説明

印刷システム及び印刷装置

【課題】被印刷用紙の斜行状態の発生を確実に検出する。
【解決手段】被印刷用紙53は、搬送方向に沿って直線的に延びるように設けた第1被検出領域PM1と、第2光反射特性を備えた第2被検出領域PM2と、第3光反射特性を備えた第3被検出領域PM3と、を有しており、携帯型プリンタ1は、プラテンローラ111と、印刷を行うサーマルラインヘッド112と、投光器35A及び受光器35Bを備えた用紙検出センサ35とを有し、検出電圧値Vが、第1被検出領域PM1に対応する第1電圧値範囲V1から第2被検出領域PM2に対応する第2電圧値範囲V2となったこと、若しくは、第1被検出領域PM1に対応する第1電圧値範囲V1から第3被検出領域PM3に対応する第3電圧値範囲V3となったこと、により、被印刷用紙53の斜行を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷用紙に所望の印刷を行う印刷システム及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被印刷用紙を所定の搬送方向に沿って搬送する搬送手段(プラテン)と、被印刷用紙に所望の印刷を行う印字手段(サーマルヘッド)と、を有する印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この印刷装置では、サーマルヘッドが、用紙挿入口から投入された用紙に対し、通常の文字等の印刷を行うとともに、用紙の幅方向一方側端部に、所定の間隔でマークを印刷する。そして、光学センサ(フォトセンサ)が、印刷された直後の上記マークの検出を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−305666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、被印刷用紙の端部に印刷されるマークの有無、若しくは、マークの間隔の態様により、搬送異常の発生が検知される。しかしながら、この手法では、用紙詰まりやジャムの発生を検出することはできるものの、被印刷用紙が斜行している(上記搬送方向に対し斜めになった状態で搬送されている)ことの検出は困難であった。
【0005】
本発明の目的は、被印刷用紙の斜行状態の発生を確実に検出することができる印刷システム及び印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願第1発明は、被印刷用紙と、前記被印刷用紙を所定の搬送方向に沿って搬送しつつ印刷を行う印刷装置と、を有する印刷システムであって、前記被印刷用紙は、所定の第1光反射特性を備え、前記搬送方向に沿って直線的に延びるように設けられた第1領域と、前記搬送方向と直交する直交方向における前記第1領域の一方側に隣接しつつ、前記第1領域との境界線が前記搬送方向に沿って直線的に延びるように設けられ、前記第1光反射特性とは異なる第2光反射特性を備えた第2領域と、前記搬送方向と直交する直交方向における前記第1領域の他方側に隣接しつつ、前記第1領域との境界線が前記搬送方向に沿って直線的に延びるように設けられ、前記第1光反射特性とは異なる第3光反射特性を備えた第3領域と、を有しており、前記印刷装置は、前記被印刷用紙を前記搬送方向に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に対し、所望の印刷を行う印字手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に向かって投光可能な投光手段、及び、受光した光量に対応した検出電圧値を出力可能な受光手段、を備えた光学センサと、前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が行われているとき、前記受光手段から出力される検出電圧値が、前記第1領域に対応する第1電圧値範囲から前記第2領域に対応する第2電圧値範囲となったこと、若しくは、前記第1領域に対応する第1電圧値範囲から前記第3領域に対応する第3電圧値範囲となったこと、により、前記被印刷用紙の斜行を検出する斜行検出手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明の印刷システムは、印刷装置と被印刷用紙とを備える。印刷装置は、被印刷用紙を搬送する搬送手段と、搬送される被印刷用紙に印刷を行う印字手段と、投光手段及び受光手段を備えた光学センサとを有している。光学センサの投光手段は、搬送される被印刷用紙に向かって投光することができる。そのときの被印刷用紙での反射光が受光手段で受光されると、その反射光量に応じた検出電圧値が受光手段から出力される。
【0008】
一方、被印刷用紙には、斜行を検出するために第1領域、第2領域、及び第3領域がそれぞれ設けられている。第1領域は搬送方向に沿って直線的に延びている。第2領域及び第3領域は、第1領域の搬送方向と直交する方向の両側に設けられており、第1領域と第2領域との境界線、及び、第1領域と第3領域との境界線は、上記搬送方向に沿って直線的に延びている。
【0009】
このとき、第2領域及び第3領域は、第1領域とは異なる光反射特性を備えている。これにより、第1領域において投光手段からの光を反射する状態で被印刷用紙の搬送が開始された後、被印刷用紙の斜行が生じている場合には、その後の時間経過と共に、あるタイミングで、受光手段から出力される検出電圧値が、第1領域に対応する第1電圧値範囲から第2領域に対応する第2電圧値範囲(又は、第3領域に対応する第3電圧値範囲)に変化する。この変化によって、斜行検出手段は、被印刷用紙の当該斜行状態を検出することができる。
【0010】
以上のようにして、本願第1発明においては、投光手段及び受光手段を備えた1つの光学センサの検出結果を用いて、被印刷用紙の斜行状態の発生を確実に検出することができる。この結果、例えば斜行発生の検出時には直ちに搬送や印刷を自動停止する等、適切な対応策をとることができる。
【0011】
また上記目的を達成するために、本願第5発明の印刷装置は、被印刷用紙を所定の搬送方向に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に対し、所望の印刷を行う印字手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に向かって投光可能な投光手段、及び、受光した光量に対応した検出電圧値を出力可能な受光手段、を備えた光学センサと、装置外郭を構成し、前記搬送手段、前記印字手段、前記光学センサが内部に設けられる筐体と、前記筐体に開口し、前記被印刷用紙を受け入れて前記搬送手段へと導く導入口と、前記受光手段から出力される検出電圧値が、前記被印刷用紙の投入に対応した投入電圧値範囲となったことにより、前記被印刷用紙が前記導入口へ投入されたことを検出する投入検出手段と、前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が行われているときの、前記受光手段から出力される検出電圧値の前記被印刷用紙の正常搬送に対応した搬送電圧値範囲からの変化により、前記被印刷用紙の斜行を検出する斜行検出手段と、前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が行われているとき、前記受光手段から出力される検出電圧値が、前記被印刷用紙の不存在に対応した不在電圧値範囲となったことにより、前記被印刷用紙の前記搬送方向終端部を検出する終端検出手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
本願第5発明の印刷装置は、被印刷用紙を搬送する搬送手段と、搬送される被印刷用紙に印刷を行う印字手段と、投光手段及び受光手段を備えた光学センサとを有している。光学センサの投光手段は、搬送される被印刷用紙に向かって投光することができる。そのときの被印刷用紙での反射光が受光手段で受光されると、その反射光量に応じた検出電圧値が受光手段から出力される。
