説明

医療用品の包装袋、医療用品を収容した包装袋および医療用品の包装方法

【課題】 中身を目視により確認でき、しかも、内部の医療用品を漂白することのない包装袋、医療用品を収容した包装袋、および、医療用品の包装方法を提供する。
【解決手段】 本発明の包装袋10は、細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させないフィルムであって、少なくとも一方が透明な表裏2枚のフィルム11、12を重ね、少なくとも一方のフィルムの開口側にガス透過性でかつ細菌不透過性の素材13を延設し、前記開口を除いた周囲をシールしたものである。包装袋10内に医療用品15を収容し、開口をシール部16bで封止してEOガスなどで滅菌処理をする。その後EOガスを抜き、シール部16cで封止する。医療用品15は保存中にHなどの消毒液に曝されても、包装袋10内に侵入することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関し、特に、縫合針や縫合糸などの各種の医療用品を収容する包装袋と包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手術用縫合糸、縫合針、等の医療用品は、製造後に包装袋内に収容され、滅菌処理がされてから保存される。使用する際には、包装袋を開封し、中の医療用品を取り出して使用することになる。
【0003】
医療用品は、製造され、包装袋内に収容されてから使用されるまでの間は、一定ではなく、長期間に渡って保存されることも多い。そのため、保存期間内を通して滅菌状態を保つ必要がある。そのような目的から包装袋には、細菌不透過性のフィルムが使用されている。
【0004】
また、病院内では、次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素等を使用して殺菌がされるが、これら殺菌剤が、包装袋内に侵入する可能性もある。包装袋は細菌不透過性のフィルムが使用されているので、殺菌剤を取り込む必要はない。むしろ、殺菌剤が包装袋内に侵入しない方が望ましい。というのは、これらの殺菌剤は、漂白作用をも有しており、一方、医療用品には、識別のための着色がされていることがあり、着色された医療用品を漂白してしまうからである。
【0005】
従来の医療用品を収容する包装袋としては、特許文献1(特公平5−82221号)が知られている。これは、二重袋構造になっている。
【0006】
図3は、特許文献1に記載された医療用品の包装袋を示す図で(a)は平面図、(b)は(a)の断面図、(c)は不要部分をカットした状態を示す平面図である。これらの図に示すように、医療用品1は内袋2内に収容され、内袋2は外袋6内に収容されて二重袋構造となっている。
【0007】
この特許文献1における医療用品1としては、体内に埋入して水分で分解する性質の加水分解性のものとされており、たとえば、手術用縫合糸、ステープル、スポンジ、ピン、人工皮膚、等々である。
【0008】
内袋2は、一方にガスおよび細菌不透過性のヒートシール可能なプラスチックフィルム3を、他方にガス透過性で細菌不透過性のフィルム4を使用している。フィルム3、4の開口を除く周囲を熱溶着し、シール部5aを形成する。このような内袋2内に医療用品1を収容し、開口を熱溶着してシール部5bを形成して密封する。
【0009】
次いで、この内袋2を外袋6内に入れる。外袋6は、アルミニウム等の金属箔にヒートシール性の樹脂をコーティングし、あるいは、アルミニウム等の金属箔に樹脂フィルムをラミネートしたフィルムから構成されている。そして、外袋6の開口部分の一方には、ガス透過性で細菌不透過性のフィルム7を設けている。外袋6の開口を除く周囲を熱溶着してシール部8aを形成する。外袋6内に内袋2を入れ、開口を熱溶着し、シール部8bを形成する。図3(a)、(b)はこの状態を示している。
【0010】
医療用品1の滅菌方法は以下の通りである。
まず、外袋6の全体に対し、EOガス(エチレンオキサイドガス)等の滅菌ガスを供給する。滅菌ガスは、外袋6のフィルム7から外袋6内に入り、外袋6の内面と内袋2の外面を滅菌する。滅菌ガスは、ガス透過性のフィルム4から内袋2内にも入り、収納されている医療用品および内袋2の内面の滅菌を行う。
【0011】
