説明

医療情報管理装置、プログラム及び記憶媒体

【課題】患者に応じて医療情報の画面構成を切り替え可能な記録媒体、当該記録媒体を作成する医療情報管理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを記憶する記憶手段と、前記記憶される医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを可搬型記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、を備え、前記医療情報は、患者の視覚特性情報を含み、前記処理テーブルは、前記視覚特性情報を予め定められた画面構成情報に対応付ける処理を行うことを定めており、前記閲覧用プログラムは、前記画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して説明用画面情報を生成し、かつ、当該生成した説明用画面情報を表示画面上に表示するように、前記可搬型記憶媒体の読み取りが可能な閲覧端末に実行させるプログラムである医療情報管理装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報管理装置、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療の現場において、インフォームドコンセントやセカンドオピニオン等、医療情報を患者に開示することの重要性が浸透しつつある。
そのため、患者に必要な情報を十分に伝えるべく、患者の医用画像や電子カルテ等(以下、「医療情報」という)を一般端末の表示画面上に表示させることが行われる。
【0003】
一方、患者は、表示画面上に表示された自己の医療情報を見ながら医師の説明を聞くことができるため、自己の病状や診断結果について視覚を通じて容易に把握することができ得る。こうして、医療の現場ではインフォームドコンセントの浸透を図っている。
【0004】
ここで、説明を受ける患者は年齢や病状など様々であり、患者の中には、表示画面上に表示された医療情報を十分に把握することが困難な者がいる。例えば、近視や老眼等の患者である。なお、一般に、年齢を重ねると視力は低下する。
【0005】
視力が低下した近視患者の場合、表示画面上に表示された文字等が非常に小さくて見にくい場合がある。このような場合に医師が表示画面上に必要な医療情報を表示して説明を行ったとしても、患者は十分な理解が得られない。また、表示画面上に表示された内容が見にくいと感じる患者は近視患者に限られず、緑内障、白内障、色覚異常等、視覚特性に疾患のある患者についても同様である。
【0006】
特許文献1によれば、表示画面上に表示される文字サイズをユーザの視覚特性に応じて切り替える表示装置が開示されている。
特許文献1の表示装置によれば、ユーザの年齢に応じて、表示する文字サイズを拡大又は縮小することができる。よって、幅広い年齢層に対して良好な視認性及び情報伝達性を確保することができる。
【特許文献1】特願平10−319940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の表示装置では、ユーザ、つまり医師の見やすい文字サイズに切り替えて情報を表示することは可能であるが、患者の見やすい文字サイズに切り替えて情報を表示することはできない。従って、上述してきたインフォームドコンセントのように、医療現場特有の用途において特許文献1の表示装置を適用することはできない。
【0008】
本発明の目的は、医療情報から説明用画面情報を生成し得る記憶媒体、当該可搬型記憶媒体を作成する医療情報管理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、
医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを記憶する記憶手段と、
前記記憶される医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを可搬型記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、を備え、
前記医療情報は、患者の視覚特性情報を含み、
前記処理テーブルは、前記視覚特性情報を予め定められた画面構成情報に対応付ける処理を行うことを定めており、
前記閲覧用プログラムは、前記画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して説明用画面情報を生成し、かつ、当該生成した説明用画面情報を表示画面上に表示するように、前記可搬型記憶媒体の読み取りが可能な閲覧端末に実行させるプログラムである医療情報管理装置が提供される。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、
前記視覚特性情報は、患者の視力、年齢、生年月日又は視覚特性に関する疾患のうち、少なくとも何れか1つを含む医療情報管理装置が提供される。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明において、
前記画面構成情報は、レイアウト、文字のサイズ又は色のうち、少なくとも何れか1つを含む表示形態に関する設定情報である医療情報管理装置が提供される。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、
前記閲覧用プログラムは、前記閲覧端末の表示画面上に表示されている前記医療情報と前記説明用画面情報とを相互に切り替えて表示させるプログラムである医療情報管理装置が提供される。
