブ固定ベルトの斜視図である。
【0066】
図中、(1a)は基部、(3a)はチューブ留め部、(9)はスナップボタン、(10)はスナップボタン孔、(17)は汚れ防止用凸部材、(18)はチューブ補助留め部である。
【0067】
本実施例に係る医療チューブ固定ベルトは、鼻用チューブ又は尿道パイプを固定するために、腕又は大腿部に装着して使用するものであって、図5に示すように、ベルト状の基部(1a)、チューブ留め部(3a)、チューブ補助留め部(18)とから構成される。チューブ留め部(3a)とチューブ補助留め部(18)の先端は基部(1a)とは反対側に少し跳ね上がっており、摘み易く穴明きスナップをはずしやすいようになっている。
基部(1a)の両端部にはそれぞれ、スナッスナップボタン(9)とスナップボタン孔(10)が設けられており、これにより基部(1a)を腕又は大腿部に巻きつけて装着することができる。ベルトの安定をはかるために、穴明きスナップは2列にしてもよい。
【0068】
基部(1a)には、帯状のチューブ留め部(3a)が一端を基部(1a)に接着されて設置されており、穴明きスナップによって、チューブを上から押さえて固定できるようになっている。さらに、チューブ留め部(3a)により固定されたチューブを横方向に持っていくために、チューブ留め部(3a)と同様の構成のチューブ補助留め部(18)が、図5のように設置されている。
基部(1a)、チューブ留め部(3a)、チューブ補助留め部(18)はいずれもポリエチレン等の合成樹脂で形成されている。
また、基部(1a)の裏側全面には、ポリエチレン等の合成樹脂の汚れ防止用凸部材(17)が設置されている。また、固定ベルトは、衣類の上から装着することもできる。
本実施例に係る医療チューブ固定ベルトは左右兼用、男女兼用であって、S、M、L、LLの各種サイズが用意してある。
【0069】
本実施例に係る医療チューブ固定ベルトの使用に当たっては、まず医療チューブ固定ベルトを、穴明きスナップ留めによって腕に装着する。チューブ留め部(3a)に鼻用チューブ2本をそれぞれ通し、穴明きスナップ留めしてチューブを上から押さえて固定する。さらに固定された2本のチューブを、チューブ補助留め部(18)にそれぞれ通して固定する。2本のチューブを、1箇所のチューブ補助留め部に通して固定し、2本のチューブを同じ方向に持っていくこととしてもよい。
【0070】
本実施例による医療チューブ固定ベルトによれば、固定ベルトを身体の一部に巻きつけるのみで、医療チューブを手軽かつ簡単に固定することが可能となる。
また、太ももに付ける尿道用、腕に付ける鼻用チューブ等、2本の医療チューブを固定することができ、身体と繋がれたチューブを身体の左又は右の好きな方向に持っていくことができる。また、固定ベルトは衣類の上から装着することもできる。
【実施例5】
【0071】
本発明の第5の実施例を図6に基づいて説明する。本実施例は、医療チューブ固定ベルトに関するものである。
図6(a)は第5の実施例に係る医療チューブ固定ベルトの斜視図、図6(b)は該医療チューブ固定ベルトのチューブ留め部の詳細図、図6(c)は該医療チューブ固定ベルトの他の例を示す斜視図である。
【0072】
図中、(1a)は基部、(2a)は裏足部、(3a’)はチューブ留め部、(15)は面状テープ凸面部、(16)は面状テープ凹面部、(18)はチューブ補助留め部、(19)はつかみ部である。
【0073】
基部(1a)には、図6(a)に示すように、三角形状のチューブ留め部(3a’)が一端を基部(3a’)に接着されて設置され、面状テープによって、尿道、鼻用のチューブを上から押さえて固定できるようになっている。
さらに、チューブ留め部(3a’)により固定されたチューブを横方向に持っていくための帯状のチューブ補助留め部(18)が基部(1a)上に設置されており、面状テープでチューブを固定できるようになっている。
チューブ留め部(3a’)及びチューブ補助留め部(18)は、同時に2本のチューブを通して固定できるようになっている。
チューブ留め部(3a’)及びチューブ補助留め部(18)の先端部には、つかみ部(19)が設置されており、この部分には面状テープ凸面部(15)が設置されておらず、つかみ部(19)を利用することでチューブ留め部(3a’)及びチューブ補助留め部(18)の面状テープの脱着が容易にできる。基部(1a)上に設置される面状テープ凹面部(16)においては、図6(b)のように、チューブを通し易いように、チューブが通過する箇所の面状テープ凹面部は繊維の長さを短くしている。チューブ留め部(3a’)の形状は、図6(c)に示すように、図6(a)と上下が逆のものであってもよい。
