説明

単一チャンバ内で無電解堆積中に薄膜組成を選択的に変える方法及び装置

洗浄する為に1以上の処理溶液を用いて多層を無電解で堆積させ、その後、単一処理セルを用いて導電性表面上に不連続の又は種々の組成をもつ金属膜を無電解で堆積させるための方法及び装置。プロセスは、導電性表面上での酸化物の形成を最小限にするために、洗浄ステップと無電解堆積プロセスステップの間、導電性表面を酸素にさらすのを最小限にするか防止することによるインサイチュ洗浄ステップを含んでいる。一態様においては、1以上の処理溶液に用いられる化学成分は、種々の化学成分の相互作用が、相互作用流体のそれぞれの望ましい特性が急激に変化しないように選ばれる。連続無電解堆積プロセスは、以下の元素、すなわちコバルト、タングステン、リン又はホウ素の少なくとも2つを含む第一層と、以下の元素、すなわちコバルト、ホウ素又はリンの少なくとも2つを含む第二層とを形成するために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的には、基板上の薄膜層を無電解で堆積させる方法及び装置に関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]基板上の超大規模集積回路(ULSI)の最近の改良は、次世代の集積回路(IC)半導体デバイスがより小さなマルチレベルメタライゼーションを必要としていることを表している。この技術の中核にあるマルチレベル相互接続部は、コンタクト、バイア、ライン、他の特徴部を含む高アスペクト比特徴部の中に形成された相互接続部の平坦化を必要としている。これら相互接続部を信頼性をもって形成することは、ULSIの成功にとって、また、半導体特徴部の寸法を減少させるとともに相互接続部(例えば、ライン)の幅を0.13μm以下に縮小させることによって回路密度を増加させるための継続的な努力にとって、非常に重要である。銅(Cu)はアルミニウム(Al)よりも抵抗率が低く(即ち、Alの3.1μΩ-cmに比べて、Cuは1.87μΩ-cm)、電流容量がより高く、エレクトロマイグレーション抵抗が非常に高いことから、現在、銅とその合金はミクロン未満の相互接続技術で選択される金属となっている。
【0003】
[0003]しかしながら、Cuの確実な性質にもかかわらず、Cu相互接続部は銅拡散、エレクトロマイグレーション関連の故障、酸化関連の故障になりやすい。典型的には、Cu相互接続部の側面と底面を封入して、隣接した誘電体層への銅の拡散を防ぐために、ライナバリヤ層が用いられている。Cu相互接続部の酸化及びエレクトロマイグレーション関連の故障は、薄い金属キャッピング層、例えば、コバルトタングステンリン(CoWP)、コバルトスズリン(CoSnP)、コバルトタングステンリンホウ素(CoWPB)を、化学機械的平坦化(CMP)プロセスが行われた後に形成されるCu相互接続部の表面上に堆積させることによってかなり減少させることができる。更に、Cu相互接続部上に堆積したキャッピング層の付着や選択性を高めるために、キャッピング層を堆積させる前にCu相互接続の表面上にパラジウム(Pd)又は白金(Pt)のような活性化層を堆積することができる。
【0004】
[0004]酸化銅形成により、形成されたCu相互接続部の電気抵抗が増加し、それによって、全体の回路の信頼性が減少できる。Cu相互接続部の酸化は、特に、処理中、非常に多く酸素(例えば、空気)にさらされること、また、ICデバイス自体(低k誘電体及びエアギャップ技術)の中に含まれる酸素源のために進んでいる。Cu相互接続部の表面上にキャッピング層を堆積させる前に、Cu相互接続部の表面は、典型的には、1つのチャンバ内で汚染物質と酸化物を取り除くために洗浄溶液で洗浄され、その後、基板が他のチャンバに移されて、前洗浄したCu相互接続部上にキャッピング層を堆積させる。基板を搬送するプロセス中、前洗浄したCu相互接続部は、あらゆる有効な酸素源(例えば、大気)から酸化を特に受けやすい。
【0005】
[0005]キャッピング層を堆積させた後、バックエンド工程(BEOL)層処理及びチップパッケージ中の約8時間、400℃〜450℃に達する高い処理温度が、薄いキャッピング層のCo合金の酸化につながる。特に、酸化は、約150オングストローム未満の厚さ、例えば、70オングストロームのCoWP層又はCoWPB層をもつ、より薄いキャッピング層に特に有害である。
【0006】
[0006]それ故、基板を空気に中間でさらすことなく、単一チャンバ内で前洗浄と無電解めっきを合わせる方法及び装置が必要とされ、更に、耐酸化性のような異なる適用依存性の膜特性を得るために又はMRAM適用におけるような薄膜スタックを達成するために、堆積した膜組成を変えるように無電解槽組成を変える柔軟性を与える方法及び装置が必要とされる。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明は、一般的には、連続無電解堆積プロセスを用いて基板の露出した導電性表面上に2つ以上の金属層を形成する方法であって、該連続無電解堆積プロセスが、基板の導電性表面上に形成された金属酸化物を除去又は還元させる濃度の第一化学成分を含む第一処理溶液を用いて第一無電解堆積層を形成するステップと、第一化学成分の濃度を含む第二処理溶液を用いて第一無電解堆積層の上に第二無電解堆積層を形成するステップであって、第一処理溶液と第二処理溶液中に含む第一成分が、第一無電解堆積層を形成するプロセスが始まると、第二無電解堆積層を形成するプロセスが終わるまで、導電性表面と連続して接触している前記ステップと、を含む前記方法を提供する。
【0008】
[0008]本発明は、一般的には、基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、以下のステップの少なくとも1つを完了させることによって基板上の導電性表面上に第一層を無電解で堆積させるステップであって、基板の該表面に第一処理溶液を分配するステップであって、第一処理溶液が第一金属溶液と第一緩衝化還元剤溶液を含んでいる、前記ステップと、基板の該表面に第二処理溶液を分配するステップであって、第二処理溶液が第二金属溶液、緩衝化洗浄溶液、第二緩衝化還元剤溶液を含む前記ステップと、を含む前記ステップと、以下のステップの少なくとも1つを完了させることによって第一層上に第二層を無電解で堆積させる前記ステップであって、基板の表面に第三処理溶液を分配するステップであって、第三処理溶液が第三金属溶液と第三緩衝化還元剤溶液を含む前記ステップと、基板の表面に第四処理溶液を分配するステップであって、第四処理溶液が第四金属溶液、緩衝化洗浄溶液、第四緩衝化還元剤溶液を含む前記ステップと、を含む前記ステップとを含む、前記連続無電解堆積プロセスを提供する。
【0009】
[0009]本発明は、一般的には、基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、順次、基板上の導電性表面上に緩衝化洗浄溶液を含む第一溶液を流すステップと、以下のステップによって導電性表面上に第一組成をもつ第一層を無電解で堆積させるステップであって、第一溶液の流れに第一金属溶液の流れを加えるステップと、第一溶液の流れに第一緩衝化還元剤溶液の流れを加えるステップと、を含む前記ステップと、下記ステップによって導電性表面上に第二組成をもつ第二層を無電解で堆積させるステップであって、第一溶液の流れに第二金属溶液の流れを加えるステップと、第一溶液の流れに第二緩衝化還元剤溶液の流れを加えるステップとを含む前記ステップとを含む、前記連続無電解堆積プロセスを提供する。
【0010】
[0010]本発明は、一般的には、基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、順次、導電性表面上に緩衝化洗浄溶液を含む第一混合流を流すステップと、流れている緩衝化洗浄溶液に金属溶液を加えるステップと、流れている緩衝化洗浄溶液に緩衝化還元剤溶液を加えて第一無電解めっき溶液を形成するステップと、導電性表面上に第一組成をもつ第一層を無電解で堆積させるステップと、緩衝化洗浄溶液、金属溶液、緩衝化還元剤溶液を再循環させて第一層の上に第二層を自己触媒で堆積させるステップとを含む、前記連続無電解堆積プロセスを提供する。
【0011】
[0011]本発明は、一般的には、基板の導電性表面上に多層膜を形成する装置であって、基板受容面をもつ無電解めっきセル内に取り付けられた基板支持体と、基板受容面上に配置された基板と連通している流体分配ラインと、第一流体源と流体分配ラインと連通している第一流体計量デバイスと、第二流体源と流体分配ラインと連通している第二流体計量デバイスと、第一流体計量デバイスと第二流体計量デバイスによって分配された流れを制御することによって、流体分配ラインに含まれる流体の濃度と流量を制御するように適合されたコントローラとを含む、前記装置を提供する。
【0012】
[0012]本発明は、一般的には、銅相互接続部の表面上に形成された多層構造であって、次の元素、コバルト(Co)、タングステン(W)、リン(P)又はホウ素(B)の少なくとも2つを含む第一層と、次の元素、コバルト(Co)、ホウ素(B)又はリン(P)の少なくとも2つを含む第二層とを含む、前記多層構造を提供する。
【0013】
[0013]本発明は、一般的には、基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、順次、第一処理チャンバ内に保持された基板の導電性表面上に酸を含む前洗浄溶液を流すステップと、基板を第一処理チャンバから第二処理チャンバに搬送するステップと、少なくとも第一金属溶液と第一緩衝化還元剤溶液を含む第一無電解めっき溶液を導電性表面に分配することによって、導電性表面上に第一組成をもつ第一層を無電解で堆積させるステップと、少なくとも第二金属溶液と第二緩衝化還元剤溶液を含む第二無電解めっき溶液を導電性表面に分配することによって、導電性表面上に第二組成をもつ第二層を無電解で堆積させるステップとを含み、第一層と第二層の組成が異なっている、前記連続無電解堆積プロセスを提供する。
【0014】
[0014]本発明は、一般的には、連続無電解堆積プロセスを用いて、基板上の露出した導電性表面上に2つ以上の金属層を形成する方法であって、基板の表面上に見られる導電性表面の密度及び/又は表面積を特徴付けるステップと、特徴付けられた導電性表面データに基づいて第一無電解処理溶液中の金属イオン濃度を調整するステップと、第一無電解処理溶液を用いて基板の導電性表面上に第一層を形成するステップと、安定剤を含む第二無電解処理溶液を形成するステップと、第二無電解処理溶液を用いて第一層上に第二層を形成するステップとを含む、前記方法を提供する。
【0015】
[0015]本発明は、一般的には、基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、順次、基板の導電性表面上に緩衝化洗浄溶液を含む第一溶液を流すステップと、緩衝化洗浄溶液、第一金属溶液、第一緩衝化還元剤溶液を含む第二溶液を基板の導電性表面上に流すステップと、第二溶液のパッドルが基板の導電性表面上に形成された後、第二溶液の流れを停止させるステップと、第一使用者が決めた時間中断するステップと、基板の導電性表面上に緩衝化洗浄溶液、第二金属溶液、第二緩衝化還元剤溶液を含む第三溶液を流すステップと、第三溶液のパッドルが基板の導電性表面上に形成された後、第三溶液の流れを停止させるステップとを含む、前記連続無電解堆積プロセスを提供する。
【0016】
[0016]本発明は、一般的には、連続無電解堆積プロセスを用いて基板上の露出した導電性表面上に2つ以上の金属層を形成する方法であって、緩衝化洗浄溶液を用いて基板の表面を洗浄するステップと、コバルト、モリブデン、タングステン、ホウ素及びリンのグループより選ばれた元素を含む第一無電解堆積層を形成するステップと、本質的にコバルトとリン又はコバルトとホウ素からなる第一無電解堆積層を形成するステップとを含む、前記方法を提供する。
【0017】
[0017]本発明の上記特徴を詳細に理解されうるように、上で簡単に纏めた本発明のより詳しい説明は実施形態によって参照されることができ、その一部を添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態だけを示し、それ故、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきでなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態を許容することができる。
【発明の詳細な説明】
【0018】
[0024]本明細書に用いられる語句は、別の方法で更に定義されない限り、当業者に当該技術において普通の通例の意味を示すべきである。無電解堆積は、外部電流がない場合に化学還元によって導電材料を堆積させるために、触媒的に活性な表面上に槽中で荷電イオンとしてたいてい得られる導電材料の堆積として、本明細書に広く定義されている。
【0019】
[0025]図1Aは、誘電材料10の中に形成された相互接続開口8の中に配置された導電性充填材6を含む相互接続部4を示す断面図である。一実施形態においては、誘電材料10は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手できるBlackDiamondTM膜、カリフォルニア州サンノゼのノベラスシステムズ社から入手できるCORALTM膜、オランダのビルトーベンのASMインターナショナルから入手できるAURORATM膜、オルガノシラン又はオルガノシロキサン、誘電体上のスピン、炭素をドープした酸化物、ケイ酸塩、他の適切な材料のような低k誘電材料である。相互接続部4、及び他の半導体特徴部は、基板上に配置される。本発明の実施形態が有用であることができる基板は、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化シリコン、シリコンゲルマニウム、ドープ又は非ドープの多結晶シリコン、ドープ又は非ドープのシリコン、窒化シリコンを含むが、これらに限定されない。他の基板は、はだかのシリコンウエハ、又は酸化アルミニウム、多結晶シリコンを含む誘電性、導電性又はバリヤ特性をもつ材料と、前処理した表面を備えた層のような、導電層又は非導電層をその上にもつ基板を含むことができる。表面の前処理は、研磨(例えば、CMP、電気研磨)、パターン形成、エッチング、還元、酸化、水酸化、アニーリング、ベーキングの1つ以上を含むことができる。本明細書に用いられる基板表面という用語は、バイア、ライン、デュアルダマシーン、コンタクト等の上壁、底壁及び/又は側壁のような相互接続特徴部の露出した表面を含むあらゆる半導体特徴部を含んでいる。