【0013】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記記憶制御手段は、前記医療情報から患者の視覚特性情報を抽出又は算出し、前記処理テーブルを参照して、前記抽出又は算出した視覚特性情報と対応付けられた画面構成情報を決定し、当該決定した画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して生成した説明用画面情報を前記可搬型記憶媒体に記憶させる医療情報管理装置が提供される。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、
コンピュータを、
医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを記憶する記憶手段、
前記記憶される医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを可搬型記憶媒体に記憶させる記憶制御手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記医療情報は、患者の視覚特性情報を含み、
前記処理テーブルは、前記視覚特性情報と画面構成情報とを対応付ける処理を行うことを定めており、
前記閲覧用プログラムは、前記画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して説明用画面情報を生成し、かつ、当該生成した説明用画面情報を表示画面上に表示するように、前記可搬型記憶媒体の読み取りが可能な閲覧端末に実行させるプログラムであるプログラムが提供される。
【0015】
請求項7に記載の発明によれば、
医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記医療情報は、患者の視覚特性情報を含み、
前記処理テーブルは、前記患者の視覚特性情報と画面構成情報とを対応付ける処理を行うことを定めており、
前記閲覧用プログラムは、前記画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して説明用画面情報を生成し、かつ、当該生成した説明用画面情報を表示画面上に表示するように、前記可搬型記憶媒体の読み取りが可能な閲覧端末に実行させるプログラムであるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、説明用画面情報を生成するための各種情報を可搬型記憶媒体に記憶させることができる。各種情報には、(1)医療情報、(2)処理テーブル、(3)閲覧用プログラムが含まれる。よって、可搬型記憶媒体が持ち込まれた医療機関において、患者は医師の説明とともに説明用画面情報を閲覧端末で閲覧することができる。説明用画面は、患者にとって適切な画面構成となっており、インフォームドコンセントの充実を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る医療情報管理装置、プログラム及び記憶媒体の最適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
図1に、本実施形態におけるデータ管理システム1の全体構成を示す。
図1に示すように、データ管理システム1は、データ管理サーバ10と複数のクライアント20等を備えて構成される。また、図1に示すデータ管理システム1では、データ管理サーバ10と複数のクライアント20とはネットワークNにより通信可能であるが、必ずしも通信可能とする必要はない。
【0019】
データ管理サーバ10は、病院A内に設置されており、医用画像や電子カルテ等(以下、「医療情報」という)を保存管理する。また、データ管理サーバ10は、保存管理する医療情報やその他必要な情報を可搬型記憶媒体(メディア)Mに書き込む。
一方、クライアント20は、病院B又は患者宅Cに設置される一般PC(Personal Computer)である。クライアント20は、メディアMに書き込まれた医療情報やその他必要な情報を読み取り、読み取った情報を表示画面上に表示する。
【0020】
次に、図2を参照して、データ管理サーバ10の機能的構成について説明する。
データ管理サーバ10は、サーバ制御部11、記憶部12、表示部13、入力部14、通信部15、I/F部16、CD/DVDドライブ17等を備えて構成される。
【0021】
サーバ制御部11は、記憶部12に記憶されている各種プログラムとの協働により、各部を集中制御する。また、サーバ制御部11は、記憶部12に記憶されている医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムをメディアMに書き込ませる処理を行う。サーバ制御部11が行う処理については後述する。
【0022】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等を備えて構成される。記憶部12は、各種プログラムを記憶する他、医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを記憶する。なお、医用画像のヘッダ情報及び電子カルテには、患者の年齢、生年月日又は病状等が含まれ、電子カルテには患者の病状について更に詳細な情報が含まれる。
【0023】
図3に、記憶部12が記憶する処理テーブルの一例を示す。
処理テーブルTは、患者の年齢又は視力と画面構成情報とが対応付けられて構成される。画面構成情報とは、医療情報を表示画面上に表示する際のレイアウト、文字サイズ、枠サイズ、アノテーションサイズ等、表示形態に関する設定情報である。
なお、処理テーブルTでは患者の年齢又は視力が画面構成情報と対応付けられて構成されるが、これに限らず、患者の視覚特性情報が画面構成情報と対応付けられていればよい。ここで視覚特性とは、対象物の色、大きさ、形、動作、奥行き等の性質をいい、視覚特性情報とは、視覚特性の良し悪しを判定するための情報である。例えば、視覚特性情報には上述した患者の年齢又は視力の他、例えば患者の生年月日、視覚特性に関する疾患(白内障、緑内障、色覚異常等)がある。