また、固定ベルトは衣類の上から装着することとしてもよい。
【0074】
基部(1a)の裏側には、図6(a)のように、針が刺された部位を基部(1a)が圧迫しないように裏足部(2)が設けられている。
基部(1a)、裏足部(2)、チューブ留め部(3a’)、チューブ補助留め部(18)はいずれも合成樹脂、合成繊維、又は耐久性のある紙でできている。
本実施例に係る医療チューブ固定ベルトは男女兼用であって、S、M、L、LLの各種サイズが用意してある。
【0075】
本実施例に係る医療チューブ固定ベルトの使用に当たっては、点滴針が刺された部位を覆うように医療チューブ固定具を被せ、面状テープによって首に巻きつけて装着する。点滴用の針に接続されるチューブを、チューブ留め部(3a’)のうちの1箇所に通し、面状テープでチューブを上から押さえて固定する。さらに固定されたチューブを、チューブ補助留め部(18)に通して固定し、チューブを横方向に持っていく。
本実施例に係る医療チューブ固定ベルトは、鼻用チューブや透析用のチューブのように2本のチューブを使用する場合であっても、使用することが可能である。また、腕に透析をする場合には、上下に2本の固定ベルトを使用することとなる。
固定ベルトは、透析の場合には、患者が自分にあったものをそれぞれ持つことが好ましい。
【0076】
本実施例による医療チューブ固定ベルトによれば、チューブ留め部(3a’)及びチューブ補助留め部(18)に面状テープを使用しているため、医療チューブの固定が非常に簡単にでき、また同時に2本の医療チューブを固定することもできる。
さらに、チューブ留め部(3a’)のチューブが通過する箇所には、面状テープ凹面部の繊維の長さを短くする処理を施しているため、チューブを通しやすく一層確実に医療チューブを固定することが可能となる。
【実施例6】
【0077】
本発明の第6の実施例を図7〜図9に基づいて説明する。本実施例は、医療チューブ中継固定具及び医療チューブ中継固定具用上衣に関するものである。
図7は第6の実施例に係る医療チューブ中継固定具の使用状況を正面から見た図、図8は該医療チューブ中継固定具の使用状況を背後から見た図、図9(a)は該医療チューブ中継固定具の正面からの斜視図、図9(b)は該医療チューブ中継固定具の背面からの斜視図、図9(c)は該医療チューブ中継固定具の変化の例を示す斜視図である。
【0078】
図中、(1b)は基部、(3b)はチューブ留め部、(15)は面状テープ凸面部、(16)は面状テープ凹面部、(21)は紐状部材、(22)はオープンファスナー、(23)は医療チューブ挿入用開口部、(24)は折り曲げ部、(25)はフックである。
【0079】
本実施例に係る医療チューブ中継固定具は、首や背中等からの医療チューブを固定する際に使用するものであって、図9(a)に示すように、基部(1b)、折り曲げ部(24)、フック(25)、チューブ留め部(3b)とから構成される。
基部(1b)には、図9(a)(b)に示すように、後述の上衣の紐状部材(21)に引っ掛けるためのフック(25)が2箇所、医療チューブ2本を固定するためのチューブ留め部(3b)が4箇所2段に設置されている。基部(1b)と連続して、面状テープ凸面部(15)を有する折り曲げ部(24)が設けられ、折り曲げ部(24)を基部(1b)側に二つ折りに折り曲げることによって、基部(1b)の面状テープ凹面部(16)と結合できるようになっている。
基部(1b)、折り曲げ部(24)は合成樹脂又は合成繊維製であり、フック(25)、チューブ留め部(3b)はポリエチレン等の合成樹脂製である。
また、図9(c)に示すように、本実施例に係る医療チューブ中継固定具を骨組のみから構成することとしてもよい。
図16は、医療チューブ中継固定具の他の例を示す。このように、基部(1b)及び折り曲げ部(24)に、面状テープ凹面部(16)、面状テープ凸面部(15)をそれぞれ設けて構成してもよく、面状テープ以外の穴明きスナップ等の結合手段を設けることとしてもよい。また、チューブ留め部(3b)を設けずに、二つ折りにされた基部(1b)、折り曲げ部(3b)との間に挟持することによって、医療チューブを支持することとしてもよく、この場合、面状テープのみでチューブを押さえる。
