説明

単位シャッタ機構、単位シャッタ機構を含むシャッタ構造物、及びシャッタ構造物を含む露光装置

【課題】相対的に簡単な構造を有する単位シャッタ機構を提供する。
【解決手段】単位シャッタ機構、単位シャッタ機構を含むシャッタ構造物、及びシャッタ構造物を含む露光装置において、単位シャッタ機構は、下部基板、下部基板上に位置する電極、電極の周縁の上に位置するスペーサ、スペーサの上に電極と離隔するように位置し、ホールが形成された第1ミラー、下部基板の上側に下部基板と対向するように位置する上部基板、及び上部基板の下部に位置し、ホールと重畳する第2ミラーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、単位シャッタ機構、単位シャッタ機構を含むシャッタ構造物、及び前記シャッタ構造物を含む露光装置に関する。より詳しくは、本発明は、露光分野で使用される単位シャッタ機構、単位シャッタ機構を含むシャッタ構造物、及び前記シャッタ構造物を含む露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子素子の集積度が増加することにより、電子素子を形成することに必要な露光技術も発展してきている。その結果、マスクパターンの形状を任意で変更可能なデジタル露光装置が開発されている。
【0003】
従来のデジタル露光装置は、DMD(digital micro device)、MLA(micro lens array)、SFA(spatial filter array)など非常に複雑な構成部分を含んでおり、これらの配列が正確でなければ所望する性能を得ることができない。
【0004】
したがって、デジタル露光装置の構造が複雑で、露光装置の製造に所要される費用が相対的に多かった。これだけでなく、所望する性能を達成するために、構成部分の配列を正確に測定し維持しなければならないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、相対的に簡単な構造を有する単位シャッタ機構を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、前記単位シャッタ機構を含むシャッタ構造物を提供することにある。
【0007】
さらに、本発明の他の目的は、前記シャッタ構造物を含む露光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、単位シャッタ機構は、下部基板、下部基板の上に位置する電極、電極の周縁に位置するスペーサ、スペーサの上に電極と離隔するように位置し、ホールを有する第1ミラー、下部基板の上側に下部基板と対向するように位置する上部基板、及び上部基板に位置してホールと重畳する第2ミラーを含む。
【0009】
単位シャッタ機構は、電極及び第1ミラーの間に電圧を印加する電圧印加部材をさらに含むことができる。電極及び第1ミラーの間に電圧が印加されると、第1ミラーはホールの形成された部分から電極に近くなって凹形状を有することができる。
【0010】
第2ミラーは、上部基板の下部基板と対向する面の上に位置することができる。第2ミラーを第1ミラーの上に投影する時、第2ミラーの外郭線は第1ミラーの外郭線内側に位置することができる。
【0011】
電極は透明性導電物質を含むことができる。第1ミラーのホールと重畳する開口を有して不透明物質を含む空間フィルタをさらに含むことができる。空間フィルタは電極及びスペーサの間に位置することができる。ここで、不透明物質は絶縁性を有することができる。空間フィルタは下部基板及び電極の間に位置することができる。これとは異なり、空間フィルタは下部基板の下部に位置することも可能である。
【0012】
電極が透明性導電物質を含むこととは異なり、電極は不透明導電物質を含むことができ、第1ミラーのホールと重畳する開口を有することができる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、シャッタ構造物は行と列方向に整列された複数の単位シャッタ機構を含むことができる。単位シャッタ機構は、下部基板、下部基板の上に位置する電極、電極の周縁に位置するスペーサ、スペーサの上に電極と離隔するように位置し、ホールを有する第1ミラー、下部基板の上側に下部基板と対向するように位置する上部基板、及び上部基板の下部に位置し、ホールと重畳する第2ミラーを含むことができる。
【0014】
複数の電極は膜状で一体に形成され、複数の第1ミラーは互いに離隔するように形成できる。これとは異なり、複数の電極は互いに離隔するように形成され、複数の第1ミラーは互いに連結された形状を有することも可能である。これとは異なり、複数の電極は互いに離隔するように形成され、複数の第1ミラーは互いに離隔するように形成できる。
【0015】
複数の上部基板は膜状で一体に形成され、複数の下部基板は膜状で一体に形成され、複数のスペーサは一体に形成できる。単位シャッタ機構は電極及び第1ミラーの間に電圧を印加する電圧印加部材をさらに含むことができる。
【0016】
