単位送水管を中継する中継散水ブロック
【課題】本発明は地中埋設送水管並びに散水ノズルを使用した散水装置の敷設工事の簡素化と合理化を図る中継散水ブロックを提供する。
【解決手段】路面下に埋設された入側単位送水管5の管端と出側単位送水管6の管端間に配置され、両単位送水管5,6を中継する中継散水ブロック9であり、上記中継散水ブロック9内には散水ノズル7と中継管8の組立体を埋設し、上記中継管8一端を上記中継散水ブロック9の一側面12において開放して水導入口13を形成し、同中継管8他端を上記中継散水ブロック9の他側面12において開放して水導出口14を形成し、上記散水ノズル7を上記中継管8の中間部に上記中継散水ブロック9内において一体に接続し、上記入側単位送水管5の管端から上記中継管8を経由して出側単位送水管6の管端へ向け送水すると同時に、同中継管8から散水ノズル7に給水し路面2に散水する構成を有する単位送水管を中継する中継散水ブロック。
【解決手段】路面下に埋設された入側単位送水管5の管端と出側単位送水管6の管端間に配置され、両単位送水管5,6を中継する中継散水ブロック9であり、上記中継散水ブロック9内には散水ノズル7と中継管8の組立体を埋設し、上記中継管8一端を上記中継散水ブロック9の一側面12において開放して水導入口13を形成し、同中継管8他端を上記中継散水ブロック9の他側面12において開放して水導出口14を形成し、上記散水ノズル7を上記中継管8の中間部に上記中継散水ブロック9内において一体に接続し、上記入側単位送水管5の管端から上記中継管8を経由して出側単位送水管6の管端へ向け送水すると同時に、同中継管8から散水ノズル7に給水し路面2に散水する構成を有する単位送水管を中継する中継散水ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多数本の単位送水管を連通しつつ路面下に埋設して送水管路を形成し、該送水管路で送水しつつ各単位送水管に間隔的に配設した散水ノズルに給水し路面に散水するようにした散水装置、殊に単位送水管の管壁に散水ノズルを取り付けずに入側単位送水管の管端と出側単位送水管の管端間を中継する中継散水ブロックによって上記散水を行うようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2は単位送水管の全長をコンクリートブロック内に埋設しつつ、該送水管の管壁に散水ノズルを取り付けて上記コンクリートブロック内に埋設した単位送水管埋設ブロックを工場にて製造し、該単位送水管埋設ブロックを多数本現場に搬入し、現場において掘削した送水管敷設溝内に該単位送水管埋設ブロックの端面を互いに突き合わせ接続しながら敷設して送水管路を形成し、該送水管路内を送水しつつ上記各単位送水管に取り付けた散水ノズルから路面へ散水するようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−88306号公報
【特許文献2】特開2000−345527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、上記先行例は単位送水管の全長をコンクリートブロック内に埋設した複合構造を有するため非常に高重量となり、クレーンを用いて敷設溝内へ搬入し芯出し敷設と均し敷設を行わねばならない問題点を有している。
【0005】
又単位送水管と同じ長さを有するコンクリートブロックの底面を敷設溝内に均し敷設しつつ芯出し敷設する作業に熟練した技術を要し、作業手間とコスト増を招く問題点を有している。
【0006】
又単位送水管の全長をブロック内に埋設した単位送水管埋設ブロックは剛体であるので曲げ配管が難しく、送水管路が曲路である場合には適切に対応できない問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記単位送水管の全長をコンクリートブロック内に埋設した単位送水管埋設ブロックを形成し、該単位送水管に取り付けた散水ノズルをコンクリートブロック内に埋設する方法を排し、路面下に埋設された入側単位送水管の管端と出側単位送水管の管端間に、散水ノズルと中継管の組立体を埋設した中継散水ブロックを配置して各管端間を連通し、散水を行うようにして上記先行例の問題点を抜本的に解決するものである。
【0008】
上記中継散水ブロック内に埋設された中継管は一端を上記中継散水ブロックの一側面において開放して水導入口を形成し、同中継管の他端を上記中継散水ブロックの他側面において開放して水導出口を形成する。