【0020】
[0026]トレンチやホールのような複数の電子デバイス特徴部は、誘電材料10の中に形成することができる。ライナバリヤ層12は、誘電材料10を導電性充填材6から分離するために用いられる。ライナバリヤ層12は、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、窒化シリコンタンタル、窒化タングステン、窒化シリコン、それらの組合せのような材料を含むことができ、通常は、物理的気相成長(PVD)、原子層成長(ALD)、化学気相堆積(CVD)技術によって堆積される。導電性充填材6は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)のような金属、上記金属の種々の合金を含み、好ましくは、相互接続部4の構造(例えば、ライン又はバイア)を形成する導電性充填材6はCu又はCu合金である。導電性充填材6は、一般的には、電気めっき、無電解めっき、CVD、PVD、ALD、及び/又はそれらの組合せのような堆積プロセスによって堆積する。導電性充填材の層が堆積し、その後、電解研磨及び/又はCMPのような技術によって研磨又は平らにされて、導電性表面6Aと誘電体面10Aをもつ、図1Aに示される相互接続部4の構造を形成する。導電性表面6Aは、一般的には、CMPプロセス後に露出した導電材料6とライナバリヤ層12を含む充填トレンチとホールの表面として定義される。研磨後、誘電体面10Aは、典型的には、研磨残留物や他の汚染物質を取り除くために洗浄される。
【0021】
[0027]図1Bは、本明細書に記載される実施形態を用いて、導電性表面6A上に無電解で堆積された第一層16と第二層20をもつ、図1Aに示された相互接続部4を示す断面図である。本明細書に記載される実施形態は、堆積層のそれぞれの異なる領域において、一定の又は種々の化学組成をもつ基板の導電性表面上に、1つ以上の層を無電解で堆積させるように適合させることができる。2つ以上の層を導電性表面6A上に形成すると、各堆積層が異なる特性をもつことができ、共に配置された場合、単一堆積層の上に改良された特性をもつ層を形成するので、有利なものである。例えば、ある場合において、第一層は導電性表面6Aによく付着することができるが、耐酸化性が悪く、第二層は付着が悪いが、耐酸化性に優れることができるので、2つの層がそれぞれの上に堆積したとき、合わせた層(即ち、符号14)は付着性に優れ、耐酸化性に優れている。膜スタック14を形成するときに有用であることができる典型的な特性は、例えば、導電性表面への付着の改良、エレクトロマイグレーション抵抗結果の改良、拡散バリヤ特性の改良、表面拡散抵抗の改良、露出面の耐酸化性の改良、酸素拡散に対するバリヤの改良であり、わずかな特性だけを挙げる。膜スタック14の一実施例においては、コバルト(Co)タングステン(W)、リン(P)、ホウ素(B)を含む銅(Cu)導電性表面上に形成された第一層とコバルト(Co)とホウ素(B)、又はコバルト(Co)とリン(P)を含む第一層上に形成された第二層が有利であった。Cu/CoWPB/CoP、又はCu/CoWPB/CoBを含む多層スタックは、銅表面上に堆積した単一CoWPB層上に有利な特性を示した。CoWPB膜は、優れたバリヤとエレクトロマイグレーション抵抗特性をもつが、耐酸化特性が悪い。しかしながら、CoP又はCoBを含む第二層がCu/CoWPBスタックの最上部に堆積したとき、多層構造は、単一CoWPB層を用いたときに見られた良好なエレクトロマイグレーション抵抗とバリヤ特性とともに、耐酸化性の改良を示した。この場合、第一層16又は第二層20の厚さは、約1オングストローム(Å)〜約1,000オングストロームで変動してもよいが、好ましくは、約1オングストローム〜約100オングストロームである。
【0022】
[0028]図1Cは、本明細書に記載される実施形態を用いて、導電性表面6A上に無電解で堆積した第一層16、遷移層18、第二層20をもつ、図1Aに示される相互接続部4を示す断面図である。この構成においては、導電性表面6Aから離れるにつれて、種々の無電解めっき化学物質の濃度が第一層の堆積プロセスの終わりと第二層の堆積プロセスの開始に向かって変えられ、減少濃度の第一層16元素と増加濃度の第二層20元素を含む遷移層18が形成された。遷移層18は、所望される場合には結合単層から数十又は数百オングストロームの範囲にできる。この構成は、追加のコストと複雑さなしに、耐酸化性とともに、最適な付着、エレクトロマイグレーション、銅拡散抵抗と、従来の方法で2連続堆積を行うことに伴うトポグラフィーを達成しうるので、有用なものである。しかしながら、反復可能なプロセス結果を確実にするために、この構成においては、処理溶液の相互の適合性が必要とされる。
【0023】
[0029]図2Aは、図1Aで示されるように、誘電材料10の中に形成された相互接続開口8内に配置された導電性充填材6を含む相互接続部4を示す断面図である。
【0024】
[0030]図2Bは、導電性表面6A上に堆積した活性化層22をもつ、図2Aに示された相互接続部4を示す断面図である。活性化層22は、Cu相互接続部上に堆積した、次に続く膜スタック24の付着性や選択性を高めるために用いることができる。一態様においては、活性化層22は、少なくとも1つの貴金属塩と少なくとも1つの酸を含む活性化溶液を用いた置換めっきによって堆積される。活性化溶液中の貴金属塩の濃度は、百万分の約80部(ppm)〜約300ppmでなければならない。例示的貴金属塩は、硝酸パラジウム(Pd(NO))、塩化パラジウム(PdCl)、硫酸パラジウム(PdSO)、メタンスルホン酸パラジウム(Pd(CHSO))、又はそれらの組合せを含んでいる。リンス剤、例えば、脱イオン水を用いるリンスプロセスは、活性化層22を形成した後、基板表面に適用されて、活性化層を形成するために用いられた溶液を除去する。一態様においては、活性化層22とリンスプロセスは、膜スタック24を形成するために用いられたステップ(例えば、下に記載されるプロセス100)と同じチャンバで完了する。他の態様においては、活性化層22とリンスプロセスは他のチャンバで行われ、その後、基板がプロセスチャンバに移された、膜スタック24堆積プロセスが完了する。
【0025】
[0031]図2Cは、本明細書に記載される実施形態を用いて、導電性表面6A上に形成された活性化層22上に無電解で堆積した第一層26と第二層30をもつ、図2Bに示された相互接続部4を示す断面図である。本明細書に記載される実施形態は、無電解堆積層のそれぞれの異なる領域において、一定の又は種々の化学組成をもつ活性化層22上に、1つ以上の層を無電解で堆積させるように適合させることができる。2つ以上の層を活性化層22上に形成すると、各堆積層が異なる特性をもつことができ、共に配置された場合、単一堆積層の上に改良された特性をもつ層を形成するので、有利なものである。この構成においては、第一層26又は第二層30の厚さは、約1オングストローム(Å)〜約1,000オングストロームで変動することができるが、好ましくは約1オングストローム〜約100オングストロームである。
【0026】
[0032]図2Dは、本明細書に記載される実施形態を用いて、活性化層22上に無電解で堆積した第一層26、遷移層28、第二層30をもつ、図2Bに示された相互接続部4を示す断面図である。この構成においては、活性化層22から離れるにつれて、種々の化学物質の濃度が時間関数として変えることができ、減少濃度の第一層26元素と増加濃度の第二層30元素を含む遷移層28が形成される。遷移層28は、所望される場合には、結合単層から数十又は数百オングストロームの範囲にありうる。この構成は、層の付着を高めるとともに膜スタック24の特性の一部を改良することができるので、有用なものである。
【0027】
処理ステップ
[0033]図3で示されるプロセス100は、一般的には、本発明の種々の実施形態に従って、導電性表面6Aを洗浄し、その後、単一処理セルを用いて導電性表面6A上に不連続の又は種々の組成をもつ金属薄膜を無電解で堆積させるために用いられる無電解堆積プロセスを記載している。プロセス100は、有利には、導電性表面6A上での酸化物の形成を最小限にするために、洗浄ステップと無電解堆積プロセスステップの間、導電性表面6Aを酸素(例えば、空気)にさらすのを最小限にするか防止することによるインサイチュ洗浄ステップを含んでいる。
【0028】
[0034]プロセス100の一態様においては、1つ以上の無電解層を堆積させるために用いられる化学成分(例えば、下で述べられる、金属溶液450a-n、還元剤溶液460a-n、DI水414、緩衝化洗浄溶液濃縮物440)は、種々の化学成分の相互作用によって、相互作用流体のそれぞれの望ましい特性が急激に変化しない、流体ライン中又は基板の表面上に粒子が生じない、及び/又はハードウェアを損傷しうるかなりの量の熱が発生しないか又は無電解プロセス結果がほとんど変わらないように選ばれる。プロセス100の他の態様においては、処理流体が相互に適合するように選ばれるので、種々の層を形成するために用いられる種々の堆積ステップの間にリンスステップを必要としない。このことは、リンスステップが、更に、チャンバ処理時間を増加させ且つ導電性表面6A又は他の堆積層上に汚染物質又は酸化物形成の可能性を高めるので、有利である。
【0029】
[0035]他の態様においては、プロセス100全体に、導電性表面6Aが、導電性表面の酸化を阻止し及び/又は酸化した金属面を還元する種々の化学成分と連続して接触している。この構成は、まず緩衝化洗浄溶液を用いて基板の表面を洗浄し、その後、導電性表面が1つ以上の洗浄剤及び/又は還元剤と連続して接触しているので、無電解プロセスの全ての相全体に望ましくない金属酸化物の成長を防止することを確実にすることによって達成することができる。従って、連続プロセス又は連続無電解堆積プロセスという用語は、基板の表面が1つ以上の処理溶液と中断せずに接触し、いつでも基板表面と接触している処理溶液が、導電性表面の酸化を阻止し及び/又は酸化した表面化学種を還元する少なくとも1つの成分を含む無電解堆積プロセスを広く記載するために用いられる。
【0030】
[0036]プロセス100は、一般的には、流体処理溶液の各々が所望の処理ステップを完了させるために基板表面と相互に作用しうるように、種々の流体処理溶液を基板表面に分配することによって行われる。プロセス100は、一般的には、以下の処理ステップ:表面湿潤又は洗浄プロセスステップ104、第一無電解堆積層を形成する無電解堆積プロセスステップ106A(又は106B)、第二から第nまでの無電解堆積層を基板の表面に堆積させる第二無電解処理ステップ108、及びリンスステップ110の2つ以上を含んでいる。一実施形態においては、処理ステップ104-108に用いられる流体処理溶液は、処理ステップ104-108を完了させるために用いられる1つ以上の所望の流体処理溶液を形成するために、ユーザーが決めた割合で共に加えられる4つの主要なタイプの成分溶液を含んでいる。4つの主要なタイプの成分溶液としては、緩衝化洗浄溶液、金属溶液、緩衝化還元剤溶液、DI水が含まれる。一般に、4つの主要なタイプの成分溶液があるが、各タイプは、異なる濃度の化学成分を含む多くの異なるサブタイプの成分溶液をもち及び/又は所望の処理特性がプロセス100処理ステップ中に達成されうるように加えられる異なる化学成分をもつことができる。
【0031】
[0037]一実施形態においては、緩衝化洗浄溶液、金属溶液及び/又は緩衝化還元剤溶液は、より希釈した流体処理溶液を形成するためにDI水成分に加えられる。一態様においては、脱ガスし加熱したDI水に成分溶液を加えることが、プロセス結果を改善するために好ましいことである。種々の成分溶液を希釈することは、しばしば高価な化学成分の廃棄を減少させることを助け、プロセス結果を改善し、種々の成分溶液の容器を取り替えなければならない間の時間を増加させるので有利なものである。一態様においては、流体処理溶液を形成するために、DI水と緩衝化洗浄溶液と金属溶液と緩衝化還元剤溶液として決められる比が約2:1:1:1〜約13:1:1:1で成分溶液を希釈することが望ましい。好ましくは、混合比が約6:1:1:1〜約9:1:1:1の範囲である(例えば、DI水:緩衝化洗浄溶液:金属溶液:緩衝化還元剤溶液)。
【0032】
[0038]特に指定されなければ、プロセス100の処理ステップのそれぞれとともに下で記載される成分溶液の各々の濃度は、希釈されていない形(例えば、他の成分溶液と混合する前)の成分溶液を記載するものである。
【0033】
プロセスステップ102
[0039]ステップ102において、種々の組成をもつ金属薄層の形成は、一般的には、導電性表面6Aをもつ基板を処理セルに移すことから開始する。例示のために、導電性のCu相互接続部上に種々の組成をもつ金属キャッピング薄層を形成するために、プロセス100が適用される。
【0034】
プロセスステップ104
[0040]一実施形態においては、ステップ104で、DI水、緩衝化洗浄溶液及び/又は第一金属溶液を含む第一処理流体は、Cu相互接続面をもつ基板を湿潤し、洗浄し、熱的に平衡にするために、基板表面に分配される。第一処理流体の温度は、約50℃〜約75℃にすることができる。緩衝化洗浄溶液と第一金属溶液をDI水と合わせると、導電性表面6Aを洗浄するために、金属イオンを前配位又は前吸収しつつ、洗浄し、酸化物が除去される。緩衝化洗浄溶液は、一般的には、キレート化剤、錯化剤、緩衝化剤、及び/又はpH調整剤を含む水溶液である。一実施形態においては、緩衝化洗浄溶液は、任意に、無電解溶液の成分として含まれてもよい。この実施形態においては、緩衝化洗浄溶液は、好ましくは、洗浄成分と緩衝化成分に加えて、堆積速度の安定性や制御を高めるために金属イオン(例えば、Co)を錯体形成するのに用いられるキレート化剤を含んでいる。このようなキレート化剤には、カルボン酸や他の非酸化酸が含まれる。好ましい酸としては、酢酸(C)、乳酸(C)、クエン酸(C)、及び/又はそれらの組合せ及び誘導体が含まれる。中和された酸の塩は、約0.25モル(M)〜約0.5Mの範囲の濃度、好ましくは約0.38Mをもつ。
