説明

半導体装置

【課題】低電圧で所望の発光輝度、及び所望の色純度が得られる寿命の長い薄型のフルカラー表示装置を安価で提供することを課題とする。
【解決手段】フルカラー表示可能な発光装置において、異なる発光色(例えばR、G、B)を発光する複数の発光素子のうち、少なくとも一つの発光色の発光素子は有機化合物を含む発光素子(有機EL素子)とし、他の一つの発光色の発光素子は無機材料を発光層または蛍光層とする発光素子(無機EL素子)とする。なお、同一基板上に有機EL素子と無機EL素子を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の発光素子を有する半導体装置およびその作製方法に関する。例えば、発光素子を有する発光表示装置を部品として搭載した電子機器に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
物質に電界を印加したときに発光を生じる現象はEL(Electroluminescence)現象と呼ばれ、公知な現象として知られている。特にZnS:Mnの無機薄膜を用いた無機ELと、有機蒸着薄膜を用いた有機ELは明るく、高効率のEL発光を示しディスプレイへの応用が図られている。
【0004】
近年、フルカラー表示できるディスプレイを実現するため、様々な構成が提案されている。例えば、白色発光素子とカラーフィルタを組み合わせてフルカラー表示を行う構成や、赤色(R)の発光層、緑色(G)の発光層、青色(B)の発光層の3つの発光層を並べてフルカラー表示を行う構成が検討されている。
【0005】
また、赤色、緑色、青色に白色(W)をいれた4色の画素を有する画素群で構成する有機発光デバイスは特許文献1に開示されている。
【0006】
また、本出願人は、複数の異なる色に発光するEL素子を有する発光装置において、少なくとも一つのEL素子は、トリプレット化合物を有し、その他のEL素子はシングレット化合物を有するカラー表示装置を特許文献2に開示している。
【特許文献1】米国特許出願第2002/0186214号明細書
【特許文献2】特開2002−62824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
EL素子における発光輝度はEL素子に印加される電圧によって制御されているが、EL素子の発光色によって用いる発光材料が異なるため、電圧に対する発光輝度が異なってしまう。
【0008】
また、赤色、緑色、または青色を発光する有機ELを用いてフルカラー表示させようとした場合、用いる発光材料が異なるため、赤色、緑色、及び青色の発光素子を全て同じ輝度とし、低電圧で駆動させ、長寿命を達成させることは困難であった。
【0009】
本発明は、低電圧で所望の発光輝度、及び所望の色純度が得られる寿命の長い薄型のフルカラー表示装置を安価で提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、フルカラー表示可能な発光装置において、異なる発光色(例えばR、G、B)を発光する複数の発光素子のうち、少なくとも一つの発光色の発光素子は有機化合物を含む発光素子(有機EL素子)とし、他の一つの発光色の発光素子は無機材料を発光層または蛍光層とする発光素子(無機EL素子)とする。
【0011】
なお、同一基板上に有機EL素子と無機EL素子を形成する。同一基板上に有機EL素子と無機EL素子を形成することで、1画素あたりの製造コストを低くすることができる。
【0012】
フルカラー表示に使う全ての発光色を無機EL素子で構成した場合、発光材料や素子構造を鑑みて、それらの発光色全てを5V〜15V未満で駆動させることは困難である。一方、本発明では、それらの発光色のうち、1色、または2色を5V〜15V未満で駆動させることができる無機EL素子を用い、残りの発光色は有機EL素子を用いることを特徴としている。
【0013】
また、フルカラー表示に使う全ての発光色を有機EL素子で構成した場合、発光材料や素子構造を鑑みて、それらの発光色全てを所望の輝度及び寿命を満たすことは困難である。一方、本発明では、それらの発光色のうち、例えば、1色、または2色をトリプレット化合物を用いた有機EL素子を用い、残りの発光色を有機EL素子よりも寿命が長い無機EL素子を用いることができる。
【0014】
本発明は、同一基板上に有機EL素子と無機EL素子を組み合わせて、低電圧で所望の発光輝度が得られる寿命の長いフルカラー表示装置を安価で提供することができる。さらに、適宜、カラーフィルタと組み合わせて所望の色純度も得られるフルカラー表示装置を提供することができる。また、本発明は、カラーフィルタの数を低減することもでき、例えば、カラーフィルタを用いた無機EL素子一つと、カラーフィルタを用いない有機EL素子二つとでフルカラー表示装置を作製することができる。ただし、高輝度のフルカラー表示装置を作製するためには、効率面、製造面から多くのカラーフィルタを使用しないことが望ましい。
【0015】
本明細書で開示する発明の構成は、基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、第1の発光色の発光素子と、第2の発光色の発光素子と、第3の発光色の発光素子とを有し、前記第1の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、前記第2及び第3の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置である。
【0016】
また、他の発明の構成は、基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、第1の発光色の発光素子と、第2の発光色の発光素子と、第3の発光色の発光素子とを有し、前記第1及び第2の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、前記第3の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置である。
【0017】
また、上記各構成において、所望の発光色や色純度を得るため、前記第1、第2、及び第3の発光色の発光素子からの発光が通過する位置にカラーフィルタを有することを特徴としている。さらに、カラーフィルタに代えて色変換層を用いてもよい。
【0018】
また、RGBの3色駆動ではなく、輝度を改善できるRGBWの4色駆動に本発明を適用してもよく、他の発明の構成は、基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、第1の発光色の発光素子と、第2の発光色の発光素子と、第3の発光色の発光素子と、第4の発光色の発光素子とを有し、前記第1の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、前記第2、第3、及び第4の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置である。
【0019】
また、他の発明の構成は、基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、第1の発光色の発光素子と、第2の発光色の発光素子と、第3の発光色の発光素子と、第4の発光色の発光素子とを有し、前記第1、及び第2の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、前記第3、及び第4の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置である。
【0020】
また、他の発明の構成は、基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、第1の発光色の発光素子と、第2の発光色の発光素子と、第3の発光色の発光素子と、第4の発光色の発光素子とを有し、前記第1、第2、及び第3の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、前記第4の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置である。
【0021】
また、上記RGBWの4色駆動の各構成において、前記第1、第2、第3、または第4の発光色の発光素子からの発光が通過する位置にカラーフィルタを有することを特徴としている。さらに、カラーフィルタに代えて色変換層を用いてもよい。
【0022】
赤色、緑色、青色に白色を加えた4色の画素を有する画素群で構成する利点としては、白色バックグラウンドの使用頻度が高い用途に使用された場合、総電力消費量を低減できる。ただし、RGBWの4色駆動とする場合には、3色映像信号から4色映像信号への変換のための駆動回路が必要となる。また、RGBWの4色駆動もRGBの3色駆動と同様に適宜、カラーフィルタと組み合わせて所望の色純度も得られるフルカラー表示装置を提供することができる。また、RGBWの4色駆動とする場合、白色画素に用いる発光素子の輝度または発光面積によっては白色が強調されすぎて彩度が低下する恐れがあるので、白色画素の輝度や面積を考慮して適宜調節することが好ましい。
【0023】
また、RGBまたはRGBWの画素の配列方法としては、同一色の発光素子を画素列単位で配列するストライプ型、列方向または行方向に順次配列するモザイク型、列方向に単位画素をジグザグに配列するデルタ型などがある。本発明は画素の配列方法は特に限定されず、様々な画素配列を用いることができる。
【0024】
また、上記各構成において、前記第1の発光色は、赤、緑、青、白、シアン、マゼンダ、アンバー、橙、或いはイエローであることを特徴としている。無機EL素子や有機EL素子で得られる様々な発光色をうまく組み合わせて所望のフルカラー表示を得ることができる。
【0025】
発光素子をマトリクス状に配置して形成された発光装置には、パッシブマトリクス駆動(単純マトリクス型)とアクティブマトリクス駆動(アクティブマトリクス型)といった駆動方法を用いることが可能である。本発明はパッシブマトリクス駆動とアクティブマトリクス駆動のどちらにも適用することができる。画素密度を増やして高精細なパネルとする場合には、画素(又は1ドット)毎にスイッチが設けられているアクティブマトリクス型の方が低電圧駆動できるので有利である。
【0026】
アクティブマトリクス型とする場合、画素に薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子を配置する。スイッチング素子としてはアモルファスシリコン膜を用いたTFTやポリシリコン膜を用いたTFTなどを用いることができる。アクティブマトリクス型の表示装置においては、画素部において有効画面領域を広げる開発が進められている。有効画面領域の面積を大きくするには画素部に配置されるTFT(画素TFT)の占める面積をできるだけ小さくする必要に迫られている。また、製造コストの低減を図るために駆動回路を画素部と同一基板上に作り込む開発も進められている。
【0027】
また、本発明は、アクティブマトリクス型の発光装置において、スクリーン印刷法などの成膜位置精度の比較的低い成膜方法を用いて無機発光素子の発光層を形成する場合、狭い間隔で塗り分けを行うことが困難であるので、図9にその一例を示すような構成とすることも本発明の特徴の一つである。その特徴は、第1色の無機発光素子と、隣り合う第2色の無機発光素子との両方に共通な同じ無機材料層を用いることである。そして、カラーフィルタと精度高く位置合わせして固定すれば、第1色の無機発光素子と、隣り合う第2色の無機発光素子との間隔を狭めることができる。また、2画素分の広い幅で成膜することができるため、スクリーン印刷法でも高精細なフルカラーパネルを得ることができる。
【0028】
また、本発明は、工程を短縮化するためにアクティブマトリクス型の発光装置において、第1色の有機発光素子と、隣り合う第2色の有機発光素子との間に設ける隔壁層と、第3色の無機発光素子の一対の電極間に設ける絶縁層との材料を同じ工程で形成することも本発明の特徴の一つである。この構成の一例は図10に示している。この場合、隔壁層と絶縁層は、タンタル酸バリウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウムなどを用いることができる。
【0029】
また、赤色、緑色、または青色の発光素子として無機ELを用いてフルカラー表示させようとした場合、パッシブマトリクス駆動で表示を行うが、パッシブマトリクス駆動では走査電極を増加させると輝度が低下することが問題となっている。
【0030】
また、本発明は、工程を短縮化するためにパッシブ型の発光装置において、第1色の有機発光素子と、隣り合う第2色の有機発光素子との間に設ける隔壁層と、第3色の無機発光素子の一対の電極間に設ける絶縁層との材料を同じ工程で形成することも本発明の特徴の一つである。この構成の一例は図11に示している。この場合、隔壁層と絶縁層は、タンタル酸バリウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウムなどを用いることができる。
【0031】
また、無機EL素子の駆動に要する電圧が100V〜200Vと比較的に高い無機材料を発光層または蛍光層として用いた場合、100V〜200VではTFTは破壊されてしまうので、スイッチング素子としてTFTを用いることが困難となる。従って、本発明の無機EL素子で用いる発光層または蛍光層は、5V〜15Vで駆動できる無機材料を用いることが好ましい。無機EL素子は、発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
【0032】
