説明

印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラム

【課題】 写真、文字、絵、模様などの印刷オブジェクトに切取線を付与して印刷する印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラムを提供する。
【解決手段】 範囲指定画面200には、切取領域の形状を示す図形が列挙されている形状選択エリア210、印刷オブジェクトの画像イメージ221を表示する表示エリア220が設けられている。形状選択エリア210で図形が選択されると、表示エリア220には図形222が画像イメージ221上に表示される。そして、図形222の右上のハンドル223をドラッグすると図形222のサイズを、図形222の線をドラッグすると位置を変更することができる。また、切抜線設定画面において、直線や山形、波型といった切抜線(切取領域の境界線)の形状及びピッチを指定することができる。そして、印刷時には切取線設定画面において、印刷される切取線の太さと切取領域の境界からの余裕量を設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラムに関するものであり、詳細には、印刷される写真、文字、絵、模様などである印刷オブジェクトに切取線データを付与した印刷データを作成する印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理ソフトやワープロソフトなどでは、通常、作成者は所望する印刷物の完成品のイメージを画面上で編集しており、印刷が実行された場合には、通常、画面上で編集したイメージがそのまま印刷される。また、文字や画像等の印刷オブジェクトを選択して印刷を指示すれば、選択された印刷オブジェクトのみ印刷されるという機能を持つ画像処理ソフトやワープロソフトもあるが、あくまでも編集画面に表示されている通りに印刷が行われる。
【0003】
昨今、「スクラップブッキング」というホビーが楽しまれている。このスクラップブッキングは、従来のようにアルバムにただ写真を並べて貼り付けるだけではなく、テーマ付けを行い、そのテーマに沿った写真を台紙に様々な手法で飾り付けて楽しむものである。このようなスクラップブッキングでは、写真に様々な加工ができるため、フィルム写真でなくデジタルカメラの画像データが使用されることがある。また、写真の他にそのページのテーマ、テーマに関するジャーナル(日付やエピソード、感想などの記録)を載せるために、デジタルデータのイラストや模様、文字などのオブジェクトを印刷したものが貼り付けられることもある。このようなスクラップブックで使用されるオブジェクトを印刷する場合には、印刷物をカットして貼り付けられることが多い。
【0004】
また、従来、印刷結果をその使用目的(たとえば、フレキシブルディスクのラベル、ドアノブ用下げ札、さいころなど)に合わせてカットするために、印刷したい画像(印刷オブジェクト)と切取線及び折り曲げ線の少なくとも一方を含むテンプレートとを合成して印刷を行う合成画像印刷装置が提供されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−234506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明の合成画像印刷装置では、予め記憶されているテンプレートと印刷オブジェクトとを合成するため、予め記憶されていないデザインでの切取線を付与することはできないという問題点がある。また、実際に切り取りたい位置と切取線との最良位置の関係は、切り取りを行う人物の好みにより異なる。たとえば、ある人物は切り取り位置と切取線とは同じ位置で、切取線上をカットしたいという好みがあり、また、ある人物は切り取った後に切取線を残したくないために、切取線の少し内側をカットしたいという好みがある。しかしながら、予め記憶されているテンプレートを使用する場合には、そのような好みを繁栄させることができない問題点がある。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、印刷される写真、文字、絵、模様などである印刷オブジェクトに切取線データを付与した印刷データを作成する印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の印刷データ編集装置では、印刷される写真、文字、絵、模様などである印刷オブジェクトを編集するために、当該印刷オブジェクトを表示する表示手段と、当該表示手段に表示されている印刷オブジェクトを印刷した印刷結果を切り取る場合に、切り取られる領域である切取領域を指定する切取領域指定手段と、当該切取領域指定手段により指定された前記切取領域を前記印刷結果から切り取るための切取線を前記切取領域の境界線より外側に印刷するための切取線データを前記印刷オブジェクトに付与して、印刷装置で印刷するための印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備えたことを特徴とする構成となっている。
【0008】
また、請求項2に係る発明の印刷データ編集装置では、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記印刷データ作成手段により付与される前記切取線データの示す前記切取線の前記境界線からの距離を指定する距離指定手段を備えたことを特徴とする構成となっている。
【0009】
また、請求項3に係る発明の印刷データ編集装置では、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記切取線の太さを指定する太さ指定手段を備えたことを特徴とする構成となっている。
【0010】
