説明

半透過型液晶表示装置、位相変調素子、露光方法、及び位相変調素子の製造方法

【課題】 外光の反射光の位相を均一にする半透過型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】
第1の方向に透過軸を有する照明側偏光板19、照明側偏光板19の上方にストライプ状に配置された複数の反射鏡17A, 17B, 17C、複数の反射鏡17A, 17B, 17Cのそれぞれの上方においてリタデーションが光の波長の1/4であり、複数の反射鏡17A, 17B, 17Cの隙間の上方においてリタデーションが光の波長の1/2である液晶層13、複数の反射鏡17A, 17B, 17Cのそれぞれの垂直方向上方に配置された、それぞれリタデーションが光の波長の1/4である複数の位相シフタ5A, 5B, 5Cであり、それぞれ膜厚の最小値が最大値の95%以上100%未満である複数の位相シフタ5A, 5B, 5C、及び複数の位相シフタ5A, 5B, 5Cの上方に配置され、第1の方向に対して垂直な方向に透過軸を有する表示側偏光板10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置に関し、特に半透過型液晶表示装置、位相変調素子、露光方法、及び位相変調素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半透過型液晶表示装置においては、バックライトの上方に1/2波長板と1/4波長板が配置され、1/4波長板の上方に複数の反射鏡がストライプ状に配置されていた。そのためバックライトから放射され、複数の反射鏡でバックライトに向けて反射された照明光は1/2波長板に吸収されるという問題があった。これに対し、バックライトと複数の反射鏡の間に1/4波長板を設けず、複数の反射鏡のそれぞれの垂直方向上方のみに、それぞれリタデーションが1/4波長である複数の位相シフタを設けた半透過型液晶表示装置が提案された(例えば、特許文献1参照。)。提案された装置によれば、複数の反射鏡のそれぞれで反射された照明光が1/2波長板に吸収されないため再利用が可能となる。ここで複数の位相シフタのそれぞれのリタデーションは膜厚に依存するため、複数の位相シフタのそれぞれの膜厚は均一であることが望ましい。しかし複数の反射鏡のそれぞれの上方のみに配置される位相シフタは微細であるために製造が困難であり、膜厚が不均一であった。したがって外部から半透過型液晶表示装置に進入し、複数の反射鏡のそれぞれで反射された外光の位相が位相シフタを透過する際に不均一になるという問題があった。
【特許文献1】特開2005-338256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、外光の反射光の位相を均一にする半透過型液晶表示装置、位相変調素子、露光方法、及び位相変調素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の特徴は、(イ)第1の方向に透過軸を有する照明側偏光板と、(ロ)照明側偏光板の上方にストライプ状に配置された複数の反射鏡と、(ハ)複数の反射鏡のそれぞれの上方においてリタデーションが光の波長の1/4であり、複数の反射鏡の隙間の上方においてリタデーションが光の波長の1/2である液晶層と、(ニ)複数の反射鏡のそれぞれの垂直方向上方に配置された、それぞれリタデーションが光の波長の1/4である複数の位相シフタであり、それぞれ膜厚の最小値が最大値の95%以上100%未満である複数の位相シフタと、(ホ)複数の位相シフタの上方に配置され、第1の方向に対して垂直な方向に透過軸を有する表示側偏光板とを備える半透過型液晶表示装置であることを要旨とする。
【0005】
本発明の第2の特徴は、(イ)第1の方向に透過軸を有する照明側偏光板と、(ロ)照明側偏光板の上方にストライプ状に配置された複数の反射鏡と、(ハ)複数の反射鏡のそれぞれの上方においてリタデーションが光の波長の1/4であり、複数の反射鏡の隙間の上方においてリタデーションが光の波長の1/2である液晶層と、(ニ)複数の反射鏡のそれぞれの垂直方向上方に配置された、それぞれリタデーションが光の波長の1/2である複数の位相シフタであり、それぞれ膜厚の最小値が最大値の95%以上100%未満である複数の位相シフタと、(ホ)複数の位相シフタの上方に配置され、第1の方向に対して垂直な方向に透過軸を有する表示側偏光板とを備える半透過型液晶表示装置であることを要旨とする。
【0006】
本発明の第3の特徴は、(イ)透明基板と、(ロ)透明基板上に配置された複数の位相シフタであり、それぞれ膜厚の最小値が最大値の95%以上100%未満である複数の位相シフタとを備える位相変調素子であることを要旨とする。
【0007】
本発明の第4の特徴は、(イ)基板上に重合性液晶分子を含むレジスト液を塗布し、基板上にレジスト膜を形成するステップと、(ロ)レジスト膜に対して150μm以下の間隔をおいてフォトマスクを配置するステップと、(ハ)フォトマスクを用いてレジスト膜を選択的に露光し、重合性液晶分子を重合させるステップとを含む露光方法であることを要旨とする。
