説明

半導体装置およびその制御方法

【課題】テストモード時にテストモードがリセットされるのを防ぐ。
【解決手段】本発明の半導体装置1は、外部から入力されるコマンドに応じて、半導体装置を通常動作モードまたはテストモードで動作させるテスト制御回路220と、通常動作モード時または前記テストモードにおける所定期間外に所定のコマンドが入力されると、テストモードリセット信号TRSTを活性化してテスト制御回路220に入力し、テストモードにおける所定期間内は、所定のコマンドが入力されても、テストモードリセット信号TRSTを活性化しないテストモードリセット制御回路210と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テストモードを備える半導体装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体装置は、評価や選別を行うためのテストモードを備えている。このような半導体装置においては、通常動作モード時に誤ってテストモードが有効になると、誤作動が生じてしまう。特に、電源投入時には、半導体装置の内部回路が不安定であるため、誤ってテストモードが有効になってしまうことがある。
【0003】
そこで、特許文献1(特開2005−331311号公報)には、専用の外部端子を有し、その外部端子を介してテストモードをリセットする旨が入力されると、テストモードをリセットする半導体装置が開示されている。
【0004】
また、DDR2 DRAM(Double-Data-Rate2 DRAM)などのようにテストモードをリセットする旨を入力するための専用の外部端子を有さない半導体装置においては、所定のコマンドの入力に応じて、テストモードがリセットされる。なお、所定のコマンドは、例えば、半導体装置のinitialize sequenceの実行時などに入力されるコマンドである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−331311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、所定のコマンドの入力に応じてテストモードをリセットする半導体装置においては、initialize sequenceの実行時などに入力される所定のコマンドに応じて、テストモードがリセットされる。そのため、テストモード時に、テストモードのリセットが不要である場合にも、所定のコマンドの入力に応じてリセットされるため、テストモードの再設定が必要となり、テスト時間が増大するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置は、
通常動作モードまたはテストモードで動作する半導体装置であって、
前記半導体装置の外部から入力されるコマンドに応じて、前記半導体装置を前記通常動作モードまたは前記テストモードで動作させるテスト制御回路と、
前記通常動作モード時または前記テストモードにおける所定期間外に所定のコマンドが入力されると、前記テストモードをリセットすべき旨を示すテストモードリセット信号を活性化して前記テスト制御回路に入力し、前記テストモードにおける所定期間内は、前記所定のコマンドが入力されても、前記テストモードリセット信号を活性化しないテストモードリセット制御回路と、を有する。
【0008】
本発明の半導体装置の制御方法は、
通常動作モードまたはテストモードで動作する半導体装置の制御方法であって、
前記半導体装置の外部から入力されるコマンドに応じて、前記半導体装置を前記通常動作モードまたは前記テストモードで動作させ、
前記通常動作モード時または前記テストモードにおける所定期間外に所定のコマンドが入力されると、前記テストモードをリセットすべき旨を示すテストモードリセット信号を活性化し、前記テストモードにおける所定期間内は、前記所定のコマンドが入力されても、前記テストモードリセット信号を活性化しない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、テストモードにおける所定期間内は、所定のコマンドが入力されても、テストモードリセット信号を活性化しないため、テストモードがリセットされることがなく、テストモードの再設定が不要となり、テスト時間の増大を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の半導体装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示すDLL制御回路の構成を示す図である。
【図3】図2に示すDelay回路の構成の一例を示す図である。
【図4】図2に示すDelay回路の構成の他の一例を示す図である。
【図5】図1に示すDLL回路の構成を示す図である。
【図6】図1に示す半導体装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】図6に示すTest Sequence1を示す図である。
【図8】図6に示すTest Sequence2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の半導体装置1の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示す半導体装置1は、メモリアレイ領域10と、クロックパッド11a,11bと、アドレスパッド12a〜12nと、コマンドパッド13a〜13cと、クロック入力回路14と、アドレス入力回路15と、コマンド入力回路17と、アドレス・コマンドデコーダ18と、モードレジスタ19と、ロウデコーダ20と、カラムデコーダ21と、DLL制御回路22と、DLL回路23と、入出力回路25と、データパッドDQ0〜DQmと、内部電圧発生回路26と、電源パッド27a,27bと、を有する。
【0014】
メモリアレイ領域10においては、不図示の複数のメモリセルがロウ方向およびカラム方向にアレイ状に配置されている。また、メモリアレイ領域10においては、不図示の複数のワード線と複数のビット線とが交差している。複数のメモリセルの各々は、ワード線とビット線との交点に位置している。また、不図示の複数のセンスアンプが、複数のビット線に対応して、接続されている。