なお、フック(25)(図9(b)(c)、図17(b))または(25’)(図11)の先端部内側面に凸部を設けて、紐状部材(21)に引っ掛け固定可能に形成すれば、固定具の落下防止が図れるため好ましい。また、スナップ、穴明きスナップ等で留めてもよい。
また、図21(a)は、医療チューブ中継固定具のさらに別の例を示す。図21(a)では、長方形状の基部(1b)上の両端近傍に、一対のチューブ補助留め部(18)を設けている。チューブ補助留め部(18)は、穴明きスナップ等の係止手段によって、医療チューブを固定できるようになっている。基部(1b)裏面には、図9(b)で示したごとくのフック(25)が設けられ、図5、6に示す帯状ベルト、図7に示す上衣、図14に示す腕章、図18に示す紐状部材等あらゆる紐状部材に接合させて、首や鼻からのチューブを固定するために使用できるようになっている。このような中継固定具であれば、チューブ長さに余裕を持たせたい場合に、図21(a)に示すように、チューブがループを形成した状態でチューブを保持することが可能となる。図9(c)で示したタイプの中継固定具を、チューブがループを形成した状態でチューブを保持するように形成することとしてもよい。
図21(b)に示すような形状として、鼻からの数本のチューブを上衣の胸ポケット近傍で固定すると、身体から離れることなくチューブが安定する。この場合には、チューブ補助留め部(18)1個で数本のチューブを一つにまとめると良い。このような固定具であれば、基部(1b)、チューブ補助留め部(18)を縦横自由に構成し、またチューブ補助留め部(18)を1個又は2個以上使用して、紐状部材、腕章、上衣や必要に応じて基部の上等にも使用することができる。基部(1b)の裏面に設けるフックを、例えば3本の棒状部材からなるクリップによって形成し、上衣の胸ポケット等に挟み込んで使用することとしてもよい。また、他のどのような方法によって使用することとしてもよい。
【0080】
また、本実施例に係る医療チューブ固定具用上衣は、上記医療チューブ中継固定具を使用する際に使用するものであって、図7、図8に示すように、メッシュ状の上衣である。上衣は半袖であり、袖部の長さは、着衣した際に肘が出る程度の長さとしているが、他に自由に設定できる。
上衣は綿又は合成繊維製で、紐状部材(21)が網目状に形成されている。紐状部材(21)の太さや網目の大きさ等は、上記医療チューブ固定具のフック(25)が上衣の紐状部材(21)引っ掛けることが可能であれば、どのような形状や大きさでもよい。本実施例においては網目を2.5cm前後としている。上衣は前空き式で、図7のように、上衣の前面にオープンファスナー(22)を有している。
【0081】
上衣背面部の背中部分(背骨に相当する部分)には、図8に示すように、医療チューブ挿入用開口部(23)が設けられている。医療チューブ挿入用開口部(23)の部分の網目は、医療チューブ挿入の作業がし易いように、他の部分よりも大きくし、本実施例においては5cm四方としている。
【0082】
本実施例に係る医療チューブ中継固定具の使用に当たって、点滴や透析等に先立ち、あらかじめ本実施例に係る医療チューブ中継固定具用上衣を患者が装着することが好ましい。医療チューブ中継固定具のフック(25)を、上衣の紐状部材(21)の都合のよい任意の位置に引っ掛けて設置し、医療チューブは中継固定具のチューブ留め部(3b)に通して保持させる。中継固定具の折り曲げ部(24)を二つ折りに折り曲げて、基部(1b)と面状テープで結合することによって、医療チューブを固定する。
【0083】
使用態様としては、図7に示すように、首や鼻からのチューブを固定する場合や、図8に示すように、背中からのチューブを固定する場合等、種々の場合が可能であり、固定具は1個だけでなく同時に2個以上用いることもできる。
本実施例に係る医療チューブ中継固定具用上衣は男女兼用であって、S、M、L、LLの各種サイズが用意してある。
【0084】
本実施例による医療チューブ中継固定具及び、医療チューブ中継固定具用上衣によれば、上衣が紐状部材(21)によって網目状につくられているため、該中継固定具を上衣の都合のよい位置に取り付けて使用することができ、身体に直接テープを貼って医療チューブを固定する必要も無い。