【0013】
このとき、被印刷用紙は、例えば搬送方向と直交する方向に沿って互いに異なる光反射特性の複数の領域を備えている。これにより、投光手段からの光を反射する状態で被印刷用紙の搬送が開始された後、被印刷用紙の斜行が生じている場合には、その後の時間経過と共に、受光手段から出力される検出電圧値が、上記複数の領域の異なる光反射特性に対応して変動する。本願第5発明では、斜行検出手段が、このような検出電圧値の変動により被印刷用紙の当該斜行状態を検出することができる。
【0014】
また、被印刷用紙が投入されて投光手段からの光の反射が生じている状態と、被印刷用紙がまだ投入されていない状態とでは、受光手段での受光量が異なる。本願第5発明では、この受光量の差を利用し、投入検出手段が、受光手段からの検出電圧値が所定の投入電圧値範囲となったことによって、被印刷用紙が筐体の導入口へ投入されたことを検出することができる。
【0015】
さらに、上記同様に、被印刷用紙が搬送中であり投光手段からの光の反射が生じている状態と、被印刷用紙が終端部まで搬送され投光手段からの光の反射がなくなった状態とでは、受光手段での受光量が異なる。本願第5発明では、この受光量の差を利用し、終端検出手段が、受光手段からの検出電圧値が所定の不在電圧値範囲となったことによって、被印刷用紙が搬送方向終端部まで搬送されたことを検出することができる。
【0016】
以上のようにして、本願第5発明においては、投光手段及び受光手段を備えた1つの光学センサの検出結果を用いて、被印刷用紙の投入検出及び終端部検出と併せて、被印刷用紙の斜行状態の発生を確実に検出することができる。この結果、例えば斜行発生の検出時には直ちに搬送や印刷を自動停止する等、適切な対応策をとることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被印刷用紙の斜行状態の発生を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態の携帯型プリンタの外観構成を表す斜視図である。
【図2】携帯型プリンタの内部構造を表す図1中II−II断面による側断面図である。
【図3】携帯型プリンタの内部構造を表す、前方側斜め上方向から見た分解斜視図である。
【図4】携帯型プリンタの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図5】用紙検出センサの回路構成図である。
【図6】被印刷用紙の構成を表す外観図である。
【図7】バーコードの各種例の説明図である。
【図8】携帯型プリンタの挿入口に被印刷用紙が投入される直前における用紙検出センサの黒色検出状態を表す説明図である。
【図9】携帯型プリンタの挿入口に被印刷用紙が投入された直後における用紙検出センサの白色検出状態を表す説明図である。
【図10】用紙検出センサの白色検出状態が維持されつつ正常に搬送されている状態を表す説明図である。
【図11】用紙検出センサの白色検出状態が維持されつつ正常に搬送されている状態を表す説明図である。
【図12】排出口から印刷後の被印刷用紙が排出された状態における用紙検出センサの黒色検出状態を表す説明図である。
【図13】挿入口に対し被印刷用紙が左右にずれた状態で投入された場合における用紙検出センサの黒色検出状態を表す説明図である。
【図14】被印刷用紙の斜行発生状態において、用紙検出センサがまだ白色検出状態を維持できている状態を表す説明図である。
【図15】被印刷用紙の斜行発生状態において、用紙検出センサの灰色検出状態を表している説明図である。
【図16】正常搬送時の用紙検出センサの検出電圧値の変化例を、投光器の投光範囲と被印刷用紙の各領域との配置関係の模式図とともに表すタイムチャートである。
【図17】斜行発生時の用紙検出センサの検出電圧値の変化例を、投光器の投光範囲と被印刷用紙の各領域との配置関係の模式図とともに表すタイムチャートである。
【図18】CPUにより実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図19】用紙検出センサの他の例を表す回路構成図である。
【図20】被印刷用紙の他の例を表す説明図である。
【図21】被印刷用紙の更に他の例を表す説明図である。
【図22】被印刷用紙の更に他の例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を、印刷装置としての携帯型のプリンタに適用した場合の実施形態である。
【0020】
図1、図2、及び図3を用いて、本実施形態の携帯型プリンタ1の外観構成及び内部構造について説明する。以下では、図1中左下方向を前方、図1中の右上方向を後方、図1中の左上方向を左方、図1中の右下方向を右方として説明する。また、以下の説明において各部品について前後左右上下の各方向をいうときは、当該各部品が携帯型プリンタ1に取り付けられた状態での各方向に対応させて説明する。
【0021】
図1〜図3において、携帯型プリンタ1は、例えばPC端末や携帯電話等の外部機器2(後述の図4参照)より有線通信あるいは無線通信を介して受信した印刷データを、種々の被印刷用紙53に印刷する。この携帯型プリンタ1は、樹脂材料で構成された、装置外郭を構成する略直方体形状のハウジング100と、シャーシ組立体50とを組み付けることによって、概略組み立てられる。なお、携帯型プリンタ1と被印刷用紙53とで、本実施形態の印刷システムを構成している。
【0022】
ハウジング100は、装置外郭上部を構成するトップカバー101と、装置外郭下部を構成するアンダーカバー102と、トップカバー101の上面前方側に開閉可能に設けられたカバー部材103とを備えている。
【0023】
ハウジング100内には、搬送手段としてのプラテンローラ111と、印字手段としてのサーマルラインヘッド112とが設けられている。サーマルラインヘッド112は、後方側端部に軸部材113を備えた放熱板114上に設けられており、この放熱板114は上記サイドシャーシ部材130L,130Rにより軸部材113を中心に回動可能に支持されている。また、アンダーカバー102の内表面に設けられたメインシャーシ部材150には、上記サーマルラインヘッド112を支持する放熱板114をプラテンローラ111側に回動付勢する複数のコイルバネ115が設けられている。これにより、サーマルラインヘッド112は上記プラテンローラ111に圧接可能となっている。
【0024】
ハウジング100の後方側には、略棒状の充電式電池10を収容するバッテリ収納室105が設けられており、このバッテリ収納室105にはバッテリ室カバー170が着脱可能に設けられている。当該バッテリ室カバー170を取り外した状態では、上記バッテリ収納室105がハウジング100の背面部分に開口する。
【0025】
シャーシ組立体50は、アンダーカバー102の内表面に設けられた、シャーシ組立体50の底部を構成する上記メインシャーシ部材150と、このメインシャーシ部材150の長手方向両側端部より立設される一対の上記サイドシャーシ部材130L,130Rとを備えている。サイドシャーシ部材130L,130Rは、軸孔131にプラテンローラ111の軸部材111aを挿通することにより、プラテンローラ111を回転可能に支持している。プラテンローラ111は、駆動モータ11により回転駆動されることで被印刷用紙53を搬送する。またサイドシャーシ部材130L,130Rは、サーマルラインヘッド112を備えた放熱板114を、前述した軸部材113を介して回動可能に支持している。
【0026】
左側のサイドシャーシ部材130Lには、プラテンローラ111を駆動する上記駆動モータ11と、この駆動モータ11の駆動力をプラテンローラ111の上記軸部材111aに伝達する、複数のギアからなるギア機構132が設けられている。