また、無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類されるが、本発明はどちらを用いてもよい。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた電界発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる電界発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムとしては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。分散型無機ELではドナー−アクセプター再結合型発光、薄膜型無機EL素子では局在型発光である場合が多い。
【0033】
本発明で用いることのできる発光材料は、母体材料と発光中心となる不純物元素とで構成される。含有させる不純物元素を変化させることで、様々な色の発光を得ることができる。発光材料の作製方法としては、固相法や液相法(共沈法)などの様々な方法を用いることができる。また、噴霧熱分解法、複分解法、プレカーサーの熱分解反応による方法、逆ミセル法やこれらの方法と高温焼成を組み合わせた方法、凍結乾燥法などの液相法なども用いることができる。
【0034】
固相法は、母体材料と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱、焼成を行い反応させ、母体材料に不純物元素を含有させる方法である。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。比較的高温での焼成を必要とするが、簡単な方法であるため、生産性がよく大量生産に適している。
【0035】
液相法(共沈法)は、母体材料又は母体材料を含む化合物と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を溶液中で反応させ、乾燥させた後、焼成を行う方法である。発光材料の粒子が均一に分布し、粒径が小さく低い焼成温度でも反応が進むことができる。
【0036】
無機EL素子の発光材料に用いる母体材料としては、硫化物、酸化物、窒化物を用いることができる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y)、硫化ガリウム(Ga)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等を用いることができる。また、酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)等を用いることができる。また、窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等を用いることができる。さらに、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)等も用いることができ、硫化カルシウム−ガリウム(CaGa)、硫化ストロンチウム−ガリウム(SrGa)、硫化バリウム−ガリウム(BaGa)、等の3元系の混晶であってもよい。
【0037】
局在型発光の発光中心として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)などを用いることができる。なお、電荷補償として、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。
【0038】
一方、ドナー−アクセプター再結合型発光の発光中心として、ドナー準位を形成する第1の不純物元素及びアクセプター準位を形成する第2の不純物元素を含む発光材料を用いることができる。第1の不純物元素は、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、アルミニウム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)等を用いることができる。
【0039】
ドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法を用いて合成する場合、母体材料と、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物と、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を行う。母体材料としては、上述した母体材料を用いることができ、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、硫化アルミニウム(Al)等を用いることができ、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、硫化銅(CuS)、硫化銀(AgS)等を用いることができる。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。
【0040】
また、固相反応を利用する場合の不純物元素として、第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物を組み合わせて用いてもよい。この場合、不純物元素が拡散されやすく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに、余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)等を用いることができる。
【0041】
なお、これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01〜10atom%であればよく、好ましくは0.05〜5atom%の範囲である。
【0042】
また、ドナー−アクセプター再結合型発光の発光中心を有する発光材料に、第3の不純物元素を含む発光材料を用いてもよい。この場合、第3の不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.05〜5atom%であることが好ましい。このような構成の発光材料では、低電圧での発光が可能となる。よって、低駆動電圧で発光可能な発光素子を得ることができ、消費電力が低減された発光素子を得ることができる。また、さらに上述した局在型発光の発光中心となる不純物元素が含まれていてもよい。
【0043】
薄膜型無機ELの場合、電界発光層は、上記発光材料を含む層であり、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子エピタキシ法(ALE)等を用いて形成することができる。
【0044】
また、分散型無機ELの場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の電界発光層を形成する。発光材料の作製方法によって、十分に所望の大きさの粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダとは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、電界発光層としての形状に保持するための物質である。発光材料は、バインダによって電界発光層中に均一に分散し固定される。
【0045】
分散型無機ELの場合、電界発光層の形成方法は、選択的に電界発光層を形成できる液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、10〜1000nmの範囲である。また、発光材料及びバインダを含む電界発光層において、発光材料の割合は50wt%以上80wt%以下とするよい。
【0046】
また、素子構造や発光色が異なる発光パネルを複数枚重ねてフルカラー表示装置とする従来技術、例えば赤色発光のLEDと、緑色発光及び青色発光の有機EL素子の組み合わせもあるが、積み重ねるため全体の厚さが厚くなり、部品点数が多くなる。さらに、LEDアレイと有機EL素子アレイを別々に駆動させるため複雑な駆動方法となる。また、発光パネルを複数枚重ねてフルカラー表示装置を製造する際、高精細になればなるほど重ね合わせ精度を高くしなくてはならず歩留まりが低下しやすい。
【0047】
本明細書中でフルカラー表示装置とは、可視スペクトルの赤、緑、及び青の各色域で発光し、任意の組み合わせの色相で画像を表示することができる多色ディスプレイパネルを指す。赤、青、緑の三原色の発光を適宜混合することにより、黒以外の他の全ての色を形成することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明により、低電圧で所望の発光輝度、及び所望の色純度が得られる寿命の長い薄型のフルカラー表示装置を安価で提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
【0050】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るフルカラー表示装置について、図1(A)、図2(A)乃至(C)、図3(A)乃至(C)、図4、及び図5を用いて説明する。
【0051】
図1(A)はRGBの3色駆動でフルカラー表示を行う画素の一部の上面図である。図1(A)において、点線で囲まれた領域が画素領域10であり、発光素子の発光層(または蛍光層)となる有機材料層11、有機材料層12、及び無機材料層13が互いに重ならないように間隔を開けて形成されている。
【0052】
有機材料層11、有機材料層12、及び無機材料層13はそれぞれ一対の電極に挟まれて3つの発光素子を構成しており、その発光素子の一対の電極間に電圧を印加することでそれぞれの発光素子が赤色発光、緑色発光、或いは青色発光を示す。
【0053】
ここでは、赤色発光する発光素子の有機材料層11として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。有機材料層11は、ホスト材料に赤色燐光材料である2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン−白金錯体(以下、PtOEPと示す)をドーパントとして用いる。ホスト材料としては、ホール輸送材料や電子輸送材料を用いることができる。また、他のホスト材料としては、4,4’−N,N’−ジカルバゾリル−ビフェニル(略称:CBP)などのバイポーラ性の材料も用いることができる。また、他の赤色燐光材料としては、ビス(2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3’)(アセチルアセトナト)イリジウム(略称:btpIr(acac))、ビス(2−(2’−チエニル)ピリジナト−N,C3’)(アセチルアセトナト)イリジウム(略称:thpIr(acac))、ビス(2−(1−ナフチル)ベンゾオキサゾラト−N,C2’)(アセチルアセトナト)イリジウム(略称:bonIr(acac))、などが挙げられる。これらはいずれも、赤色系(560nm以上700nm以下)に発光ピークを有する燐光材料であり、本発明の有機材料層11における発光体として好適である。
【0054】
また、緑色発光する発光素子の有機材料層12として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。有機材料層12は、ホスト材料に緑色燐光材料であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(略称:Ir(ppy))をドーパントとして用いる。これは、緑色系(500nm以上560nm未満)に発光ピークを有する燐光材料であり、本発明の有機材料層12における発光体として好適である。
【0055】
また、ここでは、有機材料層11及び有機材料層12にトリプレット化合物を用いた例を示したが、いずれか一方をトリプレット化合物に代えてシングレット化合物を用いてもよい。有機材料層11、或いは有機材料層12にシングレット化合物を用いた場合、シングレット化合物はトリプレット化合物と比較して材料が安価であるため、製造コストを低減できる。また、有機材料層11及び有機材料層12にトリプレット化合物とシングレット化合物の両方を用いてもよい。
【0056】
なお、有機材料層11及び有機材料層12を発光層とする有機発光素子の構造は、発光層に用いる材料として、有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、本発明においては、有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。有機発光素子中の各層については積層法を限定するものではない。積層が可能ならば、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット法、ディップコート法など、どの様な手法を選んでも良いものとする。
【0057】
また、青色発光する発光素子の無機材料層13として、(MS)(Al:RE(ただし、MはCa、Sr、Baを示し、REは希土類元素を示す)、やBaAl:Eu、やZnS:Tm、やCaGa:Ce、やSrGa:Ce、やSrS:Ag,Cu、やCaS:Pb、やBaSiS:Ceなどを用いることができる。これらはいずれも、青色系(400nm以上500nm以下)に発光ピークを有する無機材料であり、本発明の無機材料層13における発光体として好適である。
【0058】
また、無機材料層13として青緑色発光する無機材料(SrS:Ce、SrS:Cuなど)や白色発光する無機材料(SrS:Ce,Euや、SrS:Ce,K,Euや、ZnS:Pr,Tbなど)を用い、その発光素子にカラーフィルタ(色補正フィルタとも呼ぶ)を用いて青色発光としてもよい。これらの青緑色発光する材料や白色発光する無機材料は、安価に得やすいため、上述した青色発光する材料よりも工業生産に好ましい。