【0015】
クロックパッド11a,11bはそれぞれ、外部クロック信号CK,/CKが供給されるパッドである。各パッドに供給された外部クロック信号CK,/CKは、クロック入力回路14に入力される。なお、信号名の先頭に「/」が付されている信号は、対応する信号の反転信号またはローアクティブな信号であることを意味する。したがって、外部クロック信号CK,/CKは互いに相補の信号である。
【0016】
アドレスパッド12a〜12nは、アクセス対象のメモリセルのロウアドレスおよびカラムアドレスなどを示すアドレス信号ADDが供給されるパッドである。供給されたアドレス信号ADDは、アドレス入力回路15に入力される。
【0017】
コマンドパッド13a〜13cはそれぞれ、ロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WENなどのコマンド信号が入力されるパッドである。これらのコマンド信号は、コマンド入力回路17に供給される。
【0018】
クロック入力回路14は、クロックパッド11a,11bを介して入力された外部クロック信号CK,/CKに基づき内部クロック信号ICLKを生成し、DLL制御回路22、DLL回路23など、各部に入力する。
【0019】
アドレス入力回路15は、アドレスパッド12a〜12nを介して入力されたアドレス信号ADDをアドレス・コマンドデコーダ18に出力する。
【0020】
コマンド入力回路17は、コマンドパッド13a〜13cを介して入力されたロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WENなどのコマンド信号をアドレス・コマンドデコーダ18に出力する。
【0021】
アドレス・コマンドデコーダ18は、アドレス入力回路15から入力されたアドレス信号ADDのうち、ロウアドレスについてはロウデコーダ20に出力し、カラムアドレスについてはカラムデコーダ21に出力する。また、アドレス・コマンドデコーダ18は、モードレジスタセットにエントリしている場合には、アドレス信号ADDをモードレジスタ19に出力する。アドレス信号ADDの入力により、モードレジスタ19の内容が更新される。
【0022】
また、アドレス・コマンドデコーダ18は、テスト制御信号TMRS<0>およびテスト制御信号TMRS<1>をDLL制御回路22に出力する。また、アドレス・コマンドデコーダ18は、内部クロック信号ICLKに同期して、コマンド入力回路17から入力されたコマンド信号に基づきコマンドをデコードし、デコードしたコマンドに応じた信号をモードレジスタ19、ロウデコーダ20、カラムデコーダ21、DLL制御回路22、DLL回路23に出力する。
【0023】
モードレジスタ19は、半導体装置1の動作モードを格納する。モードレジスタ19へのアドレス・コマンドデコーダ18からのNormal MRS信号の入力に応じて、動作モードが設定される。
【0024】
ロウデコーダ20は、アドレス・コマンドデコーダ18から入力されたロウアドレスに基づき、ワード線を選択する。
【0025】
カラムデコーダ21は、アドレス・コマンドデコーダ18から入力されたカラムアドレスに基づき、センスアンプを選択する。選択されたセンスアンプに接続するビット線は、入出力回路25に接続される。
【0026】
DLL制御回路22は、アドレス・コマンドデコーダ18から入力されるテスト制御信号TMRS<0>、テスト制御信号TMRS<1>、Normal MRS信号、TMRS_NORST信号およびDLLRESET信号に基づき、DLL回路23にテストモードを設定するTest Mode En<0>信号およびTest Mode En<1>信号を生成し、DLL回路23に出力する。
【0027】
DLL回路23は、アドレス・コマンドデコーダ18およびDLL制御回路22からなるコマンド制御部24により動作が制御され、内部クロック信号ICLKと外部クロック信号CKとの位相のずれを調整する回路である。DLL回路23は、外部クロック信号CKに同期するクロック信号DLL_CLKを生成し、入出力回路25に出力する。また、DLL回路23は、DLL制御回路22からのTest Mode En<0>信号およびTest Mode En<1>信号の入力に応じてテストモードへと移行し、アドレス・コマンドデコーダ18からのDLLRESET信号の入力に応じてリセットされる。
【0028】
入出力回路25は、DLL回路23から入力されるクロック信号DLL_CLKに基づき、データパッドDQを介した、半導体装置1の外部との間のデータの入出力のタイミングやデータストローブ信号のスキュー(入力タイミングのずれ)の調整を行う。
【0029】
内部電圧発生回路26は、電源パッド27aを介して供給される外部電源電圧VDD、および、電源パッド27bを介して供給される接地電圧VSSに基づき、内部電圧VPERI,VODPPなどを生成し、各部に供給する。
【0030】
次に、DLL制御回路22の構成について図2を参照して説明する。
【0031】
図2に示すDLL制御回路22は、テストモードリセット制御回路210とDLLテスト制御回路220とを有する。
【0032】
テストモードリセット制御回路210は、Delay回路211と、インバータ212と、AND回路213と、を有する。
【0033】
Delay回路211は、図2においては不図示のアドレス・コマンドデコーダ18から入力されるTMRS_NORST信号を所定期間だけ遅延させたNORST信号をインバータ212に出力する。なお、TMRS_NORST信号は、通常は非活性化され、所定のコマンドの入力に応じて活性化される信号である。
【0034】
インバータ212は、Delay回路211から入力されるNORST信号を反転して、AND回路213に出力する。
【0035】
AND回路213は、アドレス・コマンドデコーダ18から入力されるNormal MRS信号とインバータ回路212から入力される信号との論理積に応じて、テストモードリセット信号TRSTを活性化または非活性化してDLLテスト制御回路220に出力する。
【0036】
