説明

医療用無痛注射針

【課題】現在の注射針は、刺入に際して非常な痛みを伴う上に、刺入点に切傷をつけるから出血をおこす。そのために患者に無用のストレスまで起こさせる。
また疾患の程度、種類により頻繁に注射を必要とする患者は注射の個所が硬化して注射がしにくくなる。
【解決手段】この発明は注射針の刃先を無くして、注射の際には組織を拡げて傷つける事無く針を刺入して薬液の注入若しくは採血を針体の側面より行うので、痛みを無くしストレスを除くことが出来る。これにより治療効果を格段に上げることができる。
またこの方法では注射頻度が増加しても注射個所の皮膚、筋肉が硬化することは無い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は注射器の注射針の形状に関するものである。
【背景の技術】
【0002】
従来の注射器の注射針の先端は、中空の注射針体の先端を斜めにカットして鋭利に研磨してある。これによって目的個所の皮膚、血管、筋肉内へ針先を刺入して薬液を注入するか、または血液を採取している。しかしこの方式は刺入の際に皮膚、血管、筋肉等の組織を切断して刺入するために、患者に非常な痛みを与える上、出血を起こさせる。又刺入痕は切り傷であるので出血止め、化膿防止其の他の衛生的処置をしても回復に相当の時間を要する。また刺入個所を傷つけることにより繰り返せばその個所は皮膚、筋肉が硬化する。
【0003】
又点滴用の輸液のバッグや容器の栓などに針を刺入して薬液を吸い出すことにも使用しているが、その場合に太い針を使用すれば、この栓の素材の砕片を薬液中に混入するおそれもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、注射針の刺入時の疼痛を無くするか、もしくは微かにして患者のストレスを取り除いて治療効果を高めると同時に刺入個所の傷を最小限として将来の皮膚、筋肉の硬化を防ぎ、又薬液注入の際には栓の素材の砕片の混入をも防止できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の目的を達成する為に注射針の形状をいわゆる松葉型と称する尖端の形とし、薬液の注入孔は針の太さ、注射の使用目的により異なるが、概ねその先端より2〜4mmくらい隔てた所に2〜6箇所、針体に直角にあける。
【発明の効果】
【0006】
この発明は上記のように注射等を行う場合の針の刺入時には、無痛、もしくは微かな痛みである上、処置後も出血を見ないか、あっても従来の方法による場合と比較して極めて少ない為に、患者は安心して注射、採血などを受けることが出来るので無用なストレスを与えない為、大きな治療効果をあげることが出来る。また輸血、点滴等の場合も同様な上砕片など異物の混入の心配は全くないので安心である。
【0007】
点滴用輸液のバッグや容器の栓などに刺入した場合もそれらの栓の素材の砕片などは発生しないので薬液には異物は混入しない。
【発明を実施する最良の形態】
【0008】
以上により注射等で針を刺入する時には、針の尖端を皮膚に押し込むことになるので、皮膚、又は血管などの組織を切断、損傷することなく、その組織を押し広げながら刺入する事となる為に患者は無痛、もしくは微かな痛みを感じるのみとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 注射針の針体および先端の外観である。
【図2】 注射針の針体を図1のA〜Bの線でカットした断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端の形状が鍼灸治療用の鍼の形状と同様な形の松葉形状をしており、かつ先端に近い針柄の部分に2乃至6個程度の薬液注入孔を有する注射針。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−212616(P2008−212616A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−99850(P2007−99850)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(303003052)
【Fターム(参考)】