説明

半導体製造装置のキャリア交換方法およびキャリア交換装置

【課題】少数枚ロットによる1キャリア内のウエーハ充填率が低い状態でも、設備稼働率の低下、スループットの低下を防止することができる半導体製造装置のキャリア交換方法およびキャリア交換装置を提供する。
【解決手段】比較部103は、基準情報管理部102に予め登録された半導体製造装置110の収容可能枚数と、装置状態監視部101が取得した仕掛り中のウエーハ枚数とを比較する。仕掛り中のウエーハ枚数が収容可能枚数未満である場合、交換キャリア検索部104は、回収開始予定時間と空キャリア発生予定時間とに基づいて交換可能キャリアを抽出する。交換可能キャリアが抽出された場合、回収キャリア検索部105は、回収開始予定時間と空キャリア発生予定時間とに基づいて回収先キャリアを決定する。回収先キャリアが決定された場合、指示部106は、半導体製造装置110にキャリア交換を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置を製造する半導体製造装置に適用されるキャリア交換方法およびキャリア交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置等の製造工程では、複数の製造装置が使用されている。各製造装置における処理内容や処理時間は製造装置ごとに異なり、各製造装置が備える処理室の構成(処理室数や機構など)も製造装置ごとに大きく異なる。そのため、半導体製造装置内で一度に処理できるウエーハ枚数も製造装置ごとに大きく異なる。
【0003】
例えば、フォトリソグラフィー工程で使用される製造装置には、塗布現像装置と露光装置とを接続した形態を有するものがある。塗布現像装置は、レジスト塗布ユニット、露光装置における露光の前に実施されるベーキング等で使用されるウエーハの温度調節ユニット、露光後のベーキング等で使用されるウエーハの温度調節ユニット、現像ユニットなど、多種多様の処理ユニットが多数搭載されている。また、この種の製造装置は、複数枚のウエーハが連続的に枚葉処理されるため、製造装置内で同時並行に処理されているウエーハが数十枚を超える特徴的な装置になっている。このため、この種の装置は、複数のウエーハ搬入出用のキャリア設置ポート(例えば、4つ程度)を備えており、最大でキャリア設置ポート数のキャリア投入が可能になっている。
【0004】
しかしながら、近年、ウエーハの大口径化や製造プロセスの微細化により1ウエーハ内の半導体チップの取れ個数が増加したことなどに起因して、1キャリア内に搭載されるウエーハ数が減少する傾向にある。その結果、上述のような多数枚のウエーハを製造装置内に収容して同時並行に処理する製造装置では、全キャリア設置ポートにキャリアを設置した場合でも、各キャリアに搭載されたウエーハの総数が装置内に同時に収容できるウエーハ枚数より少ない状況が発生し得る。この場合、ウエーハ仕掛り効率が低下するとともに処理能力が低下するという問題が発生する。
【0005】
特許文献1は、このような半導体製造装置の仕掛り効率の低下を抑制する手法を開示する。この従来の管理手法は、図14に示すように、半導体製造装置によるウエーハ処理の前に少数枚ウエーハのロット同士を1キャリアに混載し、ウエーハ処理の後に各ロットに分割する。その結果、1キャリア内のウエーハ充填率が高まって半導体製造装置の仕掛り効率低下が抑制され、製造工程のリードタイムの短縮が実現できるとされている。ロット混載および分割は、予め、もしくは随時に登録・更新や記録等された製造工程の記録ファイル(製造工程フロー)と、予め設定された混載形態の種類や処理方法などを可変定義したファイルとを用いて実行される。具体的には、これらのファイルを使用して、半導体製造装置によるウエーハ処理前に、1つのキャリアに複数ロットを混載するか否かを判定し、また、半導体製造装置によるウエーハ処理後に、1つのキャリアに複数ロットを混載した状態から所定ロットのウエーハを分離するか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−296519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術においては、ロット混載によりキャリア内のウエーハ充填率を向上させることが前提となっているため、複数のロットを1つのキャリアに混載するためのウエーハ移載工程や、元のロット形態に戻すためのウエーハ移載工程が必要になる。そのため、半導体装置の製造工程数が増大し、工程数増によるリーダタイムへの影響や移載装置を新たに設置することによる設備コストの増大は避けられない。
【0008】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するために提案されたものであって、少数枚ロットによる1キャリア内のウエーハ充填率が低い状態でも、半導体製造装置の仕掛り効率の低下を抑制することができる半導体製造装置のキャリア交換方法およびキャリア交換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的手段を採用している。まず、本発明は、半導体装置を製造する半導体製造装置に適用されるキャリア交換方法を前提としている。そして、本発明に係る半導体製造装置のキャリア交換方法では、まず、半導体製造装置に仕掛り中のウエーハ枚数が取得される。次いで、半導体製造装置内のウエーハ搬送経路中に同時に滞在できるウエーハ枚数(収容可能枚数)と、仕掛り中のウエーハ枚数とが比較される。仕掛り中のウエーハ枚数が、ウエーハ搬送経路中に同時に滞在可能なウエーハ枚数未満である場合、半導体製造装置のキャリアロードポート上の空キャリアと、未処理ウエーハを搭載した、キャリアロードポートへの搬入待機中の他のキャリアとの交換を要求する信号が発行される。そして、当該交換要求信号にしたがって、上記空キャリアと上記他のキャリアとのキャリア交換が実行される。
【0010】
この構成によれば、仕掛り枚数が半導体製造装置の収容可能枚数未満になり、半導体製造装置の仕掛り効率が低下する状況が発生する場合にキャリア交換が実行される。そのため、半導体製造装置への投入されるロットのサイズが少数枚の場合においても、事前に混載等によりキャリア内のウエーハ充填率を向上させなくとも、半導体製造装置の仕掛り効率の低下を抑制することができる。
【0011】
上記キャリア交換方法において、交換要求信号の発行は、以下の手順で実施されることが好ましい。すなわち、まず、1のキャリアロードポート上のキャリアから最初に搬出されて半導体製造装置における処理が完了したウエーハがキャリアへ回収される予定時間と、他のキャリアロードポート上に空キャリアが発生する予定時間とに基づいて、上記1のキャリアロードポート上のキャリアの交換可否が判断される。当該判断において、キャリア交換が可能であった場合、上記最初に搬出されたウエーハの回収開始予定時間と、上記他のキャリアロードポート上の空キャリア発生予定時間とに基づいて、上記1のキャリアロードポート上のキャリアに搭載されていたウエーハの回収先となる、上記1のキャリアロードポート上のキャリアとは異なるキャリアの有無が判断される。当該判断において、回収先キャリアありと判断された場合、上記1のキャリアロードポート上のキャリアを交換対象とする交換要求信号が発行される。
【0012】