【0027】
また、サイドシャーシ部材130L,130Rの上部には、ビーム部材140が架け渡され、ネジにより固定されている。そして、挿入口104(導入口)から投入された被印刷用紙53をプラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部Pに案内するガイド部材120が、ハウジング100を構成するトップカバー101、アンダーカバー102、及びカバー部材103とは分離された別体として構成されており、上記ビーム部材140に固定されることによって、サイドシャーシ部材130L,130Rに設けられている。なお、挿入口104は、ガイド部材120とカバー部材103との間の圧接部Pに導く隙間によって略スリット状に形成されており、被印刷用紙53の最大幅サイズに対応可能な大きさとなっている。
【0028】
ガイド部材120は、その上部に、シャーシ組立体50への組み付け時に略水平となる水平面121と、この水平面121から装置内部側に向けて傾斜した傾斜面122とを有している。これら水平面121及び傾斜面122上には、被印刷用紙53の案内方向に沿って形成された複数の突条部材123が、長手方向に並列して設けられている。
【0029】
上記構成において、印刷時には、カバー部材103を閉じた状態でトップカバー101とカバー部材103との間に形成された挿入口104に上記被印刷用紙53が投入される。投入された被印刷用紙53は、挿入口104の下方に設けられたガイド部材120により、後述するプラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部Pに案内される。プラテンローラ111は所定の圧接力で被印刷用紙53に接触し、被印刷用紙53を搬送する。この搬送される被印刷用紙53に対し、サーマルラインヘッド112が所望の印刷を行う。印刷完了後に、被印刷用紙53は、カバー部材103とアンダーカバー102との間に形成された排出口107より排出される。このとき、被印刷用紙53の排出口107への搬送経路の途中(例えば挿入口104寄り)に、用紙検出センサ35(図1及び図3参照)が設けられている。この用紙検出センサ35の検出結果に基づきプラテンローラ111による搬送制御と、サーマルラインヘッド112による印刷制御が行われる。なお、紙詰まり等が生じた場合には、カバー部材103を開放することで、サーマルラインヘッド112からプラテンローラ111がリリースされ、容易に被印刷用紙53を引き出すことが可能となる。
【0030】
次に、図4を用いて、携帯型プリンタ1の制御系について説明する。
【0031】
図4において、携帯型プリンタ1は、CPU12を有している。CPU12は、SDRAM13の一時記憶機能を利用しつつROM14に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって携帯型プリンタ1全体の制御を行う。ROM14には、印字駆動制御プログラム等、制御上必要な各種のプログラムが格納されている。また、後述する図18のフローの制御手順を実行するための制御プログラムも格納されている。
【0032】
また、CPU12は、携帯型プリンタ1の電源のオン・オフ処理を行う電源回路15と、プラテンローラ111を駆動する駆動モータ11の駆動制御を行うモータ駆動回路16と、サーマルラインヘッド112の駆動制御を行うサーマルヘッド制御回路17とに接続されている。
【0033】
またCPU12は、上記用紙検出センサ35と、用紙送り操作を行うためのフィードキー40(図1及び図3も参照)と、電源のオン・オフ操作を行うための電源キー30(図1及び図3も参照)とに接続されている。CPU12は、用紙検出センサ35の検出結果に基づき、挿入口104に被印刷用紙53が投入されているか否かを検出する(詳細は後述)。
【0034】
またCPU12は、電源キー30又はフィードキー40が押し下げられた場合に、当該押し下げられたキーに対応した処理を実行する。フィードキー40が押し下げられると、CPU12は、上記モータ駆動回路16に制御信号を出力し、駆動モータ11を駆動させてプラテンローラ111を回転させ、被印刷用紙53を所定量搬送するフィード処理を行う。このフィードキー40は、例えば被印刷用紙53の搬送方向途中位置から印刷を開始するために用紙送りをする場合や、搬送方向長さが所定の長さよりも長い被印刷用紙53を用いた場合において印刷終了後に用紙を排出するような場合に、操作される。一方、携帯型プリンタ1の電源オフ状態で電源キー30が押し下げられると、CPU12は、電源回路15に制御信号を出力して電源のオン処理を行い、電源オン状態で電源キー30が押し下げられると、電源回路15に制御信号を出力して電源のオフ処理を行う。
【0035】
またCPU12は、USBインターフェース駆動回路21と、無線通信部22と、赤外線通信部23とに接続されている。USBインターフェース駆動回路21は、USB端子24(図1も参照)に接続されたUSBケーブル(図示省略)を介して上記外部機器2との間で行われる通信の制御を行う。また無線通信部22は、上記外部機器2との間で行われる赤外線以外の電波による無線通信の制御を行う。また赤外線通信部23は、上記外部機器2との間で行われる赤外線通信の制御を行う。なお、外部機器2は、例えば、CPU2aと、RAM2bと、ROM2cとを備えている。
【0036】
上記構成の制御系において、携帯型プリンタ1で印刷を行う際には、操作者(ユーザ)は、PC端末や携帯電話等の外部機器2を用いて被印刷用紙53に印刷する印刷データの入力を行うとともに、印刷開始指示入力を行う。これにより、外部機器2から携帯型プリンタ1に、上記USBケーブル、又は、無線通信若しくは赤外線通信を介して、印刷データが送信される。このようにして外部機器2から印刷データが入力された場合、その印刷データが例えばSDRAM13のテキストメモリに記憶される。その記憶された印刷データは再び読み出され、制御回路の変換機能により所定の変換がされることで、ドットパターンデータが生成され、バッファ(例えばCPU12の内部に設けられる)に記憶される。そして、サーマルラインヘッド112がサーマルヘッド制御回路17を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されてバッファに記憶されたドットパターンデータの印刷を行う。また、これと同期して駆動モータ11がモータ駆動回路16を介して被印刷用紙53の搬送制御を行う。
【0037】
図5を用いて、用紙検出センサ35の回路構成を詳細に説明する。
【0038】
図5において、用紙検出センサ35は、光学的手法を用いた光学センサである。この例では、用紙検出センサ35は、投光器35A(投光手段)及び受光器35B(受光手段)を備えている。投光器35Aは、被印刷用紙53に向けて投光する。受光器35Bは、上記投光器35Aから発せられ、上記被印刷用紙53から反射された反射光を受光し、受光した光量に対応する電圧を出力する。また、用紙検出センサ35は上述した投光器35Aと受光器35Bの他に、負荷抵抗R1,R2を有している。この例の投光器35Aは発光ダイオードで構成されており、そのアノード端子71が抵抗R1を介して電源(電源電圧Vcc)に接続され、カソード端子72が接地されている。また、この例の受光器35Bはフォトトランジスタで構成されており、そのコレクタ端子73が電源に接続され、エミッタ端子74が検出電圧値Vを出力する出力端子であるとともに抵抗R2を介して接地されている。この例では、被印刷用紙53の搬送方向に沿って投光器35A,受光器35Bの順に並んで配置されている。
【0039】
このような構成の用紙検出センサ35において、受光器35Bは、上記投光器35Aが点灯した際の被印刷用紙53を介した反射光Lrを受光し、それらの総受光量に応じたレベルの検出電圧値Vを出力する。この例では、受光器35Bを構成するフォトトランジスタのコレクタ側が電源側に接続されていることにより、上記総受光量が大きくなるほど高いレベルの検出電圧値Vを出力する(後述の図16参照)。
