医療用機器の診断及び取扱いならびに映像システム
【課題】参照フレームと比較して体内侵入的医療機器の位置と方位を決定するための位置決めシステムを提供する。
【解決手段】ドライブ信号に応じて、既知の識別可能な場、好ましくは連続する交流磁場、を発生させる複数の場発生器(18,20,22)と、該場に応じてセンサ信号を発生する観血的の医療機器(10)中の遠心端近傍に位置した複数のセンサ(30,32,34)と、該ドライブ信号と該センサ信号に対応した複数の信号に対する入力を持ち、かつ該ドライブ信号と該センサ信号に応じて、医療機器中のある部分の三個の位置座標と三個の方位座標を計算する信号プロセッサ(26)より成るシステムである。
【解決手段】ドライブ信号に応じて、既知の識別可能な場、好ましくは連続する交流磁場、を発生させる複数の場発生器(18,20,22)と、該場に応じてセンサ信号を発生する観血的の医療機器(10)中の遠心端近傍に位置した複数のセンサ(30,32,34)と、該ドライブ信号と該センサ信号に対応した複数の信号に対する入力を持ち、かつ該ドライブ信号と該センサ信号に応じて、医療機器中のある部分の三個の位置座標と三個の方位座標を計算する信号プロセッサ(26)より成るシステムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用機器の診断および取扱いならびに映像システムに関するものである。さらに詳しくは、その位置を検出し調節できる医療プローブに関するものであり、さらなる検出機能、イメージング機能そして/または治療機能を有する医療プローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カテーテルのような種々の医療方法ならびに体内のイメージングに適したプローブは、かなり一般化している。そのようなプローブには、バルーン血管形成カテーテル、レーザ切除、電気切除、あるいは低温切除特性を備えたカテーテル、超音波イメージングヘッドを持っているカテーテル、ほぼ無切開に近い外科手術あるいは診断に用いられるプローブ、内視鏡が挙げられる。このようなプローブを治療用に使用するところでは、プローブを人体の構造に関して注意深く位置決めしなければならない。超音波システムのようなイメージングシステム用でも、ある程度の位置決め能力は述べられてきた。
心臓血管検査に於いては、また観血的手法(体内侵入部材による方法)を用いる検査に於いては、多様なカテーテルを脈管系に挿入した後、心室まで近づける。その手法それ自身はX線透視装置による誘導で一般的に行われ、そのためには透視線源としてのX線の連続線源を使用する必要がある。X線透視装置を使用して得られた画像は、二重写しされたカテーテルの位置を示した解剖体の2次元デイスプレイである。心室と血管はX線照射に対して透明であるから、解剖体は比較的低い解像度で見ることが出来る。
【0003】
最近心臓カテーテル使用のプロセスを容易にするために、主として医者が血管内のカテーテルの先端の通り道をフォローする事が出来るようにすることによった幾つかの技術が開発されてきた。
この技術の幾分かは、放射線感応コントラスト色素を注射した後、血管を観察でき、かつその画像の上にカテーテルの通り道を二重写しする事が出来るデジタル減算X線撮影法に基づいている。これらの技術は、心臓カテーテル使用時にハイリスク患者の罹患率の原因となるラジオパック色素を使用する必要がある。
【0004】
引例文献としてここに開示しているが、フェイラー(Pfeiller)らの米国特許第5,042,486号には、電磁場を用いることによりカテーテルの先端が位置決めされるという方法が述べられている。カテーテルが導入され、その先端の位置が追跡される。先端の通り道は、あらかじめ登録された血管あるいは器官の画像上に二重写しされ、かつそれを通してカテーテルは前進させられた。しかしながら、この技術は、その方法を行う前に画像取得と画像プロセッシングを必要とし、かつこの方法に先だって得られた画像を正確に整列させるための極めて高度な長時間を要する手法を必要とし、かつカテーテル法を行っている間血管あるいは器官の方位測定と位置決めを必要とする。
【0005】
例文献としてここに開示しているが、マーティネリ(Martinelli)らの米国特許第4,821,731号には、超音波を用いて生体の体内画像化を行う方法が、開示されている。この特許の中では、超音波イメージングカテーテルの位置は、参照信号に対する超音波トランスデユーサの応答を用いてカテーテルの相対的位置を計算して決定され、かつ本質的に垂直な異なった周波数の磁場によって一本のコイル中に誘起された信号を決定することによりカテーテルの軸周りの方位角を計算することにより決定される。超音波トランスデユーサは、カテーテル軸に垂直な方向に超音波信号を送り、検出するためにも使われる。カテーテルを回転しその軸に沿ってカテーテルを動かすことにより、超音波イメージが創られる。またそのカテーテルは、動脈壁の病巣から組織を切除するために、レーザ光線をカテーテルの末端にまで送ることが出来るものとして記述されている。
【0006】
カテーテル中に設置された超音波送信機を用いた患者の中に設置する事が出来るカテーテルは、米国特許第4,697,595号に、また技術記録;ブライヤ(Bryer)らの医療工学および生物工学並びにこれらのコンピュータ工学(Medical and Biological Engineering and Computing),1985年5月号、268-271頁「超音波で標識化されたカテーテル、エコグラフィックカテーテルの位置決めと同定」に開示されている。また米国特許第5,042,486号には、非イオン化場を用い、かつ以前に得られた血液の放射線法による画像上にカテーテル位置を適宜写して患者中に設置することが出来るカテーテルが開示されている。
引例文献としてここに開示しているが、PCT特許公報WO 94/0938には、カテーテルの長軸と同一軸の単一コイル型のセンサを用いたシステムが記載されており、かつ患者の人体の外にある3個の多コイル発生器で発生された場に感応するセンサが記載されている。
【0007】
カテーテルまたは内視鏡の位置決めのための他の方法並びに装置は、米国特許第5,253,647号、第5,057,095号、第4,095,698号、第5,318,025号、第5,271,400号、第5,211,165号、第5,265,610号、第5,255,680号、第5,251,635号、第5,265,611号に示されている。
米国特許第3,644,825号には、センサの位置決めにセンサの相対的運動を用いたシステムが記載されている。相対的運動は、位置と方位を同定するのに必要な感応コイルに情報を与える。しかしながら、このような解決法は、対象物と参照骨格の間に相対的運動のない対象物の場所と位置の同定には用いられない。
【0008】
引例文献としてここに開示しているが、米国特許第3,868,565号には、離れた対象物の相対的位置と方位を連続的に決定するためのトラッキングシステムが含まれている。このトラッキングシステムは、複数のセンサと複数の放射アンテナの双方に対して直交した位置にある環状部を含んでいる。これらの環状部に対する適当な励起電流を用いて、放射ア
ンテナは、これらのアンテナからセンサヘ放射される電磁場を発生する。このトラッキングシステムは、閉鎖された環状システムとして働き、その中では制御手段が遠隔対象物にあるセンサで感受される場を測定するし、遠隔対象物に対する指向ベクトルとして放射する点頭場を与えるために放射アンテナに情報を送り返すことになる。
【0009】
同様に、引例文献としてここに開示しているが、クーパー(Kuipers)は、彼の米国特許第3,868,565号の中で、指向ベクトルの周りで回転し、かつ対象物の相対的方位決定に加えて遠隔対象物を追跡するか位置を定める電磁場について述べている。放射コイルが適当にデザインされた波形で充満されるこのシステムが、磁場を発生し、その磁場が、閉鎖されたループの中で、遠隔対象物の方位を決定するのに必要な情報を発生するために、処理手段中にフィードされうる。
【0010】
引例文献としてここに開示しているが、米国特許第4,054,881号には、参照骨格に関して遠隔対象物の場所と位置を決めるための非トラッキングシステムが記載されている。この事は、電気信号すなわち互いに多重化されかつ放射された電磁場の分極性と磁気モーメントを特性付ける情報を含んでいる電気信号を、3個の互いに直交した放射アンテナに対して用いることにより達成される。この放射化された場は、遠隔対象物に対し公知の関係を持っている互いに直交した3個の感受アンテナによって、検出され測定される。1個の位置パラメータあるいは1個の方位パラメータと組合わせて、これらの9個のパラメータは、感受アンテナの位置と方位に関して感受アンテナの位置パラメータおよび方位パラメータを決定するのに充分である。
【0011】
引例文献としてここに開示しているが、米国特許第4,849,692号には、金属の存在下に2つの身体の相対的位置と方位を決定するための定量法が記載されている。送信アンテナに関して感受アンテナの位置と方位の測定は、直流電磁場信号を用いることにより達成される。電磁放射は、互いに直交した放射アンテナの各々によって続いて送信されるようにデザインされている。感受アンテナは、送信された直流磁場、すなわち一度に一次元の値と同様に地磁気の値を測定する。この方法は、遠隔対象物の場所と位置を決めるために、反復して取得し計算する必要がある。
飛行機とヘルメットに対する多次元の位置と方位を決定するための当業者に公知の他の方法は、引例文献としてここに開示しているが、米国特許第4,849,692号、欧州特許公報 0576 187 A1、英国特許第2,197,078 A,米国特許第4,314,251号に記載されている。
【0012】
非医学的応用で使用される前述の公知の方法は、カテーテルでの使用に適さないセンサと他の構造を使用している。医療プローブ用として有用であると記載されているこれらの参考文献は、一般に六次元以下の情報を与える(三個の位置座標と三個の角座標)。
引例文献としてここに開示しているが、本出願の被譲渡人に譲渡された前の未公開の出願特許;1994年7月20日にファイルされた米国出願特許第08/094,539号 および 1994年7月20日にファイルされたPCT出願 PCT/US94/08352 には、カテーテルを合同したシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,042,486号公報
【特許文献2】米国特許第4,821,731号公報
【特許文献3】米国特許第4,697,595号公報
【特許文献4】PCT特許公報WO 94/0938
【特許文献5】米国特許第5,253,647号公報
【特許文献6】米国特許第5,057,095号公報
【特許文献7】米国特許第4,095,698号公報
【特許文献8】米国特許第5,318,025号公報
【特許文献9】米国特許第5,271,400号公報
【特許文献10】米国特許第5,211,165号公報
【特許文献11】米国特許第5,265,610号公報
【特許文献12】米国特許第5,255,680号公報
【特許文献13】米国特許第5,251,635号公報
【特許文献14】米国特許第5,265,611号公報
【特許文献15】米国特許第3,644,825号公報
【特許文献16】米国特許第3,868,565号公報
【特許文献17】米国特許第4,054,881号公報
【特許文献18】米国特許第4,849,692号公報
【特許文献19】米国特許第4,314,251号公報
【特許文献20】欧州特許第0576 187 A1公報
【特許文献21】英国特許第2,197,078 A
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】コンピュータ工学(Medical and Biological Engineering and Computing),1985年5月号、268-271頁「超音波で標識化されたカテーテル、エコグラフィックカテーテルの位置決めと同定」
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施例に従って、人体に設けられたカテーテルに対し、六次元の位置と方位決定のためのシステムの応用を図式表示したものである。
【図2】本発明の好ましい実施例に従って、六次元の位置決め能力を持つ一般的なカテーテルの概略断面図である。
【図3】六次元の位置決め用センサの好ましい具体例を示したプローブの部分を示すよりグラフィックな図である。
【図4】本発明の好ましい実施例に従って、カテーテルの六次元座標を決定するのに使われる回路のブロック線図である。
【図5】本発明の好ましい実施例に従って、制御順序と図4のブロック線図への適用を示した基本フローチャートを拡大して詳細に示す。
【図6】本発明の好ましい実施例に従って、信号処理器でデジタル信号処理を示すブロック線図である。
【図7】ポイントでの磁場を形成するベクトルの三次元図表示である。
【図8】本発明の好ましい実施例に従って、信号処理器でアナログ信号処理を示すブロック線図である。
【図9】本発明の好ましい実施例に従って、図8に示されたアナログフィルタエレメントの簡略図である。
【図10A】本発明の好ましい第一実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図10B】本発明の好ましい第一実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図10C】本発明の好ましい第一実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図10D】本発明の好ましい第一実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図11】本発明の好ましい第二実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図12】本発明の好ましい実施例に従って、超音波取得と信号処理回路のブロック線図である。
【図13】本発明の好ましい実施例に従って、画像再構築回路のブロック線図である。
【図14】本発明の好ましい実施例に従って、電気的センシング、ペーシング、切除用のプローブの部分的概略図であり、部分的断面図である。
【図15】本発明の好ましい実施例に従って、基本電位図マップを取得するための概略ブロック線図である。
【図16】本発明の好ましい実施例に従って、心内膜のコンピュータによるマッピングアルゴリズムを示す概略ブロック線図である。
【図17】本発明の好ましい実施例に従って、コンピュータによるペース・マッピングアルゴリズムを示す概略ブロック線図である。
【図18】本発明の好ましい実施例に従って、ペース・マッピングしながら相互相関インデックスを計算するために使用されるアルゴリズムを示す概略ブロック線図である。
【図19】本発明の好ましい実施例に従って、画像化システムの出力形状を示す概略ブロック線図である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そのカテーテルは、カテーテルの三次元での位置を決定できる位置測定デバイスを包含しているが、方位を決定できない。これらの応用では、このカテーテルは、心臓の内壁での電気活性のマップを作るために使用され、かつそのようなマッピングに従って心筋の一部を切除するために使用される。マッピング/切除機能に用いられるカテーテルの位置は、参照面を形成するために心臓の内壁に対して、三個の安定な場所に位置づけられる三個の位置検出デバイスを参照として決定される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一般に本発明はカテーテル位置決め手段と、感応化された局部情報と同化された場合には高解像度になり、情報の詳細なマップとなる定量的高解像度の位置決め情報を提供する方法を、開示するものである。このマップは場合によっては、画像あるいは器官の構造の他の表現の上に二重写しされてもよい。
参照フレームに比べて非反復方法で遠隔対象物、具体的にはカテーテルに関する位置と方位情報を、連続的に発生するのが好ましい。
【0018】
本発明の一面は、カテーテルと共に用いるのに適した新規な六次元の位置決め装置の条項に関するものである。このシステムの好ましい具体例としては、複数の非同心円状コイルを設置可能な場所、例えばその遠心端近くのカテーテル中に置く。そのコイルは直交軸を持つのが好ましい。そのコイルの位置決めは、コイルが空間で分離され同心円でない公知の方法で記載している位置決めとは、異なっている。これらのコイルは印可された外部磁場に対応した信号を発生し、それにより六次元の位置と方位が計算が出来る。
本発明の第二面は、外部から印加された電磁場の系に対応してコイルから作られた信号により、多次元の位置と方位を計算する方法を指向しているものである。
【0019】
本発明の第三面は、本出願の被譲渡人に譲渡された前に引例した出願特許に記載されているのと同様に、ただ唯一の六次元の位置と方位検出センサを参照のために使用するだけという単純化法で、心臓の内部をマッピングする事を考慮に入れていることである。
本発明の第四面は、外部の電磁場に対応して六次元の位置決め能力のある超音波あるいは他のイメージングプローブを包含する。そのようなプローブの使用が、位置決めのためのイオン化照射あるいは音波によるセンシングを使用することを未然に防ぎ、かつ位置と方位が完全に判っている超音波あるいは他のイメージング情報を与えることになる。
本発明の第五面は、カテーテルの方位に向けてコントロールされた変化を加えるための方法及び装置を包含する。またそれによりカソードの巧みな操作及び簡単な設置が考慮されている。
【0020】
本発明の第六面は、超音波プローブのような非スキャンプローブを用いて二次元あるいは三次元イメージングさせるか、あるいは二次元スキャンプローブを用いて三次元スキャンをさせる方向でのコントロールされた変化を利用するものである。
それ故、本発明の好ましい実施例に応じて、観血的の医療機器例えばカテーテルあるいは内視鏡の位置と方位を決めるための以下の事よりなる位置決めシステムを提供する:
公知の識別可能な場、好ましくは連続性交流磁場を、ドライブ信号に応じて発生させる複数の場発生器;