【0008】
本発明の第5の特徴は、(イ)基板上に重合性液晶分子を含むレジスト液を塗布し、基板上にレジスト膜を形成するステップと、(ロ)レジスト膜を70℃以上の温度でプリベークするステップと、(ハ)フォトマスクを用いてレジスト膜を選択的に露光し、重合性液晶分子を重合させるステップとを含む露光方法であることを要旨とする。
【0009】
本発明の第6の特徴は、(イ)基板上に重合性液晶分子を含むレジスト液を塗布し、基板上にレジスト膜を形成するステップと、(ロ)フォトマスクを用いてレジスト膜を選択的に露光し、重合性液晶分子を重合させるステップと、(ハ)150ml/min以上の流速で流れる現像液でレジスト膜を現像して、重合した重合性液晶分子を含み、光の位相をシフトさせる位相シフタを基板上に形成するステップとを含む位相変調素子の製造方法であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外光の反射光の位相を均一にする半透過型液晶表示装置、位相変調素子、露光方法、及び位相変調素子の製造方法を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置は、図1及びA-A方向から見た断面図である図2に示すように、第1の方向(以下、Y方向とする)に透過軸を有する照明側偏光板19、照明側偏光板19の上方にストライプ状に配置された複数の反射鏡17A, 17B, 17C、及び複数の反射鏡17A〜17Cのそれぞれの上方においてリタデーションが光の波長の1/4であり、複数の反射鏡17A〜17Cの隙間の上方においてリタデーションが光の波長の1/2である液晶層13を備える。さらに半透過型液晶表示装置は、複数の反射鏡17A〜17Cのそれぞれの垂直方向上方に配置された、それぞれリタデーションが光の波長の1/4である複数の位相シフタ5A, 5B, 5C、及び複数の位相シフタ5A〜5Cの上方に配置され、Y方向に対して垂直なX方向に透過軸を有する表示側偏光板10を備える。
【0013】
図2に示すように、照明側偏光板19の下方にはバックライトモジュール120が配置されている。バックライトモジュール120は、照明光を放射する光源37、光源37から放射された照明光を照明側偏光板19に向けて均一に放射するための導光板20、及び導光板20から照明側偏光板19の反対に向かって放射された照明光を反射する照明光反射板21を備える。
【0014】
Y方向に透過軸を有し、光を直線偏光にする照明側偏光板19上には、照明側基板18が配置されている。照明側基板18はホウケイ酸ガラス等の光学的に等方性である透明材料からなる。照明側基板18上に複数の反射鏡17A〜17Cが配置されている。図1に示すように、複数の反射鏡17A〜17CはX方向に延伸している。複数の反射鏡17A〜17Cのそれぞれはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、又はアルミニウムと銀の合金等の反射率の高い金属からなる。一つの画素において、例えば反射鏡17Aが存在する部分が反射表示領域となり、照明側基板18上の反射鏡17Aと反射鏡17Bとの隙間が透過表示領域となる。また図2に示すように、照明側基板18上には複数の反射鏡17A〜17Cを覆うように、絶縁膜54が配置されている。絶縁膜54はアクリル樹脂等の光学的に等方性である透明材料からなる。絶縁膜54上には、X方向に延伸する複数のX方向電極214A, 214B, 214C…が配置されている。複数のX方向電極214A〜214Cのそれぞれは、酸化インジウムスズ(ITO: Indium Tin Oxide)等の透明な導電性材料からなる。
【0015】
さらに絶縁膜54上には、複数のX方向電極214A〜214Cを覆うように照明側配向膜53が配置されている。照明側配向膜53の表面には、X方向に延伸する複数の微細な溝がラビング処理等により設けられている。照明側配向膜53はポリイミド、ポリアミド、及びポリビニルアルコール等の光学的に等方性である透明材料からなる。照明側配向膜53の上方には、表示側配向膜52が配置されている。Y方向において表示側配向膜52の形状は矩形波状に屈折している。ここで、複数の反射鏡17A〜17Cのそれぞれの上方における照明側配向膜53と表示側配向膜52との間隔を反射領域上間隔TRとし、複数の反射鏡17A〜17Cの隙間の上方における照明側配向膜53と表示側配向膜52との間隔を透過領域上間隔TIとすると、透過領域上間隔TIは反射領域上間隔TRの2倍である。表示側配向膜52の表面には、Y方向に延伸する複数の微細な溝がラビング処理等により設けられている。表示側配向膜52もポリイミド、ポリアミド、及びポリビニルアルコール等の光学的に等方性である透明材料からなる。
【0016】