また、該上衣は前空きの半袖であるため、患者は着脱が容易であり、背中には医療チューブ挿入用開口部が設置されており、医療をおこなう者にとっても便利である。
【実施例7】
【0085】
本発明の第7の実施例を図10〜図11に基づいて説明する。本実施例は、医療チューブ中継固定具及び医療チューブ中継固定具用上衣に関するものである。
図10は第7の実施例に係る医療チューブ中継固定具の使用状況を正面から見た図、図11は該医療チューブ中継固定具の斜視図である。
【0086】
図中、(1b)は基部、(9)はスナップボタン、(10)はスナップボタン孔、(21)は紐状部材、(24)は折り曲げ部、(25’)はフック、(26)は調整ベルト、(27)は容器留め部、(28)は容器落下防止押え部である。また、医療チューブ中継固定具が紐から外れないように、フック(25’)先端の内側面には落下防止凸部(38)が設けられている。
【0087】
本実施例に係る医療チューブ中継固定具は、首等からの医療チューブを固定し、かつ点適等の医薬品をチューブの途中で中継する際に、図10に示すような上衣と共に使用するものであって、図11に示すように、基部(1b)、折り曲げ部(24)、フック(25’)、医薬品容器留め部(27)とから構成される。
基部(1b)には、上衣の紐状部材(21)に引っ掛けるためのフック(25’)が2箇所、医薬品容器を固定するための容器留め部(27)が2箇所設置されている。基部(1b)に連続して、スナップボタン(9)を有する折り曲げ部(24)が設けられ、折り曲げ部(24)を基部(1b)側に二つ折りに折り曲げることによって、基部(1b)のスナップボタン(9)と結合することができるようになっている。
基部(1b)、折り曲げ部(24)は合成繊維製で、網目状の素材を使用している。網目の大きさは医薬品容器が落下することが無く、医薬品容器のラベルを外部から確認できる程度の大きさが必要である。
【0088】
また、基部(1b)、折り曲げ部(24)の側面には、図11に示すように、医薬品容器落下防止用押え部(28)を設けている。
フック(25’)、容器留め部(27)、容器落下防止用押え部(28)はいずれも合成繊維又は合成樹脂製とし、網目状に構成する。
また、本実施例に係る医療チューブ固定具用上衣は、図10に示すように、実施例6と同様のメッシュ状で前空き式の上衣であるが、上衣の正面部には調節ベルト(26)が設けられている。
調節ベルト(26)は、図10のように上衣の左右の部分に設けられ、それぞれ面状テープ凸面部、凹面部が設置されているので、これによって左右の調節ベルト(26)の着脱ができるようになっている。
【0089】
本実施例に係る医療チューブ中継固定具の使用に当たっては、点滴等に先立ち、あらかじめ図10の医療チューブ中継固定具用上衣を患者が装着しておくことが好ましい。医療チューブ中継固定具のフック(25’)を、上衣の紐状部材(21)の都合のよい任意の位置に引っ掛けて設置する。医薬品容器を固定具の容器留め部(27)によって保持して、折り曲げ部(24)と基部(1b)とを二つ折りしてスナップボタン留めして結合することによって、医薬品容器を固定し、医薬品容器と接続された医療チューブを安定させる。
また、医薬品容器に替えて、細菌・異物・エアの身体内への侵入を防止するための容器を固定することも可能である。
医療チューブ中継固定具のフック(25’)先端の内側面には、紐から固定具が外れて落ちないように落下防止凸部(38)を設けておくことが大切である。
なお、図17は医療チューブ中継固定具の他の例を示す図である。このように、基部(1b)に面状テープ凹部(16)を有する係止片を設け、折り曲げ部(24)の裏面に面状テープ凸部(15)を設けて構成してもよい。面状テープの他に穴明けスナップを用いてもよい。
【0090】
本実施例による医療チューブ固定具によれば、点滴等で使用する医薬品の容器を保持しながら、同時に医療チューブを固定することが可能となる。
さらに、折り曲げ部(24)が網目状に構成されているため、外部から医薬品容器又は細菌・異物・エアの侵入を防止するための容器のラベルを確認することができ、看護する者にとって安心であり便利である。