【0035】
[0041]錯化剤は、一般的には更に、導電性表面6A上に形成された異なる酸化状態の金属酸化物(例えば、酸化銅)を非選択的に除去することを促進するように選ばれる。特に、錯化剤は、無電解めっき溶液中の金属イオン(例えば、Coイオン又はWイオン)で錯体形成することによって、無電解堆積プロセスをほとんど阻止せずに好ましいプロセスpHで金属酸化物(例えば、酸化第二銅、第一銅イオン)を効果的に除去することを促進するように選ばれる。好ましい錯化剤の実施例としては、グリシン(CNO)のようなアミノ酸が挙げられる。錯化剤は、めっき溶液中約0.1M〜約0.5Mの範囲、好ましくは約0.38Mの濃度をもつ。
【0036】
[0042]金属イオンに錯体形成を示すこともできる基本的な緩衝化剤は、アミン、アンモニア、アミノ化合物、ジアミノ化合物、ポリアミノ化合物を含んでいる。好ましい塩基性緩衝化剤としては、ジエタノールアミン((HOCHCH)NH;DEA)、トリエタノールアミン((HOCHCH)N;TEA)、エタノールアミン((HOCHCH)NH、エチレンジアミン四酢酸(C1016;EDTA)、それらの誘導体及びそれらの組合せが含まれる。pH緩衝化を示し且つ湿潤特性を改善するように特に選ばれる化合物としてはTEA及びDEAが含まれる。アンモニアの使用は除外されないが、TEAやDEAのような、ほとんど揮発性でない(高分子量)アミンは、pH安定性の改善と低k誘電材料への拡散の傾向減少双方に好ましい。この緩衝化剤は、約0.5M〜約1.5Mの範囲、好ましくは約1.15Mの濃度をもつことができる。
【0037】
[0043]pH調整剤、一般的には塩基であり、緩衝化洗浄溶液のpHを、約8〜約10の範囲、好ましくは約9.0〜約9.5の間に調整するために用いられる。適切なpH調整剤としては、DEA、TEA、水酸化テトラメチルアンモニウム((CH)NOH;TMAH)、水酸化アンモニウム(NHOH)、それらの誘導体や組合せのような、アミン及び水酸化物が含まれる。
【0038】
[0044]一実施例においては、緩衝化洗浄溶液としては、約75g/lのグリシン、約54g/lの硫酸、約30g/lの酢酸、約52g/lのDEA、脱イオン(DI)水、pHを約9.25に調整するのに十分な量のTMAH(25質量%)が含まれる。この緩衝化洗浄溶液は、磁気的に撹拌される1リットル(l)の目盛りつきビーカーの中で、54グラム(g)の濃硫酸を約300ミリリットル(ml)のDI水に加え、その混合物を室温に冷却することによって調製することができる。別のビーカーの中で、約30gの濃酢酸を約350mlのDI水に撹拌しながら加える。約52gのDEAを100mlのプラスチックびんの中で計量し、希硫酸を含む1リットルの目盛りつきビーカーにDEAを撹拌しながら加える。硫酸-DEA溶液の一部を使用し、次にDI水ですすぐことによって、100mlのプラスチックびんの中に残っているDEAを抽出して、1リットルのビーカーの中の全容量を約500mlにする。pHを約7.0に調整するために、硫酸-DEA溶液をTMAH(25%)で滴定する。次に、硫酸-DEA-TMAH溶液を含む1リットルビーカーに約75gのグリシンと希酢酸を加え、その後、約9.25のpHにTMAH(25%)で滴定する。その後、最終容量の1000mlにDI水で希釈する。他の例においては、1リットルの緩衝化洗浄溶液は、約15g/lのグリシン、約10.5g/lのDEA、DI水、pHを約9.25に調整するのに十分な量の酢酸を含んでいる。他の例においては、緩衝化洗浄溶液は、約22.4g/lのグリシン、約120.9g/lのDEA、72g/lのクエン酸、6.2g/lのホウ酸、DI水、pHを約9.25に調整するのに十分な量のTMAH(25%)を含むことができる。
【0039】
[0045]Cu相互接続部上にキャッピング層を無電解で堆積させる一実施例においては、第一金属溶液は、Co、W、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、及びそれらの組合せからなるグループより選ばれた1つ以上の金属を含むことができる。
【0040】
[0046]一実施例においては、第一金属溶液は、一般的には、コバルト源、タングステン源、錯化剤、pH調整剤、水を含んでいる。コバルト源は、約0.05M〜約0.15Mの濃度範囲、好ましくは約0.10Mであることができる。コバルト源は、水溶性コバルト前駆物質(例えば、Co2+)、例えば、硫酸コバルト(CoSO)、塩化コバルト(CoCl)、酢酸コバルト((CHCO)Co)、それらの誘導体、それらの水和物、それらの組合せを含むことができる。幾つかのコバルト源は、CoSO・7HO、CoCl・6HO及び(CHCO)Co・4HOのような水和物誘導体として一般に入手できる。一実施形態においては、硫酸コバルトは好ましいコバルト源である。例えば、CoSO・7HOは約0.10Mの濃度で存在することができる。
【0041】
[0047]一実施例においては、第一溶液はまた、約0.01M〜約0.08Mの濃度範囲、好ましくは約0.03M〜約0.05Mであることができるタングステン源を含んでいる。タングステン源は、タングステン酸(HWO)、種々のタングステン酸塩、例えば、タングステン酸アンモニウム((NH)WO)、タングステン酸コバルト(CoWO)、タングステン酸ナトリウム(NaWO)、タングステン酸カリウム(KWO)、他のWO2-源、それらの誘導体及び/又はそれらの組合せを含むことができる。一実施例においては、タングステン酸は好ましいタングステン前駆物質である。例えば、タングステン酸は約0.04Mの濃度で存在することができる。
【0042】
[0048]錯化剤はまた、約0.1M〜約0.6Mの濃度範囲、好ましくは約0.2M〜約0.4MをもつCoW溶液中に存在する。CoW溶液中で、錯化剤又はキレート化剤はコバルト源(例えば、Co2+)と錯体を形成する。錯化剤はまた、CoW溶液中で緩衝化特性を与えることができる。錯化剤は、一般的には、アミノ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、アミン、ジアミン、ポリアミンのような官能基をもつことができる。錯化剤は、クエン酸、グリシン、アミノ酸、エチレンジアミン(EDA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、それらの誘導体、それらの塩、それらの組合せを含むことができる。一実施形態においては、クエン酸は好ましい錯化剤である。例えば、クエン酸は、約0.25M〜約0.5Mの濃度で存在することができる。
【0043】
[0049]また、任意の界面活性剤は、成分溶液のいずれか一つに加えることができる。界面活性剤は、めっき溶液と基板表面の間の表面張力を減少させる湿潤剤として作用する。界面活性剤は、一般的には、約1,000ppm以下、好ましくは約500ppm以下、例えば、約100ppm〜約300ppmの濃度で金属溶液に加えられる。界面活性剤は、イオン特性又は非イオン特性をもつことができる。好ましい界面活性剤は、硫酸ドデシル、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含んでいる。コバルト含有溶液中で用いることができる他の界面活性剤は、グリコール・エーテルをベースにした界面活性剤(例えば、ポリエチレン・グリコール)を含んでいる。例えば、グリコール・エーテルをベースにした界面活性剤は、ダウケミカル社から入手できるTRITON(登録商標)100のようなポリオキシエチレン単位を含むことができる。界面活性剤は、単一化合物又は種々の長さの炭化水素鎖を含む分子の化合物の混合物であってもよい。
【0044】
[0050]pH調整剤、一般的には塩基は、第一金属溶液のpHを、約7〜約12、好ましくは約8〜約10の範囲のpHに調整するために用いられる。適切なpH調整剤は、水酸化物、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム((CH)NOH;TMAH)、水酸化アンモニウム(NHOH)、それらの誘導体、それらの組合せを含んでいる。例えば、TMAHは、各溶液のpHを約9〜約9.5のpHに調整するために存在することができる。
【0045】
[0051]一実施例においては、第一金属溶液は、約28g/lの硫酸コバルト(CoSO・7HO)、約10g/lのタングステン酸、約57.5g/lのクエン酸、DI水、pHを約9.25に調整するのに十分な量のTMAH(25%)を含んでいる。この第一金属溶液は、500mlの目盛りつきビーカー中の約300mlのDI水に10gのタングステン酸(好ましくは、マサチューセッツ州ワードヒルにあるAlfaAesar(登録商標)から入手できる)を溶解し、約20mlの25%TMAHを加えることによって、調製することができる。500mlの混合物をホットプレート上で約35℃〜約100℃の範囲の温度に溶解が完了したように見えるまで少なくとも10分間加熱する。加熱しっつ、必要であれば、好ましくはpHが約10を超えないで、追加のTMAHを加えることができ、蒸発した水に置き換わるようにDI水を加えることができる。その後、500mlビーカーの底に沈降することができるあらゆる残留微粒子又は物質(スペック)から透明な溶液を分離するために、透明な液体混合物を傾瀉(decant)する。別の1リットルの目盛りつきプラスチック混合ビーカーに、約28gの硫酸コバルトと約57.5g/lのクエン酸を約250mlのDI水に加える。コバルト-クエン酸水溶液を、約7のpHにTMAHで滴定し、その後、透明なタングステン酸-TMAH水溶液を撹拌しながら加える。その溶液を、約9.25のpHにTMAHで滴定し、最終容量が1000mlになるまでDI水で希釈する。他の実施例においては、1リットルの第一金属溶液は、約57.5g/lのクエン酸、約5.5g/lの硫酸、約22.5g/lのCoSO・7HO、約5.0g/lのCoCl・6HO、約10g/lのタングステン酸、DI水、pHを約9.25に調整するのに十分な量のTMAH(25%)を含むことができる。他の実施例においては、1リットルの第一金属溶液は、約74g/lのクエン酸、約24g/lのCoCl・6HO、約5g/lのタングステン酸、約0.2g/lのSDS(界面活性剤)、DI水、pHを約9.25に調整するのに十分な量のTMAH(25%)を含むことができる。
【0046】
[0052]第一金属溶液の他の例においては、コバルト源、錯化剤、pH調整剤、水だけを含んでいる。コバルト溶液は、約0.05M〜約0.15Mの濃度範囲、好ましくは約0.10Mの濃度であることができるコバルト源を含んでいる。コバルト源には、水溶性コバルト源(例えば、Co2+)、例えば、硫酸コバルト(CoSO)、塩化コバルト(CoCl)、酢酸コバルト((CHCO)Co)、それらの水和物、それらの組合せや誘導体が含まれることができる。pH調整剤には、上記のように、水酸化テトラメチルアンモニウム((CHNOH;TMAH)、水酸化アンモニウム(NHOH)、それらの誘導体、それらの組合せのような水酸化物が含まれることができる。この溶液に用いられる錯化剤は、一般的には、アミノ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、アミン、ジアミン及びポリアミンのような官能基をもつことができる。
【0047】
[0053]プロセスステップ104の一実施形態においては、第一処理流体は、緩衝化洗浄溶液を含み、第一金属溶液を含まない。この組成においては、第一処理溶液は、基板の表面を湿潤し、洗浄し、熱的に平衡化するために、約50℃〜約75℃の範囲の温度で分配することができる。緩衝化洗浄溶液は、上記のように、一般的には、酸、錯化剤、緩衝化剤及び/又はpH調整剤を含む水溶液を含むことができる。
【0048】
プロセスステップ106A
[0054]ステップ106Aにおいて、まず基板表面を少なくとも緩衝化洗浄溶液で処理した後、緩衝化還元剤溶液が緩衝化洗浄溶液と第一金属溶液を含む流れに加えられ、それによって、第一無電解めっき溶液が形成される。第一金属溶液と第一還元剤溶液を含む第一無電解めっき溶液は、第一金属層、例えば、CoWP、CoWPB、CoP又はCoBをCu相互接続面上に無電解で堆積させる。緩衝化還元剤溶液は、本質的にあらゆる適合できる還元剤溶液でもよい。好ましい実施形態においては、第一緩衝化還元剤溶液は、自己開始する無電解めっき溶液を含んでいる。一態様においては、導電性表面6A上の第一金属層の無電解堆積は、活性化層(図2A-D参照のこと)又は導電性表面6Aのほかの活性化層の前処理によらずに完了する。他の態様においては、無電解堆積プロセスは、まず活性化層を形成し、次にその活性化層上に金属層を無電解で堆積させることによって、行われる。
【0049】
[0055]緩衝化還元剤溶液は、リン源及び/又はホウ素源、pH調整剤、水、活性剤を含むことができる。次亜リン酸塩のようなリン源は約0.1M〜約0.5Mの範囲の濃度で緩衝化還元溶液中にあることができる。リン源及び/又はホウ素源は、めっきプロセス全体で、めっき溶液に溶解したイオンを化学的に還元する還元剤として機能し、また、堆積した金属合金(例えば、CoWP又はCoWPB)に取り込むために元素のリンを供給する。次亜リン酸塩源は、次亜リン酸(HPO)、その塩、その組合せを含んでいる。溶液中に溶解すると、次亜リン酸塩源は、HPO1-として存在し、塩はNa1+、K1+、Ca2+、NH1+、(CH)1+、それらの組合せ、好ましくは(CH)1+を含んでいる。
【0050】