したがって、テストモードリセット制御回路210は、非活性化されたTMRS_NORST信号、および、活性化されたNormal MRS信号が入力されると、テストモードリセット信号TRSTを活性化してDLLテスト制御回路220に出力する。また、テストモードリセット制御回路210は、活性化されたTMRS_NORST信号、および、活性化されたNormal MRS信号が入力されると、Delay回路211によりTMRS_NORST信号が遅延される所定期間内はテストモードリセット信号TRSTを活性化させない。
【0037】
DLLテスト制御回路220は、テストモードレジスタ221,222を有する。
【0038】
テストモードレジスタ221は、フリップフロップ回路であり、S(Set)端子には図2においては不図示のアドレス・コマンドデコーダ18からテスト制御信号TMRS<0>が入力され、R(Reset)端子にはテストモードリセット制御回路210からテストモードリセット信号TRSTが入力される。テストモードレジスタ221は、S端子へのテスト制御信号TMRS<0>の入力に応じて、Q端子からTest Mode En<0>信号をDLL回路23に出力する。また、テストモードレジスタ221は、R端子への活性化されたテストモードリセット信号TRSTの入力に応じて、DLL回路23への出力をリセットする。
【0039】
テストモードレジスタ222は、フリップフロップ回路であり、S端子にはアドレス・コマンドデコーダ18からテスト制御信号TMRS<1>が入力され、R端子にはテストモードリセット制御回路210からテストモードリセット信号TRSTが入力される。テストモードレジスタ222は、S端子へのテスト制御信号TMRS<1>の入力に応じて、Q端子からTest Mode En<1>信号をDLL回路23に出力する。また、テストモードレジスタ221は、R端子への活性化されたテストモードリセット信号TRSTの入力に応じて、DLL回路23への出力をリセットする。
【0040】
したがって、DLLテスト制御回路220は、DLL回路23の動作を制御する回路であり、テスト制御信号TMRS<0>およびテスト制御信号TMRS<1>が入力されると、Test Mode En<0>信号およびTest Mode En<1>信号を活性化してDLL回路23に入力し、DLL回路23をテストモードに設定する。また、DLLテスト制御回路220は、活性化したテストモードリセット信号TRSTが入力されると、テストモードをリセットする。
【0041】
次に、Delay回路211の構成について図3を参照して説明する。
【0042】
図3に示すDelay回路211は、フリップフロップ回路301〜303と、OR回路304と、を有する。
【0043】
フリップフロップ回路301は、D端子には図3においては不図示のアドレス・コマンドデコーダ18が接続されてTMRS_NORST信号が入力され、外部クロック信号/CKの立ち上がりに応じてD端子への入力をQ端子から出力する。
【0044】
フリップフロップ回路302は、D端子にはフリップフロップ回路301のQ端子が接続され、外部クロック信号/CKの立ち上がりに応じてD端子への入力をQ端子から出力する。
【0045】
フリップフロップ回路303は、D端子にはフリップフロップ回路302のQ端子が接続され、外部クロック信号/CKの立ち上がりに応じてD端子への入力をQ端子から出力する。
【0046】
OR回路304は、フリップフロップ回路301〜303それぞれのQ端子が接続され、各Q端子から出力される信号の論理和に応じて、NORST信号を活性化または非活性化して、図3においては不図示のインバータ212に出力する。
【0047】
なお、図3においては、Delay回路211が、外部クロック信号/CKに同期する同期式の回路である場合を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0048】
Delay回路211の他の構成について図4を参照して説明する。
【0049】
図4に示すDelay回路211は、P型トランジスタ401,403,404と、N型トランジスタ402,405,406と、OR回路407と、を有する。
【0050】
P型トランジスタ401は、ゲートには図4においては不図示のアドレス・コマンドデコーダ18が接続されてTMRS_NORST信号が入力され、ソースには電源が接続され、ドレインにはN型トランジスタ402のドレインが接続される。
【0051】
N型トランジスタ402は、ゲートにはアドレス・コマンドデコーダ18が接続されてTMRS_NORST信号が入力され、ソースには接地電位が接続され、ドレインにはP型トランジスタ401のドレインが接続される。P型トランジスタ401とN型トランジスタ402とはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)408を構成する。
【0052】
P型トランジスタ403は、ゲートにはP型トランジスタ401およびN型トランジスタ402のドレインが接続され、ソースには電源が接続され、ドレインにはソースが接続される。P型トランジスタ403は、電荷を蓄積するMOSキャパシタとして動作する。
【0053】
P型トランジスタ404は、ゲートにはP型トランジスタ401およびN型トランジスタ402のドレインとP型トランジスタ403のゲートとが接続され、ソースには電源が接続され、ドレインにはN型トランジスタ405のドレインが接続される。
【0054】
N型トランジスタ405は、ゲートにはP型トランジスタ401およびN型トランジスタ402のドレインとP型トランジスタ403のゲートとが接続され、ソースには接地電位が接続され、ドレインにはP型トランジスタ404のドレインが接続される。P型トランジスタ404とN型トランジスタ405とはCMOS409を構成する。
【0055】
N型トランジスタ406は、ゲートにはP型トランジスタ404およびN型トランジスタ405のドレインが接続され、ソースには接地電位が接続され、ドレインにはソースが接続される。N型トランジスタ406は、MOSキャパシタとして動作する。
【0056】