また、請求項4に係る発明の印刷データ編集装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記切取領域指定手段は、線の形状を指定することにより前記切取領域の境界の形状を指定する線種指定手段を備え、前記線の形状は前記印刷結果を切り取る場合に使用されるハサミの切り口の形状を模した線が少なくとも含まれることを特徴とする構成となっている。
【0011】
また、請求項5に係る発明の印刷データ編集装置では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記切取線を前記印刷データが印刷される面と同じ面である表面に印刷するか、裏面に印刷するかを選択する表裏選択手段を備え、前記印刷データ作成手段は、前記表裏選択手段により裏面に印刷すると選択された場合には、前記切取線を前記境界線上に配置し、裏面に印刷する裏面切取線データの前記印刷データを作成することを特徴とする構成となっている。
【0012】
また、請求項6に係る発明の印刷データ編集プログラムでは、請求項1乃至5のいずれかに記載の印刷データ編集装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させる構成となっている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明の印刷データ編集装置では、表示手段は、印刷される写真、文字、絵、模様などである印刷オブジェクトを編集するために、印刷オブジェクトを表示し、切取領域指定手段は、表示手段に表示されている印刷オブジェクトを印刷した印刷結果を切り取る場合に、切り取られる領域である切取領域を指定し、印刷データ作成手段は、切取領域指定手段により指定された切取領域を印刷結果から切り取るための切取線を切取領域の境界線より外側に印刷するための切取線データを印刷オブジェクトに付与して、印刷装置で印刷するための印刷データを作成することができる。したがって、その印刷データに基づく印刷オブジェクトにおいて、切り取って使用したい領域が指定され、その領域に合わせて切取線が印刷されるので、印刷オブジェクトを切り取って使用したい場合に便利である。
【0014】
また、請求項2に係る発明の印刷データ編集装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、距離指定手段は、印刷データ作成手段により付与される切取線データの示す切取線の境界線からの距離を指定することができる。したがって、境界線からの距離がユーザの好みに合った切取線を付与することができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明の印刷データ編集装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、太さ指定手段は、切取線の太さを指定することができる。したがって、ユーザの好みに合った太さの切取線を付与することができる。
【0016】
また、請求項4に係る発明の印刷データ編集装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、切取領域指定手段の線種指定手段は、線の形状を指定することにより切取領域の境界の形状を指定することができる。また、線の形状は印刷結果を切り取る場合に使用されるハサミの切り口の形状を模した線を少なくとも含むことができる。したがって、使用するハサミの切り口の形状に合った切取線を付与することができるので、特に、ピンキングハサミなど切り口の形状が直線でないハサミを使用する場合に有用である。
【0017】
また、請求項5に係る発明の印刷データ編集装置では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、表裏選択手段は、切取線を印刷データが印刷される面と同じ面である表面に印刷するか、裏面に印刷するかを選択することができる。また、印刷データ作成手段は、表裏選択手段により裏面に印刷すると選択された場合には、切取線を境界線上に配置し、裏面に印刷する裏面切取線データの印刷データを作成することができる。したがって、その印刷データに基づいて裏面に切取線を印刷することができるので、印刷結果に影響を与えることがない。
【0018】
また、請求項6に係る発明の印刷データ編集プログラムでは、請求項1乃至5のいずれかに記載の印刷データ編集装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることができる。したがって、当該プログラムをコンピュータに実行させることによって印刷オブジェクトに切取線を付与して印刷を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の印刷データ編集プログラムを搭載した、印刷データ編集装置1の電気的構成を示すブロック図であり、図2は、ROM12に記憶されている切抜線イメージ記憶エリア120の模式図であり、図3はRAM11の記憶エリアの模式図である。図1に示すように、印刷データ編集装置1には、印刷データ編集装置1の制御を司るCPU10が設けられ、CPU10には、各種のデータを一時的に記憶するRAM11と、BIOS等を記憶したROM12と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス13とが接続されている。I/Oインタフェイス13には、ハードディスク装置18が接続され、当該ハードディスク装置18には、オブジェクト情報記憶エリア180と、印刷データ記憶エリア181と、プログラム記憶エリア182と、その他の情報記憶エリア183とが設けられている。
【0020】
