印刷システム、およびその制御方法。
【課題】 印刷物の検品処理を行う検品装置が、検品処理の対象となる可変印刷オブジェクトの位置を適正に把握することを目的とする。
【解決手段】 印刷装置は、間締め処理により変更された可変印刷オブジェクトの位置の情報を含む変更処理結果情報を符号化し画像データとし(S206)、ページデータに合成する(S207)。検品装置は、印刷物に印刷された画像データの復号化を行い、取得された位置を基に印刷物の読み取り範囲を決定する。
【解決手段】 印刷装置は、間締め処理により変更された可変印刷オブジェクトの位置の情報を含む変更処理結果情報を符号化し画像データとし(S206)、ページデータに合成する(S207)。検品装置は、印刷物に印刷された画像データの復号化を行い、取得された位置を基に印刷物の読み取り範囲を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レイアウト変更を伴う可変印刷を行う印刷装置と印刷物の検品確認を行う検品装置から成る印刷システム、およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可変印刷(バリアブル印刷)を行う印刷装置では、印刷内容が固定の印刷オブジェクト、可変の印刷オブジェクトを定義したバリアブルテンプレートと、そこから参照されるデータベースに格納されたレコード情報を組み合わせて印刷用画像ページデータを生成する。このページデータ画像は1つの印刷ジョブの中で、レコード毎に印刷体裁が同じで印刷内容が異なる印刷用の複数ページの画像データを持つ。
【0003】
このような装置において印刷された、各レコード情報に対応する印刷物の間では、バリアブルテンプレートで固定印刷オブジェクトとして定義された印刷内容は変化が無く、可変印刷オブジェクトにおける印刷内容のみが異なる可能性がある。
【0004】
また、印刷物の検品装置は印刷物の検品処理として、印刷された内容を画像として読み取り、印刷時のページデータと比較して合致していれば印刷物が正しく印刷されていると判断する。前記可変印刷装置と組み合わせて使用される検品装置では、検品処理の時間を短縮するために、バリアブルテンプレートで定義する可変印刷オブジェクトとして印刷されている領域のみを対象として画像とレコード情報との比較を行う。そして、正しく印刷されているか否かの確認を実施する。検品装置は可変印刷オブジェクトの領域に印刷された内容が、その可変印刷オブジェクト領域の画像生成時に参照した先のレコード情報と同一の内容であれば、印刷物を正しく印刷しているとみなす。
【0005】
検品装置の従来技術として、検査すべき画像領域の位置が1印刷ジョブの内でレコード毎に異なるジョブに対しては、印刷装置はレイアウト処理や印刷処理における処理結果をネットワーク回線を通じて検品装置に送信する技術が特許文献1に開示されている。検品装置はその処理情報を受け取るとそこから検品処理時において印刷物画像の検品対象となる領域を決定して、画像の比較を行っていた。
【0006】
一方、その他の従来技術として、印刷で使用する用紙の枚数を節約する目的で、印刷領域内の画像やテキスト等の印刷オブジェクトの位置を変更し印刷ページを削減する技術として間締め印刷がある。間締め印刷はレイアウト変更処理の一種である。この処理を適用して、印刷オブジェクトを用紙の片側に寄せることでページ内に印刷オブジェクトの無い余白領域を作る。作った余白領域に、後続のページに存在する移動可能な印刷オブジェクトを配置することで、オブジェクトが本来印刷されるべきページより前のページで印刷される。結果、後半のページに余白領域が多くなり、この余白領域を印刷しないことで全体的にページを削減することができる。もしくはページ毎に余白領域分、画像の印刷領域を縮小することで同じ内容でより小さなサイズの用紙上に印刷することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−146374
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術に示した可変印刷機能、および間締め印刷機能を備えた可変印刷装置と、印刷物の検品処理を行う検品装置から成る印刷システムを想定する。この印刷システムは、可変印刷のためにバリアブルテンプレートとレコード情報を合成して印刷用のページデータを生成した後、そのページデータに対して間締め処理を適用する処理を行う。バリアブルテンプレートの可変印刷オブジェクトにレコード情報を合成後、用紙のある方向に全オブジェクトを寄せることで、用紙上の逆方向に余白領域を作り出している。この場合、印刷後の検品処理を行うべき領域の位置は、バリアブルテンプレートで定義する可変印刷オブジェクト領域の位置ではなく、そこから間締め印刷により移動された領域を検査する必要がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の検品装置が可変印刷装置とネットワークを介して接続されていない環境であると、検品装置に検品処理の対象となる可変印刷オブジェクトの位置を正しく伝えることができない。また、間締め印刷によりオブジェクトが移動されたことにより、検品対象の位置が変更することについて考慮されていない。また、検品装置が印刷装置の送信データ形式に対応していない場合、検品処理の対象となる可変印刷オブジェクトの位置を正しく伝えることができなかった。また、別途印刷出力した印刷指示書に検品に関する情報を記載して検品装置に伝達する印刷システムもあるが、印刷物とは別に印刷指示書を取り扱わねばならず印刷物の取り違えが起きる可能性があった。
本願発明は、上述の複数の課題の内、少なくとも1つの課題を解決するための印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施系に係る印刷システムは、全レコードに共通して描画される固定印刷オブジェクト、およびレコード毎に内容を変えて印刷するためにレコード情報と合成されて描画される可変印刷オブジェクトから成るバリアブルテンプレートと、記憶手段に記憶されているレコード情報であって、前記レコード毎に用意された前記レコード情報とを基に、ページデータを生成する生成手段と、印刷で使用する用紙の枚数を削減するために、前記ページデータに含まれる可変印刷オブジェクトの位置を変更し、前記ページデータの余白部分を削除する間締め手段と、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置の情報を含む変更処理結果情報を符号化し、符号化されたことで画像データとして表現された変更画像データと、前記余白部分が削除されたページデータとを合成する合成手段と、前記合成されてページデータを基に、印刷物を生成する印刷手段と、を有し、読み取り手段により読み取られた前記印刷物における変更画像データの復号化を行い、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置を取得する取得手段と、前記取得された位置を基に決定される範囲内に印刷された前記印刷物の内容と、前記記憶手段に記憶されているレコード情報とが一致するか否かを確認することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
レイアウト変更を伴う可変印刷を行う可変印刷装置と、その印刷物の検査を行う検品装置から成る印刷システムにおいて、検品対象となる印刷物中のレコード情報毎に異なる可変部分の情報を印刷内容に含め、検品装置が可変部分の情報を印刷物から取得する。これにより、検品処理を行うべき領域の位置を適正に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施例における印刷システム101のシステム構成図。
【図2】第1の実施例における可変印刷装置102における印刷処理のフローチャートを示す図。
【図3】第1の実施例における可変印刷装置102のモジュール構成図。
【図4】第1の実施例における間締め処理のフローチャートを示す図。
【図5】第1の実施例における間締め処理の結果情報を示すテーブルの概念図。
【図6】第1の実施例におけるレイアウト変更処理の1つである間締め処理の結果例を示す図。
【図7】第1の実施例におけるレイアウト変更処理の結果情報を合成したページデータ画像の印刷物を示す図。
【図8】第1の実施例における検品装置104における検品処理のフローチャートを示す図。
【図9】第1の実施例における検品装置104のモジュール構成図。
【図10】第2の実施例における可変印刷装置102における印刷処理のフローチャートを示す図。
【図11】第3の実施例における可変印刷装置102における印刷処理のフローチャートを示す図。
【図12】第3の実施例におけるレイアウト変更処理の結果情報を合成した画像を示す図。
【図13】第1の実施例におけるバリアブルテンプレートとレコード情報とを合成する過程、および結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
[第1の実施例]
