説明

半導体集積回路およびそれを使用したデジタル放送受信装置

【課題】デジタル放送の受信電波環境の動的変化への対応を容易とすること。
【解決手段】受信部2と制御部3の機能を具備するデジタル放送受信装置100に使用可能な半導体集積回路である。受信部2は、アンテナ1のRF受信信号から放送データを抽出する。同期処理部31はパケットの同期データを検出して放送パケットデータを確定して、フィルタ部32はパケット識別子PIDに従ってパケットを選択して選択パケットの受信インターバルを検出して、データ抽出部33は選択パケットを抽出して、処理判定部34は検出した受信インターバルに従って選択パケットを復号処理デコーダ35、36、37に出力処理するか否かの判断を実行する。受信インターバルが所定の時間よりも短いことに応答して、処理判定部34によって選択パケットのデコーダへの出力処理の判断が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路およびそれを使用したデジタル放送受信装置に関し、特にデジタル放送の受信電波環境の動的変化への対応を容易とするのに有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送の画像と音声等のデジタルコンテンツデータは、トランスポートストーム(TS:Transport Stream)パケットと呼ばれる固定長のデータに変換されて放送局からデジタル放送受信装置に放送される。デジタル放送でも放送局からデジタル放送受信装置への転送は無線周波数(RF)の電波が使用されるので、電波環境の劣化によってデジタル放送受信装置で受信エラーが発生する。
【0003】
下記特許文献1には、TSパケットの処理の際に検出されるエラーとTSパケットがフィルタリングされた条件種とTSパケットの処理上の異常を含めたステータス情報とを、TSパケット毎にCPUに提示することが可能なデータ処理装置が記載されている。このデータ処理装置は、入力データの同期を確立する同期回路と、入力データから必要なデータを抽出して入力データの状態を検出するPIDフィルタと、入力データの状態を検出するフォーマッタと、検出データの状態を示すログを生成するログ生成回路と、ログをデータとともに出力する出力回路とを具備するものである。
【0004】
下記特許文献2には、TSパケットのどの種類にエラーが発生したのかによって異なる処理を行い、音声品質と映像品質とを両立できるデジタルデータ受信装置が記載されている。このデジタルデータ受信装置は、映像パケットと音声パケットとを識別するPIDフィルタリング部と、映像パケットのヘッダ情報からエラーパケットであるかを判断するトランスポートエラーインジケータ検出部と、エラーパケットと判断された映像パケットが所定の条件を満たす場合のみ映像パケットを削除する映像パケット削除部と、音声パケットのヘッダ情報からエラーパケットであるかを判断するトランスポートエラーインジケータ検出部と、エラーパケットと判断された音声パケットを削除する音声パケット削除部とを具備するものである。
【0005】
下記特許文献3には、階層伝送によって同一内容の番組が高品質の階層と低品質の階層で同時転送される場合に、煩雑な階層切り替えを低減して視聴者に安定して見やすい映像を提供することが可能なデジタル放送受信装置が記載されている。このデジタル放送受信装置は、高品質の階層と低品質の階層との受信階層の切り替えを判定するためのしきい値を映像信号と音声信号とで独立に設定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−156705号 公報
【特許文献2】特開2008−103852号 公報
【特許文献3】特開2007−174169号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、スマートフォン等のように、携帯電話の機能と携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)の機能とが融合した携帯端末が普及している。この端末装置を使用することによって、種々のデジタル放送を受信することが可能である。しかし、この端末装置が携帯型(モバイル型)であるために、電波環境が劣化した状況でも使用されるものとなる。
【0008】
一方、近年のモバイル端末が受信可能なデジタル放送では、受信電波環境の劣化は、しばらくすると改善される場合がある。モバイル端末を携帯した視聴者が地下やトンネルを移動中には受信電波環境が劣化するが、視聴者が地下やトンネルを出ると受信電波環境が改善される。
【0009】
一方、近年のモバイル端末が受信可能なデジタル放送では、テレビジョン放送以外のラジオ放送やデータ放送等では、静止画のみの放送、映像の動きの少ない放送、音声の無い放送、音声の少ない放送等と様々なデジタルコンテンツデータの組み合わせの形態の放送が考えられる。従って、映像情報と音声情報の複数のコンテンツのデジタル放送の番組の場合でも、映像情報が極めて少なくて大部分が音声情報のみの番組の場合には、視聴者が少しでも情報を得るためには音声情報に多少エラーがあっても音声情報を処理して出力して欲しい場合がある。
【0010】
上記特許文献1と上記特許文献2に記載の方法は、音声情報や映像情報等のそれぞれのエラー情報によりそれぞれのパケットデータの処理制御と出力制御とを判定するものである。しかし、この方法では受信電波環境の劣化と改善との間の動的変化が考慮されていないので、受信電波環境の動的変化に対応することが困難であると言う問題が、本発明に先立った本発明者等による検討によって明らかとされた。すなわち、この方法では受信電波環境の動的変化が考慮されていないので、映像や音声等の受信データが中断された場合等に受信エラーを高速で検出することができないと言うものである。
【0011】
一方、上記特許文献1と上記特許文献2とに記載の方法では、映像情報と音声情報の複数のコンテンツの1つのコンテンツ情報のエラーのみによってその出力制御の可否を判断しており、複数のコンテンツのその他のコンテンツ情報の状態に関しては考慮されていない。従って、この方法では、映像情報が極めて少なくて大部分が音声情報のみの番組の場合にも多少エラーがある音声情報も出力されないので、映像情報と音声情報との両方が中断された状態が維持されると言う問題が本発明に先立った本発明者等による検討によって明らかとされた。
【0012】
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等による検討の結果、なされたものである。
【0013】
従って、本発明の目的とするところは、デジタル放送の受信電波環境の動的変化への対応を容易とすることにある。
【0014】
また、本発明の他の目的とするところは、デジタル放送の複数のデジタルコンテンツデータのそれぞれの受信環境を総合的に判断して、複数のデジタルコンテンツデータの最適な出力制御を可能とすることにある。
【0015】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0017】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態は、受信部(2)と制御部(3)との機能を具備するデジタル放送受信装置(100)に使用可能な半導体集積回路である。
【0018】
前記受信部(2)の機能は、アンテナ(1)により受信されるRF受信信号から放送データの抽出を可能とする。
【0019】
前記制御部(3)の機能は、同期処理部(31)とフィルタ部(32)とデータ抽出部(33)と処理判定部(34)とデコーダ(35、36、37)との各機能とを含むものである。
【0020】
前記半導体集積回路には、少なくとも前記制御部(3)の前記同期処理部(31)と前記フィルタ部(32)と前記データ抽出部(33)と前記処理判定部(34)と前記デコーダ(35、36、37)の各記機能が集積化される。
【0021】
前記同期処理部(31)の前記機能は、前記受信部(2)から抽出される前記放送データのパケットの同期データを検出して放送パケットデータを確定する処理を実行する。
【0022】
前記フィルタ部(32)の前記機能は、前記同期処理部(31)から供給されるパケットから前記フィルタ部(32)に設定されるパケット識別子(PID)に従った選択パケットの選択と前記選択パケットの受信インターバルの検出とを実行する。
【0023】
前記データ抽出部(33)の前記機能は、前記フィルタ部(32)の前記選択に従った前記選択パケットの抽出を実行する。
【0024】
前記処理判定部(34)の前記機能は、前記フィルタ部(32)によって検出された前記受信インターバルに従って前記選択パケットを前記デコーダ(35、36、37)に出力処理するか否かの判断を実行する。
【0025】
前記デコーダ(35、36、37)の前記機能は、前記処理判定部(34)の前記機能によって出力処理と判断された前記選択パケットを再生出力装置(4)に出力可能な再生信号に復号処理して変換処理する(図1参照)。
【0026】
前記選択パケットの前記受信インターバルが所定の時間よりも短いことに応答して、前記処理判定部(34)の前記機能によって前記選択パケットの前記デコーダ(35、36、37)への出力処理の前記判断が決定されることを特徴とするものである(図9参照)。
【発明の効果】
【0027】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0028】
すなわち、本発明によれば、デジタル放送の受信電波環境の動的変化への対応を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100の構成を示す図である。
【図2】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータから、受信デジタルデータのエラー状態と受信パケットのインターバルとを検出する手順を示す図である。
【図3】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータの構成を示し、更に複数のパケットで1単位のデータが構成されることを示し、各種の受信デジタルデータのインターバルを示す図である。
【図4】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータから受信パケットのインターバルを検出するための検出回路の構成と検出の手順とを示す図である。
【図5】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータから受信パケットのインターバルを検出するための他の検出回路の構成と他の検出の手順とを示す図である。
【図6】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータから受信パケットのインターバルを検出するための他の検出回路の構成を示す図である。
【図7】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の音声と字幕の各放送データの有無から映像情報データの出力処理の判定条件を示すとともにデジタル放送の映像と字幕の各放送データの有無から音声情報データの出力処理の判定条件を示す図である。
【図8】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の番組中の各放送データの有無と各放送データのインターバルの状態を示す図である。
【図9】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100が映像と音声と字幕の各放送データの受信インターバルの状態から映像データを出力処理するか破棄処理するかを判断する手順を示す図である。
【図10】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100が映像と音声と字幕の各放送データのインターバルの状態と映像データのエラーレートとを総合的に判断して映像データを出力処理するか破棄処理するかを判断する手順を示す図である。
【図11】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100が映像と音声と字幕の各放送データのインターバルの状態と映像データのエラーレートとを総合的に判断して映像データを出力処理するか破棄処理するかを判断する他の手順を示す図である。
【図12】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の番組中の各放送データの有無を各放送データの受信インターバルの状態から判断する様子を示す図である。
【図13】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の映像と音声と字幕の各放送データのインターバル状態から現在時点の各データの有無の判定を行う判定条件を示す図である。