該場に応じてセンサ信号を発生する観血的の医療機器中の遠心端近傍に位置した複数のセンサ; ならびに
該ドライブ信号と該センサ信号に対応した複数の信号に対する入力を持つ信号処理器、ならびに観血的の医療機器中のある点の三個の位置座標と三個の方位座標を作る信号処理器。
【0021】
好ましくは、複数の場発生器あるいはセンサの一つあるいは両方が、三個の識別可能な非多重性の場発生器あるいはセンサよりなるものである。
本発明の好ましい実施例中では、各々のセンサはコイルよりなる。好ましくは、該複数のコイルはコイル中で交差する軸を持っている。該複数のコイルが三個のコイルで構成されている場合、該コイルはある点中を必ずしも交差しない軸を持っていることが好ましい。
信号プロセッサは、ドライブ信号とセンサ信号に対応した信号に相互相関する事が好ましい。
各々の発信器で発生した場は、異なる周波数、異なる位相あるいは異なる周波数と異なる位相の両方を持つことが好ましい。
【0022】
本発明の好ましい実施例中では、各場発生器により発生した場が、異なった周波数、好ましくは与えられた周波数の各整数倍である周波数を持つ。
好ましくは、入力の相互相関の期間は、整数の乗数の最小共通積を与えられた周波数で割ったものである。
好ましくは、相互相関の結果は、各該センサにより発生した信号への各電場発生器の効果(貢献)を計算するために使われる。
本発明の好ましい実施例中では、位置決めシステムは、観血的の医療機器中のその点の位置を表示するためのデイスプレイシステムを包含する。
【0023】
さらに位置決めシステムは、参照機器に位置している複数の非多重性のセンサを包含する参照機器より構成されていることが、好ましい。このセンサは、該場に対応してセンサ信号を発生する。該場の中では、該デイスプレイシステムは、参照機器上の点の位置に比例して観血的の医療機器中のその点の位置を表示する。参照機器は、観血的の医療機器である事が好ましい。センサは、観血的の参照医療機器の遠心端近傍に設置されている事が好ましい。
本発明の好ましい実施例中では、位置決めシステムは、局所条件に感応する観血的の医療機器の部分上にある追加センサをも包含する。
その追加センサは、局所電気信号例えば患者の心臓の心内膜からの電気信号に感応し、かつこの信号を患者の体外にある端末に転送する事が好ましい。
【0024】
本発明の好ましい実施例中では、信号プロセッサは、位置座標信号ならびに方位座標信号と心内膜上の複数の点で得られた局部電気信号を処理し、患者の体内の組織を通して電気信号の伝搬を表すマップを作ることになる。
本発明の好ましい実施例中では、追加センサは、心内膜の一部を切除するために心内膜に電気エネルギを供給する。
その位置決めシステムは、心内膜の一部を切除するために心内膜に電気エネルギを供給するために使われる電極を、包含することが好ましい。
本発明の好ましい実施例中では、追加センサは、超音波送信器/受信器である。
その超音波送信器/受信器は、遠心端の先の組織の音響特性の3次元以下の表示を行うのが好ましい。
【0025】
本発明の好ましい実施例中では、その遠心端は偏向可能である。このシステムは、遠心端の異なる方位において得られた複数の該表示を受信し、かつ少なくとも部分的に遠心端を囲んでいる組織の音響特性の3次元マップを作るイメージ再構築回路を包含することが
好ましい。
本発明の好ましい実施例に従って、以下のものよりなる体内超音波イメージングのためのイメージングシステムを提供する:
それらの遠心端において軸方向の超音波イメージング発信器を持っている観血的の医療機器、好ましくはカテーテルあるいは内視鏡。
【0026】
そしてこの発信器は、遠心端の先の組織の音響特性の表示、好ましくは一次元あるいは二次元表示を発信する;
それらの方位を変更するために遠心端を操作する手段;並びに、遠心端の異なる方位において得られた複数の該表示を受信し、かつ少なくとも部分的に遠心端を囲んでいる組織の音響特性の3次元マップを作る画像再構築回路。
さらに画像化システムは、以下のものよりなることが好ましい:
ドライブ信号に対応して、既知の識別可能な場を発生する複数の場発生器;
該場に応じてセンサ信号を発生する観血的の医療機器中の遠心端近傍に位置した複数のセンサ; ならびに
該ドライブ信号と該センサ信号に対応した複数の信号に対する入力を持つ信号処理器、ならびに観血的の医療機器中のある点の三個の位置座標と三個の方位座標を作る信号処理器。
【0027】
遠心端を有する観血的の医療機器、例えばカテーテルあるいは内視鏡の位置と方位を決定する以下よりなる方法を提供するものである:
(a)複数の、幾何学的に異なった交流磁場を発生すること;
(b)遠心端近傍の複数の点にあるセンサにおける交流磁場を感知すること。
(c)発生した磁場及び感知磁場を代表する信号に感応する侵襲性の医療機器の一部の六次元の位置と方位を計算すること。
その交流磁場は、観血的の医療機器の三点で感知されることが好ましい。
本発明の好ましい実施例に従って、以下よりなる超音波体内画像化方法を提供する:
(a)超音波変換器すなわち変換器末端の先の音響特性を表示する該超音波変換器を体内に挿入すること。
(b)変換器の方位を操作し複数の該表示を提供すること;
(c)複数の該表示から少なくとも部分的に変換器端末を囲んでいる領域に於ける組織の音響特性の三次元マップを構築すること。
【0028】
この方法が、各々の表示のために変換器の六次元の位置と方位を決定する事を包含することが好ましい。
その表示は、三次元以下の表示であることが好ましい。
さらに複数の磁場センサ、好ましくはそれらの遠心端近傍のコイルよりなる観血的の医療機器、例えばカテーテルあるいは内視鏡を提供するものである。
複数のコイルは、コイル内では交差している軸を有することが好ましい。
本発明の好ましい実施例中では、この装置は、該遠心端に於ける超音波変換器からなっている。
その超音波変換器は、カテーテル軸の先及び軸に沿った組織の音響特性の表示、好ましくは一次元あるいは二次元表示を提供することが好ましい。
【0029】
さらに、本発明の好ましい実施例中では、この装置は、該遠心端に於ける電気プローブからなっている。そのプローブは、接触している組織により発生した電気信号を感知したり、該信号をカテーテルの近傍端末に導き、そして/あるいは該端末に接触している組織へ切除の電気信号を供給するために、好んで用いられる。本発明の好ましい実施例中では、この装置は、遠心端に於ける局部化学を測定するためのセンサを包含する。
この装置は、遠心端の方位を変更する手段を包含することが好ましい。
さらに、本発明の好ましい実施例に従って、観血的の医療機器、例えばカテーテルあるいは内視鏡の遠心端を操縦するための以下のものよりなる装置を、提供するものである:
遠心端に取り付けられかつ遠心端近傍で曲げられたカテーテルを貫通している相対的にさらに柔軟なワイヤ;
遠心端近傍で真っ直ぐで、かつその時にワイヤをスライド出来るように保持している相対的にさらに堅いスリーブ。それによりスリーブがワイヤ上を滑る場合に、ワイヤと遠心端は真っ直ぐになる。
【0030】
好ましくは、その装置は長軸を持ち、かつワイヤは装置の軸を外して設置される。
さらに、観血的の医療機器の遠心端を操縦するための以下よりなる装置を提供する:
第一端末、すなわち装置の円心端末に取り付けられている該第一端末、に取り付けられている二つの部分を形成するために、長い部分に沿って切り開かれた平坦な相対的に柔軟な部分;
一対のワイヤ、すなわち一端はそれらの第二端で該部分の一つに取り付けられている; そして
ワイヤの相対的長さを変更するための手段。これにより柔軟なエレメントは曲げられ、それにより装置の遠心端の操縦が出来ることになる。
さらに、本発明の好ましい実施例に従って、人体内部の器官の内部表面の三次元画像を作る以下よりなる方法を、提供するものである:
内面内部の複数の方位での該表面までの距離を測定すること;そして表面の画像を形成するために距離を組み合わせること。
好ましくは、距離の測定は、器官内部の複数の点から求められる。距離の測定は、超音波変換器を用いることにより行われる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の基本的に好ましい人体へ適用の図表示を示す。この適用では、カテーテル10は、標準的技法で患者の動脈11へ挿入される。カテーテル10は、本体12、位置決めセンサ14、カテーテルの遠心端15にある活性部分16とから成っている。
本発明の種々の好ましい実施例に従って、活性部分16は、電気センサ、超音波ヘッド、光ファイバ観察ヘッド、電気的刺激器、電気あるいはレーザ切除器、イオンセンサ、酸素あるいは炭酸ガスセンサ、加速時計、血圧あるいは温度センサ、あるいは低温プローブを包含していても良い。
【0032】
一般にカテーテルは、作業者の命令に応じて活動を生かすために、リード、導光管、導波管などを包含している。
カテーテルの遠心端の位置および方位は、位置決めセンサの位置を決定することにより確かめられる。本発明の好ましい実施例に従って、位置決めセンサは、2あるいは3個のアンテナ、例えば2あるいは3個の放射器18、20、22で照射されたコイルから成っ
ており、放射器は患者の人体表面23の外側にある。
【0033】
放射器の設置は、そのサイズや形状のみならず本発明の適用により変わるものである事は理解すべきである。医療用に有用な放射器は、好ましくは直径約2から20cmで厚さ約0.5から2cmの環状に巻かれたコイルから成っており、コイルは同一平面で三角形に並べられ、その中ではコイルの中心は、約2から30cm離れている。棒状の放射器あるいは三角形あるいは四角形のコイルでさえも医療応用に有益であり得る。さらに、うつ向けになった患者が、緊急の技術を含む処置を受けるときには、放射器は好ましくは表面の下あるいは表面に置かれ、そして患者はその上に横たわり、放射器は、処置が施される患者の体の部分の基本的に真下に来る。
【0034】
3個の放射器は、好ましくは以下に述べる方法で放射器ドライバにより操作される。受信アンテナで受信した信号は、放射器18、20、22を操作するのに使われる信号の表示と共に、好ましくは以下に述べる方法で信号処理器26中で増幅され処理されて、遠心端15の位置と方位の指示あるいは画像がモニタ27上に与えられる。
放射器18、20、22は、幾つかの参照フレームに関して固定されている限り、また放射器が重なり合わない限り、すなわち二つの放射器が同一の位置と方位を占めない限りどんな便利な位置と方位に並べられても良い。放射器ドライバ24で操作するとき、位置決めセンサ中の受信アンテナにより感知される磁場を形成する多様な識別可能な交流磁場を、放射器が発生する。
【0035】
その磁場は、それぞれの磁場中の信号の周波数、位相、あるいは信号の周波数と位相の両方に関して識別が可能である。時間多重も可能である。
実際カテーテルの活動端末は、超音波反響情報、電気的活性情報のような情報を収集するために使われても良いし、場合によっては、動脈(あるいは脈)上あるいは動脈(あるいは脈)が通じている器官室28内での処置を行うのに使われても良い。器官室の具体例は、心臓、脳、あるいは胃腸道の房である。以下に詳細を記載するが、心臓の電気的活性
度をより正確にマップする事と、心臓壁をより正確に画像化する事とが、本発明の幾つかの面の特別な目的である。
【0036】
図2は、カテーテル10の遠心端の好ましい具体例を示す概略図である。位置決めセンサ14を示す図は、図3に示す。好ましくはそのセンサは、空芯上に巻かれた2個以上好ましくは3個のセンサコイル30、32、34を包含している。本発明の好ましい実施例に従って、そのコイルは、互いに直交した軸を持ち、その軸の1つはカテーテルの長軸したがって便利に並べられている。同心円状に位置している3個のコイルを含むか、あるいは軸が少なくとも横切っている公知の位置決めセンサ(他の応用に使われている)と違って、本発明の好ましい実施例のコイルは、カテーテルの軸に沿って配置され、位置決めセンサの直径を小さくしかつセンサをカテーテル中に取り入れるのに好適となる。本発明の多くの面に対して、参照フレームに比べてカテーテル遠心端の位置と方位を測定する事が必要である。この事は、公知の参照フレームに比して、少なくとも2つの識別可能な交流磁場と、放射器のそれぞれの位置と方位を発生する少なくとも2つの重なり合わない放射器;交流磁場を発生させるために、放射器にAC信号を連続的に与える放射器ドライバ;並びに少なくとも2つの識別可能な磁場から生じる磁場束を測定するために少なくとも2つの非平行センサより成る位置決めセンサを必要とする。放射器の数とセンサの数の積は、参照フレームに比べて、センサの位置と方位の望ましくは定量的測定の自由度の数に等しいかそれ以上である。
【0037】
本発明の好ましい実施例では、カテーテルの遠心端の6個の位置と方位の座標を決めることが好ましいので、少なくとも2個のコイルが、位置決めセンサ14に必要である。好ましくは3個のコイルは位置測定の精度と信頼性を向上するために使われる。もっと少ない次元が要求される幾つかの応用では、ただ1つのコイルが、位置決めセンサ14に必要となる。
リード36は、必要な位置情報を発生するための処理のために、センサコイルで検出された信号を、カテーテルの近傍端末から信号処理器に運ぶために使われる。好ましくはリード36は、ピックアップを減少させるために捻れた対となっており、さらに電気的に遮蔽されている。
【0038】
本発明の好ましい実施例では、コイル30、32、34は内径0.5mmで、直径16ミクロンの線を800回巻き全体として直径1から1.2mmのコイルを与える。コイルの有効捕捉面積は、約400平方ミリとなるのが、好ましい。
これらの次元はかなりの範囲で変化し好ましい範囲の次元の単なる代表であることを理解できよう。とりわけ、最大許容サイズとワイヤ直径に依存するが、コイルのサイズは小さいときは0.3mm(幾分かの感度ロスはあるが)大きいときは2mmあるいはそれ以上である。ワイヤサイズは10から31ミクロンで、巻き数は300から2600である。
【0039】
有効捕捉面積は、全要求サイズに従って矛盾しないかつ許容される大きさにすべきである。好ましいセンサコイル形状は、円柱状であるが、他の形状も使用できる。例えば円筒状のコイルは、円柱状コイルより巻き線数が多くなる。また、カテーテルの幾何形状にもよるが、四角あるいは他の形状のコイルも有効である。
リード38は、活性部分16に動力を供給するため、そして/あるいは、そこからの信号を受信するために使われる。リード38の性質は、変化するかもしれないが、例えば光導波路あるいはその仕事に適する他の送信媒体を包含しても良い。例えばカテーテルの遠心尖に位置する電極は、心臓の局所電気活性度を、例えば心内膜上に記録する。これらの局所電位図(ECG)は、リード38を経てカテーテルの近傍端まで転送され、ECG増幅器に送られる。
【0040】
増幅されたECG信号は、制御システムに転送され、このシステムが、同時に場所が決定されるその場所から得られた局所電位図形態を医者に提供することになる。
図4は、位置決めセンサ14の位置を計算するのに用いられる好ましい回路のブロック線図である。この実施例では、3個の放射器18、20、22と3個のセンサコイル30、32、34が使われている。放射器ドライバ24は、識別可能な同時AC電流信号を各々の放射器に与える。制御回路40は、3つの異なる周波数f1、f2、f3の3つのサイン波を発生させるために、D/A変換器42、44、46を利用するし、それぞれは別個に、信号増幅器48、50、52への出力となる。高速応答位置決めシステムを達成するために、低速応答フィルタが、放射信号と受信信号の相互相関を用いることにより除かれてきた。この相互相関は、やがて窓を越えて行われ、その窓は、3つの放射信号のサイクル長さの整数個を含むことになる。整数のサイクルを用いることは、一般に処理エラーを減少させることになり、センサコイルで受信した信号の相対的振幅と位相をより正確に決定できることになる。もし非整数のサイクル長を用いると、大変長い相関窓を使わない限り、一般に相互相関のエラーが生じる。もし短い相関窓を用いると、(最短窓はサイクル時間の最小共通積である)周波数間の比は、有理数となる。
【0041】
放射器の周波数 c、fc、ここで、c=1、2、3は、次の式を満足する。
【数1】
ncはn1≠n2、n2≠n3、n3≠n1となるような正の整数であり、fbは、整数のサイクル長を相互相関のために使用できる事を保証するために任意の基本周波数である。
放射ドライバ増幅出力信号は、当業者に公知であるレジスタ、環状あるいはより精巧な回路のような電流感知回路54、56、58を通して、放射器に届けられる。
電流感知回路は放射器に対するドライブ信号の振幅と位相を示しかつ信号処理器26に送られる出力を生み出す。
【0042】
この配置により3個の放射器は、異なる既知の周波数を各々が持っている3個の異なった方位の場成分より構成されている磁場を発生する。これらの場成分の各々は各センサコイル30、32、34により感知され、かつそれは、特別なセンサコイルと特別の周波数
を放射する特別な放射器の距離と方位にも依存するが、異なった振幅と位相を持った周波数成分から構成されている信号を、それぞれが生み出すことになる。
センサ30、32、34の出力信号は、それぞれ増幅器60、62、64で増幅されて、信号処理器26に送られる。
【0043】
図5は、制御シーケンスと図4の回路への適用を示す基本フローチャートを、拡大して詳細に示している。ブロック66により示される初期化位相の間に、3個のサイン波の周波数、参照フレームに関しての放射器18、20、22の物理的位置と方位、放射器とセンサの特性と、マッピング場に於ける孤立点の座標が、定義される。それぞれ周波数f1、f2、f3を持つ3個のサイン波は、例えば制御40下でブロック68により示されるように合成される。これらの発生した周波数は、ブロック70により示されるように、かつ図4に関して先に記載したように放射器18、20、22により、好ましくは連続的に送信される。制御シーケンスは、コイルセンサ信号を放射された信号と相互相関させるために、信号処理器を活性化しかつ参照信号に関しての位置決めセンサ14の位置と方位を計算するために、定期的に信号を送り出すタイミングループ72の一部となっている。
【0044】