【0040】
以上の基本構成及び動作において、本実施形態の最大の特徴は、被印刷用紙53が、用紙検出センサ35により検出可能な、複数の被検出領域PM(詳細は後述)を備えていることにある。以下、その詳細を図6〜図15により順を追って説明する。
【0041】
<被印刷用紙の構成>
図6を用いて、上記用紙検出センサ35の検出対象である、被印刷用紙53の構成を説明する。
【0042】
図6において、この例は、1枚のA4またはA5等の被印刷用紙53を示している。なお、複数枚の被印刷用紙53がミシン目状の予定切断線を介し結合した状態のいわゆるロール紙であってもよい。
【0043】
被印刷用紙53は、被印刷用紙53の搬送方向Aに直交する方向(=幅方向。以下同じ)の片側(この例では左側)寄りに、第1被検出領域PM1(第1領域)、第2被検出領域PM2(第2領域)、第3被検出領域PM3(第3領域)、第4被検出領域PM4(第4領域)、第5被検出領域PM5(第5領域)、第6被検出領域PM6(第6領域)が設けられている。
【0044】
第1被検出領域PM1、第2被検出領域PM2、及び第3被検出領域PM3は、それぞれ、被印刷用紙53の搬送方向に沿って直線的に延びている。 第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3は、第1被検出領域PM1の幅方向両側(左側及び右側)にそれぞれ設けられている。第1被検出領域PM1と第2被検出領域PM2との境界線、及び、第1被検出領域PM1と第3被検出領域PM3との境界線は、搬送方向A(後述する斜行状態ではない正常な状態における本来の搬送方向)に沿って直線的に延びている。
【0045】
このとき、第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3は、第1被検出領域PM1とは異なる光反射特性を備えている。この例では、第1被検出領域PM1は白色領域、第2被検出領域PM2は灰色領域、第3被検出領域PM3は灰色領域となっている。すなわち、同一量の光を当てたときの反射量は、第1被検出領域PM1のほうが第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3よりも大きい。この結果、上述した受光器35Bの出力特性により、用紙検出センサ35が第1被検出領域PM1に正対しているときの受光器35Bからの検出電圧値Vは、用紙検出センサ35が第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3に正対しているときの受光器35Bからの検出電圧値Vよりも大きくなる。本実施形態では、操作者が、被印刷用紙53の左端を挿入口104の左端に当接させつつ当該挿入口104に投入することで、用紙検出センサ35が第1被検出領域PM1に正対し正しく被印刷用紙53が搬送されるように予め設定されている。したがって、被印刷用紙53の搬送中において、上記検出電圧値Vの差を利用し、当該検出電圧値Vが第1被検出領域PM1に対応した比較的大きい値であるか第2被検出領域PM2や第3被検出領域PM3に対応した比較的小さい値であるか、により、搬送が正しい向きで行われているか、斜めになり斜行しているか、を検出することができる(詳細は後述)。
【0046】
なお、上述の搬送により被印刷用紙53の搬送が終了して後端部(図6の上端部)が用紙検出センサ35を通過した場合、被印刷用紙53の不存在によって受光器35Bでの受光量が著しく低下する。この結果、上記搬送終了後の受光器35Bからの検出電圧値Vは、搬送中の受光器35Bからの検出電圧値Vよりも小さくなる(この例では、後述の第5被検出領域PM5及び第6被検出領域PM6に対応した検出電圧値Vと同程度)。本実施形態では、被印刷用紙53の搬送終了時において、上記検出電圧値Vの差を利用し、当該検出電圧値Vが被印刷用紙53が存在していることに対応した値(言い換えれば上記第1被検出領域PM1、第2被検出領域PM2、第3被検出領域PM3に対応した値)であるか、被印刷用紙53が存在しないことに対応した小さい値であるか、により、被印刷用紙53の搬送方向終端部が用紙検出センサ35を通過したこと(搬送が終了したこと)を検出することができる(詳細は後述)。
【0047】
一方、第4被検出領域PM4、第5被検出領域PM5、及び第6被検出領域PM6は、この例では、それぞれ、上記第1被検出領域PM1、第2被検出領域PM2、及び第3被検出領域PM3と同じ幅で同じ方向に連続するように、それら第1被検出領域PM1〜第3被検出領域PM3の図示下端側(言い換えれば被印刷用紙53の挿入口104への投入側)に設けられている。すなわち、第5被検出領域PM5及び第6被検出領域PM6は、第4被検出領域PM4の幅方向両側(左側及び右側)にそれぞれ設けられている。第4被検出領域PM4と第5被検出領域PM5との境界線、及び、第4被検出領域PM4と第6被検出領域PM6との境界線は、搬送方向A(後述する斜行状態ではない正常な状態における本来の搬送方向)に沿っている。
【0048】
このとき、第5被検出領域PM5及び第6被検出領域PM6は、第4被検出領域PM4とは異なる光反射特性を備えている。この例では、第4被検出領域PM4は上記第1被検出領域PM1と同様の白色領域、第5被検出領域PM5及び第6被検出領域PM6は黒色領域(灰色領域である第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3よりもさらに光吸収性が強く光反射性が弱い)となっている。すなわち、同一量の光を当てたときの反射量は、第4被検出領域PM4のほうが第5被検出領域PM5及び第6被検出領域PM6よりも大きい。この結果、上述した受光器35Bの出力特性により、用紙検出センサ35が第4被検出領域PM4に正対しているときの受光器35Bからの検出電圧値Vは、用紙検出センサ35が第5被検出領域PM5及び第6被検出領域PM6に正対しているときの受光器35Bからの検出電圧値Vよりも大きくなる。本実施形態では、操作者が、被印刷用紙53の左端を挿入口104の左端に当接させつつ当該挿入口104に投入することで、用紙検出センサ35が第4被検出領域PM4に正対し正しく被印刷用紙53の投入が装置側で認識されるように予め設定されている。したがって、被印刷用紙53の挿入口104への投入時において、上記検出電圧値Vの差を利用し、当該検出電圧値Vが第4被検出領域PM4に対応した比較的大きい値であるか第5被検出領域PM5や第6被検出領域PM6に対応した小さい値であるか、により、挿入口104への投入が正しく行われているか、斜めに投入されたか、を検出することができる(詳細は後述)。
【0049】
なお、被印刷用紙53の第4被検出領域PM4には、当該被印刷用紙53の種類情報(用紙寸法情報等を含む)を記録したバーコード(光学記録部)54が備えられている。
【0050】
図7に示すように、上記第4被検出領域PM4は、例えば上記バーコード54の個数により被印刷用紙53の寸法情報を種々表している。例えば図7(A)に示す1本のバーコード54がA4サイズの被印刷用紙53に対応しており、図7(B)に示す2本のバーコード54がA5サイズの被印刷用紙53に対応しており、図7(C)4本のバーコード54はA4サイズのロール紙タイプの被印刷用紙53に対応している。この例以外にも、その他種々の対応づけが可能である。
【0051】
そして、被印刷用紙53の搬送が行われているとき、バーコード54に対応して受光器35Bから出力される検出電圧値の挙動に応じて被印刷用紙53の寸法情報が上記CPU12により取得されることで、この取得結果に応じてCPU12は被印刷用紙53の搬送や印字を制御することができる(詳細は後述)。
【0052】