【図14】図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100が映像と字幕の各放送データのインターバルの状態と音声データのエラーレートとを総合的に判断して音声データを出力処理するか破棄処理するかを判断する手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
1.実施の形態の概要
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号は、それが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0031】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態は、受信部(2)と制御部(3)との機能を具備するデジタル放送受信装置(100)に使用可能な半導体集積回路である。
【0032】
前記受信部(2)の機能は、アンテナ(1)により受信されるRF受信信号から放送データの抽出を可能とする。
【0033】
前記制御部(3)の機能は、同期処理部(31)の機能とフィルタ部(32)の機能とデータ抽出部(33)の機能と処理判定部(34)の機能とデコーダ(35、36、37)の機能とを含むものである。
【0034】
前記半導体集積回路には、少なくとも前記制御部(3)の前記同期処理部(31)の前記機能と前記フィルタ部(32)の前記機能と前記データ抽出部(33)の前記機能と前記処理判定部(34)の前記機能と前記デコーダ(35、36、37)の前記機能とが集積化されている。
【0035】
前記同期処理部(31)の前記機能は、前記受信部(2)から抽出される前記放送データのパケットの同期データを検出することによって放送パケットデータを確定する処理を実行する。
【0036】
前記フィルタ部(32)の前記機能は、前記同期処理部(31)から供給されるパケットから前記フィルタ部(32)に設定されるパケット識別子(PID)に従った選択パケットの選択と前記選択パケットの受信インターバルの検出とを実行する。
【0037】
前記データ抽出部(33)の前記機能は、前記フィルタ部(32)の前記選択に従った前記選択パケットの抽出を実行する。
【0038】
前記処理判定部(34)の前記機能は、前記フィルタ部(32)によって検出された前記受信インターバルに従って前記選択パケットを前記デコーダ(35、36、37)に出力処理するか否かの判断を実行する。
【0039】
前記デコーダ(35、36、37)の前記機能は、前記処理判定部(34)の前記機能によって出力処理と判断された前記選択パケットを再生出力装置(4)に出力可能な再生信号に復号処理して変換処理する(図1参照)。
【0040】
前記選択パケットの前記受信インターバルが所定の時間よりも短いことに応答して、前記処理判定部(34)の前記機能によって前記選択パケットの前記デコーダ(35、36、37)への出力処理の前記判断が決定されることを特徴とするものである(図9参照)。
【0041】
前記実施の形態によれば、デジタル放送の受信電波環境の動的変化への対応を容易とすることができる。
【0042】
好適な実施の形態では、前記フィルタ部(32)の前記機能は、前記同期処理部(31)から供給される前記パケットから前記フィルタ部(32)に設定される他のパケット識別子(PID)に従った他の選択パケットの選択と前記他の選択パケットの他の受信インターバルの検出とを実行して、更に前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが他の所定の時間よりも短いか長いかの判断を実行する。
【0043】
前記選択パケットの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが検出され、前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも長いことが検出された場合には、前記処理判定部(34)の前記機能によって前記選択パケットの出力処理の例外判断が決定されることを特徴とするものである(図9参照)。
【0044】
他の好適な実施の形態では、前記選択パケットの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが検出され、前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも短いことが検出された場合には、前記処理判定部(34)の前記機能によって前記選択パケットの破棄処理の判断が決定されることを特徴とするものである(図9参照)。
【0045】
更に他の好適な実施の形態では、前記選択パケットとして映像データを選択するための映像パケット識別子(PIV_V)が前記パケット識別子として前記フィルタ部(32)に設定されることにより、前記フィルタ部(32)の前記機能は前記選択パケットとして前記映像データの選択と前記選択パケットとして前記映像データの前記受信インターバルの検出とを実行する。
【0046】
前記他の選択パケットとして音声データと字幕データとをそれぞれ選択するための音声パケット識別子(PIV_A)と字幕パケット識別子(PIV_J)とが前記他のパケット識別子として前記フィルタ部(32)に設定されることにより、前記フィルタ部(32)の前記機能は前記他の選択パケットとして前記音声データと前記字幕データとの選択と前記他の選択パケットとして前記音声データの受信インターバルおよび前記字幕データの受信インターバルの検出とを実行することを特徴とするものである(図9参照)。
【0047】
具体的な実施の形態は、前記デコーダ(35、36、37)の前記機能は、前記選択パケットとしての前記映像データを前記再生出力装置(4)に出力可能な映像信号に復号処理して変換処理する映像デコーダ(35)の機能と、前記他の選択パケットとしての前記音声データを前記再生出力装置(4)に出力可能な音声信号に復号処理して変換処理する音声デコーダ(36)の機能と、前記他の選択パケットとしての前記字幕データを前記再生出力装置(4)に出力可能な文字情報に復号処理して変換処理する文字デコーダ(37)の機能とを含むことを特徴とするものである(図1参照)。
【0048】
最も具体的な実施の形態は、前記フィルタ部(32)の前記機能による前記選択パケットの前記受信インターバルの前記検出には、前記半導体集積回路に内蔵されたタイマもしくはカウンタが使用されることを特徴とする(図4、図5、図6参照)。
【0049】
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態は、受信部(2)と制御部(3)との機能を具備するデジタル放送受信装置(100)に使用可能な半導体集積回路である。
【0050】
前記受信部(2)の機能は、アンテナ(1)により受信されるRF受信信号から放送データの抽出を可能とする。
【0051】
前記制御部(3)の機能は、同期処理部(31)の機能とフィルタ部(32)の機能とデータ抽出部(33)の機能と処理判定部(34)の機能とデコーダ(35、36、37)の機能とを含むものである。
【0052】
前記半導体集積回路には、少なくとも前記制御部(3)の前記同期処理部(31)の前記機能と前記フィルタ部(32)の前記機能と前記データ抽出部(33)の前記機能と前記処理判定部(34)の前記機能と前記デコーダ(35、36、37)の前記機能とが集積化されている。
【0053】
前記同期処理部(31)の前記機能は、前記受信部(2)から抽出される前記放送データのパケットの同期データを検出することによって放送パケットデータを確定する処理を実行する。
【0054】
前記フィルタ部(32)の前記機能は、前記同期処理部(31)から供給されるパケットから前記フィルタ部(32)に設定されるパケット識別子(PID)に従った選択パケットの選択と前記選択パケットの受信インターバルの検出とを実行する。
【0055】
前記データ抽出部(33)の前記機能は、前記フィルタ部(32)の前記選択に従った前記選択パケットの抽出と前記選択パケットのデータのエラー検出とを実行する。
【0056】
前記デコーダ(35、36、37)の前記機能は、前記処理判定部(34)の前記機能によって出力処理と判断された前記選択パケットを再生出力装置(4)に出力可能な再生信号に復号処理して変換処理する(図1参照)。
【0057】
前記処理判定部(34)の前記機能は、前記フィルタ部(32)によって検出された前記選択パケットの前記受信インターバルと前記データ抽出部(33)によって検出された前記選択パケットの前記エラー検出の状態とに応答して前記選択パケットを前記デコーダ(35、36、37)に出力処理するか否かの判断を実行することを特徴とするものである(図10参照)。
【0058】
前記実施の形態によれば、デジタル放送の受信電波環境の動的変化への対応を容易とすることができる。
【0059】
好適な実施の形態では、前記フィルタ部(32)の前記機能は、前記同期処理部(31)から供給される前記パケットから前記フィルタ部(32)に設定される他のパケット識別子(PID)に従った他の選択パケットの他の選択と前記他の選択パケットの他の受信インターバルの検出とを実行する。
【0060】
前記データ抽出部(33)の前記機能は、前記フィルタ部(32)の前記他の選択に従った前記他の選択パケットの抽出を実行する。
【0061】
前記処理判定部(34)の前記機能は、前記フィルタ部(32)によって検出された前記選択パケットの前記受信インターバルおよび前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルと前記データ抽出部(33)によって検出された前記選択パケットの前記エラー検出の状態とに応答して前記選択パケットを前記デコーダ(35、36、37)に出力処理するか否かの判断を実行することを特徴とするものである(図10参照)。
【0062】
他の好適な実施の形態では、前記選択パケットとして映像データを選択するための映像パケット識別子(PIV_V)が前記パケット識別子として前記フィルタ部(32)に設定されることにより、前記フィルタ部(32)の前記機能は前記選択パケットとしての前記映像データの選択と前記選択パケットとしての前記映像データの前記受信インターバルの検出とを実行する。
【0063】
前記他の選択パケットとして音声データおよび字幕データをそれぞれ選択するための音声パケット識別子(PIV_A)および字幕パケット識別子(PIV_J)が前記他のパケット識別子として前記フィルタ部(32)に設定されることにより、前記フィルタ部(32)の前記機能は前記他の選択パケットとしての前記音声データおよび前記字幕データとの他の選択と前記他の選択パケットとしての前記音声データおよび前記字幕データの他の受信インターバルの検出とを実行することを特徴とするものである(図10参照)。
【0064】
更に他の好適な実施の形態では、前記半導体集積回路の制御動作は、映像受信インターバル判定ステップ(S403)と、音声・字幕受信インターバル判定ステップ(S404、S409)と、映像データエラーレート判定ステップ(S405、S408、S410、S411)とを含む。
【0065】
前記映像受信インターバル判定ステップ(S403)は、前記選択パケットとしての前記映像データの前記受信インターバルが所定の時間よりも短いが長いかを判定する。
【0066】
前記音声・字幕受信インターバル判定ステップ(S404、S409)は、前記他の選択パケットとしての前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが他の所定の時間よりも短いが長いかを判定する。
【0067】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S405、S408、S410、S411)は、前記選択パケットとしての前記映像データの前記エラー検出により検出された前記映像データのエラーレートが基準値よりも小さいか大きいかを判定する。
【0068】
前記映像受信インターバル判定ステップ(S403)により前記映像データの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも短いことが判定され(S403のYes)、前記音声・字幕受信インターバル判定ステップ(S404)により前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも短いことが判定された場合に(S404のYes)、前記基準値として第1基準値(J%)が設定された前記映像データエラーレート判定ステップ(S405)により前記映像データの前記エラーレートが前記第1基準値(J%)よりも小さいか大きいが判定される。
【0069】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S405)により前記映像データの前記エラーレートが前記第1基準値(J%)よりも小さいことが検出された場合には(S405のYes)、前記処理判定部(34)の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの前記デコーダ(35、36、37)への出力処理(S406)が決定される。