この構成では、仕掛り枚数が収容可能枚数より少なく、かつ仕掛りロットの回収先キャリアが確保可能な場合に限り、キャリア交換が実行されることになる。
【0013】
上記構成において、仕掛り中のウエーハ枚数は、キャリアロードポート上のキャリア内のウエーハおよび半導体製造装置内のウエーハ搬送経路中に滞在中のウエーハのうち、当該枚数取得時に、半導体製造装置における処理が完了していずれかのキャリアに回収されたウエーハと同一のキャリアに搭載されていたウエーハを除いた枚数とすることができる。これにより、仕掛り中のウエーハ枚数取得時に、回収キャリアを変更可能なウエーハのみを判断対象に含めることができる。この場合、ウエーハ搬送経路中に同時に滞在可能なウエーハ枚数未満である条件を満足する範囲において、キャリアロードポートに未だ設置されていない搬入待機中キャリアに搭載されたウエーハ枚数を仕掛り中のウエーハ枚数に含めることもできる。
【0014】
また、上記ウエーハの回収開始予定時間および上記空キャリア発生予定時間は、半導体製造装置のキャリアロードポート上に空キャリアが発生した時点、およびいずれかのキャリアロードポート上のキャリアから最初に搬出されて半導体製造装置における処理が完了したウエーハがキャリアへ回収された時点に算出されることが好ましい。これにより、キャリアロードポートにおいて空キャリアが発生するタイミング、および仕掛りウエーハ枚数が減少するタイミングで、仕掛り枚数と半導体製造装置の収容可能枚数とが比較されるため、半導体製造装置における仕掛り枚数の不足を確実に検知することができる。また、交換要求信号の発行は、半導体製造装置の全キャリアロードポート上にキャリアが設置された状態、あるいは全キャリアロードポートへのキャリアの設置が確定した状態で実施されることが好ましい。これにより、キャリア交換に実行を最小限にすることができる。
【0015】
一方、他の観点では、本発明は、半導体装置を製造する半導体製造装置に適用されるキャリアの交換装置を提供することができる。すなわち、本発明に係る半導体製造装置のキャリア交換装置は、装置状態監視部、基準情報管理部、比較部、交換キャリア検索部、回収キャリア検索部および指示部を備える。装置状態監視部は、半導体製造装置に仕掛り中のウエーハ枚数を取得する。比較部は、基準情報管理部に予め登録された半導体製造装置内のウエーハ搬送経路中に同時に滞在できるウエーハ枚数と、装置状態監視部が取得した仕掛り中のウエーハ枚数とを比較する。そして、仕掛り中のウエーハ枚数が、ウエーハ搬送経路中に同時に滞在可能なウエーハ枚数未満である場合、交換キャリア検索部は、1のキャリアロードポート上のキャリアから最初に搬出されて半導体製造装置における処理が完了したウエーハがキャリアへ回収される予定時間と、他のキャリアロードポート上に空キャリアが発生する予定時間とに基づいて、上記1のキャリアロードポート上のキャリアの交換可否を判断し、交換可能である場合には交換可能キャリアを抽出する。交換可能キャリアが抽出された場合、上記最初に搬出されたウエーハの回収開始予定時間と、上記他のキャリアロードポート上の空キャリア発生予定時間とに基づいて、回収キャリア検索部が上記1のキャリアロードポート上のキャリアに搭載されていたウエーハの回収先キャリアの有無を判断し、回収先キャリアが存在する場合には回収先キャリアを決定する。回収先キャリアが決定された場合、指示部は、上記1のキャリアロードポート上の空キャリアと、未処理ウエーハを搭載した、キャリアロードポートへの搬入待機中の他のキャリアとの交換を半導体製造装置に指示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、例えば、一度に多数のウエーハの枚葉処理を行う半導体製造装置において、少数枚ロットの投入により仕掛り効率が低下する場合においても、ウエーハ処理中に空キャリアを回収し、未処理ウエーハを搭載した新たなキャリアを投入することができる。その結果、混載や分割などの処理前後の段取り作業をすることなく、処理ウエーハ不足を解消することができ、半導体製造装置のスループット低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態におけるキャリア交換装置を示す概略構成図
【図2】本発明の一実施形態におけるキャリア交換処理を示すフロー図
【図3】本発明の一実施形態における交換可能キャリア検索処理を示すフロー図
【図4】本発明の一実施形態における回収開始予定時間の一例を示す図
【図5】本発明の一実施形態における回収開始予定時間の一例を示す図
【図6】本発明の一実施形態における空キャリア発生予定時間の一例を示す図
【図7】本発明の一実施形態におけるデータテーブルの一例を示す図
【図8】本発明の一実施形態におけるデータテーブルの一例を示す図
【図9】本発明の一実施形態における回収キャリア検索処理を示すフロー図
【図10】本発明の一実施形態におけるデータテーブルの一例を示す図
【図11】本発明の一実施形態におけるキャリア交換実行決定時のデータテーブルの一例を示す図
【図12】本発明の一実施形態におけるデータテーブルの一例を示す図
【図13】本発明の一実施形態におけるキャリア交換実行決定時のデータテーブルの一例を示す図
【図14】従来技術の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施形態では、複数のキャリアロードポート(以下、ロードポートという。)と、複数のウエーハ処理室と、ロードポートとウエーハ処理室との間でウエーハを搬送する搬送装置とを備えた半導体製造装置において、複数のロットに対する処理を並行して実施する事例により本発明を具体化している。なお、以下では、1つのキャリアには同一の処理ロットに属するウエーハ群のみが搭載されている。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態におけるキャリア交換装置を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施形態では、キャリア交換装置100は半導体製造ライン107を構成する半導体製造装置110の内部に設けられている。半導体製造装置110は、ネットワーク回線109等を介して半導体製造ライン107における半導体装置の生産を管理するMES(Manufacturing Execution System)等の上位ホストコンピュータ108とデータの送受信を相互に実施可能に構成されている。また、キャリア交換装置100は、半導体製造装置110を通じて上位ホストコンピュータ108とデータの送受信を行うことができる。なお、半導体製造ライン107には、通常、多数の半導体製造装置が属しているが、図1では1台の半導体製造装置110のみを例示している。
【0020】
本実施形態のキャリア交換装置100は、半導体製造装置110の各ロードポートに設置されるキャリアごとに、キャリア内の全ウエーハが同時に半導体製造装置110内に搬入される状況(すなわち、キャリアが空になる)が発生するか否かを判定し、当該状況が発生する場合にはその期間長を算出する。そして、空キャリアが発生した場合、以下で説明する所定の条件が満たされる場合に、当該空キャリアをロードポートから搬出し、他の処理待ちロットを搭載した新たなキャリアを当該ロードポートに搬入する(以下、当該動作をキャリア交換という。)。これにより、半導体製造装置110の仕掛り効率の低下を抑制する。なお、本実施形態では、半導体製造装置110は4つのロードポートを備えている。また、以下では、「半導体製造装置内」とは、キャリアから搬出された時点から、処理後にキャリアへ搬入されるまでのウエーハの搬送経路を意味する。