単位シャッタ機構は、電極及び第1ミラーの間に加えられる電圧により、第1ミラーはホールが形成された部分から電極に近くなる凹形状を有することができる。電圧は複数の単位シャッタ機構のうちの選択された一部の電極及び第1ミラーの間に加えられることができる。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、露光装置は平行光を発生する光源、平行光が提供されるシャッタ構造物、及びシャッタ構造物の下に形成され、平行光によってシャッタ構造物に形成された焦点を露光対象物上に投影する投影レンズ部を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によれば、従来のデジタル露光装置に含まれる構成部分とは異なり、相対的に簡単な構造を有する。したがって、小型化及び製造費用の節減が可能である。
【0019】
また、従来のデジタル露光装置とは異なり、構成部分の配列を測定して調節する必要性が少ないので、配列の不一致による性能低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態によるオフ状態の単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【図2】図1に示した単位シャッタ機構の平面図である。
【図3】図1に示した単位シャッタ機構のオン状態を説明するための断面図である。
【図4】本発明の他の一実施形態による単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【図5】本発明のまた他の一実施形態による単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【図6】本発明のまた他の一実施形態による単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【図7】本発明のまた他の一実施形態による単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるシャッタ構造物を説明するための断面図である。
【図9】本発明の他の一実施形態によるシャッタ構造物を説明するための断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による露光装置を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付した図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここで、i)添付した図面に示された形状、大きさ、比率、個数などは概略的なものであって、多少変更可能である。ii)図面は観察者の視線で示されるため、図面を説明する方向や位置は観察者の位置によって多様に変更され得る。iii)図面番号が異なっても同一の部分については同一の図面符号が使用し得る。iv)‘含む’、‘有する’、‘行われる’などの用語が使用される場合、‘〜だけ’を表記しない限り、他の部分が追加され得る。v)単数と説明される場合、多数とも解釈可能である。vi)数値、形状、大きさの比較、位置関係などが‘約’、‘実質的’などと説明されなくても、通常の誤差範囲が含まれるように解釈される。vii)‘〜後’、‘〜前’、‘続いて’、‘そして’、‘ここで’、‘後続して’などの用語が使用されても、時間的位置を限定する意味で使用されない。viii)‘第1’、‘第2’などの用語は、単に区分の便宜のために選択的、交換的または反復的で使用され、限定的意味で解釈されない。ix)‘〜上に’、‘〜の上に’、‘〜上部に’、‘〜下部に’、‘側に’などのように、2つの部分の位置関係が説明される場合、‘直ちに’が表記されない限り、2つの部分間に1つ以上の他の部分が介在することもある。x)複数の部分が‘〜または’で連結される場合、複数の部分を単独だけでなく組み合わせも含まれるように解釈するが‘〜または〜のうちの1つ’で連結される場合、部分を単独に解釈する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるオフ状態の単位シャッタ機構を説明するための断面図である。図2は、図1に示された単位シャッタ機構の平面図である。
【0023】
単位シャッタ機構とは、例えば1領域など露光を行う単位に対して構成された露光機構である。
図1及び2を参照すれば、単位シャッタ機構100は、下部基板10、電極12、スペーサ14、第1ミラー16、上部基板18、及び第2ミラー20を含む。
【0024】
下部基板10は透明物質を含むことができる。例えば、透明物質は、シリカ(silica)を含むガラス系物質であり得る。電極12は下部基板10の上に形成される。電極12は透明性導電物質を含むことができる。例えば、透明性導電物質は、酸化インジウム錫(ITO、indium tin oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO、indium zinc oxide)であり得る。