照明側配向膜53と表示側配向膜52との間に、ネマティック液晶分子を含む液晶層13が保持されている。液晶層13に電圧が印加されていない状態では、液晶層13中の液晶分子はXY平面と平行に配向している。なお照明側配向膜53の表面近傍では照明側配向膜53表面の複数の溝に沿って液晶分子はX方向に配向し、表示側配向膜52の表面近傍では表示側配向膜52表面の複数の溝に沿って液晶分子はY方向に配向している。そのため、液晶分子は液晶層13内で90°にねじれている。液晶層13の屈折率異方性、反射領域上間隔TR、及び透過領域上間隔TIは、複数の反射鏡17A〜17Cのそれぞれの上方において、電圧を印加されていない液晶層13のリタデーションが光の波長の1/4となり、複数の反射鏡17A〜17Cの隙間の上方において、電圧を印加されていない液晶層13のリタデーションが光の波長の1/2となるよう設定されている。XY平面に垂直なZ方向に電圧が印加されると、液晶層13内の液晶分子はZ方向に立ち上がる。そのため透過する光の偏光状態を液晶層13は変調しなくなる。
【0017】
表示側配向膜52上には、Y方向に延伸し、ITO等の透明な導電性材料からなるY方向電極114Aが配置されている。表示側配向膜52に沿って、Y方向におけるY方向電極114Aの形状も矩形波状に屈折している。矩形波状に屈折する表示側配向膜52及びY方向電極114Aで形成される複数の溝に、複数の位相シフタ5A〜5Cがそれぞれ配置されている。図1に示すように、上面から見た場合、複数の位相シフタ5A〜5Cは複数の反射鏡17A〜17Cとそれぞれ重なる。複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれの膜厚の最小値は膜厚の最大値の95%以上100%未満である。また複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれの断面において、複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれが照明側偏光板19と平行な第1の辺105と、第1の辺105と平行で、少なくとも第1の辺105の長さの40%の長さを有する第2の辺125を有する。複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれは、例えば下記(I)から(XII)式で与えられる重合性液晶分子の重合体からなる。
【化1】

【0018】
上記(I)式において、R1及びR2のそれぞれは水素(H)又はメチル基(-CH3)を示し、Zは水素、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、又はニトロ基示す。a, bのそれぞれは、2乃至12の整数である。
【化2】

【0019】
上記(XII)式において、jは4〜6の整数である。複数の位相シフタ5A〜5Cの上には、ポリイミド、ポリアミド、及びポリビニルアルコール等の光学的に等方性である透明材料からなるシフタ用配向膜3が配置されている。シフタ用配向膜3の複数の位相シフタ5A〜5Cと接する面には、Y方向に延伸する複数の微細な溝がラビング処理等により設けられている。複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれに含まれる重合性液晶分子の配向方向は、シフタ用配向膜3表面に設けられた複数の微細な溝と平行である。複数の位相シフタ5A〜5CのそれぞれのX方向の屈折率nXとY方向の屈折率nYとの屈折率差Δnは、下記(1)式で与えられる。
【0020】
Δn = |nX - nY| …(1)
複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれの膜厚をdとすると、複数の位相シフタ5A〜5CのそれぞれのリタデーションRは、下記(2)式に示すように屈折率差Δnと膜厚dの積で与えられる。
【0021】
R = Δn×d …(2)
複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれにおいて、屈折率差Δnは0.03〜0.20程度が好ましく、0.05〜0.15がより好ましい。屈折率差Δnが0.03未満の場合、リタデーションRを光の波長の1/4とするために複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれの膜厚dを厚くする必要がある。膜厚dを厚くすると、複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれにおける重合性液晶分子の配向性が悪化する場合がある。また屈折率差Δnが0.20より大の場合、リタデーションRを光の波長の1/4とするために複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれの膜厚dを薄くする必要がある。膜厚dを薄くすると、複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれの製造が困難となる。