【0070】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S405)により前記映像データの前記エラーレートが前記第1基準値(J%)よりも大きいことが検出された場合には(S405のNo)、前記処理判定部(34)の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの廃棄処理(S407)が決定される。
【0071】
前記映像受信インターバル判定ステップ(S403)により前記映像データの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも短いことが判定され(S403のYes)、前記音声・字幕受信インターバル判定ステップ(S404)により前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも長いことが判定された場合に(S404のNo)、前記基準値として第2基準値(K%)が設定された前記映像データエラーレート判定ステップ(S408)により前記映像データの前記エラーレートが前記第2基準値(K%)よりも小さいか大きいが判定される。
【0072】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S408)により前記映像データの前記エラーレートが前記第2基準値(K%)よりも小さいことが検出された場合には(S408のYes)、前記処理判定部(34)の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの前記デコーダ(35、36、37)への出力処理(S406)が決定される。
【0073】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S408)により前記映像データの前記エラーレートが前記第2基準値(K%)よりも大きいことが検出された場合には(S408のNo)、前記処理判定部(34)の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの廃棄処理(S407)が決定される。
【0074】
前記映像受信インターバル判定ステップ(S403)により前記映像データの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが判定され(S403のNo)、前記音声・字幕受信インターバル判定ステップ(S409)により前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも短いことが判定された場合に(S409のYes)、前記基準値として第3基準値(L%)が設定された前記映像データエラーレート判定ステップ(S410)により前記映像データの前記エラーレートが前記第3基準値(L%)よりも小さいか大きいが判定される。
【0075】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S410)により前記映像データの前記エラーレートが前記第3基準値(L%)よりも小さいことが検出された場合には(S410のYes)、前記処理判定部(34)の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの前記デコーダ(35、36、37)への出力処理(S406)が決定される。
【0076】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S410)により前記映像データの前記エラーレートが前記第3基準値(L%)よりも大きいことが検出された場合には(S410のNo)、前記処理判定部(34)の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの廃棄処理(S407)が決定される。
【0077】
前記映像受信インターバル判定ステップ(S403)により前記映像データの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが判定され(S403のNo)、前記音声・字幕受信インターバル判定ステップ(S409)により前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも長いことが判定された場合に(S409のNo)、前記基準値として第4基準値(M%)が設定された前記映像データエラーレート判定ステップ(S411)により前記映像データの前記エラーレートが前記第4基準値(M%)よりも小さいか大きいが判定される。
【0078】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S411)により前記映像データの前記エラーレートが前記第4基準値(M%)よりも小さいことが検出された場合には(S411のYes)、前記処理判定部(34)の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの前記デコーダ(35、36、37)への出力処理(S406)が決定される。
【0079】
前記映像データエラーレート判定ステップ(S411)により前記映像データの前記エラーレートが前記第4基準値(M%)よりも大きいことが検出された場合には(S411のNo)、前記処理判定部(34)の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの廃棄処理(S407)が決定されることを特徴とするものである(図10参照)。
【0080】
より好適な実施の形態では、前記第1基準値(J%)の値よりも前記第2基準値(K%)の値は大きな値に設定され、前記第3基準値(L%)の値よりも前記第4基準値(M%)の値は大きな値に設定されたことを特徴とするものである(図10参照)。
【0081】
他のより好適な実施の形態では、前記第2基準値(K%)の値は前記第3基準値(L%)の値と実質的に等しく設定されるかまたは前記第2基準値(K%)の値よりも前記第3基準値(L%)の値は大きな値に設定されたことを特徴とするものである(図10参照)。
【0082】
具体的な実施の形態は、前記デコーダ(35、36、37)の前記機能は、前記選択パケットとしての前記映像データを前記再生出力装置(4)に出力可能な映像信号に復号処理して変換処理する映像デコーダ(35)の機能と、前記他の選択パケットとしての前記音声データを前記再生出力装置(4)に出力可能な音声信号に復号処理して変換処理する音声デコーダ(36)の機能と、前記他の選択パケットとしての前記字幕データを前記再生出力装置(4)に出力可能な文字情報に復号処理して変換処理する文字デコーダ(37)の機能とを含むことを特徴とするものである(図1参照)。
【0083】
最も具体的な実施の形態は、前記フィルタ部(32)の前記機能による前記選択パケットの前記受信インターバルの前記検出には、前記半導体集積回路に内蔵されたタイマもしくはカウンタが使用されることを特徴とする(図4、図5、図6参照)。
【0084】
〔3〕本発明の更に別の観点の代表的な実施の形態は、半導体集積回路が使用され、受信部(2)と制御部(3)との機能を具備するデジタル放送受信装置(100)である。
【0085】
前記受信部(2)の機能は、アンテナ(1)により受信されるRF受信信号から放送データの抽出を可能とする。
【0086】
前記制御部(3)の機能は、同期処理部(31)の機能とフィルタ部(32)の機能とデータ抽出部(33)の機能と処理判定部(34)の機能とデコーダ(35、36、37)の機能とを含むものである。
【0087】
前記半導体集積回路には、少なくとも前記制御部(3)の前記同期処理部(31)の前記機能と前記フィルタ部(32)の前記機能と前記データ抽出部(33)の前記機能と前記処理判定部(34)の前記機能と前記デコーダ(35、36、37)の前記機能とが集積化されている。
【0088】
前記同期処理部(31)の前記機能は、前記受信部(2)から抽出される前記放送データのパケットの同期データを検出することによって放送パケットデータを確定する処理を実行する。
【0089】
前記フィルタ部(32)の前記機能は、前記同期処理部(31)から供給されるパケットから前記フィルタ部(32)に設定されるパケット識別子(PID)に従った選択パケットの選択と前記選択パケットの受信インターバルの検出とを実行する。
【0090】
前記データ抽出部(33)の前記機能は、前記フィルタ部(32)の前記選択に従った前記選択パケットの抽出を実行する。
【0091】
前記処理判定部(34)の前記機能は、前記フィルタ部(32)によって検出された前記受信インターバルに従って前記選択パケットを前記デコーダ(35、36、37)に出力処理するか否かの判断を実行する。
【0092】
前記デコーダ(35、36、37)の前記機能は、前記処理判定部(34)の前記機能によって出力処理と判断された前記選択パケットを再生出力装置(4)に出力可能な再生信号に復号処理して変換処理する(図1参照)。
【0093】
前記選択パケットの前記受信インターバルが所定の時間よりも短いことに応答して、前記処理判定部(34)の前記機能によって前記選択パケットの前記デコーダ(35、36、37)への出力処理の前記判断が決定されることを特徴とするものである(図9参照)。
【0094】
前記実施の形態によれば、デジタル放送の受信電波環境の動的変化への対応を容易とすることができる。
【0095】
好適な実施の形態では、前記フィルタ部(32)の前記機能は、前記同期処理部(31)から供給される前記パケットから前記フィルタ部(32)に設定される他のパケット識別子(PID)に従った他の選択パケットの選択と前記他の選択パケットの他の受信インターバルの検出とを実行して、更に前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが他の所定の時間よりも短いか長いかの判断を実行する。
【0096】
前記選択パケットの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが検出され、前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも長いことが検出された場合には、前記処理判定部(34)の前記機能によって前記選択パケットの出力処理の例外判断が決定されることを特徴とするものである(図9参照)。
【0097】
他の好適な実施の形態では、前記選択パケットの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが検出され、前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも短いことが検出された場合には、前記処理判定部(34)の前記機能によって前記選択パケットの破棄処理の判断が決定されることを特徴とするものである(図9参照)。
【0098】
更に他の好適な実施の形態では、前記選択パケットとして映像データを選択するための映像パケット識別子(PIV_V)が前記パケット識別子として前記フィルタ部(32)に設定されることにより、前記フィルタ部(32)の前記機能は前記選択パケットとして前記映像データの選択と前記選択パケットとして前記映像データの前記受信インターバルの検出とを実行する。
【0099】
前記他の選択パケットとして音声データと字幕データとをそれぞれ選択するための音声パケット識別子(PIV_A)と字幕パケット識別子(PIV_J)とが前記他のパケット識別子として前記フィルタ部(32)に設定されることにより、前記フィルタ部(32)の前記機能は前記他の選択パケットとして前記音声データと前記字幕データとの選択と前記他の選択パケットとして前記音声データの受信インターバルおよび前記字幕データの受信インターバルの検出とを実行することを特徴とするものである(図9参照)。
【0100】
具体的な実施の形態は、前記デコーダ(35、36、37)の前記機能は、前記選択パケットとしての前記映像データを前記再生出力装置(4)に出力可能な映像信号に復号処理して変換処理する映像デコーダ(35)の機能と、前記他の選択パケットとしての前記音声データを前記再生出力装置(4)に出力可能な音声信号に復号処理して変換処理する音声デコーダ(36)の機能と、前記他の選択パケットとしての前記字幕データを前記再生出力装置(4)に出力可能な文字情報に復号処理して変換処理する文字デコーダ(37)の機能とを含むことを特徴とするものである(図1参照)。
【0101】
最も具体的な実施の形態は、前記フィルタ部(32)の前記機能による前記選択パケットの前記受信インターバルの前記検出には、前記半導体集積回路に内蔵されたタイマもしくはカウンタが使用されることを特徴とする(図4、図5、図6参照)。
【0102】
2.実施の形態の詳細
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【0103】
[実施の形態1]
《デジタル放送受信装置の構成》
図1は、本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100の構成を示す図である。
【0104】