この後、二重袋を真空装置内に入れてガス抜きを行い、滅菌ガスを排出した後、乾燥炉で乾燥することによって外袋6内と内袋2内の滅菌ガスと水分とが抜かれることになる。最後に、外袋6のフィルム7から少し外れた位置を熱溶着し、図3(c)に示すように、シール部8cを形成し、フィルム7の部分を切り落として完了となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特公平5−82221号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図3に示す包装袋は、外袋6が表裏両面ともにアルミニウムなどの金属箔のラミネートされたフィルムからなるので、内部を見ることができない。したがって、収容された医療用品が何であるかを目視により確認することができない。
【0014】
内部が見えるようにするには、内袋2と外袋6の双方を透明の合成樹脂のフィルムにすればよいが、通常、このようなフィルムは、Oのみならず、殺菌用の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)や過酸化水素(H)をも透過させてしまう。
【0015】
医療用品1が、縫合糸の場合、縫合糸の種別や太さ等を表示するために、通常、着色した縫合糸を入れている。しかし、次亜塩素酸ナトリウムやHは、殺菌力と共に漂白力も備えており、これらが内袋内に侵入すると、縫合糸の色を漂白して、どのような縫合糸か分からなくなってしまう。また、漂白時の化学作用により、縫合糸を弱くしてしまうこともあった。
【0016】
本発明は、斯かる実情に鑑み、中身を目視により確認でき、しかも、内部の医療用品を漂白することのない包装袋、医療用品を収容した包装袋、および、医療用品の包装方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために本発明の包装袋は、細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させないフィルムであって、少なくとも一方が透明な表裏2枚のフィルムと、少なくとも一方のフィルムの開口となる側にガス透過性でかつ細菌不透過性の素材を延設し、表裏のフィルムの前記開口を除いた周囲をシールしたことを特徴としている。
【0018】
前記細菌不透過性で、O以上の大きさの分子は通過させない透明のフィルムが、プラスチックフィルムにシリカ又はアルミナをコーティングしたフィルムである構成としたりすることができる。
【0019】
本発明の医療用品を収容した包装袋は、表裏2枚のフィルムを重ねて周囲をシールして内部に医療用品を収容し、表裏のフィルムが共に、細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させないフィルムであり、表裏のフィルムの少なくとも一方が透明であることを特徴としている。なお、周囲のシールは、周囲全部の場合のみでなく、一部を残した状態でシールする場合も含むものとする。
【0020】
また、上記の医療用品を収容した包装袋を、同じ構造で医療用品の無い大きな包装袋内に収容した二重袋構造としてもよい。このとき、内外の袋の同じ面を透明なフィルムとすることで、外側から目視によって内容物を確認することができる。
【0021】
本発明の医療用品の包装方法は、細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させないフィルムであって少なくとも一方が透明な表裏2枚のフィルムを重ね、少なくとも一方のフィルムの開口となる側にはガス透過性でかつ細菌不透過性の素材を延設し、開口を除いた周囲をシールして形成した包装袋内に医療用品を収容し、前記開口をシールする工程と、前記包装袋をガス滅菌し、滅菌後のガスを真空で除去し、又は他のガス(空気も含む)と交換し、あるいは乾熱、又は自然乾燥による乾燥を行う工程と、前記包装袋のガス透過性でかつ細菌不透過性の素材部分が収納袋の内部と連通しないように前記包装袋をシールする工程と、を有することを特徴としている。
【0022】
透明なプラスチックフィルムに、シリカ又はアルミナを蒸着したフィルムは、透明性を保持し、かつ、O以上の大きさの分子は透過させない特性を得る。このようなフィルムを貼り合わせて開口を残して周囲をヒートシールで封止して袋状にする。この袋の内部に医療用品を収容し、EOGなどのガスで滅菌して封止する。袋の開口側には、ガス透過性でかつ細菌不透過性の素材部分を形成しておくことで、EOガスなどによる滅菌が可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、医療用品が包装袋内に封止された後、消毒用のHや次亜塩素酸ナトリウム等に曝されても、Hや次亜塩素酸ナトリウムが包装袋内に侵入しないので、医療用品が漂白作用を受けることを防止することができる。また、フィルムが透明なので、内容物を外側から確認することができる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例を示す図であって、(a)は本発明の医療用品の包装袋の平面図、(b)は(a)の中央断面図、(c)は本発明の医療用品の包装袋に医療用品を収容して封止した状態の平面図である。
