説明

半導体装置、半導体装置の製造方法、回路基板及び回路基板の製造方法

【課題】回路基板と半導体素子の間の接続信頼性を向上させる。
【解決手段】回路基板20と半導体素子10とが、その半導体素子10に設けられた突起電極13を介して、電気的に接続される。半導体素子10の突起電極13は、その先端13aが、回路基板20に設けられた電極部25における第1領域25aに接合される。電極部25の第1領域25a周辺の第2領域25b、及び突起電極13の側面13bには、導電部50が接合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を含む半導体装置及びその製造方法、並びに半導体装置に用いられる回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子と回路基板との接続形態の1つに、半導体素子と回路基板の電極同士を、突起電極(バンプ)を介して電気的に接続する、フリップチップ接続がある。
フリップチップ接続では、例えば、半導体素子の電極に接続された突起電極を、スズ(Sn)や半田等を含む中間層を介して、回路基板の電極に接続する。また、半導体素子の突起電極を熱圧着等によって回路基板の電極に接合する方法や、突起電極との間で成分の拡散性が異なる複数種の材料を用いて形成した回路基板の電極に、突起電極を熱圧着等によって接合する方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−043365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フリップチップ接続では、半導体素子と回路基板の接続部における突起電極と中間層との接合界面、中間層と電極との接合界面、或いは突起電極と電極との接合界面に、それらの材料の組み合わせや接合条件により、化合物が形成される場合がある。このような化合物の形成された接合界面を含む接続部に、熱ストレス等によって応力が発生すると、接合界面を起点とするクラックや接合界面の剥離等が発生し、半導体素子と回路基板の間に接続不良が発生してしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、電極部を有する回路基板と、前記電極部と対向する突起電極を有し、前記突起電極の先端が前記電極部の第1領域に接合された半導体素子と、前記電極部の前記第1領域周辺の第2領域と前記突起電極の側面とに接合された導電部と、を含む半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
開示の半導体装置によれば、回路基板と半導体素子の間の接続信頼性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態に係る半導体装置の一例の断面模式図である。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体素子と回路基板の接続部の要部断面模式図である。
【図3】半導体素子と回路基板の接合例の説明図である。
【図4】第1の組み合わせ例を示す図である。
【図5】第2の組み合わせ例を示す図である。
【図6】第3の組み合わせ例を示す図である。
【図7】第4の組み合わせ例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態に係る配線パターン形成工程の一例の説明図である。
【図9】第1の実施の形態に係る保護膜形成工程の一例の説明図である。
【図10】第1の実施の形態に係る導電材形成工程の一例の説明図である。
【図11】第1の実施の形態に係るリフロー処理工程の一例の説明図である。
【図12】第1の実施の形態に係る導電材選択的除去工程の一例の説明図である。
【図13】第1の実施の形態に係るフリップチップ接続第1工程の一例の説明図である。
【図14】第1の実施の形態に係るフリップチップ接続第2工程の一例の説明図である。
【図15】第2の実施の形態に係る半導体装置の一例の断面模式図である。
【図16】第2の実施の形態に係る半導体素子と回路基板の接続部の要部断面模式図である。
【図17】第2の実施の形態に係る配線パターン形成工程の一例の説明図である。
【図18】第2の実施の形態に係る保護膜形成工程の一例の説明図である。
【図19】第2の実施の形態に係る導電材形成工程の一例の説明図である。
【図20】第2の実施の形態に係るリフロー処理工程の一例の説明図である。
【図21】第2の実施の形態に係るフリップチップ接続第1工程の一例の説明図である。
【図22】第2の実施の形態に係るフリップチップ接続第2工程の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例の断面模式図である。
図1に示す半導体装置1は、フリップチップ接続により電気的に接続された半導体素子10と回路基板20を含んでいる。半導体素子10と回路基板20の間には、アンダーフィル30が充填され、回路基板20の半導体素子10搭載面側は、モールド樹脂40によって封止されている。
【0009】
この半導体装置1において、半導体素子10は、その一方の面(回路基板20と対向する面)に、電極11を有している。電極11には、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の導電性材料を用いることができる。
【0010】
半導体素子10の内部には、ここでは図示を省略するが、トランジスタ、抵抗、容量等の素子、及びそのような素子に電気的に接続された配線及びビアが含まれており、電極11は、そのような配線及びビアに電気的に接続されている。電極11は、その一部又は全部が保護膜12から露出するように、形成されている。保護膜12には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の無機系絶縁材料を用いることができる。
【0011】
このような半導体素子10の電極11には、突起電極13が接続されている。図1には、突起電極13の一例として、スタッドバンプ(ボールバンプ)を例示している。