OR回路407は、アドレス・コマンドデコーダ18から入力されるTMRS_NORST信号とCMOS409から入力される信号との論理和に応じて、NORST信号を活性化または非活性化して、図2においては不図示のインバータ212に出力する。
【0057】
なお、図3および図4に示す各部の動作の詳細については後述する。
【0058】
次に、DLL回路23の構成について図5を参照して説明する。
【0059】
図5に示すDLL回路23は、入出力レプリカ回路501と、Phase Detector回路502と、Counter回路503と、Variable Delay回路504と、を有する。
【0060】
入出力レプリカ回路501は、入出力回路25と実質的に同一の回路構成を有し、Variable Delay回路504から入力されたクロック信号DLL_CLKを、入出力回路25と等価の遅延長だけ遅延させたRCLK信号をPhase Detector回路502に出力する。
【0061】
Phase Detector回路502は、図5においては不図示のクロック入力回路14から入力された内部クロック信号ICLKの位相と入出力レプリカ回路501から入力されたRCLK信号の位相とを比較し、比較結果を示すPhase Result信号をCounter回路503に出力する。
【0062】
Counter回路503は、遅延長を保持するための複数ビットのカウンタであり、Phase Result信号に応じてカウンタ値を増減させ、保持しているカウンタ値(遅延長)を示すCounter Value信号をVariable Delay回路504に出力する。また、Counter回路503は、図5においては不図示のアドレス・コマンドデコーダ18からDLLRESET信号が入力されると、カウンタ値をリセットする。また、Counter回路503は、図5においては不図示のDLL制御回路22から入力されるTest Mode En<0>信号およびTest Mode En<1>信号に応じて、テストモードにおいてカウンタ値を増減させる最小刻み幅を変更する。例えば、Counter回路503は、最小刻み幅を、Test Mode En<0>信号が入力された場合には、5psから10psに変更し、Test Mode En<1>信号が入力された場合には、5psから20psに変更する。
【0063】
Variable Delay回路504は、内部クロック信号ICLKをCounter回路503から入力されるCounter Value信号に示される遅延長だけ遅延させたクロック信号DLL_CLKを、入出力レプリカ回路501および図5においては不図示の入出力回路25に出力する。
【0064】
上述したDLL回路23の基本動作について説明する。
【0065】
DLLRESET信号が入力されると、Counter回路503は、カウンタ値をリセットする。
【0066】
次に、Phase Detector回路502が、内部クロック信号ICLKの位相とRCLK信号の位相とを比較し、Phase Result信号を出力する。
【0067】
Counter回路503は、Phase Result信号に示される比較結果が、RCLK信号の位相が内部クロック信号ICLKの位相よりも早い旨を示すものである場合にはカウンタ値を増やし、RCLK信号の位相が内部クロック信号ICLKの位相よりも遅い旨を示すものである場合にはカウンタ値を減らす。
【0068】
Variable Delay回路504は、内部クロック信号ICLKをCounter回路503のカウンタ値に応じた遅延長だけ遅延させる。
【0069】
上述した処理が、内部クロック信号ICLKの位相とRCLK信号の位相とが一致するまで、すなわちロックが完了するまで繰り返される。
【0070】
通常動作モード時には、電源投入後、モードレジスタセットコマンドに応じて、テストモードがリセットされた後、DLLRESETコマンドの入力に応じてDLL回路23がリセットされた後に、ロックされて安定化される。DLL回路23から出力されるクロック信号DLL_CLKは、データ読み出し時のデータ出力のタイミング制御などに使用される。また、使用中の温度変動、電圧変動などにより、同じカウンタ値であっても遅延長が変わることがある。そのため、遅延長の変動に追従するように、随時、内部クロック信号ICLKの位相とRCLK信号の位相との比較、および、カウンタ値の更新が行われる。
【0071】
ここで、DLL回路23の安定化には、一般に、約数百ナノ秒から数マイクロ秒かかり、テストモード時において、DLL回路23がリセットされると、テストモードを設定しなおすのに時間がかかり、テスト時間が増大してしまう。
【0072】
次に、本実施形態の半導体装置1の動作について説明する。
【0073】
図6は、半導体装置1のテストモード時における各信号のタイミングチャートである。
【0074】
なお、以下では、第1および第2のテストが行われるものとし、第1のテストが行われるテストモードを第1のモードと称し、第2のテストが行われるテストモードを第2のモードと称する。
【0075】
時刻t1において、MRSコマンド61が入力されたとする。MRSコマンド61の入力に応じて、アドレス・コマンドデコーダ18は、Normal MRS信号を活性化させる。Normal MRS信号は、モードレジスタ19に動作モードを設定する信号であり、第1のモードにおいては、半導体装置1と外部との間で1回のデータの入出力動作でシリアルに入出力されるデータのビット数(バーストレングス)が4となるようなテストモードが設定されるものとする。
【0076】
また、アドレス・コマンドデコーダ18は、非活性化したTMRS_NORST信号およびDLLRESET信号を出力する。また、アドレス・コマンドデコーダ18は、非活性化したテスト制御信号TMRS<0>およびテスト制御信号TMRS<1>を出力する。
【0077】
図2に示すDLL制御回路22のテストモードリセット制御回路210には、活性化されたNormal MRS信号および非活性化されたTMRS_NORST信号が入力される。
【0078】
