説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】ボンディングワイヤの短絡のない半導体装置を提供する。
【解決手段】1主面に複数の電極5(5a,5b,5c)を有した少なくとも1個の半導体チップ4と、複数の内部電極2(2a,2b,2c)及び外部電極3を有し、半導体チップ4を内部電極形成面に固着した半導体チップ支持体であるBGA用基板1と、半導体チップ4の電極5とBGA用基板1の内部電極2とを接続した複数のボンディングワイヤ6,7,8と、半導体チップ4及びボンディングワイヤ6,7,8を封止した封止樹脂9とを有する半導体装置において、前記のボンディングワイヤ6,7,8は、金属細線である第1のボンディングワイヤ6,8と、金属細線の少なくとも一部が絶縁性樹脂で被覆されてなる第2のボンディングワイヤ7とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多ピンの半導体チップを用いたパッケージ型の半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体通信機等の電子機器の小型化に対応するために半導体装置に小型化・高密度化が求められている。また電子機器の高機能・多機能化の進展に対応するために、半導体装置は多ピン化の傾向にあり、外部端子が底面にエリアアレー状に配置されたBGAパッケージなどの形態で用いられることが多くなってきており、パッケージングされる半導体チップの電極も、チップ外周部だけでなく千鳥配置などのように複数列にして形成されるようになってきている。
【0003】
図3に従来のパッケージ型半導体装置(BGAパッケージ)の断面を示す。半導体チップ34は複数列の電極35、36、37を有し、ガラスエポキシやBTレジンなどを基板材としたBGA用基板31に固着されており、半導体チップ34の電極35、36、37と、半導体チップ34の周囲となるようにBGA用基板31に複数列に形成された内部電極32とは、ボンディングワイヤ38,39,40により電気的に接続されている。BGA用基板31上の半導体チップ34,ボンディングワイヤ38,39,40は樹脂41によりトランスファーモールド方式などで封止されており、BGA用基板31の下面には、内部電極32とスルーホールなどにより電気的に接続した外部電極33上にはんだボール42が形成されている。
【0004】
ボンディングワイヤ35,36,37は、半導体チップ34の最外周列の電極35に接続したボンディングワイヤ38が、BGA用基板31の最内周列の内部電極32に接続され、ボンディングワイヤ38の最上部の位置が、半導体チップ34の他列の電極36,37に接続されたボンディングワイヤ39,40よりも低い位置に制御される、というように互いに接触しない3次元配置とされている(たとえば特許文献1)。
【特許文献1】特表2005−532672公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のパッケージ型半導体装置では、多ピンの半導体チップをBGA用基板31に接続するために、上述したようにボンディングワイヤを3次元的に配置しているのであるが、BGA用基板31上の内部電極32は通常、Cuを主導体とし、表面にAuめっきを施したものとする一方で、ボンディングワイヤには通常、純度99.99%のAu線を用いているため、そのループ形状の制御が困難であって互いに接触し、短絡する恐れは依然としてある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑み、ボンディングワイヤの短絡のない半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の半導体装置は、1主面に複数の電極を有した少なくとも1個の半導体チップと、複数の内部電極及び外部電極を有し、前記半導体チップを内部電極形成面に固着した半導体チップ支持体と、前記半導体チップの電極と前記半導体チップ支持体の内部電極とを接続した複数のボンディングワイヤと、前記半導体チップ及びボンディングワイヤを封止した樹脂とを有し、前記複数のボンディングワイヤは、互いに上下に配置される一方に金属細線である第1のボンディングワイヤが用いられ、他方に金属細線の少なくとも一部が絶縁性樹脂で被覆されてなる第2のボンディングワイヤが用いられていることを特徴とする。互いに上下に配置されるのは一部であってよい。
【0008】
上記構成の半導体装置において、半導体チップは、1主面の外周部に列状に配置された電極と該電極列よりも前記1主面の中心寄りに少なくとも1列、列状に配置された電極とを有し、前記半導体チップの複数列の電極に対して列ごとに交互に第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤとが接続していることを特徴とする。半導体チップ上の外周側から奇数番目の列の電極に第1のボンディングワイヤが接続し、偶数番目の列の電極に第2のボンディングワイヤが接続していてよい。
【0009】
また、1主面に複数の電極を有した半導体チップが複数個、積層されて半導体チップ支持体に固着されており、互いに上下に位置する半導体チップごとに交互に第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤとが接続していることを特徴とする。半導体チップ支持体側から奇数番目の段の半導体チップに第1のボンディングワイヤが接続し、偶数番目の段の半導体チップに第2のボンディングワイヤが接続していてよい。
