説明

医療用チューブ

【課題】 例えば羊水腔シャント手術における胎児によるチューブ引き抜き事故の発生を未然に防止することができる医療用チューブを提供する。
【解決手段】 流入側端部2及び流出側端部4には、膀胱33Aの膜部を挟圧保持し、かつ膀胱33Aの膜部からのチューブ移動を規制するための伸縮部5,6が配設され、これら両伸縮部5,6は、チューブ装着状態において膀胱33Aの厚さ変化に追随して伸縮可能なチューブエレメントによって形成されている。これにより、膀胱33Aの膜部に対するチューブ装着状態においてチューブ中間部3の体表側への突出(露出)を阻止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば胎児尿路閉鎖症における胎児の膀胱や胎児胸水症における胎児の胸腔などに滞留した体液を排出(ドレナージ)するために用いられる医療用チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腫瘍等によって胆道に狭窄が発生した場合、胆汁あるいは膵液(体液)が十二指腸に流出しなくなるため、狭窄の発生した部位に医療用チューブ(ドレナージチューブ)を通して体液を流通させる治療が行われる。
【0003】
このような治療に用いられる医療用チューブには、体腔内でのチューブの移動を規制するためのチューブ抜け防止(移動規制)手段を有するものとして、マレコットタイプ(特許文献1)やピックテールタイプ(特許文献2)・サイドフラップタイプ(特許文献3)・茶筅形状タイプ(特許文献4)のドレナージチューブが知られている。
【0004】
また、医療分野において、胎児外科治療の一つである胎児尿路−羊水腔シャント手術は胎児閉塞性尿路疾患に対して行われるものとして周知である。
【0005】
このような手術にも、膀胱内に滞留した体液(尿)を母体の子宮内に排出するためにドレナージチューブが用いられる。この場合、ドレナージチューブの使用は、超音波装置による観察下において、母体を通して胎児の膀胱内にチューブ一端部を留置し、チューブ他端部を胎児の体表で固定することにより行われる。
【0006】
従来、この種の医療用チューブには、図2に示すような内瘻化カテーテルダブルバスケットとしてのドレナージチューブ(マレコットタイプ)が提案されている。
【0007】
この医療用チューブにつき、図2を用いて説明すると、図2において、符号21で示す医療用チューブは、体液を流入させる開口22aを有する流入側端部22と、装着対象を挿通するチューブ直線部としてのチューブ中間部23と、体液を流出させる開口24aを有する流出側端部24とを備えている。流入側端部22及び流出側端部24には、チューブ周方向位置にチューブ軸線に沿って切れ目を入れて複数の帯状部を形成し、さらにこれら複数の帯状部を外方に膨曲させて形成することによりそれぞれ弾性部(チューブ移動規制部)22A,24Aが設けられている。
【0008】
このような医療用チューブ21を用いる胎児尿路−羊水腔シャント手術(医療用チューブ21の使用)は、図3に示すようにして行われる。すなわち、超音波装置31による観察下において、先ず母体32の羊水腔32Aを通して胎児33の膀胱33A内にガイド針34(内針34A及び外針34B)を刺し込み、次にガイド針34の内針34Aを引き抜いた後、予め流出側端部24(図2に示す)を被冠してなる挿入用シース35によってガイド針34の外針34B内に弾性部22A,24Aを直線状にしたまま医療用チューブ21を挿入しその流入側端部22を膀胱33A内に留置する。
【特許文献1】実公昭61−42615号公報
【特許文献2】実公平4−51805号公報
【特許文献3】特開平9−56809号公報
【特許文献4】実公平3−36365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、胎児尿路−羊水腔シャント手術において、手術開始当初には大きくなっている患部としての膀胱33Aの膜(皮膚)厚が排液(ドレナージ)の進行に伴い通常の厚さに変化していく場合がある。この場合、従来の医療用チューブ21では、胎児33の体表から羊水腔32A内に突出(露出)するチューブ長、すなわちチューブ直線部としてのチューブ中間部23の羊水腔32A内へのチューブ露出長が大きくなり、さらには比較的掴み易い(一旦掴んだ場合には外れ難い)弾性部24Aが胎児33にとって把持部として機能し、胎児33によって羊水腔32A内で掴み抜かれてしまう危険性が高くなる。
【0010】