Delay回路211は、TMRS_NORST信号を所定期間だけ遅延させたNORST信号をインバータ212に出力する。ここで、TMRS_NORST信号は時刻t1以前から非活性化されたままであるので、Delay回路211からは非活性化されたNORST信号が出力される。
【0079】
インバータ212は、非活性化されたNORST信号を反転した信号をAND回路213に出力する。すなわち、AND回路213には、活性化された信号が入力される。
【0080】
活性化されたNormal MRS信号、および、インバータ212から活性化された信号が入力されるので、AND回路213は、テストモードリセット信号TRSTを活性化する。
【0081】
DLLテスト制御回路220においては、テストモードレジスタ221,222それぞれのR端子に活性化されたテストモードリセット信号TRSTが入力される。
【0082】
活性化されたテストモードリセット信号TRSTのR端子への入力に応じて、テストモードレジスタ221は、Test Mode En<0>信号を非活性化し、また、テストモードレジスタ222は、Test Mode En<1>信号を非活性化する。
【0083】
なお、時刻t1前においては、Test Mode En<0>信号およびTest Mode En<1>信号は、不定(Metastable)な状態にある。また、DLL回路23もロックが行われておらず、不定(Metastable)な状態にある。
【0084】
時刻t1から1クロック周期経過後の時刻t2において、アドレス・コマンドデコーダ18は、Normal MRS信号を非活性化する。また、アドレス・コマンドデコーダ18は、TMRS_NORST信号およびDLLRESET信号を非活性化したままとし、テスト制御信号TMRS<0>およびテスト制御信号TMRS<1>を非活性化したままとする。
【0085】
テストモードリセット制御回路210においては、Normal MRS信号が非活性化されたため、AND回路213は、テストモードリセット信号TRSTを非活性化する。
【0086】
DLLテスト制御回路220においては、テストモードレジスタ221,222それぞれのR端子に非活性化されたテストモードリセット信号TRSTが入力される。ここで、テスト制御信号TMRS<0>およびテスト制御信号TMRS<1>は非活性化されているので、テストモードレジスタ221は、Test Mode En<0>信号を非活性化したままとし、テストモードレジスタ222は、Test Mode En<1>信号を非活性化したままとする。
【0087】
時刻t3において、TMRS<0>コマンド62が入力されたとする。
【0088】
アドレス・コマンドデコーダ18は、Normal MRS信号、TMRS_NORST信号およびDLLRESET信号を非活性化したままとし、テスト制御信号TMRS<0>を活性化する。
【0089】
テストモードリセット制御回路210においては、Normal MRS信号が非活性化されたため、AND回路213は、テストモードリセット信号TRSTを非活性化する。
【0090】
DLLテスト制御回路220においては、テストモードレジスタ221,222それぞれのR端子に非活性化されたテストモードリセット信号TRSTが入力される。ここで、テスト制御信号TMRS<0>は活性化されているため、テストモードレジスタ221は、Test Mode En<0>信号を活性化する。一方、テスト制御信号TMRS<1>は非活性化されているため、テストモードレジスタ222は、Test Mode En<1>信号を非活性化したままとする。
【0091】
時刻t3から1クロック周期経過後の時刻t4において、アドレス・コマンドデコーダ18は、テスト制御信号TMRS<0>を非活性化する。なお、テストモードレジスタ221,222は、活性化されたテストモードリセット信号TRSTが入力されるまで、Test Mode En<0>信号、Test Mode En<1>信号の出力を維持する。したがって、テストモードレジスタ221は、テスト制御信号TMRS<0>が非活性化されても、Test Mode En<0>信号を活性化したままとする。
【0092】
時刻t5において、DLLRESETコマンド63が入力されたとする。DLLRESETコマンド63の入力に応じて、アドレス・コマンドデコーダ18は、DLLRESET信号を活性化させる。
【0093】
図5に示すDLL回路23においては、活性化されたDLLRESET信号がCounter回路503に入力される。
【0094】
Counter回路503は、活性化されたDLLRESET信号が入力されると、カウンタ値を初期化する。カウンタ値の初期化によりDLL回路23はリセットされる。リセット後、DLL回路23をロックするための処理が行われる。なお、上述したように、DLL回路23のロックには、一般に、約数百ナノ秒から数マイクロ秒かかる。
【0095】
時刻t5から1クロック周期経過後の時刻t6において、アドレス・コマンドデコーダ18は、DLLRESET信号を非活性化させる。
【0096】
DLL回路23のロック後、第1のテスト(Test Sequence1)が行われる。
【0097】
図7は、Test Sequence1を示す図である。
【0098】
ACTコマンド71の入力後、WRコマンド72が入力されると、メモリアレイ領域10のメモリセルへの書き込み状態となる。その後、データパッドDQを介してデータ1〜4が入力され、これらのデータがメモリセルに書き込まれる。データ1〜4のメモリセルへの書き込み後、RDコマンド73が入力されると、メモリセルに書き込まれたデータ1〜4が読み出され、データパッドDQを介して出力される。その後、PREコマンド74が入力され、Test Sequence1が終了する。
【0099】
図6を再び参照すると、Test Sequence1の終了後の時刻t7において、テストモードリセット信号TRSTの活性化を無効とすべき旨を示すTMRS_NORSTコマンド64が入力されたとする。
【0100】
アドレス・コマンドデコーダ18は、TMRS_NORSTコマンド64の入力に応じて、TMRS_NORST信号を活性化する。なお、アドレス・コマンドデコーダ18は、Normal MRS信号およびDLLRESET信号については、非活性化のままとする。
【0101】