なお、オブジェクト情報記憶エリア180には、編集画面上で編集されている印刷オブジェクトの種々の属性が記憶されている。印刷データ記憶エリア181には、印刷指令が成された際にプリンタ2に送信される印刷データが記憶される。プログラム記憶エリア182にはCPU10で実行される印刷データ編集プログラムが記憶されており、その他の情報記憶エリア183には、印刷データ編集装置1で使用されるその他の情報が記憶されている。
【0021】
また、I/Oインタフェイス13には、マウス33と、ビデオコントローラ14と、キーコントローラ15と、CD−ROMドライブ16と、FDドライブ17とが接続され、ビデオコントローラ14にはディスプレイ34が接続され、キーコントローラ15にはキーボード35が接続されている。なお、CD−ROMドライブ16に挿入されるCD−ROM36には、印刷データ編集プログラムが記憶されており、導入時に、印刷データ編集プログラムは、CD−ROM36からハードディスク装置18にセットアップされてプログラム記憶エリア182に記憶されるようになっている。また、FDドライブ17では、フレキシブルディスク(以下、FDとする)37の読み取りや書き込みが可能となっている。また、I/Oインタフェイス13には、プリンタ2が接続されており、本発明の印刷データ編集プログラムで作成された印刷データを印刷することができる。
【0022】
なお、印刷データ編集プログラムは、CD−ROM36から印刷データ編集装置1へ導入するのではなく、FD37から導入してもよく、また、DVD等他の記憶媒体を読み取るドライブを接続して、それらの記憶媒体から導入するようにしてもよい。また、印刷データ編集装置1をLANやインターネットに接続し、他のコンピュータからネットワークを介して導入してもよい。また、図1において、プリンタ2は印刷データ編集装置1に直接接続しているが、これはネットワークを介して接続したプリンタであってもよいことはいうまでもない。また、プリンタ2は連続用紙を印刷するものであっても、カット用紙を印刷するものであってもよく、被印刷媒体は紙に限らず、シールやテープであってもよい。
【0023】
次に、図2を参照して、ROM12に記憶されている切抜線イメージ記憶エリア120について説明する。ここには、切取領域の境界線である切抜線の種々の形状の画像データが記憶されている。切抜線の形状は、市販されている主なハサミの切り口に合せたものが準備されている。例えば、通常のハサミの切り口である直線、ピンキングバサミの切り口である山形や波型である。山形や波型においてもその角度により種々の形状がある。さらに、山形や波型においては、ピンキングバサミの切り口の形状に合わせて3mm、5mm等の種々のピッチのものが準備されている。図2に示す例では、直線、山形(ピッチの狭いものと広いもの)、波型(ピッチの狭いものと広いもの)等であり、他の形状については省略されている。なお、本実施の形態では、印刷データに使用される切取線のイメージは、この切抜線イメージ記憶エリア120に記憶されている切取線のイメージから作成しており、後述する切取線設定画面400において指定された線の太さに調整して作成している。詳しくは、切取線の線を形成するドットに、その切取線を形成するドットと隣接するドットを加えることにより太くしており、線の太さは、そのときに隣接する何ドットまでを線を形成するドットにするかにより決定している。
【0024】
次に、図3を参照して、RAM11の記憶エリアについて説明する。RAM11には表示バッファ記憶エリア111、部品別表示バッファ記憶エリア112、印刷バッファ記憶エリア113等が設けられている。表示バッファ記憶エリア111には、後述する編集画面100の作業領域103に表示されているスクラップブックイメージ101(図4参照)が記憶されている。また、部品別表示バッファ記憶エリア112には、オブジェクト情報記憶エリア1121、切抜オブジェクトイメージ記憶エリア1122、範囲指定データ記憶エリア1123、切抜線データ記憶エリア1124、切取線データ記憶エリア1125等が設けられており、編集画面100の作業領域103に表示されるスクラップブックイメージ101を構成する各部品のデータが記憶されている。
【0025】
オブジェクト情報記憶エリア1121には、編集画面100の作業領域103に表示されている印刷オブジェクトについての情報、例えば、オブジェクトの種類、位置情報、画像イメージなどが印刷オブジェクト毎に記憶される。また、切抜オブジェクトイメージ記憶エリア1122には、切り取りの指定がされている印刷オブジェクトについて、切り取り後のイメージデータ(切抜オブジェクト)が印刷オブジェクト毎に記憶されている。範囲指定データ記憶エリア1123には、切り取り指定の印刷オブジェクトについて、切り取り範囲を示す図形の頂点の座標が印刷オブジェクト毎に記憶されている。切抜線データ記憶エリア1124には、切取領域の境界線となる切抜線のイメージデータが印刷オブジェクト毎に記憶されている。切取範囲を示す図形の辺の1つ1つが、この切抜線のイメージを所定の長さで切断したもので置き換えられる。切取線データ記憶エリア1125には、印刷データに付与される切取線についての各種データが印刷オブジェクト毎に記憶されている。
【0026】
印刷バッファ記憶エリア113には、表面用印刷バッファ記憶エリア1131、裏面用印刷バッファ記憶エリア1132等が設けられており、プリンタ2へ送信する印刷データが表面、裏面別々に作成されて記憶される。尚、その他の記憶エリアについては省略されている。
【0027】
次に、図4を参照して、印刷データ編集プログラムにおいて表示され、スクラップブックの完成品をイメージしつつ、スクラップブックに貼り付けるための印刷物の編集を行う編集画面100について説明する。図4は、編集画面100のイメージ図である。
【0028】