突起電極13には、金(Au)又はCuを用いることができる。例えば、突起電極13には、その全体をAu又はCuによって形成したもののほか、導電性を有する突起状の電極表面にAu又はCuの表面処理を施したものを用いることができる。
【0012】
回路基板20は、絶縁層21、配線22、ビア23、及び保護膜24を有している。絶縁層21には、例えば、樹脂等の有機系絶縁材料、シリコン酸化膜等の無機系絶縁材料を用いることができる。配線22及びビア23には、例えば、Cu等の導電性材料を用いることができる。保護膜24には、例えば、樹脂(ソルダレジスト)等の有機系絶縁材料を用いることができる。
【0013】
回路基板20の各配線22は、それぞれ所定のパターンで形成される。異なる層の配線22間は、それらの間にある絶縁層21を貫通するビア23によって電気的に接続されている。保護膜24は、この第1の実施の形態では、最外層に形成された配線22の一部が露出するように、形成されている。回路基板20の一方の面側(半導体素子10と対向する面側)において、この保護膜24から露出する最外層の配線22の一部が、電極部25として用いられるようになっている。
【0014】
尚、電極部25には、その表面に、例えばニッケル(Ni)とAuを順に積層した表面処理層を形成することもできる。
このような回路基板20の電極部25と、上記した半導体素子10の電極11及び突起電極13とは、互いに対応する位置に形成されている。半導体素子10は、回路基板20の上方に、対応する突起電極13と電極部25との位置合わせを行って配置され、突起電極13を介して回路基板20に電気的に接続される。
【0015】
図2は第1の実施の形態に係る半導体素子と回路基板の接続部の要部断面模式図であって、(A)は接続部の一例を示す図、(B)は接続部の別例を示す図である。尚、図2(A),(B)は、図1のX部に相当する部分の断面模式図である(アンダーフィル30は図示を省略)。
【0016】
上記図1及びこの図2(A),(B)に示すように、半導体素子10は、その突起電極13の先端13aが、回路基板20の電極部25における一部(中央部)の領域(第1領域)25aに接合されている。突起電極13の先端13aと、電極部25の第1領域25aとは、突起電極13及び第1領域25aをいずれも固相状態のまま拡散接合する、固相拡散接合によって接合されている。
【0017】
また、上記図1及びこの図2(A),(B)に示すように、電極部25の第1領域25a周辺(外側)の領域(第2領域)25b、及び突起電極13の側面13bには、導電部50が接合されている。導電部50には、例えば、Sn、Snを含む半田、又は金属フィラーと樹脂からなる導電性ペーストを用いることができる。第2領域25bと導電部50、及び突起電極13の側面13bと導電部50は、まずその導電部50となる固相状態の導電材(半田等)を一度液相状態にし、それを再び固相状態にすることで拡散接合する、液相拡散接合によって接合されている。或いは、導電部50に導電性ペーストを用いる場合、第2領域25bと導電部50、及び突起電極13の側面13bと導電部50は、導電性ペーストに含まれる樹脂を介して密着されると共に金属フィラーによる接触接合によって接合されている。
【0018】
液相拡散接合の場合、突起電極13の側面13bと導電部50との接合界面、及び電極部25の第2領域25bと導電部50との接合界面には、それらの材質や接合条件により、図2(B)に示したように化合物51,52が形成され得る。
【0019】
例えば、上記のように、突起電極13の全体又は表面にAuを用い、導電部50にSn又はSnを含む半田を用いた場合には、化合物51として、AuSn4,AuSn2,AuSnといったAuxSnyの金属間化合物が形成され得る。また、突起電極13の全体又は表面にCuを用い、導電部50にSn又はSnを含む半田を用いた場合には、化合物51として、Cu3Sn,Cu6Sn5といったCuxSnyの金属間化合物が形成され得る。一方、電極部25にCuを用い、導電部50にSnを含む半田を用いた場合には、化合物52として、上記のようなCuxSnyの金属間化合物が形成され得る。また、電極部25の表面にAuを用い、導電部50にSnを含む半田を用いた場合には、化合物52として、上記のようなAuxSnyの金属間化合物が形成され得る。
【0020】
尚、導電部50(導電材)に、電極11、突起電極13及び電極部25の材料よりも低融点の材料を用いると、その導電材が液相状態となったときも、電極11、突起電極13及び電極部25は固相状態に維持される。そのため、電極部25の第1領域25aと突起電極13の先端13aとを固相拡散接合によって接合し、導電部50と電極部25の第2領域25b及び突起電極13の側面13bとを液相拡散接合によって接合することができる。
【0021】
以上説明したように、上記の半導体装置1では、半導体素子10と回路基板20の接続部において、突起電極13の先端13aが電極部25の第1領域25aに接合され、その周辺の第2領域25bと突起電極13の側面13bとに導電部50が接合される。これにより、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの接合を、導電部50によって補強し、半導体素子10と回路基板20との間の接続信頼性を確保することができる。
【0022】
ここで、接合する突起電極13と第1領域25a(配線22又はその表面処理層)には、接合時に原子相互拡散が起き難い若しくは起きない材料、又は起きても脆弱な化合物を形成しない材料を用いることが望ましい。それにより、接合界面に形成される化合物が起点となって生じるようなクラックを、効果的に抑えることができる。例えば、突起電極13にAuやCuを用い、第1領域25aにCuやNi/Auを用いた場合には、そのようなクラックの発生を効果的に抑えることができる。
【0023】
また、導電部50は、半導体素子10と回路基板20の間の導通に寄与すると共に、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの接合を補強してそれらの接合界面の剥離抑制に寄与する。更に、この導電部50により、熱ストレス等によって半導体素子10と回路基板20の接続部に発生する応力を緩和し、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの接合界面の剥離を効果的に抑えることができる。例えば、突起電極13にAuやCuを用い、第1領域25aにCuやNi/Auを用い、更に導電部50にSn又はSnを含む半田を用いた場合には、その導電部50により、突起電極13と第1領域25aとの接合界面の剥離を効果的に抑えることができる。