DLL制御回路22のテストモードリセット制御回路210においては、非活性化されたNormal MRS信号がAND回路213に入力され、活性化されたTMRS_NORST信号がDelay回路211に入力される。
【0102】
以下では、Delay回路211は、図3に示す構成を有するものとして説明する。
【0103】
時刻t7から半クロック周期後の時刻t8において、クロック信号CKが立ち下がる(クロック信号/CKが立ち上がる)と、フリップフロップ回路301は、時刻t7以降、活性化されたTMRS_NORST信号が入力されているため、活性化した信号をフリップフロップ回路302およびOR回路304に出力する。
【0104】
OR回路304は、フリップフロップ回路301から活性化された信号が入力されたため、NORST信号を活性化する。
【0105】
時刻t7から1クロック周期後の時刻t9において、アドレス・コマンドデコーダ18は、TMRS_NORST信号を非活性化する。非活性化されたTMRS_NORST信号は、フリップフロップ回路301に入力される。
【0106】
時刻t8から1クロック周期経過後の時刻t10において、クロック信号CKが立ち下がる。
【0107】
クロック信号CKの立ち下がりに応じて、フリップフロップ回路301は、時刻t9以降、非活性化されたTMRS_NORST信号が入力されているため、非活性化した信号をフリップフロップ回路302およびOR回路304に出力する。また、フリップフロップ回路302は、時刻t8以降、活性化された信号が入力されているため、活性化した信号をフリップフロップ回路303およびOR回路304に出力する。
【0108】
OR回路304は、フリップフロップ回路302から活性化された信号が入力されたため、NORST信号を活性化したままとする。
【0109】
時刻t10から1クロック周期経過後の時刻t12において、クロック信号CKが立ち下がる。
【0110】
クロック信号CKの立ち下がりに応じて、フリップフロップ回路301は、時刻t9以降、非活性化されたTMRS_NORST信号が入力されているため、非活性化した信号をフリップフロップ回路302およびOR回路304に出力する。また、フリップフロップ回路302は、時刻t10以降、非活性化された信号が入力されているため、非活性化した信号をフリップフロップ回路303およびOR回路304に出力する。また、フリップフロップ回路303は、時刻t10以降、活性化された信号が入力されているため、活性化した信号をOR回路304に出力する。
【0111】
OR回路304は、フリップフロップ回路303から活性化された信号が入力されたため、NORST信号を活性化したままとする。
【0112】
時刻t12から1クロック周期経過後の時刻t14において、クロック信号CKが立ち下がる。
【0113】
クロック信号CKの立ち下がりに応じて、フリップフロップ回路301は、時刻t9以降、非活性化されたTMRS_NORST信号が入力されているため、非活性化した信号をフリップフロップ回路302およびOR回路304に出力する。また、フリップフロップ回路302は、時刻t10以降、非活性化された信号が入力されているため、非活性化した信号をフリップフロップ回路302およびOR回路304に出力する。また、フリップフロップ回路303は、時刻t12以降、非活性化された信号が入力されているため、非活性化した信号をOR回路304に出力する。
【0114】
OR回路304は、フリップフロップ回路301〜303の全てから非活性化された信号が入力されたため、NORST信号を非活性化する。
【0115】
このように、Delay回路211はTMRS_NORST信号が非活性化されてからNORST信号が非活性化されるまでの期間を、TMRS_NORST信号が活性化されてからNORST信号が活性化されるまでの期間よりも長くすることができる。
【0116】
なお、Delay回路211が、図4に示す構成を有する場合にも、TMRS_NORST信号が非活性化されてからNORST信号が非活性化されるまでの期間を、TMRS_NORST信号が活性化されてからNORST信号が活性化されるまでの期間よりも長くすることができる。
【0117】
以下では、TMRS_NORST信号の活性化時および非活性化時における図4に示す各部の動作について説明する。
【0118】
なお、以下では、N型トランジスタ402およびP型トランジスタ404は、P型トランジスタ401およびN型トランジスタ405よりも、チャネル幅が広く、また、チャネル長が短いものとする。
【0119】
まず、TMRS_NORST信号の活性化時の動作について説明する。
【0120】
活性化されたTMRS_NORST信号は、CMOS408を構成するP型トランジスタ401およびN型トランジスタ402のゲートとOR回路407とに入力される。CMOS408は、TMRS_NORST信号を反転させ、非活性化した信号を出力する。
【0121】
なお、活性化されたTMRS_NORST信号の入力に応じて、N型トランジスタ402がオンとなり、ドレイン電流が流れる。ここで、トランジスタのドレイン電流は、トランジスタのチャネル幅が広く、チャネル長が短いほど大きくなる。そのため、N型トランジスタ402のドレイン電流は、P型トランジスタ401のドレイン電流よりも大きい。
【0122】
N型トランジスタ401のドレイン電流により、MOSキャパシタとして動作するP型トランジスタ403の充電が行われる。P型トランジスタ403の充電後、CMOS408により非活性化された信号がCMOS409に入力される。
【0123】
CMOS408により非活性化された信号は、CMOS409を構成するP型トランジスタ404およびN型トランジスタ405に入力される。CMOS409は、非活性化された信号を反転させ、活性化した信号を出力する。
【0124】
なお、非活性化された信号の入力に応じて、P型トランジスタ404がオンとなり、ドレイン電流が流れる。ここで、上述したように、トランジスタのドレイン電流は、トランジスタのチャネル幅が広く、チャネル長が短いほど大きくなる。そのため、P型トランジスタ404のドレイン電流は、N型トランジスタ405のドレイン電流よりも大きい。