図4に示すように、編集画面100では、「ファイル」、「編集」、「挿入」、「書式」、「ツール」、「レイアウト」、「ウィンドウ」、「ヘルプ」といった操作指示を行うためのツールバー102が画面上部に表示されており、編集画面100のほとんどを占める作業領域103には、スクラップブックの完成品のイメージであるスクラップブックイメージ101が表示されている。ツールバー102の各メニューをマウス33やキーボード35を操作することにより、印刷データ編集プログラムに対して種々の指示を与える。ここで、スクラップブックイメージ101を参照して、本実施の形態で扱われる印刷オブジェクトの種類について説明する。本実施の形態では、印刷オブジェクトの種類は、「写真」、「文字」、「イラスト」の3種類が扱われる。
【0029】
「写真」は、デジタルカメラ等で撮影された写真画像データによる印刷オブジェクトである。例えば、ツールバー102の「挿入」メニューを選択することにより表示されるリストボックスの中から「写真」を選択することにより、挿入する写真の画像ファイルを選択する画面(図示外)が表示される。そして、挿入する写真の画像ファイルを指定すると、写真オブジェクトが作業領域103上に表示される。図4に示す例では、象の写真の写真オブジェクト141(スクラップブックイメージ101の上部中央)が作成されている。
【0030】
また、「文字」は、作業領域103上で入力された文字データである。例えば、ツールバー102の「挿入」メニューを選択することにより表示されるリストボックスの中から「文字」を選択することにより、文字オブジェクトが表示され、その文字オブジェクトに文字を入力する。なお、この文字オブジェクトでは、文字サイズ、フォント種類、文字オブジェクト内での文字の配置などを指定することができる。また、文字色、下線、白抜き、斜体、太字などの文字修飾設定を行うことができる。図4に示す例では、文字オブジェクト121には「どうぶつえん」、文字オブジェクト122には「2005.03.26 sat」の文字が入力されている。
【0031】
また、「イラスト」は、画像編集ソフト等で作成されたり、スキャナで取り込まれたりした絵や模様などの画像データによるイラストオブジェクトであり、写真の画像データを含まないものである。例えば、ツールバー102の「挿入」メニューを選択することにより表示されるリストボックスの中から「イラスト」を選択することにより、挿入するイラストの画像ファイルを選択する画面(図示外)が表示される。そして、挿入するイラストの画像ファイルを指定すると、イラストオブジェクトが作業領域103上に表示される。図4に示す例では、スクラップブックイメージ101の上端に表示されている波模様のイラストオブジェクト131、スクラップブックイメージ101の下端に表示されている波模様のイラストオブジェクト132が作成されている。
【0032】
次に、図5乃至図7を参照して、印刷オブジェクトに切り取りの指定をした場合に表示される画面について説明する。図5は、切取領域の形状及び範囲を指定する範囲指定画面200のイメージ図であり、図6は、切取領域の境界線の形状を指定する切抜線設定画面300のイメージ図であり、図7は、切り取り指定をした後の編集画面100のイメージ図である。
【0033】
まず、図5を参照して、範囲指定画面200について説明する。図5に示すように、範囲指定画面200の左側には、形状選択エリア210が設けられており、中央には切り取られる印刷オブジェクトの画像イメージ221を表示する表示エリア220が設けられており、表示エリア220の下部にはOKボタン224及びキャンセルボタン225が設けられている。形状選択エリア210には、切取領域の形状を示す図形が列挙されており、マウス33やキーボード35を操作することにより1つの図形を選択することができる。図5に示す例では、長方形、平行四辺形、ひし形、長方形の角のカットされた八角形、六角形、星型が表示されており、長方形が選択されている。
【0034】
形状選択エリア210において切取領域の形状を示す図形が選択されると、表示エリア220にはその形状の図形222が印刷オブジェクトの画像イメージ221上に表示される。そして、図形222の右上にはサイズ変更用のハンドル223が表示される。このハンドル223上にマウス33のマウスポインタを持って行き、ドラッグすることにより図形222のサイズを変更することができる。また、図形222の線上にマウスポインタを持って行き、ドラッグすることにより図形222の位置を変更することができる。
【0035】
このようにして、形状選択エリア210から切取領域の形状を示す図形を選択し、マウス33の操作により、そのサイズや位置を指定することができる。なお、OKボタン224が選択されると、指定は完了する。そして、切抜線設定画面300(図6参照)が表示される。キャンセルボタン225が選択されると指定は中止される。なお、範囲指定画面200で入力された内容は、切取領域の形状を示す図形の各頂点座標を、隣り合う頂点の座標が連続する順番で格納する形で範囲指定データ記憶エリア1123に記憶されている。
【0036】
次に、図6を参照して、切抜線設定画面300について説明する。図6に示すように、形状欄310、ピッチ欄320、プレビュー欄330、OKボタン340、キャンセルボタン350が設けられている。形状欄310は、プルダウン形式になっており切抜線の形状を指定することができる。ここには、ROM12の切抜線イメージ記憶エリア120に記憶されている直線や山形、波型といった形状が表示される。図6に示す例では山形が表示されている。そして、ピッチ欄320にはA,B,Cの3つのボタンが表示されており、形状欄310で選択された形状について、そのピッチを指定することができる。例えば、山形の切取線イメージが切抜線イメージ記憶エリア120に3つ記憶されていれば、3つのボタンが表示される。なお、本実施の形態ではピッチはAから狭い順とされている。
【0037】
