説明

半導体装置とその試験方法及び製造方法

【課題】 半導体装置に備えられたメモリインターフェイスにおいて、レイテンシの制約を満たすタイミング試験を容易に実施可能な技術を提供する。
【解決手段】 半導体装置10の備えるメモリインターフェイス11は、接続されるメモリ(DDR-SDRAM)を動作させるためのクロック信号(MCLK)を出力するクロック出力端子12と、メモリの状態を制御するためのコマンド信号を出力するコマンド端子13と、メモリとデータ信号(DQ)を授受するデータ端子14と、データ(DQ)を確定させるデータ・ストローブ信号(DQS)を授受するデータ・ストローブ端子15とを含む。半導体装置10は、コマンド信号とは別に、予めメモリインターフェイス11の試験を開始させる信号(TEST)を出力するテスト端子16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置とその試験方法及び製造方法などの技術に関し、特に、高速なメモリインターフェイスを備えた半導体装置のメモリインターフェイスの試験(テストと同意味とする)を実施するのに好適な半導体装置の技術に関する。また本発明は、半導体装置に備えられたメモリインターフェイスの電気的特性の試験方法、及びメモリインターフェイスを備えた半導体装置の製造方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ、各種電気製品など幅広く用いられている半導体メモリは、主にSynchronous Dynamic Random Access Memory(以下、SDRAMと記す)が用いられている。SDRAMは、Single Data Rate SDRAM(以下、SDR-SDRAMと記す)と、Double Data Rate SDRAM(以下、DDR-SDRAMと記す)とがあり、高速なDDR-SDRAMが広く用いられている。このようなDDR-SDRAMとデータの授受を行うため、半導体装置(半導体集積回路)には、高速なメモリインターフェイス(回路部)を備えるようになってきた。
【0003】
メモリインターフェイスを備えた半導体装置と半導体メモリの動作について、半導体メモリがDDR-SDRAMである場合を例に挙げて、以下、図5〜図7を用いて簡単に説明する。
【0004】
図5に、半導体メモリとしてDDR-SDRAM50と、それに対するメモリインターフェイスを備えた半導体装置40との接続の概略を示す。なお本明細書では、特に断りのない限り、「半導体装置」とは、メモリインターフェイスを備えた半導体装置を指す。半導体装置40は、メモリインターフェイスとして、動作クロック(記号MCLKで示す)を出力する動作クロック端子12、メモリコマンドを出力するメモリコマンド端子13、データ(記号DQで示す)を入出力するデータ端子14、データ・ストローブ(記号DQSで示す)を入出力するデータ・ストローブ端子15を含む、各信号の端子を有する。通常使用時、半導体装置40のメモリインターフェイスの各端子(12〜15)は、DDR-SDRAM50側の相対応する端子と、信号線(伝送線路)を介して接続される。
【0005】
MCLKは、DDR-SDRAM50が動作するためのクロック信号である。メモリコマンドは、DDR-SDRAM50の状態を制御するためのコマンド信号である。メモリコマンドは、複数の信号線からなり、これら各信号の状態(H/L)によって、データ書き込み(“WRITE”)、データ読み出し(“READ”)等、DDR-SDRAM50の状態を制御する。DQは、DDR-SDRAM50とデータの授受を行う信号である。DQSは、DQを確定させるための信号であり、入出力タイミングを通知する信号である。
【0006】
なお、図5では、一般的に使用されるメモリインターフェイスを備えた半導体装置40とDDR-SDRAM50の接続形態を簡単に説明するために、各信号はバス表記せず、半導体装置40とDDR-SDRAM50との間の終端抵抗等は図示していない。
【0007】
図6に、半導体装置40からDDR-SDRAM50へデータを書き込む場合における信号の概要(信号入出力タイミングを含む)を示す。T1等は、時間を示す。(a)〜(d)は、それぞれ半導体装置40の端子から出力する信号に対応している。
【0008】
(a)MCLK2は、DDR-SDRAM50の動作速度に応じた周波数のクロック信号であり、半導体装置40からDDR-SDRAM50へと出力する。なお本例では逆相のクロックを省略して1本の線で示す。(b)メモリコマンド3は、ここではデータ書き込み状態設定信号に相当する“WRITE”3aの場合である。(c)DQ4は、半導体装置40から出力される書き込みデータ信号を示す。D1〜D4は、それぞれ書き込みデータを示す。(d)DQS5は、DQ4に伴い出力され、DDR-SDRAM50でのDQ4を確定させるタイミングを決定する。
【0009】
半導体装置40から、例えば、時間T3にMCLK2の立ち上がりエッジ(三角印)に確定するように、(b)メモリコマンド3として“WRITE”3aを出力する。“WRITE”3aを受信したDDR-SDRAM50は、データ書き込み状態に遷移する。メモリインターフェイスがDDR-SDRAMに対応したものである場合には、半導体装置40は、“WRITE”3aを出力した後(T3)、MCLK2の1クロック後(T4)に、(c)DQ4と(d)DQS5を出力する。DDR-SDRAM50は、このDQ4とDQS5を受信し、内部でDQ4をDQS5のタイミング(立ち上がり及び立ち下がり)でラッチして各データ(D1〜D4)を保持する。
【0010】
DDR-SDRAM50におけるDQ4とDQS5の関係は、セットアップ時間tDSとホールド時間tDHが規定されている。これらのタイミングの規定やDDR-SDRAM50のメモリインターフェイス等は、電子部品の標準化を推進する米国の業界団体であるJoint Electron Device Engineering Council(以下、JEDECと記す)で規格化されている。
【0011】
図7に、半導体装置40がDDR-SDRAM50から半導体装置40へデータを読み出す場合における信号の概要を示す。(a)MCLK2は、上記同様に、DDR-SDRAM50の動作速度に応じたクロック信号である。(b)メモリコマンド3は、ここではデータ読み出し状態設定信号に相当する“READ”3bの場合である。(c)DQ4は、DDR-SDRAM50から出力される読み出しデータ信号を示す。D1〜D4は、それぞれ読み出しデータを示す。(d)DQS5は、DQ4に伴い出力され、半導体装置40でのDQ4を確定させるタイミングを決定する。