【0025】
スペーサ14は、電極12の上に形成される。例えば、スペーサ14は電極12の周縁の上に形成できる。この場合、図2に示されるように、円柱状の空間Sがスペーサ14によって定義できる。
【0026】
第1ミラー16は、スペーサ14の上に形成される。第1ミラー16は反射性導電物質を含むことができる。例えば、反射性導電物質はアルミニウム(Al、aluminum)であり得る。
【0027】
電極12と第1ミラー16との間にはスペーサ14が位置するので、第1ミラー16は電極12と離隔する。具体的に、第1ミラー16及び電極12は、スペーサ14によって定義される円柱状の空間Sによって離隔する。
【0028】
第1ミラー16は板(plate)状を有する。そして、第1ミラー16にはホールHが形成できる。例えば、ホールHは第1ミラー16の中央部に形成できる。ここで、ホールHは円柱状の空間Sと連通できる。
【0029】
上部基板18は、下部基板10の上側に下部基板10と対向するように位置する。上部基板18は、下部基板10と実質的に同一の物質を含むことができる。具体的に、下部基板10は、シリカを含むガラス系物質のような透明物質を含むことができる。
【0030】
上部基板18には第2ミラー20が形成できる。具体的に、上部基板18の下部基板10と対向する面の上に第2ミラー20が形成できる。第2ミラー20は第1ミラー16と実質的に同一の物質を含むことができる。具体的に、第2ミラー20はアルミニウムのような反射性導電物質を含むことができる。
【0031】
第2ミラー20は板形状を有しても良い。そして、第2ミラー20を第1ミラーの上に投影する時、第2ミラー20の外郭線は第1ミラー16の外郭線の内側に位置するように備えられる。
【0032】
例えば、第2ミラー20は、第1ミラー16に形成されたホールHと重畳(overlap)できる。具体的に、第2ミラー20は、第1ミラー16に形成されたホールHより大きい幅を有し、第1ミラー16に形成されたホールHの全部分が第2ミラー20と重畳することができる。例えば、図2に示すように、円形状の空間S、第2ミラー20、ホールHが、各中心が同一軸上にある同心円である場合、空間Sの半径>第2ミラー20の半径>ホールHの半径となり得る。
【0033】
単位シャッタ機構100は、電極12及び第1ミラー16に電圧を印加する電圧印加部材(図示せず)を含むことができる。そして、電圧印加部材はトランジスタのようなスイッチング素子を含むことができる。
【0034】
以下、単位シャッタ機構100のオフ状態について説明する。
【0035】
オフ状態のとき、電極12及び第1ミラー16に電圧が印加されない。この場合、電極12及び第1ミラー16に引力が発生しないので、第1ミラー16は板状を維持する。
【0036】
次に、平行光が上部基板18に提供される。平行光は、上部基板18の第2ミラー20が形成された部分に提供される第1光線L1、及び第2ミラー20が形成されない部分に提供される第2光線L2を含む。
【0037】
第1光線L1は、第2ミラー20によって反射し、単位シャッタ機構100の外部に出光する。第2光線L2は単位シャッタ機構100の内部に提供されるが、第1ミラー16によって反射して単位シャッタ機構100の外部に出光する。
【0038】
結果的に、上部基板18に提供された平行光は全て単位シャッタ機構100を透過することができない。つまり、いずれの平行光も第1ミラー16に形成されたホールHに到達しないので、単位シャッタ機構100はオフ状態を有する。
【0039】
これは、第2ミラー20が第1ミラー16に形成されたホールHより大きい幅を有し、第1ミラー16に形成されたホールHの全部分は第2ミラー20と重畳しており、また第1ミラー16が板状を有するために第1ミラー16の板面上に入射された平行光は傾斜することなくそのまま出射されるためである。
【0040】
図3は、図1に示された単位シャッタ機構のオン状態を説明するための断面図である。
【0041】
図3を参照すれば、電圧印加部材を通じて電極12及び第1ミラー16に電圧Vが印加される。この場合、電極12及び第1ミラー16に引力が発生するので、第1ミラー16はホールHが形成された部分が最も電極12に近くなるように凹形状を有するようになる。このようにホールHが形成された部分が最も電極12に近くなるのは、第1ミラー16の周縁部はスペーサ14によって支持されているが、ホールHはスペーサ14からの距離が最も遠く支持されていないため、第1ミラー16に電極12方向の引力がかかるとホールHの部分において撓むためである。
【0042】
次に、平行光が上部基板18に提供される。平行光は、上部基板18の第2ミラー20が形成された部分に提供される第1光線L、及び第2ミラー20が形成されない部分に提供される第2光線Lを含む。
【0043】