図1は本提案の印刷システム101の概要図である。レコード情報を格納するレコードデータベース103と、指定されたバリアブルテンプレートと前記レコードデータベース103から取得したレコード情報を合成して、合成後のページデータのレイアウト変更処理を行い印刷する可変印刷装置102と、前記可変印刷装置により印刷された印刷物の検品処理を行う検品装置104がネットワークで接続されている。
【0015】
印刷システム101における可変印刷装置102で、ページ内オブジェクトの間締め処理によるレイアウト変更処理後に、レイアウト変更処理結果情報をページ画像に合成して印刷する処理を、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0016】
S201において、図1の可変印刷装置102で示す印刷装置301の制御部302は、ステップ201で通信部306からデータベース103のレコード情報を取得する。制御部302は、取得したレコード情報とバリアブルテンプレートと合成してページデータを生成する。図13で示すように、バリアブルテンプレートは全レコード共通で描画される固定印刷オブジェクトと、レコード毎に内容を変えて印刷するための可変印刷オブジェクトから成る。可変印刷オブジェクトはオブジェクト毎にIDを持つ。各レコード毎に用意されたレコード情報を格納するデータベース内で、IDはレコードデータベースの各キー属性に関連付けられている。
【0017】
S202において、制御部302は取得したレコード情報に含まれる各可変印刷オブジェクトのIDに対応するキーのデータを参照し、データを可変印刷オブジェクトに合成する。ページ内の全ての可変印刷オブジェクトに、各レコード情報に対応するデータが合成され1レコード分のページデータが生成される。この処理を取得したレコード数繰り返す。生成されたページデータはあらかじめバリアブルテンプレートに定義された固定印刷オブジェクトと、可変印刷オブジェクトに配置された印刷オブジェクトデータ群から成る。印刷オブジェクトデータ群はオブジェクト単位でページデータ内の位置を変更可能である。
【0018】
ステップ203において、制御部302は、レイアウト処理部203にステップ202で合成したオブジェクトデータ群に対して間締め処理を実行させ、適用後の結果を基に画像生成部305においてページ画像を生成させる。間締め処理は、ページデータ内の描画オブジェクトの位置を変更して描画可能領域の一方向に寄せることで、描画されている領域と描画されていない領域をまとめることで、印刷で使用する用紙の枚数を節約させる。間締め処理によりオブジェクトの描画位置が変わるが、読者の読みやすさを損なわない程度に位置を変更することにより、同じ情報量を少ないページ数で印刷することが可能となる。なお、図3に示す各部は、CPU(Central Processing Unit)がメモリにロードされた各部を実現するためのプログラムを読み込み、実行することにより実現される。
【0019】
間締め処理の処理手順概要は後述する図4において説明する。間締め処理を実施する前は、バリアブルテンプレートに従い可変部分の印刷位置が全レコードで統一されているが、間締め処理を適用後は合成されたレコード毎に情報の内容が異なるため、レコード毎に可変部分の印刷位置が異なるページデータが生成される。
【0020】
制御部302は、ステップ204において、ステップ203で行った間締め処理の結果からレイアウト変更処理結果情報を生成する。レイアウト変更処理結果情報は間締め処理によって各描画オブジェクトにどのような位置の変更がなされたかを示す情報を持つ。
【0021】
図5はレイアウト変更処理結果情報の一例を示す。図5におけるレイアウト変更処理結果情報は、テーブル501に含まれるオブジェクトを一意に識別するID502と、オブジェクトが可変オブジェクトかどうかを示すオブジェクト種類503、オブジェクトがレイアウト変更処理で移動可能かどうかを示す移動可能キー504、レイアウト変更処理適用前の座標値505、レイアウト変更処理適用後の座標値506から構成される。制御部302はステップ205において、ステップ204で生成したレイアウト変更処理結果情報をどのように用紙に印刷するかを選択する。
【0022】
レイアウト変更処理結果情報を可視のバーコード情報として印刷する場合は、ステップ206に進み、制御部302はバーコードデータ生成部307においてレイアウト変更処理結果情報をバーコードデータに変換させる。変換後、制御部302は、変換されたバーコードデータを他のオブジェクトデータに重ならないよう、画像生成部305にページ画像の余白部分に合成させる。なお、バーコードとは2次元コードのことであり、QRコード、グリフコード、その他2次元的に表現されたコードを含む。バーコード画像は、バーコードを画像で表現したものであり、2次元コード画像に相当する。
【0023】
レイアウト変更処理結果情報を電子透かし情報として印刷する場合、ステップ208において、制御部302は透かしデータ生成部307にレイアウト変更処理結果情報を電子透かし情報に変換させる。実際に用紙に印刷された電子透かし情報の内容は不可視である。変換後、制御部302は、画像生成部305に変換された電子透かし情報をページ画像に合成させる。
【0024】
レイアウト変更処理結果情報をトンボ情報として印刷する場合、ステップ210において、制御部302はトンボデータ生成部309にレイアウト変更処理結果情報をトンボデータに変換させる。トンボデータは可視であり、検品の対象となるオブジェクトが印刷された矩形領域を指し示す。変換後、制御部302は、画像生成部305に変換されたトンボデータをページ画像の外側領域に合成させる。レイアウト変更処理結果情報をページ画像に合成した後、ステップ212において、制御部302は印刷部304にページ画像を印刷処理させる。
【0025】
本実施例では、レイアウト変更処理結果情報を画像データとして表現し、ページデータに合成する。合成されるレイアウト変更処理結果情報の画像データを変更画像データと称する。なお、レイアウト変更処理結果情報を画像データとして表現するために実行する処理を符号化と称する。また、符号化されたことで画像データとして表現されたレイアウト
変更処理結果情報の内容をその画像データから取得するために実行する処理を復号化と称する。
【0026】
図4は本実施例における間締め処理を示したフローチャートである。S401において、制御部302はページ内のオブジェクト群から、用紙の上辺方向に最も近いオブジェクトを選択する。次にステップ402において、オブジェクトの用紙の上辺方向に対して、オブジェクトを移動可能か判断する。用紙上辺方向にある別オブジェクトに重なることなく移動可能な領域がある場合は、S403において、そのオブジェクトを移動可能と判断して、オブジェクトを移動可能な領域に移動する。移動できないと判断した場合は、制御部402はステップ404に進む。
【0027】
制御部302はオブジェクトを移動し終えると、ステップ404において、そのオブジェクトから用紙下辺方向に向かって次のオブジェクトを検索する。全てのオブジェクトに対して間締め処理を適用しておらず、他のオブジェクトが存在する場合、ステップ401に戻り、ステップ404で発見したオブジェクトを対象に再び処理を行う。制御部302はページ内の全てのオブジェクトに対して間締め処理可能かどうか判定を完了すると、そのページに対する間締め処理を終了する。
【0028】
図6は図4のフローチャートで示す前記間締め処理の処理適用結果を図示したものである。601で示す処理前のページデータにおいて、描画可能領域上の印刷オブジェクト群を対象に、レイアウト変更処理を行う。602は601に対して間締め処理を適用した結果を示す。用紙上辺方向に各オブジェクトを移動して、用紙縦方向の余白部分をなくしている。結果として、用紙下部に余白領域がまとめられる。対象となったページに後続のページがあり、後続ページとの間にページを区切る必要が無く印刷オブジェクトを連続で配置可能な場合は、余白となった部分に後続のページの印刷オブジェクトを続けて配置することも可能である。これにより可変印刷ジョブ全体の余白部分を削除することでページ数を削減することができる。
【0029】
図7は、ステップ212で示す印刷処理において、レイアウト変更処理結果情報を合成したページデータ画像を印刷した印刷結果の例を示したものである。701は、ステップ207において、ページデータの空白部分にバーコード画像を合成した印刷結果である印刷物を示す。バーコード画像704は、ページデータ上の位置を変更された可変印刷オブジェクトの、変更処理前後の差分情報を変換した変更画像である。変更画像データを解析することで、描画位置が変更された可変印刷オブジェクトの新しい位置を特定することが可能になる。
【0030】
また702は、ステップ209において電子透かし情報を合成したページデータの印刷物を示す。電子透かし情報が合成された印刷オブジェクト705は、印刷オブジェクトの変更処理前後の情報を含む。電子透かし情報705、即ち透かし画像は、ページデータ上の位置を変更された可変印刷オブジェクトの、変更処理前後の差分情報を変換した変更画像ある。本実施例では、可変印刷オブジェクト上に透かし画像を合成しているが、可変印刷オブジェクト、または固定印刷オブジェクトの内、少なくとも1つの印刷オブジェクト上に透かし画像が施されていても良い。703は、ステップ211においてトンボデータ合成処理によって生成されたページデータの印刷物である。トンボ情報703は検品対象のオブジェクトの矩形を示す。