【0022】
シフタ用配向膜3上には、透明基板2が配置されている。可撓性のない石英ガラス板及び耐熱ガラス板、又は可撓性のある樹脂フィルム及び樹脂板等が透明基板2に使用可能である。透明基板2上には、平均化層51及びカラーフィルタ12が配置されている。カラーフィルタ12には赤色(R)色素層、緑色(G)色素層、及び青色(B)色素層がX方向に向かって周期的に設けられている。平均化層51はカラーフィルタ12の厚みのばらつきを補償する。カラーフィルタ12上には、表示側基板11が配置されている。表示側基板11はホウケイ酸ガラス等の光学的に等方性である透明材料からなる。表示側基板11上に、表示側偏光板10が配置されている。
【0023】
ここでX方向電極214A〜214C及びY方向電極114Aを用いて液晶層13に電圧が印加された場合の、半透過型液晶表示装置における光の経路について説明する。
【0024】
図3に示すように外部から表示側偏光板10に外光ψOが入射すると、外光ψOは偏光方向がX方向と平行な直線偏光にされる。直線偏光にされた外光ψOは、表示側基板11、カラーフィルタ12、平均化層51、透明基板2、及びシフタ用配向膜3を透過し、例えば位相シフタ5Cに入射する。位相シフタ5Cによって、外光ψOは左回りの円偏光にされる。次に外光ψOはY方向電極114A及び表示側配向膜52を透過し、液晶層13に入射する。液晶層13に電圧が印加されている場合、液晶層13によって外光ψOの偏光状態は変調されない。外光ψOはさらに照明側配向膜53、X方向電極214A〜214C、及び絶縁膜54を透過して反射鏡17Cで反射され、右回りの円偏光にされる。反射鏡17Cで反射された外光ψOは位相シフタ5Cに再び入射する。位相シフタ5Cによって、外光ψOは偏光方向がY方向と平行な直線偏光にされる。直線偏光にされた外光ψOは表示側偏光板10に到達するが、偏光方向が表示側偏光板10の透過軸に対して垂直であるため、外光ψOは表示側偏光板10を透過できず、表示側偏光板10に吸収される。
【0025】
バックライトモジュール120から放射された照明光ψIは、照明側偏光板19を透過し、偏光方向がY方向と平行な直線偏光にされる。直線偏光にされた照明光ψIは、照明側基板18、絶縁膜54、X方向電極214A〜214C、照明側配向膜53、液晶層13、表示側配向膜52、Y方向電極114A、シフタ用配向膜3、透明基板2、平均化層51、カラーフィルタ12、及び表示側基板11を透過して表示側偏光板10に到達する。照明光ψIの偏光方向は表示側偏光板10の透過軸に対して垂直であるため、照明光ψIは表示側偏光板10を透過できず、表示側偏光板10に吸収される。
【0026】
次に液晶層13に電圧が印加されていない場合の、半透過型液晶表示装置における光の経路について説明する。
【0027】
図4に示すように表示側偏光板10に入射した外光ψOは偏光方向がX方向と平行な直線偏光にされ、例えば位相シフタ5Cに入射する。位相シフタ5Cによって、外光ψOは左回りの円偏光にされる。円偏光にされた外光ψOはY方向電極114A及び表示側配向膜52を透過し、液晶層13に入射する。電圧が印加されていない場合、反射鏡17C上における液晶層13のリタデーションは外光ψOの波長の1/4であるため、液晶層13によって外光ψOは偏光方向がY方向と平行な直線偏光にされる。直線偏光にされた外光ψOは反射鏡17Cで反射されて再び液晶層13に入射し、液晶層13によって左回りの円偏光にされる。円偏光にされた外光ψOは位相シフタ5Cに入射し、位相シフタ5Cによって偏光方向がX方向と平行な直線偏光にされる。直線偏光にされた外光ψOの偏光方向は、表示側偏光板10の透過軸と平行であるため、外光ψOは表示側偏光板10を透過する。
【0028】
バックライトモジュール120から放射された照明光ψIは照明側偏光板19を透過して偏光方向がY方向と平行な直線偏光にされ、複数の反射鏡17A〜17Cの隙間を透過した照明光ψIは液晶層13に入射する。電圧が印加されていない場合、複数の反射鏡17A〜17Cの隙間の上における液晶層13のリタデーションは照明光ψIの波長の1/2であるため、液晶層13によって照明光ψIは偏光方向がX方向と平行な直線偏光にされる。表示側偏光板10に入射する照明光ψIの偏光方向は表示側偏光板10の透過軸と平行であるため、照明光ψIは表示側偏光板10を透過する。なおバックライトモジュール120から放射され、例えば反射鏡17Bで反射された照明光ψIは照明側偏光板19を透過し、照明光反射板21で反射される。照明光反射板21で反射された照明光ψIは再び照明側偏光板19を透過し、液晶層13を経て表示側偏光板10を透過する。したがって、複数の反射鏡17A〜17Cのそれぞれでバックライトモジュール120側に反射された照明光ψIの再利用が可能となり、輝度を上昇させることが可能となる。
【0029】
