説明

半導体基板トレー

【課題】
を実現する。
【解決手段】半導体基板トレー本体の所定小口径半導体基板が配置される位置に設けられ前記小口径半導体基板との接触面が碁盤目の複数の凸部の集合体で形成されるように前記半導体基板トレー本体に十文字に設けられた溝と、前記半導体基板トレー本体に設けられ前記接触面の反対面から前記溝に貫通し真空引きを行う貫通孔と、前記小口径半導体基板のオリフラの両端位置に対応して前記接触面に直交して前記半導体基板トレー本体に設けられた円柱状の第1,第2の位置決めピンと、前記半導体基板トレー本体に設けられこの第1,第2の位置決めピンと前記小口径半導体基板の3点接触位置決めをする円柱状の第3の位置決めピンとを具備したことを特徴とする半導体基板トレーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板トレーに関するものである。
更に詳述すれば、大口径基板用半導体装置で小口径基板を製造するために用いられる半導体基板トレーにおいて、平坦性および取り付け再現性が向上された半導体基板トレーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置においては、より大口径基板が製造できる半導体製造装置の大型化が趨勢である。
しかし、大口径基板用半導体装置で小口径基板のプロセスを行う必要が生ずる場合がある。
【0003】
大口径用半導体装置で小口径基板のプロセスを行う際には、アダプタが必要となる。例えば、6インチ用半導体装置で4インチウェハの処理を行うためには、6インチサイズのトレーを準備し、そのトレーの上に4インチウェハを固定する必要がある。
半導体装置(例えば露光装置等)においては、半導体基板トレーに非常に高い平坦度や取り付け再現性が要求される。
【0004】
図2は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
図において、3は、標準口径トレー1に小口径基板2を配置するための位置決め用ピンである。
4は、落下防止用のピンである。
5は、標準口径トレー1の小口径基板2の配置位置に設けられた線条溝である。
6は、線条溝の中央部に設けられた貫通孔である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−091407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような装置においては、以下の問題点がある。
標準口径トレー1と小口径基板2の接触面積が大きく、取り付け時にパーティクル等を挟み込み易く、小口径基板2の平坦性の確保が困難である。
【0007】
線条溝の中央部に設けられた貫通孔を介し、線条溝から真空引きすることで、線条溝以外の場所では真空引きされず、小口径基板2の平坦均一性が確保できない。
位置決めピンの形状、配置位置、個数等の要因により、取り付け再現性を得ることが困難である。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、
標準口径トレーと小口径基板の接触面積を減らすことにより、パーティクル等の挟み込みの影響を防止出来る半導体基板トレーを提供することにある。
【0009】
標準口径トレーと小口径基板の接触面積を低減させ、かつ貫通孔を介して小口径基板全面を真空引きする形状とすることで、高い平坦均一性を確保出来る半導体基板トレーを提供することにある。
位置決めピンの形状、配置位置、個数を最適化することで標準口径トレーとの取り付け再現性を高精度で行える半導体基板トレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1の半導体基板トレーにおいては、
半導体基板トレー本体の所定小口径半導体基板が配置される位置に設けられ前記小口径半導体基板との接触面が碁盤目の複数の凸部の集合体で形成されるように前記半導体基板トレー本体に十文字に設けられた溝と、前記半導体基板トレー本体に設けられ前記接触面の反対面から前記溝に貫通し真空引きを行う貫通孔と、前記小口径半導体基板のオリフラの両端位置に対応して前記接触面に直交して前記半導体基板トレー本体に設けられた円柱状の第1,第2の位置決めピンと、前記半導体基板トレー本体に設けられこの第1,第2の位置決めピンと前記小口径半導体基板の3点接触位置決めをする円柱状の第3の位置決めピンとを具備したことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2の半導体基板トレーにおいては、請求項1記載の半導体基板トレーにおいて、
前記貫通孔は、前記半導体基板トレーの搬送装置の真空引き位置に合致した位置に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
大口径基板用装置を使用して小口径基板の半導体プロセスを行っても、以下のことが確保できる半導体基板トレーが得られる。
【0013】
小口径半導体基板との接触面が碁盤目の複数の凸部の集合体で形成されるようにしたので、半導体基板トレーと小口径基板の接触面積が低減出来、十文字に設けられた溝に貫通し真空引きを行う貫通孔が設けられたので、小口径基板全体を均一に細部に亘って吸着することが出来、高い平坦均一性を確保できる半導体基板トレーが得られる。
【0014】
第1,第2の位置決めピンで小口径半導体基板の一方向の位置および回転方向が決定され、かつ第3の位置決めピンに接触させることによりもう一方向の位置が決定される。
第1,第2,第3の位置決めピンによる3点接触位置決めが確保出来るので、高精度な位置決め再現性を確保できる半導体基板トレーが得られる。
【0015】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