【0010】
本発明の半導体装置の製造方法は、1主面に複数の電極を有した少なくとも1個の半導体チップを、複数の内部電極及び外部電極を有した半導体チップ支持体の内部電極形成面に固着する工程と、前記半導体チップの電極と前記半導体チップ支持体の内部電極とを各々ボンディングワイヤにより接続する工程と、前記半導体チップ及びボンディングワイヤを樹脂封止する工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記接続の工程では、互いに上下に配置される一方のボンディングワイヤに、金属細線である第1のボンディングワイヤを用い、他方のボンディングワイヤに、金属細線の少なくとも一部が絶縁性樹脂で被覆されてなる第2のボンディングワイヤを用いることを特徴とする。
【0011】
また本発明の半導体装置の製造方法は、1主面の外周部に列状に配置された電極と該電極列よりも前記1主面の中心寄りに少なくとも1列、列状に配置された電極とを有する半導体チップを、複数の内部電極及び外部電極を有した半導体チップ支持体の内部電極形成面に固着する工程と、前記半導体チップの電極と前記半導体チップ支持体の内部電極とを各々ボンディングワイヤにより接続する工程と、前記半導体チップ及びボンディングワイヤを樹脂封止する工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記接続の工程では、前記半導体チップの複数列の電極に対して列ごとに交互に第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤを接続することを特徴とする。半導体チップ上の外周側から奇数番目の列の電極に第1のボンディングワイヤを接続し、偶数番目の列の電極に第2のボンディングワイヤを接続してよい。
【0012】
また本発明の半導体装置の製造方法は、1主面に複数の電極を有した半導体チップを複数個、積み重ねて、複数の内部電極及び外部電極を有した半導体チップ支持体の内部電極形成面に固着する工程と、前記半導体チップの電極と前記半導体チップ支持体の内部電極とを各々ボンディングワイヤにより接続する工程と、前記半導体チップ及びボンディングワイヤを樹脂封止する工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記接続の工程では、互いに上下に位置する半導体チップごとに交互に第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤを接続することを特徴とする。半導体チップ支持体側から奇数番目の段の半導体チップに第1のボンディングワイヤを接続し、偶数番目の段の半導体チップに第2のボンディングワイヤを接続してよい。
【0013】
第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤとは別個の接続装置を用いて接続するのが好都合である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金属細線である第1のボンディングワイヤと、少なくとも一部が絶縁性樹脂で被覆された第2のボンディングワイヤとを併用するようにしたため、これらが上下方向に重なる位置にあって近接あるいは接触しても電気的な短絡を起こすことがなく、歩留の高いものとなる。被覆された第2のボンディングワイヤは、被覆されていない第1のボンディングワイヤに比べて幾分、高価ではあるが、一部電極についてのみ用いるので、コスト上昇を抑えることができる。
【0015】
設計上は、上下方向でのワイヤ間距離を0にすることができ、ボンディングワイヤのループを低くすることができるので、薄型の半導体装置を容易に得ることが可能となる。またワイヤボンディング工程においては、第1のボンディングワイヤを接続する一連の接続工程と、第2のボンディングワイヤを接続する一連の接続工程とを、別個の装置で行うことで、生産効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す。ここで製造するのは、1個の半導体チップをパッケージングした半導体装置である。
【0017】
図1(a)に示すBGA用基板1を準備する。このBGA用基板1は、ガラスエポキシ、BTレジン、ポリイミドなどを基板材とするもので、厚みは、0.05mm〜1.0mm程度である。BGA用基板1の上面には、後に搭載する半導体チップと電気的に接続するための内部電極2が、チップ搭載領域の外側に前記領域の周方向に沿って列状に、複数列に配置されている。これは、内部電極2を形成できる最小ピッチで配置しても、搭載する半導体チップのピン数全てに対応する電極数を単列で配置することはできないためである。内部電極2のピッチは通常50μm〜500μm程度である。内部電極2の主導体は通常Cu等であってその厚みは5〜35μmであり、表面にはAuめっき等が厚み0.01〜5μm程度にて施されている。以下、複数列の内部電極2を、図示したように、チップ搭載領域の中央に近い列から外側に向かって順に、内周列の内部電極2a,中央列の内部電極2b,外周列の内部電極2cと呼ぶ。BGA用基板1の下面には、内部電極2とスルーホール等(図示せず)により電気的に接続された外部電極3が形成されている。