【0009】
又上記中継散水ブロック内に埋設した散水ノズルは上記中継管の中間部に同ブロック内において一体に接続する。
【0010】
よって上記入側単位送水管の管端から上記ブロック埋設の中継管を経由して出側単位送水管の管端へ向け送水すると同時に、同中継管から上記ブロック埋設の散水ノズルに給水し路面に散水する構成にしたものである。
【0011】
上記中継管はその一端を中継散水ブロックの一側面から没入するか又は同一側面から突出して上記水導入口を形成し、同様に上記中継管の他端を中継散水ブロックの他側面から没入するか又は同他側面から突出して上記水導出口を形成する。
【0012】
上記路面において露出する中継散水ブロックの上面には、反射表示部又は蓄光表示部を設けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、単位送水管の管端間を中継する中継散水ブロックは非常に小形軽量であり、現場搬入と敷設溝内への設置が人手による軽作業で実行でき、クレーンを用いて敷設溝内へ搬入し芯出し敷設と均し敷設を行わねばならない問題点を有効に解決できる。
【0014】
又中継散水ブロックは限定された大きさのものであるから、その底面を敷設溝内に均し敷設しつつ芯出し敷設する作業を著しく軽減し、その作業に熟練した技術を要求されず、作業手間とコスト削減に寄与することができる。
【0015】
上記送水管路を形成する各単位送水管は裸のままで中継散水ブロックと繋ぐ作業を行え、各単位送水管の曲げ配管が容易であり、送水管路が曲路である場合にも適切に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図16に基づき説明する。
【0017】
本発明は図11乃至図15に示すように、複数本の単位送水管5,6を路面2に掘削された敷設溝3内に敷設し埋設して送水管路4を形成する場合に、上記入側単位送水管5の管端と出側単位送水管6の管端間に、散水ノズル7と中継管8の組立体1を埋設した中継散水ブロック9を配置して各管端間を連通し、散水を行うようにしたものである。
【0018】
図1乃至図8等に示す上記散水ノズル7と中継管8の組立体1を埋設した中継散水ブロック9の本体はセメント混練材、即ちコンクリート製やモルタル製やレジンコンクリート製にし、その骨材として砂、砂利、補強繊維、鉱滓、各種スラッジ、各種廃材を選択的に用いることができる。
【0019】
又は中継散水ブロック9の本体を合成樹脂製にし、その骨材として上記のものを選択的に用いることができる。
【0020】
上記散水ノズル7と中継管8の組立体1を成形型内に設置し、同成形型内に上記セメント混練材、又は合成樹脂等の成形材を充填することにより上記組立体1を埋設した中継散水ブロック9を成形する。
【0021】
一例として、上記中継散水ブロック9の本体は互いに並行な方形の上面10及び同底面11と、四側面12を有する直方体、又は上記四側面12が上面10から底面11へ向けた傾斜面をなす截頭角錐体にする。
【0022】
上記中継散水ブロック9の本体を上記直方体又は截頭角錐体にする他、三角形、五角形、六角形等の多角柱体又は同截頭多角錐体、又は截頭円錐体にする場合を含む。
上記中継散水ブロック9内に埋設された中継管8は一端を上記中継散水ブロック9の一側面12において開放して水導入口13を形成し、同中継管8の他端を上記中継散水ブロック9の他側面12において開放して水導出口14を形成する。
【0023】
又上記中継散水ブロック9内に埋設した散水ノズル7は上記中継管8の中間部に同ブロック9内において一体に接続する。
【0024】
上記中継管8は中間部から直角に分岐して上記散水ノズル7に接続するノズル接続管19を有し、該ノズル接続管19を散水ノズル7下端の給水口20に挿入して中継管8の水導入口13より水導出口14に流れる水の一部を散水ノズル7に供給する。
【0025】
図9に示すように、上記ノズル接続管19と中継管8の分岐部内周面、即ちノズル接続管19の分岐部内周面と、入側中継管部8aの分岐部内周面と、出側中継管部8bの分岐部内周面には、ノズル接続管19の口径を縮径し且つ入側の中継管部8aと出側の中継管部8bを縮径する絞り弁21を設ける。
【0026】
例えば上記ノズル接続管19の分岐部の角部内周面と入側中継管部8aと出側中継管部8bの分岐部内周面に例えば45度の角度で斜めに突出する環状突部22を一体成形し、上記絞り弁21を構成する。