【0024】
処理テーブルTによれば、患者の年齢が20歳である場合、画面構成情報は「パターン2」となる。また、患者の視力が0.5である場合、画面構成情報は「パターン5」となる。患者の年齢が20歳であって、視力が0.5である場合、優先して画面構成情報と対応付けられる情報は年齢又は視力のうち何れであってもよく、優先的に用いられる情報は予め定められているものとする。
【0025】
処理テーブルTにより決定される画面構成情報は、説明用画面情報を生成する際に用いられる。説明用画面情報とは、画面構成情報に含まれるレイアウト等の設定情報に基づいて構成された説明用の医療情報である。なお、説明用画面情報の画面例については後述する。
【0026】
図2に戻り、表示部13は、CRT(Cathode Ray Tube)又はLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成される。表示部13は、サーバ制御部11から出力される表示信号を受信し、受信した表示信号に基づいて各種画面を表示する。
【0027】
入力部14は、各種入力キーを備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイス等を備えて構成される。入力部14は、ユーザにより任意のキーが押下されると入力信号を生成し、生成した入力信号をサーバ制御部11に出力する。サーバ制御部11は、入力信号を受信して、受信した入力信号に応じた各種処理を実行することになる。入力信号に応じた各種処理には、例えば医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムをメディアMに書き込む処理がある。
【0028】
通信部15は、ネットワークインターフェース等を備えて構成される。通信部15は、ネットワークNに接続された各クライアント20と必要な情報の送受信を行う。
【0029】
I/F部16は、CD/DVDドライブ17に接続され、インターフェースとしてCD/DVDドライブ17とデータの入出力を行う。
【0030】
CD/DVDドライブ17は、CDやDVD等のメディアM、光ピックアップ、スピンドリルモータ等を備えて構成される。
CD/DVDドライブ17は、メディアMに記憶された医療情報を読み取り、又はメディアMに医療情報を書き込む。なお、CD/DVDドライブ17は、PDI(Portable Data for Imaging)により医療情報をメディアMに書き込む。PDIによる医療情報であれば、各医療機関の相互間で簡易に医療情報の交換を行い得る。
【0031】
図4に、クライアント20の機能的構成を示す。
図4に示すように、クライアント20は、クライアント制御部21、記憶部22、表示部23、入力部24、通信部25、I/F部26、CD/DVDドライブ27等を備えて構成される。基本的構成は、データ管理サーバ10と同様であるため、異なる点について以下に説明する。
【0032】
クライアント制御部21は、CD/DVDドライブ27を介してメディアMに書き込まれた医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを読み取る。そして、クライアント制御部21は、読み取った医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムから患者の視覚特性情報を抽出又は算出する等の処理を行い、説明用画面情報を表示部23に表示させる。クライアント制御部21が行う処理については後述する。
記憶部22は、各種プログラムを記憶する他、メディアMを読み取って取得した医療情報、処理テーブルT及び閲覧用プログラムを記憶する。
表示部23は、クライアント制御部21から出力される表示信号を受信し、受信した表示信号に基づいて各種画面を表示する。表示する各種画面には、画面構成情報に基づいて生成された説明用画面情報による画面がある。
通信部25は、ネットワークNに接続されたデータ管理サーバ10と必要な情報の送受信を行う。
【0033】
次に、図5及び図6を参照して、データ管理システム1により行われる処理について説明する。
まず、図5を参照して、データ管理サーバ10がメディアMに各種情報を書き込む処理について説明する。
【0034】
サーバ制御部11は、入力部14を介して、メディアMの作成指示を受信するまで待機する(ステップS1;N)。メディアMの作成指示とは、(1)医療情報、(2)処理テーブルT、(3)閲覧用プログラム、(4)説明用画面情報のうち、何れか又は全てをメディアMに書き込む指示をいう。
【0035】
メディアMの作成指示を受信した場合(ステップS1;Y)、サーバ制御部11は、受信した作成指示に説明用画面情報の作成指示が含まれているか否か判断する(ステップS2)。
【0036】
説明用画面情報の作成指示が含まれている場合(ステップS2;Y)、サーバ制御部11は、メディアMに書き込む医療情報として指示された医療情報を記憶部12から取得し、取得した医療情報に含まれる患者の視覚特性情報を抽出又は算出する(ステップS3)。
視覚特性情報とは、図3において説明したように、患者の年齢や生年月日等である。例えば、サーバ制御部11は、電子カルテから患者の年齢を抽出したり、医師がコメントした「緑内障」という情報を抽出したりする。また、その他にもサーバ制御部11は、電子カルテから患者の生年月日を抽出して、患者の年齢を算出する。
【0037】
サーバ制御部11は、処理テーブルTを参照して、説明用画面情報の生成に際して用いる画面構成情報を決定する(ステップS4)。なお、決定した画面構成情報とステップS3において抽出又は算出した患者の視覚特性情報とは、処理テーブルTにおいて対応付けられているものとする。
そして、サーバ制御部11は、決定した画面構成情報に基づいて、説明用画面情報を生成する(ステップS5)。