【0024】
そこで比較のため、半導体素子10と回路基板20の接続部の別例について説明する。
図3は半導体素子と回路基板の接合例の説明図であって、(A)は液相拡散接合による接合例を示す図、(B)は固相拡散接合による接合例を示す図である。
【0025】
図3(A)には、半導体素子10の突起電極13と、回路基板20の電極部25とが、中間層100を介して電気的に接続されている場合を例示している。このような接続部は、液相拡散接合によって得ることができる。即ち、中間層100を溶融し、そのような溶融(液相)状態を経て、中間層100と突起電極13、及び中間層100と電極部25を接合する。
【0026】
このとき、例えば、突起電極13にAuを用い、中間層100にSnを含む半田を用いている場合には、それらの接合界面に、AuxSnyの化合物101が形成される。また、突起電極13にCuを用いている場合には、中間層100との接合界面に、CuxSnyの化合物101が形成される。一方、電極部25にCuを用い、中間層100にSnを含む半田を用いている場合には、それらの接合界面に、CuxSnyの化合物102が形成される。
【0027】
このような化合物101,102を含む半導体素子10と回路基板20の接続部に、熱ストレス等によって応力が発生すると、化合物101,102を起点にクラック103が発生してしまう場合がある。また、このように中間層100にSnを含む半田を用いている場合には、電極11及び突起電極13の微細化・狭ピッチ化によって接続部に流れる電流の電流密度が増大すると、Sn原子のエレクトロマイグレーションが発生しやすくなる。その結果、中間層100内にSn密度の低下した部分が生じ、そのような部分で抵抗増加や断線等が発生してしまう場合がある。
【0028】
また、図3(B)には、半導体素子10の突起電極13と、回路基板20の電極部25とが、固相拡散接合によって接合されている場合を例示している。このような接続部は、突起電極13を電極部25に密着させ、加熱及び加圧を行うことで得ることができる。
【0029】
このとき、突起電極13と電極部25(全体或いは一部)の材料によっては、それらの接合界面(全体或いは一部)に脆弱な化合物201が形成され、その結果、熱ストレス等による応力によってクラック203が発生してしまう場合がある。一方、突起電極13と電極部25の材料を適当に選択すれば、それらの接合界面における化合物201の形成を抑えることもできる。しかし、このような接続部の構造のみでは、熱ストレス等による応力が発生した場合、その応力を十分に緩和することができず、接合界面の剥離が生じてしまう場合がある。
【0030】
図3(A),(B)において、突起電極13及び電極部25のサイズが比較的大きい場合には、クラック103,203や断線の発生を抑え、半導体素子10と回路基板20との一定の接続信頼性を確保することも可能である。しかし、半導体素子10、回路基板20の小型化が進み、電極11、突起電極13及び電極部25の微細化・狭ピッチ化が進むと、クラック103,203や断線により、半導体素子10と回路基板20との接続不良が発生し易くなる。
【0031】
これに対し、上記半導体装置1の半導体素子10と回路基板20の接続部では、突起電極13の先端13aと電極部25の第1領域25aとの接合を、電極部25の第2領域25bと突起電極13の側面13bとに接合した導電部50によって補強している。
【0032】
このとき、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの接合界面において脆弱な化合物の形成を抑えるようにすれば、それらの接合界面におけるクラックの発生や、それらの接合界面の剥離を、効果的に抑えることができる。
【0033】
また、導電部50を設けることにより、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの接合界面に化合物が形成されるような場合にも、それらの接合強度を確保し、接合界面の剥離を効果的に抑えることができる。更に、熱ストレス等で発生する応力を、この導電部50によって緩和することができ、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの接合界面の剥離を効果的に抑えることができる。
【0034】
また、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの接合界面に、SnやSnを含む半田を含めないようにすることで、Snのエレクトロマイグレーション、及びそれによる断線を効果的に抑え、電流経路を確保することができる。
【0035】
上記半導体装置1によれば、半導体素子10と回路基板20の接続部のサイズが比較的大きい場合のほか、接続部が微細化・狭ピッチ化された場合であっても、半導体素子10と回路基板20の間の接続信頼性を向上させることが可能になる。
【0036】
尚、半導体素子10の突起電極13と回路基板20の電極部25の具体的な組み合わせの例としては、次の図4乃至図7に示すようなものが挙げられる。
図4は第1の組み合わせ例を示す図、図5は第2の組み合わせ例を示す図、図6は第3の組み合わせ例を示す図、図7は第4の組み合わせ例を示す図である。尚、図4乃至図7において、(A)は突起電極にAuを用いた場合の要部断面模式図、(B)は突起電極にCuを用いた場合の要部断面模式図である。
【0037】
図4(A)には、回路基板20にCu電極部25A(保護膜24から露出する配線22の一部)が設けられており、半導体素子10の電極11にAuボールバンプ13Aが接続されている場合を例示している。Auボールバンプ13Aの先端13AaがCu電極部25Aの第1領域25Aaに接合され、その周辺の第2領域25Ab及びAuボールバンプ13Aの側面13Abに半田50Aが接合されている。