[0056]ボランベース共還元剤のような活性剤が上記のめっき溶液に加えられる。ボランベース共還元剤は還元剤とホウ素元素源として働く。還元剤として、共還元剤は、無電解めっきプロセスを開始するために、めっき溶液に溶解したイオンを化学的に還元する(即ち、電子を移動させる)。還元プロセスは、種々の元素及び/又は化合物を沈殿させて、他の元素の中のコバルト、タングステン、リンのようなCoWP合金の組成を形成する。ボランベース共還元剤は、溶解イオンで酸化されと同時に、CoWP合金の中にホウ素として少しばかり取り込まれることができる。ボランベース共還元剤は、典型的には、CoWB合金やCoB合金のホウ素源である。ボランベース共還元剤やホウ素源は、ジメチルアミンボラン錯体((CH)NH・BH、DMAB)、トリメチルアミンボラン錯体((CH)N・BH、TMAB)、tert-ブチルアミンボラン錯体(BuNH・BH)、ピリジンボラン錯体(CN・BH)、アンモニアボラン錯体(NH・BH)、それらの錯体、それらの組合せを含んでいる。本明細書に記載される自己活性化無電解堆積のより詳しい説明は、2004年10月21日出願のTimothyW,Weidmanらの“コバルト含有合金による銅の選択的自己開始無電解キャッピング”と称する共同譲渡された米国特許出願第10/967,919号に見ることができ、この開示内容は特許請求した態様と本明細書の記載と矛盾しない程度まで本明細書に全体で援用されている。一実施例においては、緩衝化還元溶液は、約0.1M〜約0.5Mの範囲の濃度のDMABを含むことができる。
【0051】
[0057]pH調整剤、一般的には塩基は、緩衝化還元剤溶液を約7〜約12、好ましくは約8〜約10の範囲、より好ましくは約9.5のpHに調整するために含まれることができる。pH調整剤は、TMAH、NHOH、TEA、DEA、それらの誘導体、それらの組合せのような、アンモニア、アミン又は水酸化物を含むことができる。緩衝化還元剤溶液に用いられるpH調整剤は、CoW溶液と緩衝化洗浄溶液に用いられるpH調整剤と同じでも異なってもよい。
【0052】
[0058]任意の安定剤もまた、緩衝化還元溶液に加えることができる。安定剤は、溶解した銅イオン(例えば、Cu1+又はCu2+)と選択的に錯体形成し、粒子成長を開始する傾向を阻止しうると思われる。或いは、安定剤は、還元金属イオンの粒子への成長を阻止することができる。有用な安定剤は水溶性であり、銅イオンを錯体形成するための高い親和性を有する。緩衝化還元溶液中で、典型的な安定剤は、約20ppm〜約250ppm、好ましくは約80ppm〜約120ppmの濃度をもつことができる。1つの好ましい安定剤は、約80ppm〜約120ppmの濃度のヒドロキシピリジン又はその誘導体である。
【0053】
[0059]一実施例においては、1リットルの緩衝化還元剤溶液は、約12gのDMABと約33gの50%HPOを周囲温度でDI水に加え、その後、pHを約9.25に調整するために25%TMAHを加えることによって、調製される。他の例においては、緩衝化還元剤溶液は、約12g/lのDMAB、72g/lのクエン酸、0.1g/lのヒドロキシピリジン(安定剤)、約33g/lの50%HPO、DI水を含むことができ、その後、pHを約9.25に調整するために25%TMAHが加えられる。
【0054】
プロセスステップ108
[0060]ステップ108において、第一金属層を堆積させた後、一定の混合流量を維持するように、第二金属溶液の流量を同時に導入し増加させつつ第一金属溶液の流れを流量ゼロに下げる。第一と第二の金属溶液の流量が調整されるので、第一と第二の金属溶液双方からの元素をもつ非常に薄い界面層が第一金属層の上に形成させることができる。界面層を形成すると、第一金属層と続いて堆積した第二金属層間の適合性又は付着を高めることができる。第二金属溶液を加えると、第二金属層、例えば、界面層CoWFeP上のCoFePを無電解で堆積させるための第二金属溶液と第一還元剤を含む第二無電解めっき溶液が供給される。同様に、第三金属層、第四金属層から第nの金属層までが基板の導電性表面6A上に堆積するように、第三金属溶液、第四金属溶液から第nの金属溶液までの流れを還元剤の流れに順次導入することができる。
【0055】
[0061]プロセス100は、異なる組成と厚さをもつ一連の層を無電解で堆積させるために、柔軟に行うことができる。他の実施形態においては、第一層CoWPを堆積した後、第一還元剤溶液は、第二還元剤溶液に置き換えられるか又は第二還元剤溶液と混合することができる。第二金属溶液と第二還元剤溶液の流れが増加するにつれて第一金属溶液と第一還元剤溶液の流れが減少するように、第二還元剤溶液の流れの導入は第二金属溶液の導入と同時に起こることができる。第二金属溶液と第二還元剤溶液を含む第二無電解めっき溶液は、第一と第二の金属溶液と第一と第二の還元剤溶液からの元素をもつ界面層CoWFePB上に、第二金属層、例えば、CoFeBを無電解で堆積させる。或いは、他の実施形態においては、第二還元剤溶液は、第二金属溶液の導入直前に導入することができる。他の実施形態においては、基板が、第一還元剤溶液、及び/又は第二還元剤溶液にさらされるように、第二金属溶液又は第二無電解めっき溶液の流れを導入する直前に、第一金属溶液の流れを完全に停止させることができる。この技術は、第一と第二の金属層の間にはっきりした転移を与え、界面層の厚さを最小限にする。無電解で堆積した層、即ち、第一金属層から第nの金属層までの各々の厚さは、特定の金属溶液を所望の金属濃度をもつように希釈し、導電性表面6A、又はすでに堆積した金属層n-1が無電解溶液にさらされる時間を制御することによって、個々に制御することができる。無電解で堆積した層の各々は、約30オングストローム以上の厚さ、好ましくは約50オングストローム〜約100オングストロームの厚さをもつことができる。界面層の各々の厚さは、1つ以上の金属溶液の流量及び/又は1つ以上の還元剤溶液の流量を調整する時間によって制御することができる。界面層は、約5オングストローム以上の厚さ、好ましくは約10オングストローム〜約50オングストロームの厚さをもつことができる。第一から第nまでの金属溶液と第一から第nまでの還元剤溶液の個々の成分の流れを供給すると、連続した無電解堆積プロセス中に無電解めっき溶液の組成を急速に変化させる際の柔軟性が得られる。連続した無電解堆積プロセスによって、膜組成の連続変化又は膜組成のはっきりした転移又は変化をもつ膜を得ることができる。
【0056】
[0062]第二から第nまでの金属溶液は、上記のような第一金属溶液と同じ方法で調製することができる。第二から第nまでの金属溶液は本質的には、第一金属溶液に対して上で記載されたように、あらゆる金属又は金属合金を含むことができるが、金属又は金属合金は、好ましくは、最上部の金属層、即ち、第n金属層に、耐酸化性のような望ましい表面特性を与えるように選ばれる。一実施例においては、第二金属層に耐酸化性を与えるために、第二金属溶液は、好ましくは、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、それらの組合せのような耐酸化性金属を含むことができる。例えば、第一金属層(CoWP)の上にRh貴金属不動態化層を形成するためには、1リットルの第二金属溶液は、約1.0g/lのグリシン、0.5g/lのRh(SO)(HO)、DI水を含むことができる。一態様においては、第二無電解めっき溶液が処理セルに導入されると、第二無電解溶液は、貴金属(即ち、第二金属溶液)を効率よく用い廃棄物を最小限にするために、処理セルに再循環されうる。処理セルの再循環操作は下でより詳しく記載される。
【0057】
[0063]他の実施形態においては、磁気特性をもつ第二金属層が第一金属層の上に堆積する。例えば、第一金属層(CoWP)の上に磁気層CoFePBを形成するために、1リットルの第二金属溶液は、約28g/lのCoSO・7HO、約28g/lのFe(SO)・6HO、約38.5g/lのクエン酸、DI水、及びpHを約9.2に調整するのに十分な量のTMAH(25%)を含むことができる。第二金属溶液が処理セルに取り込まれると、第二無電解めっき溶液は、第二金属溶液の中に導入するために用いられる技術によっては、CoWP層の上に又は界面層CoFeWPB上にCoFePB磁気層を堆積させる。
【0058】
[0064]他の実施形態においては、CoP又はCoBを含む第二金属層が第一金属層の上に堆積する。例えば、CoWPBを含む第一金属層の上にCoB層を形成するために、1リットルの第二金属溶液は、約24g/lの硫酸コバルト(CoCl・6HO)、約74.4g/lのクエン酸、DI水、及びpHを約9.25に調整するのに十分な量のTMAH(25%)を含むことができる。第二還元剤は、約12g/lのDMABを含み、その後、pHを約9.25に調整するために25%TMAHが加えられる。第二金属溶液が処理セルに導入されると、第二無電解めっき溶液は、第二金属溶液の中に導入するために用いられる技術によってはCoWP層の上に又は界面層CoWPB上にCoB層を堆積させる。
【0059】
プロセスステップ106B
[0065]ステップ106Bにおいて、本発明の他の実施形態においては、ステップ106Aで形成された第一無電解めっき溶液は、導電性表面6A上に種々の組成をもつ金属薄層(例えば、CoWP)を堆積させるために再循環される。この実施形態は、金属又は金属合金が堆積し、同時に無電解めっき溶液から消耗されるので、めっき溶液の成分濃度の変化によって種々の組成をもつ金属薄層を形成するために、自己活性化無電解めっき溶液を処理セルに連続して再循環することを使っている。この実施形態の1つの特徴は、膜の厚さを制御する手段としての金属薄層の自己制御めっき又は成長である。
【0060】
[0066]一実施例においては、ステップ106Aで形成された第一無電解めっき溶液は、はじめに、第一金属層のCoWPを清浄なCu相互接続面上に堆積させる。下で記載される収集タンクシステム549の使用によって、第一無電解めっき溶液が集められ、基板の表面全体に再循環し、集められた無電解めっき溶液を再循環させるように適合されている。第一無電解めっき溶液が処理セルに再循環するにつれて、溶液に希釈した濃度のコバルトが急速に使い果たされるのでコバルトの自己触媒堆積が進行し、溶液中のWの相対濃度が増大し、成長膜がタングステンを多く含み、触媒的に不活性か又は自己制御になる。連続した自己制御無電解めっきプロセスは、膜の厚さ全体にコバルトの量が減少しているCoWP膜を形成し、膜の第一層はコバルトを多く含むCoWP層であり、膜の表面は、膜の成長を更に阻止するタングステンを多く含むCoWP層である。
【0061】
[0067]他の実施形態においては、ステップ106Bで、ステップ106Aに記載された第一無電解めっき溶液の第一金属溶液は、更に急速に自己触媒的に自己消失するために非常に少量の金属と配合される第二金属溶液で置き換えられる。この実施形態は、膜厚の成長を制御する代替的手段を与える。例えば、1リットルの第二金属溶液は、約5g/lの硫酸コバルト(CoSO・7HO)、約10g/lのタングステン酸、約19g/lのクエン酸、DI水、pHを約9.25に調整するのに十分な量のTMAH(25%)だけを含むことができる。この自己制御技術を用いて約150オングストローム未満の膜厚を堆積させることができる。
【0062】
プロセスステップ110
[0068]ステップ110において、種々の組成をもつ金属薄層を無電解で堆積した後、基板がDI水ですすがれ、あらゆる残存する緩衝化洗浄溶液及び/又は無電解めっき溶液が基板の表面から除去される。基板は約5秒〜約60秒間、好ましくは約15秒間すすぐことができる。
【0063】
流体分配ハードウェア
[0069]本明細書に記載されるプロセスは、一般的には、フェースダウン又はフェースアップ型構造の基板を無電解めっき溶液にさらすように構成された処理セル内で行われる。無電解流体配管システム402は、本発明の種々の実施形態に従って、一連の層を洗浄し無電解で堆積する処理セルに連続した一連の処理溶液を供給して、導電性表面6A上に種々の組成をもつ金属薄膜を形成するために用いることができる。
【0064】
[0070]図4は、一般的には、一連の連続プロセスで、導電性表面6Aから酸化物を除去し、種々の組成をもつ金属薄層を導電性表面6A上に順次堆積させるように構成された例示的無電解めっきシステム400を示す概略図である。無電解めっきシステム400は、脱ガスされ予熱されたDI水、緩衝化洗浄溶液、一連の無電解処理溶液の連続流を、基板支持体512上に取り付けられた基板510を含む処理セル500に供給するように構成された無電解流体配管システム402を含んでいる。一実施形態においては、図4に示されるように、処理セルはフェースアップ型処理セルである。一実施形態においては、無電解流体配管システム402は、一般的には、DI水源システム405、緩衝化洗浄溶液システム411、金属溶液分配システム412、還元剤溶液分配システム413を含んでいる。一般に、DI水源システム405、緩衝化洗浄溶液システム411、金属溶液分配システム412、還元剤溶液分配システム413は、各々の容器(例えば、符号410、436、448a-n、458a-n)と、流体計量デバイス(例えば、符号423、426、424a-n、425a-n)を含んでいる。容器は、一般的には、上記の処理溶液の1つを形成するために、他の成分と混合される所望の溶液の量を含む容器である。流体計量デバイスは、容器からの所望の成分の流量を制御するために用いられる定量ポンプ、液体流コントローラ、又はニードル弁であってもよいので、所望の無電解処理溶液を形成するために他の成分の既知の流量と混合することができる。幾つかの構成においては、含まれた流体の流れの制御を助けるために、重力を用いること又は容器の1つ以上をガスで加圧することが有利であることができる。一態様においては、流体計量デバイスは、所望の成分量を投与するために用いられる。無電解流体配管システム402内の種々の要素(例えば、流体計量デバイス、遮断弁等)を制御するシステムコントローラ(図示せず)の使用によって、タイミング、流量、各成分の投与量が制御される。システムコントローラ、典型的にはマイクロプロセッサをベースにしたコントローラは、使用者及び/又は無電解めっきシステム400内の種々のセンサーからの入力を受容し、コントローラのメモリ(図示せず)に保持された種々の入力とソフトウェアの命令に従って、処理チャンバの要素や無電解流体配管システム402を適切に制御するように構成される。本発明の他の態様においては、図4に示されるように、遮断弁(例えば、符号438、439a-n、441a-n)は、種々の容器に保持されている流体の二次汚染を防止するために加えることができる。