【0021】
図1に示すように、キャリア交換装置100は、装置状態監視部101、基準情報管理部102、比較部103、交換キャリア検索部104、回収キャリア検索部105および指示部106を備える。
【0022】
装置状態監視部101は、半導体製造装置110の装置状態を取得する。ここで装置状態とは、半導体製造装置110における処理の進行状況、すなわち、直列または並列に接続され、半導体製造装置110内でウエーハの搬送経路を構成する複数の処理部おける各ウエーハの所在や、各ウエーハに対して実施される処理の進行状況等を示す情報である。また、装置状態監視部101は、ロードポート上へのキャリアの設置順や各ロードポートに設置されたキャリアのキャリアID、キャリアに搭載されているロットのロットIDおよびロットサイズ(ウエーハ枚数)、当該ロットに対して適用される処理レシピのレシピIDなどの条件も取得し管理する。ここで、キャリアIDはキャリアを特定するために各キャリアに一意に付与された識別情報である。ロットIDはロットを特定するためにロットに一意に付与された識別情報である。レシピIDは、ロットに属する各ウエーハに対して、半導体製造装置110を構成する各処理ユニットにおいて実行される処理の条件を特定するために処理条件群に一意に付与された識別情報である。なお、特に限定されないが、本実施形態の装置状態監視部101は、新たなキャリアのキャリアID、ロットID、ウエーハ枚数、レシピIDなどの情報を上位ホストコンピュータ108に問い合わせて取得する構成になっている。当該データの取得は、例えば、いずれかのロードポートにキャリアが現実に設置されたときや、いずれかのロードポートへのキャリアの設置が決定されたときに実施する構成を採用することができる。
【0023】
また、基準情報管理部102は、キャリア交換装置100が使用する種々の基準データを管理する。基準データは、例えば、半導体製造装置110内に同時に搬入可能なウエーハ枚数(以下、収容可能枚数という。)の情報や、レシピIDごとの処理時間、レシピIDごとのキャリアから各ウエーハを搬出する時間間隔(以下、搬送間隔時間という。)、ロットの切り替え(レシピの切り替え)に要する時間などの所要時間情報である。本実施形態では、これら基準データが基準情報管理部102に予め登録される。
【0024】
比較部103は、後で詳述するように、半導体製造装置110の全ロードポートにキャリアが設置された状態でいずれかのロードポートに空キャリアが発生する場合に、半導体製造装置110の仕掛り枚数と、収容可能枚数とを比較する。ここで、仕掛り枚数とは、ロードポートに搭載されたキャリアに搭載されている全てのウエーハのうち、仕掛り枚数算出時点で、半導体製造装置110における処理完了後に回収されるキャリアを任意に決定することができるウエーハの枚数を指す。基本的には、半導体製造装置110のロードポート上のキャリア内に存在する未処理ウエーハの枚数と、半導体製造装置110内に存在するウエーハの枚数との総和である。ただし、同一のキャリアに搭載されていたウエーハ群(本実施形態では、同一ロット)のいずれかのウエーハが、処理済ウエーハとしていずれかのキャリアへ回収された場合には、当該ウエーハが属するロットの残りウエーハもそのキャリアに回収されることが決定するため、当該ウエーハ群は仕掛り枚数から除外される。また、仕掛り枚数が収容可能枚数未満の条件を満たす場合には、未だロードポートに設置されていない投入予定キャリアに搭載されたウエーハの枚数も仕掛り枚数に含めることができる。
【0025】
そして、仕掛り枚数が収容可能枚数未満である場合、比較部103は、交換キャリア検索部104にその旨を通知する。このとき、交換キャリア検索部104は、キャリア交換するキャリアを仮決定する。そして、回収キャリア検索部105により、仮決定に応じて回収キャリアが手配可能である場合には、指示部106が半導体製造装置110にキャリア交換の実行を指示する。
【0026】
なお、上述の構成において、基準情報管理部102は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段により構成することができる。また、装置状態監視部101、比較部103、交換キャリア検索部104、回収キャリア検索部105および指示部106は、例えば、専用の演算回路や、プロセッサとRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリとを備えたハードウエア、および当該メモリに格納され、プロセッサ上で動作するソフトウエア等として実現することができる。
【0027】
次いで、以上の構成を有するキャリア交換装置100が実施するキャリア交換の手順について説明する。図2は、キャリア交換装置100が実施する半導体製造装置110のキャリア交換処理を示すフロー図である。当該処理は、例えば、装置状態監視部101が、半導体製造装置110の全てのロードポート上にキャリアが設置された状態(使用可能なロードポート上の全てにキャリアが設置された状態)で、いずれかのキャリアから全ウエーハが搬出されたとき(空キャリアが発生したとき)、あるいは、いずれかのキャリアへウエーハの回収が開始されたとき(仕掛り枚数が変化したとき)に実行される。なお、当該処理は、ロードポート上へのキャリアの設置が完了していない状態であっても、全てのロードポートへ設置するキャリアが確定した状態であれば実行することが可能である。
【0028】
当該処理が開始すると、比較部103は、まず、半導体製造装置110の仕掛り枚数を集計する(ステップS201)。次に、比較部103は、基準情報管理部102に登録されている半導体製造装置110の収容可能枚数を読み出し、当該収容可能枚数と集計した仕掛り枚数とを比較する(ステップS202)。そして、仕掛り枚数が収容可能枚数未満である場合、比較部103は、半導体製造装置110に設置されているキャリアに続いて投入予定のキャリアが存在するか否かを確認する(ステップS202Yes、S203)。次投入予定キャリア有無の確認は、例えば、装置状態監視部101が上位ホストコンピュータ108に対して問い合わせることで実施可能である。一方、仕掛り枚数が収容可能枚数以上である場合、キャリア交換装置100はそのまま処理を終了する(ステップS202No)。
【0029】
投入予定キャリアの有無確認ステップ(ステップS203)において、次投入予定キャリアが存在する場合、比較部103は交換キャリア検索部104にその旨を通知する。当該通知を受けた交換キャリア検索部104は、ロードポートに設置されたキャリアから、キャリア交換の対象となるキャリアを抽出する交換可能キャリア検索処理を実施する(ステップS203Yes、S204)。当該交換可能キャリア検索処理において、交換可能キャリアが抽出された場合(ステップS205Yes)、交換キャリア検索部104は、回収キャリア検索部105にその旨を通知する。交換キャリア検索部104が検出した交換可能キャリアに対するキャリア交換を実行する場合、当該交換可能キャリアを回収先キャリアに予定していたロットの回収先がなくなるため回収先キャリアを変更する必要がある。また、当該回収先キャリアの変更に応じて、他のロットの回収先キャリアを変更する必要がある。回収キャリア検索部105は、このような各ロットの回収キャリアの変更先を検索する回収キャリア検索処理を実施する(ステップS206)。当該回収キャリア検索処理において、各ロットの回収キャリアが手配可能である場合(ステップS207Yes)、回収キャリア検索部105は、指示部106にその旨を通知する。当該通知を受けた指示部106は、交換キャリア検索部104が抽出した交換可能キャリアに対するキャリア交換の実行を上位ホストコンピュータ108に指示する。これにより、半導体製造装置110に対するキャリア交換が実施される(ステップS208)。