このため、装着対象に対するチューブ装着状態においてチューブ中間部の体表側への突出を阻止することができ、上述した羊水腔シャント手術等における胎児によるチューブ引き抜き事故の発生を未然に防止することができる医療用チューブの出現が従来から要望されていた。
【0011】
従って、本発明の目的は、装着対象に対するチューブ装着状態においてチューブ中間部の体表側への突出を阻止することができ、もって羊水腔シャント手術等における胎児によるチューブ引き抜き事故の発生を未然に防止することができる医療用チューブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、上記目的を達成するために、装着対象に着脱可能に取り付けられ、2つのチューブ端部をそれぞれ前記装着対象の内外に配置して用いられる医療用チューブであって、前記2つのチューブ端部には、前記装着対象を挟圧保持し、かつ前記装着対象からのチューブ移動を規制するためのチューブ移動規制手段がそれぞれ配設され、これら2つのチューブ移動規制手段のうち少なくとも装着対象外側のチューブ移動規制手段は、チューブ装着状態において前記装着対象の厚さ変化に追随して伸縮可能なチューブエレメントによって形成されていることを特徴とする医療用チューブを提供する。
【0013】
このため、本発明の医療用チューブによれば、2つのチューブ端部がそれぞれ装着対象の内外に配置された状態において、装着対象の厚さが変化すると、この変化に追随して2つのチューブ移動規制手段のうち少なくとも装着対象外側のチューブ移動規制手段が伸縮することになる。すなわち、装着対象の厚さが大きくなる場合には2つのチューブ移動規制手段のうち少なくとも装着対象外側のチューブ移動規制手段が伸長し、またその厚さが小さくなる場合には2つのチューブ移動規制手段のうち少なくとも装着対象外側のチューブ移動規制手段が収縮する。これにより、2つのチューブ端部間におけるチューブ中間部の装着対象外への突出を阻止することができるため、例えば羊水腔シャント手術における胎児によるチューブ引き抜き事故の発生を未然に防止することができる。
【0014】
(2)上記(1)に記載の医療用チューブにおいて、前記装着対象外側のチューブ移動規制手段の装着対象側には、前記装着対象に密接する当接部が設けられていることが好ましい。
【0015】
このように構成されているため、当接部と装着対象との間に胎児の手指等が挿入可能な空隙が形成されることはない。これにより、胎児によるチューブ引き抜き事故の発生を効果的に防止することができる。
【0016】
(3)上記(1)又は(2)に記載の医療用チューブにおいて、前記2つのチューブ端部間におけるチューブ直線部の寸法Lは0≦L≦10mmの寸法に設定されていることが好ましい。
【0017】
このように構成されているため、チューブ中間部が装着対象外側に露出しても、この露出部が把持部として機能することがない。この場合、L>10mmであると、チューブ中間部が把持部として機能することになる。
【0018】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の医療用チューブにおいて、前記2つのチューブ移動規制手段の形状は、それぞれが互いに異なる形状であることが好ましい。
【0019】
このように構成されているため、装着対象内外の形状にそれぞれ合わせた形状をもつ装着対象内側のチューブ移動規制手段と装着対象外側のチューブ移動規制手段が得られる。これにより、例えば装着対象内側のチューブ移動規制手段としてマレコットタイプのチューブ移動規制手段を選択すると、そのチューブ移動規制手段の変形量が小さいため、胎児の膀胱内など小さい体腔内に対してチューブ端部を留置し易くなる。
【0020】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の医療用チューブにおいて、前記2つのチューブ移動規制手段の外形サイズは、それぞれが互いに異なるサイズであることが好ましい。
【0021】
このように構成されているため、装着対象内外のサイズにそれぞれ合わせた外形サイズをもつ装着対象内側のチューブ移動規制手段と装着対象外側のチューブ移動規制手段が得られる。これにより、例えば装着対象内側のチューブ移動規制手段として小さい外形サイズのチューブ移動規制手段を選択すると、装着対象内側でそのチューブ移動規制手段の占める留置スペースが小さいため、胎児の膀胱内など小さい体腔内に対してチューブ端部を留置し易くなる。
【0022】
(6)上記(1)〜(5)に記載の医療用チューブにおいて、前記2つのチューブ移動規制手段のうち少なくとも装着対象外側のチューブ移動規制手段はスパイラル状の伸縮部からなることが好ましい。