信号処理のアナログ並びにデジタルの具体化は、本発明の好ましい実施例に従って、可能である。これらの異なったアプローチは、当業者により種々の方法で修正され、かつそれらを同時に実行するために異なったモードで結ばれることが出来る。本発明の幾つかの応用は、デジタルアプローチから利益があるが、アナログアプローチも他の場合に好ましい解となりうる。
【0045】
デジタルの具体例は、信号処理器26の機能ブロック線図である図6とともに述べられている。処理ブロックへの入力は、SIG(センサコイル信号)として示される増幅器60、62、64からの信号であり、CURとして示される電流感知回路52、56、58からの入力でもある。この具体例では、6個の入力信号は、ずらりと並んだA/D変換器74により、アナログからデジタルへと変換される。サンプリングされたデジタル信
号は、専任回路より成るあるいは専任あるいは分担マイクロプロセッサにより行われる「相互相関の計算」ブロック76に送られる。6個のデータの流れ(放射器を通して流れる3個のAC電流と3個のセンサ読みとり)を用いることにより、相互相関エレメントは、以下の方法を用いて計算出来る:
SIGSは、センサSの増幅された出力である。ここで、S=1、2または3であり; CURCは、放射器Cを流れる電流である。ここで、C=1、2または3であり;
fbは、任意の基本周波数であり;
foは、fbの整数倍であるサンプリング周波数であり;
そして、Nは、多くのサンプル中の相関長さ N=K(fo/fb)であり、ここでKは正の整数であり、CURCと周波数fCのサイン波の相関は、
【数2】
で、CURCと周波数fCのコサイン波の相関は、
【数3】
ここで、両方の加算は、iが1からNまで引き継がれる。
SIGSと周波数fCのサイン波の相関は、
【数4】
SIGSと周波数fCのコサイン波の相関は、
【数5】
ここで、両方の加算は、iが1からNまで引き継がれる。
【0046】
fl、f2、f3の好ましい比は、1、2、3であり好ましい周波数は1、2、3kHzである。有用な周波数範囲は、50Hzから50kHzの間であると考えられている。
ブロック78で示された電場と電流の計算は、専任回路あるいは専任あるいは分担マイクロプロセッサを用いることにより、行うことが出来る。各々の放射器Acを通る電流の大きさは、以下を用いて計算できる:
【数6】
また、各々の放射器で発生した電場の大きさ |Bs、c| は、以下を用いて計算できる:
【数7】
放射器c中の電流とセンサsにより感知された電場の間の位相 Ψs,cは、
【数8】
ここで、Ψs0は、放射された電場とセンサsより読みとれる電場の位相のずれである。
放射器cにより発生しセンサsで感知される電場の振幅は:
【数9】
【数10】
マッピングできる空間に於けるセンサの可能な限り全ての位置と方位に対する磁場は、以下を用いることにより得ることが出来る:
1)具体例で使われる放射器の電場方程式
2)放射器の正確な位置と方位、と
3)放射器Acを通って流れる電流
各電場発生器の効果は、電場の形態に依存している一セットの電場方程式を解くのに使われる。この方程式セットを解くことは、遠隔センサの位置決めと方位を決めることになる。
【0047】
さらに詳しくは、電場方程式は、とりわけ各具体例に対して得られており、放射器の幾何形状と特性に依存している。放射器がコイルである本発明の好ましい実施例では、電場方程式は以下のように記述できる:
巻き数N,半径R,電流Iのコイルに対して、距離rに於ける半径方向の電場成分は、
【数11】
そして接線方向の電場成分は:
【数12】
ここで合計は、I=0からI=∞までであり、またここでは、Pn(X)は、次数nのルジャンドルの多項式であり、帰納的に以下によって計算される:
【数13】
Pn1(X)は、次数nの一般的ルジャンドルの多項式であり、
以下によって計算される:
【数14】
【0048】
これらの電場方程式は、位置
【数15】
の放射器に対してr>Rで正しい。位置
【数16】
で誘起された電場は、図7に示すように
【数17】
で与えられる。
【0049】
ここで、
【数18】
は、
【数19】
に位置している放射器の半径方向の単位ベクトルであり、
【数20】
は、
【数21】
に位置している放射器の接線方向の単位ベクトルである。この一般電場方程式を用いることにより、各放射器で発生したポイント
【数22】
での電場を計算できる事になる。
【数23】
で示される遠隔センサの方位は、位置
【数24】
に於いてこのセンサにより感知される電場を決定する。
【数25】
それ故、遠隔センサにより感知される電場は、式(16)である。
【数26】
ここで
【数27】
は未知変数であり、
【数28】
は、与えられたいずれのコイルに対しても既知の変数である。
【0050】
実施例では、3個の放射器があり;それ故
【数29】
について3個の既知の変数と
【数30】
について3個の既知の変数がある。3個のセンサは、遠隔対象物の参照フレーム中で定まった既知の位置と方位を持つ。遠隔対象物の各々の位置と方位に対し、放射器参照フレーム中の各センサの位置と方位を計算でき、そしてそれ故各放射器と各センサに対する感知された電場BVを計算できる。
【0051】
本発明の位置決めシステムでは、各センサにより感知される全ての放射器からの電場を測定し、遠隔対象物の位置と方位を得るために、電場方程式を解く。(x、y、z、ε、ξ、ζ)
3個の放射器と例としてここに使われている3個のセンサシステムへのアプローチの結果は、以下の形の6個の変数(すなわちセンシング手段の位置のx、y、zと、位置決めセンサの方位に対するε、ξ、ζ)を持った非線形代数方程式となる:
【数31】
【0052】
本発明のこの実施例では、9個のセンサ読み取り(Bs,c)は、測定された量であり、また方程式のこのように定められたシステム(方程式の非線形システムに対するニュートン・ラフソン法あるいは多次元正割法、特にブロイデン法のような種々の公知の数式を用いることにより)を解くことにより、位置決めセンサ14の位置と方位は決定される。このような方程式のセットを解くために幾つかの可能な数式を記述したものは、”ウイリア
ム、H、プレスら(William H.Press et al)「Cに於ける数的処方。科学的計算法(Numerical Recipes in C.The Art of Scientific Computing)」第2版、ケンブリッヂ大学出版、1992年”に見られる。位置決めセンサの位置と方位は、モニタ27上に映し出される。
【0053】
位置情報から心臓の動きの人為性を取り除くように、ECGモニタは、センサコイルからの信号取得の同期用に使われる。また、参照センサは、試験されるあるいは処置される器官、例えば心臓のような器官の部分に付けられ、これにより呼吸による動きや患者の動きに対して補正が出来る。このようにして、得られたセンサ位置は、器官構造を参照するようになり、あまり意味がないが外部の参照フレームを参照しなくて済む様になる。
【0054】
信号プロセッサ26のアナログベースの実施例では、幾つかのパラメータは、アナログ回路を用いて計算される。図8は、信号プロセッサ26のアナログベースの実施例の概略図である。この実施例では、周波数f1、f2、f3の3個のサイン波信号と3個のコサイン波信号が、図6の実施例で使われたSIGとCUR信号に加えて使われている。SIGとCUR信号は、12個の相感受性のフィルタ(相関器)80により濾過され、図9に示すようにSIGとCUR信号のサインとコサイン成分を示す信号を作ることになる。
これらのアナログ信号は、A/D変換器82のセットに送られる。電場と電流並びに位置は、図6に関して前述したと同じように計算できる。
【0055】
図9は、図8のアナログフィルタエレメントの内の可能な具体例の拡大図を示す。各アナログフィルタエレメントは、3個の入力:コサイン波cos(2πfc)、サイン波sin(2πfc)と周波数成分fcが抽出されることになるSIGSまたはCURSのどちらかの信号を持っている。アナログフィルタエレメントないで、信号は、積算器84、86の中でsin(2πfc)とcos(2πfc)とで積算される。結果は、ローパスフィルタ88、90を通して送られ、信号の望みの成分を与える。
【0056】
以上の記述は、主として2個以上のセンサのセットによる情報取得に関するものであり、この情報は、遠隔対象物、あるいは医療デバイス、医療機器のような遠隔対象物上のポイントの位置と方位を決定する。遠隔対象物が1セット以上のセンサを持ち、好ましくは2から6セットのセンサをもつことは本発明の範囲内であるし、そうすることにより、好ましくは参照フレームに関連して、対象物の形状および/あるいは構造を決定するために充分なパラメータが与えられる。例えば、もしカテーテルが、遠心端の近傍に位置した付加的セットのセンサを持つとすると、カテーテルの部分の形状および/あるいは構造を決定する事が、可能になるだろう。
【0057】
同様に他の観血的処置、例えばS状結腸鏡検査あるいは結腸鏡検査に対して、使用した全てのあるいは一部の鏡の形状および/あるいは構造を決定する事が出来よう。
本発明を実施するのに必要な機器は、普通のものである。
本発明の実施例の1つでは、コントローラは、単純な常備品であるIBM486コンパチブルのコンピュータである。A/Dボードは、市販のもので、各チャンネル上で1秒間に500から40,000サンプルを、サンプリングできる周波数を持った少なくとも8チャンネルをサンプリングできる特性を有する。そのようなA/Dボードの例は、米国のテキサス州のナショナルインストルメント会社から入手できるナショナルインストルメント AT−MIOー16Xである。
【0058】
D/A機能は、市販の8ー21ビット解像度のD/Aボードを使用することにより、達成される。そのようなD/Aの例は、ナショナルインストルメント A/D,D/A ボード AT−MIOー16X、あるいはナショナルインストルメントDSPモデルATーDS2200である。放射ドライバ増幅器市販されており、2ー16Ω出力インピーダンスと60から500ワットの出力パワーを持つ。そのような増幅器の例は、韓国ソウル市のインケル社から作られているインケル増幅器型NAー420である。
放射器も市販されており、以下の特性を持つ:半径1から6cm、厚さ0.5から3cm、直径0.1から0.95mmの銅線で作られた100から500回の巻き線を有する。そのようなコイルの具体例は、直径0.41mmの銅線の151の巻き数を持った厚さ1cm、半径4cmを有するコイルである。
【0059】
前述のセンサが好ましいが、ホール効果センサ例えば米国のアレグロ・ミクロ・システム社から入手できるもの、あるいは磁気レジスタセンサ、センサ、フラックスゲート磁気センサ、そして/あるいは他の磁気フラックスセンサのような幾つかの応用に適している。
制御器40は、意図した機能を行うためのユニットの集合を表す。例えばそのようなユニットは、情報あるいは信号、プロセス情報、制御器としての関数、デイスプレイ情報、そして/あるいは一般情報あるいは一般信号を受ける。典型的には、制御器40は、1個以上のマイクロプロセッサより成る。本発明の好ましい実施例に従って、カテーテル10の活性部分16は、前方注視型の超音波送/受変換器である。そのような変換器は、パルス発信の音響エネルギーのフォーカスされたビームを照射し、その後ビームの道に沿った音響特性の変化により、反射されたビームのエコーを測定することにより、その前にある材料の音響特性の1次元マップを与える。3次元画像を与えるためには、好ましくはその位置をあまり変えることなくビームの方向を変更することが必要である。
【0060】
とりわけ、そのような操作出来る1次元音響変換器は、心臓の内側から心臓の壁あるいは血管を、超音波的にマップするのに使用される。心臓の参照ポイントにある参照位置決めセンサと音響パルスのECGゲートと連結した場合、そのような変換器は、心臓あるいは血管あるいは他の器官の3次元画像を形成するのに必要な情報を、心臓の1個あるいは数個の異なった位相で発生することが出来る。
【0061】
操作メカニズムの好ましい2個の具体例の原理は、それぞれ図10A−10B、11に示されている。図10Aは、カテーテルの遠心端にフィットしており、かつ操作ヘッド
96に付けられている2本の操作ワイヤより成る操作メカニズムを示す。ヘッド96は、ステンレススチールのような比較的に柔軟な材料で形成されており、軸方向に切り目が入っており、半枚の各側面にはワイヤ94に結び付けられている。そのようなヘッドは、2本のワイヤ(94)とその端末で結びつけられ、そしてもっと簡単に曲がった構造になるようにワイヤを平らにすることにより、作られている。
【0062】
好ましい実施例では、超音波送/受変換器である活性部分16と位置決めセンサ14を納めている比較的堅い覆いが、操作ヘッドの遠心端に結びつけられている。
少なくともヘッド96とワイヤ94は、提示を明確化するために、図10A−10Cには示されていないが、カテーテルの鞘104に納められている。この操作メカニズムは、他の活性部分例えば電気生理学マッピング処方あるいは位置決めセンシングの有無に関わらずカテーテルの改良操作法あるいは他の多くのタイプの活性部分に用いることが出来る。
【0063】
図10Bでは、ワイヤ94の1本が、他方に比べて短くなっている。カテーテルの鞘は、2本のワイヤを保持しているので、ワイヤの1本を短くするとヘッドは曲がることになり、曲げは軸方向のスリットで楽に出来るようになっている。
位置決めセンサ14と活性部分16は、位置決めセンサの位置と方位の計測により活性部分(超音波変換器)の位置と方位を捉えられるように堅く結びつけられている。カテーテルの曲げ角度と回転角度を変更することにより、360度の画像のイメージングが可能になる。図10Cに示すように、付加的にあるいは2者択一的に他のワイヤを短くすることにより回転の大きさを緩和できるし、多方向への曲げも出来ることになる。変換器のわずかな動きも、特別な位置に関連した1次元取得画像を簡単に解釈することにより補正できる。
【0064】
図10Dは、カテーテルの近傍端末に位置しているメカニズム98が、わいや94の相対的長さを変更していく様子を示している。ハンドル100は、カテーテルの鞘104が結びついている覆い102より成っている。ワイヤの近傍端末は、ループ状に形成されて
おり(例えばワイヤの端を溶接することにより)、好ましくは固定されておりワイヤと摩擦接触しているスピンドル106の周りに、巻き付けられている。レバー108は、その覆いの中心近くのピン110で回転できるように取り付けられており、レバーは、ワイヤ94の一端でかつその覆いに平行にスライドできるスライダ112の多端で結びつけられている。そのスライダを動かすと、遠心端のワイヤ94の一方は、他方に関して長くなる。
【0065】
図11は、代わりの操作メカニズムを持ったカテーテルの遠心端を示す。比較的堅いスリーブ114は、カソードの鞘104内に置かれている。スリーブ114は、カテーテルの近傍端から鞘に関して軸方向に動かすことが出来る。スリーブ104の遠心端は、デイスク116で形成されており、比較的堅さを和らげたワイヤ118が、そのデイスクを貫通して通っている。ワイヤ118は、その遠心端の近くで永久曲げを持って形成されており、その端に位置決めセンサ14と活性部分16が、結びつけられている。スリーブ114の軸方向への移動は、ワイヤ114を真っ直ぐにしその結果、位置決めセンサと活性部分の方位を変化させることになる。ワイヤ118が、軸から逸れると、ワイヤを回転させカテーテルを回転させることになる。
【0066】
音響ビームの操作も、可動ミラーあるいは位相配列超音波変換器により行い、そのようなミラーあるいは他の配置はその活性部分内に存在させるようにすることを理解するべきである。そのような能動的スキャンが、図10、11により与えられる受動操作を補完し置換する。
図12は、本発明の好ましい実施例に従って、超音波取得とイメージ形成を行う簡略化されたシステムブロックダイアグラムである。前述の超音波センサのようなイメージセンサ120は、送信器ドライバ回路124から受信した信号に応じて音響パルス122を送る。音響エコー126(一般的に数個のエコーより成っているが)は、エコー信号を作り出すイメージセンサにより受信され、そのエコー信号は、増幅されて受信器プロセッシン
グ回路128に送られ、出力130で一次元イメージを発生する。心臓イメージの位相を同定する情報も、複数の出力ポートより成る出力130に出る。ェりわけ心臓イメージングに有用な本発明の1つの実施例では、イメージの取得は、ECGモニタ132から受信される信号に応じてなされる。この事は、種々の一次元イメージを簡単に三次元イメージに再構築できるように、心臓サイクルの特別な部分でのイメージ取得を考慮に入れている。
【0067】
とりわけ、もし最も有意義なエコーが、センサの測定方向に沿って超音波センサからその室までの距離を測定するのに使用されるとすると、そのような距離の収集(その室の参照ポイントとする)により、表面形態の再構築が出来ることになる。
図13は、三次元イメージ再構築システムの簡素化ブロックダイアグラムを示しており、それは図12の回路により発生した一連の一次元イメージを利用し、かつ前述の位置決め装置及びその関連回路より発生した位置と方位情報を連続的に感知して利用している。一般に各一次元イメージ取得と一致するように感知された位置と方位を得ることは有用である。カテーテルの遠心端を操作するための前述の種々の方法の内の1つは、複数の方位を伴った複数の一次元イメージを取得するのに使用される。図10、11の原理に従ってイメージヘッドの方向を連続的に変化させるために、かつオペレータの干渉を必要としないようにカテーテルを回転させるために、自動メカニズムを使用しても良い。
【0068】
イメージ再構築プロセッサ132は、感知された位置と方位に従って個々の一次元イメージを指向しかつ参照し、そして一連の二次元スライスあるいはフルの三次元構築の形でイメージデイスプレイ13上に送ることが出来る三次元イメージを形成する。心臓サイクルでの異なったポイントのイメージが取得されると、表示されたイメージは再構築のシネイメージとなりうる。
本発明の好ましい実施例では、二次元イメージは、超音波センサにより取得され、そのセンサは、あらかじめ決められた通路に超音波ビームを回折する軸の周りに回転するミ
ラーと共に単結晶の音響結晶の計画的アレイとなり得る。