【0038】
サーバ制御部11は、CD/DVDドライブ17に、(1)医療情報、(2)処理テーブル、(3)閲覧用プログラム、(4)説明用画面情報をメディアMに書き込ませ(ステップS6)、本処理を終了する。
【0039】
ステップS2に戻り、説明用画面情報の作成指示が含まれていない場合(ステップS2;N)、サーバ制御部11は、CD/DVDドライブ17に、(1)医療情報、(2)処理テーブル、(3)閲覧用プログラムをメディアMに書き込ませ(ステップS6)、本処理を終了する。
【0040】
次に、図6を参照して、クライアント20がメディアMを読み取って説明用画面情報を表示する処理について説明する。なお、前提として、クライアント20はCD/DVDドライブ27を介して、図5において各種情報が書き込まれたメディアMの読み取りが可能であるものとする。
【0041】
クライアント制御部21は、閲覧用プログラムを起動するか否かについて判断する(ステップS21)。閲覧用プログラムとは、メディアMが記憶する医療情報を閲覧するためのアプリケーションプログラムである。また、後述するように、クライアント制御部21と協働して、説明用画面情報を表示部23に表示させるためのプログラムである。
【0042】
閲覧用プログラムを起動する場合(ステップS21;Y)、クライアント制御部21は、閲覧用プログラムの設定に応じた初期画面情報を表示部23に表示させる(ステップS22)。
表示部23に表示される初期画面情報には、患者の氏名等が含まれる。なお、初期画面情報に含まれる患者の医療情報はメディアMに記憶されているものとする。
【0043】
入力部24を介して初期画面情報に含まれる患者が選択され、選択された患者の医療情報を表示する指示があるまで、クライアント制御部21は待機する(ステップS23;N)。
選択された医療情報を表示する場合(ステップS23;Y)、クライアント制御部21は、メディアMに記憶された医療情報を表示部23に表示させる(ステップS24)。
【0044】
クライアント制御部21は、表示部23に表示させた医療情報について、説明用画面情報による説明用画面(以下、単に「説明用画面」という)に切り替える指示を入力部24から受信するまで待機する(ステップS25)。
【0045】
説明用画面に切り替える指示を受信した場合(ステップS25;Y)、クライアント制御部21は、メディアMに説明用画面情報が記憶されているか否か判断する(ステップS26)。
メディアMに説明用画面情報が記憶されている場合(ステップS26;Y)、クライアント制御部21は、現在表示している医療情報に対応する説明用画面情報を表示部23に表示させて(ステップS27)、本処理を終了する。
【0046】
一方、メディアMに説明用画面情報が記憶されていない場合(ステップS26;N)、クライアント制御部21は、メディアMから患者の医療情報を取得し、取得した医療情報に含まれる患者の視覚特性情報を抽出又は算出する(ステップS28)。
【0047】
クライアント制御部21は、メディアMに記憶されている処理テーブルTを参照して、説明用画面情報の生成に際して用いる画面構成情報を決定する(ステップS29)。なお、決定した画面構成情報と抽出又は算出した患者の視覚特性情報とは、処理テーブルTにおいて対応付けられているものとする。
そして、クライアント制御部21は、決定した画面構成情報に基づいて、説明用画面情報を生成する(ステップS30)。
【0048】
クライアント制御部21は、生成した説明用画面情報を表示部23に表示させて(ステップS27)、本処理を終了する。
【0049】
図7A、図7Bを参照して、説明用画面について説明する。
図7Aに、基本画面G1及び第1説明用画面G2を示す。
基本画面G1は、医療情報のうち電子カルテの画面であって、図5のステップS5又は図6のステップS27で表示部23に表示される画面である。
基本画面G1には、患者ID、氏名、検査日、患者の年齢等が基本情報として表示される。また、その他にも、「所見」欄、「診断」欄、「コメント」欄を備え、更に説明用画面切替ボタンICを備える。ユーザにより説明用画面切替ボタンICが押下されると基本画面G1が第1説明用画面G2の画面に切り替わる。
【0050】
第1説明用画面G2は、患者が高齢の説明用画面情報による画面である。
第1説明用画面G2は、基本画面G1のレイアウトが変更されるとともに、基本画面G1において表示されていた文字サイズ、枠サイズ等が拡大して表示される。なお、その他にも、数字サイズ、記号サイズ、色等を変更して表示されるとしてもよい。
【0051】
図7Bに、第2説明用画面G3を示す。
第2説明用画面G3は、患者が若年の説明用画面情報による画面である。
第2説明用画面G3は、基本画面G1のレイアウトが変更されるとともに、医用画像が表示される。また、医用画像上にある文字サイズは拡大して表示される。なお、その他にも、表示された医用画像に付されるアノテーションを拡大したり、部分的に文字サイズ等を拡大したりして表示されるとしてもよい。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、説明用画面情報を生成するための各種情報をメディアMに書き込むことができる。各種情報には、(1)医療情報、(2)処理テーブル、(3)閲覧用プログラムが含まれる。説明用画面は、説明を受ける患者にとって適切な画面構成となっており、患者は医師からの説明を聞くとともに説明用画面を参照することができる。よって、自己の病状等を十分に把握することができ、医療現場におけるインフォームドコンセントの充実を図ることができる。
【0053】
また、医療情報から説明用画面情報を生成する際に用いる患者の視覚特性情報は、患者の視力、年齢、生年月日、病状のうち、少なくとも何れか一つあればよい。なお、視覚特性情報は、医用画像のヘッダ情報から抽出又は算出するとしてもよいし、電子カルテから抽出又は算出するとしてもよい。