【0030】
一方、投入予定キャリアの有無確認ステップ(ステップS203)において、次投入予定キャリアが存在しない場合、比較部103は回収キャリア検索部105にその旨を通知する。当該通知を受けた回収キャリア検索部105は、半導体製造装置110において処理中の各ロットについて、回収キャリアが存在しているか否かを確認する(ステップS203No、S209)。回収キャリアが充足していない場合、回収キャリア検索部105は、指示部106を通じて回収用の空キャリアの搬送を上位ホストコンピュータ108に指示する(ステップS209No、S210)。また、半導体製造装置110において処理中の各ロットについて、回収用キャリアが充足している場合、キャリア交換装置100はそのまま処理を終了する(ステップS209Yes)。同様に、交換可能キャリア検索処理において、交換可能キャリアが抽出されなかった場合(ステップS205No)、および回収キャリア検索処理において、各ロットの回収キャリアが手配不可能である場合(ステップS207No)、キャリア交換装置100は処理を終了する。
【0031】
図3は、交換キャリア検索部104が実施する交換可能キャリア検索処理をより詳細に示すフロー図である。比較部103から通知を受けた交換キャリア検索部104は、まず、半導体製造装置110のロードポートに設置された各キャリアに搭載されたそれぞれのロット、および半導体製造装置110内に滞在しているロットについてウエーハの回収開始予定時間を算出する(ステップS301)。ここで、回収開始予定時間は、当該時間の算出時点から、半導体製造装置110での処理が完了した、各ロットに属する1枚目のウエーハ(先頭ウエーハ)についてキャリア回収が開始される時点までの時間(期間長)である。本実施形態では1つのキャリアに1つのロットが搭載されているため、回収開始予定時間はキャリアと1対1に対応することになる。なお、キャリア回収が開始される時点とは、回収用キャリアが存在している場合に、当該回収用キャリアへの回収対象ウエーハの搬入が開始される時点を指す。
【0032】
図4は、当該回収開始予定時間の一例を示す模式図である。図4において、横軸は時間に対応し、縦軸は処理開始順に並べられたウエーハに対応する。ここでは、3枚のウエーハWa1、Wa2、Wa3により構成された第1ロットと、3枚のウエーハWb1、Wb2、Wb3により構成された第2ロットとが、当該順で半導体製造装置110において連続的に処理される事例を示している。図4では、第1ロットに属する各ウエーハが半導体製造装置110内に滞在している期間を実線で示し、第2ロットに属する各ウエーハが半導体製造装置110内に滞在している期間を破線で示している。このような滞在期間は、装置状態監視部101により取得された各キャリアに搭載されたロットに適用されるレシピIDと、基準情報管理部102に登録されているレシピIDごとの処理時間等の所要時間情報とに基づいて求めることができる。ここでは、第1ロットを搭載したキャリア内の全ウエーハが搬出されたとき、すなわち、第1ロットの第3番目のウエーハWa3がキャリアから搬出された時刻(T=0)において、各ロットの回収開始予定時間を算出する事例を説明する。
【0033】
この場合、第1ロットの回収開始予定時間TE(1)は、当該ロットに属する各ウエーハのキャリアからの搬送間隔時間WT(1)、装置内滞在時間TP(1)、当該ロットのロットサイズWC(1)を用いて、以下の式(1)により算出することができる。
【0034】
【数1】

【0035】
また、第2ロットの回収開始予定時間TE(2)は、半導体製造装置110において第1ロットと第2ロットのロット切り替えに要する時間TD(1)を用いて、以下の式(2)により算出することができる。
【0036】
【数2】

【0037】
同様に、第2ロットに続いて処理される第3ロットの回収開始予定時間TE(3)は、以下の式(3)により算出することができる。
【0038】
【数3】

【0039】
したがって、空キャリアが発生した第1ロットに続いて処理順がn番目(n>2)に処理されるロットの回収開始予定時間TE(n)は、以下の式(4)により算出することができる。なお、処理順が2番目(n=2)の場合は、式(4)の右辺第2項はゼロである。
【0040】
【数4】

【0041】
図4に示す事例は、連続する処理ロットに属するウエーハの装置内滞在時間がTP(n)≧TP(n−1)の関係を有している。しかしながら、現実の処理では、連続する処理ロットの装置内滞在時間がTP(n)<TP(n−1)の関係となる場合も発生する。図5は、TP(n)<TP(n−1)である場合の回収開始予定時間の一例を示す模式図である。図5に示すように、TP(n)<TP(n−1)である場合、先行する第(n−1)ロットのウエーハが半導体製造装置110内に滞在している期間中は、第nロットのウエーハは、本来の装置内滞在時間TP(n)よりも長い期間、半導体製造装置110内に滞在することになる。第nロットのウエーハは、半導体製造装置110内で、第(n−1)ロットのウエーハを追い越すことはないからである。すなわち、第nロットに属するウエーハの現実の装置内滞在時間は、第(n−1)ロットに属するウエーハの装置内滞在時間TP(n−1)に律速される結果、第(n−1)ロットのウエーハの装置内滞在時間TP(n−1)と同一になる。
【0042】
したがって、TP(n)<TP(n−1)である場合の第nロット(n>2)の回収開始予定時間TE(n)は、以下の式(5)により算出することができる。なお、処理順が2番目(n=2)の場合は、式(5)の右辺第2項がゼロになる。
【0043】
【数5】

【0044】
半導体製造装置110内にさらに多くのロットが並存する場合には、各ロットに属するウエーハの現実の装置内滞在時間は、並存するロット中で最長の装置内滞在時間で律速されることになる。このような場合であっても、式(4)や式(5)と同様の原理により回収開始予定時間TE(n)の算出式を得ることができる。交換キャリア検索部104は、このような回収開始予定時間TE(n)の算出式を、半導体製造装置110内を進行する際に並存するロットに応じて適宜選択することにより、各ロットの回収開始予定時間TE(n)を算出する。なお、上述のように、ロットサイズWC(n)は装置状態監視部101により取得され、搬送間隔時間WT(n)は基準情報管理部102に予め登録されている。また、本実施形態では、ロット切り替えに要する時間TD(n)も、想定されるロット順と対応づけて基準情報管理部102に予め登録されている。
【0045】
交換キャリア検索部104は、続いて、半導体製造装置110のロードポートに設置されているそれぞれのキャリアについて、空キャリア発生予定時間を算出する(ステップS302)。ここで、空キャリア発生予定時間は、上記回収開始予定時間算出時点から、ロードポートに設置されたキャリア中に新たに空キャリアが発生する時点までの時間(期間長)である。