また、本実施例による医療チューブ中継固定具用上衣によれば、上衣の前面部が調節ベルト(26)によって、左右に分離可能に結合されているため、開腹手術直後の患者が装着する場合であっても、傷の部分にファスナーが接触することがなく好ましい。また、お腹の大きい患者等であっても、上衣の着脱が非常に容易にできる。
【実施例8】
【0091】
本発明の第8の実施例を図12〜図13に基づいて説明する。本実施例は、医療チューブ保護用手袋に関するものである。
図12は第8の実施例に係る医療チューブ保護用手袋の平面図、図13(a)はファスナー開閉用リングを示す図、図13(b)はスライダーの横断面概略図である。
【0092】
図中、(22’)はファスナー、(29)は手袋本体、(30)は仕切り、(31)はスライダー、(32)はファスナー開閉用リング、(33)は紛失防止用目印、(34)はスライダー頭部、(35)はリング差込孔である。
【0093】
本実施例に係る医療チューブ保護用手袋は、点滴や透析等、医療チューブを固定している場合に、患者に用いさせるものである。
本実施例に係る医療チューブ保護用手袋は、図12に示すように、親指の部分のみが分かれた二股の手袋であり、さらに手袋本体(29)の内部は親指の部分と人差し指の部分が仕切り(30)によって、手袋の中で別々に分かれている。親指以外の4本の指どうしの間は仕切られていない。人差し指、中指、薬指の部分は第一関節から先はオープンとなっている。手の甲の部分にはファスナー(22’)とスライダー(31)が設けられているが、スライダー(31)はスライダー頭部(34)のつかみ部分の無い形状となっている。手袋本体(29)は綿、合成繊維、合成樹脂、又は耐久性のある紙製である。
【0094】
手袋の着脱の際には、図13(a)に示すようなファスナー開閉用リング(32)を用いる。ファスナー開閉用リング(32)は金属製又は合成樹脂であり、図13(a)に示すように、リングにはポリエチレン製の紛失防止用目印(33)がスナップ留めにより取り付けられている。紛失防止用目印(33)は、リングの紛失防止のために、患者の名前等を記入して使用する。
ファスナーの開閉は、上記ファスナー開閉用リング(32)をスライダー頭部(34)のリング差込孔(35)に通してスライダー(31)のつかみ部分として使用し、スライダー(31)を前後に操作することによって行う。
本実施例に係る医療チューブ保護用手袋は男女兼用であって、S、M、L、LLの各種サイズが用意してある。個々の患者の手の大きさにより、手袋が容易に抜けてしまわない程度の大きさのサイズの手袋を患者には着用させる。
【0095】
本実施例による医療チューブ保護用手袋によれば、親指と人差し指部分の間に仕切り(30)が設けられ、手の甲の部分のファスナー(22’)のスライダー頭部(34)にはつかみ部分が設けられていないため、患者は自力で保護用手袋をはずすことができず、固定された医療チューブを確実に保護できる。
また、人差し指、中指、薬指の第一関節から先の部分はオープンとなっており、痒いところを掻いたりする場合には、患者にとっても便利である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明に係る医療チューブ固定具、医療チューブ固定ベルト、医療チューブ中継固定具、医療チューブ中継固定具用上衣・腕章、及び医療チューブ保護用手袋によれば、点滴や透析等の医療チューブを装着せざるをえない患者の苦痛を緩和し、さらに看護する者の手間をも軽減することができ、産業上利用し得るものである。
【符号の説明】
【0097】
1 基部
1a 基部
1b 基部
1c 小型基部
2 裏足部
2a 裏足部
3、3’、3’’ チューブ留め部
3a、3a’ チューブ留め部
3b チューブ留め部
4、4’ ベルト
5 立上り部
6、6’ チューブ通し溝
7 上蓋
8 下蓋
9 スナップボタン
10 スナップボタン孔
11 ベルト回転拘束部
12 ベルト軸部
13 カードホルダー
14 カードホルダー中央部
15 面状テープ凸面部
16 面状テープ凹面部
17 汚れ防止用凸部材
18 チューブ補助留め部
19 つかみ部
21 紐状部材
22 オープンファスナー
22’ ファスナー
23 医療チューブ挿入用開口部
24 折り曲げ部
25、25’ フック
26 調整ベルト
27 容器留め部
28 容器落下防止押え部
29 手袋本体
30 仕切り
31 スライダー
32 ファスナー開閉用リング
33 紛失防止用目印