【0059】
なお、図1(A)中に示したR、G、Bは、発光材料に起因する発光色のみを指しているのではなく、カラーフィルタを用いた発光素子の発光色も含むものとする。また、有機EL素子の色純度を向上させるためのカラーフィルタを用いてもよい。
【0060】
また、無機材料層13を用いた発光素子の構成として、分散型無機EL素子、或いは薄膜型無機EL素子のどちらを用いてもよい。
【0061】
図2(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる薄膜型無機EL素子の一例を示す。図2(A)乃至(C)において、発光素子は、第1の電極層50、電界発光層52、第2の電極層53を含む。
【0062】
図2(B)及び図2(C)に示す発光素子は、図2(A)の発光素子において、電極層と電界発光層間に絶縁層を設ける構造である。図2(B)に示す発光素子は、第1の電極層50と電界発光層52との間に絶縁層54を有し、図2(C)に示す発光素子は、第1の電極層50と電界発光層52との間に絶縁層54a、第2の電極層53と電界発光層52との間に絶縁層54bとを有している。このように絶縁層は電界発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また絶縁層は単層でもよいし複数層からなる積層でもよい。
【0063】
また、図2(B)では第1の電極層50に接するように絶縁層54が設けられているが、絶縁層と電界発光層の順番を逆にして、第2の電極層53に接するように絶縁層54を設けてもよい。
【0064】
分散型無機ELの場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の電界発光層を形成する。発光材料を粒子状に加工する。発光材料の作製方法によって、十分に所望の大きさの粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダとは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、電界発光層としての形状に保持するための物質である。発光材料は、バインダによって電界発光層中に均一に分散し固定される。
【0065】
分散型無機ELの場合、電界発光層の形成方法は、選択的に電界発光層を形成できる液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、10〜1000nmの範囲である。また、発光材料及びバインダを含む電界発光層において、発光材料の割合は50wt%以上80wt%以下とするよい。
【0066】
図3(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる分散型無機EL素子の一例を示す。図3(A)における発光素子は、第1の電極層60、電界発光層62、第2の電極層63の積層構造を有し、電界発光層62中にバインダによって保持された発光材料61を含む。
【0067】
本実施の形態に用いることのできるバインダとしては、有機材料や無機材料を用いることができ、有機材料及び無機材料の混合材料を用いてもよい。有機材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。また、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オキサゾール樹脂(ポリベンゾオキサゾール)等の樹脂材料を用いてもよい。また、光感光性樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型樹脂などを用いることができる。これらの樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO)などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
【0068】
バインダに含まれる無機材料としては、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウムまたは酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸鉛(PbNbO)、酸化タンタル(Ta)、タンタル酸バリウム(BaTa)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ジルコニウム(ZrO)、硫化亜鉛(ZnS)その他の無機性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。有機材料に、誘電率の高い無機材料を(添加等によって)含ませることによって、発光材料及びバインダよりなる電界発光層の誘電率をより制御することができ、より誘電率を大きくすることができる。
【0069】
作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散されるが本実施の形態に用いることのできるバインダを含む溶液の溶媒としては、バインダ材料が溶解し、電界発光層を形成する方法(各種ウエットプロセス)及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるような溶媒を適宜選択すればよい。有機溶媒等を用いることができ、例えばバインダとしてシロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトシキ−3−メチル−1−ブタノール(MMBともいう)などを用いることができる。
【0070】
図3(B)及び図3(C)に示す発光素子は、図3(A)の発光素子において、電極層と電界発光層間に絶縁層を設ける構造である。図3(B)に示す発光素子は、第1の電極層60と電界発光層62との間に絶縁層64を有し、図3(C)に示す発光素子は、第1の電極層60と電界発光層62との間に絶縁層64a、第2の電極層63と電界発光層62との間に絶縁層64bとを有している。このように絶縁層は電界発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また絶縁層は単層でもよいし複数層からなる積層でもよい。
【0071】
また、図3(B)では第1の電極層60に接するように絶縁層64が設けられているが、絶縁層と電界発光層の順番を逆にして、第2の電極層63に接するように絶縁層64を設けてもよい。
【0072】
図2における絶縁層54、図3における絶縁層64のような絶縁層は、特に限定されることはないが、絶縁性が高く、緻密な膜質であることが好ましく、さらには、誘電率が高いことが好ましい。例えば、酸化シリコン(SiO)、酸化イットリウム(Y)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(Ta)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、窒化シリコン(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)等やこれらの混合膜又は2種以上の積層膜を用いることができる。これらの絶縁膜は、スパッタリング、蒸着、CVD等により成膜することができる。また、絶縁層はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して成膜してもよい。バインダ材料は、電界発光層に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10〜1000nmの範囲である。
【0073】
このように、無機材料を発光層に用いた発光素子と有機材料を発光層に用いた発光素子とを同一基板上に形成し、それぞれの発光素子特性をうまく組み合わせて用いることでフルカラーの再現範囲が広い表示を行うことができる。また、三重項状態のエネルギーレベルは、一重項励起状態のエネルギーレベルに比べて低いので、長波長よりの緑〜赤色の波長域の燐光を得ることできる一方、有機EL素子は青色の燐光を得ることは困難であるため、青色発光を無機EL素子で得る本実施の形態の画素構成は最適な組み合わせと言える。
【0074】
本実施の形態で示す発光素子は、電界発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
【0075】
パッシブ型の表示装置の場合、画素領域10には、第1方向に平行に延びる第1配線と、第1方向に直交する第2の方向に延びる第2配線が配置される。パッシブ型の表示装置は、第1配線と電気的に接続する第1電極と、第2配線と電気的に接続する第2電極とを一組として交流駆動させる。
【0076】
図4には本発明を適用して作製する場合のパッシブ型の表示装置の斜視図を示す。図4において、基板951上には、第1電極952と第2電極956との間に、発光層等を含む層955が設けられた構成を有する3種類の発光素子を有する。RGBの3色駆動でフルカラー表示を行うため、有機材料層11、有機材料層12、或いは無機材料層13を発光層または蛍光層とする発光素子をそれぞれ設ける。第1電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。
【0077】
パッシブ型の表示装置とする場合には、無機EL素子の輝度が飽和する駆動条件、具体的には高い電圧(15V以上)を無機EL素子に印加することができ、高輝度な表示を得ることができる。また、パッシブ型の表示装置とする場合には、順方向の駆動の後に逆方向のバイアス電圧を印加することで輝度低下を緩和することができる。また、有機EL素子と無機EL素子を組み合わせた本発明の構成によって、所望の色純度が得られる寿命の長い薄型のパッシブ型のフルカラー表示装置を得ることができる。
【0078】
アクティブ型の表示装置の場合、画素領域10には、第1方向に平行に延びる第1配線と、第1方向に直交する第2の方向に延びる第2配線と、スイッチング素子が配置される。
【0079】
また、図5にスイッチング素子としてTFTを用いてアクティブ型の表示装置とする場合の等価回路図を示す。図5中の101がスイッチングTFTであり、102が電流制御用TFTである。赤色を表示する画素は、電流制御用TFT102のドレイン領域に赤色を発光する有機EL素子103Rが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(R)106Rが設けられている。また、有機EL素子103Rには、カソード側電源線100が設けられている。また、緑色を表示する画素は、電流制御用TFTのドレイン領域に緑色を発光する有機EL素子103Gが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(G)106Gが設けられている。また、青色を表示する画素は、電流制御用TFTのドレイン領域に青色を発光する無機EL素子103Bが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(B)106Bが設けられている。それぞれ色の異なる画素にはEL材料に応じて異なる電圧をそれぞれ印加する。なお、比較的低い電圧(15V未満)でも駆動可能な無機EL素子を用いることにより、有機EL素子と無機EL素子を組み合わせた本発明の構成を実現できる。アクティブ駆動は、高輝度を保ちつつ1つの画素サイズを小さくすることが可能なため高精細なカラー表示を実現できる。
【0080】
また、アクティブ駆動のもう一つの利点は、画素の配列を工夫することができる点である。図1(A)では列方向または行方向に順次配列するモザイク型の例を示したが、列方向に単位画素をジグザグに配列するデルタ型や、同一色の発光素子を画素列単位で配列するストライプ型の画素配列としてもよい。
【0081】
(実施の形態2)
本実施の形態では、隣り合う画素の間隔を互いに近くすることができるデルタ型の画素配列とした例を図1(B)に示す。
【0082】
また、本実施の形態の画素構成は、実施の形態1とは無機EL素子の発光色が異なり、緑色発光の無機EL素子を用いている。本実施の形態は、この緑色発光の無機EL素子と、青色発光の有機EL素子と、赤色発光の有機EL素子とを用いた画素構成としてフルカラー表示を行う例である。
【0083】
図1(B)において、点線で囲まれた領域が画素領域20であり、発光素子の発光層(または蛍光層)となる有機材料層21、無機材料層22、及び有機材料層23が互いに重ならないように間隔を開けて形成されている。
【0084】
ここでは、赤色発光する発光素子の有機材料層21として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。赤色発光する発光素子の有機材料層21としては、実施の形態1に示した有機材料層11と同じ材料を用いることができる。
【0085】
また、青色発光する発光素子の有機材料層23として、(4,6−F2ppy)2Irpicやフッ素化されたppyリガンド構造を基本とするIr化合物などのトリプレット化合物を含む材料を用いることができる。ただし、(4,6−F2ppy)2Irpicは、水色(シアン)に近い発光色であるのでカラーフィルタで色純度を向上させることが好ましい。また、三重項状態のエネルギーレベルは、一重項励起状態のエネルギーレベルに比べて低いので、青色の波長域の燐光を得ることが困難である。従って、青色発光する発光素子の有機材料層22として蛍光発光を示す青色材料、例えばペリレンを用いてもよい。
【0086】
また、緑色発光する発光素子の無機材料層22として、ZnS:Tbや、SrGa:EuやCaAl:Euなどを用いることができる。
【0087】