図1に示すデジタル放送受信装置100は、地上波テレビ放送や地上波ラジオ放送を携帯電話や携帯情報端末(PDA)によって受信する装置であって、放送局からの放送電波を受信して放送番組の映像と音声とを出力することが可能である。
【0105】
図1に示すデジタル放送受信装置100は、アンテナ1と受信部2と制御部3と出力部4とを具備する。アンテナ1は、ラジオ放送やテレビ放送やデータ放送の放送波を受信する。受信部2はアンテナ1によって受信されたRF受信信号から放送データを抽出する処理を実行するチューナー等の装置である。制御部3は受信部2から出力される放送データのデータ処理を実行することによって、音声データや映像データや字幕データや制御情報等の情報を生成する。出力部4は液晶表示装置(LCD)等の映像表示装置やスピーカ等の音声出力装置であり、視聴者に映像情報と字幕情報と音声情報の提示(プレゼンテーション)を実行するものである。
【0106】
《制御部の構成》
次に、制御部3の構成を、説明する。
【0107】
図1に示す制御部3は、同期処理部31とPIDフィルタ部32とデータ抽出部33と処理判定部34とを含んでいる。
【0108】
同期処理部31は、受信部2から抽出される音声データや映像データや字幕データや制御情報等のデータのパケットの同期データを検出してパケットデータを確定する処理を実行する。
【0109】
PIDフィルタ部32は、パケットデータからパケット識別子(PID:Packet Identifier)のデータを抽出するとともに、タイマ等を使用することによってパケットデータの受信間隔等の時間監視処理を実行する。すなわち、PIDフィルタ部32では放送データから所望の放送番組のデータが選択されるように、複数のPIDフィルタに音声パケット識別子(PID_A)と映像パケット識別子(PID_V)と字幕パケット識別子(PID_J)と制御情報パケット識別子(PID_S)が設定される。更に、PIDフィルタ部32の複数のPIDフィルタは、各パケットデータの受信間隔時間の監視のために音声タイマ(タイマ_A)と映像タイマ(タイマ_V)と字幕タイマ(タイマ_J)と制御情報タイマ(タイマ_S)を含むものである。
【0110】
データ抽出部33は、PIDフィルタ部32の複数のPIDフィルタでの選択に従って、PIDフィルタ部31のパケットデータから音声データや映像データや字幕データや制御情報等の情報データを抽出するとともに、音声データや映像データや字幕データや制御情報等のデータのエラー検出を実行する。すなわち、データ抽出部33は、音声データ抽出部(Aデータ抽出)と映像データ抽出部(Vデータ抽出)と字幕データ抽出部(Jデータ抽出)と制御情報データ抽出部(Sデータ抽出)と、音声エラー検出部(Aエラー検出)と映像エラー検出部(Vエラー検出)と字幕エラー検出部(Jエラー検出)と制御情報エラー検出部(Sエラー検出)を含むものである。
【0111】
従って、PIDフィルタ部32の複数のPIDフィルタとデータ抽出部33の複数のデータ抽出部とは、設定されたパケット識別子(PID)に従って選択したパケットデータの抽出を実行する。
【0112】
処理判定部34はPIDフィルタ部32の複数のPIDフィルタからの受信パケットのインターバル(受信パケットデータの受信間隔時間)とデータ抽出部33の複数のデータ抽出部からのエラー情報とに応答して、データ抽出部33での抽出情報データをオーディオデコーダ(Aデコーダ)35と映像デコーダ(Vデコーダ)36と文字デコーダ(Jデコーダ)37と出力部4とに出力処理するかそれとも破棄処理するかの判断を実行するものである。
【0113】
オーディオデコーダ(Aデコーダ)35は、処理判定部34で出力処理と判定されたデジタル音声データを出力部4に出力可能な音声信号に復号処理して変換処理する。
【0114】
映像デコーダ(Vデコーダ)36は、処理判定部34で出力処理と判定されたデジタル映像データを出力部4に出力可能な映像信号に復号処理して変換処理する。
【0115】
文字デコーダ(Jデコーダ)37は、処理判定部34で出力処理と判定されたデジタル文字データを出力部4に出力可能な文字情報に復号処理して変換処理する。
【0116】
尚、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100の制御部3の同期処理部31とPIDフィルタ部32とデータ抽出部33と処理判定部34とオーディオデコーダ(Aデコーダ)35と映像デコーダ(Vデコーダ)36と文字デコーダ(Jデコーダ)37とは、大規模半導体集積回路(LSI:Large Scale Integrated circuits)の半導体チップに集積化されている。例えば、同期処理部31とPIDフィルタ部32とデータ抽出部33と処理判定部34とは半導体チップに集積化された中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)のソフトウェア処理によって実現される一方、オーディオデコーダ(Aデコーダ)35と映像デコーダ(Vデコーダ)36と文字デコーダ(Jデコーダ)37とは半導体チップに集積化された専用ハードウェアによってそれぞれ実現されている。
【0117】
《受信のエラーおよびインターバルの検出》
図2は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータから、受信デジタルデータのエラー状態と受信パケットのインターバルとを検出する手順を示す図である。
【0118】
図2のステップS101では、デジタル放送受信装置100は放送波の受信を開始するので、アンテナ1と受信部2とを経由して放送の受信デジタルデータが制御部3に供給され、制御部3は受信デジタルデータの検出を開始して更に受信デジタルデータのエラー状態と受信デジタルデータとしての受信パケットのインターバル(受信パケットデータの受信間隔時間)の検出を開始する。
【0119】
図3は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータの構成を示し、更に複数のパケットで1単位のデータが構成されることを示し、各種の受信デジタルデータのインターバルを示す図である。
【0120】
制御部3に供給される受信デジタルデータは図3(A)に示すようにMPEG-2(Moving Picture Experts Group-2)等のパケット構成を採用したデータの連続となっており、映像(V)や音声(A)や字幕(J)や制御情報(S)等がそれぞれのパケットに格納されている。受信デジタルデータであるパケットデータは、同期データ(sync_ byte)と、送信エラー指標データ(transport_ error_ indicator)と、データ開始指標データ(payload_ unit_ start_ indicator)と、パケット識別子(PID)と、連続性指標データ(continuity_ counter)等のパケット情報を含むパケットヘッダと、実際の映像(V)や音声(A)や字幕(J)や制御情報(S)等のデータを含んだ情報データから構成されている。
【0121】
図2のステップS102では、受信デジタルデータが制御部3の同期処理部31に供給されると、同期処理部31はパケットヘッダ情報の同期データを検出して、受信パケットの切れ目を検出してそれぞれの受信パケットの確定する同期処理を行う。
【0122】
図2のステップS103では、同期処理を受けた受信デジタルデータはPIDフィルタ部32に供給され、それぞれのパケット識別子(PID)のデータ識別が実行される。映像(V)や音声(A)や字幕(J)や制御情報(S)の受信デジタルデータのデータ識別は、パケットヘッダ情報のパケット識別子(PID)の値が映像(V)と音声(A)と字幕(J)と制御情報(S)とにそれぞれ相違した値に指定されているので、この相違したパケット識別子(PID)の値により識別されることが可能である。例えば、図1のPIDフィルタ部32の音声PIDフィルタに音声パケット識別子(PID_A)が設定されているので、音声PIDフィルタは供給されたパケットデータから音声パケット識別子(PID_A)の値を持ったパケットを識別して処理する。このようにして、音声データのパケットデータが抽出されることが可能となる。
【0123】
図2のステップS103のデータ識別の処理と略同時に図2のステップS104では、PIDフィルタ部32の音声タイマ(タイマ_A)と映像タイマ(タイマ_V)と字幕タイマ(タイマ_J)と制御情報タイマ(タイマ_S)での検出処理によって、映像(V)と音声(A)と字幕(J)と制御情報(S)の各受信デジタルデータである受信パケットのインターバル(受信パケットデータの受信間隔時間)が検出される。
【0124】
図2のステップS104によって検出されるインターバルは図2(C)に示したように、例えば映像(V)の受信パケットデータの受信インターバルであれば、映像(V)のパケットデータの受信開始と次の映像(V)のパケットデータの受信開始との間の時間間隔を検出することで算出される。従って、音声(A)の受信パケットデータの受信インターバルであれば、音声(A)のパケットデータの受信開始と次の音声(A)のパケットデータの受信開始との間の時間間隔を検出することで算出される。また、字幕(J)と制御情報(S)についても、同様である。
【0125】
図4は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータから受信パケットのインターバルを検出するための検出回路の構成と検出の手順とを示す図である。
【0126】
受信パケットのインターバルを検出するために、例えば図4(A)に示したように制御部3のCPUタイマが使用される。このCPUタイマには、CPUに内蔵されるウォッチドックタイマ等を使用することが可能である。
【0127】
音声タイマ(タイマ_A)と映像タイマ(タイマ_V)と字幕タイマ(タイマ_J)と制御情報タイマ(タイマ_S)の各タイマは制御部3のCPUのタイマにタイムアウト時間を設定して、CPUの実際の時間が設定時間になったらタイムアウト通知を実行することで、受信パケットのインターバルを検出する。
【0128】
図4(B)のフローチャートを、説明する。ステップS201で受信パケットのインターバルの検出を開始すると、ステップS202でCPUタイマにタイムアウト通知の時間が設定される。従って、CPUタイマは設定時間が経過するとタイムアウト通知を実行する。タイムアウトの設定時間の設定の後に、ステップS203で該当するデータが受信されたかを判断して、受信された場合には、ステップS202に戻りCPUタイマにタイムアウト時間を再設定する。データが順調に受信されていれば、ステップS204でのタイムアウト通知は実行されずに、ステップS202でのタイマの再設定を繰り返すのみである。
【0129】
ステップS203で該当するデータが受信されずにステップS204でタイムアウトの通知が実行された場合には、ステップS205でタイムアウト状態と判断して、現在該当するデータが受信されていないことを検出する。この場合にも、ステップS202に戻りCPUタイマにタイムアウト時間を再設定する。
【0130】
図4(B)のフローチャートによれば、最新の該当データが受信された時点の時刻と、タイムアウト設定の時間と、タイムアウトの連続繰り返し回数とから、前回のデータ受信時刻と受信インターバルの時間が検出可能であり、映像(V)と音声(A)と字幕(J)と制御情報(S)のそれぞれのデータについてこの検出を実行することで、放送データのインターバルが検出可能となる。特に、番組マップ情報(PMT:Program Map Table)等の放送番組の制御情報(S)は所定のインターバルで出力されなければならないものであり、放送休止等で突然中断しための放送データの不連続かを判断する場合にも、図4(B)のフローチャートの検出方法で検出することが可能である。
【0131】
図5は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータから受信パケットのインターバルを検出するための他の検出回路の構成と他の検出の手順とを示す図である。
【0132】
受信インターバルの検出のための他の検出回路は、例えば図5(A)に示したように制御部3のフリーランカウンタを使用するものである。すなわち、フリーランカウンタのカウンタ値を取得してカウンタ値の差分の計算によって、インターバル時間を検出するものである。
【0133】
図5(B)のフローチャートを、説明する。ステップS301で受信パケットのインターバルの検出を開始すると、ステップS302で該当するデータが受信されたかを判断して、受信された場合には、ステップS303でフリーランカウンタのカウンタ値を取得して、保持する。
【0134】
ステップS304で受信パケットが該当するデータかを判定して、該当するデータであれば、ステップS305で該当するデータを前回取得した時点の前回のカウンタ値(前回のステップS303)と今回のカウンタ値(今回のステップS303)との差分から受信データのインターバルの時間を計算する。
【0135】