【0031】
印刷システムにおける、レイアウト変更処理結果情報を含むページ画像が印刷された用紙を検品する検品装置の検品処理を、図8のフローチャート、および図9を用いて説明する。図9に記載の各部は、CPUがメモリにロードされた各部を実現するためのプログラムを読み込み、実行することにより実現される。S801において、図1の検品装置104で示す検品装置901の制御部902は、画像取得部903に可変印刷装置102が印刷した検品対象の印刷物の画像を読み取る。
【0032】
印刷物の画像取得後、制御部902は、ステップ801で取得したページ画像に相当する比較元情報として、通信部905を介してレコード情報を記憶手段であるデータベース103から取得する。ステップ803において、制御部902は、ステップ801で取得した印刷物の画像から、ページ画像に合成されたレイアウト変更処理結果情報の種別を読み出す。
【0033】
ステップ803で取得したレイアウト変更処理結果情報の種別に応じて、制御部902はレイアウト変更処理結果情報の取得手段を決定する。レイアウト変更処理結果情報がバーコードである場合、ステップ804において、制御部902はバーコードデータ復号部906にバーコードデータの復号処理を行わせる。制御部902は復号処理の結果、バーコードデータに含まれるレイアウト変更処理結果情報を取得する。
【0034】
同様に、レイアウト変更処理結果情報が透かし画像である場合、ステップ805において、制御部902は透かしデータ復号部907に電子透かしデータの復号処理を行わせる。制御部902は復号処理の結果、透かしデータに含まれるレイアウト変更処理結果情報を取得する。制御部902は、ステップ904およびステップ905で得られたレイアウト変更処理結果情報を基に、ステップ801で取得した印刷物の画像データの可変印刷オブジェクトの位置を取得し、検品処理を行う画像範囲を決定する。
【0035】
また、レイアウト変更処理結果情報がトンボ情報である場合、制御部902は画像からトンボの位置を取得する。得られたトンボ情報からステップ801で取得した印刷物の画像データの可変印刷部分を取得して、検品処理を行う画像範囲を決定する。
【0036】
制御部902は、特定された位置を基に決定される画像範囲内に印刷された内容と、ステップ802で取得したレコード情報の比較を行い、印刷物の可変部分の印刷内容がレコード情報と一致しているかを確認する。
【0037】
レイアウト変更を伴う可変印刷を行う可変印刷装置102と、その印刷物の検査を行う検品装置104から成る印刷システム101において、検品対象となる印刷物中のレコード情報毎に異なる可変部分の情報を印刷内容に含めることが可能となる。これにより検品装置が印刷物から可変部分の情報を取得して、正確に検品する範囲を特定することが可能となる。より詳細に述べると、可変印刷において、レコード情報が記載された部分を検品する場合であって、印刷データのオブジェクトの位置が間締め処理によって移動したとしても、適切な検品処理が行われることになる。
【0038】
[第2の実施例]
印刷システム101におけるページ内オブジェクトの間締め処理によるレイアウト変更処理後に、レイアウト変更処理結果情報をページ画像に合成して印刷する際に、印刷処理後を考慮して合成位置を決定する処理を、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
S1002において、可変印刷装置102の制御部302は、ステップ1001において通信部306を介して取得したレコード情報を、バリアブルテンプレートと合成してページデータを作成する。ステップ1003において、合成されたページデータを対象にレイアウト処理部303は、間締め処理を実行し、間締め処理の結果、位置が変更されたオブジェクトの情報からレイアウト変更処理結果情報を生成する。
【0040】
制御部302は、ステップ1005において、ページデータの印刷設定を参照して、印刷処理後、印刷物の断裁処理を行うかどうかを判定する。断裁処理はあらかじめ印刷成果物よりサイズが大きな用紙に印刷を行い、周囲を印刷成果物のサイズで切りそろえることで、見栄えを良くする場合などに用いられる。この場合、用紙の描画領域の外側は断裁されるので、その部分に印刷された内容は最終的に成果物には残らない。
【0041】
制御部302は、断裁処理が実行されると判定した後で、断裁される位置にレイアウト変更処理結果情報を画像データで表現した変更画像データを合成することが可能か否かを判定する。変更画像データを可視のバーコードデータとして合成する場合に、バーコードデータ領域より断裁幅が小さい場合は、断裁領域にバーコード情報を描画できないと判断して合成が行われない。合成が行われない場合はステップ1009に進み、制御部302は、ページデータ内の描画オブジェクトが存在しない余白領域に変更画像データを描画することが可能か否かを判定する。
【0042】
断裁される部分に変更画像データが合成される場合は、ステップ1007において、制御部302はバーコードデータ生成部307にレイアウト変更処理結果情報を基に、変更画像データとしてバーコードデータを生成させる。その後、制御部302は、バーコードデータをステップ1005においてバーコードデータを合成可能と判定された、ページデータの断裁処理後に削除される領域にバーコードデータを合成する。
【0043】
ステップ1005において、制御部302が断裁処理を実行しないと判定すると、制御部302は、ページデータ内のレイアウト変更処理結果情報を合成可能な位置を探索するために、ステップ1009においてページデータ内の余白領域を探す。
【0044】
ステップ1009において、制御部302は、ページデータ内の描画オブジェクトが存在しない余白領域に描画オブジェクトに重ならずに変更画像データを合成することが可能か否かを判定する。このとき、可視のバーコードデータのサイズと余白領域のサイズを比較して、余白領域がバーコードデータのサイズより大きい場合は合成可能と判断する。合成制御部302はバーコードデータを探索した余白領域に合成する。即ち、2次元コード画像で表現された変更画像データがページデータの断裁部分に収まる場合は、ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データが合成される。
【0045】
ステップ1022において、制御部302は、ページデータ内にレイアウト変更処理結果情報を合成可能な領域が存在しないと判断し、既存の描画領域に重なって描画可能なように電子透かしデータを生成して合成する。即ち、2次元コード画像で表現された変更画像データがページデータの断裁部分に収まる場合は、ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データは合成されない。
【0046】
いずれかの形式で変更画像データをページデータに合成後、制御部302は、印刷部304にページデータを基に印刷処理を実行させ、印刷部304は印刷物を生成する。印刷後、印刷物に対して検品処理が行われる。検品後、断裁処理が設定されたページデータの印刷物は断裁処理が行われ、断裁され棄てられる用紙の位置に描画されたレイアウト変更処理結果情報は削除される。
上記のレイアウト変更処理によって、レイアウト変更処理結果情報を検品装置に確実に伝え、かつ印刷後処理により合成後の情報を実際の印刷から削除することが可能となる。
【0047】
以上の処理により、印刷物に対し断裁処理が行われる場合は、印刷物の断裁される部分に対応する前記ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成する。また、断裁処理を行わない場合であって、かつ間締め処理により可変印刷オブジェクトの位置が変更されたページデータに変更画像データを合成可能な余白部分が存在する場合は、ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成する。また、それ以外の場合は、ページデータの可変印刷オブジェクト、または可変印刷オブジェクトの内、少なくとも1つのオブジェクトに透かし画像で表現された変更画像データが重なるように合成する。
【0048】
また、印刷物に対し断裁処理が行われる場合に、2次元コード画像で表現された変更画像データがページデータの断裁部分に収まる場合は、ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成する。また、収まらない場合は、ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成しない
また、2次元コード画像で表現された変更画像データがページデータの余白部分に収まる場合は、ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成する。また、収まらない場合は、ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成しない。
【0049】
これにより、レイアウト変更処理結果情報をページ画像に合成して印刷する際に、印刷処理後を考慮して合成位置を決定することができるため、適切な変更画像データの付加を行うことができる。