【0027】
上記ノズル接続管19の分岐部の角部内面に突出した環状突部22の内端に環状ブレード23を設け、絞り効果を向上することができる。
【0028】
上記散水ノズル7は既知のものを採用できる。該散水ノズル7は上端の散水部に固定バルブ16と該固定バルブ16の中心に螺合した回動バルブ17を有し、該回動バルブ17を回動することにより、固定バルブ16に設けた散水口18からの水量(水圧)を調整できるようになっている。
【0029】
上記散水ノズル7の散水部の上面、即ち固定バルブ16と回動バルブ17の上面を中継散水ブロック9の上面10において露出するように埋設する。
【0030】
よって上記入側単位送水管5の管端から上記ブロック埋設の中継管8を経由して出側単位送水管6の管端へ向け送水すると同時に、同中継管8から上記ブロック埋設の散水ノズル7に給水し路面2に散水する構成にしたものである。
【0031】
上記中継管8は図4A,図6に示すように、その一端と他端を中継散水ブロック9の側面12から没入した位置で開口するように埋設して上記水導入口13と水導出口14を形成する。
【0032】
中継散水ブロック9の側面12には上記中継管8の一端面と他端面から同側面12へ向け拡径する単位送水管5,6の導入口部9aを設け、単位送水管5,6の管端を該導入口部9aから挿入して中継管8と連通せしめる。
【0033】
他例として、中継管8は図4B,図7に示すように、その一端と他端を中継散水ブロック9の側面12から短く突出した位置で開口するように埋設して上記水導入口13と水導出口14を形成する。
【0034】
上記中継管8の一方の管端の突出管部8c及び他方の管端の突出管部8cと、入側単位送水管5の管端と出側単位送水管6の管端を夫々連通せしめる。即ち突出管部8cと単位送水管5,6とを接続する。
【0035】
上記中継管8と単位送水管5,6とは管端において一方を他方に内挿するか外挿して連通状態とする。又は上記中継管8の管端面と単位送水管5,6の管端面とを突き合わせ状態にして連通状態とする。
【0036】
上記挿入部又は突き合わせ部において接着剤又は接続具を用い接合することができる。
【0037】
又図7に示すように、中継管8の突出管部8cを設けた場合には、単位送水管5,6の管端面を突出管部8cの管端面を近接又は接触状態に突き合わせし、該突き合わせ部外周面にカップリング等の接続具27を用いて接続することができる。
【0038】
上記中継散水ブロック9の側面12には手指を掛け止めすることができる溝や突起物から成る把手26を設け、該把手26を用いて敷設溝3内に中継散水ブロック9を人手により設置することができる。
【0039】
次に図11乃至図15に基づき送水管路4の敷設工事の一例について説明し本発明を更に明らかにする。
【0040】
図11に示すように、路面2に送水管路4を敷設するための敷設溝3を掘削する。
【0041】
次に図12A,Bに示すように、敷設溝3内底面に中継散水ブロック9を間隔を置いて設置する。
【0042】
次に図13に示すように、上記各中継散水ブロック9間を単位送水管5,6で連絡し、中継管8と単位送水管5,6とを連通せしめ送水管路4を形成する。
【0043】
次に図14に示すように、敷設溝3内に鉄筋24を配筋し、図15に示すように、同溝3内に現場打ちコンクリート25を打設充填し、上記単位送水管5,6(送水管路4)と中継散水ブロック9とを現場打ちコンクリート25内に埋設する。
【0044】
中継散水ブロック9に埋設した散水ノズル7の上面の散水部は上記現場打ちコンクリート25の表面に露出状態とする。
【0045】
よって上記入側単位送水管5の管端から上記中継管8を経由して出側単位送水管6の管端へ向け送水すると同時に、同中継管8から分岐したノズル接続管19を介して散水ノズル7に給水し路面2に散水する。
【0046】
実施例として上記路面2において露出する中継散水ブロック9の上面には、反射表示部又は蓄光表示部15を設けることができる。この表示部15は例えば道路の中央分離帯に中継散水ブロック9を配設して送水管路4を形成する場合に、中央分離線を形成する。又は上記表示部15は中継散水ブロック9の存在を明示し歩行者の注意を喚起する表示とする。
【0047】
上記中継管8は直管形にして中継散水ブロック9の対向する側面12において二方向に開口せしめ水導入口13と水導出口14を形成する。
【0048】