本発明の好ましい実施例では、能動部分16は、心臓上の選択できる位置で発生した電気信号を感知するためのセンサより成る。
【0069】
以下に述べるように、電気信号のこのようなセンシングは、心臓の電気的活性度をマッピングするのに使用される。この能動部分は、心臓をペーシングするため、そして/あるいは心臓の部分を切除するために有用な電極を包含する。このような切除は、最も一般的な致命的心臓不整脈、心室性頻拍(VT)すなわち心筋の急速で無駄な収縮の処置に特に有用である。VTは、年間約30万人の死亡原因となっている。勿論他の不整脈の処置に有用である。
心臓/切除の電気的マッピングに有用なカテーテルは、図14に概略的に示されている。
能動部分16は、長さ1から12mm、好ましくは約2mmの白金製の伝導性チップから成っている。このチップは、チップ電極引き込みワイヤ138を経由してカソード近傍端のスイッチに接続されており、そしてこのスイッチは、チップをペーシングあるいは切除用電圧源にスイッチするか、あるいは心臓から発生した電気信号を検出するための検出器にスイッチする。
【0070】
伝導性リング電極136は、位置決めセンサ14の近くで、カテーテルの鞘104の外側に設置され、そしてアースあるいはリターンリード140を経由して記録器に接続される。以下に述べるようにペーシングに用いる場合は、1から10maパルスが、チップ16とリング電極136の間に用いられる。切除に用いられるときには、10−100V、約0.5MHzのRFエネルギーが、10ー200秒間用いられる。
位置決めセンサ14は、チップとセンサに堅く結ばれており、チップは、偏心ワイヤ142により操作される。捻れワイヤリードは、リード138、140により運ばれてくる比較的高電圧からのピックアップを減少させるために、シールド144により遮蔽されるのが好ましい。電気絶縁性熱シールド146を、チップと位置決めセンサの間に置くのが好ましい。
【0071】
図15は、本発明の好ましい実施例に従って、基本電気心拍曲線マップを得るための概略ブロックダイアグラムである。好ましい具体例で食道心エコー検査器を用いると、心室の多面イメージは、マッピング研究前に得られる。イメージは、心臓サイクルの間にポイントに調子を合わせてのみ得られる。好ましい具体例では、そのイメージは、拡張終期の同期信号に対応して拡張終期に得られる。心室の3次元イメージは、再構築され、心内膜の形態と心室内部の一個以上の参照カテーテルの位置を示す。このイメージは、食道の三次元超音波イメージにより、CTスキャナーにより、MRIスキャナーにより、あるいは他のイメージ技術により得られる。
【0072】
そのイメージは、カテーテルを心室(心内膜)の多くの場所での表面に触れさせることにより、またその場所を測定することにより構築される。これらのポイントは、心室表面を表す三次元表面を記述するのに使われる。
6個以下の位置と方位の値が決定された以前のPCTと米国出願(PCT/US/08352、1994年7月20日と1994年8月にそれぞれファイルされた)では、設置可能参照カテーテルは、能動カテーテルの位置を参照にする参照平面を形成するために心臓の中で3ヶ所に置かれた。例えば設置可能参照カテーテルは、右心室の頂端、右心房付属肢、肺動脈弁のレベルにある肺動脈にそれぞれ好んで置かれた。ここまで述べてきたように位置決めセンサ14を持っている参照カテーテルが、参照目的に使われるとき、マッピングカテーテルの相対的位置と方位を定めるために、唯一のセンサが必要である。これらのいずれの場所も使用可能であるが、現在では冠状血脈洞端部に参照センサを置くのが好ましい。
【0073】
図16は、コンピュータ処理された心内膜活性化マッピングアルゴリズム(血脈洞リズムマッピングの間と心室頻脈マッピングの間に使われる)を示すための概略ブロックダイ
アグラムである。可視式かつ可聴式インジケータは、好ましくはデータポイント取得の開始を示す。電気活性度と位置/方位データの両方は、マップ中の各ポイントに対して取得される。カテーテル位置情報の取得は、図16のブロックダイアグラムの左の枝部分に示されている。マップ用電極は、心内膜と確実にかつ安定して接触している。安定した接触は、位置読み取りの安定性、感知された電位図の安定性と接触のインピーダンスを測定することにより決定される。
【0074】
マッピングカテーテル中の位置決めセンサの位置と方位は、前述した方法に従って連続的に決定され、拡張終期同期信号に応じて蓄えられる。マッパーカテーテルのチップは、六次元の位置と方位の各々に差を見いだすことによって、参照カテーテルに関して局所化される。一般的に言って、本応用に対して、マッパーカソードの方位は必要ではないが、位置と方位を内部心臓座標システムに適宜変換することは、修得されねばならない。
【0075】
同時にマッパーカソード・チップでの心臓の活性化時間は、図16の右側に示されたように決定される。最初にマッパーカテーテルのチップに於ける局所電気心拍曲線を得て、活性化時間は、
局所電気心拍曲線の振幅と傾斜をテンプレートに比較して計算されるか、あるいは人為的に使用者により計算される。その局所活性化時間は、患者の皮膚上のECG端末により測定される活性化時間を参照して、決定される。使用者は、データ取得のプロセスを終了させることが出来るし、あるいは以下に述べるように、活性化時間の空間グラヂエントに関して情報密度用のすでに取得されている活性化マップを調べる活性化評価マップアルゴリズムにより評価することが出来る。このアルゴリズムは、活性化時間検出用の次の好ましい場所を示すことが出来る。カテーテルは、使用者により新しい場所に動かされて、マッピングプロセスは、続行される。
【0076】
VTの間、データポイントは、心臓動悸の約4から6毎に決定される。このようにして1分あたり、おおよそ15から25、典型的には約20のデータポイントが、決定され
る。
図17は、コンピュータ処理されたペースマッピングアルゴリズムを示すための概略ブロックダイアグラムである。可視式かつ可聴式インジケータは、データポイント取得の開始を指示する。
位置情報の取得は、前述のn回(nは稼動平均期間である)の心臓鼓動中の平均マッパー位置が計算される以外は図16のそれと類似している。
【0077】
図17の右側は、ペースマッピングモードでのACI(自動相関指数)の決定法を示す。
”ペースマッピングモード”で、ECGプロセッサはECGデータを得るが、患者の心臓は、患者の不整脈サイクル長に類似の速度で外部の電源でペース付けされる。ECGデータも体表面のアルゴリズムより得られ、信号は、数サイクルの長さを持ったECGのセグメントとして蓄えられる。得られた信号は、患者のVT信号と自動的に比較される(図18を参照)。不整脈形態とペース化された形態の間の比較は2段階で行われる。まず第1に、テンプレートVT信号とペース化されECG形態の間の位相シフトは、2つの信号に対する最小誤謬あるいは最大相互相関を用いて、算定される。それから指標ECGチャンネルから算定されたこの位相シフトを用いて、VTとペース化されECG形態の間の類似性は、相互相関の平均としてあるいは記録された全チャンネルの2つの信号のスクエアエラーとして測定される。
【0078】
異なるECGチャンネルを位相シフト決定のための指標チャンネルとして用いることにより、この2段階計算は各回に反復される。
この手法の最後では、見いだされた最小誤謬あるいは最大相互相関が、このペーシング場所のACIとして作業者に報告される。
図18は、本発明の好ましい実施例に従って、ペースマッピングさせながら相互相関指標を計算するために使われるアルゴリズムを示すための概略ブロックダイアグラムである。
人体表面ECGデータは、2段階で得られる。第1に、自動的にあるいは誘起されたVTをペーシングする間、そして第2に、異なった場所での心内膜をペーシングする間。VTの間に得られたECGデータは、平均化された信号であり、テンプレートが構築される(TCH、記録された各チャンネルに対して)。ECGデータは、心内膜のペーシングの間に得られるし、動悸の同数(N)は、平均化された信号QRS(PCH、記録された各チャンネルに対して)。そこでのこのアルゴリズムは、PCHとTCHの間の位相シフトを計算し、それが第1チャンネルに対して最大相互相関を与える。この時間シフトは、残っているチャンネルのシフトに使われ、そしてそれらに対して相互相関を計算する。全チャンネルに対する全相互相関は、合算され蓄えられる。それからアルゴリズムは、このチャンネルで最大相互相関を引き起こす時間シフトを計算するために、記録された次のチャンネルを使うことになる。さてこの時間シフトは、全てのPCHとTCHの間の相互相関に対して適用され、再び全相互相関は、合算される。この手段は、全てのチャンネルに対して繰り返され、達成された最大相互相関は、心内膜上のこの場所でのPCHとTCHの間の相互相関の値として使用される。
【0079】
図19は、本実施例の出力構成を示すための概略ブロックダイアグラムである。心室の準静的映像は、前もってあるいは前述した研究の間に得られた基本イメージの3次元再構築として示される。マッピング/除去カテーテルの位置(参照カテーテルの移動に対しては補正されるが)並びにマッピング研究から得られた現在と以前の情報は、イメージ上に二重写しされる。この情報は、適正であれば、活性化時間(各取得場所でのカラーコードを用いて示される)あるいはペースマップ中の各ポイントに対する相互相関指標(ACI)を包含する。さらに、マップは、局所電位図の期間をコーデイングする色で、電気生理学的プロセッサにより計算された種々の他の変数のみならず断片的活性度の存在を表現できる。
【0080】
以上の原理は、例えば膀胱、脳、あるいは胃腸管の体の他の構造をマッピングするために応用できる。検査技術に依存するが、カテーテルは、尖端が設置可能なセンサポートである針で置き換えても良い。
各データポイントが得られた後は、各段階(血脈洞周期マッピング、ペースマッピング、VTマッピング)で全ての利用できる情報は、次の二つの目的のために再評価される:第一に、データ取得のための次のサイトを、オペレータに提案する事、そして第二に、アブレーション用サイトを提案するための利用可能な情報をテストすること。2つのアルゴリズムが、この手法を行うために同時に進行している:
(1)マッピングガイダンスアルゴリズム
このアルゴリズムは、入力として、ある変数の役に立つマップ化された情報(例えば、血脈洞周期間の局所活性化時間)。このアルゴリズムはマップ化された変数(すなはち、この例での活性化時間)の空間導関数を計算し、そしてマップ化された変数の空間成分を、目的関数が秩序立てるとき、他のデータポイントを加えるための次の最良の位置を計算する。例えば、このアルゴリズムはマップ化された変数が、短距離を超えただけで著しく変化する領域で、多くのデータポイントが得られるのだという事を提案することになるだろう。
【0081】
このアルゴリズムで提案される位置は、オペレータに対してデイスプレイ上のシンボルとして提示されることになる。
同じデイスプレイは、すでに心室の基本イメージとマッピング/アブレーションカテーテルの現在の位置を示している。それ故、オペレータは、さらにデータ取得するための提案された位置に到達するために、マッピング/アブレーションカテーテルを動かすことになる。
【0082】
このアルゴリズムは、VTマッピング中では最も役に立ち、そこではデータ取得のための有効時間が、不整脈の血流学的逆効果により制限される。それ故、役に立つデータポイントをリアルタイムで試験し、すぐに取得用の次のサイトを提供することは、有益であ
る。
(2)成功したアブレーションアルゴリズムの予後可能性
このアルゴリズムは、以下にすぐ与えられる規則のような、得られた情報を評価するためにユーザが決める階層規則セットである。
オペレータは、アブレーションのための正しいサイトを同定するための可能性に関して、マッピング/アブレーション手法で得られた特別な情報の重要度を階層分けするように期待されている。
【0083】
そのサイトに於ける成功するアブレーションの可能性を提案するマッピング結果の階層分け(A=成功率が高そうである、そしてD=成功率が最も低そうである):
(a)VTマッピング上への典型的な再入可能な道を、同定可能な共通の遅い道で同定すること・・・・・グレードA;
(b)ペースマップ中で90%以上の補正指標を持ったサイトの同定・・・・・グレードB;
(c)時期尚早の非捕捉性刺激を持ってVTを終了させたサイトの同定・・・・・グレードC;そして
(d)血脈洞周期の間に記録された拡張期ポテンシャルに類似しているVTの間に記録されたプレポテンシャルマップの同定・・・・・グレードD。
他のタイプの心臓電位記録マップも可能である。電位記録データのペース化あるいは非ペース化取得により決定される変数を使うことにより、以下の追加的マップが作り出される:
(1)血脈洞周期活性化マップ(等時性マップ);
(2)拡張期ポテンシャル発生時間マップ(等時性マップ)
(3)ペースマッピング間の局所待ち時間等時性マップ;
(4)VT間の活性化時間等時性マップ;そして
(5)VTマッピング間のプレポテンシャル等時性マップ。
また、時期尚早の非捕捉性刺激を持ってVTを終了させたサイトが、提供されうる。
上記のマッピング手段の追加的詳細のみならず、これらのマップとマッピングに適した他の因子並びにその決定のための手段の取得は、前記の米国特許出願08/094539号とPCT出願PCT/US94/08352の中で、見いだすことが出来る。
【符号の説明】
【0084】
10 カテーテル、11 患者の動脈、12 本体、14 センサ、15 カテーテルの遠心端、16 活性部分、18 20 22 放射器、26 信号処理器、27 モニタ、40 制御器
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用機器の診断および取扱いならびに映像システムに関するものである。さらに詳しくは、その位置を検出し調節できる医療プローブに関するものであり、さらなる検出機能、イメージング機能そして/または治療機能を有する医療プローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カテーテルのような種々の医療方法ならびに体内のイメージングに適したプローブは、かなり一般化している。そのようなプローブには、バルーン血管形成カテーテル、レーザ切除、電気切除、あるいは低温切除特性を備えたカテーテル、超音波イメージングヘッドを持っているカテーテル、ほぼ無切開に近い外科手術あるいは診断に用いられるプローブ、内視鏡が挙げられる。このようなプローブを治療用に使用するところでは、プローブを人体の構造に関して注意深く位置決めしなければならない。超音波システムのようなイメージングシステム用でも、ある程度の位置決め能力は述べられてきた。
心臓血管検査に於いては、また観血的手法(体内侵入部材による方法)を用いる検査に於いては、多様なカテーテルを脈管系に挿入した後、心室まで近づける。その手法それ自身はX線透視装置による誘導で一般的に行われ、そのためには透視線源としてのX線の連続線源を使用する必要がある。X線透視装置を使用して得られた画像は、二重写しされたカテーテルの位置を示した解剖体の2次元デイスプレイである。心室と血管はX線照射に対して透明であるから、解剖体は比較的低い解像度で見ることが出来る。
【0003】
最近心臓カテーテル使用のプロセスを容易にするために、主として医者が血管内のカテーテルの先端の通り道をフォローする事が出来るようにすることによった幾つかの技術が開発されてきた。
この技術の幾分かは、放射線感応コントラスト色素を注射した後、血管を観察でき、かつその画像の上にカテーテルの通り道を二重写しする事が出来るデジタル減算X線撮影法に基づいている。これらの技術は、心臓カテーテル使用時にハイリスク患者の罹患率の原因となるラジオパック色素を使用する必要がある。
【0004】
引例文献としてここに開示しているが、フェイラー(Pfeiller)らの米国特許第5,042,486号には、電磁場を用いることによりカテーテルの先端が位置決めされるという方法が述べられている。カテーテルが導入され、その先端の位置が追跡される。先端の通り道は、あらかじめ登録された血管あるいは器官の画像上に二重写しされ、かつそれを通してカテーテルは前進させられた。しかしながら、この技術は、その方法を行う前に画像取得と画像プロセッシングを必要とし、かつこの方法に先だって得られた画像を正確に整列させるための極めて高度な長時間を要する手法を必要とし、かつカテーテル法を行っている間血管あるいは器官の方位測定と位置決めを必要とする。
【0005】
例文献としてここに開示しているが、マーティネリ(Martinelli)らの米国特許第4,821,731号には、超音波を用いて生体の体内画像化を行う方法が、開示されている。この特許の中では、超音波イメージングカテーテルの位置は、参照信号に対する超音波トランスデユーサの応答を用いてカテーテルの相対的位置を計算して決定され、かつ本質的に垂直な異なった周波数の磁場によって一本のコイル中に誘起された信号を決定することによりカテーテルの軸周りの方位角を計算することにより決定される。超音波トランスデユーサは、カテーテル軸に垂直な方向に超音波信号を送り、検出するためにも使われる。カテーテルを回転しその軸に沿ってカテーテルを動かすことにより、超音波イメージが創られる。またそのカテーテルは、動脈壁の病巣から組織を切除するために、レーザ光線をカテーテルの末端にまで送ることが出来るものとして記述されている。
【0006】
カテーテル中に設置された超音波送信機を用いた患者の中に設置する事が出来るカテーテルは、米国特許第4,697,595号に、また技術記録;ブライヤ(Bryer)らの医療工学および生物工学並びにこれらのコンピュータ工学(Medical and Biological Engineering and Computing),1985年5月号、268-271頁「超音波で標識化されたカテーテル、エコグラフィックカテーテルの位置決めと同定」に開示されている。また米国特許第5,042,486号には、非イオン化場を用い、かつ以前に得られた血液の放射線法による画像上にカテーテル位置を適宜写して患者中に設置することが出来るカテーテルが開示されている。