以上示した第1の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置において、図2に示す複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれの膜厚はほぼ均一であり、膜厚の最小値が膜厚の最大値の95%以上100%未満である。また複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれにおいて、第1の辺105と平行な第2の辺125の長さは、第1の辺105の長さの40%以上100%以下である。そのため、複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれを通過する光のリタデーションが均一となる。
【0030】
次に、第1の実施の形態に係る位相変調素子15の製造方法について説明する。
【0031】
(a) 石英ガラス等からなる図5に示す透明基板2上にポリイミド等を塗布し、透明基板2上にシフタ用配向膜3を形成する。次にレーヨン、綿、ポリアミド、又はポリメチルメタクリレート等からなるラビング布を金属製の棒に巻き付けたラビング処理ロールを用意する。次にラビング処理ロールをシフタ用配向膜3表面で回転させ、シフタ用配向膜3の表面に複数の微細な溝を形成する。なおラビング処理ロールを固定し、透明基板2を搬送することによって、シフタ用配向膜3の表面に複数の微細な溝を形成してもよい。
【0032】
(b) 図6に示すように、シフタ用配向膜3上に重合性液晶を含むレジスト液を、ロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法、スピンコート法、浸漬法、及びインクジェット法等により塗布し、レジスト膜1を形成させる。なお、シフタ用配向膜3上に接着層を設けた後にレジスト液を塗布してもよい。レジスト膜1では、重合性液晶が液晶構造を発現する温度で保持される。延伸方向に沿って、重合性液晶が配向される。その後、レジスト膜1を70℃以上の温度でプリベークする。
【0033】
(c) 図7に示すように、レジスト膜1に対して150μm以下の間隔H1をおいてフォトマスク4を配置する。次にフォトマスク4を用いてレジスト膜1を波長が例えば200nm〜450nmの光で10秒間選択的に露光する。露光量は例えば2mJ/mm2である。レジスト膜1の露光された部分において、重合性液晶は重合し、硬化する。
【0034】
(d) レジスト膜1の露光されずに未硬化の部分を、150ml/min以上の流速で流れる有機溶媒等の溶剤で除去し、図8に示すように、シフタ用配向膜3上に複数の位相シフタ5A〜5Cを形成する。その後、複数の位相シフタ5A〜5Cを焼成し、さらに硬化させてもよい。複数の位相シフタ5A〜5Cの配置は、フォトマスク4の開口により任意に設定可能である。
【0035】
以上示した第1の実施の形態に係る位相変調素子15の製造方法によれば、レジスト膜1が70℃以上の温度でプリベークされる。そのため透明基板2とレジスト膜1との密着性が上昇し、結果として膜厚が均一な位相シフタ5A〜5Cが製造可能となる。また第1の実施の形態に係る位相変調素子15の製造方法によれば、レジスト膜1に対して150μm以下の間隔H1をおいてフォトマスク4が配置される。そのため露光時に光の散乱が抑制され、膜厚が均一な位相シフタ5A〜5Cが製造可能となる。また第1の実施の形態に係る位相変調素子15の製造方法によれば、レジスト膜1の現像の際に、レジスト膜1の未硬化の部分を、150ml/min以上の流速で流れる溶剤で除去することにより現像効率が高くなり、膜厚が均一な位相シフタ5A〜5Cが製造可能となる。
【0036】
図9は、第1の実施の形態に係る製造方法で製造された位相変調素子の触針式段差計による断面図である。膜厚の最大値は1769.66nmであり、膜厚の最小値は1712.28nmであった。そのため膜厚の最大値と最小値との差は57.38nmであった。また図10に示すように、透明基板2上のシフタ用配向膜3に接する第1の辺の長さが81.25μmであり、第1の辺と平行な第2の辺の長さは34.63μmであった。なお図9に示す位相シフタの製造においては、化学式(XI)に示した重合性液晶を23.75重量部、イルガキュア184又はイルガキュア907を1.25重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル75重量部を含むレジスト液を用いた。
【0037】