【0038】
一方、図4(B)には、図4(A)のAuボールバンプ13Aに替えて、Cuボールバンプ13Bを用いた場合を例示している。Cuボールバンプ13Bの先端13BaがCu電極部25Aの第1領域25Aaに接合され、その周辺の第2領域25Ab及びCuボールバンプ13Bの側面13Bbに半田50Aが接合されている。
【0039】
尚、Auボールバンプ13A及びCuボールバンプ13Bは、例えば、ワイヤの先端部を溶融し、それを電極11に接着した後、そのワイヤを引きちぎることで、形成することができる。
【0040】
図4(A),(B)に示した構成によれば、Auボールバンプ13A又はCuボールバンプ13Bと、第1領域25Aaとの接合強度を確保することができ、更に、半田50Aにより、それらの接合界面の剥離を抑制することができる。
【0041】
また、図5(A)には、回路基板20にCu電極部25Aが設けられており、半導体素子10の電極11に柱状のAuメッキバンプ13Cが接続されている場合を例示している。Auメッキバンプ13Cの先端13CaがCu電極部25Aの第1領域25Aaに接合され、その周辺の第2領域25Ab及びAuメッキバンプ13Cの側面13Cbに半田50Aが接合されている。
【0042】
一方、図5(B)には、図5(A)のAuメッキバンプ13Cに替えて、Cuメッキバンプ13Dを用いた場合を例示している。Cuメッキバンプ13Dの先端13DaがCu電極部25Aの第1領域25Aaに接合され、その周辺の第2領域25Ab及びCuメッキバンプ13Dの側面13Dbに半田50Aが接合されている。
【0043】
尚、Auメッキバンプ13C及びCuメッキバンプ13Dは、例えば、半導体素子10の電極11の形成面側に、電極11に通じる開口部を有するマスクを形成し、その状態からメッキ処理を行い、その後マスクを除去することによって形成することができる。
【0044】
図5(A),(B)に示した構成によっても、上記同様の効果を得ることができる。
また、図6(A)には、回路基板20に、Cu電極部25Aの表面にNiメッキ25B及びAuメッキ25Cが施された電極部が設けられており、半導体素子10の電極11にAuボールバンプ13Aが接続されている場合を例示している。Auボールバンプ13Aの先端13AaがAuメッキ25Cの第1領域25Caに接合され、その周辺の第2領域25Cb及びAuボールバンプ13Aの側面13Abに半田50Aが接合されている。
【0045】
一方、図6(B)には、図6(A)のAuボールバンプ13Aに替えて、Cuボールバンプ13Bを用いた場合を例示している。Cuボールバンプ13Bの先端13BaがAuメッキ25Cの第1領域25Caに接合され、その周辺の第2領域25Cb及びCuボールバンプ13Bの側面13Bbに半田50Aが接合されている。
【0046】
図6(A),(B)に示した構成によっても、上記同様の効果を得ることができる。
また、図7(A)には、回路基板20に、Cu電極部25Aの表面にNiメッキ25B及びAuメッキ25Cが施された電極部が設けられており、半導体素子10の電極11に柱状のAuメッキバンプ13Cが接続されている場合を例示している。Auメッキバンプ13Cの先端13CaがAuメッキ25Cの第1領域25Caに接合され、その外側の第2領域25Cb及びAuメッキバンプ13Cの側面13Cbに半田50Aが接合されている。
【0047】
一方、図7(B)には、図7(A)のAuメッキバンプ13Cに替えて、Cuメッキバンプ13Dを用いた場合を例示している。Cuメッキバンプ13Dの先端13DaがAuメッキ25Cの第1領域25Caに接合され、その周辺の第2領域25Cb及びCuメッキバンプ13Dの側面13Dbに半田50Aが接合されている。
【0048】
図7(A),(B)に示した構成によっても、上記同様の効果を得ることができる。
尚、上記の図4乃至図7に例示したような組み合わせのほか、例えば、上記図1及び図2に示した突起電極13と電極部25(全部又は表面)について、双方にSn又はSnを含む材料を用いることもできる。その場合、導電部50には、突起電極13及び電極部25よりも、低融点の材料を用いる。このようにすると、電極部25の第1領域25aと突起電極13の先端13aとを固相拡散接合によって接合すると共に、導電部50と電極部25の第2領域25b及び突起電極13の側面13bとを液相拡散接合によって接合することができる。
【0049】
続いて、第1の実施の形態に係る半導体装置1の形成方法の一例について説明する。
図8は第1の実施の形態に係る配線パターン形成工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL8−L8断面模式図である。
【0050】
ここでは、半導体素子10については、その形成が終了しているものとする。また、回路基板20については、最外層の配線22の形成前まで終了しているものとし、以下では、回路基板20の最外層の配線22を形成する工程以後の工程について説明する。
【0051】
回路基板20の最外層の配線22として、この図8(A)に示すような、一部に括れた部分(括れ部)22aを有する平面形状の配線22を形成する。ここでは一例として、絶縁層21上に、括れ部22aを有する3本の配線22が並設されている部分を図示している。また、ここでは一例として、配線22にCuを用いる。括れ部22aは、例えば、その幅W1を20μmとする。また、括れ部22aの周辺部22bの幅W2は、例えば、40μmとする。
【0052】
最外層の配線22の括れ部22aは、後に半導体素子10の突起電極13の先端13aを接合する位置に形成する。即ち、括れ部22aは、上記及び後述する電極部25の第1領域25aに相当する位置に形成する。
【0053】
図9は第1の実施の形態に係る保護膜形成工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL9−L9断面模式図である。
配線22の形成後は、回路基板20の表面に保護膜24を形成する。ここでは一例として、保護膜24にソルダレジストを用いる。
【0054】