【0125】
P型トランジスタ404のドレイン電流により、MOSキャパシタとして動作するN型トランジスタ406の充電が行われる。N型トランジスタ403の充電後、CMOS408により活性化された信号がOR回路407に入力される。
【0126】
OR回路407は、アドレス・コマンドデコーダ18からの活性化されたTMRS_NORST信号の入力およびCOMS409からの活性化された信号の入力に応じて、NORST信号を活性化する。
【0127】
次に、TMRS_NORST信号の非活性化時の動作について説明する。
【0128】
非活性化されたTMRS_NORST信号は、CMOS408を構成するP型トランジスタ401およびN型トランジスタ402のゲートとOR回路407とに入力される。CMOS408は、TMRS_NORST信号を反転させ、活性化した信号を出力する。
【0129】
なお、非活性化されたTMRS_NORST信号の入力に応じて、P型トランジスタ402がオンとなり、ドレイン電流が流れる。ここで、上述したように、P型トランジスタ401のドレイン電流は、N型トランジスタ402のドレイン電流よりも小さい。そのため、TMRS_NORST信号の活性化時よりも、P型トランジスタ403の充電に時間がかかる。P型トランジスタ403の充電後、CMOS408により活性化された信号がCMOS409に入力される。
【0130】
CMOS408により活性化された信号は、CMOS409を構成するP型トランジスタ404およびN型トランジスタ405に入力される。CMOS409は、活性化された信号を反転させ、非活性化した信号を出力する。
【0131】
なお、活性化された信号の入力に応じて、N型トランジスタ405がオンとなり、ドレイン電流が流れる。ここで、上述したように、N型トランジスタ405のドレイン電流は、P型トランジスタ404のドレイン電流はよりも小さい。そのため、TMRS_NORST信号の活性化時よりも、P型トランジスタ403の充電に時間がかかる。P型トランジスタ403の充電後、CMOS409により非活性化された信号がOR回路407に入力される。
【0132】
OR回路407は、アドレス・コマンドデコーダ18からの非活性化されたTMRS_NORST信号の入力およびCOMS409からの非活性化された信号の入力に応じて、NORST信号を非活性化する。ここで、上述したように、TMRS_NORST信号の非活性化時には、TMRS_NORST信号の活性化時よりも、P型トランジスタ403およびN型トランジスタ406の充電に時間がかかる。そのため、TMRS_NORST信号が非活性化されてからNORST信号が非活性化されるまでの期間を、TMRS_NORST信号が活性化されてからNORST信号が活性化されるまでの期間よりも長くすることができる。
【0133】
図6を再び参照すると、時刻t10と時刻t12との間の時刻t11において、MRSコマンド65が入力されたとする。MRSコマンド65の入力に応じて、アドレス・コマンドデコーダ18は、Normal MRS信号を活性化させる。Normal MRS信号は、モードレジスタ19に動作モードを設定する信号であり、第2のモードにおいては、バーストレングスが8となるようなテストモードが設定されるものとする。また、アドレス・コマンドデコーダ18は、TMRS_NORST信号およびDLLRESET信号を非活性化したままとする。
【0134】
DLL制御回路22のテストモードリセット制御回路210には、活性化されたNormal MRS信号および非活性化されたTMRS_NORST信号が入力される。
【0135】
ここで、上述したように、時刻t11においては、Delay回路211は、NORST信号を活性化している。インバータ212は、Delay回路211により活性化された信号NORSTを反転した信号をAND回路213に出力する。すなわち、AND回路213には、非活性化された信号が入力される。
【0136】
活性化されたNormal MRS信号の入力およびインバータ212からの非活性化された信号の入力に応じて、AND回路213は、テストモードリセット信号TRSTを非活性化したままとする。
【0137】
DLLテスト制御回路220においては、テストモードレジスタ221,222に非活性化されたテストモードリセット信号TRSTが入力される。そのため、テストモードレジスタ221から出力されるTest Mode En<0>信号は活性化されたままとなる。
【0138】
ここで、MRSコマンド61の入力時と同様に、MRSコマンド65の入力に応じて、テストモードリセット信号TRSTが活性化されると、Test Mode En<0>信号が非活性化されるため、DLL回路23の動作が不定状態になってしまうことがある。DLL回路23の動作が不定状態になると、再度、DLL回路23をロックし直す必要がある。上述したように、DLL回路23のロックには、約数百ナノ秒から数マイクロ秒かかり、テスト時間が増大してしまう。そこで、本実施形態においては、上述したように、MRSコマンド65の入力前に、テストモードリセット信号TRSTの活性化を無効とすべき旨を示すTMRS_NORSTコマンド64を入力し、TMRS_NORSTコマンド64の入力後、所定期間はNORST信号を活性化させる。なお、所定期間は、TMRS_NORSTコマンド64の入力後、MRSコマンド65が入力される期間よりも長い期間が設定される。こうすることで、NORST信号が活性化されている間は、MRSコマンド65が入力されても、テストモードリセット信号TRSTが活性化されないようにし、DLL回路23が不定な状態となることを防ぐことができる。その結果、DLL回路23のロックをやり直す必要が無くなり、テスト時間が増大するのを防ぐことができる。また、NORST信号が活性化される期間は限られているため、例えば、電源投入時に誤ってTMRS_NORST信号が活性化され、NORST信号が活性化されても、所定期間経過後にはNORST信号が非活性化されるので、確実にテストモードをリセットすることができる。これは、通常動作モードにおいては、モードレジスタセットコマンドが入力される頃には、NORST信号が非活性化されているためである。