【0065】
[0071]一実施形態においては、DI水源システム405は、一般的には、水容器410、インライン脱気剤408、流体計量デバイス426、遮断弁422を含む。動作中、脱ガスされ予熱されたDI水414は、DI水をDI水源403からインライン脱気剤408を通って、加熱源をもつ水容器410まで流すことによって調製される。脱ガスされ予熱したDI水414は、緩衝化洗浄溶液及び/又は無電解処理溶液を形成するのに、希釈剤と加熱源の双方として働く。DI水がインライン脱気剤408を通過すると、DI水中に本来存在する溶存酸素(O)の量が減少する。インライン脱気剤408は、好ましくは接触膜脱気剤であるが、超音波処理、加熱、不活性ガス(例えば、N又はAr)の通気、酸素捕捉剤の添加、それらの組合せを含む他の脱ガスプロセスを用いることができる。膜接触システムは、典型的には、ガス拡散(例えば、O)を選択的に可能にするが液体の通過を可能にしない、一般的にはポリプロピレンから製造される、微小中空疎水性繊維の使用を必要とする。水容器410は、DI水414を約50℃〜約95℃の範囲の温度に加熱する加熱源(図示せず)をもってもよい。加熱源は、また、水容器410(非金属容器)の外側にあるマイクロ波熱源、水タンクの内側の浸漬抵抗加熱素子、水タンクを取り囲む抵抗加熱素子、熱交換ボディ及びそこを通って流れる温度制御された流体の使用によってDI水と熱を交換するように構成される流体熱交換器、及び/又は水を加熱するために知られる他の加熱方法であることができる。更に、脱ガスされ予熱したDI水414は、使用前に水素化することができる。DI水414が好ましくは水素ガスで飽和される飽和は、無電解堆積プロセスの開始時間を短縮させることができる。DI水の水素添加は、DI水414を通して水素ガスを通気し、水容器410の中に含まれている間、DI水414に水素ガスを進めることによって、及び/又は接触膜脱気剤(図示せず)を用いてDI水に水素を注入することによって完了させることができる。
【0066】
[0072]緩衝化洗浄溶液の流れは、DI水414と容器436の中に貯蔵された緩衝化洗浄溶液濃縮物440をあわせることによって、処理セル500に供給される。所望される濃度の緩衝化洗浄溶液を形成するために、DI水414の定量流が流体計量デバイス426の使用によって水容器410から絶縁ライン419に分配され、緩衝化洗浄溶液濃縮物440の定量流が流体計量デバイス423の使用によってポイント“A”で絶縁ライン419に注入されて、所望の濃度、所望の温度、所望の流量の緩衝化洗浄溶液の流れが形成される。
【0067】
[0073]緩衝化洗浄溶液と第一金属溶液を含む第一処理溶液を形成するために、ステップ104に記載されるように、第一金属溶液の定量流が絶縁ライン419に流れている緩衝化洗浄溶液にポイントBあたりで加えられる。容器448aに貯蔵された第一金属溶液450aは、流体計量デバイス424aの使用によって絶縁ライン419の中にポイントBあたりで計量され、第一金属溶液は、緩衝化洗浄溶液濃縮物440とDI水414の流れに送り込まれて、種々の成分の所望の濃度を所望の温度で所望の流量でもつステップ104に記載されるように記載された緩衝化洗浄溶液と第一金属溶液を形成する。緩衝化洗浄溶液と第一金属溶液の混合流は、約100ml/分〜約800ml/分の範囲の流量をもち、導電性表面6Aから酸化物を除去するために約5秒間〜約30秒間、処理セル500に分配される。一態様においては、緩衝化洗浄溶液と第一金属溶液の濃度と種類は、種々の金属溶液450aから450nまで、DI水414、緩衝化洗浄溶液濃縮物440の流量を変えることで所望されるように変動させることができる。
【0068】
[0074]無電解めっき溶液を形成するために、ステップ106Aに(又ははじめにステップ106Bに)記載されたように、第一還元剤溶液の流れが、ポイントCあたりで絶縁ライン419中の緩衝化洗浄溶液と第一金属溶液の混合流に加えられて、処理セル500に第一無電解溶液が分配される。一実施形態においては、第一還元剤溶液の流れが導入され、総(又は混合)流量が増加するにつれて、総流量と温度が一定のままであるようにDI水流が減少する。第一還元剤溶液は、流体計量デバイス425(例えば、符号425a-nの1つ以上)を使用によって、ポイントCあたりで所望の流量で絶縁ライン419に分配され、それによって、第一無電解めっき溶液の流れが形成される。緩衝化洗浄溶液、第一金属溶液、第一還元剤溶液、DI水414を含む第一無電解めっき溶液の流れは、典型的には、約100ml/分〜約1000ml/分の範囲の流量をもち、基板510の導電性表面6A上に第一金属層をめっきするために、処理セル500に約5秒間〜約60秒間分配される。第一無電解めっき溶液の流れは、好ましくは、インラインミキサ470とインラインヒータ480を経由して処理セル500に分配される。流れている熱交換流体で流体ラインを覆うことによって又はマイクロ波キャビティのようなインラインマイクロ波ヒータを用いることによって、インライン加熱を達成することができる。
【0069】
[0075]一態様においては、続いての金属層は、金属溶液450aから450nまで、還元剤溶液460aから460nまで、DI水414、緩衝化洗浄溶液濃縮物440の流量を変えて、導電性表面6A上に一連の金属層を堆積させるために処理セル500に一連の無電解めっき溶液を供給することによって、形成することができる。
【0070】
[0076]一実施形態においては、絶縁ライン419中を基板510に向かって流れている種々の成分の濃度が変わらないことを確実にするために、1つ以上の化学成分が流れている流体から段階的に減少されるので、例えば、そこで、無電解で堆積した層の組成を変えることが所望され、段階的に減少した成分の流れに比例して流れている流体に流体を加えることは必要なことである。言い換えると、例えば、第一金属溶液450aの50ml/分の流れを段階的に“減少”させることが所望される場合には、絶縁ライン419中の総流量が変化せず、すでにラインに流れている成分の比率が変わらないことを確実にするために、50ml/分のDI水の流れが段階的に“導入”される。図4を参照すると、このプロセスは、DI水ライン(例えば、符号432、433a-n、434a-n)と接続された3方向弁(例えば、符号444、445a-n、446a-n)と流体計量デバイス(例えば、符号423、424a-n、425a-n)の使用によって達成することができる。使用中、3方向弁は容器とそれに関連したDI水ラインの間の切り替えをするために用いられ、流体計量デバイスは容器から分配された流体の前回の流れと同じ流量でDI水の流れを分配することができる。
【0071】
[0077]一態様においては、絶縁ライン419の中に新しい成分溶液を導入する前に中間の希釈又はリンスステップを与えるために、DI水ライン(例えば、符号432、433a-n、434a-n)と接続された3方向弁(例えば、符号444、445a-n、446a-n)と流体計量デバイス(例えば、符号423、424a-n、425a-n)を共に用いることができる。
【0072】
基板プロセス制御に対する基板
[0078]他の態様においては、無電解堆積プロセスを行うために用いられる無電解めっき溶液の濃度は、基板の表面上で見られる導電性表面6Aの密度、表面積、又は形状における変化の考慮するために、基板ごとに変えられる。プロセスは、使用者の入力又は導電性表面6Aの特性に関して集められた自動検査データに基づいて調整できる。自動検査ツールは、基板の表面に関する情報を集めるように適合される、パターンウエハ光学ウエハ検査ツール、ボクサークロス、及びSEM-EDX技術を含むことができる。
【0073】
[0079]集められたデータに基づいて、システムコントローラは、システムコントローラのメモリ内に含まれた1つ以上のプロセス手法からの命令による種々の処理化学を調整するように適合される。種々の処理化学の濃度は、導電性表面6A上に所望の特性をもつ層を堆積させる一連の洗浄と無電解めっき溶液を得るために、金属溶液450aから450nまで、還元剤溶液460aから460nまで、DI水414、緩衝化洗浄溶液濃縮物440の流量を制御することによって変えることができる。例えば、コバルト利用の効率を最大限にする(また、廃棄物流中のコバルト量を最小限にする)ために、銅の表面積と誘電体の表面積との割合が、銅の表面積と誘電体の表面積との割合が大きい他の場合よりも小さいときに、処理化学におけるコバルト濃度を低下させることができる。
【0074】
[0080]個々の成分の割合及び/又は安定剤のような特定の添加剤のレベルは、また、パターンサイズと密度の成長速度の実測依存を増強するか又は排除するために無電解コーティングの成長中に変えることができる。例えば、すべての露出した表面上で急速な開始と成長を進めるために設定された配合を用いて膜成長を開始することが一般的には望ましいが、一度プロセスが開始すると、重要な成分の濃度は、より大きな特徴部と相対して小さな絶縁特徴部上で堆積を増強又は阻止するために(成分溶液の相対的な混合比を変えることによって)調整することができる。絶縁特徴部は、導電性表面の密度が低い(例えば、銅表面積と誘電表面積との比が小さい)基板の表面上の領域にある特徴部である。めっき速度を制限した拡散を表すめっき配合は、単一希釈成分の濃度(例えば、金属イオンの濃度)に関連し、一般的には、経験する動的な流れよりも静的パッドルモードを用いてめっきした時のほうが、絶縁特徴部よりかなり速い成長を示す。しかしながら、低濃度のある種の安定剤(例えば、空気からの付随的な酸素を含むヒドロキシピリジン等)又はモリブデン(Mo04-2)のような追加の金属前駆物質は、より大きな特徴部に相対して小さな絶縁特徴部上で、より大きな阻止効果を示すことによってそのような効果を補償するか又は実際に効果を無効にするために使用しうる。この効果は、静的“パッドル”めっきモード(例えば、基板の表面に相対して流体の動きのないところに対して小さい)を用いるときに、特に明らかなものである。従って、個々の基板パターンに対して個々の処理化学を調整する能力は利点である。
【0075】
[0081]それ故、金属イオン濃度、安定剤濃度、基板の表面特性に基づき他の無電解めっき成分を変えること及び/又はプロセスの異なる相で、小さな絶縁特徴部とより大きな特徴部の堆積速度変動を補償することは望ましいことである。例えば、無電解堆積プロセスがすべての特徴部上で同時に開始することを確実にするために、無電解堆積プロセスの第一開始相中に安定剤を含まない無電解めっき化学を用い、その後、小さな絶縁特徴部とより大きな特徴部の堆積速度の相違を補償するために、安定剤を含む溶液を加えることによって無電解めっき溶液の組成を変えることは有利なことである。
【0076】
再循環ハードウェア
[0082]一実施形態においては、処理ステップ106Bは、上記のステップ106Aとともに記載されたプロセスを用いて無電解めっき溶液を形成することによって行われ、その後、基板510の表面に分配される。無電解めっき溶液の流れは、無電解めっき溶液が基板510を覆い、基板510の端を流れ、その後、収集タンクシステム549を充填するまで続けられる。収集タンクシステム549は、一般的には、収集タンクシステム549の中に集められた無電解めっき溶液を再循環させるように適合される容器(図示せず)と再循環ポンプ(図示せず)を含んでいる。望ましい量の無電解めっき溶液が収集タンクシステム549の中に保持された後、遮断弁471が閉められ、再循環ポンプが集められた流体の連続した流れを基板510の表面にもたらすために用いられる。再循環ポンプは、集められた流体が絶縁ライン558にインラインヒータ480を通ってノズル523から流れ込み、基板510上に分配され、その後、再循環ポンプで再び再循環されうるように、収集タンクシステム549の中に含まれる容器に再収集される。集められた無電解めっき溶液の流量は、約100ml/分〜約1000ml/分の範囲でありうる。
【0077】
チャンバフェースアップ型ハードウェア
[0083]図5は、本明細書に記載されるように、無電解層の堆積に有用な処理セル500の一実施形態を示す概略断面図である。処理セル500は、最上部504、側壁506、底部507を含む処理コンパートメント502を含んでいる。基板支持体512は、一般的には、処理セル500内のほぼ中央位置に配置されている。基板支持体512は、“フェースアップ”位置で基板510を受容するために、基板受容面514を含む。一態様においては、“フェースアップ”位置で基板支持体512の上に配置された基板510をもつと、基板510に適用されたときに基板510の処理に影響することから流体中の気泡の可能性が減少する。例えば、気泡は、流体インサイチュで作られ、流体処理装置の中で作られ、又は湿った基板の搬送によって作られてしまう。基板が処理中に“フェースダウン”位置に配置された場合には、流体中の気泡は、気泡の浮力の結果として基板の表面に対してトラップされる。浮力は流体中で気泡が上昇する原因であるので、“フェースアップ”位置で基板をもつこと、基板の表面に対して位置づけられることから流体中の気泡が減少する。また、フェースアップ位置で基板をもつと、基板搬送構造の複雑さが減少し、処理中に基板を洗浄する能力が改善され、基板の汚染物質及び/又は酸化物を最小限にするために、基板の湿った状態で搬送されることが可能である。
【0078】
[0084]基板支持体512は、セラミック材料(例えば、アルミナAl又は炭化ケイ素(SiC))、金属を被覆したTEFLONTM(例えば、アルミニウム又はステンレス鋼)、ポリマー材料、又は他の適切な材料を含むことができる。本明細書に用いられるTEFLONTMは、Tefzel(ETFE)、Halar(ECTFE)、PFA、PTFE、FEP、PVDF等のフッ素化ポリマーの総称である。好ましくは、基板支持体512はアルミナを含んでいる。基板支持体512は、更に、特にセラミック材料又はポリマー材料を含む基板支持体に対して、埋め込み加熱素子を備えることができる。
【0079】
[0085]処理セル500は、更に、基板510を処理セル500に分配し処理セル500から回収するロボット(図示せず)が接近するようにその壁を通って形成されたスロット508又は開口を含んでいる。或いは、基板支持体512は、処理セル500に、また、処理セル500から接近するように、処理コンパートメントの最上部504を通って基板510を上げることができる。