【0012】
半導体装置40から、例えば、時間T3に、MCLK2の立ち上がりエッジ(三角印)に確定するように、(b)メモリコマンド3として“READ”3bを出力する。“READ”3bを受信したDDR-SDRAM50は、データ読み出し状態すなわち保持データ出力状態に遷移する。その後、DDR-SDRAM50は、(c)DQ4(例えばデータ書き込み時に保持したデータ)と、(d)DQS5とを、(a)MCLK2に同期して出力し、半導体装置40が(c)DQ4と(d)DQS5とを受信して、DQS5のタイミングでDQ4を保持する。
【0013】
DDR-SDRAM50からDQ4を読み出す場合、そのタイミングに関して、前記データ書き込み時の説明で述べたようなセットアップ時間及びホールド時間とは別に、/CASレイテンシ(CLと略記する。特に/CASリード・レイテンシともいう。“/”は逆相を表す記号である)というタイミング規定がある。CASは、column address strobeの略である。例えばCL=2と規定される種類のDDR-SDRAM50の場合、(b)メモリコマンド3の“READ”3bを出力後、(a)MCLK2の立ち上がりエッジ2つ分で、即ち時間T5に、半導体装置40へDQ4とDQS5が到達しなければならないという制約がある。図7等では、CL=2の場合を一例として示している。
【0014】
また、図6,図7では、DQ4としてD1〜D4と4つのデータが連続しているが、これはDDR-SDRAM(50)のバースト長(BLと略記する)で決められたものであり、一例としてBL=4と規定される場合を示している。DDR-SDRAM(50)で決められたBL分、データ(DQ4)が連続し、一括して授受される。
【0015】
DDR-SDRAM50は、これらCLやBL、さらに動作速度(MCLK2のクロック周波数)といった要素に関して、複数の種類が存在する。半導体装置40のメモリインターフェイスは、接続する半導体メモリ(DDR-SDRAM50)の種類に合わせたものとなる。
【0016】
なお、非特許文献1に、上記のようなメモリ(DDR-SDRAM)及びメモリインターフェイスの詳細仕様等について記載されている。
【0017】
上記のような半導体装置40のメモリインターフェイスの試験では、上述の使用方法からJEDECの規格に準拠したタイミングの試験を行う必要がある。タイミング試験の対象としては、前記セットアップ時間/ホールド時間の他に、CLを満たしているかが考えられる。
【0018】
一般に半導体装置の電気的特性試験には、何らかの半導体試験装置や半導体テストシステムが用いられる。しかしながら、半導体装置のメモリインターフェイスは、例えば400Mbpsといった高速なデータ転送速度であり、高速動作可能な半導体試験装置で試験する必要がある。また、データ転送速度が例えば400Mbpsの場合、1つのデータ幅は2.5ns(=1/400Mbps)となるから、前記セットアップ時間/ホールド時間は1.25nsとなる。そしてセットアップ時間/ホールド時間の10分の1の精度でタイミング試験を実施しなければならないと仮定すると、125psのタイミング精度が保証された半導体試験装置が必要となる。
【0019】
しかし、高速動作かつ高タイミング精度の半導体試験装置は、一般的な半導体試験装置に比べて非常に高価であるために、半導体装置の製造コストを低減することができないという問題があった。
【0020】
特許文献1には、半導体装置に備えたメモリインターフェイスよりも動作速度が遅い半導体試験装置を用いて、メモリインターフェイスのタイミング試験に係わる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−98235号公報
【非特許文献1】「DDR SDRAMの使い方 − ユーザーズマニュアル」Document No.J0234E30(Ver.3.0)、2002年4月発行、エルピーダメモリ株式会社、URL:<http://www.elpida.com/ja/products/index.html>, <http://www.elpida.com/pdf/J0234E30.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
メモリインターフェイスを備えた半導体装置と半導体メモリとの間では、伝送線路等での遅延が発生する。半導体装置のメモリインターフェイスでは、前記背景技術で説明したように、セットアップ時間/ホールド時間などの制約に加え、特にCL等の制約を満たす必要がある。このような制約を満たすかどうかを調べるために、メモリインターフェイスのタイミング試験を実施することが望まれる。
【0022】
特に、半導体装置がメモリからデータを受信する場合(前記図7において通常使用状態で半導体装置40がDDR-SDRAM50からデータ(DQ4)を読み出す場合)における試験(以下、データ読み出し試験と記す)を実施する場合に、CLの制約を満たす必要がある。データ読み出し試験の場合、コマンドとその応答(読み出しデータ)とで伝送線路を往復するため、データ書き込みの場合よりも制約が厳しい。
【0023】
例えば特許文献1記載の技術を使用してメモリインターフェイスの試験、特にデータ読み出し試験を行う場合に、前記CLの制約を満たすために課題がある。この課題を以下図8、図9を用いて説明する。
【0024】
図8は、DDR-SDRAM50に対するメモリインターフェイスを備えた半導体装置40(前記図5と同様)において、特許文献1記載の技術を使用してメモリインターフェイスの試験を実施する場合の、半導体装置40とDDR-SDRAM50との接続構成の一例を示したものである。図8の構成において、その課題を詳細に説明するために、前記図5に対して伝送線路などを追加して示している。
【0025】