又は図5に示すように、十字形にして中継散水ブロック9の側面12で四方向に開口せしめ水導入口13と水導出口14を形成する。又はT字形にして中継散水ブロック9の側面12で三方向に開口せしめ水導入口13と水導出口14を形成する。又はL字形にして中継散水ブロック9の側面12で二方向に開口せしめ水導入口13と水導出口14を形成する。本発明は各中継管8の態様を包含する。
【0049】
上記送水管路4を形成する各単位送水管5,6は裸のままで中継散水ブロック9と繋ぎ送水管路4と散水部を形成する構成なので、図16Aに示すように、平面方向の曲路を形成する場合、又は図16Bに示すように、送水管路4に上下に落差がある曲路を形成する場合の何れにおいても、裸の単位送水管5,6を傾斜配管し、該送水管路4の曲路配管に適切に対応できる。
【0050】
上記路面2とは道路や歩道の路面の他、屋上の路面、広場の路面等の散水を必要とする全ての路面を包含する。
【0051】
本発明に係る散水装置は降雪地における消雪装置として有効に実施でき、又消雪を必要としない散水目的に実施する場合を含む。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】中継散水ブロックの縦断面図。
【図2】上記中継散水ブロックの他例を示す縦断面図。
【図3】図1,図2に示す中継散水ブロックの側面図。
【図4】Aは中継管の管端を中継散水ブロックの側面から没入した埋設構造例を示し、Bは中継管の管端を中継散水ブロックの側面から突出した埋設構造例を示す平面図。
【図5】A,B,Cは上記中継散水ブロックに埋設した中継管の分岐構造の各例を示す平面図(散水ノズル省略)。
【図6】図1の中継散水ブロックを用いた配管構造例を示す縦断面図。
【図7】図2の中継散水ブロックを用いた配管構造例を示す縦断面図。
【図8】中継管と散水ノズルの組立体を示す斜視図。
【図9】上記中継散水ブロックに埋設した中継管の具体構造例を示す縦断面図。
【図10】上記中継散水ブロックの上面に表示部を設けた例を示す斜視図。
【図11】図11乃至図15は路面に掘削した敷設溝内に中継散水ブロックを用いた送水管路を形成する工事を説明し、図11は敷設溝を形成した横断面図。
【図12】Aは上記敷設溝内に中継散水ブロックを配置した状態を示す平面図、Bは同横断面図。
【図13】上記中継散水ブロックに単位送水管を配管した状態を示す平面図。
【図14】上記敷設溝内に鉄筋を配筋した状態を示す平面図。
【図15】Aは上記敷設溝内にコンクリートを打設した状態を示す平面図、Bは同横断面図。
【図16】Aは中継散水ブロックを用いて平面方向の曲路(送水管路)を形成する場合を説明する平面図、Bは中継散水ブロックを用いて上下に落差がある曲路(送水管路)を形成する場合を説明する縦断面図。
【符号の説明】
【0053】
1…組立体、2…路面、3…敷設溝、4…送水管路、5…入側単位送水管、6…出側単位送水管、7…散水ノズル、8…中継管、8a…入側中継管部、8b…出側中継管部、8c…突出管部、9…中継散水ブロック、9a…導入口部、10…上面、11…底面、12…側面、13…水導入口、14…水導出口、15…反射表示部又は蓄光表示部、16…固定バルブ、17…回動バルブ、18…散水口、19…ノズル接続管、20…給水口、21…絞り弁、22…環状突部、23…環状ブレード、24…鉄筋、25…現場打ちコンクリート、26…把手、27…接続具。
【技術分野】
【0001】
本発明は多数本の単位送水管を連通しつつ路面下に埋設して送水管路を形成し、該送水管路で送水しつつ各単位送水管に間隔的に配設した散水ノズルに給水し路面に散水するようにした散水装置、殊に単位送水管の管壁に散水ノズルを取り付けずに入側単位送水管の管端と出側単位送水管の管端間を中継する中継散水ブロックによって上記散水を行うようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2は単位送水管の全長をコンクリートブロック内に埋設しつつ、該送水管の管壁に散水ノズルを取り付けて上記コンクリートブロック内に埋設した単位送水管埋設ブロックを工場にて製造し、該単位送水管埋設ブロックを多数本現場に搬入し、現場において掘削した送水管敷設溝内に該単位送水管埋設ブロックの端面を互いに突き合わせ接続しながら敷設して送水管路を形成し、該送水管路内を送水しつつ上記各単位送水管に取り付けた散水ノズルから路面へ散水するようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−88306号公報