【0050】
[第3の実施例]
印刷システム101におけるページ内オブジェクトの間締め処理によるレイアウト変更処理において、レイアウト変更処理後にレイアウト変更結果情報の画像を合成することを条件にしてレイアウト変更を行う処理を、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
この実施例で示す処理では、レイアウト変更処理情報から生成される可視のデータが、ページデータ内の指定された領域に確実に合成されるように、あらかじめレイアウト変更結果情報以外の他の印刷オブジェクトの位置を決定する。
【0052】
バーコードデータを読み取る検品装置104において、読み取り可能な印刷物上の領域が固定されている場合や、印刷体裁を見易くするために指定した箇所にバーコードデータを印刷したい場合に、バーコードデータの印刷位置を固定することがある。
【0053】
可変印刷装置102の制御部302は、ステップ1102においてレコード情報を取得し、バリアブルテンプレートと合成し、ページデータを作成する。印刷後、印刷物を検品装置で自動的に検品処理を行う場合、制御部302はページデータへのレイアウト変更結果情報の合成処理を行う。
【0054】
ステップ1104において、制御部302は、レイアウト変更処理結果をバーコードデータとして印刷する際に、印刷位置が固定かどうかを判定する。バーコードデータの印刷位置が固定されている場合、制御部302は、ステップ1105においてページデータ上の既定の位置にバーコードデータ領域を配置する。このとき配置されたバーコードデータ領域のオブジェクトが図5のテーブル501に追加され、オブジェクトの属性値として移動可能キー504に移動不可で固定されていることを示す情報0が記載される。位置が固定されていない場合、制御部302は、ステップ1106において、ページデータ上の余白の位置に固定されていないオブジェクトとしてバーコードデータ領域を配置する。固定の場合と同様に、配置されたオブジェクトには移動可能なオブジェクトとしてテーブル501にバーコード領域のデータが追加されるが、移動可能キー504には移動可能であることを示す情報1が記録される。
【0055】
制御部302はページデータにバーコードデータ領域を示すオブジェクトを配置後、ステップ1107において、レイアウト制御部303に間締め処理を実行させる。ステップ1108において、制御部302は、レイアウト処理部303に間締め処理を実行させた後、テーブル501を更新してレイアウト変更処理の結果情報を生成する。
【0056】
制御部302はバーコードデータ307に更新したテーブル情報からバーコードデータを生成させた後、ステップ1110において、ステップ1105とステップ1106で配置したページデータ上のバーコード領域と、生成したバーコードデータを合成する。制御部302はバーコードデータを合成したページデータを用いて、印刷部304で印刷を行わせる。
【0057】
図12は、実施例3の図5で示すフローチャートで、ページデータ上のオブジェクトのレイアウトを変更して配置する処理の結果例を示す図である。レイアウト変更前のページデータ1201に印刷オブジェクト群が配置されている。例えば、バーコードデータ領域をページデータ1202上の1204で示す領域に固定するとする。すると、印刷オブジェクト1205は、間締め処理アルゴリズムによる処理であれば、ページ上辺の方向に向かって移動して配置されるはずであるが、領域1204に固定されたバーコードデータ領域があるため、移動することができない。
【0058】
また同様にバーコードデータ領域をページデータ1203の1206で示す位置に配置して固定すると、印刷オブジェクト1207は移動先の位置に優先される固定されたオブジェクトが存在しないため、ページ上辺方向に移動して配置される。上記のレイアウト変更処理により、印刷物上でレイアウト変更処理結果情報を表示する位置が固定されて、検品装置が印刷物からレイアウト変更処理結果情報を読み取る際に決められた位置から情報を読み取ることが可能となる。
【0059】
[変化形]
本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、レイアウト変更を伴う可変印刷を行う印刷装置と印刷物の検品確認を行う検品装置から成る印刷システム、およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可変印刷(バリアブル印刷)を行う印刷装置では、印刷内容が固定の印刷オブジェクト、可変の印刷オブジェクトを定義したバリアブルテンプレートと、そこから参照されるデータベースに格納されたレコード情報を組み合わせて印刷用画像ページデータを生成する。このページデータ画像は1つの印刷ジョブの中で、レコード毎に印刷体裁が同じで印刷内容が異なる印刷用の複数ページの画像データを持つ。
【0003】
このような装置において印刷された、各レコード情報に対応する印刷物の間では、バリアブルテンプレートで固定印刷オブジェクトとして定義された印刷内容は変化が無く、可変印刷オブジェクトにおける印刷内容のみが異なる可能性がある。
【0004】
また、印刷物の検品装置は印刷物の検品処理として、印刷された内容を画像として読み取り、印刷時のページデータと比較して合致していれば印刷物が正しく印刷されていると判断する。前記可変印刷装置と組み合わせて使用される検品装置では、検品処理の時間を短縮するために、バリアブルテンプレートで定義する可変印刷オブジェクトとして印刷されている領域のみを対象として画像とレコード情報との比較を行う。そして、正しく印刷されているか否かの確認を実施する。検品装置は可変印刷オブジェクトの領域に印刷された内容が、その可変印刷オブジェクト領域の画像生成時に参照した先のレコード情報と同一の内容であれば、印刷物を正しく印刷しているとみなす。
【0005】
検品装置の従来技術として、検査すべき画像領域の位置が1印刷ジョブの内でレコード毎に異なるジョブに対しては、印刷装置はレイアウト処理や印刷処理における処理結果をネットワーク回線を通じて検品装置に送信する技術が特許文献1に開示されている。検品装置はその処理情報を受け取るとそこから検品処理時において印刷物画像の検品対象となる領域を決定して、画像の比較を行っていた。
【0006】
一方、その他の従来技術として、印刷で使用する用紙の枚数を節約する目的で、印刷領域内の画像やテキスト等の印刷オブジェクトの位置を変更し印刷ページを削減する技術として間締め印刷がある。間締め印刷はレイアウト変更処理の一種である。この処理を適用して、印刷オブジェクトを用紙の片側に寄せることでページ内に印刷オブジェクトの無い余白領域を作る。作った余白領域に、後続のページに存在する移動可能な印刷オブジェクトを配置することで、オブジェクトが本来印刷されるべきページより前のページで印刷される。結果、後半のページに余白領域が多くなり、この余白領域を印刷しないことで全体的にページを削減することができる。もしくはページ毎に余白領域分、画像の印刷領域を縮小することで同じ内容でより小さなサイズの用紙上に印刷することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−146374
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術に示した可変印刷機能、および間締め印刷機能を備えた可変印刷装置と、印刷物の検品処理を行う検品装置から成る印刷システムを想定する。この印刷システムは、可変印刷のためにバリアブルテンプレートとレコード情報を合成して印刷用のページデータを生成した後、そのページデータに対して間締め処理を適用する処理を行う。バリアブルテンプレートの可変印刷オブジェクトにレコード情報を合成後、用紙のある方向に全オブジェクトを寄せることで、用紙上の逆方向に余白領域を作り出している。この場合、印刷後の検品処理を行うべき領域の位置は、バリアブルテンプレートで定義する可変印刷オブジェクト領域の位置ではなく、そこから間締め印刷により移動された領域を検査する必要がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の検品装置が可変印刷装置とネットワークを介して接続されていない環境であると、検品装置に検品処理の対象となる可変印刷オブジェクトの位置を正しく伝えることができない。また、間締め印刷によりオブジェクトが移動されたことにより、検品対象の位置が変更することについて考慮されていない。また、検品装置が印刷装置の送信データ形式に対応していない場合、検品処理の対象となる可変印刷オブジェクトの位置を正しく伝えることができなかった。また、別途印刷出力した印刷指示書に検品に関する情報を記載して検品装置に伝達する印刷システムもあるが、印刷物とは別に印刷指示書を取り扱わねばならず印刷物の取り違えが起きる可能性があった。