半導体装置40と半導体メモリ(DDR-SDRAM)50とが、端子間で、各伝送線路31a,31b,31c,32,33、及び遅延手段30を介して接続されている。伝送線路32と伝送線路33の間に、遅延手段30を有する。52〜55は、半導体装置40側の各端子(12〜15)と相対応する端子である。ここでいう伝送線路とは、ケーブルや基板のパターン配線といった電気的に接続するものを示す。特許文献1記載の技術のように、半導体装置とDDR-SDRAMを接続するには、少なくとも伝搬遅延時間を持った伝送線路が存在する。伝送線路31a〜31cにおける遅延時間量をTd1とする。また、伝送線路32における遅延時間量をTd2、伝送線路33における遅延時間量をTd3とする。また遅延手段30による遅延時間量をTpd=Td0+ΔTとする。
【0026】
特許文献1における説明で用いられているSDR-SDRAMの例では、データ(DQ)をメモリ動作クロック(特許文献1では単にクロック信号と表記)でラッチするため、遅延手段をクロック配線に配設している。
【0027】
DDR-SDRAMの場合には、データ(DQ)をデータ・ストローブ(DQS)のタイミングでラッチする。すなわちデータ・ストローブ端子15及び55が必要である。そのため、図8では、遅延手段30をDQS信号経路(15−55間)に配設している。
【0028】
図9は、図8の構成においてデータ読み出し試験を実施する場合の信号の時間変化を前記図7等と同様に示したものである。(a),(b)は、半導体装置40の端子からの出力信号である。(c),(d)は、CLの制約を満たす場合の信号である。(e),(f)は、半導体装置40からの信号が遅延した、DDR-SDRAM50の端子の入力信号である。(g),(h)は、DDR-SDRAM50の端子の出力信号である。(i),(j)は、DDR-SDRAM50からの信号が遅延した、半導体装置40の端子の入力信号である。半導体装置40とDDR-SDRAM50のメモリインターフェイスの制約として、CL=2及びBL=4の種類の場合とする。
【0029】
(a)MCLK2が半導体装置40の動作クロック端子12から出力され、(b)メモリコマンド3として、データ読み出し状態設定信号に相当する“READ”3bが、半導体装置40のメモリコマンド端子13から時間T3で出力されたとする。この場合、メモリコマンド3に対する応答として、DDR-SDRAM50から、(c)DQ4c,(d)DQS5cで示すように、CL=2なので時間T5のタイミングで、DQ4cとDQS5cが半導体装置40に到達しなければならない。
【0030】
しかし、(i)DQ4,(j)DQS5,及び遅延量Lに示すように、CLのタイミングを満たせない場合がある。例えば、半導体装置40が出力する(a)MCLK2及び(b)メモリコマンド3(“READ”3b)は、(e)MCLK2d,(f)メモリコマンドの“READ”3dに示すように、図8の伝送線路31a,31bによって、時間Td1遅れてDDR-SDRASM50に到達する。ここで時間T3等に対し時間Td1遅れた時間をT3’等で示している。
【0031】
(f)メモリコマンドの“READ”3dを受信したDDR-SDRASM50が、これを解釈して、応答として、(g)DQ4d及び(h)DQS5dを半導体装置40に対し出力したとする。DDR-SDRASM50からのDQ4dは、図8に示すように伝送線路31cにより時間Td1遅れ、またDQS5dは伝送線路33、遅延手段30、及び伝送線路32によって時間Td3+Tpd+Td2遅れる。従って、(i)DQ4,(j)DQS5に示すように遅延して半導体装置40に到達する。このような遅延のためにCLの制約を満たすことができない場合、すなわち“READ”3bの出力時点からの遅延量Lに示すように、CL=2を超えてしまう場合を示している。上記において下記式(1)が成立する(信号のタイミングを合わせるため)。
【0032】
Td1=Td3+Tpd+Td2 ・・・式(1)
CLの制約を満足させたい場合には、図8の伝送線路の種類を変更したり、長さを調節したりすることで、遅延の時間Td1,Td2,Td3を変更することができる。しかし、遅延手段30については、一般的な部品を使用すると数nsの固定遅延量Td0が存在する。そのためメモリ(DDR-SDRASM50)のデータ転送速度が向上するに従って、特許文献1に記載されているような技術では試験の実現が困難になってくる。例えば次世代メモリのデータ転送速度が800Mbpsともなれば、クロック周期は2.5ns、データ幅は1.25nsとなり、例えば遅延手段の固定遅延量が2.5nsであるとすると、式(1)の条件から、この遅延手段だけでCL=2(2.5ns×2=5ns)と同等の時間になるため、CLの制約を満足することができない。特許文献1記載の技術では、CLの制約を満たすためのタイミング試験を実施することは困難である。
【0033】
上記のように、従来技術では、メモリの動作速度向上に伴い、メモリインターフェイスのタイミング試験を行ってCL等の制約を満たすことは困難であった。
【0034】
また、上述のようにDDR-SDRAMは、種々の動作速度のものが存在し、メモリインターフェイスにおけるCL等の種類も複数あり、動作速度とCLの組み合わせで複数種類のものが存在する。これに対応するため、半導体装置の種類も複数存在する。そのため、特許文献1記載の技術では、上記の種類毎に、専用の試験回路を設けなければならず、コスト低減できない問題がある。また、このようなCL等の制約上、試験回路を任意の位置に配置できず自由度が低くなる問題もある。
【0035】
更に、特許文献1記載のような技術では、半導体装置に半導体メモリを接続して試験を実施するため、その半導体メモリ自体の特性が試験基準となってしまい、試験精度が半導体メモリの精度に依存してしまう問題がある。
【0036】
本発明は以上のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体メモリに対するメモリインターフェイスを備えた半導体装置のメモリインターフェイスの試験に係わり、CL等の遅延の制約を満たすためのタイミング試験を実施することが容易な、半導体装置とその試験方法及び製造方法などの技術を提供することにある。特に、半導体メモリ及びメモリインターフェイスの動作速度が向上した場合や、複数の種類のメモリインターフェイスの場合にも対応して、タイミング試験が可能で、安価に試験が実現でき、半導体装置の製造コストも低減できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。前記目的を達成するために、本発明は、DDR-SDRAM等の半導体メモリ(半導体記憶装置などとも言い換えられる)と、前記メモリに対するメモリインターフェイス(メモリインターフェイス回路部、メモリ制御部などとも言い換えられる)を備える半導体装置と、前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を行う試験回路等の試験手段とに係わる技術であって、以下を特徴とする。前記メモリインターフェイスの試験は、所定の規格に従った半導体装置を製造するためのものであり、特にタイミング試験を含む。