そして、形状欄310及びピッチ欄320で選択された切抜線がプレビュー欄330に表示される。これにより、使用者は好みの切抜線を選択することができる。なお、OKボタン340が選択されると、指定は完了する。そして、編集画面100の作業領域103に切り抜かれた印刷オブジェクト(切抜オブジェクト)が表示される。キャンセルボタン350が選択されると指定は中止される。なお、切抜線設定画面300に入力された内容は、選択された形状及びピッチに対応する、切抜線イメージ記憶エリア120に記憶されている切抜線イメージをコピーする形で切抜線データ記憶エリア1124に記憶されている。
【0038】
次に、図7を参照して、切り取り設定後の編集画面100について説明する。図7に示すように、作業領域103には切取領域で切り抜かれた切抜オブジェクト142が表示されている。図7に示す例は、図5において「長方形」が切り取り領域の形状として指定され、図6において「山形」のピッチ「A」の切抜線が指定された場合の切抜オブジェクト142であり、図4に示した写真オブジェクト141が、周囲が山形で切り抜かれた切抜オブジェクト142となっている。
【0039】
次に、図8乃至図11を参照して、図5及び図6で指定された切取領域及び切抜線の種類に基づいて印刷される印刷結果500,510,521,522、切取線設定画面400について説明する。図8は、切取線の設定を行う切取線設定画面400のイメージ図である。また、図9は、「切取線を表面に印刷」が選択され切取線が印刷された印刷結果500のイメージ図であり、図10は、「周囲を塗潰す」が選択され切取領域の周囲が背景色で塗潰された印刷結果510のイメージ図であり、図11は、「切取線を裏面に印刷」が選択され切取線が裏面に印刷された印刷結果521(表面),522(裏面)のイメージ図である。なお、図9乃至図11は、範囲指定画面200において「長方形」が切り取り領域の形状として指定され、切抜線設定画面300において「山形」のピッチ「A」の切抜線が指定された場合の切抜オブジェクト142(図7参照)について、印刷指示が行われた場合の印刷結果のイメージ図である。
【0040】
まず、図8を参照して切取線設定画面400について説明する。図8に示すように、切取線設定画面400には、周囲を塗潰すか、切取線を表面に印刷するか、裏面に印刷するかを指定する切取線指定ラジオボタン410、切取線を表面に印刷する場合に切取線の太さを指定する太さ指定リストボックス420、切取線を表面に印刷する場合に切取線の切取領域の境界(切抜線)からの距離を指定する余裕量指定リストボックス430、OKボタン440が設けられている。
【0041】
切取線指定ラジオボタン410では、「周囲を塗潰す」、「切取線を裏面に印刷」又は「切取線を表面に印刷」を選択することができる。「周囲を塗潰す」が選択されると切抜オブジェクトの周囲が背景色で塗潰される(図10参照)。「切取線を裏面に印刷」が選択されると切取線が裏面に印刷される。「切取線を表面に印刷」が選択されると切取線が元の写真オブジェクトの上に印刷される(図11参照)。この「切取線を表面に印刷」が選択された場合には、太さ指定リストボックス420、余裕量指定リストボックス430により切取線の太さ及び印刷位置を指定する必要があり、太さ指定リストボックス420、余裕量指定リストボックス430により指定された切取線が元の写真オブジェクトの上に印刷される(図9参照)。太さ指定リストボックス420では印刷される切取線の太さを0.1pt単位で指定できる。また、余裕量指定リストボックス430では切取領域の境界(切抜線)からの距離である余裕量を0.1mm単位で指定できる。なお、0mmに設定すれば切抜線上に切取線が印刷されることになる。
【0042】
そして、OKボタン440が選択されると、指定は完了し、切取線指定ラジオボタン410,太さ指定リストボックス420,余裕量指定リストボックス430で指定されている内容が切取線データ記憶エリア1125に記憶され、その内容にしたがって印刷が行われる。
【0043】
次に、図9を参照して、「切取線を表面に印刷」が選択され切取線が印刷された印刷結果500について説明する。図9に示すように、元の写真オブジェクトの印刷画像501の上に、切抜線と同じ形状の切取線502が、切抜線から所定量(切取線設定画面400で指定された距離)の間隔をあけて、切取線設定画面400で指定された太さの線で印刷されている。
【0044】
次に、図10を参照して、切取領域の周囲が背景色で塗潰された印刷結果510について説明する。図10に示すように、切抜オブジェクトの印刷画像511の周囲の所定領域512が背景と同じ色で塗潰されている。
【0045】
次に、図11を参照して、切取線が裏面に印刷された印刷結果521,522について説明する。図11における左側のイメージ図は表面の印刷結果521であり、右側のイメージ図は裏面の印刷結果522(表面から左右方向に反転させた裏面)である。図11に示すように、表面には元の写真オブジェクトの印刷画像523が印刷されており、裏面には切抜オブジェクトの輪郭線(切抜線)上に切取線524が印刷されている。
【0046】
ここで、本発明の印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラムの動作について、図12乃至図15のフローチャートを参照して説明する。図12は、メイン処理の主な処理を示したフローチャートであり、図13は、メイン処理の中で実施される編集処理のフローチャートであり、図14は、編集処理の中で実施される切り抜き後のイメージ作成処理のフローチャートであり、図15は、メイン処理の中で実施される印刷処理のフローチャートである。
【0047】