【0018】
図1(b)に示すように、BGA用基板1のチップ搭載領域にエポキシ、ポリイミド等の熱硬化性樹脂(図示せず)を介在させて半導体チップ4を固着する。半導体チップ4には、1主面に複数の電極5が当該1主面の周方向に沿って列状に、複数列に形成されている。複数列の配置としたのは、電極5を平面方向に形成できる最小寸法で配置しても所要の電極数を半導体チップ4の外周部のみの単列で配置することはできないためである。電極5は通常、Al、Au、Cu等で構成され、Alの場合は、微量のSi、Cu等が添加される。電極5数は、半導体チップ4の回路規模等で異なるが、10〜2000ピン程度である。以下、複数列の電極5を、図示したように、1主面の外周部に位置する列から内側に向かって順に、外周列の電極5a,中央列の電極5b,内周列の電極5cと呼ぶ。
【0019】
次に図1(c)に示すように、半導体チップ4の外周列の電極5aとBGA用基板1の内周列の内部電極2aとをワイヤボンディング法を用いてボンディングワイヤ6にて電気的に接続する。次に図1(d)に示すように、半導体チップ4の中央列の電極5bとBGA用基板1の中央列の内部電極2bとをワイヤボンディング法を用いて被覆ボンディングワイヤ7にて電気的に接続する。次に、半導体チップ4の内周列の電極5cとBGA用基板1の外周列の内部電極2cとをワイヤボンディング法を用いてボンディングワイヤ8により接続する。
【0020】
ここで、ボンディングワイヤ6,8は通常Au,Al,Cuよりなる金属細線であり、その径は10〜50μm程度である。また被覆ボンディングワイヤ7は、Au、AL、Cu等よりなる金属細線をコアとし、周囲をポリウレタン等の絶縁性樹脂で被覆したものである。コアとする金属細線の径は10〜50μm程度である。ワイヤボンディング法は通常、加熱と超音波を印加し加圧しながら行う。加熱温度は50〜300℃程度、超音波の出力は10〜300mW程度、加圧力は10〜100g程度である。このようにすれば、被覆ボンディングワイヤ7の絶縁性樹脂の内、半導体チップ4の電極5bとの接合部およびBGA用基板1の内部電極2bとの接合部の絶縁性樹脂は、加熱あるいは超音波の印加などにより除去されるので、各接合部においてはコアの金属細線が接合される。
【0021】
ワイヤボンディング工程の順序は、上述したように、半導体チップ4の外周列の電極5aのボンディングワイヤ6による接続が完了した後に、中央列の電極5bの被覆ボンディングワイヤ7による接続を行い、その接続が完了した後に、内周列の電極5cのボンディングワイヤ8による接続を行うので、電極5a,5cをボンディングワイヤ6,8にて接続するためのワイヤボンダーと、電極5bを被覆ボンディングワイヤ7にて接続するためのワイヤボンダーとを、別個の装置とすれば、効率よい。
【0022】
この際に、半導体チップ4の3列の電極5a,5b,5cの内、中央列の電極5bの接続には被覆ボンディングワイヤ7を用いるため、その上下に離れて位置すべきボンディングワイヤ6,8が近接あるいは接触しても電気的な短絡を起こすことがない。よって、歩留の高いものとなる。設計上は、上下方向でのワイヤ間距離を0にすることができ、ボンディングワイヤ7,8のループを低くすることができるので、薄型の半導体装置を容易に得ることが可能となる。被覆ボンディングワイヤ7は、被覆されていないボンディングワイヤ6,8に比べて幾分、高価ではあるが、半導体チップ4の一部電極についてのみ、つまり中央列の電極5bについてのみ用いるので、コスト上昇を抑えることができる。
【0023】
接続終了後に、図1(e)に示すように、BGA用基板1の片側に半導体チップ4及びボンディングワイヤ6,7,8を覆うように、トランスファーモールド方式等によって、封止樹脂9を成形し、その後に、BGA用基板1の外部電極3にはんだボール10を形成する。
【0024】
図2は本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造工程を示す。ここで製造するのは、3個の半導体チップを積層してパッケージングした半導体装置である。
図2(a)に示すBGA用基板1を準備する。このBGA用基板1は、第1の実施形態で用いたのと同様のもので、ガラスエポキシ、BTレジン、ポリイミドなどを基板材としていて、厚みは、0.05mm〜1.0mm程度である。BGA用基板1の上面には、後に搭載する半導体チップと電気的に接続するための内部電極2が、チップ搭載領域の外側に前記領域の周方向に沿って列状に、複数列配置されている。複数列の配置としたのは、内部電極2を形成できる最小ピッチで配置しても搭載する3個の半導体チップのピン数全てに対応する電極数を単列で配置することはできないためである。チップ搭載領域の中央に近い列から外側に向かって順に内周列の内部電極2a,中央列の内部電極2b,外周列の内部電極2cと呼ぶ。内部電極2のピッチは通常50μm〜500μm程度である。内部電極2の主導体は通常Cu等であってその厚みは5〜35μmであり、表面にはAuめっき等が厚み0.01〜5μm程度にて施されている。BGA用基板1の下面には、内部電極2とスルーホール等(図示せず)により電気的に接続された外部電極3が形成されている。
【0025】