【0046】
図6は、空キャリア発生予定時間の一例を示す模式図である。図6において、横軸は時間に対応し、縦軸は処理開始順に並べられたウエーハに対応する。図4、図5と同様に、ここでは、3枚のウエーハWa1、Wa2、Wa3により構成された第1ロットと、3枚のウエーハWb1、Wb2、Wb3により構成された第2ロットとが、当該順で半導体製造装置110において連続的に処理される事例を示している。図4、図5と同様に、図6では、第1ロットを搭載したキャリア内の全ウエーハが搬出されたとき、すなわち、第1ロットの第3番目のウエーハWa3がキャリアから搬出された時刻(T=0)において、各ロードポートの空キャリア発生予定時間を算出する事例を説明する。なお、上述のように、交換キャリア検索部104は仕掛り枚数が収容可能枚数未満である場合に当該算出を行う。当該条件下では、いずれかのロードポート上に新たに空キャリアが発生することになる。
【0047】
図6の事例では、第2ロットを搭載したキャリアが空キャリアになる空キャリア発生予定時間TCE(2)は、当該ロットの搬送間隔時間WT(2)、ロットサイズWC(2)、半導体製造装置110において第1ロットと第2ロットのロット切り替えに要する時間TD(1)を用いて、以下の式(6)により算出することができる。
【0048】
【数6】

【0049】
同様に、第2ロットに続いて処理される第3ロットを搭載したキャリアが空キャリアになる空キャリア発生予定時間TCE(3)は、以下の式(7)により算出することができる。
【0050】
【数7】

【0051】
したがって、空キャリアが発生した第1ロットに続いてn番目(n>1;本実施形態ではn≦4)に処理されるロットを搭載したキャリアが空キャリアになる空キャリア発生予定時間TCE(n)は、以下の式(8)により算出することができる。
【0052】
【数8】

【0053】
交換キャリア検索部104は、以上のようにして算出した回収開始予定時間TE(n)および空キャリア発生予定時間TCE(n)のそれぞれを、ロードポートと対応づけて記憶する。
【0054】
図7は、交換キャリア検索部104が作成するデータテーブルの一例を示す図である。図7に示すように、当該データテーブルは、回収開始予定時間TE(n)および空キャリア発生予定時間TCE(n)と、ロードポートとを対応づけて記憶するテーブルである。本実施形態では、半導体製造装置110が4つのロードポートを有しているため、各ロードポートをポートID「ポート1」、「ポート2」、「ポート3」、「ポート4」により区別している。なお、図7において、ポートIDの末尾に付している枝番号は、そのロードポートにキャリアが設置される順番を示している。すなわち、ポートID「ポート1−1」は、「ポート1」として特定されるロードポートに1番目に設置されることを示し、ポートID「ポート1−2」は、「ポート1」として特定されるロードポートに2番目に設置されることを示している。当該枝番号は、そのロードポートにキャリアが設置されたときに当該キャリアが搭載していたロットに属するウエーハが、半導体製造装置110における処理が完了してキャリアに回収された時点で変更される。すなわち、キャリア交換によりポートID「ポート1−1」で特定されるキャリアが搬出され、ポートID「ポート1−2」で特定されるキャリアがロードポート「ポート1」に設置された場合、ポートID「ポート1−1」に対応するロット「000a」の半導体製造装置110における処理が完了してキャリアに回収されると、ポートID「ポート1−2」がポートID「ポート1−1」に変更される。当該変更は、例えば、交換キャリア検索部104が回収開始予定時間を算出するための情報を取得した際に実施することができる。また、図7の例では、説明のため、ロットID、処理順n、ロットサイズWC(n)をデータテーブル中に併記しているが、これらの項目はデータテーブルに必須の項目ではない。また、後述のように、当該データテーブルに記録されたデータは、回収キャリア検索部105および指示部106によって利用されるため、交換キャリア検索部104、回収キャリア検索部105および指示部106によりデータの記録・読出しが可能であることが必要である。データテーブルの格納場所は特に限定されないが、本実施形態では、指示部106が備える記憶部に格納されているものとする。なお、上記では、1番目の処理ロットのウエーハがキャリアから全て搬出された時刻に回収開始予定時間および空キャリア発生予定時間が算出される事例を説明したが、1番目の処理ロットの先頭ウエーハがキャリアに回収された時刻に回収開始予定時間および空キャリア発生予定時間が算出される場合は、期間長の基点が異なるだけであり同様に算出可能である。
【0055】
交換キャリア検索部104は、以上のようにして取得した回収開始予定時間TE(n)と空キャリア発生予定時間TCE(n)とに基づいて、ウエーハの回収開始予定時間TE(n)が経過したときに、当該ロットが搭載されていたキャリアとは異なる空キャリアが存在するか否かを判定する。本実施形態では、交換キャリア検索部104は、回収開始予定時間TE(n)と空キャリア発生予定時間TCE(n+k)(kは自然数;本実施形態ではk<4)との大小関係に基づいて当該判定を行う(図3 ステップS303)。すなわち、回収開始予定時間TE(n)>空キャリア発生予定時間TCE(n+k)である場合、n番目に処理されるキャリアに搭載されているウエーハの回収開始予定時間TE(n)が経過したときに、当該キャリアとは異なる空キャリアが存在することになる。また、回収開始予定時間TE(n)≦空キャリア発生予定時間TCE(n+k)である場合、n番目に処理されるキャリアに搭載されているウエーハの回収開始予定時間TE(n)が経過したときに、当該キャリアとは異なる空キャリアが存在しないことになる。前者の場合、交換キャリア検索部104は、n番目に処理されるロットが搭載されていたキャリアを交換キャリアに仮決定する(ステップS303Yes、S304)。また、後者の場合、キャリア交換を行うと、処理中ロットの回収先となる空キャリアがロードポート上に存在しなくなるため、交換キャリア検索部104は交換キャリアを仮決定することなくそのまま処理を終了する(ステップS303No)。例えば、図4〜図6のように、回収開始予定時間TE(n)、空キャリア発生予定時間TCE(n)が、1番目の処理ロットのウエーハがキャリアから全て搬出された時刻に算出された場合、交換キャリアとして仮決定されるキャリアは、1番目に処理されるロットが搭載されていたキャリアになる。また、回収開始予定時間TE(n)、空キャリア発生予定時間TCE(n)が、1番目の処理ロットの先頭ウエーハがキャリアに回収された時刻に算出された場合、1番目の処理ロットは上述のとおり仕掛り枚数に含まれないため、交換キャリアとして仮決定されるキャリアは、2番目に処理されるロットが搭載されているキャリアになる。
【0056】
交換キャリアを仮決定した交換キャリア検索部104は、交換キャリアに仮決定されたことを示す情報を上述のデータテーブルに記録する。図7の例では、交換キャリアに仮決定されたことを示す情報として交換フラグFL(n)と交換信号ステータスとを使用している。ここでは、交換キャリアに決定されたキャリアの交換フラグFL(n)が「1」、非交換キャリアの交換フラグFL(n)が「0」になっている。また、交換フラグFL(n)=1に対応する交換信号ステータスとして、仮決定を示す「予約」が記録される。なお、データテーブル中に示す「−」は、情報を記録していない状態、あるいは、情報なしを示すデータが記録された状態を示している。