次に、上記のような用紙検出センサ35の受光器35Bからの検出電圧値Vの特性に基づき実行される、上記斜行検出、終端検出、斜め投入検出、等について図8〜図15により説明する。
【0053】
<正常投入→正常搬送→終端検出の挙動>
上記したように、印刷実行時には、操作者によって挿入口104に被印刷用紙53が投入される。このとき、図8に示すように、投入直後で被印刷用紙53の搬送方向先端の第4被検出領域PM4が用紙検出センサ35の検出範囲に到達していない(用紙検出センサ35よりも搬送方向の上流側に位置している)場合は、投光器35Aからの投光の被印刷用紙53による反射がない。このため、受光器35Bにおける反射光Lrの受光量は非常に低く、用紙検出センサ35は上記検出電圧値Vが非常に小さい黒色検出状態となっている(図示×印参照)。
【0054】
そして、図9に示すように、(被印刷用紙53の左端が挿入口104の左端に略合致した状態で)上記投入がさらに進み、被印刷用紙53の先端の第4被検出領域PM4が用紙検出センサ35の検出範囲に到達すると、投光器35Aからの投光の被印刷用紙53による反射光Lrが受光器35Bで受光され、用紙検出センサ35は上記検出電圧値Vが大きい白色検出状態となる(図示○印参照)。これにより、CPU12の制御によってプラテンローラ111が駆動されて被印刷用紙53の搬送が開始される。こうしてプラテンローラ111の駆動力に基づき所定量の搬送が行われた後に、CPU12の制御によってサーマルラインヘッド112による被印刷用紙53への印刷が開始される。
【0055】
上記の搬送開始後、(後述のような斜行が発生せず)被印刷用紙53が正しく搬送されている場合は、図10及び図11に示すように、用紙検出センサ35が第1被検出領域PM1に正対しているため、用紙検出センサ35は上記白色検出状態が維持され、CPU12の制御によるプラテンローラ111の駆動が維持されて被印刷用紙53の搬送が続行される。
【0056】
その後、図12に示すように、被印刷用紙53の斜行が生じることなく第1被検出領域PM1において投光器35Aからの光が反射される状態で被印刷用紙53の搬送が維持され、被印刷用紙53の終端部が用紙検出センサ35を通過すると、受光器35Bから出力される検出電圧値Vが被印刷用紙53の不存在に対応した上記黒色検出状態となる。この変化によって、被印刷用紙53の搬送完了が検出される。
【0057】
<横ずれ投入・斜め投入の検出挙動>
一方、上記したように、印刷実行時には、操作者によって挿入口104に被印刷用紙53が投入される。その際、上記図9のように、被印刷用紙53の左端が挿入口104の左端に略合致した状態で正しく上記投入が行われた場合は前述のように引き続き被印刷用紙53の搬送が行われる。しかしながら、図13に示すように、携帯型プリンタ1の挿入口104に被印刷用紙53が投入される際に、被印刷用紙53が上記幅方向のいずれかに(この例では右側に)ずれた状態で投入されると、用紙検出センサ35の位置に被印刷用紙53の第5被検出領域PM5が正対する状態となる。これによって、受光器35Bにおける反射光Lrの受光量は低くなり、用紙検出センサ35は上記検出電圧値Vが小さい黒色検出状態となる。この状態では、CPU12によって被印刷用紙53は投入されていないものとみなされ、プラテンローラ111は駆動せず、被印刷用紙53の搬送が開始されない。なお、被印刷用紙53が左側にずれて投入され、用紙検出センサ35の位置に被印刷用紙53の第6被検出領域PM6が正対した場合も同様である。また、被印刷用紙53が挿入口104に対し斜めに投入されることで上記のように用紙検出センサ35が第5被検出領域PM5や第6被検出領域PM6に正対した場合も、上記同様、被印刷用紙53は投入されていないものとみなされ、搬送は開始されない。
【0058】
<斜行検出挙動>
また、上記図9のように、被印刷用紙53の左端が挿入口104の左端に略合致し第1被検出領域PM1が用紙検出センサ35に正対した状態で搬送されていたが、その後何らかの理由で、被印刷用紙53の搬送方向が傾き斜行状態となる場合がある。あるいは挿入口104への投入時にわずかに投入方向が傾いていたが、傾斜角が小さかったため投入時に第4被検出領域PM4が用紙検出センサ35への正対が維持され搬送が開始されてしまった後、時間の経過により斜行が顕著となった場合もある。このような斜行状態が発生した直後で、図14のように、用紙検出センサ35に対し第1被検出領域PM1が正対できている間は、用紙検出センサ35は上記検出電圧値Vが大きい白色検出状態のままである。この結果、CPU12の制御によりプラテンローラ111の駆動が維持されて被印刷用紙53の搬送が続行される。
【0059】
しかしながら、斜行状態のままさらに被印刷用紙53の搬送が進み、例えば図15に示すように、用紙検出センサ35が第3被検出領域PM3(又は第2被検出領域PM2)に正対する状態となると、受光器35Bにおける反射光Lrの受光量が低くなり、用紙検出センサ35は検出電圧値Vが上記白色検出状態よりも小さい灰色検出状態となる(図示△印参照)。これにより、CPU12の制御によってプラテンローラ111の駆動が停止され、被印刷用紙53の搬送が停止される。
【0060】
<受光器の電圧変化挙動>
次に、上記のような各種態様の投入・搬送時における用紙検出センサ35の受光器35Bからの検出電圧値Vの変化の一例を、図16及び図17により説明する。なお、図16及び図17では、横軸に時間T(搬送量にほぼ対応)、縦軸に受光器35Bからの上記検出電圧値Vをとって表している。
【0061】
<正常投入→正常搬送→終端検出時の電圧変化>
図16は、上記図8〜図12を用いて上述したように、被印刷用紙53が正常に投入された後(斜行が発生することなく)正常に搬送された場合の検出電圧値Vの変化挙動を示している。上記したように、投入直後で被印刷用紙53が用紙検出センサ35よりも搬送方向上流側に位置している間は受光器35Bの検出電圧値Vは、上記黒色検出状態に対応した低いレベルとなる(図16中の(A)部参照)。このとき、この黒色検出状態を判別するために、予め、しきい値としての所定の黒色基準電圧値Rbが設定されており、CPU12は、検出電圧値Vが上記黒色基準電圧値Rb以下であることによって用紙検出センサ35が上記黒色検出状態であることを判別する。なお、既に述べたように、被印刷用紙53の横ずれ投入・斜め投入により被印刷用紙53の第5被検出領域PM5や第6被検出領域PM6が用紙検出センサ35に正対している場合も受光器35Bの検出電圧値Vは上記同様の低いレベルとなり、上記黒色基準電圧値Rb以下である。すなわち、図16中の上記黒色基準電圧値Rbを含み下の領域が、各請求項記載の第5電圧値範囲及び第6電圧値範囲に相当している。
【0062】
以上により、投入時、検出電圧値Vが、上記第5電圧値範囲であるV5や第6電圧値範囲であるV6とならず第4電圧値範囲であるV4となったことによって、被印刷用紙53が挿入口104に正しく投入されたことを確実に検出できる。
【0063】
その後搬送が進み、用紙検出センサ35に対し第4被検出領域PM4が正対すると、上述したように、受光器35Bの検出電圧値Vは、上記白色検出状態に対応した高いレベルとなる(図16中の(B)部参照)。その後さらに搬送が進んで用紙検出センサ35に対し第1被検出領域PM1が正対している状態でも同様である(図16中の(C)部参照)。このとき、これらの白色検出状態を判別するために、予め、しきい値としての所定の白色基準電圧値Rwが設定されており、CPU12は、検出電圧値Vが上記白色基準電圧値Rw以上であることによって用紙検出センサ35が上記白色検出状態であることを判別する。すなわち、図16中の上記白色基準電圧値Rwを含み上の領域が、各請求項記載の第1電圧値範囲及び第4電圧値範囲に相当するとともに、被印刷用紙の投入に対応した投入電圧値範囲、及び、被印刷用紙の正常搬送に対応した搬送電圧値範囲にも相当している。
【0064】