ステップS306で、受信データのインターバルの時間がタイムアウトか否かを判断する。タイムアウトで無い場合は、引き続きパケットデータが受信した時点で、ステップS302〜ステップS306の処理を実行する。ステップS306で受信データのインターバルの時間が該当するデータのタイムアウトの時間を超過していることが判定されると、ステップS307でタイムアウトの状態と判断して、現在ではこの放送データが受信されていないことを検出して、同様にステップS302〜ステップS307の処理を実行することで放送データのインターバルの時間を検出することが可能である。
【0136】
図6は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の放送パケットデータから受信パケットのインターバルを検出するための他の検出回路の構成を示す図である。
【0137】
図6(A)に示したインターバル検出回路は、図1のPIDフィルタ部32の複数のPIDフィルタである音声タイマ(タイマ_A)と映像タイマ(タイマ_V)と字幕タイマ(タイマ_J)と制御情報タイマ(タイマ_S)の各タイマに、図4で説明したCPUタイマを使用するものである。従って、図6(A)のインターバル検出回路は複数のCPUタイマを必要とするものであるが、システムlSIに内蔵可能なウォッチドックタイマ等とCPUタイマは1個か2個程度が限界である。従って、図6(A)のインターバル検出回路に示したように、音声タイマ(タイマ_A)と映像タイマ(タイマ_V)と字幕タイマ(タイマ_J)と制御情報タイマ(タイマ_S)の4個のタイマに、CPUタイマを使用することは困難なことが多い。
【0138】
それに対して図6(B)に示したインターバル検出回路では、音声タイマ(タイマ_A)と映像タイマ(タイマ_V)と字幕タイマ(タイマ_J)と制御情報タイマ(タイマ_S)は1個のフリーランカウンタを参照するだけなので、共通で1個のフリーランカウンタを使用することができ、図6(A)のように複数のCPUタイマを使用することなく実現できるという利点がある。しかし、図6(B)に示したインターバル検出回路は、図5で説明したフリーランカウンタのカウンタ値を取得してカウンタ値の差分の計算によってインターバル時間を検出するものである。従って、図6(B)に示したインターバル検出回路はフリーランカウンタを参照する参照時間間隔によってインターバル時間検出の精度が決定されるので、インターバル時間検出の精度が必要な放送データの検出にはそれほど好適ではない。
【0139】
従って、図6(C)に示したインターバル検出回路は、インターバル時間検出の精度がそれほど必要でない音声タイマ(タイマ_A)と映像タイマ(タイマ_V)と字幕タイマ(タイマ_J)とに関しては1個のフリーランカウンタを参照してインターバル時間の検出を実行する一方、精度が必要な制御情報タイマ(タイマ_S)に関しては図4で説明したCPUタイマを使用してインターバル時間の検出を実行するものである。その結果、図6(C)に示したインターバル検出回路は、CPUタイマやフリーランカウンタの使用個数を抑制する一方、各放送データのタイムアウト時間やインターバル時間を必要な精度で検出することが可能になる。
【0140】
尚、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100のPIDフィルタ部31では、2個の制御情報タイマ(タイマ_S)が示されているが、更に多数の制御情報タイマ(タイマ_S)を含むことが可能である。それによって、番組関連テーブル(PAT:Program Association Table)と、ネットワーク情報テーブル(NIT:Network Information Table)と、番組マップ情報(PMT:Program Map Table)と、イベント情報テーブル(EIT:Event Information Table)等の種々の放送制御情報のタイムアウト時間やインターバル時間を必要な精度で検出することが可能になる。更に、音声タイマ(タイマ_A)と映像タイマ(タイマ_V)と字幕タイマ(タイマ_J)と制御情報タイマ(タイマ_S)では、それぞれの受信データの種類によってインターバルのタイムアウトの設定時間を変更することが可能である。すなわち、制御情報(S)や映像データ(V)等のように頻繁に受信されるデータの場合はタイムアウト設定時間や判定時間の時間間隔を短く設定して、字幕データ(J)等の頻繁に受信されないデータの場合にはこの時間間隔を長く設定することによって検出処理の負荷を軽減することができる。
【0141】
図2のインターバルの時間検出の手順に戻ると、ステップS105においては、図1のデータ抽出部33は、各受信パケットデータのヘッダ情報からエラー状態の抽出を実行する。図3(A)に示したように、パケットヘッダ情報は送信エラー指標データと連続性指標データとを含んでおり、これらの情報からエラーの発生を検出することが可能である。すなわち、送信エラー指標データにより送信時のデータエラーパケットが検出されることが可能であり、受信時に受信パケットデータの欠落が発生した場合には連続性指標データのカウンタの値が連続しないことで、受信エラー検出を可能としている。例えば、図3(B)に示したように、映像データを構成する複数のパケットデータのいくつのパケットにエラーが発生しているかが判断されることが可能である。すなわち、図3(B)の例では、5個の受信映像パケットは、映像情報の1単位(1ピクチャ分など)のデータを構成している。従って、5個の受信映像パケットの1個でパケットエラーが発生していた場合には、1単位中のエラー状態である映像エラーレートは20%と検出することが可能である。
【0142】
ステップS106では、図1のデータ抽出部33の映像(V)や音声(A)や字幕(J)や制御情報(S)のそれぞれのデータ抽出部分はパケットヘッダ以外の情報データを特定して、ステップS107では情報データ部分と上述したエラー状態を処理判定部34に出力する。
【0143】
以上のようにして、図2に示した手順によって受信デジタルデータのエラー状態と受信パケットのインターバルとを検出して、受信データの状態をより正確に把握することが可能となる。
【0144】
《抽出データの出力処理/破棄処理》
次に、上述のように検出された受信データのエラー状態と受信パケットのインターバルの状態に応答して処理判定部34が実行するデータ抽出部33の抽出情報データの出力処理と破棄処理との判断動作に関して、以下に説明する。
【0145】
最初に、受信データに含まれる番組マップ情報(PMT)等の放送制御情報と、データ抽出部33で検出されるエラー状態としての各データのエラーレートとから、処理判定部34が実行する抽出情報データの出力処理/破棄処理の制御を実行する方法について説明する。
【0146】
例えば上記特許文献2に記載された処理方法では、音声の出力の場合には、音声のエラー状態のみを検出して、音声データを出力するかもしくは破棄するかを判定している。しかし、放送番組の状況によっては、音声データにエラーが有ってもなるべく音声データを出力して欲しい場合と、反対に少しでも音声データにエラーが有る場合は音声データを出力しないで欲しい場合とがある。例えば、映像情報が動きの少ないまたは動きの無い静止画や場合の放送では、視聴者に伝達される大部分の情報が音声になってしまうので、音声情報に多少エラーがあっても音声情報を出力する方が少しでも情報が伝達されるので視聴者は助かるものである。また、音声情報以外に字幕情報等が受信されている場合は、字幕情報で音声情報を代用できるので、その場合には逆にエラーがある音声情報は出力して欲しくない等が想定される。
【0147】
一方、放送制御情報の受信データには放送番組のデータ状況を知らせる情報が含まれており、例えば番組マップ情報(PMT)等には、映像(V)と音声(A)と字幕(J)等の情報が放送データに含まれているかを示す情報が含まれ、放送番組に含まれる各種データのパケット識別子(PID)が記述してある。従って、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100では、この放送制御情報と、上述した受信データのエラー状態と受信パケットのインターバルの状態に応答して抽出情報データの出力処理と破棄処理との判断動作を実行するものである。
【0148】
図7は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の音声と字幕の各放送データの有無から映像情報データの出力処理の判定条件を示すとともにデジタル放送の映像と字幕の各放送データの有無から音声情報データの出力処理の判定条件を示す図である。
【0149】
図7(A)に示すように、映像情報データの出力処理の判定の場合には、音声の情報の有無と字幕の情報の有無も考慮に入れて、映像情報出力時の映像エラーのエラーレートの基準を4つの場合に分割して設定して、それぞれの映像エラーのエラーレートに従って映像データを出力処理するか破棄処理するかを判断するものである。
【0150】
図7(A)の例では、音声情報と字幕情報とが無い場合には映像情報のみとなってしまうため、かなりの映像エラーがあっても映像情報を可能な限り出力処理するように、図7(A)の右下の欄「エラー出力A%以下で出力」のA%のAの値をかなり大きく設定する。
【0151】
逆に、音声情報と字幕情報がある場合には、映像情報以外の音声情報と字幕情報とが視聴者に伝達されるので、映像エラーが多く視聴困難な映像情報を可能な限り破棄処理するように、図7(A)の左上の欄「エラー出力D%以下で出力」のD%のDの値を小さく設定する。
【0152】
一方、情報量の少ない字幕情報があるが情報量の多い音声情報が無い場合には、多少の映像エラーがあっても映像情報を可能な限り出力処理するように、図7(A)の右上の欄「エラー出力B%以下で出力」のB%のBの値を比較的大きく設定する。
【0153】
また、情報量の多い音声情報があるが情報量の少ない字幕情報が無い場合には、映像エラーが少なく視聴容易な映像情報を可能な限り出力処理するように、図7(A)の左下の欄「エラー出力C%以下で出力」のC%のCの値を比較的小さく設定する。
【0154】
従って、図7(A)に示した4つの欄のエラーレートA、B、C、Dの大小関係は、A≧B≧C≧Dの順序となる。
【0155】
図7(B)に示すように、音声情報データの出力処理の判定の場合には、映像の情報の有無と字幕の情報の有無も考慮に入れて、音声情報出力時の音声エラーのエラーレートの基準を4つの場合に分割して設定して、それぞれの音声エラーのエラーレートに従って音声データを出力処理するか破棄処理するかを判断するものである。
【0156】
図7(B)の例では、映像情報と字幕情報とが無い場合には音声情報のみとなってしまうため、かなりの音声エラーがあっても音声情報を可能な限り出力処理するように、図7(B)の右下の欄「エラー出力E%以下で出力」のE%のEの値をかなり大きく設定する。
【0157】
逆に、映像情報と字幕情報がある場合には、音声情報以外の映像情報と字幕情報とが視聴者に伝達されるので、音声エラーが多く視聴困難な音声情報を可能な限り破棄処理するように、図7(B)の左上の欄「エラー出力H%以下で出力」のH%のHの値を小さく設定する。
【0158】
一方、情報量の少ない字幕情報があるが情報量の多い映像情報が無い場合には、多少の音声エラーがあっても音声情報を可能な限り出力処理するように、図7(B)の右上の欄「エラー出力F%以下で出力」のF%のFの値を比較的大きく設定する。
【0159】
また、情報量の多い映像情報があるが情報量の少ない字幕情報が無い場合には、音声エラーが少なく視聴容易な音声情報を可能な限り出力処理するように、図7(B)の左下の欄「エラー出力G%以下で出力」のG%のGの値を比較的小さく設定する。
【0160】
従って、図7(B)に示した4つの欄のエラーレートE、F、G、Hの大小関係は、E≧F≧G≧Hの順序となる。
【0161】
以上説明したように、図7に示した抽出情報データの出力処理と破棄処理との判断動作によれば、映像(V)と音声(A)と字幕(J)等の複数の放送データの受信環境を総合的に判断して、複数の放送データの最適な出力制御を実行することが可能となる。
【0162】
次に、図1の本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100のPIDフィルタ部32とデータ抽出部33とからそれぞれ得られる受信インターバルと受信データのエラー状態としての複数の放送データのエラーレートとからデータ抽出部33の抽出情報データの出力処理と破棄処理との判断動作を実行する方法について説明する。この方法は、図7で説明した映像と音声と字幕との各放送データの有無を示す放送制御情報と各放送データのエラーの状態とに応答して出力処理か破棄処理かを判断する方式よりも更に正確な制御となるものである。
【0163】
図8は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の番組中の各放送データの有無と各放送データのインターバルの状態とを示す図である。
【0164】
図8に示したように、例えば、番組のデータが映像と音声と字幕とを含む放送であると想定する。一方、図7で説明した各放送データの有無を示す放送制御情報を基に出力処理か破棄処理かを判定する方法では、映像と音声と字幕の有無を番組中に各放送データが含まれているかを判断するだけなので、全ての期間で全ての放送データの情報が受信されるとして判断することになる。