本願発明は、上述の複数の課題の内、少なくとも1つの課題を解決するための印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施系に係る印刷システムは、全レコードに共通して描画される固定印刷オブジェクト、およびレコード毎に内容を変えて印刷するためにレコード情報と合成されて描画される可変印刷オブジェクトから成るバリアブルテンプレートと、記憶手段に記憶されているレコード情報であって、前記レコード毎に用意された前記レコード情報とを基に、ページデータを生成する生成手段と、印刷で使用する用紙の枚数を削減するために、前記ページデータに含まれる可変印刷オブジェクトの位置を変更し、前記ページデータの余白部分を削除する間締め手段と、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置の情報を含む変更処理結果情報を符号化し、符号化されたことで画像データとして表現された変更画像データと、前記余白部分が削除されたページデータとを合成する合成手段と、前記合成されてページデータを基に、印刷物を生成する印刷手段と、を有し、読み取り手段により読み取られた前記印刷物における変更画像データの復号化を行い、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置を取得する取得手段と、前記取得された位置を基に決定される範囲内に印刷された前記印刷物の内容と、前記記憶手段に記憶されているレコード情報とが一致するか否かを確認することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
レイアウト変更を伴う可変印刷を行う可変印刷装置と、その印刷物の検査を行う検品装置から成る印刷システムにおいて、検品対象となる印刷物中のレコード情報毎に異なる可変部分の情報を印刷内容に含め、検品装置が可変部分の情報を印刷物から取得する。これにより、検品処理を行うべき領域の位置を適正に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施例における印刷システム101のシステム構成図。
【図2】第1の実施例における可変印刷装置102における印刷処理のフローチャートを示す図。
【図3】第1の実施例における可変印刷装置102のモジュール構成図。
【図4】第1の実施例における間締め処理のフローチャートを示す図。
【図5】第1の実施例における間締め処理の結果情報を示すテーブルの概念図。
【図6】第1の実施例におけるレイアウト変更処理の1つである間締め処理の結果例を示す図。
【図7】第1の実施例におけるレイアウト変更処理の結果情報を合成したページデータ画像の印刷物を示す図。
【図8】第1の実施例における検品装置104における検品処理のフローチャートを示す図。
【図9】第1の実施例における検品装置104のモジュール構成図。
【図10】第2の実施例における可変印刷装置102における印刷処理のフローチャートを示す図。
【図11】第3の実施例における可変印刷装置102における印刷処理のフローチャートを示す図。
【図12】第3の実施例におけるレイアウト変更処理の結果情報を合成した画像を示す図。
【図13】第1の実施例におけるバリアブルテンプレートとレコード情報とを合成する過程、および結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
[第1の実施例]
図1は本提案の印刷システム101の概要図である。レコード情報を格納するレコードデータベース103と、指定されたバリアブルテンプレートと前記レコードデータベース103から取得したレコード情報を合成して、合成後のページデータのレイアウト変更処理を行い印刷する可変印刷装置102と、前記可変印刷装置により印刷された印刷物の検品処理を行う検品装置104がネットワークで接続されている。
【0015】
印刷システム101における可変印刷装置102で、ページ内オブジェクトの間締め処理によるレイアウト変更処理後に、レイアウト変更処理結果情報をページ画像に合成して印刷する処理を、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0016】
S201において、図1の可変印刷装置102で示す印刷装置301の制御部302は、ステップ201で通信部306からデータベース103のレコード情報を取得する。制御部302は、取得したレコード情報とバリアブルテンプレートと合成してページデータを生成する。図13で示すように、バリアブルテンプレートは全レコード共通で描画される固定印刷オブジェクトと、レコード毎に内容を変えて印刷するための可変印刷オブジェクトから成る。可変印刷オブジェクトはオブジェクト毎にIDを持つ。各レコード毎に用意されたレコード情報を格納するデータベース内で、IDはレコードデータベースの各キー属性に関連付けられている。
【0017】
S202において、制御部302は取得したレコード情報に含まれる各可変印刷オブジェクトのIDに対応するキーのデータを参照し、データを可変印刷オブジェクトに合成する。ページ内の全ての可変印刷オブジェクトに、各レコード情報に対応するデータが合成され1レコード分のページデータが生成される。この処理を取得したレコード数繰り返す。生成されたページデータはあらかじめバリアブルテンプレートに定義された固定印刷オブジェクトと、可変印刷オブジェクトに配置された印刷オブジェクトデータ群から成る。印刷オブジェクトデータ群はオブジェクト単位でページデータ内の位置を変更可能である。
【0018】
ステップ203において、制御部302は、レイアウト処理部203にステップ202で合成したオブジェクトデータ群に対して間締め処理を実行させ、適用後の結果を基に画像生成部305においてページ画像を生成させる。間締め処理は、ページデータ内の描画オブジェクトの位置を変更して描画可能領域の一方向に寄せることで、描画されている領域と描画されていない領域をまとめることで、印刷で使用する用紙の枚数を節約させる。間締め処理によりオブジェクトの描画位置が変わるが、読者の読みやすさを損なわない程度に位置を変更することにより、同じ情報量を少ないページ数で印刷することが可能となる。なお、図3に示す各部は、CPU(Central Processing Unit)がメモリにロードされた各部を実現するためのプログラムを読み込み、実行することにより実現される。
【0019】
間締め処理の処理手順概要は後述する図4において説明する。間締め処理を実施する前は、バリアブルテンプレートに従い可変部分の印刷位置が全レコードで統一されているが、間締め処理を適用後は合成されたレコード毎に情報の内容が異なるため、レコード毎に可変部分の印刷位置が異なるページデータが生成される。
【0020】
制御部302は、ステップ204において、ステップ203で行った間締め処理の結果からレイアウト変更処理結果情報を生成する。レイアウト変更処理結果情報は間締め処理によって各描画オブジェクトにどのような位置の変更がなされたかを示す情報を持つ。
【0021】
図5はレイアウト変更処理結果情報の一例を示す。図5におけるレイアウト変更処理結果情報は、テーブル501に含まれるオブジェクトを一意に識別するID502と、オブジェクトが可変オブジェクトかどうかを示すオブジェクト種類503、オブジェクトがレイアウト変更処理で移動可能かどうかを示す移動可能キー504、レイアウト変更処理適用前の座標値505、レイアウト変更処理適用後の座標値506から構成される。制御部302はステップ205において、ステップ204で生成したレイアウト変更処理結果情報をどのように用紙に印刷するかを選択する。
【0022】
レイアウト変更処理結果情報を可視のバーコード情報として印刷する場合は、ステップ206に進み、制御部302はバーコードデータ生成部307においてレイアウト変更処理結果情報をバーコードデータに変換させる。変換後、制御部302は、変換されたバーコードデータを他のオブジェクトデータに重ならないよう、画像生成部305にページ画像の余白部分に合成させる。なお、バーコードとは2次元コードのことであり、QRコード、グリフコード、その他2次元的に表現されたコードを含む。バーコード画像は、バーコードを画像で表現したものであり、2次元コード画像に相当する。
【0023】
レイアウト変更処理結果情報を電子透かし情報として印刷する場合、ステップ208において、制御部302は透かしデータ生成部307にレイアウト変更処理結果情報を電子透かし情報に変換させる。実際に用紙に印刷された電子透かし情報の内容は不可視である。変換後、制御部302は、画像生成部305に変換された電子透かし情報をページ画像に合成させる。
【0024】
レイアウト変更処理結果情報をトンボ情報として印刷する場合、ステップ210において、制御部302はトンボデータ生成部309にレイアウト変更処理結果情報をトンボデータに変換させる。トンボデータは可視であり、検品の対象となるオブジェクトが印刷された矩形領域を指し示す。変換後、制御部302は、画像生成部305に変換されたトンボデータをページ画像の外側領域に合成させる。レイアウト変更処理結果情報をページ画像に合成した後、ステップ212において、制御部302は印刷部304にページ画像を印刷処理させる。
【0025】
本実施例では、レイアウト変更処理結果情報を画像データとして表現し、ページデータに合成する。合成されるレイアウト変更処理結果情報の画像データを変更画像データと称する。なお、レイアウト変更処理結果情報を画像データとして表現するために実行する処理を符号化と称する。また、符号化されたことで画像データとして表現されたレイアウト