【0023】
このように構成されているため、2つのチューブ端部がそれぞれ装着対象の内外に配置された状態において、装着対象の厚さが変化すると、この変化に追随して2つのスパイラル状の伸縮部のうち少なくとも装着対象外側のチューブ移動規制手段が伸縮することになる。すなわち、装着対象の厚さが大きくなる場合には2つのスパイラル状の伸縮部のうち少なくとも装着対象外側の伸縮部が弾撥力に抗して伸長し、またその厚さが小さくなる場合には2つのスパイラル状の伸縮部のうち少なくとも装着対象外側の伸縮部が弾撥力によって収縮する。
【0024】
(7)上記(6)に記載の医療用チューブにおいて、前記伸縮部のスパイラル径は、チューブ端部からチューブ中間部に向かって漸次大きくなるような寸法に設定されていることが好ましい。
【0025】
このように構成されているため、チューブ装着状態おいて装着対象にスパイラル状の伸縮部が安定した状態で配置される。これにより、装着対象に対する医療用チューブの装着力を確保することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、装着対象に対するチューブ装着状態においてチューブ中間部の体表側への突出を阻止することができ、羊水腔シャント手術等における胎児によるチューブ引き抜き事故の発生を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る医療用チューブにつき、図1及び図3を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る医療用チューブを説明するために示す平面図である。なお、本実施の形態の説明は、医療用チューブ以外の部材については図3と同一の符号を用いて行う。
【0028】
〔医療用チューブの全体構成〕
図1において、符号1で示す医療用チューブ(ドレナージチューブ)は、体液を流入させる開口2aを有する流入側端部2と、装着対象としての膀胱33A(図3に示す)の膜部を挿通するチューブ中間部3と、体液を流出させる開口4aを有する流出側端部4とを備え、使用時には膀胱33Aの膜部に着脱可能に取り付けられる。そして、全体がポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂によって形成されている。医療用チューブ1の材料中には、X線を不透過とするために、酸化ビスマスや硫酸バリウム等の添加剤が混入されている。なお、医療用チューブ1の材料としては、ポリオレフィン系樹脂以外には例えば熱可塑性エラストマー樹脂(特にウレタン系のエラストマー樹脂)が用いられる。
【0029】
(流入側端部2の構成)
流入側端部2は、医療用チューブ1の一方側端部に配置されている。流入側端部2には、チューブ軸線と直角な仮想面内でチューブ自然状態においてスパイラル状に巻回してなるチューブ移動規制手段(チューブエレメント)としての伸縮部5が設けられている。伸縮部5は、膀胱33Aの膜部に密接する当接部5Aを有し、チューブ装着状態において膀胱33A(膜部)の厚さ変化に追随して伸縮するように構成されている。伸縮部5のスパイラル径は、流入側端部2からチューブ中間部3に向かって漸次大きくなるような寸法に設定されている。これにより、伸縮部5がチューブ装着状態おいて膀胱33Aの膜部に安定した状態で配置される。
【0030】
(チューブ中間部3の構成)
チューブ中間部3は、流入側端部2及び流出側端部4に連通し、全体が曲線部によって形成されている。本実施の形態では、チューブ中間部3におけるチューブ直線部寸法LがL=0である場合ついて説明したが、0≦L≦10mmの範囲内であればよい。これにより、チューブ中間部3が膀胱33A外に露出しても、この露出部が把持部として機能することがない。この場合、L>10mmであると、チューブ中間部3が把持部として機能することになる。
【0031】
(流出側端部4の構成)
流出側端部4は、医療用チューブ1の他方側端部に配置されている。流出側端部4には、チューブ軸線と直角な仮想面内でチューブ自然状態において流入側端部2の巻回方向と反対側にスパイラル状に巻回してなるチューブ移動規制手段(チューブエレメント)としての伸縮部6が設けられている。伸縮部6は、膀胱33Aの膜部に密接する当接部6Aを有し、チューブ装着状態において膀胱33A(膜部)の厚さ変化に追随して伸縮し、伸縮部5と共に膀胱33Aの膜部を弾撥力(伸縮部5,6の弾性復帰力)によって挟圧保持するように構成されている。伸縮部6の当接部6Aが膀胱33Aの膜部に密接すると、比較的掴み易い部分としてのチューブ中間部3が膀胱33A外に露出することがなくなる。伸縮部6のスパイラル径は、流出側端部4からチューブ中間部3に向かって漸次大きくなるような寸法に設定されている。これにより、伸縮部6がチューブ装着状態おいて膀胱33Aの膜部に安定した状態で配置される。