【0038】
(1)本発明の半導体装置は、メモリを動作させるためのクロック信号(MCLK)を出力するクロック出力端子と、前記メモリの状態を制御するためのコマンド信号(メモリコマンド)を出力するコマンド端子(メモリコマンド出力端子などとも言い換えられる)と、前記メモリとデータ信号(DQ)を授受するデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置である。本半導体装置は、前記コマンド端子とは別に、予め当該半導体装置のメモリインターフェイスの試験、特にタイミング試験を開始させる信号(TEST:テスト信号またはメモリインターフェイス試験開始信号などと称する)を出力あるいは入出力する端子(テスト端子またはメモリインターフェイス試験開始信号出力端子などと称する)を備える。前記テスト信号は、試験の開始を規定する信号、あるいは試験の開始を外部に報せる信号などとも言い換えられる。
【0039】
前記半導体装置と伝送線路などで試験回路などの試験手段が接続されたシステムにおいて、前記半導体装置からのテスト信号を入力した試験手段が、これにより前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施(開始)する。即ちテスト信号を用いてコマンドシーケンス(コマンド信号の発行から処理の完了まで)を試験する。
【0040】
(2)また本発明の試験方法は、クロック出力端子とコマンド端子とデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置のメモリインターフェイスについての試験方法であって、前記半導体装置から、前記コマンド信号とは別に、予め、前記メモリインターフェイスの試験(特にタイミング試験)を開始させるテスト信号(メモリインターフェイス試験開始信号)を外部(試験手段)に対して出力し、このテスト信号に基づき、外部(試験手段)が必要に応じて半導体装置との間で試験用の信号を授受することによって、前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施する。
【0041】
(3)また、本発明の他の試験方法は、前記テスト端子を半導体装置の外部装置(半導体試験装置など)に設けた構成で同様に試験を行う。すなわち、メモリインターフェイスを備えた半導体装置の試験方法であって、前記半導体装置に接続され前記メモリインターフェイスの試験を実施する試験回路等の試験手段とは別に、例えば半導体試験装置(図4の一般的な半導体試験装置100)を有する構成上において、前記半導体試験装置の端子(例えばテスト端子)から、前記試験手段へ、前記半導体装置のメモリインターフェイスのコマンド信号とは別に、予め、前記メモリインターフェイスの試験を開始させるテスト信号を出力あるいは入出力し、これを前記試験手段が入力して前記半導体装置と試験用の信号を授受することによって、前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施する。
【0042】
(4)また、本半導体装置は、クロック出力端子とコマンド端子とデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置であって、前記メモリインターフェイスの試験のために、前記コマンド端子から出力するデータ書き込み又はデータ読み出しのコマンド信号(“WRITE”又は“READ”)に相当する信号を、前記コマンド端子とは別に、予め出力または入出力するテスト端子を備える。
【0043】
(5)また本発明の製造方法は、前記試験方法に従って試験を実施する工程を含む、メモリインターフェイスを備えた半導体装置の製造方法である。本製造方法は、前記半導体装置の端子から、前記コマンド信号とは別に、予め、前記メモリインターフェイスの試験(特にタイミング試験)を開始させるテスト信号を出力または入出力し、試験手段が前記テスト信号の入力をもとに、前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施し、その良否を判定する工程を有する。
【0044】
(6)また前記メモリインターフェイスのタイミング試験の際、テスト端子から、テスト信号(前記メモリインターフェイスのタイミング試験を開始させる信号または前記コマンド信号に相当する信号)を、前記コマンド信号とは別タイミングで、伝送線路などの遅延時間を見込んで、前記コマンド信号を含む1つ以上の信号(例えばコマンド信号の発行からその応答信号の受領までのシーケンス)の伝送におけるレイテンシ、例えばCASレイテンシの制約を満たすタイミングで出力する。
【発明の効果】
【0045】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明によれば、メモリインターフェイスにおける、CL等の遅延の制約を満たすためのタイミング試験を実施することが容易な、半導体装置及びその試験方法などの技術を提供できる。特に、(1)メモリの動作速度が向上した場合や複数の種類のメモリ及びメモリインターフェイスの場合でも、CL等の制約を満たしたタイミング試験を容易に実現することができる。また(2)高速かつ高タイミング精度を有した高価な試験装置やシステムを必要としないため、安価に試験が実現できる。また(3)半導体装置の製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。図1〜4は、本実施の形態を説明するための図である。図5〜9は、従来技術を説明するための図である。
【0047】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体装置10を示す。実施の形態1の半導体装置10は、メモリインターフェイス11と、テスト端子16とを備える。メモリインターフェイス11は、クロック出力端子(動作クロック端子)12、コマンド端子(メモリコマンド端子)13、データ端子14、データ・ストローブ端子15とで構成される。なおその他の既知の信号を入出力する端子を含んでもよい。