引例文献としてここに開示しているが、PCT特許公報WO 94/0938には、カテーテルの長軸と同一軸の単一コイル型のセンサを用いたシステムが記載されており、かつ患者の人体の外にある3個の多コイル発生器で発生された場に感応するセンサが記載されている。
【0007】
カテーテルまたは内視鏡の位置決めのための他の方法並びに装置は、米国特許第5,253,647号、第5,057,095号、第4,095,698号、第5,318,025号、第5,271,400号、第5,211,165号、第5,265,610号、第5,255,680号、第5,251,635号、第5,265,611号に示されている。
米国特許第3,644,825号には、センサの位置決めにセンサの相対的運動を用いたシステムが記載されている。相対的運動は、位置と方位を同定するのに必要な感応コイルに情報を与える。しかしながら、このような解決法は、対象物と参照骨格の間に相対的運動のない対象物の場所と位置の同定には用いられない。
【0008】
引例文献としてここに開示しているが、米国特許第3,868,565号には、離れた対象物の相対的位置と方位を連続的に決定するためのトラッキングシステムが含まれている。このトラッキングシステムは、複数のセンサと複数の放射アンテナの双方に対して直交した位置にある環状部を含んでいる。これらの環状部に対する適当な励起電流を用いて、放射ア
ンテナは、これらのアンテナからセンサヘ放射される電磁場を発生する。このトラッキングシステムは、閉鎖された環状システムとして働き、その中では制御手段が遠隔対象物にあるセンサで感受される場を測定するし、遠隔対象物に対する指向ベクトルとして放射する点頭場を与えるために放射アンテナに情報を送り返すことになる。
【0009】
同様に、引例文献としてここに開示しているが、クーパー(Kuipers)は、彼の米国特許第3,868,565号の中で、指向ベクトルの周りで回転し、かつ対象物の相対的方位決定に加えて遠隔対象物を追跡するか位置を定める電磁場について述べている。放射コイルが適当にデザインされた波形で充満されるこのシステムが、磁場を発生し、その磁場が、閉鎖されたループの中で、遠隔対象物の方位を決定するのに必要な情報を発生するために、処理手段中にフィードされうる。
【0010】
引例文献としてここに開示しているが、米国特許第4,054,881号には、参照骨格に関して遠隔対象物の場所と位置を決めるための非トラッキングシステムが記載されている。この事は、電気信号すなわち互いに多重化されかつ放射された電磁場の分極性と磁気モーメントを特性付ける情報を含んでいる電気信号を、3個の互いに直交した放射アンテナに対して用いることにより達成される。この放射化された場は、遠隔対象物に対し公知の関係を持っている互いに直交した3個の感受アンテナによって、検出され測定される。1個の位置パラメータあるいは1個の方位パラメータと組合わせて、これらの9個のパラメータは、感受アンテナの位置と方位に関して感受アンテナの位置パラメータおよび方位パラメータを決定するのに充分である。
【0011】
引例文献としてここに開示しているが、米国特許第4,849,692号には、金属の存在下に2つの身体の相対的位置と方位を決定するための定量法が記載されている。送信アンテナに関して感受アンテナの位置と方位の測定は、直流電磁場信号を用いることにより達成される。電磁放射は、互いに直交した放射アンテナの各々によって続いて送信されるようにデザインされている。感受アンテナは、送信された直流磁場、すなわち一度に一次元の値と同様に地磁気の値を測定する。この方法は、遠隔対象物の場所と位置を決めるために、反復して取得し計算する必要がある。
飛行機とヘルメットに対する多次元の位置と方位を決定するための当業者に公知の他の方法は、引例文献としてここに開示しているが、米国特許第4,849,692号、欧州特許公報 0576 187 A1、英国特許第2,197,078 A,米国特許第4,314,251号に記載されている。
【0012】
非医学的応用で使用される前述の公知の方法は、カテーテルでの使用に適さないセンサと他の構造を使用している。医療プローブ用として有用であると記載されているこれらの参考文献は、一般に六次元以下の情報を与える(三個の位置座標と三個の角座標)。
引例文献としてここに開示しているが、本出願の被譲渡人に譲渡された前の未公開の出願特許;1994年7月20日にファイルされた米国出願特許第08/094,539号 および 1994年7月20日にファイルされたPCT出願 PCT/US94/08352 には、カテーテルを合同したシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,042,486号公報
【特許文献2】米国特許第4,821,731号公報
【特許文献3】米国特許第4,697,595号公報
【特許文献4】PCT特許公報WO 94/0938
【特許文献5】米国特許第5,253,647号公報
【特許文献6】米国特許第5,057,095号公報
【特許文献7】米国特許第4,095,698号公報
【特許文献8】米国特許第5,318,025号公報
【特許文献9】米国特許第5,271,400号公報
【特許文献10】米国特許第5,211,165号公報
【特許文献11】米国特許第5,265,610号公報
【特許文献12】米国特許第5,255,680号公報
【特許文献13】米国特許第5,251,635号公報
【特許文献14】米国特許第5,265,611号公報
【特許文献15】米国特許第3,644,825号公報
【特許文献16】米国特許第3,868,565号公報
【特許文献17】米国特許第4,054,881号公報
【特許文献18】米国特許第4,849,692号公報
【特許文献19】米国特許第4,314,251号公報
【特許文献20】欧州特許第0576 187 A1公報
【特許文献21】英国特許第2,197,078 A
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】コンピュータ工学(Medical and Biological Engineering and Computing),1985年5月号、268-271頁「超音波で標識化されたカテーテル、エコグラフィックカテーテルの位置決めと同定」
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施例に従って、人体に設けられたカテーテルに対し、六次元の位置と方位決定のためのシステムの応用を図式表示したものである。
【図2】本発明の好ましい実施例に従って、六次元の位置決め能力を持つ一般的なカテーテルの概略断面図である。
【図3】六次元の位置決め用センサの好ましい具体例を示したプローブの部分を示すよりグラフィックな図である。
【図4】本発明の好ましい実施例に従って、カテーテルの六次元座標を決定するのに使われる回路のブロック線図である。
【図5】本発明の好ましい実施例に従って、制御順序と図4のブロック線図への適用を示した基本フローチャートを拡大して詳細に示す。
【図6】本発明の好ましい実施例に従って、信号処理器でデジタル信号処理を示すブロック線図である。
【図7】ポイントでの磁場を形成するベクトルの三次元図表示である。
【図8】本発明の好ましい実施例に従って、信号処理器でアナログ信号処理を示すブロック線図である。
【図9】本発明の好ましい実施例に従って、図8に示されたアナログフィルタエレメントの簡略図である。
【図10A】本発明の好ましい第一実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図10B】本発明の好ましい第一実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図10C】本発明の好ましい第一実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図10D】本発明の好ましい第一実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図11】本発明の好ましい第二実施例に従って、カテーテルの先端を方向付ける原理を説明している。
【図12】本発明の好ましい実施例に従って、超音波取得と信号処理回路のブロック線図である。
【図13】本発明の好ましい実施例に従って、画像再構築回路のブロック線図である。
【図14】本発明の好ましい実施例に従って、電気的センシング、ペーシング、切除用のプローブの部分的概略図であり、部分的断面図である。
【図15】本発明の好ましい実施例に従って、基本電位図マップを取得するための概略ブロック線図である。
【図16】本発明の好ましい実施例に従って、心内膜のコンピュータによるマッピングアルゴリズムを示す概略ブロック線図である。
【図17】本発明の好ましい実施例に従って、コンピュータによるペース・マッピングアルゴリズムを示す概略ブロック線図である。
【図18】本発明の好ましい実施例に従って、ペース・マッピングしながら相互相関インデックスを計算するために使用されるアルゴリズムを示す概略ブロック線図である。
【図19】本発明の好ましい実施例に従って、画像化システムの出力形状を示す概略ブロック線図である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そのカテーテルは、カテーテルの三次元での位置を決定できる位置測定デバイスを包含しているが、方位を決定できない。これらの応用では、このカテーテルは、心臓の内壁での電気活性のマップを作るために使用され、かつそのようなマッピングに従って心筋の一部を切除するために使用される。マッピング/切除機能に用いられるカテーテルの位置は、参照面を形成するために心臓の内壁に対して、三個の安定な場所に位置づけられる三個の位置検出デバイスを参照として決定される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一般に本発明はカテーテル位置決め手段と、感応化された局部情報と同化された場合には高解像度になり、情報の詳細なマップとなる定量的高解像度の位置決め情報を提供する方法を、開示するものである。このマップは場合によっては、画像あるいは器官の構造の他の表現の上に二重写しされてもよい。
参照フレームに比べて非反復方法で遠隔対象物、具体的にはカテーテルに関する位置と方位情報を、連続的に発生するのが好ましい。
【0018】
本発明の一面は、カテーテルと共に用いるのに適した新規な六次元の位置決め装置の条項に関するものである。このシステムの好ましい具体例としては、複数の非同心円状コイルを設置可能な場所、例えばその遠心端近くのカテーテル中に置く。そのコイルは直交軸を持つのが好ましい。そのコイルの位置決めは、コイルが空間で分離され同心円でない公知の方法で記載している位置決めとは、異なっている。これらのコイルは印可された外部磁場に対応した信号を発生し、それにより六次元の位置と方位が計算が出来る。
本発明の第二面は、外部から印加された電磁場の系に対応してコイルから作られた信号により、多次元の位置と方位を計算する方法を指向しているものである。
【0019】
本発明の第三面は、本出願の被譲渡人に譲渡された前に引例した出願特許に記載されているのと同様に、ただ唯一の六次元の位置と方位検出センサを参照のために使用するだけという単純化法で、心臓の内部をマッピングする事を考慮に入れていることである。
本発明の第四面は、外部の電磁場に対応して六次元の位置決め能力のある超音波あるいは他のイメージングプローブを包含する。そのようなプローブの使用が、位置決めのためのイオン化照射あるいは音波によるセンシングを使用することを未然に防ぎ、かつ位置と方位が完全に判っている超音波あるいは他のイメージング情報を与えることになる。
本発明の第五面は、カテーテルの方位に向けてコントロールされた変化を加えるための方法及び装置を包含する。またそれによりカソードの巧みな操作及び簡単な設置が考慮されている。
【0020】
本発明の第六面は、超音波プローブのような非スキャンプローブを用いて二次元あるいは三次元イメージングさせるか、あるいは二次元スキャンプローブを用いて三次元スキャンをさせる方向でのコントロールされた変化を利用するものである。
それ故、本発明の好ましい実施例に応じて、観血的の医療機器例えばカテーテルあるいは内視鏡の位置と方位を決めるための以下の事よりなる位置決めシステムを提供する:
公知の識別可能な場、好ましくは連続性交流磁場を、ドライブ信号に応じて発生させる複数の場発生器;
該場に応じてセンサ信号を発生する観血的の医療機器中の遠心端近傍に位置した複数のセンサ; ならびに
該ドライブ信号と該センサ信号に対応した複数の信号に対する入力を持つ信号処理器、ならびに観血的の医療機器中のある点の三個の位置座標と三個の方位座標を作る信号処理器。
【0021】
好ましくは、複数の場発生器あるいはセンサの一つあるいは両方が、三個の識別可能な非多重性の場発生器あるいはセンサよりなるものである。
本発明の好ましい実施例中では、各々のセンサはコイルよりなる。好ましくは、該複数のコイルはコイル中で交差する軸を持っている。該複数のコイルが三個のコイルで構成されている場合、該コイルはある点中を必ずしも交差しない軸を持っていることが好ましい。
信号プロセッサは、ドライブ信号とセンサ信号に対応した信号に相互相関する事が好ましい。
各々の発信器で発生した場は、異なる周波数、異なる位相あるいは異なる周波数と異なる位相の両方を持つことが好ましい。
【0022】
本発明の好ましい実施例中では、各場発生器により発生した場が、異なった周波数、好ましくは与えられた周波数の各整数倍である周波数を持つ。
好ましくは、入力の相互相関の期間は、整数の乗数の最小共通積を与えられた周波数で割ったものである。
好ましくは、相互相関の結果は、各該センサにより発生した信号への各電場発生器の効果(貢献)を計算するために使われる。
本発明の好ましい実施例中では、位置決めシステムは、観血的の医療機器中のその点の位置を表示するためのデイスプレイシステムを包含する。
【0023】
さらに位置決めシステムは、参照機器に位置している複数の非多重性のセンサを包含する参照機器より構成されていることが、好ましい。このセンサは、該場に対応してセンサ信号を発生する。該場の中では、該デイスプレイシステムは、参照機器上の点の位置に比例して観血的の医療機器中のその点の位置を表示する。参照機器は、観血的の医療機器である事が好ましい。センサは、観血的の参照医療機器の遠心端近傍に設置されている事が好ましい。
本発明の好ましい実施例中では、位置決めシステムは、局所条件に感応する観血的の医療機器の部分上にある追加センサをも包含する。
その追加センサは、局所電気信号例えば患者の心臓の心内膜からの電気信号に感応し、かつこの信号を患者の体外にある端末に転送する事が好ましい。
【0024】
本発明の好ましい実施例中では、信号プロセッサは、位置座標信号ならびに方位座標信号と心内膜上の複数の点で得られた局部電気信号を処理し、患者の体内の組織を通して電気信号の伝搬を表すマップを作ることになる。
本発明の好ましい実施例中では、追加センサは、心内膜の一部を切除するために心内膜に電気エネルギを供給する。
その位置決めシステムは、心内膜の一部を切除するために心内膜に電気エネルギを供給するために使われる電極を、包含することが好ましい。
本発明の好ましい実施例中では、追加センサは、超音波送信器/受信器である。
その超音波送信器/受信器は、遠心端の先の組織の音響特性の3次元以下の表示を行うのが好ましい。
【0025】
本発明の好ましい実施例中では、その遠心端は偏向可能である。このシステムは、遠心端の異なる方位において得られた複数の該表示を受信し、かつ少なくとも部分的に遠心端を囲んでいる組織の音響特性の3次元マップを作るイメージ再構築回路を包含することが
好ましい。
本発明の好ましい実施例に従って、以下のものよりなる体内超音波イメージングのためのイメージングシステムを提供する:
それらの遠心端において軸方向の超音波イメージング発信器を持っている観血的の医療機器、好ましくはカテーテルあるいは内視鏡。
【0026】
そしてこの発信器は、遠心端の先の組織の音響特性の表示、好ましくは一次元あるいは二次元表示を発信する;
それらの方位を変更するために遠心端を操作する手段;並びに、遠心端の異なる方位において得られた複数の該表示を受信し、かつ少なくとも部分的に遠心端を囲んでいる組織の音響特性の3次元マップを作る画像再構築回路。
さらに画像化システムは、以下のものよりなることが好ましい:
ドライブ信号に対応して、既知の識別可能な場を発生する複数の場発生器;
該場に応じてセンサ信号を発生する観血的の医療機器中の遠心端近傍に位置した複数のセンサ; ならびに
該ドライブ信号と該センサ信号に対応した複数の信号に対する入力を持つ信号処理器、ならびに観血的の医療機器中のある点の三個の位置座標と三個の方位座標を作る信号処理器。
【0027】
遠心端を有する観血的の医療機器、例えばカテーテルあるいは内視鏡の位置と方位を決定する以下よりなる方法を提供するものである:
(a)複数の、幾何学的に異なった交流磁場を発生すること;
(b)遠心端近傍の複数の点にあるセンサにおける交流磁場を感知すること。
(c)発生した磁場及び感知磁場を代表する信号に感応する侵襲性の医療機器の一部の六次元の位置と方位を計算すること。
その交流磁場は、観血的の医療機器の三点で感知されることが好ましい。
本発明の好ましい実施例に従って、以下よりなる超音波体内画像化方法を提供する:
(a)超音波変換器すなわち変換器末端の先の音響特性を表示する該超音波変換器を体内に挿入すること。
(b)変換器の方位を操作し複数の該表示を提供すること;
(c)複数の該表示から少なくとも部分的に変換器端末を囲んでいる領域に於ける組織の音響特性の三次元マップを構築すること。
【0028】
この方法が、各々の表示のために変換器の六次元の位置と方位を決定する事を包含することが好ましい。
その表示は、三次元以下の表示であることが好ましい。
さらに複数の磁場センサ、好ましくはそれらの遠心端近傍のコイルよりなる観血的の医療機器、例えばカテーテルあるいは内視鏡を提供するものである。
複数のコイルは、コイル内では交差している軸を有することが好ましい。
本発明の好ましい実施例中では、この装置は、該遠心端に於ける超音波変換器からなっている。