【0032】
〔医療用チューブの使用〕
医療用チューブ1の使用(胎児尿路−羊水腔シャント手術)は、従来における医療用チューブ21の使用と同様にして行われる。すなわち、図3に示すように、超音波装置31による観察下において、先ず母体32の羊水腔32Aを通して胎児33の膀胱33A内にガイド針34(内針34A及び外針34B)を刺し込み、次にガイド針34の内針34Aを引き抜いた後、予め流出側端部24を被冠してなる挿入用シース35によってガイド針34の外針34B内に伸縮部5,6をその弾撥力に抗して伸長状態(直線状)にしたまま医療用チューブ1を挿入しその流入側端部2(伸縮部5)を膀胱33A内に留置する。
【0033】
この場合、胎児尿路−羊水腔シャント手術の開始当初には患部として皮膚の厚さが大きくなっている膀胱33A内に医療用チューブ1の流入側端部2が留置されると、伸縮部5,6にはそれぞれが収縮する方向に弾性復帰力が作用しているため、両伸縮部5,6によって膀胱33Aの膜部が挟圧保持される。この状態から膀胱33Aの膜厚(皮膚の厚さ)がドレナージの進行に伴い通常の厚さに変化する(小さくなる)と、この変化に追随して両伸縮部5,6がその弾撥力によって収縮するため、両伸縮部5,6による膀胱33Aの膜部に対する挟圧保持が維持される。
【0034】
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0035】
(1)流入側端部2及び流出側端部4がそれぞれ膀胱33Aの内外に配置された状態において、膀胱33Aの膜(皮膚)厚が変化すると、この変化に追随して伸縮部5,6が伸縮することになる。これにより、流入側端部2と流出側端部4との間におけるチューブ中間部3の膀胱33A外への突出(露出)を阻止することができるため、例えば羊水腔シャント手術における胎児によるチューブ引き抜き事故の発生を未然に防止することができる。
【0036】
(2)伸縮部6の膀胱側には、膀胱33Aの膜部に密接する当接部6Aが設けられているため、伸縮部6の当接部6Aと膀胱33Aの膜部との間に胎児33の手指等が挿入可能な空隙が殆ど形成されず、仮にその手指等が空隙に挿入されることがあっても伸縮部6が伸長するため、胎児33によるチューブ引き抜き事故の発生を効果的に防止することができる。
【0037】
(3)両伸縮部5,6間におけるチューブ直線部の寸法LはL=0に設定されているため、チューブ中間部3が膀胱33A外に露出しても、この露出部が把持部として機能することがない。
【0038】
(4)伸縮部5,6のスパイラル径は、チューブ端部(流入側端部2及び流出側端部4)からチューブ中間部3に向かって漸次大きくなるような寸法に設定されているため、チューブ装着状態おいて膀胱33Aの膜部に伸縮部5,6が安定した状態で配置される。これにより、膀胱33Aの膜部に対する医療用チューブ1の装着力を確保することができる。また、伸縮部6が掴み難い形状となり、胎児33によるチューブ引き抜き事故の発生を一層効果的に防止することができる。
【0039】
以上、本発明の医療用チューブを上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
【0040】
(1)本実施の形態では2つのチューブ移動規制手段の形状がスパイラル状の伸縮部5,6として同一である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、それぞれが互いに異なる形状としてもよい。この場合、装着対象内外の形状にそれぞれ合わせた形状をもつ装着対象内側のチューブ移動規制手段と装着対象外側のチューブ移動規制手段が得られる。これにより、例えば装着対象内側のチューブ移動規制手段としてマレコットタイプのチューブ移動規制手段を選択すると、そのチューブ移動規制手段の変形量が小さいため、胎児の膀胱内など小さい体腔内に対してチューブ端部を留置し易くなる。
【0041】
(2)本実施の形態では2つのチューブ移動規制手段(伸縮部5,6)の外形サイズが同一である場合について説明したが、それぞれが互いに異なるサイズとしてもよい。この場合、装着対象内外のサイズにそれぞれ合わせた外形サイズをもつ装着対象内側のチューブ移動規制手段と装着対象外側のチューブ移動規制手段が得られる。これにより、例えば装着対象内側のチューブ移動規制手段として小さい外形サイズのチューブ移動規制手段を選択すると、装着対象内側でそのチューブ移動規制手段の占める留置スペースが小さいため、胎児の膀胱内など小さい体腔内に対してチューブ端部を留置し易くなる。