また、無機材料層22として青緑色発光する無機材料(SrS:Ce、SrS:Cuなど)や白色発光する無機材料(SrS:Ce,EuやZnS:Pr,Tbなど)を用い、その発光素子にカラーフィルタを用いて緑色発光としてもよい。
【0088】
このように、無機材料を発光層に用いた発光素子と有機材料を発光層に用いた発光素子とを同一基板上に形成し、それぞれの発光素子特性をうまく組み合わせて用いることでフルカラーの再現範囲が広い表示を行うことができる。
【0089】
本実施の形態で示す発光素子は、電界発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
【0090】
また、本実施の形態で示す画素構成は、パッシブ型の表示装置またはアクティブ型の表示装置のいずれにおいても適用することができる。
【0091】
また、本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
【0092】
(実施の形態3)
本実施の形態では、発光領域の形状が矩形ではなく、六角形とし、発光素子を配列した例を図1(C)に示す。
【0093】
また、本実施の形態の画素構成は、実施の形態1とは無機EL素子の発光色が異なり、赤色発光の無機EL素子を用いている。本実施の形態は、この赤色発光の無機EL素子と、青色発光の有機EL素子と、緑色発光の有機EL素子とを用いた画素構成としてフルカラー表示を行う例である。
【0094】
図1(C)において、点線で囲まれた領域が画素領域30であり、発光素子の発光層(または蛍光層)となる無機材料層31、有機材料層32、及び有機材料層33が互いに重ならないように間隔を開けて形成されている。
【0095】
ここでは、赤色発光する発光素子の無機材料層31として、Zn:Smや、CaS:Euや、BaZnS:Mnや(Ca,Sr)Y:Euや、ZnGa:Euなどを用いることができる。
【0096】
また、無機材料層31としてZnS:Mnを用い、アンバー色の発光素子にカラーフィルタを用いて赤色発光としてもよい。
【0097】
また、緑色発光する発光素子の有機材料層32として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。緑色発光する発光素子の有機材料層32としては、実施の形態1に示した有機材料層12と同じ材料を用いることができる。
【0098】
また、青色発光する発光素子の有機材料層33として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。青色発光する発光素子の有機材料層33としては、実施の形態2に示した有機材料層23と同じ材料を用いることができる。
【0099】
このように、無機材料を発光層に用いた発光素子と有機材料を発光層に用いた発光素子とを同一基板上に形成し、それぞれの発光素子特性をうまく組み合わせて用いることでフルカラーの再現範囲が広い表示を行うことができる。
【0100】
本実施の形態で示す発光素子は、電界発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
【0101】
また、本実施の形態で示す画素構成は、パッシブ型の表示装置またはアクティブ型の表示装置のいずれにおいても適用することができる。
【0102】
本実施の形態は実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
【0103】
(実施の形態4)
RGBWの4画素駆動に本発明を適用した例を図6(A)で説明する。図6(A)はRGBWの4色駆動でフルカラー表示を行う画素の一部の上面図である。なお、RGBWの4色駆動とする場合には、3色映像信号から4色映像信号への変換のための駆動回路が必要である。
【0104】
図6(A)において、点線で囲まれた領域が画素領域40であり、発光素子の発光層(または蛍光層)となる有機材料層41、有機材料層42、有機材料層43、及び無機材料層44が互いに重ならないように間隔を開けて形成されている。
【0105】
有機材料層41、有機材料層42、有機材料層43、及び無機材料層44はそれぞれ一対の電極に挟まれて4つの発光素子を構成しており、その発光素子の一対の電極間に電圧を印加することでそれぞれの発光素子が赤色発光、緑色発光、青色発光、或いは白色発光に発光する。
【0106】
ここでは、赤色発光する発光素子の有機材料層41として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。赤色発光する発光素子の有機材料層41としては、実施の形態1に示した有機材料層11と同じ材料を用いることができる。
【0107】
また、緑色発光する発光素子の有機材料層42として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。緑色発光する発光素子の有機材料層42としては、実施の形態1に示した有機材料層12と同じ材料を用いることができる。
【0108】
また、白色発光する発光素子の有機材料層43としては、複数の色素、例えばRGBの各色素がドープされた単一の発光層、或いは異なる色素を含む2層以上の積層からなる発光層を用いることができる。白色発光する有機EL素子の構造としては様々なものがあり、例えば、高分子材料からなる発光層を用いる場合、ホール輸送性のポリビニルカルバゾール(PVK)に電子輸送性の1,3,4−オキサジアゾール誘導体(PBD)を分散させてもよい。また、PVKに30wt%のPBDを電子輸送剤として分散し、4種類の色素(TPB、クマリン6、DCM1、ナイルレッド)を適当量分散することで白色発光が得られる。また、低分子材料からなる発光層を用いる場合、CuPc、α−NPD、白金を中心金属とした有機金属錯体(Pt(ppy)acac)を含むCBP、BCP、BCP:Liを順に積層した構造を用いることができる。この積層を用いた発光素子は、青色発光と、有機金属錯体からの燐光発光と、前記有機金属錯体のエキシマー状態からの発光とを共に発して白色発光を生成する。なお、CBPは、4,4’−N,N’−ジカルバゾリル−ビフェニルの略称である。Pt(ppy)acacで代表されるトリプレット化合物は発光効率がよく、大型サイズのパネルに有効である。
【0109】
また、白色発光する発光素子の有機材料層43として複数の色素がドープされた単一の発光層を用いる場合、少なくとも2種以上の発光中心材料が含有された発光素子とし、複数の発光中心材料のうち、少なくとも1種以上を燐光発光材料とし、少なくとも1種以上を蛍光発光材料とすることもできる。
【0110】
また、青色発光する発光素子の無機材料層44として、実施の形態1に示した無機材料層13と同じ材料を用いることができる。また、無機材料層44として青緑色発光する無機材料(SrS:Ce、SrS:Cuなど)や白色発光する無機材料(SrS:Ce,Euや、SrS:Ce,K,Euや、ZnS:Pr,Tbなど)を用い、その発光素子にカラーフィルタ(色補正フィルタとも呼ぶ)を用いて青色発光としてもよい。
【0111】
このように、無機材料を発光層に用いた発光素子と有機材料を発光層に用いた発光素子とを同一基板上に形成し、それぞれの発光素子特性をうまく組み合わせて用いることでフルカラーの再現範囲が広い表示を行うことができる。
【0112】
本実施の形態で示す発光素子は、電界発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
【0113】
また、本実施の形態で示す画素構成は、パッシブ型の表示装置またはアクティブ型の表示装置のいずれにおいても適用することができる。
【0114】
本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、または実施の形態3と自由に組み合わせることができる。
【0115】
(実施の形態5)
本実施の形態では、RGBWの4画素駆動の他の例を図6(B)で説明する。本実施の形態では、RGBWの4画素が同じ発光面積でない例を示す。RGBWの4画素駆動の場合、発光面積の比率を同一とすると白色が強調されすぎて彩度が低下する恐れがあるため、本実施の形態では、白色の発光面積を他の発光色よりも小さくしている。また、最適なフルカラー表示を実現するため、白色に限らず、他の発光色の発光面積を適宜調節してもよい。
【0116】
また、本実施の形態の画素構成は、実施の形態4とは有機EL素子の発光色が異なり、赤色発光と、緑色発光の有機EL素子を用いている。本実施の形態は、赤色発光の有機EL素子と、緑色発光の有機EL素子と、青色発光の無機EL素子と、白色発光の無機EL素子とを用いた画素構成としてフルカラー表示を行う例である。有機EL素子は、材料の問題上、白色発光や青色発光を効率よく発光させることは困難であるので、本実施の形態に示すようにこれらの発光を無機EL素子で効率よく発光させる構成が望ましい。
【0117】
図6(B)において、点線で囲まれた領域が画素領域70であり、発光素子の発光層(または蛍光層)となる有機材料層71、有機材料層72、無機材料層73、及び無機材料層74が互いに重ならないように間隔を開けて形成されている。
【0118】
ここでは、赤色発光する発光素子の有機材料層71として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。赤色発光する発光素子の有機材料層71としては、実施の形態1に示した有機材料層11と同じ材料を用いることができる。
【0119】
また、緑色発光する発光素子の有機材料層72として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。緑色発光する発光素子の有機材料層72としては、実施の形態1に示した有機材料層12と同じ材料を用いることができる。
【0120】
また、青色発光する発光素子の無機材料層73として、実施の形態1に示した無機材料層13と同じ材料を用いることができる。また、無機材料層73として青緑色発光する無機材料(SrS:Ce、SrS:Cuなど)や白色発光する無機材料(SrS:Ce,Euや、SrS:Ce,K,Euや、ZnS:Pr,Tbなど)を用い、その発光素子にカラーフィルタ(色補正フィルタとも呼ぶ)を用いて青色発光としてもよい。
【0121】
また、白色発光する発光素子の無機材料層74として、SrS:Ce,Euや、SrS:Ce,K,Euや、ZnS:Pr,Tbなどを用いることができる。
【0122】
また、図6(B)の画素配列は、青色発光する発光素子と白色発光する発光素子とが隣り合う位置に配列されているため、2つの発光素子に同じ無機材料を用いて白色発光とし、一方の発光素子に青色のカラーフィルタを用いてもよい。同じ材料を用いることで作製工程を簡略化でき、材料コストも低減できる。このような白色発光材料として、例えば、母体材料としてZnS、第1の不純物元素としてCl、第2の不純物元素としてCu、第3の不純物元素してGa及びAsを含み、さらに局在型発光の発光中心としてMnを含む発光材料を用いることができる。このような白色発光材料を形成するには、以下に示す方法を用いることができる。発光材料(ZnS:Cu,Cl)にMnを加え、真空中で2〜4時間程度焼成する。焼成温度は700〜1500℃であることが好ましい。この焼成したものを粉砕して粒径5〜20μmにし、粒径1〜3μmのGaAsを加え撹拌する。この混合物を硫黄ガスを含む窒素気流中で約500〜800℃で2〜4時間焼成することにより、発光材料を得ることができる。この白色発光材料を用いて、蒸着法などにより薄膜を形成することにより、白色発光の発光素子の発光層として用いることができる。
【0123】
また、ここでは4画素のうち、2画素に無機EL素子を用いた例を示したが、特に限定されず、3画素に無機EL素子を用い、残りの1画素に有機EL素子を用いる構成としてもよい。
【0124】
このように、無機材料を発光層に用いた発光素子と有機材料を発光層に用いた発光素子とを同一基板上に形成し、それぞれの発光素子特性をうまく組み合わせて用いることでフルカラーの再現範囲が広い表示を行うことができる。
【0125】
本実施の形態で示す発光素子は、電界発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
【0126】
また、本実施の形態で示す画素構成は、パッシブ型の表示装置またはアクティブ型の表示装置のいずれにおいても適用することができる。
【0127】
本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、または実施の形態4と自由に組み合わせることができる。
【0128】
(実施の形態6)
ここでは、RGBの3色駆動でフルカラー表示を行う場合、用いるカラーフィルタと発光素子の組み合わせを模式図(図7(A)〜図7(E))を用いて説明する。
【0129】
図7(A)は、同一基板上に赤色発光素子701R、緑色発光素子701G、及び青色発光素子701Bを設けた模式図を示している。図7(A)においては一対の電極に発光層の単層が挟まれた構造を示しているが、模式的に示しただけであり、積層構造でもよく、さらに無機発光素子は図2(A)〜図2(C)、図3(A)〜図3(C)に示す構造も取りうる。
【0130】
図7(A)は、赤色発光素子701R、及び緑色発光素子701Gを有機発光素子とし、青色発光素子701Bは、青色のカラーフィルタを用いた白色(若しくはシアン色)の無機発光素子とした組み合わせの例である。
【0131】
また、図7(B)は、赤色発光素子702Rを赤色のカラーフィルタを用いた橙色(若しくはオレンジ色)の無機発光素子とし、緑色発光素子702Gを有機発光素子とし、青色発光素子702Bを青色のカラーフィルタを用いた白色(若しくはシアン色)の有機発光素子とした組み合わせの例である。
【0132】