【図2】本発明の実施例を示す図である。
【図3】従来の医療用品の包装袋を示す図で(a)は平面図、(b)は(a)の断面図、(c)は不要部分をカットした状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例を示す図であって、(a)は本発明の医療用品の包装袋の平面図、(b)は(a)の中央断面図、(c)は本発明の医療用品の包装袋に医療用品を収容して封止した状態の平面図である。
【0026】
一般に、PET、ポリプロピレン又はナイロンなどの各種合成樹脂フィルムは、ガス透過性であり、Oは勿論のこと、過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムなども透過する性質を持っている。そして、本発明の発明者は、PET、ポリプロピレン又はナイロンなどの各種合成樹脂フィルムに、シリカやアルミナを蒸着することで、酸素は僅かに透過させるが、過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムは透過させない特性を得ることができることを発見し、この知見に基づいて本発明を完成したものである。シリカやアルミナの蒸着方法は、PVDやCVDによる。
【0027】
なお、このようなシリカやアルミナを蒸着したフィルムを、あるものが透過するかしないかは、そのものの分子量の大小によるものと考えられる。すなわち、酸素の分子量は32、過酸化水素の分子量は34、次亜塩素酸ナトリウムの分子量は74であり、分子量32より小さければ透過し、分子量が32を越える過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムは、分子量が酸素より大きいために透過しないものと考えられる。
【0028】
ここで、酸素と過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムは透過しない、と言っているが、厳密な意味ではなく、酸素は僅かに透過させることができ、過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムは酸素より透過しにくくなるという程度で、過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムを全く透過しないというものではない。ただ、透過する過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムの量は非常に微量なので、無視できる程度である。ここで本件発明者等の実験によると、フィルムの酸素透過度として23℃−65%RHの条件下で0.11(cm/mday・atm)以下とすると好ましい結果が得られることがわかった。これに関しては、実施例のところで述べる。
【0029】
図1の(a)、(b)に示すように、本発明の医療用品の包装袋10は、表側のフィルム11と裏側のフィルム12とを有する。表側のフィルム11と裏側のフィルム12とは、共に、ポリプロピレン又はナイロンなどの各種合成樹脂フィルムに、シリカやアルミナを蒸着したもので、透明な状態を保っている。
【0030】
図1の実施例では、表側のフィルム11と裏側のフィルム12は、共に透明であり、同じものを使用しているが、これに限定されない。少なくとも一方に、シリカ又はアルミナを蒸着した透明なフィルムを使用すればよい。たとえば、表側のフィルム11と裏側のフィルム12のいずれか一方を、アルミニウムなどの金属箔にヒートシール性樹脂をコーティングあるいはラミネートしたフィルムを使用してもよい。
【0031】
表側のフィルム11の開口側(図の上端)には、ガス透過性で、細菌は不透過の素材からなるフィルム13が延設されている。これらのフィルム11〜13は、いずれも熱溶着性で、左右と下の三方がヒートシールされてシール部16aとなり、袋状に形成される。1枚のシートを中間部で折って重ね、二方をシールして袋状にしてもよい。この包装袋10内に、医療用品15を挿入し、図の上端の開口をヒートシールしてシール部16bを形成する。1枚のシートを折ってシール部16bを形成した場合には、三方をシールすることになる。医療用品15としては、医療用のものであれば、特に限定されない。以上によって、医療用品15は包装袋に収容され、この後、滅菌処理がされる。
【0032】
滅菌処理は以下のように行う。