上記のBGA用基板1のチップ搭載領域に第1の半導体チップ14を固着する。次に、図2(b)に示すように、第1の半導体チップ14上に第2の半導体チップ15と第3の半導体チップ16とを順次に積層して固着する。固着にはエポキシ、ポリイミド等の熱硬化性樹脂(図示せず)を介在させる。第1、第2、第3の半導体チップ14,15,16には各々の外周部に電極14a,15a,16aが形成されている。電極14a,15a,16aは通常、Al、Au、Cu等で構成され、Alの場合は、微量のSi、Cu等が添加される。電極14a,15a,16aの数は、第1、第2、第3の半導体チップ14,15,16の各々の回路規模等で異なるが、10〜2000ピン程度である。
【0026】
次に図2(c)に示すように、第1の半導体チップ14の電極14aとBGA用基板1の内周列の内部電極2aとをワイヤボンディング法を用いてボンディングワイヤ18にて電気的に接続する。次に図2(d)に示すように、第2の半導体チップ15の電極15aとBGA用基板1の中央列の内部電極2bとをワイヤボンディング法により被服ボンディングワイヤ19にて接続する。次に、第3の半導体チップ16の電極16aとBGA用基板1の外周列の内部電極2cとをワイヤボンディング法を用いてボンディングワイヤ20にて電気的に接続する。
【0027】
ここで、ボンディングワイヤ18,20は通常Au,Al,Cuよりなる金属細線であり、その径は10〜50μm程度である。また被覆ボンディングワイヤ19は、Au、AL、Cu等よりなる金属細線をコアとし、周囲をポリウレタン等の絶縁性樹脂で被覆したものである。コアとする金属細線の径は10〜50μm程度である。ワイヤボンディング法は通常、加熱と超音波を印加し加圧しながら行う。加熱温度は50〜300℃程度、超音波の出力は10〜300mW程度、加圧力は10〜100g程度である。このようにすれば、被覆ボンディングワイヤ19の絶縁性樹脂の内、半導体チップ15の電極15aとの接合部およびBGA用基板1の内部電極2bとの接合部の絶縁性樹脂は、加熱あるいは超音波の印加などにより除去されるので、各接合部においてはコアの金属細線が接合される。
【0028】
ワイヤボンディング工程の順序は、上述したように、第1の半導体チップ14の電極14aのボンディングワイヤ18による接続が完了した後に、第2の半導体チップ15の電極15aの被覆ボンディングワイヤ19による接続を行い、その接続が完了した後に、第3の半導体チップ16の電極16aのボンディングワイヤ20による接続を行う。このためにたとえば、電極14a,16aをボンディングワイヤ18,20にて接続するためのワイヤボンダーと、電極15aを被覆ボンディングワイヤ19にて接続するためのワイヤボンダーとを、別個の装置とすれば、効率よい。
【0029】
この際に、積層された3個の半導体チップ14,15,16の内、中央段にある第2の半導体チップ15の電極15aの接続には被覆ボンディングワイヤ19を用いるため、その上下に離れて位置すべきボンディングワイヤ18,20が近接あるいは接触しても電気的な短絡を起こすことがない。よって、歩留の高いものとなる。設計上は、上下方向でのワイヤ間距離を0にすることができ、ボンディングワイヤ19,20のループを低くすることができるので、薄型の半導体装置を容易に得ることが可能となる。被覆ボンディングワイヤ19は、被覆されていないボンディングワイヤ18,20に比べて幾分、高価ではあるが、第2の半導体チップ15の電極15aについてのみ用いるので、コスト上昇を抑えることができる。
【0030】
接続終了後に、図2(e)に示すように、BGA用基板1の片側に半導体チップ14,15,16及びボンディングワイヤ18,19,20を覆うように、トランスファーモールド方式等によって、封止樹脂9を成形し、その後に、BGA用基板1の外部電極3にはんだボール10を形成する。
【0031】
以上の第1および第2の実施の形態では、BGA用基板を用いたBGAパッケージについて説明したが、リードフレームを用いたQFPタイプやその他の形態のパッケージでも被覆ボンディングワイヤを用いることで同様の効果が得られる。被覆ボンディングワイヤは、全体を絶縁性樹脂で被覆したものが実用的であるが、上下に位置するボンディングワイヤが近接あるいは接触する恐れのある箇所のみ被覆したものの使用はもちろん可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係る半導体装置は、多ピン、小型化を実現しつつ、短絡が発生しにくいので、移動体通信機をはじめとする電子機器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図
【図2】本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図
【図3】従来の半導体装置の断面図
【符号の説明】
【0034】
1 BGA用基板
2 内部電極
3 外部電極
4 半導体チップ
5 電極
6 ボンディングワイヤ
7 被覆ボンディングワイヤ
8 ボンディングワイヤ
9 封止樹脂
14 第1の半導体チップ
14a 電極
15 第2の半導体チップ
15a 電極
16 第3の半導体チップ
16a 電極
18 ボンディングワイヤ
19 被覆ボンディングワイヤ