【0048】
実施の形態1における試験方法では、半導体装置10のテスト端子16から出力するテスト信号により、メモリインターフェイス11のタイミング試験を含む試験を実施させるものである。
【0049】
クロック出力端子12は、半導体装置10に接続されるDDR-SDRAM等のメモリを動作させるためのクロック信号(MCLK)を出力する。コマンド端子13は、メモリの状態を制御するメモリコマンド信号を出力する。データ端子14は、データ信号(DQ)を入出力する。データ・ストローブ端子15は、データ信号(DQ)を確定させるためのデータ・ストローブ信号(DQS)を入出力する。
【0050】
テスト端子16は、テスト信号(記号TESTで示す)を出力する。本テスト信号は、メモリインターフェイス試験開始信号であり、外部にメモリインターフェイス11の試験を開始させる信号である。このテスト信号により、コマンド信号とは別に、メモリインターフェイス11の試験の開始を外部の試験手段(図2の試験回路20など)に報せて、その試験手段による試験を実施させる。
【0051】
メモリインターフェイス11の各端子からの信号線は複数で示しているが、複数の信号線に限定するものではない。テスト端子16及びその信号線は、本例では単数としているが、複数としてもよい。試験回路20と対応して、端子数や信号の方式などを変更した形態としても構わない。例えばテスト端子16からテスト信号を出力するのみならず、テスト端子16に対して外部から試験に係わる制御のための信号が入力されてもよい。
【0052】
図2は、実施の形態1のシステムとして、実施の形態1の半導体装置10と、その試験回路20との一構成例を示す。半導体装置10は、伝送線路34a〜34dを介して試験回路20と接続する。なお、コマンド端子13及びその信号線については試験回路20側と接続されることは必要ではないため、伝送線路を省略して示している。伝送線路34a〜34dは、前記図8の説明と同様に、端子間を電気的に接続するためのものであり、その遅延時間量をTd0とする。
【0053】
試験回路20は、制御回路21、DQ信号生成回路27、DQS信号生成回路28を有して構成される。本実施の形態1と、特許文献1記載の技術とで異なる点は、コマンド端子13からのメモリコマンド信号を試験回路20で使用しないことと、半導体装置10のテスト端子16から出力するテスト信号に基づき試験回路20が動作することである。
【0054】
実施の形態1のシステム及び試験方法では、半導体装置10にメモリを接続してメモリインターフェイス11の試験を行うのではなく、試験回路20を接続して試験を行う。
【0055】
試験回路20では、半導体装置10側の各端子(12〜16)からの信号{MCLK,DQ,DQS,TEST}と対応した各信号{MCLK’,DQ',DQS’,TEST’}を入力または入出力するための端子(22,24〜26)を有する。なおメモリコマンド信号を用いずに試験の実施が可能なので、試験回路20では、対応するメモリコマンド端子を省略して示している。
【0056】
試験回路20内で、クロック入力端子22からのクロック信号(MCLK’)が、DQ信号生成回路27及びDQS信号生成回路28に入力される。データ端子24とDQ信号生成回路27が接続されている。データ・ストローブ端子25とDQS信号生成回路28が接続されている。テスト端子26と制御回路21が接続されており、テスト端子26から制御回路21にテスト信号(TEST’)が入力される。制御回路21は、テスト信号(TEST’)をもとに、DQ信号生成回路27及びDQS信号生成回路28に各信号生成のための信号を出力する。DQ信号生成回路27からDQ’が生成されデータ端子24から出力される。DQS信号生成回路28からDQS’が生成されデータ・ストローブ端子25から出力される。このようにテスト信号(TEST’)の入力をもとに、メモリインターフェイス11の試験を実施する。
【0057】
具体的に説明するために、図3に、図2の試験回路20及び半導体装置10における各信号の時間変化を前記図7等と同様に示す。図3は、図2の構成においてデータ読み出し試験を実施する場合の信号の時間変化を示したものである。(a),(b),(c)は、半導体装置10の端子からの出力信号である。(d),(e)は、半導体装置10からの信号が遅延した、試験回路20の端子の入力信号である。(f),(g)は、試験回路20の端子の出力信号である。(h),(i)は、試験回路20からの信号が遅延した、半導体装置10の端子の入力信号である。半導体装置10のメモリインターフェイス11の制約として、CL=2及びBL=4の種類の場合とする。
【0058】
半導体装置10が、(a)〜(c)に示すように、MCLK2、メモリコマンド3(“READ”3b)、TEST6の各信号を、試験回路20へ出力する。本例に示すデータ読み出し試験は、時間T3にメモリコマンド3として“READ”3bが出力される場合に対応したものとする。試験回路20では“READ”3bは使用されず、TEST6が使用される。例えばCL=2の制約を満足するためには、時間T5のタイミングに、試験回路20より出力されるDQとDQSが半導体装置10に到達する必要がある。
【0059】
半導体装10は、(b)メモリコマンド3の“READ”3bとは別に、予め半導体装置10と試験回路20の間の遅延などを見込んだタイミングで(c)TEST6を発行する。ここでは、テスト端子16から、TEST6として、時間T1のタイミングで立ち上がりクロック1周期分以上のH状態の後に立ち下がる信号が出力される。TEST6のH状態により、メモリインターフェイス11のタイミング試験の開始を試験回路20に伝える。
【0060】
(d)MCLK’2b,(e)TEST’6bに示すように、前記半導体装置10からの(a)MCLK2,(c)TEST6の信号は、図2に示すように伝送線路34a,34dにより、時間Td0遅れて、試験回路20に到達する。試験回路20の制御回路21は、半導体装置10のテスト端子16からの信号(TEST6b)を、テスト端子26を通じて受け取り、DQ信号生成回路27とDQS信号生成回路28へ出力信号を発行する。
【0061】