【0057】
交換キャリア検索部104は、続いて、次投入予定キャリアに搭載されたロットの情報(ロットID、ロットサイズ、レシピID等)を装置状態監視部101(あるいは上位ホストコンピュータ108)から取得する(ステップS305)。そして、取得した情報を上記データテーブルに追記する(ステップS306)。
【0058】
図8は、次投入予定キャリアに搭載されたロットの情報が追記されたデータテーブルを示す図である。図7の事例では、次投入予定キャリアは、交換対象キャリアに代えてロードポート「ポート1」に設置されることになる。この場合、当該キャリアに搭載されているロットの情報は、図8に示すように、ロードポート「ポート1−2」と対応づけてデータテーブルに記録される。なお、取得されたレシピIDはデータテーブルに記録されていないが装置状態監視部101において管理され、上述のように、当該ロットの回収開始予定時間TE(n)を算出するための装置内滞在時間TP(n)の取得に使用される。
【0059】
上述したように、交換可能キャリアを抽出した交換キャリア検索部104は、その旨を回収キャリア検索部105に通知し、当該通知を受けた回収キャリア検索部105が回収キャリア検索処理を実施する。図9は、回収キャリア検索部105が実施する、回収キャリア検索処理をより詳細に示すフロー図である。交換キャリア検索部104から通知を受けた回収キャリア検索部105は、まず、交換キャリア検索部104が作成したデータテーブルから交換フラグFL(n)が「1」であるキャリアに搭載されているロット(以下、交換仮決定ロットという。)の回収開始予定時間を抽出する(ステップS901)。図8の事例では、ポートID「ポート1−1」に記録されている交換仮決定ロットの回収開始予定時間TE(1)である「20分」が抽出される。
【0060】
次に、回収キャリア検索部105は回収余裕時間を算出する(ステップS902)。回収余裕時間TMm(n)(m:交換仮決定ロットの処理順)は、他のロードポートに空キャリアが発生した時点から交換仮決定ロットの回収が開始される時点までの時間であり、交換仮決定ロットの回収開始予定時間TE(m)と、交換仮決定ロット以外のロットを搭載したキャリアの空キャリア発生予定時間TCE(n)(n>m)との差として以下の式(9)により求めることができる。
【0061】
【数9】

【0062】
回収余裕時間TMm(n)が大きい程、ウエーハの回収開始に対して空キャリアが早く発生することを示しており、空キャリア発生からウエーハ回収開始までの余裕度が大きいことになる。図8の事例では、交換仮決定ロットの各ロードポートに対する回収余裕時間TM1(n)は、TM1(2)=15分、TM1(3)=10分、TM1(4)=5分になる。本実施形態では、図8に示すように、回収キャリア検索部105は、算出した回収余裕時間TM1(n)をデータテーブルに追記する。
【0063】
回収キャリア検索部105は、次に、交換仮決定ロット以外のロットを搭載し、かつキャリア交換が設定されていないキャリア(以下、交換対象外キャリアという。)から、回収余裕時間TMm(n)が最長のキャリアを、交換仮決定ロットの回収先候補キャリアとして抽出する(ステップS903)。図8の事例では、TM1(2)=15分であるポートID「ポート2−1」のキャリアが抽出される。
【0064】
回収キャリア検索部105は、抽出した回収先候補キャリアについて、既に決定されているキャリア交換に応じて回収ロットが設定(変更)されているか否かを確認する(ステップS904)。そして、他のキャリア交換に応じた回収ロットが設定されていない場合には、上記抽出された回収先候補キャリアを交換仮決定ロットの回収キャリアに決定する(ステップS904No、S911)。また、他のキャリア交換に応じた回収ロットが設定されていた場合には、当該他のキャリア交換に応じた回収先キャリアをも考慮して回収先キャリアを決定する(ステップS904Yes)。他のキャリア交換に応じた回収ロット変更設定の有無を確認する手法は特に限定されないが、本実施形態では、キャリア交換が実行されない場合、ロードポートに設置された時点での搭載ロットとロット回収時点での搭載ロットとが同一であることを前提として、ロードポートに設置された時点での搭載ロットと回収時点での搭載ロット(回収予定ロット)との異同により当該確認を行う。すなわち、設置時搭載ロットと回収時搭載ロットとが同一であれば回収ロット変更設定なしと判断し、設置時搭載ロットと回収時搭載ロットとが異なっていれば回収ロット変更設定ありと判断する。
【0065】
図10は、図8の事例において、回収ロット変更設定がない場合のデータテーブルを示す図である。図10では、回収時搭載ロットが設置時搭載ロットと同一であるため、回収先候補キャリアとして抽出されたポートID「ポート2−1」のキャリアが交換仮決定ロットの回収先キャリアとして決定される。なお、回収ロット変更設定がある場合については後述する。
【0066】
交換仮決定ロットの回収先キャリアを決定した回収キャリア検索部105は、交換対象外キャリアに搭載されているロットについても、回収余裕時間TMm(n)の大きい順に、回収先キャリアを決定する(ステップS910)。そして、ロードポートに設置されているキャリアに搭載されている全ロットについて回収キャリアの手配が完了すると、回収キャリア検索部105は、上記データテーブルの交換フラグFL(n)=1に対応する交換信号ステータスを、キャリア交換実行を意味する「発行」に変更するとともに、回収先として決定されたキャリアの回収時搭載ロットとして対応する回収ロットをデータテーブルに記録する。
【0067】
図11は、図10の事例において、当該ステップが実行された後のデータテーブルを示す図である。図11では、ポートID「ポート1−1」の交換フラグFL(1)=1に対応する交換信号ステータスに「発行」が記録され、回収時搭載ロットとしてキャリア交換実行後の回収ロットが記録されている。
【0068】
なお、本実施形態では、回収キャリア検索部105が交換信号ステータスを「予約」から「発行」へ変更することで指示部106への通知がなされ、当該通知を受けた指示部106により、上位ホストコンピュータ108を通じて半導体製造装置110のキャリア交換が実行される。キャリア交換を指示した指示部106はデータテーブルの当該キャリア交換に対応する交換フラグFL(n)を「0」にし、交換信号ステータスを削除する。
【0069】
続いて、回収ロット変更設定有無の確認(ステップS904)において、回収ロット変更設定がある場合について説明する。当該状況は、例えば、上述のキャリア交換の実行後においても、仕掛り枚数が収容可能枚数未満である場合に生じる。
【0070】
図7に示すデータテーブルが作成された時刻からさらに時間が経過すると、ポートID「ポート2−1」に設置されているキャリアに搭載されたウエーハ(2番目の処理ロットのウエーハ)が当該キャリアから全て搬出される。このとき、交換キャリア検索部104が、上述のように回収開始予定時間TE(n)および空キャリア発生予定時間TCE(n)を算出する。
【0071】