【特許文献2】特開2000−345527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、上記先行例は単位送水管の全長をコンクリートブロック内に埋設した複合構造を有するため非常に高重量となり、クレーンを用いて敷設溝内へ搬入し芯出し敷設と均し敷設を行わねばならない問題点を有している。
【0005】
又単位送水管と同じ長さを有するコンクリートブロックの底面を敷設溝内に均し敷設しつつ芯出し敷設する作業に熟練した技術を要し、作業手間とコスト増を招く問題点を有している。
【0006】
又単位送水管の全長をブロック内に埋設した単位送水管埋設ブロックは剛体であるので曲げ配管が難しく、送水管路が曲路である場合には適切に対応できない問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記単位送水管の全長をコンクリートブロック内に埋設した単位送水管埋設ブロックを形成し、該単位送水管に取り付けた散水ノズルをコンクリートブロック内に埋設する方法を排し、路面下に埋設された入側単位送水管の管端と出側単位送水管の管端間に、散水ノズルと中継管の組立体を埋設した中継散水ブロックを配置して各管端間を連通し、散水を行うようにして上記先行例の問題点を抜本的に解決するものである。
【0008】
上記中継散水ブロック内に埋設された中継管は一端を上記中継散水ブロックの一側面において開放して水導入口を形成し、同中継管の他端を上記中継散水ブロックの他側面において開放して水導出口を形成する。
【0009】
又上記中継散水ブロック内に埋設した散水ノズルは上記中継管の中間部に同ブロック内において一体に接続する。
【0010】
よって上記入側単位送水管の管端から上記ブロック埋設の中継管を経由して出側単位送水管の管端へ向け送水すると同時に、同中継管から上記ブロック埋設の散水ノズルに給水し路面に散水する構成にしたものである。
【0011】
上記中継管はその一端を中継散水ブロックの一側面から没入するか又は同一側面から突出して上記水導入口を形成し、同様に上記中継管の他端を中継散水ブロックの他側面から没入するか又は同他側面から突出して上記水導出口を形成する。
【0012】
上記路面において露出する中継散水ブロックの上面には、反射表示部又は蓄光表示部を設けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、単位送水管の管端間を中継する中継散水ブロックは非常に小形軽量であり、現場搬入と敷設溝内への設置が人手による軽作業で実行でき、クレーンを用いて敷設溝内へ搬入し芯出し敷設と均し敷設を行わねばならない問題点を有効に解決できる。
【0014】
又中継散水ブロックは限定された大きさのものであるから、その底面を敷設溝内に均し敷設しつつ芯出し敷設する作業を著しく軽減し、その作業に熟練した技術を要求されず、作業手間とコスト削減に寄与することができる。
【0015】
上記送水管路を形成する各単位送水管は裸のままで中継散水ブロックと繋ぐ作業を行え、各単位送水管の曲げ配管が容易であり、送水管路が曲路である場合にも適切に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図16に基づき説明する。
【0017】
本発明は図11乃至図15に示すように、複数本の単位送水管5,6を路面2に掘削された敷設溝3内に敷設し埋設して送水管路4を形成する場合に、上記入側単位送水管5の管端と出側単位送水管6の管端間に、散水ノズル7と中継管8の組立体1を埋設した中継散水ブロック9を配置して各管端間を連通し、散水を行うようにしたものである。
【0018】
図1乃至図8等に示す上記散水ノズル7と中継管8の組立体1を埋設した中継散水ブロック9の本体はセメント混練材、即ちコンクリート製やモルタル製やレジンコンクリート製にし、その骨材として砂、砂利、補強繊維、鉱滓、各種スラッジ、各種廃材を選択的に用いることができる。
【0019】
又は中継散水ブロック9の本体を合成樹脂製にし、その骨材として上記のものを選択的に用いることができる。
【0020】
上記散水ノズル7と中継管8の組立体1を成形型内に設置し、同成形型内に上記セメント混練材、又は合成樹脂等の成形材を充填することにより上記組立体1を埋設した中継散水ブロック9を成形する。