まず、包装袋10の全体に対し、EOガス(エチレンオキサイドガス)等の滅菌ガスを供給する。滅菌ガスは、包装袋10の開口縁にあるフィルム13から包装袋10内に入り、包装袋10の内外面と内部の医療用品15を滅菌する。
【0033】
この後、包装袋10を真空装置内に入れてガス抜きを行い、滅菌ガスを排出した後、乾燥炉で乾燥することによって包装袋10内の滅菌ガスが抜かれることになる。滅菌ガスの除去方法は、上記以外に、空気等の他のガスと交換する方法や、乾熱を加えて乾燥させる方法でもよい。乾熱滅菌は、160℃〜200℃で30分〜2時間加熱することで、微生物や酵素やタンパク質を熱変性させ、失活させる滅菌法である。滅菌ガスを除去したら、包装袋10のフィルム13が包装袋10の内部と連通しない位置で、フィルム11と12とを熱溶着し、図1(c)に示すように、シール部16cを形成し、フィルム13の部分を切り落として完了となる。シール部16cを形成すれば、フィルム13の部分は切り落とさなくても構わない。
【0034】
この状態の包装袋を病院等で保存していると、病院内で過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムを使用して消毒が行われても、過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムが包装袋10内に侵入することがなくなり、縫合糸が脱色されるなどのトラブルを防止することができる。
【0035】
図2は、図1に示す医療用品15を収容した包装袋10を、包装袋10と同じ構造で大きいサイズの外側の包装袋10’内に収容した実施例である。包装袋10’は、包装袋10と同じ構成である。内側の包装袋10を収容して外側の包装袋10’の開口をヒートシールしてシール部16bを形成し、包装袋10のときと同様にして滅菌処理を行い、シール部16cを形成することで、特許文献1のものと同じ二重袋構造にすることもできる。この場合、フィルム11と12は、透明のプラスチックフィルムにシリカ又はアルミナを蒸着しているので、透明性が確保され、内部に収容された医療用品を簡単に確認することができる。また、フィルム11と12の一方にアルミニウムなどの金属箔のラミネートされたフィルムを使用する場合、包装袋10と包装袋10’の同じ側のフィルムを透明にすることで、二重袋構造になっても内容物を目視により確認することができるようにする。
【0036】
包装袋10と包装袋10’とは、同じ構成であるが、ここで言う同じ構成とは、機能的に同じ構成という意味であり、包装袋10と包装袋10’とが同じ素材から構成されていることに限定するものではない。
【0037】
本発明の包装袋10は、フィルムとしてPETにシリカをコーティングしたものを使用すれば、内容物を目視により確認できるだけでなく、廃棄後に焼却しても塩素ガスが発生しない、焼却後の残りカスが殆ど出ない、アルミ箔を使用したフィルムに比べ軽量化できる、等の効果を奏する。
【0038】
なお、プラスチックの種類や、シリカ又はアルミナの蒸着方法等によっては、酸素を全く透過しない透明なフィルムを製造することも可能である。酸素を透過しないフィルムを使用すれば、加水分解性の医療用品の包装用としても使用することも可能である。
【実施例1】
【0039】
表1は、A、B、C、Dの4タイプの包装袋で実験をした結果を示すものである。表1において、厚さ(μm)は、医療用品の包装袋10を構成するフィルム11、12の厚さで、50+80とは、一方のフィルム11の厚さが50μmで、他方のフィルム12の厚さが80μmであるということを示す。いずれのフィルムも、両面にシリカが蒸着されたものを使用した。
【表1】

【0040】
酸素透過度(単位は、cm/m・day・atm)は、包装袋10の内外間の透過度である。フィルム11とフィルム12の双方の酸素透過度が合算された状態である。
【0041】
色の変化は、包装袋10内に収納されている縫合糸の色の変化で、目視により脱色が起こったか否かを判定した。
【0042】
A、B、C、Dの包装袋10の内部には、同じ縫合糸を収容し、各包装袋10は、タッパーの中で過酸化水素に曝露された状態に維持された。そして、7日後、14日後の縫合糸の引張強度と、脱色の有無を判定した。
【0043】
Controlは、A、B、C、Dの包装袋10の内部に収容された縫合糸であるが、過酸化水素に暴露されていない状態で、比較のために用意されたものである。
【0044】
実験結果の指標として、色の変化が無く縫合糸の引張強度が十分であり理想的な性能を有するControlとの比較を行うことで、有効性を検討した。
【0045】