保護膜24の形成では、まず、回路基板20の表面に保護膜24を形成した後、括れ部22aとその周辺部22bを含む領域に通じる開口部24aを形成する。開口部24aは、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、形成することができる。
【0055】
この保護膜24の開口部24aから露出する配線22の部分が電極部25となる。即ち、開口部24aから露出する配線22の括れ部22aとその周辺部22bは、それぞれ電極部25の第1領域25aとその周辺の第2領域25bとなる。
【0056】
図10は第1の実施の形態に係る導電材形成工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL10−L10断面模式図である。
保護膜24の形成後は、その開口部24aから露出する電極部25(配線22)の第1領域25a及び第2領域25b(括れ部22a及び周辺部22b)の表面に、導電材50aを形成する。ここでは一例として、導電材50aにSn(純Sn)を用いる。
【0057】
導電材50aは、例えば、保護膜24及びその開口部24aを形成した後の回路基板20を、導電材50aの成分を含むメッキ液に浸漬し、電極部25に通電してその表面に導電材50aをメッキする電解メッキ法を用いて、形成することができる。
【0058】
また、導電材50aは、電極部25への通電を伴わない無電解メッキ法を用いて、形成することもできる。更にまた、導電材50aは、電極部25の形状に相当する開口部を設けたマスクを利用し、ペースト状の導電材50aを電極部25上に印刷する印刷法を用いて、形成することもできる。
【0059】
図11は第1の実施の形態に係るリフロー処理工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL11−L11断面模式図である。
導電材50aの形成後は、その表面にフラックスを塗布し(図示せず)、リフロー処理を行って導電材50aを溶融させる。リフロー処理の温度、雰囲気は、用いる導電材50aの材質を基に設定すればよい。
【0060】
このリフロー処理によって溶融した導電材50aは、その表面張力により、電極部25のうち、面積の大きい第2領域25bに集まるようになる。その結果、面積の小さい第1領域25aの導電材50aが減り、その膜厚が薄くなる。また、リフロー処理前の導電材50aにボイドが含まれている場合には、このリフロー処理により、そのようなボイドが除去されるようになる。
【0061】
図12は第1の実施の形態に係る導電材選択的除去工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL12−L12断面模式図である。
リフロー処理を行った後は、電極部25の第1領域25aに薄く残っている導電材50aを選択的に除去する。この導電材50aの選択的除去には、ウェットエッチング、ドライエッチング、レーザトリミング等の方法を用いることができる。
【0062】
例えば、ウェットエッチングの場合には、まずフラックス洗浄を行った後、回路基板20を所定のエッチング液に浸漬する。電極部25の第1領域25aに残る導電材50aは、第2領域25bに集まっている導電材50aに比べて薄く、このようにエッチング液に浸漬することで、第2領域25bに導電材50aを残しつつ、第1領域25aの導電材50aを除去することができる。ドライエッチングの場合には、回路基板20の全面に対し、又は電極部25の第1領域25aの導電材50aに対し、エッチングを行うことで、第1領域25aの導電材50aを選択的に除去する。レーザトリミングの場合には、電極部25の第1領域25aの導電材50aにレーザを照射し、その導電材50aを選択的に除去する。
【0063】
このように、第1領域25aの導電材50aを選択的に除去することで、電極部25の第1領域25aには導電材50aがなく、その周辺の第2領域25bに導電材50aが選択的に形成された回路基板20を得ることができる。このような回路基板20に半導体素子10をフリップチップ接続する。
【0064】
図13は第1の実施の形態に係るフリップチップ接続第1工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL13−L13断面模式図である。
半導体素子10の電極11には、突起電極13が接続されている。ここでは一例として、突起電極13にAuボールバンプを用いている。
【0065】
このような半導体素子10を、上記のようにして形成した回路基板20にフリップチップ接続する場合には、まず、その突起電極13の配設面を回路基板20の電極部25の配設面に対向させ、対応する突起電極13と電極部25の位置合わせを行う。半導体素子10は、その突起電極13の先端13aの位置と、電極部25の導電材50aが形成されていない第1領域25aの位置を合わせて配置する。このような半導体素子10の配置には、例えば、フリップチップボンダーを用いることができる。
【0066】
そして、突起電極13の先端13aを電極部25の第1領域25aに接触させた状態で、導電材50aの融点未満の温度での加熱、更に加圧(押圧)を行い、突起電極13の先端13aと第1領域25aとを、固相拡散接合によって接合する。このときの接合条件は、例えば、加熱温度200℃、1個の突起電極13当たりの荷重15gf、加熱・加圧時間15秒とすることができる。
【0067】
図14は第1の実施の形態に係るフリップチップ接続第2工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL14−L14断面模式図である。
突起電極13の先端13aと第1領域25aとの固相拡散接合による接合後、今度は導電材50aの融点以上の温度での加熱を行いながら、加圧(押圧)を行う。このときの接合条件は、例えば、加熱温度245℃、1個の突起電極13当たりの荷重10gf、加熱・加圧時間5秒とすることができる。
【0068】
この加熱及び加圧により、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの固相拡散接合が更に進展する。また、加圧が行われているため、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの間への、溶融した導電材50aの浸入を防ぐことができる。