【0054】
また、医療情報から説明用画面情報を生成する際に用いる画面構成情報は、レイアウト、文字サイズ、枠サイズ、アノテーションサイズ、数字サイズ、記号サイズ、色等を含む表示形態に関する設定情報である。
【0055】
また、閲覧用プログラムにより医療情報が表示された表示画面上において、説明用画面切替ボタンICを押下することで、基本画面G1から第1説明用画面G2又は第2説明用画面G3に逐次切り替えることができる。
【0056】
また、データ管理サーバ10が各種情報をメディアMに書き込む際、説明用画面情報を予め生成し、生成した説明用画面情報を各種情報とともにメディアMに書き込むこととしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】データ管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】データ管理サーバの機能的構成を示す図である。
【図3】処理テーブルの一例を示す図である。
【図4】クライアントの機能的構成を示す図である。
【図5】データ管理サーバが各種情報をメディアに書き込むフロー図である。
【図6】クライアントがメディアを読み取って説明用画面情報を表示するフロー図である。
【図7A】基本画面及び第1説明用画面を示す図である。
【図7B】第2説明用画面を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 データ管理システム
10 データ管理サーバ
11 サーバ制御部
12 記憶部
15 通信部
20 クライアント
21 クライアント制御部
22 記憶部
23 表示部
24 入力部
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを記憶する記憶手段と、
前記記憶される医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを可搬型記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、を備え、
前記医療情報は、患者の視覚特性情報を含み、
前記処理テーブルは、前記視覚特性情報を予め定められた画面構成情報に対応付ける処理を行うことを定めており、
前記閲覧用プログラムは、前記画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して説明用画面情報を生成し、かつ、当該生成された説明用画面情報を表示画面上に表示するように、前記可搬型記憶媒体の読み取りが可能な閲覧端末に実行させるプログラムである医療情報管理装置。
【請求項2】
前記視覚特性情報は、患者の視力、年齢、生年月日又は視覚特性に関する疾患のうち、少なくとも何れか1つを含む請求項1に記載の医療情報管理装置。
【請求項3】
前記画面構成情報は、レイアウト、文字のサイズ又は色のうち、少なくとも何れか1つを含む表示形態に関する設定情報である請求項1又は2に記載の医療情報管理装置。
【請求項4】
前記閲覧用プログラムは、前記閲覧端末の表示画面上に表示されている前記医療情報と前記説明用画面情報とを相互に切り替えて表示させるプログラムである医療情報管理装置。
【請求項5】
前記記憶制御手段は、前記医療情報から患者の視覚特性情報を抽出又は算出し、前記処理テーブルを参照して、前記抽出又は算出された視覚特性情報と対応付けられた画面構成情報を決定し、当該決定された画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して生成した説明用画面情報を前記可搬型記憶媒体に記憶させる請求項1〜4の何れか一項に記載の医療情報管理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを記憶する記憶手段、
前記記憶される医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを可搬型記憶媒体に記憶させる記憶制御手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記医療情報は、患者の視覚特性情報を含み、
前記処理テーブルは、前記視覚特性情報と画面構成情報とを対応付ける処理を行うことを定めており、
前記閲覧用プログラムは、前記画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して説明用画面情報を生成し、かつ、当該生成された説明用画面情報を表示画面上に表示するように、前記可搬型記憶媒体の読み取りが可能な閲覧端末に実行させるプログラムであるプログラム。
【請求項7】
医療情報、処理テーブル及び閲覧用プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記医療情報は、患者の視覚特性情報を含み、
前記処理テーブルは、前記患者の視覚特性情報と画面構成情報とを対応付ける処理を行うことを定めており、
前記閲覧用プログラムは、前記画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更して説明用画面情報を生成し、かつ、当該生成された説明用画面情報を表示画面上に表示するように、前記可搬型記憶媒体の読み取りが可能な閲覧端末に実行させるプログラムであるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2009−226136(P2009−226136A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78192(P2008−78192)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】