その超音波変換器は、カテーテル軸の先及び軸に沿った組織の音響特性の表示、好ましくは一次元あるいは二次元表示を提供することが好ましい。
【0029】
さらに、本発明の好ましい実施例中では、この装置は、該遠心端に於ける電気プローブからなっている。そのプローブは、接触している組織により発生した電気信号を感知したり、該信号をカテーテルの近傍端末に導き、そして/あるいは該端末に接触している組織へ切除の電気信号を供給するために、好んで用いられる。本発明の好ましい実施例中では、この装置は、遠心端に於ける局部化学を測定するためのセンサを包含する。
この装置は、遠心端の方位を変更する手段を包含することが好ましい。
さらに、本発明の好ましい実施例に従って、観血的の医療機器、例えばカテーテルあるいは内視鏡の遠心端を操縦するための以下のものよりなる装置を、提供するものである:
遠心端に取り付けられかつ遠心端近傍で曲げられたカテーテルを貫通している相対的にさらに柔軟なワイヤ;
遠心端近傍で真っ直ぐで、かつその時にワイヤをスライド出来るように保持している相対的にさらに堅いスリーブ。それによりスリーブがワイヤ上を滑る場合に、ワイヤと遠心端は真っ直ぐになる。
【0030】
好ましくは、その装置は長軸を持ち、かつワイヤは装置の軸を外して設置される。
さらに、観血的の医療機器の遠心端を操縦するための以下よりなる装置を提供する:
第一端末、すなわち装置の円心端末に取り付けられている該第一端末、に取り付けられている二つの部分を形成するために、長い部分に沿って切り開かれた平坦な相対的に柔軟な部分;
一対のワイヤ、すなわち一端はそれらの第二端で該部分の一つに取り付けられている; そして
ワイヤの相対的長さを変更するための手段。これにより柔軟なエレメントは曲げられ、それにより装置の遠心端の操縦が出来ることになる。
さらに、本発明の好ましい実施例に従って、人体内部の器官の内部表面の三次元画像を作る以下よりなる方法を、提供するものである:
内面内部の複数の方位での該表面までの距離を測定すること;そして表面の画像を形成するために距離を組み合わせること。
好ましくは、距離の測定は、器官内部の複数の点から求められる。距離の測定は、超音波変換器を用いることにより行われる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の基本的に好ましい人体へ適用の図表示を示す。この適用では、カテーテル10は、標準的技法で患者の動脈11へ挿入される。カテーテル10は、本体12、位置決めセンサ14、カテーテルの遠心端15にある活性部分16とから成っている。
本発明の種々の好ましい実施例に従って、活性部分16は、電気センサ、超音波ヘッド、光ファイバ観察ヘッド、電気的刺激器、電気あるいはレーザ切除器、イオンセンサ、酸素あるいは炭酸ガスセンサ、加速時計、血圧あるいは温度センサ、あるいは低温プローブを包含していても良い。
【0032】
一般にカテーテルは、作業者の命令に応じて活動を生かすために、リード、導光管、導波管などを包含している。
カテーテルの遠心端の位置および方位は、位置決めセンサの位置を決定することにより確かめられる。本発明の好ましい実施例に従って、位置決めセンサは、2あるいは3個のアンテナ、例えば2あるいは3個の放射器18、20、22で照射されたコイルから成っ
ており、放射器は患者の人体表面23の外側にある。
【0033】
放射器の設置は、そのサイズや形状のみならず本発明の適用により変わるものである事は理解すべきである。医療用に有用な放射器は、好ましくは直径約2から20cmで厚さ約0.5から2cmの環状に巻かれたコイルから成っており、コイルは同一平面で三角形に並べられ、その中ではコイルの中心は、約2から30cm離れている。棒状の放射器あるいは三角形あるいは四角形のコイルでさえも医療応用に有益であり得る。さらに、うつ向けになった患者が、緊急の技術を含む処置を受けるときには、放射器は好ましくは表面の下あるいは表面に置かれ、そして患者はその上に横たわり、放射器は、処置が施される患者の体の部分の基本的に真下に来る。
【0034】
3個の放射器は、好ましくは以下に述べる方法で放射器ドライバにより操作される。受信アンテナで受信した信号は、放射器18、20、22を操作するのに使われる信号の表示と共に、好ましくは以下に述べる方法で信号処理器26中で増幅され処理されて、遠心端15の位置と方位の指示あるいは画像がモニタ27上に与えられる。
放射器18、20、22は、幾つかの参照フレームに関して固定されている限り、また放射器が重なり合わない限り、すなわち二つの放射器が同一の位置と方位を占めない限りどんな便利な位置と方位に並べられても良い。放射器ドライバ24で操作するとき、位置決めセンサ中の受信アンテナにより感知される磁場を形成する多様な識別可能な交流磁場を、放射器が発生する。
【0035】
その磁場は、それぞれの磁場中の信号の周波数、位相、あるいは信号の周波数と位相の両方に関して識別が可能である。時間多重も可能である。
実際カテーテルの活動端末は、超音波反響情報、電気的活性情報のような情報を収集するために使われても良いし、場合によっては、動脈(あるいは脈)上あるいは動脈(あるいは脈)が通じている器官室28内での処置を行うのに使われても良い。器官室の具体例は、心臓、脳、あるいは胃腸道の房である。以下に詳細を記載するが、心臓の電気的活性
度をより正確にマップする事と、心臓壁をより正確に画像化する事とが、本発明の幾つかの面の特別な目的である。
【0036】
図2は、カテーテル10の遠心端の好ましい具体例を示す概略図である。位置決めセンサ14を示す図は、図3に示す。好ましくはそのセンサは、空芯上に巻かれた2個以上好ましくは3個のセンサコイル30、32、34を包含している。本発明の好ましい実施例に従って、そのコイルは、互いに直交した軸を持ち、その軸の1つはカテーテルの長軸したがって便利に並べられている。同心円状に位置している3個のコイルを含むか、あるいは軸が少なくとも横切っている公知の位置決めセンサ(他の応用に使われている)と違って、本発明の好ましい実施例のコイルは、カテーテルの軸に沿って配置され、位置決めセンサの直径を小さくしかつセンサをカテーテル中に取り入れるのに好適となる。本発明の多くの面に対して、参照フレームに比べてカテーテル遠心端の位置と方位を測定する事が必要である。この事は、公知の参照フレームに比して、少なくとも2つの識別可能な交流磁場と、放射器のそれぞれの位置と方位を発生する少なくとも2つの重なり合わない放射器;交流磁場を発生させるために、放射器にAC信号を連続的に与える放射器ドライバ;並びに少なくとも2つの識別可能な磁場から生じる磁場束を測定するために少なくとも2つの非平行センサより成る位置決めセンサを必要とする。放射器の数とセンサの数の積は、参照フレームに比べて、センサの位置と方位の望ましくは定量的測定の自由度の数に等しいかそれ以上である。
【0037】
本発明の好ましい実施例では、カテーテルの遠心端の6個の位置と方位の座標を決めることが好ましいので、少なくとも2個のコイルが、位置決めセンサ14に必要である。好ましくは3個のコイルは位置測定の精度と信頼性を向上するために使われる。もっと少ない次元が要求される幾つかの応用では、ただ1つのコイルが、位置決めセンサ14に必要となる。
リード36は、必要な位置情報を発生するための処理のために、センサコイルで検出された信号を、カテーテルの近傍端末から信号処理器に運ぶために使われる。好ましくはリード36は、ピックアップを減少させるために捻れた対となっており、さらに電気的に遮蔽されている。
【0038】
本発明の好ましい実施例では、コイル30、32、34は内径0.5mmで、直径16ミクロンの線を800回巻き全体として直径1から1.2mmのコイルを与える。コイルの有効捕捉面積は、約400平方ミリとなるのが、好ましい。
これらの次元はかなりの範囲で変化し好ましい範囲の次元の単なる代表であることを理解できよう。とりわけ、最大許容サイズとワイヤ直径に依存するが、コイルのサイズは小さいときは0.3mm(幾分かの感度ロスはあるが)大きいときは2mmあるいはそれ以上である。ワイヤサイズは10から31ミクロンで、巻き数は300から2600である。
【0039】
有効捕捉面積は、全要求サイズに従って矛盾しないかつ許容される大きさにすべきである。好ましいセンサコイル形状は、円柱状であるが、他の形状も使用できる。例えば円筒状のコイルは、円柱状コイルより巻き線数が多くなる。また、カテーテルの幾何形状にもよるが、四角あるいは他の形状のコイルも有効である。
リード38は、活性部分16に動力を供給するため、そして/あるいは、そこからの信号を受信するために使われる。リード38の性質は、変化するかもしれないが、例えば光導波路あるいはその仕事に適する他の送信媒体を包含しても良い。例えばカテーテルの遠心尖に位置する電極は、心臓の局所電気活性度を、例えば心内膜上に記録する。これらの局所電位図(ECG)は、リード38を経てカテーテルの近傍端まで転送され、ECG増幅器に送られる。
【0040】
増幅されたECG信号は、制御システムに転送され、このシステムが、同時に場所が決定されるその場所から得られた局所電位図形態を医者に提供することになる。
図4は、位置決めセンサ14の位置を計算するのに用いられる好ましい回路のブロック線図である。この実施例では、3個の放射器18、20、22と3個のセンサコイル30、32、34が使われている。放射器ドライバ24は、識別可能な同時AC電流信号を各々の放射器に与える。制御回路40は、3つの異なる周波数f1、f2、f3の3つのサイン波を発生させるために、D/A変換器42、44、46を利用するし、それぞれは別個に、信号増幅器48、50、52への出力となる。高速応答位置決めシステムを達成するために、低速応答フィルタが、放射信号と受信信号の相互相関を用いることにより除かれてきた。この相互相関は、やがて窓を越えて行われ、その窓は、3つの放射信号のサイクル長さの整数個を含むことになる。整数のサイクルを用いることは、一般に処理エラーを減少させることになり、センサコイルで受信した信号の相対的振幅と位相をより正確に決定できることになる。もし非整数のサイクル長を用いると、大変長い相関窓を使わない限り、一般に相互相関のエラーが生じる。もし短い相関窓を用いると、(最短窓はサイクル時間の最小共通積である)周波数間の比は、有理数となる。
【0041】
放射器の周波数 c、fc、ここで、c=1、2、3は、次の式を満足する。
【数1】
ncはn1≠n2、n2≠n3、n3≠n1となるような正の整数であり、fbは、整数のサイクル長を相互相関のために使用できる事を保証するために任意の基本周波数である。
放射ドライバ増幅出力信号は、当業者に公知であるレジスタ、環状あるいはより精巧な回路のような電流感知回路54、56、58を通して、放射器に届けられる。
電流感知回路は放射器に対するドライブ信号の振幅と位相を示しかつ信号処理器26に送られる出力を生み出す。
【0042】
この配置により3個の放射器は、異なる既知の周波数を各々が持っている3個の異なった方位の場成分より構成されている磁場を発生する。これらの場成分の各々は各センサコイル30、32、34により感知され、かつそれは、特別なセンサコイルと特別の周波数
を放射する特別な放射器の距離と方位にも依存するが、異なった振幅と位相を持った周波数成分から構成されている信号を、それぞれが生み出すことになる。
センサ30、32、34の出力信号は、それぞれ増幅器60、62、64で増幅されて、信号処理器26に送られる。
【0043】
図5は、制御シーケンスと図4の回路への適用を示す基本フローチャートを、拡大して詳細に示している。ブロック66により示される初期化位相の間に、3個のサイン波の周波数、参照フレームに関しての放射器18、20、22の物理的位置と方位、放射器とセンサの特性と、マッピング場に於ける孤立点の座標が、定義される。それぞれ周波数f1、f2、f3を持つ3個のサイン波は、例えば制御40下でブロック68により示されるように合成される。これらの発生した周波数は、ブロック70により示されるように、かつ図4に関して先に記載したように放射器18、20、22により、好ましくは連続的に送信される。制御シーケンスは、コイルセンサ信号を放射された信号と相互相関させるために、信号処理器を活性化しかつ参照信号に関しての位置決めセンサ14の位置と方位を計算するために、定期的に信号を送り出すタイミングループ72の一部となっている。
【0044】
信号処理のアナログ並びにデジタルの具体化は、本発明の好ましい実施例に従って、可能である。これらの異なったアプローチは、当業者により種々の方法で修正され、かつそれらを同時に実行するために異なったモードで結ばれることが出来る。本発明の幾つかの応用は、デジタルアプローチから利益があるが、アナログアプローチも他の場合に好ましい解となりうる。
【0045】
デジタルの具体例は、信号処理器26の機能ブロック線図である図6とともに述べられている。処理ブロックへの入力は、SIG(センサコイル信号)として示される増幅器60、62、64からの信号であり、CURとして示される電流感知回路52、56、58からの入力でもある。この具体例では、6個の入力信号は、ずらりと並んだA/D変換器74により、アナログからデジタルへと変換される。サンプリングされたデジタル信
号は、専任回路より成るあるいは専任あるいは分担マイクロプロセッサにより行われる「相互相関の計算」ブロック76に送られる。6個のデータの流れ(放射器を通して流れる3個のAC電流と3個のセンサ読みとり)を用いることにより、相互相関エレメントは、以下の方法を用いて計算出来る:
SIGSは、センサSの増幅された出力である。ここで、S=1、2または3であり; CURCは、放射器Cを流れる電流である。ここで、C=1、2または3であり;
fbは、任意の基本周波数であり;
foは、fbの整数倍であるサンプリング周波数であり;
そして、Nは、多くのサンプル中の相関長さ N=K(fo/fb)であり、ここでKは正の整数であり、CURCと周波数fCのサイン波の相関は、
【数2】
で、CURCと周波数fCのコサイン波の相関は、
【数3】
ここで、両方の加算は、iが1からNまで引き継がれる。
SIGSと周波数fCのサイン波の相関は、
【数4】
SIGSと周波数fCのコサイン波の相関は、
【数5】
ここで、両方の加算は、iが1からNまで引き継がれる。
【0046】
fl、f2、f3の好ましい比は、1、2、3であり好ましい周波数は1、2、3kHzである。有用な周波数範囲は、50Hzから50kHzの間であると考えられている。
ブロック78で示された電場と電流の計算は、専任回路あるいは専任あるいは分担マイクロプロセッサを用いることにより、行うことが出来る。各々の放射器Acを通る電流の大きさは、以下を用いて計算できる:
【数6】
また、各々の放射器で発生した電場の大きさ |Bs、c| は、以下を用いて計算できる:
【数7】
放射器c中の電流とセンサsにより感知された電場の間の位相 Ψs,cは、
【数8】
ここで、Ψs0は、放射された電場とセンサsより読みとれる電場の位相のずれである。
放射器cにより発生しセンサsで感知される電場の振幅は:
【数9】
【数10】
マッピングできる空間に於けるセンサの可能な限り全ての位置と方位に対する磁場は、以下を用いることにより得ることが出来る:
1)具体例で使われる放射器の電場方程式
2)放射器の正確な位置と方位、と
3)放射器Acを通って流れる電流
各電場発生器の効果は、電場の形態に依存している一セットの電場方程式を解くのに使われる。この方程式セットを解くことは、遠隔センサの位置決めと方位を決めることになる。
【0047】
さらに詳しくは、電場方程式は、とりわけ各具体例に対して得られており、放射器の幾何形状と特性に依存している。放射器がコイルである本発明の好ましい実施例では、電場方程式は以下のように記述できる:
巻き数N,半径R,電流Iのコイルに対して、距離rに於ける半径方向の電場成分は、
【数11】
そして接線方向の電場成分は:
【数12】
ここで合計は、I=0からI=∞までであり、またここでは、Pn(X)は、次数nのルジャンドルの多項式であり、帰納的に以下によって計算される:
【数13】
Pn1(X)は、次数nの一般的ルジャンドルの多項式であり、
以下によって計算される:
【数14】
【0048】
これらの電場方程式は、位置
【数15】
の放射器に対してr>Rで正しい。位置
【数16】
で誘起された電場は、図7に示すように
【数17】
で与えられる。
【0049】
ここで、
【数18】
は、
【数19】
に位置している放射器の半径方向の単位ベクトルであり、
【数20】
は、
【数21】
に位置している放射器の接線方向の単位ベクトルである。この一般電場方程式を用いることにより、各放射器で発生したポイント
【数22】
での電場を計算できる事になる。
【数23】
で示される遠隔センサの方位は、位置
【数24】
に於いてこのセンサにより感知される電場を決定する。
【数25】
それ故、遠隔センサにより感知される電場は、式(16)である。
【数26】
ここで
【数27】
は未知変数であり、
【数28】
は、与えられたいずれのコイルに対しても既知の変数である。
【0050】
実施例では、3個の放射器があり;それ故
【数29】
について3個の既知の変数と
【数30】
について3個の既知の変数がある。3個のセンサは、遠隔対象物の参照フレーム中で定まった既知の位置と方位を持つ。遠隔対象物の各々の位置と方位に対し、放射器参照フレーム中の各センサの位置と方位を計算でき、そしてそれ故各放射器と各センサに対する感知された電場BVを計算できる。
【0051】
本発明の位置決めシステムでは、各センサにより感知される全ての放射器からの電場を測定し、遠隔対象物の位置と方位を得るために、電場方程式を解く。(x、y、z、ε、ξ、ζ)
3個の放射器と例としてここに使われている3個のセンサシステムへのアプローチの結果は、以下の形の6個の変数(すなわちセンシング手段の位置のx、y、zと、位置決めセンサの方位に対するε、ξ、ζ)を持った非線形代数方程式となる:
【数31】
【0052】
本発明のこの実施例では、9個のセンサ読み取り(Bs,c)は、測定された量であり、また方程式のこのように定められたシステム(方程式の非線形システムに対するニュートン・ラフソン法あるいは多次元正割法、特にブロイデン法のような種々の公知の数式を用いることにより)を解くことにより、位置決めセンサ14の位置と方位は決定される。このような方程式のセットを解くために幾つかの可能な数式を記述したものは、”ウイリア