変更処理結果情報の内容をその画像データから取得するために実行する処理を復号化と称する。
【0026】
図4は本実施例における間締め処理を示したフローチャートである。S401において、制御部302はページ内のオブジェクト群から、用紙の上辺方向に最も近いオブジェクトを選択する。次にステップ402において、オブジェクトの用紙の上辺方向に対して、オブジェクトを移動可能か判断する。用紙上辺方向にある別オブジェクトに重なることなく移動可能な領域がある場合は、S403において、そのオブジェクトを移動可能と判断して、オブジェクトを移動可能な領域に移動する。移動できないと判断した場合は、制御部402はステップ404に進む。
【0027】
制御部302はオブジェクトを移動し終えると、ステップ404において、そのオブジェクトから用紙下辺方向に向かって次のオブジェクトを検索する。全てのオブジェクトに対して間締め処理を適用しておらず、他のオブジェクトが存在する場合、ステップ401に戻り、ステップ404で発見したオブジェクトを対象に再び処理を行う。制御部302はページ内の全てのオブジェクトに対して間締め処理可能かどうか判定を完了すると、そのページに対する間締め処理を終了する。
【0028】
図6は図4のフローチャートで示す前記間締め処理の処理適用結果を図示したものである。601で示す処理前のページデータにおいて、描画可能領域上の印刷オブジェクト群を対象に、レイアウト変更処理を行う。602は601に対して間締め処理を適用した結果を示す。用紙上辺方向に各オブジェクトを移動して、用紙縦方向の余白部分をなくしている。結果として、用紙下部に余白領域がまとめられる。対象となったページに後続のページがあり、後続ページとの間にページを区切る必要が無く印刷オブジェクトを連続で配置可能な場合は、余白となった部分に後続のページの印刷オブジェクトを続けて配置することも可能である。これにより可変印刷ジョブ全体の余白部分を削除することでページ数を削減することができる。
【0029】
図7は、ステップ212で示す印刷処理において、レイアウト変更処理結果情報を合成したページデータ画像を印刷した印刷結果の例を示したものである。701は、ステップ207において、ページデータの空白部分にバーコード画像を合成した印刷結果である印刷物を示す。バーコード画像704は、ページデータ上の位置を変更された可変印刷オブジェクトの、変更処理前後の差分情報を変換した変更画像である。変更画像データを解析することで、描画位置が変更された可変印刷オブジェクトの新しい位置を特定することが可能になる。
【0030】
また702は、ステップ209において電子透かし情報を合成したページデータの印刷物を示す。電子透かし情報が合成された印刷オブジェクト705は、印刷オブジェクトの変更処理前後の情報を含む。電子透かし情報705、即ち透かし画像は、ページデータ上の位置を変更された可変印刷オブジェクトの、変更処理前後の差分情報を変換した変更画像ある。本実施例では、可変印刷オブジェクト上に透かし画像を合成しているが、可変印刷オブジェクト、または固定印刷オブジェクトの内、少なくとも1つの印刷オブジェクト上に透かし画像が施されていても良い。703は、ステップ211においてトンボデータ合成処理によって生成されたページデータの印刷物である。トンボ情報703は検品対象のオブジェクトの矩形を示す。
【0031】
印刷システムにおける、レイアウト変更処理結果情報を含むページ画像が印刷された用紙を検品する検品装置の検品処理を、図8のフローチャート、および図9を用いて説明する。図9に記載の各部は、CPUがメモリにロードされた各部を実現するためのプログラムを読み込み、実行することにより実現される。S801において、図1の検品装置104で示す検品装置901の制御部902は、画像取得部903に可変印刷装置102が印刷した検品対象の印刷物の画像を読み取る。
【0032】
印刷物の画像取得後、制御部902は、ステップ801で取得したページ画像に相当する比較元情報として、通信部905を介してレコード情報を記憶手段であるデータベース103から取得する。ステップ803において、制御部902は、ステップ801で取得した印刷物の画像から、ページ画像に合成されたレイアウト変更処理結果情報の種別を読み出す。
【0033】
ステップ803で取得したレイアウト変更処理結果情報の種別に応じて、制御部902はレイアウト変更処理結果情報の取得手段を決定する。レイアウト変更処理結果情報がバーコードである場合、ステップ804において、制御部902はバーコードデータ復号部906にバーコードデータの復号処理を行わせる。制御部902は復号処理の結果、バーコードデータに含まれるレイアウト変更処理結果情報を取得する。
【0034】
同様に、レイアウト変更処理結果情報が透かし画像である場合、ステップ805において、制御部902は透かしデータ復号部907に電子透かしデータの復号処理を行わせる。制御部902は復号処理の結果、透かしデータに含まれるレイアウト変更処理結果情報を取得する。制御部902は、ステップ904およびステップ905で得られたレイアウト変更処理結果情報を基に、ステップ801で取得した印刷物の画像データの可変印刷オブジェクトの位置を取得し、検品処理を行う画像範囲を決定する。
【0035】
また、レイアウト変更処理結果情報がトンボ情報である場合、制御部902は画像からトンボの位置を取得する。得られたトンボ情報からステップ801で取得した印刷物の画像データの可変印刷部分を取得して、検品処理を行う画像範囲を決定する。
【0036】
制御部902は、特定された位置を基に決定される画像範囲内に印刷された内容と、ステップ802で取得したレコード情報の比較を行い、印刷物の可変部分の印刷内容がレコード情報と一致しているかを確認する。
【0037】
レイアウト変更を伴う可変印刷を行う可変印刷装置102と、その印刷物の検査を行う検品装置104から成る印刷システム101において、検品対象となる印刷物中のレコード情報毎に異なる可変部分の情報を印刷内容に含めることが可能となる。これにより検品装置が印刷物から可変部分の情報を取得して、正確に検品する範囲を特定することが可能となる。より詳細に述べると、可変印刷において、レコード情報が記載された部分を検品する場合であって、印刷データのオブジェクトの位置が間締め処理によって移動したとしても、適切な検品処理が行われることになる。
【0038】
[第2の実施例]
印刷システム101におけるページ内オブジェクトの間締め処理によるレイアウト変更処理後に、レイアウト変更処理結果情報をページ画像に合成して印刷する際に、印刷処理後を考慮して合成位置を決定する処理を、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
S1002において、可変印刷装置102の制御部302は、ステップ1001において通信部306を介して取得したレコード情報を、バリアブルテンプレートと合成してページデータを作成する。ステップ1003において、合成されたページデータを対象にレイアウト処理部303は、間締め処理を実行し、間締め処理の結果、位置が変更されたオブジェクトの情報からレイアウト変更処理結果情報を生成する。
【0040】
制御部302は、ステップ1005において、ページデータの印刷設定を参照して、印刷処理後、印刷物の断裁処理を行うかどうかを判定する。断裁処理はあらかじめ印刷成果物よりサイズが大きな用紙に印刷を行い、周囲を印刷成果物のサイズで切りそろえることで、見栄えを良くする場合などに用いられる。この場合、用紙の描画領域の外側は断裁されるので、その部分に印刷された内容は最終的に成果物には残らない。
【0041】
制御部302は、断裁処理が実行されると判定した後で、断裁される位置にレイアウト変更処理結果情報を画像データで表現した変更画像データを合成することが可能か否かを判定する。変更画像データを可視のバーコードデータとして合成する場合に、バーコードデータ領域より断裁幅が小さい場合は、断裁領域にバーコード情報を描画できないと判断して合成が行われない。合成が行われない場合はステップ1009に進み、制御部302は、ページデータ内の描画オブジェクトが存在しない余白領域に変更画像データを描画することが可能か否かを判定する。
【0042】
断裁される部分に変更画像データが合成される場合は、ステップ1007において、制御部302はバーコードデータ生成部307にレイアウト変更処理結果情報を基に、変更画像データとしてバーコードデータを生成させる。その後、制御部302は、バーコードデータをステップ1005においてバーコードデータを合成可能と判定された、ページデータの断裁処理後に削除される領域にバーコードデータを合成する。
【0043】
ステップ1005において、制御部302が断裁処理を実行しないと判定すると、制御部302は、ページデータ内のレイアウト変更処理結果情報を合成可能な位置を探索するために、ステップ1009においてページデータ内の余白領域を探す。
【0044】