そして、さらに被印刷用紙53の搬送が進んで用紙検出センサ35の位置を被印刷用紙53の終端部が通過すると、受光器35Bから出力される検出電圧値Vが、再び上記同様の低いレベルとなり、上記黒色基準電圧値Rb以下となる(図16中の(D)部参照)。CPU12は、上記同様、検出電圧値Vが上記黒色基準電圧値Rb以下であることによって用紙検出センサ35が上記黒色検出状態(この場合は言い換えれば用紙なし検出状態)であることを判別する。すなわち、図16中の上記黒色基準電圧値Rbを含み下の領域はまた、各請求項記載の不在電圧値範囲にも相当している。
【0065】
<正常投入→斜行発生時の電圧変化>
図17は、上記図14〜図15を用いて上述したように、被印刷用紙53の搬送途中で斜行が発生した場合の検出電圧値Vの変化挙動を示している。この場合、上記図16と同様の、投入直後の黒色検出状態(図17中(A)部参照)、第1被検出領域PM1及び第4被検出領域PM4に対する白色検出状態(図17中(B)部参照)を経た後、斜行によって、用紙検出センサ35に対し例えば第3被検出領域PM3が正対する。この状態となると、上述したように、受光器35Bの検出電圧値Vは、上記灰色検出状態に対応した、上記白色検出状態より低く上記黒色検出状態よりは高い中間のレベルとなる(図17中の(E)部参照)。なお、用紙検出センサ35に対し第2被検出領域PM2が正対する場合も同様である。このとき、これらの灰色検出状態を判別するために、予め、所定の灰色基準電圧値範囲Rgが設定されており、CPU12は、検出電圧値Vが上記灰色基準電圧値範囲Rg内であることによって用紙検出センサ35が上記灰色検出状態であることを判別する。すなわち、図17中の上記灰色基準電圧値範囲Rg内の領域が、各請求項記載の第2電圧値範囲及び第3電圧値範囲に相当している。
【0066】
以上により、搬送開始後、あるタイミングで、検出電圧値Vが上記第1電圧値範囲であるV1から上記第2電圧値範囲であるV2(又は第3電圧値範囲であるV3)に変化したことによって、被印刷用紙53が斜行状態であることを検出できる。
【0067】
<CPUの制御内容>
次に、以上の手法を実現するためにCPU12により実行される制御手順を、図18を用いて説明する。
【0068】
図18において、例えば携帯型プリンタ1の電源がオンにされることにより、このフローが開始される。まず、ステップS300で、CPU12は、印刷が終了したことを表すフラグFpを0に初期化する。
【0069】
その後、ステップS310で、CPU12は、用紙検出センサ35が上記白色検出状態となったかどうか(具体的には検出電圧値Vが上記白色基準電圧値Rw以上となったかどうか)を判定する。被印刷用紙53が挿入口104に上記左右ずれを起こすことなく正常に投入されV≧Rwとなるまでは、ステップS310の判定が満たされずループ待機する。被印刷用紙53が正常に投入されV≧RwとなったらステップS310の判定が満たされ、ステップS320に移る。なお、このステップS310が、各請求項記載の投入検出手段として機能する。
【0070】
ステップS320では、CPU12は、モータ駆動回路16に制御信号を出力し、駆動モータ11によりプラテンローラ111を駆動させる。これにより、挿入口104に投入されている被印刷用紙53の搬送が開始される。
【0071】
その後、ステップS330で、上記第4被検出領域PM4のバーコード54が検出されたかどうかを判定する。バーコード54が検出された場合は判定が満たされ、ステップS340に移行する。ステップS340では、CPU12は、バーコード54に対応して受光器35Bから出力される検出電圧値の挙動に応じて、被印刷用紙53の寸法情報(用紙サイズ)を取得する。そして、この取得結果に応じて、CPU12は、当該被印刷用紙53の用紙サイズを、上記バーコードに記録されている用紙サイズ(例えばA4サイズ、B5サイズ、B4サイズ等)に設定する。その後、ステップS360に移る。なお、上記ステップS330が、各請求項記載の寸法情報取得手段として機能する。
【0072】
一方、ステップS330でバーコード54が検出されなかった場合、ステップS350に移行し、CPU12は、被印刷用紙53の用紙サイズを、予め固定的に設定された所定の用紙サイズ(例えばA4サイズ)に設定する。その後、ステップS360に移る。
【0073】
ステップS360では、CPU12は、モータ駆動回路16に制御信号を出力し、駆動モータ11によるプラテンローラ111の駆動を停止する。これにより、被印刷用紙53の搬送が停止し、その後のステップS370の印刷指示待ちの待機状態となる。
【0074】
すなわち、ステップS370では、CPU12は、印刷指示があったか、すなわち上記外部機器2から印刷データを含む印刷指示信号が入力されたかどうか、を判定する。判定が満たされるまでループ待機し、印刷指示があるとステップS370の判定が満たされ、ステップS380に移る。
【0075】
ステップS380では、CPU12は、サーマルヘッド駆動回路17に制御信号を出力しサーマルラインヘッド112を通電するとともに、モータ駆動回路16に制御信号を出力してプラテンローラ111による被印刷用紙53の搬送を再開する。これによって、前述のようにしてバッファに記憶されたドットパターンデータが順次被印刷用紙53に印刷される。その際、上記ステップS340又はステップS350で設定された用紙サイズに合わせて、上記バッファに記憶されたドットパターンデータのすべてが被印刷用紙53内にすべて印刷されるよう(未印刷のものが生じないよう)な、フォントサイズや行間隔や余白寸法等の印刷に係わる種々の設定態様が調整される(あるいは、プラテンローラ111の搬送速度を調整してもよい)。その後、ステップS390に移る。なお、上記ステップS380が、各請求項記載の制御手段として機能する。
【0076】
ステップS390で、CPU12は、用紙検出センサ35が上記灰色検出状態となったかどうか(具体的には検出電圧値Vが上記灰色基準電圧値範囲Rgの範囲内となったかどうか)を判定する。被印刷用紙53が斜行を生じることなく正常な方向へ搬送されている間は前述のようにV≧RwでありVはRgの範囲内とならないのでステップS390の判定が満たされず、ステップS400に移る。なお、このステップS390が、各請求項記載の斜行検出手段として機能する。
【0077】
ステップS400で、CPU12は、用紙検出センサ35が上記黒色検出状態となったかどうか(具体的には検出電圧値Vが上記黒色基準電圧値Rb以下となったかどうか)を判定する。被印刷用紙53がまだ搬送中であって被印刷用紙53の終端部が用紙検出センサ35を通過していない場合は前述のようにV>RbであるのでステップS400の判定が満たされず、ステップS410に移る。なお、上記ステップS400が、各請求項記載の終端検出手段として機能する。
【0078】
ステップS410では、CPU12は、上記ステップS370で入力された印刷指示信号に含まれる印刷データにより、現在の搬送方向位置が印刷完了位置であるかどうかを判定する。印刷完了位置でなく印刷途中の位置であった場合にはステップS410の判定が満たされず、ステップS390に戻る。印刷完了位置であった場合にはステップS410の判定が満たされ、ステップS420に移る。
【0079】
ステップS420では、CPU12は、サーマルヘッド駆動回路17に制御信号を出力しサーマルラインヘッド112への通電を終了する。これにより、ステップS380で開始したサーマルラインヘッド112の印刷動作が停止する。その後、ステップS430に移る。
【0080】
ステップS430では、CPU12は、上記フラグFpを印刷終了を表す1とし、ステップS390に戻る。
【0081】
一方、ステップS390において、被印刷用紙53の斜行が生じることで前述のようにVがRgの範囲内となった場合にはステップS390の判定が満たされ、ステップS440に移る。
【0082】