平行光が上部基板18に提供されると、第1光線Lは、第2ミラー20によって反射して単位シャッタ機構100の外部に出光する。第2光線Lは単位シャッタ機構100の内部に提供される。その後、第2光線Lは、凹形状を有する第1ミラー16によって反射されて第2ミラー20に提供される。このとき、第1ミラー16が凹形状を有するために、凹形状の面に対して第2光線Lが反射されることで、第2光線Lは第2ミラー20の方向に向かうこととなる。そして、第2光線Lは、第2ミラー20に到達すると、第2ミラー20により反射され、その後、第1ミラー16に形成されたホールHに提供され、ホールHの内部に焦点Fを形成しながらホールHを通過する。したがって、単位シャッタ機構100はオン状態を有する。なお、露光対象物はホールHを通過した光の方向に配置されているものとする。ここで、電極12及び第1ミラー16間に印加される電圧Vは、第2ミラー20及び第1ミラー16により反射される第2光線Lが焦点Fを形成しながらホールHを通過する程度に、第1ミラー16を板状から凹形状へと変形させる電圧値を有するものとする。
【0044】
図4は、本発明の他の一実施形態による単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【0045】
本実施形態による単位シャッタ機構200は、空間フィルタ22をさらに含むことを除いては、図1に説明された単位シャッタ機構100と実質的に同一である。したがって、同一の部分については同一の参照符号を付け、これに対する説明は省略する。
【0046】
図4を参照すれば、単位シャッタ機構200は、電極12及びスペーサ14の間に位置する空間フィルタ22をさらに含む。空間フィルタ22は、例えば不透明物質を含むことができ、空間フィルタ22に到達した光を吸収する物質を含むことができる。空間フィルタ22は第1ミラー16に形成されたホールHと重畳する開口Pを有する。具体的に、開口PはホールHの下に位置し、ホールHの幅より相対的に小さい幅を有することができる。
【0047】
空間フィルタ22を採用する場合、開口Pに焦点Fが形成され、開口Pを通過することのできない周辺光線はノイズ(noise)として除去されるので、解像度(resolution)を増加させることができる。
【0048】
また、本実施形態で空間フィルタ22に含まれている不透明物質は絶縁性を有しても良い。この場合、電極12及び第1ミラー16に電圧Vが印加されて第1ミラー16が凹形状を有するオンの状態になっても、空間フィルタ22が電極12及び第1ミラー16の間に位置するので、電極12及び第1ミラー16間の電気的短絡(electric short)を防止することができる。
【0049】
図5は、本発明のまた他の一実施形態による単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【0050】
本実施形態による単位シャッタ機構300は、空間フィルタ22の位置を除いては図4で説明された単位シャッタ機構200と実質的に同一である。したがって、同一の部分については同一の参照符号を付け、これに対する説明は省略する。
【0051】
図5を参照すれば、単位シャッタ機構300に含まれる空間フィルタ22の位置は、下部基板10及び電極12の間である。この場合、空間フィルタ22が第1ミラー16と電極12との間に介在しないため、第1ミラー16と電極12との間の電圧差が相対的に小さい場合であっても、単位シャッタ機構300がオンの状態となり得る。
【0052】
図6は、本発明のまた他の一実施形態による単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【0053】
本実施形態による単位シャッタ機構400は、空間フィルタ22の位置を除いて図4で説明された単位シャッタ機構200と実質的に同一である。したがって、同一の部分については同一の参照符号を付け、これに対する説明は省略する。
【0054】
図6を参照すれば、単位シャッタ機構400に含まれる空間フィルタ22の位置は下部基板10の下部である。具体的に、下部基板10の下部表面の上に空間フィルタ22が形成される。この場合、空間フィルタ22が第1ミラー16と電極12との間に介在しないので、第1ミラー16と電極12との間の電圧差が相対的に小さい場合であっても、単位シャッタ機構400がオンの状態になり得る。また、本実施形態では空間フィルタ22が下部基板10の下に位置する。一方、図5では、空間フィルタ22の下に下部基板10が位置する。そのため、図5では、空間フィルタ22の開口Pで焦点Fが形成されても、焦点Fから下部基板10方向に向かう光が下部基板10を通過することによって光の解像度が低下する。しかし、図6では、焦点Fからの光は下部基板10を通過することなく露光対象物の方向へ向かうため、下部基板10の通過による光の解像度低下を抑えることができる。
【0055】
図7は、本発明のまた他の一実施形態による単位シャッタ機構を説明するための断面図である。
【0056】
本実施形態による単位シャッタ機構500は、電極32を除いて図1に説明された単位シャッタ機構100と実質的に同一である。したがって、同一の部分については同一の参照符号を付け、これに対する説明は省略する。
【0057】