34 スライダー頭部
35 リング差込孔
36 凸部
37 嵌合穴
38 落下防止凸部
39 医薬品又は細菌・異物・エア混入防止ケース
40 チューブ押え部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
点滴又は透析用の針を刺した身体の部位の上から巻きつけて装着し、該針に接続されるチューブを固定するために用いる医療チューブ固定具であって、
該固定具は基部、裏足部、チューブ留め部、ベルトからなり、
該基部は、装着したときに、該針を刺した身体の部位全体を覆うことができる以上の大きさであり、
該裏足部は、基部の2辺に身体方向へ近接して設け、裏足部が身体に接触することで、該部位と基部との間に空間を生じさせるものであり、かつ、該裏足部の身体と接する部分は装着される身体の形にあわせて丸みをもたせた形状となっており、
該チューブ留め部は、基部の4辺に近接して身体方向とは反対の方向へ、少なくとも各辺に設けられており、チューブを入れ込む部分は円形状の一部を欠いた形状で、かつチューブの直径とほぼ同程度の内径を有することを特徴とする医療チューブ固定具。
【請求項2】
点滴又は透析用の針を刺した身体の部位の上から巻きつけて装着し、該針に接続されるチューブを固定するために用いる医療チューブ固定具であって、
該固定具は基部、裏足部、チューブ留め部、ベルトからなり、
該基部は、装着したときに、該針を刺した身体の部位全体を覆うことができる以上の大きさであり、
該裏足部は該基部の1辺と同じ長さの辺を3辺有する三角柱であって、そのうちの1辺が基部の1辺に沿って接する形で該基部に固着されるものであって、基部の平行を成す2辺にそれぞれ身体の部位に向かって裏足部が設けられており、
各裏足部の1面が身体の部位に接触することで、身体の部位と基部との間に空間を生じさせるものであり、かつ、各裏足部の身体の部位と接する面は装着される身体の部位の形にあわせて丸みをもたせた形状となっており、
該チューブ留め部はフック形状であって、基部の4辺に近接して身体方向とは反対の方向へ、少なくとも各辺に2箇所ずつ設けられており、チューブを入れ込む部分は円形状の一部を欠いた形状で、かつチューブの直径とほぼ同程度の内径を有することを特徴とする医療チューブ固定具。
【請求項3】
該ベルトは面状であって、該基部の平行する2辺に接してそれぞれ設けられており、
さらに該ベルトが汚れ防止用凸部材によってのみ直接肌と接することとなるよう、該ベルトの身体の部位と接する面に一定の間隔で該汚れ防止用凸部材が設けられており、
該汚れ防止用凸部材は、半球状で、かつ、汚れが付着しても簡単に除去又は取り替え可能な紙や布、合成繊維、合成樹脂等の素材で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医療チューブ固定具。
【請求項4】
該基部上に、外周に医療チューブを巻きつけ可能な立上り側面を有する小型基部が設けられ、
該小型基部の四方には、巻きつけられた医療チューブの上方への飛び出しを防止するためのチューブ押え部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の医療チューブ固定具。
【請求項5】
該基部上に、少なくとも1つ以上のチューブ補助留め部が設けられ、
該チューブ補助留め部は長方形状かつその一辺が半円となっている部材であり、穴明きスナップ又は面状テープによる係止手段によって巻き付けられた医療チューブを固定できるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の医療チューブ固定具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−88931(P2010−88931A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2387(P2010−2387)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【分割の表示】特願2004−333724(P2004−333724)の分割
【原出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(398033851)
【Fターム(参考)】