メイン処理は、印刷データ編集プログラムが実行されると開始される。まず、各種データ等の初期化処理が行われ(S1)、次いで、マウス33やキーボード35からの入力が受け付けられる(S2)。その入力が編集(文字の入力、印刷オブジェクトのサイズ変更や移動、オブジェクトの挿入など)の指示であれば(S3:YES)、編集処理が行われる(S5、図13参照)。また、入力が印刷指示であれば(S3:NO,S4:YES)、印刷処理が行われる(S6、図15参照)。また、編集指示でも印刷指示でもなければ(S3:NO,S4:NO)、その他の処理が行われる(S7)。そして、マウス33やキーボード35から終了の指示が成されているか否かの判断が行われ(S8)、マウス33やキーボード35から終了の指示が入力されていれば(S8:YES)、本処理は終了する。また、終了指示が成されていなければ(S8:NO)、S2へ戻り、受け付けられた入力(S2)の指示判断(S3,S4)及びその指示に従った処理(S5,S6,S7)が行われる。そして、終了の指示が成されるまでは(S8:YES)、繰り返しS2〜S8の処理が行われて、マウス33やキーボード35からの指示に対する処理が行われる。
【0048】
なお、終了指示の入力は、例えば、編集画面100のツールバー102で「ファイル」を選択し、そして表示されるリストボックスの中で「終了」を選択することにより行われる。また、編集を指示する入力は、例えば、編集画面100のツールバー102で「挿入」を選択し、そして表示されるリストボックスの中から印刷オブジェクトの種類(「写真」、「文字」、「イラスト」)を選択して印刷オブジェクトを新たに挿入することや、既に表示されている印刷オブジェクトを選択し、ツールバー102で「編集」を選択し、そして表示されるリストボックスの中から編集内容(「回転」、「文字入力」、「属性変更」、「切り取り」など)を選択することなどにより行われる。また、印刷を指示する入力は、例えば、編集画面100のツールバー102で「ファイル」を選択し、そして表示されるリストボックスの中で「印刷」を選択することにより行われる。また、本発明の要部である「切り取り指示」は、例えば、切り取りを行う印刷オブジェクトが選択されている状態で、ツールバー102で「編集」を選択し、そして表示されるリストボックスの中から「切り取り」を選択することにより行われる。
【0049】
ここで、図13のフローチャートを参照して、編集処理における本発明の要部について説明する。まず、入力が「切り取り指示」であったか否かの判断が行われる(S11)。「切り取り指示」が行われていなければ(S11:NO)、その他の処理が行われて(S22)、メイン処理へ戻る。「切り取り指示」が行われていれば(S11:YES)、まず範囲指定画面200(図5参照)が表示される(S12)。そして、形状選択エリア210において範囲指定の図形の選択の受付が行われて、いずれかの図形が選択されれば、その図形222が表示エリア220に表示される(S13)。そして、表示エリア220に表示されている図形222の範囲指定(マウス33による図形222のハンドル223や線の操作)の受付が行われ(S14)、OKボタン224が選択されたか否かの判断が行われる(S15)。OKボタン224が選択されていなければ(S15:NO)、S13へ戻り範囲指定の図形の選択受付(S13)、範囲指定の受付(S14)が繰り返し行われる。
【0050】
そして、OKボタン224が選択されたら(S15:YES)、範囲指定が完了したので、範囲指定画面200は閉じられ、切抜線設定画面300が表示される(S16)。そこで、切抜線の形状とピッチの設定入力の受付が行われ(S17)、OKボタン340が選択されたか否かの判断が行われる(S18)。OKが選択されていなければ(S18:NO)、S17へ戻り、繰り返し切抜線の形状とピッチの設定入力の受付が行われる(S17)。そして、OKボタン340が選択されたら(S18:YES)、切抜線設定画面300は閉じられ、切り抜き後のイメージ作成処理が行われる(S19、図14参照)。
【0051】
切り抜き後のイメージ作成処理では、図14に示すように、まず、範囲指定画面200で指定された切取領域の境界線の各線分が、切抜線設定画面300で指定された形状及びピッチの線で置き換えられて切抜線が作成される(S21)。そして、切り取り指定された印刷オブジェクトのイメージデータにおける切抜線の外側のイメージデータが削除されて切抜オブジェクトが作成される(S22)。そして、S21で作成された切抜線のデータが部品別表示バッファ記憶エリア112の切抜線データ記憶エリア1124に記憶され、S22で作成された切抜オブジェクトのデータが部品別表示バッファ記憶エリア112の切抜オブジェクトイメージ記憶エリア1122に記憶される(S23)。そして、編集処理へ戻る。
【0052】
編集処理では、S20で編集画面100の作業領域103に表示されている写真オブジェクト141が切抜オブジェクト142に更新されて(図7参照)、メイン処理へ戻る。
【0053】
次に、図15のフローチャートを参照して、印刷処理について説明する。まず、印刷指示が行われた際に1つの印刷オブジェクトが選択されており、その印刷オブジェクトのみを印刷する「部品印刷」が指定されているか否かの判断が行われる(S41)。「部品印刷」の指定がされていなければ(S41:NO)、作業領域103に表示されているイメージ全体をそのまま印刷する「全体印刷」が指定されているので、全体の印刷指示が行われ(S63)、メイン処理へ戻る。
【0054】
「部品印刷」の指示がされていれば(S41:YES)、切取線設定画面400が表示される(S42)。ここでの入力内容に従って印刷が行われる。切取線設定画面400の表示(S42)の後、切取線設定画面400への入力の受付が行われて、OKボタン440が選択されたら(S43)、次に、切取線を付加する選択がなされているか否かの判断が行われる(S44)。切取線指定ラジオボタン410において「切取線を裏面に印刷」又は「切取線を表面に印刷」が選択されていれば、切取線を付加する選択がなされているので(S44:YES)、裏面に付加するか否かの判断が行われる(S45)。