図7を参照すれば、電極32は、下部基板10及びスペーサ14の間に不透明導電物質を用いて形成される。電極32には、第1ミラー16のホールHと垂直方向に重畳する開口Pが形成される。
【0058】
本実施形態では、電極32が不透明導電物質を含み光を吸収する特性を有するので、図1、図3、図4、図5及び図6に示された電極12の役割を果たすと同時に、図4、図5及び図6に示された空間フィルタ22の役割を果たす。したがって、単位シャッタ機構500の構造を単純化することができる。
【0059】
図8は、本発明の一実施形態によるシャッタ構造物を説明するための断面図である。
【0060】
図8を参照すれば、シャッタ構造物600は、図1乃至図3で説明された複数の単位シャッタ機構100を含む。単位シャッタ機構100については図1乃至図3で説明したので、これに対する説明は省略する。
【0061】
シャッタ構造物600に含まれる単位シャッタ機構100は、行と列方向に整列される。例えば、単位シャッタ機構100はマトリックス状に整列できる。単位シャッタ機構100は、それぞれ独立的に駆動可能である。つまり、複数の単位シャッタ機構100のうちの一部はオンの状態を有し、他の一部はオフ状態を有することができる。したがって、多様な形態で露光を行い、多様なパターン形成が実現可能である。
【0062】
図1及び図8を再び参照すれば、シャッタ構造物600において、各単位シャッタ機構の下部基板10どうしは膜状で一体に形成でき、同様に各単位シャッタ機構の上部基板18も膜状で一体に形成できる。また、各単位シャッタ機構のスペーサ14は一体に形成でき、例えば図9に示すように、隣接する単位シャッタ機構のスペーサ14を共有することができる。各単位シャッタ機構の第2ミラー20は互いに離隔するように形成できる。
【0063】
ここで、各単位シャッタ機構の電極12は膜状で一体に形成される。しかし、各単位シャッタ機構の第1ミラー16はそれぞれ互いに離隔するように形成される。したがって、それぞれの単位シャッタ機構100ごとに電圧を独立的に印加させ、各単位シャッタ機構100を選択的に駆動させることが可能である。例えば、電極12をグラウンドと接続し、第1ミラー16のうちの選択された一部にだけ電圧を印加することで、選択的な駆動を実現することができる。
【0064】
本実施形態によるシャッタ構造物600は、図1乃至図3で説明された単位シャッタ機構100を含むが、図4に示された単位シャッタ機構200、図5に示された単位シャッタ機構300、図6に示された単位シャッタ機構400、または図7に示された単位シャッタ機構500を含むことができる。
【0065】
図9は、本発明の他の一実施形態によるシャッタ構造物700を説明するための断面図である。
【0066】
本実施形態によるシャッタ構造物700は、電極12及び第1ミラー16の全体的な形状を除いては図8に示されたシャッタ構造物800と実質的に同一である。したがって、反復される説明は省略する。
【0067】
図1及び図9を再び参照すれば、ここで、電極12は互いに離隔するように形成される。しかし、第1ミラー16は一体に形成することも可能である。つまり、いずれか1つの単位シャッタ機構100の第1ミラー16は、隣接した単位シャッタ機構100の第1ミラー16と連結された形状を有する。したがって、それぞれの単位シャッタ機構100ごとに電圧を独立的に印加させ、単位シャッタ機構100を選択的に駆動させることができる。例えば、第1ミラー16をグラウンドと接続し、電極12のうちの選択された一部にだけ電圧を印加することで、選択的な駆動を実現することができる。
【0068】
本発明の他の実施形態によれば、単位シャッタ機構100を選択的に駆動させるために、電極12を互いに離隔するように形成し、第1ミラー16も互いに離隔するように形成することができる。
【0069】
図10は、本発明の一実施形態による露光装置を説明するための断面図である。
【0070】
図10を参照すれば、露光装置800は、光源50、図8に示されたシャッタ構造物600、及び投影レンズ部60を含む。
【0071】
光源50は平行光を発生する。平行光は光源50の下に位置したシャッタ構造物600に提供される。シャッタ構造物600については図8に説明したので、これに対する説明は省略する。投影レンズ部60は、シャッタ構造物600の下に形成される。投影レンズ部60は、シャッタ構造物600に形成された焦点Fを露光対象物T上に投影する。
【0072】
本実施形態で、露光装置800は図8に示されたシャッタ構造物600を含むが、図9に示されたシャッタ構造物700を含むことも可能である。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、実施形態は単に下記の特許請求の範囲に記載された本発明の保護範囲を説明するための‘例’であり、本発明の保護範囲を限定しない。また、本発明の保護範囲は特許請求の範囲と技術的に均等な範囲まで拡大することができる。
【符号の説明】
【0074】
10 下部基板
12 電極
14 スペーサ
16 第1ミラー