ム、H、プレスら(William H.Press et al)「Cに於ける数的処方。科学的計算法(Numerical Recipes in C.The Art of Scientific Computing)」第2版、ケンブリッヂ大学出版、1992年”に見られる。位置決めセンサの位置と方位は、モニタ27上に映し出される。
【0053】
位置情報から心臓の動きの人為性を取り除くように、ECGモニタは、センサコイルからの信号取得の同期用に使われる。また、参照センサは、試験されるあるいは処置される器官、例えば心臓のような器官の部分に付けられ、これにより呼吸による動きや患者の動きに対して補正が出来る。このようにして、得られたセンサ位置は、器官構造を参照するようになり、あまり意味がないが外部の参照フレームを参照しなくて済む様になる。
【0054】
信号プロセッサ26のアナログベースの実施例では、幾つかのパラメータは、アナログ回路を用いて計算される。図8は、信号プロセッサ26のアナログベースの実施例の概略図である。この実施例では、周波数f1、f2、f3の3個のサイン波信号と3個のコサイン波信号が、図6の実施例で使われたSIGとCUR信号に加えて使われている。SIGとCUR信号は、12個の相感受性のフィルタ(相関器)80により濾過され、図9に示すようにSIGとCUR信号のサインとコサイン成分を示す信号を作ることになる。
これらのアナログ信号は、A/D変換器82のセットに送られる。電場と電流並びに位置は、図6に関して前述したと同じように計算できる。
【0055】
図9は、図8のアナログフィルタエレメントの内の可能な具体例の拡大図を示す。各アナログフィルタエレメントは、3個の入力:コサイン波cos(2πfc)、サイン波sin(2πfc)と周波数成分fcが抽出されることになるSIGSまたはCURSのどちらかの信号を持っている。アナログフィルタエレメントないで、信号は、積算器84、86の中でsin(2πfc)とcos(2πfc)とで積算される。結果は、ローパスフィルタ88、90を通して送られ、信号の望みの成分を与える。
【0056】
以上の記述は、主として2個以上のセンサのセットによる情報取得に関するものであり、この情報は、遠隔対象物、あるいは医療デバイス、医療機器のような遠隔対象物上のポイントの位置と方位を決定する。遠隔対象物が1セット以上のセンサを持ち、好ましくは2から6セットのセンサをもつことは本発明の範囲内であるし、そうすることにより、好ましくは参照フレームに関連して、対象物の形状および/あるいは構造を決定するために充分なパラメータが与えられる。例えば、もしカテーテルが、遠心端の近傍に位置した付加的セットのセンサを持つとすると、カテーテルの部分の形状および/あるいは構造を決定する事が、可能になるだろう。
【0057】
同様に他の観血的処置、例えばS状結腸鏡検査あるいは結腸鏡検査に対して、使用した全てのあるいは一部の鏡の形状および/あるいは構造を決定する事が出来よう。
本発明を実施するのに必要な機器は、普通のものである。
本発明の実施例の1つでは、コントローラは、単純な常備品であるIBM486コンパチブルのコンピュータである。A/Dボードは、市販のもので、各チャンネル上で1秒間に500から40,000サンプルを、サンプリングできる周波数を持った少なくとも8チャンネルをサンプリングできる特性を有する。そのようなA/Dボードの例は、米国のテキサス州のナショナルインストルメント会社から入手できるナショナルインストルメント AT−MIOー16Xである。
【0058】
D/A機能は、市販の8ー21ビット解像度のD/Aボードを使用することにより、達成される。そのようなD/Aの例は、ナショナルインストルメント A/D,D/A ボード AT−MIOー16X、あるいはナショナルインストルメントDSPモデルATーDS2200である。放射ドライバ増幅器市販されており、2ー16Ω出力インピーダンスと60から500ワットの出力パワーを持つ。そのような増幅器の例は、韓国ソウル市のインケル社から作られているインケル増幅器型NAー420である。
放射器も市販されており、以下の特性を持つ:半径1から6cm、厚さ0.5から3cm、直径0.1から0.95mmの銅線で作られた100から500回の巻き線を有する。そのようなコイルの具体例は、直径0.41mmの銅線の151の巻き数を持った厚さ1cm、半径4cmを有するコイルである。
【0059】
前述のセンサが好ましいが、ホール効果センサ例えば米国のアレグロ・ミクロ・システム社から入手できるもの、あるいは磁気レジスタセンサ、センサ、フラックスゲート磁気センサ、そして/あるいは他の磁気フラックスセンサのような幾つかの応用に適している。
制御器40は、意図した機能を行うためのユニットの集合を表す。例えばそのようなユニットは、情報あるいは信号、プロセス情報、制御器としての関数、デイスプレイ情報、そして/あるいは一般情報あるいは一般信号を受ける。典型的には、制御器40は、1個以上のマイクロプロセッサより成る。本発明の好ましい実施例に従って、カテーテル10の活性部分16は、前方注視型の超音波送/受変換器である。そのような変換器は、パルス発信の音響エネルギーのフォーカスされたビームを照射し、その後ビームの道に沿った音響特性の変化により、反射されたビームのエコーを測定することにより、その前にある材料の音響特性の1次元マップを与える。3次元画像を与えるためには、好ましくはその位置をあまり変えることなくビームの方向を変更することが必要である。
【0060】
とりわけ、そのような操作出来る1次元音響変換器は、心臓の内側から心臓の壁あるいは血管を、超音波的にマップするのに使用される。心臓の参照ポイントにある参照位置決めセンサと音響パルスのECGゲートと連結した場合、そのような変換器は、心臓あるいは血管あるいは他の器官の3次元画像を形成するのに必要な情報を、心臓の1個あるいは数個の異なった位相で発生することが出来る。
【0061】
操作メカニズムの好ましい2個の具体例の原理は、それぞれ図10A−10B、11に示されている。図10Aは、カテーテルの遠心端にフィットしており、かつ操作ヘッド
96に付けられている2本の操作ワイヤより成る操作メカニズムを示す。ヘッド96は、ステンレススチールのような比較的に柔軟な材料で形成されており、軸方向に切り目が入っており、半枚の各側面にはワイヤ94に結び付けられている。そのようなヘッドは、2本のワイヤ(94)とその端末で結びつけられ、そしてもっと簡単に曲がった構造になるようにワイヤを平らにすることにより、作られている。
【0062】
好ましい実施例では、超音波送/受変換器である活性部分16と位置決めセンサ14を納めている比較的堅い覆いが、操作ヘッドの遠心端に結びつけられている。
少なくともヘッド96とワイヤ94は、提示を明確化するために、図10A−10Cには示されていないが、カテーテルの鞘104に納められている。この操作メカニズムは、他の活性部分例えば電気生理学マッピング処方あるいは位置決めセンシングの有無に関わらずカテーテルの改良操作法あるいは他の多くのタイプの活性部分に用いることが出来る。
【0063】
図10Bでは、ワイヤ94の1本が、他方に比べて短くなっている。カテーテルの鞘は、2本のワイヤを保持しているので、ワイヤの1本を短くするとヘッドは曲がることになり、曲げは軸方向のスリットで楽に出来るようになっている。
位置決めセンサ14と活性部分16は、位置決めセンサの位置と方位の計測により活性部分(超音波変換器)の位置と方位を捉えられるように堅く結びつけられている。カテーテルの曲げ角度と回転角度を変更することにより、360度の画像のイメージングが可能になる。図10Cに示すように、付加的にあるいは2者択一的に他のワイヤを短くすることにより回転の大きさを緩和できるし、多方向への曲げも出来ることになる。変換器のわずかな動きも、特別な位置に関連した1次元取得画像を簡単に解釈することにより補正できる。
【0064】
図10Dは、カテーテルの近傍端末に位置しているメカニズム98が、わいや94の相対的長さを変更していく様子を示している。ハンドル100は、カテーテルの鞘104が結びついている覆い102より成っている。ワイヤの近傍端末は、ループ状に形成されて
おり(例えばワイヤの端を溶接することにより)、好ましくは固定されておりワイヤと摩擦接触しているスピンドル106の周りに、巻き付けられている。レバー108は、その覆いの中心近くのピン110で回転できるように取り付けられており、レバーは、ワイヤ94の一端でかつその覆いに平行にスライドできるスライダ112の多端で結びつけられている。そのスライダを動かすと、遠心端のワイヤ94の一方は、他方に関して長くなる。
【0065】
図11は、代わりの操作メカニズムを持ったカテーテルの遠心端を示す。比較的堅いスリーブ114は、カソードの鞘104内に置かれている。スリーブ114は、カテーテルの近傍端から鞘に関して軸方向に動かすことが出来る。スリーブ104の遠心端は、デイスク116で形成されており、比較的堅さを和らげたワイヤ118が、そのデイスクを貫通して通っている。ワイヤ118は、その遠心端の近くで永久曲げを持って形成されており、その端に位置決めセンサ14と活性部分16が、結びつけられている。スリーブ114の軸方向への移動は、ワイヤ114を真っ直ぐにしその結果、位置決めセンサと活性部分の方位を変化させることになる。ワイヤ118が、軸から逸れると、ワイヤを回転させカテーテルを回転させることになる。
【0066】
音響ビームの操作も、可動ミラーあるいは位相配列超音波変換器により行い、そのようなミラーあるいは他の配置はその活性部分内に存在させるようにすることを理解するべきである。そのような能動的スキャンが、図10、11により与えられる受動操作を補完し置換する。
図12は、本発明の好ましい実施例に従って、超音波取得とイメージ形成を行う簡略化されたシステムブロックダイアグラムである。前述の超音波センサのようなイメージセンサ120は、送信器ドライバ回路124から受信した信号に応じて音響パルス122を送る。音響エコー126(一般的に数個のエコーより成っているが)は、エコー信号を作り出すイメージセンサにより受信され、そのエコー信号は、増幅されて受信器プロセッシン
グ回路128に送られ、出力130で一次元イメージを発生する。心臓イメージの位相を同定する情報も、複数の出力ポートより成る出力130に出る。ェりわけ心臓イメージングに有用な本発明の1つの実施例では、イメージの取得は、ECGモニタ132から受信される信号に応じてなされる。この事は、種々の一次元イメージを簡単に三次元イメージに再構築できるように、心臓サイクルの特別な部分でのイメージ取得を考慮に入れている。
【0067】
とりわけ、もし最も有意義なエコーが、センサの測定方向に沿って超音波センサからその室までの距離を測定するのに使用されるとすると、そのような距離の収集(その室の参照ポイントとする)により、表面形態の再構築が出来ることになる。
図13は、三次元イメージ再構築システムの簡素化ブロックダイアグラムを示しており、それは図12の回路により発生した一連の一次元イメージを利用し、かつ前述の位置決め装置及びその関連回路より発生した位置と方位情報を連続的に感知して利用している。一般に各一次元イメージ取得と一致するように感知された位置と方位を得ることは有用である。カテーテルの遠心端を操作するための前述の種々の方法の内の1つは、複数の方位を伴った複数の一次元イメージを取得するのに使用される。図10、11の原理に従ってイメージヘッドの方向を連続的に変化させるために、かつオペレータの干渉を必要としないようにカテーテルを回転させるために、自動メカニズムを使用しても良い。
【0068】
イメージ再構築プロセッサ132は、感知された位置と方位に従って個々の一次元イメージを指向しかつ参照し、そして一連の二次元スライスあるいはフルの三次元構築の形でイメージデイスプレイ13上に送ることが出来る三次元イメージを形成する。心臓サイクルでの異なったポイントのイメージが取得されると、表示されたイメージは再構築のシネイメージとなりうる。
本発明の好ましい実施例では、二次元イメージは、超音波センサにより取得され、そのセンサは、あらかじめ決められた通路に超音波ビームを回折する軸の周りに回転するミ
ラーと共に単結晶の音響結晶の計画的アレイとなり得る。
本発明の好ましい実施例では、能動部分16は、心臓上の選択できる位置で発生した電気信号を感知するためのセンサより成る。
【0069】
以下に述べるように、電気信号のこのようなセンシングは、心臓の電気的活性度をマッピングするのに使用される。この能動部分は、心臓をペーシングするため、そして/あるいは心臓の部分を切除するために有用な電極を包含する。このような切除は、最も一般的な致命的心臓不整脈、心室性頻拍(VT)すなわち心筋の急速で無駄な収縮の処置に特に有用である。VTは、年間約30万人の死亡原因となっている。勿論他の不整脈の処置に有用である。
心臓/切除の電気的マッピングに有用なカテーテルは、図14に概略的に示されている。
能動部分16は、長さ1から12mm、好ましくは約2mmの白金製の伝導性チップから成っている。このチップは、チップ電極引き込みワイヤ138を経由してカソード近傍端のスイッチに接続されており、そしてこのスイッチは、チップをペーシングあるいは切除用電圧源にスイッチするか、あるいは心臓から発生した電気信号を検出するための検出器にスイッチする。
【0070】
伝導性リング電極136は、位置決めセンサ14の近くで、カテーテルの鞘104の外側に設置され、そしてアースあるいはリターンリード140を経由して記録器に接続される。以下に述べるようにペーシングに用いる場合は、1から10maパルスが、チップ16とリング電極136の間に用いられる。切除に用いられるときには、10−100V、約0.5MHzのRFエネルギーが、10ー200秒間用いられる。
位置決めセンサ14は、チップとセンサに堅く結ばれており、チップは、偏心ワイヤ142により操作される。捻れワイヤリードは、リード138、140により運ばれてくる比較的高電圧からのピックアップを減少させるために、シールド144により遮蔽されるのが好ましい。電気絶縁性熱シールド146を、チップと位置決めセンサの間に置くのが好ましい。
【0071】
図15は、本発明の好ましい実施例に従って、基本電気心拍曲線マップを得るための概略ブロックダイアグラムである。好ましい具体例で食道心エコー検査器を用いると、心室の多面イメージは、マッピング研究前に得られる。イメージは、心臓サイクルの間にポイントに調子を合わせてのみ得られる。好ましい具体例では、そのイメージは、拡張終期の同期信号に対応して拡張終期に得られる。心室の3次元イメージは、再構築され、心内膜の形態と心室内部の一個以上の参照カテーテルの位置を示す。このイメージは、食道の三次元超音波イメージにより、CTスキャナーにより、MRIスキャナーにより、あるいは他のイメージ技術により得られる。
【0072】
そのイメージは、カテーテルを心室(心内膜)の多くの場所での表面に触れさせることにより、またその場所を測定することにより構築される。これらのポイントは、心室表面を表す三次元表面を記述するのに使われる。
6個以下の位置と方位の値が決定された以前のPCTと米国出願(PCT/US/08352、1994年7月20日と1994年8月にそれぞれファイルされた)では、設置可能参照カテーテルは、能動カテーテルの位置を参照にする参照平面を形成するために心臓の中で3ヶ所に置かれた。例えば設置可能参照カテーテルは、右心室の頂端、右心房付属肢、肺動脈弁のレベルにある肺動脈にそれぞれ好んで置かれた。ここまで述べてきたように位置決めセンサ14を持っている参照カテーテルが、参照目的に使われるとき、マッピングカテーテルの相対的位置と方位を定めるために、唯一のセンサが必要である。これらのいずれの場所も使用可能であるが、現在では冠状血脈洞端部に参照センサを置くのが好ましい。
【0073】
図16は、コンピュータ処理された心内膜活性化マッピングアルゴリズム(血脈洞リズムマッピングの間と心室頻脈マッピングの間に使われる)を示すための概略ブロックダイ
アグラムである。可視式かつ可聴式インジケータは、好ましくはデータポイント取得の開始を示す。電気活性度と位置/方位データの両方は、マップ中の各ポイントに対して取得される。カテーテル位置情報の取得は、図16のブロックダイアグラムの左の枝部分に示されている。マップ用電極は、心内膜と確実にかつ安定して接触している。安定した接触は、位置読み取りの安定性、感知された電位図の安定性と接触のインピーダンスを測定することにより決定される。
【0074】
マッピングカテーテル中の位置決めセンサの位置と方位は、前述した方法に従って連続的に決定され、拡張終期同期信号に応じて蓄えられる。マッパーカテーテルのチップは、六次元の位置と方位の各々に差を見いだすことによって、参照カテーテルに関して局所化される。一般的に言って、本応用に対して、マッパーカソードの方位は必要ではないが、位置と方位を内部心臓座標システムに適宜変換することは、修得されねばならない。
【0075】
同時にマッパーカソード・チップでの心臓の活性化時間は、図16の右側に示されたように決定される。最初にマッパーカテーテルのチップに於ける局所電気心拍曲線を得て、活性化時間は、
局所電気心拍曲線の振幅と傾斜をテンプレートに比較して計算されるか、あるいは人為的に使用者により計算される。その局所活性化時間は、患者の皮膚上のECG端末により測定される活性化時間を参照して、決定される。使用者は、データ取得のプロセスを終了させることが出来るし、あるいは以下に述べるように、活性化時間の空間グラヂエントに関して情報密度用のすでに取得されている活性化マップを調べる活性化評価マップアルゴリズムにより評価することが出来る。このアルゴリズムは、活性化時間検出用の次の好ましい場所を示すことが出来る。カテーテルは、使用者により新しい場所に動かされて、マッピングプロセスは、続行される。
【0076】
VTの間、データポイントは、心臓動悸の約4から6毎に決定される。このようにして1分あたり、おおよそ15から25、典型的には約20のデータポイントが、決定され
る。