【0139】
時刻t11から1クロック周期経過後の時刻t13において、アドレス・コマンドデコーダ18は、Normal MRS信号を非活性化する。
【0140】
MRSコマンド65の入力後、第2のテストのテスト(Test Sequence2)が行われる。
【0141】
図8は、Test Sequence2を示す図である。
【0142】
ACTコマンド81の入力後、WRコマンド82が入力されると、メモリアレイ領域10のメモリセルへの書き込み状態となる。その後、データパッドDQを介してデータ1〜8が入力され、これらのデータがメモリセルに書き込まれる。データ1〜8のメモリセルへの書き込み後、RDコマンド83が入力されると、メモリセルに書き込まれたデータ1〜8が読み出され、データパッドDQを介して出力される。その後、PREコマンド84が入力され、Test Sequence2が終了する。
【0143】
このように本実施形態によれば、半導体装置1は、テストモード時の所定期間内は、テストモードをリセットすべき旨を示すコマンドが入力されても、テストモードリセット信号TRSTを活性化しない。
【0144】
そのため、所定期間内はテストモードがリセットされることがなくなるので、DLL回路23のロックをやり直す必要が無くなり、テスト時間が増大するのを防ぐことができる。また、通常動作モードにおいては、モードレジスタセットコマンドが入力される頃には、NORST信号が非活性化されているため、例えば、電源投入時に誤ってTMRS_NORST信号が活性化され、NORST信号が活性化されても、所定期間経過後にはNORST信号が非活性化されるので、確実にテストモードをリセットすることができる。
【0145】
なお、本実施形態においては、半導体装置1がDRAMである例を用いて説明したが、これに限られるものではなく、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、PRAM(Phase Change RAM)、フラッシュメモリなどであってもよい。
【0146】
また、本実施形態においては、テスト対象の回路がDLL回路23である例を用いて説明したが、これに限られるものではなく、例えば、PLL(Phase Lock Loop)回路、電源回路などのロックに時間がかかる回路であってもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 半導体装置
10 メモリアレイ領域
11a,11b クロックパッド
12a〜12n アドレスパッド
13a〜13c コマンドパッド
14 クロック入力回路
15 アドレス入力回路
17 コマンド入力回路
18 アドレス・コマンドデコーダ
19 モードレジスタ
20 ロウデコーダ
21 カラムデコーダ
22 DLL制御回路
23 DLL回路
24 コマンド制御部
25 入出力回路
26 内部電圧発生回路
27a,27b 電源パッド
DQ1〜DQm データパッド
210 テストモードリセット制御回路
211 Delay回路
212 インバータ
213 AND回路
220 DLLテスト制御回路
221,222 テストモードレジスタ
301,302,303 フリップフロップ回路
304 OR回路
401,403,404 P型トランジスタ
402,405,406 N型トランジスタ
407 OR回路
501 入出力レプリカ回路
502 Phase Detector回路
503 Counter回路
504 Variable Delay回路
61,65 MRSコマンド
62 TMRS<0>コマンド
63 DLLRESETコマンド
64 TMRS_NORSTコマンド
71,81 ACTコマンド
72,82 WRコマンド
73,83 RDコマンド
74,84 PREコマンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常動作モードまたはテストモードで動作する半導体装置であって、
前記半導体装置の外部から入力されるコマンドに応じて、前記半導体装置を前記通常動作モードまたは前記テストモードで動作させるテスト制御回路と、
前記通常動作モード時または前記テストモードにおける所定期間外に所定のコマンドが入力されると、前記テストモードをリセットすべき旨を示すテストモードリセット信号を活性化して前記テスト制御回路に入力し、前記テストモードにおける所定期間内は、前記所定のコマンドが入力されても、前記テストモードリセット信号を活性化しないテストモードリセット制御回路と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記テストモードリセット制御回路は、前記テストモードリセット信号の活性化を無効とすべき旨を示すコマンドの入力後、所定期間内は、前記所定のコマンドが入力されても、前記テストモードリセット信号を活性化しないことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
通常動作モードまたはテストモードで動作する半導体装置の制御方法であって、
前記半導体装置の外部から入力されるコマンドに応じて、前記半導体装置を前記通常動作モードまたは前記テストモードで動作させ、
前記通常動作モード時または前記テストモードにおける所定期間外に所定のコマンドが入力されると、前記テストモードをリセットすべき旨を示すテストモードリセット信号を活性化し、前記テストモードにおける所定期間内は、前記所定のコマンドが入力されても、前記テストモードリセット信号を活性化しないことを特徴とする半導体装置の制御方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置の制御方法において、
前記テストモードリセット信号の活性化を無効とすべき旨を示すコマンドの入力後、所定期間内は、前記所定のコマンドが入力されても、前記テストモードリセット信号を活性化しないことを特徴とする半導体装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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