【0165】
ところが、実際は、図8の期間T1のように字幕の放送データが完全に受信不可能な期間も存在するため、図7で説明した方法は現在時点での放送データの実際の状況に対応した正確な出力制御にはならない。特に、字幕の放送データはいつ受信可能となるか予測困難である。また、番組構成によっては、映像や音声の情報に関しても、途中で存在しない場合が十分想定されることである。
【0166】
以下に説明する方法は、現在時点の放送データの状況を、IDフィルタ部32とデータ抽出部33とからそれぞれ得られる受信インターバルと受信データのエラー状態としての複数の放送データのエラーレートとを組み合わせて出力制御か破棄処理かを判断するものである。
【0167】
図9は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100が映像と音声と字幕の各放送データの受信インターバルの状態から映像データを出力処理するか破棄処理するかを判断する手順を示す図である。
【0168】
図9のステップS301で映像出力判定処理が開始されると映像データのエラーレートを判断することなく、ステップS303において映像データの受信インターバルの状態を検出して、映像データが所定の期間内に受信されている場合には、ステップS306で映像データを出力する。
【0169】
一方、ステップS303のインターバル検出において映像データが所定の期間内に受信されていないことが検出された場合には映像データにエラーがあると判断して、ステップS309の音声データと字幕データの受信インターバル検出にて音声データと字幕データとが所定の期間内に受信されていることが検出された場合にはステップS307で映像データを破棄する。
【0170】
一方、ステップS309で音声データと字幕データが所定の期間内に受信されていないことが検出された場合には、映像情報と音声情報と字幕情報との全てが破棄処理されると視聴者が困るので、例外的にステップS306で映像データを出力する。以上のようにして、ステップ312で、判定処理を終了する。
【0171】
このように、図9で説明した映像データの出力処理と破棄処理との判断手順は、映像と音声と字幕との各放送データの受信インターバルの状態のみで判断して処理するものである。以上のようにして、図9で説明した手順によれば、現在時点での放送データの実際の状況に対応した正確な出力制御を実行することが可能となる。
【0172】
図10は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100が映像と音声と字幕の各放送データのインターバルの状態と映像データのエラーレートとを総合的に判断して映像データを出力処理するか破棄処理するかを判断する手順を示す図である。
【0173】
図10のステップS401では、図1の処理判定部34にデータ抽出部33から映像データ(V)と映像データのエラーの状態(エラーレート)とが供給されPIDフィルタ部32から映像(V)と音声(A)と字幕(J)と各放送データの受信インターバルの状態が供給され、映像出力の判定処理が開始される。
【0174】
ステップS402では映像データ(V)にエラーがあるかが判断されて、映像データ(V)にエラーが無い場合には無条件にステップS406で映像データ(V)を出力すると判断して、ステップS412にて判定処理を終了する。
【0175】
ステップS402で映像データ(V)にエラーがあることが検出された場合には、ステップS403で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定期間内に受信されているかが判定される。
【0176】
図12は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の番組中の各放送データの有無を各放送データの受信インターバルの状態から判断する様子を示す図である。
【0177】
図12に示したように映像データ(V)の受信頻度が低い場合には、映像データ(V)が静止画等である状況が想定される。
【0178】
図12に示した太矢印線の非受信期間は、受信インターバルの状態から判断する。この判断は、図12の下に示したように、映像(V)のパケットデータが受信された後に非受信状態と判断するための設定インターバル時間内に次の映像(V)のパケットデータが受信されない場合には、非受信期間であると判断するものである。
【0179】
従って、図12に示した太矢印線の非受信期間は、同一の静止画である映像(V)が長期間表示される可能性がある。従って、映像(V)にエラーがある場合にはエラー画像が長期間表示されることになるので、更新期間の長い映像データの場合には可能なかぎりエラー画像を出力しないようにする。反対に更新期間の短い静止画や動画の場合には、映像(V)に多少エラーがあっても可能なかぎりエラー画像を出力するように制御する。
【0180】
図13は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100によって受信されるデジタル放送の映像と音声と字幕の各放送データのインターバル状態から現在時点の各データの有無の判定を行う判定条件を示す図である。
【0181】
図10のステップS403で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定の期間内に受信されることが検出されると、ステップS404で音声データ(A)と字幕データ(J)の受信インターバルの状態から現在時点の音声データ(A)や字幕データ(J)が所定の期間内に受信されているかが判断される。
【0182】
図10に示した判断手順で、受信インターバルの状態から現在時点の映像データ(V)と音声データ(A)と字幕データ(J)の各放送データが所定の期間内に受信されているか否かの判断は、図13に示したように各データの非受信状態の時間が所定の設定インターバル時間を超過する場合に現在時点で各放送データは所定の期間内に受信されていないと判断することができる。
【0183】
図10に示した判断手順では、ステップS402で映像データ(V)にエラーがあることが検出され、ステップS403で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定の期間内に受信されることが検出され、ステップS404で音声データ(A)と字幕データ(J)が所定の期間内に受信されることが検出された場合には、ステップS405で映像データ(V)のエラーの状態であるエラーレートがJ%以下かを判断して、映像エラーレートがJ%以下の場合にはステップS406で映像情報データの出力処理を実行して、映像エラーレートがJ%を超過する場合にはステップS407で映像情報データの破棄処理を実行して、ステップS412で処理判定を終了するものである。
【0184】
ステップS403で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定の期間内に受信されることが検出され、ステップS404で音声データ(A)と字幕データ(J)が所定の期間内に受信されないことが検出された場合には、ステップS408で映像データ(V)のエラーの状態であるエラーレートがK%以下かを判断して、映像エラーレートがK%以下の場合にはステップS406で映像情報データの出力処理を実行して、映像エラーレートがK%を超過する場合にはステップS407で映像情報データの破棄処理を実行して、ステップS412で処理判定を終了する。尚、ステップS408の判断基準のエラーレートK%の数値は、ステップS405の判断基準のエラーレートJ%の数値よりも大きな値に設定されているので、J<Kの関係が成立する。
【0185】
ステップS403で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定の期間内に受信されないことが検出された場合には、ステップS409で音声データ(A)と字幕データ(J)の受信インターバルの状態から現在時点の音声データ(A)や字幕データ(J)が所定の期間内に受信されているかが判断される。
【0186】
ステップS409で音声データ(A)と字幕データ(J)が所定の期間内に受信されることが検出された場合には、ステップS410で映像データ(V)のエラーの状態であるエラーレートがL%以下かが判断されて、映像エラーレートがL%以下の場合にはステップS406で映像情報データの出力処理を実行して、映像エラーレートがL%を超過する場合にはステップS407で映像情報データの破棄処理を実行して、ステップS412で処理判定を終了するものである。尚、ステップS410の判断基準のエラーレートL%の数値は、ステップS408の判断基準のエラーレートK%の数値と略等しいかまたはこの数値よりも大きな値に設定されているので、K≒Lの関係またはK<Lの関係が成立する。
【0187】
ステップS409で音声データ(A)と字幕データ(J)とが所定の期間内に受信されないことが検出された場合には、ステップS411で映像データ(V)のエラーの状態であるエラーレートがM%以下かが判断され、映像エラーレートがM%以下の場合にはステップS406で映像情報データの出力処理を実行して、映像エラーレートがM%を超過する場合にはステップS407で映像情報データの破棄処理を実行して、ステップS412で処理判定を終了するものである。尚、ステップS411の判断基準のエラーレートM%の数値は、ステップS410の判断基準のエラーレートL%の数値よりも大きな値に設定されているので、L<Mの関係が成立する。
【0188】
また、図10に示した判断手順では、ステップS405とステップS408とステップS410とステップS411の少なくともいずれかに図7(A)に説明した映像データ(V)の出力処理か破棄処理かの判断方法を採用することも可能である。
【0189】
図11は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100が映像と音声と字幕の各放送データのインターバルの状態と映像データのエラーレートとを総合的に判断して映像データを出力処理するか破棄処理するかを判断する他の手順を示す図である。
【0190】
図11に示す判断手順が、図10に示した判断手順と相違するのは、図10に含まれていたステップS402での映像データ(V)にエラーの有無判定の動作が図11で省略されている点である。
【0191】
その他の点に関しては、図11に示す判断手順は、図10に示した判断手順と全く同一であるので、説明を省略する。
【0192】
図14は、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100が映像と字幕の各放送データのインターバルの状態と音声データのエラーレートとを総合的に判断して音声データを出力処理するか破棄処理するかを判断する手順を示す図である。
【0193】
図14のステップS501では、図1の処理判定部34にデータ抽出部33から音声データ(A)と音声データのエラーの状態(エラーレート)とが供給されPIDフィルタ部32から映像(V)と音声(A)と字幕(J)と各放送データの受信インターバルの状態が供給され、音声出力の判定処理が開始される。
【0194】
ステップS502では音声データ(A)にエラーがあるかが判断されて、音声データ(A)にエラーが無い場合には無条件にステップS506で音声データ(A)を出力すると判断して、ステップS512にて判定処理を終了する。
【0195】
ステップS502で音声データ(A)にエラーがあることが検出された場合には、ステップS503で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定期間内に受信されているかが判定される。
【0196】
ステップS503で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定の期間内に受信されることが検出されると、ステップS504で字幕データ(J)の受信インターバルの状態から現在時点の字幕データ(J)が所定の期間内に受信されているかが判断される。受信インターバルの状態から現在時点の映像データ(V)と字幕データ(J)の各放送データが所定の期間内に受信されているか否かの判断は、図13に示したように各データの非受信状態の時間が所定の設定インターバル時間を超過する場合に現在時点で各放送データは所定の期間内に受信されていないと判断することができる。
【0197】
図14に示した判断手順では、ステップS502で音声データ(A)にエラーがあることが検出され、ステップS503で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定の期間内に受信されることが検出され、ステップS504で字幕データ(J)が所定の期間内に受信されることが検出された場合には、ステップS505で音声データ(A)のエラーの状態であるエラーレートがN%以下かを判断して、音声エラーレートがN%以下の場合にはステップS506で音声情報データの出力処理を実行して、音声エラーレートがN%を超過する場合にはステップS507で音声情報データの破棄処理を実行して、ステップS512で処理判定を終了するものである。