搬送中でも真空引きを行うことができ、小口径半導体基板の搬送途中の位置ずれを防止できる半導体基板トレーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図で、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図において、図2と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図2との相違部分のみ説明する。
【0018】
図1において、溝13は、半導体基板トレー本体11の所定小口径半導体基板12が配置される位置に設けられ、小口径半導体基板12との接触面が、碁盤目の複数の凸部の集合体で形成されるように、半導体基板トレー本体11に十文字に設けられている。
貫通孔14は、半導体基板トレー本体11に設けられ、小口径半導体基板12との接触面の反対面から、溝13に貫通し真空引きを行う。
【0019】
この場合は、貫通孔14は、半導体基板トレー14の搬送装置の真空引き位置に合致した位置に設けられている。
第1,第2の位置決めピン15a,15bは、小口径半導体基板12のオリフラの両端位置に対応して、小口径半導体基板12との接触面に直交して、半導体基板トレー本体11に設けられ、円柱状をなす。
【0020】
第3の位置決めピン15cは、半導体基板トレー本体11に設けられ、第1,第2の位置決めピン15a,15bと落下防止用のピン3点接触位置決めをし、円柱状をなす。
落下防止用のピン16は、小口径半導体基板12が半導体基板トレー本体11から落下するのを防止するように、半導体基板トレー本体11に設けられている。
【0021】
以上の構成において、
・半導体基板トレー本体11側の、小口径半導体基板12との接触面を凹凸形状にし、接触面積を減らすことで、パーティクル等の挟み込みによる平坦性の悪化を防止する。
凹凸形状を、小口径半導体基板12の配置される面の全面に設けることで、貫通孔14を介して小口径半導体基板12の−全面を吸着させることができ、平坦均一性を得ることができる。
【0022】
位置決めピン15の最適化を、以下の如くして図る。
位置決めピン15の形状を円とすることで、小口径半導体基板12との接触を点とする
位置決めピン15を、小口径半導体基板12のオリフラの両端に2個15a,15b、そしてオリフラから15〜75度の位置に1個15c配置する。
【0023】
オリフラの2箇所15a,15bで、小口径半導体基板12のY方向および回転方向Θの位置を決定する。オリフラから15〜70度に配置したピン15cでX方向を決定する。
位置決めピン15と小口径半導体基板12の接触を必要最低限の3点とすることで、取り付け再現性を確保する。
【0024】
3点で固定位置が決まるため、3点以上の接触点があると最初に接触した3点で位置が決まり、再現性が乏しくなるからである。
なお、搬送装置が真空引きを行い搬送する場合、半導体基板トレー本体11に設ける貫通孔14と、搬送装置の真空引き位置を合致させることで搬送でも真空引きを行い、搬送途中の位置ずれを防止できる。
【0025】
この結果、
大口径基板用装置を使用して小口径基板2の半導体プロセスを行っても、以下のことが確保できる半導体基板トレーが得られる。
小口径半導体基板12との接触面が碁盤目の複数の凸部の集合体で形成されるようにしたので、半導体基板トレー本体11と小口径基板12の接触面積が低減出来、十文字に設けられた溝13に貫通し真空引きを行う貫通孔14が設けられたので、小口径基板12全体を均一に細部に亘って吸着することが出来、高い平坦均一性を確保できる半導体基板トレーが得られる。
第1,第2の位置決めピン15a,15bで小口径半導体基板12の一方向の位置および回転方向が決定され、且つ、第3の位置決めピン15cに接触させることによりもう一方向の位置が決定される。
第1,第2,第3の位置決めピン15a,15b,15cによる3点接触位置決めが確保出来るので、高精度な位置決め再現性を確保できる半導体基板トレーが得られる。
【0026】
この場合は、貫通孔14は、半導体基板トレー14の搬送装置の真空引き位置に合致した位置に設けられているので、搬送中でも真空引きを行うことができ、小口径半導体基板12の搬送途中の位置ずれを防止できる半導体基板トレーが得られる。
【0027】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【符号の説明】
【0028】
1 標準口径トレー
2 小口径基板
3 位置決め用ピン
4 落下防止用のピン
5 線条溝
6 貫通孔
11 半導体基板トレー本体
12 小口径半導体基板
13 溝
14 貫通孔
15a 第1の位置決めピン
15b 第2の位置決めピン
15c 第3の位置決めピン
16 落下防止用のピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板トレー本体の所定小口径半導体基板が配置される位置に設けられ前記小口径半導体基板との接触面が碁盤目の複数の凸部の集合体で形成されるように前記半導体基板トレー本体に十文字に設けられた溝と、
前記半導体基板トレー本体に設けられ前記接触面の反対面から前記溝に貫通し真空引きを行う貫通孔と、
前記小口径半導体基板のオリフラの両端位置に対応して前記接触面に直交して前記半導体基板トレー本体に設けられた円柱状の第1,第2の位置決めピンと、
前記半導体基板トレー本体に設けられこの第1,第2の位置決めピンと前記小口径半導体基板の3点接触位置決めをする円柱状の第3の位置決めピンと
を具備したことを特徴とする半導体基板トレー。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記半導体基板トレーの搬送装置の真空引き位置に合致した位置に設けられたこと
を特徴とする請求項1記載の半導体基板トレー。

【図1】
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【図2】
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