【0055】
切取線指定ラジオボタン410において「切取線を裏面に印刷」が選択されていれば、裏面に付加するので(S45:YES)、まず、オブジェクト情報記憶エリア1121に記憶されている画像のイメージが表面用印刷バッファ記憶エリア1131に展開される(S46)。そして、切取線のイメージデータが作成される(S47)。具体的には、範囲指定データ記憶エリア1123に記憶されている切取範囲を表す図形の頂点座標が読み出され、各頂点間を、切抜線データ記憶エリア1124に記憶されている切抜線のイメージデータをほぼ頂点間の長さで切ったもので結ばれる。そうしてできた閉じた線が切取線のイメージである。そして、この切取線は裏面に印刷されるので、印刷時の用紙送り方向に応じて反転(本実施の形態では左右方向に送るので左右に反転)され(S48)、裏面用印刷バッファ記憶エリア1132に展開される(S49)。そして、両面印刷が指示された印刷データがプリンタ2へ送信される(S50)。そして、メイン処理へ戻る。
【0056】
また、切取線指定ラジオボタン410において「切取線を裏面に印刷」が選択されていなければ、「切取線を表面に印刷」が選択されており、表面に切取線を付加するので(S45:NO)、まず、オブジェクト情報記憶エリア1121に記憶されている画像のイメージが表面用印刷バッファ記憶エリア1131に展開される(S51)。そして、輪郭線を示す切取範囲を表す図形の各頂点座標と余裕量から、切取線設定画面400で設定されている余裕量分外側の図形を示す各頂点座標が求められる。詳しくは、切り取り範囲を示す図形の各辺に対し、それぞれ図形の外側に向かって余裕量分離れた位置に平行に直線を引く。それらの直線同士の交点を求める。交点のうち、元の図形と相似となる図形の頂点だけを求める(S52)。そして、各頂点間を切抜線データ記憶エリア1124に記憶されている切抜線のイメージデータをほぼ頂点間の長さで切ったもので結ばれる。そうしてできた閉じた線を、切取線データ記憶エリア1125に記憶されている太さにすることで切取線のイメージデータが作成される(S53)。
【0057】
そして、作成された切取線のイメージデータと、S51で展開されている切抜オブジェクトのイメージとが合成される(S54)。そして、表面のみの片面印刷が指示された印刷データがプリンタ2へ送信されて(S55)、メイン処理へ戻る。
【0058】
また、「周囲を塗潰す」が選択されている場合には、S44において、切取線を付加しないと判断され(S44:NO)、切抜オブジェクトイメージ記憶エリア1122に記憶されている切抜オブジェクトのイメージが表面用印刷バッファ記憶エリア1131に展開される(S60)。そして、切抜オブジェクトの輪郭線の外側であり、かつ、所定の長方形の内側である領域を背景色で塗り潰す塗り潰しデータが作成される(S61)。所定の長方形は、例えば、切抜オブジェクトのX座標の最小値をx、最大値をX、Y座標の最小値をy、最大値をY、印刷結果において約1cmとなる距離をaとすると、A(x−a,Y+a)、B(X+a,Y+a)、C(X+a,y−a)、D(x−a,y−a)の4点で囲まれる長方形である。なお、それぞれの値が印刷可能領域から外れる場合には、印刷可能領域ぎりぎりの座標に置き換えられる。
【0059】
そして、作成された塗り潰しデータが表面用印刷バッファ記憶エリア1131に展開されて、S60で展開されている切抜オブジェクトのイメージと合成される(S62)。そして、表面のみの片面印刷が指示された印刷データがプリンタ2へ送信されて(S63)、メイン処理へ戻る。
【0060】
以上のようにして、印刷結果を切り取って使用する場合には、切取領域の形状及びその輪郭線(切抜線)の形状を指定することができる。そして、「切取線を表面に印刷」を選択した場合には、カットする人の好みに合わせて切取線の太さや切取領域からの余裕量を設定して、印刷結果と同じ面に切取線を印刷することができる。また、「切取線を背面に印刷」を選択した場合には、印刷結果を印刷する背面に切取線を印刷することができる。この場合には、カット後に切取線が残ってしまい、印刷結果に影響を及ぼすことがない。また、「周囲を塗り潰す」を選択した場合には、切取領域の境界線より外側をその印刷オブジェクトの背景色(周囲の色)で塗り潰す塗り潰し手段(印刷処理のS61,S62)を備えているので、印刷結果の周囲を背景色で塗り潰すことができる。この場合には、カット後に塗り潰しの色が残ってしまったとしても、カット後の印刷結果を貼り付けてしまえば、その背景の色と同じ色なので目立たない。
【0061】
なお、図4及び図7に示す編集画面100の作業領域103が「表示手段」に該当し、図5に示す範囲指定画面200が「切取領域指定手段」に該当する。また、図8に示す切取線設定画面400の余裕量指定リストボックス430が「距離指定手段」に該当し、太さ指定リストボックス420が「太さ指定手段」に該当し、切取線指定ラジオボタン410が「表裏選択手段」に該当する。図6に示す切抜線設定画面300の形状欄310及びピッチ欄320が「線種指定手段」に該当する。そして、図15に示す印刷処理のS46〜S49、S51〜S54の処理を実行するCPU10が「印刷データ作成手段」に相当する。
【0062】
なお、本発明の印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0063】
上記実施の形態では、切抜線設定画面300のピッチ欄320において、A,B,Cのボタンでピッチを指定したが、切抜線イメージ記憶エリア120に記憶されているデータのピッチをmm等の距離を表す単位で表示したり、「狭い」,「広い」などの表示にしたりしてもよい。ピンキングバサミでは、ピッチが表示されて販売されているので、距離で表すとどのピッチにすればよいか判りやすい。また、指定したい長さを入力するようにして、入力されたピッチに合わせて切抜線を生成するようにしてもよい。上記実施の形態では、切取領域の形状は、直線で囲まれた図形から選択するようになっているが、別の実施の形態では円や楕円等曲線からも選べるようになっていてもよい。