ステップS440では、CPU12は、モータ駆動回路16に制御信号を出力してプラテンローラ111による被印刷用紙53の搬送を停止する。これによって、ステップS380で開始された被印刷用紙53の搬送が停止する。なお、上記ステップS400で、被印刷用紙53の終端部が用紙検出センサ35に到達することでV≦Rbとなった場合もステップS400の判定が満たされることで上記ステップS440に移り、同様の制御が行われる。その後、ステップS450に移る。
【0083】
ステップS450では、CPU12は、上記フラグFpが印刷が終了していないことを表すFp=0のままかどうかを判定する。印刷が終了していないにもかかわらず上記灰色検出又は黒色検出によってステップS440で搬送が停止されている場合には(Fp=0であることから)ステップS450の判定が満たされ、ステップS460に移る。ステップS460では、CPU12は図示しない適宜の表示手段に制御信号を出力し、所定のアラーム表示を行い(あるいは音声報知等を行ってもよい)、このフローを終了する。一方、ステップS450において、すでに印刷が終了している場合には(Fp=1であることから)ステップS450の判定が満たされず、(ステップS460を経ることなく)そのままこのフローを終了する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態においては、投光器35A及び受光器35Bを備えた1つの光学センサによる用紙検出センサ35の検出結果を用いて、被印刷用紙53の斜行状態の発生を確実に検出することができる。具体的には、被印刷用紙53が、搬送方向Aと直交する方向(幅方向)に沿って互いに異なる光反射特性の複数の領域(この例では第1被検出領域PM1、第2被検出領域PM2、第3被検出領域PM3)を備えている。そして、被印刷用紙53の搬送開始後、被印刷用紙53の斜行発生時には、その後の時間経過と共に上記検出電圧値Vが上記複数の領域の異なる光反射特性に対応して変動する。このような検出電圧値Vの変動により被印刷用紙53の斜行状態を検出することができる。この結果、斜行発生の検出時に上記ステップS440のように直ちに搬送や印刷を自動停止する等の適切な対応策をとることができる。
【0085】
本実施形態においては特に、被印刷用紙53が投入されて投光器35Aからの光の反射が生じている状態と、被印刷用紙53がまだ投入されていない状態とでは、受光器35Bでの受光量が異なる。本実施形態では、この受光量の差を利用し、検出電圧値Vが、第5被検出領域PM5に対応する第5電圧値範囲V5や第6被検出領域PM6に対応する第6電圧値範囲V6となることなく、第4被検出領域PM4に対応する第4電圧値範囲V4(言い換えればV≧Rw)となったことによって、被印刷用紙53が挿入口104に正しく投入されたことを確実に検出することができる。また、共通の1つの用紙検出センサ35の検出結果を用いて被印刷用紙53の投入及び斜行の検出が行われる。これにより、既存のプリンタにおいて、投入検出を行うために1つの光学センサが既に設けられている場合は、別個の光学センサを追加しなくても新たに斜行検出が実行可能となる。
【0086】
また、本実施形態では特に、被印刷用紙53が搬送中であり投光器35Aからの光の反射が生じている状態と、被印刷用紙53が終端部まで搬送され投光器35Aからの光の反射がなくなった状態とでは、受光器35Bでの受光量が異なる。本実施形態では、この受光量の差を利用し、受光器35Bからの検出電圧値Vが所定の不在電圧値範囲V0(言い換えればV≦Rb)となったことによって、被印刷用紙53が搬送方向終端部まで搬送され搬送が終了したことを検出することができる。
【0087】
また、本実施形態においては、特に、被印刷用紙53は、第4被検出領域PM4(又は第1被検出領域PM1)に、被印刷用紙53の寸法情報を記録したバーコード54を備えている。これにより、予め被印刷用紙53側に記録しておいた寸法情報が携帯型プリンタ1側で取得されることで(ステップS330参照)、被印刷用紙53の寸法に応じた適切な印刷を確実に実行することができる(ステップS340、ステップS380参照)。
【0088】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について順を追って説明する。
【0089】
(1)受光器35Bの出力電圧極性が逆の場合
上記実施形態においては、用紙検出センサ35の受光器35Bを構成するフォトトランジスタがコレクタ接地されていることにより(上記図5参照)、受光器35Bの受光量が大きいほど高いレベルの検出電圧値Vを出力していた。しかし、これに限られず、上記図5に対応する図19に示すように、受光器35Bのフォトトランジスタをエミッタ接地することで、受光器35Bの受光量が大きいほど低いレベルの検出電圧値Vを出力するようにしてもよい。この場合、白色側と黒色側とで、検出電圧値Vの大小関係が逆の挙動になる。
【0090】
(2)第2被検出領域PM2と第3被検出領域PM3を被印刷用紙53全面に拡張した場合
上記実施形態においては、被印刷用紙53には、斜行を検出するために、白色領域である第1被検出領域PM1、灰色領域である第2被検出領域PM2、及び灰色領域である第3被検出領域PM3それぞれが搬送方向に沿って直線的に延びた状態となって配置されていた。しかしこれに限らず、図20に示すように、第1被検出領域PM1を境にして、幅方向一方側(この例では左側)紙面全体を第2被検出領域PM2とし、幅方向他方側(この例では右側)紙面全体を第3被検出領域PM3としてもよい。この場合においても、上記実施形態と同様、投光器35A及び受光器35Bを備えた1つの光学センサによる用紙検出センサ35の検出結果を用いて、被印刷用紙53の斜行状態の発生を確実に検出することができる。
【0091】
(3)第1被検出領域PM1及び第4被検出領域PM4を灰色領域とし、第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3を白色領域とした場合
本変形例においては、図21に示すように、搬送方向に沿って直線的に延びる第1被検出領域PM1を(第4被検出領域PM4とともに)灰色領域とし、第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3を被印刷用紙53全面に拡張してそれぞれ白色領域及び白色領域としている。本変形例でも上記実施形態と同様の効果を得る。また、この場合、白色領域として用紙の地の色(印刷しなくてよい色)を使用できるとすると、被検出領域PMを形成するためのインク量を低減しインクを節約できる効果がある。
【0092】
(4)第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3も黒色領域とする場合
すなわち、図22に示すように、第5被検出領域PM5及び第6被検出領域PM6を搬送方向に沿って延長するように、上記第2被検出領域PM2及び第3被検出領域PM3も上記第5被検出領域PM5及び第6被検出領域PM6と同様の黒色領域とする場合である。この場合、上記図18のフローのステップS390とステップS400とをまとめて1つの手順とすることができる。
【0093】
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。また、灰色領域と黒色領域との両方を形成する場合に比べ、被検出領域PMを形成するためのインク種類を低減しインクを節約できる効果がある。
【0094】
(5)その他
以上においては、被印刷用紙53は、その左端が挿入口104の左端に対し当接するように投入される場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、被印刷用紙53の右端が挿入口104の右端に対し当接するように投入される場合や、被印刷用紙53の幅方向中心線が挿入口104の左右方向中心線に一致するように投入される場合に、本願発明を適用してもよい。要は、正常な投入状態及び正常な搬送状態において、2つの被検出領域に挟まれる1つの被検出領域(当該2つの被検出領域とは反射特性が異なる)が、光学センサと正対するようになっていれば足りる。