【0021】
一例として、上記中継散水ブロック9の本体は互いに並行な方形の上面10及び同底面11と、四側面12を有する直方体、又は上記四側面12が上面10から底面11へ向けた傾斜面をなす截頭角錐体にする。
【0022】
上記中継散水ブロック9の本体を上記直方体又は截頭角錐体にする他、三角形、五角形、六角形等の多角柱体又は同截頭多角錐体、又は截頭円錐体にする場合を含む。
上記中継散水ブロック9内に埋設された中継管8は一端を上記中継散水ブロック9の一側面12において開放して水導入口13を形成し、同中継管8の他端を上記中継散水ブロック9の他側面12において開放して水導出口14を形成する。
【0023】
又上記中継散水ブロック9内に埋設した散水ノズル7は上記中継管8の中間部に同ブロック9内において一体に接続する。
【0024】
上記中継管8は中間部から直角に分岐して上記散水ノズル7に接続するノズル接続管19を有し、該ノズル接続管19を散水ノズル7下端の給水口20に挿入して中継管8の水導入口13より水導出口14に流れる水の一部を散水ノズル7に供給する。
【0025】
図9に示すように、上記ノズル接続管19と中継管8の分岐部内周面、即ちノズル接続管19の分岐部内周面と、入側中継管部8aの分岐部内周面と、出側中継管部8bの分岐部内周面には、ノズル接続管19の口径を縮径し且つ入側の中継管部8aと出側の中継管部8bを縮径する絞り弁21を設ける。
【0026】
例えば上記ノズル接続管19の分岐部の角部内周面と入側中継管部8aと出側中継管部8bの分岐部内周面に例えば45度の角度で斜めに突出する環状突部22を一体成形し、上記絞り弁21を構成する。
【0027】
上記ノズル接続管19の分岐部の角部内面に突出した環状突部22の内端に環状ブレード23を設け、絞り効果を向上することができる。
【0028】
上記散水ノズル7は既知のものを採用できる。該散水ノズル7は上端の散水部に固定バルブ16と該固定バルブ16の中心に螺合した回動バルブ17を有し、該回動バルブ17を回動することにより、固定バルブ16に設けた散水口18からの水量(水圧)を調整できるようになっている。
【0029】
上記散水ノズル7の散水部の上面、即ち固定バルブ16と回動バルブ17の上面を中継散水ブロック9の上面10において露出するように埋設する。
【0030】
よって上記入側単位送水管5の管端から上記ブロック埋設の中継管8を経由して出側単位送水管6の管端へ向け送水すると同時に、同中継管8から上記ブロック埋設の散水ノズル7に給水し路面2に散水する構成にしたものである。
【0031】
上記中継管8は図4A,図6に示すように、その一端と他端を中継散水ブロック9の側面12から没入した位置で開口するように埋設して上記水導入口13と水導出口14を形成する。
【0032】
中継散水ブロック9の側面12には上記中継管8の一端面と他端面から同側面12へ向け拡径する単位送水管5,6の導入口部9aを設け、単位送水管5,6の管端を該導入口部9aから挿入して中継管8と連通せしめる。
【0033】
他例として、中継管8は図4B,図7に示すように、その一端と他端を中継散水ブロック9の側面12から短く突出した位置で開口するように埋設して上記水導入口13と水導出口14を形成する。
【0034】
上記中継管8の一方の管端の突出管部8c及び他方の管端の突出管部8cと、入側単位送水管5の管端と出側単位送水管6の管端を夫々連通せしめる。即ち突出管部8cと単位送水管5,6とを接続する。
【0035】
上記中継管8と単位送水管5,6とは管端において一方を他方に内挿するか外挿して連通状態とする。又は上記中継管8の管端面と単位送水管5,6の管端面とを突き合わせ状態にして連通状態とする。
【0036】
上記挿入部又は突き合わせ部において接着剤又は接続具を用い接合することができる。
【0037】
又図7に示すように、中継管8の突出管部8cを設けた場合には、単位送水管5,6の管端面を突出管部8cの管端面を近接又は接触状態に突き合わせし、該突き合わせ部外周面にカップリング等の接続具27を用いて接続することができる。
【0038】
上記中継散水ブロック9の側面12には手指を掛け止めすることができる溝や突起物から成る把手26を設け、該把手26を用いて敷設溝3内に中継散水ブロック9を人手により設置することができる。
【0039】
次に図11乃至図15に基づき送水管路4の敷設工事の一例について説明し本発明を更に明らかにする。
【0040】