【0080】
[0086]リフトアセンブリ516は、基板支持体512の下に配置され且つ基板支持体512内のアパーチャ520を通ってリフトピン518を上下するためにリフトピン518に結合することができる。リフトピン518は、基板支持体512の基板受容面514に基板を下げ、基板受容面514から基板を上げる。
【0081】
[0087]モータ522は、基板支持体512を回転させて基板510を回転するように基板支持体512に結合することができる。一実施形態においては、基板支持体512がリフトピン518と関係なく回転することを可能にするために、リフトピン518は基板支持体512よりも下の位置に配置することができる。他の実施形態においては、リフトピン518は基板支持体512と回転することができる。
【0082】
[0088]基板510を所望の温度に加熱するために、基板支持体512を加熱することができる。基板支持体512の基板受容面514は、基板510を均一に加熱するために、基板510の裏側を実質的に受容する大きさであることができる。基板を均一に加熱することは、基板の一貫した処理得るために、特に温度関数である堆積速度をもつ堆積プロセスの重要な要因である。一実施形態においては、基板表面上に分配される前に、流体処理溶液中での粒子形成の機会を減少させるために、基板支持体の温度よりも低い温度(例えば、無電解処理温度)で上記の流体処理溶液を分配することが望ましい。
【0083】
[0089]緩衝化洗浄溶液と一連の無電解めっき溶液、また、脱イオン水を基板510の表面に順次分配するために、ノズル523のような流体導入口を処理セル500内に配置することができる。ノズル523は、基板510の中央に流体を分配するために、基板510の中央の上に配置することができ又はあらゆる位置に配置することもできる。ノズル523は、処理コンパートメント502の最上部504の上、又は側壁506を通って配置された分配アーム528上に配置することができる。分配アーム528は、基板510の中央に、又は中央から、分配アーム528とノズル523をピボット回転やスベル旋回するように適合される回転可能な支持部材521周りに移動させることができる。更に、又は或いは、ノズル(図示せず)は処理セル500の最上部504又は側壁506上に配置され且つ基板510上に所望のパターンで流体を噴霧するように適合させることができる。
【0084】
[0090]処理セル500は、更に、処理セル500で用いた流体を集め、放出するために、ドレーン527を含んでいる。処理コンパートメント502の底面507は、処理セル500に用いられた流体の流れをドレーン527と連通している環状チャネルに向かう助けるとともに基板支持アセンブリ513を流体との接触から保護するために傾斜面を備えることができる。
【0085】
[0091]フェースアップ型処理セルのより詳しい説明は、2002年1月28日出願の“無電解堆積装置”と称するStevensらの共同譲渡された米国特許出願第10/059,572号で見ることができ、この開示内容は、特許請求した態様と本明細書の説明が矛盾しない程度まで本明細書に全体で援用されている。
【0086】
チャンバフェースダウン型ハードウェア
[0092]図6に示されるように、流体処理セル600は、生成面(例えば、導電性表面6A)の表が下向きであるように置かれた基板630を支持するとともにセル本体602に供給された処理流体に基板を下向きに移動させるように構成されたヘッドアセンブリ604を含むフェースダウン型流体処理セルであってもよい。ヘッドアセンブリ604は、一般的には、回転させ、水平又はピボット作動させ、垂直に作動させるように構成され、また、セル本体602の開口の中に受容すべき大きさである基板支持部材606を含んでいる。基板支持部材606は、その中に形成された複数の真空アパーチャ610をもつほぼ平坦な下面608を含んでいる。下面は、セラミックス又はプラスチックのような流体処理溶液に反応しない金属から被覆又は製造することができる。真空アパーチャ610は、真空アパーチャ610が下面608に基板614を真空チャックするために用いることができるように、真空源(図示せず)と流体で選択的に連通している。Oリング型シールのような、例えば基板支持面608の周辺近くの環状シール621は、流体が基板の裏面に接触しないようにしながら、基板614の裏面と係合して、下面608と基板614の間を真空密封するように構成されている。基板支持部材606の内部はヒータアセンブリ612を含み、それは複数の同心円状に配置された加熱バンドを備えることができる。加熱バンドは、抵抗ヒータ、そこを通って流れる加熱した流体をもつように構成される流体通路、又は半導体処理方法の基板支持部材を加熱する他の方法を含むことができる。複数の加熱バンドは、処理中、基板温度をより正確に制御するために、所望される場合には、個々に制御することができる。より詳しくは、加熱バンドに対する個々の制御は堆積温度に対する正確な制御を可能にし、それは無電解めっきプロセスに不可欠である。基板支持部材606は、更に、処理中、基板614にメガソニック又は他の振動エネルギーを伝えるように構成されたアクチュエータ又は振動デバイス(図示せず)を含むことができる。
【0087】
[0093]セル本体602は、例えば、プラスチック、ポリマー、セラミックスのような流体処理(無電解又はECP)溶液に反応しないことが知られている種々の物質から製造することができる。セル本体602の底面の中央部は流体処理ベイスン615を含んでいる。ベイスン615は、一般的には、ベイスン面616を囲んでいる環状流体堰618をもつほぼ平坦なベイスン面616を含んでいる。流体堰618は、一般的には、約2mm〜約20mmの高さをもち、一般的には、処理領域620のベイスン面616上に、パッドル型構造で処理流体を維持するために構成されている。ベイスン面616はまた、その中の形成された複数の流体アパーチャ622を含んでいる。流体アパーチャ622は、一般的には、無電解堆積プロセスで用いることができる、リンス溶液源、活性化溶液源、洗浄溶液源、無電解めっき溶液源、他の流体源のような複数の処理流体源と流体で連通している。そのように、アパーチャ622は処理領域620に処理流体を供給するために用いることができる。処理流体は、一般的には、アパーチャ622を通って上向きに流れ、その後、矢印“B”で示されるように、堰618に向かって処理領域620を通って外向きに流れる。流体ドレーン624は、一般的には、セル本体602の外部の下部分で、流体堰618のほぼ外向きに配置される。そのように、流体ドレーン624は、堰618をあふれる流体を集めるように構成されている。本明細書に記載されるフェースダウン型の無電解めっきセルと、処理プラットフォームは、2003年10月15日出願の“無電解堆積用装置”と称する共同譲渡された米国特許仮出願第60/511,236号、2001年12月26日出願の“無電解めっきシステム”と称する共同譲渡された米国特許出願第10/036,321号に詳しく記載され、この開示内容はいずれも、特許請求した態様と本明細書の説明が矛盾しない程度まで本明細書に全体で援用されている。
【0088】
流体分配プロセス
[0094]プロセス100の一態様においては、種々の流体処理溶液が、流体の連続流れを用いて基板の表面に分配される。流体処理溶液という用語は、一般的には、種々の処理流体(即ち、ステップ104に記載されている)、無電解めっき溶液(即ち、ステップ106A、106B、108に記載されている)及び/又はリンス溶液(即ち、ステップ110に記載されている)を記載することを意味する。この構成において、種々の処理ステップ(即ち、ステップ104-110)を行うために用いられる流体処理溶液の総流れは、処理の要求を満たすことを所望されるように変動させることができるが、基板表面上の流体処理溶液の流れは通常はゼロより大きい。中断されない流れの使用は、処理中、化学濃度を変化させることによってもたらされるプロセス変動を最小限にするとともに表面酸化の機会を減少させるために、新しい濃度の溶液が連続して基板表面に分配されることを確実にするのに有利なものである。また、中断されない流れの使用は、化学物質を加え、基板の表面から除去するような付加価値のないステップを完了させる時間の浪費がないので、総チャンバ処理時間を最小限にする。
【0089】
[0095]他の態様においては、分配された流体処理溶液が基板表面を覆うと、流体処理溶液の流れは、使用者が決めた時間休止する。その後、次の流体処理溶液が基板表面に分配されうるように、使用者が決めた時間が終了した後に流れが再度始まる。このように、この構成は、プロセスチャンバの廃棄物を減少しつつ、所望されるプロセスを完了させるまでの時間、流体処理溶液が基板の表面上に保持されていることを可能にする。この構成はまた、基板表面が流体処理溶液で覆われることを確実にすることによって、可能な酸素源又は他の汚染物質に基板の表面をさらすことを防止又は最小限にすることができる。
【0090】
[0096]他の態様においては、第一流体処理溶液の流れが、しばらくの間、基板の表面上に分配され保持され、その後、第二流体処理溶液が第一流体処理溶液の容積に加えられ、第二使用者が決めた時間の間、基板の表面上に保持される。一態様においては、異なる組成をもつ2つの層が一連続プロセスで堆積されうるように、異なる組成をもつ第一流体処理溶液と第二流体処理溶液を用いることは有利なものである。一態様においては、第一溶液が、第二溶液が第一溶液に加えられたときに形成された溶液をあまり希釈しないように、第二処理流体の量よりも少量をもつ第一処理流体の第一量を分配することも有利なものである。一態様においては、基板の表面を速く均一に覆うために、噴霧又は油霧分配プロセスを用いて、第一処理溶液と他の処理流体を分配することも有利なものである。従って、この構成は、プロセスチャンバの廃棄物を減少しつつ、それぞれのプロセスを完了させるまでの時間、流体の薄層が基板の表面上に保持されることを可能にする。この構成はまた、基板表面が流体処理溶液で覆われることを確実にすることによって、可能な酸素源又は他の汚染物質に基板の表面をさらすことを防止又は最小限にすることができる。
【0091】
[0097]更に他の態様においては、2つの流体処理溶液を混合することによってもたらされる希釈効果を減少させるために、1ステップが完了した後、次の流体処理溶液の流れが再開する前に、例えば、基板を回転させることによって、基板の表面を覆っている流体処理溶液を除去することが有利である。この場合には、流体処理溶液除去プロセスが基板表面を元の流体処理溶液で湿ったままにすることを確実にすることによる酸化又は汚染の機会を減少させるために、基板表面を大気にさらすことが最小限にされることができる。基板表面が完全に取り除かれる前に次の流体処理溶液の流れを再開させることによって、このステップは完了しうる。一態様においては、DEA、TEA、界面活性剤、及び/又は他の湿潤剤を含む流体処理溶液の使用は、この成分の使用が流体処理溶液にさらされた表面の蒸発及び/又は乾燥の可能性を減少させるので、導電性表面の露出の可能性を減少させることができる。一態様においては、次の流体処理溶液の流れは、前の流体処理溶液を取り除くプロセスが基板表面を酸素又は他の汚染物質にさらすのを最小限に開始するのと同時に開始される。
【0092】
前洗浄プロセス
[0098]プロセス100の一実施形態においては、前洗浄ステップはステップ102の前に加えられ、その結果、基板を無電解処理チャンバに移す前に、あらゆる表面酸化が導電性表面6Aから除去することができる。この構成は、無電解プロセス化学物質と適合しないという、より費用効率の高い洗浄剤の使用を可能にするという点で有用なものである。前洗浄プロセスは、一般的には、酸化層を除去することを確実にするのには十分であるが、導電性表面6Aの相当量を除去するのには十分ではない時間、基板の表面を前洗浄溶液にさらすステップを必要とする。一態様においては、前洗浄プロセスが実行された後、次のプロセス100ステップ(例えば、プロセスステップ104、106A及び/又は106B)が始まる前に、導電性表面の再酸化を防ぐために、基板は低濃度酸素を含む大気中に移される。低濃度酸素を含む大気中の処理基板の例示的システム、装置、プロセスは、更に、2004年11月22日出願の“半導体ウエハ上における金属の無電解堆積用装置”と称する米国特許出願第10/996,342号に記載され、この開示内容は、特許請求した態様と本明細書の説明が矛盾しない程度まで本明細書に全体で援用されている。
【0093】
[0099]前洗浄溶液は、一般的には、約30℃〜約85℃の温度で基板表面に分配される酸を含んでいる水溶液である。酸は、導電性表面6A上の金属酸化物を分解するために用いられる。好ましい酸は、硫酸(HSO)、酢酸(C)、クエン酸(C)、メタンスルホン酸(CHSOH)及び/又はそれらの組合せや誘導体を含んでいる。酸は、約0.5モル(M)〜約3.5Mの範囲内のpHをもつ溶液を生成するのに十分な濃度をもつことができる。
【0094】
プロセス実施例#1
[00100]一実施形態においては、キャッピング層は、まず緩衝化洗浄溶液の使用によって露出した銅の特徴部の表面を洗浄し、その後、ある量のタングステンを含むコバルト合金を堆積し、その後、タングステンのないコバルト含有層を堆積し、基板をすすぐというプロセスによって、銅の特徴部上に形成される。例示的なプロセスの一例を以下に記載する。
【0095】
[00101]このプロセスにおいて、第一処理溶液は、基板の表面から酸化物を除去するために基板の表面に分配される。第一処理溶液は、DI水414を緩衝化洗浄溶液濃縮物440の一部と混合することにより、絶縁ライン419の中に形成される。緩衝化洗浄溶液濃縮物440は、121g/lのDEA、22.4g/lのグリシン、72g/lのクエン酸、6.2g/lのホウ酸、DI水、pHを約9.45に調整するのに十分な量のTMAH(25%)を含んでいる。緩衝化洗浄溶液濃縮物440の混合物は、加熱したDI水の流れと約9:1(即ち、DI水:緩衝化洗浄溶液濃縮物440a)の割合で合わせ、0.115MのDEA、0.030Mのグリシン、0.0375Mのクエン酸、0.010Mのホウ酸を含む溶液を形成する。最終溶液の温度は、約55℃〜約60℃であった。基板の表面に分配される第一処理溶液の流量は、約400ml/分で約15秒間である。