そして、(f)DQS’5b,(g)DQ’4bに示すように、試験回路20は、DQ信号生成回路27とDQS信号生成回路28で信号DQ’4bとDQS’5bを生成して、半導体装置10へと出力する。(e)TEST’6bがH状態の周期(T2’)の後の周期(T3’)で、DQS’5bがまずプリアンブル状態となり、その後の周期(T4’)で、DQ’4bのD1〜D4と対応したH/L状態及びポストアンブル状態となることを示している。
【0062】
試験回路20が出力した両信号(4b,5b)は、伝送線路34b,34cにより、更に時間Td0遅れて、(h)DQS5,(i)DQ4に示すように、時間T5のタイミングで、半導体装置10へ到達する。このようにして、“READ”3b発行時(T3)からの遅延量Lに示すように、CLの制約であるCL=2を満足することができる。
【0063】
すなわち、本実施の形態1では、伝送線路34a〜34dや試験回路20内のコマンド解釈などの遅延時間を見積もって予め、半導体装置10のテスト端子16から、“READ”3b等のメモリコマンド3に相当する、メモリインターフェイス試験開始信号であるTEST6を出力する。これによって、CLの制約を必ず満たすことができる。
【0064】
更に、試験回路20内や、半導体装置10と試験回路20の間に、遅延量を可変することが可能な可変手段(特許文献1記載のような遅延手段)を設けた形態としてもよい。この手段を用いることにより、タイミング試験として前記セットアップ時間/ホールド時間を調べる試験を実施することも可能である。
【0065】
更に、半導体装置10内に、テスト端子16からの出力信号(TEST6)の出力タイミングを調整できる機能を設けた形態としてもよい。その場合、動作クロック(MCLK)の周波数やCLの種類などによらずに、同じ試験回路20を用いてCLの制約を満足したタイミング試験が実現できる。そして、今後メモリの動作速度が更に向上したとしても、CLの制約を満たしたメモリインターフェイス11のタイミング試験を容易に実現することができる。
【0066】
なお、必ずしも半導体装置10内に前記出力タイミングを調整できる機能を設ける必要はない。メモリコマンド3とは別に予めメモリインターフェイス試験開始信号(TEST6)を出力する条件で、試験回路20や、半導体装置10と試験回路20との間に、前記タイミングの調整の手段を設ければよい。
【0067】
また、本実施の形態1では、メモリコマンド3を試験回路20で受信する必要がなく、試験回路20におけるメモリコマンドを判別する回路が必要ないため、試験回路20の規模を小さくすることができる。更に、高速かつ高タイミング精度を有した高価な試験装置を必要としないため、安価に半導体装置10のメモリインターフェイス試験が実現できる。その結果、半導体装置10の製造コストを低減することができる。
【0068】
本実施の形態1では、メモリインターフェイス11を備える半導体装置10において、半導体装置10が出力する動作クロック(MCLK)に同期して、CLの制約を満足するタイミング試験を、試験回路20(試験手段)によらずに実施することを目的の1つとしている。そのために、半導体装置10に、メモリインターフェイス11のコマンド端子13からのコマンド信号とは別に予め試験回路20のメモリインターフェイス試験開始信号を出力するテスト端子16を設けている。これは、メモリインターフェイス11の試験回路20等の試験手段の構成を限定するものではない。従って、図2に示す試験回路20は、図示した構成に限らず、その変更や機能の追加、あるいは他の試験装置などを使用してもよい。本実施の形態では、データ読み出し試験(“READ”試験)を例に挙げて図示及び説明してきたが、同様にデータ書き込み試験(“WRITE”試験)でも使用することができる。
【0069】
また半導体装置10の動作設定や制御等は特記及び図示していないが、一般的に半導体の電気的試験で用いられる半導体試験装置、テストシステムや、任意の試験回路等を用いて構わない。本実施の形態1では、半導体メモリとしてDDR-SDRAM50を対象とした、高速なメモリインターフェイス11を備えた半導体装置10を例に挙げて説明したが、SDR-SDRAM及びそのインターフェイス等であっても同様に適用できる。また本明細書でいうDDR-SDRAMは、JEDEC規格でいうDDR-SDRAM、DDR2-SDRAM、次世代メモリであるDDR3-SDRAMのすべてを含めてDDR-SDRAMと称しており、それらメモリのいずれにも適用できる。他の実施の形態では、これらの点を特記しないがすべて同様である。
【0070】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2の構成を示す。本システムでは、メモリインターフェイス11を備えた半導体装置10B、一般的に半導体の電気的試験で用いられる半導体試験装置100(半導体テストシステム等ともいう)、メモリインターフェイス11の試験回路90を有する。本システム及び試験方法では、半導体試験装置100から出力するテスト信号により、試験回路90によるメモリインターフェイス11のタイミング試験を実施する。
【0071】
前記図2と同様に半導体装置10Bに伝送線路等を介して試験回路90が接続される。また、半導体装置10Bと半導体試験装置100が信号線101で接続される。また、半導体試験装置100と試験回路90が、信号線102及びテスト信号用の信号線103で接続される。各装置(10B,90,100)は、それぞれの信号線(101〜103)に対応した端子を有する。特に、半導体試験装置100は、実施の形態1と同様の役割を持つテスト信号(TEST)を出力するテスト端子104を備える。
【0072】
半導体装置10Bは、信号線101の信号(制御信号)で、メモリインターフェイス11の試験回路90は、信号線102の信号(制御信号)で、それぞれ、半導体試験装置100により制御される。
【0073】
実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、半導体装置10に設けていたテスト端子16からテスト信号(TEST)を出力するのではなく、半導体試験装置100に設けているテスト端子104から出力するようにした点である。半導体装置10Bはテスト端子16を備える必要がない。半導体試験装置100のテスト端子104は、実施の形態1と同様に、半導体装置10Bのメモリコマンド端子13からのメモリコマンド3を使用しなくとも、メモリコマンド3とは別に予め試験回路90のメモリインターフェイス11の試験を開始させるテスト信号を出力する。これにより、試験回路90と半導体装置10Bの間で、CL等の制約を満たしたタイミング試験を実現する。試験の動作及び信号は実施の形態1と同様である。