また、図7(C)は、赤色発光素子703Rを赤色のカラーフィルタを用いた橙色(若しくはオレンジ色)の無機発光素子とし、緑色発光素子703Gも緑色のカラーフィルタを用いた橙色(若しくはオレンジ色)の無機発光素子とし、青色発光素子703Bを青色のカラーフィルタを用いた白色(若しくはシアン色)の有機発光素子とした組み合わせの例である。図7(C)においては、赤色発光素子と緑色発光素子とで共通の発光層を用いることができるため、作製工程を短縮できる。加えて、共通の発光層を用いることができるため、赤色発光素子703Rと緑色発光素子703Gとの間隔を狭くすることができる。
【0133】
図7(D)は、赤色発光素子704Rを有機発光素子とし、緑色発光素子704Gを緑色発光となる色変換層を用いた青色の無機発光素子とし、青色発光素子704Bは、青色のカラーフィルタを用いて色純度を向上させた青色の無機発光素子とした組み合わせの例である。色変換層を用いて所望の色に変換させる手法は、光の色調を変える方法の一つであり、発光層で得られた青色発光を発光源とし、色変換材料で形成された色変換層において、その発光色を所望の色に変換させる手法(以下、CCM方式とも呼ばれる)である。また、図7(D)においては、緑色発光素子と青色発光素子とで共通の発光層を用いることができるため、作製工程を短縮できる。
【0134】
図7(E)は、赤色発光素子705Rを橙色発光の第1発光層(MnS:Mn)と緑色発光の第2発光層(MnS:Tb)とを積層し、さらに赤色のカラーフィルタを用いている。また、緑色発光素子705Gを有機発光素子とし、青色発光素子705Bは、青色のカラーフィルタを用いた白色(若しくはシアン色)の無機発光素子とした組み合わせの例である。
【0135】
このように、本発明は様々な組み合わせが可能であり、実施者は、実施者の所望のフルカラー表示に最適な組み合わせを適宜選択すればよい。
【0136】
また、図7(A)乃至(E)においては、カラーフィルタや色変換層を発光素子と間隔を開けて配置した模式図を示したが、発光素子上に接してカラーフィルタや色変換層を形成してもよいし、発光素子とカラーフィルタとの間に他の光学フィルムや、封止のための基板を設けてもよい。
【0137】
また、図7(A)乃至(E)においては、基板に設けられた発光素子の上方に各色の発光が射出する構造とした図を示したが、特に限定されず、透光性基板を用いて発光素子の下方に発光が射出する構造としてもよい。なお、下方に発光が射出する構造とする場合にはカラーフィルタや色変換層は、基板の裏面側に設ける。
【0138】
また、発光素子の一対の電極として透明導電膜を用い、発光素子の上方と下方の両方に射出する構造としてもよい。両方に射出する構造とし、両方の表示をフルカラーとする場合には、両側にカラーフィルタや色変換層を設ければよい。
【0139】
本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、または実施の形態3と自由に組み合わせることができる。
【0140】
(実施の形態7)
ここでは、RGBWの4色駆動でフルカラー表示を行う場合、用いるカラーフィルタと発光素子の組み合わせを模式図(図8(A)〜図8(D))を用いて説明する。
【0141】
図8(A)は、同一基板上に赤色発光素子801R、緑色発光素子801G、青色発光素子801B、及び白色発光素子801Wを設けた模式図を示している。図8(A)においては一対の電極に発光層の単層が挟まれた構造を示しているが、模式的に示しただけであり、積層構造でもよく、さらに無機発光素子は図2(A)〜図2(C)、図3(A)〜図3(C)に示す構造も取りうる。
【0142】
図8(A)は、赤色発光素子801R、及び緑色発光素子801Gを有機発光素子とし、青色発光素子801Bは、青色のカラーフィルタを用いた白色発光の無機発光素子とし、白色発光素子801Wは、白色発光の無機発光素子とした組み合わせの例である。図8(A)においては、青色発光素子と白色発光素子とで共通の発光層を用いることができるため、作製工程を短縮できる。
【0143】
図8(B)は、赤色発光素子802Rを赤色発光となる色変換層を用いた青色の無機発光素子とし、及び緑色発光素子802Gを緑色発光となる色変換層を用いた青色の無機発光素子としている。さらに、青色発光素子802Bは、色純度を向上させるため青色のカラーフィルタを用いた青色発光の無機発光素子とし、白色発光素子802Wは、白色発光の有機発光素子とした組み合わせの例である。図8(B)においては、赤色発光素子と青色発光素子と緑色発光素子とで共通の発光層を用いることができるため、作製工程を短縮できる。
【0144】
また、図8(C)は、赤色発光素子803Rを赤色のカラーフィルタを用いた橙色(若しくはオレンジ色)の無機発光素子とし、緑色発光素子803Gも緑色のカラーフィルタを用いた橙色(若しくはオレンジ色)の無機発光素子としている。さらに、青色発光素子803Bを青色のカラーフィルタを用いた白色の有機発光素子とし、白色発光素子803Wは、白色の有機発光素子とした組み合わせの例である。図8(C)においては、赤色発光素子と緑色発光素子とで共通の第1発光層を用い、青色発光素子と白色発光素子とで共通の第2発光層を用いることができるため、作製工程を短縮できる。加えて、共通の発光層を用いることができるため、赤色発光素子803Rと緑色発光素子803Gとの間隔を狭くすることができる。
【0145】
また、図8(D)は、赤色発光素子804Rを赤色のカラーフィルタを用いた青色の無機発光素子とし、緑色発光素子804Gを有機発光素子とし、青色発光素子804Bを青色のカラーフィルタを用いた白色(若しくはシアン色)の有機発光素子としている。さらに、白色発光素子804Wは、白色発光の無機発光素子とした組み合わせの例である。
【0146】
このように、本発明は様々な組み合わせが可能であり、実施者は、実施者の所望のフルカラー表示に最適な組み合わせを適宜選択すればよい。
【0147】
また、図8(A)乃至(D)においては、カラーフィルタや色変換層を発光素子と間隔を開けて配置した模式図を示したが、発光素子上に接してカラーフィルタや色変換層を形成してもよいし、発光素子とカラーフィルタとの間に他の光学フィルムや、封止のための基板を設けてもよい。
【0148】
また、図8(A)乃至(D)においては、基板に設けられた発光素子の上方に各色の発光が射出する構造とした図を示したが、特に限定されず、透光性基板を用いて発光素子の下方に発光が射出する構造としてもよい。なお、下方に発光が射出する構造とする場合にはカラーフィルタや色変換層は、基板の裏面側に設ける。
【0149】
また、発光素子の一対の電極として透明導電膜を用い、発光素子の上方と下方の両方に射出する構造としてもよい。両方に射出する構造とし、両方の表示をフルカラーとする場合には、両側にカラーフィルタや色変換層を設ければよい。
【0150】
本実施の形態は実施の形態4、または実施の形態5と自由に組み合わせることができる。
【0151】
(実施の形態8)
ここでは、アクティブ型の表示装置の作製工程の一例を図9で説明する。
【0152】
まず、基板1001上に下地絶縁膜1002を形成する。基板1001側を表示面として発光を取り出す場合の例であるので、基板1001としては、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。また、処理温度に耐えうる耐熱性を有する光透過性のプラスチック基板を用いてもよい。
【0153】
下地絶縁膜1002としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。ここでは下地膜として2層構造を用いた例を示すが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。なお、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
【0154】
次いで、下地絶縁膜上に半導体層を形成する。半導体層は、非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜した後、公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜を第1のフォトマスクを用いて所望の形状にパターニングして形成する。この半導体層の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜70nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
【0155】
また、非晶質構造を有する半導体膜の結晶化処理として連続発振のレーザーを用いてもよく、非晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVOレーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すればよい。連続発振のレーザーを用いる場合には、出力10Wの連続発振のYVOレーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射すればよい。
【0156】
また、パルス発振のレーザ光の発振周波数を0.5MHz以上とし、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を用いてレーザ結晶化を行っても良い。パルス発振でレーザ光を半導体膜に照射して半導体膜が溶融してから完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われている。よって上記周波数帯を用いることで、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。したがって、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜が形成される。具体的には、含まれる結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を形成することができる。該走査方向に沿って長く延びた単結晶の結晶粒を形成することで、少なくとも薄膜トランジスタのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜の形成が可能となる。
【0157】
非晶質半導体膜の結晶化は、熱処理とレーザ光照射による結晶化を組み合わせてもよく、熱処理やレーザ光照射を単独で、複数回行っても良い。
【0158】
次いで、レジストマスクを除去した後、半導体層を覆うゲート絶縁膜1003を形成する。ゲート絶縁膜1003はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを1〜200nmとする。
【0159】
次いで、ゲート絶縁膜1003上に膜厚100〜600nmの導電膜を形成する。ここでは、スパッタ法を用い、TaN膜とW膜との積層からなる導電膜を形成する。なお、ここでは導電膜をTaN膜とW膜との積層とする例であるが、特に限定されず、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層、またはこれらの積層で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。
【0160】
次いで、第2のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いてエッチングを行う。このエッチング工程によって、導電膜をエッチングして、導電層1004〜1008を得る。なお、この導電層はTFTのゲート電極となる。
【0161】
次いで、レジストマスクを除去した後、第3のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、駆動回路のnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)を低濃度にドープするための第1のドーピング工程を行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第1のドーピング工程によってゲート絶縁膜1003を介してドープを行い、低濃度不純物領域1009、1010を形成する。一つの発光素子は、複数のTFTを用いて駆動させるが、pチャネル型TFTのみで駆動させる場合や、画素と駆動回路を同一基板上に形成しない場合には、上記ドーピング工程は特に必要ない。
【0162】
次いで、レジストマスクを除去した後、第4のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン)を高濃度にドープするための第2のドーピング工程を行う。この第2のドーピング工程によってゲート絶縁膜1003を介してドープを行い、p型の高濃度不純物領域1011〜1017を形成する。
【0163】
次いで、第5のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、駆動回路のnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン、またはAs)を高濃度にドープするための第3のドーピング工程を行う。第3のドーピング工程におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015/cmとし、加速電圧を60〜100keVとして行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第3のドーピング工程によってゲート絶縁膜1003を介してドープを行い、n型の高濃度不純物領域1018、1019を形成する。
【0164】
