説明

印刷ジョブの分解方法

【課題】既存の印刷実施態様に大きな変更を要求することなく、既存の印刷設備において大容量の文書ファイルを自動印刷する。
【解決手段】大容量の文書印刷ジョブを複数のセグメントに分解し(16)、前記セグメントをシーケンスにして(16)、前記セグメントを印刷サーバへストリームとしておくり(18)にし、前記セグメントを印刷して(20)、前記文書を組み合わせる(24又は28)ことから成る、

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動印刷に関し、より特定的には、100ページより多い文書のような多数のページを含む印刷ジョブに関する。十分に大容量のすなわち大変に大きな(例えば、ビット数が多い)画像ファイルは、オペレーティング・システムに負荷をかけ、送配信時間が長いためにネットワーク送信が時間切れになることがあり、したがって印刷ジョブの打切りという結果になる。こうした大きな文書の印刷ジョブがアプリケーション・ソフトウェアのプログラミング言語の限界を超えるときには、ユーザ又はオペレータは、文書を種々の印刷ジョブに分ける必要に迫られ、これは完全な文書を得るために、印刷のための付加的な時間及び印刷ジョブの後の組み合わせを必要とする。
【背景技術】
【0002】
現在、大容量の文書印刷ジョブは、印刷構築ソフトウェアがジョブを印刷サーバにストリーム(stream:流れ)にする構成において、この印刷構築ソフトウェアを用いてネットワーク上でプリンタに送られる。印刷ジョブを受け取ると直ちに、サーバはデータを処理してページを印刷する。印刷ジョブが非常に大きな又は大容量の文書画像ファイルを含んでいるときは、プリンタ自体がファイルのサイズのためにジョブを処理することができないか、又は印刷構築ソフトウェアとサーバとの間で用いられるプロトコルが大きなファイルサイズをサポートできないか、又は印刷構築ソフトウェア自体が大容量の文書画像ファイルを処理することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、既存の印刷実施態様に大きな変更を要求することなく、既存の印刷設備において大容量の文書ファイルを自動印刷できるようにすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、ネットワーク上でストリームにして印刷サーバ及びプリンタに送ること(ストリーミング)ができる複数の扱いやすいサイズのセグメントに文書画像ファイルを分解する方法であって、既存の印刷設定により、非常に大容量(又は大きなサイズ)の文書画像ファイルを自動的に印刷するための方法又はプロセスを説明するものである。したがって、本発明の方法は、或いは別の場合には文書を処理することができない既存の印刷サーバに変更を要求することなく、非常に大容量の文書が印刷されることを可能にする。本開示で説明され図示される例示的な実施形態においては、分解されたセグメントが、順番に並べられ、すなわち、シーケンスにされて、このシーケンスにされたセグメントが連続して単一のプリンタで印刷されることができるように、及び、ユーザ又はオペレータが構成を認識することなく、文書が後続して自動的に組み合わされるようにすることができる。或いは、セグメントは個々のプリンタで同時に印刷されることができ、かつセグメントは別々にユーザ又はオペレータによって組み合わせられることができる。
【0005】
本発明に係る方法又はプロセスの利点は、ファイル転送プロトコルゲートウエイを必要としない点、及び、印刷サーバソフトウェアが印刷構築ソフトウェア内でなされる変更を必要としない点にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1を参照すると、本開示の方法の構成が示されており、ここでは、大容量の(すなわち、大きな)の文書ファイル1が、文書操作ソフトウェア3によって、扱いやすいサイズの複数のセグメントファイル5に分解され、かつ印刷構築ソフトウェア7においてフォーマットされる。ソフトウェア7は、セグメント画像を印刷サーバ9が理解できるフォーマットに変換し、印刷サーバ9はプリンタ11の動作を指示する。本実施においては、印刷構築ソフトウェア7は、例えば、Adobe Systems Corporationの登録商標であるPostScript(登録商標)のようなプリンタ文書言語で文書を読み書きする市販のソフトウェアパッケージを用いる。
【0007】
図2を参照すると、システムの動作が全体を10として示され、印刷されるべき文書の大容量画像ファイル12から始まり、このシステムは、印刷送配信(submission)ソフトウェア14にこのファイルを入力し、このソフトウェア14は、ステップ16において、縮小したサイズの扱いやすいサイズの複数の文書セグメントを作成するように動作する。ステップ14及び16において、ソフトウェアは、20で示される印刷サーバから離れたすなわち遠隔の位置にある。ステップ16において、ソフトウェアは、印刷サーバが読むことができる印刷文書言語でセグメントを出力するように動作する。本実施においては、用いられるソフトウェアは、PostScript(登録商標)のような市販のパッケージ又はXerox Corporationから入手可能なラスタ文書オブジェクトソフトウェアとすることができる。
【0008】
個々に作成された文書セグメントは、例えば、ラスタ画像処理などによってシーケンスにされ(すなわち、順番に並べられ)、次いで、ステップ18において、連続して印刷サーバ20に、ストリームにされて(すなわち一連の流れとしてストリーミングされて)送られる。
【0009】
20で示される印刷サーバ機能は、22で示されるように、文書セグメントを別々に連続して印刷するように設定することができ、その後、ステップ24で、印刷がセグメントごとになされたとことが分からない状態で、完全な文書が自動的に組み合わされる。文書がバインド(結合)される場合は、セグメントは1つの文書としてバインド(結合)される。
【0010】
上記とは別に、印刷サーバは、ステップ26で示されるように、各々のセグメントを個々のプリンタに出力することができ、その後、セグメントの同時印刷を成し遂げることができる。この場合、完全な文書は、ステップ28で示されるように、オペレータによって手動で組み合わされなければならない。この別々のプリンタでの同時印刷の構成は、印刷ジョブが非常に大容量であり、単一プリンタの印刷トレイにおける単一の大容量文書の存在が扱いにくいものであると分かる場合に望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示で説明されるプロセスの説明図である。
【図2】本開示における印刷プロセスの流れ図である。
【符号の説明】
【0012】
1:大容量文書ファイル
3:文書操作ソフトウェア
7:印刷構築ソフトウェア
9:印刷サーバ
11:プリンタ
12:大容量画像ファイル
14:印刷依頼ソフトウェア
20:印刷サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の印刷を自動的に制御するための方法であって、
(a)文書印刷ジョブを複数のセグメントに分解し、
(b)前記セグメントを連続してコントローラに入力して、前記セグメントをシーケンスにし、
(c)前記コントローラ内で前記セグメントを処理して、前記セグメントを印刷し、
(d)印刷された前記セグメントを完全な文書ジョブに組み合わせることから成る、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記分解することは、前記コントローラから遠隔の位置で分解して、ネットワーク上で前記セグメントをストリームにして前記コントローラに送ることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
文書の印刷を自動的に制御する方法であって、
(a)文書印刷ジョブを複数のセグメントに分解し、
(b)前記セグメントをシーケンスにして、前記セグメントを印刷サーバにストリームにし、
(c)前記セグメントを印刷して、前記文書を組み合わせることから成る、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記分解することは、前記印刷サーバから遠隔の位置で分解して、ネットワーク上で前記セグメントをストリームにして前記印刷サーバに送ることを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−176783(P2008−176783A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2293(P2008−2293)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】