【0074】
半導体試験装置100は、一般にテストパターンと呼ばれるH/Lのレベルを時間と共に記載したファイルに基づき信号を容易に作成することができる機能を備えた装置である。そのため、半導体装置10Bのメモリインターフェイス11に対応した動作速度やCLの種類が変更になっても、テスト端子104から予め出力するテスト信号のタイミングを容易に調整できる利点がある。更に、半導体装置10自体にテスト端子16を設けることも不要になるため、本試験を実現するために半導体装置を新たに設計、製造しなくてもよい利点がある。また、メモリインターフェイス11は必ずしも、高速動作かつ高タイミング精度の半導体試験装置を必要としないため、メモリインターフェイス11よりも低速な半導体試験装置や、既に所有している半導体試験装置を使用して、高速なメモリインターフェイス11のタイミング試験を実現することができる。このため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0075】
図4では、半導体試験装置100とメモリインターフェイス11の試験回路90とを別々の構成要素として示しているが、半導体試験装置100内に試験回路90が含まれる構成などであっても構わない。また、一例として一般に使用される半導体試験装置100の例を挙げたが、例えば、マイコン等で制御し、試験回路で試験を行い、その試験結果をマイコンに転送し、マイコン内で試験結果を判定する、といった構成をとっても構わない。
【0076】
また、半導体装置の製造方法としては、上述した試験方法で半導体装置10や10Bのメモリインターフェイス11のタイミング試験を行い、CL等の制約を満たすかどうか、良否を判定する工程を含む。このような工程を含む製造方法により、半導体装置の性能を保障できる。
【0077】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、メモリインターフェイスを備える各種の半導体装置や、メモリインターフェイス試験のための装置などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における、試験回路の構成例、及び半導体装置と試験回路とが接続された試験システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における、図2に示す試験システムの信号タイミングを含む動作を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態2における、半導体装置と試験回路と半導体試験装置とが接続された試験システムの構成を示す図である。
【図5】従来技術における、半導体装置と半導体メモリとの接続関係を示す図である。
【図6】従来技術における、図4に示す半導体装置から半導体メモリへのデータ転送時、特にデータ書き込み時の動作を示す図である。
【図7】従来技術における、図4に示す半導体装置が半導体メモリからデータを受け取る時、特にデータ読み出し時の動作を示す図である。
【図8】従来技術における、半導体装置と半導体メモリとが接続されたシステムの構成例を示す図である。
【図9】従来技術における、図7に示すシステムの動作、特にデータ読み出し時の課題を説明するための図である。
【符号の説明】
【0080】
2,2d…クロック信号、3…コマンド信号、3a…データ書き込み信号(“WRITE”)、3b,3d…データ読み出し信号(“READ”)、4,4b,4c,4d…データ信号、5,5b,5c,5d…データ・ストローブ信号、6,6b…テスト信号(メモリインターフェイス試験開始信号)、10,10B,40…半導体装置、11…メモリインターフェイス、12…クロック出力端子(動作クロック端子)、13…メモリコマンド端子(コマンド端子)、14,24,54…データ端子、15,25,55…データ・ストローブ端子、16…テスト端子、20,90…試験回路、22,52…クロック端子、23,53…コマンド端子、26…テスト端子、30…遅延手段、31a,31b,31c,32,33,34a〜34d…伝送線路、50…DDR-SDRAM、100…半導体試験装置、101,102,103…信号線、104…テスト端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリを動作させるためのクロック信号を出力するクロック出力端子と、
前記メモリの状態を制御するためのコマンド信号を出力するコマンド端子と、
前記メモリとデータ信号を授受するデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置であって、
前記コマンド信号とは別に、予め、前記メモリインターフェイスの試験を開始させるテスト信号を出力するテスト端子を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
メモリを動作させるためのクロック信号を出力するクロック出力端子と、
前記メモリの状態を制御するためのコマンド信号を出力するコマンド端子と、
前記メモリとデータ信号を授受するデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置であって、
前記メモリインターフェイスの試験のために、
前記コマンド端子から出力するデータ書き込み又はデータ読み出しのコマンド信号に相当するテスト信号を、前記コマンド端子とは別に、予め出力するテスト端子を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記メモリインターフェイスのタイミング試験の際、
前記テスト端子から、前記テスト信号を、前記コマンド信号とは別タイミングで、前記コマンド信号を含む信号の伝送におけるレイテンシの制約を満たすタイミングで出力することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記メモリインターフェイスは、
前記データ信号の入出力のタイミングを確定させるデータ・ストローブ信号を授受するデータ・ストローブ端子を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