【0095】
なお、以上において、図4、図5、図19の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0096】
また、図18に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0097】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0098】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0099】
1 携帯型プリンタ(印刷装置)
104 挿入口(導入口)
107 排出口
111 プラテンローラ(搬送手段)
112 サーマルラインヘッド(印字手段)
35 用紙検出センサ(光学センサ)
35A 投光器(投光手段)
35B 受光器(受光手段)
53 被印刷用紙
54 バーコード(光学記録部)
Lr 反射光
PM1 第1被検出領域(第1領域)
PM2 第2被検出領域(第2領域)
PM3 第3被検出領域(第3領域)
PM4 第4被検出領域(第4領域)
PM5 第5被検出領域(第5領域)
PM6 第6被検出領域(第6領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷用紙と、前記被印刷用紙を所定の搬送方向に沿って搬送しつつ印刷を行う印刷装置と、を有する印刷システムであって、
前記被印刷用紙は、
所定の第1光反射特性を備え、前記搬送方向に沿って直線的に延びるように設けられた第1領域と、
前記搬送方向と直交する直交方向における前記第1領域の一方側に隣接しつつ、前記第1領域との境界線が前記搬送方向に沿って直線的に延びるように設けられ、前記第1光反射特性とは異なる第2光反射特性を備えた第2領域と、
前記搬送方向と直交する直交方向における前記第1領域の他方側に隣接しつつ、前記第1領域との境界線が前記搬送方向に沿って直線的に延びるように設けられ、前記第1光反射特性とは異なる第3光反射特性を備えた第3領域と、
を有しており、
前記印刷装置は、
前記被印刷用紙を前記搬送方向に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に対し、所望の印刷を行う印字手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に向かって投光可能な投光手段、及び、受光した光量に対応した検出電圧値を出力可能な受光手段、を備えた光学センサと、
前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が行われているとき、前記受光手段から出力される検出電圧値が、前記第1領域に対応する第1電圧値範囲から前記第2領域に対応する第2電圧値範囲となったこと、若しくは、前記第1領域に対応する第1電圧値範囲から前記第3領域に対応する第3電圧値範囲となったこと、により、前記被印刷用紙の斜行を検出する斜行検出手段と、
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1記載の印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、
装置外郭を構成し、前記搬送手段、前記印字手段、前記光学センサが内部に設けられる筐体と、
前記筐体に開口し、前記被印刷用紙を受け入れて前記搬送手段へと導く導入口と、
を有し、
前記被印刷用紙は、
所定の第4光反射特性を備え、前記導入口への投入時に前記投光手段に正対するように設けられた第4領域と、
前記直交方向における前記第4領域の一方側に隣接して設けられ、前記第4光反射特性とは異なる第5光反射特性を備えた第5領域と、
前記直交方向における前記第4領域の他方側に隣接して設けられ、前記第4光反射特性とは異なる第6光反射特性を備えた第6領域と、
を有しており、
前記印刷装置は、さらに、
前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が開始される前において、前記受光手段からの出力される検出電圧値が、前記第5領域に対応する第5電圧値範囲及び前記第6領域に対応する第6電圧値範囲とは異なる、前記第4領域に対応した第4電圧値範囲となったことにより、前記被印刷用紙が前記導入口へ投入されたことを検出する投入検出手段を有する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の印刷システムにおいて、
前記被印刷用紙は、
前記第1領域が搬送方向終端部まで延びており、
前記印刷装置は、
前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が行われているとき、前記受光手段から出力される検出電圧値が、前記第1電圧値範囲から、前記被印刷用紙の不存在に対応した不在電圧値範囲となったことにより、前記被印刷用紙の前記搬送方向終端部を検出する終端検出手段を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項2又は3記載の印刷システムにおいて、
前記被印刷用紙は、
前記第1領域又は前記第4領域に、当該被印刷用紙の寸法情報を記録した光学記録部を備えており、
前記印刷装置は、
前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が行われているとき、前記光学記録部に対応して前記受光手段から出力される検出電圧値の挙動に応じて、前記被印刷用紙の寸法情報を取得する寸法情報取得手段と、
前記寸法情報取得手段での取得結果に応じて、前記搬送手段及び前記印字手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
被印刷用紙を所定の搬送方向に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に対し、所望の印刷を行う印字手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印刷用紙に向かって投光可能な投光手段、及び、受光した光量に対応した検出電圧値を出力可能な受光手段、を備えた光学センサと、
装置外郭を構成し、前記搬送手段、前記印字手段、前記光学センサが内部に設けられる筐体と、
前記筐体に開口し、前記被印刷用紙を受け入れて前記搬送手段へと導く導入口と、
前記受光手段から出力される検出電圧値が、前記被印刷用紙の投入に対応した投入電圧値範囲となったことにより、前記被印刷用紙が前記導入口へ投入されたことを検出する投入検出手段と、
前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が行われているときの、前記受光手段から出力される検出電圧値の前記被印刷用紙の正常搬送に対応した搬送電圧値範囲からの変化により、前記被印刷用紙の斜行を検出する斜行検出手段と、
前記搬送手段により前記被印刷用紙の搬送が行われているとき、前記受光手段から出力される検出電圧値が、前記被印刷用紙の不存在に対応した不在電圧値範囲となったことにより、前記被印刷用紙の前記搬送方向終端部を検出する終端検出手段と、
を有する
ことを特徴とする印刷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−246121(P2012−246121A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121107(P2011−121107)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】