【0198】
ステップS503で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定の期間内に受信されることが検出され、ステップS504で字幕データ(J)が所定の期間内に受信されないことが検出された場合には、ステップS508で音声データ(A)のエラーの状態であるエラーレートがP%以下かを判断して、音声エラーレートがP%以下の場合にはステップS506で音声情報データの出力処理を実行して、音声エラーレートがP%を超過する場合にはステップS507で音声情報データの破棄処理を実行して、ステップS512では処理判定を終了する。尚、ステップS508の判断基準のエラーレートP%の数値は、ステップS505の判断基準のエラーレートN%の数値よりも大きな値に設定されているので、N<Pの関係が成立する。
【0199】
ステップS503で受信インターバルの状態から映像データ(V)が所定の期間内に受信されないことが検出された場合には、ステップS509で字幕データ(J)の受信インターバルの状態から現在時点の字幕データ(J)が所定の期間内に受信されているかが判断される。
【0200】
ステップS509で字幕データ(J)が所定の期間内に受信されることが検出された場合には、ステップS510で音声データ(A)のエラーの状態であるエラーレートがQ%以下かが判断されて、音声エラーレートがQ%以下の場合にはステップS506で音声情報データの出力処理を実行して、音声エラーレートがQ%を超過する場合にはステップS507で音声情報データの破棄処理を実行して、ステップS512で処理判定を終了するものである。尚、ステップS510の判断基準のエラーレートQ%の数値は、ステップS508の判断基準のエラーレートP%の数値と略等しいかまたはこの数値よりも大きな値に設定されているので、P≒Qの関係またはP<Qの関係が成立する。
【0201】
ステップS509で字幕データ(J)が所定の期間内に受信されないことが検出された場合には、ステップS511で音声データ(A)のエラーの状態であるエラーレートがR%以下かが判断され、音声エラーレートがR%以下の場合にはステップS506で音声情報データの出力処理を実行して、音声エラーレートがR%を超過する場合にはステップS507で音声情報データの破棄処理を実行して、ステップS512で処理判定を終了するものである。尚、ステップS511の判断基準のエラーレートR%の数値は、ステップS510の判断基準のエラーレートQ%の数値よりも大きな値に設定されているので、Q<Rの関係が成立する。
【0202】
また、図14に示した判断手順では、ステップS505とステップS508とステップS510とステップS511の少なくともいずれかに図7(B)に説明した音声データ(A)の出力処理か破棄処理かの判断方法を採用することも可能である。
【0203】
更に、図14に示した判断手順では、図11に示す判断手順と同様にステップS502での音声データ(A)にエラーの有無判定の動作を省略することが可能である。
【0204】
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0205】
例えば、図1に示した本発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置100では、同期処理部31とPIDフィルタ部32とデータ抽出部33と処理判定部34とは半導体チップに集積化された中央処理ユニット(CPU)のソフトウェア処理によってインプリメンテーションされる以外に、各部はそれぞれ専用ハードウェアによってそれぞれ構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0206】
100…デジタル放送受信装置
1…アンテナ
2…受信部
3…制御部
4…出力部
31…同期処理部
32…PIDフィルタ部
33…データ抽出部
34…処理判定部
35…オーディオデコーダ(Aデコーダ)
36…映像デコーダ(Vデコーダ)
37…文字デコーダ(Jデコーダ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信部と制御部との機能を具備するデジタル放送受信装置に使用可能な半導体集積回路であって、
前記受信部の機能は、アンテナにより受信されるRF受信信号から放送データの抽出を可能として、
前記制御部の機能は、同期処理部の機能とフィルタ部の機能とデータ抽出部の機能と処理判定部の機能とデコーダの機能とを含むものであり、
前記半導体集積回路には、少なくとも前記制御部の前記同期処理部の前記機能と前記フィルタ部の前記機能と前記データ抽出部の前記機能と前記処理判定部の前記機能と前記デコーダの前記機能とが集積化され、
前記同期処理部の前記機能は、前記受信部から抽出される前記放送データのパケットの同期データを検出することによって放送パケットデータを確定する処理を実行して、
前記フィルタ部の前記機能は、前記同期処理部から供給されるパケットから前記フィルタ部に設定されるパケット識別子に従った選択パケットの選択と前記選択パケットの受信インターバルの検出とを実行して、
前記データ抽出部の前記機能は、前記フィルタ部の前記選択に従った前記選択パケットの抽出を実行して、
前記処理判定部の前記機能は、前記フィルタ部によって検出された前記受信インターバルに従って前記選択パケットを前記デコーダに出力処理するか否かの判断を実行して、
前記デコーダの前記機能は、前記処理判定部の前記機能によって出力処理と判断された前記選択パケットを再生出力装置に出力可能な再生信号に復号処理して変換処理して、
前記選択パケットの前記受信インターバルが所定の時間よりも短いことに応答して、前記処理判定部の前記機能によって前記選択パケットの前記デコーダへの出力処理の前記判断が決定される
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記フィルタ部の前記機能は、前記同期処理部から供給される前記パケットから前記フィルタ部に設定される他のパケット識別子に従った他の選択パケットの選択と前記他の選択パケットの他の受信インターバルの検出とを実行して、更に前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが他の所定の時間よりも短いか長いかの判断を実行して、
前記選択パケットの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが検出され、前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも長いことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能によって前記選択パケットの出力処理の例外判断が決定される
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項3】
請求項2において、
前記選択パケットの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが検出され、前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも短いことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能によって前記選択パケットの破棄処理の判断が決定される
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項4】
請求項3において、
前記選択パケットとして映像データを選択するための映像パケット識別子が前記パケット識別子として前記フィルタ部に設定されることにより、前記フィルタ部の前記機能は前記選択パケットとして前記映像データの選択と前記選択パケットとして前記映像データの前記受信インターバルの検出とを実行して、
前記他の選択パケットとして音声データと字幕データとをそれぞれ選択するための音声パケット識別子と字幕パケット識別子とが前記他のパケット識別子として前記フィルタ部に設定されることにより、前記フィルタ部の前記機能は前記他の選択パケットとして前記音声データと前記字幕データとの選択と前記他の選択パケットとして前記音声データの受信インターバルおよび前記字幕データの受信インターバルの検出とを実行する
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項5】
請求項4において、
前記デコーダの前記機能は、前記選択パケットとしての前記映像データを前記再生出力装置に出力可能な映像信号に復号処理して変換処理する映像デコーダの機能と、前記他の選択パケットとしての前記音声データを前記再生出力装置に出力可能な音声信号に復号処理して変換処理する音声デコーダの機能と、前記他の選択パケットとしての前記字幕データを前記再生出力装置に出力可能な文字情報に復号処理して変換処理する文字デコーダの機能とを含む
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項6】
請求項5において、
前記フィルタ部の前記機能による前記選択パケットの前記受信インターバルの前記検出には、前記半導体集積回路に内蔵されたタイマもしくはカウンタが使用される
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項7】
受信部と制御部との機能を具備するデジタル放送受信装置に使用可能な半導体集積回路であって、
前記受信部の機能は、アンテナにより受信されるRF受信信号から放送データの抽出を可能として、
前記制御部の機能は、同期処理部の機能とフィルタ部の機能とデータ抽出部の機能と処理判定部の機能とデコーダの機能とを含むものであり、
前記半導体集積回路には、少なくとも前記制御部の前記同期処理部の前記機能と前記フィルタ部の前記機能と前記データ抽出部の前記機能と前記処理判定部の前記機能と前記デコーダの前記機能とが集積化され、
前記同期処理部の前記機能は、前記受信部から抽出される前記放送データのパケットの同期データを検出することによって放送パケットデータを確定する処理を実行して、
前記フィルタ部の前記機能は、前記同期処理部から供給されるパケットから前記フィルタ部に設定されるパケット識別子に従った選択パケットの選択と前記選択パケットの受信インターバルの検出とを実行して、
前記データ抽出部の前記機能は、前記フィルタ部の前記選択に従った前記選択パケットの抽出と前記選択パケットのデータのエラー検出とを実行して、
前記デコーダの前記機能は、前記処理判定部の前記機能によって出力処理と判断された前記選択パケットを再生出力装置に出力可能な再生信号に復号処理して変換処理して、
前記処理判定部の前記機能は、前記フィルタ部によって検出された前記選択パケットの前記受信インターバルと前記データ抽出部によって検出された前記選択パケットの前記エラー検出の状態とに応答して前記選択パケットを前記デコーダに出力処理するか否かの判断を実行する
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項8】
請求項7において、
前記フィルタ部の前記機能は、前記同期処理部から供給される前記パケットから前記フィルタ部に設定される他のパケット識別子に従った他の選択パケットの他の選択と前記他の選択パケットの他の受信インターバルの検出とを実行して、
前記データ抽出部の前記機能は、前記フィルタ部の前記他の選択に従った前記他の選択パケットの抽出を実行して、
前記処理判定部の前記機能は、前記フィルタ部によって検出された前記選択パケットの前記受信インターバルおよび前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルと前記データ抽出部によって検出された前記選択パケットの前記エラー検出の状態とに応答して前記選択パケットを前記デコーダに出力処理するか否かの判断を実行する
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項9】
請求項8において、
前記選択パケットとして映像データを選択するための映像パケット識別子が前記パケット識別子として前記フィルタ部に設定されることにより、前記フィルタ部の前記機能は前記選択パケットとしての前記映像データの選択と前記選択パケットとしての前記映像データの前記受信インターバルの検出とを実行して、
前記他の選択パケットとして音声データおよび字幕データをそれぞれ選択するための音声パケット識別子および字幕パケット識別子が前記他のパケット識別子として前記フィルタ部に設定されることにより、前記フィルタ部の前記機能は前記他の選択パケットとしての前記音声データおよび前記字幕データとの他の選択と前記他の選択パケットとしての前記音声データおよび前記字幕データの他の受信インターバルの検出とを実行する