図17は、コンピュータ処理されたペースマッピングアルゴリズムを示すための概略ブロックダイアグラムである。可視式かつ可聴式インジケータは、データポイント取得の開始を指示する。
位置情報の取得は、前述のn回(nは稼動平均期間である)の心臓鼓動中の平均マッパー位置が計算される以外は図16のそれと類似している。
【0077】
図17の右側は、ペースマッピングモードでのACI(自動相関指数)の決定法を示す。
”ペースマッピングモード”で、ECGプロセッサはECGデータを得るが、患者の心臓は、患者の不整脈サイクル長に類似の速度で外部の電源でペース付けされる。ECGデータも体表面のアルゴリズムより得られ、信号は、数サイクルの長さを持ったECGのセグメントとして蓄えられる。得られた信号は、患者のVT信号と自動的に比較される(図18を参照)。不整脈形態とペース化された形態の間の比較は2段階で行われる。まず第1に、テンプレートVT信号とペース化されECG形態の間の位相シフトは、2つの信号に対する最小誤謬あるいは最大相互相関を用いて、算定される。それから指標ECGチャンネルから算定されたこの位相シフトを用いて、VTとペース化されECG形態の間の類似性は、相互相関の平均としてあるいは記録された全チャンネルの2つの信号のスクエアエラーとして測定される。
【0078】
異なるECGチャンネルを位相シフト決定のための指標チャンネルとして用いることにより、この2段階計算は各回に反復される。
この手法の最後では、見いだされた最小誤謬あるいは最大相互相関が、このペーシング場所のACIとして作業者に報告される。
図18は、本発明の好ましい実施例に従って、ペースマッピングさせながら相互相関指標を計算するために使われるアルゴリズムを示すための概略ブロックダイアグラムである。
人体表面ECGデータは、2段階で得られる。第1に、自動的にあるいは誘起されたVTをペーシングする間、そして第2に、異なった場所での心内膜をペーシングする間。VTの間に得られたECGデータは、平均化された信号であり、テンプレートが構築される(TCH、記録された各チャンネルに対して)。ECGデータは、心内膜のペーシングの間に得られるし、動悸の同数(N)は、平均化された信号QRS(PCH、記録された各チャンネルに対して)。そこでのこのアルゴリズムは、PCHとTCHの間の位相シフトを計算し、それが第1チャンネルに対して最大相互相関を与える。この時間シフトは、残っているチャンネルのシフトに使われ、そしてそれらに対して相互相関を計算する。全チャンネルに対する全相互相関は、合算され蓄えられる。それからアルゴリズムは、このチャンネルで最大相互相関を引き起こす時間シフトを計算するために、記録された次のチャンネルを使うことになる。さてこの時間シフトは、全てのPCHとTCHの間の相互相関に対して適用され、再び全相互相関は、合算される。この手段は、全てのチャンネルに対して繰り返され、達成された最大相互相関は、心内膜上のこの場所でのPCHとTCHの間の相互相関の値として使用される。
【0079】
図19は、本実施例の出力構成を示すための概略ブロックダイアグラムである。心室の準静的映像は、前もってあるいは前述した研究の間に得られた基本イメージの3次元再構築として示される。マッピング/除去カテーテルの位置(参照カテーテルの移動に対しては補正されるが)並びにマッピング研究から得られた現在と以前の情報は、イメージ上に二重写しされる。この情報は、適正であれば、活性化時間(各取得場所でのカラーコードを用いて示される)あるいはペースマップ中の各ポイントに対する相互相関指標(ACI)を包含する。さらに、マップは、局所電位図の期間をコーデイングする色で、電気生理学的プロセッサにより計算された種々の他の変数のみならず断片的活性度の存在を表現できる。
【0080】
以上の原理は、例えば膀胱、脳、あるいは胃腸管の体の他の構造をマッピングするために応用できる。検査技術に依存するが、カテーテルは、尖端が設置可能なセンサポートである針で置き換えても良い。
各データポイントが得られた後は、各段階(血脈洞周期マッピング、ペースマッピング、VTマッピング)で全ての利用できる情報は、次の二つの目的のために再評価される:第一に、データ取得のための次のサイトを、オペレータに提案する事、そして第二に、アブレーション用サイトを提案するための利用可能な情報をテストすること。2つのアルゴリズムが、この手法を行うために同時に進行している:
(1)マッピングガイダンスアルゴリズム
このアルゴリズムは、入力として、ある変数の役に立つマップ化された情報(例えば、血脈洞周期間の局所活性化時間)。このアルゴリズムはマップ化された変数(すなはち、この例での活性化時間)の空間導関数を計算し、そしてマップ化された変数の空間成分を、目的関数が秩序立てるとき、他のデータポイントを加えるための次の最良の位置を計算する。例えば、このアルゴリズムはマップ化された変数が、短距離を超えただけで著しく変化する領域で、多くのデータポイントが得られるのだという事を提案することになるだろう。
【0081】
このアルゴリズムで提案される位置は、オペレータに対してデイスプレイ上のシンボルとして提示されることになる。
同じデイスプレイは、すでに心室の基本イメージとマッピング/アブレーションカテーテルの現在の位置を示している。それ故、オペレータは、さらにデータ取得するための提案された位置に到達するために、マッピング/アブレーションカテーテルを動かすことになる。
【0082】
このアルゴリズムは、VTマッピング中では最も役に立ち、そこではデータ取得のための有効時間が、不整脈の血流学的逆効果により制限される。それ故、役に立つデータポイントをリアルタイムで試験し、すぐに取得用の次のサイトを提供することは、有益であ
る。
(2)成功したアブレーションアルゴリズムの予後可能性
このアルゴリズムは、以下にすぐ与えられる規則のような、得られた情報を評価するためにユーザが決める階層規則セットである。
オペレータは、アブレーションのための正しいサイトを同定するための可能性に関して、マッピング/アブレーション手法で得られた特別な情報の重要度を階層分けするように期待されている。
【0083】
そのサイトに於ける成功するアブレーションの可能性を提案するマッピング結果の階層分け(A=成功率が高そうである、そしてD=成功率が最も低そうである):
(a)VTマッピング上への典型的な再入可能な道を、同定可能な共通の遅い道で同定すること・・・・・グレードA;
(b)ペースマップ中で90%以上の補正指標を持ったサイトの同定・・・・・グレードB;
(c)時期尚早の非捕捉性刺激を持ってVTを終了させたサイトの同定・・・・・グレードC;そして
(d)血脈洞周期の間に記録された拡張期ポテンシャルに類似しているVTの間に記録されたプレポテンシャルマップの同定・・・・・グレードD。
他のタイプの心臓電位記録マップも可能である。電位記録データのペース化あるいは非ペース化取得により決定される変数を使うことにより、以下の追加的マップが作り出される:
(1)血脈洞周期活性化マップ(等時性マップ);
(2)拡張期ポテンシャル発生時間マップ(等時性マップ)
(3)ペースマッピング間の局所待ち時間等時性マップ;
(4)VT間の活性化時間等時性マップ;そして
(5)VTマッピング間のプレポテンシャル等時性マップ。
また、時期尚早の非捕捉性刺激を持ってVTを終了させたサイトが、提供されうる。
上記のマッピング手段の追加的詳細のみならず、これらのマップとマッピングに適した他の因子並びにその決定のための手段の取得は、前記の米国特許出願08/094539号とPCT出願PCT/US94/08352の中で、見いだすことが出来る。
【符号の説明】
【0084】
10 カテーテル、11 患者の動脈、12 本体、14 センサ、15 カテーテルの遠心端、16 活性部分、18 20 22 放射器、26 信号処理器、27 モニタ、40 制御器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内の構造を超音波でイメージ化するイメージングシステムにおいて、
I. 人体に挿入される医療機器の位置と方位を決定するための位置決めシステムであって、
ドライブ信号に応じて、既知の識別可能な場であって、周波数が所定の周波数の整数倍であって、互いに異なる周波数の場を発生させる複数の放射器;
医療機器内の先端近傍に位置し、該場に応じてセンサ信号を発生する複数のセンサ;
医療機器内の先端近傍に位置し、患者の体内の局所に働きかける活性部分;
該ドライブ信号と該センサ信号に対応した複数の信号を受ける入力部と、該ドライブ信号と該センサ信号の相互相関を計算する第1計算手段と、該第1計算手段の出力に基づき、複数の放射器のそれぞれについての場および電流を計算する第2計算手段と、該第1、第2計算手段の出力に基づき、上記医療機器の一部分における三個の位置座標と三個の方位座標を計算する第3計算手段と、を有する信号プロセッサ;
より成る位置決めシステムと、
II.医療機器の方位を変更するために遠心端を操作する手段と
を設けたことを特徴とするイメージングシステム。
【請求項2】
前記医療機器の遠心端に超音波イメージング変換器を設け、前記変換器は、遠心端の先方の組織の音響特性信号を生成する、請求項1記載のイメージングシステム。
【請求項3】
更に、遠心端の異なる方位から得られた複数の音響特性信号を受信し、遠心端の異なる方位から得られた複数の音響特性信号に基づいて、遠心端を囲んでいる組織の少なくとも一部の音響特性の3次元マップを作るイメージ再構築回路を設けた、請求項2記載のイメージングシステム。
【請求項4】
該信号が、一次元あるいは二次元信号である請求項2又は請求項3に記載のイメージングシステム。
【請求項5】
観血的の医療機器が、カテーテルあるいは内視鏡である、前記の請求項1から請求項4のいずれかに記載のイメージングシステム。
【請求項6】
各センサがコイルより成る、前記の請求項1から請求項5のいずれかに記載のイメージングシステム。
【請求項7】
該複数のコイルが、コイル内で交差している軸を持っている、請求項6に記載のイメージングシステム。
【請求項8】
複数が3である、請求項7に記載のイメージングシステム。
【請求項9】
該複数のコイルが三個のコイルより成り、該コイルは1つのポイント中で必ずしも交差しない軸を持っている、請求項6又は請求項7に記載のイメージングシステム。
【請求項10】
該遠心端に電気プローブを設けた、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項11】
該電気プローブが、組織により発生した電気信号を感知するために用いられる、請求項10に記載のイメージングシステム。
【請求項12】
該電気プローブが、該プローブに接触している組織に切除電気信号を供給するために用いられる、請求項10又は請求項11に記載のイメージングシステム。
【請求項13】
遠心端で局所的化学性質を測定するためのセンサを包含している、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項14】
医療機器がカテーテルあるいは内視鏡である、請求項6から請求項9のいずれかに記載のイメージングシステム。
【請求項15】
方位を変更するための手段が、遠心端に取り付けられかつ遠心端近傍で曲げられた医療機器を貫通している相対的にさらに柔軟なワイヤ;ならびに遠心端近傍で真っ直ぐで、かつその時にワイヤをスライド出来るように保持しており、かつそれによりスリーブがワイヤ上を滑る場合に、ワイヤと遠心端は真っ直ぐになる相対的にさらに堅いスリーブより成る、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項16】
医療機器は長軸を持ち、かつワイヤは医療機器の軸を外して設置される、請求項15に記載のイメージングシステム。
【請求項17】
方位を変更するための手段が、第一端末、すなわち医療機器の円心端末に取り付けられている該第一端末、に取り付けられている二つの部分を形成するために、長い部分に沿って切り開かれた平坦な相対的に柔軟な部分;一端はそれらの第二端で該部分の一つに取り付けられている一対のワイヤ;そしてこれにより柔軟なエレメントは曲げられ、それにより医療機器の遠心端を操縦するワイヤの相対的長さを変更するための手段;より成る、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項1】
体内の構造を超音波でイメージ化するイメージングシステムにおいて、
I. 人体に挿入される医療機器の位置と方位を決定するための位置決めシステムであって、
ドライブ信号に応じて、既知の識別可能な場であって、周波数が所定の周波数の整数倍であって、互いに異なる周波数の場を発生させる複数の放射器;
医療機器内の先端近傍に位置し、該場に応じてセンサ信号を発生する複数のセンサ;
医療機器内の先端近傍に位置し、患者の体内の局所に働きかける活性部分;
該ドライブ信号と該センサ信号に対応した複数の信号を受ける入力部と、該ドライブ信号と該センサ信号の相互相関を計算する第1計算手段と、該第1計算手段の出力に基づき、複数の放射器のそれぞれについての場および電流を計算する第2計算手段と、該第1、第2計算手段の出力に基づき、上記医療機器の一部分における三個の位置座標と三個の方位座標を計算する第3計算手段と、を有する信号プロセッサ;
より成る位置決めシステムと、
II.医療機器の方位を変更するために遠心端を操作する手段と
を設けたことを特徴とするイメージングシステム。
【請求項2】
前記医療機器の遠心端に超音波イメージング変換器を設け、前記変換器は、遠心端の先方の組織の音響特性信号を生成する、請求項1記載のイメージングシステム。
【請求項3】
更に、遠心端の異なる方位から得られた複数の音響特性信号を受信し、遠心端の異なる方位から得られた複数の音響特性信号に基づいて、遠心端を囲んでいる組織の少なくとも一部の音響特性の3次元マップを作るイメージ再構築回路を設けた、請求項2記載のイメージングシステム。
【請求項4】
該信号が、一次元あるいは二次元信号である請求項2又は請求項3に記載のイメージングシステム。
【請求項5】
観血的の医療機器が、カテーテルあるいは内視鏡である、前記の請求項1から請求項4のいずれかに記載のイメージングシステム。
【請求項6】
各センサがコイルより成る、前記の請求項1から請求項5のいずれかに記載のイメージングシステム。
【請求項7】
該複数のコイルが、コイル内で交差している軸を持っている、請求項6に記載のイメージングシステム。
【請求項8】
複数が3である、請求項7に記載のイメージングシステム。
【請求項9】
該複数のコイルが三個のコイルより成り、該コイルは1つのポイント中で必ずしも交差しない軸を持っている、請求項6又は請求項7に記載のイメージングシステム。
【請求項10】
該遠心端に電気プローブを設けた、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項11】
該電気プローブが、組織により発生した電気信号を感知するために用いられる、請求項10に記載のイメージングシステム。
【請求項12】
該電気プローブが、該プローブに接触している組織に切除電気信号を供給するために用いられる、請求項10又は請求項11に記載のイメージングシステム。
【請求項13】
遠心端で局所的化学性質を測定するためのセンサを包含している、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項14】
医療機器がカテーテルあるいは内視鏡である、請求項6から請求項9のいずれかに記載のイメージングシステム。
【請求項15】
方位を変更するための手段が、遠心端に取り付けられかつ遠心端近傍で曲げられた医療機器を貫通している相対的にさらに柔軟なワイヤ;ならびに遠心端近傍で真っ直ぐで、かつその時にワイヤをスライド出来るように保持しており、かつそれによりスリーブがワイヤ上を滑る場合に、ワイヤと遠心端は真っ直ぐになる相対的にさらに堅いスリーブより成る、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項16】
医療機器は長軸を持ち、かつワイヤは医療機器の軸を外して設置される、請求項15に記載のイメージングシステム。
【請求項17】
方位を変更するための手段が、第一端末、すなわち医療機器の円心端末に取り付けられている該第一端末、に取り付けられている二つの部分を形成するために、長い部分に沿って切り開かれた平坦な相対的に柔軟な部分;一端はそれらの第二端で該部分の一つに取り付けられている一対のワイヤ;そしてこれにより柔軟なエレメントは曲げられ、それにより医療機器の遠心端を操縦するワイヤの相対的長さを変更するための手段;より成る、請求項1に記載のイメージングシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−207926(P2009−207926A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149546(P2009−149546)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【分割の表示】特願2008−295901(P2008−295901)の分割
【原出願日】平成7年1月24日(1995.1.24)
【出願人】(598072766)バイオセンス・ウェブスター・インコーポレイテッド (5)
【住所又は居所原語表記】4750 Littlejohn Street,Baldwin Park,California 91706,United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【分割の表示】特願2008−295901(P2008−295901)の分割
【原出願日】平成7年1月24日(1995.1.24)
【出願人】(598072766)バイオセンス・ウェブスター・インコーポレイテッド (5)
【住所又は居所原語表記】4750 Littlejohn Street,Baldwin Park,California 91706,United States of America
【Fターム(参考)】
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