【0096】
[00102]緩衝化洗浄溶液の使用によって酸化物を除去した後、第一処理溶液の流れに緩衝化還元剤460aと第一金属溶液450aの流れを注入することによる第一無電解めっき溶液を形成することによって、CoWPBを含む金属層が導電性表面6A上に無電解で堆積する。緩衝化還元剤460aは、約12g/lのDMAB、33g/lのHPO、72g/lのクエン酸、0.1g/lのヒドロキシピリジン、pHを約9.25にするのに十分なTMAHを含んでいる。第一金属溶液450aは、23.8g/lのCoCl・6HO、74.4g/lのクエン酸、5.0g/lのタングステン酸、0.2g/lのSDS、約9.25のpHにするのに十分なTMAHを含んでいる。従って、流れを一定に保つために、種々の成分の希釈は、約7:1:1:1の割合(即ち、DI水:緩衝化洗浄溶液濃縮物440:第一金属溶液450a:緩衝化還元剤460a)で維持され、0.115MのDEA、0.030Mのグリシン、0.112Mのクエン酸塩、0.010Mのホウ酸、0.10MのCoCl・6HO、0.002Mのタングステン酸、20ppmのSDS、0.02MのDMAB、0.025MのHPO、10ppmのヒドロキシピリジンを含む溶液を形成する。最終溶液の温度は約55℃〜約60℃であった。約400ml/分の流量が基板の表面に約60秒間分配される。
【0097】
[00103]CoWPBを含む金属層を無電解で堆積した後、第一金属溶液450aと緩衝化還元剤460aの流れを停止し、第二金属溶液450bと第二緩衝化還元剤460bの流れを開始することによって、CoBを含む金属層がCoWB層上に無電解で堆積する。第二金属溶液450bは、23.8g/lのCoCl・6HO、74.4g/lのクエン酸、0.2g/lのSDS、pHを約9.25にするのに十分なTMAHを含んでいる。第二緩衝化還元剤460b溶液は、12g/lのDMAB、72g/lのクエン酸、0.1g/lのヒドロキシピリジン、DI水、pHを約9.25にするのに十分なTMAHを含んでいる。従って、流れを一定に保つために、種々の成分の希釈は、約7:1:1:1の割合(即ち、DI水:緩衝化洗浄溶液濃縮物440:第二金属溶液450b:緩衝化還元剤460b)で維持され、0.115MのDEA、0.030Mのグリシン、0.112Mのクエン酸、0.010Mのホウ酸、0.10MのCoCl・6HO、20ppmのSDS、0.02MのDMAB、10ppmのヒドロキシピリジンを含む溶液を形成する。最終溶液の温度は約55℃〜約60℃であった。約400ml/分の流量が基板の表面に約15秒間分配される。
【0098】
[00104]CoBを含む金属層を無電解で堆積した後、緩衝化洗浄溶液濃縮物440、第二金属溶液450bの流れ、第二緩衝化還元剤460bの流れを停止することによって、基板をすすぐ。DI水が約400ml/分の流量で基板の表面に約30秒間分配され、その後、基板を冷DI水で更に60秒間すすぐ。
【0099】
プロセス実施例#2
[00105]一実施形態においては、キャッピング層は、基板が第一処理チャンバで前洗浄され、その後、無電解プロセスが基板表面上でおこなうことができるように第二処理チャンバに分配されるプロセスを用いて、基板上の導電性表面上に形成される。無電解プロセスは、まずある量のタングステンを含むコバルト合金を堆積し、コバルト含有物質を堆積し、その後基板をすすぐというステップを含むことができる。例示的なプロセスの一例を以下に記載する。
【0100】
[00106]まず、基板表面を前洗浄プロセスを用いて洗浄した。前洗浄プロセスは、水性の前洗浄溶液で基板表面をすすぐことを含み、その前洗浄溶液は、pHを約1.8にするために、0.01Mのクエン酸と0.025Mのメタンスルホン酸を含んでいる。前洗浄溶液は、約20℃〜約25℃の間の温度で基板表面に分配される。基板の表面に分配される前洗浄溶液の流量は約400ml/分で約15秒間である。
【0101】
[00107]第一処理チャンバ内で前洗浄プロセスが完了した後、基板は100ppm未満の酸素を含む環境にある第二処理チャンバに送られる。前洗浄プロセスの使用によって酸化物を除去した後、緩衝化洗浄溶液濃縮物440、緩衝化還元剤460a、第一金属溶液450aの流れを加熱したDI水の流れの中に注入することにより第一無電解めっき溶液を形成することによって、CoWPBを含む金属層が導電性表面6A上に無電解で堆積する。緩衝化還元剤460aは、約12g/lのDMAB、33g/lのHPO、72g/lのクエン酸、0.1g/lのヒドロキシピリジン、pHを約9.45にするのに十分な量のTMAHを含んでいる。第一金属溶液450aは、23.8g/lのCoCl・6HO、74.4g/lのクエン酸、5.0g/lのタングステン酸、0.2g/lのSDS、約9.25のpHをもつのに十分な量のTMAHを含んでいる。種々の成分は約7:1:1:1の割合(即ち、DI水:緩衝化洗浄溶液濃縮物440:第一金属溶液450a:緩衝化還元剤460a)で維持され、0.115MのDEA、0.030Mのグリシン、0.112Mのクエン酸、0.010Mのホウ酸、0.10MのCoCl・6HO、0.002Mのタングステン酸、20ppmのSDS、0.02MのDMAB、0.025MのHPO、10ppmのヒドロキシピリジンを含む溶液を形成する。最終溶液の温度は約55℃〜約60℃であった。パッドルを形成するために約400ml/分の流量が基板の表面に分配され、そのパッドルは約60秒間、基板の表面上に保持される。
【0102】
[00108]CoWPBを含む金属層を無電解で堆積した後、第一金属溶液450aと緩衝化還元剤460aの流れを停止し、第二金属溶液450bと第二緩衝化還元剤460bの流れを開始することにより、CoBを含む金属層がCoWB層上に無電解で堆積する。第二金属溶液450bは、23.8g/lのCoCl・6HO、74.4g/lのクエン酸、0.2g/lのSDS、約9.25のpHをもつのに十分な量のTMAHを含んでいる。第二緩衝化還元剤460b溶液は、12g/lのDMAB、72g/lのクエン酸、0.1g/lのヒドロキシピリジン、DI水、約9.25のpHをもつのに十分な量のTMAHを含んでいる。従って、流れを一定に保つために、種々の成分の希釈は、約7:1:1:1の割合(即ち、DI水:緩衝化洗浄溶液濃縮物440:第二金属溶液450b:緩衝化還元剤460b)で維持され、0.115MのDEA、0.030Mのグリシン、0.112Mのクエン酸、0.010Mのホウ酸、0.10MのCoCl・6HO、20ppmのSDS、0.02MのDMAB、10ppmのヒドロキシピリジンを含む溶液を形成する。最終溶液の温度は約55℃〜約60℃であった。第一処理溶液が基板の回転によって除去されていると同時に、約400ml/分の流量が基板の表面に分配される。第一処理溶液(例えば、CoWPB堆積溶液)のほとんどが除去された後、第二処理溶液(例えば、CoB堆積溶液)の流れを基板の表面上にパッドルが形成されるまで続ける。その後、第二処理溶液のパッドルは、約15秒間基板の表面上に保持される。
【0103】
[00109]CoBを含む金属層を無電解で堆積した後、緩衝化洗浄溶液濃縮物440、第二金属溶液450b、第二緩衝化還元剤460bの流れを停止することにより、基板をすすぐ。DI水の流量は約400ml/分であり、約30秒間基板の表面に分配され、その後、基板を冷DI水で更に60秒間すすぐ。
【0104】
[00110]上記は本発明の実施形態に関するが、本発明の実施形態、更に多くの実施形態が本発明の基本的範囲から逸脱しないで構成することができ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1A】図1Aは、1B及び1Cは、本発明の実施形態に従ってキャッピング層を形成する概略断面図である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施形態に従ってキャッピング層を形成する概略断面図である。
【図1C】図1Cは、本発明の実施形態に従ってキャッピング層を形成する概略断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の他の実施形態に従ってキャッピング層を形成する概略断面図である。
【図2B】図2Bは、本発明の他の実施形態に従ってキャッピング層を形成する概略断面図である。
【図2C】図2Cは、本発明の他の実施形態に従ってキャッピング層を形成する概略断面図である。
【図2D】図2Dは、本発明の他の実施形態に従ってキャッピング層を形成する概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の種々の実施形態に従って導電性表面6A上に金属薄層を形成するためのステップのフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の種々の実施形態に従って金属薄膜を形成するための、例示的無電解流体システムとヘッドアセンブリをもつ無電解めっきセルを示す斜視図と部分断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態による、例示的フェースアップ型無電解流体処理セルを示す概略部分断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態による、例示的フェースダウン型無電解流体処理セルの概略部分断面図である。
【符号の説明】
【0106】
4…相互接続部、6…導電性充填材、6A…導電性表面、8…開口、10…誘電材料、12…ライナバリヤ層、14…膜スタック、16…第一層、18…遷移層、20…第二層、22…活性化層、24…膜スタック、26…第一層、28…遷移層、30…第二層、100…プロセス、400…無電解めっきシステム、402…無電解流体配管システム、405…DI水源システム、408…インライン脱ガス剤、410…容器、411…緩衝化洗浄溶液システム、412…金属溶液分配システム、413…還元剤溶液分配システム、414…DI水、419…絶縁ライン、423…流体計量デバイス、424a-n…流体計量デバイス、425a-n…流体計量デバイス、426…流体計量デバイス、436…容器、438…遮断弁、439a-n…遮断弁、441a-n…遮断弁、448a-n…容器、450a-n…金属溶液、458a-n…容器、460a-n…還元剤溶液、500…処理セル、502…処理コンパートメント、504…最上部、506…側壁、507…底面、510…基板、512…基板支持体、513…基板支持アセンブリ、516…リフトアセンブリ、518…リフトピン、520…アパーチャ、522…モータ、523…ノズル、527…ドレーン、549…収集タンクシステム、600…流体処理セル、602…セル本体、606…基板支持部材、608…基板支持面、612…ヒータアセンブリ、614…基板、615…流体処理ベイスン、618…流体堰、620…処理領域、621…環状シール、622…流体アパーチャ、624…流体ドレーン、630…基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続無電解堆積プロセスを用いて基板の露出した導電性表面上に2つ以上の金属層を形成する方法であって、該連続無電解堆積プロセスが、
基板の導電性表面上に形成された金属酸化物を除去又は還元する濃度の第一化学成分を含む第一処理溶液を用いて第一無電解堆積層を形成するステップと、
該第一化学成分の濃度を含む第二処理溶液を用いて該第一無電解堆積層上に第二無電解堆積層を形成するステップであって、該第一処理溶液と該第二処理溶液中に含まれる第一成分が、該第一無電解堆積層を形成するプロセスが始まると、該第二無電解堆積層を形成するプロセスが終わるまで、該導電性表面と中断されずに接触している前記ステップと、
を含む前記方法。
【請求項2】
該第一無電解めっき層を形成する前に、該第一化学成分の濃度を含む緩衝化洗浄溶液を用いて基板を洗浄するステップを更に含む、請求項1記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項3】
該第一化学成分が、グリシン(CNO)、ジエタノールアミン((HOCHCH)NH)、トリエタノールアミン((HOCHCH)N)、エタノールアミン((HOCHCH)NH)、エチレンジアミン四酢酸(C1016)、酢酸(C)、乳酸(C)、クエン酸(C)及びそれらの組合せ及び誘導体からなるグループより選ばれる、請求項1記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項4】
該緩衝化洗浄溶液が、酸と、錯化剤と、緩衝剤及び/又はpH調整剤とを含む水溶液である、請求項2記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項5】
該第一処理溶液が、コバルト含有成分とタングステン含有成分を含み、該第二処理溶液がコバルト含有成分を含んでいる、請求項1記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項6】
該第一処理溶液又は該第二処理溶液の組成が、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、ルテニウム、及びそれらの組合せからなるグループより選ばれた耐酸化性金属を含んでいる、請求項1記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項7】
該第一層が、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、及び白金(Pt)からなるグループより選ばれた少なくとも1つの元素を含んでいる、請求項1記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項8】
基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、
以下のステップの少なくとも1つを完了させることによって基板上の導電性表面上に第一層を無電解で堆積させるステップであって、