この後、レジストマスクを除去し、水素を含む第1の層間絶縁膜1020を成膜した後、半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を行う。水素を含む第1の層間絶縁膜1020は、PCVD法により得られる窒化酸化珪素膜(SiNO膜)を用いる。加えて、結晶化を助長する金属元素、代表的にはニッケルを用いて半導体膜を結晶化させている場合、活性化と同時にチャネル形成領域におけるニッケルの低減を行うゲッタリングをも行うことができる。
【0165】
次いで、平坦化のための第2の層間絶縁膜1021を形成する。第2の層間絶縁膜1021としては、塗布法によって得られるシリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される絶縁膜を用いる。また、第2の層間絶縁膜1021としては、透光性を有する有機樹脂膜を用いることができる。
【0166】
次いで、第6のマスクを用いてエッチングを行い、第2の層間絶縁膜1021にコンタクトホールを形成すると同時に周縁部1042の第2の層間絶縁膜1021を除去する。
【0167】
次いで、第6のマスクをそのままマスクとしてエッチングを行い、露呈しているゲート絶縁膜1003、および第1の層間絶縁膜1020を選択的に除去する。
【0168】
次いで、第6のマスクを除去した後、コンタクトホールで半導体層と接する3層構造からなる導電膜を形成する。なお、各層の表面を酸化させないように、これら3層を同じスパッタ装置で連続して形成することが好ましい。ただし、導電膜は、3層構造に限定されず、2層でも単層でもよく、その材料は、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料を用いればよい。
【0169】
次いで、第7のマスクを用いて導電膜のエッチングを行い、配線または電極を形成する。これらの配線または電極のうち、画素部1040においては、TFTと第1の電極とを接続する接続電極1022を図示し、駆動回路部1041においては、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを電気的に接続する接続電極1023を図示する。
【0170】
次いで、上記三層構造を有する配線または電極に接して透明導電膜を形成する。そして、第8のマスクを用いて透明導電膜のエッチングを行い、第1の電極1024R、1024G、1024B、即ち、有機発光素子及び無機発光素子の陽極(或いは陰極)を形成する。
【0171】
第1の電極の材料として、ITO(酸化インジウムスズ)、またはITSO(ITOに酸化珪素が2〜10重量%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法で得られる酸化珪素を含む酸化インジウムスズ)を用いる。ITSOの他、酸化珪素を含み酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透光性酸化物導電膜(IZO)などの透明導電膜を用いても良い。また、ATO(アンチモン・チン・オキサイド)の透明導電膜を用いても良い。
【0172】
なお、第1の電極1024R、1024G、1024BとしてITOを用いる場合は、電気抵抗値を下げるために結晶化させるベークを行う。対して、ITSOやIZOは、ベークを行ってもITOのように結晶化せず、アモルファス状態のままである。
【0173】
次いで、第8のマスクを用いて第1の電極1024R、1024G、1024Bの端部を覆う絶縁物1025(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)を選択的に形成する。絶縁物1025としては、スパッタ法により得られる酸化タンタル膜、酸化チタン(TiO)膜や、塗布法により得られる有機樹脂膜を膜厚0.8μm〜1μmの範囲で用いる。
【0174】
次いで、スクリーン印刷法を用いて無機EL素子の発光層となる無機材料層1026を選択的に形成する。ここでは、ZnS:Tmの球形粒子(平均粒径1μm)を作製した後、アクリル樹脂溶液に分散した後、分散液を用いてスクリーン印刷法により選択的に第1の電極1024G、1024B上に形成し、焼成する。ここでは無機材料層1026の膜厚を8μm程度としており、緑色の画素と青色の画素とで共通の発光層としている。
【0175】
次いで、無機材料層1026上に絶縁層1027を形成する。絶縁層1027はスパッタ法やEB蒸着法などを用いて形成する。絶縁層1027の材料としては、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウムまたは酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸鉛(PbNbO)、酸化タンタル(Ta)、タンタル酸バリウム(BaTa)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、酸化イットリウム(Y)などを用いることができる。ここでは、タンタルターゲットを用いた酸素雰囲気中でのスパッタ法により酸化タンタル(Ta)を形成した後、マスクを形成し、高濃度フッ化水素酸(例えば49%HF)を用いて選択的にエッチングを行う。なお、酸化タンタル膜は0.3μmの膜厚とする。
【0176】
次いで、第1の電極1024R上に有機発光素子の発光層となる有機材料層1028を蒸着法により形成する。なお、有機発光素子の信頼性を向上させるため、有機材料層1028の形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが好ましい。例えば、有機化合物材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜300℃の加熱処理を行うことが望ましい。さらに、この脱気により無機発光素子の信頼性も向上する。ここでは、赤色発光する発光素子の有機材料層1028として、トリプレット化合物を含む材料を用いている。有機材料層1028は、共蒸着法を用いて、ホスト材料に赤色燐光材料である2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン−白金錯体(以下、PtOEPと示す)をドーパントとして用いる。なお、赤色燐光材料に限定されず、上述した実施の形態1に示した他のトリプレット化合物を用いることができる。また、蒸着マスクを用いて選択的に蒸着を行うため、気化されたトリプレット化合物は、上方に飛散し、メタルマスクに設けられた開口部を通って基板の所望の位置に蒸着される。
【0177】
次いで、画素部の全面に第2の電極1029を形成する。ここでは、第2の電極1029として透明導電膜であるITO膜を用い、スパッタ法により0.4μmの膜厚とする。第2の電極1029の材料としては、MgAg、MgIn、AlLiなどを用いることができる。なお、第2の電極1029は無機発光素子と有機発光素子とで共通にしなくともよく、選択的に形成してもよい。また、第2の電極1029を形成する前に陰極バッファ層としてCaF、MgF、またはBaFからなる透光性を有する層(膜厚1nm〜5nm)を第1の電極1024R上に選択的に形成してもよい。
【0178】
次いで、封止を行うため、封止材1031を用いる。封止材1031の材料は、金属材料やセラミック材料やガラス基板などを用いることができる。封止材1031はシール材1032で基板1001の周縁部1042で接着させる。なお、基板間隔を一定に保持するためにスペーサ材やフィラーを用いてもよい。また、一対の基板の間の間隙1030は、不活性なガスで充填することが好ましい。
【0179】
また、フルカラー表示とするため、着色層(緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)1035を設けた透明な基材1033と位置合わせを行って基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。
【0180】
こうして得られた有機発光素子の一対の電極間に電圧を印加すると赤色の発光領域1044Rが得られる。また、着色層と組み合わせることで、無機発光素子の一対の電極間に電圧を印加すると青色の発光領域1044Bと、緑色の発光領域1044Gとが得られる。これらの組み合わせにより高輝度で色再現性のよいフルカラー表示が得られる。
【0181】
なお、本実施の形態では、無機発光素子のタイプを分散型無機ELとし、発光層の上に接して絶縁層を設けた例を示したが特に限定されず、図2(A)乃至図2(C)、及び図3(A)乃至図3(C)のいずれの積層構造としてもよい。
【0182】
以上の工程を経て、図9に示される構造を有するアクティブ型の発光表示装置は、低電圧で所望の発光輝度、及び所望の色純度が得られる寿命の長い薄型のフルカラー表示装置である。
【0183】
また、本実施の形態では、無機発光素子に接続するTFTをダブルゲート構造とすることで耐圧向上を図っており、有機発光素子に接続するTFTとは異なる構造としている。このように無機発光素子に接続するTFTと、有機発光素子に接続するTFTとを作り分けることによってそれぞれの電気特性に合った最適な構造にすることができる。
【0184】
また、ここではトップゲート型の構造とし、ポリシリコンを活性層とするTFTを用いたがスイッチング素子として機能し得るものであれば、特に限定されず、ボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや、順スタガ型TFTを用いることが可能である。また、アモルファスシリコン膜やZnO膜を活性層とするTFTを用いてもよい。また、シングルゲート構造やダブルゲート構造のTFTに限定されず、3つ以上の複数のチャネル形成領域を有するマルチゲート型TFTとしてもよい。
【0185】
また、ここではRGBの3色駆動でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、RGBWの4色駆動でフルカラー表示を行ってもよい。
【0186】
また、本実施の形態は実施の形態1乃至7のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【0187】
(実施の形態9)
ここでは実施の形態8とは異なるアクティブ型の発光表示装置の作製例を図10で示す。図10は画素部の断面図である。実施の形態8では、基板側を表示面として発光を取り出す場合の例を示したが、本実施の形態では、基板1101側とは逆の面を表示面として発光を取り出す例を示す。また、実施の形態8では、緑色画素と青色画素を無機EL素子とした例を示したが、本実施の形態では青色画素のみを無機EL素子とした例を示す。
【0188】
また、本実施の形態の無機EL素子は、実施の形態8とは異なり、図2(C)または図3(C)に示すように発光層を絶縁層で囲んだ構造とした例である。
【0189】
なお、実施の形態8とは一部構造が異なるだけで、他の構造は同じため、同じ部分には同じ符号を用い、また重複する説明は簡略に示すこととする。
【0190】
基板1101側とは逆の面を表示面として発光を取り出す場合であるので、基板1101は、ガラス基板や石英基板などの他にシリコン基板、セラミック基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。ここでは、基板1101として、高温熱処理に耐えることができるセラミック基板を用いる。
【0191】
まず、基板1101上に平坦化のための下地絶縁膜1002を形成する。下地絶縁膜1002としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。
【0192】
以降の工程は、実施の形態8と同様にして、下地絶縁膜1002上に半導体層を形成し、半導体層を覆うゲート絶縁膜1003を形成し、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、ドーピング処理を適宜行い、水素を含む第1の層間絶縁膜1020を成膜した後、半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を行う。
【0193】
次いで、耐熱性の高い無機絶縁材料を用いて、第1の層間絶縁膜1020上に第2の層間絶縁膜1121を形成する。第2の層間絶縁膜1121としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜や、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウムまたは酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸鉛(PbNbO)、酸化タンタル(Ta)、タンタル酸バリウム(BaTa)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、酸化イットリウム(Y)などを用いる。
【0194】
次いで、実施の形態8と同様にして、選択的にエッチングして半導体層に達するコンタクトホールを形成する。
【0195】
次いで、コンタクトホールで半導体層と接する導電膜を形成する。導電膜としては、スパッタ法を用い、TiN膜からなる導電膜を形成する。なお、ここでは導電膜をTiN膜とするが、特に限定されず、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層、またはこれらの積層で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。ここでは、半導体層と接する耐熱性の高い導電膜とすることが好ましい。
【0196】
次いで、導電膜のエッチングを行い、第1の電極1124R、1124G、1124B、即ち、有機発光素子及び無機発光素子の陽極(或いは陰極)を形成する。
【0197】