18 上部基板
20 第2ミラー
22 空間フィルタ
32 電極
50 光源
60 投影レンズ部
100、200、300、400、500 単位シャッタ機構
600、700 シャッタ構造物
800 露光装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部基板、
前記下部基板の上に位置する電極、
前記電極の周縁に位置するスペーサ、
前記スペーサの上に前記電極と離隔するように位置し、ホールを有する第1ミラー、
前記下部基板の上側に前記下部基板と対向するように位置する上部基板、及び
前記上部基板に位置し、前記ホールと重畳する第2ミラーを含む単位シャッタ機構。
【請求項2】
前記電極及び前記第1ミラーの間に電圧を印加する電圧印加部材をさらに含む、請求項1に記載の単位シャッタ機構。
【請求項3】
前記電極及び前記第1ミラーの間に前記電圧が印加されると、前記第1ミラーは前記ホールが形成された部分から前記電極に近くなって凹形状を有する、請求項2に記載の単位シャッタ機構。
【請求項4】
前記第2ミラーは前記上部基板の前記下部基板と対向する面の上に位置する、請求項1に記載の単位シャッタ機構。
【請求項5】
前記第2ミラーを前記第1ミラーの上に投影する時、前記第2ミラーの外郭線は前記第1ミラーの外郭線内側に位置する、請求項4に記載の単位シャッタ機構。
【請求項6】
前記電極は透明性導電物質を含む、請求項1に記載の単位シャッタ機構。
【請求項7】
前記第1ミラーの前記ホールと重畳する開口を有し、不透明物質を含む空間フィルタをさらに含む、請求項1に記載の単位シャッタ機構。
【請求項8】
前記空間フィルタは前記電極及び前記スペーサの間に位置する、請求項7に記載の単位シャッタ機構。
【請求項9】
前記不透明物質は絶縁性を有する、請求項8に記載の単位シャッタ機構。
【請求項10】
前記空間フィルタは前記下部基板及び前記電極の間に位置する、請求項7に記載の単位シャッタ機構。
【請求項11】
前記空間フィルタは前記下部基板の下部に位置する、請求項7に記載の単位シャッタ機構。
【請求項12】
前記電極は不透明導電物質を含み、前記第1ミラーの前記ホールと重畳する開口を有する、請求項1に記載の単位シャッタ機構。
【請求項13】
行と列方向に整列した複数の単位シャッタ機構を含み、
前記単位シャッタ機構は、下部基板、前記下部基板の上に位置する電極、前記電極の周縁に位置するスペーサ、前記スペーサの上に前記電極と離隔するように位置し、ホールを有する第1ミラー、前記下部基板の上側に前記下部基板と対向するように位置する上部基板、及び前記上部基板の下部に位置し、前記ホールと重畳する第2ミラーを含むシャッタ構造物。
【請求項14】
前記複数の電極は膜状で一体に形成され、
前記複数の第1ミラーは互いに離隔するように形成される、請求項13に記載のシャッター構造物。
【請求項15】
前記複数の電極は互いに離隔するように形成され、
前記複数の第1ミラーは互いに連結された形状を有する、請求項13に記載のシャッタ構造物。
【請求項16】
前記複数の電極は互いに離隔するように形成され、
前記複数の第1ミラーは互いに離隔するように形成される、請求項13に記載のシャッタ構造物。
【請求項17】
前記複数の上部基板は膜状で一体に形成され、
前記複数の下部基板は膜状で一体に形成され、
前記複数のスペーサは一体に形成される、請求項13に記載のシャッタ構造物。
【請求項18】
前記単位シャッタ機構は、前記電極及び前記第1ミラーの間に電圧を印加する電圧印加部材をさらに含む、請求項13に記載のシャッタ構造物。
【請求項19】
前記単位シャッタ機構は、前記電極及び前記第1ミラーの間に加えられる前記電圧により、前記第1ミラーは前記ホールが形成された部分から前記電極に近くなる凹形状を有し、
前記電圧は、前記複数の単位シャッタ機構のうちの選択された一部の前記電極及び前記第1ミラーの間に加えられる、請求項18に記載のシャッタ構造物。
【請求項20】
平行光を発生する光源、
前記平行光が提供されるシャッタ構造物、及び
前記シャッタ構造物の下に形成され、前記平行光により前記シャッタ構造物に形成された焦点を露光対象物上に投影する投影レンズ部を含み、
前記シャッタ構造物は行と列方向に整列され、下部基板、前記下部基板の上に位置する電極、前記電極の周縁の上に位置するスペーサ、前記スペーサの上に前記電極と離隔するように位置し、ホールが形成された第1ミラー、前記下部基板の上側に前記下部基板と対向するように位置する上部基板、及び前記上部基板の下部に位置し、前記ホールと重畳する第2ミラーを含む多数の単位シャッタ機構を含む露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−204643(P2010−204643A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5168(P2010−5168)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】