7日後の結果は、A、Bは脱色が無くControlと同様の結果であったが、Cはやや脱色し、Dは脱色の程度が大きかった。引張強度についてはA〜Dはそれぞれ44.7、44.2、39.5、33.8gfであり、Controlと比較しA,Bは100%の引張強度であり、C,Dはそれぞれ90%、77%の引張強度であった。
【0046】
14日後の結果は、AはControlと同様に脱色が無かったが、Bはやや脱色し、C,Dは完全に脱色してしまった。引張強度についてはA〜Dはそれぞれ45.3、40.8、19.7、16.1gfであり、Controlと比較しそれぞれ100%、93%、45%、37%の引張強度であった。
【0047】
上記結果は、本件発明者等の考察により、酸素透過度と比例することがわかった。上記結果を総合すると、A(酸素透過度0.06)がControlと同様の結果が得られ、理想的な性能を備えた好ましいフィルムということが言える。B(酸素透過度0.09)についてはやや脱色しているものの引張強度については問題なく使用できるため、許容範囲である。C(酸素透過度0.13)、D(酸素透過度0.20)は14日後は完全に脱色するとともにControlと比較した残留強度も半分以下となっているので、使用できない。よって酸素透過度が少なくとも0.09までのフィルムであれば問題なく使用できることが分かった。また、0.09の誤差を考慮し酸素透過度が0.11程度までのフィルムであれば、好ましく使用できることが推測できる。
【0048】
なお、上記の実施例では、シリカコーティングのフィルムを使用しているが、アルミナコーティングの場合でも、酸素透過度を上限が0.11程度までになるように設定することで、シリカコーティングのフィルムと同様に取り扱うことが可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 医療用品の包装袋
11 (細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させない)フィルム
12 (細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させない)フィルム
13 (ガス透過性でかつ細菌不透過性の)フィルム
15 医療用品
16a シール部
16b シール部
16c シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させないフィルムであって、少なくとも一方が透明な表裏2枚のフィルムと、少なくとも一方のフィルムの開口となる側にガス透過性でかつ細菌不透過性の素材を延設し、表裏のフィルムの前記開口を除いた周囲をシールしたことを特徴とする医療用品の包装袋。
【請求項2】
前記細菌不透過性で、O以上の大きさの分子は通過させない透明のフィルムが、プラスチックフィルムにシリカ又はアルミナをコーティングしたフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の医療用品の包装袋。
【請求項3】
表裏2枚のフィルムを重ねて周囲をシールして内部に医療用品を収容し、表裏のフィルムが共に、細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させないフィルムであり、表裏のフィルムの少なくとも一方が透明であることを特徴とする医療用品を収容した包装袋。
【請求項4】
請求項4に記載の医療用品を収容した包装袋を、同じ構造で医療用品の無い大きな包装袋内に収容したことを特徴とする医療用品を収容した二重袋構造の包装袋。
【請求項5】
細菌不透過性で、かつ、O以上の大きさの分子は通過させないフィルムであって少なくとも一方が透明な表裏2枚のフィルムを重ね、少なくとも一方のフィルムの開口となる側にはガス透過性でかつ細菌不透過性の素材を延設し、開口を除いた周囲をシールして形成した包装袋内に医療用品を収容し、前記開口をシールする工程と、
前記包装袋をガス滅菌し、滅菌後のガスを真空で除去し、又は他のガスと交換し、あるいは乾熱、又は自然乾燥による乾燥を行う工程と、
前記包装袋のガス透過性でかつ細菌不透過性の素材部分が収納袋の内部と連通しないように前記包装袋をシールする工程と、
を有することを特徴とする医療用品の包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−30727(P2011−30727A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179143(P2009−179143)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(390003229)マニー株式会社 (66)
【Fターム(参考)】