【0069】
一方、加熱により溶融した導電材50aは、突起電極13の側面13b、及び第1領域25a周辺の第2領域25bに濡れ広がる。尚、その際、溶融した導電材50aは、突起電極13の側面13bを全周にわたって被覆するように濡れ広がる場合があるほか、突起電極13の側面13bのうち、第2領域25b側に面した一部の側面13bのみを被覆するように濡れ広がる場合もある。
【0070】
溶融して濡れ広がった導電材50aは、その後冷却されて凝固される。それにより、突起電極13の側面13b、及び第1領域25a周辺の第2領域25bに液相拡散接合によって接合された導電部50が形成される。
【0071】
以上の工程により、突起電極13の先端13aが電極部25の第1領域25aに固相拡散接合によって接合され、導電部50が第1領域25a周辺の第2領域25b及び突起電極13の側面13bに液相拡散接合によって接合された状態を得ることができる。
【0072】
このようにして半導体素子10と回路基板20とをフリップチップ接続した後は、半導体素子10と回路基板20の間隙にアンダーフィル30を充填し、更に回路基板20の半導体素子10搭載面側をモールド樹脂40で封止する。これにより、上記図1に示したような半導体装置1を得ることができる。
【0073】
尚、電極部25の表面にNi/Au表面処理層(Niメッキ及びAuメッキ)を施す場合には、図9に示した保護膜24及びその開口部24aの形成後、図10に示した導電材50aの形成前に、Ni/Au表面処理層の形成を行うようにすればよい。
【0074】
また、上記形成方法の例では、図11に示したリフロー処理後、図12に示したような導電材50aの選択的除去を行うようにしたが、リフロー処理で導電材50aを選択的に第2領域25bに形成可能であれば、導電材50aの選択的除去工程は省略してもよい。その場合は、図11に示したリフロー処理後に、図13及び図14に示したようにしてフリップチップ接続を行うようにすればよい。
【0075】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図15は第2の実施の形態に係る半導体装置の一例の断面模式図である。
第2の実施の形態に係る半導体装置1aは、保護膜24から露出する電極部25が、突起電極13の先端13aが接合される第1領域25aと、その第1領域25aと電気的に分離された第2領域25bとを有している。この半導体装置1aの電極部25の第1領域25aは、第2領域25bと絶縁層21で絶縁されて島(アイランド)状に形成されており、ビア23を介して下層の配線22に電気的に接続されている。
【0076】
図16は第2の実施の形態に係る半導体素子と回路基板の接続部の要部断面模式図であって、(A)は接続部の一例を示す図、(B)は接続部の別例を示す図である。尚、図16(A),(B)は、図15のY部に相当する部分の断面模式図である。
【0077】
この半導体装置1aでは、図16(A),(B)に示すように、突起電極13の先端13aが、電極部25のアイランド状の第1領域25aに固相拡散接合によって接合されている。第1領域25aの周辺に絶縁層21を挟んで設けられた第2領域25b、及び突起電極13の側面13bには、導電部50が液相拡散接合によって接合されている。突起電極13の側面13bと導電部50との接合界面、及び電極部25の第2領域25bと導電部50との接合界面には、それらの材質や接合条件により、図16(B)に示したように、化合物51,52が形成され得る。
【0078】
尚、この第2の実施の形態に係る半導体装置1aでは、上記第1の実施の形態に係る半導体装置1に関して述べたのと同様の材料を用いて、突起電極13、電極部25(第1領域25a及び第2領域25b)、導電部50を形成することができる。例えば、この第2の実施の形態に係る半導体装置1aにおいても、上記の図4乃至図7等に例示したような組み合わせを適用することができる。
【0079】
この第2の実施の形態に係る半導体装置1aによっても、突起電極13の先端13aと電極部25の第1領域25aとの接合を、突起電極13の側面13b、及び電極部25の第2領域25bに接合した導電部50によって補強することができる。
【0080】
続いて、第2の実施の形態に係る半導体装置1aの形成方法の一例について説明する。
図17は第2の実施の形態に係る配線パターン形成工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL17−L17断面模式図である。
【0081】
回路基板20には、この図17(A)に示すように、アイランド状の部分(アイランド部)22c、及びアイランド部22cを挟む一対のリード部22dを形成する。アイランド部22cとリード部22dとは、絶縁層21によって電気的に分離し、アイランド部22cは、下層の配線22に接続されたビア23上に形成する。ここでは一例として、アイランド部22cとそれを挟む一対のリード部22dが3組並設されている部分を図示している。また、ここでは一例として、アイランド部22c及びリード部22dにCuを用いる。
【0082】
アイランド部22cは、後に半導体素子10の突起電極13の先端13aを接合する位置、即ち上記及び後述する電極部25の第1領域25aに相当する位置に形成する。
図18は第2の実施の形態に係る保護膜形成工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL18−L18断面模式図である。
【0083】
アイランド部22c及びリード部22dの形成後は、回路基板20の表面に保護膜24を形成する。ここでは一例として、保護膜24にソルダレジストを用いる。
保護膜24の形成では、まず、回路基板20の表面に保護膜24を形成した後、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、アイランド部22cとリード部22dの一部とを含む領域に通じる開口部24aを形成する。
【0084】
この保護膜24の開口部24aから露出するアイランド部22cとリード部22dの一部とが電極部25となる。即ち、開口部24aから露出するアイランド部22cとリード部22dの一部とは、それぞれ電極部25の第1領域25aとその周辺の第2領域25bとなる。