次いで、第1の電極1124B上に印刷焼成法、またはゾルゲル法により厚膜の絶縁層1143を10μm〜50μmの膜厚で選択的に形成する。厚膜の絶縁層1143の材料としては、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛、チタン酸バリウムなどを用いる。印刷焼成法による場合には、材料の粒度を揃え、バインダーと混合し、適当な粘度のペーストとする。スクリーン印刷法によりペーストを選択的に塗布した後、乾燥させる。そして、適当な温度で焼成する。なお、この焼成温度に耐えうるTFT作製工程とすることが好ましい。
【0198】
次いで、スクリーン印刷法や電子ビーム蒸着法を用いて無機材料層1126を形成する。無機材料層1126の材料としては、BaAl:Euを用いる。
【0199】
次いで、薄膜の絶縁層1144を形成する。薄膜の絶縁層1144は、スパッタ法、蒸着法、CVD法、ゾルゲル法、印刷焼成法を用いて形成する。薄膜の絶縁層1144としてはタンタル酸バリウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウムなどを用いることができる。
【0200】
次いで、薄膜の絶縁層1144を選択的にエッチングして、第1の電極1124R、1124Gの一部を露出させる。ここでは、タンタルターゲットを用いた酸素雰囲気中でのスパッタ法により酸化タンタル(Ta)を形成した後、マスクを形成し、BClとClとNとを含む混合ガスを用いて選択的にエッチングを行う。
【0201】
次いで、第1の電極1124R上に有機発光素子の発光層となる有機材料層1128Rを蒸着法により形成し、第1の電極1124G上に有機発光素子の発光層となる有機材料層1128Gを蒸着法により形成する。有機材料層1128Rは赤色燐光材料を蒸着材料として用い、有機材料層1128Gは、緑色燐光材料を蒸着源として用いる。なお、有機材料層1128R及び有機材料層1128Gの材料は、上述した実施の形態1乃至3に示したトリプレット化合物を用いることができる。
【0202】
また、薄膜の絶縁層1144は、赤色の発光領域1143Rと緑色の発光領域1143Gの間の隔壁層としても機能するため、発光素子間の短絡を防ぐことができる。
【0203】
次いで、画素部の全面に第2の電極1129を形成する。ここでは、第2の電極1129として透明導電膜であるATO膜を用い、スパッタ法により100nmの膜厚とする。
【0204】
次いで、封止を行うため、透光性を有する基材1133を用いる。透光性を有する基材1133は透明な接着剤1131で接着させる。フルカラー表示とするため、着色層(青色の着色層1134B)や黒色層1135を設けた透光性を有する基材1133と位置合わせを行って基板1101に接着する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1136で覆われている。
【0205】
こうして得られた有機発光素子の一対の電極間に電圧を印加すると赤色の発光領域1143R、及び緑色の発光領域1143Gが得られる。また、着色層と組み合わせることで、無機発光素子の一対の電極間に電圧を印加すると青色の発光領域1143Bが得られる。これらの組み合わせにより高輝度で色再現性のよいフルカラー表示が得られる。
【0206】
なお、本実施の形態では、無機発光素子のタイプを薄膜型無機ELとし、発光層を囲んで絶縁層を設けた例を示したが特に限定されず、図2(A)乃至図2(C)、及び図3(A)乃至図3(C)のいずれの積層構造としてもよい。
【0207】
以上の工程を経て、図10に示される構造を有するアクティブ型の発光表示装置は、低電圧で所望の発光輝度、及び所望の色純度が得られる寿命の長い薄型のフルカラー表示装置である。
【0208】
また、ここではRGBの3色駆動でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、RGBWの4色駆動でフルカラー表示を行ってもよい。
【0209】
また、本実施の形態は実施の形態1乃至8のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【0210】
(実施の形態10)
本実施の形態では、無機EL素子と有機EL素子とで積層構造を異ならせる場合のパッシブ表示装置の作製例を図11で示す。
【0211】
図4に示した例は、無機EL素子と有機EL素子とを同一基板上に形成する際、無機EL素子の積層構造を図2(A)または図3(A)とした場合に、有機EL素子と最適な組み合わせである。即ち、第1電極を形成し、隔壁層を形成した後に、無機EL素子の発光層を蒸着法または塗布法で選択的に形成した後、有機EL素子の発光層を蒸着法で選択的に形成し、その後で第2電極の成膜を行えばよい。
【0212】
無機EL素子の積層構造を図2(B)、図2(C)、または図3(B)、図3(C)とする場合には、第1電極と第2の電極の間に絶縁層を設けるため、有機EL素子の作製工程とは別途工程が必要となる。
【0213】
そこで、本実施の形態は、第1色の有機EL素子と第2色の有機EL素子との間に設ける隔壁層と、第3色の無機EL素子の一対の電極の間に設ける絶縁層とを同じ共通の材料とすることで工程を簡略化する。
【0214】
まず、基板1400上に第1方向に平行に延びるストライプ状の第1配線1402、1412、1422を形成する。なお、図11(A)は第1方向に平行に延びる第1配線1402と平行な線を含む面で切断した断面図である。また、図11(B)は、第1方向に直交する第2の方向で切断した断面図である。図11(B)において、第1配線1402の隣の行の配線が配線1412であり、その隣の行の配線が1422である。
【0215】
次いで、ストライプ状の第1配線1402、1412、1422を覆う絶縁層1403を形成する。絶縁層1403は、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウムまたは酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸鉛(PbNbO)、酸化タンタル(Ta)、タンタル酸バリウム(BaTa)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、酸化イットリウム(Y)などを用いることができる。なお、この絶縁層1403は、無機発光素子の無機材料層1404Bの下方に配置される絶縁層としても機能するため、膜厚を調節することが好ましい。
【0216】
次いで、絶縁層1403を選択的にエッチングして開口を形成し、赤色の発光領域1401R及び緑色の発光領域1401Gとなる第1の電極上面を露呈させる。また、ここでは図示しないが第1電極の先端部上にも開口を形成し、FPC(Flexible Printed Circuit)など接続できるようにする。
【0217】
次いで絶縁層1403上に隔壁層1406を形成する。隔壁層1406の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。
【0218】
次いで、電子ビーム蒸着法によって無機発光素子の無機材料層1404Bを青色の発光領域1401Bとなる領域に選択的に形成する。次いで、抵抗加熱法によって有機発光素子の有機材料層1404R、1404Gをそれぞれ選択的に形成する。有機材料層1404Rは赤色燐光材料を含み、有機材料層1404Gは緑色燐光材料を含む。
【0219】
隔壁層1406上にも無機材料層1404B、及び有機材料層1404R、1404Gが蒸着されるが、隔壁層1406の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有しているため、第1電極との距離が確保される。
【0220】
そして、蒸着法またはスパッタ法によって導電膜を形成することで、第1方向に直交する第2の方向に延びる第2の電極1405R、1405G、1405Bを形成する。なお、隔壁層1406上にも導電膜が形成されるが、隔壁層1406によって第1電極との距離が確保され配線として機能しない。
【0221】
以上の工程を経て、図11に示される構造を有するパッシブ型の発光表示装置は、低電圧で所望の発光輝度、及び所望の色純度が得られる寿命の長い薄型のフルカラー表示装置である。なお、本実施の形態の無機発光素子の構造は、図2(B)に対応した積層構造に相当している。
【0222】
また、本実施の形態は実施の形態1乃至7のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【0223】
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
【実施例1】
【0224】
本実施例では、図12を用いて、フルカラー発光表示パネルにFPCや、駆動用の駆動IC(Integrated Circuit)を実装する例について説明する。フルカラー発光表示パネルは、実施の形態1乃至7のいずれか一に記載のRGBの3色駆動とすればよい。なお、異なる発光色(例えばR、G、B)を発光する複数の発光素子のうち、少なくとも一つの発光色の発光素子は有機化合物を含む発光素子(有機EL素子)とし、他の一つの発光色の発光素子は無機材料を発光層または蛍光層とする発光素子(無機EL素子)としている。
【0225】
図12(A)に示す図は、FPC1209を4カ所の端子部1208に貼り付けた発光装置の上面図の一例を示している。基板1210上には発光素子及びTFTを含む画素部1202と、TFTを含むゲート側駆動回路1203と、TFTを含むソース側駆動回路1201とが形成されている。TFTの活性層が結晶構造を有する半導体膜で構成されており、同一基板上にこれらの回路を形成している。従って、システムオンパネル化を実現したフルカラー表示パネルを作製することができる。
【0226】
また、RGBの3色駆動ではなく、輝度を改善できるRGBWの4色駆動のパネルを用いる場合には、3色映像信号から4色映像信号への変換のための駆動回路が必要となるため、その駆動回路をTFTで構成すれば、部品点数を減らすことができる。
【0227】
また、画素部を挟むように2カ所に設けられた接続領域1207は、発光素子の第2の電極を下層の配線とコンタクトさせるために設けている。なお、発光素子の第1の電極は画素部に設けられたTFTと電気的に接続している。
【0228】
また、封止基板1204は、画素部および駆動回路を囲むシール材1205、およびシール材に囲まれた充填材料によって基板1210と固定されている。また、透明な乾燥剤を含む充填材料を充填する構成としてもよい。また、画素部と重ならない領域に乾燥剤を配置してもよい。
【0229】
また、図12(A)に示した構造は、XGAクラスの比較的大きなサイズ(例えば対角4.3インチ)の発光装置で好適な例を示したが、図12(B)は、狭額縁化させた小型サイズ(例えば対角1.5インチ)で好適なCOG(Chip On Glass)方式を採用した例である。
【0230】
図12(B)において、基板1310上に駆動IC1301が実装され、駆動ICの先に配置された端子部1308にFPC1309を実装している。実装される駆動IC1301は、生産性を向上させる観点から、一辺が300mmから1000mm以上の矩形状の基板上に複数個作り込むとよい。つまり、基板上に駆動回路部と入出力端子を一つのユニットとする回路パターンを複数個形成し、最後に分割して駆動ICを個別に取り出せばよい。駆動ICの長辺の長さは、画素部の一辺の長さや画素ピッチを考慮して、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形状に形成してもよいし、画素領域の一辺、又は画素部の一辺と各駆動回路の一辺とを足した長さに形成してもよい。
【0231】
駆動ICのICチップに対する外形寸法の優位性は長辺の長さにあり、長辺が15〜80mmで形成された駆動ICを用いると、画素部に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合よりも少なくて済み、製造上の歩留まりを向上させることができる。また、ガラス基板上に駆動ICを形成すると、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損なうことがない。これは、円形のシリコンウエハからICチップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。
【0232】
また、TAB(Tape Automated Bonding)方式を採用してもよく、その場合は、複数のテープを貼り付けて、該テープに駆動ICを実装すればよい。COG方式の場合と同様に、単数のテープに単数の駆動ICを実装してもよく、この場合には、強度の問題から、駆動ICを固定するための金属片等を一緒に貼り付けるとよい。
【0233】
また、画素部1302と駆動IC1301の間に設けられた接続領域1307は、発光素子の第2の電極を下層の配線とコンタクトさせるために設けている。なお、発光素子の第1の電極は画素部1302に設けられたTFTと電気的に接続している。
【0234】
また、封止基板1304は、画素部1302を囲むシール材1305、およびシール材に囲まれた充填材料によって基板1310と固定されている。
【0235】
また、画素部のTFTの活性層として非晶質半導体膜を用いる場合には、駆動回路を同一基板上に形成することは困難であるため、大きなサイズであっても図12(B)の構成となる。
【0236】
以上の様に、本発明を実施する、即ち実施の形態1乃至10のいずれか一の作製方法または構成を用いて、様々な電子機器を完成させることができる。
【実施例2】
【0237】
本発明の半導体装置、及び電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図13および図14に示す。