クロック出力端子とコマンド端子とデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置の試験方法であって、
前記半導体装置から、前記コマンド信号とは別に、予め、前記メモリインターフェイスの試験を開始させるテスト信号を出力し、これにより前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施することを特徴とする、半導体装置の試験方法。
【請求項6】
クロック出力端子とコマンド端子とデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置の試験方法であって、
前記半導体装置から、前記コマンド端子とは別に、予め、前記コマンド端子が出力するデータ書き込み又はデータ読み出しのコマンド信号に相当する、前記メモリインターフェイスの試験のためのテスト信号を出力し、これにより前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施することを特徴とする、半導体装置の試験方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の半導体装置の試験方法であって、
前記半導体装置のメモリインターフェイスのタイミング試験の際、
前記半導体装置から、前記テスト信号を、前記コマンド信号とは別タイミングで、前記コマンド信号を含む信号の伝送におけるレイテンシの制約を満たすタイミングで出力することを特徴とする、半導体装置の試験方法。
【請求項8】
請求項5または6に記載の半導体装置の試験方法であって、
前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験の際、
前記クロック出力端子が出力するクロック信号に同期して前記データ信号の授受を行うことを特徴とする、半導体装置の試験方法。
【請求項9】
請求項5または6に記載の半導体装置の試験方法であって、
前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験の際、
前記コマンド端子からの前記コマンド信号を使用せずに又は出力せずに、前記メモリインターフェイスの試験を実施することを特徴とする、半導体装置の試験方法。
【請求項10】
請求項5または6に記載の半導体装置の試験方法であって、
前記半導体装置のメモリインターフェイスは、前記データ信号の入出力のタイミングを確定させるデータ・ストローブ信号を授受するデータ・ストローブ端子を備え、
前記半導体装置に試験回路が接続された構成上で、
前記半導体装置が前記テスト端子から前記テスト信号をレイテンシの制約を満たすタイミングで出力し、
前記試験回路が前記テスト信号を受信して、読み出しデータに対応した前記データ信号と前記データ・ストローブ信号とを前記半導体装置へ出力し、
前記半導体装置が前記試験回路から前記データ信号と前記データ・ストローブ信号とを受信して、前記データ・ストローブ信号に従って前記データ信号から読み出しデータを取り込む工程を有することを特徴とする、半導体装置の試験方法。
【請求項11】
クロック出力端子とコマンド端子とデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置の試験方法であって、
前記半導体装置に接続され前記メモリインターフェイスの試験を行う試験回路とは別に、半導体試験装置を有する構成上で、
前記半導体試験装置から、前記試験回路へ、前記半導体装置のメモリインターフェイスのコマンド信号とは別に、予め、前記メモリインターフェイスの試験を開始させるテスト信号を出力し、前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施することを特徴とする、半導体装置の試験方法。
【請求項12】
クロック出力端子とコマンド端子とデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置の試験方法であって、
前記半導体装置に接続され前記メモリインターフェイスの試験を行う試験回路とは別に、半導体試験装置を有する構成上で、
前記メモリインターフェイスの試験のために、
前記半導体試験装置から、前記半導体装置のメモリインターフェイスのコマンド信号とは別に、予め、前記コマンド端子が出力するデータ書き込み又はデータ読み出しのコマンド信号に相当するテスト信号を出力し、前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施することを特徴とする、半導体装置の試験方法。
【請求項13】
クロック出力端子とコマンド端子とデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置の端子から、前記コマンド信号とは別に、予め、前記メモリインターフェイスの試験を開始させるテスト信号を出力し、前記テスト信号の入力をもとに前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施し、その良否を判定する工程を有することを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
クロック出力端子とコマンド端子とデータ端子とを少なくとも含むメモリインターフェイスを備えた半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置の端子から、前記コマンド信号とは別に、予め、前記コマンド端子から出力するデータ書き込み又はデータ読み出しのコマンド信号に相当するテスト信号を出力し、前記テスト信号の入力をもとに前記半導体装置のメモリインターフェイスの試験を実施し、その良否を判定する工程を有することを特徴とする、半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−66026(P2007−66026A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−251754(P2005−251754)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】