該基板の該表面に第一処理溶液を分配するステップであって、該第一処理溶液が第一金属溶液と第一緩衝化還元剤溶液を含んでいる、前記ステップと、
該基板の該表面に第二処理溶液を分配するステップであって、該第二処理溶液が第二金属溶液と、緩衝化洗浄溶液と、第二緩衝化還元剤溶液とを含んでいる前記ステップと、
を含む前記ステップと、
以下のステップの少なくとも1つを完了させることによって該第一層上に第二層を無電解で堆積させる前記ステップであって、
該基板の該表面に第三処理溶液を分配するステップであって、該第三処理溶液が第三金属溶液と第三緩衝化還元剤溶液を含む前記ステップと、
該基板の表面に第四処理溶液を分配するステップであって、該第四処理溶液が第四金属溶液と、緩衝化洗浄溶液と、第四緩衝化還元剤溶液とを含んでいる前記ステップと、
を含む前記ステップと、を含む、前記連続無電解堆積プロセス。
【請求項9】
該第一層を無電解めっきする前に、基板の表面上に第一処理溶液を流すステップであって、該第一処理溶液が緩衝化洗浄溶液を含んでいる前記ステップを更に含む、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項10】
該第一処理溶液の該緩衝化洗浄溶液が、該導電性表面から酸化物を除去する、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項11】
該緩衝化洗浄溶液が、酸と、錯化剤と、緩衝化剤及び/又はpH調整剤と、水とを含んでいる、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項12】
該第一、第二、第三及び第四の緩衝化還元剤溶液が、リン含有溶液、ホウ素含有溶液、又はそれらの組合せである、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項13】
該第一金属溶液又は該第二金属溶液が、コバルト含有成分又はタングステン含有成分を含んでいる、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項14】
該第一金属溶液又は該第二金属溶液の組成が、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、ルテニウム、及びそれらの組合せからなるグループより選ばれた耐酸化性金属を含んでいる、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項15】
該第一層と第二層が、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)及び白金(Pt)からなるグループより選ばれた少なくとも1つの成分を含んでいる、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項16】
該第一層と第二層が、約1オングストローム〜約500オングストロームの厚さである、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項17】
基板の表面上に見られる該導電性表面の密度及び/又は表面積を特徴付けるステップと、
特徴付けられた該導電性表面データに基づいて該緩衝化洗浄溶液、該第一金属溶液、該第一緩衝化還元剤溶液、該第二金属溶液、該第二緩衝化還元剤溶液、該第三金属溶液、該第三緩衝化還元剤溶液、該第四金属溶液、及び/又は第四緩衝化還元剤溶液の流れを調整するステップと、
を更に含む、請求項8記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項18】
基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、順次、
基板上の導電性表面上に緩衝化洗浄溶液を含む第一溶液を流すステップと、
以下のステップによって該導電性表面上に第一組成をもつ第一層を無電解で堆積させるステップであって、
該第一溶液の流れに第一金属溶液の流れを加えるステップと、
該第一溶液の流れに第一緩衝化還元剤溶液の流れを加えるステップと、
を含む前記ステップと、
下記ステップによって該導電性表面上に第二組成をもつ第二層を無電解で堆積させるステップであって、
該第一溶液の流れに第二金属溶液の流れを加えるステップと、
該第一溶液の流れに第二緩衝化還元剤溶液の流れを加えるステップと
を含む前記ステップと、を含む、前記連続無電解堆積プロセス。
【請求項19】
該第一金属溶液と該第二金属溶液が同じ溶液である、請求項18記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項20】
該第一溶液が、脱ガスされるとともに約50℃〜約95℃の温度で加熱されたDI水を含んでいる、請求項18記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項21】
第一層を無電解めっきするプロセス及び/又は第二層を無電解めっきするプロセスが、該第一金属溶液の流れと、該第一緩衝化還元剤溶液の流れと、該第一溶液の流れ及び/又は該第二金属溶液の流れと、該第二緩衝化還元剤溶液の流れと、該第一溶液の流れとをしばらくの間停止することにより完了される、請求項18記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項22】
第二緩衝化還元剤溶液の流れを加えるステップが、該第一緩衝化還元剤溶液の第一流量を減少させ且つ該第二緩衝化還元剤溶液の第二流量を増加させることを含んでいる、請求項18記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項23】
該第一緩衝化還元剤溶液の該第一流量と該第二緩衝化還元剤溶液の該第二流量の組合せが、一定値に維持される、請求項22記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項24】
該第一金属溶液が、コバルト含有溶液とタングステン含有溶液とを含んでいる、請求項18記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項25】
該第一緩衝化還元剤溶液又は該第二緩衝化還元剤溶液が、リン、ホウ素、又はそれらの組合せを含んでいる、請求項18記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項26】
第二金属溶液の流れを該第一緩衝化還元剤溶液又は該第2緩衝化還元剤溶液の流れに加えて、無電解めっき溶液を形成するステップを更に含む、請求項18記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項27】
第二金属溶液の流れを加えるステップが、該第一金属溶液の第一流量を減少させ且つ該第二金属溶液の第二流量を増加させることを含んでいる、請求項26記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項28】
該第二金属溶液の組成が、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、及びそれらの組合せからなるグループより選ばれる耐酸化性金属を含んでいる、請求項18記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項29】
処理セル内に配置された基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続自己制御無電解堆積プロセスであって、順次、
該導電性表面上に緩衝化洗浄溶液を流すステップと、
流れている該緩衝化洗浄溶液に金属溶液を加えるステップと、
流れているが緩衝化洗浄溶液に緩衝化還元剤溶液を加えて、第一無電解めっき溶液を形成し、該導電性表面上に第一組成をもつ第一層を無電解で堆積させるステップと、
該緩衝化洗浄溶液と、該金属溶液と、該緩衝化還元剤溶液とを再循環させて、該第一層の上に第二層を自己触媒で堆積させるステップと、
を含む、前記連続自己制御無電解堆積プロセス。
【請求項30】
基板の導電性表面上に多層膜を形成する装置であって、
基板受容面をもつ無電解めっきセル内に取り付けられた基板支持体と、
該基板受容面上に配置された基板と連通している流体分配ラインと、
第一流体源と該流体分配ラインと連通している第一流体計量デバイスと、
第二流体源と該流体分配ラインと連通している第二流体計量デバイスと、
該第一流体計量デバイスと第二流体計量デバイスによって分配された流れを制御することによって、該流体分配ラインに含まれる流体の濃度と流量を制御するように適合されたコントローラと、
を含む前記装置。
【請求項31】
第三流体源と該流体分配ラインと連通している第三流体計量装置と、
第一、第二及び第三の流体計量装置によって分配された流れを制御することにより、該流体分配ラインに含まれる流体の濃度と流量を制御するように適合されたコントローラと、
を更に備えている、請求項30記載の装置。
【請求項32】
該第一流体源がDI水源を含み、該第二流体源が緩衝化洗浄溶液源を含む、請求項30記載の装置。
【請求項33】
該第一流体源が、流体源から分配された流体中に含まれるトラップしたガスを除去するように適合された流体脱ガスデバイスと、
該第一流体源から分配された該流体を加熱するように適合されたヒータと、
を更に備えている、請求項30記載の装置。
【請求項34】
該流体源が、DI水源である、請求項33記載の装置。
【請求項35】
銅相互接続部の表面上に形成された多層構造であって、
以下の元素コバルト(Co)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、リン(P)又はホウ素(B)の少なくとも2つを含む第一層と、
以下の元素コバルト(Co)、ホウ素(B)又はリン(P)の少なくとも2つを含む第二層と、
を備えている前記多層構造。
【請求項36】
該第一層が、無電解自己開始プロセスを用いて又はパラジウムPd、ルテニウムRu、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)又は白金(Pt)のような触媒金属による置換めっきで該基板を活性化させることにより形成される、請求項35記載の多層構造。
【請求項37】
基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、順次、
第一処理チャンバ内に保持された基板の導電性表面上に酸を含む前洗浄溶液を流すステップと、
該基板を第一処理チャンバから第二処理チャンバに搬送するステップと、
少なくとも第一金属溶液と第一緩衝化還元剤溶液を含む第一無電解めっき溶液を該導電性表面に分配することによって、該導電性表面上に第一組成をもつ第一層を無電解で堆積させるステップと、
少なくとも第二金属溶液と第二緩衝化還元剤溶液を含む第二無電解めっき溶液を該導電性表面に分配することによって、該導電性表面上に第二組成をもつ第二層を無電解で堆積させるステップとを含み、該第一層と該第二層の組成が異なっている、前記連続無電解堆積プロセス。
【請求項38】
連続無電解堆積プロセスを用いて基板上の露出した導電性表面上に2つ以上の金属層を形成する方法であって、
基板の表面上に見られる該導電性表面の密度及び/又は表面積を特徴付けるステップと、
特徴付けられた該導電性表面データに基づいて第一無電解処理溶液中の金属イオン濃度を調整するステップと、
該第一無電解処理溶液を用いて該基板の該導電性表面上に第一層を形成するステップと、
安定剤を含む第二無電解処理溶液を形成するステップと、
該第二無電解処理溶液を用いて該第一層上に第二層を形成するステップと、
を含む前記方法。
【請求項39】
基板の導電性表面上に多層膜を製造するための連続無電解堆積プロセスであって、順次、
基板の導電性表面上に緩衝化洗浄溶液を含む第一溶液を流すステップと、
緩衝化洗浄溶液と、第一金属溶液と、第一緩衝化還元剤溶液とを含む第二溶液を基板の導電性表面上に流すステップと、
該第二溶液のパッドルが該基板の該導電性表面上に形成された後、該第二溶液の流れを停止させるステップと、
第一使用者が決めた時間休止するステップと、
基板の導電性表面上に緩衝化洗浄溶液と、第二金属溶液と、第二緩衝化還元剤溶液とを含む第三溶液を流すステップと、
該第三溶液のパッドルが該基板の該導電性表面上に形成された後、該第三溶液の流れを停止させるステップと、
を含む前記連続無電解堆積プロセス。
【請求項40】
該第一金属溶液が、コバルト含有溶液、タングステン含有溶液及び/又はモリブデン含有溶液を含んでいる、請求項39記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項41】
該第二金属溶液が、コバルトを含有し、タングステンとモリブデンを含有しない溶液を含んでいる、請求項39記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項42】
該第一緩衝化還元剤溶液又は該第二緩衝化還元剤溶液が、リン、ホウ素、又はそれらの組合せを含んでいる、請求項39記載の連続無電解堆積プロセス。
【請求項43】
連続無電解堆積プロセスを用いて基板上の露出した導電性表面上に2つ以上の金属層を形成する方法であって、
緩衝化洗浄溶液を用いて基板の表面を洗浄するステップと、
コバルト、モリブデン、タングステン、ホウ素及びリンのグループより選ばれた元素を含む第一無電解堆積層を形成するステップと、
本質的にコバルトとリン又はコバルトとホウ素からなる第一無電解堆積層を形成するステップと、
を含む前記方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−519829(P2007−519829A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551394(P2006−551394)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/002284
【国際公開番号】WO2005/073429
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】