【0238】
図13(A)はデジタルカメラであり、本体2101、表示部2102、撮像部、操作キー2104、シャッター2106等を含む。なお、図13(A)は表示部2102側からの図であり、撮像部は示していない。本発明を表示部2102に適用し、色再現性のよいフルカラー表示のデジタルカメラが実現できる。
【0239】
図13(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明により、色再現性のよいノート型パーソナルコンピュータを実現することができる。
【0240】
図13(C)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明により、色再現性のよいフルカラー表示の画像再生装置を実現することができる。
【0241】
また、図13(D)は表示装置であり、筐体1901、支持台1902、表示部1903、スピーカー部1904、ビデオ入力端子1905などを含む。この表示装置は、他の実施例で示した作製方法により形成した薄膜トランジスタをその表示部1903および駆動回路に用いることにより作製される。なお、表示装置には液晶表示装置、発光装置などがあり、具体的にはコンピュータ用、テレビ受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。本発明により、色再現性のよい表示装置、特に22インチ〜50インチの大画面を有する大型のフルカラー表示装置を実現することができる。
【0242】
また、図13(E)は携帯電話であり、携帯情報端末の1つの代表例である。この携帯電話は筐体1921、表示部1922、センサ部1924、操作キー1923などを含む。センサ部1924は、光センサ素子を有しており、センサ部1924で得られる照度に合わせて表示部1922の輝度コントロールを行ったり、センサ部1924で得られる照度に合わせて操作キー1923の照明制御を行うことで携帯電話の消費電流を抑えることができる。また、CCDなどの撮像機能を有する携帯電話であれば、光学ファインダーの近くに設けられたセンサ部1924のセンサ受光量が変化することで撮影者が光学ファインダーを覗いたか否かを検出する。撮影者が光学ファインダーを覗いている場合には、表示部1922をオフとすることで消費電力を抑えることができる。
【0243】
上記の携帯電話を初めとして、PDA(Personal Digital Assistant、情報携帯端末)、デジタルカメラ、小型ゲーム機などの電子機器は携帯情報端末であるため、表示画面が小さい。従って、上述した実施の形態1乃至10のいずれか一で示したフルカラーパネルを用いることによって、小型・軽量化を図ることができる。
【0244】
また、本発明の半導体装置を実装した電子機器の他の一態様について図14(A)を参照して説明する。ここで例示するのは、記録媒体を備えた携帯型の音楽再生装置であり、本体2901、表示部2903、記録媒体(カード型メモリ、小型大容量メモリ等)読み込み部2907、操作キー2902、2906、接続コード2904に接続されたヘッドフォンのスピーカー部2905等を含む。本発明は、表示部2903に適用し、フルカラー化された音楽再生装置を実現できる。
【0245】
また、本発明の半導体装置を実装した電子機器の他の一態様について図14(B)を参照して説明する。ここで例示するのは、腕に取り付け可能な携帯型のコンピュータであり、本体2911、表示部2912、スイッチ2913、操作キー2914、スピーカー部2915、半導体集積回路2916等を含む。表示部2912はタッチパネルとして様々な入力や操作が可能である。なお、ここでは図示しないが、携帯型のコンピュータの温度上昇を抑える冷却機能や、赤外線ポート、高周波回路などの通信機能を具備している。
【0246】
人の腕2910に触れても違和感を感じないように人の腕と触れる部分はプラスチックなどのフィルムで覆われていることが好ましい。また、人の腕2910に沿って本体2911の外形を湾曲させてもよい。本発明は、色再現性のよいフルカラー表示を実現でき、表示画像が高精細な携帯型のコンピュータを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0247】
【図1】本発明の画素部の上面図を示す図。
【図2】発光素子の断面の一例を示す図。
【図3】発光素子の断面の一例を示す図。
【図4】パッシブ型表示装置の斜視図を示す図。
【図5】アクティブマトリクス型表示装置の画素部における等価回路を示す図。
【図6】本発明の画素部の上面図を示す図。
【図7】各発光素子と光学フィルターとの組み合わせの一例を示す図。
【図8】各発光素子と光学フィルターとの組み合わせの一例を示す図。
【図9】アクティブ型表示装置の断面を示す図。
【図10】アクティブ型表示装置の断面を示す図。
【図11】パッシブ型表示装置の断面を示す図。
【図12】フルカラー発光表示モジュールの上面図を示す図。
【図13】電子機器の一例を示す図。
【図14】電子機器の一例を示す図。
【符号の説明】
【0248】
10:画素領域
11:有機材料層
12:有機材料層
13:無機材料層
20:画素領域
21:有機材料層
22:有機材料層
23:無機材料層
30:画素領域
31:無機材料層
32:有機材料層
33:有機材料層
40:画素領域
41:有機材料層
42:有機材料層
43:有機材料層
44:無機材料層
50:電極層
51:電界発光層
52:電界発光層
53:電極層
54:絶縁層
60:電極層
61:発光材料
62:電界発光層
63:電極層
64:絶縁層
70:画素領域
71:有機材料層
72:有機材料層
73:無機材料層
74:無機材料層
100 カソード側電源線
102 電流制御用TFT
103B 無機EL素子
103G 有機EL素子
103R 有機EL素子
106B アノード側電源線(B)
106G アノード側電源線(G)
106R アノード側電源線(R)
701B 青色発光素子
701G 緑色発光素子
701R 赤色発光素子
702B 青色発光素子
702G 緑色発光素子
702R 赤色発光素子
703B 青色発光素子
703G 緑色発光素子
703R 赤色発光素子
704B 青色発光素子
704G 緑色発光素子
704R 赤色発光素子
705B 青色発光素子
705G 緑色発光素子
705R 赤色発光素子
801B 青色発光素子
801G 緑色発光素子
801R 赤色発光素子
801W 白色発光素子
802B 青色発光素子
802G 緑色発光素子
802R 赤色発光素子
802W 白色発光素子
803B 青色発光素子
803G 緑色発光素子
803R 赤色発光素子
803W 白色発光素子
804B 青色発光素子
804G 緑色発光素子
804R 赤色発光素子
804W 白色発光素子
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 発光層等を含む層
956 電極
1001 基板
1002 下地絶縁膜
1003 ゲート絶縁膜
1004 導電層
1009 低濃度不純物領域
1011 高濃度不純物領域
1018 高濃度不純物領域
1020 層間絶縁膜
1021 層間絶縁膜
1022 接続電極
1023 接続電極
1024G 電極
1024R 電極
1025 絶縁物
1026 無機材料層
1027 絶縁層
1028 有機材料層
1029 電極
1030 間隙
1031 封止材
1032 シール材
1033 基材
1034B 着色層
1034G 着色層
1035 黒色膜
1036 オーバーコート層
1040 画素部
1041 駆動回路部
1042 周縁部
1044B 発光領域
1044G 発光領域
1044R 発光領域
1101 基板
1121 層間絶縁膜
1124B 電極
1124G 電極
1124R 電極
1126 無機材料層
1128G 有機材料層
1128R 有機材料層
1131 接着材
1133 封止基板
1134B 着色層
1135 黒色膜
1136 オーバーコート層
1143 絶縁層
1143B 発光領域
1143G 発光領域
1143R 発光領域
1144 絶縁層
1201 ソース側駆動回路
1202 画素部
1203 ゲート側駆動回路
1204 封止基板
1205 シール材
1207 接続領域
1208 端子部
1209 FPC
1210 基板
1301 駆動IC
1302 画素部
1304 封止基板
1305 シール材
1307 接続領域
1308 端子部
1309 FPC
1310 基板
1400 基板
1401B 発光領域
1401G 発光領域
1401R 発光領域
1402 電極
1402 配線
1403 絶縁層
1404B 無機材料層
1404G 有機材料層
1404R 有機材料層
1405 電極
1406 隔壁層
1412 配線
1901 筐体
1902 支持台
1903 表示部
1904 スピーカー部
1905 ビデオ入力端子
1921 筐体
1922 表示部
1923 操作キー
1924 センサ部
2101 本体
2102 表示部
2104 操作キー
2106 シャッター
2201 本体
2202 筐体
2203 表示部
2204 キーボード
2205 外部接続ポート
2206 ポインティングマウス
2401 本体
2402 筐体
2403 表示部A
2404 表示部B
2405 スピーカー部
2406 操作キー
2407 スピーカー部
2901 本体
2902 操作キー
2903 表示部
2904 接続コード
2907 記録媒体
2910 腕
2911 本体
2912 表示部
2913 スイッチ
2914 操作キー
2915 スピーカー部
2916 半導体集積回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、
第1の発光色の発光素子と、
第2の発光色の発光素子と、
第3の発光色の発光素子とを有し、
前記第1の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、
前記第2及び第3の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、
第1の発光色の発光素子と、
第2の発光色の発光素子と、
第3の発光色の発光素子とを有し、
前記第1及び第2の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、
前記第3の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記第1、第2、及び第3の発光色の発光素子からの発光が通過する位置にカラーフィルタを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、
第1の発光色の発光素子と、
第2の発光色の発光素子と、
第3の発光色の発光素子と、
第4の発光色の発光素子とを有し、
前記第1の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、
前記第2、第3、及び第4の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、
第1の発光色の発光素子と、
第2の発光色の発光素子と、
第3の発光色の発光素子と、
第4の発光色の発光素子とを有し、
前記第1、及び第2の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、
前記第3、及び第4の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
基板上の画素部に発光色の異なる発光素子を複数有する半導体装置であり、
第1の発光色の発光素子と、
第2の発光色の発光素子と、
第3の発光色の発光素子と、
第4の発光色の発光素子とを有し、
前記第1、第2、及び第3の発光色の発光素子は、無機材料を発光層または蛍光層とし、
前記第4の発光色の発光素子は、有機化合物を発光層に含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一において、前記第1の発光色は、赤、緑、青、白、シアン、マゼンダ、アンバー、橙、或いはイエローであることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項4乃至7のいずれか一において、前記第1、第2、第3、または第4の発光色の発光素子からの発光が通過する位置にカラーフィルタを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一において、前記有機化合物は、トリプレット化合物、またはシングレット化合物であることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一において、前記半導体装置は、パッシブマトリクス型表示装置であることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか一において、前記半導体装置は、アクティブマトリクス型表示装置であることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一において、前記半導体装置は、表示装置、デジタルカメラ、携帯情報端末から選ばれた一であることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−265973(P2007−265973A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41969(P2007−41969)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】