図12は、当該状況下において、交換キャリア検索部104により算出された回収開始予定時間TE(n)および空キャリア発生予定時間TCE(n)が記録されたデータテーブルを示す図である。なお、図12の事例では、ロードポート「ポート1」におけるキャリア交換前に当該ロードポートに設置されていたキャリアの搭載ロット「000a」が半導体製造装置110内に存在している。そのため、ポートID「ポート1−1」のデータはデータテーブルから削除されていない。
【0072】
当該状況下において次投入予定キャリアが存在する場合、交換キャリア検索部104は、図3に示すステップS304において、ポートID「ポート2−1」に設置されているキャリアを交換キャリアに仮決定し、ポートID「ポート2−1」に対応づけて、交換フラグFL(2)=1および「予約」の交換信号ステータスをデータテーブルに記録する。この場合、回収キャリア検索部105は、回収ロット変更設定有無の確認(ステップS904)において回収ロット変更設定があると判定し(ステップS904Yes)、キャリア交換により必要になる回収先キャリアの変更を、既に決定されている回収先キャリアを考慮した上で以下のようにして決定する。
【0073】
まず、回収キャリア検索部105は、交換対象外キャリアから、正の回収余裕時間Tm(n)を有するキャリアを、交換仮決定ロットの回収先候補キャリアとして抽出し直す(ステップS905)。例えば、処理順が2番目のロットが交換仮決定ロットである図12の事例では、回収キャリア検索部105は、TM2(n)>0の条件を満たす全てのキャリアをデータテーブルから抽出する。すなわち、TM2(3)=15分であるポートID「ポート3−1」のキャリア、TM2(4)=10分であるポートID「ポート4−1」のキャリア、およびTM2(5)=5分であるポートID「ポート1−2」のキャリアを抽出する。
【0074】
次に、回収キャリア検索部105は、交換既決定キャリアの搭載ロット(以下、交換既決定ロットという。)について、交換対象外キャリアに対する回収余裕時間(交換仮決定ロットの回収余裕時間TMm(n)と区別するためPTMm(n)と表記する。)を再計算する(ステップS906)。図12の事例では、ポートID「ポート1−1」のキャリアが搭載していたロット「000a」が交換既決定ロットであるので、回収キャリア検索部105は、当該ロットに対する各交換対象外キャリアの回収余裕時間PTm1(n)(2<n≦5)を算出する。ここでは、交換既決定ロットの各キャリアに対する回収余裕時間PTM1(n)は、PTM1(3)=10分、PTM1(4)=5分、PTM1(5)=0分になる。
【0075】
続いて、回収キャリア検索部105は、抽出した交換仮決定ロットの回収先候補キャリアの中から、再計算した交換既決定ロットの回収余裕時間PTMm(n)が最も大きいキャリアを交換既決定ロットの回収先キャリアとして決定し、当該交換既決定ロットの回収先キャリア以外の回収先候補キャリアの中から、交換仮決定ロットの回収余裕時間TMm(n)が最も大きいキャリアを交換仮決定ロットの回収先キャリアとして決定する(ステップS907Yes、S908Yes)。したがって、ステップS905において抽出した交換仮決定ロットの回収先候補キャリアの中に、正の回収余裕時間PTMm(n)を有するキャリアが存在しなかった場合には、回収キャリア検索部105は交換既決定ロットに変更可能な別の回収先キャリアがないと判断する(ステップS907No)。また、交換既決定ロットの回収先キャリア以外の回収先候補キャリアの中に、正の回収余裕時間TMm(n)を有するキャリアが存在しなかった場合には、回収キャリア検索部105は交換仮決定ロットの回収先キャリアがないと判断する(ステップS908No)。これらの場合、回収キャリア検索部105は、交換キャリアの仮決定を取消して処理を終了する(ステップS912)。
【0076】
一方、ステップS907において交換既決定ロットの別の回収先キャリアを決定でき、かつステップS908において交換仮決定ロットの回収先キャリアを決定できた場合、回収キャリア検索部105は、交換既決定ロットの回収先キャリア変更、および、交換仮決定ロットの回収先キャリアを確定する(ステップS909)。そして、回収キャリア検索部105は、交換対象外キャリアに搭載されているロットについても、回収余裕時間TMm(n)の大きい順に、回収先キャリアを決定する(ステップS910)。
【0077】
図12の事例では、回収キャリア検索部105は、抽出した交換仮決定ロットの回収先候補キャリアの中で、再計算した交換既決定ロットの回収余裕時間PTM1(n)が最も大きいポートID「ポート3−1」のキャリアを、交換既決定ロット「000a」の回収先キャリアとして決定する。また、ポートID「ポート3−1」のキャリア以外の回収先候補キャリアの中で、交換仮決定ロットの回収余裕時間TM2(n)が最も大きいポートID「ポート4−1」のキャリアを、交換仮決定ロット「000b」の回収先キャリアとして決定する。
【0078】
ロードポートに設置されているキャリアに搭載されている全ロットについて回収キャリアの手配が完了すると、回収キャリア検索部105は、上記データテーブルの交換フラグFL(n)=1に対応する交換信号ステータスを、キャリア交換実行を意味する「発行」に変更するとともに、回収先として決定されたキャリアの回収時搭載ロットとして対応する回収ロットをデータテーブルに記録する。図13は、図12の事例において、交換信号ステータスが「予約」から「発行」へ変更された後のデータテーブルを示す図である。なお、図13において、回収余裕時間TMm(n)、PTMm(n)の記載は省略している。図13に示すように、交換フラグFL(2)=1に対応するポートID「ポート2−1」の交換信号ステータスが「発行」に変更されるとともに、回収時搭載ロットとしてキャリア交換実行後の回収ロットが記録されている。
【0079】
上述のように、交換信号ステータスを「予約」から「発行」へ変更することで指示部106への通知がなされ、当該通知を受けた指示部106により、上位ホストコンピュータ108を通じて半導体製造装置110のキャリア交換が実行される。図13の事例では、新たな投入ロットがない場合、最後に処理されるロット等のキャリアが存在しない状態が生じるが、このような場合、上述のように、半導体製造装置110には空キャリアが搬入されるため、不具合は発生しない(図2 ステップS209No、S210)。
【0080】
なお、上記では、交換キャリア検索部104および回収キャリア検索部105が、上述の算出タイミングごとに回収開始予定時間、空キャリア発生時間、回収余裕時間を算出する構成としたが、各時間は、その事象が何分後に発生するかという観点で求められているため、先の算出タイミングからの経過時間を減算することで求めることも可能である。また、上述のように、回収開始予定時間および空キャリア発生予定時間は、それぞれのロットに適用される処理レシピや処理枚数等から算出することができるが、装置トラブル等により、予定通りに処理が終了しないことも考えられる。そのため、計算結果と実績値の差分を求める構成とし、当該差分により回収開始予定時間および空キャリア発生予定時間を補正する構成を採用してもよい。これにより、回収開始予定時間および空キャリア発生予定時間の算出精度を高めることができる。
【0081】