【0085】
図19は第2の実施の形態に係る導電材形成工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL19−L19断面模式図である。
開口部24aを有する保護膜24の形成後は、開口部24aから露出する電極部25の第2領域25b(リード部22dの一部)に選択的に、導電材50aを形成する。ここでは一例として、導電材50aにSn(純Sn)を用いる。
【0086】
導電材50aは、電解メッキ法を用いて形成する。即ち、保護膜24形成後の回路基板20を、導電材50aの成分を含むメッキ液に浸漬し、リード部22dに通電することで、保護膜24から露出する電極部25の第2領域25b(リード部22dの一部)に導電材50aを形成する。この電解メッキ時には、電極部25の第1領域25a(アイランド部22c)がリード部22dと電気的に分離されているため、保護膜24から露出する電極部25の第2領域25bに選択的に導電材50aがメッキされる。
【0087】
図20は第2の実施の形態に係るリフロー処理工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL20−L20断面模式図である。
電極部25の第2領域25bに導電材50aを形成した後は、リフロー処理を行って導電材50aを溶融させる。溶融した導電材50aは、第2領域25bに留まり、絶縁層21を挟んで形成されている第1領域25aへの流出は抑えられる。また、このようなリフロー処理を行うことで、リフロー処理前の導電材50aに含まれている可能性のあるボイドを除去することができる。
【0088】
図21は第2の実施の形態に係るフリップチップ接続第1工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL21−L21断面模式図である。
半導体素子10の電極11には、突起電極13の一例としてAuボールバンプが接続されている。
【0089】
このような半導体素子10を、上記のようにして形成した回路基板20にフリップチップ接続する。その場合は、まず、突起電極13の先端13aを電極部25の第1領域25aに接触させた状態で、導電材50aの融点未満の温度での加熱、更に加圧(押圧)を行い、突起電極13の先端13aと第1領域25aとを、固相拡散接合によって接合する。このときの接合条件は、例えば、加熱温度200℃、1個の突起電極13当たりの荷重15gf、加熱・加圧時間15秒とすることができる。
【0090】
図22は第2の実施の形態に係るフリップチップ接続第2工程の一例の説明図であって、(A)は要部平面模式図、(B)は(A)のL22−L22断面模式図である。
突起電極13の先端13aと第1領域25aとの固相拡散接合による接合後は、導電材50aの融点以上の温度での加熱を行いながら、加圧(押圧)を行う。このときの接合条件は、例えば、加熱温度245℃、1個の突起電極13当たりの荷重10gf、加熱・加圧時間5秒とすることができる。
【0091】
この加熱及び加圧により、突起電極13の先端13aと第1領域25aとの固相拡散接合が更に進展する。一方、加熱により溶融した導電材50aは、突起電極13の側面13b、及び第1領域25a周辺の第2領域25bに濡れ広がる。尚、その際、溶融した導電材50aは、突起電極13の側面13bを全周にわたって被覆するように濡れ広がる場合があるほか、突起電極13の側面13bのうち、第2領域25b側に面した一部の側面13bのみを被覆するように濡れ広がる場合もある。
【0092】
溶融して濡れ広がった導電材50aは、その後冷却されて凝固される。それにより、突起電極13の側面13b、及び第1領域25a周辺の第2領域25bに液相拡散接合によって接合された導電部50が形成される。
【0093】
以上の工程により、突起電極13の先端13aが電極部25の第1領域25aに固相拡散接合によって接合され、導電部50が第1領域25a周辺の第2領域25b及び突起電極13の側面13bに液相拡散接合によって接合された状態を得ることができる。
【0094】
このようにして半導体素子10と回路基板20とをフリップチップ接続した後は、半導体素子10と回路基板20の間隙にアンダーフィル30を充填し、更に回路基板20の半導体素子10搭載面側をモールド樹脂40で封止する。これにより、上記図15に示したような半導体装置1aを得ることができる。
【0095】
尚、電極部25の表面にNi/Au表面処理層(Niメッキ及びAuメッキ)を施す場合には、図18に示した保護膜24及びその開口部24aの形成後、図19に示した導電材50aの形成前に、Ni/Au表面処理層の形成を行うようにすればよい。
【0096】
また、上記形成方法の例では、図19に示した導電材50aの形成後、図20に示したようにリフロー処理を行うようにしたが、導電材50aに含まれ得るボイドの影響が無視し得るものであれば、このリフロー処理は省略してもよい。その場合は、図19に示した導電材50aの形成後に、図21及び図22に示したようにしてフリップチップ接続を行うようにすればよい。
【0097】
以上、半導体素子10と回路基板20とをフリップチップ接続した半導体装置1,1aについて説明した。尚、上記の手法は、半導体装置1,1aを、マザーボード等、更に別の回路基板に接続する場合にも、同様に適用可能である。また、上記の手法を用いて形成したこのような半導体装置1,1a等を、他の部品と組み合わせ、それらを内部に含む情報処理装置(パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ等)、携帯情報処理端末(携帯電話等)等の電子装置を製造することが可能である。
【0098】
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 電極部を有する回路基板と、
前記電極部と対向する突起電極を有し、前記突起電極の先端が前記電極部の第1領域に接合された半導体素子と、
前記電極部の前記第1領域周辺の第2領域と前記突起電極の側面とに接合された導電部と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【0099】