このように、第1の実施の形態に係る位相変調素子15の製造方法に用いるレジスト液は、ラジカル重合開始剤等の光重合開始剤を含んでいてもよい。紫外線(UV)等のエネルギによりフリーラジカルを発生させるラジカル重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイル)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2-n-ブトキシエチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3, 3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-クロロチオキサントン、2, 4-ジエチルチオキサントン、2, 4-ジイソプロピルチオキサントン、2, 4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が使用可能である。またイルガキュア184, 369, 651, 907(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社製)等の市販のケトン系化合物や、2, 2'-ビス(o-クロロフェニル)-4, 5, 4'-テトラフェニル-1, 2'ビイミダゾール(黒金化成株式会社製)等の市販のビイミダゾール系化合物もラジカル重合開始剤として使用可能である。レジスト液における光重合開始剤の濃度は0.01〜15質量%、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。
【0038】
またレジスト液は、光重合開始剤に加えて増感剤を含んでいてもよい。レジスト液における光重合開始剤の濃度は、重合性液晶分子の液晶規則性を損なわないように設定される。
【0039】
またレジスト液は、熱重合開始剤を含んでいてもよい。加熱によって重合性液晶分子は重合する。レジスト液に熱重合開始剤を含めることにより、等方相の状態にある重合性液晶分子を効率的に重合させ、硬化させることが可能となる。熱重合開始剤としては2,2'-アゾビスイソブチルニトリル、2, 2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2, 2'-アゾビス(2, 4-ジメチルパレロニトリル、2, 2'-アゾビス(4-メトキシ-2, 4-ジメチルパレロニトリル)、1, 1'-アゾビス-1-シクロヘキシルニトリル、ジメチル-2, 2'-アゾビスイソブチレート、4, 4'-アゾビス-4-シアノバレル酸、1, 1'-アゾビス(1−アセトキシ-1-フェニルエタン)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキサイド、1, 1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物等が使用可能である。レジスト液における熱重合開始剤の濃度は、重合性液晶の液晶規則性を損なわないように、0.01〜15質量%、好ましくは0.1〜12質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
【0040】
またレジスト液は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホ琥珀酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤等が使用可能である。レジスト液における界面活性剤の濃度は0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%である。界面活性剤をレジスト液に含めることにより、空気界面での液晶配向を制御することが可能となる。
【0041】
レジスト液の溶媒には有機溶媒が使用可能であり、例えば酢酸3-メトキシブチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、及びこれらの混合物等を使用すれば、スピンコート法で透明基板2上に均一に塗布することが可能となる。ただし、重合性液晶等が溶解可能である限りにおいて、溶媒はこれらに限られない。
【0042】
複数の位相シフタ5A〜5Cのリタデーション量は、RETS-1250VA(大塚電子社製)等で測定可能である。測定波長は可視領域である400〜780nmが好ましく、比視感度の最も高い550nmがさらに好ましい。また複数の位相シフタ5A〜5Cの膜厚は、DEKTAK(Sloan社製)等の触針式段差計等で測定可能である。複数の位相シフタ5A〜5Cの複屈折率は、測定されたリタデーション量及び膜厚から算出される。
【0043】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態においては、図11に示すように、X方向に透過軸を有し、光を直線偏光にする照明側偏光板119上に、照明側基板18が配置されている。照明側基板18上には複数の反射鏡17A〜17Cを覆うように、絶縁膜154が配置されている。絶縁膜154状には、Y方向に延伸する共通電極314が配置されている。共通電極314は、ITO等の透明な導電性材料からなる。共通電極314上には、さらに絶縁膜64が配置されている。絶縁膜64上に、X方向に延伸する複数のX方向電極214A, 214B, 214C…が配置されている。
【0044】