20 ボンディングワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1主面に複数の電極を有した少なくとも1個の半導体チップと、複数の内部電極及び外部電極を有し、前記半導体チップを内部電極形成面に固着した半導体チップ支持体と、前記半導体チップの電極と前記半導体チップ支持体の内部電極とを接続した複数のボンディングワイヤと、前記半導体チップ及びボンディングワイヤを封止した樹脂とを有し、
前記複数のボンディングワイヤは、互いに上下に配置される一方に金属細線である第1のボンディングワイヤが用いられ、他方に金属細線の少なくとも一部が絶縁性樹脂で被覆されてなる第2のボンディングワイヤが用いられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体チップは、1主面の外周部に列状に配置された電極と該電極列よりも前記1主面の中心寄りに少なくとも1列、列状に配置された電極とを有し、前記半導体チップの複数列の電極に対して列ごとに交互に第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤとが接続していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
半導体チップ上の外周側から奇数番目の列の電極に第1のボンディングワイヤが接続し、偶数番目の列の電極に第2のボンディングワイヤが接続していることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
1主面に複数の電極を有した半導体チップが複数個、積層されて半導体チップ支持体に固着されており、互いに上下に位置する半導体チップごとに交互に第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤとが接続していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体チップ支持体側から奇数番目の段の半導体チップに第1のボンディングワイヤが接続し、偶数番目の段の半導体チップに第2のボンディングワイヤが接続していることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
1主面に複数の電極を有した少なくとも1個の半導体チップを、複数の内部電極及び外部電極を有した半導体チップ支持体の内部電極形成面に固着する工程と、前記半導体チップの電極と前記半導体チップ支持体の内部電極とを各々ボンディングワイヤにより接続する工程と、前記半導体チップ及びボンディングワイヤを樹脂封止する工程とを有する半導体装置の製造方法において、
前記接続の工程では、互いに上下に配置される一方のボンディングワイヤに、金属細線である第1のボンディングワイヤを用い、他方のボンディングワイヤに、金属細線の少なくとも一部が絶縁性樹脂で被覆されてなる第2のボンディングワイヤを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
1主面の外周部に列状に配置された電極と該電極列よりも前記1主面の中心寄りに少なくとも1列、列状に配置された電極とを有する半導体チップを、複数の内部電極及び外部電極を有した半導体チップ支持体の内部電極形成面に固着する工程と、前記半導体チップの電極と前記半導体チップ支持体の内部電極とを各々ボンディングワイヤにより接続する工程と、前記半導体チップ及びボンディングワイヤを樹脂封止する工程とを有する半導体装置の製造方法において、
前記接続の工程では、前記半導体チップの複数列の電極に対して列ごとに交互に第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤを接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
半導体チップ上の外周側から奇数番目の列の電極に第1のボンディングワイヤを接続し、偶数番目の列の電極に第2のボンディングワイヤを接続することを特徴とする請求項7記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
1主面に複数の電極を有した半導体チップを複数個、積み重ねて、複数の内部電極及び外部電極を有した半導体チップ支持体の内部電極形成面に固着する工程と、前記半導体チップの電極と前記半導体チップ支持体の内部電極とを各々ボンディングワイヤにより接続する工程と、前記半導体チップ及びボンディングワイヤを樹脂封止する工程とを有する半導体装置の製造方法において、
前記接続の工程では、互いに上下に位置する半導体チップごとに交互に第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤを接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
半導体チップ支持体側から奇数番目の段の半導体チップに第1のボンディングワイヤを接続し、偶数番目の段の半導体チップに第2のボンディングワイヤを接続することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤとは別個の接続装置を用いて接続することを特徴とする請求項6、7、9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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