図11に示すように、路面2に送水管路4を敷設するための敷設溝3を掘削する。
【0041】
次に図12A,Bに示すように、敷設溝3内底面に中継散水ブロック9を間隔を置いて設置する。
【0042】
次に図13に示すように、上記各中継散水ブロック9間を単位送水管5,6で連絡し、中継管8と単位送水管5,6とを連通せしめ送水管路4を形成する。
【0043】
次に図14に示すように、敷設溝3内に鉄筋24を配筋し、図15に示すように、同溝3内に現場打ちコンクリート25を打設充填し、上記単位送水管5,6(送水管路4)と中継散水ブロック9とを現場打ちコンクリート25内に埋設する。
【0044】
中継散水ブロック9に埋設した散水ノズル7の上面の散水部は上記現場打ちコンクリート25の表面に露出状態とする。
【0045】
よって上記入側単位送水管5の管端から上記中継管8を経由して出側単位送水管6の管端へ向け送水すると同時に、同中継管8から分岐したノズル接続管19を介して散水ノズル7に給水し路面2に散水する。
【0046】
実施例として上記路面2において露出する中継散水ブロック9の上面には、反射表示部又は蓄光表示部15を設けることができる。この表示部15は例えば道路の中央分離帯に中継散水ブロック9を配設して送水管路4を形成する場合に、中央分離線を形成する。又は上記表示部15は中継散水ブロック9の存在を明示し歩行者の注意を喚起する表示とする。
【0047】
上記中継管8は直管形にして中継散水ブロック9の対向する側面12において二方向に開口せしめ水導入口13と水導出口14を形成する。
【0048】
又は図5に示すように、十字形にして中継散水ブロック9の側面12で四方向に開口せしめ水導入口13と水導出口14を形成する。又はT字形にして中継散水ブロック9の側面12で三方向に開口せしめ水導入口13と水導出口14を形成する。又はL字形にして中継散水ブロック9の側面12で二方向に開口せしめ水導入口13と水導出口14を形成する。本発明は各中継管8の態様を包含する。
【0049】
上記送水管路4を形成する各単位送水管5,6は裸のままで中継散水ブロック9と繋ぎ送水管路4と散水部を形成する構成なので、図16Aに示すように、平面方向の曲路を形成する場合、又は図16Bに示すように、送水管路4に上下に落差がある曲路を形成する場合の何れにおいても、裸の単位送水管5,6を傾斜配管し、該送水管路4の曲路配管に適切に対応できる。
【0050】
上記路面2とは道路や歩道の路面の他、屋上の路面、広場の路面等の散水を必要とする全ての路面を包含する。
【0051】
本発明に係る散水装置は降雪地における消雪装置として有効に実施でき、又消雪を必要としない散水目的に実施する場合を含む。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】中継散水ブロックの縦断面図。
【図2】上記中継散水ブロックの他例を示す縦断面図。
【図3】図1,図2に示す中継散水ブロックの側面図。
【図4】Aは中継管の管端を中継散水ブロックの側面から没入した埋設構造例を示し、Bは中継管の管端を中継散水ブロックの側面から突出した埋設構造例を示す平面図。
【図5】A,B,Cは上記中継散水ブロックに埋設した中継管の分岐構造の各例を示す平面図(散水ノズル省略)。
【図6】図1の中継散水ブロックを用いた配管構造例を示す縦断面図。
【図7】図2の中継散水ブロックを用いた配管構造例を示す縦断面図。
【図8】中継管と散水ノズルの組立体を示す斜視図。
【図9】上記中継散水ブロックに埋設した中継管の具体構造例を示す縦断面図。
【図10】上記中継散水ブロックの上面に表示部を設けた例を示す斜視図。
【図11】図11乃至図15は路面に掘削した敷設溝内に中継散水ブロックを用いた送水管路を形成する工事を説明し、図11は敷設溝を形成した横断面図。
【図12】Aは上記敷設溝内に中継散水ブロックを配置した状態を示す平面図、Bは同横断面図。
【図13】上記中継散水ブロックに単位送水管を配管した状態を示す平面図。
【図14】上記敷設溝内に鉄筋を配筋した状態を示す平面図。
【図15】Aは上記敷設溝内にコンクリートを打設した状態を示す平面図、Bは同横断面図。
【図16】Aは中継散水ブロックを用いて平面方向の曲路(送水管路)を形成する場合を説明する平面図、Bは中継散水ブロックを用いて上下に落差がある曲路(送水管路)を形成する場合を説明する縦断面図。
【符号の説明】
【0053】