(付記2) 前記導電部は、Sn、Snを含む半田、又は金属フィラーと樹脂からなる導電性ペーストであることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記第1領域と前記第2領域とは、直線状に連続して形成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
【0100】
(付記4) 前記第1領域の幅が、前記第2領域の幅よりも狭いことを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記5) 前記第1領域は、島状に形成され、前記第2領域と電気的に分離されていることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
【0101】
(付記6) 前記導電部と前記第2領域との接合界面に、前記導電部の成分と前記電極部の成分とを含む第1化合物が形成され、前記導電部と前記側面との接合界面に、前記導電部の成分と前記突起電極の成分とを含む第2化合物が形成されていることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
【0102】
(付記7) 回路基板の電極部の、第1領域と前記第1領域周辺の第2領域のうち、前記第2領域に選択的に導電材を形成する工程と、
突起電極を有する半導体素子を、前記突起電極の先端を前記第1領域に接合する工程と、
前記導電材を用いて前記第2領域と前記突起電極の側面とに接合された導電部を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0103】
(付記8) 前記先端を、前記第1領域に、固相拡散接合によって接合し、前記導電部を、前記第2領域と前記側面とに、液相拡散接合によって接合することを特徴とする付記7に記載に半導体装置の製造方法。
【0104】
(付記9) 前記導電部は、前記電極部及び前記突起電極よりも融点が低く、
前記先端を前記第1領域に接合する際には、前記先端を前記第1領域に、前記導電材の融点よりも低温で加熱しながら押圧し、
前記第2領域と前記側面とに接合された前記導電部を形成する際には、前記導電材の融点よりも高温で加熱して前記導電材を溶融した後、前記導電材を凝固することを特徴とする付記7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
【0105】
(付記10) 電極部と、
前記電極部の、第1領域と前記第1領域周辺の第2領域のうち、前記第2領域に選択的に形成された導電材と、
を含むことを特徴とする回路基板。
【0106】
(付記11) 電極部を形成する工程と、
前記電極部の、第1領域と前記第1領域周辺の第2領域のうち、前記第2領域に選択的に導電材を形成する工程と、
を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【符号の説明】
【0107】
1,1a 半導体装置
10 半導体素子
11 電極
12 保護膜
13 突起電極
13A Auボールバンプ
13B Cuボールバンプ
13C Auメッキバンプ
13D Cuメッキバンプ
13a,13Aa,13Ba,13Ca,13Da 先端
13b,13Ab,13Bb,13Cb,13Db 側面
20 回路基板
21 絶縁層
22 配線
22a 括れ部
22b 周辺部
22c アイランド部
22d リード部
23 ビア
24 保護膜
24a 開口部
25 電極部
25A Cu電極部
25B Niメッキ
25C Auメッキ
25a,25Aa,25Ca 第1領域
25b,25Ab,25Cb 第2領域
30 アンダーフィル
40 モールド樹脂
50 導電部
50a 導電材
50A 半田
51,52,101,102,201 化合物
100 中間層
103,203 クラック
W1,W2 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極部を有する回路基板と、
前記電極部と対向する突起電極を有し、前記突起電極の先端が前記電極部の第1領域に接合された半導体素子と、
前記電極部の前記第1領域周辺の第2領域と前記突起電極の側面とに接合された導電部と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記導電部は、Sn、Snを含む半田、又は金属フィラーと樹脂からなる導電性ペーストであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1領域と前記第2領域とは、直線状に連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1領域の幅が、前記第2領域の幅よりも狭いことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1領域は、島状に形成され、前記第2領域と電気的に分離されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項6】
回路基板の電極部の、第1領域と前記第1領域周辺の第2領域のうち、前記第2領域に選択的に導電材を形成する工程と、
突起電極を有する半導体素子を、前記突起電極の先端を前記第1領域に接合する工程と、
前記導電材を用いて前記第2領域と前記突起電極の側面とに接合された導電部を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
電極部と、
前記電極部の、第1領域と前記第1領域周辺の第2領域のうち、前記第2領域に選択的に形成された導電材と、
を含むことを特徴とする回路基板。
【請求項8】
電極部を形成する工程と、
前記電極部の、第1領域と前記第1領域周辺の第2領域のうち、前記第2領域に選択的に導電材を形成する工程と、
を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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