ステップ1009において、制御部302は、ページデータ内の描画オブジェクトが存在しない余白領域に描画オブジェクトに重ならずに変更画像データを合成することが可能か否かを判定する。このとき、可視のバーコードデータのサイズと余白領域のサイズを比較して、余白領域がバーコードデータのサイズより大きい場合は合成可能と判断する。合成制御部302はバーコードデータを探索した余白領域に合成する。即ち、2次元コード画像で表現された変更画像データがページデータの断裁部分に収まる場合は、ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データが合成される。
【0045】
ステップ1022において、制御部302は、ページデータ内にレイアウト変更処理結果情報を合成可能な領域が存在しないと判断し、既存の描画領域に重なって描画可能なように電子透かしデータを生成して合成する。即ち、2次元コード画像で表現された変更画像データがページデータの断裁部分に収まる場合は、ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データは合成されない。
【0046】
いずれかの形式で変更画像データをページデータに合成後、制御部302は、印刷部304にページデータを基に印刷処理を実行させ、印刷部304は印刷物を生成する。印刷後、印刷物に対して検品処理が行われる。検品後、断裁処理が設定されたページデータの印刷物は断裁処理が行われ、断裁され棄てられる用紙の位置に描画されたレイアウト変更処理結果情報は削除される。
上記のレイアウト変更処理によって、レイアウト変更処理結果情報を検品装置に確実に伝え、かつ印刷後処理により合成後の情報を実際の印刷から削除することが可能となる。
【0047】
以上の処理により、印刷物に対し断裁処理が行われる場合は、印刷物の断裁される部分に対応する前記ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成する。また、断裁処理を行わない場合であって、かつ間締め処理により可変印刷オブジェクトの位置が変更されたページデータに変更画像データを合成可能な余白部分が存在する場合は、ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成する。また、それ以外の場合は、ページデータの可変印刷オブジェクト、または可変印刷オブジェクトの内、少なくとも1つのオブジェクトに透かし画像で表現された変更画像データが重なるように合成する。
【0048】
また、印刷物に対し断裁処理が行われる場合に、2次元コード画像で表現された変更画像データがページデータの断裁部分に収まる場合は、ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成する。また、収まらない場合は、ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成しない
また、2次元コード画像で表現された変更画像データがページデータの余白部分に収まる場合は、ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成する。また、収まらない場合は、ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成しない。
【0049】
これにより、レイアウト変更処理結果情報をページ画像に合成して印刷する際に、印刷処理後を考慮して合成位置を決定することができるため、適切な変更画像データの付加を行うことができる。
【0050】
[第3の実施例]
印刷システム101におけるページ内オブジェクトの間締め処理によるレイアウト変更処理において、レイアウト変更処理後にレイアウト変更結果情報の画像を合成することを条件にしてレイアウト変更を行う処理を、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
この実施例で示す処理では、レイアウト変更処理情報から生成される可視のデータが、ページデータ内の指定された領域に確実に合成されるように、あらかじめレイアウト変更結果情報以外の他の印刷オブジェクトの位置を決定する。
【0052】
バーコードデータを読み取る検品装置104において、読み取り可能な印刷物上の領域が固定されている場合や、印刷体裁を見易くするために指定した箇所にバーコードデータを印刷したい場合に、バーコードデータの印刷位置を固定することがある。
【0053】
可変印刷装置102の制御部302は、ステップ1102においてレコード情報を取得し、バリアブルテンプレートと合成し、ページデータを作成する。印刷後、印刷物を検品装置で自動的に検品処理を行う場合、制御部302はページデータへのレイアウト変更結果情報の合成処理を行う。
【0054】
ステップ1104において、制御部302は、レイアウト変更処理結果をバーコードデータとして印刷する際に、印刷位置が固定かどうかを判定する。バーコードデータの印刷位置が固定されている場合、制御部302は、ステップ1105においてページデータ上の既定の位置にバーコードデータ領域を配置する。このとき配置されたバーコードデータ領域のオブジェクトが図5のテーブル501に追加され、オブジェクトの属性値として移動可能キー504に移動不可で固定されていることを示す情報0が記載される。位置が固定されていない場合、制御部302は、ステップ1106において、ページデータ上の余白の位置に固定されていないオブジェクトとしてバーコードデータ領域を配置する。固定の場合と同様に、配置されたオブジェクトには移動可能なオブジェクトとしてテーブル501にバーコード領域のデータが追加されるが、移動可能キー504には移動可能であることを示す情報1が記録される。
【0055】
制御部302はページデータにバーコードデータ領域を示すオブジェクトを配置後、ステップ1107において、レイアウト制御部303に間締め処理を実行させる。ステップ1108において、制御部302は、レイアウト処理部303に間締め処理を実行させた後、テーブル501を更新してレイアウト変更処理の結果情報を生成する。
【0056】
制御部302はバーコードデータ307に更新したテーブル情報からバーコードデータを生成させた後、ステップ1110において、ステップ1105とステップ1106で配置したページデータ上のバーコード領域と、生成したバーコードデータを合成する。制御部302はバーコードデータを合成したページデータを用いて、印刷部304で印刷を行わせる。
【0057】
図12は、実施例3の図5で示すフローチャートで、ページデータ上のオブジェクトのレイアウトを変更して配置する処理の結果例を示す図である。レイアウト変更前のページデータ1201に印刷オブジェクト群が配置されている。例えば、バーコードデータ領域をページデータ1202上の1204で示す領域に固定するとする。すると、印刷オブジェクト1205は、間締め処理アルゴリズムによる処理であれば、ページ上辺の方向に向かって移動して配置されるはずであるが、領域1204に固定されたバーコードデータ領域があるため、移動することができない。
【0058】
また同様にバーコードデータ領域をページデータ1203の1206で示す位置に配置して固定すると、印刷オブジェクト1207は移動先の位置に優先される固定されたオブジェクトが存在しないため、ページ上辺方向に移動して配置される。上記のレイアウト変更処理により、印刷物上でレイアウト変更処理結果情報を表示する位置が固定されて、検品装置が印刷物からレイアウト変更処理結果情報を読み取る際に決められた位置から情報を読み取ることが可能となる。
【0059】
[変化形]
本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムにおける可変印刷装置は、
全レコードに共通して描画される固定印刷オブジェクト、およびレコード毎に内容を変えて印刷するためにレコード情報と合成されて描画される可変印刷オブジェクトから成るバリアブルテンプレートと、記憶手段に記憶されているレコード情報であって、前記レコード毎に用意された前記レコード情報とを基に、ページデータを生成する生成手段と、
印刷で使用する用紙の枚数を削減するために、前記ページデータに含まれる可変印刷オブジェクトの位置を変更し、前記ページデータの余白部分を削除する間締め手段と、
前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置の情報を含む変更処理結果情報を符号化し、符号化されたことで画像データとして表現された変更画像データと、前記余白部分が削除されたページデータとを合成する合成手段と、
前記合成されたページデータを基に、印刷物を生成する印刷手段と、を有し、
印刷システムにおける検品装置は、
読み取り手段により読み取られた前記印刷物における変更画像データの復号化を行い、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置を取得する取得手段と、