【0064】
上記実施の形態では、切取線設定画面400において線の太さと余裕量のみ設定しているが、ここで線種(例えば、実線、点線、一点鎖線など)や色も設定するようにしてもよい。この場合には、図15に示す印刷処理のS47,S53において、設定された線種にしたがって切取線が生成される。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラムは、印刷後、印刷結果を切り取って使用するような印刷物の印刷データを編集する印刷データ編集装置及び印刷データ編集プログラムに適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の印刷データ編集プログラムを搭載した、印刷データ編集装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】ROM12に記憶されている切抜線イメージ記憶エリア120の模式図である。
【図3】RAM11の記憶エリアの模式図である。
【図4】編集画面100のイメージ図である。
【図5】切取領域の形状及び範囲を指定する範囲指定画面200のイメージ図である。
【図6】切取領域の境界線の形状を指定する切抜線設定画面300のイメージ図である。
【図7】切り取り指定をした後の編集画面100のイメージ図である。
【図8】切取線の設定を行う切取線設定画面400のイメージ図である。
【図9】「切取線を表面に印刷」が選択され切取線が印刷された印刷結果500のイメージ図である。
【図10】「周囲を塗潰す」が選択され切取領域の周囲が背景色で塗潰された印刷結果510のイメージ図である。
【図11】「切取線を裏面に印刷」が選択され切取線が裏面に印刷された印刷結果521(表面),522(裏面)のイメージ図である。
【図12】メイン処理の主な処理を示したフローチャートである。
【図13】メイン処理の中で実施される編集処理のフローチャートである。
【図14】編集処理の中で実施される切り抜き後のイメージ作成処理のフローチャートである。
【図15】メイン処理の中で実施される印刷処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 印刷データ編集装置
2 プリンタ
10 CPU
100 編集画面
103 作業領域
141 写真オブジェクト
142 切抜オブジェクト
200 範囲指定画面
210 形状選択エリア
220 表示エリア
221 画像イメージ
222 図形
300 切抜線設定画面
310 形状欄
320 ピッチ欄
330 プレビュー欄
400 切取線設定画面
410 切取線指定ラジオボタン
420 指定リストボックス
430 余裕量指定リストボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷される写真、文字、絵、模様などである印刷オブジェクトを編集するために、当該印刷オブジェクトを表示する表示手段と、
当該表示手段に表示されている印刷オブジェクトを印刷した印刷結果を切り取る場合に、切り取られる領域である切取領域を指定する切取領域指定手段と、
当該切取領域指定手段により指定された前記切取領域を前記印刷結果から切り取るための切取線を前記切取領域の境界線より外側に印刷するための切取線データを前記印刷オブジェクトに付与して、印刷装置で印刷するための印刷データを作成する印刷データ作成手段と
を備えたことを特徴とする印刷データ編集装置。
【請求項2】
前記印刷データ作成手段により付与される前記切取線データの示す前記切取線の前記境界線からの距離を指定する距離指定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷データ編集装置。
【請求項3】
前記切取線の太さを指定する太さ指定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷データ編集装置。
【請求項4】
前記切取領域指定手段は、線の形状を指定することにより前記切取領域の境界の形状を指定する線種指定手段を備え、
前記線の形状は前記印刷結果を切り取る場合に使用されるハサミの切り口の形状を模した線が少なくとも含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷データ編集装置。
【請求項5】
前記切取線を前記印刷データが印刷される面と同じ面である表面に印刷するか、裏面に印刷するかを選択する表裏選択手段を備え、
前記印刷データ作成手段は、
前記表裏選択手段により裏面に印刷すると選択された場合には、前記切取線を前記境界線上に配置し、裏面に印刷する裏面切取線データの前記印刷データを作成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷データ編集装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の印刷データ編集装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための印刷データ編集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−260384(P2006−260384A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79365(P2005−79365)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】