さらに絶縁膜64上には、複数のX方向電極214A〜214Cを覆うように照明側配向膜53が配置されている。照明側配向膜53の表面には、X方向に延伸する複数の微細な溝がラビング処理等により設けられている。また照明側配向膜53に対向する表示側配向膜152の表面にも、X方向に延伸する複数の微細な溝がラビング処理等により設けられている。
【0045】
照明側配向膜53と表示側配向膜152との間に、ポジ型のネマティック液晶分子を含むホモジニアスな液晶層113が保持されている。液晶層113に電圧が印加されていない状態では、液晶層113中の液晶分子はX方向に配向している。これに対し、共通電極314及びX方向電極214A, 214B, 214C…によってY方向に電界がかかると、液晶分子はXY平面内で回転し、Y方向と平行になる。
【0046】
表示側基板11上には、Y方向に透過軸を有する表示側偏光板110が配置されている。なお第2の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置は、図1に示したY方向電極114Aを有しない。
【0047】
以上示した第2の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置においても、複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれの膜厚はほぼ均一であり、膜厚の最小値が膜厚の最大値の95%以上100%未満である。そのため、複数の位相シフタ5A〜5Cのそれぞれを通過する光のリタデーションが均一となる。
【0048】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば図2に示す透明基板2の表面が配向能を有する場合、シフタ用配向膜3はなくてもよい。また透明基板2の材料としては、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレート及びポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリエチレン及びポリプロビレン等のポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、及びポリメチルメタクリレート系高分子等の熱可塑性ポリマー等があるが、延伸倍率の幅が広いPETが好ましい。あるいは透明基板2の材料として液晶ポリマーも使用可能である。この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置の上面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置の第1の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置の第2の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置の第3の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る位相変調素子の第1の工程断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る位相変調素子の第2の工程断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る位相変調素子の第3の工程断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る位相変調素子の第4の工程断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る位相変調素子の第5の工程断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る位相変調素子の第6の工程断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る半透過型液晶表示装置の第1の断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1…レジスト膜
2…透明基板
3…シフタ用配向膜
4…フォトマスク
5A〜5C…位相シフタ
10, 110…表示側偏光板
11…表示側基板
12…カラーフィルタ
13, 113…液晶層
15…位相変調素子
17A〜17C…反射鏡
18…照明側基板
19, 119…照明側偏光板
20…導光板
21…照明光反射板
37…光源
51…平均化層
52…表示側配向膜
53…照明側配向膜
54, 64, 154…絶縁膜
105…第1の辺
114A…Y方向電極
120…バックライトモジュール
125…第2の辺
152…表示側配向膜
214A〜214C…X方向電極
314…共通電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に透過軸を有する照明側偏光板と、
前記照明側偏光板の上方にストライプ状に配置された複数の反射鏡と、