【0042】
(3)本実施の形態では、体液の排出(流入と流出)のためにチューブ軸線方向に開口する医療用チューブ1(開口2a,4aを有するもの)である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、開口2a,4aの他にチューブ径方向に開口する小孔を流入側端部と流出側端部に有する医療用チューブであっても何等差し支えない。
【0043】
(4)本実施の形態では、胎児尿路閉鎖症における胎児の膀胱内に滞留した体液(尿)を排出する場合に使用する例ついて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば胎児胸水症における胎児の胸腔を含む他の閉塞部位などに滞留した体液を排出する場合にも実施の形態と同様に使用することができる。
【0044】
(5)本発明における伸縮部の外形サイズやスパイラル巻回数は、前述した実施の形態に特に限定されるものではなく、チューブ留置位置や装着対象等に応じて適宜変更することが自由である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る医療用チューブを説明するために示す平面図である。
【図2】従来の医療用チューブを説明するために示す平面図である。
【図3】医療用チューブの使用方法を説明するために模式化して示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1,21…医療用チューブ、2,22…流入側端部、2a,22a…開口、3,23…チューブ中間部、4,24…流出側端部、4a,24a…開口、5,6…伸縮部、5A,6A…当接部、31…超音波装置、32…母体、32A…羊水腔、33…胎児、33A…膀胱、34…ガイド針、34A…内針、34B…外針、35…挿入用シース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着対象に着脱可能に取り付けられ、2つのチューブ端部をそれぞれ前記装着対象の内外に配置して用いられる医療用チューブであって、
前記2つのチューブ端部には、前記装着対象を挟圧保持し、かつ前記装着対象からのチューブ移動を規制するためのチューブ移動規制手段がそれぞれ配設され、
これら2つのチューブ移動規制手段のうち少なくとも装着対象外側のチューブ移動規制手段は、チューブ装着状態において前記装着対象の厚さ変化に追随して伸縮可能なチューブエレメントによって形成されていることを特徴とする医療用チューブ。
【請求項2】
前記装着対象外側のチューブ移動規制手段の装着対象側には、前記装着対象に密接する当接部が設けられている請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項3】
前記2つのチューブ端部間におけるチューブ直線部の寸法Lは0≦L≦10mmの寸法に設定されている請求項1又は2に記載の医療用チューブ。
【請求項4】
前記2つのチューブ移動規制手段の形状は、それぞれが互いに異なる形状である請求項1〜3のいずれかに記載の医療用チューブ。
【請求項5】
前記2つのチューブ移動規制手段の外形サイズは、それぞれが互いに異なるサイズである請求項1〜4のいずれかに記載の医療用チューブ。
【請求項6】
前記2つのチューブ移動規制手段のうち少なくとも装着対象外側のチューブ移動規制手段はスパイラル状の伸縮部からなる請求項1〜5のいずれかに記載の医療用チューブ。
【請求項7】
前記伸縮部のスパイラル径は、チューブ端部からチューブ中間部に向かって漸次大きくなるような寸法に設定されている請求項6に記載の医療用チューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−320651(P2006−320651A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148712(P2005−148712)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000153823)株式会社八光 (45)
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【Fターム(参考)】