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項10】
請求項9において、
前記半導体集積回路の制御動作は、映像受信インターバル判定ステップと、音声・字幕受信インターバル判定ステップと、映像データエラーレート判定ステップとを含み、
前記映像受信インターバル判定ステップは、前記選択パケットとしての前記映像データの前記受信インターバルが所定の時間よりも短いが長いかを判定して、
前記音声・字幕受信インターバル判定ステップは、前記他の選択パケットとしての前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが他の所定の時間よりも短いが長いかを判定して、
前記映像データエラーレート判定ステップは、前記選択パケットとしての前記映像データの前記エラー検出により検出された前記映像データのエラーレートが基準値よりも小さいか大きいかを判定して、
前記映像受信インターバル判定ステップにより前記映像データの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも短いことが判定され、前記音声・字幕受信インターバル判定ステップにより前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも短いことが判定された場合に、前記基準値として第1基準値が設定された前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第1基準値よりも小さいか大きいが判定され、
前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第1基準値よりも小さいことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの前記デコーダへの出力処理が決定され、
前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第1基準値よりも大きいことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの廃棄処理が決定され、
前記映像受信インターバル判定ステップにより前記映像データの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも短いことが判定され、前記音声・字幕受信インターバル判定ステップにより前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも長いことが判定された場合に、前記基準値として第2基準値が設定された前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第2基準値よりも小さいか大きいが判定され、
前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第2基準値よりも小さいことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの前記デコーダへの出力処理が決定され、
前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第2基準値よりも大きいことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの廃棄処理が決定され、
前記映像受信インターバル判定ステップにより前記映像データの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが判定され、前記音声・字幕受信インターバル判定ステップにより前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも短いことが判定された場合に、前記基準値として第3基準値が設定された前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第3基準値よりも小さいか大きいが判定され、
前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第3基準値よりも小さいことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの前記デコーダへの出力処理が決定され、
前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第3基準値よりも大きいことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの廃棄処理が決定され、
前記映像受信インターバル判定ステップにより前記映像データの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが判定され、前記音声・字幕受信インターバル判定ステップにより前記音声データおよび前記字幕データの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも長いことが判定された場合に、前記基準値として第4基準値が設定された前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第4基準値よりも小さいか大きいが判定され、
前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第4基準値よりも小さいことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの前記デコーダへの出力処理が決定され、
前記映像データエラーレート判定ステップにより前記映像データの前記エラーレートが前記第4基準値よりも大きいことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能により前記選択パケットとしての前記映像データの廃棄処理が決定される
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項11】
請求項10において、
前記第1基準値の値よりも前記第2基準値の値は大きな値に設定され、前記第3基準値の値よりも前記第4基準値の値は大きな値に設定される
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項12】
請求項11において、
前記第2基準値の値は前記第3基準値の値と実質的に等しく設定されるかまたは前記第2基準値の値よりも前記第3基準値の値は大きな値に設定される
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項13】
請求項12において、
前記デコーダの前記機能は、前記選択パケットとしての前記映像データを前記再生出力装置に出力可能な映像信号に復号処理して変換処理する映像デコーダの機能と、前記他の選択パケットとしての前記音声データを前記再生出力装置に出力可能な音声信号に復号処理して変換処理する音声デコーダの機能と、前記他の選択パケットとしての前記字幕データを前記再生出力装置に出力可能な文字情報に復号処理して変換処理する文字デコーダの機能とを含む
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項14】
請求項13において、
前記フィルタ部の前記機能による前記選択パケットの前記受信インターバルの前記検出には、前記半導体集積回路に内蔵されたタイマもしくはカウンタが使用される
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項15】
半導体集積回路が使用され、受信部と制御部との機能を具備するデジタル放送受信装置であって、
前記受信部の機能は、アンテナにより受信されるRF受信信号から放送データの抽出を可能として、
前記制御部の機能は、同期処理部の機能とフィルタ部の機能とデータ抽出部の機能と処理判定部の機能とデコーダの機能とを含むものであり、
前記半導体集積回路には、少なくとも前記制御部の前記同期処理部の前記機能と前記フィルタ部の前記機能と前記データ抽出部の前記機能と前記処理判定部の前記機能と前記デコーダの前記機能とが集積化され、
前記同期処理部の前記機能は、前記受信部から抽出される前記放送データのパケットの同期データを検出することによって放送パケットデータを確定する処理を実行して、
前記フィルタ部の前記機能は、前記同期処理部から供給されるパケットから前記フィルタ部に設定されるパケット識別子に従った選択パケットの選択と前記選択パケットの受信インターバルの検出とを実行して、
前記データ抽出部の前記機能は、前記フィルタ部の前記選択に従った前記選択パケットの抽出を実行して、
前記処理判定部の前記機能は、前記フィルタ部によって検出された前記受信インターバルに従って前記選択パケットを前記デコーダに出力処理するか否かの判断を実行して、
前記デコーダの前記機能は、前記処理判定部の前記機能によって出力処理と判断された前記選択パケットを再生出力装置に出力可能な再生信号に復号処理して変換処理して、
前記選択パケットの前記受信インターバルが所定の時間よりも短いことに応答して、前記処理判定部の前記機能によって前記選択パケットの前記デコーダへの出力処理の前記判断が決定される
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項16】
請求項15において、
前記フィルタ部の前記機能は、前記同期処理部から供給される前記パケットから前記フィルタ部に設定される他のパケット識別子に従った他の選択パケットの選択と前記他の選択パケットの他の受信インターバルの検出とを実行して、更に前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが他の所定の時間よりも短いか長いかの判断を実行して、
前記選択パケットの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが検出され、前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも長いことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能によって前記選択パケットの出力処理の例外判断が決定される
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項17】
請求項16において、
前記選択パケットの前記受信インターバルが前記所定の時間よりも長いことが検出され、前記他の選択パケットの前記他の受信インターバルが前記他の所定の時間よりも短いことが検出された場合には、前記処理判定部の前記機能によって前記選択パケットの破棄処理の判断が決定される
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項18】
請求項17において、
前記選択パケットとして映像データを選択するための映像パケット識別子が前記パケット識別子として前記フィルタ部に設定されることにより、前記フィルタ部の前記機能は前記選択パケットとして前記映像データの選択と前記選択パケットとして前記映像データの前記受信インターバルの検出とを実行して、
前記他の選択パケットとして音声データと字幕データとをそれぞれ選択するための音声パケット識別子と字幕パケット識別子とが前記他のパケット識別子として前記フィルタ部に設定されることにより、前記フィルタ部の前記機能は前記他の選択パケットとして前記音声データと前記字幕データとの選択と前記他の選択パケットとして前記音声データの受信インターバルおよび前記字幕データの受信インターバルの検出とを実行する
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項19】
請求項18において、
前記デコーダの前記機能は、前記選択パケットとしての前記映像データを前記再生出力装置に出力可能な映像信号に復号処理して変換処理する映像デコーダの機能と、前記他の選択パケットとしての前記音声データを前記再生出力装置に出力可能な音声信号に復号処理して変換処理する音声デコーダの機能と、前記他の選択パケットとしての前記字幕データを前記再生出力装置に出力可能な文字情報に復号処理して変換処理する文字デコーダの機能とを含む
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項20】
請求項19において、
前記フィルタ部の前記機能による前記選択パケットの前記受信インターバルの前記検出には、前記半導体集積回路に内蔵されたタイマもしくはカウンタが使用される
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−38500(P2013−38500A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171025(P2011−171025)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】