前記取得された位置を基に決定される範囲内に印刷された前記印刷物の内容と、前記記憶手段に記憶されているレコード情報とが一致するか否かを確認する検品手段と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記合成手段は、前記印刷物に対し断裁処理が行われる場合は、前記印刷物の断裁される部分に対応する前記ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成し、断裁処理を行わない場合であって、かつ前記間締め手段により可変印刷オブジェクトの位置が変更されたページデータに前記変更画像データを合成可能な余白部分が存在する場合は、前記ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成し、それ以外の場合は、前記ページデータの可変印刷オブジェクト、または可変印刷オブジェクトの内、少なくとも1つのオブジェクトに透かし画像で表現された変更画像データが重なるように合成することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記合成手段は、前記印刷物に対し断裁処理が行われる場合に、前記2次元コード画像で表現された変更画像データが前記ページデータの断裁部分に収まる場合は、前記ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成し、収まらない場合は、前記ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データで表現された変更画像データを合成しないことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記合成手段は、前記間締め手段により可変印刷オブジェクトの位置が変更されたページデータに前記変更画像データを合成可能な余白部分が存在する場合に、前記2次元コード画像で表現された変更画像データが前記ページデータの余白部分に収まる場合は、前記ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成し、収まらない場合は、前記ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成しないことを特徴とする請求項2または3に記載の印刷システム。
【請求項5】
可変印刷装置、および検品装置から成る印刷システムにおける制御方法であって、
可変印刷装置が有する生成手段は、全レコードに共通して描画される固定印刷オブジェクト、およびレコード毎に内容を変えて印刷するためにレコード情報と合成されて描画される可変印刷オブジェクトから成るバリアブルテンプレートと、記憶手段に記憶されているレコード情報であって、前記レコード毎に用意された前記レコード情報とを基に、ページデータを生成し、
可変印刷装置が有する間締め手段は、印刷で使用する用紙の枚数を削減するために、前記ページデータに含まれる可変印刷オブジェクトの位置を変更し、前記ページデータの余白部分を削除し、
可変印刷装置が有する合成手段は、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置の情報を含む変更処理結果情報を符号化し、符号化されたことで画像データとして表現された変更画像データと、前記余白部分が削除されたページデータとを合成し、
可変印刷装置が有する印刷手段は、前記合成されたページデータを基に、印刷物を生成し
検品装置の取得手段は、読み取り手段により読み取られた前記印刷物における変更画像データの復号化を行い、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置を取得し、
検品装置の検品手段は、前記取得された位置を基に決定される範囲内に印刷された前記印刷物の内容と、前記記憶手段に記憶されているレコード情報とが一致するか否かを確認することを特徴とする印刷システムの制御方法。
【請求項1】
印刷システムにおける可変印刷装置は、
全レコードに共通して描画される固定印刷オブジェクト、およびレコード毎に内容を変えて印刷するためにレコード情報と合成されて描画される可変印刷オブジェクトから成るバリアブルテンプレートと、記憶手段に記憶されているレコード情報であって、前記レコード毎に用意された前記レコード情報とを基に、ページデータを生成する生成手段と、
印刷で使用する用紙の枚数を削減するために、前記ページデータに含まれる可変印刷オブジェクトの位置を変更し、前記ページデータの余白部分を削除する間締め手段と、
前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置の情報を含む変更処理結果情報を符号化し、符号化されたことで画像データとして表現された変更画像データと、前記余白部分が削除されたページデータとを合成する合成手段と、
前記合成されたページデータを基に、印刷物を生成する印刷手段と、を有し、
印刷システムにおける検品装置は、
読み取り手段により読み取られた前記印刷物における変更画像データの復号化を行い、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置を取得する取得手段と、
前記取得された位置を基に決定される範囲内に印刷された前記印刷物の内容と、前記記憶手段に記憶されているレコード情報とが一致するか否かを確認する検品手段と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記合成手段は、前記印刷物に対し断裁処理が行われる場合は、前記印刷物の断裁される部分に対応する前記ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成し、断裁処理を行わない場合であって、かつ前記間締め手段により可変印刷オブジェクトの位置が変更されたページデータに前記変更画像データを合成可能な余白部分が存在する場合は、前記ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成し、それ以外の場合は、前記ページデータの可変印刷オブジェクト、または可変印刷オブジェクトの内、少なくとも1つのオブジェクトに透かし画像で表現された変更画像データが重なるように合成することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記合成手段は、前記印刷物に対し断裁処理が行われる場合に、前記2次元コード画像で表現された変更画像データが前記ページデータの断裁部分に収まる場合は、前記ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成し、収まらない場合は、前記ページデータの断裁部分に2次元コード画像で表現された変更画像データで表現された変更画像データを合成しないことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記合成手段は、前記間締め手段により可変印刷オブジェクトの位置が変更されたページデータに前記変更画像データを合成可能な余白部分が存在する場合に、前記2次元コード画像で表現された変更画像データが前記ページデータの余白部分に収まる場合は、前記ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成し、収まらない場合は、前記ページデータの余白部分に2次元コード画像で表現された変更画像データを合成しないことを特徴とする請求項2または3に記載の印刷システム。
【請求項5】
可変印刷装置、および検品装置から成る印刷システムにおける制御方法であって、
可変印刷装置が有する生成手段は、全レコードに共通して描画される固定印刷オブジェクト、およびレコード毎に内容を変えて印刷するためにレコード情報と合成されて描画される可変印刷オブジェクトから成るバリアブルテンプレートと、記憶手段に記憶されているレコード情報であって、前記レコード毎に用意された前記レコード情報とを基に、ページデータを生成し、
可変印刷装置が有する間締め手段は、印刷で使用する用紙の枚数を削減するために、前記ページデータに含まれる可変印刷オブジェクトの位置を変更し、前記ページデータの余白部分を削除し、
可変印刷装置が有する合成手段は、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置の情報を含む変更処理結果情報を符号化し、符号化されたことで画像データとして表現された変更画像データと、前記余白部分が削除されたページデータとを合成し、
可変印刷装置が有する印刷手段は、前記合成されたページデータを基に、印刷物を生成し
検品装置の取得手段は、読み取り手段により読み取られた前記印刷物における変更画像データの復号化を行い、前記間締め手段により変更された可変印刷オブジェクトの位置を取得し、
検品装置の検品手段は、前記取得された位置を基に決定される範囲内に印刷された前記印刷物の内容と、前記記憶手段に記憶されているレコード情報とが一致するか否かを確認することを特徴とする印刷システムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−183754(P2012−183754A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48974(P2011−48974)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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