前記複数の反射鏡のそれぞれの上方においてリタデーションが光の波長の1/4であり、前記複数の反射鏡の隙間の上方において前記リタデーションが前記光の波長の1/2である液晶層と、
前記複数の反射鏡のそれぞれの垂直方向上方に配置された、それぞれ前記リタデーションが前記光の波長の1/4である複数の位相シフタであり、それぞれ膜厚の最小値が最大値の95%以上100%未満である前記複数の位相シフタと、
前記複数の位相シフタの上方に配置され、前記第1の方向に対して垂直な方向に透過軸を有する表示側偏光板
とを備えることを特徴とする半透過型液晶表示装置。
【請求項2】
第1の方向に透過軸を有する照明側偏光板と、
前記照明側偏光板の上方にストライプ状に配置された複数の反射鏡と、
前記複数の反射鏡のそれぞれの上方においてリタデーションが光の波長の1/4であり、前記複数の反射鏡の隙間の上方において前記リタデーションが前記光の波長の1/2である液晶層と、
前記複数の反射鏡のそれぞれの垂直方向上方に配置された、それぞれ前記リタデーションが前記光の波長の1/2である複数の位相シフタであり、それぞれ膜厚の最小値が最大値の95%以上100%未満である前記複数の位相シフタと、
前記複数の位相シフタの上方に配置され、前記第1の方向に対して垂直な方向に透過軸を有する表示側偏光板
とを備えることを特徴とする半透過型液晶表示装置。
【請求項3】
前記複数の位相シフタのそれぞれの断面において、前記複数の位相シフタのそれぞれが前記照明側偏光板と平行な第1の辺と、前記第1の辺と平行で、少なくとも前記第1の辺の長さの40%の長さを有する第2の辺を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半透過型液晶表示装置。
【請求項4】
透明基板と、
前記透明基板上に配置された複数の位相シフタであり、それぞれ膜厚の最小値が最大値の95%以上100%未満である前記複数の位相シフタ
とを備えることを特徴とする位相変調素子。
【請求項5】
前記複数の位相シフタのそれぞれの断面において、前記複数の位相シフタのそれぞれが前記透明基板と平行な第1の辺と、前記第1の辺と平行で、少なくとも前記第1の辺の長さの40%の長さを有する第2の辺を有することを特徴とする請求項4に記載の位相変調素子。
【請求項6】
基板上に重合性液晶分子を含むレジスト液を塗布し、前記基板上にレジスト膜を形成するステップと、
前記レジスト膜に対して150μm以下の間隔をおいてフォトマスクを配置するステップと、
前記フォトマスクを用いて前記レジスト膜を選択的に露光し、前記重合性液晶分子を重合させるステップ
とを含むことを特徴とする露光方法。
【請求項7】
露光する前に、前記レジスト膜を70℃以上の温度でプリベークするステップを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
【請求項8】
基板上に重合性液晶分子を含むレジスト液を塗布し、前記基板上にレジスト膜を形成するステップと、
前記レジスト膜を70℃以上の温度でプリベークするステップと、
フォトマスクを用いて前記レジスト膜を選択的に露光し、前記重合性液晶分子を重合させるステップ
とを含むことを特徴とする露光方法。
【請求項9】
露光する前に、前記レジスト膜に対して150μm以下の間隔をおいて前記フォトマスクを配置するステップを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の露光方法。
【請求項10】
基板上に重合性液晶分子を含むレジスト液を塗布し、前記基板上にレジスト膜を形成するステップと、
前記フォトマスクを用いて前記レジスト膜を選択的に露光し、前記重合性液晶分子を重合させるステップと、
150ml/min以上の流速で流れる現像液で前記レジスト膜を現像して、前記重合した重合性液晶分子を含み、光の位相をシフトさせる位相シフタを前記基板上に形成するステップ
とを含むことを特徴とする位相変調素子の製造方法。
【請求項11】
露光する前に、前記レジスト膜に対して150μm以下の間隔をおいて前記フォトマスクを配置するステップを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の位相変調素子の製造方法。
【請求項12】
露光する前に、前記レジスト膜を70℃以上の温度でプリベークするステップを更に含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の位相変調素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−103815(P2009−103815A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273974(P2007−273974)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】