以上説明したように、本発明によれば、キャリアロードポートにおいて空キャリアが発生するタイミング、および、仕掛りウエーハ枚数が減少するタイミングで、仕掛り枚数と半導体製造装置の収容可能枚数とが比較され、仕掛り枚数が収容可能枚数より少なく、かつ仕掛りロットの回収先キャリアが確保可能な場合に空キャリアと次投入予定ロット搭載キャリアとのキャリア交換が実行される。したがって、半導体製造装置への投入されるロットのサイズが少数枚の場合においても、事前に混載等によりキャリア内のウエーハ充填率を向上させなくとも、半導体製造装置への投入ウエーハの不足を解消することができ、半導体製造装置のスループット低下を抑制することができる。
【0082】
なお、本発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、種々の変形および応用が可能である。例えば、上記実施形態では、キャリア交換装置が半導体製造装置の内部に配置された構成を説明したが、キャリア交換装置は、半導体製造ラインに接続される独立の装置として構成されてもよい。また、上記実施形態では、比較部103、交換キャリア検索部104、回収キャリア検索部105が、基準情報管理部102に予め登録された、搬送間隔時間、ロット切り替え時間等を用いて、回収開始予定時間や空キャリア発生予定時間を算出したが、対象となるウエーハの処理の進捗状況を、随時、装置状態監視部から取得し、その収集結果に基づいて、搬送間隔時間、ロット切り替え時間等を取得して回収開始予定時間や空キャリア発生予定時間を算出する構成であってもよい。また、本発明は、基本的に枚葉式処理装置を前提としているが、半導体製造装置内においてウエーハの追い越しが発生することがない半導体製造装置であれば枚葉式に限らず適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、半導体製造装置のスループット低下を防止することができるという効果を有し、半導体製造装置のキャリア交換方法およびキャリア交換装置として有用である。
【符号の説明】
【0084】
100 キャリア交換装置
101 装置状態監視部
102 基準情報管理部
103 比較部
104 交換キャリア検索部
105 回収キャリア検索部
106 指示部
107 半導体製造ライン
108 上位ホストコンピュータ
109 ネットワーク回線
110 半導体製造装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置を製造する半導体製造装置に適用されるキャリア交換方法であって、
半導体製造装置に仕掛り中のウエーハ枚数を取得する工程と、
半導体製造装置内のウエーハ搬送経路中に同時に滞在できるウエーハ枚数と、前記仕掛り中のウエーハ枚数とを比較する工程と、
前記仕掛り中のウエーハ枚数が、前記ウエーハ搬送経路中に同時に滞在可能なウエーハ枚数未満である場合、前記半導体製造装置のキャリアロードポート上の空キャリアと、未処理ウエーハを搭載した、キャリアロードポートへの搬入待機中の他のキャリアとの交換を要求する信号を発行する工程と、
前記交換要求信号にしたがって、前記空キャリアと前記他のキャリアとのキャリア交換を実行する工程と、
を有することを特徴とする、半導体製造装置のキャリア交換方法。
【請求項2】
前記交換要求信号を発行する工程は、
1のキャリアロードポート上のキャリアから最初に搬出されて前記半導体製造装置における処理が完了したウエーハがキャリアへ回収される予定時間と、他のキャリアロードポート上に空キャリアが発生する予定時間とに基づいて、前記1のキャリアロードポート上のキャリアの交換可否を判断する工程と、
キャリア交換が可能と判断された場合、前記最初に搬出されたウエーハの回収開始予定時間と、前記他のキャリアロードポート上の空キャリア発生予定時間とに基づいて、前記1のキャリアロードポート上のキャリアに搭載されていたウエーハの回収先となる、前記1のキャリアロードポート上のキャリアとは異なるキャリアの有無を判断する工程と、
回収先キャリアありと判断された場合、前記1のキャリアロードポート上のキャリアを交換対象とする前記交換要求信号を発行する工程と、
を有することを特徴とする、請求項1記載の半導体製造装置のキャリア交換方法。
【請求項3】
前記仕掛り中のウエーハ枚数は、キャリアロードポート上のキャリア内のウエーハおよび前記半導体製造装置内のウエーハ搬送経路中に滞在中のウエーハのうち、当該枚数取得時に、前記半導体製造装置における処理が完了していずれかのキャリアに回収されたウエーハと同一のキャリアに搭載されていたウエーハを除いた枚数である、請求項1または2記載の半導体製造装置のキャリア交換方法。
【請求項4】
前記仕掛り中のウエーハ枚数は、前記ウエーハ搬送経路中に同時に滞在可能なウエーハ枚数未満である条件を満足する範囲において、キャリアロードポートに未だ設置されていない搬入待機中キャリアに搭載されたウエーハ枚数を含む、請求項3記載の半導体製造装置のキャリア交換方法。
【請求項5】
前記ウエーハの回収開始予定時間および前記空キャリア発生予定時間は、前記半導体製造装置のキャリアロードポート上に空キャリアが発生した時点、およびいずれかのキャリアロードポート上のキャリアから最初に搬出されて前記半導体製造装置における処理が完了したウエーハがキャリアへ回収された時点に算出される、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体製造装置のキャリア交換方法。
【請求項6】
前記交換要求信号を発行する工程は、前記半導体製造装置の全キャリアロードポート上にキャリアが設置された状態、あるいは全キャリアロードポートへのキャリアの設置が確定した状態で実施される、請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体製造装置のキャリア交換方法。
【請求項7】
半導体装置を製造する半導体製造装置に適用されるキャリア交換装置であって、
半導体製造装置に仕掛り中のウエーハ枚数を取得する手段と、
半導体製造装置内のウエーハ搬送経路中に同時に滞在できるウエーハ枚数と、前記仕掛り中のウエーハ枚数とを比較する手段と、
前記仕掛り中のウエーハ枚数が、前記ウエーハ搬送経路中に同時に滞在可能なウエーハ枚数未満である場合、1のキャリアロードポート上のキャリアから最初に搬出されて前記半導体製造装置における処理が完了したウエーハがキャリアへ回収される予定時間と、他のキャリアロードポート上に空キャリアが発生する予定時間とに基づいて、前記1のキャリアロードポート上のキャリアの交換可否を判断する手段と、
キャリア交換が可能と判断された場合、前記最初に搬出されたウエーハの回収開始予定時間と、前記他のキャリアロードポート上の空キャリア発生予定時間とに基づいて、前記1のキャリアロードポート上のキャリアに搭載されていたウエーハの回収先キャリアの有無を判断する手段と、
回収先キャリアありと判断された場合、前記1のキャリアロードポート上の空キャリアと、未処理ウエーハを搭載した、キャリアロードポートへの搬入待機中の他のキャリアとの交換を半導体製造装置に指示する手段と、
を備えることを特徴とするキャリア交換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−258225(P2010−258225A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106745(P2009−106745)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】