1…組立体、2…路面、3…敷設溝、4…送水管路、5…入側単位送水管、6…出側単位送水管、7…散水ノズル、8…中継管、8a…入側中継管部、8b…出側中継管部、8c…突出管部、9…中継散水ブロック、9a…導入口部、10…上面、11…底面、12…側面、13…水導入口、14…水導出口、15…反射表示部又は蓄光表示部、16…固定バルブ、17…回動バルブ、18…散水口、19…ノズル接続管、20…給水口、21…絞り弁、22…環状突部、23…環状ブレード、24…鉄筋、25…現場打ちコンクリート、26…把手、27…接続具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のA乃至Eの構成を有する単位送水管を中継する中継散水ブロック。
A.路面下に埋設された入側単位送水管の管端と出側単位送水管の管端間に配置され、両単位送水管を中継する中継散水ブロックである。
B.上記中継散水ブロック内には散水ノズルと中継管の組立体が埋設されている。
C.上記中継管の一端を上記中継散水ブロックの一側面において開放して水導入口を形成し、同中継管の他端を上記中継散水ブロックの他側面において開放して水導出口を形成している。
D.上記散水ノズルを上記中継管の中間部に上記中継散水ブロック内において一体に接続する。
E.上記入側単位送水管の管端から上記中継管を経由して出側単位送水管の管端へ向け送水すると同時に、同中継管から散水ノズルに給水し路面に散水する構成を有する。
【請求項2】
上記中継管の一端を中継散水ブロックの一側面から没入するか又は同一側面から突出して上記水導入口を形成し、同様に上記中継管の他端を中継散水ブロックの他側面から没入するか又は同他側面から突出して上記水導出口を形成したことを特徴とする請求項1記載の単位送水管を中継する中継散水ブロック。
【請求項3】
上記中継散水ブロックの上面に反射表示部又は蓄光表示部を設けたことを特徴とする請求項1記載の単位送水管を中継する中継散水ブロック。
【請求項1】
以下のA乃至Eの構成を有する単位送水管を中継する中継散水ブロック。
A.路面下に埋設された入側単位送水管の管端と出側単位送水管の管端間に配置され、両単位送水管を中継する中継散水ブロックである。
B.上記中継散水ブロック内には散水ノズルと中継管の組立体が埋設されている。
C.上記中継管の一端を上記中継散水ブロックの一側面において開放して水導入口を形成し、同中継管の他端を上記中継散水ブロックの他側面において開放して水導出口を形成している。
D.上記散水ノズルを上記中継管の中間部に上記中継散水ブロック内において一体に接続する。
E.上記入側単位送水管の管端から上記中継管を経由して出側単位送水管の管端へ向け送水すると同時に、同中継管から散水ノズルに給水し路面に散水する構成を有する。
【請求項2】
上記中継管の一端を中継散水ブロックの一側面から没入するか又は同一側面から突出して上記水導入口を形成し、同様に上記中継管の他端を中継散水ブロックの他側面から没入するか又は同他側面から突出して上記水導出口を形成したことを特徴とする請求項1記載の単位送水管を中継する中継散水ブロック。
【請求項3】
上記中継散水ブロックの上面に反射表示部又は蓄光表示部を設けたことを特徴とする請求項1記載の単位送水管を中継する中継散水ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−37761(P2010−37761A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199701(P2008−199701)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(595137103)中島建設株式会社 (1)
【出願人】(301077437)朝日エンヂニヤリング株式会社 (17)
【出願人】(300082140)エコ ジャパン株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(595137103)中島建設株式会社 (1)
【出願人】(301077437)朝日エンヂニヤリング株式会社 (17)
【出願人】(300082140)エコ ジャパン株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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